JP2009529895A - 弱毒化サルモネラ生ワクチン - Google Patents

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Abstract

本発明は、獣医学的動物種に感染する細菌、特にサルモネラ・エンテリカの弱毒化guaB欠失変異体、その使用および生成に関する。本発明は、獣医学的動物種において、特に家禽において細菌感染、特にサルモネラ症を防御するための、このような変異体株に基づく弱毒化生ワクチンにさらに関する。本発明により得られる弱毒化サルモネラ・エンテリカ株の1つは寄託番号LMG P−21641を有する腸炎菌株SM69である。別の例は、寄託番号LMG P−21646を有するネズミチフス菌SM86である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、弱毒化細菌変異体、とりわけ弱毒化サルモネラ・エンテリカ変異体、およびこれを含む弱毒化生ワクチンに関する。
サルモネラは、腸内細菌科に属するグラム陰性、通性嫌気性、運動性、非ラクトース発酵性桿菌である。サルモネラは、通常、汚染された食品の摂取によりヒトに伝染し、そしてサルモネラ症を引き起こす。
サルモネラは、ウシ、ニワトリ、シチメンチョウ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ、ウマ、ロバ、アザラシ、トカゲおよびヘビを含む多くの動物種から単離されている。
重要なサルモネラ病原体の95%がサルモネラ・エンテリカに属し、サルモネラ・エンテリカ血清型ティフィムリウム(ネズミチフス菌)およびサルモネラ・エンテリカ血清型エンテリティディス(腸炎菌)が最も一般的な血清型である。
サルモネラ感染は、全世界的に深刻な医学的および獣医学的問題であり、そして食品産業における不安材料である。汚染された食品は容易には同定することができない。
致死的なヒト感染の可能性および畜産業の相当な経済的損失を回避するために、サルモネラ症の制御は重要である。
天然のサルモネラの偏在的な存在により、感染した動物の検出および根絶のみによる疾患の制御は困難になっている。
競合的排除およびワクチン接種の原理に基づくいくつかの制御計画は、例えば家禽の感染を制御するために試験されている。
牧場動物のワクチン接種はしばしば、サルモネラにより引き起こされる人畜共通感染症を防御するための最も有効な方法として考えられる。
全細胞死菌ワクチンおよびサブユニットワクチンは、動物およびヒトにおけるサルモネラ感染の防御において用いられるが、変動する結果を生じる。一般に不活化ワクチンはサルモネラ症に対してあまり良好な保護を提供しない。
弱毒化サルモネラ生ワクチンは:(i)抗体応答に加えて細胞媒介の免疫を誘起するその能力;(ii)針汚染の危険性のない経口送達;(iii)単回用量の投与の後の有効性;(iv)複数の粘膜部位での免疫応答の誘起;(v)低い生産コスト;および(vi)組換え抗原の免疫系への送達のための担体としてのその使用の可能性;のおかげで不活化調製物よりも潜在的に優れている。
弱毒化変異体株での結果は必ずしも良好ではないので、実際に市販されている弱毒化サルモネラ生ワクチンは少ない。
例えば家禽はaro−またはcAMP変異体株でワクチン接種されているが、多くのニワトリがワクチン接種後、短時間で死亡した。サルモネラによる感染はしばしば非常に早期に起こるので、非常に若いニワトリのワクチン接種が不可欠である。しかしながら、これらはこの年齢では、場合によるとその免疫系の未熟さのためにサルモネラに対する感受性が非常に高い。ワクチン接種されたニワトリの保護が弱いのに加えて、ワクチン株の長期の排出がしばしば観察された。
cyaおよびcrp遺伝子における欠失を担持するMegan(登録商標)Vacl株(米国特許第5389368号;米国特許第5855879号;米国特許第5855880)でのトリのワクチン接種は、抗原投与の7日後に毒性サルモネラ抗原投与株を単離できるトリの数の低下を招く。しかしながら、これによって完全な保護が提供されるわけではない(http://www.meganhealth.com/meganvac.html)。
従って、改善された弱毒化サルモネラ生ワクチン株および一般的な獣医学的動物種に感染する細菌の改善された弱毒化生ワクチン株が依然必要とされている。
guaB変異体のサルモネラおよびその他の細菌の毒性に及ぼす影響に関する文献における情報はわずかである。
McFarlandおよびStocker(Microbial pathogenesis 3:129−141(1987))はBALB/cマウスにおけるネズミチフス菌およびサルモネラ・ダブリンのguaAおよびguaB Tn10挿入変異体の低減された毒性(ネズミチフス菌について2.5×10cfu、サルモネラ・ダブリンについて10cfu)に関して報告しているが、これらの著者は、栄養要求性株の増幅の結果である高い致死性を報告している。
Wangら(Infection and Immunity 69:4734−4741(2001))はヒトの腸チフスに対するワクチンでの前臨床試験に関して報告した。Wangらのワクチンはチフス菌のΔguaBA変異体株を含む。しかしながら、この弱毒化株はマウスにおける有意な残留毒性を示した。
国際特許出願第WO99/58146号および米国特許第6190669号は、外来抗原を送達するための生ベクターとして使用される、ΔguaBA変異を宿すチフス菌ワクチン株を開示している。
本発明の目的は、弱毒化サルモネラ・エンテリカ株を提供することである。
本発明の別の目的は、サルモネラ症に対する弱毒化生ワクチンおよびそれに基づいた防御の方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、生ベクターとして、および外来抗原を発現するDNA媒介ワクチンとして有用である弱毒化生株を提供することである。従って、かかる株は、多価ワクチンを含むワクチンの開発に非常に適切である。
本発明のさらに別の目的は、弱毒化生ワクチンにおける使用のためのサルモネラ・エンテリカ欠失変異体を得る方法を提供することである。
さらに、本発明のさらなる目的は、獣医学的動物種、特に家禽に感染する細菌の弱毒化株を調製するための同一材料および方法を提供することである。
一般的な目標は食品の安全性および動物の健康を改善することである。
本発明の第1の態様は、グアニンヌクレオチドを新規形成できない弱毒化サルモネラ・エンテリカ変異体株に関し、ここでこの変異体株はguaB遺伝子に欠失変異を含有する。
サルモネラ・エンテリカに関して本明細書にて実証されるような原理を、中間体としてグアニンヌクレオチドを使用できる任意の生物に適用できる。したがって、本発明の態様は、guaB遺伝子に欠失変異を含有する獣医学的動物種に感染する細菌の弱毒化変異体株に関する。本発明の文脈において「獣医学的動物種に感染する細菌」なる用語は、特に獣医学的動物種に対して病原性である細菌を指し、それはguaB遺伝子における欠失変異により弱毒化され得る。獣医学的動物種に感染する細菌はグラム陰性細菌であってよい。好ましいのはサルモネラ、パスツレラ菌、大腸菌等のような家禽のグラム陰性細菌である。最も好ましいのはサルモネラ・エンテリカおよび(病原性)大腸菌である。「に対して病原性」とは、弱毒化されていない場合、獣医学的動物種に感染性疾患を引き起こすことができる細菌を意味する。
本発明の変異体株は機能的GuaB遺伝子生成物を発現できない。換言すれば、guaB遺伝子機能が損なわれており、それにより栄養要求性弱毒化株が得られる。
guaB遺伝子に欠失変異を担持する本発明の変異体株は、最小A培地に0.3mMグアニン、キサンチン、グアノシンまたはキサントシンを補充しなければ、この培地で成長できない。
本発明は、特に弱毒化腸炎菌およびネズミチフス菌株を提供することを目的とする。
好ましくは、guaB遺伝子における欠失変異を親株腸炎菌ファージ4型株76Sa88または親株ネズミチフス菌1491S96に導入する。
本発明により得られる弱毒化サルモネラ・エンテリカ株の1つは、寄託番号LMG P−21641を有する腸炎菌株SM69である。別の例は、寄託番号LMG P−21646を有するネズミチフス菌SM86である。
本発明の弱毒化変異体株は多価またはマルチバレントワクチンを含む弱毒化生ワクチンにおける使用に非常に適している。本発明の弱毒化変異体株は、外来抗原をコードし、発現でき、生ベクターとして、および/またはDNA媒介ワクチンとして用いられるようなものでよい。
本発明の第2の態様は:
guaB遺伝子における欠失変異のためにグアニンヌクレオチドの新規形成ができない、医薬的に有効な量または免疫量の本発明による変異体株;および
医薬的に許容される担体または希釈剤;
を含む細菌感染(例えばサルモネラにより引き起こされるサルモネラ症)に対して獣医学的動物種を免疫するための医薬用組成物またはワクチンに関する。好ましい組成物は本発明によるサルモネラ・エンテリカ変異体株を含むものである。
本発明の弱毒化株は、外来抗原をコードするDNAを真核細胞に移入できる。この外来抗原は、本発明の弱毒化変異体株により含まれるプラスミドによりコードされ、そこから発現され得る。
一般的に約10cfu〜約1010cfu、好ましくは約10cfu〜約1010cfuが投与される(医薬的に有効な量または免疫量の例)。免疫用量は投与の経路に従って異なる。当業者は、非経口的に投与されるワクチンのための有効用量が、飲料水等を介して投与される類似のワクチンよりも少ない可能性があることを見出すことができる。
本発明の弱毒化株、およびそれを含む医薬組成物またはワクチンは、動物または獣医学的動物種を細菌感染(例えばサルモネラ症)および場合によってはその他の疾患(マルチバレントワクチンの場合)に対して免疫するのに非常に適している。
したがって、本発明のさらなる態様は、動物、好ましくは獣医学的動物種、さらに好ましくはニワトリのような家禽を、細菌による感染(例えばサルモネラにより引き起こされるサルモネラ症)に対して免疫する方法に関し、この方法は:
免疫量の本発明の弱毒化変異体株および/またはそれを含むワクチンを、それを必要とする動物または獣医学的動物種に投与し、それにより次いで動物または獣医学的動物種において保護免疫応答を惹起する工程;
を含む。
サルモネラ症に対して免疫される獣医学的動物種の例:ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ウズラ、ホロホロチョウ、ブタ、ヒツジ、子牛、畜牛等のような家禽、小型または大型家畜。
一般的に適切な用量が、好ましくは経口、経鼻または非経口経路によりこれらの動物に投与される。
本発明の最後の態様は、医薬品として使用するための(例えばワクチンにおいて使用するための)本発明の変異体株に関する。本発明のなお別の態様は、サルモネラ症のような病原体(感染細菌)により引き起こされる疾患の防御(および/または処置)のための、ワクチンのような医薬品の調製のための本発明の弱毒化変異体株の使用に関する。処置される動物または獣医学的動物種の例および推奨される用量は上述で提示されている。
驚くべきことに、guaB遺伝子における欠失変異は、毒性が有意に低下し、家畜動物における免疫応答を誘起することができる弱毒化サルモネラ・エンテリカ株を導くことができることが見出された。かかる欠失は、中間体としてグアニンヌクレオチドを使用できる任意の生物を弱毒化する。
「遺伝子」なる用語は、本明細書にて使用される際には、コード配列ならびにプロモーターおよび終止シグナルのようなその調節配列を指す。
本発明による欠失変異体株は、プリン代謝経路酵素IMPデヒドロゲナーゼ(guaBによりコードされる)が不活化されているものである。
guaB遺伝子機能が損なわれ、影響を受ける(複数の)遺伝子のヌル機能(機能的な遺伝子生成物が形成されない)を導く欠失により、かかる不活化を得ることができる。当業者にはかかる変異体株を得る方法が既知であり、簡単な試験によりguaB遺伝子機能が損なわれているかどうかを見分けることができる。機能的guaB遺伝子生成物を発現できない変異体株は、最小A培地に(例えば0.3mMの)グアニン、キサンチン、グアノシンまたはキサントシンを補充しなければ、この培地で成長できない。
本発明は中でも、弱毒化腸炎菌およびネズミチフス菌株が最も一般的なサルモネラ・エンテリカ血清型であるので、これらを提供することを目的とする。
本発明は弱毒化株を提供する。本発明は、とりわけサルモネラ症に対する弱毒化生ワクチンとして、外来抗原を発現する生ベクターとして、および/またはDNA媒介ワクチンとして使用するための、中でも弱毒化サルモネラ・エンテリカ株を提供する。本明細書にて使用される際には「外来抗原」とはサルモネラに対して外来性である抗原を意味する。
生ベクターワクチンは、「担体ワクチン」および「生抗原送達系」とも称され、ワクチン学の刺激的かつ多目的な分野を含む(Levineら、Microecol.Ther.19:23−32(1990))。この研究法では、ウイルス性または細菌性生ワクチンは、それが別の微生物の保護性外来抗原を発現し、そしてこれらの抗原を免疫系に送達し、それにより保護免疫応答を刺激するように改変されている。公表されている細菌性生ベクターには、とりわけ弱毒化サルモネラが含まれる。
本発明の目的は、生ワクチン、場合によって多価またはマルチバレント生ワクチンにおいて使用するための弱毒化サルモネラ・エンテリカ株のような弱毒化株を提供することである。
したがって本発明の目的の1つは:
グアニンヌクレオチドの新規形成ができない、医薬的に有効な量または免疫量の本発明の変異体株(例えばサルモネラ・エンテリカ変異体株)、ここでこの変異体株はguaB遺伝子において欠失変異を含有する;および
医薬的に許容される担体または希釈剤;
を含む、例えばサルモネラ症に対するワクチンを提供することである。
本発明の別の目的は:
グアニンヌクレオチドの新規形成ができない、医薬的に有効な量または免疫量の本発明の変異体株(例えばサルモネラ・エンテリカ変異体株)、ここでこの変異体株はguaB遺伝子において欠失変異を含有し、変異体株外来抗原をコードし、発現する;および
医薬的に許容される担体または希釈剤;
を含む、生ベクターワクチンを提供することである。
生ベクター(サルモネラ・エンテリカ)で用いられる特定の外来抗原は本発明にとって重要ではない。
本発明のさらに別の目的は:
グアニンヌクレオチドの新規形成ができない、医薬的に有効な量または免疫量の本発明の変異体株(例えばサルモネラ・エンテリカ変異体株)、ここでこの変異体株はguaB遺伝子において欠失変異を含有し、変異体株外来抗原をコードし、真核細胞において発現するプラスミドを含有する;および
医薬的に許容される担体または希釈剤;
を含むDNA媒介ワクチンを提供することである。
DNA媒介ワクチンの構築および使用に関する詳細は米国特許第5877159号(参照によりその全てが本明細書に組み込まれる)に見出すことができる。また、DNA媒介ワクチンに用いられる特定の外来抗原は本発明にとって重要ではない。
例えばサルモネラ・エンテリカにおいて(生ベクターワクチンで真核細胞性プロモーターを用いて)または例えばサルモネラ・エンテリカにより浸潤された細胞において(DNA媒介ワクチンで真核細胞性プロモーターを用いて)外来抗原を発現するかどうかの決定は、動物実験もしくは臨床試験においてその特定の抗原に関するどのワクチン構築物により最良の免疫応答が得られるか、および/または抗原のグリコシル化がその保護免疫原性に必須であるかどうか、および/または抗原の正確な三次元立体構造が発現の1つの形態で他の形態よりも良好に達成されるかどうかに基づき得る(米国特許第5783196号)。
本発明のワクチンでは、投与される本発明の変異体株の医薬的に有効な量または免疫量は対象の年齢、体重および性別に依存して異なる。本明細書にて使用される際には「免疫量」とは、実際に医薬用組成物/ワクチンを投与される動物において免疫応答を誘起することができる量を意味する。惹起される免疫応答は体液性、粘膜、局所および/または細胞性免疫応答であることができる。
特定の医薬的に許容される担体または希釈剤は本発明にとっては重要ではなく、そして当分野で慣用技術である。希釈剤の例には:スクロースを含有するクエン酸緩衝剤(pH7.0)、重炭酸塩緩衝剤(pH7.0)単独またはアスコルビン酸、ラクトースおよび場合によってはアスパルテームを含有する重炭酸塩緩衝剤(pH7.0)のような胃で胃酸に対して緩衝するための緩衝剤が挙げられる。担体の例には:例えば脱脂粉乳に見出されるようなタンパク質;糖;例えばスクロース;またはポリビニルピロリドンが挙げられる。
本発明による欠失変異体は、標準的な相同組換えにより創成され、それによりguaB遺伝子の一部、例えばguaBコード配列の一部は、第1工程では、抵抗性遺伝子およびFRT部位をフランキングすることにより置き換えられる。
好ましくは、第2工程では、前記抵抗性遺伝子は2つのFRT部位の間の組換えにより除去される。DatsenkoおよびWanner(2000)に従って、1つのFRT部位ならびにプライミング部位P1およびP2は組換えの分子メカニズムにより残存し、抗生物質抵抗性遺伝子を除去する(例えば図4参照)。
本発明の特定の実施例は、例えば、変異したguaB遺伝子または配列番号12を含むコード配列を含む、腸炎菌のguaB欠失変異体に関する。
図面の簡単な記述
図1は、グアノシン一リン酸の生合成経路の概略図である(ZalkinおよびNygaard,1996「Escherichia coli and Salmonella,Cellular and Molecular Biology,Second edition」(1996)F.C.Neidhardt編 ASM Press,Washington D.C.,第1巻、34章:561−579から改作した)。AICAR:5’−ホスホリボシル−4−カルボキサミド−5−アミノイミダゾール;ATP:アデノシン三リン酸;G:グアニン;GMP:グアノシン一リン酸;GR:グアノシン;Hx:ヒポキサンチン;HxR:ヒポキサンチンリボシド(イノシン);IMP:イノシン一リン酸;X:キサンチン、XMP:キサントシン一リン酸;guaA:GMPシンテターゼ、guaB:IMPデヒドロゲナーゼ;guaC:GMPリダクターゼ。
図2は、腸炎菌ゲノムのコンティグ1294を表す(配列番号:10)。guaB遺伝子のATG開始コドンおよびTGA終止コドンは太字である。
図3は、pUC18にクローン化された腸炎菌のΔguaBフラグメントの配列を表す(配列番号:11)。使用されたプライマーを水平矢印により示す。プライマーGuaB6−GuaB7で作成されたフラグメントをpUC18にクローン化した。guaB遺伝子のATG開始およびTGA終止コドンならびにCCCGGG SmaI制限部位を太字で示す。
図4は、プライマーGuaB10を用いて配列決定後に得られたguaB欠失を含む、腸炎菌PCRフラグメントのヌクレオチド配列を表す(配列番号:12)。変異体SM20の全ゲノムDNAを用いてプライマーGuaB6−GuaB7でPCRフラグメントを増幅した。残存するFRT部位を太字イタリックで、そしてP1およびP2プライマーを矢印により示す(DatsenkoおよびWanner、PNAS 97:6640−6645(2000))。guaB遺伝子のATG開始およびTGA終止コドンを太字で示す。
図5は、ネズミチフス菌LT2のguaB遺伝子、完全ゲノムのセクション220の117を示す(配列番号:13)。guaB遺伝子のATG開始およびTGA終止コドンを太字で示す。
図6−7は、SM69およびSM86の各々に関する寄託受領を表す。
以下の実施例および実施形態において添付の図面を参照して本発明をさらに詳細に記載する。特定の実施形態および実施例は特許請求されるように本発明の範囲がいかなるようにも限定されないと意図される。
実施例1:栄養要求性変異はguaB遺伝子に影響を及ぼす
挿入変異誘発により野生型腸炎菌の栄養要求性挿入変異体が得られた。0.3mMグアニン、キサンチン、グアノシンまたはキサントシンを補充した場合のみ、変異体株は最小A培地で成長できた。
これらのデータにより、株の栄養要求性変異は、酵素IMPデヒドロゲナーゼをコードするguaB遺伝子に影響を及ぼすことが強く示唆される(EC1.1.1.205)。図1で示されるように、この酵素はイノシン−5’−一リン酸(IMP)をキサントシン一リン酸(XMP)に変換する。
挿入変異体は復帰することがあり、それにより株の病原性を復活させることがある。これは弱毒化生ワクチンにおけるその適用性を限定する。その態様では欠失変異体が好ましい。したがって腸炎菌およびネズミチフス菌のguaB欠失変異体が創成され、そして試験された。双方の血清型のguaB遺伝子を図2および5に示す。
実施例2:guaB欠失変異体
guaB欠失変異体の構築
guaB欠失変異体は、大腸菌K12のゲノムにおいて欠失変異体を作成するための方法(DatsenkoおよびWanner、PNAS 97:6640−6645(2000)、参照により本明細書に組み込まれる)に従って作成された。
この方法はバクテリオファージλレッドリコンビナーゼ系により媒介される、PCRにより作成された直鎖状DNAフラグメントの相同組換えに頼る。
これによって、guaB配列が抗生物質抵抗性遺伝子により置換される。この抵抗性遺伝子はFRT部位(FLP認識標的部位)によりフランキングされ、そしてFLPリコンビナーゼにより媒介される部位特異的組換えによりゲノムから切除できる。
重複PCR(Hoら、Gene 77:51−59(1989))を、直鎖状フラグメントを構築するために適用した。原理はguaB遺伝子の2つのプライマーセット、1つの上流対(GuaB3−GuaB4;GuaB3:5’ GGCTGCGATT GGCGAGGTAG TA 3’,配列番号2;GuaB4:5’ GGTGATCCCG GGCGTCAAAC GTCAGGGCTT CTTTA 3’,配列番号3)および1つの下流対(GuaB5−GuaB2;GuaB5:5’ TTGACGCCCG GGATCACCAA AGAGTCCCCG AACTA 3’,配列番号4;GuaB2:5’ CGTTCAGGCG CAACAGGCCG TTGT 3’,配列番号1)の使用に頼る。
双方のセットは、部分的に相補的であり、そしてそれにSmaI制限部位を付加したプライマー(GuaB4、GuaB5)を含有する。
得られた相補的配列のアニーリングおよび鎖伸長の後、外向きプライマー(GuaB6−GuaB7;GuaB6:5’ GCAACAACTC CTGCTGGTTA 3’,配列番号5;GuaB7:5’ AGACCGAGGA TCACTTTATC 3’,配列番号6)でのPCRにより、GuaBコード配列の861塩基対内部セグメントを置き換える6塩基対SmaI部位を有するフラグメントを作成した。このΔguaBフラグメントをベクターpUC18にクローン化した(図3参照)。
プライマーP1(5’ GTGTAGGCTG GAGCTGCTTC 3’,配列番号8)およびP2(5’ CATATGAATA TCCTCCTTAG 3’,配列番号9)(DatsenkoおよびWanner(2000))ならびにプラスミドpKD3 DNA(DatsenkoおよびWanner(2000))を鋳型として使用して、クロラムフェニコール抵抗性遺伝子(cat)をそのフランキングFRT配列と共に増幅した。
このPCRフラグメントを、クローン化されたΔguaBフラグメントのSmaI部位にライゲートした。ネステッドプライマー(GuaB6−GuaB7)を使用して望ましいフラグメントを作成した。
バクテリオファージラムダレッドリコンビナーゼ系をコードする温度感受性複製プラスミドpKD46を宿す、腸炎菌ファージ4型株76Sa88(The Veterinary and Agrochemical Research Centre,Groeselenberg 99,B−1180 Ukkel,Belgiumから入手したシチメンチョウからの臨床分離株)に、得られたPCRフラグメントをエレクトロポレーションした。
最小A培地および0.3mMグアニンを補充した最小A培地でクロラムフェニコール抵抗性形質転換体を試験した。以下のプライマーの組み合わせ:GuaB6−GuaB7、GuaB6−P2、GuaB7−P1およびP1−P2を使用するPCRによりΔguaB::catFRT変異体を確認した。
腸炎菌ΔguaB::catFRT変異体(SM12)を、エレクトロポレーションによって温度感受性複製プラスミドpCP20で形質転換した。プラスミドpCP20はFLPリコンビナーゼをコードし、それはcat遺伝子を除去するためにFRT部位を認識する。得られた株をSM20と称した。
変異体SM20の全ゲノムDNAおよびプライマーの組み合わせGuaB6−GuaB7を使用して、欠失が位置するPCRフラグメントが得られた(図4参照)。
プライマーGuaB10(5’ AGGAAGTTTG AGAGGATAA 3’,配列番号7)を使用して、このフラグメントの配列決定によりΔguaB変異を確認した。
前記した全てのプライマーの配列を表1に示す。
レッドリコンビナーゼ系の発現により引き起こされる、可能な追加的な変異体の存在を回避するために、同質遺伝子株を構築した。
変異体SM12のΔguaB::catFRT変異をSM12のバクテリオファージP22 HT int(Davis,R.W.,Botstein D.およびRoth,J.R.,Advanced Bacterial Genetics,A manual for genetic engineering、Cold Spring Harbor Laboratory、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州)によって野生型腸炎菌76Sa88に形質導入した。プラスミドpCP20を使用してcat遺伝子を除去した。得られた株はSM69と称された(寄託番号LMG P−21641)。
同一の手順および同一のプライマーを使用してネズミチフス菌株1491S96のΔguaB変異体を構築した。得られたネズミチフス菌ΔguaB::catFRT株およびネズミチフス菌ΔguaB株を、それぞれSM9およびSM19と称した。SM86(寄託番号LMG P−21646を有する)は、株SM9からのバクテリオファージP22 HT intライゼートによる形質導入の後、およびプラスミドpCP20を使用するcat遺伝子の切除の後に、それらから得られた同質遺伝子株である。
ΔguaB変異体SM19、SM20、SM86およびSM69はバクテリオファージP22に感受性がある。これによりインタクトなリポ多糖類(LPS)の存在が判明する。
マウスにおけるguaB欠失変異体SM20を用いる毒性および保護試験
独立した2つの実験で6−8週齢雌BALB/cマウスの経口感染によりマウスにおける変異体SM20の毒性を試験した。これらを前記したように実施した。野生型株腸炎菌76Sa88を陽性対照として平行して試験した。腸炎菌76Sa88 ΔaroA変異体SM50をワクチン対照として実験に含めた。この変異体は完全aroAコード配列の正確な欠失を担持し、そしてDatsenkoおよびWanner(2000)の方法により構築された。
完全なデータを表2および3に示す。これらの結果により、マウスにおいてΔguaB変異体SM20が強く弱毒化されるが、この高用量で投与された場合に依然いくらかの残留病原性を示すことが実証される。高用量の対応する病原性野生型腸炎菌株76Sa88による感染に対して、この変異体での経口免疫が保護免疫を誘起する。その保護は腸炎菌ΔaroA変異体SM50により付与される保護と少なくとも同等である。
マウスにおける同質遺伝子guaB欠失変異体SM69およびSM86での毒性および保護試験
マウスにおける変異体SM69およびSM86の毒性を6−8週齢雌BALB/cマウスの経口感染により試験した。これらを前記したように実施した。野生型株腸炎菌76Sa88およびネズミチフス菌1491S96を陽性対照として平行して試験した。
完全なデータを表4−7に示す。これらの結果により、マウスにおいてΔguaB変異体SM69およびSM86が強く弱毒化されるが、この高用量で投与された場合に、なお依然いくらかの残留病原性を示すことが実証される。高用量の対応する病原性野生株による感染に対して、変異体での経口免疫が保護免疫を誘起する。
気管内および経口経管経路による1日齢のニワトリにおける腸炎菌ΔguaB欠失変異体SM69の安全性評価
この研究の目的は、1日齢のニワトリにおける腸炎菌ΔguaB変異体株SM69マスターシードの安全性を評価することであった。安全性の決定のための一次的なパラメータとして死亡率を用いた。
1日齢のニワトリの脚にバンドを付け、そして4つの処置群の各々に無作為に配した(第1群:SM69−IT、第2群:SM69−OG、第3群:PBS−ITおよび第4群:PBS−OG)。マスターシード接種の後、第1および第2群からのトリを1つの隔離飼育器に、そして第3および第4群のトリを別の隔離飼育器に配した。
第1および第2群のニワトリに各々気管内(IT)経路または経口経管(OG)経路により、SM69マスターシードを、トリあたりの実際の力価1.28×10cfu/0.2mlで接種した。第3および第4群のニワトリに各々気管内経路または経口経管経路により、トリあたり0.2mlのPBS(リン酸緩衝生理食塩水)を投与した。
SM69またはPBSの接種の後、ニワトリ死亡率を接種後38日まで毎日観察した。表8に全4群に関する死亡率の結果をまとめる。第1群では接種中に接種外傷のために1羽のトリが死亡した。接種後(DPI)2日に2羽のトリが死亡した。3日目から13日目までに3羽のトリが死亡した(各々3、5および13DPI)。従って、第1群では全部で6羽のトリが死亡した。第2群では全部で2羽のトリが死亡した。1羽は接種中に接種外傷のために死亡し、そして1羽は接種後5日に死亡した。PBS処置群では気管内経路でも経口経管経路でも死亡したトリはなかった。
この研究により、腸炎菌ΔguaB変異体株SM69は1日齢のトリあたり1.28×10cfuで気管内経路または経口経管経路により投与された場合に安全ではないことが示される。
気管内経路および経口経管経路による2週齢のニワトリにおける腸炎菌ΔguaB欠失変異体SM69の安全性評価
次いで腸炎菌ΔguaB変異体株SM69の安全性を2週齢の特定病原体未感染(SPF)のニワトリにおいて気管内経路または経口経管経路により評価した。安全性の決定のために死亡率を一次基準として、および体重を二次基準として用いた。
2週齢のトリの脚にバンドを付け、そして4つの処置群の各々に無作為に配した:SM69−IT、SM69−OG、Poulvac ST−ITおよびPBS−IT。第1群の10羽のトリに気管内経路によりSM69を接種し;第2群の10羽のトリに経口経管によりSM69を接種し;第3群の10羽のトリに気管内経路によりネズミチフス菌AroAワクチン(Poulvac(登録商標)ST)を接種し;そして第4群の5羽のトリに気管内経路によりPBSを接種した。
第1および第2群のニワトリに各々気管内経路または経口経管経路により、SM69マスターシードをトリあたりの実際の力価2.304×10cfu/0.2mlで接種した。第3群のニワトリに気管内経路により、Poulvac(登録商標)STをトリあたり2.19×10cfu/0.2mlで投与した。第4群のニワトリに気管内経路によりトリあたり0.2mlのPBSを投与した。
接種後、処置第1および第2群からのトリを1つの隔離飼育器に、そして第3および第4群のトリを別の隔離飼育器に配した。
接種に続いて、接種後21日まで死亡率を毎日観察した。全てのトリの体重もまた研究期間(21日間)の最後に記録した。Poulvac(登録商標)STおよびPBSを気管内手順の対照として使用した。
21日の観察期間中にSM69気管内処置群(第1群)の1羽のトリが卵黄嚢感染から死亡した。死亡率はSM69に関連せず、それはSM69株が気管内経路および経口経管経路により、試験された力価、トリあたり2.304×10cfuで安全であることを示している。予想されたように、トリあたり2.19×10cfuの力価でPoulvac(登録商標)ST処置されたトリ、またはPBS処置されたトリのいずれでも死亡は観察されず、それはこの研究が正当であったことを示している(表9)。
従属変数として体重、および独立変数として含められた処置を用いる分散(ANOVA)モデルの分析で体重を群間で比較した。多重比較のためにチューキー検定を使用して群比較を行った。有意性のレベルをp<0.05に設定した、対照ニワトリ(PBS対照群)は健常のままであり、そして研究の間中臨床病徴または死亡はなかったので、研究は正当であると考えられた。
気管内接種または経口経管接種によるSM69、Poulvac(登録商標)STまたはPBSを投与されたニワトリにおける最終体重に有意差はなかった(表5)。1日齢の各群のトリのベースラインは確立されなかったが、トリは無作為に4つの処置群の各々に配されたので、4群間の初期体重に有意差があったとは考えられなかった。
死亡率はSM69の接種に帰因しなかったので、腸炎菌ΔguaB変異体株SM69は、気管内接種経路または経口経管接種経路のいずれかにより、2週齢のトリあたり2.304×10cfu/0.2ml用量の試験された力価で投与された場合、安全であると結論づけることができる。SM69接種は、本実施例で評価された第二の安全性パラメータであるトリの最終体重には影響しなかった。
以下の微生物に関してBCCM/LMGカルチャーコレクション、(Laboratorium voor Microbiologie、K.L.Ledeganckstraat35、B−9000、ゲント(ベルギー))でブダペスト条約に従って寄託を行っている:寄託番号LMG P−21641の下で腸炎菌SM69(寄託日:2002年8月9日)および寄託番号LMG P−21646の下でネズミチフス菌SM86(寄託日:2002年8月28日)。寄託はProf.J.−P.Hernalsteens(旧住所:Vrije Universiteit Brussel,Laboratorium Genetische Virologie,Paardenstraat 65,B−1640 Sint−Genesius−Rhode、現住所:Vrije Universiteit Brussel,Onderzoeksgroep Genetische Virologie,Pleinlaan 2,B−1050 ブリュッセル、ベルギー)の名の下で行われた。
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グアノシン一リン酸の生合成経路の概略図である。 腸炎菌ゲノムのコンティグ1294を表す(配列番号:10)。 pUC18にクローン化された腸炎菌のΔguaBフラグメントの配列を表す(配列番号:11)。 プライマーGuaB10を用いて配列決定後に得られたguaB欠失を含む、腸炎菌PCRフラグメントのヌクレオチド配列を表す(配列番号:12)。 ネズミチフス菌LT2のguaB遺伝子、完全ゲノムのセクション220の117を示す(配列番号:13)。 SM69に関する寄託受領を表す。 SM69に関する寄託受領を表す。 SM69に関する寄託受領を表す。 SM69に関する寄託受領を表す。 SM86に関する寄託受領を表す。 SM86に関する寄託受領を表す。 SM86に関する寄託受領を表す。 SM86に関する寄託受領を表す。
配列番号1は、GuaB2プライマーの配列である。
配列番号2は、GuaB3プライマーの配列である。
配列番号3は、GuaB4プライマーの配列である。
配列番号4は、GuaB5プライマーの配列である。
配列番号5は、GuaB6プライマーの配列である。
配列番号6は、GuaB7プライマーの配列である。
配列番号7は、GuaB10プライマーの配列である。
配列番号8は、P1プライマーの配列である。
配列番号9は、P2プライマーの配列である。
配列番号10は、腸炎菌ゲノムのコンティグ1294の配列である。
配列番号11は、pUC18にクローン化された腸炎菌のΔguaBフラグメントの配列である。
配列番号12は、プライマーGuaB10を用いて得られたguaB欠失を含む、腸炎菌PCRフラグメントのヌクレオチド配列である。
配列番号13は、ネズミチフス菌LT2のguaB遺伝子、完全ゲノムのセクション220の117の配列である。

Claims (17)

  1. グアニンヌクレオチドを新規形成できない、獣医学的動物種に感染する細菌の弱毒化変異体株であって、前記変異体はguaB遺伝子に欠失変異を含有する、弱毒化変異体株。
  2. 獣医学的動物種は家禽である、請求項1に記載の変異体株。
  3. サルモネラ・エンテリカ株または(病原性)大腸菌株である、請求項1または2に記載の変異体株。
  4. 前記変異体株は、外来抗原をコードし、かつ発現する、請求項1〜3のいずれかに記載の変異体株。
  5. 腸炎菌株またはネズミチフス菌株である、請求項1〜4のいずれかに記載の変異体株。
  6. 前記変異は、親株腸炎菌ファージ4型株76Sa88に導入される、請求項1〜5のいずれかに記載の変異体株。
  7. 寄託番号LMG P−21641を有する腸炎菌株SM69である、請求項6に記載の変異体株。
  8. 前記変異は、親株ネズミチフス菌1491S96に導入される、請求項1〜7のいずれかに記載の変異体株。
  9. 寄託番号LMG P−21646を有するネズミチフス菌株SM86である、請求項8に記載の変異体株。
  10. guaB遺伝子における欠失変異のためにグアニンヌクレオチドを新規形成できない、医薬的に有効な量または免疫量の請求項1〜9のいずれかに記載の変異体株;および医薬的に許容される担体または希釈剤を含む、細菌感染に対して獣医学的動物種を免疫するためのワクチン。
  11. 前記変異体株は、外来抗原をコードし、かつ発現する、請求項10に記載のワクチン。
  12. 前記変異体株は、真核細胞において外来遺伝子をコードしかつ発現するプラスミドを含む、請求項10または11に記載のワクチン。
  13. 免疫量の請求項1〜9のいずれかに記載の変異体株および/または請求項10〜12のいずれかに記載のワクチンを、それを必要とする獣医学的動物種に投与する工程
    を含む、細菌感染に対して獣医学的動物種を免疫する方法。
  14. 獣医学的動物種は家禽である、請求項13に記載の方法。
  15. 変異体株および/またはワクチンは、経口、経鼻または非経口経路により投与される、請求項13または14に記載の方法。
  16. 医薬品としての使用のための請求項1〜9のいずれかに記載の弱毒化変異体株。
  17. 獣医学的動物種、好ましくは家禽における細菌による感染の防御および/または処置のための医薬品またはワクチンの調製のための、請求項1〜9のいずれかに記載の弱毒化変異体株の使用。
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