JP2009523675A - 引出し収納型包装体 - Google Patents
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Abstract
ベルト通路の第1端部(37)および第2端部(39)との間に延びるベルト(42)と、ベルト(42)に取り付けられる第1タブ部材および第2タブ部材(14、16)とを有し、第1タブ部材(14)が第1方向に移動したときには、第1方向とは異なる第2方向へ第2タブ部材(16)がベルト(42)によって移動するように構成されている包装体(10)。両タブ部材(14、16)はそれぞれ接合材(45、46)によってベルト(42)に取り付けられており、ベルト通路の一端に達した少なくとも一方の接合材によってタブ部材(14、16)の第1方向又は第2方向への移動が規制されるとともに、少なくとも一方のタブ部材が閉位置にあるときには、そのタブ部材側の接合材がベルト通路の両端部から内方に位置し、タブ部材が、接合材がベルト通路の一端に達して移動を規制するまで、閉位置から第1方向および第2方向の両方に移動可能である。
Description
本発明は、物品を包装する際に使用可能な、ボックスなどの包装体に関する。このような包装体の例を挙げると、薬品、携帯電話、MP3プレーヤー、携帯用コンピュータゲームのコンソール、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、チョコレート、化粧品、タバコ、布見本(swatch samples)、情報カード等がある。
錠剤やカプセルなどの薬品は、気泡緩衝パック(blister packs)で包装されることが多い。気泡緩衝パックは錠剤又はカプセルを内包するための隆起領域又は気泡緩衝部(blister)を備えた成形樹脂ベースを有し、このベースはフォイルで覆われている。気泡緩衝パックは通常、薬品に関する情報を記載した紙片とともにボックスに梱包される。
製品の売上増加の原因が優れた包装体にある可能性があるため、製品を市場に出す際に包装体は重要である。優れた包装体とは、物品を確実に保持しながらも、能力や器用さのレベルに拘わらず人が簡便に開けられるものでなければならない。このような機能的特性に加えて、優れた包装体は人目を引く外観と、好ましくは興味も引く特徴とを有していなければならない。
同一出願人によるものであって言及したことによりその主題を本出願に包含するヨーロッパ特許第1140639号には、貫通路を形成する略筒状のスリーブと、前記貫通路を横切って延びる平らな仕切り材と、この仕切り材に巻回されたベルトと、前記貫通路内に延びるトレイ部材とを備えたボックスであって、さらに、前記貫通路内にタブ部材が延設され、前記トレイ部材およびタブ部材がそれぞれ前記ベルトに取り付けられることにより、前記タブ部材が第1方向に沿って前記貫通路から外に移動すると前記トレイ部材が前記第1方向とは反対の第2方向に沿って前記貫通路から外に移動し、かつ、前記ベルトが連続ループ状であることにより、前記タブ部材が前記第2方向に沿って前記貫通路内に移動すると前記トレイ部材が前記第1方向に沿って前記貫通路内に移動することを特徴とするボックス、が記載されている。
ヨーロッパ特許第1140639号のボックスは、タブ部材を引っ張るとトレイが反対方向に自動的に動くことに、最初にボックスを開けたユーザが驚くため、興味を引くものとなっている。
出願人はまた、イギリス特許出願第0519581.3号(イギリス公開特許第2428236号)に記載された改良されたボックス又は包装体も発明しており、言及したことによりその主題も本出願に包含される。このボックス又は包装体は、互いに略同じ平面上にある第1タブ部材および第2タブ部材と、一方のタブ部材の移動を駆動する手段とを有し、両タブ部材と駆動手段との協働によって前記第1タブ部材が第1方向に動くと前記第2タブ部材が前記第1方向と反対の第2方向に移動し、両タブ部材の移動がタブ部材存在平面に平行な平面内で行われる。
イギリス特許出願第0519581.3号にはまた、改良された包装体も記載されている。この包装体は、開放端部を備えたスリーブと、前記開放端部から前記スリーブの内外に移動可能なタブ部材と、前記タブ部材の前記移動に応答して移動可能な蓋とを備え、この蓋は、前記タブ部材が前記スリーブ内にあるときに前記開放端部を略覆う閉位置と、前記タブ部材が前記開放端部を介して前記スリーブから突出することを許容する開位置との間で移動可能であり、かつ、前記蓋は両端部を備えたウェブ構造(web)であり、一端が第1ヒンジで前記スリーブと接続し、他端が第2ヒンジで前記タブ部材と接続し、前記第1ヒンジに対する前記第2ヒンジの移動により前記蓋を移動駆動するように構成されている。
本発明の目的は、従来のものよりも、さらに面白く、人目を引き、意外性を持つ改良された包装体を提供することにある。
本発明によれば以下のものが提供される、すなわち、
ベルト通路の第1端部および第2端部との間に延びるベルトと、前記ベルトに取り付けられる第1タブ部材および第2タブ部材とを有する包装体であって、
前記第1タブ部材が第1方向に移動したときには、前記第1方向とは異なる第2方向へ前記第2タブ部材が前記ベルトによって移動するように構成されているものにおいて、
前記第1タブ部材および第2タブ部材がそれぞれ接合材によって前記ベルトに取り付けられており、タブ部材の第1方向又は第2方向への移動が、少なくとも一方の接合材が前記ベルト通路の一端に達することによって規制され、
少なくとも一方のタブ部材が閉位置にあるときには接合材が前記ベルト通路の両端部から内方に位置し、前記接合材が前記ベルト通路の一端に達して移動を規制するまで、前記タブ部材が前記閉位置から第1方向および第2方向の両方に移動可能に構成されている包装体。
ベルト通路の第1端部および第2端部との間に延びるベルトと、前記ベルトに取り付けられる第1タブ部材および第2タブ部材とを有する包装体であって、
前記第1タブ部材が第1方向に移動したときには、前記第1方向とは異なる第2方向へ前記第2タブ部材が前記ベルトによって移動するように構成されているものにおいて、
前記第1タブ部材および第2タブ部材がそれぞれ接合材によって前記ベルトに取り付けられており、タブ部材の第1方向又は第2方向への移動が、少なくとも一方の接合材が前記ベルト通路の一端に達することによって規制され、
少なくとも一方のタブ部材が閉位置にあるときには接合材が前記ベルト通路の両端部から内方に位置し、前記接合材が前記ベルト通路の一端に達して移動を規制するまで、前記タブ部材が前記閉位置から第1方向および第2方向の両方に移動可能に構成されている包装体。
この包装体は特に薬品の包装に適しているが、本発明はその用途に限定されるものではない。例えば、タブ部材の一方又は両方が、錠剤又はカプセルを包む気泡緩衝パックであってもよい。気泡緩衝パックは、接合材によってベルトに直接取り付けられることにより、タブ部材を構成することもできる。タブ部材の一方又は両方には、薬品に関する情報を印刷してもよい。これにより、常時薬品とともに情報を保管することができるので便利である。
好ましくは、少なくとも一方のタブ部材が閉位置にあるときには、タブ部材の移動を規制する接合材は、ベルト通路の両端部の略中間に位置している。つまり、タブ部材は、少なくとも一方の接合材がベルト通路の一端に達したことによってその移動が規制されるまで、閉位置から等距離にある。この構成により、前記タブ部材は、前記第1方向および第2方向の両方向に閉位置から移動することができる。
本発明の他の実施形態においては、少なくとも一方のタブ部材が閉位置にあるときには、接合材がそれぞれ互いからオフセットされていてもよい。この構成により、包装体の開放状態が非対称になるという特徴が付与され、したがって、各タブ部材が移動可能な最大距離が第1方向および第2方向の間でそれぞれ互いに異なるものとなる。
好ましくは、一方のタブ部材が閉位置にあるときには当該タブ部材が前記ベルト通路と重なり、両タブ部材とも閉位置にあるときにはベルト部材が両タブ部材によって挟まれる。タブ部材の長さは、ベルト通路よりも長いか、又は同じである。
前記包装体が互いに反対向きの開放端部を備えたスリーブを有し、少なくとも一方のタブ部材が閉位置ではスリーブ内に完全に又は大部分が収まり、第1方向又は第2方向のいずれかに移動すると、一方又は他方の開放端部を介してスリーブから突出可能な構成も有利な構成である。タブ部材の長さはスリーブよりも短いか又は同じにすることができる。本発明の実施形態の中には、タブ部材が、閉位置にあるときにスリーブから突出する延長部を有しているものもあり、これによりユーザは、この延長部を簡単に把持して引っ張り包装体を開けることができる。
スリーブを備えた包装体においては、両タブ部材が閉位置にあるときには、タブ部材およびベルト通路がスリーブの上部壁および下部壁によって挟まれている。
好ましくは、前記第1方向および第2方向が反対方向であることにより、第1タブ部材および第2タブ部材が互いに対し離間又は近接するようになっており、かつ、前記ベルトが平らな仕切り材に巻回される連続ループである。
このようにして、閉位置では包装体のスリーブ内に包まれたタブ部材が、第1方向および第2方向のいずれかに移動すると、一方又は他方の開放端部を介してスリーブから突出可能に構成されている。これは、包装体の両端部からタブ部材にアクセス可能になる点で有利な構成である。
タブ部材がトレイである場合には、トレイの中味も包装体の両端部からアクセスできる。タブ部材が閉位置にあるときに移動規制接合材がベルト通路の両端部の略中間に位置している場合には、この包装体の構造は特に重量物を支持収容するのに適している。なぜなら、少なくとも一方の接合材がベルト通路に達するとトレイ部材のそれ以上の移動が規制されるので、第1方向又は第2方向にトレイ部材がスリーブから突出できるのは最大でもトレイ部材の約半分の長さに限られるからである。
ただし、タブ部材が閉位置にあるときに接合材が互いからオフセットしている場合は、第1タブ部材および第2タブ部材は、それぞれ第1および第2方向へ移動したときには、異なる最大距離をもってスリーブから突出する。
この構成は特に、錠剤又はカプセルを包装するのに適している。例えば、タブ部材の一方又は両方が気泡緩衝パックである場合には、一方向に包装体を開けると、他の方向に開けたときよりもアクセス可能な錠剤やカプセルを少なくすることができる。この包装体は、一方向に包装体を開けたときは、日中に摂取する錠剤を取り出し、他方向に包装体を開けたときは夜に摂取する錠剤を取り出すことができるように構成してもよい。これはユーザが異なる種類の錠剤を区別するのに役立つし、さらに、ある種類の錠剤が他の種類の錠剤よりも多数必要とされる構成にも適している。
ここからは本発明をより容易に理解するために、添付図面を参照しながら、現時点で好適な実施形態についてさらに説明する。
まず図1および図2を参照すると、包装および/又は陳列に適したボックス10が示されている。ボックス10は中空の矩形体又はスリーブ12を有し、これは、第1タブ部材14および第2タブ部材16を収納するための貫通路を形成する。図3(a)から最もよく分かるように、スリーブ12は上部壁18、下部壁20、2つの側壁22、24、および2つの開放端部26、28を備えている。ボックス10はまた、スリーブ12の開放端部26、28間にわたって貫通路内を延びる平らな仕切り材30を備えており、これは貫通路を上部貫通路と下部貫通路に分割している。タブ部材14、16は貫通路の全長にわたって延びており、本実施形態では、スリーブ12内に全体が収容できる寸法になっている。第1タブ部材14は下部貫通路に収納され、第2タブ部材16は上部貫通路に収納される。タブ部材14、16は、互いに近接および離間するよう、仕切り材30およびスリーブ12に対して往復可能である。
図2および図3(b)から最もよく分かるように、仕切り材30は上面34および下面36と2つの側縁部38、40と2つの端部37、39とを備え、略矩形状である。仕切り材30はバンド又はベルト42を備え、これは仕切り材30よりも幅狭であるとともに、仕切り材30によって形成されるベルト通路(図3(b)のみに示す)上で、仕切り材30に巻回されている。ベルト42は、その両端が接合され連続ループを形成している。ベルト通路は、仕切り材30の各端部37、39に設けた切り欠き部44によって形成した両端部37、39にわたって延びるくびれ部(waist)から形成され、ベルト42が仕切り材30に対して横方向に動かないよう抑制している。仕切り材30は、その側縁部38、40の近傍その他の好都合な箇所に位置させた接着剤(図外)によってスリーブ12に取付け又は固着される。これに代え、仕切り材30とスリーブ12とは一体であってもよい。
ベルト42は通常、例えばセロファン(Cellophane(登録商標))又はトレオファンGND(Treofan GND(登録商標))等のプラスチックフィルムのような低摩擦シート材の帯板片、又は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような低摩擦コーティングを施した材料の帯板片である。ベルト材料は、ベルト42が仕切り材30に対して容易にスライドできるように選択される。
第1タブ部材14は第1接合材45によってベルト42に取り付けられ、第2タブ部材16は第2接合材46によってベルト42に取り付けられる。接合材45、46は接着剤を帯板状にしたものである。第1タブ部材14はトレイ状であり、衣服、宝石類、携帯電話やそれに付随するアクセサリー、タバコ、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、ミニディスク、電子部品、薬品、菓子類、チョコレート、化粧品その他の、トレイに梱包可能な製品等の物品を収容するのに使用可能である。図3(c)に示すように、第1タブ部材14は2つの隔室48を有しており、それぞれの隔室はオプションとしての蓋50で覆われている。蓋50を備えた第1タブ部材14には、トレイ内に収納されている、CDのトラックに関する情報、CDに関するデータ、携帯電話の使用説明書や、薬品に関する情報などが印刷されていてもよい。あるいは、第2タブ部材16のみがトレイ状であってもよいし、両方のタブ部材14、16がトレイ状であってもよい。また、両方のタブ部材14、16が、情報又は平らな物品のみを収容するタブ状のものであってもよいことが理解されるであろう。タブ部材14、16は、ボックス10が陳列用装置および/又は販促用ツールとして使用できるように印刷情報又は布見本(fabric swatch samples)などを収容してもよい。
第1タブ部材14が完全な閉位置(図1(a)に示す)から矢印X方向に押し込まれたり引き出されたりするときには、タブ部材14がベルト42を仕切り材30回りで回転させ、第2タブ部材16が矢印Y方向に動いて、第1タブ部材14から遠ざかって図1(b)の第1開位置に向かう。そして、第1タブ部材14が反対方向(矢印Y方向)に押し込まれたり引き出されたりしてスリーブ12内に戻るときには、ベルト42は再び反対方向に回転し、第2タブ部材が矢印X方向に動いて、両タブ部材が元の完全な閉位置に戻る。第1タブ部材14を矢印Y方向に動かし続けると、ベルト42は、仕切り材30の回りを回転し続けて、タブ部材14、16が、第1タブ部材14がY方向に完全に延伸し、第2タブ部材がX方向に完全に延伸した第2開位置に達する。
タブ部材14、16は、これらのタブ部材14、16をベルト42に取り付ける接合材45、46の出発位置設定によって、X方向およびY方向の両方向に開くことができる。図1、2、4に示す実施形態において、完全閉位置にあるときには、接合材45、46の出発位置は互いに重なり合っており、つまり互いに位置合わせされており、仕切り材30の全長およびタブ部材14、16の全長の約半分の位置にある。つまり、タブ部材14、16は、完全閉位置から、図1(b)および図1(c)に示す2つの完全開位置のうちいずれか一方まで、X方向又はY方向のいずれかに押し込まれたり、引き出されたりする。図1(b)に示す第1完全開位置において、第1タブ部材14および第2タブ部材16は、それぞれ、X方向およびY方向に、スリーブ12から外へ完全に延伸し、図1(c)に示す第2完全開位置において、第1タブ部材14および第2タブ部材16は、それぞれ、Y方向およびX方向に、スリーブ12から外へ完全に延伸する。タブ部材14、16は、接合材45、46が仕切り材30の端部においてベルト通路の端部に達すると、完全開位置、つまり延伸位置に来る。接合材45、46の開始位置によって、タブ部材14、16の収容/陳列用スペースは最大になり、タブ部材14、16のボックスの本体からの最大伸長量(突出量)は最小になる。この構造は、重量物の包装により適していることがわかるであろう。
タブ部材14、16と仕切り材30との間の相対移動は、より詳細には図4に示す通りである。ユーザが第1タブ部材14を矢印X方向へ引き出す/押し込むと、第1タブ部材14がベルト42を仕切り材30に対して移動させる。ベルト42が移動することにより、第2タブ部材16は矢印Y方向に移動する。図4(b)に示すように、結合材45、46が仕切り材30の端部に達すると、第1タブ部材14をそれ以上矢印X方向へは引き出し/押し込むことができなくなり、第2タブ部材16は完全開位置の一方に位置することになる(図4(b)参照)。換言すると、第1タブ部材14がスリーブ12から引き出された場合、結合材45が仕切り材30の端部でベルト通路の端部に達すると、ベルト42の仕切り材30の回りの回転が停止する。
ユーザが第1タブ部材14を矢印Y方向に押し込むと、第1タブ部材14がベルト42を反対方向に移動させ、第2タブ部材16が矢印X方向に移動するようになっている。第1タブ部材14は、図4(c)に示すように、接合材45、46が仕切り材30の端部に達すると、それ以上矢印Y方向へ押し込めないようになっている。換言すると、第1タブ部材14がスリーブ12に押し戻された場合、接合材45が仕切り材30の端部でベルト通路の端部に達すると、ベルト42の仕切り材30回りの回転が停止する。必要に応じて、ユーザは第2タブ部材16を完全閉位置まで矢印Y方向に押し込むことができる。第1タブ部材および第2タブ部材14、16の両方が完全閉位置まで戻るため、効果は同じである。
本実施形態では、仕切り材30のベルト通路の両端部の間の距離が、第1タブ部材および第2タブ部材14、16のそれぞれの最大の動きを規定している。仕切り材30の下面36および上面34に対する第1タブ部材および第2タブ部材14、16の動きは仕切り材30のいずれかの端部でベルト通路の端部に達する接合材45、46によって規制される。したがって、ベルト通路の長さは、タブ部材14、16の距離が、それらが完全開位置にあるときに内容物を出し入れすることができる十分なものであるように、選択されなければならない。
図5は本発明の別の一実施形態を示し、ここでは、タブ部材14、15がそれぞれ閉位置にあるとき(図5(a))に接合材45、46が互いからオフセットしている。接合材45、46は、ベルト通路の端部37、39の間の略中間の位置で仕切り材30に直交する平面Zから実質的に等距離になるようにオフセットされている。図5(b)に示すように、第1タブ部材14は矢印X方向に動いて、それぞれの接合材45、46がベルト通路の両端部39、37に達するまでの第1最大距離、第2タブ部材16を矢印Y方向に移動させることができる。これにより、タブ部材14、16がそれ以上前述した方向へ動かないようにする。図5(b)におけるボックス10は第1完全開位置にあり、タブ部材14、16は、両方向矢印47で示す第1最大距離までスリーブ12の両方向に突出している。
次に図5(c)を参照すると、第1タブ部材14は矢印Y方向に動いて、それぞれの接合材45、46がベルト通路の両端部37、39に達するまでの第2最大距離、第2タブ部材16を矢印Y方向に移動させることができる。これにより、タブ部材14、16がそれ以上前述した方向へ動かないようにする。図5(c)におけるボックス10は第2完全開位置にあり、タブ部材14、16は、両方向矢印49で示す第2最大距離までスリーブ12の両方向に突出している。
図5(b)と図5(c)とを比較すると、第1タブ部材14は矢印Y方向よりも矢印X方向へより多く動くことができ、第2タブ部材16は矢印X方向よりも矢印Y方向へより多く動くことができ、したがって、第1最大距離の方が第2最大距離よりも大きいということがわかるであろう。この非対称は、図4(a)に示す接合材45、46のオフセット配置によるものであり、ボックス10が第2完全開位置にあるとき(図5(c))よりも、第1完全開位置(図5(b))にあるときに、第1タブ部材および第2タブ部材14、16をより多くスリーブ12から突出させることができる。
図6には、さらに別の実施形態を示す。ここでは、接合材45、46は互いからオフセットされているが、平面Zから等距離とはなっていない。本実施形態では、図6(b)に示すように、第1タブ部材14の矢印X方向への移動、および第2タブ部材16の矢印Y方向への移動は、第1接合材45がベルト通路の他端39に達していなくても、第2接合材46がベルト通路の端部37に達することによって規制される。このときには、ボックス10は第1完全開位置にあり、このことにより、タブ部材14、16はスリーブ12から両方向矢印47で示す第1最大距離まで突出することになる。
図6(c)に示すように、第1タブ部材14の矢印Y方向への移動、および第2タブ部材16の矢印X方向への移動は、第2接合材46がベルト通路の他端39に達していなくても、第1接合材45がベルト通路の端部37に達することによって規制される。このときには、ボックス10は第2完全開位置にあり、このことにより、タブ部材14、16はスリーブ12から両方向矢印49で示す第2最大距離まで突出することになる。第2最大距離49は第1最大距離47よりも小さく(図6(b))、この非対称も、図6(a)に示すオフセットされた接合材45、46によるものである。
要するに、接合材45、46は互いに正確に位置合わせされている必要はない。つまり、タブ/トレイ部材に連設されている接合材のうち、一方のみが仕切り材30の端部に達するだけで第1完全開位置にできる。このように、ベルト通路の長さに沿って接合材45、46を互いにオフセットさせることにより、タブ部材14、16がそれぞれ、第1および第2方向において、異なる最大距離分移動することができる。
図7に示すように、スリーブ12は、図5からわかるように、樹脂などのシート材、厚紙(cardboard)又は折りたたみ式の段ボール紙(folding box board)を切断して折り目をつけることにより製造された1枚の平らな半製品を折りたたんで接着することにより製造することができる。半製品は3枚のパネル76、78、80からなり、4本のライン82、84、86、88に沿って折り目がつけられている。パネル76が折り返されてパネル80の下側に取り付けられて、スリーブの下部壁を形成する。折り目82、84の間の部分および折り目86、88の間の部分は、それぞれ、スリーブ12の側壁22、24を形成する。
パネル76、80の各端部の切り欠き部に対応して、スリーブ12の下部壁は一端で横長の切り欠き部90を有することになる。この切り欠き部90により、ボックス10のユーザは、第1又は第2タブ部材14、16のうち一方の一端を両側から掴むことによって把持して、タブ部材を矢印X方向へ引き出すことができる。他の形状も可能であることが理解されるであろう。本発明の別の実施形態では、図8に示すように、スリーブ12の上部壁18は、切り欠き部90と同じ端部において、半円の切り欠き部92を有している。これにより、さらにタブ部材14、16が掴みやすくなる。
スリーブ12は、ホイルブロックおよびエンボス加工を施すことにより完成する。ボックス/包装体には、印刷面に光沢面を施したり、フィルムラミネートを施すことにより、ふき取り仕上げを行ってもよい。製品の出し入れをしやすくして、高齢者や体力のない人にも適したパッケージとなるよう、この包装体には強制ロック装置などを設けないことが好ましい。
本発明は、添付の特許請求の範囲その他の発明記載で限定している本質的範囲を逸脱しなければ、他の特定の形態で実施してもよい。例えば、ベルトは必ずしも連続ループ状である必要はなく、一方のタブ部材の移動により他方のタブ部材が移動するように、タブ部材側の、互いに協働する帯板であってもよい。スリーブはどのようなタイプのフレームであってもよい。タブ/トレイ部材14、16は、必ずしも全体がスリーブ12に収容されなくてもよい。つまり、タブ/トレイ部材14、16は、これらの部材の一部分がスリーブ12の外側に残るような形状、サイズであってもよい。第1タブ部材の形状は、図3(c)に示すものと異なっていてもよく、例えば、隔室はひとつだけであってもよいし、小仕切りやその他の形状の複数の隔室を備えるものであってもよい。タブ/トレイ部材14、16はどのような形状であってもよく、必ずしも図3(c)に示すものでなくてもよい。本件の包装体は、様々な形状およびサイズ、種々の異なる素材で製造することができ、図面に示す形状に限定されない。
Claims (19)
- ベルト通路の第1端部および第2端部との間に延びるベルトと、前記ベルトに取り付けられる第1タブ部材および第2タブ部材とを有する包装体であって、
前記第1タブ部材が第1方向に移動したときには、前記第1方向とは異なる第2方向へ前記第2タブ部材が前記ベルトによって移動するように構成されているものにおいて、
前記第1タブ部材および第2タブ部材がそれぞれ接合材によって前記ベルトに取り付けられており、タブ部材の第1方向又は第2方向への移動が、少なくとも一方の接合材が前記ベルト通路の一端に達することによって規制され、
少なくとも一方のタブ部材が閉位置にあるときには、当該タブ部材側の接合材が前記ベルト通路の両端部から内方に位置し、前記接合材が前記ベルト通路の一端に達して移動を規制するまで、前記タブ部材が前記閉位置から第1方向および第2方向の両方に移動可能に構成されている包装体。 - 少なくとも一方のタブ部材が閉位置にあるときには、タブ部材の移動を規制する前記接合材が前記ベルト通路の両端部の略中間に位置している請求項1に記載の包装体。
- 各タブ部材が閉位置にあるときには、各接合材が互いからオフセットされている請求項1に記載の包装体。
- 接合材同士が、前記ベルト通路の両端部の略中間位置で仕切り材と直交する平面から、略等距離に設けられている請求項3に記載の包装体。
- 接合材同士が、前記ベルト通路の両端部の略中間位置で仕切り材と直交する平面から、異なる距離をもってオフセットされている請求項3に記載の包装体。
- タブ部材の最大移動距離が、前記第1方向および第2方向の間で異なるように構成されている請求項3〜5のいずれか一項に記載の包装体。
- 一方のタブ部材が閉位置にあるときには、当該タブ部材が前記ベルト通路と重なる請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装体。
- 両方のタブ部材が閉位置にあるときには、前記ベルト通路が両タブ部材で挟まれている請求項7に記載の包装体。
- タブ部材が、前記ベルト通路の長さよりも長いか又は同じ長さである請求項7又は8に記載の包装体。
- 包装体がさらに、反対向きの開放端部を備えたスリーブを有し、
少なくとも一方のタブ部材が、前記閉位置にあるときには前記スリーブ内に完全に又は大部分が収まり、前記第1方向又は第2方向のいずれかに移動したときには一方又は他方の開放端部を介して前記スリーブから突出可能である請求項1〜9のいずれか一項に記載の包装体。 - タブ部材が、前記スリーブの長さより短いか又は同じ長さである請求項10に記載の包装体。
- タブ部材が、前記閉位置にあるときに前記スリーブから突出する延長部を有する請求項11に記載の包装体。
- 両方のタブ部材が前記閉位置にあるときには、両タブ部材およびベルト通路が前記スリーブの上部壁および下部壁によって挟まれている請求項10〜12のいずれか一項に記載の包装体。
- 前記第1方向および第2方向が反対方向であることにより、前記第1タブ部材および第2タブ部材が互いに離間又は近接する請求項1〜13のいずれか一項に記載の包装体。
- 前記ベルトが平らな仕切り材に巻回された連続ループである請求項1〜14のいずれか一項に記載の包装体。
- 前記第1タブ部材がトレイである請求項1〜15のいずれか一項に記載の包装体。
- 前記第2タブ部材がトレイである請求項1〜16のいずれか一項に記載の包装体。
- 少なくとも一方のタブ部材が気泡緩衝パックから構成されている請求項1〜17のいずれか一項に記載の包装体。
- 添付図面を参照しながら説明したもの又は添付図面に示したものと実質的に同じ包装体。
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