JP2009522763A - 復帰装置を備えた装着ヘッドおよび自動装着装置 - Google Patents

復帰装置を備えた装着ヘッドおよび自動装着装置 Download PDF

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Abstract

装着ヘッド(4)は前記電気部品(11)を保持するための保持装置(10)を有しており、前記保持装置(10)は、静止位置と動作位置の間の変位方向において前記ハウジング(9)に対して変位可能に配置されており、前記静止位置と動作位置は前記変位方向において行程区間(Δz)だけ互いに離れており、前記復帰装置(12)は、前記変位方向を横断するように磁化された永久磁石(14)と、前記永久磁石(14)と協働して磁気帰還を形成する磁気帰還装置(15)を備えており、前記永久磁石(14)は前記変位方向において前記帰還装置(15)に対して変位可能であり、前記帰還装置(15)は、異なる磁気抵抗を有する少なくとも2つのセクション(A,B)を有しており、かつ前記永久磁石(14)が前記行程区間(Δz)を移動する際に同時に前記帰還装置(15)の少なくとも2つのセクション(A,B)と重なり合うように形成されており、前記復帰装置(12)は、前記保持装置(10)を前記静止位置に押しやる復帰力(F)が前記行程区間(Δz)を介して前記保持装置(10)に及ぶように、前記ハウジング(9)および前記保持装置(10)と結合されている。

Description

本発明は、電気的な部品を基板に装着するための装着ヘッド、並びにこの形式の装着ヘッドを備えた自動装着装置に関する。
従来技術において、部品を例えば装着技術において取り扱わなければならない数多くの例がある。装着技術において、基板には電気部品が装着される。装着過程は、2次元の位置決めシステムを用いて装着されるべき基板上を走行可能である装着ヘッドによって実施される。その際装着ヘッドは基板表面に垂直する方向において静止位置と動作位置との間を移動可能である1つまたは複数の保持装置を有している。作業過程を実施するために、すなわち部品を持ち上げるもしくは降ろすために保持装置は適当な駆動装置を用いて動作位置に移動される。保持装置が作業過程を実施する必要がない時間において、損傷が妨げられるように、駆動装置によって静止位置に確保される。保持装置は自由な状態においても、すなわち駆動装置が通電していない場合にも、安全な静止位置に保持されなければならないので、保持装置は例えばニューマチックシリンダまたはばねのような復帰装置に連結されている。復帰装置は保持装置自体を、駆動装置の自由なもしくは通電されていない状態において静止位置に移動させる。
従ってニューマチックシリンダもしくはばねは、保持装置を静止位置に押しやる復帰力もしくは復帰力を持続的に発揮している。部品を装着または持ち上げるために、駆動装置は保持装置をこの復帰力に抗して動作位置に移動させなければならない。装着および取り出しの際に非常に敏感でかつ小さい部品の場合にはまさに、保持装置自体を部品に装着するまたは部品を基板に装着する装着力は、できるだけ僅かに抑えかつできるだけ精確に設定されるべきである。しかしこのために、ニューマチックシリンダまたはばねによって発揮される復帰力を正確に予めに決定しておく必要が生じる。
しかしニューマチックシリンダの場合、圧縮ピストンもしくはパッキンとシリンダとの間の摩擦力に基づいて、調整器もしくは制御器の位置決め精度に不都合に作用するヒステリスが観察される。更に復帰力は摩耗に依存しており、従って長時間安定していない。更に、ニューマチックシリンダの作動のために、圧縮空気のような補助エネルギーが必要とされる。ばねの場合、エージングの問題が発生するので、時間と共にばねの力特性曲線が変化するのみならず、ばねの破断が生じる可能性がある。従って、ばねの場合にもニューマチックシリンダの場合にも復帰力、ひいては装着力を予め定めることは非常に不十分にしかできない。このために最悪の場合には部品または基板が損傷する可能性があり、そうなると装着過程に不都合に作用する。更に、ニューマチックシリンダおよびばねはエージングにさらされており、規則的に保守されなければならない。
したがって、本発明の課題は、プロセス信頼性を高めることのできる装着ヘッドと自動装着装置を提供することである。
この課題は、独立請求項に記載された装着ヘッドと自動装着装置により解決される。有利な実施形態は従属請求項の対象である。
請求項1による装着ヘッドは、ハウジングと、部品を保持するための少なくとも1つの保持装置を有している。保持装置は静止位置と動作位置の間の変位方向においてハウジングに対して変位可能に支承されており、静止位置と動作位置は変位方向において行程区間だけ互いに離れている。装着ヘッドはさらに復帰装置を含んでおり、復帰装置は、位方向を横断するように磁化された永久磁石と、この永久磁石と協働して磁気帰還を形成する磁気帰還装置を備えている。永久磁石は変位方向において帰還装置に対して変位可能である。帰還装置は異なる磁気抵抗ないし磁束を有する少なくとも2つのセクションを有しており、かつ、永久磁石が前記行程区間を移動する際に同時に帰還装置の少なくとも2つのセクションと重なり合うように形成されている。復帰装置は、前記保持装置を静止位置に押しやる復帰力が前記行程区間を介して保持装置に及ぶように、ハウジングおよび保持装置と結合されている。
復帰装置では、自由状態の、すなわち、他の外部の力が作用していない状態の永久磁石をつねに復帰装置のセクションの方向に低い抵抗ないしは大きな磁束をもって運動させようとする物理的効果が発揮される。永久磁石は復帰装置の特別な構成に由来する磁気効果により低い磁気抵抗で前記セクションに押しやられる。適切にセクションを形成することにより、永久磁石を低い磁気抵抗で前記セクションに押しやる力を正確に設定することができる。このため、復帰装置が保持装置を静止位置に押しやる際に用いる復帰力は正確に定めることができ、広範囲にわたってヒステリシスがなく、長期的に安定している。さらに、セクションを適切に形成することにより、力の特性曲線を任意に描くことができる。復帰装置はさらに非接触式であり、摩耗がなく、保守を必要としない。さらには、エアシリンダとは異なり、補助エネルギーが不要である。そのため、保持装置は装着ヘッドが自由状態のときでも確実に静止位置へと動かされる。
請求項2による装着ヘッドの実施形態では、帰還装置はハウジングと、永久磁石は前記保持装置と固定的に結合されている。この場合、帰還装置が復帰装置の固定部を形成しているのに対して、永久磁石は保持装置とともに変位方向に動かされる。
これとは逆に、請求項3による実施形態では、永久磁石はハウジングと、帰還装置は保持装置と固定的に結合されている。この場合、永久装置はハウジングに固定された復帰装置の固定部であり、それに対して復帰装置は保持装置とともに変位方向に動かされる。
請求項4および5による実施形態によれば、帰還装置のセクションの異なる磁気抵抗または異なる磁束は2つの異なるやり方で達成することができる。それゆえ、前記セクションを異なる磁気抵抗の材料から製造することができる。例えば、一方のセクションを軟鉄(磁気抵抗が低く、磁束が大きい)から形成し、他方のセクションをステンレス鋼類(磁気抵抗が高く、磁束が小さい)から形成することができる。しかし、セクションはフェライトからまたは一般に鋼材料から成っていてもよい。あるいは、材料選択のために、セクションが永久磁石からそれぞれ異なる距離だけ離れているように形成してもよい。距離が異なることで、永久磁石とセクションの間に異なる空隙が生じる。磁気抵抗はこの空隙の幅が大きくなるにつれ増大する。また、両方の方法の組合せも考えられる。
請求項6による別の実施形態によれば、帰還装置のセクションは復帰力が行程区間全体にわたって一定であるように形成されている。これにより、復帰力を一意的に予測することが可能である。このことは、力の制御の際にも位置の制御の際にも制御精度と動特性を高める。
請求項7による実施形態では、保持装置により保持された部材は動作位置にあるときよりも静止位置にあるときの方がハウジングに近い位置にある。これにより、静止位置にある保持装置がハウジングから遠く突き出ることのないこと保証され、損傷も防止される。
請求項8による装着ヘッドの実施形態では、装着ヘッドは保持装置を変位方向に運動させるための電磁駆動装置を含んでいる。駆動装置は少なくとも1つの円筒形コイルパケットを有するハウジングに固定された固定部を有している。永久磁石は駆動装置の可動部であり、動作時にはコイルパケットと共に動作する。この実施形態では、永久磁石は同時に電動ホイスト駆動装置の可動部としても使用される。コイルパケットに適切に通電すると、永久磁石は保持装置と共に変位方向に動かされる。これにより、部品を節約することができ、重量とコストの点で利点が得られる。さらに、装着ヘッドをコンパクトに形成することもできる。
請求項9による装着ヘッドの実施形態によれば、可動部ないし永久磁石はローターとして形成されており、固定部に対して、変位方向に平行な回転軸の回りを回転可能な形で支承されている。固定部のコイルパケットは多相に形成されている。ハンドリング装置は、少なくとも1つのコイルパケットに結合された制御装置を有しており、コイルパケットに流れる電流は、この制御装置により、該電流により生じる固定部の磁場が可動部の磁場と相互作用し、ローターの変位と回転を生じさせるように制御可能である。この実施形態では、駆動装置は一体型の回転・ホイストモータとして形成されており、これにより設計上の構造の単純化がもたらされ、装着ヘッドをさらにコンパクトに形成することができる。
請求項10による装着ヘッドでは、固定部は円筒状中空体の形態のコイルパケットを有しており、該コイルパケットの巻線は、前記円筒状中空体の円周に沿って個々の巻線ピッチが走るように形成されている。これは、例えば円筒状中空体の側面線に対して巻線が傾斜している傾斜巻線、または、巻線が菱形に巻かれた菱形巻線としてよい。ここでは、例えば円筒などの回転体の側面上にその回転軸に沿って走る直線を側面線と呼ぶ。両方の巻線ジオメトリとも非常にコンパクトな構造を特徴としており、巻線が傾斜して走っていることにより回転軸に対して高い軸向き力が可能となる。
請求項11による自動装着装置は請求項1から10のいずれか1項記載の装着ヘッドを有する。利点に関しては、請求項1−10の実施形態を参照されたい。
以下では、自動装着装置および装着ヘッドの実施例を添付の図面に関連して詳しく説明する。図面において
図1は、自動装着装置の概略図であり、
図2Aおよび2Bは、装着ヘッドの概略図であり、
図3Aおよび3Bは、復帰装置の第1実施形態の概略図であり、
図4Aおよび4Bは、復帰装置の第2実施形態の概略図であり、
図5Aおよび5Bは、復帰装置の第3実施形態の概略図であり、
図6Aおよび6Bは、復帰装置の概略断面図であり、
図7は、復帰装置の第4実施形態の概略図であり、
図8Aおよび8Bは、回転−ストロークモータの概略作動方式を示す図である。
図1には基板に電気部品を装着する自動装着装置1が略示されている。装着しようとする基板2は、搬送区間3、例えばベルトコンベアを介して、装着場所に搬送されて、そこで電気部品が装着され、引き続いて搬出される。装着処理は、装着ヘッド4によって実行される。装着ヘッド4は、基板2の搬送方向(矢印x)に対して平行な方向(矢印x)移動できるように位置決めアーム5に取り付けられる。位置決めアーム5そのものは、搬送方向に対して横方向(矢印y)に支持台6に取り付けられており、この支持台は、搬送区間3の上にブリッジのようにかかっている。さらに自動装着装置1には制御装置7が含まれており、これは、位置決めアーム5および装着ヘッド4に接続されており、また運動の流れを制御する。搬送区間3の側方の供給領域には供給装置8が設けられており、この装置により、装着ヘッド4に対する電気部品が供給される。装着の前、装着ヘッド4は、位置決めアーム5によって供給装置8の方に走行し、この装着ヘッドは、部品11を取り上げ、続いて基板2の上を走行し、部品11を基板2に降ろすのである。
図2Aおよび2Bには装着ヘッド4が略示されている。装着ヘッド4にはハウジング9ならびに部品11を保持する保持装置10が含まれており、この保持装置は、変位方向(矢印z)に、基板表面に対して垂直にハウジング9に支持されている。ここでは保持装置10は、(図2Aに示されている)静止位置と(図2Bに示されている)動作位置との間で往復運動することができる。静止位置および動作位置は、変位方向に行程区間Δzだけ離れている。
装着ヘッド4にはさらに復帰装置12が含まれており、この復帰装置は、ハウジング9および保持装置10につぎのように結合されている。すなわち復帰装置12が、行程区間を介して保持装置10に復帰力Fを作用するように結合されているのであり、ここでこの復帰力は、変位方向に平行であり、また保持装置10を(図2A)静止位置に突き出す。
装着ヘッド4はさらに駆動装置13を有しており、この駆動装置は、保持装置10を静止位置から動作位置に移動させる。駆動装置13を構成して、この駆動装置が保持装置10を回転軸Dの周りに回転させるようにすることが可能である。これは、保持装置10に保持された部品11が、あらかじめ定めた角度位置にするために使用される。さらに図2Aおよび2Bからわかるように保持装置10によって保持される部品11は、(図2Aの)静止位置において、(図2Bの)動作位置よりもハウジング9の近くに配置されている。したがってこの静止位置になるのは、装着ヘッド4が走行する場合ないしは保持装置10が動作を行っていない場合、例えば、部品11の装着を行っていないかまたはこれを取りに行っていない場合である。これは、保持装置10ならびに部品11を保護するために使用されるのである。
図3Aおよび3Bには復帰装置12の第1実施形態が示されている。復帰装置12は、ハウジング9および保持装置10に結合されている。ここでは保持装置10は、図3Aにおいて静止位置でまた図3Bにおいて動作位置で示されている。復帰装置12には永久磁石14と、磁気帰還装置15とが含まれており、この磁気帰還装置は、永久磁石14と協働して磁気帰還を形成する。永久磁石14は、帰還装置15に対して変位方向(矢印z)に保持装置10と同じ行程区間Δzだけ変位可能である。永久磁石14はさらに磁気的な北極(N)と磁気的な南極(S)とを有しており、これらは、変位方向(矢印z)に対して横方向に配向されている。帰還装置15は、変位方向に、磁気抵抗ないしは磁束の異なる少なくとも2つの区分A,Bを有している。このセクションA,Bは、永久磁石14が、行程区間Δzにわたって変位する際に、帰還装置15の少なくとも2つのセクションA,Bが同時に重なり合うように構成ないしは配置されている。
永久磁石14は、僅かな磁気抵抗を有する区分ないしは比較的高い磁束を有する区分A,Bの方向に動かすことができるようにされている。永久磁石14が、全行程区間Δzに亘って2つの区間A,Bに重なることにより、復帰力Fが全行程区間Δzに亘って作用する。
図3A及び図3Bによる第1の構成においては、磁気帰還装置15がハウジング9に固定的に接続され、永久磁石14は保持装置10と固定的に接続されている。それにより永久磁石14は保持装置10と共に、ハウジング9ないしは磁気帰還装置15に対して相対的なシフト方向で移動する。それ故に永久磁石14は、当該実施態様においては復帰装置12の可動部分を表している。図2A及び図2Bに関連して説明したように、保持装置10の静止位置は動作位置よりも次の点で優れている。すなわち静止位置においては保持装置10がハウジング9から僅かな距離しか離れないように突出すること、ないしは保持装置10によって保持される構造部11が動作位置の場合よりもハウジング9の傍に存在することである。前述したような物理的作用に基づいて磁気帰還装置15の区間A,Bは次のように配置される。すなわち区間Aの磁気抵抗が区間Bの磁気抵抗よりも小さくなるように構成されて配置される。それ故永久磁石14と結合された保持装置10には復帰力Fが作用する。この復帰力Fは保持装置10をフリーな状態で静止位置に押しやる(図3A参照)。この状態は、全装着ヘッド4が無電流状態に切換えられている場合に占められる。そのため保持装置10は装着ヘッド4の無電流状態ないしは非駆動状態においては静止位置にあり、それによって損傷から保護されている。保持装置10と共に作業過程が実施されると、保持装置10は駆動装置13によって(図2A、図2B参照)、復帰力Fに抗して動作位置へ移動する(図3B参照)。
図3A及び図3Bに示されている実施例においては、可動永久磁石14がその自由端部にガイドロッド16を備えており、このガイドロッド16はハウジング9ないしは復帰装置12の遮蔽板に相応に形成されているガイドチャネル17内に侵入する。前記ガイドロッド16の1つは、永久磁石14のシフト方向での案内の他に永久磁石14と保持装置10の間の接続手段としても用いられる。この第2のガイドロッド16は、駆動装置13を復帰装置12に連結させるのに用いられ得る。この場合駆動装置13は、純粋な行程運動用駆動装置として構成されてもよいしあるいは回転−行程運動用駆動モータとして構成されてもよい。純粋な行程運動用駆動装置のケースでは、復帰装置12に対して、矩形状の断面若しくは非回転対称な断面も円形の断面も可能である(図6A、図6B参照)。外的な回転−行程運動用モーターのケースにおいては、有利には図7に示されているように統合的な回転−行程運動用モータである。しかしながら2つの別個の駆動部(すなわち行程運動に対して第1の駆動部、回転運動に対しては第2の駆動部)を備えた回転−行程運動用モータを用いることも可能である。
復帰装置12の第2の構成は、図4Aおよび図4Bに示されている。基本的な構成および物理的作用に関して、この第2の構成は、図3Aおよび図3Bに示された第1の構成に相当する。しかし、第2の構成は第1の構成と次の点において異なっている。すなわち、ここでは永久磁石14が固定要素27を介して固定的にハウジング9に結合されており、帰還装置15が保持装置10に固定的に結合されている、という点において異なっている。従ってこの場合には、帰還装置15は保持装置10とともに移動方向へ、永久磁石14ないしハウジング9に対して相対的に動く。換言すれば、このような構成では、永久磁石14は復帰装置12の定常的な部分であり、帰還装置15は可動部分である。帰還装置15は動きの安定化のために、ハウジング9に構成された、例えばガイドレールであるガイド装置18と結合されている。
図4Aでは保持装置は静止位置にあり、図4Bでは動作位置にある。図3Aおよび3Bに示された構成とは異なり、復帰装置12はここでは次のように構成されている。すなわち、帰還装置15のセクションBの磁気抵抗が、セクションAの磁気抵抗より低くなるように構成されている。これによって、保持装置10に復帰力Fが作用する。この復帰力は保持装置10を、図4Aに示された静止位置に押しやる。なぜなら、帰還装置15は永久磁石14に対する上述の物理的な力に基づいて自由な状態で動き、永久磁石14が僅かな磁気抵抗ないし大きな磁束によってセクションB内にできるだけ多くの距離で潜り込むからである。従ってこのような構成でも、静止位置における保持装置10の安全性が、装着ヘッド4の無電流状態において保証される。
図5A、5Bおよび5Cに基づいて、復帰装置12のセクションA、Bの異なる磁気抵抗がどのように実現されるのかを説明する。
第1の方法は図5Bに示されている。ここでは、セクションA、Bは永久磁石14から異なった間隔を有している。具体的にはセクションAと永久磁石との間隔は、セクションBと永久磁石との間隔よりも狭い。従ってセクションAと永久磁石14との間のエアギャップD1の幅は、セクションBと永久磁石14との間のエアギャップD2の幅よりも狭い。2つのセクションA、Bが同じ磁気抵抗を有する材料から成ることを前提にすると、エアギャップD1の幅が狭いのでセクションAにおける磁気抵抗は、セクションBにおける磁気抵抗よりも低い。セクションA、B内では、永久磁石に対する間隔は一定であるので、復帰力Fは行程区間Δz全体にわたって一定である。
第2の方法は図5Aに示されている。ここではセクションA、Bと永久磁石14との間の間隔は同じである。しかし、セクションA、Bは異なる磁気抵抗を有する材料から製造されている。図5Aの構成では、例えばセクションAは軟鉄から製造され、セクションBはステンレス鋼から製造される。軟鉄はステンレス鋼に比べて格段に低い磁気抵抗と高い磁束を有している。従って、永久磁石14は常に、セクションAの方向へ動くように力が加えられる。ここでも復帰力Fは行程区間全体にわたってほぼ一定である。
しかし基本的には、これら2つの方法を組み合わせることも可能である。すなわち異なる磁気抵抗を有する材料から成るセクションA、Bを使用し、かつこれらのセクションを、永久磁石14に対して異なった間隔で配置することが可能である。
第3の方法は図5Cに示されている。ここでは2つのセクションA、Bは、同じ材料から成る。しかしセクションBは、永久磁石14に対して一定の間隔を有しており、これとは異なりセクションAでは永久磁石14との間隔は、帰還装置15の上方から中央に向けて一次的に減少している。これによって、下方の位置において(図示されている)永久磁石に高い復帰力Fが作用する。この復帰力は、永久磁石14が行程区間Δzの上方終端部へ移動すると、減少する。これは、セクションAにおいて間隔が増すとともに磁束が減少し、これに相応して磁気抵抗が増す、ということによって説明される。
図6A及び6Bには、図5Aの切断線C−Cに沿った、復帰装置12の2つの可能な横断面形状が示されている。図6Aの構成では、磁気帰還装置15は、平行六面体状に形成された永久磁石14を囲む中空平行六面体の形式を有している。この構成では、単に、永久磁石14が、磁気帰還装置15に対して相対的に移動方向に移動することができるにすぎない。
図6Bに示された実施例では、磁気帰還装置15は、中空円筒として構成されており、永久磁石14は、長手方向に延びた円柱として構成されている。その際、磁気帰還装置15は、永久磁石14を半径方向に囲んでいる。この構成では、永久磁石14のリニアな移動も、永久磁石14の、磁気帰還装置15に対して相対的な回転も可能である。それにより、例えば、保持装置10上に、トルクもリニアな移動力も加えることができる。回転により、例えば、保持装置10により保持された構成部品11を、所定の角度位置内で回転することができる。
図7には、装着ヘッド4の別の構成が略示されている。それによると、保持装置10の駆動部13が、電磁駆動部13として構成されている。駆動部13は、ハウジング9と固定して結合された静止部品を有しており、この静止部品は、移動方向に順次連続して設けられた2つの、相応のコイル巻線を備えたコイルパケット19を有している。実施例では、静止部品は、磁気帰還装置15によって構成されており、磁気帰還装置15には、永久磁石14側の内側面にコイルパケット19が設けられている。装着ヘッド4には、更に、駆動制御部20が、駆動部の制御用に配属されており、駆動制御部20は、各コイルパケットと電気的に接続されている。その際、駆動制御部20は、装着ヘッド4自体に、坦体アーム5として又は装自動機械1の基体に取り付けることができる。それにより、可動の質量体セクションを低減することができ、可動の質量体セクションを低減することにより、殊に高い加速度の場合に可動の質量体セクションに有利に作用される。コイルパケット19には、外部電流源(図示していない)によって駆動制御部20を介して電流を給電することができる。
装着ヘッドの、このような構成は、殊に、復帰装置12の永久磁石14が、それと同時に駆動部13の可動部を構成することによって特徴付けられる。その際、永久磁石14は、通電されたコイルパケット19と協働して、駆動制御部20による相応の制御の際、保持装置10を移動方向に動かすようにされる。つまり、この構成では、復帰装置12及び駆動部13の各要素はまとめられている。永久磁石14が復帰装置12の構成部品でもあり、駆動部13の構成部品でもあることにより、構成部品を節約することができ、装着ヘッド1をコスト上有利且つ小型に構成することができる。それと同時に、磁気帰還装置15は、駆動部13の静止部品も形成する。
図5A、5B及び7の各実施例では、保持装置10は、永久磁石14と結合されていて、それにより、永久磁石14が保持装置10と協働して、磁気帰還装置15乃至ハウジング9に対して相対的に動くにも拘わらず、図4A及び4Bの実施例に図示されているように、保持装置10が、磁気帰還装置15と結合されて、移動方向において、ハウジング9に対して相対的に取り付けられた各永久磁石14と一緒に動く。
しかし、駆動部13は、休止位置と駆動位置との間での保持装置10の移動のための純粋なリニア駆動部としてのみ構成されているのではなく、保持装置10を同時に移動且つ回転するために組み合わされた回転−行程−モータとしても構成するとよい。この場合、永久磁石14乃至可動部は、ロータとして構成されており、静止部品に対して相対的に移動方向に対して平行な回転軸Dを中心にして回転可能に支承されている。その際、図6Bの構成が形成され、その際、永久磁石14は、円柱状であり、磁気帰還装置15は、中空円筒として形成されている。静止部品のコイルパケット19は、各々多層であり、駆動制御部20は、コイルパケット19を流れる電流を制御して、電流によって生じる静止部品の磁場を永久磁石14の磁場と交互作用し、リニアな移動もロータの回転も生じるようにする。この作用方式の詳細な説明は、図8A及び8Bについての説明内にある。このように統合した回転−行程−モータを設けることによって、別個の回転駆動部を設けずに済むので、更に小型の構造が得られる。図7には、駆動部13が、復帰装置12内に統合された駆動部として図示されている。しかし、既に図3で説明したように、復帰装置12及び駆動部13を相互に別個に構成してもよい。
図8のA,Bには回転往復モータの動作原理が概略的に示されている。当該の動作原理の説明には磁気的復帰部材は必要ないので、図8のA,Bではその詳細な図示は省略してある。復帰装置12は抽象的にブラックボックスとしてのみ示されている。上述した磁気的復帰部材のほか、ばねまたはニューマティック復帰部材を用いることができる。図8のA,Bの上方には、永久磁石14が回転往復モータの円筒形コイルパケット19に対して取る位置が示されている。図8のAには回転軸Dの方向での永久磁石14の位置が示されている。図8のBには永久磁石14の回転位置が当該の永久磁石14の上端部の小さい黒丸のマークによって示されている。図8のA,Bの下方にはそれぞれ対応するコイル電流の電流ベクトルが指針図によって示されている。当該の指針図によれば、コイルパケット19を通る電流の振幅の変化量および位相角φのみからハウジング内部にロータとして構成された永久磁石14の回転運動および並進運動の双方が実現されることがわかる。ただし、ここでは、コイルパケット19の巻線が回転軸Dの方向の方向成分とこれに垂直な円筒形コイルパケット19の周方向の方向成分の双方を有さなければならない。巻線の幾何学的形状の実施例として、図示の斜め巻きのほか、図8のA,Bには示されていない菱形巻きと称されるものも可能である。
図8のAには、コイル電流の振幅が変化する際に永久磁石14がどのようにふるまうかが示されている。コイル電流は定められた振幅値へ調整され、これにより生じたz方向の軸方向力の大きさが反対方向に作用する復帰力Fに相応する。振幅が高まる場合、ここから生じる軸方向力が反対方向に作用する復帰力を上回り、ロータの永久磁石14はコイルパケット19内へ引き込まれる。コイル電流のうち、回転軸Dに対して垂直な、周方向に延在する方向成分はこれによって生じる。これに対して、コイル電流の振幅が低下する場合、永久磁石14は復帰装置12によって形成される復帰力Fに基づいて再びコイルパケット19から引き出される。コイルに電流が流れていないときには、永久磁石14は負のz方向に作用する復帰力により静止位置に保持される。全体として、永久磁石14はけっして完全にコイルパケット内へ引き込まれたりコイルパケットの外へ引き出されたりせず、全往復運動区間にわたって少なくとも1つのコイルパケットと部分的に重畳することに注意されたい。永久磁石がその全長にわたって全てのコイルと完全に重畳するのであれば、軸方向力は完全に相殺され、コイル電流の変化は回転軸Dの方向での並進的な位置変化に作用しないことになる。このことを保証するために、電磁駆動装置13は、有利にはガイドロッド16またはハウジング18に、永久磁石14の往復運動を相応に制限するストッパ21を有する。有利には、永久磁石14のうちコイルパケット19内へ引き込まれる部分はコイルパケット19の全長の25%〜75%である。
図8のBには、コイル電流の電流方向ないし位相角φが変化する際に永久磁石14がどのようにふるまうかが示されている。位相角φが大きくなる場合、図8のBの左方に示されているように、永久磁石は左方への回転運動が生じ、このことは永久磁石14の上端部の小さな黒丸のマークから見て取れる。位相角φが小さくなる場合、図8のBの右方に示されているように、永久磁石は右方への回転運動を生じる。回転運動を生じさせるのは、コイル電流のうち、回転軸Dに対して平行に延在する方向成分である。
自動装着装置の概略図である。 装着ヘッドの概略図である。 復帰装置の第1実施形態の概略図である。 復帰装置の第2実施形態の概略図である。 復帰装置の第3実施形態の概略図である。 復帰装置の概略断面図である。 復帰装置の第4実施形態の概略図である。 回転−ストロークモータの概略作動方式を示す図である。
符号の説明
1 装着自動機構、 2 基板、 3 輸送区間、 4 装着ヘッド、 5 位置決めアーム、 6 支持体、 7 制御装置、 8 供給装置、 9 ハウジング、 10 保持装置、 11 電気部品、 12 復帰装置、 13 回転往復モータ/電磁駆動装置、 14 永久磁石、 15 帰還装置/磁気帰還、 16 ガイドロッド、 17 ガイド管、 18 ガイド装置、 19 コイルパケット、 20 駆動制御装置、 21 ストッパ、 27 固定部材

Claims (11)

  1. 電気部品(11)を備えた基板(2)を装着するための装着ヘッド(4)であって、
    −ハウジング(9)、
    −前記電気部品(11)を保持するための保持装置(10)、
    −復帰装置(12)
    を有しており、
    前記保持装置(10)は、静止位置と動作位置の間の変位方向において前記ハウジング(9)に対して変位可能に支承されており、前記静止位置と動作位置は前記変位方向において行程区間(Δz)だけ互いに離れており、
    前記復帰装置(12)は、前記変位方向を横断するように磁化された永久磁石(14)と、前記永久磁石(14)と協働して磁気帰還を形成する磁気帰還装置(15)を備えており、
    前記永久磁石(14)は前記変位方向において前記帰還装置(15)に対して変位可能であり、前記帰還装置(15)は、異なる磁気抵抗を有する少なくとも2つのセクション(A,B)を有しており、かつ前記永久磁石(14)が前記行程区間(Δz)を移動する際に同時に前記帰還装置(15)の少なくとも2つのセクション(A,B)と重なり合うように形成されており、
    前記復帰装置(12)は、前記保持装置(10)を前記静止位置に押しやる復帰力(F)が前記行程区間(Δz)を介して前記保持装置(10)に及ぶように、前記ハウジング(9)および前記保持装置(10)と結合されている、ことを特徴とする装着ヘッド(4)。
  2. 前記帰還装置(15)は前記ハウジング(9)と、前記永久磁石(14)は前記保持装置(10)と固定的に結合されている、請求項1記載の装着ヘッド(4)。
  3. 前記永久磁石(14)は前記ハウジング(9)と、前記帰還装置(15)は前記保持装置(10)と固定的に結合されている、請求項1記載の装着ヘッド(4)。
  4. 前記セクション(A,B)が異なる磁気抵抗の材料を有している、請求項1から3のいずれか1項記載の装着ヘッド(4)。
  5. 前記セクション(A,B)が前記永久磁石(14)からそれぞれ異なる距離だけ離れている、請求項1から3のいずれか1項記載の装着ヘッド(4)。
  6. 前記セクション(A,B)が前記復帰力(F)が行程区間(Δz)全体にわたって一定であるように形成されている、請求項1から3のいずれか1項記載の装着ヘッド(4)。
  7. 前記保持装置(10)により保持された部材(11)は動作位置にあるときよりも静止位置にあるときの方が前記ハウジング(9)に近い位置にある、請求項1から6のいずれか1項記載の装着ヘッド(4)。
  8. 前記保持装置(10)を前記変位方向に運動させるための電磁駆動装置(13)が設けられており、該駆動装置(13)は少なくとも1つの円筒形コイルパケット(19)を有する前記ハウジング(9)に固定された固定部を有しており、前記永久磁石(14)は前記駆動装置(13)の可動部であり、動作時には前記コイルパケット(19)と共に動作する、請求項1から7のいずれか1項記載の装着ヘッド(4)。
  9. 前記可動部はローターとして形成されており、前記固定部に対して、前記変位方向に平行な回転軸(D)の回りを回転可能な形で支承されており、
    前記固定部のコイルパケット(19)は多相に形成されており、
    前記装着ヘッド(4)は、前記少なくとも1つのコイルパケット(19)に結合された駆動制御装置(20)を有しており、前記コイルパケット(129)を流れる電流は、前記駆動制御装置により、該電流により生じる前記固定部の磁場が前記可動部の磁場と相互作用し、前記ローターの変位と回転を生じさせるように制御可能である、請求項8記載の装着ヘッド(4)。
  10. 前記固定部は円筒状中空体の形態のコイルパケット(19)を有しており、該コイルパケットの巻線は、前記円筒状中空体の円周に沿って個々の巻線ピッチが走るように形成されている、請求項9記載の装着ヘッド(4)。
  11. 請求項1から10のいずれか1項記載の装着ヘッドを備えたことを特徴とする、電気部品(11)を有する基板(2)を装着するための自動装着装置(1)。
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