JP2009520354A - エレクトロルミネッセンスを出すホスト材料 - Google Patents

エレクトロルミネッセンスを出すホスト材料 Download PDF

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Abstract

OLEDデバイスは、カソードと、アノードと、それらの間にあってリン光発光体及びホストを含む発光層とを備えていて、該ホストが、少なくとも1つの2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン・リガンドと少なくとも1つのフェノキシ・リガンドとを有する第1のアルミニウム錯体またはガリウム錯体を含有しており、このOLEDデバイスでは、フェノキシ・リガンドがアミンで置換されているか、発光層のカソード側に隣接して、少なくとも1つの2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン・リガンドと少なくとも1つのフェノキシ・リガンドとを有する第2のアルミニウム錯体またはガリウム錯体を含む層がさらに存在している。

Description

本発明は、リン光発光体と、ホストである特別なアルミニウム錯体またはガリウム錯体とを含む有機エレクトロルミネッセンス(EL)デバイスに関する。より詳細には、本発明は、効率的で低電圧のリン光ELデバイスに関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)デバイスは20年以上前から知られているが、性能が限られているため、望ましい多くの用途にとっての障害となっていた。最も単純な形態の有機ELデバイスは、正孔を注入するためのアノードと、電子を注入するためのカソードと、これら電極に挟まれていて、電荷の再結合をサポートして光を発生させる有機媒体とで構成されている。このようなデバイスは、一般に有機発光ダイオード、またはOLEDとも呼ばれる。初期の代表的な有機ELデバイスは、1965年3月9日に付与されたGurneeらのアメリカ合衆国特許第3,172,862号;1965年3月9日に付与されたGurneeのアメリカ合衆国特許第3,173,050号;Dresner、「アントラセンにおける二重注入エレクトロルミネッセンス」、RCA Review、第30巻、322〜334ページ、1969年;1973年1月9日に付与されたDresnerのアメリカ合衆国特許第3,710,167号である。これらデバイスの有機層は、通常は多環芳香族炭化水素で構成されているために非常に厚かった(1μmよりもはるかに厚い)。その結果、動作電圧が非常に大きくなり、100Vを超えることがしばしばあった。
より最近の有機ELデバイスは、アノードとカソードに挟まれた極めて薄い層(例えば1.0μm未満)からなる有機EL素子を含んでいる。この明細書では、“有機EL素子”という用語に、アノード電極とカソード電極に挟まれたいろいろな層が含まれる。厚さを薄くして有機層の抵抗値を小さくすることで、デバイスがはるかに低電圧で動作できるようになった。アメリカ合衆国特許第4,356,429号に初めて記載された基本的な2層ELデバイス構造では、EL素子のアノードに隣接する一方の有機層は正孔を輸送するように特別に選択されているため、正孔輸送層と呼ばれ、他方の有機層は電子を輸送するように特別に選択されているため、電子輸送層と呼ばれる。有機EL素子の内部で注入された正孔と電子が再結合することで効率的なエレクトロルミネッセンスが出る。
正孔輸送層と電子輸送層の間に有機発光層(LEL)を含む3層有機ELデバイスも提案されている。それは例えば、Tangら(J. Applied Physics、第65巻、3610〜3616ページ、1989年)によって開示されているものである。発光層は、一般に、ゲスト材料をドープされたホスト材料からなる。さらに、アメリカ合衆国特許第4,769,292号には、正孔注入層(HIL)と、正孔輸送層(HTL)と、発光層(LEL)と、電子輸送/注入層(ETL)とを備える4層EL素子が提案されている。これらの構造によってデバイスの効率が向上した。
OLEDデバイスにおいて有用であることが報告されている多くの発光材料は、その励起した一重項状態から蛍光による光を出す。励起した一重項状態は、OLEDデバイスの中で形成されるエキシトンがそのエネルギーをドーパントの励起状態に移動させるときに生じる。しかしELデバイスの中で発生したエキシトンのわずか25%しか一重項エキシトンでないと一般に考えられている。残るエキシトンは三重項であり、そのエネルギーをドーパントの励起した一重項に容易に移動させることはできない。その結果として効率が大きく損なわれる。なぜならエキシトンの75%は発光プロセスで利用されないからである。
三重項エキシトンは、励起した三重項状態のエネルギーが十分に低い場合にそのエネルギーをドーパントに移動させることができる。ドーパントの三重項状態が発光性だと、ドーパントはリン光を発生させることができる。多くの場合、一重項エキシトンもそのエネルギーを同じドーパントの一重項最低励起状態に移動させることができる。励起した一重項状態は、項間交差プロセスによってしばしば緩和することができ、発光性三重項励起状態になる。したがってホストとドーパントを適切に選択することにより、OLEDデバイスの中で生成される一重項エキシトンと三重項エキシトンの両方からのエネルギーを回収し、非常に効率的なリン光を発生させることが可能である。
発光層は、一般に、ホスト材料とドーパントからなる。アルミニウム錯体は、リン光デバイスでホスト材料として用いる一般的な材料ではない。しかしアルミニウム錯体を特別な電子輸送材料とともに用いることが、アメリカ合衆国特許公開2004/0124769に記載されている。発光層全体がアルミニウム錯体となっている一例も日本国特開2003-57588に開示されている。
LELとETLの間に位置する正孔阻止層(HBL)が、正孔をLELに限定するとともに、エキシトンまたは電子-正孔再結合中心を発光層に限定しやすくするのにしばしば有用である。正孔阻止材料の一例はビス(2-メチル-8-キノリノラト)(4-フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(BAlq)である。他のアルミニウム化合物がアメリカ合衆国特許公開2005/0019605に開示されている。
こうした進歩にもかかわらず、効率が改善されていて駆動電圧が低いエレクトロルミネッセンス・デバイスにおいて三重項ホストおよび正孔阻止材料として機能する新しい錯体が相変わらず必要とされている。
本発明により、カソードと、アノードと、それらの間にあってリン光発光体及びホストを含む発光層とを備えていて、該ホストが、少なくとも1つの2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン・リガンドと少なくとも1つのフェノキシ・リガンドとを有する第1のアルミニウム錯体またはガリウム錯体を含有するOLEDデバイスにおいて、該フェノキシ・リガンドがアミンで置換されているか、該発光層のカソード側に隣接して、少なくとも1つの2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン・リガンドと少なくとも1つのフェノキシ・リガンドとを有する第2のアルミニウム錯体またはガリウム錯体を含む層がさらに存在しているOLEDデバイスが提供される。
本発明のデバイスは、向上した輝度効率および/または低い駆動電圧を示す。
実施態様A
本発明により、カソードと、アノードと、それらの間にあってリン光発光体及びホストを含む発光層とを備えていて、該ホストが、少なくとも1つの2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン・リガンドと少なくとも1つのフェノキシ・リガンドとを有する第1のアルミニウム錯体またはガリウム錯体を含有するOLEDデバイスにおいて、該発光層のカソード側に隣接して、少なくとも1つの2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン・リガンドと少なくとも1つのフェノキシ・リガンドとを有する第2のアルミニウム錯体またはガリウム錯体を含む層がさらに存在しているOLEDデバイスが提供される。
一実施態様では、第1の錯体はアルミニウム錯体である。さらに、第1の錯体と第2の錯体は同じ化合物であってもよい。発光層に含まれる発光体としてイリジウム・リン光発光体が可能である。
第1の錯体は、一般式(I):
Figure 2009520354
で表わされることが好ましい。ただし、R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;nは独立に0〜4であり;mは0〜5である。好ましい一実施態様では、R2はフェニル基またはアリールアミン基である。
フェノキシピリジン・リガンドは、さまざまなキノレート(例えばAlqやBAlqに含まれるもの)よりも三重項エネルギーが大きい。置換基(特に、リガンドのフェノール環とピリジン環の間の結合を湾曲させることになるオルト置換基)を配置すると、より大きな三重項エネルギーを実現することができる。
別の一実施態様では、第1の錯体は、一般式(II):
Figure 2009520354
で表わされる。ただし、R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;nは独立に0〜4であり;mは0〜5である。
別の一実施態様では、第1の錯体は、一般式(III):
Figure 2009520354
で表わされる。ただし、R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;nは独立に0〜4であり;mは0〜5である。
好ましい一実施態様では、第2の錯体は一般式(I):
Figure 2009520354
で表わされる。ただし、R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;nは独立に0〜4であり;mは0〜5である。
好ましい別の一実施態様では、第2の錯体は一般式(III):
Figure 2009520354
で表わされる。ただし、R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;nは独立に0〜4であり;mは0〜5である。
実施態様B
別の一実施態様では、OLEDデバイスは、カソードと、アノードと、それらの間にあってリン光発光体及びホストを含む発光層とを備えていて、該ホストが、少なくとも1つの2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン・リガンドと、アミンで置換された少なくとも1つのフェノキシ・リガンドとを有する第1のアルミニウム錯体またはガリウム錯体を含有している。発光層に含まれる発光体としてイリジウム・リン光発光体が可能である。アミンは、ピリジン、ピロール、インドールの中から選択されることが好ましい。
一実施態様では、第1の錯体は、一般式(IV):
Figure 2009520354
で表わされる。ただし、R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;nは独立に0〜4であり;mは0〜5である。
好ましい一実施態様では、第1の錯体は、一般式(II):
Figure 2009520354
で表わされる。ただし、R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;nは独立に0〜4であり;mは0〜5である。
より好ましい一実施態様では、発光層のカソード側に隣接して、少なくとも1つの2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン・リガンドと少なくとも1つのフェノキシ・リガンドとを有する第2のアルミニウム錯体またはガリウム錯体を含む層がさらに存在している。
第2の錯体は、一般式(III):
Figure 2009520354
で表わすことができる。ただし、R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;nは独立に0〜4であり;mは0〜5である。
本発明の実施態様により、動作効率、より大きな輝度、色相、低い駆動電圧、改善された動作安定性といった利点を提供することができる。本発明において有用な有機金属化合物の実施態様は、(多色ディスプレイを提供するため、直接に、またはフィルタを通して)広い範囲の色相を提供することができる。その中には、白色発光において有用な色相も含まれる。
特に断わらない限り、“置換された”または“置換基”という用語は、水素以外のあらゆる基または原子を意味する。さらに、“基”という用語を用いる場合、置換基が置換可能な1つの水素を含んでいるのであれば、この用語に置換されていない形態が含まれるだけでなく、この明細書に記載した任意の1個または複数個の置換基でさらに置換された形態も、デバイスが機能する上で必要な性質をその置換基が失わせない限りは含まれるものとする。置換基は、ハロゲンにすること、または1個の原子(炭素、ケイ素、酸素、窒素、リン、イオウ、セレン、ホウ素)によって分子の残部と結合させることが好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン(クロロ、ブロモ、フルオロなど);ニトロ;ヒドロキシル;シアノ;カルボキシルや;さらに置換されていてもよい基が可能である。さらに置換されていてもよい基としては、アルキル(直鎖アルキル、分岐鎖アルキル、環式アルキルが含まれ、例えばメチル、トリフルオロメチル、エチル、t-ブチル、3-(2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシ)プロピル、テトラデシルなどがある);アルケニル(例えばエチレン、2-ブテン);アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、2-メトキシエトキシ、s-ブトキシ、ヘキシルオキシ、2-エチルヘキシルオキシ、テトラデシルオキシ、2-(2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシ)エトキシ、2-ドデシルオキシエトキシ);アリール(例えばフェニル、4-t-ブチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ナフチル);アリールオキシ(例えばフェノキシ、2-メチルフェノキシ、α-ナフチルオキシ、β-ナフチルオキシ、4-トリルオキシ);カーボンアミド(例えばアセトアミド、ベンズアミド、ブチルアミド、テトラデカンアミド、α-(2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシ)アセトアミド、α-(2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシ)ブチルアミド、α-(3-ペンタデシルフェノキシ)-ヘキサンアミド、α-(4-ヒドロキシ-3-t-ブチルフェノキシ)-テトラデカンアミド、2-オキソ-ピロリジン-1-イル、2-オキソ-5-テトラデシルピロリン-1-イル、N-メチルテトラデカンアミド、N-スクシンイミド、N-フタルイミド、2,5-ジオキソ-1-オキサゾリジニル、3-ドデシル-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリル、N-アセチル-N-ドデシルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、ヘキサデシルオキシカルボニルアミノ、2,4-ジ-t-ブチルフェノキシカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、2,5-(ジ-t-ペンチルフェニル)カルボニルアミノ、p-ドデシル-フェニルカルボニルアミノ、p-トリルカルボニルアミノ、N-メチルウレイド、N,N-ジメチルウレイド、N-メチル-N-ドデシルウレイド、N-ヘキサデシルウレイド、N,N-ジオクタデシルウレイド、N,N-ジオクチル-N'-エチルウレイド、N-フェニルウレイド、N,N-ジフェニルウレイド、N-フェニル-N-p-トリルウレイド、N-(m-ヘキサデシルフェニル)ウレイド、N,N-(2,5-ジ-t-ペンチルフェニル)-N'-エチルウレイド、t-ブチルカーボンアミド);スルホンアミド(例えばメチルスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p-トリルスルホンアミド、p-ドデシルベンゼンスルホンアミド、N-メチルテトラデシルスルホンアミド、N,N-ジプロピルスルファモイルアミノ、ヘキサデシルスルホンアミド);スルファモイル(例えばN-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、N-ヘキサデシルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファモイル、N-[3-(ドデシルオキシ)プロピル]スルファモイル、N-[4-(2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシ)ブチル]スルファモイル、N-メチル-N-テトラデシルスルファモイル、N-ドデシルスルファモイル);カルバモイル(例えばN-メチルカルバモイル、N,N-ジブチルカルバモイル、N-オクタデシルカルバモイル、N-[4-(2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシ)ブチル]カルバモイル、N-メチル-N-テトラデシルカルバモイル、N,N-ジオクチルカルバモイル);アシル(例えばアセチル、(2,4-ジ-t-アミルフェノキシ)アセチル、フェノキシカルボニル、p-ドデシルオキシフェノキシカルボニル、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、3-ペンタデシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル);スルホニル(例えばメトキシスルホニル、オクチルオキシスルホニル、テトラデシルオキシスルホニル、2-エチルヘキシルオキシスルホニル、フェノキシスルホニル、2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシスルホニル、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、2-エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル、ヘキサデシルスルホニル、フェニルスルホニル、4-ノニルフェニルスルホニル、p-トリルスルホニル);スルホニルオキシ(例えばドデシルスルホニルオキシ、ヘキサデシルスルホニルオキシ);スルフィニル(例えばメチルスルフィニル、オクチルスルフィニル、2-エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィニル、ヘキサデシルスルフィニル、フェニルスルフィニル、4-ノニルフェニルスルフィニル、p-トリルスルフィニル);チオ(例えばエチルチオ、オクチルチオ、ベンジルチオ、テトラデシルチオ、2-(2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシ)エチルチオ、フェニルチオ、2-ブトキシ-5-t-オクチルフェニルチオ、p-トリルチオ);アシルオキシ(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、オクタデカノイルオキシ、p-ドデシルアミドベンゾイルオキシ、N-フェニルカルバモイルオキシ、N-エチルカルバモイルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ);アミン(例えばフェニルアニリノ、2-クロロアニリノ、ジエチルアミン、ドデシルアミン);イミノ(例えば1(N-フェニルイミド)エチル、N-スクシンイミド、3-ベンジルヒダントイニル);ホスフェート(例えばジメチルホスフェート、エチルブチルホスフェート);ホスフィト(例えばジエチルホスフィト、ジヘキシルホスフィト);複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基(どの基も置換されていてよく、炭素原子と少なくとも1個のヘテロ原子(酸素、窒素、イオウ、リンからなるグループの中から選択する)からなる3〜7員の複素環を含んでいて、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、アゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、キノリニル、イソキノリニル、2-フリル、2-チエニル、2-ベンゾイミダゾリルオキシ、2-ベンゾチアゾリルがある);第四級アンモニウム(例えばトリエチルアンモニウム);第四級ホスホニウム(例えばトリフェニルホスホニウム);シリルオキシ(例えばトリメチルシリルオキシ)がある。
望むのであれば、置換基それ自体がさらに上記の置換基で1回以上置換されていてもよい。使用する具体的な置換基は、当業者が、特定の用途にとって望ましい性質が実現されるように選択することができ、例えば、電子求引基、電子供与基、立体基などが挙げられる。1つの分子が2つ以上の置換基を持てる場合には、特に断わらない限り、その置換基を互いに結合させて環(例えば縮合環)を形成することができる。一般に、上記の基と、その基に対する置換基は、48個までの炭素原子(一般には1〜36個であり、通常は24個未満である)を含むことができるが、選択した具体的な置換基が何であるかにより、それよりも多くすることも可能である。
本発明の目的のためには、複素環の定義に配位結合または供与結合を含む環も含まれる。配位結合の定義は、『グラントとハックーの化学事典』、91ページに見いだすことができる。要するに、配位結合は、電子が豊富な原子(例えばOやN)が一対の電子を電子が欠乏した原子(例えばAlやB)に与えるときに形成される。
当業者であれば、特定の基が電子供与基であるか電子受容基であるかを十分に判断できよう。電子供与特性と電子受容特性の最も一般的な指標はハメットσ値である。水素はハメットσ値がゼロであるのに対し、電子供与基は負のハメットσ値を持ち、電子受容基は正のハメットσ値を持つ。『ランゲの化学ハンドブック』、第12版、マグロー・ヒル社、1979年、表3-12、3-134〜3-138ページ(参考としてこの明細書に組み込まれているものとする)に、一般的に遭遇する多数の基のハメットσ値が掲載されている。ハメットσ値は、フェニル環置換に基づいて割り当てられるが、電子供与基と電子受容基を定性的に選択するための実用的なガイドとなる。
適切な電子供与基の選択は、-R'、-OR'、-NR'(R")の中から行なうことができる。ただしR'は、炭素原子を6個まで含む炭化水素であり、R"は、水素またはR'である。電子供与基の具体例として、メチル、エチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-NHCH3、-N(C6H5)2、-N(CH3)(C6H5)、-NHC6H5などがある。
適切な電子受容基の選択は、シアノ置換基、α-ハロアルキル置換基、α-ハロアルコキシ置換基、アミド置換基、スルホニル置換基、カルボニル置換基、カルボニルオキシ置換基、オキシカルボニル置換基のうちで炭素原子を10個まで含むものの中から行なうことができる。具体例として、-CN、-F、-CF3、-OCF3、-CONHC6H5、-SO2C6H5、-COC6H5、-CO2C6H5、-OCOC6H5などがある。
特に断わらない限り、ある材料の“パーセンテージ”または“パーセント”という用語と“%”という記号は、層の中に存在する材料の体積パーセントを表わす。
本発明において有用な化合物として以下のものが挙げられる。
Figure 2009520354
Figure 2009520354
Figure 2009520354
Figure 2009520354
Figure 2009520354
デバイスの一般的な構造
本発明は、小分子材料、オリゴマー材料、ポリマー材料、またはこれらの組み合わせを用いた多くのOLEDデバイス構造で利用することができる。このような構造には、単一のアノードと単一のカソードを備える非常に単純な構造から、より複雑なデバイス(複数のアノードとカソードが直交アレイをなして画素を形成するパッシブ・マトリックス・ディスプレイや、各画素が例えば薄膜トランジスタ(TFT)で独立に制御されるアクティブ・マトリックス・ディスプレイ)までが含まれる。
本発明をうまく実現することのできる有機層の構造が多数ある。OLEDにとっての必須の条件は、アノードと、カソードと、アノードとカソードの間に位置する有機発光層とが存在していることである。追加の層を使用できるが、それについては後でさらに詳しく説明する。
小分子デバイスにとって特に有用な典型的な構造は図1に示したものであり、基板101と、アノード103と、正孔注入層105と、正孔輸送層107と、エキシトン阻止層108と、発光層109と、正孔阻止層またはエキシトン阻止層110と、電子輸送層111と、カソード113からなる。これらの層について以下に詳しく説明する。基板をカソードに隣接した位置にすることや、基板が実際にアノードまたはカソードを構成することも可能であることに注意されたい。アノードとカソードに挟まれた有機層を、便宜上、有機EL素子と呼ぶ。また、有機層を合計した厚さは、500nm未満であることが望ましい。
OLEDのアノードとカソードは、導電体160を通じて電圧/電流源150に接続されている。OLEDは、アノードとカソードの間に、アノードがカソードと比べて正の電位となるように電圧を印加することによって動作する。正孔はアノードから有機EL素子に注入され、電子はカソードから有機EL素子に注入される。ACモードではACサイクル中にポテンシャル・バイアスが逆転して電流が流れないわずかな期間があるため、OLEDをACモードで動作させるときにデバイスの安定性向上を実現できることがときにある。AC駆動のOLEDの一例が、アメリカ合衆国特許第5,552,678号に記載されている。
基板
本発明のOLEDデバイスは、支持用基板101の上に形成されて、カソードまたはアノードが基板と接触できるようになっているのが一般的である。基板は、複数の材料層を含む複合構造にすることができる。これは、TFTがOLED層の下に設けられているアクティブ・マトリックス基板で一般的である。それでも基板の少なくとも画素化された発光領域は、ほぼ透明な材料でできている必要がある。基板と接触する電極は、通常、底部電極と呼ばれる。底部電極はアノードであることが一般的だが、本発明がこの構成に限定されることはない。基板は、どの方向に光を出したいかに応じ、透過性または不透明にすることができる。透光特性は、基板を通してEL光を見る上で望ましい。その場合には、透明なガラスまたはプラスチックが一般に用いられる。EL光を上部電極を通じて見るような用途では、底部支持体の透過特性は、光透過性、光吸収性、光反射性のいずれでもよい。この場合に用いる基板としては、ガラス、プラスチック、半導体材料、シリコン、セラミック、回路板材料などがある。このような構成のデバイスでは、透光性のある上部電極を設ける必要がある。
アノード
望むエレクトロルミネッセンス光(EL)をアノードを通して見る場合には、アノード103は、興味の対象となる光に対して透明か、実質的に透明である必要がある。本発明で用いられる透明なアノード用の一般的な材料は、インジウム-スズ酸化物(ITO)、インジウム-亜鉛酸化物(IZO)、スズ酸化物だが、他の金属酸化物(例えばアルミニウムをドープした亜鉛酸化物、インジウムをドープした亜鉛酸化物、マグネシウム-インジウム酸化物、ニッケル-タングステン酸化物)も可能である。これら酸化物に加え、金属窒化物(例えば窒化ガリウム)、金属セレン化物(例えばセレン化亜鉛)、金属硫化物(例えば硫化亜鉛)をアノードとして用いることができる。EL光をカソードだけを通して見るような用途では、あらゆる導電性材料(透明なもの、不透明なもの、反射性のもの)を使用することができる。この用途での導電性材料の例としては、金、イリジウム、モリブデン、パラジウム、白金などがある。典型的なアノード用材料は、透光性であろうとそうでなかろうと、仕事関数が4.1eV以上である。望ましいアノード用材料は、一般に、適切な任意の手段(例えば蒸着、スパッタリング、化学蒸着、電気化学的手段)で堆積させる。アノードは、よく知られているフォトリソグラフィ法を利用してパターニングすることができる。場合によっては、アノードを研磨した後に他の層を付着させて表面の粗さを小さくすることで、短絡を最少にすること、または反射性を大きくすることができる。
正孔注入層(HIL)
正孔注入層105をアノードと正孔輸送層の間に設けることができる。正孔注入材料は、後に続く有機層の膜形成能力を向上させ、正孔を正孔輸送層に容易に注入できるようにする機能を持つ。正孔注入層で使用するのに適した材料としては、アメリカ合衆国特許第4,720,432号に記載されているポルフィリン化合物や、アメリカ合衆国特許第6,127,004号、第6,208,075号、第6,208,077号に記載されているプラズマ堆積させたフルオロカーボン・ポリマーや、いくつかの芳香族アミン(例えばMTDATA(4,4',4"-トリス[(3-メチルフェニル)フェニルアミノ]トリフェニルアミン))や、無機酸化物(例えばバナジウム酸化物(VOx)、モリブデン酸化物(MoOx)、ニッケル酸化物(NiOx))などがある。有機ELデバイスにおいて有用であることが報告されている別の正孔注入材料は、ヨーロッパ特許第0 891 121 A1号と第1 029 909 A1号に記載されている。
プラズマ堆積させたフルオロカーボン・ポリマーを含む正孔注入層の厚さは、0.2〜15nmの範囲が可能であり、0.3〜1.5nmの範囲であることが好ましい。
正孔輸送層(HTL)
正孔輸送層107がアノードと発光層の間に堆積されていると通常は有利である。アノードと発光層の間にある正孔輸送層に堆積される正孔輸送材料は、本発明による共同ホストとして使用される正孔輸送化合物または本発明によるエキシトン阻止層で使用される正孔輸送化合物と同じでも異なっていてもよい。正孔輸送層は、場合によっては正孔注入層を含むことができる。正孔輸送材料は、2種類以上の正孔輸送化合物を含むことができ、混合物として、または別々の層に分けて堆積される。
正孔輸送層は、少なくとも1種類の正孔輸送化合物(例えば芳香族第三級アミン)を含んでいる。芳香族第三級アミンは、炭素原子(そのうちの少なくとも1つは芳香族環のメンバーである)だけに結合する少なくとも1つの3価窒素原子を含んでいる化合物であると理解されている。芳香族第三級アミンの1つの形態は、アリールアミン(例えばモノアリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ポリマー・アリールアミン)である。モノマー・トリアリールアミンの例は、Klupfelらによってアメリカ合衆国特許第3,180,730号に示されている。1個以上のビニル基で置換された他の適切なトリアリールアミン、および/または少なくとも1つの活性な水素含有基を含む他の適切なトリアリールアミンは、Brantleyらによってアメリカ合衆国特許第3,567,450号と第3,658,520号に開示されている。
芳香族第三級アミンのより好ましい1つのクラスは、アメリカ合衆国特許第4,720,432号と第5,061,569号に記載されているように、少なくとも2つの芳香族第三級アミン部分を含むものである。そのような化合物として、構造式(HT1):
Figure 2009520354
で表わされるものがある。ただし、
Q1とQ2は、独立に選択された芳香族第三級アミン部分であり、Gは、炭素-炭素結合の結合基(例えば、アリーレン基、シクロアルキレン基、アルキレン基など)である。一実施態様では、Q1とQ2の少なくとも一方は、多環式縮合環構造(例えばナフタレン)を含んでいる。Gがアリール基である場合には、Q1とQ2の少なくとも一方は、フェニレン部分、ビフェニレン部分、ナフタレン部分のいずれかであることが好ましい。
構造式(HT1)に合致するとともに2つのトリアリールアミン部分を含むトリアリールアミンの有用な1つのクラスは、構造式(HT2):
Figure 2009520354
で表わされる。ただし
R1とR2は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキル基のいずれかを表わすか、R1とR2は、合わさって、シクロアルキル基を完成させる原子を表わし;
R3とR4は、それぞれ独立にアリール基を表わし、そのアリール基は、構造式(HT3):
Figure 2009520354
に示したように、ジアリール置換されたアミノ基によって置換されている。ただし、
R5とR6は、独立に選択されたアリール基である。一実施態様では、R5とR6のうちの少なくとも一方は、多環式縮合環構造(例えばナフタレン)を含んでいる。
芳香族第三級アミン基の別のクラスは、テトラアリールジアミンである。望ましいテトラアリールジアミンとして、構造式(HT3)に示したように、アリーレン基を通じて結合した2つのジアリールアミノ基が挙げられる。有用なテトラアリールジアミン基として、一般式(HT4):
Figure 2009520354
で表わされるものがある。ただし、
それぞれのAreは、独立に選択されたアリーレン基(例えばフェニレン部分またはアントラセン部分)であり;
nは1〜4の整数であり;
R1、R2、R3、R4は、独立に選択されたアリール基である。
典型的な一実施態様では、R1、R2、R3、R4のうちの少なくとも1つは多環式縮合環構造(例えばナフタレン)である。
上記の構造式(HT1)、(HT2)、(HT3)、(HT4)のさまざまなアルキル部分、アルキレン部分、アリール部分、アリーレン部分は、それぞれ、置換されていてもよい。典型的な置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン化物(例えばフッ化物、塩化物、臭化物)などがある。さまざまなアルキル部分とアルキレン部分は、一般に、1〜6個の炭素原子を含んでいる。シクロアルキル部分は、3〜10個の炭素原子を含むことができるが、一般には5個、または6個、または7個の炭素原子を含んでいる(例えばシクロペンチル環構造、シクロヘキシル環構造、シクロヘプチル環構造)。アリール部分とアリーレン部分は、通常は、フェニル部分とフェニレン部分である。
正孔輸送層は、単一の第三級アミン化合物で形成すること、またはそのような化合物の混合物で形成することができる。特に、トリアリールアミン(例えば構造式(HT2)を満たすトリアリールアミン)をテトラアリールジアミン(例えば構造式(HT4)に示したもの)と組み合わせて使用することができる。有用な芳香族第三級アミンの代表例としては、以下のものがある。
1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロヘキサン(TAPC);
1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン;
N,N,N',N'-テトラフェニル-4,4"'-ジアミノ-1,1':4',1":4",1"'-クアテルフェニル;
ビス(4-ジメチルアミノ-2-メチルフェニル)フェニルメタン;
1,4-ビス[2-[4-[N,N-ジ(p-トリル)アミノ]フェニル]ビニル]ベンゼン(BDTAPVB);
N,N,N',N'-テトラ-p-トリル-4,4'-ジアミノビフェニル;
N,N,N',N'-テトラフェニル-4,4'-ジアミノビフェニル;
N,N,N',N'-テトラ-1-ナフチル-4,4'-ジアミノビフェニル;
N,N,N',N'-テトラ-2-ナフチル-4,4'-ジアミノビフェニル;
N-フェニルカルバゾール;
4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(NPB);
4,4'-ビス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(TPD);
4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-(2-ナフチル)アミノ]ビフェニル(TNB);
4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]p-テルフェニル;
4,4'-ビス[N-(2-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル;
4,4'-ビス[N-(3-アセナフテニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル;
1,5-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ナフタレン;
4,4'-ビス[N-(9-アントリル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル;
4,4'-ビス[N-(1-アントリル)-N-フェニルアミノ]-p-テルフェニル;
4,4'-ビス[N-(2-フェナントリル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル;
4,4'-ビス[N-(8-フルオランテニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル;
4,4'-ビス[N-(2-ピレニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル;
4,4'-ビス[N-(2-ナフタセニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル;
4,4'-ビス[N-(2-ペリレニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル;
4,4'-ビス[N-(1-コロネニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル;
2,6-ビス(ジ-p-トリルアミノ)ナフタレン;
2,6-ビス[ジ-(1-ナフチル)アミノ]ナフタレン;
2,6-ビス[N-(1-ナフチル)-N-(2-ナフチル)アミノ]ナフタレン;
N,N,N',N'-テトラ(2-ナフチル)-4,4"-ジアミノ-p-テルフェニル;
4,4'-ビス{N-フェニル-N-[4-(1-ナフチル)-フェニル]アミノ}ビフェニル;
2,6-ビス[N,N-ジ(2-ナフチル)アミノ]フルオレン;
4,4',4"-トリス[(3-メチルフェニル)フェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATA);
N,N-ビス[2,5-ジメチル-4-[(3-メチルフェニル)フェニルアミノ]フェニル]-2,5-ジメチル-N'-(3-メチルフェニル)-N'-フェニル-1,4-ベンゼンジアミン;
4-(9H-カルバゾル-9-イル)-N,N-ビス[4-(9H-カルバゾル-9-イル)フェニル]-ベンゼンアミン(TCTA);
4-(3-フェニル-9H-カルバゾル-9-イル)-N,N-ビス[4-(3-フェニル-9H-カルバゾル-9-イル)フェニル]-ベンゼンアミン;
9,9'-(2,2'-ジメチル[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイル)ビス-9H-カルバゾール(CDBP);
9,9'-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイルビス-9H-カルバゾール(CBP);
9,9'-(1,3-フェニレン)ビス-9H-カルバゾール(mCP);
9-[4-(9H-カルバゾル-9-イル)フェニル]-N,N-ジフェニル-9H-カルバゾル-3-アミン;
9,9'-(1,4-フェニレン)ビス[N,N-ジフェニル-9H-カルバゾル-3-アミン];
9-[4-(9H-カルバゾル-9-イル)フェニル]-N,N,N',N'-テトラフェニル-9H-カルバゾル-3,6-ジアミン。
有用な正孔輸送材料の別のクラスとして、ヨーロッパ特許第1 009 041号に記載されている多環式芳香族化合物がある。ヨーロッパ特許第0 891 121A1号と第1 029 909A1号に記載されているいくつかの正孔注入材料も有用な正孔輸送材料になりうる。さらに、ポリマー正孔輸送材料を使用することができる。それは、例えば、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、コポリマー(例えばポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PEDOT/PSSとも呼ばれる))などである。
エキシトン阻止層
本発明のOLEDデバイスは、三重項エキシトンを発光層の中に限定しやすくするため、発光層109のアノード側に隣接して配置された1つ以上のエキシトン阻止層108(図1)を備えることができる。エキシトン阻止層が三重項エキシトンの存在範囲を限定できるためには、この層の材料の三重項エネルギーがリン光発光体の三重項エネルギーよりも大きくなければならない。発光層に隣接した層に含まれるあらゆる材料の三重項エネルギー・レベルがリン光発光体の三重項エネルギー・レベルよりも低い場合には、その材料は発光層の中で励起状態をクエンチすることがしばしばあるため、デバイスの発光効率が低下する。好ましい一実施態様では、エキシトン阻止層は、電子が発光層から逃げ出してエキシトン阻止層の中に入るのを阻止することにより、電子-正孔再結合イベントを発光層の中に限定しやすくする機能も持つ。エキシトン阻止層がこの電子阻止特性を持つためには、この層の材料の最低空軌道(LUMO)エネルギーが、発光層のホスト材料のLUMOエネルギーよりも少なくとも0.2eV大きい必要がある。ホストが複数のホスト材料の混合物を含んでいる一実施態様では、その好ましい電子阻止特性を持つためには、エキシトン阻止層のLUMOエネルギー・レベルは、最低LUMOエネルギー・レベルを持つホスト材料のLUMOエネルギー・レベルよりも少なくとも0.2eV大きい必要がある。
材料の最高被占軌道(HOMO)とLUMOの相対的なエネルギー・レベルは、従来技術で知られているいくつかの方法で推定することができる。2つの材料のエネルギー・レベルを比較するとき、それぞれについて同じ方法で得られた推定エネルギー・レベルを用いることが重要である。HOMOエネルギー・レベルを推定する2つの方法として、紫外線光電子分光によって材料のイオン化電位を測定する方法と、サイクリック・ボルタンメトリーなどの電気化学的手段によって酸化電位を測定する方法がある。するとLUMOエネルギー・レベルは、以前に決定されたHOMOエネルギー・レベルに光学的バンド・ギャップ・エネルギーを加えることによって推定できる。光学的バンド・ギャップは、LUMOとHOMOの間のエネルギー差と考えられる。材料の相対的LUMOエネルギー・レベルは、サイクリック・ボルタンメトリーなどの電気化学的手段によって溶液中で測定した材料の還元電位から推定することもできる。
われわれは、選択されたエキシトン阻止材料の三重項エネルギーが2.5eV以上だと、発光層にリン光発光体を用いたOLEDデバイスの輝度収率と電力効率を、特に緑色リン光発光体または青色リン光発光体の場合に著しく改善できることを見いだした。
エキシトン阻止層は厚さが1〜500nmであることが多くあり、10〜300nmの厚さが好ましい。この範囲の厚さは製造中に比較的制御しやすい。エキシトン阻止層108は、大きな三重項エネルギーを持つことに加え、正孔を発光層109に移動させることができねばならない。エキシトン阻止層108は、単独で使用すること、または正孔輸送層107とともに使用することができる。エキシトン阻止層は、2種類以上の化合物を、混合物として堆積された状態で、または別々の層に分割された状態で含むことができる。正孔輸送化合物をホストまたは共同ホストとして用いる一実施態様では、アノードと発光層の間にあるエキシトン阻止層に堆積される正孔輸送材料は、ホストまたは共同ホストとして用いる正孔輸送化合物と同じでも異なっていてもよい。エキシトン阻止材料は、1つ以上のトリアリールアミン基を有する化合物を含むことができる。ただし、その化合物の三重項エネルギーはリン光材料の三重項エネルギーよりも大きくなければならない。好ましい一実施態様では、三重項エネルギーは2.5eV以上である。好ましい実施態様のための2.5eV以上という三重項エネルギーの条件を満たすには、その化合物が縮合芳香族炭化水素環(例えばナフタレン基)を含んでいてはならない。
本発明でエキシトン阻止材料として機能する置換されたトリアリールアミンは、化学式(EBF-1)を持つ化合物の中から選択することができる。
Figure 2009520354
一般式(EBF-1)において、Areは、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基の中から独立に選択され;
R1〜R4は独立に選択されたアリール基であり;
nは1〜4の整数である。
好ましい一実施態様では、AreとR1〜R4は縮合芳香族炭化水素環を含んでいない。
エキシトン阻止層108において有用な材料の例として、以下のものが挙げられる。
2,2'-ジメチル-N,N,N',N'-テトラキス(4-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン;
4,4',4"-トリス[(3-メチルフェニル)フェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATA);
4,4',4"-トリス(N,N-ジフェニル-アミノ)トリフェニルアミン(TDATA);
N,N-ビス[2,5-ジメチル-4-[(3-メチルフェニル)フェニルアミノ]フェニル]-2,5-ジメチル-N'-(3-メチルフェニル)-N'-フェニル-1,4-ベンゼンジアミン。
望ましい一実施態様では、エキシトン阻止層の材料は一般式(EBF-2)の中から選択される。
Figure 2009520354
一般式(EBF-2)において、R1とR2は置換基を表わしており、R1とR2が合わさって環を形成することができる。例えばR1とR2はメチル基であること、または合わさってシクロヘキシル環を形成することができる。Ar1〜Ar4は、独立に選択された芳香族基(例えばフェニル基またはトリル基)を表わす。R3〜R10は、独立に、水素、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基を表わす。望ましい一実施態様では、R1〜R2、Ar1〜Ar4、R3〜R10は、縮合芳香族環を含んでいない。
そのような材料の例として以下のものが挙げられるが、これですべてではない。
1,1-ビス(4-(N,N-ジ-p-トリルアミノ)フェニル)シクロヘキサン(TAPC);
1,1-ビス(4-(N,N-ジ-p-トリルアミノ)フェニル)シクロペンタン;
4,4'-(9H-フルオレン-9-イリデン)ビス[N,N-ビス(4-メチルフェニル)-ベンゼンアミン];
1,1-ビス(4-(N,N-ジ-p-トリルアミノ)フェニル)-4-フェニルシクロヘキサン;
1,1-ビス(4-(N,N-ジ-p-トリルアミノ)フェニル)-4-メチルシクロヘキサン;
1,1-ビス(4-(N,N-ジ-p-トリルアミノ)フェニル)-3-フェニルプロパン;
ビス[4-(N,N-ジエチルアミノ)-2-メチルフェニル](4-メチルフェニル)メタン;
ビス[4-(N,N-ジエチルアミノ)-2-メチルフェニル](4-メチルフェニル)エタン;
4-(4-ジエチルアミノフェニル)トリフェニルメタン;
4,4'-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)ジフェニルメタン。
好ましい一実施態様では、エキシトン阻止材料は、一般式(EBF-3)の材料:
Figure 2009520354
を含んでいる。ただし、nは1〜4の整数であり;
Qは、N、C、アリール基、置換されたアリール基のいずれかであり;
R1は、フェニル、置換されたフェニル、ビフェニル、置換されたビフェニル、アリール、置換されたアリールのいずれかであり;
R2〜R7は、独立に、水素、アルキル、フェニル、置換されたフェニル、アリールアミン、カルバゾール、置換されたカルバゾールのいずれかであり;R2〜R7は、縮合芳香族炭素環基を含んでいない。
そのような材料の例として以下のものが挙げられるが、これですべてではない。
4-(9H-カルバゾル-9-イル)-N,N-ビス[4-(9H-カルバゾル-9-イル)フェニル]-ベンゼンアミン(TCTA);
4-(3-フェニル-9H-カルバゾル-9-イル)-N,N-ビス[4(3-フェニル-9H-カルバゾル-9-イル)フェニル]-ベンゼンアミン;
9,9'-[5'-[4-(9H-カルバゾル-9-イル)フェニル][1,1':3',1"-テルフェニル]-4,4"-ジイル]ビス-9H-カルバゾール。
好ましい一実施態様では、エキシトン阻止材料は、一般式(EBF-4)の材料:
Figure 2009520354
を含んでいる。ただし、nは1〜4の整数であり;
Qは、フェニル、置換されたフェニル、ビフェニル、置換されたビフェニル、アリール、置換されたアリールのいずれかであり;
R1〜R6は、独立に、水素、アルキル、フェニル、置換されたフェニル、アリールアミン、カルバゾール、置換されたカルバゾールのいずれかであり;
R1〜R6は、縮合芳香族炭素環基を含んでいない。
そのような材料の例として以下のものが挙げられるが、これですべてではない。
9,9'-(2,2'-ジメチル[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイル)ビス-9H-カルバゾール(CDBP);
9,9'-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイルビス-9H-カルバゾール(CBP);
9,9'-(1,3-フェニレン)ビス-9H-カルバゾール(mCP);
9,9'-(1,4-フェニレン)ビス-9H-カルバゾール;
9,9',9"-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス-9H-カルバゾール;
9,9'-(1,4-フェニレン)ビス-[N,N,N',N'-テトラフェニル-9H-カルバゾール-3,6-ジアミン];
9-[4-(9H-カルバゾル-9-イル)フェニル]-N,N-ジフェニル-9H-カルバゾル-3-アミン;
9,9'-(1,4-フェニレン)ビス-[N,N-ジフェニル-9H-カルバゾル-3-アミン];
9-[4-(9H-カルバゾル-9-イル)フェニル]-N,N,N',N'-テトラフェニル-9H-カルバゾール-3,6-ジアミン;
9-フェニル-9H-カルバゾール。
金属錯体も、望ましい三重項エネルギーと正孔輸送特性と電子阻止特性を持つのであれば、エキシトン阻止層として機能することができる。その一例が、アメリカ合衆国特許出願公開2003/0175553に記載されているfac-トリス(1-フェニルピラゾラト-N,C2')イリジウム(III)(Ir(ppz)3)である。
発光層(LEL)
OLEDデバイスの発光層は、1種類以上のホスト材料と、発光する1種類以上のゲスト材料とを含んでいることが好ましい。ゲスト材料のうちの少なくとも1つは、蛍光材料またはリン光材料であることが好ましい。発光ゲスト材料は、通常はホスト材料よりも少ない量が存在していて、一般にホスト材料の20質量%までの量が存在しているが、より一般にはホストの0.1〜10質量%である。便宜上、発光ゲスト材料を発光ドーパントと呼ぶことができる。リン光ゲスト材料は、この明細書ではリン光材料またはリン光ドーパントと呼ぶことができる。リン光材料は分子量が小さな化合物であることが好ましいが、オリゴマーまたはポリマーであってもよい。リン光材料は、ホスト材料の中に分散された離散した材料として提供すること、またはホスト材料と何らかの方法で結合させる(例えばポリマーであるホストに共有結合させる)ことができる。
蛍光材料をリン光材料と同じ層で、または隣接した層で、または隣接した画素で、またはこれらの任意の組み合わせで使用することができる。本発明のリン光材料の性能に悪影響を与えない材料を選択するよう注意せねばならない。当業者であれば、リン光材料と同じ層または隣接した層に含まれる材料の濃度と三重項エネルギーは、リン光の望まないクエンチングが起こらないようにほぼ設定する必要があることが理解できよう。
リン光材料のためのホスト材料
適切なホスト材料は、三重項エネルギー(ホストの三重項最低励起状態と一重項基底状態のエネルギー差)がリン光発光体の三重項エネルギー以上である。三重項エキシトンがリン光発光体分子に移動し、リン光発光体分子上で直接形成されたあらゆる三重項エキシトンが発光までそのままに留まるようにするのに、このエネルギー・レベル状態が必要とされる。しかしC. AdachiらによってAppl. Phys. Lett.、第79巻、2082〜2084ページ、2001年に報告されているように、ホスト材料の三重項エネルギーがリン光発光体の三重項エネルギーよりも低いデバイスからでも効率的な発光が可能な場合がある。三重項エネルギーは、例えばS.L. Murov、I. Carmichael、G.L. Hug、『光化学のハンドブック』、第2版(マルセル・デッカー社、ニューヨーク、1993年)に記載されているように、いくつかある手段のうちの任意の手段で容易に測定される。
実験データがない場合、三重項エネルギーは以下のようにして推定できる。ある分子の三重項状態のエネルギーは、その分子の基底状態のエネルギー(E(gs))と、その分子の最低三重項状態のエネルギー(E(ts))の差として定義される(どちらも単位はeV)。これらのエネルギーは、ガウシャン98(ガウシャン社、ピッツバーグ、ペンシルヴェニア州)コンピュータ・プログラムに含まれているB3LYP法を利用して計算できる。B3LYP法で使用される基本セットは、以下のように定義される。すなわち、MIDI!(MIDI!が定義されているすべての原子に対して用いる)と、6-31G*(6-31G*で定義されているが、MIDI!では定義されていないすべての原子に対して用いる)と、LACV3PまたはLANL2DZという基本セットと擬ポテンシャル(MIDI!または6-31G*で定義されていない原子に対して用いられ、LACV3Pのほうが好ましい)である。残るすべての原子に関しては、公開されている任意の基本セットと擬ポテンシャルを用いることができる。MIDI!、6-31G*、LANL2DZは、ガウシャン98コンピュータ・コードに含まれているものが用いられ、LACV3Pは、Jaguar4.1(シュレーディンガー社、ポートランド、オレゴン州)コンピュータ・コードに含まれているものが用いられる。各状態のエネルギーは、その状態の最小エネルギー構造に関して計算される。2つの状態のエネルギー差は(式1)によってさらに変更されて、三重項状態のエネルギー(E(t))が得られる。
E(t) = 0.84×(E(ts) - E(gs)) + 0.35 (式1)
ポリマー材料またはオリゴマー材料では、十分なサイズの1つのモノマーまたはオリゴマーで三重項エネルギーを計算すれば十分であり、追加のユニットが材料の三重項エネルギーの計算値を実質的に変化させることはない。
望ましいホスト材料は連続膜を形成することができる。発光層は、デバイスの膜の形状、電気的特性、発光効率、動作寿命を改善するために2種類以上のホスト材料を含むことができる。適切なホスト材料は、WO 00/70655、WO 01/39234、WO 01/93642、WO 02/074015、WO 02/15645、アメリカ合衆国特許出願公開2002/0117662に記載されている。
三重項ホスト材料のタイプは、その電荷輸送特性に従って分類することができる。2つの主要なタイプは、電子輸送が優勢なタイプと、正孔輸送が優勢なタイプである。1つのタイプの電荷を優勢に輸送すると分類できるいくつかのホスト材料は、特にある種のデバイス構造では両方のタイプの電荷を輸送できることに注意されたい。それは例えばCBPであり、C. Adachi、R. Kwong、S.R. Forrest、Organic Electronics、第2巻、37〜43ページに記載されている。別のタイプのホストは、HOMOとLUMOのエネルギー・ギャップが大きいためにどちらのタイプの電荷も容易に輸送することはなく、リン光ドーパント分子への電荷の直接注入に頼るホストである。
望ましい電子輸送ホストは、その三重項エネルギーが使用するリン光発光体の三重項エネルギーよりも大きい適切な任意の電子輸送化合物(例えばベンズアゾール、フェナントロリン、1,3,4-オキサジアゾール、トリアゾール、トリアジン、トリアリールボラン)である。
ベンズアゾールの好ましい1つのクラスが、Jianmin Shiらによってアメリカ合衆国特許第5,645,948号と第5,766,779号に記載されている。このような化合物は、構造式(PHF-1)で表わされる。
Figure 2009520354
構造式(PHF-1)において、nは2〜8の中から選択され;
Zは、独立に、O、NR、Sのいずれかであり;
RとR'は、個別に、水素;炭素原子が1〜24個のアルキル(例えばプロピル、t-ブチル、ヘプチルなど);アリール、またはヘテロ原子で置換されたアリールで炭素原子が5〜20個のもの(例えばフェニル、ナフチル、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニルや、他の複素環系);ハロ(例えばクロロ、フルオロ);縮合芳香族環を完成させるのに必要な原子のいずれかであり;
Xは、炭素、アルキル、アリール、置換されたアルキル、置換されたアリールのいずれかからなる結合単位であり、複数のベンズアゾールを互いに共役または非共役に結合させる。
有用なベンズアゾールの一例は、以下の一般式(PHF-2)で表わされる2,2',2"-(1,3,5-フェニレン)トリス[1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール](TPBI)である。
Figure 2009520354
ホストとして用いるのに適した電子輸送材料の別のクラスとして、一般式(PHF-3)で表わされる置換されたさまざまなフェナントロリンがある。
Figure 2009520354
一般式(PHF-3)において、R1〜R8は、独立に、水素、アルキル基、アリール基、置換されたアリール基のいずれかであり、R1〜R8のうちの少なくとも1つは、アリール基または置換されたアリール基である。
適切な材料の例は、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-フェナントロリン(BCP)(一般式(PH-1)参照)と4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)(一般式(PH-2)参照)である。
Figure 2009520354
電子輸送ホストとして機能するトリアリールボランは、化学式(PHF-4)を持つ化合物:
Figure 2009520354
の中から選択することができる。ただし、Ar1〜Ar3は、独立に、芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基であり、これらの基には1個以上の置換基が含まれていてもよい。上記の構造を持つ化合物は、一般式(PHF-5):
Figure 2009520354
の中から選択することが好ましい。ただし、R1〜R15は、独立に、水素、フルオロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、スルホニル基、アルキル基、アリール基、置換されたアリール基のいずれかである。
トリアリールボランの代表例として以下のものが挙げられる。
Figure 2009520354
電子輸送ホストは、置換された1,3,4-オキサジアゾールの中から選択することができる。置換された有用なオキサジアゾールの代表例は以下のものである。
Figure 2009520354
電子輸送ホストは、置換された1,2,4-トリアゾールの中から選択することができる。有用なトリアゾールの一例は、一般式(PHF-6)で表わされる3-フェニル-4-(1-ナフチル)-5-フェニル-1,2,4-トリアゾールである。
Figure 2009520354
電子輸送ホストは、置換された1,3,5-トリアジンの中から選択することができる。適切な材料の例は、以下のものである。
2,4,6-トリス(ジフェニルアミノ)-1,3,5-トリアジン;
2,4,6-トリカルバゾロ-1,3,5-トリアジン;
2,4,6-トリス(N-フェニル-2-ナフチルアミノ)-1,3,5-トリアジン;
2,4,6-トリス(N-フェニル-1-ナフチルアミノ)-1,3,5-トリアジン;
4,4',6,6'-テトラフェニル-2,2'-ビ-1,3,5-トリアジン;
2,4,6-トリス([1,1':3',1"-テルフェニル]-5'-イル)-1,3,5-トリアジン。
一実施態様では、適切なホスト材料はアルミニウム錯体またはガリウム錯体である。特に有用なホスト材料は、一般式(PHF-7)で表わされる。
Figure 2009520354
一般式(PHF-7)では、M1はAlまたはGaを表わす。R2〜R7は、水素または独立に選択された置換基を表わす。R2は電子供与基(例えばメチル基)を表わすことが望ましい。R3とR4は、それぞれ独立に、水素または電子供与置換基を表わすことが好ましい。R5、R6、R7は、それぞれ独立に、水素または電子受容基を表わすことが好ましい。R2〜R7の隣り合った置換基は合わさって環基を形成することができる。Lは、酸素によってアルミニウムと結合した芳香族部分であり、置換基で置換されていてもよい(例えばLは6〜30個の炭素原子を持つ)。一般式(PHF-7)の材料の代表例を以下に示す。
Figure 2009520354
Figure 2009520354
望ましい正孔輸送ホストは、三重項エネルギーが使用するリン光発光体の三重項エネルギーよりも大きい適切な任意の正孔輸送化合物(例えばトリアリールアミンやカルバゾール)である。ホストとして使用する正孔輸送化合物の適切な1つのクラスは、芳香族第三級アミンである。芳香族第三級アミンは、炭素原子(そのうちの少なくとも1つは芳香族環のメンバーである)だけに結合する少なくとも1つの3価窒素原子を含んでいる化合物であると理解されている。芳香族第三級アミンの1つの形態は、アリールアミン(例えばモノアリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ポリマー・アリールアミン)である。モノマー・トリアリールアミンの例は、Klupfelらによってアメリカ合衆国特許第3,180,730号に示されている。1個以上のビニル基で置換された他の適切なトリアリールアミン、および/または少なくとも1つの活性な水素含有基を含む他の適切なトリアリールアミンは、Brantleyらによってアメリカ合衆国特許第3,567,450号と第3,658,520号に開示されている。
芳香族第三級アミンのより好ましい1つのクラスは、アメリカ合衆国特許第4,720,432号と第5,061,569号に記載されているように、少なくとも2つの芳香族第三級アミン部分を含むものである(例えばテトラアリールジアミン)。望ましいテトラアリールジアミンは、一般式(PHF-8):
Figure 2009520354
で表わされるように、2つのジアリールアミノ基を含んでいる。ただし、それぞれのAreは、独立に選択されたアリーレン基(例えばフェニレン部分またはアントラセン部分)であり;
nは1〜4の中から選択され;
R1〜R4は、独立に選択されたアリール基である。
典型的な一実施態様では、R1〜R4のうちの少なくとも1つは多環式縮合環構造(例えばナフタレン)である。しかしドーパントの発光が青色または緑色であるときには、アリールアミン・ホスト材料が多環式縮合環置換基を持つことはあまり好ましくない。
有用な化合物の代表例として以下のものがある。
4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(NPB);
4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-(2-ナフチル)アミノ]ビフェニル(TNB);
4,4'-ビス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(TPD);
4,4'-ビス-ジフェニルアミノ-テルフェニル;
2,6,2',6'-テトラメチル-N,N,N',N'-テトラフェニル-ベンジジン;
4,4',4"-トリス[(3-メチルフェニル)フェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATA);
4,4',4"-トリス(N,N-ジフェニル-アミノ)トリフェニルアミン(TDATA);
N,N-ビス[2,5-ジメチル-4-[(3-メチルフェニル)フェニルアミノ]フェニル]-2,5-ジメチル-N'-(3-メチルフェニル)-N'-フェニル-1,4-ベンゼンジアミン。
望ましい一実施態様では、正孔輸送ホストは、一般式(PHF-9)の材料を含んでいる。
Figure 2009520354
一般式(PHF-9)において、R1とR2は置換基を表わし、R1とR2は合わさって環を形成することができ(例えばR1とR2は、メチル基にすること、または合わさってシクロヘキシル環を形成することができる);
Ar1〜Ar4は、独立に選択された芳香族環を表わし(例えばフェニル基またはトリル基);
R3〜R10は、独立に、水素、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基を表わす。
適切な材料の例として以下のものが挙げられるが、これですべてではない。
1,1-ビス(4-(N,N-ジ-p-トリルアミノ)フェニル)シクロヘキサン(TAPC);
1,1-ビス(4-(N,N-ジ-p-トリルアミノ)フェニル)シクロペンタン;
4,4'-(9H-フルオレン-9-イリデン)ビス[N,N-ビス(4-メチルフェニル)-ベンゼンアミン];
1,1-ビス(4-(N,N-ジ-p-トリルアミノ)フェニル)-4-フェニルシクロヘキサン;
1,1-ビス(4-(N,N-ジ-p-トリルアミノ)フェニル)-4-メチルシクロヘキサン;
1,1-ビス(4-(N,N-ジ-p-トリルアミノ)フェニル)-3-フェニルプロパン;
ビス[4-(N,N-ジエチルアミノ)-2-メチルフェニル](4-メチルフェニル)メタン;
ビス[4-(N,N-ジエチルアミノ)-2-メチルフェニル](4-メチルフェニル)エタン;
4-(4-ジエチルアミノフェニル)トリフェニルメタン;
4,4'-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)ジフェニルメタン。
正孔輸送ホストで用いるのに役立つ化合物の1つのクラスには、一般式(PHF-10)で表わされるカルバゾール誘導体が含まれる。
Figure 2009520354
一般式(PHF-10)において、Qは、独立に、窒素、炭素、ケイ素、置換されたケイ素基、アリール基、置換されたアリール基のいずれかを表わすが、フェニル基が好ましく;
R1は、アリール基または置換されたアリール基であることが好ましく、フェニル基、置換されたフェニル基、ビフェニル基、置換されたビフェニル基であることがより好ましく;
R2〜R7は、独立に、水素、アルキル基、フェニル基、置換されたフェニル基、アリールアミン、カルバゾール、置換されたカルバゾールのいずれかであり;
nは1〜4の中から選択される。
置換された有用なカルバゾールの代表例は以下のものである。
4-(9H-カルバゾル-9-イル)-N,N-ビス[4-(9H-カルバゾル-9-イル)フェニル]-ベンゼンアミン(TCTA);
4-(3-フェニル-9H-カルバゾル-9-イル)-N,N-ビス[4-(3-フェニル-9H-カルバゾル-9-イル)フェニル]-ベンゼンアミン;
9,9'-[5'-[4-(9H-カルバゾル-9-イル)フェニル][1,1':3',1"-テルフェニル]-4,4"-ジイル]ビス-9H-カルバゾール;
3,5-ビス(9-カルバゾリル)テトラフェニルシラン(SimCP)。
好ましい一実施態様では、正孔輸送ホストは一般式(PHF-11)の材料を含んでいる。
Figure 2009520354
一般式(PHF-11)において、nは1〜4の中から選択され;
Qは、独立に、フェニル基、置換されたフェニル基、ビフェニル基、置換されたビフェニル基、アリール基、置換されたアリール基のいずれかを表わし;
R1〜R6は、独立に、水素、アルキル、フェニル、置換されたフェニル、アリールアミン、カルバゾール、置換されたカルバゾールのいずれかである。
適切な材料の例は以下のものである。
9,9'-(2,2'-ジメチル[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイル)ビス-9H-カルバゾール(CDBP);
9,9'-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイルビス-9H-カルバゾール(CBP);
9,9'-(1,3-フェニレン)ビス-9H-カルバゾール(mCP);
9,9'-(1,4-フェニレン)ビス-9H-カルバゾール;
9,9',9"-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス-9H-カルバゾール;
9,9'-(1,4-フェニレン)ビス[N,N,N',N'-テトラフェニル-9H-カルバゾール-3,6-ジアミン];
9-[4-(9H-カルバゾル-9-イル)フェニル]-N,N-ジフェニル-9H-カルバゾル-3-アミン;
9,9'-(1,4-フェニレン)ビス[N,N-ジフェニル-9H-カルバゾル-3-アミン];
9-[4-(9H-カルバゾル-9-イル)フェニル]-N,N,N',N'-テトラフェニル-9H-カルバゾール-3,6-ジアミン。
単独のホスト材料として用いる場合には、電子または正孔を輸送するホスト材料のうちでいくらか電子輸送特性を有するもの(例えばカルバゾール)が一般に望ましい。これは特に、正孔をトラップするか注入された正孔を受け入れることのできる典型的なリン光ドーパントに当てはまる。主に正孔を輸送していて電子輸送特性がほとんどないホスト材料(例えばトリアリールアミン)はそれほど好ましくない。後者の正孔輸送ホストに電子を注入することは、LUMOエネルギーが比較的大きいため難しい可能性がある。
ホスト材料は、2種類以上のホスト材料の混合物を含むことができる。特に有用なのは、電子輸送共同ホストと正孔輸送共同ホストをそれぞれ少なくとも1つ含む混合物である。正孔輸送共同ホストの最適な濃度は実験によって決定することができ、発光層に含まれる正孔輸送共同ホスト材料と電子輸送共同ホスト材料の合計の10〜60質量%の範囲が可能である。この範囲は、15〜30質量%であることがしばしば見られる。さらに、電子輸送分子と正孔輸送分子が互いに共有結合し、電子輸送特性と正孔輸送特性の両方を持つ単独のホスト分子を形成できることに注意されたい。
エネルギー・ギャップが大きいホスト材料としては、HOMO-LUMOギャップが大きくてリン光発光材料のHOMOとLUMOがホストのHOMOとLUMOの範囲内にある適切な任意の化合物が可能である。この場合、リン光発光材料は、電子と正孔の両方にとっての主要な電荷キャリアとして機能するとともに、エキシトンをトラップするための部位としても機能する。エネルギー・ギャップが大きいホストとともに使用されるリン光ドーパントは、電子の注入を容易にするため電子求引置換基を持つように選択されることがしばしばある。“エネルギー・ギャップが大きい”ホスト材料は、系内で電荷を運ばない材料として機能する。このような組み合わせによってデバイスの動作電圧が大きくなる可能性がある。なぜなら電荷を運ぶドーパントの濃度は一般に発光層内で10%未満だからである。
Thompsonらは、アメリカ合衆国特許出願公開2004/0209115と2004/0209116において、エネルギー・ギャップが大きくて青色リン光OLEDに適した三重項エネルギーを持つ一群のホストを開示している。そのような化合物として、構造式(PHF-12):
Figure 2009520354
で表わされる化合物がある。ただし、
XはSiまたはPbであり、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4は、それぞれ、フェニルと、三重項エネルギーが大きい複素環基(例えばピリジン、ピラゾール、チオフェンなど)の中から独立に選択された芳香族基である。これらの材料では芳香族ユニットが電子的に孤立していて共役置換基が欠けているためにHOMO-LUMOギャップが大きいと考えられている。
このタイプのホストの代表例として以下のものが挙げられる。
Figure 2009520354
リン光材料
リン光材料は、単独で、または他のリン光材料と組み合わせ、同じ層または異なる層で使用することができる。他のいくつかのリン光材料が記載されているのは、WO 00/57676、WO 00/70655、WO 01/41512、WO 02/15645、アメリカ合衆国特許出願公開2003/0017361、WO 01/93642、WO 01/39234、アメリカ合衆国特許第6,458,475号、WO 02/071813、アメリカ合衆国特許第6,573,651号、アメリカ合衆国特許出願公開2002/0197511、WO 02/074015、アメリカ合衆国特許第6,451,455号、アメリカ合衆国特許出願公開2003/0072964、2003/0068528、アメリカ合衆国特許第6,413,656号、第6,515,298号、第6,451,415号、第6,097,147号、アメリカ合衆国特許出願公開2003/0124381、2003/0059646、2003/0054198、ヨーロッパ特許第1 239 526号、第1 238 981号、第1 244 155号、アメリカ合衆国特許出願公開2002/0100906、2003/0068526、2003/0068535、日本国特開2003/073387、2003/073388、アメリカ合衆国特許出願公開2003/0141809、2003/0040627、日本国特開2003/059667、2003/073665、アメリカ合衆国特許出願公開2002/0121638である。
リン光OLEDのための公知の多くのホストとデバイス構造において、効率的な発光のためのリン光ドーパントの最適濃度は、ホスト材料に対して1〜20体積%であり、しばしば6〜8体積%であることが見いだされている。しかし発光層においてホストが少なくとも1つの電子輸送共同ホストと少なくとも1つの正孔輸送共同ホストを含む好ましい一実施態様では、0.5%〜6%の濃度のリン光材料がしばしば大きな輝度効率を提供する。
IrL3タイプとIrL2L'タイプのシクロメタル化Ir(III)錯体(例えば緑色の光を出すfac-トリス(2-フェニルピリジナト-N,C2')イリジウム(III)、ビス(2-フェニルピリジナト-N,C2')イリジウム(III)(アセチルアセトネート))の発光波長は、シクロメタル化リガンドL上の適切な位置における電子供与基または電子求引基の置換によってシフトさせること、またはシクロメタル化リガンドLのためにいろいろな複素環を選択することによってシフトさせることができる。発光波長は、補助リガンドL'を選択することによってシフトさせることもできる。赤色発光体の例は、ビス(2-(2'-ベンゾチエニル)ピリジナト-N,C3')イリジウム(III)(アセチルアセトネート)と、トリス(2-フェニルイソキノリナト-N,C)イリジウム(III)である。青色発光体の一例は、ビス(2-(4,6-ジフルオロフェニル)-ピリジナト-N,C2')イリジウム(III)(ピコリネート)である。
リン光材料としてビス(2-(2'-ベンゾ[4,5-a]チエニル)ピリジナト-N,C3)イリジウム(アセチルアセトネート)[Btp2Ir(acac)]を用いた赤い電気リン光が報告されている(Adachi, C.、Lamansky, S.、Baldo, M.A.、Kwong, R.C.、Thompson, M.E.、Forrest, S.R.、App. Phys. Lett.、第78巻、1622〜1624ページ、2001年)。
他の重要なリン光材料としては、シクロメタル化されたPt(II)錯体であるシス-ビス(2-フェニルピリジナト-N,C2')白金(II)、シス-ビス(2-(2'-チエニル)ピリジナト-N,C3')白金(II)、シス-ビス(2-(2'-チエニル)キノリナト-N,C5')白金(II)、(2-(4,6-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2')白金(II)(アセチルアセトネート)などがある。Pt(II)ポルフィリン錯体(例えば2,3,7,8,12,13,17,18-オクタエチル-21H,23H-ポルフィン白金(II))も有用なリン光材料である。
有用なリン光材料のさらに別の例として、3価ランタニド(例えばTb3+、Eu3+)の配位錯体がある(J. Kido他、Appl. Phys. Lett.、第65巻、2124ページ、1994年)。
阻止層
リン光材料を用いたOLEDデバイスは、エキシトンまたは電子-正孔再結合中心がホストとリン光材料を含む発光層の中に限定されやすくなるようにするため、適切なホストと輸送材料に加え、少なくとも1つのエキシトン阻止層または正孔阻止層を必要とすることがしばしばある。一実施態様では、そのような阻止層110は、電子輸送層と発光層の間に配置することになろう(図1参照)。この場合、阻止層のイオン化電位の条件は、正孔が発光層から電子輸送層に移動するのにエネルギー障壁が存在するような大きさだが、電子親和性は、電子が電子輸送層から発光層へと容易に移動するような値である必要があるというものである。さらに、絶対に必要というわけではないが、阻止材料の三重項エネルギーがリン光材料の三重項エネルギーよりも大きいことが望ましい。適切な正孔阻止材料は、WO 00/70655とWO 01/93642に記載されている。有用な材料の例を2つ挙げると、バソクプロイン(BCP)とビス(2-メチル-8-キノリノラト)(4-フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(BAlq)である。アメリカ合衆国特許出願公開2003/0068528に記載されているように、BAlq以外の金属錯体も正孔とエキシトンを阻止することが知られている。さらに、アメリカ合衆国特許出願公開2003/0175553には、電子/エキシトン阻止層でfac-トリス(1-フェニルピラゾラと-N,C2)イリジウム(III)(Irppz)を用いることが記載されている。
電子輸送層(ETL)
カソードと発光層の間にある電子輸送層に堆積される電子輸送材料は、電子輸送共同ホスト材料と同じでも異なっていてもよい。電子輸送層は、2種類以上の電子輸送化合物を含むことができ、混合物として、または別々の層に分けて堆積される。
本発明の有機ELデバイスの電子輸送層を構成するのに用いられる好ましい薄膜形成材料は金属キレート化オキシノイド化合物であり、その中にはオキシンそのもの(一般に8キノリノールまたは8-ヒドロキシキノリンとも呼ばれる)のキレートも含まれる。このような化合物は電子を注入して輸送するのを助け、高性能を示し、容易に薄膜の形態になる。ここで考慮するオキシノイド系化合物の例は、以下の構造式(ET1):
Figure 2009520354
を満たす化合物である。ただし、
Mは金属を表わし;
nは1〜4の整数であり;
Zは、現われるごとに独立に、縮合した少なくとも2つの芳香族環を有する核を完成させる原子を表わす。
以上の説明から、金属は、一価、二価、三価、四価の金属が可能であることが明らかである。金属としては、例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウムなど)、土類金属(アルミニウム、ガリウムなど)、遷移金属(亜鉛、ジルコニウムなど)が可能である。一般に、キレート化金属として有用であることが知られている任意の一価、二価、三価、四価の金属を使用することができる。
Zは、縮合した少なくとも2つの芳香族環を持っていてそのうちの少なくとも一方はアゾール環またはアジン環である複素環の核を完成させる。必要な場合には、必要なその2つの環に追加の環(例えば脂肪族環と芳香族環の両方)を縮合させることができる。機能の向上なしに分子が大きくなることを避けるため、環の原子数は、通常は18個以下に維持する。
有用なキレート化オキシノイド化合物の代表例としては、以下のものがある。
CO-1:アルミニウムトリスオキシン[別名、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III);Alq];
CO-2:マグネシウムビスオキシン[別名、ビス(8-キノリノラト)マグネシウム(II)];
CO-3:ビス[ベンゾ{f}-8-キノリノラト]亜鉛(II);
CO-4:ビス(2-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III)-μ-オキソ-ビス(2-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III);
CO-5:インジウムトリスオキシン[別名、トリス(8-キノリノラト)インジウム];
CO-6:アルミニウムトリス(5-メチルオキシン)[別名、トリス(5-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III)];
CO-7:リチウムオキシン[別名、(8-キノリノラト)リチウム(I)];
CO-8:ガリウムオキシン[別名、トリス(8-キノリノラト)ガリウム(III)];
CO-9:ジルコニウムオキシン[別名、テトラ(8-キノリノラト)ジルコニウム(IV)]。
電子輸送層で用いるのに適した他の電子輸送材料として、アメリカ合衆国特許第4,356,429号に開示されているさまざまなブタジエン誘導体と、アメリカ合衆国特許第4,539,507号に記載されているさまざまな複素環式蛍光剤がある。構造式(ET2):
Figure 2009520354
を満たすベンズアゾールも有用な電子輸送材料である。ただし、
nは3〜8の整数であり;
Zは、O、NR、Sのいずれかであり;
RとR'は、個別に、水素、炭素原子が1〜24個のアルキル(例えばプロピル、t-ブチル、ヘプチルなど)、アリール、またはヘテロ原子で置換されたアリールで炭素原子が5〜20個のもの(例えばフェニル、ナフチル、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニルや、これら以外の複素環系)、ハロ(例えばクロロ、フルオロ)、縮合芳香族環を完成させるのに必要な原子のいずれかであり;
Xは、炭素、アルキル、アリール、置換されたアルキル、置換されたアリールのいずれかからなる結合単位であり、複数のベンズアゾールを互いに共役または非共役に結合させる。有用なベンズアゾールの一例は、Shiらがアメリカ合衆国特許第5,766,779号に開示している2,2',2"-(1,3,5-フェニレン)トリス[1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール](TPBI)である。
電子輸送層で用いるのに適した他の電子輸送材料の選択は、トリアジン、トリアゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾールと、これらの誘導体、ポリベンゾビスアゾール、ピリジンをベースとした材料、キノリンをベースとした材料、シアノ含有ポリマー、ペルフルオロ化された材料の中から行なうとよい。
電子輸送層に、または電子輸送層でカソードに隣接している一部にアルカリ金属をさらにドープして電子注入障壁を低くすることができる。するとデバイスの駆動電圧がより低くなる。この目的に適したアルカリ金属として、リチウムとセシウムがある。
カソード
アノード103だけを通して発光を見る場合には、本発明で使用するカソードは、ほぼ任意の導電性材料で構成することができる。望ましい材料は優れた膜形成特性を有するため、下にある有機層との接触がよくなり、低電圧で電子の注入が促進され、優れた安定性を得ることができる。有用なカソード材料は、仕事関数が小さな(4.0eV未満)金属または合金を含んでいることがしばしばある。有用な1つのカソード材料は、アメリカ合衆国特許第4,885,221号に記載されているように、銀が1〜20%の割合で含まれたMg:Ag合金からなる。適切なカソード材料の別のクラスとして、有機層(例えば電子輸送層(ETL))に接する薄い電子注入層(EIL)を備えていて、その上により厚い導電性金属層を被せた構成の二層がある。その場合、EILは、仕事関数が小さな金属または金属塩を含んでいることが好ましく、そうなっている場合には、より厚い被覆層は仕事関数が小さい必要がない。このような1つのカソードは、アメリカ合衆国特許第5,677,572号に記載されているように、LiFからなる薄い層と、その上に載るより厚いAl層からなる。アルカリ金属をドープしたETL材料(例えばアメリカ合衆国特許第6,013,384号に開示されているようにLiをドープしたAlq)は、有用なEILの別の一例である。他の有用なカソード材料としては、アメリカ合衆国特許第5,059,861号、第5,059,862号、第6,140,763号に開示されているものがあるが、これだけに限定されるわけではない。
カソードを通して発光を見る場合、カソードは、透明であるか、ほぼ透明である必要がある。このような用途のためには、金属が薄いか、透明な導電性酸化物を使用するか、このような材料の組み合わせを使用する必要がある。光学的に透明なカソードは、アメリカ合衆国特許第4,885,211号、第5,247,190号、日本国特許第3,234,963号、アメリカ合衆国特許第5,703,436号、第5,608,287号、第5,837,391号、第5,677,572号、第5,776,622号、第5,776,623号、第5,714,838号、第5,969,474号、第5,739,545号、第5,981,306号、第6,137,223号、第6,140,763号、第6,172,459号、ヨーロッパ特許第1 076 368号、アメリカ合衆国特許第6,278,236号、第6,284,393号に、より詳細に記載されている。カソード材料は、一般に、適切な任意の方法(例えば蒸着、スパッタリング、化学蒸着)によって堆積させる。必要な場合には、よく知られた多数の方法でパターニングすることができる。方法としては、例えば、スルー-マスク蒸着、アメリカ合衆国特許第5,276,380号とヨーロッパ特許第0 732 868号に記載されている一体化シャドウ・マスキング、レーザー・アブレーション、選択的化学蒸着などがある。
他の一般的な有機層とデバイスの構造
層109と111を場合によってはまとめて単一の層にし、発光と電子輸送の両方をサポートする機能を担わせることができる場合がある。発光ドーパントを正孔輸送層に添加できることも従来技術で知られている。その場合、正孔輸送層がホストとして機能する。多数のドーパントを1つ以上の層に添加し、例えば青色発光材料と黄色発光材料、またはシアン色発光材料と赤色発光材料、または赤色発光材料と緑色発光材料と青色発光材料を組み合わせて白色発光OLEDを作ることができる。白色発光デバイスは、例えば、ヨーロッパ特許第1 187 235号、第1 182 244号、アメリカ合衆国特許第5,683,823号、第5,503,910号、第5,405,709号、第5,283,182号、アメリカ合衆国特許出願公開2002/0186214、2002/0025419、2004/0009367、アメリカ合衆国特許第6,627,333号に記載されている。
従来技術で知られている追加の層(例えばエキシトン阻止層、電子阻止層、正孔阻止層)を本発明のデバイスで使用することができる。正孔阻止層は、例えばアメリカ合衆国特許出願公開2002/0015859、WO 00/70655A2、WO 01/93642A1、アメリカ合衆国特許出願公開2003/0068528、2003/0175553 A1に記載されているように、一般にリン光発光デバイスの効率を向上させるのに用いられる。
本発明は、例えばアメリカ合衆国特許第5,703,436号と第6,337,492号に記載されているようないわゆる積層デバイス構造で使用することができる。
有機層の堆積
上記の有機材料は、気相法(例えば昇華)を通じてうまく堆積するが、流体(例えば溶媒)から堆積させることもできる(そのとき、場合によっては結合剤も用いて膜の形成を改善する)。材料がポリマーである場合には、溶媒堆積が通常は好ましいが、他の方法(例えばスパッタリング、ドナー・シートからの熱転写)も利用できる。昇華によって堆積させる材料は、タンタル材料からなることの多い昇華用“ボート”から蒸発させること(例えばアメリカ合衆国特許第6,237,529号に記載されている)や、まず最初にドナー・シートにコーティングし、次いで基板のより近くで昇華させることができる。混合材料を含む層では、別々の昇華用ボートを用いること、または材料をあらかじめ混合し、単一のボートまたはドナー・シートからコーティングすることができる。パターニングした堆積は、シャドウ・マスク、一体化シャドウ・マスク(アメリカ合衆国特許第5,294,870号)、ドナー・シートからの空間的に限定された染料熱転写(アメリカ合衆国特許第5,688,551号、第5,851,709号、第6,066,357号)、インクジェット法(アメリカ合衆国特許第6,066,357号)を利用して実現することができる。
本発明の材料を堆積させる好ましい1つの方法は、アメリカ合衆国特許出願公開2004/0255857とアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第10/945,941号に記載されている。この方法では、異なる蒸発源を用いて本発明のそれぞれの材料を蒸発させる。第2の好ましい方法では、温度制御された材料供給路に沿って材料が計量供給されるフラッシュ気化が利用される。好ましいこのような方法は、譲受人に譲渡された以下の特許出願:アメリカ合衆国特許出願シリアル番号第10/784,585号、第10/805,980号、第10/945,940号、第10/945,941号、第11/050,924号、第11/050,934号に記載されている。この第2の方法を利用し、異なる蒸発源からそれぞれの材料を蒸発させること、または複数の固体材料を混合した後に同じ蒸発源を用いて蒸発させることができる。
封止
たいていのOLEDデバイスは、水分と酸素の一方または両方に敏感であるため、一般に不活性雰囲気(例えば窒素やアルゴン)中で密封される。OLEDデバイスを不活性雰囲気の中で密封する際には、有機接着剤、金属ハンダ、低融点ガラスのいずれかを用いて保護カバーを取り付けることができる。一般に、ゲッターまたは乾燥剤も密封されたスペースに入れられる。有用なゲッターまたは乾燥剤として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミナ、ボーキサイト、硫酸カルシウム、粘土、シリカゲル、ゼオライト、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、硫酸塩、ハロゲン化金属、過塩素酸塩などがある。封止と乾燥のための方法としては、アメリカ合衆国特許第6,226,890号に記載されている方法などがある。さらに、障壁層(例えばSiOx)、テフロン(登録商標)、交互に積層された無機層/ポリマー層が、封止法として知られている。
光学的最適化
本発明のOLEDデバイスでは、発光特性の向上を望むのであれば、公知のさまざまな光学的効果を利用することが可能である。例示すると、層の厚さを最適化して光の透過を最大にすること、誘電体ミラー構造を設けること、反射性電極の代わりに光吸収性電極にすること、グレア防止または反射防止のコーティングをディスプレイの表面に設けること、偏光媒体をディスプレイの表面に設けること、カラー・フィルタ、中性フィルタ、色変換フィルタをディスプレイの発光領域と関係づけて設けることなどがある。フィルタ、偏光装置、グレア防止用または反射防止用コーティングは、カバーの上に、またはカバーの一部として設けることもできる。
OLEDデバイスはマイクロキャビティ構造を持つことができる。有用な一実施態様では、一方の金属電極は実質的に不透明かつ反射性であり、他方の金属電極は反射性かつ半透明である。反射性電極は、Au、Ag、Mg、Ca、またはこれらの合金の中から選択することが好ましい。2つの反射性電極が存在しているため、デバイスはマイクロキャビティ構造を持つ。この構造の中で強い光学的干渉が起こって共鳴条件となる。共鳴波長に近い発光は増強され、共鳴波長から遠い発光は抑制される。光路長は、有機層の厚さを選択することによって、または透明な光学的スペーサを電極間に配置することによって調節できる。例えば本発明のOLEDデバイスは、反射性アノードと有機EL媒体の間に配置したITOスペーサ層を備えることができ、有機EL媒体の上には半透明なカソードが載る。
実施例1
本発明の条件を満たすELデバイスを以下のようにして構成した。
1.アノードとしてインジウム-スズ酸化物(ITO)層を85nmの厚さにコーティングしたガラス基板に対し、市販の洗剤の中で超音波処理し、脱イオン水の中でリンスし、トルエン蒸気の中で脱脂し、酸素プラズマに約1分間にわたって曝露するという操作を順番に実施した。
2.CHF3をプラズマ支援堆積させることにより、ITOの上に厚さ1nmのフルオロカーボン(CFx)からなる正孔注入層(HIL)を堆積させた。
3.次に、N,N'-ジ-1-ナフチル-N,N'-ジフェニル-4,4'-ジアミノビフェニル(NPB)からなる厚さ75nmの正孔輸送層(HTL)をタンタル・ボートから蒸発させた。
4.次に、Inv-2とfac-トリス(2-フェニル-ピリジナト-N^C)イリジウム(III)(Ir(ppy)3)(6質量%)からなる厚さ35nmの発光層(LEL)を正孔輸送層の上に堆積させた。これらの材料もタンタル・ボートから蒸発させた。
5.次に、Inv-2からなる厚さ10nmの正孔阻止層をタンタル・ボートから蒸発させた。
6.次に、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III)(AlQ3)からなる厚さ40nmの電子輸送層(ETL)を正孔阻止層の上に堆積させた。この材料もタンタル・ボートから蒸発させた。
7.AlQ3層の上にMgとAgが10:1の体積比である厚さ220nmのカソードを堆積させた。
上記の一連の操作によってELデバイスの堆積が完了した。次に、このデバイスを周囲の環境から保護するため、乾燥グローブ・ボックスの中で密封した。
実施例2
実施例1と同じ方法で実施例2のデバイスを製造したが、正孔阻止層でInv-2の代わりにビス(2-メチル-キノリノラト)(2,4,6-トリフェニルフェノラト)アルミニウム(III)(BAlq)を用いた点が異なっている。
実施例3
実施例1と同じ方法で実施例3のデバイスを製造したが、発光層でInv-2の代わりにCBPを用い、正孔阻止層でInv-2の代わりにBCPを用いた点が異なっている。
実施例4
実施例1と同じ方法で実施例4のデバイスを製造したが、発光層でInv-2の代わりに70%CBPと30%Alqの混合物を用い、正孔阻止層でInv-2の代わりにBCPを用いた点が異なっている。
このようにして構成したサンプル・セルの効率と電圧を20mA/cm2で測定した。その結果を表Iに示す。
Figure 2009520354
実施例1と2の比較から、正孔阻止層としてBAlqの代わりにInv-2を用いることで電圧がより小さくなり、輝度効率がより大きくなることわかる。実施例3と4の比較から、発光層でAlqを用いるとデバイスの効率が大きく低下することがわかる。この問題は実施例1と2には存在しておらず、発光層ではAlqを用い、正孔阻止層ではBCPを用いる代わりに、発光層ではInv-2を用い、正孔阻止層ではInv-2を用いることの利点がはっきりと現われている。
実施例5
本発明の条件を満たすELデバイスを以下のようにして構成した。
1.アノードとしてインジウム-スズ酸化物(ITO)層を85nmの厚さにコーティングしたガラス基板に対し、市販の洗剤の中で超音波処理し、脱イオン水の中でリンスし、トルエン蒸気の中で脱脂し、酸素プラズマに約1分間にわたって曝露するという操作を順番に実施した。
2.CHF3をプラズマ支援堆積させることにより、ITOの上に厚さ1nmのフルオロカーボン(CFx)からなる正孔注入層(HIL)を堆積させた。
3.次に、N,N'-ジ-1-ナフチル-N,N'-ジフェニル-4,4'-ジアミノビフェニル(NPB)からなる厚さ75nmの正孔輸送層(HTL)をタンタル・ボートから蒸発させた。
4.次に、Inv-13とIr(ppy)3(6質量%)からなる厚さ35nmの発光層を正孔輸送層の上に堆積させた。これらの材料もタンタル・ボートから蒸発させた。
5.次に、Inv-2からなる厚さ10nmの正孔阻止層をタンタル・ボートから蒸発させた。
6.次に、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III)(AlQ3)からなる厚さ40nmの電子輸送層(ETL)を正孔阻止層の上に堆積させた。この材料もタンタル・ボートから蒸発させた。
7.AlQ3層の上にMgとAgが10:1の体積比である厚さ220nmのカソードを堆積させた。
上記の一連の操作によってELデバイスの堆積が完了した。次に、このデバイスを周囲の環境から保護するため、乾燥グローブ・ボックスの中で密封した。
実施例6
実施例5と同じ方法で実施例6のデバイスを製造したが、LELでIr(ppy)3を6質量%ではなく12質量%使用した点が異なっている。
実施例7
実施例5と同じ方法で実施例7のデバイスを製造したが、正孔阻止層でInv-2の代わりにビス(2-メチル-キノリノラト)(2,4,6-トリフェニルフェノラト)アルミニウム(III)(BAlq)を用いた点が異なっている。このようにして構成したサンプル・セルの効率と電圧を20mA/cm2で測定した。その結果を表IIに示す。
Figure 2009520354
実施例5および6を実施例7と比較すると、正孔阻止層としてBAlqの代わりにInv-2を用いることの利点がわかる。ドーパントの濃度は実施例5と6で6質量%から12質量%へと変化させたが、効率と電圧は顕著には改善されない。
本発明を好ましいくつかの実施態様を特に参照して詳細に説明してきたが、本発明の精神と範囲の中でさまざまなバリエーションや変形が可能であることが理解されよう。この明細書の中で引用した特許とそれ以外の刊行物のあらゆる内容は、参考としてこの明細書に組み込まれているものとする。
本発明による典型的なOLEDデバイスの概略断面図である。
符号の説明
101 基板
103 アノード
105 正孔注入層(HIL)
107 正孔輸送層(HTL)
108 エキシトン阻止層(EBL)
109 発光層(LEL)
110 正孔阻止層(HBL)
111 電子輸送層(ETL)
113 カソード
150 電圧/電流源
160 導電体

Claims (19)

  1. カソードと、アノードと、それらの間にあってリン光発光体及びホストを含む発光層とを備えていて、該ホストが、少なくとも1つの2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン・リガンドと少なくとも1つのフェノキシ・リガンドとを有する第1のアルミニウム錯体またはガリウム錯体を含有するOLEDデバイスにおいて、
    該発光層のカソード側に隣接して、少なくとも1つの2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン・リガンドと少なくとも1つのフェノキシ・リガンドとを有する第2のアルミニウム錯体またはガリウム錯体を含む層がさらに存在している、OLEDデバイス。
  2. 上記第1の錯体がアルミニウム錯体である、請求項1に記載のOLEDデバイス。
  3. 上記第1の錯体と上記第2の錯体が同じ化合物である、請求項1に記載のOLEDデバイス。
  4. 上記発光層が、イリジウム含有リン光発光体を含む、請求項1に記載のOLEDデバイス。
  5. 上記第1の錯体が、一般式(I):
    Figure 2009520354
    で表わされる(ただし、
    R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;
    nは独立に0〜4であり;
    mは0〜5である)、請求項1に記載のOLEDデバイス。
  6. 少なくとも1つのR2がフェニル基またはアリールアミン基である、請求項5に記載のOLEDデバイス。
  7. 上記第1の錯体が、一般式(II):
    Figure 2009520354
    で表わされる(ただし、
    R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;
    nは独立に0〜4であり;
    mは0〜5である)、請求項1に記載のOLEDデバイス。
  8. 上記第1の錯体が、一般式(III):
    Figure 2009520354
    で表わされる(ただし、
    R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;
    nは独立に0〜4であり;
    mは0〜5である)、請求項1に記載のOLEDデバイス。
  9. 上記第2の錯体が、一般式(I):
    Figure 2009520354
    で表わされる(ただし、
    R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;
    nは独立に0〜4であり;
    mは0〜5である)、請求項1に記載のOLEDデバイス。
  10. 上記第2の錯体が、一般式(III):
    Figure 2009520354
    で表わされる(ただし、
    R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;
    nは独立に0〜4であり;
    mは0〜5である)、請求項1に記載のOLEDデバイス。
  11. カソードと、アノードと、それらの間にあってリン光発光体及びホストを含む発光層とを備えていて、該ホストが、少なくとも1つの2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン・リガンドと、アミンで置換された少なくとも1つのフェノキシ・リガンドとを有する第1のアルミニウム錯体またはガリウム錯体を含有する、OLEDデバイス。
  12. 上記発光層がイリジウム含有リン光発光体を含む、請求項11に記載のOLEDデバイス。
  13. 上記アミンの選択が、ピリジン基、ピロール基、インドール基のいずれかを含むものの中からなされる、請求項11に記載のOLEDデバイス。
  14. 上記第1の錯体が、一般式(IV):
    Figure 2009520354
    で表わされる(ただし、
    R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;
    nは独立に0〜4であり;
    mは0〜5である)、請求項11に記載のOLEDデバイス。
  15. 上記第1の錯体が、一般式(II):
    Figure 2009520354
    で表わされる(ただし、
    R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;
    nは独立に0〜4であり;
    mは0〜5である)、請求項14に記載のOLEDデバイス。
  16. 上記発光層のカソード側に隣接して、少なくとも1つの2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン・リガンドと少なくとも1つのフェノキシ・リガンドとを有する第2のアルミニウム錯体またはガリウム錯体を含む層がさらに存在している、請求項14に記載のOLEDデバイス。
  17. 上記第2の錯体が、一般式(III):
    Figure 2009520354
    で表わされる(ただし、
    R1とR2の選択は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基、アリールアミン基、アルキルアミン基、シアノ基の中から独立になされ、これらの基は互いに合わさって縮合環を形成していてもよく;
    nは独立に0〜4であり;
    mは0〜5である)、請求項16に記載のOLEDデバイス。
  18. 上記第1の錯体が、
    Figure 2009520354
    Figure 2009520354
    Figure 2009520354
    Figure 2009520354
    のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のOLEDデバイス。
  19. 上記第1の錯体が、
    Figure 2009520354
    Figure 2009520354
    Figure 2009520354
    Figure 2009520354
    のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のOLEDデバイス。
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