JP2009537926A5 - - Google Patents

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閉ループシステムのフィルタとループ比例ゲインを選択するための方法およびシステム
本発明は、周波数応答関数の分析に、より詳しくは、閉ループシステムのためのフィルタとループ比例ゲインを選択する装置、方法およびシステムに関するものである。
フィルタ、比例ゲインおよび積分ゲインを配備して速度コントローラの補償方程式を構成することはすでに確立しており、この特定の発明は制御自体において実行される方程式の形式またはタイプに関して新しい提案をするものではない。一方、「サーボチューニング」の自動化またはコントローラ「最適化」はそれほど確立されてはいないが、それでも重要な先行技術分野の1つである。
Yutkowitzに帰されるアメリカ合衆国特許第6198246号では、速度コントローラの比例ゲイン(Kp)の最適値は、ゲイン余裕と位相余裕(安定余裕)に関する要件を維持しつつ、ループ整形フィルタを繰り返し調整して最大のKpを生じる組み合わせを見付けることにより決定されると述べられている。このプロセスは、イテレーションのたびに得られる安定余裕を評価するために、システムの開ループ周波数応答関数を操作することを要する。しかし、このような手法を自動化するための具体的な規則は記載されておらず、代わりにYutkowitzはセットアップ技術者がグラフィカルユーザインタフェースを介してソフトウェアと対話しなければならない環境を素描している。この場合、ユーザはグラフィカルインタフェースからの即時のフィードバックに基づいて最適値を選択する責任を持たされることになる。
Moserに帰されるアメリカ合衆国特許第6347255号において、Moserは、機械的共振を打ち消し、ゲインの増大を可能にするノッチフィルタを選択するための技術を説明している。しかし、Moser特許はフィルタ選択パラメータを繰り返すための指針を何ら提供していない。むしろ、Moser特許は、近似的なシステムダイナミックスのモデルを表す予め決められたテンプレートにマッチするように比例ゲインを繰り返すことしか述べていない。比例ゲインが決定されてしまえば、フィルタ選択は単一のステップで実行される。補償器の2つの成分が別個に決定されるため、相互作用が考慮されておらず、結果は最適にはならない。別の違いは、比例ゲインの選択が閉ループ応答の振幅にではなく、安定余裕の検査に基づいていることである。最後に、Moser特許はそのコンセプトとアルゴリズムをオブジェクトのクラスという観点から如何に表現すべきか示唆していない。
したがって、閉ループシステムのためのフィルタとループ比例ゲインを迅速かつ効率的に選択するための装置、方法およびシステムに対する需要が存在している。
発明の概要
本発明は閉ループシステムのためのフィルタとループ比例ゲインを同時選択するための新しい装置、システムおよび方法である。本発明の1つの実施例によれば、上記方法において、システムの周波数応答関数(FRF)を生成するようにしてよい。また、上記方法において、システムの速度コントローラの1つまたは複数の共振周波数および反共振周波数を求め、システムの全慣性を推定してもよい。また、上記方法において、電流コントローラの周波数応答関数とシステムの純ループ遅延時間を生成してもよい。また、上記方法において、推定された全慣性と電流コントローラおよび純ループ遅延間のFRFとに基づいて比例ゲイン(Kp)の下限、上限および初期候補値を求め、候補値をこの初期候補値に設定してもよい。また、上記方法において、システムプラントの周波数応答関数に電流コントローラの周波数応答関数と純ループ遅延時間の周波数応答関数とKpの候補値とを乗じたものを表す完全な周波数応答関数を生成してもよい。また、上記方法において、最小ゲイン余裕に関する制限にぴったり合うように共振周波数における振幅を抑制するループ整形フィルタの組み合わせを選択するようにしてもよい。また、上記方法において、候補値を最小ゲイン余裕の大域的基準に合うように低下させてもよい。また、黄金分割探索アルゴリズムを用いて次の候補値を求めることにより上記方法を最適化してもよい。上記方法は、候補値から次の候補値へとイテレートし、次の候補値に対する黄金分割探索アルゴリズムを用いた最適化を通して完全な周波数応答関数を生成する動作を反復することにより、最終候補値へと収束する。
ここで、本発明は本発明に関して述べられる課題または特徴の1つまたは複数を満たさなければならないシステムまたは方法に限定されるものではないことに注意しなければならない。また、本発明は本明細書に記載された実施例に限定されるものではないことにも注意しなければならない。当業者による変形および置換は以下の請求項によってのみ限定される本発明の範囲の内にあるものと見なされる。
本発明の実施形態に従って比例ゲインとループ整形フィルタを選択する模範的なシステムの制御システムブロック線図を示す。 本発明実施形態による模範的な開速度ループ成分応答のボード線図を示す。 本発明実施形態による模範的な複合速度ループ成分応答のボード線図を示す。 本発明の実施形態に従い、含まれている参照モデルを用いて比例ゲインとループ整形フィルタを選択する模範的なシステムの制御システムブロック線図を示す。 本発明の実施例に従って閉ループシステム500のフィルタとループ比例ゲインを同時選択する方法のフローチャートを示す。 本発明の実施例に従って閉ループシステム500のフィルタとループ比例ゲインを同時選択する方法のフローチャートを示す。
発明の詳細な説明
速度ループ補償器として知られるコントローラの一部を自動選択する一群の方法を開示する。特に、共振作用を示すシステムのフィルタとループ比例ゲインを同時選択するための方法論を概説する。
典型的な方法は、速度制御(例えばモータエンコーダ角)のフィードバックに使用されるセンサへの作動力(例えばモータトルク)からのダイナミック応答を表す周波数応答関数(FRF)に作用する。FRFはそれぞれ対応する周波数値をもつ複素数の列として表すことができる。チューニング方法において、安定余裕に関して規定された一連の基準を満たしつつループ比例ゲイン(Kp)の最大化を可能にするフィルタパラメータの組み合わせを決定するようにしてもよい。積分ゲインと参照モデルを選択する方法についても紹介する。上記方法は、ソフトウェア実装がアルゴリズムの高レベル記述を反映するように、オブジェクト指向ソフトウェア環境において実施されるものとしてよい。
ここでは、自動サーボチューニング(AST)のソフトウェアに組み込むことのできる技術を論じる。ASTの目標は、運動制御されるべきマシン(運動部材)のダイナミック応答を示すデータに基づいて運動制御システムの制御方程式のパラメータの値を自動的に構成することである。このデータは機械システムの応答の解析的記述または測定の形態をとるものであってよい。
この方法は、達成可能なゲインが制御下にあるシステム、すなわちプラント、の共振により制限される任意の制御ループに適用可能である。上記の方法およびシステムは、自動サーボチューニング(AST)の一部として、特に電気モータのディジタル速度制御ループ内の補償器とループ整形フィルタを選択するソフトウェア向けに実施されてきた。その典型的な方法は、速度、運動または電気モータに必ずしも関係しない他の状況にも適用可能である。電気モータの速度制御のために配備された「補償器」を立上げ/セットアップするための要件は、速度制御を要するほとんどどの用途において普及している。これには速度制御ループが位置制御ループの中にネストされているカスケード・コントローラ・アーキテクチャが含まれる。適用形態のいくつかの例として、工作機械、包装機械、印刷機械またはラベリング機械の軸の制御がある。サーボチューニングの全自動化という全体的目標は、適切なまたは最適なセッティングが制御下のシステムに依存する適用形態や、機械の立上げに必要な専門技術に付加的なコストと遅延が要求される適用形態など、広範囲の適用形態を制御システム(ハードウェアおよびソフトウェア)が対象としている場合に特に向いている。ASTのもう1つの適用形態は、機械が再構成可能であって、構成に応じてダイナミックスの変化しうる機械を制御するのに単一のコントローラしか要しないケースである。このようなケースの例は、運動軸に大質量が置かれていて機械のダイナミックスに重大な変化が生じる場合に起こる。この場合、この新しいダイナミックスの測定に基づいて無人で機械の自動サーボチューニングを実行できるシステムであれば、現在の適用形態に従い、再構成可能な機械のダイナミックスの変化に基づいてコントローラをカスタマイズすることが可能だろう。ASTのもう1つの要件は、特定の適用形態の目的に合わせて設計された複数の代替的なチューニング戦略を提供することである。
以下の動作の記述の各ステップにおいて、動作の要求を果たす複数の代替的な方法が存在する。また、代替的な全体戦略も存在する。代替的な全体戦略の1つはこの問題を一般的な制約付き最適化問題として表現することである。このようなアプローチの問題点は、制約付き最適化が高次元空間(およそ20次元)内の最適化となることにある。
別の代替戦略は、FRF測定を用いてシステムダイナミックスの解析モデルを生成し、チューニングをこの解析モデルに基づかせることである。解析モデル技法を用いれば、例えば根軌跡や極配置が利用できる。しかし、これに限定はされない。これには、解析モデルはロバストネスを欠く、つまり、自動化されうるような基本的な測定からモデルが導出される状況では真のダイナミックスを十分に再現できないという欠点がある。
比例ゲインとループ整形フィルタを選択するためお方法およびシステムの例を、図1の制御システムブロック線図に関連させて説明する。線図100は動荷重の位置および速度を調整する電気モータ制御の一般的な構成を示したものである。線図100には、一般的なカスケード構造の単純化したケースが示されている。各ブロックは以下に説明する伝達関数を表している。線図中で、Cx(s) 102は位置制御補償器であり、一般に位置制御比例ゲインを含み、またループ整形フィルタを含む場合もある。Cv(s) 104はスピードまたは速度制御補償器であり、少なくとも1つの比例ゲインを含み、多くの場合、積分制御項と複数のループ整形フィルタも含む。Gcurr 106は、サーボモータの巻線に電流を供給するとともに、速度制御ループにおける通信遅延の作用も持つ閉ループ電流コントローラのダイナミック応答を表している。GUm_Vm 108は、機械システムのダイナミックスのうち、モータトルクまたはモータ動力からモータ速度への伝達関数を表す部分である。これは「速度制御プラント」と呼ばれる。項1/S 110は積分を表しており、このケースでは、モータ位置をモータ速度に関連付けている。HXm_Xd 112はモータ位置から位置測定が行われる機械の位置への伝達関数であって、「ダイナミックピッチ」という名称が与えられており、機械システムの伝達関数行列から項(分子)の比である。ブロック線図は単純化されており、一般にも使用される複数の補償ブロックは図示されていない。図示されていない補償ブロックのうちには、速度ループ参照モデル、速度フィードフォワード、フィードフォワードマッチングフィルタおよびトルクフィードフォワードがある。信号名の説明は次の通りである:Xc−位置コマンド、e−位置エラー、Vc−速度コマンド、Uc−トルクまたは動力コマンド、UM-モータにより供給されるトルクまたは動力、Vn−モータの速度、XM−モータの位置、XD−直接測定装置における位置。
速度補償器Cv(s)はPI(比例+積分)コントローラD(s)と複数のループ整形フィルタFi(s)の組み合わせを表している。上に述べた複数のループ整形フィルタは以下ではまとめて「電流目標値フィルタ」と呼ばれる。電流目標値フィルタは低域通過特性または帯域阻止特性のいずれかを有するように構成されているものであってよい。帯域阻止フィルタの別名は「ノッチ」フィルタである。Cv(s)を構成する要素は図1において定められている。式(1)において、Kpは比例ゲインであり、K1は積分ゲインであり、Ft(s)は電流目標値フィルタを表し、Nfiltは構成された電流目標値フィルタの数である。
Figure 2009537926
コントローラのチューニングはKPがCv(s)の比例係数のみを表す場合にはもっと直接的である。これは純DC(0周波数)ゲインが1となる(2)ように電流目標値フィルタを制限することよって実施される。これは個々のフィルタがそれぞれDCで単位ゲインを有するように制限することによって為される場合が多い。
Figure 2009537926
電流目標値フィルタは、速度ループのフォワードパスの振幅、すなわち、Cv*Gcurr*GUm_vmをフォワードパス伝達関数の位相が180°に近い周波数範囲にわたって低下させる目的で使用される。振幅の減衰は速度制御プラントGUm_vmに存在する共振に対応する周波数範囲にわたり適用される。しかし、このプロセスはまったく容易であるという訳ではない。というのも、どんな振幅減衰にも不可避的に低周波数における位相の低下が伴い、しかもこの位相の低下が振幅減少よりも広い周波数範囲を張るからである。一般的に言って、ノッチフィルタは、ローパスフィルタの対応する振幅減少で生じる動作周波数よりも低い周波数における位相の低下が少ない。高周波範囲における振幅減少がノッチフィルタの場合よりも格段に大きいという理由でローパスフィルタを使用することも場合もある。一般的に、ローパスフィルタは周波数が定かでない高周波共振が多く存在する場合、または使用できるノッチフィルタの数よりも多くの顕著な共振が存在する場合に使用される。
したがって、本発明が取り組む問題は、比例ゲインKpの最大化が可能な程度に付随する位相損失を小さくしつつ、適度な振幅減衰を生じさせるように、電流目標値フィルタの配置とパラメータ決定を最適化することとしてよい。
本方法はまずある種の機械システムの性質を検討することで最も容易に説明される。例として検討されるシステムは非常に一般的なものであり、運動制御された軸の有用な近似である。このシステムはコンプライアント結合および粘性結合と直列に接続された複数の質量または慣性から構成されており、各質量と固定された基準フレームとの間にはある程度の粘性結合が存在する。この場合、機械システムの速度制御プラントは、システムの共振および反共振(ならびに粘性滑り摩擦を表す1次ローパス項)を生じさせる複数の不足減衰された2次伝達関数を積分器に重ね合わせたものである。電流コントローラのローパス特性Gcurr(s)と、離散時間制御システムにおいて生じる時間遅れのため、速度ループのフォワードパスの位相は180°を経る。
このような機械システムの速度制御フォワードパスにおける項の例は、図2および3のボード線図に含まれている。これらの線図では、xが極を、0が零点を表している。これらの図には、PI制御と電流目標値フィルタの最適な選定が示されている。
これらの線図から、このケースでは、ノッチフィルタとして構成された2つの電流目標値フィルタが配置されており、比例ゲインKpはほぼKp=−5dB〜=0.5、積分項はほぼK1=〜30Hz=〜180 1/secであることが明らかである。フィルタは〜400Hzと〜800Hzにおける共振を打ち消すように選定されている。60Hzにおける共振にはフィルタは必要ない。なぜならば、この領域の位相は十分に高いからである。
この最適化された結果とこの結果に達するために用いた推論とからの一般的な観察が直接、自動化の方法に導くこともありうる。ノッチフィルタの形状は、最適化されたKpをもつ全体的な開ループ応答の振幅がこの応答の周波数範囲内で最小の規定されたゲイン余裕に相応するレベル(0dB未満)となるような共振において十分な振幅減衰を生じさせるように選ばれている。ノッチフィルタは適度に位相の高い周波数近傍を有する共振に対しては使用されず、時間遅れまたは共振周波数の穏やかな偏差では変化しないような条件の下でも使用されない。
この種のイテレーションは一般的な多次元制約付き最適化とはまったく異なる。一般的なケースでは、補償器Cv(s)の考えられるあらゆるパラメータは多次元空間内の軸として表すことができる。最適化は、安定余裕に関して規定された制約を満しつつKpを最大化させる組み合わせに結果が収束するまで、この多次元空間内で異なる組み合わせを繰り返しテストすることであってよい。しかし、このようなアプローチについては考察しない。なぜならば、例えば代々で4つのフィルタがある場合、Cv(s)の成分はおよそ20個のパラメータで表されるので、最適化問題が20次元空間内での最適化となり、計算時間が法外に長くなるからである。
アルゴリズムの要件は、比例ゲインを最大化しつつ、同時に以下の制限を満たすこととしてよい。
1.最小ゲイン余裕(GM)は規定されたレベル(一般的には7〜10dBのレベル)以上でなければならない。
2.最小位相余裕(GM)は規定されたレベル(一般的には45〜60°のレベル)以上でなければならない。
3.使用しうるループ整形フィルタの最大数はある規定された値に制限されている。
4.各ループ整形フィルタは低域通過特性または帯域阻止特性のいずれかを有するように構成されているものとしてよい。
5.開ループ位相が初めて−180°を横切るときの周波数よりも高い周波数において生じる顕著な共振の振幅は、このような共振における位相にかかわらず、ある規定された振幅よりも低くなるように減衰されなければならない(一般的には−7から−10dBのレベル)。
6.Kpの候補値によるイテレーションの回数は規定された値に制限されていなければならない。
制限1および2には、位相の高い周波数範囲上で開ループ応答の最初の−180°交差よりもいくらか低い周波数において生じる共振は閉ループコントローラ自体によって減衰されるので、フィルタで補償する必要がないという結果が暗に含まれている。このケースでは、高い位相とは位相が−180+−PMの範囲内にない周波数範囲を指している。このため、積分項K1は後の独立したステップにおいて個別に設定することができる。
制限3の理由は、フィルタが追加されれば、追加された各フィルタがさらにメモリとCPUの利用を要求するので、制御システムは無制限にフィルタを供給することができないということによる。制限4の理由は、良く設計された制御システムはCPUおよびメモリリソースの柔軟な使用を最大化するためにフィルタの総数を制限することがあることによる。
制限5の理由は、高周波数範囲の相対的な振幅位相関係が一貫していないことがありうることによる。機械的共振の小さなドリフトが、以前よりも格段に位相の低い周波数において共振ピークを生じさせることがあるかも知れない。GUm_vmに見られる共振のシフトは機械システムにおける穏やかな変化によって生じることがありうる。同じように、位相のシフトは(恐らくは温度の作用による)電流制御への変化によって引き起こされることがありうる。
一般的な手順のシーケンス
チューニング方法で使用される一般的な逐次的手順の概要を以下に示す。このアルゴリズムを実装するソフトウェアオブジェクトのメンバデータ内には、速度ループの開ループ要素のダイナミック応答を表すFRF測定値または解析的な伝達関数がある:D(s)、Fi(s)、Gcurr(s)、GUm_vm(s)。
1.速度制御プラントGUm_Vm(s)の線形ダイナミック応答を表すFRFを測定、または解析的表現から合成する。
2.速度制御プラントGUm_Vm(s)共振周波数と反共振周波数(すなわち、極と零点)を求める。
3.機械システムの全慣性を推定する。
4.電流コントローラの線形ダイナミック応答を表すFRFと純ループ遅延時間Gcurr(s)を測定(または解析的表現から合成)する。
5.慣性推定値とGcurr(s)とに基づいてKpの下限、上限および初期候補値を選択する。各イテレーションにおけるKpの推定値は p で表される。
6.Cv(s)*Gcurr(s)* p を表すFRFを合成する。
7.最小ゲイン余裕に関する制限にちょうど合うように、共振周波数における振幅を抑制する電流目標値フィルタF(s)の組み合わせを選択する(ゲイン余裕基準は、位相が−180°を横切るときの周波数よりも高い周波数についてすべての開ループ振幅が少なくとも−GMdBまたはそれ未満でなければならないことを意味するものとして保守的に解釈される)。ゲイン余裕基準はチューニング戦略のパラメータとして設定され、典型的な値は6〜10dBの範囲である。
8.最小ゲイン余裕の大域的基準に合うようにKpを低下させ、電流目標値フィルタにより導入される如何なる位相シフトも受容できるようにする。低下させられたKpはKp_finalと表される。いくつかのケースでは、チューニング戦略の目標に応じて、閉ループ振幅がつねに1.0またはそれ未満となるようにKpをさらに下げるためのさらなる制約が課されるかも知れない。
9.数値的最適化に「黄金分割探索アルゴリズム」の基準を用いて、 p の次の候補値を選択する。その際、−1*Kp_finalを費用関数とする。
10.Kp_finalが収束するまでステップ6−9を繰り返す。
一般的手順500の各ステップの詳細については、以下の議論でさらに詳しく述べられる。多くのステップには、数値FRFの加算、減算、乗算および除算が含まれている。これは実際には単純である。必要となる算術は相応の周波数における各FRFからの複素値に対して行われる。周波数が合わなければ、補間法が必要になることもありうる。その場合、当業者に知られている様々な補間法およびFRF測定値を整合しない周波数間隔および範囲とマージする方法を利用してもよい。
ブロック502
「速度制御プラントGUm_Vm(s)の線形ダイナミック応答を表すFRFを測定、または解析的表現から合成する。」
FRFの測定は、関連する周波数範囲上のエネルギーを含む信号でシステムを意図的に励起させ、モータのトルクを発生させる電流とモータ速度の測定値を収集することにより行うことができる。FRF推定値はフーリエ解析によるシステム同定の十分に裏付けされた手法を用いて構成される。FRFはs平面の虚軸に沿った離散周波数においてシステムのモデルを評価することによりこのモデルから得てもよい。
測定の場合には、「雑音」によって最終結果が劣化するのを防ぐために、測定値を周波数領域内で「滑らかにする」ことが時として有効である。雑音は測定されるシステムのダイナミックスを実際には表していないFRFの偏差として現れる。この雑音は不十分な励起/平均化、センサの量子化、システムの非線形性を含む多数の要因から生じうる。
ブロック504
「速度制御プラントGUm_Vm(s)の共振周波数と反共振周波数(すなわち、極と零点)を求める。」
共振の振幅が最大となる周波数と反共振の振幅が最小となる周波数はそれぞれ極と零点の虚数成分に相当する。これらの周波数はソフトウェアにより自動的に決定される必要があるかも知れない。これらの周波数をロバストに決定する方法は開発されているが、別の発明開示のトピックである。
ブロック506
「機械システムの全慣性を推定する。」
機械システムの全慣性は、最小二乗基準を用いて「速度プラント」の低周波部分FRF GUm_Vmを粘性減衰にさらされた純慣性を表す関数に当てはめることにより推定される。複素周波数応答関数の最小二乗曲線当てはめを実行する際には、(虚数成分が奇関数となり、実数成分が偶関数となるように)両側周波数応答の上で当てはめを行わなければならない。したがって、低周波数範囲はすべての周波数-f0<r<f0を包摂する。FRF関数が負の周波数部分を含まないならば、単純で直接的な手順を用い、既知の対称性に基づいて負の周波数部分を合成する。負の周波数部分は、元の関数の複素共役を計算し、シーケンスの順序を逆にして、0Hzにおける冗長な点を消去することにより合成される。
低周波数範囲を定めるf0の適切な値を選択するにはいくつかの方法を使用することができる。1つの好ましい方法は、速度制御プラント内で第1の反共振周波数を同定し、第1の反共振の周波数の或る分数(例えば、1/2)としてf0を決めることである。いったん周波数領域が分離されてしまえば、両側FRFの複素級数の最小二乗当てはめが行われる。方程式系の詳細は仮の低周波ダイナミックスを決めることで始まる。ここで、Jはモータにおける見かけの全慣性であり、Bはすべてのシステム構成要素が低周波数において同相で一緒に動く際にこれらすべてのシステム構成要素に作用する粘性減衰の係数である。
Figure 2009537926
周波数ωの複数の値に対する方程式系の行列方程式は、上記をS=jωにおいて評価し、代数的に操作することで展開される。ここで、ω0=2Πf0、ΔωはFRFが一様な間隔を有している場合の周波数間隔である。
Figure 2009537926
上の方程式の解は特異値分解などのような周知の手法を用いて求められる。粘性摩擦項Bは直接には用いられていないが、粘性摩擦の作用が慣性Jに誤って帰されるのを防ぐためには、曲線当てはめプロセスに含められなければならない。
ブロック508
「電流コントローラの線形ダイナミック応答を表すFRFと純ループ遅延時間Gcurr(s)を測定(または解析的表現から合成)する。」
電流コントローラのFRFは速度コントローラに関してステップ2で説明したのと同様の測定により推定することができる。また、モータの既知の電気的および磁気的性質と電流制御ループの既存のゲインを考慮して合成してもよい。
ブロック510
「慣性推定値とGcurr(s)とに基づいてKpの下限、上限および初期候補値を選択する。各イテレーションにおけるKpの推定値は p で表される。」
数値的最適化の範囲を限定するためには、Kpの妥当な値の範囲のいくつかの案が決定されなければならない。Kpの範囲は最大のKpを評価することにより決定される。なお、最大のKpは、システムが完全な剛体であり、唯一の限定要因が電流制御のダイナミック応答とシステムのむだ時間、例えばGcurr(s)である場合に可能となるものである。開速度制御ループの理想化された周波数応答は全周波数範囲にわたって以下の式を評価することによって合成されるようにしてよい。なおここで、慣性Jはブロック506の推定の結果である。
Figure 2009537926
純慣性システムの理想化された開ループ位相が−180°を通過するときの最低周波数が求められ、相応するKpは所望のゲイン余裕(例えば、GM=9dB)を考慮してこの位置(w180)における振幅から直接選択される。
Figure 2009537926
このKpの理想値はいったん知られれば、最適化範囲内で最大値Kp_maxを表すために使用される。Kpの範囲の最小値はKp_maxの或る分数(例えば、1/10)に設定される。初期値はこの範囲内の任意の値としてよい(1/2・Kp_maxが良い候補である)。
ASTの実装において、ダイナミックシステムを表現するためのソフトウェアのクラス階層が開発されてきた。ソフトウェアクラスの方法のうちの1つによれば、FRFが或る特性を帯びる周波数を容易に探すことが可能である。その1つの例は、位相が負の勾配をもって或る値を横切るときの周波数を見つけることであろう。
ブロック512
「Cv(s)*Gcurr(s)*Kpを表すFRFを合成する。」
これはFRFの単純な乗算しか含まないので非常に簡単である。
ブロック514
「最小ゲイン余裕に関する制限にちょうど合うように、共振周波数における振幅を抑制する電流目標値フィルタF(s)の組み合わせを選択する(ゲイン余裕基準は、位相が−180°を横切るときの周波数よりも高い共振周波数の近傍におけるすべての開ループ振幅が少なくとも−GMdBまたはそれ未満でなければならないことを意味するものとして保守的に解釈される)。」
この動作を達成するための手順はそれ自体以下にまとめたステップのシーケンスに分けられる。
7.1 開速度ループ全体の「クリティカル」な極の周波数を識別し、周波数の降順にソートする。この場合、開速度ループHOL(ω)は利用可能な情報から構成される。
Figure 2009537926
クリティカルな極として識別される極は、ゲイン余裕の目標値よりも大きな振幅を有する極であり、しかもこの振幅はGcurr(jω)に起因する位相損失が所定の閾値を超える周波数またはそれよりも高い周波数において生じる。Gcurr(jω)の位相が或る値を通過する際の位置(周波数)は従来通りFRFクラスのメソッドにより決定される。位相損失の妥当な閾値は30〜60°の範囲内である。必要なことは、システムの能力に従って、使用されるノッチフィルタの数と同じだけの極を見つけることだけである。いくつかのケースでは、考慮されるノッチフィルタの個数を意図的に真の個数よりも少なくしてもよい。これは後の手動チューニングのためにフィルタを確保しておくため、または事前に構成されたフィルタを開ループシステムに含めるためである。後者の場合、事前に構成されたフィルタは開ループシステムの計算に含められなければならない。
7.2 「アクティブ」極ωaを表す変数に最初の(振幅が最も大きな)クリティカル極を割り当てる。
7.3 「アクティブ」極に影響を受ける周波数範囲の振幅を減衰するノッチフィルタを構築する。このノッチフィルタを表すクラスは、その複数あるコンストラクタの中に、コンストラクタへの入力引数として供給される周波数応答関数オブジェクトの分析に基づいてオブジェクトのメンバーデータを決定するコンストラクタ、すなわちHOLを有している。ノッチフィルタのコンストラクタへのその他の入力引数は規定範囲上の修正FRFの中心周波数と最大振幅である。中心周波数は周波数ωaであり、最大振幅は振幅に変換された目標ゲイン余裕GMである。ノッチフィルタのメンバーデータは中心周波数、帯域幅および最大減衰に関する項である。コンストラクタはフィルタの適切なパラメータ調整を決定し、この適切なパラメータ調整により、規定の周波数範囲上で最大振幅に関する規定の要件を満たす調整されたFRFがもたらされる。
ノッチフィルタ構築の詳細は以下にまとめられている。この考察では、FRFを表すのにHOL(ω)を用いるが、同じ論理は共振ピークを含む任意のFRFに当てはまることが理解されなければならない。
まず、共振が重大な影響力をもつFRFの周波数範囲を求める。これは0〜ωaの範囲でHOL(ω)が規定の最大振幅|H|maxを正の勾配を以て通過する最大の周波数を見つけることで行われる。この周波数はωLeftと表され、適切な影響範囲にとっての共振の候補値の開始周波数を指す。同様に、適切な影響範囲の上限ωRightは、ωaよりも高い周波数の中で、振幅が負の勾配を以て|H|maxを通過する最低の周波数を見つけることで求められる。計算される影響範囲は2つの偏差のうちの大きい方ω1/2=max((ωa−ωLeft),(ωRight−ωa))に基づくので、影響範囲は(ωa−ω1/2)から(ωa+ω1/2)までである。ωLeftまたはωRightの一方に関する条件が存在していない場合には、適切な影響範囲は存在する方の値に基づいて求められる。
ノッチフィルタの帯域幅はω1/2から導かれた係数、例えば4*ω1/2に直に基づくものであってもよい。同様に、要求された最大ゲインとωaにおける共振振幅との比から直に減衰を求めてもよい。さらに、振幅が共振の影響範囲のどこにおいても目標振幅以下であることを保証するために、イテレーションを行ってもよい。
先のアプローチは上手くいく。しかし、軽く減衰した2つの共振が互いに接近して生じた場合には、使用できるフィルタの中から2つのフィルタを消費しなくても単一のノッチフィルタで効果的に処理することができるが、先のアプローチはこのような場合に使用可能なフィルタの個数の制限を維持しようとしていない。このような可能性に対処するために、規定の振幅よりも小さな振幅、例えば1/2*|H|maxを考慮して拡張された影響範囲の幅を求めることで、上に説明した手順を繰り返してもよい。この場合、影響範囲の決定は共振周波数近傍での変動に影響されにくくなる。拡張された影響範囲が求められれば、その範囲上での振幅の最大値がノッチフィルタの新しい中心周波数を決定する。ノッチフィルタの帯域幅は拡張された影響範囲に基づいており、拡張された範囲のどこにおいても振幅が|H|maxに低減されるように減衰が計算される。
これらの規則によって範囲全体を通して振幅を要求されたレベルにすることができない場合には、イテレーションが行われる。イテレーションの独立変数は帯域幅であり、それぞれの帯域幅について、中心周波数を得るために減衰が計算される。イテレーションの費用関数は周波数範囲内の最大振幅値とこの範囲内の所望の最大振幅値との間の差の絶対値である。
説明したようにノッチフィルタを設計した後、中心周波数における減衰が小さな値、例えば、1dB未満の値であることが判明した場合には、フィルタはその周波数では使用されるべきでなく、別の周波数におけるノッチとしてまたは可能なローパスフィルタとしての使用のためにフィルタスロットを保存すべきである。このアプローチは、共振の減衰した固有周波数は求められるが、共振の減衰は未知のままであるという考えに基づいている。これは複素数値の極の実数成分を知ることにではなく、虚数成分を知ることに相当する。各極の実数成分と虚数成分を正確に求めることができるならば、共振を要求された値へと低減させるノッチフィルタを直接計算することができる。振動極の完全に解析的な表現を求める方法については、別の開示文書で論じられている。
7.4 最近に設計されたノッチフィルタからの影響を含むように開ループFRFを増強する。
OL(ω)=Kp*Gcurr(ω)*GUm_Vm(ω)
7.5 変数Waにリスト内の次のクリティカル極を割り当て、ステップ7.3に戻る。クリティカル極のリストが尽きたら、7.3へのループバックを停止する。
7.6 必要ならば、ローパスフィルタとして構成された残りの使用できるフィルタを用いる。ローパスフィルタを表すソフトウェアオブジェクトは、FRFの入力引数を受け取るコンストラクタと、振幅が規定レベル未満となるべき開始周波数の値と、周波数範囲の目標最大振幅を有する。このコンストラクタは、規定の周波数範囲の最大振幅が目標振幅に等しくなるまでカットオフ周波数の値でイテレートする。この場合、イテレーションの費用関数は、目標最大振幅と、候補のローパスフィルタに入力FRFが掛けられたときに注目する周波数範囲内で生じる最大振幅との間の差の絶対値である。ここでは、1よりも次数の高いフィルタについては、カットオフ周波数だけが選択変数となるように(バターワースのような)標準的な構成が選ばれる。
7.1−7.6のシーケンスはすべてのノッチフィルタを用いようとする1つの可能な戦略であり、高周波数範囲に残留した共振またはFRF雑音を処理するにはローパスフィルタしか用いない。1つの代替案として、ステップ7.6がつねにフィルタを処理に使用できるように、使用できるフィルタのうちの1つをローパスとして使用するために残しておくことが考えられる。同様に、ローパスとしての実装のために2つのフィルタを確保してもよい。この動作は使用できるフィルタの総数に等しい回数だけ実行することが考えられる。位相損失の増加を最小にしつつ要件を満たす組み合わせが使用される結果(このステップの出力)として選ばれる。位相損失の増加が最小であることは、開速度ループFRF全体が最低周波数を有しており、この最低周波数において初めて−180°が横切られるということの結果として特徴付けられる。
ブロック516
「最小ゲイン余裕の大域的基準に合うようにKpを低下させ、電流目標値フィルタにより導入される如何なる位相シフトも受容できるようにする。低下させられたKpはKp_finalと表される。」
電流目標値フィルタは必ず位相損失を伴うので、このステップはゲイン余裕基準を維持しなければならない場合もありうる。任意のイテレーションに対して、Kpを低下させる必要がある場合もあれば、必要ない場合もある。Kpを低下させるアプローチはブロック510の単純なケースで用いられるアプローチと非常に似通っている。違いはH(s)の構成にある。つまり、1/J(s)が測定された速度プラントGUm_vm(s)で置き換えられ、電流目標値フィルタFtot(s)の現在のイテレーションの選択の全効果を表す付加的な合成FRFが乗じられている。
比例ゲイン制御された速度ループの最大閉ループ振幅を制限することを、代替的なまたは追加の要件としてもよい。速度コントローラが参照モデル(参照モデルについては後で検討する)で増強されており、速度フィードフォワードが位置ループ内に実現されているケースでは、比例ゲイン制御された速度ループは閉速度ループの振幅が決して1.0を超えることにならないような挙動を示すことが有利である。比例制御だけの速度ループの閉ループ振幅が1.0以下であるという要件は戦略で必要とされる場合にこのステップにおいて課される。この制約を満たす最大Kpゲインはイテレーションによって求めることができるが、直接的なアプローチも発見されている。次の式はFRFのすべての周波数について計算されたKpの限界値を表している。
Figure 2009537926
Figure 2009537926
この直接的なアプローチの導出と説明については本明細書で後ほど見る。上の式を各周波数について評価し、Kpの値の正のインスタンスの中から最小のものを選ぶことにより、この関係から、この要件を満たす最大Kpを求めるためのアルゴリズムを開発することができる。
ブロック518
「数値的最適化に「黄金分割探索アルゴリズム」の基準を用いて、 p の次の候補値を選択する。その際、−1*Kp_finalを費用関数とする。」
黄金分割探索は費用関数を最小化する変数の値を求める数値的最適化の定評のあるアルゴリズムである。この場合、費用関数は比例ゲインの直近のイテレーション選択での負の最終値−Kp_finalである。費用関数が負の最終ゲインであるのは、われわれの目的がKp_finalを最大化することだからである。入力変数は候補値である。通常、数値的最適化では、入力値が求められている結果であるが、面白いことに、この場合には求められている結果は最小費用関数である。
ブロック520
「−Kp_finalが収束するまで、動作512までを繰り返す。」
収束基準はKp_maxから導かれたKpの分解能の選定に基づいている。妥当な値はKp_max/100である。
積分ゲインK1
積分ゲインはKlの値を繰り返し選択し、規定された目標値(目標PMに選ばれる典型的な値は45〜60°の範囲内にある)よりも大きな最小位相余裕を生じる最大値を見つけることによって求められる。与えられたKlの位相余裕を前もって閉形式の式から求めることはできないので、Klの候補値によるイテレーションが必要とされる。イテレーションは黄金分割探索アルゴリズムを用いる。このアルゴリズムでは、候補Klの開速度ループダイナミックスが合成され、費用関数は合成されたFRFにおける最小位相余裕と目標位相余裕との差の絶対値である。
あるいは、外乱力に対するダイナミックコンプライアンスの表現である費用関数に基づいてKlを選択してもよい。ダイナミックコンプライアンスに基づいた費用関数の例としては、ダイナミックコンプライアンス周波数応答の最大振幅、ダイナミックコンプライアンス周波数応答の振幅の所定の周波数範囲にわたる積分、またはコンプライアンス応答における最初のいくつかの最大振幅ピークの平均値がある。ダイナミックコンプライアンス応答は、この応答の構造要素が硬いと想定される場合には、すでに求めた項D(s)、Gcurr、GUm_vm(s)、Ftot(s)を操作することで得ることができる。これは速度ループの逆外乱排除、すなわち、外乱伝達を表す。
Figure 2009537926
参照モデル
これまでは、すべてのチューニングの考察は図1に示されているシステム例に関係するものであった。図1のブロック線図は速度ループ「参照モデル」を含んでいない。参照モデルの目的は、恰も速度制御積分ゲイン(K1)が存在しないかのように、速度ループの追従挙動を振る舞わせることにある。積分ゲインは外乱(力)に対するイミュニティを向上させるために存在している。積分ゲインを有する閉ループシステムは、積分器によりもたらされる付加的な位相損失と零点とによって形成される小さなピーク(0dBよりも大きい)をもつ振幅応答を有する場合がある。比例のみのシステムはそのような「ピーク」をもたない。参照モデルは位置コントローラ内に速度フィードフォワードが実装されている場合に特に有用である。参照モデルは速度フィードフォワードと加速度(トルク)フィードフォワードが両方とも実装されている場合にはそれほど重要ではない。前に説明したKp、K1およびFtotを求めるための自動チューニング戦略では、参照モデルを採用するための変更は不要であることが理解されなければならない。参照モデルR(s)を含む制御ループ構造は図4に示されている。
図4を検討すると、K1が0である仮想的なケースに関して、参照モデルがVcからVmへの応答を正確に複製することができれば、VcからVmへのフォワードパス応答に対する積分器K1/sの影響は無くなることが分かる。これは、参照モデルのダイナミックスが比例のみの制御を有する閉速度ループのダイナミックスを複製していれば、参照モデルが最適化されていることを意味している。
最適な参照モデルはテンプレートフィルタを選択することで求められる。ただし、このテンプレートフィルタの構造は比例のみの補償器を用いた閉位置ループ応答の予想される低周波挙動のモデルを表すものである。分析はFRFの低周波部分に限定されている。というのも、仮定される妥当な構造はどれも、機械的な共振が発生する高周波数では崩壊してしまうからである。参照モデルのパラメータの数値は最小二乗法の意味で閉速度コントローラの低周波部分に最も適合するモデルを見つけ出すことで決定される。比例のみの補償器の閉ループ速度制御は以前に求めたループ応答Hcl(s)=Kp*Ftot(s)*Gcurr(s)*GUm_Vm(s);Hcl(s)=H01(s)/(1+H01(s))を操作することにより合成される。
R(s)の構造が2次ローパスフィルタ+純むだ時間であると仮定した場合について、この方法の詳細を示す。このような構造が選ばれるのは、この構造がすべての機械的要素が単一の集中慣性として同相で運動する場合の閉ループダイナミックスを表すからであり、また電流目標値フィルタからの重大な影響がなく、電流コントローラの応答を1次ローパスフィルタ+純むだ時間で近似することができるからである。その場合、参照モデルは下記の形式を有するものと仮定される。ここで、未知のパラメータは純むだ時間T0、減衰していない固有周波数ωnおよび減衰係数ξである。
Figure 2009537926
純むだ時間T0が存在するので、Hclを近似する最適なRを見つけるには、イテレーションを行う必要がある。T0の値はイテレーションの独立変数である。どのイテレーションにおいても、そのイテレーションのξとωnの推測を得るために通常の単一ステップの最小二乗最適化が行われる。最小二乗最適化は両側FRF上の限られた周波数範囲にわたって実行される。周波数範囲を選択し、「両側」応答を合成する方法はブロック506に関連して上で論じた方法と同一である。さらに、重み関数、すなわち、周波数範囲内の各周波数における相対的重要度を表現する各周波数の正実数の級数を与えることで、各周波数における相対的重要度を規定してもよい。適切な重み関数を生成する1つの方法は、FRF Hcl(ω)に含まれる周波数と同じ周波数で評価したローパスフィルタの振幅の平方を計算することである。重み関数を用いた最小二乗問題の解法は確立されており、ここで繰り返す必要はない。
所与のイテレーションの費用関数は、重み関数W(ω)の周波数にわたる和、掛けることの、そのイテレーションのR(ω)と低周波数部分に限定された周波数範囲にわたる各ωのHcl(ω)との差である。二乗誤差の和は複素数の二乗振幅、すなわち、あるω=ωiにおけるR(ω)と同じω=ωiにおけるHcl(ω)の評価値の差に当てはまる。T0の範囲は制御システムのソフトウェアと電子ハードウェアにおける純遅延の予想される範囲に関するアプリオリな知識に基づいて予め選択されている。順次連続するイテレーションにおいてT0の候補値を選択するためには、黄金分割探索アルゴリズムが採用される。
各イテレーションの間にξおよびωnの値を推定するための方程式系の形式を以下に示す。下記の方程式系は概念を説明するだけなので等間隔の周波数ベクトルを用いているが、この同じ方程式系は不等間隔周波数ベクトルに対しても等しく適用される。項ejωT0は現イテレーションの与えられた純むだ時間を合成された閉ループシステムから取り除くためにある。
Figure 2009537926
好適な実施形態では、参照モデルを表現するソフトウェアクラスの実装はデータメンバとして純むだ時間クラスのインスタンスと2次ローパスフィルタクラス(PT2)のインスタンスを含む。帰属するクラスがPT2であるオブジェクトのコンストラクタはFRFオブジェクトをとるバリアントを有する。ただし、このFRFオブジェクトは2次ローパスダイナミックスと任意選択の重み関数を用いてシステム応答として近似されると予想されるものである。ξおよびωnを得るための最小二乗解法はPT2コンストラクタ関数により実行され、ξおよびωnの最適な設定をもつPT2オブジェクトがインスタンス化される。さらに、参照モデルクラスはコンストラクタのバリアントを有しており、このバリアントでは、測定または合成された比例のみの閉ループ応答HCLおよび任意選択の重み関数とともに、可能なむだ時間の範囲制限が与えられる。参照モデルコンストラクタのこのバリアントを実行すると、T0の範囲をイテレートしながらPT2コンストラクタが順次呼び出され、与えられた純遅延がHCLから除去され、最適な結果に収束するまで黄金分割探索の規則が実施される。このようにして、参照モデルのクライアントは周波数範囲を限定し、可能なむだ時間の範囲を選択し、オプションとして重み関数を選ぶだけでよい。参照モデルコンストラクタが最適な参照モデルを生成するので、クライアントソフトウェア(特定のチューニング戦略における特定のタスク)は可能な最良の参照モデルを選ぶ方法論に対して責任を負わなくてよい。
単位閉ループ振幅式の導出
このセクションでは、閉ループ応答の最大振幅が1.0以下であるという要件を満たす最大ゲインの式を導く。このアプローチは一般に比例ゲイン制御されたいずれのフィードバックループにも適用可能である。
与件:
開ループプラント:G(s)
定数ゲイン:K
閉ループシステム:H(s)
Figure 2009537926
閉ループ周波数応答の振幅がすべての周波数について1.0以下となるKの最大値を探す。
Figure 2009537926
これは次のように変形できる:
Figure 2009537926
あるいは、もっと便利に
Figure 2009537926
G(jω)を極形式で表せば、
Figure 2009537926
g=g(ω)、φ=φ(ω)とすれば、
Figure 2009537926
よって、不等式はいまや次のように表せる。
Figure 2009537926
これを展開すれば、
Figure 2009537926
右辺の平方を評価すれば、
Figure 2009537926
さらに三角関数の恒等式sin2(a)+cos2(a)=1を用いて上記不等式を整理すれば、
Figure 2009537926
ここで、
Figure 2009537926
であることを考えれば、
不等式は最終的に
Figure 2009537926
となる。
Gは安定システムの伝達関数であるから、その実部はつねに負となる。上記の式の不等号を逆にして整理すれば、各周波数ωについて、Kに対する要件が得られる。
Figure 2009537926
よって、最大比例ゲインKは、Gの数値表現に含まれるすべての周波数において評価したK(ω)の最小値である。
本発明は言明または示唆された課題または特徴のうちの1つまたは複数を満たすシステム、装置または方法に限定されるべきものではなく、ここに示した例示的な実施形態にも限定されない。当業者が為す変更および置換は本発明の範囲内に属すものと見なされる。

Claims (18)

  1. 閉ループシステムのフィルタとループ比例ゲインを同時に選択するための方法において、
    (a)前記システムの周波数応答関数を生成し、
    (b)前記システムの速度コントローラの1つまたは複数の共振周波数および反共振周波数を求め、
    (c)前記システムの全慣性を推定し、
    (d)電流コントローラの周波数応答関数および前記システムの純ループ遅延時間を生成し、
    (e)推定された全慣性と電流コントローラおよび純ループ遅延時間のダイナミック応答に関する情報とに基づいてループ比例ゲインの下限、上限および初期候補値を求め、ループ比例ゲイン候補値を前記初期候補値に設定し、
    (f)システムプラントの周波数応答関数に電流コントローラの周波数応答関数と純ループ遅延時間の周波数応答関数と前記ループ比例ゲイン候補値とを乗じたものを表す周波数応答関数を生成し、
    (g)最小ループ比例ゲイン余裕に関する制限にぴったり合うように、共振周波数における振幅を抑制する電流目標値フィルタの組み合わせを選択し、
    (h)前記ループ比例ゲイン候補値を最小ループ比例ゲイン余裕の大域的基準に合うように下げ、前記候補値を最終候補値に指定し、
    (i)黄金分割探索アルゴリズムを用いて次の候補値を求めることにより最適化を行い、(j)次の候補値に対して(f)から(j)を繰り返すことにより最終候補値へと収束させる、ことを特徴とする方法。
  2. 前記最小ループ比例ゲイン余裕は、位相が−180°を横切るときの周波数の分数周波数よりも高い周波数に対する共振の近傍におけるすべての開ループ振幅を含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記最小ループ比例ゲイン余裕に関連したループ比例ゲイン余裕をチューニング戦略へのパラメータとして設定する、請求項1記載の方法。
  4. ループ比例ゲインの候補値を下げることは前記振幅がつねに1.0以下になるようにすることを含む、請求項1記載の方法。
  5. 前記閉ループシステムのフィルタを前記ループ比例ゲイン候補値に基づいて設計する、請求項1記載の方法。
  6. 前記システムの全慣性を推定する動作は、最小二乗基準を用いて速度コントローラの低周波部分GUm_Vmを粘性減衰にさらされた純慣性を表す関数に当てはめることにより推定することを含む、請求項1記載の方法。
  7. プラント内のフィルタならびにアクチュエータおよびセンサの制御ループの比例ゲインを自動調整するシステムであって、
    前記システムの周波数応答関数を生成するモジュール(a)、
    前記システムの速度コントローラの1つまたは複数の共振周波数および反共振周波数を求めるモジュール(b)、
    前記システムの全慣性を推定するモジュール(c)、
    流コントローラの周波数応答関数および前記システムの純ループ遅延時間を生成するモジュール(d)、
    推定された全慣性と電流コントローラおよび純ループ遅延時間のダイナミック応答に関する情報とに基づいてループ比例ゲインの下限、上限および初期候補値を求め、最初のループ比例ゲイン候補値を前記初期候補値に設定するモジュール(e)、
    システムプラントの周波数応答関数に電流コントローラの周波数応答関数と純ループ遅延時間の周波数応答関数と前記ゲイン候補値とを乗じたものを表す周波数応答関数を生成するモジュール(f)、
    最小ループ比例ゲイン余裕に関する制限にぴったり合うように、共振周波数における振幅を抑制する電流目標値フィルタの組み合わせを選択するモジュール(g)、
    前記ループ比例ゲイン候補値を最小ループ比例ゲイン余裕の大域的基準に合うように下げ、下げた候補値を最終候補値に指定するモジュール(h)、
    黄金分割探索アルゴリズムを用いて次の候補値を求めることにより最適化を行うモジュール(i)、および、
    次の候補値に対して(f)から(j)を繰り返すことにより最終候補値へと収束させるモジュール(j)を有することを特徴とするシステム。
  8. 前記最小ループ比例ゲイン余裕は、位相が−180°を横切るときの周波数の分数周波数よりも高い周波数について検出される共振におけるすべての開ループ振幅を含む、請求項7記載のシステム。
  9. 前記最小ループ比例ゲイン余裕はチューニング戦略へのパラメータとして設定される、請求項7記載のシステム。
  10. ループ比例ゲインの候補値を下げることは前記振幅がつねに1.0以下になるようにすることを含む、請求項7記載のシステム。
  11. 前記システムは前記ループ比例ゲイン候補値に基づいて閉ループシステムのフィルタを設計するために使用される、請求項7記載のシステム。
  12. 前記システムの全慣性を推定するモジュールは、最小二乗基準を用いて速度コントローラの低周波部分GUm_Vmを粘性減衰にさらされた純慣性を表す関数に当てはめることにより推定することを含む、請求項7記載のシステム。
  13. 前記システムの周波数応答関数を生成するモジュールは、関連する可能性のある周波数の範囲にわたって前記システムを励起し、前記システムの測定値を収集し、前記システムの周波数応答関数を推定、生成することを含む、請求項7記載のシステム。
  14. 閉ループシステムのフィルタおよびループ比例ゲインを設計する方法であって、
    (a)前記システムの周波数応答関数Gum_Vm(s)を生成し、
    (b)Gum_Vm(s)の極と零点を特定することにより前記システムの1つまたは複数の共振周波数および反共振周波数を求め、
    (c)前記システムの全慣性を推定し、
    (d)電流コントローラの周波数応答関数および前記システムの純ループ遅延時間Gcurr(s)を生成し、
    (e)推定された全慣性とGcurr(s)とに基づいてループ比例ゲインの下限、上限および初期候補値Kpを求め、
    (f)システムプラントの周波数応答関数に電流コントローラの周波数応答関数と純ループ遅延時間の周波数応答関数と前記ゲイン候補値とを乗じたものであるCv(s)*Gcurr(s)*Kpを表す周波数応答関数を生成し、
    (g)最小ループ比例ゲイン余裕に関する制限にぴったり合うように、共振周波数における振幅を抑制する電流目標値フィルタF(s)の組み合わせを選択し、
    (h)Kpを最小ループ比例ゲイン余裕の大域的基準に合うように下げ、下げたKpをKp_finalに指定し、
    (i)黄金分割探索アルゴリズムを用いてKpの次の候補値を求めることにより最適化を行い、
    (j)Kp の次の候補値に対して(f)から(j)の動作を繰り返すことによりKp_finalに収束させることを特徴とする方法。
  15. 前記最小ループ比例ゲイン余裕は、位相が−180°を横切るときの周波数の分数周波数よりも高い周波数についてのすべての開ループ振幅を含む、請求項14記載の方法。
  16. 比例ゲインの候補値を下げることは前記振幅がつねに1.0以下になるようにすることを含む、請求項14記載の方法。
  17. 前記システムの全慣性を推定する動作は、最小二乗基準を用いて速度コントローラの低周波部分GUm_Vmを粘性減衰にさらされた純慣性を表す関数に当てはめることにより推定することを含む、請求項14記載の方法。
  18. 前記システムの周波数応答関数を生成する動作は、関連する可能性のある周波数の範囲にわたって前記システムを励起し、前記システムの測定値を収集し、前記システムの周波数応答関数を解析的に生成することを含む、請求項14記載の方法。
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