JP2010002290A - 材料試験機 - Google Patents

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Abstract

【課題】誤操作等による誤動作を防止することができる材料試験機の提供。
【解決手段】安全操作回路20は、フットスイッチ22から操作確認信号(フットスイッチ信号)が出力されているときにジョグアップスイッチ232からジョグアップ信号が出力されると、ジョグアップ命令信号をI/O回路101に入力する。また、ジョグアップ命令信号をI/O回路101に入力した後に、フットスイッチ22からのフットスイッチ信号またはジョグアップスイッチ232からのジョグアップ信号が出力されないと、ジョグアップ命令信号のI/O回路101への入力を停止する。I/O回路101は、安全操作回路20からジョグアップ命令信号が入力されるとジョグアップを開始し、安全操作回路20からのジョグアップ命令信号の入力が停止するとジョグアップを停止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、材料試験機に関する。
材料試験機において、試験機を安全に操作するために機構を備えたものがある。例えば、特許文献1に記載の材料試験機では、破断した試験片が飛び散るのを防止するための安全カバーが設けられている。このような安全カバーが設けられた材料試験機では、例えば、安全カバーが閉じられていない場合には試験開始やクロスヘッドリターンができないように、運転準備条件が揃わないとサーボアンプに電源が供給されない仕組みになっている。
特開2005−3379号公報
しかし、クロスヘッド昇降の手動操作や、試験片や治具の取り付け作業の際には、サーボモータがサーボオン状態であるにもかかわらず、試験機クロスヘッドの可動領域内で作業を行うことがある。そのような際に、誤って作業スイッチを押してしまった場合や、試験機に設けられたマイコンや回路に不具合が発生した場合には、オペレータの意図に反して試験機が動き出してしまうおそれがあった。
請求項1の発明による材料試験機は、駆動対象の駆動指令信号を出力する駆動指令スイッチと、操作確認信号を出力する操作確認スイッチと、操作確認信号が出力されているときに駆動指令信号が出力されると駆動対象の駆動を開始する制御回路と、を備えたことを特徴とする。
さらに、駆動開始の後に操作確認信号または駆動指令信号の出力が停止されたとき、駆動対象の駆動を停止するようにしても良い。
また、駆動停止後に操作確認信号および駆動指令信号の出力が一旦停止されない場合には、操作確認信号が出力されているときに駆動指令信号が出力されて行われる駆動開始を禁止するようにしても良い。
請求項4の発明による材料試験機は、駆動対象の駆動を制御する制御回路と、駆動対象の駆動指令信号を出力する駆動指令スイッチと、操作確認信号を出力する操作確認スイッチと、操作確認信号が出力されているときに駆動指令信号が出力されると、駆動指令スイッチからの駆動指令信号を制御回路に入力し、該駆動指令信号を制御回路に入力した後に操作確認スイッチからの操作確認信号または駆動指令スイッチからの駆動指令信号が出力されないと、駆動指令信号の制御回路への入力を停止する判定回路とを備え、判定回路から駆動指令信号が入力されると駆動対象の駆動を開始し、判定回路からの駆動指令信号の入力が停止すると駆動対象の駆動を停止することを特徴とする。
また、駆動対象の駆動停止後に、操作確認スイッチからの操作確認信号および駆動指令スイッチからの駆動指令信号の出力が一旦停止されない場合には、操作確認信号が出力されているときに駆動指令信号が出力されても、駆動指令スイッチからの駆動指令信号を制御回路に入力しないようにしても良い。
さらに、駆動指令信号を制御回路に入力しない場合には、駆動対象の駆動を禁止する禁止命令を制御回路に入力するようにしても良い。
本発明によれば、誤操作等による誤動作を防止することができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明による材料試験機の一実施の形態を示す図である。基台6の両側に一対の支柱1が立設され、一対の支柱1の上端はクロスヨーク9で接続されている。一対の支柱1の内部には、ネジ棹2がそれぞれ支柱1に沿って配設されている。クロスヘッド3の左右端部にはそれぞれナット4が内設され、それらのナット4はネジ棹2に螺合している。クロスヘッド3はネジ棹2間に横架され、ネジ棹2の回転により昇降する。図示していないが、ネジ棹2は、サーボモータの回転力を減速機で減速して駆動される。
クロスヘッド3の下面にはロードセル8を介して上つかみ具5aが設置され、基台6には下つかみ具5bが設置されている。上つかみ具5aの上端部は、クロスヘッド3の貫通孔3Hを貫通してロードセル8に連結されている。クロスヘッド3を上昇させて、上下つかみ具5a,5b間で試験片7に引張荷重を加える。10は材料試験機の制御計測装置であり、安全操作回路20が接続されている。安全操作回路20には、操作パネル21およびフットスイッチ22が接続されている。操作パネル21には、後述するような操作ボタン23が設けられている。
図2は、安全操作回路20の詳細を説明するブロック図である。安全操作回路20には、フットスイッチ22,スタートスイッチ230,リターンスイッチ231,ジョグアップスイッチ232およびジョグダウンスイッチ233が接続されている。スタートスイッチ230は、試験開始を指示するためのスイッチである。リターンスイッチ231は、クロスヘッド3の原点位置への復帰を指示するためのスイッチである。ジョグアップスイッチ232は、クロスヘッド3をマニュアル操作で上昇させるためのスイッチである。ジョグダウンスイッチ233は、クロスヘッド3をマニュアル操作で降下させるためのスイッチである。
詳細は後述するが、本実施の形態の材料試験機では、誤操作を防止して安全性を高めるために、各スイッチ230〜233を単独操作しただけでは動作は実行されず、フットスイッチ22を操作した後に各スイッチ230〜233を操作した場合に動作が実行されるようにした。なお、この明細書では、ジョグアップスイッチ232の操作によるクロスヘッド3の上昇をジョグアップと呼び、ジョグダウンスイッチ233の操作によるクロスヘッド3の降下をジョグダウンと呼ぶ。
安全操作回路20はリレーシーケンス回路により構成され、各スイッチ22,230〜233から入力された信号に基づいてロジックを組み立て、オペレータによる操作が予め決められた安全操作に従っているか否かを判定する。判定結果である各種命令信号(後述する)は、制御計測装置10のI/O回路101およびサーボアンプ103へ出力される。本実施の形態では、ハードロジックにより制御を行うリレーシーケンス回路で安全操作回路20を構成したが、ロジックをソフトウェアで実現するPLC(Programmable Logic Controller)で構成しても良い。安全操作回路20は、それ自体の誤動作を防ぐために、単一故障に対して安全側に動くような構成とされる。
I/O回路101は、FPGA(Field Programmable Gate Array)で構成される。FPGAは、ユーザが希望する論理機能(プログラム)をパソコンや専用の入力装置を用いて入力できる装置(デバイス)であり、そのプログラムの処理を逐次実行することによりシーケンス制御を行う。サーボモータ動作に関する指令信号(制御パルス)を生成し、その制御パルスをサーボアンプ103へ出力する。従来の材料試験機の場合には安全操作回路20が設けられておらず、各スイッチ22,230〜233からの信号は、I/O回路101に直接入力される。
サーボアンプ103には、I/O回路101からの制御パルスに加え、安全操作回路20から「制御パルス禁止」信号および「制御パルス許可」信号が入力される。サーボアンプ103は、制御パルスを受信したときに「制御パルス許可」信号が受信されていれば、受信した制御パルスに基づいてサーボモータ30を動作させる。一方、制御パルスを受信したときに「制御パルス許可」信号が受信されていない場合には、サーボアンプ103は制御パルスに基づく処理(サーボモータ30の動作)を実行しない。102はマイクロコンピュータで構成されるマイコン回路であり、各種計測や制御に関する演算処理を行う。
図3,4は、安全操作回路20の動作を示すシーケンス図である。安全操作回路20は、各スイッチ22,230〜233からの信号に基づいて、図3,4に示す各種信号を出力する。「スタート命令」信号、「リターン命令」信号、「ジョグアップ命令」信号および「ジョグダウン命令」信号はI/O回路101に出力され、「制御パルス許可」信号および「制御パルス禁止」信号はサーボアンプ103へ出力される。なお、「スタート命令」信号、「リターン命令」信号、「ジョグアップ命令」信号および「ジョグダウン命令」信号は、スイッチ230〜233から出力されるスタート信号、リターン信号、ジョグアップ信号およびジョグダウン信号に相当する。
「全操作スイッチOFF」信号は、スタート信号、リターン信号、ジョグアップ信号およびジョグダウン信号の全てがオフのとき、すなわち、図2に示すスタートスイッチ230,リターンスイッチ231,ジョグアップスイッチ232,ジョグダウンスイッチ233の全てが操作されていない場合に出力される。「全操作スイッチOFF」のとき、リレーM1のコイルが励磁され接点M1が閉じる。
「操作スイッチON」信号は、スタート信号,リターン信号,ジョグアップ信号,ジョグダウン信号の少なくとも一つが入力されると出力される。すなわち、オペレータが図2に示すスイッチ230〜233いずれかを操作すると、「操作スイッチON」信号が出力される。「操作スイッチON」のとき、リレーM2のコイルが励磁され接点M2が閉じる。
「操作スイッチ2重押し」信号は、スタート信号およびリターン信号の入力、リターン信号およびジョグアップ信号の入力、ジョグアップ信号およびジョグダウン信号の入力、ジョグダウン信号およびスタート信号の入力、のいずれか一つがあった場合に出力される。すなわち、オペレータが上述した組み合わせで2つの操作スイッチを同時に操作すると、「操作スイッチ2重押し」信号が出力される。なお、図3では、2重操作に関して4つの組み合わせしか示されていないが、すべての組み合わせ(6通り)に対して「操作スイッチ2重押し」信号を出力するようにしても良い。「操作スイッチ2重押し」信号が出力されると、リレーM3のコイルが励磁され接点M3が閉じる。
「操作可能」信号は、リレーM1の接点および後述するリレーM30,M31の各接点が閉じた状態において、フットスイッチ22からの操作信号が入力されると出力される。接点M1は「全操作スイッチOFF」信号を出力したときに閉じ、接点M30は「制御パルス許可」信号を出力したときに閉じ、接点M31(b接点)は「制御パルス禁止」信号を出力しないときに閉じる。リレーM10のコイルが励磁されると接点M10が閉じるので、励磁が保持される。例えば、その後にスイッチ230〜233が操作されて「全操作スイッチOFF」信号がオフになっても、フットスイッチ22を踏んでいる間は「操作可能」信号の出力が継続される。「操作可能」信号の出力は、フットスイッチ22を踏む操作を止めてフットスイッチ信号をオフすることにより停止する。
「操作中」信号は、リレーM2の接点、リレーM3の接点(b接点)およびリレーM10の接点が閉じたときに出力される。接点M2は「操作スイッチON」信号を出力したときに閉じ、接点M3は「操作スイッチ2重押し」信号を出力しないときに閉じ、接点M10は「操作可能」信号を出力したときに閉じる。リレーM11のコイルが励磁されると接点M11が閉じるので、励磁が保持される。例えば、その後にスイッチ230〜233の操作を止めて「操作スイッチON」信号がオフになっても、フットスイッチ22が踏まれた状態で「操作可能」信号が出力されている間は、「操作中」信号の出力が継続される。フットスイッチ22を踏む操作を止めると、「操作可能」信号の出力が停止して接点M10が開くので、「操作中」信号の出力も停止する。
「操作不可」信号は、リレーM1,M3の接点の少なくとも一方が閉じ、リレーM11の接点が閉じたときに出力される。接点M1は「全操作スイッチOFF」信号を出力したときに閉じ、接点M3は「操作スイッチ2重押し」信号を出力したときに閉じ、接点M11は「操作中」信号を出力したときに閉じる。すなわち、「操作中」信号が出力されている状態において、全スイッチ230〜233の操作を止めて「全操作スイッチOFF」信号を出力すると、「操作不可」信号が出力されることになる。リレーM12の励磁は、接点M11が開くまで保持される。フットスイッチ22を踏む操作を止めると、「操作可能」信号の出力が停止するとともに「操作中」信号の出力も停止するので、接点M11が開いて「操作不可」信号の出力も停止する。
図4に示す「スタート命令」信号は、リレーM11の接点およびリレーM12の接点(b接点)が閉じるとともにスタート信号が入力されると、出力される。これは、全てのスイッチを操作していない状態でフットスイッチ22を踏み、その後にスタートスイッチ230を操作することで「スタート命令」信号が出力されることを意味している。すなわち、全てのスイッチを操作していない状態でフットスイッチ22を踏むと「操作可能」状態となる。その後、フットスイッチ22を踏んだ状態でスタートスイッチ230を操作すると、「操作中」状態となり接点M11が閉じる。このとき、接点M1は閉じていないので「操作不可」信号は出力されない。その結果、接点M11、接点M12(b接点)およびスタート接点は全て閉じ、「スタート命令」信号が出力される。
「リターン命令」信号、「ジョグアップ命令」信号、「ジョグダウン命令」信号も同様に考えればよく、フットスイッチ22を踏んだ状態でリターンスイッチ231,ジョグアップスイッチ232,ジョグダウンスイッチ233をそれぞれ操作すると、各スイッチに対応する命令信号が出力される。
「制御パルス許可」信号は、フットスイッチ22からの操作信号が入力されてフトスイッチ接点が閉じるとともに、接点M22または接点M23が閉じることで出力される。または、試験中の信号またはリターン中の信号が入力されると、「制御パルス許可」信号が出力される。接点M22は「ジョグアップ命令」信号出力時に閉じ、接点M23は、「ジョグダウン命令」信号出力時に閉じる。試験中の信号またはリターン中の信号は、試験動作の指令を出すI/O回路101から入力される。なお、リレーM30のコイルが励磁されると接点M30が開く。
「制御パルス禁止」信号は、リレーM30の接点が閉じることにより出力される。リレーM30のコイルは「制御パルス許可」信号の出力時に励磁されるので、「制御パルス禁止」信号が出力されているときには接点M30が開いて「制御パルス禁止」信号は出力されず、「制御パルス禁止」信号が出力されていないときには接点M30が閉じて「制御パルス禁止」信号は出力される。
図5は、各スイッチ22,230〜233の操作と材料試験機の動作状態との関係を説明するフローチャートである。材料試験機の電源をオンすると、ステップS1に示すように、オペレータによる操作を待つアイドル状態になる。アイドル状態では各スイッチ22,230〜233は操作されていないので、上述したように「全操作スイッチOFF」信号が出力され、接点M1が閉じる。
試験片7をつかみ具5a,5bに装着させるために、クロスヘッド3をジョグアップさせる場合について説明する。この場合、ジョグアップスイッチ232を操作する前に、材料試験機を操作可能状態にする必要がある。本実施の形態では、アイドル状態においてフットスイッチ22を操作することにより操作可能状態となる。フットスイッチ22を踏むと、フットスイッチON信号が安全操作回路20に出力される。アイドル状態では接点M1,M30,M31は閉じているので、フットスイッチON信号の入力により「操作可能」信号が出力され、接点M10が閉じる(図3)。すなわち、試験機はステップS1のアイドル状態から、ステップS2の操作可能状態に進む。なお、「操作可能」信号は「全操作スイッチOFF」信号が出力されて接点M1が閉じていないと出力されないので、ジョグアップスイッチ232の操作後にフットスイッチ22を操作するという逆の操作手順では操作可能状態とならない。
ここでは、「フットスイッチON」かつ「全操作スイッチOFF」という条件を満たしたときにアイドル状態から操作可能状態に移行したが、さらに安全操作回路20のリレーが正常に動作していることを条件に付け加えても良い。安全操作回路20には、リレーが正常動作しているか否かを検知する回路が設けられている。なお、操作可能状態においてフットスイッチ22から足を外して操作を止めると、フットスイッチ接点が開いて「操作可能」信号の出力が停止され(図3)、操作可能状態(ステップS2)からアイドル状態(ステップS1)に戻る。
フットスイッチ22を踏んだ状態でジョグアップスイッチ232を操作すると、「操作スイッチON」信号が出力されて接点M2が閉じ、「操作中」信号が出力されるとともに接点M11が閉じる。すなわち、フットスイッチON、かつ、操作スイッチONの場合には、図5のステップS2(操作可能状態)からステップS3の操作中状態に移行する。操作中状態においてフットスイッチ22の操作を止めると、フットスイッチ接点が開いて「操作可能」信号の出力が停止されるとともに「操作中」信号の出力も停止され(図3)、操作中状態(ステップS3)からアイドル状態(ステップS1)に戻る。
操作中状態においては、「操作不可」信号は出力されていないので、接点M12は閉状態とされる。その結果、接点M11,M12およびジョグアップ接点が閉じて、「ジョグアップ命令」信号がI/O回路101出力される。一方、「ジョグアップ命令」信号が出力されると接点M22が閉じるので、サーボアンプ103へ「制御パルス許可」信号が出力される。このような制御により、クロスヘッド3がジョグアップされるようにサーボモータ30が駆動される。
なお、ジョグアップスイッチ232を操作した際に、誤ってジョグダウンスイッチ233も操作してしまった場合、「操作スイッチ2重押し」信号が出力されて接点M3が開くので、接点M11は閉じず「操作不可」信号が出力される。そのため、「ジョグアップ命令」信号が出力されず、かつ、「制御パルス禁止」信号がサーボアンプ103に出力されるので、ジョグアップは行われない。その結果、誤作動を確実に防止することができる。また、ジョグアップ中にフットスイッチ22を踏むのを止めると、接点M10,M11,M12,M22,M30が開き、かつ接点M31が閉じる。よって、ジョグアップスイッチ232の操作、またはフットスイッチ22の操作を停止することで、クロスヘッド3のジョグアップを停止することができ、操作性の向上を図ることができる。
フットスイッチ22を踏んだ状態でジョグアップスイッチ操作を停止した場合を考える。この場合、接点M10および接点M11は閉じた保持される。ジョグアップスイッチ232の操作が停止されるため、接点M1が閉じて「操作不可」信号出力状態が保持される。すなわち、図5のステップS3(操作中状態)からステップS4の操作不可状態へ進む。その結果、接点M12(b接点)が開き、スイッチ230〜233のいずれを操作しても命令信号は出力されない。例えば、ジョグアップスイッチ232を操作しても、「ジョグアップ命令」信号は出力されない。その結果、接点M22が開いて「制御パルス許可」信号は停止されるとともに、接点M30(b接点)が閉じて「制御パルス禁止」信号が出力される。
「操作不可」信号出力状態をいったん解除して接点M12(b接点)を閉じるためには、フットスイッチ22の操作を止めて接点M10,M11を開く必要がある。操作不可状態(ステップS4)においてフットスイッチ22から足を外して操作を止めると、フットスイッチ接点が開いて、「操作可能」信号の出力、「操作中」信号の出力および「操作不可」信号が順に停止され(図3)、操作不可状態(ステップS4)からアイドル状態(ステップS1)に戻る。なお、ここではジョグアップスイッチ操作を停止した場合を考えたが、ジョグダウンスイッチ操作の場合も同様である。
すなわち、ジョグアップまたはジョグダウンの停止後は、フットスイッチ22から足を外して再度踏み直さない限り、スイッチ230〜233のいずれを操作してもスイッチに対応付けられた動作は行われず、「制御パルス禁止」信号の出力も継続される。その結果、ジョグアップまたはジョグダウンの停止後、フットスイッチ22を踏んだまま誤ってスイッチ230〜233に振れてしまってもクロスヘッド3は動作せず、確実な操作のみが受け付けられ安全性の向上を図ることができる。
一方、スタートスイッチ230またはリターンスイッチ231の場合、それらが操作されているときには、ジョグアップスイッチ操作やジョグダウンスイッチ操作を行った場合と同様の動作が行われる。ただし、「スタート命令」信号や「リターン命令」信号が出力されて試験動作やリターン動作が開始された後は、図4の試験中接点やリターン中接点が閉じて「制御パルス許可」信号が出力される。すなわち、スタートスイッチ230やリターンスイッチ231の操作を停止しても、また、フットスイッチ22の操作を止めても「制御パルス許可」信号の出力は継続され、試験動作やリターン動作が中断することはない。
上述したように、本実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。フットスイッチ22から出力されるフットスイッチ信号が出力されているときにスイッチ230〜233のいずれかから信号が出力されると、例えば、フットスイッチ信号が出力されているときにジョグアップスイッチ322からジョグアップ信号が出力されると、ジョグアップが開始される。ジョグアップやジョグダウンを開始したり、試験動作やリターン動作を開始する際には、フットスイッチを踏んでからスイッチ操作をする必要があるので、誤操作などのスイッチの不用意な操作による試験機の誤作動を防止することができ、安全性が向上する。
また、駆動開始の後にフットスイッチ信号またはスイッチ230〜233からの信号が出力されないと駆動が停止するので、例えば、試験片装着の際のジョグアップおよびジョグダウンが行いやすくなり、操作性の向上が図れる。
駆動対象の駆動停止後に、例えばクロスヘッド3のジョグアップ停止後に、フットスイッチ信号およびジョグアップ信号の出力が一旦停止されない場合には、フトスイッチ信号が出力されているときにジョグアップ信号が出力されて行われるジョグアップを禁止する。その結果、意図せずにスイッチ230〜233が操作されて試験機が動作してしまうのを防止することができる。
安全操作回路20を制御回路10と別に設け、安全操作回路20において、フットスイッチ信号および各スイッチ230〜233からの信号に基づく上記判定を行い、判定に基づいてスタート命令、リターン命令、ジョグアップ命令、ジョグダウン命令を制御回路10に入力するようにしたので、誤動作の可能性をより低くすることができる。
さらに、スタート命令、リターン命令、ジョグアップ命令、ジョグダウン命令をI/O回路101に入力しない場合には、スタート動作、リターン動作、ジョグアップ、ジョグダウンを禁止する「制御パルス禁止」信号をサーボアンプ103に入力するようにしたので、例えば、I/O回路101からサーボアンプ103に誤動作パルスが入力された場合であっても、誤動作を防止することができる。また、フットスイッチ22からの信号を操作確認信号に用いるようにしたので、両手を使って試験片の装着等を行うことができ、作業性に優れている。もちろん、フットスイッチ22とは別の操作確認信号用スイッチを用いても良い。
なお、上述した実施の形態では、I/O回路103とは別に安全操作回路20を設けて、より信頼性の高い構成としているが、安全操作回路20の機能をI/O回路103に組み込み、プログラム制御で行っても良い。
実施形態では、操作スイッチとしてスタート,リターン,ジョグアップ,ジョグダウンの4種について記載したが、例えば、つかみ具5a,5bの開閉スイッチなどの他の操作スイッチにも適用することができる。
安全操作回路20については、材料試験機の一構成要素として始めから含まれていても良いし、リレーシーケンス回路で構成された安全操作回路20を後から試験機に追加するような構成としても構わない。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
本発明による材料試験機の一実施の形態を示す図である。 安全操作回路20の詳細を説明するブロック図である。 安全操作回路20の動作を示すシーケンス図である。 図3に続く処理を示すシーケンス図である。 スイッチ22,230〜233の操作と材料試験機の動作状態との関係を説明するフローチャートである。
符号の説明
3:クロスヘッド、10:制御計測装置、20:安全操作回路、21:操作パネル、22:フットスイッチ、30:サーボモータ、101:I/O回路、102:マイコン回路、103:サーボアンプ、230:スタートスイッチ、231:リターンスイッチ、232:ジョグアップスイッチ、233:ジョグダウンスイッチ

Claims (7)

  1. 駆動対象の駆動指令信号を出力する駆動指令スイッチと、
    操作確認信号を出力する操作確認スイッチと、
    前記操作確認信号が出力されているときに前記駆動指令信号が出力されると前記駆動対象の駆動を開始する制御回路と、を備えたことを特徴とする材料試験機。
  2. 請求項1に記載の材料試験機において、
    前記制御回路は、前記駆動開始の後に前記操作確認信号または駆動指令信号の出力が停止されると、前記駆動対象の駆動を停止することを特徴とする材料試験機。
  3. 請求項2に記載の材料試験機において、
    前記駆動対象の駆動停止後に、前記操作確認信号および駆動指令信号の出力が一旦停止されない場合には、
    前記制御回路は、前記操作確認信号が出力されているときに前記駆動指令信号が出力されて行われる前記駆動開始を禁止することを特徴とする材料試験機。
  4. 駆動対象の駆動を制御する制御回路と、
    駆動対象の駆動指令信号を出力する駆動指令スイッチと、
    操作確認信号を出力する操作確認スイッチと、
    前記操作確認信号が出力されているときに前記駆動指令信号が出力されると、前記駆動指令スイッチからの駆動指令信号を前記制御回路に入力し、該駆動指令信号を前記制御回路に入力した後に前記操作確認スイッチからの操作確認信号または前記駆動指令スイッチからの駆動指令信号が出力されないと、前記駆動指令信号の前記制御回路への入力を停止する判定回路とを備え、
    前記制御回路は、前記判定回路から前記駆動指令信号が入力されると前記駆動対象の駆動を開始し、前記判定回路からの前記駆動指令信号の入力が停止すると前記駆動対象の駆動を停止することを特徴とする材料試験機。
  5. 請求項4に記載の材料試験機において、
    前記駆動対象の駆動停止後に、前記操作確認スイッチからの操作確認信号および前記駆動指令スイッチからの駆動指令信号の出力が一旦停止されない場合には、
    前記判定回路は、前記操作確認信号が出力されているときに前記駆動指令信号が出力されても、前記駆動指令スイッチからの駆動指令信号を前記制御回路に入力しないことを特徴とする材料試験機。
  6. 請求項4または5に記載の材料試験機において、
    前記判定回路は、前記駆動指令信号を前記制御回路に入力しない場合には、前記駆動対象の駆動を禁止する禁止命令を前記制御回路に入力することを特徴とする材料試験機。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の材料試験機において、
    前記操作確認スイッチは、足踏操作により前記操作確認信号を出力する足踏スイッチであることを特徴とする材料試験機。
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