ここに組み込まれかつこの明細書の一部を構成する添付の図面は、上述の概略的な記載及び以下の詳細な記載と共に本発明の例示的な実施形態を示しており、本発明の特徴を説明する役割を果たす。
図1A〜図1Dは、所望の解剖学的な場所(例えば、左心室のTGSAVを撮像するためのOPF)に変換器を位置付けるためのシステムであって、小さなプローブと同等に使用されるシステムを示している。この実施形態において、プローブのセットは、キット(図示略)として設けられており、キットのプローブそれぞれは、プローブの基端−先端の長手方向軸に沿うさまざまな点で曲がるように設計されている。超音波撮像のためにシステムを使用するとき、操作者は、キットから1つのプローブ(すなわち、一番適していると見込まれた1つ)を選択し、そのプローブを所望の画像を得るために使用する。図1A〜図1Dにおいてキットから2本のプローブのみが示されているが、キットが必要とされる曲げ点のすべてをカバーするために好ましくは追加のプローブ(図示略)を有することに留意すべきである。例えば、キットは、5本のプローブを有し、それぞれの曲げ点は、それぞれ変換器から4、5、6、7及び8cmで位置付けられている。
図1A及び図1Bは、直線状態及び曲げ状態それぞれにあるキットからの第1のプローブ10を示す。図1C及び図1Dは、同様に、直線状態及び曲げ状態それぞれにあるキットからの第2のプローブ10’を示す。第1のプローブ10及び第2のプローブ10’それぞれは、好ましくは操作者が第1のプローブ10または第2のプローブ10’の先端部16を当該解剖学的構造体(例えば、食道)の中へ所望の侵入深さで位置付けることを可能とするほど硬いが可撓性を有する。シャフト12は、好ましくは当該組織内でプローブの配置を可能とし、かつシャフトが問題または過度の不快を生じることなく長期間その場に残されることを可能とするほど、可撓性を有しかつ薄い。シャフトについての適切な構成の例として、従来の経鼻胃栄養チューブ及び英国のチチェスターの公開有限会社であるDeltex Medical Group製のような経食道ドップラー観察プローブが挙げられる。
(関節制御部を有するハンドル、インターフェースケーブル及び撮像システムに適合するコネクタのような)可撓性シャフト12に近接した要素は、当該技術の当業者に周知であり、それ自体は、ここで詳細に説明されない。同様に、制御の操作者の作動をシャフトを介してプローブの作業端部に伝達するための機構(例えば、図示しないプルワイヤ)は、周知でありここで説明しない。
可撓性シャフト12よりも先端部は、シャフト12よりも可撓性を有する曲げセクション15である。曲げセクション15は、例えば好ましくは比較的小さな曲げ半径(例えば1〜2.5インチオーダー)を有する後述の従来の曲げ機構の1つを用いて構成されうる。曲げセクション15よりも先端部は、曲げセクション15よりも可撓性のない先端セクション16である。超音波変換器18は、この先端セクション16内に収容され、好ましくは横に取り付けられており、(例えば、特許文献1に記載されているように)画像を得るために使用される。
図1A及び図1Bにおいて、曲げセクション15は、曲げセクション15の長手方向の中央の曲げ点15aを有し、曲げ点15aは、変換器18の長手方向の中央から距離D1で位置付けられている。いったん第1のプローブ10が患者の身体内に(例えば、図示しない内視鏡スタイルの制御ハンドルを用いて)挿入されると、操作者は、制御機構(図示しないが、可撓性シャフト12の基端側に位置付けられている)を作動し、第1のプローブ10の先端部を所望位置に曲げる。曲げセクション15が可撓性シャフト12または先端セクション16よりも可撓性を有するため、第1のプローブ10は、図1Bに示すように、曲げ制御部の作動に応じて曲げ点15aを中心として曲げセクション15で曲がる。この結果、変換器18の長手方向の中央は、可撓性シャフト12の長手方向軸に対して少なくとも部分的に径方向で距離D1だけ長手方向に対して外方に位置付けられる。
図1C及び図1Dは、キットからの第2のプローブ10’であって、第2のプローブ10’についての曲げセクション15の曲げ点15aが変換器18から距離D1に替えてD2で位置付けられていることを除いて図1A及び図1Bのプローブと一致する第2のプローブ10’を示している。曲げセクション15及び曲げ点15aが第2のプローブ10’の長さに沿う位置であって第1のプローブ10における曲げセクション15及び曲げ点15aの位置と異なる位置に位置付けられているため、操作者が曲げ制御部(図示略)を作動すると、第2のプローブ10’は、曲がり、変換器18の長手方向の中央は、図1Dに示すように、可撓性シャフト12の長手方向軸に対して少なくとも部分的に径方向で距離D2だけ長手方向に対して外方に位置付けられる。
それぞれが変換器18から異なる長手方向の距離で位置付けられた曲げセクション15及び曲げ点15aを有するプローブのキットを使用することにより、操作者は、プローブの主シャフト軸から所望の径方向の距離に変換器を位置づける能力を有利に得られ、所望の画像を得ることを助ける。いずれのプローブを用いるかの初期選択は、例えば、患者のサイズ、体重、性別もしくは年齢またはこのような特性の組み合わせに基づいた医学上適切な技術を用いて形成されうる。あるいは、最適な径方向の距離のより正確な見積もりは、たいていCT、NMRまたは従来の心エコー図のような非侵襲撮像技術を用いて得られる。いったん当該組織の画像が得られると、下部食道括約筋及びOPFの間の距離は、画像から決定されえ、適切なプローブは、距離に基づいてキットから選択されうる。
プローブのキットを使用することの1つの欠点は、操作者が次善のプローブを用いて続ける患者の身体からプローブを引き出して他のプローブを挿入し、所望の画像を得る場合に、操作者は、誤ったプローブを選択することがあるということである。また、他の欠点は、プローブのキット全体についての管理一覧表が大部分の患者について使用されうる単一のプローブの管理一覧表よりも複雑であるということである。
図2A〜図2Cは、プローブが上述したキットからの個々のプローブよりもより広い多様性の患者について使用されうるため、これら可能性のある欠点を回避する代替のプローブ20を示す。プローブ20は、上述した可撓性シャフト12と同様の可撓性シャフト22を有する。図1の実施形態のように、可撓性シャフト22よりも基端にある要素と、制御部の操作者の作動をプローブの作業端部に伝達するための機構とは、周知であり、ここで記載されない。
可撓性シャフト22を越えた先端側は、好ましくはシャフト22よりも可撓性を有する曲げセクション22であり、曲げセクション25の基端部分は、曲げセクション25の先端部分よりも可撓性を有する(すなわち、曲げセクション25の弾性の剛性が、先端方向で増大する)。曲げセクション25の先端側は、好ましくは曲げセクション25のいかなる部分よりも可撓性を有しない先端セクション26である。超音波変換器28は、この先端セクション26内に収容されており、好ましくは図1A〜図1Dと関連して上述したように横方向に取り付けられている。
曲げセクション25の長さに沿って先端方向において可撓性が減少する結果、曲げ制御機構(図示しないが、可撓性シャフト22の基端側に位置付けられている)は、操作者によって作動され、曲げセクション25は、解剖学的制約部24(例えば、下部食道括約筋)の先端側でありかつ隣接する点回りで曲がり始める。ここで述べられる椎骨部ベースの実施形態において、第1の制約されていない椎骨部よりも先端の椎骨部は、最初は最小限に曲がりまたは全く曲がらず、いったんより基端のすべての椎骨部が「ドミノ」効果の運動のこれらの制限に達すると順次曲がる。より先端のセクションが動き始める前に最も基端のセクションが連節するので、図2B及び図2Cに示すように、より先端のセクションは、互いに関してこれらの初期の曲がっていない位置のままとなる。いったん先端セクションが胃または食道の粘膜と接触すると、画像は、適切な撮像技術を用いて得られることができる。画像に基づいて、先端部が撮像に最良の位置に位置付けられていないと判明した場合、プローブの位置は、画像を改善するために調節を必要とすることがある。異なるLODに位置付けることが望まれる場合、プローブは、曲がらないで下部食道括約筋を通してさらに前進され、そして再び曲がってより大きなLODを達成する(または前進されて反対により小さなLODを達成する)。
例えば、図2Bに示す撮像面IP1の超音波画像を得るため(撮像面IP1は縁部に紙面と垂直に示されている)、操作者は、変換器28の長手方向の中央部が当該解剖学的制約部24(すなわち、下部食道括約筋)を越えて距離D1だけ延びるまで、プローブ20を口または鼻を介して食道に挿入する。そして、操作者は、プローブ20の曲げセクション25が曲げ点25aにおいて曲げさせる制御機構を作動する。曲げセクション25のより基端の部分が曲げセクション25のより先端の部分よりもより可撓性を有するため、曲げセクション25は、曲げ点25aにおいて解剖学的制約部24の下左角部で比較的鋭く曲がり、曲げ点25aよりも先端の曲げセクション25の部分は、比較的まっすぐなままとなる。継続された曲げ制御の作動は、図2Bに示すように、プローブ20の先端セクション26が当該解剖(例えば底部の上部)に接触して撮像面IP1に沿う画像が得られるように変換器28が位置付けられるまで曲げセクション25をさらに曲げさせる。
同様に、図2Cに示す撮像面IP2の超音波画像を得るため(撮像面IP2は縁部に紙面と垂直に示されている)、操作者は、変換器28の長手方向の中央部が当該解剖学的制約部24を越えて距離D2だけ延びるまで、プローブ20を挿入し、そして制御機構を作動し、制御機構は、先端セクション26が当該解剖構造と接触して撮像面IP2に沿う画像が得られるように変換器28が位置付けられるまでプローブ20の曲げセクション25を曲げ点25bにおいて解剖学的制約部24の下左角部で比較的鋭く曲げさせる。
多種多様な機構は、曲げセクションが基端でより可撓性を有しかつ先端でより可撓性を有しないようにするようにするために用いられてもよい。
図3Aは、可撓性シャフト22(図示略)に接続される基端部25pと先端セクション26(図示略)に接続される先端部25dとを有する適切な多重可撓性曲げセクション25の第1の例を示す。この実施形態は、多くの医療装置(例えば、超音波プローブ、内視鏡及びカテーテル)で一般に用いられている椎骨部/制御ワイヤ構造のような従来の曲げ機構を有する中央コア32を有する。変換器(図示略)へのワイヤ(図示略)は、中央コア32を通過する。中央コアは、例えば所望の動作に作用するために単一または複数のプルワイヤ(図示略)を有する椎骨セクション(図示略)のように構成されうる。椎骨部自体についての適切な設計は、ピン、ビード、「揺れワッシャ(wobble washer)」及び切断されたプラスチック押出し成形の設計を含む。これらすべての設計において、椎骨部(図示略)は、積み重ねられて曲げの所望角度及び半径をもたらすように設計される。適切な曲げ機構の例は、米国特許第5271382号明細書、米国特許第5143475号明細書、米国特許第5271381号明細書、米国特許第5704898号明細書、米国特許第4905666号明細書に含まれており、そのすべてのそれぞれは、参照として本明細書に組み込まれる。
中央コア32は、ジャケット34(図示略)であって当該ジャケット34の長さに沿う先端方向で漸次増大する厚さを有するジャケット34で囲まれている。図3Aにおいて、ジャケット34の厚さは、厚さの変化をより明らかにするため中央コア32に対して誇張されている。実際には、ジャケット34は、好ましくは図3Aに示されるよりもより薄い。ジャケット34についての適切な材料は、C−flex(登録商標)、Kraton(登録商標)、シリコーン、ポリウレタン、天然ゴム、合成ゴムなどを含む。1つの好ましい実施形態において、ジャケット34の厚さは、基端部25pで約0.1mm及び約1/4mmの間で変化して漸次増大し、先端部25dの厚さは、基端部25pの厚さの約3または4倍である。
図3Aに示された実施形態に対する代替の実施形態(図示略)において、図3Aに示された中央コア32と似ている中央コアは、代替の中央コアの長さに沿って一定の厚さを有するジャケットで囲まれている。しかしながら、先端方向でジャケットとの厚さを増大することによって先端方向のジャケットの可撓性を減少させる代わりに、先端方向でジャケット材料のデュロメータ(durometer)を増大させることによって先端方向で可撓性を減少させる。例えばポリウレタンまたはシリコーンのような硬化可能な材料を用いてかつ(例えば熱または紫外線硬化または可変触媒を用いることにより)ジャケットの長さに沿う異なる点で異なる温度でジャケットの材料を硬化することによって、これは実施されてもよい。
図3Bは、多重可撓性曲げセクションの他の例を示す。しかしながら、先端方向でジャケットの厚さを漸次増大することにより前端方向でジャケットの可撓性を漸次減少させる代わりに、曲げセクション25の可撓性は、段階的な方法で先端方向で減少する。この実施形態は、図3Aの実施形態に関連して上述したコアと似ている中央コア32を用いる。中央コア32は、好ましくは第1ジャケット層35A(断面で示される)により完全に囲まれる。そして、曲げセクション25の最先端から2/3は、第2ジャケット層35Bで囲まれており、曲げセクション25の最先端から1/3は、第3ジャケット層35Cで囲まれている。図3Bがジャケット層35A、35B及び35Cそれぞれを有する3段を示しており、段数が所望の曲げ特性をもたらすために変化されてもよいことは、留意すべきである。図3Aの実施形態におけるジャケット34について使用される同一の材料は、この実施形態で使用されてもよく、また似ている中央コア32は、使用されてもよい。ジャケット層35A、35B及び35Cそれぞれの適切な厚さは、約0.1mm及び約0.25mmの間である。ジャケット層35A、35B及び35Cの厚さが厚さの変化をより明確にするために中央コアに対して図3Bにおいて誇張されていることは、留意すべきである。
図3Cは、多重可撓性曲げセクションのさらに他の例を示している。この実施形態において、好ましくはシリンダ状または楕円状の壁部37は、中央チャネル36を囲む。変換器(図示略)へのワイヤ(図示略)は、この中央チャネル36を通過する。好ましい壁部の厚さは、約1/4mm及び約1mmの間であり、壁部37について適切な材料は、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステル、Pebax(登録商標)及び当業者に既知の他のポリマー並びにコポリマーを含む。ノッチについての1つの適したパターンは、壁部37の断面側部の(図3Cの右側部の)ノッチ38が壁部37の他の側部の(図3Cの左側部の)ノッチ38から壁部37の長さに沿って千鳥状に配置されて、図3Cに示されている。これは、ノッチ38によって分離された複数の椎骨セクションをもたらす。また、曲げセクション25の基端部25pのノッチは、先端部25dのノッチよりも広く及び/または深くなっており、基端部25pは、先端部25dよりもより可撓性を有する。ノッチ38のサイズの1つの適切な範囲は、基端部25pにおける壁部37の厚さの約半分から先端部25dにおける壁部37の全厚さまでの間で変動し、所望の可撓性勾配をもたらす他のノッチの構造は、当業者に明らかであろう。任意で、ノッチ38は、曲げを阻害しない適切な材料(例えば、シリコーン)で充填されてもよく、かつ/または、壁部37は、例えばC−flex(登録商標)、Kraton(登録商標)、シリコーンなどからなる薄いシース(図示略)で囲まれてもよい。
この実施形態の一変形例(図示略)において、図3Cに示される壁部37の反対側でノッチを互い違いにする代わりに、基端部25pにおいて先端部25dよりも深いまたは広い環状ノッチを用いられうる。あるいは、一定サイズのノッチは、用いられてもよいが、一定サイズのノッチのピッチは、変化されてもよい、すなわち基端部25pにおける比較的互いが接近して間隔があけられた一定サイズのノッチから先端部25dにおけるより離れた間隔まで変化されてもよい。この実施形態の他の変形例(図示略)において、互い違いにされたノッチは、曲げセクション25の周りかつ長さに沿って周囲に走る螺旋状のノッチであって螺旋状のノッチが曲げセクション25の先端部25dに近づくにつれて螺旋状のノッチの幅及び/または深さが減少する螺旋状のノッチに置換されてもよい。あるいは、螺旋状のノッチの幅及び/または深さを変化する代わりに、一定の幅及び深さを有する螺旋状のノッチを使用してもよいが、螺旋状のノッチのピッチは、変化され、すなわち基端部25pにおける比較的密な螺旋から先端部25dにおける比較的ゆるい螺旋まで変化される。さらに他の代替の実施形態(図示略)において、曲げセクション25の長手方向の長さに沿って走る垂直方向のノッチは、垂直方向のノッチの幅及び/または深さが曲げセクション25の基端部25pから先端部25dまで先端に次第に減少するように、壁部37に切り込まれてもよい。
他の代替の実施形態(図示略)において、曲げセクション25の可撓性を変化させることについてジャケットまたは壁部を依存する代わりに、可撓性の変化は、例えば当業者に既知であろう方法で基端部25pにおいてより高い可撓性かつ先端部25dにおいてより低い可撓性をもたらすために中央コア32内に収容されたここの部分の寸法を変化させることによって、中央コア32内に設計されてもよい。また、曲げセクション25が組み紐(braid)を有すると、可撓性の変化は、例えば組み紐に可撓性塗料の三角形状のパターンを塗布することによって、または組み紐の順次的なセクションに異なる材料を含浸させることによって、組み紐に設けられる。また、曲げセクション25を基端でより可撓性を有しかつ先端でより可撓性を有さないようにする数々の他の代替の方法は、当業者に既知であろう。
さらに他の好ましい実施形態において、曲げセクションは、曲げセクションの長手方向に沿う可変の硬度を維持する一方、制御可能な運動及びプローブの操縦をもたらす。これは、曲げセクションの長手方向長さに沿って端から端まで配列された一連の軸方向で配置された椎骨部を収容するシースを有する曲げセクションにより達成される。互いに脊椎部の長さに沿って異なる硬度を有する一連のスプリングプレートでスプリングプレートがより高い硬度を有する曲げセクションの先端部に向けて硬度が増大する一連のスプリングプレートは、椎骨部により形成された脊椎部にわたって延在する。
図5A〜図5Cは、長手方向軸51及び軸51に垂直な面で断面楕円を有する本体部を有する椎骨部50を示す。また、椎骨部50は、基端部53において基端面52を有し、先端部55において先端面54を有する。先端部55は、突出部56を有し、基端部53は、溝部57を有する。突出部56及び溝部57それぞれは、図6で示されるように、それぞれ椎骨部50の先端及び基端に配置された隣接する別個に形成された椎骨部50a及び50bの対応する溝部57a及び突出部56bと一致するまたは整合するように形成されている。図6に示すように、同一の長手方向軸51に沿って基端部58p及び先端部58dを有する脊椎部58を組み立てると、隣接する椎骨部における連結する突出部及び溝部は、互いに体いてスライドし、連結する突出部56及び溝部57の間の係合は、先端部58dに隣接する椎骨部50の径方向59a及び59bのスライド運動を方向付ける。図6に示されるように、脊椎部58は、基端椎骨部50pを有する基端部125pを有しかつ先端コネクタ61を有する先端部125dを有する曲げセクション125を形成するシース60(部分的に図示略)により覆われている。曲げセクション125の基端部125pは、基端椎骨部50pにおいて、図2Aに示された可撓性シャフト22と同様の可撓性シャフト(図示略)の先端部分と係合する。同様に、曲げセクション125の先端部125dは、先端コネクタ61において、図2Aに示す先端セクション26と同様の先端セクション(図示略)の基端部分と係合する。椎骨部50及び先端コネクタ61は、硬質プラスチック(例えば、ポリカーボネート、ABSなど)で形成されうる。シース60は、好ましくはKraton(登録商標)、ポリウレタン、シリコーンなどのようなエラストマ系の生体適合材料で形成される。シース60は、椎骨部50にわたって取り付けられており、互いに隣接する椎骨部50それぞれを保持しかつ統一された脊椎部58の構造を維持する。互いに脊椎部58を形成する椎骨部50を接続する包囲構造となるシース60を用いることにより、隣接する椎骨部50それぞれが隣同士に組み立てられかつ隣接する椎骨部50間で直接接続を用いることなく適所に保持されるので、シース60の使用は、脊椎部58の製造を簡素化する。あるいは、シース60は、脊椎部58の周囲に配置されて脊椎部58の椎骨部50を互いに保持するために収縮される収縮ラップであってもよい。
図5A〜図5C及び図7に示すように、2つのチャネル62は、(椎骨部が曲げセクション125を形成するように配列されると)チャネル62がまとまって先端コネクタ61を通って延在する単一のチャネル63となる先端コネクタ61に達するまで、曲げセクション125の全長に沿って長手方向に延在する椎骨部50それぞれに形成されている。チャネル62それぞれは、曲げセクション124を通ってスライド可能に延在してプローブ(図示略)の基端部をプローブ(図示略)の先端部まで接続するワイヤ64を案内する。ワイヤ64は、長手方向軸51の方向でプローブの基端部において移動され、曲げセクション125を径方向59aまたは59bのいずれかに移動させる。ワイヤ64は、適切に高い伸張強度及び低い伸縮性を有する材料(例えば、プラスチックまたはステンレス鋼のような金属)で形成されうる。また、脊椎部58を通って延在するチャネル67は、椎骨部50それぞれに形成されており、脊椎部58の先端の超音波変換器28を脊椎部58の基端の超音波装置に配線接続し、それは、最も好ましくは2006年3月23日に出願された米国仮特許出願第60/743702号明細書に記載されそのすべてが本明細書に参照として組み込まれる米国仮特許出願のようなリボンケーブルである。
また、図5A〜5C及び図7に示すように、チャネル65は、(椎骨部が曲げセクション125を形成するように配列されると)チャネル65が単一のチャネル63に合併する先端コネクタ61に達するまで、曲げセクション125の全長に沿って椎骨部50それぞれを通って長手方向で延在する。チャネル65は、好ましくは1以上のスプリングプレート66を曲げセクション125の長手方向長さの大部分を通って案内する断面長方形を有する。スプリングプレート66は、好ましくはバネ鋼(例えば、ステンレス鋼のバネ鋼)のような高い弾性限界を有する材料で形成されている。また、スプリングプレート66は、好ましくは長手方向で直線状の形状を必然的に保持し、曲げ力に対して抵抗をもたらす剛性を有するように形成されている。また、脊椎部58を組み立てると、スプリングプレート66は、スプリングプレート66の端部の上方に椎骨部50それぞれを脊椎部58の完全な組立体を形成するまでスライドすることによって、椎骨部それぞれが取り付けられる構造体を形成し、すべての椎骨部が所定位置とした後、脊椎部の組立体は、シース60により覆われ互いに保持される。
図7及び図8に示すように、第1スプリングプレート66aは、チャネル65内に配置されて基端椎骨部50pから先端コネクタ61まで延在する。第1スプリングプレート66aは、椎骨部50を通って延在するチャネル65内にスライド可能に配置されており、先端コネクタ61を通って延在するチャネル65において先端コネクタ61に固定接続されている。短い第2スプリングプレート66bは、第1スプリングプレート66aに隣接してかつ平行に配置されている。第1スプリングプレート66aと同様に、第2スプリングプレート66bは、椎骨部50を通って延在するチャネル65内にスライド可能に配置されており、先端コネクタ61を通って延在するチャネル65において先端コネクタ61に固定接続されている。第2スプリングプレート66bよりも短い第3スプリングプレート66cは、第2スプリングプレート66bに隣接してかつ平行に配置されている。第1及び第2スプリングプレート66b及び66cと同様に、第3スプリングプレート66cは、椎骨部50を通って延在するチャネル65内にスライド可能に配置されており、先端コネクタ61を通って延在するチャネル65において先端コネクタ61に固定接続されている。
図7に示された設計において分かるように、ワイヤ64が移動され、曲げセクション125が径方向59a及び59bの方向で移動させられると、スプリングプレート66a、66b及び66cは、互いに対してチャネル65内でスライドする一方、先端コネクタ61において固定されたままとなる。また、分かるように、曲げセクション125の径方向の運動は、1以上のスプリングプレート66によって抵抗され、これにより、径方向で補強されたまたは編まれたジャケットであって他の設計と共に分かるように椎骨部を囲んで脊椎部に強度をもたらすまたは曲げ力に対して抵抗するジャケットの必要性は、無くなる。第1スプリングプレート66aのみの周囲に配置された椎骨部50であって曲げセクション125の基端部125pの近傍の椎骨部50の径方向の運動は、第1スプリングプレート66aの剛性により抵抗される。第1及び第2スプリングプレート66a及び66bの周囲に配置された椎骨部50の椎骨部50の径方向の運動は、第1及び第2スプリングプレート66a及び66bの剛性により抵抗される。第1、第2及び第3スプリングプレート66a〜66cの周囲に配置された椎骨部50の椎骨部50の径方向の運動は、第1、第2及び第3スプリングプレート66a〜66cの剛性により抵抗される。分かるように、第1及び第2スプリングプレート66a及び66bの組み合わされた剛性は、第1スプリングプレート66aの剛性よりも大きく、第1、第2及び第2スプリングプレート66a〜66cの組み合わされた剛性は、第1スプリングプレート66aまたは第1及び第2スプリングプレート66a及び66bの組み合わせの剛性よりも大きい。このスプリングプレート66の配置により、曲げセクション125の剛性は、基端方向で曲げセクション125の長手方向長さに沿って増大される。
あるいは、曲げセクション125に可変の剛性または可撓性をもたらす隣接するスプリングプレート66に替えて、単一のスプリングプレートは、使用されてもよく、単一のスプリングプレートは、より高剛性の材料の組合せがスプリングプレートの高剛性点における組合せを決定付ける2以上の材料の組み合わせのように、スプリングプレートの長さに沿って変化する剛性をもたらす材料特性を有する。他の代替法において、隣接するスプリングプレート66は、単一のスプリングプレートであってスプリングプレートの長さに沿って変化する厚さを有し、変化する厚さが可変の剛性をスプリングプレートにもたらす単一のスプリングプレートで置換されてもよい。さらに他の代替法において、隣接するスプリングプレート66は、1以上のスプリングプレートであってその長さに沿って一定の厚さを有するがその幅が先細となってスプリングプレートの剛性を低減する狭い断面幅を有する単一のスプリングプレートのように、可変の剛性をもたらす形状を有する1以上のスプリングプレートで置換されてもよい。さらに他の代替法において、隣接するスプリングプレート66は、1以上のスプリングプレートであって例えばスプリングプレートのまたはスプリングプレートを貫通する1以上の所定の孔部またはノッチを有しスプリングプレートの剛性をその長さに沿って変化させるようにスプリングプレートを構成することによってなど、構造的に改良されてスプリングプレートの長さに沿って可変の剛性をもたらす1以上のスプリングプレートで置換されてもよい。代替の実施形態(図示略)において、代替の補強部材(例えば、1以上の金属またはプラスチックのロッドまたは棒)は、図示されたスプリングプレートに替えて使用されてもよい。
上述のように基端から先端方向で曲げセクション25の可撓性を変化させることにより、単一のプローブは、LODが患者ごとに劇的に変化するにもかかわらず、多種多様の解剖に適合する。図4Aは、平均サイズの人間についての食道41、下部食道括約筋42、胃43、底部44、心臓45及び左心室46を有する当該解剖構造体を示しており、図4Bは、より大きな人間の(対応する参照符号41’〜46’が付された)対応する構造体を示している。より小さな人間についてのLODがD1であり、より大きな人間についてのLODがD2であるが、両者の場合において、プローブ20の先端部26は、プローブが所望の撮像面IP1及びIP2の画像を得るために使用されうるそれぞれOPFに容易に位置付けされることができる。
TGSAVのTEE撮像に対して、食道41が比較的まっすぐであり胃内腔が大きいため、比較的鋭い曲げが解剖学的に適しており、鋭い曲げが底部44の上部との改良された接触を容易にすることは、留意すべきである。これは、滑らかかつ徐々に曲がるように設計された曲げ機構を有して設計された従来の超音波プローブ、内視鏡及びカテーテルとは対照的であり、さまざまなルーメン及び身体の内腔を通るより容易なそれらの経路をもたらす。
多重可撓性曲げセクションが薄いTEEプローブの状況において上述されているが、プローブをOPFに位置付けることを容易とするために1/2インチの直径のTEEプローブに用いられてもよい。さらに、さまざまな実施形態がTEEプローブ及び心臓のTGSAVの画像を得ることの状況において上述されているが、プローブは、他の経食道の画像を得るために使用されてもよく、食道以外の内腔、アクセスが制限されているときに身体外、または非医学的な用途においてさえも使用されてもよい。また、多重可撓性曲げセクションは、非超音波の医学的な用途におけるプローブ、内視鏡またはカテーテルに組み込まれてもよく、同様の曲げ特性が望まれる非医学的な使用でさも使用されてもよい。上述された実施形態への多種多様な他の改良は、当該技術分野における当業者に明らかであり、また本発明の範囲な内に含まれる。例えば、超音波変換器28に替えて、多重可撓性曲げセクションは、光学プローブと共に、音響的、電気的もしくは磁気的なセンサと共に、または放射能または振動を放出または検出する装置と共に、使用されてもよい。
本発明が特定の実施形態を参照して説明されたが、説明された実施形態への多種多様な改良、代替法及び変更は、添付の特許請求の範囲に規定されているように、本発明の精神及び範囲から逸脱しないで可能である。したがって、本発明が説明された実施形態に限定されないが、以下の特許請求の範囲の文言及びその同等のものにより規定される全範囲を有することを目的としている。
20 プローブ、22 可撓性シャフト,シャフト,セクション(基端セクション)、24 解剖学的制約部、25,124,125 曲げセクション、25d,125d 先端部(先端部分)、25p,125p 基端部(基端部分)、26 先端セクション,先端部、28 超音波変換器,変換器(センサ)、34 ジャケット(管状ジャケット)、35A〜35C ジャケット層、36 中央チャネル、37 壁部、50 椎骨部、50a,50b 椎骨部、50p 基端椎骨部(椎骨部)、52 基端面、54 先端面、56,56b 突出部、57,57a 溝部、60 シース、61 先端コネクタ、62,63,65,67 チャネル(椎骨内部経路)、64 ワイヤ(曲げ機構,プルワイヤ)、66,66a〜66c スプリングプレート(補強部材)