JP2009534472A - 6−アルファ−ヒドロキシ−n−アルキル化オピエート類の改良型製造方法 - Google Patents

6−アルファ−ヒドロキシ−n−アルキル化オピエート類の改良型製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ルテニウム、ロジウムまたはイリジウム不斉触媒および水素供給源の存在下での、6−ケトモルフィナンの6−アルファ−ヒドロキシモルフィナンへの変換を対象とする。

Description

発明の分野
本発明は、一般的に、中間体または最終生成物モルフィナン類の合成方法に関する。より具体的には、本発明は、6−アルファ−ヒドロキシモルフィナン類およびそれらの塩、中間体および類似体の合成を対象とする。
発明の背景
ある種のモルフィナン類の6−ケト基の還元は、ナルブフィンなどのオピエートをベースとする多数の化合物の製造において必要な段階である。伝統的には、6−ケト基は、ホウ素の還元剤、例えばNaBHを、低温で使用して還元された。例えば、R. Van Gurp et al., Chemistry of Opium Alkaloids. Part XXIV. Synthesis of 7,8-didehydro-3,4-dimethoxy-17-methylmorphinan-6-one and the Regioselective Reduction of the keto Function, Neth. Bulletin des Societes Chimiques Belges 96(4), pp. 325-9 (1987) および K. Uwai et al., Syntheses and Receptor-binding Studies of Derivatives of the Opioid Antagonist Naltrexone, Bioorg. & Med. Chem., 12, p. 417 (2004) 参照。この合成経路のために、低温は、望ましい過剰の6−α−ヒドロキシエピマーを提供する。温度に依存して、エピマー比は、−20℃より低い温度で、99:1の6α:6βヒドロキシほどの高さになり得る。より高い温度は、この比を損なう傾向にあり、6−β−ヒドロキシエピマーの割合の増加をもたらす。他のホウ素由来還元剤は、この比について改善され、反応をより適度な温度で実施することを可能にした。例えば、L. Malspeis et al., Metabolic Reduction of Naltrexone. I. Synthesis, Separation, and Characterization of Naloxone and Naltrexone Reduction Products and Qualitative Assay of Urine and Bile Following Administration of Naltrexone, α-Naltrexol, or β-Naltrexol, Res. Commun. Chem. Pathol. Pharmacol. 2(43) (1975); L. Olsen et al., Conjugate Addition Ligands of Opioid antagonists. Methacrylate Esters and Ethers of 6α- and 6β-naltrexo, J. Med. Chem., 33(2), pp. 737-41 (1990); および G. Koolpe et al., Opioid Agonists and Antagonists. 6-Desoxy-6-substituted Lactone, Epoxide, and Glycidate Ester Derivatives of Naltrexone and Oxymorphone, J. Med. Chem., 28(7), pp. 949-57 (1985) 参照。
反応が完了し、過剰の還元剤を破壊すると、還元されたオピエートが典型的には抽出により単離される。しかしながら、この単離方法は、典型的には、有用な量の所望の化合物を供給できない。むしろ、収量は低く、精製は難しい傾向にある。生成物を反応から取り出すために、クロロホルムを使用する反復的抽出が通常必要である。抽出工程の完了後、過剰のクロロホルムを除去するために、長い濾過が必要である。ホウ素還元基を利用する変換方法の収率は、約50ないし90%に幅広く変動する。加えて、ある種の条件下では、エピマーの純度を高めるために、生成物の結晶化が必須である。
従って、便利かつ効率的な6−ケトモルフィナン類の6−α−ヒドロキシモルフィナン類への変換方法に対する必要性が存在する。この方法は、高いエピマーの純度を確実にし、かつ、所望の化合物の簡潔な単離を可能にするべきである。
発明の概要
様々な本発明の態様には、ルテニウム、ロジウムまたはイリジウム不斉触媒および水素供給源の存在下での、6−ケトモルフィナンの6−α−ヒドロキシモルフィナンへの変換方法の提供がある。6−α−ヒドロキシモルフィナンは、所望により、1つまたはそれ以上のさらなる段階でさらに誘導体化され、6−α−ヒドロキシ−N−アルキル化モルフィナン化合物を形成させてもよい。あるいは、ある種の状況下では、N−アルキル化は、6−ケトモルフィナンの6−α−ヒドロキシモルフィナンへの変換と並行して実施してもよい。本発明の他の態様では、モルフィナンのN−アルキル化は、所望により、6−ケトの6−α−ヒドロキシモルフィナンへの変換に先立ち実施する。
従って、簡潔に述べると、本発明は、式(II)
Figure 2009534472
を有する6−α−ヒドロキシモルフィナンの製造方法を対象とし、その方法は、6−ケトモルフィナン(I)を、ルテニウム、ロジウムまたはイリジウム不斉触媒および水素供給源の存在下で還元することを含み、6−ケトモルフィナン(I)は、式:
Figure 2009534472
[式中、
は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ハロまたは−OR111であり;
は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ハロまたは−OR211であり;
は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは−OR311であり;
は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは−OR711であり;
は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは−OR811であり;
14は、水素またはヒドロキシであり;
111は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヒドロキシ保護基であり;
211は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヒドロキシ保護基であり;
311は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヒドロキシ保護基であり;
711は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヒドロキシ保護基であり;
811は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヒドロキシ保護基であり;
は、>N(R)、>N(R)(R10)、>NCH(OH)(R)または>N=CH(R)であり;
は、(i)Zが>N(R)または>N(R)(R10)であるとき、Zであるか;または、
(ii)Zが>NCH(OH)Rまたは>N=CH(R)であるとき、>NCH(R)であり;そして、
およびR10は、独立して、水素、アシル、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは複素環である]
を有する。
他の目的および特徴は、部分的には明らかであり、部分的には下記で指摘されるであろう。
発明の詳細な説明
本発明は、6−α−ヒドロキシモルフィナン類、それらの塩、中間体および類似体の製造のための、改良された合成方法に関する。本発明のある態様では、その合成方法は、ルテニウム、ロジウムまたはイリジウム不斉触媒および水素供給源を利用して、選択的に6−ケトモルフィナン類を6−α−ヒドロキシモルフィナン類に変換する。有利なことに、幅広い反応条件を使用してこの反応を実行できる。
本明細書に記載の方法を使用して、6−ケトから6−ヒドロキシ基への変換は、6−α−ヒドロキシおよび6−β−ヒドロキシモルフィナンエピマーの混合物をもたらす。典型的には、6−α−ヒドロキシの6−β−ヒドロキシモルフィナンエピマーに対するエピマー比は、9:1より高く、しばしば19:1より高い。ある例では、6−α−ヒドロキシの6−β−ヒドロキシモルフィナンエピマーに対するエピマー比は、99:1より高く、好ましくは99.5:1より高い。
モルフィナン化合物
議論のために、本発明のモルフィナン類の環原子を、以下の通りに番号付けする:
Figure 2009534472
コアのモルフィナン構造において図解する通り、4個のキラル炭素、即ち、C−5、C−13、C−14およびC−9があり得る。
さらに、例示説明の目的で、本発明のモルフィナン類のZ部分、>N(R)、>N(R)(R10)、>NCH(OH)(R)および>N=CH(R)は、各々式(Ia)、(Ib)、(Ic)および(Id)に対応する:
Figure 2009534472
加えて、本明細書で使用するとき、記号「>」は、窒素原子と併せて、窒素原子をモルフィナンに結合させる2個の共有結合を図解するために使用する。
本発明のある実施態様では、モルフィナンは、式(Ia)に相当する。Rが水素または置換もしくは非置換C1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール、複素環またはアシルである。典型的には、アシル基には、エステル類、アミド類およびカルバメート類が含まれるが、これらに限定されない。式(Ia)を有するモルフィナンの光学活性は、偏光の回転に関して、(+)または(−)であり得る。さらに、式(Ia)の化合物の炭素C−5、C−13、C−14およびC−9の配置は、各々、RRRR、RRSR、RRRS、RRSS、RSRR、RSSR、RSRS、RSSS、SRRR、SRSR、SRRS、SRSS、SSRR、SSSR、SSRSまたはSSSSであり得、但し、C−15およびC−16の炭素は、両方とも分子のアルファ面または分子のベータ面の一方にある。
この実施態様のある例では、Rは、水素、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール、複素環、エステル、アミドまたはカルバメートである。より限定的な例では、Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、シクロプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、シクロブチルカルボニルまたはアリルであり;好ましくは、水素、メチル、エチル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロプロピルカルボニルまたはシクロブチルカルボニルである。この実施態様の好ましい例では、6−ケトモルフィナンは、ノルオキシモルフォンであり;即ち、R、R、RおよびRは水素であり;R14はβ−ヒドロキシであり;そして、Rは水素である。参照用に、ノルオキシモルフォンの構造は、以下の通りである:
Figure 2009534472
他の実施態様では、モルフィナンは、式(Ib)に相当し、ここで、RおよびR10は、独立して、水素または置換もしくは非置換C1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール、複素環またはアシルである。典型的なアシル基には、エステル類、アミド類およびカルバメート類が含まれるが、これらに限定されない。式(Ib)を有するモルフィナンの光学活性は、(+)または(−)であり得る。RおよびR10が同一である実施態様では、不斉炭素C−5、C−13、C−14およびC−9の配置は、各々、RRRR、RRSR、RRRS、RRSS、RSRR、RSSR、RSRS、RSSS、SRRR、SRSR、SRRS、SRSS、SSRR、SSSR、SSRSまたはSSSSであり得、但し、C−15およびC−16炭素は、両方とも分子のアルファ面または分子のベータ面にある。これに対して、RおよびR10が異なる実施態様では、不斉中心のC−5、C−13、C−14、C−9およびN−17の配置は、各々、RRRRR、RRRRS、RRSRR、RRSRS、RRRSR、RRRSS、RRSSR、RRSSS、RSRRR、RSRRS、RSSRR、RSSRS、RSRSR、RSRSS、RSSSR、RSSSS、SRRRR、SRRRS、SRSRR、SRSRS、SRRSR、SRRSS、SRSSR、SRSSS、SSRRR、SSRRS、SSSRR、SSSRS、SSRSR、SSRSS、SSSSRまたはSSSSSであり得、但し、C−15およびC−16炭素は、両方とも分子のアルファ面または分子のベータ面の一方にある。
この実施態様のある例では、RおよびR10は、独立して、水素、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール、複素環、エステル、アミドまたはカルバメートである。より限定的な例では、RおよびR10は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、シクロプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、シクロブチルカルボニルまたはアリルである;好ましくは、水素、メチル、エチル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロプロピルカルボニルまたはシクロブチルカルボニルである。ある好ましい例では、Rはシクロプロピルメチルであり、R10はメチルである。他の好ましい例では、RはC1−8アルキルであり、R10は水素である。
また他の実施態様では、6−ケトモルフィナンは、式(Ic)に相当し、ここで、Rは、水素または置換もしくは非置換C1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール、複素環またはアシルである。典型的なアシル基には、エステル類、アミド類およびカルバメート類が含まれるが、これらに限定されない。式(Ic)を有するモルフィナンの光学活性は、(+)または(−)であり得る。Rが水素またはヒドロキシである実施態様では、キラル炭素C−5、C−13、C−14およびC−9の配置は、各々、RRRR、RRSR、RRRS、RRSS、RSRR、RSSR、RSRS、RSSS、SRRR、SRSR、SRRS、SRSS、SSRR、SSSR、SSRSまたはSSSSであり得、但し、C−15およびC−16炭素は、両方とも分子のアルファ面または分子のベータ面の一方にある。Rが水素またはヒドロキシではない実施態様では、N−17に結合している炭素(C−18)もキラルであり、従って、C−5、C−13、C−14、C−9およびC−18の配置は、各々、RRRRR、RRRRS、RRSRR、RRSRS、RRRSR、RRRSS、RRSSR、RRSSS、RSRRR、RSRRS、RSSRR、RSSRS、RSRSR、RSRSS、RSSSR、RSSSS、SRRRR、SRRRS、SRSRR、SRSRS、SRRSR、SRRSS、SRSSR、SRSSS、SSRRR、SSRRS、SSSRR、SSSRS、SSRSR、SSRSS、SSSSRまたはSSSSSであり得、但し、C−15およびC−16炭素は、両方とも分子のアルファ面または分子のベータ面の一方にある。
この実施態様のある例では、Rは、水素、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール、複素環、エステル、アミドまたはカルバメートである。より限定的な例では、Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、シクロプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、シクロブチルカルボニルまたはアリル;好ましくは、水素、メチル、エチル、シクロプロピルまたはシクロブチルである。
他の実施態様では、6−ケトモルフィナンは、式(Id)に相当し、ここで、Rは、水素または置換もしくは非置換のC1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール、複素環またはアシルである。典型的なアシル基には、エステル類、アミド類およびカルバメート類が含まれるが、これらに限定されない。式(Id)を有するモルフィナンの光学活性は、(+)または(−)であり得、キラル炭素C−5、C−13、C−14およびC−9の配置は、各々、RRRR、RRSR、RRRS、RRSS、RSRR、RSSR、RSRS、RSSS、SRRR、SRSR、SRRS、SRSS、SSRR、SSSR、SSRSまたはSSSSであり得、但し、C−15およびC−16炭素は、両方とも分子のアルファ面または分子のベータ面の一方にある。
この実施態様のある例では、6−ケトの6−α−ヒドロキシ部分への変換と同じ条件下で、イミンを対応する第3級アミノ部分に変換する。従って、両方の基をワンポット反応で並行して還元し得る。あるいは、所望により、イミンおよび6−ケト基の還元を、別の反応段階で達成することができる。この実施態様のある例では、Rは、水素、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール、複素環、エステル、アミドまたはカルバメートである。より限定的な例では、Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、シクロプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、シクロブチルカルボニルまたはアリル;好ましくは、水素、メチル、エチル、シクロプロピルまたはシクロブチルである。ある好ましい例では、Rはシクロブチルである。
モルフィナンが式(I)に相当し、Zが、>N(R)、>N(R)(R10)、>NCH(OH)(R)または>N=CH(R)である上記の実施態様のいずれについても、Rは典型的には−OR311であり、ここで、R311は、水素、アルキル、アシル、アルカリール、アリールまたはヒドロキシ保護基である。この実施態様のある例では、R311は、水素、C1−8アルキル、アリール、C1−8アルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、C1−8アルキル−OC(O)−またはアリール−OC(O)−である。他の例では、R311は、水素またはC1−8アルキル;好ましくは、水素またはメチルである。好ましい例では、R311は水素である。
モルフィナンが式(I)に相当する実施態様では、R、R、RおよびRは水素である。代替的実施態様では、R、R、RおよびRの少なくとも1個は、水素以外である;例えば、Rは、ヒドロカルビル、ハロまたは−OR111であり得、ここで、R111は、水素、アルキル、アシル、アルカリール、アリールまたはヒドロキシ保護基である。
式(I)に相当する6−ケトモルフィナンを、ルテニウム、ロジウムまたはイリジウム不斉触媒および水素供給源の存在下で本発明の方法に従い還元するとき、得られる6−ヒドロキシモルフィナンは、式(II):
Figure 2009534472
[式中、R、R、R、R、R、R、R10およびR14は、式(I)について先に定義した通りであり、Zが式(Ia)または(Ib)に相当するとき、ZはZであるか、または、Zが式(Ic)または(Id)に相当するとき、Zは>NCH(R)である]
に相当する。
式(II)に相当する6−ヒドロキシモルフィナンの光学活性は、(+)または(−)であり得、キラル炭素C−6、C−5、C−13、C−14およびC−9の配置は、各々、RRRRR、RRRRS、RRSRR、RRSRS、RRRSR、RRRSS、RRSSR、RRSSS、RSRRR、RSRRS、RSSRR、RSSRS、RSRSR、RSRSS、RSSSR、RSSSS、SRRRR、SRRRS、SRSRR、SRSRS、SRRSR、SRRSS、SRSSR、SRSSS、SSRRR、SSRRS、SSSRR、SSSRS、SSRSR、SSRSS、SSSSRまたはSSSSSであり得、但し、C−15およびC−16炭素は、両方とも分子のアルファ面または分子のベータ面の一方にあり、6−ヒドロキシは、分子のアルファ面にある。
例示的なモルフィナン(II)生成物には、ナルブフィン、オキシモルフォール(oxymorphol)、オキシコドール(oxycodol)、ノルオキシモルフォール、ナロキソール(naloxol)、ナルトレキソール(naltrexol)、ヒドロコドール(hydrocodol)およびヒドロモルフォール(hydromorphol)が含まれる:
Figure 2009534472
ルテニウム、ロジウムまたはイリジウム不斉触媒
一般的に、本発明のルテニウム、ロジウムまたはイリジウム不斉触媒は、モルフィナンの6−ケト部分の6−α−ヒドロキシエピマーへのエナンチオ選択的還元を助長する。さらに、これらの触媒は、本明細書に記載する一定の条件下で、N−イミン(Z=>N=CH(R))またはヘミアミナール(hemiaminal)(Z=>NCH(OH)(R))の還元も助長し得る。一般に、本発明の不斉触媒は、(a)ルテニウム錯体、ロジウム錯体、イリジウム錯体またはこれらの組合せからなる金属供給源、および、(b)1個またはそれ以上のキラル配位子を含む。典型的には、金属のキラル配位子に対する比は約1:1である。ある例では、金属供給源は、ルテニウム錯体またはロジウム錯体である。他の例では、金属供給源は、ジクロロ(アレン(arene))Ru(II)ダイマー、ジクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)Rh(II)ダイマー、BINAP−Ru(II)二酢酸塩、BINAP−Ru(II)二塩化物、BINAP−Ru(II)二臭化物、BINAP−Ru(II)二ヨウ化物、[RuCl((RまたはS)BINAP)(C)]Cl、または、ジクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム(III)ダイマーである。
典型的には、本発明の不斉触媒は、例えば、US5,693,820(Helmchen et al.) および R. Noyori et al., Asymmetric Catalysts by Architechtural and Functional Molecular Engineering: Practical Chemo- and Stereoselective Hydrogenation of Ketones, Agew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, pp. 40-73 でより詳細に記載されている通り、窒素、酸素またはリン供給原子を使用して、二座のキラル配位子と錯体化したルテニウム、ロジウム、イリジウムまたはこれらの組合せを含む。これらの触媒は、野依触媒と呼ばれるときもある。ある例では、この不斉触媒のキラル配位子は、式(670)、(680)、(690)または(700)
Figure 2009534472
[ここで、R671、R672、R673、R681、R691、R692、R701およびR702は、独立して、アルキルまたはアリールであり、そして、式(690)のR691およびR692、および、式(700)のR701およびR702、および、それらが結合している炭素原子は、環式または二環式化合物を形成していることもある]
に相当する。上記の構造中、「*」は、キラル炭素原子を示す。不斉触媒のキラル炭素の配置は、RR、RS、SRまたはSSであり得る。
ある実施態様では、配位子は、式(670)に相当し、R672およびR673は、各々フェニルであり、R671はアリールである。この実施態様の他の例では、R671は、トリル、メシチルまたはナフチルである。代替的実施態様では、配位子は式(680)に相当し、R681は、トリル、メシチル、2,4,6−トリイソプロピルフェニルまたはナフチルである。他の例では、配位子は、式(690)に相当し、R691およびR692は水素であり、かくして化合物アミノエタノールを形成している。代替的な例では、配位子は、式(690)に相当し、R691およびR692は、次の化合物:
Figure 2009534472
を形成するように選択される。他の実施態様では、配位子は式(700)に相当し、R701およびR702は水素であり、かくして化合物エチレンジアミンを形成している。
好ましい例では、配位子は、(1S,2S)−(+)−N−4−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレン−1,2−ジアミン、(1R,2R)−(−)−N−4−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレン−1,2−ジアミン、dl−N−トシル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−トシル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−トシル−1,2−エチレンジアミンまたはN−トシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンである。
本発明の活性なルテニウムおよびロジウム不斉触媒の例には、次のものが含まれる:
Figure 2009534472
水素供給源
本方法の水素供給源は、当業者に知られている任意の水素供給源である。水素化の方法には、その場での水素移動および高圧水素化が含まれる。ある例では、水素供給源は水素ガスであり、それは、6−ケトモルフィナン類の還元に有効であると示された。しかしながら、この供給源を使用する還元を達成するために、特別な反応器が必要である。製造的規模では、これは、安全面での難題を提起する。水素ガスの代替物は、水素移動の方法によりその場で水素を産生することである。その場で水素供給源を産生することにより、標準的水素化の圧力(ときには、100atmのHで)を回避し、それにより、より安全な製造環境を可能にする。
一般的に、本発明の方法のための水素供給源は、プロトン性化合物、典型的には、イソプロパノール、ギ酸、ギ酸の有機もしくは無機塩、またはこれらの組合せである。いくつかの例では、少量の塩基を使用して触媒を活性化し得る。例えば、イソプロパノール中で、KOHはしばしば活性化剤として使用される。他の例では、トリエチルアミンを使用し得る。ある例では、水素供給源は、ギ酸の有機または無機塩、好ましくは、ギ酸のトリエチルアミン塩を含む。好ましい例では、水素供給源は、ギ酸とトリエチルアミンの約5:2混合物である。
溶媒
典型的には、本発明の方法のための溶媒は、非プロトン性の極性溶媒である。ある例では、溶媒はニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオンニトリル)、テトラヒドロフラン(THF)、アルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)、ハロ炭素(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンまたはテトラクロロエチレンなどのクロロアルキル)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリジノン(NMP)、酢酸アルキル(例えば、酢酸エチルまたは酢酸プロピル)、トルエン、水またはこれらの組合せである。より限定的な例では、溶媒は、アセトニトリル、DMAcまたはアセトニトリルおよびメタノールの組合せである。
一般的に、6−ケトを6−α−ヒドロキシ基に変換する反応は、周辺温度(〜20℃)ないし約120℃の温度範囲で実施し得る。反応は高い温度でも進むが、より高い温度は、所望のエピマー比を損なう傾向がある。ある例では、反応は、約0℃ないし約80℃、好ましくは約室温(〜25℃)ないし約40℃の温度範囲で実施する。
反応スキーム
6−ケト基を6−α−ヒドロキシ基に変換するための方法は、最終生成物のモルフィナンまたは中間体のモルフィナンをもたらし得、それは、所望の最終化合物を得るために1つまたはそれ以上のさらなる段階で改変され得る。例示説明の目的で、以下のスキームは、6−α−ヒドロキシモルフィナン類の合成のための様々な合成経路を描写する。以下に示す通り、6−ケトモルフィナンを対応する6−α−ヒドロキシモルフィナンに変換する工程は、所望のモルフィナンの製造の全工程のどの段階でも行うことができる。
典型的には、本発明のN−イミンモルフィナン(Id)およびヘミアミナールモルフィナン(Ic)は、ノル−モルフィナンを、式RCH(O)を有するアルデヒドと、スキーム1に例示説明する通りに反応させることにより合成される。次いで、これらの2種のモルフィナン類は、本発明の方法に従い、最終生成物モルフィナン(II)に変換される。
スキーム1
Figure 2009534472
反応スキーム1について、R、R、R、R、R、R14およびRは、以前に定義した通りである。段階1では、イミン窒素および/またはヘミアミナールを、6−ケトモルフィナンを式CH(O)−Rのアルデヒドと反応させることにより形成させる。アルデヒドは、典型的には、6−ケトモルフィナン1当量につきアルデヒド約1.0ないし約1.25当量の範囲の量で導入される。この段階の溶媒系は、典型的には、メタノール、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチルまたはこれらの組合せなどの有機溶媒を含む。段階1の反応は、例えば、約室温(25℃)ないし約還流の温度範囲で実施し得る。好ましくは、反応は、約室温(25℃)で、約1ないし約5時間、典型的には約3時間の期間にわたり実施する。共沸蒸留段階を加えてイミン形成の反応速度を高めてもよい。
段階2では、6−ケトおよびイミンおよび/またはヘミアミナールの水素移動を使用する不斉還元を実施する。典型的には、このタイプの反応について、N−イミンモルフィナン(Id)およびヘミアミナールモルフィナン(Ic)は平衡状態にある。ルテニウム、ロジウムまたはイリジウム不斉触媒および水素供給源で本明細書に記載の通りに処理すると、N−イミン部分は対応する第3級アミノ基に変換され、ヘミアミナール部分のヒドロキシ基が除去され、それにより6−α−ヒドロキシモルフィナン生成物(II)を形成させる。いかなる特定の理論にも束縛されないが、生成物(II)は、全てではないにしても、支配的に、N−イミンモルフィナン(Id)から形成されると考えられる。N−イミンモルフィナンの生成物への還元は、ヘミアミナールモルフィナンと形成される平衡と組み合わされて、この反応の背後にある原動力であるかもしれない。即ち、N−イミンモルフィナンが生成物に変換されればされるほど、ヘミアミナールモルフィナンはN−イミンモルフィナンに変換し、平衡状態の均衡を維持する。しかしながら、この理論のための十分な証拠は、欠如している。N−イミンおよびヘミアミナールモルフィナン類の混合物を、ルテニウム、ロジウムまたはイリジウム不斉触媒および水素供給源と反応させると、高い収率で最終生成物が形成することが知られている。
ケト、イミンおよびヘミアミナールの還元をある種の条件下で別々に実行できるが、連続的なワンポット反応を実施して全ての基を還元するのが一般的に有利である。ワンポット反応のために、触媒は、一般的に、約1/50ないし約1/1000の負荷比で加える。水素供給源は、先に論じたもののいずれであってもよい。ある好ましい例では、水素供給源は、トリエチルアミンとギ酸(NEt/HCOH)の2:5混合物1ないし8当量である。大量のアルデヒド類を使用するならば、NEt/HCOH量の増加が必要であり得る。この段階の溶媒系は、典型的には、ハロ炭素、メタノール、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸プロピル、THF、DMF、DMAc、トルエンまたはこれらの組合せを含む。基質対溶媒の濃度は、典型的には、約1:1ないし約1:10、好ましくは約1:5である。このワンポット合成反応の温度範囲は、典型的には、約室温(25℃)ないし約40℃である。室温で、この反応は、典型的には約12時間ないし約72時間かかる。しかしながら、反応時間は、触媒負荷比および反応温度に依存するであろう。
スキーム2
Figure 2009534472
反応スキーム2について、R、R、R、R、R、RおよびR14は、式(I)のモルフィナン類について先に定義した通りである。スキーム1と対照的に、スキーム2の6−ケト基は、N−アルキル化に先立ち6−α−ヒドロキシ基に変換される。一般的に、基質の溶媒に対する比は、約1:2ないし約1:20、好ましくは約1:4ないし約1:5である。水素供給源は、先に論じたもののいずれであってもよい。ある好ましい例では、水素供給源は、トリエチルアミンとギ酸(NEt/HCOH)の2:5混合物1ないし5当量、プラス、モルフィナン窒素と塩を形成するためにさらに1当量(これは、モルフィナンの溶解性を高める)である。使用し得る他の塩には、メタンスルホン酸塩、酢酸塩および塩酸塩が含まれる。これらの塩は、しかしながら、より低速で反応し得る。触媒は、一般的に、モル濃度を基準として、約1/50ないし約1/1000の負荷比で負荷する。典型的には、この反応は、約室温(25℃)ないし約40℃の温度範囲で行う。40℃より高いと、所望のエピマー比は急速に損なわれ始める;即ち、6−β−エピマー形成の増加がある。溶媒が希薄であるほど、室温での反応時間は長い。
段階2では、モルフィナンを式CH(O)−Rのアルデヒドと溶媒中で反応させることにより、モルフィナン窒素がアシル化される。Rがヒドロキシであるならば、この工程中にこの基もアシル化される。段階2の溶媒は、典型的には、アセトニトリル、酢酸エチル、DMF、DMAc、NMP、THFなどの有機溶媒、またはこれらの組合せである。この反応は、溶媒に応じて、約−20℃ないし還流の温度範囲で起こり得る。窒素がアシル化された後、モルフィナンは、当分野で知られている方法を使用して還元され、N−アルキル化モルフィナン最終化合物を形成させる。典型的には、この還元のために、通常の主族の水素化物還元剤を使用する(例えば、ボラン類、水素化リチウムアルミニウム類、触媒の存在下の水素)。この工程中に、3−ヒドロキシ基が以前にアシル化されたならば、それは還元されてフェノールに戻される。
スキーム3
Figure 2009534472
反応スキーム3について、R、R、R、R、RおよびR14は、先に定義した通りである。例示説明の目的で、Rはヒドロキシである。スキーム3は、アシル化還元プロトコールを利用する。段階1では、6−ケトモルフィナンは、上記の工程を介して、対応する6−α−ヒドロキシモルフィナンに変換される。従って、段階1の触媒、水素供給源、溶媒および反応条件は、先に論じたもののいずれかである。
工程2では、モルフィナン窒素は、例えばアルキルカルボニルクロリドを使用して、アシル化される。他の脱離基には、塩化物、臭化物および複素環が含まれる(例えば、イミダゾール、トリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾールなど)。この反応の溶媒には、例えば、ハロ炭素類、トルエン、THF、エーテル、酢酸エチル、DMF、DMAc、NMPおよびこれらの組合せが含まれる。酸ハロゲン化物およびアミン反応から産生される水素酸(hydroacid)を除去するために、典型的には、塩基(有機または無機)が使用される。また、当業者に知られている条件下で、水素酸を溶液中から発泡させることにより除去し得る。さらに、カップリング剤も、当業者に理解される通りに使用し得る(例えば、カルボン酸にジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を加え、次いでアミンと、またはカルボン酸にカルボニルイミダゾール(CDI)を加え、次いでアミンと反応させる)。この特定のスキームに示す通り、3−ヒドロキシ基もアシル化される。出発モルフィナンがヒドロキシ以外の3−置換基を有するならば、3位は同様にはアシル化されないであろう。典型的には、この反応は、約0℃ないし約室温(25℃)の温度範囲で行う;しかしながら、より高い温度も許容し得る。
工程3では、3,14ビスアシル化モルフィナン中間体は、主族の水素化物反応剤、例えば、水素化リチウムアルミニウム、ボラン類などによる還元を受ける。この工程では、3位のフェノールのエステルが還元されてフェノールに戻される。この反応段階の溶媒には、THFおよびトルエンが含まれる。この反応の温度は、典型的には0℃ないし還流である。
スキーム4
Figure 2009534472
反応スキーム4について、R、R、R、R、RおよびR14は、先に定義した通りである。例示説明の目的で、Rはヒドロキシである。スキーム3と同様に、アシル化還元プロトコールをスキーム4で描写する。しかしながら、3−ヒドロキシおよび窒素のアシル化は、6−ケト基の6−α−ヒドロキシ基への変換に先立って起こる。
段階1では、例えばアルキルカルボニルクロリドを使用して、窒素をアシル化する。p−トルエンスルホン酸塩、メシレートなどの他の脱離基を、内部フィンケルシュタイン(Finkelstein)縮合と組み合わせて使用し得る。当業者に知られているある種の条件下で、トリフレートも使用し得る。この反応の溶媒には、例えば、THF、エーテル、酢酸エチル、DMF、DMAcおよびNMPが含まれる。この特定のスキームに示す通り、3−ヒドロキシ基もアシル化される。出発モルフィナンがヒドロキシ以外の3−置換基を有するならば、3位は同様にはアシル化されないであろう。典型的には、この反応は約−78℃ないし約室温(25℃)の温度範囲で行う;しかしながら、より高い温度も許容し得る。
段階2では、3,14ビスアシル化モルフィナン中間体の6−ケト基を、先に記載した方法により6−α−ヒドロキシ中間体に変換する。
段階3では、6−α−ヒドロキシ中間体を、例えば、水素化リチウムアルミニウム、ボラン類などの主族の水素化物反応剤を用いて還元する。この工程では、窒素上のアシル基が対応するアルキル基に変換されるのと同時に、3位のフェノールのエステルが還元されてフェノールに戻される。
スキーム5
Figure 2009534472
反応スキーム5について、R、R、R、R、R、RおよびR14は、先に定義した通りである。スキーム5は、最終生成物を形成させる窒素のアルキル化反応を描写する。
段階1では、6−ケトモルフィナンが、先に記載した方法により、対応する6−α−ヒドロキシモルフィナンに変換される。
スキーム5の段階2は、例えばハロアルキル基を使用する、窒素のアルキル化反応を描写する。ある例では、ハロアルキル基は、臭化アルキルである。塩化物、p−トルエンスルホン酸塩、メシレートなどの他の脱離基を、内部フィンケルシュタイン縮合と組み合わせて使用し得る。当業者に知られているある種の条件下で、トリフレートも使用し得る。使用する塩基(有機または無機)およびアルキル化の反応剤の当量に応じて、3および/または14アルキル化が起こり得る。過剰のアルキル化剤を使用すると、3,N−ビスアルキル化副生成物が通常生じる。この反応の典型的な溶媒には、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、DMF、DMAc、NMP、DMSOなどが含まれる。
スキーム6
Figure 2009534472
反応スキーム6について、R、R、R、R、R、RおよびR14は、先に定義した通りである。スキーム6の段階1は、例えばハロアルキル基を使用する、窒素のアルキル化反応を描写する。ある例では、ハロアルキル基は、臭化アルキルである。塩化物、p−トルエンスルホン酸塩、メシレートなどの他の脱離基を、内部フィンケルシュタイン縮合と組み合わせて使用し得る。当業者に知られているある種の条件下で、トリフレートも使用し得る。使用する塩基(有機または無機)およびアルキル化の反応剤の当量に応じて、3および/または14アルキル化が起こり得る。過剰のアルキル化剤を使用すると、3,N−ビスアルキル化副生成物が通常生じる。この反応の典型的な溶媒には、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、DMF、DMAc、NMP、DMSOなどが含まれる。
段階2では、6−ケトモルフィナンは、先に記載した方法を介して、対応する6−α−ヒドロキシルモルフィナンに変換される。
定義
本明細書に記載の化合物は、不斉中心を有し得る。非対称的に置換された原子を含有する本発明の化合物は、光学活性またはラセミの形態で単離され得る。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記載され、異性体の混合物として、または、別々の異性体として、単離され得る。特定の立体化学または異性体が特別に指示されない限り、ある構造の全てのキラル、ジアステレオマー、ラセミ体および全ての幾何異性体が企図される。本発明の化合物を製造するために使用される全ての工程およびそこで作成される中間体は、本発明の一部とみなされる。
用語「アシル」は、本明細書において、単独で、または他の基の一部として使用されるとき、有機カルボン酸の基COOHからヒドロキシ基を除去することにより形成される部分、例えばRC(O)−(ここで、Rは、R、RO−、RN−またはRS−であり、Rは、ヒドロカルビル、ヘテロ置換ヒドロカルビルまたは複素環であり、Rは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)を示す。
用語「アシルオキシ」は、本明細書において、単独で、または他の基の一部として使用されるとき、酸素結合(O)を介して結合した上記のアシル基、例えばRC(O)O−(ここで、Rは用語「アシル」に関して定義した通りである)を示す。
用語「アルキル」は、本明細書で使用されるとき、好ましくは、1個ないし8個の炭素原子を主鎖に含有し、20個までの炭素原子を含有する低級アルキルである基を示す。それらは、直鎖または分枝鎖または環状であり得、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシルなどを含み得る。
用語「アルケニル」は、本明細書で使用されるとき、好ましくは、2個ないし8個の炭素原子を主鎖に含有し、20個までの炭素原子を含有する低級アルケニルである基を示す。それらは、直鎖または分枝鎖または環状であり得、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニルなどを含み得る。
用語「アルキニル」は、本明細書で使用されるとき、好ましくは、2個ないし8個の炭素原子を主鎖に含有し、20個までの炭素原子を含有する低級アルキニルである基を示す。それらは、直鎖または分枝鎖であり得、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニルなどを含み得る。
用語「芳香族」は、本明細書において、単独で、または他の基の一部として使用されるとき、置換されていることもある、同素または複素環式芳香族の基を示す。これらの芳香族の基は、好ましくは、単環式、二環式または三環式の基であり、6個ないし14個の原子を環部分に含有する。用語「芳香族」は、下記で定義する「アリール」および「ヘテロアリール」基を包含する。
用語「アリール」または「アラ(Ar)」は、本明細書において、単独で、または他の基の一部として使用されるとき、置換されていることもある同素環式芳香族の基、好ましくは、6個ないし12個の炭素を環部分に含有する単環式または二環式の基、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニルまたは置換ナフチルを示す。フェニルおよび置換フェニルがより好ましいアリールである。
用語「フィンケルシュタイン反応」は、本明細書で使用されるとき、例えば、"March's Advanced Organic Chemistry, Fifth Edition", John Wiley & Sons, 2001, pages 517-518 で説明されているハロゲン化物(脱離基)交換を示す。この反応を使用して、例えば、ヨウ化物の供給源(通常、ナトリウムまたはカリウム塩)を塩化または臭化アルキルと混合することにより、反応性の高いアルキルヨウ化物をその場で製造できる。トシレート、メシレートなども、このタイプの反応で使用できる。
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書において、単独で、または他の基の一部として使用されるとき、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を表す。
用語「ヘテロ原子」は、炭素および水素以外の原子を意味する。
用語「複素環」または「複素環式」は、本明細書において、単独で、または他の基の一部として使用されるとき、少なくとも1個のヘテロ原子を少なくとも1個の環に有する、好ましくは5個または6個の原子を各環に有する、置換されていることもある、完全飽和または不飽和、単環式または二環式、芳香族性または非芳香族性の基を示す。複素環の基は、好ましくは1個または2個の酸素原子および/または1個ないし4個の窒素原子を環中に有し、分子の残りの部分に炭素またはヘテロ原子を介して結合している。例示的な複素環の基には、後述する複素芳香族が含まれる。例示的置換基には、1個またはそれ以上の次の基が含まれる:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケンオキシ、アルキンオキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、シアノ、ケタール類、アセタール類、エステル類およびエーテル類。
用語「ヘテロアリール」は、本明細書において、単独で、または他の基の一部として使用されるとき、少なくとも1個のヘテロ原子を少なくとも1個の環中に有し、好ましくは5個または6個の原子を各環に有する、置換されていることもある芳香族の基を示す。ヘテロアリール基は、好ましくは、1個ないし2個の酸素原子および/または1個ないし4個の窒素原子を環中に有し、分子の残りの部分に炭素を介して結合している。例示的ヘテロアリールには、フリル、ベンゾフリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル、カルバゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾピリジルなどが含まれる。例示的置換基には、1個またはそれ以上の次の基が含まれる:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケンオキシ、アルキンオキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、シアノ、ケタール類、アセタール類、エステル類およびエーテル類。
用語「炭化水素」および「ヒドロカルビル」は、本明細書で使用されるとき、炭素および水素元素のみからなる有機化合物またはラジカルを示す。これらの部分には、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール部分が含まれる。これらの部分には、また、他の脂肪族または環式炭化水素基で置換されているアルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール部分、例えば、アルカリール、アルケンアリールおよびアルキンアリールが含まれる。断りのない限り、これらの部分は、好ましくは1個ないし20個の炭素原子を含む。
用語「ヒドロキシ保護基」は、本明細書で使用されるとき、遊離ヒドロキシ基を保護する能力があり(「保護ヒドロキシ」となる)、そのために保護を用いる反応の後に、分子の残りの部分に影響を与えずに除去し得る基を示す。例示的なヒドロキシ保護基には、アルキルスルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩の酸素保護基、エーテル類(例えば、アリル、トリフェニルメチル(トリチルまたはTr)、ベンジル、p−メトキシベンジル(PMB)、p−メトキシフェニル(PMP))、アセタール類(例えば、メトキシメチル(MOM)、β−メトキシエトキシメチル(MEM)、テトラヒドロピラニル(THP)、エトキシエチル(EE)、メチルチオメチル(MTM)、2−メトキシ−2−プロピル(MOP)、2−トリメチルシリルエトキシメチル(SEM))、エステル類(例えば、安息香酸塩(Bz)、アリル炭酸塩、2,2,2−トリクロロエチル炭酸塩(Troc)、2−トリメチルシリルエチル炭酸塩)、シリルエーテル類(例えば、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)などが含まれる。ヒドロキシ基の様々な保護基およびそれらの合成は、"Protective Groups in Organic Synthesis" by T.W. Greene and P.G.M. Wuts, John Wiley & Sons, 1999 に見出し得る。
本明細書で記載される「置換ヒドロカルビル」部分は、炭素以外の少なくとも1個の原子で置換されているヒドロカルビル部分であり、炭素鎖の原子が窒素、酸素、ケイ素、リン、ホウ素、硫黄またはハロゲン原子などのヘテロ原子で置換されている部分を含む。これらの置換基には、ハロゲン、複素環、アルコキシ、アルケンオキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノ、アミド、ニトロ、シアノ、ケタール類、アセタール類、エステル類およびエーテル類が含まれる。
本明細書で使用されるとき、DCBCは、ジシクロブチルカルボニルであり、BINAPは、2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチルであり、THFはテトラヒドロフランであり、DMFはジメチルホルムアミドであり、DMAcはジメチルアセトアミドであり、NMPはN−メチルピロリジノンであり、DMSOはジメチルスルホキシドである。
本発明の要素またはその好ましい実施態様を紹介するとき、冠詞「ある(a)」「ある(an)」「その(the)」および「該(said)」は、1つまたはそれ以上のそれらの要素があることを意味すると企図する。用語「含む(comprising)」「含む(including)」および「有する(having)」は、包含的であると企図し、列挙した要素以外のさらなる要素があり得ることを意味する。
本発明を詳細に説明したので、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲から逸脱せずに、改変および変更が可能であることが明らかであろう。
実施例
以下の非限定的実施例は、本発明をさらに例示説明するために提供される。
実施例1:6−α−ナルトレキソールの合成
ノルオキシモルフォン(2.12g、7.4mmole)を、アセトニトリル(9mL)に添加した。シクロプロパン−カルボキシアルデヒド(1.03g、14.8mmol、1.10mL)を添加し、スラリーを2時間室温で撹拌した。そのとき、98%ギ酸/トリエチルアミンの5対2混合物[98%ギ酸(4.25g、92.3mmol、3.48mL)を、アセトニトリル9mL中で、トリエチルアミン(3.73g、37mmol、5.14mL)に添加することにより製造]を添加した。ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(21mg、0.034mmol)を添加し、続いて(1S,2S)−(+)−N−トシル−ジフェニルエチレンジアミン(25mg、0.069mmol)を添加した。次いで、反応物を、窒素ガス(アルゴン)で10分間パージした。窒素パージ後、窒素気流で反応液を覆った。反応を24時間室温で撹拌した。HPLC分析は、反応が完了したことを示した(6−α−ナルトレキソール:99.1%、6−β−ナルトレキソール:0.9%)。アセトニトリルの約80%を減圧下で除去した。次いで、蒸留水(10mL)を添加し、白色沈殿が形成された。白色沈殿の濾過および蒸留水での洗浄により、生成物(2.32g、収率92%)を得た。
実施例2:6−α−オキシモルフォールの合成
ノルオキシモルフォン(1.20g、4.17mmole)を、アセトニトリル(5.0mL)に添加した。次いで、パラホルムアルデヒド(0.25g、8.33mmol)を添加し、スラリーを16時間室温で撹拌した。そのとき、98%ギ酸/トリエチルアミンの5対2混合物[98%ギ酸(2.40g、52.1mmol、1.97mL)を、アセトニトリル5.0mL中で、トリエチルアミン(2.11g、20.8mmol、2.91mL)に添加することにより製造)を添加した。ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(12.0mg)を添加し、続いて(1S,2S)−(+)−N−トシル−ジフェニルエチレンジアミン(15mg)を添加した。反応を窒素ガス(アルゴン)で30分間パージした。窒素パージ後、窒素気流で反応液を覆った。反応を24時間室温で撹拌した。HPLC分析は、反応が完了したことを示した(6−α−オキシモルフォール:98.9%、6−β−オキシモルフォール:0.9%)。次いで、混合物を蒸発させ、濃厚な油状物とした。次いで、アセトニトリル5.0mLを添加し、室温で6時間撹拌し、ここで沈殿が形成された。沈殿を濾過により取り出し、冷(5℃)アセトニトリル2.0mLで洗浄した。沈殿を乾燥させ、生成物(1.15g、収率92%)を得た。
実施例3:ナルブフィンの合成
ノルオキシモルフォン(2.26g、7.86mmole)をアセトニトリル(15.0mL)に添加した。次いで、シクロブタンカルボキシアルデヒド(1.32g、15.6mmol)を添加し、スラリーを3時間室温で撹拌した。そのとき、98%ギ酸/トリエチルアミンの5対2混合物[98%ギ酸(4.53g、98.4mmol、3.71mL)を、アセトニトリル15.0mL中で、トリエチルアミン(3.98g、39.9mmol、5.48mL)を添加することにより製造)を添加した。ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(23mg)を添加し、続いて(1S,2S)−(+)−N−トシル−ジフェニルエチレンジアミン(20mg)を添加した。次いで、反応を窒素ガス(アルゴン)で30分間パージした。窒素パージ後、窒素気流で反応液を覆った。次いで、反応を24時間室温で撹拌した。HPLC分析は、反応が完了したことを示した(ナルブフィン:98.7%、6−β−ナルトレキソール:1.3%)。次いで、混合物を蒸発させ、濃厚な油状物とした。アセトニトリル2.0mLを添加し、室温で1時間撹拌し、ここで沈殿が形成された。沈殿を濾過により取り出し、冷(5℃)アセトニトリル2.0mLで洗浄した。沈殿を乾燥させ、生成物(2.60g、収率92.5%)を得た。
実施例4:オキシモルフォンからの6−α−オキシモルフォールの合成
トリエチルアミン(3.88g、38.4mmol、5.3mL)および乾燥アセトニトリル15mLを、丸底フラスコに添加した。この混合物に、98%ギ酸(4.95g、10.75mmol、4.05mL)を添加した。この反応は発熱し、温度が室温に達するまで30分間撹拌した。オキシモルフォン(3.50g、11.6mmol)を添加した。このスラリーに、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(35mg、0.057mmol)を添加し、続いて(1S,2S)−(+)−N−トシル−ジフェニルエチレンジアミン(42mg、0.115mmol)を添加した。反応を窒素でパージし、次いで窒素気流を反応液上に維持した。反応を24時間撹拌し、HPLCにより分析した。混合物を濾過し、固体をアセトニトリル5mLで洗浄した。固体をオーブン中、40℃で18時間乾燥させた。収率(3.38g、96%)。
実施例5:(R)ナルトレキソンメチルブロミドからの(R)−6−α−ナルトレキソールメチルブロミドの合成
トリエチルアミン(1.80g、18mmol、2.48mL)および乾燥アセトニトリル18.0mLを、丸底フラスコに添加した。この混合物に、98%ギ酸(2.29g、0.50mmol、1.88mL)を添加した。反応は発熱し、温度が室温に達するまで20分間撹拌した。ナルトレキソンメチルブロミド(2.35g、5.4mmol)を添加した。このスラリーに、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(24mg、0.039mmol)を添加し、続いて(1S,2S)−(+)−N−トシル−ジフェニルエチレンジアミン(29mg、0.079mmol)を添加した。反応を窒素でパージし、次いで、窒素気流を反応液上に維持した。反応を36時間撹拌し、HPLCにより分析した。混合物を濾過し、固体をアセトニトリル5mLで洗浄した。固体をオーブン中、40℃で18時間乾燥させた。収率(2.22g、94%)。
実施例6:3−アセチルオキシモルフォンからの3−アセチル−6−α−オキシモルフォノールの合成
丸底フラスコに、トリエチルアミン(3.98g、39.3mmol、5.48mL)および乾燥アセトニトリル25mLを添加した。この混合物に、98%ギ酸(5.13g、111.4mmol、4.20mL)を添加した。反応は発熱し、温度が室温に達するまで30分間撹拌した。3−アセチル−オキシモルフォン(4.50g、13.1mmol)を添加した。このスラリーに、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(53mg、0.0865mmol)を添加し、続いて(1S,2S)−(+)−N−トシル−ジフェニルエチレンジアミン(63mg、0.173mmol)を添加した。反応物を窒素でパージし、次いで、窒素気流を反応液上に維持した。反応を48時間撹拌した。混合物を真空下で蒸発させ、半固体(semi solid)を形成させた。洗浄した半固体をアセトニトリル15mLと撹拌した。固体を濾過により単離し、アセトニトリル(10mL)ですすぎ、オーブン中、40℃で18時間乾燥させた。収率(4.20g、93%、6−α:99%)。
実施例7:ヒドロモルフォンからの6−α−ヒドロモルフォールの合成
トリエチルアミン(6.10g、60.3mmol、8.4mL)および乾燥アセトニトリル25.0mLを、丸底フラスコに添加した。この混合物に、98%ギ酸(7.78g、0.17mol、6.4mL)を添加した。反応は発熱し、温度が室温に達するまで30分間撹拌した。ヒドロモルフォン塩基(5.21g、18.3mmol)を添加した。このスラリーに、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(50mg、0.082mmol)を添加し、続いて(1S,2S)−(+)−N−トシル−ジフェニルエチレンジアミン(60mg、0.163mmol)を添加した。反応物を窒素でパージし、次いで、窒素気流を反応液上に維持した。反応を36時間撹拌し、HPLCにより分析した。混合物を濾過し、固体をアセトニトリル5mLで洗浄した。固体をオーブン中、40℃で18時間乾燥させた。収率(4.94g、94%)。
実施例8:エピマー比および収率
実施例8は、ある種の6−ケトモルフィナン類(オキシモルフォン、ノルオキシモルフォン、オキシコドン、ナロキソンおよびナルトレキソン)の、それらの対応する6−ヒドロキシモルフィナン類への変換を描写する。特に、以下の表は、6−α−ヒドロキシモルフィナンの6−β−ヒドロキシモルフィナンに対するエピマー比および対応する各化合物の収率を提供する。
Figure 2009534472
Figure 2009534472
上記のモルフィナン類に加えて、オピエート類のアミン塩も、実施可能な基質である。例えば、ナルトレキソンメチルブロミドの6−ケト基を、下表に示す通り効果的に還元する:
Figure 2009534472
Figure 2009534472
ヒドロコドンおよびヒドロモルフォンを、また、水素移動による還元に付した。下表は結果を示す。
Figure 2009534472
Figure 2009534472
実施例9:ナルブフィンの製造
以下の反応は、ノルオキシモルフォンから出発する様々なナルブフィン合成方法を描写する。これらの方法は、全て、6−ケトモルフィナンを本明細書に記載の6−α−ヒドロキシルモルフィナンに変換する不斉触媒段階を含む。
合成9(a)
Figure 2009534472
この反応の方法は、実施例3に詳述されている。
合成9(b)
Figure 2009534472
段階1:ノルオキシモルフォンからの6−α−ノルオキシモルフォールの合成
丸底フラスコに、トリエチルアミン(4.57g、45.2mmol、6.29mL)および乾燥アセトニトリル20mLを添加した。この混合物に、98%ギ酸(5.82g、126.4mmol、4.77mL)を添加した。反応は発熱し、温度が室温に達するまで30分間撹拌した。ノルオキシモルフォン(3.93g、13.7mmol)を添加した。このスラリーに、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(39mg、0.0637mmol)を添加し、続いて(1S,2S)−(+)−N−トシル−ジフェニルエチレンジアミン(47mg、0.128mmol)を添加した。反応を窒素でパージし、次いで、窒素気流を反応液上に維持した。反応を48時間撹拌し、HPLC(6−α−ノルオキシモルフォール99.6%、6−β−ノルオキシモルフォール0.4%)により分析した。混合物を蒸発させて固体とした。固体をアセトニトリル15mLと撹拌した。次いで、生成物(ギ酸塩として)を濾過により単離し、固体をアセトニトリル(10mL)で洗浄した。ギ酸塩をアセトニトリル(10mL)中でスラリーとし、次いで29%NH/HOをpH10.0まで滴下して添加した。沈殿が形成され、それを濾過し、次いでアセトニトリル(10mL)ですすいだ。固体をオーブン中40℃で18時間乾燥させた。収率(3.76g、95%)。
段階2:6−α−ノルオキシモルフォールからのナルブフィンの合成
6−α−ノルオキシモルフォールヒドロホルメート塩(4.10g、12.2mmole)を無水メタノール(20mL)に溶解した。この溶液に、シクロブタンカルボキシアルデヒド(2.05g、24.4mmol)を添加した。白色沈殿が形成され、それを室温で3時間撹拌した。次いで、NaBH(470mg、12.2mmol)を4回に分けて添加し、室温で16時間撹拌した。HPLC分析は、反応が完了したことを示した。アセトン(5mL)を添加し、30分間撹拌した。全反応混合物を蒸発させ、次いで、蒸留水(5mL)中でスラリー化した。29%NHを使用して、pHを9.0に調節した。30分間撹拌した後、ナルブフィン(3.5g、収率80%)を濾過により単離し、固体をアセトニトリル(10mL)で洗浄し、50℃で48時間乾燥した。
合成9(c)
Figure 2009534472
段階1:ノルオキシモルフォンからの6−α−ノルオキシモルフォールの合成
ノルオキシモルフォンからの6−α−ノルオキシモルフォールの合成は、先に合成9(b)において記載されている。
段階2:6−α−ノルオキシモルフォールからの3,N−DCBC−6−α−ノルオキシモルフォールの合成
6−α−ノルオキシモルフォール(2.63g、9.1mmol)を無水THF(50mL)に溶解した。トリエチルアミン(1.93g、19.1mmol、2.66mL)を添加した。反応を5℃(氷/水浴)に冷却し、次いでシクロブタンカルボニルクロリド(2.16g、18.2mmol、2.07mL)を滴下して添加した。添加が完了した後、反応を室温に温め、18時間撹拌した。トリエチルアミン塩酸塩を濾過により除去し、固体を無水THF(15mL)ですすぎ、濾液を蒸発させて濃厚な油状物とした。この油状物を酢酸エチル(25mL)に溶解し、1.0M HCl(2x25mL)および蒸留水(25mL)で洗浄した。無水MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させ、高真空下で、16時間室温で乾燥した後、3,N−ジシクロブチルカルボニル−6−α−ノルオキシモルフォール(4.10g、収率99%)を得た。
段階3:3,N−DCBC−6−α−ノルオキシモルフォールからのナルブフィンの合成
乾燥したフラスコに、窒素下で、THF(100mL)を導入した。この溶媒に、LiAlH(1.34g、35.3mmol)を注意深く4回に分けて添加した。LiAlH溶液に、無水THF100mL中の3,N−DCBC−6−α−ノルオキシモルフォール(4.0g、8.8mmol)の溶液を滴下して添加した。反応を室温で2時間撹拌した。HPLC分析は、反応が完了したことを示した。酢酸エチル(5.0mL)を滴下して添加し、次いで1時間撹拌した。次いで、5%HCl(100mL)を滴下して添加し、さらに1時間撹拌した。29%水性アンモニアをpH〜9.2まで添加した。混合物を濾過し、褐色の固体をもたらした。濾液を酢酸エチル(3x100mL)で抽出し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、半固体とした。褐色の固体および半固体を、室温でアセトニトリル(5mL)により4時間スラリー化し、濾過し、アセトニトリル(5mL)で洗浄した。得られたナルブフィン(2.88g、収率91%、6−α:99%)をオフホワイト色の固体として単離した。
合成9(d)
Figure 2009534472
段階1:ノルオキシモルフォンからの3,N−DCBC−ノルオキシモルフォンの合成
乾燥したフラスコに、ノルオキシモルフォン(7.70g、26.8mmol)、テトラヒドロフラン(無水、35mL)、次いで、トリエチルアミン(5.70g、56.3mmol、7.9mL)を添加した。混合物を5℃(氷/HO)に冷却し、次いで、シクロブタンカルボニルクロリド(6.36g、53.6mmol、6.11mL)を滴下して添加した。添加の完了後、反応を室温に温め、16時間撹拌した。HPLC分析は、反応が完了したことを示した。反応を濾過し、固体をテトラヒドロフラン10mLですすいだ。濾液を減圧下で蒸発させ、濃厚な油状物を得た。油状物をCHCl(100mL)に溶解した。次いで、クロロホルム溶液を5%HCl/HO(2x25mL)で洗浄し、無水MgSO(5g)で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固し、生成物(12.05g、収率99%)を得た。
段階2:3,N−DCBC−ノルオキシモルフォンからの6−α−3,N−DCBC−ノルオキシモルフォールの合成
乾燥したフラスコに、アセトニトリル(10mL)およびトリエチルアミン(8.14g、80.4mmol、11.2mL)を添加した。この混合物に、>96%HCOH(9.25g、201.0mmol、7.6mL)を滴下して添加した。添加が完了した後、さらに10mLのアセトニトリルを添加した。この塩混合物を窒素ガスで15分間脱気した。次いで、アセトニトリル(10mL)中の3,N−DCBC−ノルオキシモルフォンの溶液を添加した。この溶液に、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(40mg、0.0653mmol)を添加し、続いて(1S,2S)−(+)−N−トシル−ジフェニルエチレンジアミン(33mg、0.090mmol)を添加した。次いで、反応を脱気し、室温で72時間撹拌した。このとき、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(39mg、0.0637mmol)を、続いて(1S,2S)−(+)−N−トシル−ジフェニルエチレンジアミン(47mg、0.128mmol)を添加した。ゆっくりと窒素パージしながら、反応を室温で10日間撹拌した。HPLC分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、濃厚な油状物(12.1g、収率99%)を得、それを直接使用してナルブフィンを形成させた。
段階3:6−α−3,N−DCBC−ノルオキシモルフォールからのナルブフィンの合成
乾燥したフラスコに、窒素下でTHF(60mL)を導入した。この溶媒に、LiAlH(1.76g、46.4mmol)を注意深く4回に分けて添加した。LiAlH溶液に、無水THF40mL中の3,N−DCBC−6−α−ノルオキシモルフォール(6.15g、13.6mmol)の溶液を滴下して添加した。反応を室温で1時間撹拌し、次いで還流に3時間温めた。HPLC分析は、反応が完了したことを示した。反応を5℃(氷/水)に冷却し、次いで酢酸エチル(5.0mL)を滴下して添加し、次いで1時間撹拌した。最後に、5%HCl(100mL)を滴下して添加し、さらに1時間撹拌した。29%水性アンモニアをpH〜9.2まで添加した。混合物を濾過し、褐色の固体を得た。濾液を酢酸エチル(3x100mL)で抽出し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、半固体とした。褐色の固体および半固体を室温でアセトニトリル(10mL)により4時間スラリー化し、濾過し、アセトニトリル(5mL)で洗浄した。得られたナルブフィン(4.86g、収率90%、6−α:99%)をオフホワイト色の固体として単離した。
合成9(e)
Figure 2009534472
段階1:ノルオキシモルフォンからの6−α−ノルオキシモルフォールの合成
ノルオキシモルフォンからの6−α−ノルオキシモルフォールの合成は、先に合成9(b)において記載されている。
段階2:6−α−ノルオキシモルフォールからのナルブフィンの合成
乾燥したフラスコに、6−α−ノルオキシモルフォール(2.22g、7.7mmol)およびジメチルアセトアミド(DMAc)(20mL)を添加した。この溶液に、重炭酸カリウム(850mg、8.5mmol)、シクロブタンメチルブロミド(1.14g、7.6mmol、0.86mL)およびヨウ化カリウム(1.26g、7.7mmol)を添加した。内容物を室温で20日間撹拌した。HPLC分析は、反応が完了したことを示した。蒸留水(100mL)を添加し、混合物を室温で撹拌した。混合物を真空下で蒸発させ、濃厚な油状物とした。蒸留水(15mL)を添加し、29%NH/HOを使用してpHを9.0に調節した。固体が形成され、次いでそれを濾過し、蒸留水(10mL)ですすいだ。固体をアセトニトリル(25mL)中で6時間撹拌し、濾過し、アセトニトリル(10mL)で洗浄し、50℃で48時間乾燥させ、ナルブフィン(1.64g、収率60%、6−α:99%)をオフホワイト色の固体として得た。
合成9(f)
Figure 2009534472
段階1:ノルオキシモルフォンからのN−(シクロブチルメチル)−ノルオキシモルフォンの合成
ノルオキシモルフォン(1.59g、5.5mmol)、炭酸カリウム(0.61g、6.1mmol)、ヨウ化カリウム(0.46g、2.8mmol)およびジメチルアセトアミド(10mL)を、丸底フラスコに添加した。ブロモメチルシクロブタン(0.82g、5.5mmol、0.62mL)を添加した。反応を7日間室温で撹拌した。そのとき、ブロモメチルシクロブタン(0.82g、5.5mmol、0.62mL)を添加した。反応をさらに7日間撹拌した。HPLC分析は、ノルオキシモルフォンが消費されたことを示した。蒸留水(50mL)を添加し、室温で6時間撹拌した。オフホワイト色の沈殿が形成され、それを濾過により取り出した。その固体を蒸留水(25mL)で洗浄し、次いで24時間アセトニトリル(25mL)中でスラリー化した。濾過し、固体をアセトニトリル(10mL)で洗浄し、室温、真空下で24時間乾燥し、N−(シクロブチルメチル)−ノルオキシモルフォン(1.43g、収率73%)を褐色の固体として得た。
段階2:N−(シクロブチルメチル)−ノルオキシモルフォンからのナルブフィンの合成
乾燥したフラスコに、トリエチルアミン(0.87g、8.6mmol、1.2mL)およびアセトニトリル(5mL)を添加した。この溶液に、>96%HCOH(0.99g、21.5mmol、0.81mL)を添加した。窒素下で15分間撹拌した後、N−(シクロブチルメチル)−ノルオキシモルフォン(1.02g、2.9mmol)を添加した。次いで、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(10mg、0.0163mmol)、続いて(1S,2S)−(+)−N−トシル−ジフェニルエチレンジアミン(12mg、0.033mmol)を添加した。この反応を72時間室温で撹拌した。HPLC分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、濃厚な茶色の油状物を形成させた。油状物をアセトニトリル(15mL)中で18時間スラリー化し、茶色の固体を得た。固体を濾過により単離し、それをアセトニトリル(10mL)で洗浄した。固体を乾燥させ、ナルブフィン(0.85g、収率83%、6−α:99%)を褐色の固体として得た。
実施例10:(+)−ヒドロコドールの製造
(+)−ヒドロコドールを、(+)−ヒドロコドンから、以下の反応スキームに従い製造した:
Figure 2009534472
(+)−ヒドロコドン(0.31g、1.03mmol)およびアセトニトリル(CHCN;1mL)を、乾燥したフラスコに入れた。トリエチルアミン(NEt;0.63g、6.21mmol、0.87mL)およびアセトニトリル(1mL)をこの溶液に添加し、>96%ギ酸(CHOH;0.38g、8.24mmol、0.31mL)を溶液に滴下して添加した。溶液を15分間室温で撹拌した。次いで、ジクロロ(p−シメン)Ru(II)ダイマー(3mg、0.005mmol)および(1S,2S)−(+)−p−トシル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン(3mg、0.009mmol)を添加し、フラスコの壁を追加量のアセトニトリル(3mL)ですすぎ、触媒が確実に混合物に導入されるようにした。反応を室温で72時間撹拌した。HPLC分析は、反応が完了したことを示した。反応溶液を蒸発させ、油状固体とした。この油状固体を29%NH/HO(5mL)に溶解し、次いでクロロホルム(3x10mL)で抽出した。抽出物を合わせ、蒸発乾固した。(+)−ヒドロコドール(0.21g、収率70%、6−α:99.3%)を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、5.0g)により、25%イソプロパノール/クロロホルムを溶離剤として使用して抽出し、所望の画分を蒸発乾固した。

Claims (88)


  1. Figure 2009534472
    を有する6−ヒドロキシモルフィナン(II)の製造方法であって、その方法は、6−ケトモルフィナン(I)を、ルテニウム、ロジウムまたはイリジウム不斉触媒および水素供給源の存在下で還元することを含み、6−ケトモルフィナン(I)は、式:
    Figure 2009534472
    [式中、
    は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ハロまたは−OR111であり;
    は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ハロまたは−OR211であり;
    は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは−OR311であり;
    は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは−OR711であり;
    は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは−OR811であり;
    14は、水素またはヒドロキシであり;
    111は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヒドロキシ保護基であり;
    211は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヒドロキシ保護基であり;
    311は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヒドロキシ保護基であり;
    711は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヒドロキシ保護基であり;
    811は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヒドロキシ保護基であり;
    は、>N(R)、>N(R)(R10)、>NCH(OH)(R)または>N=CH(R)であり;
    は、(i)Zが>N(R)または>N(R)(R10)であるとき、Zであるか;または、
    (ii)Zが>NCH(OH)Rまたは>N=CH(R)であるとき、>NCH(R)であり;そして、
    およびR10は、独立して、水素、アシル、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは複素環である]
    を有するものである、方法。
  2. 6−ヒドロキシモルフィナン(II)生成物が、6−アルファ−ヒドロキシおよび6−ベータ−ヒドロキシモルフィナンエピマーの混合物である、請求項1に記載の方法。
  3. 6−アルファ−ヒドロキシの6−ベータ−ヒドロキシモルフィナンエピマーに対するエピマー比が9:1より大きい、請求項2に記載の方法。
  4. 6−アルファ−ヒドロキシの6−ベータ−ヒドロキシモルフィナンエピマーに対するエピマー比が19:1より大きい、請求項3に記載の方法。
  5. 6−アルファ−ヒドロキシの6−ベータ−ヒドロキシモルフィナンエピマーに対するエピマー比が99:1より大きい、請求項4に記載の方法。
  6. 触媒がルテニウム錯体またはロジウム錯体を含む、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の方法。
  7. 触媒が、ジクロロ(アレン(arene))Ru(II)ダイマー、ジクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)Rh(II)ダイマー、BINAP−Ru(II)二酢酸塩、BINAP−Ru(II)二塩化物、BINAP−Ru(II)二臭化物、BINAP−Ru(II)二ヨウ化物、[RuCl((RまたはS)BINAP)(C)]Cl、または、ジクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム(III)ダイマーを含む、請求項5または請求項6に記載の方法。
  8. 触媒が、ルテニウム、ロジウムまたはイリジウム錯体と、窒素、酸素またはリン供給原子を介して錯体化した二座のキラル配位子を含む、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の方法。
  9. 触媒が、式(670)、式(680)、式(690)または式(700)
    Figure 2009534472
    [ここで、R671、R672、R673、R681、R691、R692、R701およびR702は、独立して、アルキルまたはアリールであり、そして、R691およびR692、および、それらが結合している炭素原子は、環式または二環式化合物を形成していることもある]
    を有するキラル配位子を含む、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の方法。
  10. 配位子が式(670)を有し、R672およびR673がフェニルであり、R671がアリールである、請求項9に記載の方法。
  11. 671が、トリル、メシチルまたはナフチルである、請求項10に記載の方法。
  12. 配位子が式(680)を有し、R681が、トリル、メシチル、2,4,6−トリイソプロピルフェニルまたはナフチルである、請求項9に記載の方法。
  13. 配位子が式(700)を有し、R701およびR702が水素である、請求項9に記載の方法。
  14. 配位子が、(1S,2S)−(+)−N−4−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレン−1,2−ジアミン、(1R,2R)−(−)−N−4−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレン−1,2−ジアミン、dl−N−トシル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−トシル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−トシル−1,2−エチレンジアミンまたはN−トシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンである、請求項9に記載の方法。
  15. 触媒が、
    Figure 2009534472
    (式中、Arはアリールである)
    からなる群から選択される、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の方法。
  16. 触媒が野依触媒である、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の方法。
  17. 水素供給源がプロトン性化合物を含む、請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の方法。
  18. 水素供給源が、イソプロパノール、ギ酸、ギ酸の有機もしくは無機塩、またはそれらの組合せである、請求項17に記載の方法。
  19. 水素供給源が、ギ酸およびトリエチルアミンの混合物である、請求項17または請求項18に記載の方法。
  20. ギ酸のトリエチルアミンに対する比が約5:2である、請求項19に記載の方法。
  21. 該方法を非プロトン性極性溶媒中で行う、請求項1ないし請求項20のいずれかに記載の方法。
  22. 溶媒が、ニトリル、テトラヒドロフラン、アルコール、ハロ炭素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、酢酸アルキル、トルエン、水またはこれらの組合せである、請求項21に記載の方法。
  23. 溶媒が、メタノール、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸プロピル、またはこれらの組合せである、請求項22に記載の方法。
  24. が水素または−OR111であり、R111が、水素、アルキル、アシル、アルカリール、アリールまたはヒドロキシ保護基である、請求項1ないし請求項23のいずれかに記載の方法。
  25. が水素または−OR211であり、R211が、水素、アルキル、アシル、アルカリール、アリールまたはヒドロキシ保護基である、請求項1ないし請求項24のいずれかに記載の方法。
  26. が水素または−OR311であり、R311が、水素、アルキル、アシル、アルカリール、アリールまたはヒドロキシ保護基である、請求項1ないし請求項25のいずれかに記載の方法。
  27. 311が水素またはアルキルである、請求項26に記載の方法。
  28. が水素であり;
    が水素であり;
    が−OR311であり;そして、
    311が水素またはC1−8アルキルである、
    請求項1ないし請求項27のいずれかに記載の方法。
  29. が、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである、請求項1ないし請求項28のいずれかに記載の方法。
  30. が、水素、C1−8アルキルまたはC1−8置換アルキルである、請求項29に記載の方法。
  31. が水素である、請求項30に記載の方法。
  32. が水素である、請求項1ないし請求項31のいずれかに記載の方法。
  33. 14がヒドロキシである、請求項1ないし請求項32のいずれかに記載の方法。
  34. およびZが>N(R)であり、Rが、水素、または、置換もしくは非置換のC1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリールまたは複素環である、請求項1ないし請求項30のいずれかに記載の方法。
  35. が、水素、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペンチルまたはアリルである、請求項34に記載の方法。
  36. が、水素、メチルまたはシクロブチルメチルである、請求項35に記載の方法。
  37. およびZが>N(R)(R10)であり;そして、
    およびR10が、独立して、水素、アシルまたは置換もしくは非置換のC1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリールまたは複素環である、
    請求項1ないし請求項33のいずれかに記載の方法。
  38. およびR10が、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロブチルメチルまたはアリルである、請求項37に記載の方法。
  39. がシクロプロピルメチルであり、R10がメチルである、請求項38に記載の方法。
  40. が>NCH(OH)(R)であり;
    が>NCH(R)であり;そして、
    が、水素、アシルまたは置換もしくは非置換C1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリールまたは複素環である、
    請求項1ないし請求項33のいずれかに記載の方法。
  41. が>N=CH(R)であり;
    が>NCH(R)であり;そして、
    が、水素、アシル、または、置換もしくは非置換のC1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリールまたは複素環である、
    請求項1ないし請求項33のいずれかに記載の方法。
  42. が、水素、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロブチルメチルまたはアリルである、請求項40または請求項41に記載の方法。
  43. が、水素、メチルまたはシクロブチルである、請求項42に記載の方法。
  44. が水素であり;
    が水素であり;
    が−OR311であり;
    が水素であり;
    が水素であり;
    14がヒドロキシであり;
    311が水素であり;
    が>N(R)であり;そして、
    がシクロブチルメチルである、
    請求項1ないし請求項33のいずれかに記載の方法。
  45. が水素であり;
    が水素であり;
    が−OR311であり;
    が水素であり;
    が水素であり;
    14がヒドロキシであり;
    311が水素であり;
    が>N=CH(R)であり;
    が>NCH(R)であり;そして、
    がシクロブチルである、
    請求項1ないし請求項33のいずれかに記載の方法。
  46. 該方法を約0℃ないし約120℃の温度範囲で行う、請求項1ないし請求項45のいずれかに記載の方法。
  47. 該方法を約20℃ないし約40℃の温度範囲で行う、請求項1ないし請求項46のいずれかに記載の方法。
  48. 6−ケトモルフィナン(I)を、式:
    Figure 2009534472
    を有する6−ケトノル−モルフィナン(X)から製造する請求項1に記載の方法であって、
    該方法が、6−ケトノル−モルフィナン(X)を、式CH(O)Rのアルデヒドと、溶媒中で反応させ、式:
    Figure 2009534472
    (式中、Zは>N=CH(R)であり;そして、
    は、ヒドロカルビル、アシル、置換ヒドロカルビルまたは複素環である)
    を有する6−ケトモルフィナン(I)を形成させることを含む、方法。
  49. 溶媒が有機溶媒である、請求項48に記載の方法。
  50. 溶媒が、アセトニトリル、メタノール、トルエン、酢酸エチルまたはこれらの組合せである、請求項49に記載の方法。
  51. が、水素または−OR311であり、R311が、水素、アルキル、アシル、アルカリール、アリールまたはヒドロキシ保護基である、請求項48ないし請求項50のいずれかに記載の方法。
  52. 311が水素またはアルキルである、請求項51に記載の方法。
  53. 6−ケトノル−モルフィナン(X)がノルオキシモルフォンである、請求項48ないし請求項52のいずれかに記載の方法。
  54. が、水素、アシル、または、置換もしくは非置換のC1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリールまたは複素環である、請求項48ないし請求項53のいずれかに記載の方法。
  55. が、水素、メチル、シクロプロピル、シクロブチルまたはアリルである、請求項48ないし請求項54のいずれかに記載の方法。
  56. がシクロブチルである、請求項48ないし請求項55のいずれかに記載の方法。
  57. 6−ヒドロキシモルフィナン(II)をさらに反応させ、式:
    Figure 2009534472
    を有する6−ヒドロキシ−N−アルキル化モルフィナン(III)を形成させる、請求項1に記載の方法であって、
    該方法が、6−ヒドロキシモルフィナン(II)を、式CH(O)Rのアルデヒドと、溶媒中で反応させ、続いて、水素化物還元剤で還元することを含み、6−ヒドロキシモルフィナン(II)が、式:
    Figure 2009534472
    を有する、方法
    (式中、Zは>NHであり;
    は>NHであり;
    は>NCH(R)であり;そして、
    は、アシル、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは複素環である)。
  58. 6−ヒドロキシモルフィナン(II)および6−ヒドロキシ−N−アルキル化モルフィナン(III)が、6−アルファ−ヒドロキシ部分を有する、請求項57に記載の方法。
  59. 溶媒が有機溶媒である、請求項57または請求項58に記載の方法。
  60. 溶媒が、アセトニトリル、メタノール、トルエン、酢酸エチルまたはこれらの組合せである、請求項59に記載の方法。
  61. 水素化物還元剤が主族の水素化物還元剤である、請求項57ないし請求項60のいずれかに記載の方法。
  62. 水素化物還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、ボラン、水素化リチウムアルミニウム、または、触媒の存在下の水素である、請求項57ないし請求項61のいずれかに記載の方法。
  63. が水素または−OR311であり、R311が、水素、アルキル、アシル、アルカリール、アリールまたはヒドロキシ保護基である、請求項57ないし請求項62のいずれかに記載の方法。
  64. 311が水素またはアルキルである、請求項63に記載の方法。
  65. が、アシル、または、置換もしくは非置換のC1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリールまたは複素環である、請求項57ないし請求項64のいずれかに記載の方法。
  66. が、メチル、シクロプロピル、シクロブチルまたはアリルである、請求項57ないし請求項65のいずれかに記載の方法。
  67. がシクロブチルである、請求項57ないし請求項66のいずれかに記載の方法。
  68. 6−ヒドロキシモルフィナン(II)が、ノルオキシモルフォンを、ルテニウム、ロジウムまたはイリジウム不斉触媒および水素供給源の存在下で還元することにより製造される、請求項57ないし請求項67のいずれかに記載の方法。
  69. 6−ヒドロキシモルフィナン(II)をさらに反応させ、式
    Figure 2009534472
    を有する3−ヒドロキシモルフィナン(V)を形成させる、請求項1に記載の方法であって;
    該方法が、式:
    Figure 2009534472
    を有する6−ヒドロキシモルフィナン(II)を、式X−C(O)Rを有する化合物と、溶媒中で反応させ、式:
    Figure 2009534472
    を有する3−エステルモルフィナン(IV)を形成させ;そして、
    3−エステルモルフィナン(IV)を、水素化物還元剤を用いて還元し、3−ヒドロキシモルフィナン(V)を形成させることを含む、方法
    (式中、Rは−OR311であり;
    311は水素であり;
    Xは、ハロまたは複素環であり;
    は>NHであり;
    は>NHであり;
    は>NC(O)(R)であり;そして、
    は>NCHRである)。
  70. 6−ヒドロキシモルフィナン(II)、3−エステルモルフィナン(IV)および3−ヒドロキシモルフィナン(V)が、6−アルファ−ヒドロキシ部分を有する、請求項69に記載の方法。
  71. 水素化物還元剤が主族の水素化物還元剤である、請求項69ないし請求項70のいずれかに記載の方法。
  72. 水素化物還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、ボラン、水素化リチウムアルミニウム、または、触媒の存在下の水素である、請求項69ないし請求項71のいずれかに記載の方法。
  73. が、水素、アシルまたは置換もしくは非置換C1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリールまたは複素環である、請求項69ないし請求項72のいずれかに記載の方法。
  74. が、水素、メチル、シクロプロピル、シクロブチルまたはアリルである、請求項69ないし請求項73のいずれかに記載の方法。
  75. がシクロブチルである、請求項69ないし請求項74のいずれかに記載の方法。
  76. 6−ケトモルフィナン(I)が、式:
    Figure 2009534472
    を有する3−ヒドロキシ−6−ケトノル−モルフィナン(XI)から製造される、請求項1に記載の方法であって;
    該方法が、3−ヒドロキシ−6−ケトノル−モルフィナン(XI)を、式X−C(O)Rを有する化合物と、溶媒中で反応させ、式:
    Figure 2009534472
    を有する6−ケトモルフィナン(I)を形成させることを含む、方法
    (式中、Rは−OR311であり;
    311はヒドロキシ保護基であり;
    は>N(R)であり;
    はアシルであり;そして、
    Xはハロまたは複素環である)。
  77. 6−ヒドロキシモルフィナン(II)をさらに反応させて、式:
    Figure 2009534472
    を有する6−ヒドロキシ−N−アルキル化モルフィナン(III)を形成させる請求項1に記載の方法であって;
    該方法が、6−ヒドロキシモルフィナン(II)を、ハロ−R基と溶媒中で反応させることを含み、6−ヒドロキシモルフィナン(II)が、式:
    Figure 2009534472
    を有する、方法
    (式中、Zは>NHであり;
    は>NHであり;
    は>NCH(R)であり;そして、
    は、ヒドロカルビル、アシル、置換ヒドロカルビルまたは複素環である)。
  78. 6−ヒドロキシモルフィナン(II)および6−ヒドロキシ−N−アルキル化モルフィナン(III)が、6−アルファ−ヒドロキシ部分を有する、請求項74に記載の方法。
  79. ハロ−R部分がクロロまたはブロモ−Rである、請求項77ないし請求項78のいずれかに記載の方法。
  80. 式中、Rが、メチル、シクロプロピル、シクロブチルまたはアリルである、請求項77ないし請求項79のいずれかに記載の方法。
  81. がシクロブチルである、請求項77ないし請求項80のいずれかに記載の方法。
  82. 6−ケトモルフィナン(I)を、式:
    Figure 2009534472
    を有する6−ケトノル−モルフィナン(X)から製造する、請求項1に記載の方法であって;
    該方法が、6−ケトノル−モルフィナン(X)を、ハロ−R基を用いて溶媒中でアルキル化し、式:
    Figure 2009534472
    を有する6−ケトモルフィナン(I)を形成させることを含む、方法
    (式中、Zは>N(R)であり;そして、
    は、アシル、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは複素環である)。
  83. が水素または−OR311であり、R311が、水素、アルキル、アシル、アルカリール、アリールまたはヒドロキシ保護基である、請求項82に記載の方法。
  84. 311が水素またはアルキルである、請求項83に記載の方法。
  85. 6−ケトノル−モルフィナン(X)がノルオキシモルフォンである、請求項82ないし請求項84のいずれかに記載の方法。
  86. が、置換もしくは非置換C1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリールまたは複素環である、請求項82ないし請求項85のいずれかに記載の方法。
  87. が、メチル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチルまたはアリルである、請求項82ないし請求項86のいずれかに記載の方法。
  88. がシクロブチルメチルである、請求項83ないし請求項87のいずれかに記載の方法。
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