JP2010004065A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の結晶面方位を規定して表面の微細な凹凸を抑制した炭化珪素基板上のエピタキシャル相に半導体装置を形成することによって、その電気的特性を改善する。
【解決手段】炭化珪素半導体基板上に形成する半導体装置として、基板の(000−1)面から0°超で以上1°未満傾斜した面上に成長したエピタキシャル層に、P型あるいはN型領域をイオン注入により選択的に形成して製造したダイオード、トランジスターなどとする。
【選択図】図1

Description

この発明は、基板の結晶面方位を規定して表面の微細な凹凸を抑制した炭化珪素基板上のエピタキシャル相に半導体装置を形成することによって、その電気的特性を改善した半導体装置に関するものである。
半導体基板の炭化珪素領域に形成した半導体装置及びその製造方法については、以下に説明する様に、既にいくつかの発表が行われ、あるいは発明が開示されている。これら従来の炭化珪素領域をもった基板を用いた半導体装置は、通常は炭化珪素領域の(0001)面上にゲート電極を形成する構造であった。一般に、炭化珪素領域の(0001)面にイオン注入でP型あるいはN型領域を形成する場合に、P型あるいはN型不純物をイオン注入した後に、1500℃以上の高温で、活性化のための熱処理が行われる。この際、炭化珪素表面からシリコンが蒸発してしまい、炭化珪素表面の微細な凹凸が大きくなることが知られている。
その結果、金属−絶縁膜−半導体電界効果トランジスター(MISFET)や金属―半導体電界効果トランジスター(MESFET)のチャネル移動度の低下やイオン注入領域の結晶欠陥が大きくなることによるショットキー・バリア・ダイオード(SBD)や接合型電界効果トランジスター(JFET)のリーク電流が大きくなり、実際には使用できないという問題があった。また、これまで、SiC基板上のエピタキシャル層の形成は、主に、(0001)面で行われてきたが、6H−SiCでは、3.5°、4H−SiCでは、8°オフした基板上でなくては、エピタキシャル層を形成することはできずなかった。また、(0001)ジャスト面上にエピタキシャル層を形成しようとすると、SiとCを含む分子種の過飽和度が高くなり、二次元核が発生し、低温で安定なポリタイプである3C−SiCが形成されてしまい、六方晶のバルク基板上にエピタキシャル層が形成できなかった。3.5°や8°ものオフ角度があると、電極やゲート絶縁膜と炭化珪素界面の凹凸が大きく、半導体素子の電気特性を劣化させる問題があった。
例えば、非特許文献1には、不純物の活性化熱処理が高温で行われるために、ステップバンチングが発生して、表面の凹凸が大きくなり、4H−SiCパワーMOSFETのオン抵抗値が理論値まで下がるには、100cm/Vs以上のチャネル移動度が必要であるが、1cm/Vs以下にしかならないことが記載されている。
また、非特許文献2には、DiMOSFET型のSiCパワーMOSFETにおいて、P型不純物(アルミニウム)をイオン注入した後に、1600℃付近で熱処理をするために、チャネル移動度が室温で22cm/Vsにしかならないことが記載されている。
また、非特許文献3には、Lateral DMOSFET型のSiCパワーMOSFETにおいて、P型不純物(アルミニウム)をイオン注入した後に、1600℃で40分の活性化熱処理をするためにチャネル移動度が、4から5cm/Vs程度にしかならないことが記載されている。
一方、非特許文献4には、6H−SiCの(000−1)面にゲート酸化膜の下に不純物を注入するチャネルドーピングを用いてMOSFETを形成して動作させた報告があるが、これはN型の半導体領域のみをイオン注入で形成しており、ゲート酸化膜はドライ酸化で形成しており、後の実施例で述べる半導体装置とは構造が異なる。
また、特許文献1には、<11−20>方向に3°以上傾斜させたバルク基板上にエピタシシャル層を形成する技術が開示されている。また、特許文献2には、1°以上傾斜さ
せたバルク基板上にエピタキシャル層を形成する技術が開示されている。特許文献3には、<1−100>方向に2°以上傾斜させた基板上にエピタキシャル層を形成する技術が
記載されている。いずれも、大きな傾斜が必要であり、電極あるいはゲート絶縁膜と炭化珪素界面の凹凸が大きくなり、ゲート絶縁膜の信頼性を劣化させ、電極のリーク電流が増加する問題がある。
J.A.Cooper,Jr.,M.R.Melloch,R.Singh,A.Agarawal,J.W.Palmour,Statusand Prospects for SiC Power MOSFETs,IEEE Transaction on electron devices, vol.49, No.4, April 2002, p.658 S.H.Ryu,A.Agarwal,J.Richmond,J.Palmour,N.Saks,andJ.Williams,10A,2.4kV Power DiMOSFETs in 4H-SiC, IEEEElectron device letters, vol.23, No.6, June 2002, p.321 J.Spitz,M.R.Melloch,J.A.Cooper,Jr.,M.A.Capano,2.6kV 4H-SiC Lateral DMOSFET's, IEEE Electron device letters,vol.19,No.4,April1998,p.100 S.Ogino,T.Oikawa,K.Ueno,Channel Doped SiC-MOSFETs, Mat.Sci.Forum,338-342, (2000), p.1101
米国特許第4912064号 米国特許第5011549号 米国特許第6329088号
このように、上記の各文献の記載からにおいて、炭化珪素半導体基板上に不純物がイオン注入で形成されたP型領域及びN型領域を有する半導体装置は、(0001)面に形成されている。しかしながら、炭化珪素基板には、様々な面方位があり、面方位とその面方位における不純物の熱処理方法及びエピタキシャル層を形成する前の基板の状態やエピタキシャル層の形成方法を工夫することにより、不純物活性化熱処理後の炭化珪素基板表面の凹凸化を抑制して、半導体装置の電気的特性を向上できる可能性があった。
この発明は上記に鑑み提案されたもので、イオン注入で形成されたP型、N型の不純物半導体領域を有する炭化珪素半導体基板を用いた半導体装置において炭化珪素半導体基板表面の凹凸を小さくすることにより、最終的に半導体装置の電気特性を向上することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、ダイオードに関するものであり、
炭化珪素半導体基板上に形成された半導体装置であって、その基板は、炭化珪素半導体基板の(000−1)面から0°超で1°未満傾斜した面上に成長したエピタキシャル層を有し、上記のエピタキシャル層に、P型半導体領域あるいはN型半導体領域の少なくとも一方がイオン注入により選択的に形成され、上記のP型半導体領域あるいはN型半導体領域の表層に接触するように金属電極が形成され、上記の金属電極と上記のP型半導体領域あるいはN型半導体領域との間で整流作用を示すショットキー・バリア・ダイオード、あるいは、PN型ダイオードであることである。
また、性能を改善したトランジスターを実現できるものであることから、第2の特徴は、炭化珪素半導体基板上に形成された半導体装置であって、その基板は、炭化珪素半導体基板の(000−1)面から0°超で1°未満傾斜した面上に成長したエピタキシャル層を有し、上記のエピタキシャル層に、P型半導体領域あるいはN型半導体領域の少なくとも一方がイオン注入により選択的に形成され、上記のP型半導体領域あるいはN型半導体領域の表層に接触するように金属電極が形成され、前記の金属電極は、ゲート電極を構成し、該ゲート電極に近接して、該ゲート電極を挟み込む位置にソース領域およびドレイン領域が形成されている、MES型電界効果トランジスターあるいは接合型電界効果トランジスター、であることである。傾斜が1°以上であると、電極と炭化珪素基板間の凹凸が大きく、電極の安定性が劣化し、リーク電流が増加する。したがって、傾斜角度は、0°超で1°未満に限定される。
また、水素を含ませることによってゲート絶縁膜を改質できることから、第3の特徴は、炭化珪素半導体基板上に形成された半導体装置であって、その基板は、炭化珪素半導体基板の(000−1)面から0°超で1°未満傾斜した面上に成長したエピタキシャル層を有し、上記のエピタキシャル層に、P型半導体領域あるいはN型半導体領域の少なくとも一方がイオン注入により選択的に形成され、上記のP型半導体領域あるいはN型半導体領域の表層にゲート絶縁膜が形成されており、前記ゲート絶縁膜はシリコン酸化膜であり、該シリコン酸化膜の炭化珪素基板に接する層は上記のエピタキシャル層を水を含んだ雰囲気で熱酸化することにより形成したもので、該ゲート絶縁膜中の水素密度は、最大で立方センチメートルあたり1.0×1019以上であり、MOS型構造を備えることである。傾斜が1°以上であると、ゲート絶縁膜と炭化珪素基板間の凹凸が大きく、ゲート絶縁膜の信頼性を劣化させる。したがって、傾斜角度は、0°超で1°未満に限定される。
また、第4の特徴は、ゲート絶縁膜を改質したトランジスターに関しており、上記の第3の特徴に加えて、上記の半導体装置は、上記のゲート電極に近接して、該ゲート電極を挟み込む位置にソース領域およびドレイン領域が形成されている横型MIS電界効果型トランジスターであることである。
また、第5の特徴は、オン抵抗を改善したトランジスターに関し、上記の第3の特徴に加えて、上記の半導体装置は、上記炭化珪素半導体領域の表面にゲート絶縁膜およびゲート電極を有し、該ゲート電極の近傍にソース領域を有し、上記の炭化珪素半導体基板の裏面にドレインを有し、ゲート電極に印加する電圧の変化により上記のエピタキシャル層の表面に垂直なC軸方向に流れる電流を制御することができる縦型MIS電界効果トランジスターである、ことである。
また、上記炭化珪素半導体基板を電極あるいは半導体装置の一部として使用すると上記の半導体装置以外の半導体装置が実現できることから、第6の特徴は、上記の第1から第5のいずれかの特徴に加えて、上記炭化珪素半導体基板はP型若しくはN型であることである。
また、不純物活性化熱処理を最適化することによりその電気特性を改善できることから、第7の特徴は、上記の第1から第6のいずれかの特徴に加えて、上記のP型半導体領域あるいはN型半導体領域は、上記のエピタキシャル層にP型あるいはN型半導体領域を形成するための不純物をイオン注入した後に、1500℃から2000℃の温度の不活性ガス雰囲気中で10秒間から10分間のあらかじめ決められた時間にわたり、不純物活性化熱処理が施されたものであることである。
また、不純物活性化熱処理時の昇温過程における不適当な不純物拡散プロファイルを少なくするために、第8の特徴は、上記の第1から第7のいずれかの特徴に加えて、上記のP型半導体領域若しくはN型半導体領域は、上記のエピタキシャル層にP型あるいはN型半導体領域を形成するための不純物をイオン注入した後に、不活性ガス雰囲気中で1200℃以下の温度から1500℃以上2000℃以下のいずれかの温度まで1分間以内で昇温し、1500℃から2000℃のいずれかの温度で10秒間から10分間のあらかじめ決められた時間にわたり、不純物活性化熱処理が施されたものであることである。
また、第9の特徴は、上記の第1から第8のいずれかの特徴に加えて、上記の炭化珪素半導体基板は4H−SiCであることである。
また、第10の特徴は、上記の第1から第11のいずれかの特徴に加えて、上記のエピタキシャル層は、250mbar(25kパスカル)以下の圧力下において、シランガスとプロパンガスを反応させることにより形成したことである。
また、第11の特徴は、上記の第1から第12のいずれかの特徴に加えて、上記のエピタキシャル層は、シランとプロパンガスの気相反応により形成するが、前記の気相反応の生じる雰囲気における、炭素(C)の原子密度の珪素(Si)の原子密度に対する組成比が1以下であることである。
この発明の半導体装置では、少なくとも最表層が(000−1)面の炭化珪素からなる半導体領域を有するとともに、その炭化珪素半導体領域にP型半導体領域およびN型半導体領域の少なくとも一方がイオン注入により選択的に形成されているので、炭化珪素半導体領域表面の凹凸を小さくすることができ、それにより、半導体装置のオン抵抗、耐電圧等の電気特性を向上することができる。また、P型半導体領域やN型半導体領域をイオン注入で形成した後、不純物活性化熱処理を施すので、炭化珪素半導体領域の最表層をより一層凹凸のない状態にすることができ、それに応じて半導体装置の電気特性を一層向上させることができる。
本発明の半導体装置の一例としてのショットキー・バリア・ダイオードの断面模式図を示す図である。 本発明の半導体装置の一例としての横型MIS電界効果トランジスターの断面模式図を示す図である。 本発明の半導体装置の一例としての横型MIS電界効果トランジスターの断面模式図である。 本発明の半導体装置の一例としての縦型MIS電界効果トランジスターの断面模式図である。 エピタキシャル層をシランとプロパンの気相化学反応で形成する時の圧力を変えた場合のエピタキシャル層表面の光学顕微鏡写真(倍率:200倍) エピタキシャル層をシランとプロパンの気相化学反応で形成する時のCとSiの比を変えた場合のエピタキシャル層表面の光学顕微鏡写真(倍率:200倍) 本発明の半導体装置をインバータに用いた例を示す回路図である。 ゲート酸化膜付近の水素密度のSIMSによる実測値を示すグラフである。
以下では、まず、(000−1)面の炭化珪素基板を用いて形成した半導体装置の一例として、ショトッキー・バリア・ダイオード、横型MIS電界効果トランジスター、および縦型MIS電界効果トランジスターの製造方法について説明する。次いで、通常炭化珪素半導体基板を用いた半導体装置に使用されている(0001)面と、本発明で提案した(000−1)面にイオン注入した基板を熱処理した後の基板の表面粗度を原子間力顕微鏡で測定した結果を示す。さらに、(000−1)面から0°超で1°未満オフした面上にエピタキシャル層を形成する時の、圧力及びC/Si比が、表面粗度に与える効果について説明する。
(実施例1)
図1は本発明の半導体装置の一例としてのショットキー・バリア・ダイオードの断面模式図である。このショットキー・バリア・ダイオードは、下記の手順で製造した。
(1)先ずN型4H−SiCバルク基板1(抵抗率:0.002Ωcm、厚さ:300μm)の(000−1)面に、化学気相法で窒素を不純物として用い、濃度1×1016cm−3のN型のエピタキシャル層2を10μm成長させた。このバルク基板1とエピタキシャル層2とは炭化珪素半導体領域を形成し、エピタキシャル層2の最表層も(000−1)面となっている。
(2)そして、ショットキー電極6の周辺部にガードリングを形成するために、エピタキシャル層2のガードリングを形成する領域にアルミニウムあるいはボロンのP型不純物を1×1017個cm−3イオン注入し、ガードリング用P型不純物領域(P型半導体領域)3を形成した。この時にイオン注入用のマスクは、低圧化学気相法で形成された二酸化珪素膜を用いた。二酸化珪素膜のイオン注入する部分をフッ酸で開孔した後に、室温から1000℃の範囲でイオン注入するが、本実施形態では、室温でイオン注入した。
(3)次いで、アルゴン雰囲気中で、1200℃以下の温度から1500℃から2000℃、好ましくは1700℃の温度まで1分以内で昇温して、10秒から10分間の活性化熱処理を行う。本実施例では、1500℃で5分間の熱処理を行った。
(4)続いて、バルク基板1の裏面側の(0001)面に、Ni層あるいはTi層(裏面電極4)をスパッタ法によって形成した後に、不活性雰囲気中で1000℃付近で熱処理して裏面電極4を形成する。スパッタ法の代わりに蒸着法を用いても良い。
(5)次に、パッシベーション用の酸化膜5を、イオン注入したエピタキシャル層2側に成膜し、酸化膜5のショットキー電極を形成する部分を開口し、Ni膜あるいはTi膜をスパッタ法によって形成する。このNi膜あるいはTi膜は、ショットキー電極(金属電極)6であり、イオン注入したエピタキシャル層2との接触領域でショットキー接合を形成する。ここでも、スパッタ法の代わりに蒸着法を用いても良い。
(6)そして、アルミニウム合金からなる金属配線7をスパッタ法によって形成して半導体装置を完成する。ここでも、スパッタ法の代わりに蒸着法を用いても良い。この半導体装置は、炭化珪素半導体領域の(000−1)面にゲート(ショットキー電極)を有し、(0001)面にドレイン(裏面電極)を有し、ドレインとゲート間に交番電圧を印加することにより(000−1)面に垂直なC軸方向に流れる電流の方向を制御する整流素子として機能するようになる。
このように、ショットキー・バリア・ダイオードを製造する際に、最表層が(000−1)面を有する炭化珪素半導体領域1、2に、P型半導体領域3をイオン注入により形成したので、炭化珪素半導体基板1、2表面の微細な凹凸を小さくすることができ、それにより、ショットキー・バリア・ダイオードのオン抵抗、耐電圧等の電気特性を向上することができた。
また、P型半導体領域3をイオン注入で形成した後、不純物活性化熱処理を施したので、炭化珪素半導体領域1、2の最表層をより一層凹凸のない状態にすることができ、それに応じてショットキー・バリア・ダイオードの電気特性を一層向上させることができた。
上記の説明では、本発明を、(000−1)面に垂直なC軸方向に流れる電流の方向を制御するショットキー・バリア・ダイオードに適用するようにしたが、上記の(2)のプロセスでP型半導体領域3をイオン注入で形成した後、N型半導体領域をイオン注入で形成し、以下上記と同様なプロセスを用いることにより、同様に(000−1)面に垂直なC軸方向に流れる電流の方向を制御するPN型ダイオードに適用するようにしてもよい。
(実施例2)
図2は本発明の横型MIS電界効果型の一例としての横型(Lateral resurf MOS構造
)半導体装置の断面模式図である。
(1)先ずP型4H−SiCバルク基板11(抵抗率:2Ωcm、厚さ:300μm)の(000−1)面に、化学気相法でアルミニウムを不純物として用いて10〜15μmのP型エピタキシャル層12を形成した。P型不純物濃度は、5×1015個cm−3である。ここで、SiCバルク基板11はN型でもよい。このバルク基板11とエピタキシャル層12とは炭化珪素半導体領域を形成し、エピタキシャル層12の最表層も(000−1)面となっている。
(2)次いで、ソース領域およびドレイン領域を形成するためのイオン注入用マスクを、熱酸化膜やCVD(Chemical Vapor Deposition)によるSiO2膜で形成する。本実施形態では、イオン注入マスクとして、LTO(Low Temperature Oxide)膜を用いた。
LTO膜は、シランと酸素を400℃から800℃で反応させて二酸化珪素を堆積することにより形成した。
(3)続いて、フォトリソグラフィーでソース領域およびドレイン領域を形成した後に、HF(フッ酸)でLTO膜をエッチングしてイオン注入されるソース領域およびドレイン領域を開口し、その開口に500℃で、窒素、燐あるいは砒素をイオン注入して、N型不純物領域を形成し、ソース131およびドレイン132とした。
(4)次いで、ソース131およびドレイン132と同様の方法でイオン注入し、高耐圧化のためのN−型不純物領域14を形成した。この層は、2以上の領域に分割して、ゲートからドレインへ近づくにつれて濃度が濃くなっていてもよい。さらに、P型エピタキシャル層12へのオーミックコンタクトをとるために、ソース131、ドレイン132およびN−型不純物領域14の場合と同様に、イオン注入マスクを形成した後にアルミニウムあるいはボロンをイオン注入し、P型不純物領域15を形成した。なお、ここでN-型の「−」はN型領域のN型不純物濃度よりも低濃度であることを示し、P+型の「+」はP型領域のP型不純物濃度よりも高濃度であることを示している。
(5)その後、アルゴン雰囲気中において1500℃で5分の熱処理を行い不純物活性化熱処理を行った。この温度は、1500℃から2000℃の範囲において選択でき、その時間は、10秒間から10分間で選択できる。その後1200℃以下の温度まで1分で冷却を行った。この時間は1分から5分の間で選択することができる。この時に、1200℃以下の温度から熱処理温度まで1分以内で昇温するとさらによい。
(6)続いて、エピタキシャル層12上にパッシベーション用のSiO膜16を熱酸化膜やLTO膜で形成する。本実施形態では、LTO膜で形成した。
(7)さらに、ゲート絶縁膜を形成する部分を開口し、800℃〜1200℃でOガスあるいは、HO(水)を含むOガスで酸化し、約50nmのゲート絶縁膜17を形成した。このゲート絶縁膜17は、その全体あるいは少なくともエピタキシャル層12に接する層が炭化珪素を熱酸化することにより形成され、水を含んだOガス雰囲気で熱酸化した場合は、形成されたゲート絶縁膜中に水素が含まれている。
(8)そのゲート絶縁膜17上にゲート電極(金属電極)18を形成した。このゲート電極18は、アルミニウム、あるいはN型、P型ポリシリコンのいずれで形成してもよい。なお、ゲート絶縁膜17とゲート電極18をゲートと称することとする。
(9)引き続いて、ソース131およびドレイン132上のSiO膜16をエッチングしてコンタクト孔を開口した。
(10)次いで、ニッケル、チタン、アルミニウムを含有した金属あるいはこれらの積層膜を蒸着あるいはスパッタ法で形成した後に、反応性イオンエッチング(RIE)あるいはウエットエッチングによりコンタクト電極(金属電極)19を形成し、不活性雰囲気中で1000℃付近で熱処理してオーミックコンタクト化した。
(11)最終的に、アルミニウムを含有した金属を蒸着あるいはスパッタ法で形成した後に、RIEあるいはウエットエッチングにより、金属配線10を形成して完成させた。
(実施例3)
図3は本発明の横型MIS電界効果型トランジスターの一例としての横型(Lateral resurf MOS構造)半導体装置のうち、図2とは異なる構造のものの断面模式図である。基本的には図2と同じであるが、エピタキシャル層12にP型不純物領域122を設け、そのエピタキシャル層122に上記の、ソース131およびP+型不純物領域15を形成した点が図2とは異なっている。
この図2および図3に示した横型Lateral resurf MOSFET半導体装置は、炭化珪素半導体領域の(000−1)面にゲート(ゲート絶縁膜とゲート電極から成る)、ソースおよびドレインを有し、ゲートに電圧を印加することにより(000−1)面内でソースとドレイン間に流れる電流の通電/遮断を制御するスイッチング素子である。
この他に横型半導体装置の例としては、MES型電界効果トランジスターがある。これは、(000−1)面にゲート、ソースおよびドレインを有して、ゲートに電圧を印加することにより(000−1)面内に流れる電流の通電/遮断を制御する点では、横型Lateral resurf MOSFET半導体装置と同じであるが、ゲート電極の下にゲート絶縁膜はなく炭化珪素半導体の上に直接、金属からなるゲート電極が形成されている。
このように、横型半導体装置を製造する際に、最表層が(000−1)面を有する炭化珪素半導体領域11,12に、ソース131、ドレイン132、N−型不純物領域14、P+型不純物領域15等のP型半導体領域やN型半導体領域をイオン注入により形成したので、炭化珪素半導体基板11,12表面の微細な凹凸を(0001)面よりも小さくすることができ、それにより、横型半導体装置のオン抵抗、耐電圧等の電気特性を向上することができた。
また、ソース131、ドレイン132、N-型不純物領域14、P+型不純物領域15等のP型半導体領域やN型半導体領域をイオン注入で形成した後に、不活性雰囲気中で1500℃から2000℃の温度まで昇温し、その温度で10秒間から10分間の不純物活性化熱処理を施したので、さらに、不活性雰囲気中で1200℃以下の温度から1分以内で1500℃から2000℃の温度まで昇温し、その温度で10秒間から10分間の不純物活性化熱処理を施したので炭化珪素半導体領域11、12の最表層をより一層凹凸のない状態にすることができ、それに応じて横型半導体装置の電気特性を一層向上させることができた。
図4は本発明の半導体装置の一例としての縦型MIS電界効果トランジスターの断面模式図である。
(1)この発明の半導体装置では、バルク基板21を、高濃度N型の4H−SiC基板で形成し、その(000−1)面上に、低濃度のN型炭化珪素からなるエピタキシャル層22を形成した。このバルク基板21とエピタキシャル層22とは炭化珪素半導体領域を形成し、エピタキシャル層22の最表層も(000−1)面となっている。
(2)次に、そのエピタキシャル層22上に、第1の濃度を有し炭化珪素からなる第1N型不純物領域23を化学気相法でエピタキシャル成長させた。続いてこの段階の炭化珪素からなる基板を通常のRCA洗浄をした後に、リソグラフィー用のアライメントマークをRIE(Reactive ion etching)で形成した。
(3)そして、イオン注入用のマスクにLTO(Low temperature oxide)膜を用いた。このLTO膜は、シランと酸素を400℃〜800℃で反応させて二酸化珪素を炭化珪素基板(第1N型不純物領域23)上に堆積することにより形成した。この温度は、400℃〜800℃で選択することができる。
(4)次いで、リソグラフィーでイオン注入する領域を形成した後に、HF(フッ酸)でLTO膜をエッチングしイオン注入される領域を開口した。
(5)次いで、第1N型不純物領域23に、アルミニウムあるいはボロンをイオン注入することにより、第1N型不純物領域3の両サイドに隣接して第1P型炭化珪素領域(P型(P-)ウエル)24,24を形成した。
(6)さらに、高耐圧化のために、イオン注入により、第1P型炭化珪素領域24よりも高濃度の第2P型炭化珪素領域(P領域)24aを第1P型炭化珪素領域24の下部領域に形成した。その第2P型炭化珪素領域24aには、1018個cm-3〜1019個cm-3のアルミニウムあるいはボロンを注入して形成することで、確実に耐圧性を向上させることができることが分かった。
(7)さらに、必要に応じて、ゲート酸化膜形成予定領域下方の第1P型炭化珪素領域24の表面から内部にわたって選択的に、十分な不純物濃度を有するN型不純物領域としての埋め込みチャネル領域25を形成した。この埋め込みチャネル領域25の形成は、深さ(Lbc)=0.3μmにおいて、1×1015個cm-3〜5×1017個cm-3のイオン注入で行った。そして、燐を総ドーズ量が7×1015個cm-2となるようにして多段注入し、注入エネルギーを40keV〜250keVの範囲で制御することにより所望の深さに形成した。
(8)次に、第1N型不純物領域23とは離れた位置で、第1P型炭化珪素領域24、24の表面から内部にわたって選択的に第2の濃度の第2N型不純物領域(N+ソース)26、26を形成した。
(9)さらに必要に応じて、第2N型不純物領域26と埋め込みチャネル領域25との間の第1P型炭化珪素領域24には、その表面から内部にわたって選択的に第3の濃度の第3N型不純物領域27をイオン注入で形成した。
(10)その後、アルゴン雰囲気中において1500℃から2000℃の範囲において、10秒から10分間不純物活性化熱処理を行い、その後1200℃以下の温度まで1分から5分で冷却を行った。本実施例では、1500℃で5分の熱処理を行った。この時に、1200℃以下から熱処理温度まで1分以内で昇温するとさらによい。
(11)次いで、1200℃でO2雰囲気あるいはH2Oを含むO2雰囲気で酸化して、約50nmのゲート酸化膜28、28を形成した。このゲート絶縁膜28は、その全体あるいは少なくともエピタキシャル層22に接する層が炭化珪素を熱酸化することにより形成され、水を含んだO2ガス雰囲気で熱酸化した場合は、形成されたゲート絶縁膜中に水素が含まれている。このSIMS(2次イオン質量分析装置)による実測値を図8に示す。炭化珪素基板とゲート酸化膜との界面を中心にして、水素が分布していることがわかる。この界面での最大値としては、立方センチメートルあたり1.0×1019以上あれば、移動度が改善される。
(12)続いて、アルゴン中で30分間アニールした後に室温までアルゴン中で冷却した。
(13)その後にゲート電極29、29を形成した。ゲート電極29、29は、P+ポリシリコンで形成した。P+ポリシリコンでゲート電極29、29を形成するための方法としては、1)CVD法で多結晶ポリシリコンを形成した後に、ボロンやフッ化ボロンをイオン注入することによりP型多結晶シリコンを形成する、2)CVD法で多結晶ポリシリコンを形成した後に、ボロンを含んだSiO2膜をCVD法やスピン塗布により形成して、800℃〜1100℃で熱処理し拡散することにより、ボロンを注入してP型多結晶シリコンを形成する、3)シランとジボランを一緒に流して600℃で熱処理することにより多結晶シリコンにボロンを注入してP型多結晶シリコンを形成する、などがある。この実施形態では、2)の方法を用いた。
(14)そして、エッチングすることによりゲート電極29、29の形成を完了した。なお、上記の説明では、ゲート電極29をP+ポリシリコンで形成するようにしたが、アルミニウム、アルミニウム合金、あるいはモリブデン金属で形成してもよい。ゲート電極29をアルミニウム、アルミニウム合金、あるいはモリブデン金属で形成した場合のゲート酸化膜28との界面は、ゲート電極29にポリシリコンを用いた場合のゲート酸化膜28との界面よりも良好であり、チャネル移動度が高くなるという効果も確認することができた。
また、上記のゲート電極29、29上に、WSi2、MoSi2、あるいはTiSi2の何れかからなるシリサイド膜30を形成してもよい。
(15)引き続いて、層間絶縁膜31をCVD法で堆積した後に、第2N型不純物領域(N+ソース)26,26上および第1P型炭化珪素領域(P-ウエル)24,24上の層間絶縁膜31をエッチングして、コンタクト孔を開口した。
(16)次いで、ニッケル、チタン、アルミニウムを含有した金属、あるいはこれらの合金からなる積層膜を蒸着あるいはスパッタ法で形成した後に、
(17)RIEあるいはウエットエッチングにより、多結晶シリコンからなる金属配線32を形成し、第1P型炭化珪素領域24と第2N型不純物領域26とを短絡させた。この実施形態では、アルミニウムを蒸着した後に、ウエットエッチングして金属配線32を形成した。
(18)次いで、バルク基板21の裏側に、金属を蒸着法あるいはスパッタ法で必要な厚さ付けることで、ドレイン電極33を形成した。この実施形態では、ニッケルをスパッタ法でつけた。
(19)また、必要に応じて、1000℃のアルゴン中で5分間の熱処理を行い、このようにして縦型MIS電界効果トランジスターを完成させた。
縦型半導体装置としては、この他に、接合型電界効果トランジスターがある。これは、ゲート電極の下に酸化膜がなく、炭化珪素上に金属のゲート電極が直接接触するように形成された構造になっている。このゲート電極に電圧を印加することにより(000−1)面に垂直な方向に流れる電流の通電/遮断を制御する。
このように、縦型MIS電界効果トランジスター及び接合型電界効果トランジスターを製造する際に、最表層が(000−1)面を有する炭化珪素半導体基板(炭化珪素半導体領域)21、22に、第1N型炭化珪素領域23、第1P型炭化珪素領域24、第2P型炭化珪素領域24a等のP型半導体領域やN型半導体領域をイオン注入により形成したので、炭化珪素半導体基板21,22表面の凹凸を(0001)面よりも小さくすることができ、それにより、縦型MIS電界効果トランジスター及び接合型電界効果トランジスターのオン抵抗を約10分の1にすることができた。
また、第1N型炭化珪素領域23、第1P型炭化珪素領域24、第2P型炭化珪素領域24a等のP型半導体領域やN型半導体領域をイオン注入で形成した後、不純物活性化熱処理を施したので、炭化珪素半導体基板21、22の最表層をより一層凹凸のない状態にすることができ、それに応じて縦型MIS電界効果トランジスター及び接合型電界効果トランジスターの電気特性を一層向上させることができた。
上記で説明した本発明に係る半導体装置、例えばショットキー・バリア・ダイオード、PN型ダイオード、接合型電界効果トランジスター、横型MIS電界効果トランジスター、縦型MIS電界効果トランジスターは、その電気特性の改善によって、電力変換器、駆動用インバータ、汎用インバータ、また、MES型電界効果トランジスターは、GHz帯の大電力高周波用の通信用機器に部品として組み込まれることによりそれらの装置の性能を向上させるのに寄与することができる。図7に、本発明の横型MIS電界効果トランジスターを駆動用インバータの図7のAの位置にあるトランジスターに適用した回路図を示す。
次に、炭化珪素半導体基板の(0001)面と(000−1)面の表面粗度(RMS)に対する熱処理時間の効果について説明する。
表面粗度に対する活性化熱処理の効果を調べるために、(0001)面の炭化珪素基板と、(000−1)面の炭化珪素基板とを室温から1600℃まで1分で昇温して、それぞれ1分間と10分間の活性化熱処理を行い、表面を原子間力顕微鏡で観測して表面粗度(RMS)を測定した。その結果を表1に示す。表1から分かるように、熱処理時間が1分でも10分でも(0001)面より(000−1)面の方が表面粗度(RMS)が小さく、半分程度になっている。
したがって、(000−1)面にイオン注入領域を有する半導体装置を形成することにより、その上にゲート絶縁膜あるいは、ゲート電極を形成して、横型MIS電界効果トランジスター、縦型MIS電界効果トランジスター、MES型電界効果トランジスター、接合型電界効果トランジスター等の半導体装置を作製すると、通電時に電子が流れる時に、炭化珪素基板表面の凹凸による散乱が減少して、電子が流れやすくなりオン抵抗が下がる。また、MES型電界効果トランジスターの高周波特性が向上する。また、横型MIS電界効果トランジスター、縦型MIS電界効果トランジスター、MES型電界効果トランジスター、接合型電界効果トランジスター、ショットキー・バリア・ダイオード、PN型ダイオードで接合部分が形成される場合には、結晶欠陥が形成し難いので、ゲート電極に逆方向(負)の電圧を印加した場合に、リーク電流が減少すると同時に耐電圧を向上させることができる。
(000−1)面から0°以上1度未満傾斜した面上にエピタキシャル層をシランとプロパンガスの化学気相反応で形成する時の圧力を250mbar(25kパスカル)と500mbar(50kパスカル)で行った場合のエピタキシャル層表面の光学顕微鏡写真(200倍)を図5に示す。500mbarでは、表面が凹凸であるが、250mbarでは、表面が平滑である。したがって、250mbar以下の圧力で、エピタキシャル層を形成することにより、(000−1)面から0°以上1度未満傾斜した面上でも、平滑なエピタキシャル層を形成でるので、このようなエピタキシャル層上に電極やゲート絶縁膜を形成した半導体装置は、優れた電気特性を示す。
また、(000−1)面から0°以上1度未満傾斜した面上にエピタキシャル層をシランとプロパンガスの化学気相反応で形成する時のCとSiの原子数の比を0.6、1、1.5、3で行った場合のエピタキシャル層表面の光学顕微鏡写真(200倍)を図6に示す。(c)C/Si=1.5では、三角形の欠陥が多少存在する。(d)C/Si=3では、非常に多くの欠陥が存在している。一方、C/Si=0.6(a)と1.0(b)では、欠陥は観測されず、平滑である。したがって、C/Si=1.0以下でエピタキシャル層を形成することにより、(000−1)面から0°以上1度未満傾斜した面上でも、平滑なエピタキシャル層を形成できるので、このようなエピタキシャル層上に電極やゲート絶縁膜を形成した半導体装置の電気特性を優れたものにすることが可能である。
以上述べたように、この発明の半導体装置では、少なくとも最表層が(000−1)面の炭化珪素からなる半導体領域を有するとともに、その炭化珪素半導体領域にP型半導体領域およびN型半導体領域の少なくとも一方がイオン注入により選択的に形成されているので、炭化珪素半導体領域表面の凹凸を小さくすることができ、それにより、半導体装置のオン抵抗、耐電圧等の電気特性を向上することができる。
また、P型半導体領域やN型半導体領域をイオン注入で形成した後、不純物活性化熱処理を施すので、炭化珪素半導体領域の最表層をより一層凹凸のない状態にすることができ、それに応じて半導体装置の電気特性を一層向上させることができる。
また、本発明の半導体装置を用いて、電力変換器、駆動用インバータ、汎用インバータ、あるいは、大電力高周波通信機器を構成することができる。
1 バルク基板(炭化珪素半導体領域)
2 エピタキシャル層(炭化珪素半導体領域)
3 P型半導体領域
4 裏面電極
5 酸化膜
6 ショットキー電極
7 金属配線
10 金属配線
11 バルク基板(炭化珪素半導体領域)
12 エピタキシャル層(炭化珪素半導体領域)
122 P型不純物領域
131 ソース(N+型不純物領域)
132 ドレイン(N+型不純物領域)
14 N−型不純物領域
15 P+型不純物領域
16 SiO
17 ゲート絶縁膜
18 ゲート電極
21 バルク基板(炭化珪素半導体領域)
22 エピタキシャル層(炭化珪素半導体領域)
23 第1N型炭化珪素領域
24 第1P型炭化珪素領域
24a 第2P型炭化珪素領域
25 埋め込みチャネル領域(N−型不純物領域)
26 第2N型不純物領域
27 第3N型不純物領域
28 ゲート酸化膜
29 ゲート電極
30 シリサイド膜
31 層間絶縁膜
32 金属配線

Claims (11)

  1. 炭化珪素半導体基板上に形成された半導体装置であって、
    その基板は、炭化珪素半導体基板の(000−1)面から0°超で1°未満傾斜した面上に成長したエピタキシャル層を有し、
    上記のエピタキシャル層に、P型半導体領域あるいはN型半導体領域の少なくとも一方がイオン注入により選択的に形成され、
    上記のP型半導体領域あるいはN型半導体領域の表層に接触するように金属電極が形成され、
    上記の金属電極と上記のP型半導体領域あるいはN型半導体領域との間で整流作用を示すショットキー・バリア・ダイオード、あるいは、PN型ダイオード、
    であることを特徴とする半導体装置。
  2. 炭化珪素半導体基板上に形成された半導体装置であって、
    その基板は、炭化珪素半導体基板の(000−1)面から0°超で1°未満傾斜した面上に成長したエピタキシャル層を有し、
    上記のエピタキシャル層に、P型半導体領域あるいはN型半導体領域の少なくとも一方がイオン注入により選択的に形成され、
    上記のP型半導体領域あるいはN型半導体領域の表層に接触するように金属電極が形成され、
    前記の金属電極は、ゲート電極を構成し、該ゲート電極に近接して、該ゲート電極を挟み込む位置にソース領域およびドレイン領域が形成されている、
    MES型電界効果トランジスターあるいは接合型電界効果トランジスター、
    であることを特徴とする半導体装置。
  3. 炭化珪素半導体基板上に形成された半導体装置であって、
    その基板は、炭化珪素半導体基板の(000−1)面から0°超で以上1°未満傾斜した面上に成長したエピタキシャル層を有し、
    上記のエピタキシャル層に、P型半導体領域あるいはN型半導体領域の少なくとも一方がイオン注入により選択的に形成され、
    上記のP型半導体領域あるいはN型半導体領域の表層にゲート絶縁膜が形成されており、前記ゲート絶縁膜はシリコン酸化膜であり、該シリコン酸化膜の炭化珪素基板に接する層は上記のエピタキシャル層を水を含んだ雰囲気で熱酸化することにより形成したもので、該ゲート絶縁膜中の水素密度は、立方センチメートルあたり1.0×1019以上であり、
    MOS型構造を備えることを特徴とする半導体装置。
  4. 上記の半導体装置は、上記のゲート電極に近接して、該ゲート電極を挟み込む位置にソース領域およびドレイン領域が形成されている横型MIS電界効果型トランジスターであることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 上記の半導体装置は、上記炭化珪素半導体領域の表面にゲート絶縁膜およびゲート電極を有し、該ゲート電極の近傍にソース領域を有し、上記の炭化珪素半導体基板の裏面にドレインを有し、ゲート電極に印加する電圧の変化により上記のエピタキシャル層の表面に垂直なC軸方向に流れる電流を制御することができる縦型MIS電界効果トランジスターである、ことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  6. 上記炭化珪素半導体基板はP型若しくはN型である、請求項1から請求項5の何れかに記載の半導体装置。
  7. 上記のP型半導体領域あるいはN型半導体領域は、上記のエピタキシャル層にP型あるいはN型半導体領域を形成するための不純物をイオン注入した後に、1500℃から2000℃の温度の不活性ガス雰囲気中で10秒間から10分間のあらかじめ決められた時間にわたり、不純物活性化熱処理が施されたものであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の半導体装置。
  8. 上記のP型半導体領域若しくはN型半導体領域は、上記のエピタキシャル層にP型あるいはN型半導体領域を形成するための不純物をイオン注入した後に、不活性ガス雰囲気中で1200℃以下の温度から1500℃以上2000℃以下のいずれかの温度まで1分間以内で昇温し、1500℃から2000℃のいずれかの温度で10秒間から10分間のあらかじめ決められた時間にわたり、不純物活性化熱処理が施されたものであることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の半導体装置。
  9. 上記の炭化珪素半導体基板は4H−SiCであることを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の半導体装置。
  10. 上記のエピタキシャル層は、250mbar(25kパスカル)以下の圧力下において、シランガスとプロパンガスを反応させることにより形成したことを特徴とする請求項1から請求項11の何れかに記載の半導体装置。
  11. 上記のエピタキシャル層は、シランとプロパンガスの気相反応により形成するが、前記の気相反応の生じる雰囲気における、炭素(C)の原子密度の珪素(Si)の原子密度に対する組成比が1以下であることを特徴とする請求項1から請求項12の何れかに記載の半導体装置。
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