JP2009518284A - リガンド結合用新規捕捉剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも第1ペプチド鎖および第2ペプチド鎖を含む、リガンド結合用多量体型捕捉剤であって、上記第1ペプチド鎖および第2ペプチド鎖はそれぞれ、2〜50アミノ酸の鎖を含んでおり、上記アミノ酸のそれぞれは実質的に鏡像異性的に単一であり、かつ上記少なくとも第1ペプチド鎖と第2ペプチド鎖とが共有結合している、ことを特徴とするリガンド結合用多量体型捕捉剤に関する。

Description

発明の詳細な説明
〔技術分野〕
本発明は、リガンド結合用新規捕捉剤およびその製造方法に関し、同様に、目的とする特定リガンドに結合する捕捉剤を同定する方法に関する。
〔背景技術〕
抗体ライブラリーの製造のような、伝統的な捕捉剤ライブラリーの製造方法は、煩雑かつ高価である。それゆえに、様々な種類のリガンドに結合する捕捉剤として機能し得るペプチドライブラリーを、合成的に製造するために、多くの試みが行われている。
空間的にアドレス可能なライブラリー、および一ビーズ一構造ライブラリーを、スクリーニング方法において利用することが、近年報告されている。これらは、特定のレセプターに対するリガンドライブラリー、または特定のリガンドに対するレセプターライブラリーのいずれかであり得る(Combinatorial Chemistry and high throughput screening, 1, 113, 1998)。
Pro. SPIE, 4205, 75 (2001)には、エポキシドで誘導した結晶表面に結合する、または直接金の表面に結合する、シクロヘキサペプチドの使用が記載されている。この文献においては、他の全てのアミノ酸を変化させたペプチドが記載されている。このペプチドは、リシン残基またはシステイン残基により、表面に付着されている。そして、表面結合ペプチドに対するアミノ酸の結合が分析されている。
酵素阻害剤の同定に用いられる環状ペンタペプチドライブラリーもまた、以前に報告されている。環状および線状ペプチドのライブラリーが作製され、酵素阻害剤生成のために、反復合成およびスクリーニングが用いられた(Molecular Diversity, 1, 223, 1995)。
WO2005/047502にもまた、ランダムなアミノ酸配列を有するタンパク質からなるタンパク質ライブラリーが記載されている。このアミノ酸配列には4〜12種類のアミノ酸が存在し、これらのアミノ酸にはGly、Ala、Val、並びにGluまたはAspが含まれる。また、WO2005/047502には、このライブラリーから、特定の構造または機能を有するタンパク質をスクリーニングする方法が記載されている。
これらの従来のライブラリーは、伝統的な抗体ライブラリーよりも迅速に作製することが可能であるが、作製するのが高価であるという問題を依然として有している。さらに、効果的なライブラリーを作製するために十分な配列の多様性を提供するために、多数の単体ペプチドが合成されることが要求されている。
〔発明の開示〕
したがって、本発明の目的は、配列の多様性が増大した合成捕捉剤を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、少なくとも第1ペプチド鎖および第2ペプチド鎖を含む、リガンド結合用多量体型捕捉剤であって、上記第1ペプチド鎖および第2ペプチド鎖は、それぞれ、2〜100個のアミノ酸からなるアミノ酸鎖を含んでおり、上記アミノ酸のそれぞれは、実質的に鏡像異性的に単一であり、かつ上記少なくとも第1ペプチド鎖と第2ペプチド鎖とが共有結合している、ことを特徴とする多量体型捕捉剤が提供される。
各ペプチドは、好ましくは、2〜100個のアミノ酸からなるアミノ酸鎖を含んでおり、より好ましくは、2〜50個のアミノ酸からなるアミノ酸鎖を含んでおり、最も好ましくは、5〜25個のアミノ酸からなるアミノ酸鎖を含んでいる。
各アミノ酸は、好ましくは、本質的に20種未満のアミノ酸からなる群から選択され、より好ましくは、12種未満のアミノ酸からなる群から選択され、さらに好ましくは、6種未満のアミノ酸からなる群から選択され、最も好ましくは、4種のアミノ酸からなる群から選択される。
実質的に鏡像異性的に単一である各アミノ酸単量体としては、L型アミノ酸、D型アミノ酸、アミノ酸模倣物(amino acid mimetic)、スペーサーアミノ酸、ベータアミノ酸または他のキラルアミノ酸単量体であり得ることが理解される。実質的に鏡像異性的に単一であるアミノ酸としては、L型アミノ酸およびD型アミノ酸の少なくとも何れかであることが好ましい。
第1ペプチドおよび第2ペプチドは、固相上で合成されることが好ましく、第1の態様においては、使用する前に固相からペプチドが切り離されることがより好ましい。
固相ペプチド合成および液相ペプチド合成などの、ペプチドおよびそれらの塩ならびにそれらの誘導体の合成は、当該技術分野において十分に確立されている。たとえば、Stewart,et al.(1984)Solid Phase Peptide Synthesis(2nd Ed.);および、Chan(2000)“FMOC Solid Phase Peptide Synthesis,A Practical Approach,”Oxford University Press参照。ペプチドは、自動ペプチド合成装置(たとえば、Pioneer(登録商標)ペプチド合成機、アプライドバイオシステムズ社、フォスターシティ、カリフォルニア)を用いて合成できる。たとえば、FMOC固相ペプチド合成によりペプチドをリンクアミド樹脂上に調製した後に、トリフルオロ酢酸(95%)により保護をはずし、樹脂から切り離す。
第1ペプチドおよび第2ペプチドが、同じかまたは異なる一次アミノ酸配列であり得ることは、一見して明白である。
第1ペプチドおよび第2ペプチドが、第1アミノ酸群および第2アミノ酸群から合成され得ること、ならびに、各アミノ酸群は、同じであってもよくまたは異なるものであってもよいことは、さらに明白である。
各ペプチドは反応基をさらに含んでいることが好ましい。好ましい実施形態において、
ペプチド上にある反応基は、多量体型捕捉剤を形成するように反応する。
好ましい実施形態において、上記反応基は、ペプチド合成の間は保護されており、第1の態様における捕捉剤の生成に使用する前に、保護がはずされる。このような技術は当業者において周知であり、たとえば、FMOCに基づく標準的な固相ペプチドアセンブリを用いることができる。この技術によれば、側鎖が保護されているとともに、アミノ末端がフリーである樹脂結合ペプチドを産出できる。N末端のアミノ基は、その後、標準的なペプチド合成条件下において、共役可能なカルボン酸/反応基共役の任意のものと反応する。たとえば、トリチルまたはメトキシトリチルによって保護されたチオール基を有するシステインが、組み込まれ得る。トリフルオロ酢酸を用いた脱保護により、保護されていないペプチドが、溶液中に生じる。
上記反応基としては、チオール基、マレイミド、シクロペンタジエン、アジド、ホスフィン酸チオエステル、チオエステル、(ニトロ)チオピリジル活性化チオールおよび当該技術分野において周知である他の化合物から選択されることが好ましいが、これらに限定されるものではない。上記反応基としては、チオール基がより好ましい。
ペプチド多量体を形成するために、任意の適した反応を用いることができることは理解されており、たとえば、シクロペンタジエニル官能化ペプチドとマレイミド官能化ペプチドとの間のディールス−アルダー反応、チオール官能化ペプチドとマレイミド官能化ペプチドとの間のマイケル反応、チオール官能化ペプチドと活性化チオール基(たとえば、(ニトロ)チオピリジン部分によって活性化)含有ペプチドとの間でジスルフィドを形成する反応、アジド官能化ペプチドとホスフィン酸チオエステル官能化ペプチドとの間のシュタウディンガー(Staudinger)ライゲーション、およびチオエステルとN末端システインとの間のネイティブケミカルライゲーションが、挙げられる。
好ましい実施形態においては、二量体が形成されており、第1ペプチドおよび第2ペプチドのそれぞれは、リガンド結合部位のN末端側もしくはリガンド結合部位のC末端側にあるペプチド配列中に、または二分されたリガンド結合部位に挟まれた内側に、チオール基(活性化されていても、活性化されていなくてもよい)を保持している。これらの実施形態のいずれにおいても、チオール基部分はリガンド結合残基と同じ配向性または反対の配向性を有していること、および、第1ペプチドおよび第2ペプチド内の各チオール基の位置は独立していることは、明らかである。
ペプチド内にあるアミノ酸残基によって、捕捉剤が異なる特性を有するようになることは明白である。たとえば、側鎖はリガンド結合のための正電荷を提供し得る。正電荷は、好ましくは、リシン残基(ペプチド鎖と正電荷との間に四つのCH基)、オルニチン残基(ペプチド鎖と正電荷との間に三つのCH基)によってもたらされ、最も好ましくは、ジアミノブチリル残基(ペプチド鎖と正電荷との間に二つのCH基を有する)によってもたらされる。
アミノ酸は、あるいは、リガンド結合のための水素結合供与体および/または受容体としての役割を果たすことができる水酸基を提供し得る。水酸基は、好ましくは、セリン残基(ペプチド鎖とOH基との間に一つのCH基)によってもたらされ、より好ましくは、ホモセリン残基(ペプチド鎖とOH基との間に二つのCHを有する)によってもたらされる。
アミノ酸は、リガンド結合のための疎水性部分を提供し得る。好ましくは、アラニン残基(ペプチド鎖とメチル基との間に一つもCH基がない)が疎水性部分をもたらし、より好ましくは、アミノブチリル残基(ペプチド鎖とメチル基との間に一つのCH基を有する)が疎水性部分をもたらす。
また、アミノ酸は、リガンド結合のための負電荷を提供し得る。負電荷は、好ましくは、グルタミン酸残基(ペプチド鎖とカルボキシレート基(carboxylate group)との間に二つのCH基)によってもたらされ、より好ましくは、アスパラギン酸残基(ペプチド鎖とカルボキシレート基との間に一つのCH基)によってもたらされる。
ペプチド鎖内にあるアミノ酸の数および配列によって、各ペプチド鎖が異なる特性を有するようになることは、当業者にとって明白である。好ましくは、当業者において周知のように、ペプチドは、コンビナトリアル方式(combinatorial manner)によりアミノ酸の群(set)から生成され、それにより、群内にあるアミノ酸の可能な組み合わせの全てを生成することができる。たとえば、群内にN種のアミノ酸があり、ペプチドの長さがLである場合には、完全な群は、N種類のペプチドを含むことになる。
好ましい実施形態においては、リガンド結合に有利になる場所に側鎖が位置するように、ペプチドが生成される。これは、例えば図1に示すように、L型アミノ酸とD型アミノ酸とを交互に有するペプチドを合成することによって実現する。
また、図2に示すように、ベータアミノ酸を含む群を用いてペプチドを合成してもよく、または、ペプチドの繰り返し単位あたり偶数個の原子を有する他のキラルアミノ酸単量体を用いて合成してもよい。
好ましい実施形態においては、図3に示すように、アミノ酸が一アミノ酸おきにのみ異なるようにペプチドを合成する。
この実施形態は、リガンド結合にとって最も自然で有利な間隔にて側鎖が配置されている点において有利である。
各ペプチドは、上述したタイプのアミノ酸の一つ以上を含み得ること、および、用いられる特定の組み合わせが、様々なペプチド鎖を含む捕捉剤の特性に影響を与えることは、当業者にとって明らかである。
捕捉剤が多量体であるということにより、多様性が増大していることは明らかである。たとえば、多量体型捕捉剤が二量体の場合には、二つのペプチド鎖があることにより、任意の所定のペプチド長において可能な多様性は二乗した数になる。
好ましい実施形態では、任意の所定のアミノ酸群から生成され得る可能なコンビナトリアルペプチドの、副群(subset)を用いることができる。副群は、ペプチド合成において特定のルールを含めて決定することができ、たとえば、群内における各アミノ酸の最大レベルおよび最小レベルを与えることができる。
好ましい実施形態においては、コンビナトリアルに生成された多量体型捕捉剤は、担体に結合される。
好ましくは、捕捉剤は、付着部分によって担体に結合される。
付着部分は、任意の適した部分であってよいことは理解される。付着は、たとえば、共有結合相互作用、イオン相互作用、疎水性相互作用、極性相互作用、ストレプトアビジン−ビオチン相互作用、アビジン−ビオチン相互作用、または他の高アフィニティな非共有結合相互作用によるものであることが理解される。好ましい実施形態においては、付着部分は疎水性部分である。別の好ましい実施形態においては、付着部分は、直接的または間接的に共有結合を形成することができる。ここで間接的とは、介在物を介していることを意味するか、または付着部分を化学修飾した後におこなうことを意味している。
好ましくは、多量体型捕捉剤は、アレイを形成するように担体に結合している。アレイが任意の使いやすい形態をとり得ることは理解される。したがって、本発明の方法は、一分子アレイを含め、“高密度”アレイの全てのタイプに適用できる。
特に好ましい実施形態において、多量体型捕捉剤は、担体上にてアセンブルされる。
アレイは、個別のアドレス可能な空間符号化部位を複数含んでいることが好ましい。好ましくは、アレイ上の各部位は、異なる捕捉剤を含んでおり、より好ましくは、各部位は、捕捉剤の多数のコピーを含んでいる。
分子(たとえばペプチド)の担体への固定化に関して、用語「固定化した」および「付着した」は、本明細書において交換可能に使用され、いずれの用語とも、明白にまたは前後関係から他の内容が示されていない限り、直接的または間接的な共有結合または非共有結合を包含することを意図している。本発明の特定の実施形態においては、共有結合が好ましい。しかしながら、たとえばリガンド結合を必要とする用途などに、支持体の使用を意図している条件下において、分子(たとえばペプチド)が、担体に固定化されている状態または付着している状態に通常とどまりさえすればよい。
本発明の特定の実施形態では、“官能化された”不活性な担体またはマトリクス(たとえばガラススライド、ポリマービーズなど)を含んで構成されている固体支持体を使用している。この官能化は、たとえば、ペプチドなどの生体分子への共有結合を可能とする反応基を含む介在物質の層またはコーティングを塗布することによってなされる。そのような支持体の例としては、ガラスなどの不活性担体上に支持されているポリアクリルアミドヒドロゲルが挙げられるが、これに限定されるものではない。そのような実施形態においては、生体分子(たとえばペプチド)は介在物質(たとえばヒドロゲル)に直接共有結合をしているが、介在物質そのものは担体またはマトリクス(たとえばガラス担体)に非共有結合で結合していてもよい。用語「担体に共有結合」には、適宜、このタイプの処理を包含していると解釈すべきである。
マルチペプチドアレイにおいては、アレイ上の個別の領域には複数のペプチド分子が含まれている。好ましくは、アレイ上の各部位には、単一のペプチド多量体が多コピー含まれている。
ペプチド分子のマルチペプチドアレイは、当業者において一般的に知られている技術を用いて製造できる。
本発明の第2の態様によれば、捕捉剤が少なくとも第1ペプチドおよび第2ペプチドを含んでおり、上記第1ペプチドは、第1反応基をさらに含んでおり、上記第2ペプチドは、第2反応基をさらに含んでいる、リガンド結合用多量体型捕捉剤の製造方法であって、上記反応基は、互いのペプチドにおいて同じか、または異なっており、上記ペプチドにある上記反応基が反応して共有結合している二量体を形成するように第1ペプチドと第2ペプチドとが反応する工程を含んでいることを特徴とする多量体型捕捉剤の製造方法が提供される。
より高次な多量体型捕捉剤を形成するために、さらなる反応基を有するさらなるペプチドが、第1ペプチドおよび/または第2ペプチドと反応し得ることは理解される。複数の他のペプチドと反応して多量体型捕捉剤を形成するように、各ペプチドは一つ以上の反応基を含み得ることもまた理解される。
第1ペプチドおよび第2ペプチドは固相上にて合成されることが好ましく、第2の態様の方法においては、使用する前に、ペプチドが固相から切り離されることがより好ましい。
固相ペプチド合成および液相ペプチド合成などの、ペプチドおよびそれらの塩ならびにそれらの誘導体の合成は、当該技術分野において十分に確立されている。たとえば、Stewart,et al.(1984) Solid Phase Peptide Synthesis(2nd Ed.);および、Chan(2000)“FMOC Solid Phase Peptide Synthesis,A Practical Approach,”Oxford University Press参照。ペプチドは、自動ペプチド合成装置(たとえば、Pioneer(登録商標)ペプチド合成機、アプライドバイオシステムズ社、フォスターシティ、カリフォルニア)を用いて合成できる。たとえば、FMOC固相ペプチド合成によりペプチドをリンクアミド樹脂上に調製した後に、トリフルオロ酢酸(95%)により保護をはずし、樹脂から切り離す。
第1ペプチドおよび第2ペプチドが、同じ一次アミノ酸配列または異なる一次アミノ酸配列であり得ることは、一見して明白である。
第1ペプチドおよび第2ペプチドは第1アミノ酸群および第2アミノ酸群から合成でき、また、各アミノ酸群は同じでも異なるものでもよいことは明白である。
上記ペプチドは、2〜100アミノ酸の長さであることが好ましく、2〜50アミノ酸の長さであることがより好ましく、5〜25アミノ酸の長さであることが最も好ましい。
各アミノ酸は、好ましくは、本質的に20種未満のアミノ酸からなる群から選択され、より好ましくは、12種未満のアミノ酸からなる群から選択され、さらに好ましくは、6種未満のアミノ酸からなる群から選択され、最も好ましくは、4種のアミノ酸からなる群から選択される。
上記群内の各アミノ酸は、各単量体が実質的に鏡像異性的に単一であるという条件で、以下の単量体のいかなるものも含み得ることは理解される。すなわち、L型アミノ酸、D型アミノ酸、アミノ酸模倣物(amino acid mimetic)、スペーサーアミノ酸、ベータアミノ酸または他のキラルアミノ酸単量体である。実質的に鏡像異性的に単一であるアミノ酸は、L型アミノ酸およびD型アミノ酸の少なくとも何れかであることが好ましい。
好ましい実施形態においては、上記反応基は、ペプチド合成の間は保護されており、第2の態様の方法に使用する前に保護がはずされる。このような技術は当業者において周知であり、たとえば、FMOCに基づく標準的な固相ペプチドアセンブリが挙げられる。この技術によれば、側鎖が保護されており、アミノ末端がフリーである、樹脂結合ペプチドを生成できる。N末端のアミノ基は、その後、標準ペプチド合成条件において、共役できるカルボン酸/反応基共役の任意のものと反応する。たとえば、トリチルまたはメトキシトリチルによって保護されたチオール基を有するシステインを、組み込むことができる。トリフルオロ酢酸を用いた脱保護により、保護されていないペプチドが溶液中に生じる。
上記反応基としては、チオール基、マレイミド、シクロペンタジエン、アジド、ホスフィン酸チオエステル、チオエステル、(ニトロ)チオピリジル活性化チオールおよび当該技術分野において周知である他の化合物から選択されることが好ましいが、これらに限定されるものではない。反応基としては、チオール基がより好ましい。
ペプチド多量体を形成するために、任意の適した反応を用いることができることは理解され、たとえば、シクロペンタジエニル官能化ペプチドとマレイミド官能化ペプチドとの間のディールス−アルダー反応、チオール官能化ペプチドとマレイミド官能化ペプチドとの間のマイケル反応、チオール官能化ペプチドと活性化チオール基(たとえば、(ニトロ)チオピリジン部分によって活性化)含有ペプチドとの間でジスルフィドを形成する反応、アジド官能化ペプチドとホスフィン酸チオエステル官能化ペプチドとの間のシュタウディンガーライゲーション、およびチオエステルとN末端システインとの間のネイティブケミカルライゲーションが、挙げられる。
図4に概略を示した反応スキームでは、様々な反応基を含むペプチドを産出するための経路を示している。
好ましい実施形態においては、二量体が構成され得、第1ペプチドおよび第2ペプチドのそれぞれは、リガンド結合部位のN末端側もしくはリガンド結合部位のC末端側にあるペプチド配列の一部位に、または二分されたリガンド結合部位に挟まれた内側に、チオール基(活性化されていても、活性化されていなくてもよい)を保持している。これらの実施形態のいずれにおいても、チオール基部分はリガンド結合残基と同じ配向性または反対の配向性を有していること、および、第1ペプチドおよび第2ペプチド内の各チオール基の位置は独立であることは、明らかである。
第1の態様に関して説明したように、ペプチド内にあるアミノ酸残基によって、捕捉剤が異なる特性を有するようになることは明白である。
第2の態様の方法によって生成される捕捉剤は、担体に付着していることが好ましい。より好ましくは、第2の態様の方法によって生成される捕捉剤は、アレイを形成するように担体に付着している。アレイが任意の使いやすい形態をとり得ることは理解される。したがって、本発明の方法は、一分子アレイを含め、“高密度”アレイの全てのタイプに適用できる。
特に好ましい実施形態において、多量体型捕捉剤は、担体上にてアセンブル(assembled)される。
アレイは、個別のアドレス可能な空間符号化部位を複数含んでいることが好ましい。好ましくは、アレイ上の所定の部位にある上記捕捉剤の全ては、同じ対のペプチドを含んで構成されている。より好ましくは、アレイ上の各所定の部位には、異なる捕捉剤が含まれている。
分子(たとえばペプチド)の担体への固定化に関して、用語「固定化した」および「付着した」は、本明細書において、交換可能に使用され、いずれの用語とも、明白にまたは前後関係から他の内容が示されていない限り、直接的または間接的な共有結合または非共有結合を包含することを意図している。本発明の特定の実施形態においては、共有結合が好ましい。しかしながら、たとえばリガンド結合を必要とする用途など、支持体の使用を意図している条件下において、分子(たとえばペプチド)が、担体に固定化されている状態または付着している状態に通常とどまりさえすればよい。
本発明の特定の実施形態では、“官能化された”不活性担体またはマトリクス(たとえばガラススライド、ポリマービーズなど)を含んで構成されている固体支持体を使用している。この官能化は、たとえば、ペプチドなどの生体分子への共有結合を可能とする反応基を含む介在物質の層またはコーティングを塗布することによってなされる。そのような支持体の例としては、ガラスなどの不活性担体上に支持されているポリアクリルアミドヒドロゲルが挙げられるが、これに限定されるものではない。そのような実施形態においては、生体分子(たとえばペプチド)は、介在物質(たとえばヒドロゲル)に直接共有結合され得るが、介在物質そのものは担体またはマトリクス(たとえばガラス担体)に非共有結合にて結合していてもよい。用語「担体に共有結合」には、適宜、このタイプの処理を包含していると解釈すべきである。
マルチペプチドアレイにおいては、アレイ上の個別の領域には、複数のペプチド分子が含まれている。好ましくは、アレイ上の各部位には、単一のペプチド二量体が多コピー含まれている。
ペプチド分子のマルチペプチドアレイは、当業者において一般的に知られている技術を用いて製造できる。
本発明の第3の態様によれば、捕捉剤が少なくとも第1ペプチドおよび第2ペプチドを含んでおり、上記第1ペプチドは第1反応基および付着部位をさらに含んでおり、上記第2ペプチドは第2反応基をさらに含んでいる、リガンド結合用多量体型捕捉剤の製造方法であって、上記反応基は、互いのペプチドにおいて同じか、または異なっており、(a)上記ペプチドにある上記反応基が反応して多量体型構造を形成するように、第1ペプチドと第2ペプチドとが反応する工程と、(b)上記付着部位を介して上記第1ペプチドを担体に付着させる工程と、を含んでおり、工程(a)は、工程(b)の前に、または工程(b)と同時に、または工程(b)の後に行うことができることを特徴とする多量体型捕捉剤の製造方法が提供される。
好ましくは、第1ペプチドおよび第2ペプチドは固相上に合成され、また第1ペプチドおよび第2ペプチドは同じものか、または異なるものであることができ、より好ましくは、第3の態様の方法において使用する前に、ペプチドは固相から切り離される。
固相ペプチド合成および液相ペプチド合成などの、ペプチドおよびそれらの塩ならびにそれらの誘導体の合成は、当該技術分野において十分に確立されている。たとえば、Stewart,et al.(1984) Solid Phase Peptide Synthesis(2nd Ed.);および、Chan(2000)“FMOC Solid Phase Peptide Synthesis,A Practical Approach,”Oxford University Press参照。ペプチドは、自動ペプチド合成装置(たとえば、Pioneer(登録商標)ペプチド合成機、アプライドバイオシステムズ社、フォスターシティ、カリフォルニア)を用いて合成できる。たとえば、FMOC固相ペプチド合成によりペプチドをリンクアミド樹脂上に調製した後に、トリフルオロ酢酸(95%)により保護をはずし、樹脂から切り離す。
図29は、第3の態様における捕捉剤の製造方法を概略的に表す図である。
単量体ユニット(A)の第1群を固相上に調製する。この単量体ユニットは、リガンド結合部分(R1−R4)および反応基Xを含んでいる。所望であれば、合成の間はXを保護し、その後、使用する前に保護をはずしてもよい。
単量体ユニット(B)の第2群を固相上に調製する。これらの単量体ユニットは、リガンド結合部分(R’1−R’4)、反応基Y、および付着部分Zを含んでおり、上記反応基Yは合成の間は保護され、その後、使用する前に保護がはずされるものであってもよい。所望であれば、合成の間Zも保護し、その後、使用する前に保護をはずしてもよい。
群(A)の単量体ユニットのそれぞれを固体支持体から切り離し、溶液中に単量体ユニット(C)を得る。
群(B)の単量体ユニットのそれぞれを固体支持体から切り離し、溶液中に単量体ユニット(D)を得る。
次いで、群Dの単量体ユニットのそれぞれを、アレイの空間符号化部位において、固体支持体(E)表面に接触させ、このときに上記表面への付着にZが用いられるようにする。
次いで、残基Xと残基Yとが反応して固相に結合している二量体構造(G)を形成するように、群D由来の表面結合単量体ユニット(F)を、過剰量または等モル量の所定の液相単量体ユニット(C)と反応させる。
配列され、空間符号化された二量体構造(G)は、その後、選択性および適したアフィニティをもって結合する関心のあるリガンドとの結合に使用できる。
図30は、第3の態様における捕捉剤の第2の製造方法を概略的に表す図である。
この実施形態においては、単量体ユニット(A)の第1群を固相上に調製する。この単量体ユニットは、リガンド結合部分(R1−R4)および反応基Xを含んでいる。上記反応基Xは、合成の間は保護され、その後、使用する前に保護がはずされるものであってもよい。
また、単量体ユニット(B)の第2群を固相上に調製する。これらの単量体ユニットは、リガンド結合部分(R’1−R’4)、反応基Y、および付着部分Zを含んでいる。上記反応基Yは、合成の間は保護され、その後、使用する前に保護をはずすものであってもよい。所望であれば、合成の間Zも保護し、その後、使用する前に保護がはずされてもよい。
単量体ユニット(B)のそれぞれを、固体支持体から切り離し、溶液中に単量体ユニット(C)を得る。次いで、残基Xと残基Yとが反応して固相に結合している二量体構造(D)を形成するように、群(A)由来の所定の固相結合単量体ユニットを、過剰量または等モル量の所定の液相単量体ユニット(C)と反応させる。
次いで、固相に結合している各二量体構造(D)を固体支持体から切り離し、溶液中に二量体構造(E)を得る。
二量体構造が部分Zを用いて固体表面(F)に付着するように、各液相二量体構造(E)を、最終的に、アレイ内の空間符号化部位において、固体表面(F)と接触させる。
配列され、空間符号化された二量体構造(G)は、その後、選択性および適したアフィニティをもって結合する関心のあるリガンドとの結合に使用され得る。
図に示したX、YおよびZの位置は説明のための単なる例示であり、本発明をこれに限定してみるべきではない。
図31は、第3の態様における捕捉剤のさらなる製造方法を概略的に表す図である。
単量体ユニット(A)の第1群を固相上に調製する。この単量体ユニットは、リガンド結合部分(R1−R4)および反応基Xを含んでいる。所望であれば、合成の間はXを保護し、その後、使用する前に保護をはずしてもよい。
単量体ユニット(B)の第2群を固相上に調製する。これらの単量体ユニットは、リガンド結合部分(R’1−R’4)、反応基Y、および付着部分Zを含んでいる。上記反応基Yは、合成の間は保護され、その後、使用する前に保護をはずすものであってもよい。所望であれば、合成の間Zも保護し、その後、使用する前に保護をはずしてもよい。
群(A)の単量体ユニットのそれぞれを固体支持体から切り離し、溶液中に単量体ユニット(C)を得る。
群(B)の単量体ユニットのそれぞれを固体支持体から切り離し、溶液中に単量体ユニット(D)を得る。
次いで、二量体構造がZを用いて固体表面(F)に付着するように、また、残基Xが残基Yと反応して固相に結合している二量体構造(G)を形成するように、群Dの単量体ユニットを、過剰量または等モル量の所定の液相単量体ユニット(C)に接触させ、アレイの空間符号化部位において、固体支持体(E)の表面に接触させる。
配列され、空間符号化された二量体構造(G)は、その後、選択性および適したアフィニティをもって結合する関心のあるリガンドとの結合に使用され得る。
本発明の最も重要な利点は、アレイ表面における単量体ユニットの対(またはさらに大きい数)のコンビナトリアルな結合によって、配列の多様性が“二乗化”(またはさらに高い次数のべき乗化)されることである。
第1ペプチドおよび第2ペプチドが、同じかまたは異なる一次アミノ酸配列であり得ることは、一見して明白である。
第1ペプチドおよび第2ペプチドが、第1アミノ酸群および第2アミノ酸群から合成され得ること、ならびに、各アミノ酸群は、同じであってもよくまたは異なるものであってもよいことは、さらに明白である。
各アミノ酸は、好ましくは、本質的に20種未満のアミノ酸からなる群から選択され、より好ましくは、12種未満のアミノ酸からなる群から選択され、さらに好ましくは、6種未満のアミノ酸からなる群から選択され、最も好ましくは、4種のアミノ酸からなる群から選択される。
上記群における各アミノ酸は、L型アミノ酸、D型アミノ酸、アミノ酸模倣物、スペーサーアミノ酸、ベータアミノ酸または他のキラルアミノ酸単量体であり得ることが理解される。アミノ酸は、L型アミノ酸およびD型アミノ酸の少なくとも何れかであることが好ましい。
上記群における各アミノ酸は、実質的に鏡像異性的に単一であることが理解される。
好ましい実施形態においては、上記反応基は合成の間保護されており、上述したように、第3の態様における方法を使用する前に保護がはずされる。
上記反応基は、チオール、マレイミド、シクロペンタジエン、アジド、ホスフィン酸チオエステル、チオエステル、(ニトロ)チオピリジル活性化チオールおよび当該技術分野において周知である他の化合物からなる群より選択されることが好ましい。より好ましくは、反応基はチオール基である。
ペプチド多量体を形成するために、任意の適した反応を用いることができることは理解され、たとえば、シクロペンタジエニル官能化ペプチドとマレイミド官能化ペプチドとの間のディールス−アルダー反応、チオール官能化ペプチドとマレイミド官能化ペプチドとの間のマイケル反応、チオール官能化ペプチドと活性化チオール基(たとえば、(ニトロ)チオピリジン部分によって活性化)含有ペプチドとの間でジスルフィドを形成する反応、アジド官能化ペプチドとホスフィン酸チオエステル官能化ペプチドとの間のシュタウディンガーライゲーション、およびチオエステルとN末端システインとの間のネイティブケミカルライゲーションが、挙げられる。
第1の態様に関して説明したように、ペプチド内にあるアミノ酸残基によって、捕捉剤が異なる特性を有するようになることは明白である。
好ましい実施形態においては、二量体が構成され、第1ペプチドおよび第2ペプチドのそれぞれは、リガンド結合部位のN末端側もしくはリガンド結合部位のC末端側にあるペプチド配列の一部分に、または二分されたリガンド結合部位に挟まれた内側に、チオール基(活性化されていても、活性化されていなくてもよい)を保持している。これらの実施形態のいずれにおいても、チオール基部分はリガンド結合部位と同じ配向性または反対の配向性を有していること、および、第1ペプチドおよび第2ペプチド内の各チオール基の位置は独立であることは、明らかである。
付着部分は、任意の適した部分であってよいことは理解される。付着は、たとえば、共有結合相互作用、イオン相互作用、疎水性相互作用、極性相互作用、ストレプトアビジン−ビオチン相互作用、アビジン−ビオチン相互作用、または他の高アフィニティ非共有結合相互作用によるものであり得ることが理解される。好ましい実施形態において、付着部分は、疎水性部分である。別の好ましい実施形態において、付着部分は、直接的または間接的のいずれかにおいて、共有結合を形成することができる。ここで間接的とは、介在物を介していることを意味するか、または付着部分を化学修飾した後におこなうことを意味している。
特に好ましい実施形態において、多量体型捕捉剤は、担体上にてアセンブルされる。
捕捉剤が担体上に“配列される(arrayed)”と、アレイは任意の使いやすい形態をとることができる。したがって、本発明の方法は、一分子アレイを含め、“高密度”アレイの全てのタイプに適用できる。
第3の態様における捕捉剤は、アレイ上の個別の空間符号化部位に配置されていることが好ましい。好ましくは、アレイ上の所定の場所にある上記捕捉剤の全ては、ペプチドの同じ対を含んで構成されている。より好ましくは、アレイ上の各部位には互いに異なる捕捉剤が含まれている。
分子(たとえばペプチド)の担体への固定化に関して、用語「固定化した」および「付着した」は、本明細書において交換可能に使用され、いずれの用語とも、明白にまたは前後関係から他の内容が示されていない限り、直接的または間接的な、共有結合または非共有結合を包含することを意図している。本発明の特定の実施形態においては、共有結合が好ましい。しかしながら、たとえばリガンド結合を必要とする用途など、支持体の使用を意図している条件下において、分子(たとえばペプチド)が、担体に固定化されている状態または付着している状態に通常とどまりさえすればよい。
本発明の特定の実施形態では、“官能化された”不活性担体またはマトリクス(たとえばガラススライド、ポリマービーズなど)を含んで構成されている固体支持体を使用しており、官能化は、たとえば、ペプチドなどの生体分子への共有結合を可能とする反応基を含む介在物質の層またはコーティングを塗布することによってなされる。そのような支持体の例としては、ガラスなどの不活性担体上に支持されているポリアクリルアミドヒドロゲルが挙げられるが、これに限定されるものではない。そのような実施形態においては、生体分子(たとえばペプチド)は介在物質(たとえばヒドロゲル)に直接共有結合をしているが、介在物質そのものは担体またはマトリクス(たとえばガラス担体)に非共有結合で結合していてもよい。用語「担体に共有結合」には、適宜、このタイプの処理を包含していると解釈すべきである。
マルチペプチドアレイにおいては、アレイ上の個別の領域には複数のペプチド分子が含まれている。好ましくは、アレイ上の各部位には、単一のペプチド二量体が多コピー含まれている。
ペプチド分子のマルチペプチドアレイは、当業者において一般的に知られている技術を用いて製造できる。
態様1、2および3における捕捉剤は、任意の適した方法により、任意の適した担体に接触させることができる。好ましい実施形態においては、捕捉剤は、共有結合にて担体に付着している。
捕捉剤を担体に共有結合させるための好ましい反応スキームとしては、スルフヒドリル(sulfhydryls)とマレイミド誘導化表面との間の反応、マレイミド誘導化表面とジエン官能化捕捉剤との間のディールス−アルダー反応、アジドおよびアセチレン3+2付加環化反応、チアゾリジン環形成、ならびに改変シュタウディンガーライゲーションが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、捕捉剤の担体への共有結合は、入れ換えた方法、たとえば、チオール誘導化表面とマレイミド置換ペプチドとの間の反応によっても、成立し得る。
特に好ましい実施形態においては、捕捉剤を担体に共有結合させるために、チオエステル誘導化捕捉剤と、アミノ基およびシステインのスルフヒドリル基の両方が存在するシステイン誘導化表面との間のネイティブケミカルライゲーションが用いられる。
最も好ましい反応スキームでは、図5に示すように、N末端システインを有する捕捉剤とチオエステル誘導化表面との間のネイティブケミカルライゲーションを用いている。
ネイティブケミカルライゲーションでは、ペプチド上のN末端システインと表面付着チオエステルとの間のペプチド結合が形成される。本発明のこの実施形態における特に有利な点は、ペプチド側鎖の保護が必要ないという点である。本発明のこの実施形態におけるさらに特に有利な点は、形成される表面付着ペプチドが、ジスルフィド結合形成による二量体レセプターの形成に利用され得る内部システイン、またはチオールとマレイミド官能化ペプチドとの間の反応に利用され得る内部システインを保持する点である。
チオエステル官能化ガラス表面の調製における好ましい反応スキームを図6に示す。
上述の態様において説明したように、担体に共有結合する前に多量体型捕捉剤を形成することが可能であり、または、多量体型捕捉剤を担体そのものの上にてアセンブルさせることも可能である。捕捉剤を担体表面にてアセンブルさせる場合における好ましい反応スキームは、図7に示されている。この実施形態において、第1ペプチドは、チオエステル基とN末端システイン残基との間のネイティブケミカルライゲーションの反応を介して、官能化担体に共有結合している。多量体型捕捉剤は、ペプチド間でジスルフィド結合を形成することによって形成される。
チオエステル表面を調製するためのより好ましい経路としては、アミノ化表面と下記タイプのチオラン2,4−ジオンとの間の反応が挙げられる。
チオエステル表面は、下記タイプのチオエステルシリルクロライド共役を用いた水酸化表面の誘導化によっても形成できる。
本発明の第4の態様によれば、少なくとも第1ペプチドおよび第2ペプチドを含み、上記第1ペプチドは、複数の疎水性アミノ酸残基および複数の非疎水性アミノ酸残基を含んでおり、上記第1ペプチドのアミノ酸は、ペプチド側鎖が疎水性面および実質的に非疎水性であるリガンド結合面を形成するように、上記第1ペプチドの一次構造中に配置されており、上記第2ペプチドは、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基および複数の非疎水性アミノ酸残基を含んでおり、上記第2ペプチドのアミノ酸は、アミノ酸側鎖が疎水性面および実質的に非疎水性であるリガンド結合面を形成するように、上記第2ペプチドの一次構造中に配置されている、ことを特徴とするリガンド結合用捕捉剤が供給される。
図8に示すように、上記第1ペプチドは疎水性アミノ酸残基と非疎水性アミノ酸残基とを交互に含む一次構造を含んで構成されていることが好ましい。
疎水性面および実質的な非疎水性面となるような側鎖の配置となる他のペプチド配列を容易に設計できることは、当業者によって理解される。たとえば、疎水性残基の間にある3つの非疎水性アミノ酸残基、または奇数個のアミノ酸の任意の組み合わせが挙げられる。または、ペプチドは、疎水性面および実質的な非疎水性面となるように、たとえば、L型、D型およびベータアミノ酸の組み合わせを含んでいてもよい。
第1ペプチドは、好ましくは、4〜40個の疎水性アミノ酸残基を含んでおり、より好ましくは、6〜25個の疎水性アミノ酸残基を含んでおり、最も好ましくは、6〜12個の疎水性アミノ酸残基を含んでいる。
リガンド結合面にあるように配置されている各アミノ酸は、好ましくは、本質的に20種未満のアミノ酸からなる群より選択され、より好ましくは、12種未満のアミノ酸からなる群より選択され、さらに好ましくは、6種未満のアミノ酸からなる群より選択され、最も好ましくは、4種のアミノ酸からなる群から選択される。
各アミノ酸単量体は、L型アミノ酸、D型アミノ酸、アミノ酸模倣物、スペーサーアミノ酸、ベータアミノ酸または他のキラルアミノ酸単量体であり得ることが理解される。好ましくは、アミノ酸はL型アミノ酸およびD型アミノ酸の少なくとも何れかである。
各アミノ酸は、実質的に鏡像異性的に単一であることが好ましい。
リガンド結合面に配置されているアミノ酸は、たとえばアミノ酪酸残基(aminobutyrate residues)などの疎水性残基を含み得ることが理解される。
第1ペプチドは、好ましくは、疎水性アミノ酸残基を10%〜90%含んでおり、より好ましくは、20%〜80%含んでおり、さらに好ましくは、30%〜70%含んでおり、最も好ましくは、40%〜60%含んでいる。
特に好ましい実施形態においては、第1ペプチドは、50%の疎水性アミノ酸残基を含んでいる。
疎水性面を形成する疎水性アミノ酸は、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン(norleucine)、バリン、ノルバリン(norvaline)、メチオニン、チロシン、トリプトファンおよびフェニルアラニンからなる群より選択されることが好ましい。より好ましくは、疎水性アミノ酸は、フェニルアラニンである。
好ましい実施形態においては、実質的に非疎水性であるリガンド結合面がリガンド結合しやすいように、捕捉剤は疎水性担体上に位置している。
好ましくは、担体とペプチドの疎水性面との間の疎水性相互作用によって、捕捉剤は疎水性担体に結合している。
担体としては任意の適した疎水性担体、たとえば、疎水性有機チオール処理によって修飾された金、表面処理により修飾されたガラスまたはプラスチックが使用可能であることが理解される。好ましくは、担体はプラスチックである。
または、実質上水性である溶媒の存在下において、捕捉剤を自身に固定化できる疎水性化合物によって、担体をコートしてもよい。
第1ペプチドを疎水性担体に接触させる前に、または接触と同時に、または接触させた後に、ペプチド二量体を第1ペプチドおよび第2ペプチドからアセンブルできることは明白である。特に好ましい実施形態において、ペプチド二量体は疎水性担体上にてアセンブルされる。
好ましい実施形態において、第2ペプチドは、第1ペプチドよりもアミノ酸の数が少なく、また、ペプチドと疎水性面との間の相互作用が相対的に弱くなるように、疎水性残基の数がより少なくなっている。この実施形態において、第2ペプチドは、第1ペプチドと二量体化したときにのみ、疎水性担体に保持される。
第1ペプチドおよび第2ペプチドの長さならびに担体上に保持されるのに必要な疎水性アミノ酸残基の数は、表面の疎水性ならびに第1ペプチドおよび第2ペプチド内の疎水性アミノ酸次第であり、また結合されるリガンドの性質にもよることは、当業者にとって明白である。
担体に保持されるペプチドの量は、担体が供される洗浄のストリンジェンシー次第であることは、当業者にとって、一見して明白である。ペプチドの固定化の後、担体をたとえば1.0M NaCl、10mM tris−HCl(pH8.0)により洗浄することが好ましい。
第2ペプチドは、疎水性面に、好ましくは、1〜6個の疎水性アミノ酸残基を含んでおり、より好ましくは、2〜5個の疎水性アミノ酸残基を含んでおり、最も好ましくは、2〜4個の疎水性アミノ酸残基を含んでいる。
第1ペプチドおよび第2ペプチドのそれぞれにおいて、実質的に非疎水性であるリガンド結合面に位置しているリガンド結合残基の数は、好ましくは10以下であり、より好ましくは8以下であり、より好ましくは6以下であり、さらに好ましくは4以下であり、最も好ましくは3以下である。
第4の態様における捕捉剤は、当該技術分野において周知のコンビナトリアル手法によって、アミノ酸の複数の群から生成されることが好ましい。
好ましくは、ペプチドはルールセット(a set of rules)にしたがって生成され、さまざまなリガンド結合特性を有するペプチドになる。
第1ペプチドおよび第2ペプチドは固相上に合成されることが好ましく、第4の態様の方法においては、使用する前に、ペプチドが固相から切り離されることがより好ましい。
固相ペプチド合成および液相ペプチド合成などの、ペプチドおよびそれらの塩ならびにそれらの誘導体の合成は、当該技術分野において十分に確立されている。たとえば、Stewart,et al.(1984) Solid Phase Peptide Synthesis(2nd Ed.);および、Chan(2000)“FMOC Solid Phase Peptide Synthesis,A Practical Approach,”Oxford University Press参照。ペプチドは、自動ペプチド合成装置(たとえば、Pioneer(登録商標)ペプチド合成機、アプライドバイオシステムズ社、フォスターシティ、カリフォルニア)を用いて合成できる。たとえば、FMOC固相ペプチド合成によりペプチドをリンクアミド樹脂上に調製した後に、トリフルオロ酢酸(95%)により保護をはずし、樹脂から切り離す。
少なくとも第1ペプチドおよび第2ペプチドが、互いに同じ一次アミノ酸配列または異なる一次アミノ酸配列であり得ることは、一見して明白である。
第1ペプチドおよび第2ペプチドは第1アミノ酸群および第2アミノ酸群から合成でき、また、各アミノ酸群は互いに同じでも異なるものでもよいことはさらに明白である。
好ましくは、上記第1ペプチドおよび第2ペプチドのそれぞれは、少なくとも1つの反応基を含んでいる。好ましい実施形態においては、ペプチド上にある反応基は、多量体型捕捉剤を形成するように反応する。
好ましい実施形態においては、上記反応基は、ペプチド合成の間は保護されており、第4の態様における捕捉剤の生成に使用する前に保護がはずされる。このような技術は当業者において周知であり、たとえば、FMOCに基づく標準的な固相ペプチドアセンブリがある。この技術によれば、側鎖が保護されておりアミノ末端がフリーである樹脂結合ペプチドを形成できる。N末端のアミノ基は、その後、標準ペプチド合成条件において、共役できるカルボン酸反応基共役の任意のものと反応する。たとえば、トリチルまたはメトキシトリチルによって保護されたチオール基を保持するシステインを、組み込むことができる。トリフルオロ酢酸を用いた脱保護により、保護されていないペプチドが、溶液中に生じる。
ペプチド多量体を形成するために、任意の適した反応を用いることができることは理解され、たとえば、シクロペンタジエニル官能化ペプチドとマレイミド官能化ペプチドとの間のディールス−アルダー反応、チオール官能化ペプチドとマレイミド官能化ペプチドとの間のマイケル反応、チオール官能化ペプチドと活性化チオール基(たとえば、(ニトロ)チオピリジン部分によって活性化)含有ペプチドとの間でジスルフィドを形成する反応、アジド官能化ペプチドとホスフィン酸チオエステル官能化ペプチドとの間のシュタウディンガーライゲーション、およびチオエステルとN末端システインとの間のネイティブケミカルライゲーションが、挙げられる。好ましい実施形態においては、ペプチド多量体は、ジスルフィド結合形成によって形成される。
反応基が第1ペプチドおよび第2ペプチドの一次ペプチド構造における任意の適した場所に配置され得ることは理解され、たとえば、ペプチドの実質的に非疎水性であるリガンド結合面で、かつリガンド結合部位のN末端側にあるように、反応基が一次ペプチド配列中に配置され得る。
または、ペプチドの実質的に非疎水性であるリガンド結合面に位置し、第1ペプチドにおいてはリガンド結合部位のN末端側に位置し、第2ペプチドにおいてはリガンド結合部位のC末端側に位置するように、反応基が第1ペプチドおよび第2ペプチドの一次ペプチド構造中に配置され得る。
さらなる実施形態では、第1ペプチドにおいては、ペプチドの実質的に非疎水性であるリガンド結合面であり、リガンド結合部位のN末端側に位置するように、また第2ペプチドにおいては、リガンド結合部位に対して反対側の(疎水性の)面であり、リガンド結合部位のC末端側に位置するように、反応基が第1ペプチドおよび第2ペプチドの一次ペプチド構造中に配置され得る。
好ましい実施形態において、図9に示すように、第1ペプチドの反応基は、一次アミノ酸構造中において、実質的に非疎水性であるリガンド結合面であり、かつリガンド結合部位のN末端側に位置しており、第2ペプチド中において、疎水性面であり、かつリガンド結合部位のN末端側に位置している。
上記反応基としては、チオール基、マレイミド、シクロペンタジエン、アジド、ホスフィン酸チオエステル、チオエステル、および(ニトロ)チオピリジル活性化チオールならびに当該技術分野において周知である他の化合物から選択されることが好ましいが、これらに限定されるものではない。反応基としては、チオール基がより好ましい。反応基がチオール基である場合には、少なくとも1つのチオール基が活性化チオールであることが好ましい。好ましくは、チオール基は、ニトロチオピリジル基またはチオピリジル基で活性化されている。
第1の態様に関して説明したように、ペプチド内にあるアミノ酸残基によって、捕捉剤が異なる特性を有するようになることは明白である。
好ましくは、第4の態様の捕捉剤は、アレイを形成するように担体に結合している。アレイが任意の使いやすい形態をとることができることは理解される。したがって、本発明の方法は、一分子アレイを含め、“高密度”アレイの全てのタイプに適用できる。
アレイは、個別のアドレス可能な空間符号化部位を複数含んでいることが好ましい。好ましくは、アレイ上の各部位には、異なる捕捉剤が含まれており、より好ましくは、各部位には、捕捉剤の多数のコピーが含まれている。
特に好ましい実施形態において、第1ペプチドは、配列番号1に示される構造を有している;
(Phe−Gly)−Phe−Cys−Phe−X−Phe−Y−Phe−Z−Phe−Gly−Phe
ここでX、YおよびZはリガンド結合残基であり、Cysは二量体形成に用いられる求核チオールを提供する。
第2ペプチドは、配列番号2に示される好ましい構造を有している;
CysS(N)P−X’−Phe−Y’−Phe−Z’−Phe
ここで、X’、Y’およびZ’はリガンド結合残基であり、CysS(N)Pは二量体形成に用いられる活性化チオール(最も好ましくは、チオニトロピリジル基またはチオピリジル基のいずれかで活性化されているチオール)である。
上記の好ましい実施形態は、例示のみを目的としており、限定して解釈すべきではないことは理解すべきである。多くの他の反応基および活性化基を本発明に採用できることは、当業者にとって明白である。
最も好ましい実施形態においては、本発明のいずれの態様における捕捉剤も、組み合わせが多様な二量体の、アドレス可能な空間符号化アレイを形成するために、適した担体上に分注される。好ましくは、ペプチドは、非接触型ディスペンサー(たとえばPiezorray System、パーキンエルマーLAS)を用いて個々に担体上に分注され、in situでアセンブルされる。
本発明のさらなる態様によれば、本発明の第1または第4の態様における少なくとも1つの捕捉剤が固定化されている担体を提供する。
本発明のまたさらなる態様によれば、本発明の第2または第3の態様における少なくとも1つの捕捉剤が固定化されている担体を供給する。
本発明によれば、関心のあるリガンドを結合している多量体型捕捉剤の検出方法であって、任意の上述の態様に係るコンビナトリアル捕捉剤のアレイを製造する工程と、上記関心のあるリガンドを上記アレイに接触させる工程と、上記リガンドを結合している捕捉剤を検出する工程と、を含むことを特徴とする検出方法もまた提供される。
捕捉剤へのリガンドの結合を当該技術分野において周知であるさまざまな方法によって同定できることは、当業者にとって明白であり、たとえば、リガンドが結合しているアレイ上の位置を同定できるように、リガンドまたは捕捉剤を標識化してもよい。この標識は、たとえば、放射性標識、または、たとえば蛍光プローブを用いた蛍光標識であり得る。または、関心のあるリガンドの捕捉剤への結合を、当該技術分野において周知の他のさまざまな技術を用いて検出してもよく、たとえば、熱量測定、吸光光度法、NMR法、原子間力顕微鏡および走査型トンネル顕微鏡を用いた方法、電気泳動またはクロマトグラフィー、質量分析、キャピラリー電気泳動、表面プラズモン共鳴検出、弾性表面波検出ならびにマイクロカンチレバーに基づく多くのアプローチがある。
捕捉剤が結合する特定のリガンドは、捕捉剤を形成しているペプチドの長さおよび配列によって決まるので、本発明に係る多量体型捕捉剤および多量体型捕捉剤のアレイは、選択した任意の検出物質(analyte of choice)の同定に使用できる。好ましい実施形態においては、リガンドとしては、真核細胞、原核細胞、ウイルス、バクテリオファージ、プリオン、胞子、花粉粒、アレルゲン、核酸、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質、有機化合物または無機化合物が含まれる。リガンドは、好ましくは、生理代謝産物または薬理代謝産物であり、最も好ましくは、診断または予後医療マーカーとして用いることができる、人もしくは動物の体液中にある生理代謝産物または薬理代謝産物である。
本発明のさらなる目的、特徴および長所は、以下の記述で明らかになる。さらに、本発明の利点は、図面を参照する以下の説明によって明らかになる。
〔発明を実施するための最良の形態〕
ここで使用される用語「スペーサーアミノ酸」は、側鎖がリガンド結合に関与しないアミノ酸であって、アミノ酸、合成アミノ酸、アミノ酸類似物またはアミノ酸模倣物を意図する。
ここで使用される用語「捕捉剤」は、リガンドが当該捕捉剤に接触したとき、リガンドに結合するような構造を有するペプチド分子を意図する。
ここで使用される用語「多量体型捕捉剤」は、少なくとも2つの連結されたサブユニットを含む捕捉剤を意図する。
ここで使用される用語「ペプチド」は、2つ以上のアミノ酸残基を含む鎖を意図し、合成アミノ酸、アミノ酸類似物、アミノ酸模倣物、またはこれらのいずれかの組み合わせを意図する。用語「ペプチド」および「ポリペプチド」は、本明細書中において交換可能に使用される。
ここで使用される用語「実質的に鏡像異性的に単一」は、残基が実質的に1種類の鏡像異性体を含み、他の種類の鏡像異性体は不純物としてのみ含むことを意図する。
ここで使用される用語「リガンド結合に好ましいように配置する」は、多量体捕捉剤を形成するペプチドの側鎖が、リガンドに接触し相互作用し得るように配置することを意図する。
ここで使用される用語「実質的に非疎水性」は、疎水性残基よりも親水性残基を実質的に含むことを意図する。
〔実施例1〕
有機溶媒層中または疎水性表面上におけるペプチドのセルフアセンブリを実証するために、以下の一連のペプチドを合成した。ペプチドのセルフアセンブリは、上記有機溶媒層または疎水性表面に接触する水溶性溶媒中において、エントロピー効果により引き起こされる。
全てのペプチドのN末端を、ローダミン色素TAMRAで標識した。5−TAMRAおよび6−TAMRAの混合物を標識に用いた。
以下では、紙面の前に突き出す残基の側鎖は、組み合わせ多様な「リガンド結合面」に相当する。紙面の後ろへ突き出す残基の側鎖は、「疎水性面(あるいはネガティブコントロール残基)」に相当する。
2DOS−1〜2DOS−8のペプチド群において、4つの側鎖(アスパラギン酸、アラニン、セリン、およびリシン)の混合物を用いた。2DOS−9〜2DOS−16のペプチド群において、4つの親水性(アスパラギン酸)の鎖を用いた。
2DOS−1〜2DOS−4のペプチド群、および2DOS−9〜2DOS−12のペプチド群において、5残基の側鎖を「疎水性面(またはネガティブコントロール残基)」に用いた。2DOS−5〜2DOS−8のペプチド群、および2DOS−13〜2DOS−16のペプチド群において、3残基の側鎖を「疎水性面(またはネガティブコントロール残基)」に用いた。
2DOS−1、2DOS−5、2DOS−9、および2DOS−13のペプチドにおいては、ノルロイシル残基を「疎水性面」に用いた。2DOS−2、2DOS−6、2DOS−10、および2DOS−14のペプチドにおいては、フェニルアラニン残基を「疎水性面」に用いた。2DOS−3、2DOS−7、2DOS−11、および2DOS−15のペプチドにおいては、セリン残基を、「疎水性面」に対する弱いネガティブコントロールとして用いた。2DOS−4、2DOS−8、2DOS−12、および2DOS−16のペプチドにおいては、アスパラギン酸残基を、「疎水性面」に対する強いネガティブコントロールとして用いた。
標準FMOC chemistry(Alta Bioscience)を用いて、ペプチドを2μmol単位で合成し、50%(v/v)水溶性アセトニトリル中に10μMになるように溶解した。
疎水性面(ポリプロピレンマイクロタイタープレートのウエル)上における、2DOS−1〜2DOS−16のペプチドの保持を調べた。
50%(v/v)水溶性アセトニトリル中の10mM tris−HCl(pH8.0)を、ペプチドおよびTAMRAの溶媒として用いた。
10μMの2DOS−1〜2DOS−16のペプチド、および10μMのTAMRAを、100μlずつ等分し、図10に示すように、Costarマイクロタイタープレートのウエルに入れた。
このマイクロタイタープレートを、Typhoon Trio Plus variable mode imager(Amersham Biosciences)にて、解像度200μmで画像化した。このとき、以下に示すPMT電圧、標準感度で、緑色(532nm)レーザーおよび580 BP 30フィルターを用いた。走査高さ(scan height)を+3mmに設定し、サンプルをスキャニング中圧縮した。
ペプチドが乾燥するように、一晩中暗所で乾燥させ、マイクロタイタープレートを再び上述したようにスキャニングした。
次いで、250μLの水でウエルを10回洗浄した。
残りの表面結合ペプチドを、最後に、50%(v/v)アセトニトリル水溶液中の10mM tris−HCl(pH8.0)100μlに再懸濁し、マイクロタイタープレートを、再び、上述したようにスキャニングした。
蛍光画像は、ImageQuant TL v2003.03(Amersham Biosciences)を用いて解析した。
3回の実験で得られた、600V、500V、400Vおよび300VのPMT電圧でスキャニングしたマイクロタイタープレートの蛍光画像を図11に示す。
定量化データ(400Vでスキャンしたときのデータを用いた)を表2に示し、グラフを図12に示した。
この結果から、フェニルアラニン残基は、ノルロイシル残基よりも強い保持を引き起こすことが示された。この結果から、さらに、5つの疎水性「アンカー残基」を有するペプチドの方が、3つの疎水性「アンカー残基」を有する同等ペプチドよりもよく保持されることが示された。リガンド結合残基を、アスパラギン酸、アラニン、セリンおよびリシンから、4つのアスパラギン酸残基が連続したものに変更すると、ポリプロピレン表面における保持の低下が引き起こされる。
さらなる実験を、表3に示すP1−1〜P1−5のペプチド、およびP2−1〜P2−2のペプチドの、ポリプロピレン表面における保持を調べるために行った。
ポリプロピレンシートを、使用前に50%(v/v)アセトニトリル水溶液を用いて拭いた。
ジメチルスルホキシド(DMSO)中のP1−1〜P1−5のペプチド 1μM、P2−1〜P2−2のペプチド 1μM、およびTAMRA 1μMの、8×複製20nl量を、Piezorray system(PerkinElmer LAS)を用いて、1mm間隔で、3”×1”×1 mmポリプロピレンシートに分注した。「サイドシュート」オプションを用いて、前もって500滴分注した。また、チューニングを30μs、72Vに設定した。
このスライドを、Typhoon Trio Plus variable mode imager(Amersham Biosciences)にて、解像度10μmで画像化した。このとき、600VのPMT電圧、標準感度で、緑色(532nm)レーザーおよび580 BP 30フィルターを用いた。走査高さをプラテン(platen)に設定し、サンプルをスキャニング中圧縮した。蛍光画像をImageQuant TL v2003.03(Amersham Biosciences)を用いて分析した。
スライドの下半分(テストアレイを含む)を10mM tris−HCl(pH8.0)を含む1M NaCl 100ml中で1分間洗浄し、上述したように再スキャニングした。
同じスライドの半分を、10mM tris−HCl(pH8.0)を含む1M NaCl 100ml中で30分間、2回目の洗浄を行い、上述したように再スキャニングした。
同じスライドの半分を、100mlの水で30分間、3回目の洗浄を行い、上述したように再スキャニングした。
様々なアレイの蛍光画像を図13Aおよび図13Bに示す。
図13Aおよび図13Bに示した、配列した様々なペプチドからの蛍光値を、以下の表4〜6に示す。
一回目の洗浄後のデータを表4aおよび表4bに示す。
二回目の洗浄後のデータを表5aおよび表5bに示す。
三回目の洗浄後のデータを表6aおよび表6bに示す。
これらの結果をグラフ化し、図14に示す。
この図は、ペプチド鎖長の増加に伴ってペプチドの保持が増加することを明確に示す。明確に示すように、19アミノ酸の鎖長を有するペプチドP1−5が、最も高い保持を有する。
〔実施例2〕
ポリプロピレン疎水性表面上に付着させたペプチド2DOS−2(上記参照)のpH耐性を調べた。
50%(v/v)アセトニトリル水溶液中の10mM tris−HCl(pH8.0)中のペプチド2DOS−2を、50μlずつ12等分し、Costarマイクロタイタープレートのウエル中で乾燥させた。
ペプチドサンプルが乾燥するように、暗所で乾燥させた。
乾燥したペプチドサンプルの最初の11ウエルを、表7に示すスキームにしたがって、100mM リン酸緩衝液 200μl中で、室温にて30分間インキュベートした。
上清を全てピペットで吸い取り、12ウエルの全てに残留する表面結合ペプチドを、最後に、50%(v/v)アセトニトリル水溶液中の10mM tris−HCl(pH8.0)50μlに再懸濁した。そして、このマイクロタイタープレートを、Typhoon Trio Plus variable mode imager(Amersham Biosciences)にて、解像度200μmで画像化した。このとき、以下に示すPMT電圧、標準感度で、緑色(532nm)レーザーおよび580 BP 30フィルターを用いた。走査高さを+3mmに設定し、サンプルをスキャニング中圧縮した。
蛍光画像を、ImageQuant TL v2003.03(Amersham Biosciences)を用いて分析した。
ポリプロピレン上に付着した2DOS−2のpH耐性を示す蛍光画像を、図15に示す。
ペプチド2DOS−2の保持に関する定量化データ(300Vでスキャニングしたデータを使用)を表8に示し、グラフ化したものを図16に示す。
この結果は、ポリプロピレン表面上におけるペプチド2DOS−2の保持は、幅広いpH範囲において安定しており、低pHおよび高pHにおいて最大の保持を示し、おおよそpH6.5で最小の保持を示した。
〔実施例3〕
ポリプロピレン疎水性表面上に付着したペプチド2DOS−2(上記参照)の時間依存持続性を、水性バッファの存在下で、以下に示すように調べた。
75%(v/v)アセトニトリル水溶液中の5mM tris−HCl(pH8.0)中の、5μM ペプチド2DOS−2を、100μlずつ12等分し、Costarマイクロタイタープレートの上部列のウエルに分注した。
ペプチドサンプルが乾燥するように、暗所で乾燥させた。
ウエル1〜10内で乾燥させたペプチドサンプルを、10mM tris−HCl(pH8.0)中で、1M NaCl 250μlと共に、以下に示す時間、室温でインキュベートした。インキュベーション後、全ての上清を、ピペットにより8回出し入れし、その後取り出して、マイクロタイターの下列のウエルに入れた。
12ウエル全てに残留する表面結合ペプチドを、最後に、50%(v/v)アセトニトリル水溶液中の10mM tris−HCl(pH8.0) 50μl中に再懸濁し、Typhoon Trio Plus variable mode imager(Amersham Biosciences)にて、解像度200μmで画像化した。このとき、以下に示すPMT電圧、標準感度で、緑色(532nm)レーザーおよび580 BP 30 フィルターを用いた。走査高さを+3mmに設定し、スキャニング中サンプルを圧縮した。
蛍光画像を、ImageQuant TL v2003.03(Amersham Biosciences)を用いて分析した。
ポリプロピレン疎水性表面上に付着したペプチド2DOS−2の、水性バッファ存在下における時間依存持続性に対する蛍光データを、図17に示す。
ペプチド2DOS−2の保持に関する定量化データ(300Vでスキャニングしたデータを使用)を表9および図18に示す。
この結果は、疎水性ポリプロピレン表面上におけるペプチド2DOS−2の保持は、1M NaCl/10mM tris−HCl(pH8.0)中への懸濁時間を増加させても、安定であったことを示す。
〔実施例4〕
異なる形状のポリプロピレンウエル上における、2DOS−1〜2DOS−16のペプチド(上記参照)の保持を調べた。
50%(v/v)アセトニトリル水溶液中の10mM tris−HCl(pH8.0)を、ペプチドおよびTAMRAのための溶媒として用いた。
10μMの2DOS−1〜2DOS−16のペプチド、10μMのおよびTAMRAを、1μlずつ等分し、図19に示すスキームに従って、CostarV底ポリプロピレンマイクロタイタープレート、およびGreiner平底ポリプロピレンマイクロタイタープレートにピペットで入れた。
ペプチドサンプルが乾燥するように、暗所で乾燥した。
マイクロタイタープレートの上部2列のペプチドサンプルを、10mM tris−HCl(pH8.0)中の1M NaCl 250μl中で、室温で15分間インキュベートした。インキュベート後、上清を除去する前のウエル中で、洗浄バッファをピペットにて8回出し入れした。
洗浄および非処理のペプチドサンプルを、50%(v/v)アセトニトリル水溶液中の10mM tris−HCl(pH8.0) 50μl中に再懸濁した。
マイクロタイタープレートを、Typhoon Trio Plus variable mode imager(Amersham Biosciences)にて、解像度200μmで画像化した。ここで、以下に示すPMT電圧、標準感度で、緑色(532nm)レーザーおよび580 BP 30フィルターを用いた。走査高さをプラテンに設定し、スキャニング中サンプルを圧縮した。
蛍光画像を、ImageQuant TL v2003.03(Amersham Biosciences)を用いて分析した。
PMT電圧600Vおよび500Vにおいてスキャニングしたプレートの蛍光画像を、図20に示す。
V底ウエルにおける定量化データ(500Vでスキャニングしたデータを使用)を表10および図21に示す。
平底ウエルにおける定量化データ(500Vでスキャニングしたデータを使用)を表11および図22に示す。
この結果は、異なる形状のポリプロピレンウエル上における、2DOS−1〜2DOS−16のペプチドの保持は同等であり、ペプチドの保持は、V底形状のウエルでの乾燥に依存しないことが示す。
〔実施例5〕
ポリプロピレンおよびポリスチレン表面における2DOS−1〜2DOS−16のペプチド(上記参照)の保持を比較した。
75%(v/v)アセトニトリル水溶液中の5mM tris−HCl(pH8.0)を、ペプチドおよびTAMRAのための溶媒として用いた。
5μMの2DOS−1〜2DOS−16のペプチド、および5μMのTAMRAを、20μlずつ等分し、CostarV底ポリプロピレンマイクロタイタープレート、GreinerV底ポリプロピレンマイクロタイタープレート、およびGreinerV底ポリスチレンマイクロタイタープレートに、図23に示すスキームに従って、ピペットで入れた。
ペプチドサンプルが乾燥するように、暗所で乾燥した。
マイクロタイタープレートの上部2列におけるペプチドサンプルを、10mM tris−HCl(pH8.0)中の1M NaCl 250μl中において、15分間、室温でインキュベートした。インキュベート後、上清を除去する前のウエル内にて、ピペットで洗浄バッファを8回出し入れした。
洗浄および非処理のペプチドサンプルを、50%(v/v)アセトニトリル水溶液中の10mM tris−HCl(pH8.0) 50μl中に再懸濁した。
マイクロタイタープレートを、Typhoon Trio Plus variable mode imager(Amersham Biosciences)にて、解像度200μmで画像化した。このとき、以下に示すPMT電圧、標準解像度で、緑色(532nm)レーザーおよび580 BP 30フィルターを用いた。走査高さを+3mmに設定し、サンプルをスキャニング中圧縮した。
蛍光画像を、ImageQuant TL v2003.03(Amersham Biosciences)を用いて分析した。
600V、500Vおよび400VのPMT電圧でスキャニングしたスライドの蛍光画像を、図24に示す。
プレートの上側半分のペプチドサンプルを洗浄し、プレートの下側半分のペプチドサンプルを非処理とした。
CostarポリプロピレンV底ウエルにおける定量化データ(400Vでスキャニングしたデータを使用)を、表12に示す。
GreinerポリプロピレンV底ウエルにおける定量化データ(400Vでスキャニングしたデータを使用)を、表13に示す。
GreinerポリスチレンV底ウエルにおける定量化データ(400Vでスキャニングしたデータを使用)を、表14に示す。
これらのグラフを図25に示す。
この結果は、3つの全ての表面において、同様のペプチドの挙動が見られることを示し、さらに、保持は、ある特定のプラスチック表面に特有の性質というよりもむしろ、ペプチドの配列特異的な性質であることが明らかになった。
〔実施例6〕
7つのフェニルアラニン基からなる「表面結合面」を有する4つのペプチドを合成した。これらのペプチドはまた、帯電残基および非帯電残基からなる中央領域と、末端から2番目の可変残基とを有している。末端から2番目の可変残基は、アラニン、セリン、システインまたはニトロピリジルチオ活性化システイン基である。
さらに、TAMRA標識した4つの蛍光ペプチドもまた合成した。これらの蛍光ペプチドは、可変のC末端基が取り付けられたグリシン残基に取り付けられたN末端TAMRA蛍光団を含む。上記可変のC末端基は、アラニン、セリン、システインまたはニトロピリジルチオ活性化システイン基である。
実施例1に示した5−TAMRA異性体および6−TAMRA異性体の混合物を、標識として用いた。
8つのペプチドの全ての群(set)を、表15および表16に示した。
SB−1〜SB−4のペプチド、およびTLSP−1〜TLSP−4のペプチドを二量体形成の調査に用いた。
2つの異なるプロトコールを使用した。「液相」プロトコールでは、SBペプチドをポリプロピレン表面上で乾燥した。次いで、TLSPペプチドを水溶液に添加し、ウエルを洗浄して、保持された蛍光材料を分析した。
「共乾燥」プロトコールでは、SBペプチドとTLSPペプチドとを混合し、これらの両方をポリプロピレン表面上で共に乾燥した後、ウエルを洗浄し、保持された蛍光材料を分析した。
さらに他のプロトコールでは、SBペプチドとTLSPペプチドとを水溶液中で混合し、ペプチド二量体を生成させるために反応させ、当該二量体をポリプロピレン表面上で乾燥させる。当該プロトコールは、従来公知の方法により容易に行い得る。
「液相」プロトコールでは、50%(v/v)アセトニトリル水溶液中の1mM NaHPO中の、10μMのSB−1〜SB−4のペプチド 50μlを、表17に示すスキームに従って、Costar V底マイクロタイタープレートのウエルに添加した。
サンプルを一晩、暗所にて乾燥した。10mM NaHPO中の100μMのTLSP−1〜TLSP−4のペプチド 50μlを、表18に示すスキームに従って、ウエルに添加した。
サンプルを室温で1時間、暗所にてインキュベートした。上清を除去し、10mM tris−HCl(pH8.0)中の1M NaCl 200μlを用いて、ウエルを2回洗浄した。50%(v/v)アセトニトリル水溶液中の10mM tris−HCl(pH8.0) 50μlを、最後にウエルに添加した。
マイクロタイタープレートをTyphoon Trio Plus variable mode imager(Amersham Biosciences)にて、解像度200μmで画像化した。ここで、PMT電圧500V、標準感度で、緑色(532nm)レーザーおよび580 BP 30フィルターを用いた。走査高さを+3mmに設定し、スキャニング中サンプルを圧縮した。蛍光画像を、ImageQuant TL v2003.03(Amersham Biosciences)を用いて分析した。
「共乾燥」プロトコールでは、50%(v/v)アセトニトリル水溶液中の1mM NaHPO中の、10μMのSB−1〜SB−4のペプチド 50μlを、表19に示すスキームに従って、Costar V底マイクロタイタープレートのウエルに添加した。
50%(v/v)アセトニトリル水溶液中の1mM NaHPO中の、100μMのTLSP−1〜TLSP−4のペプチド 50μlを、表20に示すスキームに従って、ウエルに添加した。
サンプルを一晩、暗所で乾燥した。
ウエルを、10mM tris−HCl(pH8.0)中の1M NaCl 200μlで2回洗浄した。50%(v/v)アセトニトリル水溶液中の10mM tris−HCl(pH8.0) 50μlを、最後にウエルに添加した。
マイクロタイタープレートを、Typhoon Trio Plus variable mode imager(Amersham Biosciences)にて、解像度200μmで画像化した。ここで、PMT電圧500V、標準感度で、緑色(532nm)レーザーおよび580 BP 30フィルターを用いた。走査高さを+3mmに設定し、スキャニング中、サンプルを圧縮した。蛍光画像を、ImageQuant TL v2003.03(Amersham Biosciences)を用いて分析した。
「液相」プロトコールを用いた実験から得られたマイクロタイタープレートの蛍光画像を図26Aに示す。
「液相」プロトコールにより得られた蛍光データを、表21に示す。
結果をグラフ化し、図26Bに示す。
「共乾燥」プロトコールを用いた実験から得られたマイクロタイタープレートの蛍光画像を図27Aに示す。
「共乾燥」プロトコールにより得られた蛍光データを表22に示す。
結果をグラフ化し、図27Bに示す。
ポリプロピレン表面と蛍光標識したペプチドとの両方に結合可能な非標識ペプチドの存在下で、蛍光標識されたペプチドの保持によって、二量体の収率を分析した。
「液相」プロトコールにおける二量体の収率は、「共乾燥」プロトコールにおける二量体の収率よりも低いが、二量体形成の化学特異性はより良かった。最大二量体形成は、表面ペプチドが遊離チオール基を有するとき、および溶液ペプチドがS−ニトロピリジル活性チオール基を有するときに観察された。表面ペプチドがS−ニトロピリジル活性チオール基を有し、溶液ペプチドがS−ニトロピリジル活性チオール基を有するとき、表面ペプチドが遊離チオール基を有し、溶液ペプチドが遊離チオール基を有するとき、および表面ペプチドがS−ニトロピリジル活性チオール基を有し、溶液ペプチドが遊離チオール基を有するとき、にも二量体形成が観察された。
遊離チオールに連結される遊離チオールは、単純な好気性酸化によってジスルフィド結合を形成することに起因し得る。S−ニトロピリジル活性チオールに結合するS−ニトロピリジル活性チオールは、残りのS−ニトロピリジル活性チオールと反応し得るいくつかの遊離チオールを残すような不完全なチオール活性化の結果、またはいくつかの他のメカニズムに起因するかもしれない。
「共乾燥」プロトコールの結果は、上述した結果に酷似している。この方法においては、二量体の収率は徐々に高くなるが、非特異性結合もまた高くなった。特に、表面に付けられたヒドロキシル化ペプチドと、遊離チオール基およびS−ニトロピリジル活性チオール基の両方を含む溶液ペプチドとの間で、いくつかの反応が観察された。
〔実施例7〕
本実施例では、Piezorray(PerkinElmer LAS)非接触ディスペンサーを用いて、平面プラスチック表面上においてペプチド二量体を形成した。Piezorray(PerkinElmer LAS)は、高密度アレイに、ナノリットル量をピペットで移すように厳密に設計されている。液量を、圧電性電動チップにより制御した。Piezorrayシステムは、ソースプレートホルダー、超音波ウォッシュボウル、コンピュータおよびモニター、ならびにシステム溶液用のボトルを含む。
ポリプロピレンシートをSBAプラスチック(http://www.sba.co.uk/, Propylex Natural Polypropylene Sheet 2440×1220×1 mm)から得た。このポリプロピレンシートを、使用前に、50%(v/v)アセトニトリル水溶液によりふき取った。
表23に示すスキームに従って、Piezorrayシステムを用いて、50%(v/v)アセトニトリル水溶液中またはコントロール溶液中の1mM NaHPO中の、100μMのSB−1〜SB−3のペプチド 5nlの6つの10×10配列を、3”×1”にカットされた1mmポリプロピレンシートに、分配した。
表24に示すスキームに従って、Piezorrayシステムを用いて、50%(v/v)アセトニトリル水溶液中の1mM NaHPO中、あるいは、50%(v/v)アセトニトリル水溶液および10%(v/v)グリセロール中の1mM NaHPO中のいずれかにおける、100μMのTLSP−4ペプチド 5nlの6つの10×10配列を、上記スポット上に分配した。
サンプルを室温で30分間、暗所においてインキュベートした。スライドを、10mM tris−HCl(pH8.0)中の50mM NaCl 100mlで洗浄し、スライド上に水道水を1分間流した。
マイクロタイタープレートを、Typhoon Trio Plus variable mode imager(Amersham Biosciences)にて、解像度10μmで画像化した。ここで、PMT電圧400V、標準感度で、緑色(532nm)レーザおよび580 BP 30フィルターを用いた。走査高さをプラテン(platen)に設定し、スキャニング中、サンプルを圧縮した。蛍光画像を、ImageQuant TL v2003.03(Amersham Biosciences)を用いて分析した。
ポリプロピレンスライドの蛍光画像を、図28に示した。
ポリプロピレン表面および蛍光標識したペプチドの両方に結合可能な非標識ペプチドの存在下にて、蛍光標識したペプチドの保持によって、二量体収率を分析した。
表面ペプチドが遊離チオール基を有し、溶液ペプチドがS−ニトロピリジル活性チオール基を有するときに、二量体形成が観察された。単純なプロトコール(蒸発を防ぐためのグリセロールなしで)により、より高い二量体収率が得られた。
〔実施例8〕
本実施例では、L1−P1−1〜L1−P1−16のペプチド、およびL1−P2−1〜L1−P2−16のペプチドを含む二量体の、20個の256成分マイクロアレイ(256-element microarrays)を、平行して形成した。
1mmポリプロピレンシートを、136mm x 80mmにカットし、グラスペーパーにて軽く研磨し、使用前に50%(v/v)アセトニトリル水溶液でふき取った。
Piezorray system(PerkinElmer LAS)を用いて、表25に示すように、P1ペプチドの18×6nl等分を、0.72mm間隔にて、ポリプロピレンスライドの縦列に配列した。
DMSO=ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)
TCEP=トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(tris (2-carboxyethyl) phosphine)
P1ペプチドの配列:
P1-5 TAMRA-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Ser-Phe-Ala-Phe-Asp-Phe-Gly-Phe
L1-P1-1 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-DAB-Phe-DAB-Phe-Gly-Phe
L1-P1-2 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-DAB-Phe-Hse-Phe-Gly-Phe
L1-P1-3 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-DAB-Phe-Abu-Phe-Gly-Phe
L1-P1-4 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-DAB-Phe-Asp-Phe-Gly-Phe
L1-P1-5 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-Hse-Phe-DAB-Phe-Gly-Phe
L1-P1-6 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-Hse-Phe-Hse-Phe-Gly-Phe
L1-P1-7 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-Hse-Phe-Abu-Phe-Gly-Phe
L1-P1-8 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-Hse-Phe-Asp-Phe-Gly-Phe
L1-P1-9 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-Abu-Phe-DAB-Phe-Gly-Phe
L1-P1-10 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-Abu-Phe-Hse-Phe-Gly-Phe
L1-P1-11 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-Abu-Phe-Abu-Phe-Gly-Phe
L1-P1-12 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-Abu-Phe-Asp-Phe-Gly-Phe
L1-P1-13 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-Asp-Phe-DAB-Phe-Gly-Phe
L1-P1-14 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-Asp-Phe-Hse-Phe-Gly-Phe
L1-P1-15 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-Asp-Phe-Abu-Phe-Gly-Phe
L1-P1-16 Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Gly-Phe-Cys-Phe-Asp-Phe-Asp-Phe-Gly-Phe
サンプルを乾燥させた後、Piezorray system(PerkinElmer LAS)を用いて、表26に示すように、0.72mm間隔にて、90%(v/v) DMSO、1mM tris−HCl(pH8.0)中のL1−P2ペプチドの18×12nl等分を、ポリプロピレンスライドの列に沿って配列した。
P2ペプチドの配列:
L1-P2-1 CysSTP-DAB-Phe-DAB-Phe-Gly-Phe
L1-P2-2 CysSTP-DAB-Phe-Hse-Phe-Gly-Phe
L1-P2-3 CysSTP-DAB-Phe-Abu-Phe-Gly-Phe
L1-P2-4 CysSTP-DAB-Phe-Asp-Phe-Gly-Phe
L1-P2-5 CysSTP-Hse-Phe-DAB-Phe-Gly-Phe
L1-P2-6 CysSTP-Hse-Phe-Hse-Phe-Gly-Phe
L1-P2-7 CysSTP-Hse-Phe-Abu-Phe-Gly-Phe
L1-P2-8 CysSTP-Hse-Phe-Asp-Phe-Gly-Phe
L1-P2-9 CysSTP-Abu-Phe-DAB-Phe-Gly-Phe
L1-P2-10 CysSTP-Abu-Phe-Hse-Phe-Gly-Phe
L1-P2-11 CysSTP-Abu-Phe-Abu-Phe-Gly-Phe
L1-P2-12 CysSTP-Abu-Phe-Asp-Phe-Gly-Phe
L1-P2-13 CysSTP-Asp-Phe-DAB-Phe-Gly-Phe
L1-P2-14 CysSTP-Asp-Phe-Hse-Phe-Gly-Phe
L1-P2-15 CysSTP-Asp-Phe-Abu-Phe-Gly-Phe
L1-P2-16 CysSTP-Asp-Phe-Asp-Phe-Gly-Phe
L1-P2-17 TAMRA-CysSTP-DAB-Phe-DAB-Phe-Gly-Phe
L1-P2-18 TAMRA-CysSTP-Hse-Phe-Hse-Phe-Gly-Phe
L1-P2-19 TAMRA-CysSTP-Abu-Phe-Abu-Phe-Gly-Phe
L1-P2-20 TAMRA-CysSTP-Asp-Phe-Asp-Phe-Gly-Phe
サンプルを乾燥した後、0.1%(v/v)Tween−20を含む10mM tris−HCl(pH8.0) 50ml中で、スライドを10分間洗浄した。
スライドを、Typhoon Trio Plus variable mode imager(Amersham Biosciences)にて、解像度10μmで画像化した。ここで、PMT電圧500V、標準感度で、緑色(532nm)レーザーおよび580 BP 30フィルターを用いた。走査高さをプラテンに設定した。蛍光画像を、ImageQuant TL v2003.03(Amersham Biosciences)を用いて分析した。
二量体の1つの18×18配列の蛍光画像、およびコントロールスポットを、図32に示す。
配列させて分配した各L1−P1ペプチドの縦列の蛍光シグナルを観察した。この結果は、L1−P1ペプチドのそれぞれが、首尾よく分配され、二量体の形成が可能であることを示している。また、配列させて分配したL1−P2ペプチドの横列の蛍光シグナルも観察した。この結果は、L1−P2ペプチドのそれぞれが、首尾よく分配され、二量体の形成が可能であることを示している。
L1−P1ペプチドのチオール基と競合(compete)する、非標識P2ペプチドおよびTAMRA標識されたP2ペプチドの両方を用いて形成された16×16配列の二量体蛍光と比較して、TAMRA標識したP2ペプチドのみを有するサンプルの二量体蛍光がより強かった。この結果は、L1−P2ペプチドは全て、首尾よくTAMRA標識されたそのカウンターパートと競合し、それゆえに、16個の全てのL1−P1ペプチドと、16個の全てのL1−P2ペプチドとの間で、首尾よくペプチド二量体が形成されることを示している。
上述した本発明は、同様の方法が、多くの方法に変更され得ることは明確である。このような変更は発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者にとって明白なこのような変更のすべてが、本発明の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
〔産業上の利用可能性〕
本発明は、配列多様性が向上した合成捕捉剤を提供する。本発明に係る捕捉剤は、例えばガラスまたはシリコンのような様々な表面において機能し得るので、上記表面へのリガンド結合を可能にし、または様々なタイプのアレイを形成する。
L型アミノ酸とD型アミノ酸とを交互に含むペプチドを示す図である。 ベータアミノ酸を含むペプチドを示す図である。 アミノ酸が、一アミノ酸おきに異なるものであるペプチドを示す図である。 様々な反応基を含むペプチドを形成するための可能な経路を示す図である。 N末端システインを保持する捕捉剤とチオエステル誘導化表面との間のネイティブケミカルライゲーションの方法を模式的に示す図である。 チオエステル官能化ガラスを調製するための好ましい反応スキームを示す図である。 担体表面に二量体型捕捉剤を調製するための好ましい反応スキームを示す図である。 疎水性アミノ酸と非疎水性アミノ酸とを交互に含むペプチドを示す図である。 疎水性面および実質的に非疎水性であるリガンド結合面を有する二量体型捕捉剤の一例を示す図である。 96ウェルプレート中のさまざまな疎水性ペプチドの場所を示す図である。 ウェル中に様々なペプチドがあることを示している、図10の96ウェルプレートの蛍光画像である。 図11の400Vスキャンを定量化した結果を示すグラフである。 ポリプロピレン表面上に、ポリペプチドP1−1〜P1−5およびP2−1〜P2−2を保持していることを示す蛍光画像である。 ポリプロピレン表面上に、ペプチドP1−1〜P1−5およびP2−1〜P2−2を保持していることを示す蛍光画像である。 図13Aおよび図13Bを定量化した結果を示すグラフである。 ポリプロピレン疎水性表面上に沈着させたペプチド2DOS−2のpH抵抗性を示す蛍光画像である。 図15の300Vスキャンを定量化した結果を示すグラフである。 水性バッファー存在下における、ポリプロピレン疎水性表面上に沈着させたペプチド2DOS−2の時間依存持続性を示す蛍光画像である。 図17の300Vスキャンの結果を示すグラフである。 平底96ウェルプレートおよびV型底96ウェルプレートに添加した様々な疎水性ペプチドの場所を示す図である。 洗浄ありおよび洗浄なしの条件における疎水性ペプチドの保持を示す図19のプレートの蛍光画像である。 図20のV型底プレートにおける500Vスキャンの結果を示すグラフである。 図20の平底プレートにおける500Vスキャンの結果を示すグラフである。 ポリプロピレンおよびポリスチレンV型底96ウェルプレートに添加した様々な疎水性ペプチドの場所を示す図である。 洗浄ありおよび洗浄なしの条件における疎水性ペプチドの保持を示す図23のプレートの蛍光画像である。 図23のポリプロピレンプレートおよびポリスチレンプレートにおける、洗浄後のさまざまなペプチドの保持率をパーセント表示したグラフである。 “液相”プロトコールを用いた実験から得られるマイクロタイタープレートの蛍光画像である。 表21に示す蛍光画像のデータを示すグラフである。 “共乾燥(co-drying)”プロトコールを用いた実験から得られるマイクロタイタープレートの蛍光画像である。 表22に示す蛍光画像のデータを示すグラフである。 ポリプロピレンシート上における二量体形成を示す蛍光画像である。 本発明に係る捕捉剤の第1の製造方法を模式的に示す図である。 本発明に係る捕捉剤の第2の製造方法を模式的に示す図である。 本発明に係る捕捉剤の第3の製造方法を模式的に示す図である。 ペプチド二量体の256成分マイクロアレイの蛍光画像である。

Claims (68)

  1. 少なくとも第1ペプチド鎖および第2ペプチド鎖を含む、リガンド結合用多量体型捕捉剤であって、
    上記第1ペプチド鎖および第2ペプチド鎖は、それぞれ、2〜50個のアミノ酸からなるアミノ酸鎖を含み、
    上記アミノ酸のそれぞれは、実質的に鏡像異性的に単一であり、
    上記少なくとも第1ペプチド鎖と第2ペプチド鎖とは、共有結合していることを特徴とする多量体型捕捉剤。
  2. 上記少なくとも第1ペプチドおよび第2ペプチドは、コンビナトリアル合成されることを特徴とする請求項1に記載の多量体型捕捉剤。
  3. 上記実質的に鏡像異性的に単一である各アミノ酸は、20種未満のアミノ酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の多量体型捕捉剤。
  4. 上記実質的に鏡像異性的に単一である各アミノ酸は、4種のアミノ酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の多量体型捕捉剤。
  5. 上記実質的に鏡像異性的に単一である各アミノ酸は、L型アミノ酸、D型アミノ酸、アミノ酸模倣物、スペーサーアミノ酸、ベータアミノ酸または他のキラルアミノ酸単量体からなる群より選択されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の多量体型捕捉剤。
  6. 上記実質的に鏡像異性的に単一であるアミノ酸は、L型アミノ酸およびD型アミノ酸の少なくとも何れかであることを特徴とする請求項5に記載の多量体型捕捉剤。
  7. 上記第1ペプチドと上記第2ペプチドとは、互いに異なるアミノ酸配列を有していることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の多量体型捕捉剤。
  8. 上記ペプチドは、リガンド結合領域において、1アミノ酸おきにのみアミノ酸が異なるように合成されることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の多量体型捕捉剤。
  9. 上記第1ペプチドおよび上記第2ペプチドは、さらに第1反応基および第2反応基を含んでいることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の多量体型捕捉剤。
  10. 上記反応基は、チオール、マレイミド、シクロペンタジエン、アジド、ホスフィン酸チオエステル、チオエステル、および(ニトロ)チオピリジン活性化チオールからなる群より選択されることを特徴とする請求項9に記載の多量体型捕捉剤。
  11. 上記反応基は、チオール基であることを特徴とする請求項9または10に記載の多量体型捕捉剤。
  12. 少なくとも1つのチオール基が、活性化チオールであることを特徴とする請求項11に記載の多量体型捕捉剤。
  13. 上記チオール基は、チオニトロピリジル基またはチオピリジル基によって活性化されていることを特徴とする請求項12に記載の多量体型捕捉剤。
  14. 少なくとも上記第1ペプチドは、捕捉剤を担体に付着させるための付着部分をさらに含んでいることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の多量体型捕捉剤。
  15. 上記付着部分は、疎水性部分であることを特徴とする請求項14に記載の多量体型捕捉剤。
  16. 上記付着部分は、直接的または間接的に共有結合を形成し得ることを特徴とする請求項14に記載の多量体型捕捉剤。
  17. 請求項1〜16の何れか1項に記載の多量体型捕捉剤の複数が、担体上に固定されていることを特徴とするアレイ。
  18. 上記アレイ上の所定の部位にある上記捕捉剤の実質的に全てが、実質的に同一であることを特徴とする請求項17に記載のアレイ。
  19. 上記アレイ上の各部位には、互いに異なる捕捉剤が含まれていることを特徴とする請求項17または18に記載のアレイ。
  20. 少なくとも第1ペプチドおよび第2ペプチドを含んでおり、
    上記第1ペプチドは、第1反応基をさらに含んでおり、
    上記第2ペプチドは、第2反応基をさらに含んでいる、リガンド結合用多量体型捕捉剤の製造方法であって、
    上記反応基は、上記第1ペプチドおよび第2ペプチドにおいて、互いに同じか、または異なっており、
    上記ペプチドにある上記反応基が反応して共有結合している二量体を形成するように、第1ペプチドと第2ペプチドとが反応する工程を含んでいることを特徴とする多量体型捕捉剤の製造方法。
  21. 上記第1ペプチドおよび第2ペプチドは、それぞれ、第1アミノ酸群および第2アミノ酸群から生成されることを特徴とする請求項20に記載の製造方法。
  22. 上記第1アミノ酸群と第2アミノ酸群とは、異なるものであることを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
  23. 各アミノ酸は、4種のアミノ酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項20〜22の何れか1項に記載の製造方法。
  24. 一方または両方の上記反応基は、ペプチド合成の間は保護されており、使用の前に保護がはずされることを特徴とする請求項20〜23の何れか1項に記載の製造方法。
  25. 上記第1反応基および第2反応基は、チオール、マレイミド、シクロペンタジエン、アジド、ホスフィン酸チオエステル、チオエステル、および(ニトロ)チオピリジン活性化チオールからなる群より選択されることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
  26. 上記第1反応基および第2反応基は、チオール基であることを特徴とする請求項24または25に記載の製造方法。
  27. 少なくとも1つのチオール基は、活性化チオールであることを特徴とする請求項26に記載の製造方法。
  28. 上記チオール基は、チオニトロピリジル基またはチオピリジル基によって活性化されていることを特徴とする請求項27に記載の製造方法。
  29. 上記第1ペプチドおよび第2ペプチドは、固相上で合成されることを特徴とする請求項20〜28の何れか1項に記載の製造方法。
  30. 上記第1ペプチドは、付着部分をさらに含んでおり、
    上記付着部分を介して上記第1ペプチドを担体に付着させる付着工程をさらに含んでおり、
    上記付着工程は、上記ペプチドにある反応基が反応して二量体を形成するように第1ペプチドと第2ペプチドとが反応する工程よりも前に、または該工程と同時に、または該工程の後に行なわれることを特徴とする請求項20〜29の何れか1項に記載の製造方法。
  31. 上記捕捉剤は、共有結合によって上記担体に付着していることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
  32. 上記捕捉剤は、上記担体表面上にてアセンブルされることを特徴とする請求項20〜31の何れか1項に記載の製造方法。
  33. 複数の捕捉剤が、アレイを形成するように担体に付着していることを特徴とする請求項20、30、31または32に記載の製造方法。
  34. 上記捕捉剤は、チオエステル誘導化捕捉剤とシステイン誘導化表面との間のネイティブケミカルライゲーションによって、上記担体に付着していることを特徴とする請求項30または33に記載の製造方法。
  35. 上記捕捉剤は、N末端にシステインを有する捕捉剤とチオエステル誘導化表面との間のネイティブケミカルライゲーションによって、上記担体に付着していることを特徴とする請求項34に記載の製造方法。
  36. 少なくとも第1ペプチドおよび第2ペプチドを含み、
    上記第1ペプチドは、複数の疎水性アミノ酸残基および複数の非疎水性アミノ酸残基を含んでおり、上記第1ペプチドのアミノ酸は、ペプチド側鎖が疎水性面および実質的に非疎水性であるリガンド結合面を形成するように、上記第1ペプチドの一次構造中に配置されており、
    上記第2ペプチドは、少なくとも1つの疎水性アミノ酸残基および複数の非疎水性アミノ酸残基を含んでおり、上記第2ペプチドのアミノ酸は、アミノ酸側鎖が疎水性面および実質的に非疎水性であるリガンド結合面を形成するように、上記第2ペプチドの一次構造中に配置されていることを特徴とするリガンド結合用捕捉剤。
  37. 上記第1ペプチドは、疎水性アミノ酸残基と非疎水性アミノ酸残基とを交互に含む一次構造を有することを特徴とする請求項36に記載の捕捉剤。
  38. 上記第1ペプチドは、6〜12個の疎水性アミノ酸残基を含んでいることを特徴とする請求項36または37に記載の捕捉剤。
  39. 上記リガンド結合面に位置するように配置されている上記第1ペプチドの各アミノ酸は、6種未満のアミノ酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項36〜38の何れか1項に記載の捕捉剤。
  40. 上記第1ペプチドは、疎水性アミノ酸残基を20%〜80%含んでいることを特徴とする請求項36〜39の何れか1項に記載の捕捉剤。
  41. 上記疎水性面を形成する上記アミノ酸は、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、メチオニン、チロシン、トリプトファンおよびフェニルアラニンからなる群より選択されることを特徴とする請求項36〜40の何れか1項に記載の捕捉剤。
  42. 上記疎水性面にある上記疎水性アミノ酸は、フェニルアラニンであることを特徴とする請求項36〜41のいずれか1項に記載の捕捉剤。
  43. 上記第2ペプチドは、上記第1ペプチドよりもアミノ酸の数が少ない鎖を含んでいることを特徴とする請求項36〜42の何れか1項に記載の捕捉剤。
  44. 上記第2ペプチドは、上記第1ペプチドよりも疎水性残基の数が少ないことを特徴とする請求項36〜43の何れか1項に記載の捕捉剤。
  45. 上記第2ペプチドは、1〜6個の疎水性アミノ酸残基を含んでいることを特徴とする請求項36〜44の何れか1項に記載の捕捉剤。
  46. 上記第1ペプチドに含まれる、上記実質的に非疎水性であるリガンド結合面に位置しているリガンド結合残基の数が、10個以下であることを特徴とする請求項36〜45の何れか1項に記載の捕捉剤。
  47. 上記第2ペプチドに含まれる、上記実質的に非疎水性であるリガンド結合面に位置しているリガンド結合残基の数が、10以下であることを特徴とする請求項36〜46の何れか1項に記載の捕捉剤。
  48. 上記実質的に非疎水性であるリガンド結合面がリガンドと結合し得るように、担体に結合することを特徴とする請求項36〜47の何れか1項に記載の捕捉剤。
  49. 上記担体は、疎水性担体であることを特徴とする請求項48に記載の捕捉剤。
  50. 疎水性相互作用によって上記疎水性担体に付着することを特徴とする請求項49に記載の捕捉剤。
  51. 上記疎水性担体は、疎水性有機チオール処理によって修飾された金、表面処理により修飾されたガラス、またはプラスチックから選択されることを特徴とする請求項49または50に記載の捕捉剤。
  52. 上記ペプチドの二量体が、上記担体上にてアセンブルされることを特徴とする請求項48〜51の何れか1項に記載の捕捉剤。
  53. 上記第1ペプチドおよび第2ペプチドはそれぞれ、少なくとも1つの反応基を含んでいることを特徴とする請求項41〜52の何れか1項に記載の捕捉剤。
  54. 上記第1ペプチドにある上記反応基は、一次アミノ酸構造において、実質的に非疎水性であるリガンド結合面上であり、かつリガンド結合部位のN末端側に位置しており、上記第2ペプチドにある上記反応基は、上記疎水性面内であり、かつリガンド結合部位のN末端側に位置していることを特徴とする請求項53に記載の捕捉剤。
  55. 上記反応基は、チオール、マレイミド、シクロペンタジエン、アジド、ホスフィン酸チオエステル、チオエステル、および(ニトロ)チオピリジル活性化チオールからなる群より選択されることを特徴とする請求項53または54に記載の捕捉剤。
  56. 上記反応基は、チオール基であることを特徴とする請求項55に記載の捕捉剤。
  57. 少なくとも1つのチオール基は、活性化チオールであることを特徴とする請求項56に記載の捕捉剤。
  58. 上記チオール基は、チオニトロピリジル基またはチオピリジル基によって活性化されていることを特徴とする請求項57に記載の捕捉剤。
  59. 上記第1ペプチドは、配列番号1に示される配列を有していることを特徴とする請求項36〜58の何れか1項に記載の捕捉剤。
  60. 上記第2ペプチドは、配列番号2に示される配列を有していることを特徴とする請求項36〜58の何れか1項に記載の捕捉剤。
  61. 請求項36〜60の何れか1項に記載の捕捉剤を含んでいることを特徴とするアレイ。
  62. 個別のアドレス可能な空間符号化部位を複数含んでいることを特徴とする請求項61に記載のアレイ。
  63. 上記アレイ上の所定の部位にある上記捕捉剤の実質的に全てが、実質的に同一であることを特徴とする請求項61または62に記載のアレイ。
  64. 上記アレイ上の各部位には、互いに異なる捕捉剤が含まれていることを特徴とする請求項63に記載のアレイ。
  65. 請求項17〜19、61〜64の何れか1項に記載のアレイの製造方法であって、
    請求項1〜16、36〜59の何れか1項に記載の捕捉剤を適した担体上に供給して、アドレス可能な空間符号化アレイを形成する工程を含むことを特徴とする製造方法。
  66. 関心のあるリガンドに結合している多量体型捕捉剤の検出方法であって、
    請求項1〜16、36〜60の何れか1項に記載のコンビナトリアル捕捉剤のアレイを製造する工程と、
    上記関心のあるリガンドを上記アレイに接触させる工程と、
    上記リガンドが結合している捕捉剤を検出する工程と、を含むことを特徴とする検出方法。
  67. 上記リガンドは、真核細胞、原核細胞、ウイルスおよびバクテリオファージ、プリオン、胞子、花粉粒、アレルゲン、核酸、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質、有機化合物ならびに無機化合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項66に記載の検出方法。
  68. 上記リガンドは、生理代謝産物または薬理代謝産物であることを特徴とする請求項66または67に記載の検出方法。
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