JP2009537122A5 - - Google Patents
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さらにまた、例えば、テラスで、又は、バルコニーで、又は、キャンプ中に、又は、室内において、6〜12時間にわたって小昆虫からの保護を提供するスモークコイル(smoke coils)、例えば、Baygon(登録商標)コイルも知られている。使用するためにはリングに火を付け、そのリングが燃焼し尽くす間に、そのリングに含まれている活性物質は、戸外又は室内でゆっくりと連続的に放出される。約20m2の部屋では、市販されているリング1つが必要である。しかしながら、そのようなリングの不利点は、それらが使用に際して壊れやすく、従って、その一部分しか使用されないということである。
第1の実施形態において、上記問題の解決法は、炎をあげずに燃焼することが可能な支持体を有する昆虫防除用装置から出発する。
従って、本発明により、第1の実施形態において、炎をあげずに燃焼することが可能で且つ少なくとも1種類の殺虫活性物質が(例えば、含浸によって)供給されている支持体を含んでいる昆虫防除用装置が提供される。本発明によれば、支持体は、ひとたび火が付けられたら、(例えば、吹き消すことによって、又は、突風によって)火が消えた後、炎をあげずに燃焼し続けて、完全には消えないように設計されている。炎をあげずに燃焼する結果として、該支持体は、少なくとも1種類の殺虫活性物質を放出し、それによって、昆虫を防除する。
支持体(support)
本発明の目的のために、該支持体は、炎をあげずに燃焼している間に少なくとも1種類の殺虫活性物質を放出することが可能である限り、どのような制限も受けない。
本発明の目的のために、該支持体は、炎をあげずに燃焼している間に少なくとも1種類の殺虫活性物質を放出することが可能である限り、どのような制限も受けない。
可能な別の支持体は、炎をあげずに燃焼することが可能なプラスチック製材料、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド及びポリテレフタレートなどをベースとする。かくして、殺虫活性物質のための支持体構成材料が、その支持体構成材料が最終的な製造プロセス又は成形プロセスに入る前に活性物質がすでに組み込まれているプラスチック材料から作られ得るということは、本発明の範囲内に含まれることとなった。この活性物質は、本発明の範囲内においては、当該支持体構成材料の成形プロセスによってその活性が悪影響を受けない又はほんの僅かにしか悪影響を受けず、一方で、その支持体が炎をあげずに燃焼し尽くすにつれて本質的に一定の蒸発速度でそのプラスチック製支持体から放出され得るという特性によって区別される。該支持体を製造するために選択される方法は、特に、射出成形法であり、ここで、該方法では、殺虫活性物質(例えばピレスロイド)をプラスチック製出発物質(例えばポリカーボネート)に混合し、この得られた混合物を、次に、射出成形型内で加工することによって、記載されている最終的な形状とする。代替え的な製造方法の例は、押出し又は熱成形である。
極めて特に好ましい実施形態においては、従って、本発明の基盤である上記問題の解決法は、炎をあげずに燃焼することが可能な紙製支持体を含んでいる昆虫防除用装置から出発する。
従って、本発明により、この極めて特に好ましい実施形態において、炎をあげずに燃焼することが可能で且つ少なくとも1種類の殺虫活性物質が(例えば、含浸によって)供給されている紙製支持体を含んでいる昆虫防除用装置が提供される。本発明によれば、紙製支持体は、ひとたび火が付けられたら、(例えば、吹き消すことによって、又は、突風によって)火が消えた後、燃焼し続けて、完全には消えないように設計されている。炎をあげずに燃焼する結果として、該紙製支持体は、少なくとも1種類の殺虫活性物質を放出し、それによって、昆虫を防除する。
本発明によるタイプの紙製支持体は、何年も前からすでに知られているが、昆虫防除の分野では知られていない。かくして、約150年もの間、紙製支持体にアジアンツリー(Asian tree)樹脂「スチラックス(styrax)」を含浸させてきた。それによって得られた製品は、「アルメニアンペーパー(Armenian paper)」と称される。この「アルメニアンペーパー」は、食品又はタバコの臭気を消すために使用される。フランス人のAuguste Poncetは、アルメニアへの旅行から上記樹脂を携えて戻った。その樹脂は、香料の製造にも使用され、また、従って、その香料の臭いを思い出させる。上記紙は、さまざまな枚数の紙を有する小冊子として売られている。この紙を使用する場合、その小冊子から紙1枚を取り出して灰皿の中で火を付け、次に、火を消して、ゆっくりと燃焼し尽くすようにする。その紙は、燃焼し尽くすにつれ、所望の芳香物質を放出し、それによって、周囲に対して心地よい香りを確実にもたらす。本発明による紙製基体も、同じような方法で使用する。
個々の紙製支持体の寸法に関しては、本発明は、どのような制限も受けない。しかしながら、本発明による紙製支持体は、使用者が適切な方法で使用できるように、即ち、例えば、特定の容器(例えば、灰皿)の中でその紙製支持体が燃焼し続けることを可能とするような寸法を紙製支持体が有するように、切断済みの形態で存在しているべきである。
適切な殺虫活性物質の選択は、原則として、その殺虫活性物質が、約350〜600℃の支持体(特に、紙製支持体)の燃焼温度で本質的に分解することなく、また、その殺虫活性を本質的に失うことなく、周囲の空気中に放出されることという制限のみを受ける。本発明の範囲内において、用語「本質的に分解することなく」は、80%以下(好ましくは、70%以下、特に好ましくは、60%以下、特に、50%以下、とりわけ、40%以下)の分解しか起こらないことを意味するものと理解される。本発明の第1の実施形態においては、該紙製支持体に、ピレスロイド系からなる群から選択される少なくとも1種類の殺虫活性物質、特に、アクリナトリン、アレスリン、d−アレスリン、d−トランス−アレスリン、d−シス−トランス−アレスリン、アルファメトリン(alphamethrin)、バトリン(bathrin)、ビフェントリン、ビオアレスリン、S−ビオアレスリン、ビオアレスリン S−シクロペンチル異性体、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロシトリン(clocythrin)、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ−シフルトリン、シハロトリン、ガンマ−シハロトリン、ラムダ−シハロトリン、シペルメトリン、アルファ−シペルメトリン、ベータ−シペルメトリン、シス−シペルメトリン、シータ−シペルメトリン、ゼータ−シペルメトリン、シフェノトリン、デルタメトリン、デパレトリン(depallethrin)、エムペントリン、エムペントリン(1R異性体)、エスビオスリン(esbiothrin)、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンフルトリン(fenfluthrin)、フェンプロパトリン、フェンピリトリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシトリネート、フルメトリン、フブフェンプロックス(fubfenprox)、イミプロトリン、カデトリン、メトフルトリン、ネオピナミン(neopynamine)、ペルメトリン、シス−ペルメトリン、トランス−ペルメトリン、フェノトリン、フェノトリン(1R−トランス異性体)、d−フェノトリン、プラレトリン、プロフルトリン、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ピナミンフォルテ(ピナミンフォルテ)、ピレスメトリン、ピレトリン、レスメトリン、シス−レスメトリン、RU 15525、シラフルオフェン、タウ−フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン(フタルスリン)、テトラメトリン(1R異性体)、テラレトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI 8901、ピレトリン類(除虫菊(pyrethrum))及び上記物質の任意の混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の殺虫活性物質を含浸させる。
本発明の殺虫性組成物中の支持体(特に紙製支持体)には、付加的に、さらなる活性物質も含ませることができる。ここで、必須成分は、硝酸カリウムである。硝酸カリウムを含ませる結果として、該支持体(特に該紙)は、完全には燃えないが、着火及びその後の消火のあとで、燃焼する。本発明の支持体(特に紙製支持体)中に存在させる硝酸カリウムの量は、原則として、どのような制限も受けない。しかしながら、硝酸カリウムの量が5〜50g/cm2、特に好ましくは7〜45g/cm2、極めて特に好ましくは9〜40g/cm2、さらに極めて特に好ましくは10〜35g/cm2、とりわけ12〜30g/cm2であれば好ましいということが分かった。
一実施形態では、本発明による殺虫剤組成物の支持体(特に紙製支持体)は、従って、適切な支持体材料(特に紙)を適切な溶液又はエマルションに浸漬させることにより調製することができる。ここで、使用する出発物質は、好ましくは、適切な量の硝酸カリウムがすでに供給されている上記仕様の支持体(特に紙製支持体)である。本発明のさらに別の実施形態では、該支持体(特に紙製支持体)に燃焼協力剤(glowing synergist)を供給する。これは、例えば、硝酸カリウム又は又は過マンガン酸カリウムであり得る。
本発明の殺虫剤組成物は、飛翔昆虫、例えば、小昆虫及びハエ類、例えば、イエバエ(Musca domestica)を防除するのに適しており、また、ガ、アリ類、ダニ類、ゴキブリ類及びセイヨウシミ類を防除するのに特に適している。この目的のためには、例えば適切な容器内で、該支持体(特に、紙製支持体)に火を付け、直ちに火を消し、その結果、その後それら支持体は燃焼し尽くすことができる。この燃焼し尽くす時間は、当該支持体(特に、紙製支持体)の寸法及び当該支持体(特に紙製支持体)上の硝酸カリウムの量に左右される。通常、炎をあげずに燃焼する時間は、当該支持体材料に応じて、特に、当該紙の種類及び量並びに当該紙への添加物(loading)の種類に応じて、1分間〜数時間である。
4. 紙製蒸気生成物の燃焼挙動(炎をあげない燃焼挙動)の測定
4.1 装置
・ 標準的な実験装置;
・ ストップウオッチ;
・ 1m3のチャンバー又は20m3のチャンバー;
・ ファン(20m3チャンバーでの試験についてのみ);
・ 被検体を固定するための締め付け装置;
・ ライター;
・ 受け皿。
4.1 装置
・ 標準的な実験装置;
・ ストップウオッチ;
・ 1m3のチャンバー又は20m3のチャンバー;
・ ファン(20m3チャンバーでの試験についてのみ);
・ 被検体を固定するための締め付け装置;
・ ライター;
・ 受け皿。
試験に供する被検体を備え付けられている締め付け装置に装入する。ここで、当該被検体は、それらが、他の表面、例えば、床又は受け皿などに、一切接触しないように配置することに注意しなければならない。このような他の表面は、当該試験の過程(被検体の燃焼)に悪影響を及ぼす。
被検体を試験チャンバー(1m3又は20m3)の中に入れ、全試験相を通して該被検体が観察され得るように、位置を定める。20m3のチャンバーでの試験の場合は、空気の循環をシミュレートするために、場合により、ファンを使用することができる(位置決め:下記略図を参照されたい)。可視炎が観察されるまで、ライターを用いて被検体に火を付ける。その炎を直ちに吹き消して、当該被検体が他の助けを受けずに燃焼し続けられるようにする。同時に、被検体の燃焼時間を測定するストップウオッチをスタートさせる。被検体を全試験期間(燃焼期間)を通して観察する。以下のものが観察される:
・ 被検体は、試験の開始から終わりまで、連続的に燃焼する:
・ 被検体は、試験の開始から終わりまで、均質に又は部分的に燃焼する;
・ 被検体の一部が、試験中に落下する。
・ 被検体は、試験の開始から終わりまで、連続的に燃焼する:
・ 被検体は、試験の開始から終わりまで、均質に又は部分的に燃焼する;
・ 被検体の一部が、試験中に落下する。
・ 燃焼相の持続時間(3回の測定の平均);
・ 燃焼相中の外観。
・ 燃焼相中の外観。
4.4 外観についての評価因子
a =試験の開始から終わりまで最適に燃えている;
b =燃焼中に一部が落下する;
c =残り火が消える;
sf=火花の形成。
a =試験の開始から終わりまで最適に燃えている;
b =燃焼中に一部が落下する;
c =残り火が消える;
sf=火花の形成。
5. 燃焼可能な紙製蒸気生成物の被検体の調製
5.1 装置
・ 標準的な実験装置;
・ ストップウオッチ;
・ V4A皿(35×22cm);
・ 乾燥器(最大で50℃まで);
・ 写真ローラープレス(Photographers’ roller press);
・ エッペンドルフ型ピペット20〜500μL(ピペットチップを含む);
・ 写真ローラープレスのための受け皿。
5.1 装置
・ 標準的な実験装置;
・ ストップウオッチ;
・ V4A皿(35×22cm);
・ 乾燥器(最大で50℃まで);
・ 写真ローラープレス(Photographers’ roller press);
・ エッペンドルフ型ピペット20〜500μL(ピペットチップを含む);
・ 写真ローラープレスのための受け皿。
5.4 KNO3の量の評価
KNO3の量の評価は、以下のように実施する:
・ KNO3の量/DIN A 4シート
(紙シートの総重量)−(紙シートの正味重量)=KNO3の量
・ KNO 3 の米坪
(シート1m2当たりのKNO3の量)/(DIN A 4シートの面積)=KNO3/m2
6. さまざまな活性物質の効力
KNO3の量の評価は、以下のように実施する:
・ KNO3の量/DIN A 4シート
(紙シートの総重量)−(紙シートの正味重量)=KNO3の量
・ KNO 3 の米坪
(シート1m2当たりのKNO3の量)/(DIN A 4シートの面積)=KNO3/m2
6. さまざまな活性物質の効力
Claims (9)
- 炎をあげずに燃焼することが可能な支持体を含む昆虫防除装置であって、前記支持体が、トランスフルトリン及びメトフルトリンからなる群から選択される少なくとも1種類の殺虫活性物質を含有し、紙重量25〜300g/m 2 を有する紙支持体であることを特徴とする装置。
- マイクロカプセル化された少なくとも1種類の殺虫活性物質を含有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記活性物質の含有量が、紙の面積24cm2当たり0.01〜100.0mgであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
- 前記活性物質の含有量が、紙の面積24cm2当たり0.05〜80mgであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
- 前記活性物質の含有量が、紙の面積24cm2当たり0.1〜60mgであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
- 前記紙支持体が硝酸カリウムを5〜50g/m2の量含むことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の装置。
- 支持体に殺虫剤の溶液を含浸させ、次に、それを乾燥させることことにより、又は、該支持体を殺虫剤の溶液に浸漬し、次に、それを乾燥させることにより、又は、ピペットを用いて含浸させることにより、又は、インクジェット法を用いて含浸させることにより、又は、スクリーン印刷法を用いて含浸させることにより、殺虫剤含有紙支持体を調製することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の装置を製造する方法。
- 支持体への殺虫剤の含浸が噴霧により行われることを特徴とする、請求項7に記載の装置を製造する方法。
- 昆虫を防除するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の昆虫防除装置の使用。
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