JP2010003527A - 高圧ガス供給システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1の圧力検出レンジを有し、レギュレータの一次側の圧力を検出する第1圧力センサ31と、第1の圧力検出レンジよりも小さい第2の圧力検出レンジを有し、レギュレータの二次側の圧力を検出する第2圧力センサ32と、第1,第2圧力センサ31、32により検出された圧力値に基づいて、水素タンク21内の圧力が所定の圧力に低下したか否かを判定する判定手段と、を備える。判定手段は、第1圧力センサ31により検出された圧力値が、第2の圧力検出レンジ内となった際に、判定の基準となる圧力値を、第1圧力センサ31の圧力値から第2圧力センサ32の圧力値に持ち替えて、水素タンク21内の圧力が所定の圧力に低下したか否かを判定する構成とした。
【選択図】図2
Description
この特許文献1に記載されたものは、アノードガスが通過する管路の途中に流量計を設けてアノードガスの流量を検出し、検出した流量を反応ガスタンク内に収容されたアノードガスの初期値(量)から減算することで、反応ガスタンク内のアノードガスの残量を算出するようにしている。
ところで、反応ガスタンク内に収容されるアノードガスの圧力は、圧力レンジが広くなっており、これに対応して反応ガスタンク内に設置する圧力センサも、圧力検出レンジが広いものを使用する必要がある。
≪燃料電池システムの構成≫
図1に示す本実施形態に係る高圧ガス供給システムが適用される燃料電池システム1は、図示しない燃料電池自動車(移動体)に搭載されている。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10のアノードに対して水素(燃料ガス、反応ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)を給排するカソード系と、燃料電池スタック10の発電電力を消費する電力消費系と、これらを電子制御するECU70(Electronic Control Unit、電子制御装置)と、を備えている。
燃料電池スタック10は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セル11が積層されることで構成されたスタックであり、複数の単セル11は電気的に直列で接続されている。単セル11は、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、これを挟み2枚の導電性を有するアノードセパレータ及びカソードセパレータと、を備えている。
カソードセパレータには、各MEAのカソードに対して空気を給排するため単セル11の積層方向に延びる貫通孔(内部マニホールドと称される)や、単セル11の面方向に延びる溝が形成されており、これら貫通孔及び溝がカソード流路13(酸化剤ガス流路)として機能している。
2H2→4H++4e− …(1)
O2+4H++4e−→2H2O …(2)
アノード系は、水素が高圧で収容された水素タンク21(反応ガスタンク)と、常閉型の第1遮断弁22と、レギュレータとしての第1減圧弁23と、常閉型の第2遮断弁24と、第2減圧弁25と、エゼクタ28と、常閉型のパージ弁29と、第1圧力センサ31、および第2圧力センサ32を備えている。
水素タンク21には、タンク内の水素の圧力値(第1減圧弁23の一次側の圧力である実測圧力値P1)を検出することが可能である、後記のような第1の圧力検出レンジを有する第1圧力センサ31が設けられている。第1圧力センサ31としては、歪ゲージ方式のものを採用することができるが、これに限られることはなく、種々のものを採用することができる。
ここで、前記した第1圧力センサ31は、水素タンク21内の圧力を検出するものであるため、高圧状態から低圧状態に至るまで、広い範囲の圧力、例えば、0〜50MPaの圧力を検出することが可能な第1の圧力検出レンジを有するものを用いている。また、前記した第2圧力センサ32は、第1減圧弁23の二次側における水素の圧力を検出するものであるため、第1減圧弁23で減圧された後の、第1圧力センサ31よりも狭い範囲の圧力、例えば、0〜5MPaの圧力を検出することが可能な圧力検出レンジを備えたものを用いている。
第2減圧弁25には、コンプレッサ41からカソード流路13に向かう空気の圧力が、オリフィス26が設けられた配管26aを介して、信号圧(パイロット圧)として入力されるようになっている。そして、第2減圧弁25は、入力された空気の圧力に基づいて、水素の圧力を制御し、燃料電池スタック10に送られる水素が適正となるように、さらに減圧するようになっている。第2減圧弁25で減圧された水素は、配管25aを介してエゼクタ28に送られ、エゼクタ28から燃料電池スタック10に供給される。
なお、配管28bには気液分離器(図示しない)が設けられており、この気液分離器によって、循環する水素に同伴する水分が分離されるようになっている。
なお、ECU70は、例えば、単セル11の電圧を検出するセル電圧モニタ(図示しない)から入力される最低セル電圧が、所定最低セル電圧以下となった場合、不純物を排出する必要があると判定し、パージ弁29を開く設定となっている。
カソード系は、コンプレッサ41(酸化剤ガス供給手段)と、背圧弁43と、希釈器(図示しない)とを備えている。
電力消費系は、走行モータ51と、VCU52(Voltage Control Unit、電流制御手段)と、高圧バッテリ53とを備えている。走行モータ51は、VCU52を介して、燃料電池スタック10の出力端子(図示しない)に接続されている。高圧バッテリ53はVCU52に接続されている。なお、走行モータ51とVCU52との間に配置されているインバータ(PDU:Power Drive Unit)は省略している。
VCU52は、ECU70から送られる指令電流に従って、燃料電池スタック10の発電電力(出力電流、出力電圧)を制御(制限)する機器であり、DC/DCチョッパ、DC/DCコンバータ等の電子回路を備えている。すなわち、VCU52への指令電流が大きくなると、燃料電池スタック10から取り出される電流が大きくなり、燃料電池スタック10で消費される水素及び空気の消費量が多くなる。
また、VCU52は、高圧バッテリ53の電力を制御、つまり、高圧バッテリ53の充電/放電を制御する機能も備えている。
IG61は、燃料電池システム及び燃料電池自動車の起動スイッチであり、運転席周りに配置されている。そして、IG61は、ON信号(発電開始信号)、OFF信号(発電停止信号)をECU70に出力するようになっている。
警告ランプ62は、後記するように、ECU70によって、水素タンク21内の水素の圧力が低下したことにより、水素の残量が少ない状態(ガス欠状態)であると判定される場合に、運転者にその旨を知らせるために点灯するランプであり、インストルメントパネルに配置されている。
ECU70は、燃料電池システム1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されている。そして、ECU70は、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機器を適宜に制御するようになっている。
また、ECU70(判定手段)は、第1,第2圧力センサ31、32により検出された実測圧力値P1、P2に基づいて、水素タンク21内の圧力が所定の圧力に低下したか否かを判定する機能を備えている。具体的に、ECU70(判定手段)は、第1圧力センサにより検出された圧力値が、前記第2の圧力検出レンジ内となった際に、判定の基準となる前記圧力値を、前記第1圧力センサの圧力値から第2圧力センサの圧力値に持ち替える。
次に、燃料電池システム1の動作について、図2を主に参照しつつ適宜図1、図3を参照して説明する。
燃料電池スタック10が発電を開始すると、図2のフローチャートの処理が開始する。
第1閾値は、第1圧力センサ31が有するセンサ誤差を考慮して設定される。具体的に、第1圧力センサ31のセンサ誤差が2.0%であると仮定すると、第1の圧力検出レンジは前記のように0〜50MPaであるので、センサ誤差は、実質的に±1.0MPaとなる。
そこで、ガス欠判定の観点から、水素タンク21内の圧力を、所定圧力以上に保つこととした場合、前記第1閾値は、次のように、「所定圧力+センサ誤差」とした値となる。例えば、所定圧力を1.0MPaに設定したときには、センサ誤差を考慮すると、その範囲は、0.0MPa〜2.0MPaとなるので、このうちの最大値である2.0MPaを第1閾値に設定するようにする(図3参照)。
ステップS6において、ECU70は、取得した実測圧力値P2に基づいて、第2圧力センサ32が故障しているか否かを判定する。一般的に、ECU70は、第2圧力センサ32の出力電圧が予め設定された所定の電圧の範囲内に有るか否かで故障しているか否かを判定し、所定の電圧の上限あるいは下限から外れているとき(所定の電圧の範囲外にあるとき)には、故障をしていると判定する。
第2閾値は、第2圧力センサ32が有するセンサ誤差を考慮して設定される。具体的に、第2圧力センサ32のセンサ誤差が2.0%であると仮定すると、第2の圧力検出レンジは前記のように0〜5MPaであるので、センサ誤差は、実質的に±0.1MPaとなる。つまり、第1圧力センサ31におけるセンサ誤差(±1.0MPa)に比べて1/10のセンサ誤差となり、検出精度が格段に向上することとなる。
この場合には、前記した反応ガス流路における圧力損失分を含んだ第2閾値として、圧力の低下を判定することができるので、圧力の低下の判定制度がより一層向上するようになる。
なお、ステップS4において、第1圧力センサ31が故障していると判定した場合(S4:Yes)、ステップS6において、第2圧力センサ32が故障していると判定した場合(S6:Yes)、または、第1、第2圧力センサ31、32の両方が故障していると判定した場合(S4,S6:Yes)には、ガス欠と判定してもよいし、ガス欠の判定を行わないようにしてもよい。
なお、第2圧力センサ32のみでは、第1減圧弁23の故障であるのか、圧力の低下によるものなのかを判断することが難しいが、本実施形態では、第1圧力センサ31と第2圧力センサ32との両方の実測圧力値P1、P2に基づいて、水素タンク21内の圧力が所定の圧力に低下したか否かを判定するので、誤検知が生じにくくなる。つまり、実測圧力値P1、P2が共に下がれば、水素タンク21の内圧が下がっていることが分かるが、第2圧力センサ32のみでは、実測圧力値P2が下がっていても、第1減圧弁32の故障によって下がっている可能性もあり、また、実際に水素タンク21の内圧が下がっている可能性もあるため、どちらであるのかの判断が困難である。
ところが本実施形態では、第1減圧弁23の一次側と二次側との、実測圧力値P1、P2に基づいて水素タンク21内の圧力が所定の圧力に低下したか否かを判定するので、第1減圧弁23の影響によるものなのかを判断することができ、信頼性を確保することができる。
10 燃料電池スタック
21 水素タンク
23 第1減圧弁(レギュレータ)
31 第1圧力センサ
32 第2圧力センサ
62 警告ランプ
70 ECU(判定手段)
P1 実測圧力値(第1圧力センサ)
P2 実測圧力値(第2圧力センサ)
Claims (3)
- 反応ガスを収容する反応ガスタンクと、
前記反応ガスタンクからの反応ガスの圧力を調整する圧力調整機能を備えたレギュレータと、
前記レギュレータにより圧力調整された反応ガスが供給されて発電する燃料電池と、
第1の圧力検出レンジを有し、前記レギュレータの一次側の圧力を検出する第1圧力センサと、
前記第1の圧力検出レンジよりも小さい第2の圧力検出レンジを有し、前記レギュレータにより圧力調整された前記レギュレータの二次側の圧力を検出する第2圧力センサと、
前記第1,第2圧力センサにより検出された圧力値に基づいて、前記反応ガスタンク内の圧力が所定の圧力に低下したか否かを判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする高圧ガス供給システム。 - 前記判定手段は、
前記第1圧力センサにより検出された圧力値が、前記第2の圧力検出レンジ内となった際に、判定の基準となる前記圧力値を、前記第1圧力センサの圧力値から第2圧力センサの圧力値に持ち替えて、反応ガスタンク内の圧力が所定の圧力に低下したか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス供給システム。 - 前記判定手段は、
前記第2圧力センサにより検出された圧力値に基づいて判定する際、前記反応ガスタンクから前記第2圧力センサまでの反応ガス流路における圧力損失分を加味して、前記反応ガスタンク内の圧力が所定の圧力に低下したか否かを判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高圧ガス供給システム。
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