JP2009516698A - グルカゴン受容体アンタゴニスト、製造及び治療的使用 - Google Patents

グルカゴン受容体アンタゴニスト、製造及び治療的使用 Download PDF

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Abstract

本発明では式Iの新規な化合物又はその薬理学的に許容できる塩類(グルカゴン受容体アンタゴニスト又は逆アゴニスト活性を有する)、並びにかかる化合物の調製方法を開示した。他の実施形態として、本発明では式Iの化合物を含んでなる医薬組成物、並びにそれらを使用した糖尿病及び他のグルカゴンが関連する代謝異常などを治療する方法を開示した。

Description

(関連出願)
本願は、2005年11月22日に出願された米国仮特許出願第60/738,723号の優先権を主張する。
本発明はグルカゴン受容体のアンタゴニスト若しくは逆アゴニストである化合物、それを含む医薬品組成物、並びにヒト若しくは動物の身体の治療への、当該化合物及び組成物の使用に関する。本発明の化合物は、グルカゴン受容体への高い親和性及び選択的な結合を示すため、グルカゴン受容体の調節に反応した障害(例えば糖尿病及び他のグルカゴンに関連する代謝異常など)の治療において有用である。
グルカゴンは、インシュリンと協同して血糖値の恒常性の調節に関与する、鍵となるホルモン物質である。グルカゴンは主に、血糖レベルが減少したとき、特定の細胞(これらの中で肝細胞が重要)を刺激してグルコースを放出させる機能を有する。グルカゴンは、血糖レベルが上昇した際にグルコースを取り込んで保持するように細胞を刺激するインシュリンとは反対の機能を果たす。グルカゴン及びインシュリンはペプチドホルモンであり、グルカゴンは膵臓のα島細胞において産生され、一方インシュリンはβ島細胞において産生される。グルカゴンはその受容体(7回膜貫通型のGタンパク質共役受容体ファミリーのグルカゴン−セクレチン分岐のメンバーである)と結合し、活性化させる機能を有する。該受容体は、アデニリルシクラーゼの第二メッセンジャー系を活性化させ、cAMP濃度の増加をもたらすことによりその機能を果たす。グルカゴン受容体又は該受容体の天然変異体は、in vivo並びにin vitroにおいても固有の構成的な活性(すなわちアゴニストの非存在下での活性)を有すると考えられる。逆アゴニストとして作用する化合物は、この活性を阻害できる。糖尿病は、グルコース代謝に関係する一般的な障害である。該疾患は高血糖症が特徴であるインシュリン依存型の1型糖尿病、又は非インシュリン依存性が特徴である2型糖尿病に分類できる。1型糖尿病に罹患している被験者は高血糖及び低インシュリン活性が特徴であり、インシュリン投与がこのタイプの疾患の従来の治療法である。しかしながら、一部の1型又は2型糖尿病患者では、絶対的又は相対的に高いグルカゴンレベルによって、高血糖状態となることが示されている。すなわち、健常の対照動物、並びに1型及び2型糖尿病のモデル動物で、選択的及び特異的な抗体により循環するグルカゴンを除去した結果、血糖レベルの減少が生じる。グルカゴン受容体を欠失(ホモ型)するマウスではグルコース耐性が増強される。また、アンチセンスオリゴヌクレオチドによるグルカゴン受容体発現の阻害により、db/dbマウスの糖尿病の症状が改善される。これらの知見は、グルカゴンを抑制又はアンタゴナイズする作用が、糖尿病患者の高血糖症の従来の治療に有用であることを示唆するものである。グルカゴンの作用は、アンタゴニスト又は逆アゴニスト(すなわち、グルカゴン受容体が媒介する構造的な(又はグルカゴンにより誘発された)反応を抑制又は阻害する物質)の提供により抑制できる。
幾つかの刊行物において、グルカゴンアンタゴニストとして作用するとされるペプチドが開示されている。ペプチドホルモンに対するペプチドアンタゴニストの作用は通常強力であるが、それらはin vivoで生体内の酵素により分解されて十分に分布しないため、経口的に使用できないことが一般に知られている。したがって、経口的に利用できるペプチドホルモンに対する非ペプチドアンタゴニストが通常は好ましい。
近年多くの刊行物において、グルカゴン受容体上で作用する非ペプチド物質が報告されている。例えば、国際公開第2003/048109号、国際公開第2004/002480号及びKurukulasuriyaら、“Biaryl amide glucagon receptor antagonists”Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters,vol.14,no.9,p2047−2050,2004では各々、グルカゴン受容体アンタゴニスト活性を有する非ペプチド化合物を開示している。
グルカゴンに関連する疾患の治療方法が数多く存在するにもかかわらず、現行の治療では幾つかの課題点が存在し、例えば特定の患者集団における不十分又は不完全な有効性、許容できない副作用及び逆作用などが挙げられる。すなわち、グルカゴン受容体活性を調節して、グルカゴン受容体を調節することが有効である疾患を処理するための代替的若しくは改良された医薬品の使用に基づく、改良された治療方法に対するニーズが今なお存在する。本発明は、新規な化合物群がグルカゴン受容体に対する高い親和性、及び選択的、強力な阻害活性を有するという発見に基づき、従来技術に対する解決手段とするものである。本発明は特定の構造及びそれらの作用を特徴とするものである。
本発明は、式Iで表される構造の化合物、
Figure 2009516698
(I)又はその薬理学的に許容できる塩の提供に関する。
式中、Mは−CH−又は結合であり、
R1及びR2は独立に−H、又はハロゲンであり、
R3は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)、(C−C)シクロアルキル基、−(C−C)アルキル−(C−C)シクロアルキル基又は(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり、
R4及びR5は独立に−H、ハロゲン、−ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、−CN、−(C−C)アルコキシ基、−(C−C)アルケニル基又は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり、
R6は
Figure 2009516698
であって、式中、ジグザク表記は親分子への結合位置を示し、
R7及びR8は独立に−H、ハロゲン、−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)、(C−C)アルコキシル基、−(C−C)シクロアルキル基、−C(O)R10、−COOR10、OC(O)R10、OS(O)R10、−SR10、S(O)R10、−S(O)R10又は−O(C−C)アルケニル基であり、
R9は独立に−H、ハロゲン、−CN−(C−C)シクロアルキル、−C(O)R10、−COOR10、OC(O)R10、OS(O)R10、−SR10、S(O)R10、−S(O)R10)又は−O(C−C)アルケニル基、(C−C)アルコキシ基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)又は(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり、
R10は各々独立に−水素又は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。
本発明は、グルカゴン受容体アンタゴニスト又は逆アゴニストとして有用である化合物及び医薬組成物の提供に関する。本発明は更に、GLP−1受容体よりもグルカゴン受容体に選択的なアンタゴニスト又は逆アゴニストである化合物の提供に関する。本発明は、式I(又はその薬理学的に許容できる塩)、並びに薬理学的に許容できる担体、希釈剤若しくは賦形剤を含んでなる医薬組成物の提供に関する。本発明は更に、これらの化合物及び医薬組成物の使用、例えば糖尿病及びグルカゴン関連の代謝障害などの、グルカゴン受容体の変調に感受性の障害の治療への使用の提供に関する。
一実施態様では、本発明は本明細書に記載の式Iの化合物の提供に関する。本発明に記載の化合物の全てが有用であるが、具体的な化合物に関しては特に興味深く、また好適である。以下に好ましい化合物群を幾つか示す。また本明細書に記載のように、あるリスト中の各々を他のリストのものと組み合わせて更なる好ましい実施態様の群を構成してもよいことが理解できる。
別の実施形態では、本発明は式Iの化合物の提供に関する。詳細には、式中、
Mは−CH−又は結合であり、
R1及びR2は水素であり、
R3は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)、(C−C)シクロアルキル基、−(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基又は(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり、
R4及びR5は独立に水素、ハロゲン又は(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり、
R6は
Figure 2009516698
であって、式中、ジグザク表記は親分子への結合位置を示し、
R7及びR8は独立に水素、ハロゲン、−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)又は(C−C)アルコキシル基であり、
R9は独立に水素、ハロゲン又は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。
別の実施形態では、本発明は式Iの化合物の提供に関する。詳細には、式中、
Mは−CH−又は結合であり、
R1及びR2は水素であり、
R3は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)、(C−C)シクロアルキル基、−(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基又は(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり、
R4及びR5は独立に水素、ハロゲン又は−CH(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり、
R6は
Figure 2009516698
であって、式中、ジグザク表記は親分子への結合位置を示し、R7及びR8は独立に水素、又はハロゲンであり、
R9は独立に−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。
別の実施形態では、本発明は式Iの化合物の提供に関する。詳細には、式中、
Mは−CH−であり、
R1及びR2は水素であり、
R3は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)、(C−C)シクロアルキル)基、−(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基又は(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)、
R4及びR5は−CH(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であって、各々R6が結合するフェニル環上のR6に隣接する位置を占め、
R6は
Figure 2009516698
であって、式中、ジグザク表記は親分子への結合位置を示し、
R7及びR8は水素であり、
R9は独立に−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。
別の実施形態では、本発明は式Iの化合物の提供に関する。詳細には、式中、
Mは−CH−であり、
R1及びR2は独立に水素又はハロゲンであり、
R3はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−メチルプロピル基、3−メチルブチル基、tert−ブチル基、4−メチルペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基であり、
R4及びR5は独立に水素、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、ペンチル基、イソプロポキシ基、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、−CN、メトキシ基、ヒドロキシメチル基、4−メチルペンチルオキシ基又はペンチルオキシ基であり、
R7及びR8は独立に水素、フルオロ基、クロロ基、メチル基、エチル基、ペンチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基、アセチル基、2−メチルプロピル基、メトキシ基、シクロヘキシル基又はトリフルオロメトキシ基であり、
R9は水素、ブロモ基、フルオロ基、メチル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基又はイソプロピル基である。
本発明の他の実施態様として、本明細書の上記の実施態様の各々を以下のような更に好ましい態様に限定したものを示す。具体的には、下記の好ましい態様の各々は、上記の実施態様を各々独立に組み合わせたものであり、その具体的な組合せにより他の実施態様が提供され、それは示される変動要素が好適な態様として更に限定されたものとなる。
好ましくは、Mは−CH−である。好ましくは、Mは結合である。好ましくは、R1は水素である。好ましくは、R1はフッ素である。好ましくは、R1は塩素である。好ましくは、R2は水素である。好ましくは、R2はフッ素である。好ましくは、R2は塩素である。好ましくは、R1及びR2は水素である。好ましくは、R1はフッ素であり、R2はフッ素である。
好ましくは、R3は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。好ましくは、R3はエチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、3−メチル−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−メチルプロピル基、4−メチルペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基又は4,4,4−トリフルオロブチル基である。好ましくは、R3はイソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、3−メチル−ブチル基、ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−メチルプロピル基、4−メチルペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−トリフルオロプロピル基又は4,4,4−トリフルオロブチル基である。好ましくは、R3はイソプロピル基、3−メチル−ブチル基、トリフルオロプロピル基又は4,4,4−トリフルオロブチル基である。
好ましくは、R3は(C−C)シクロアルキル基である。好ましくは、R3はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基である。好ましくは、R3はシクロプロピル基である。好ましくは、R3はシクロブチル基である。好ましくは、R3はシクロペンチル基である。好ましくは、R3はシクロヘキシル基である。
好ましくは、R3は−(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基である。好ましくは、R3は−(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基である。好ましくは、R3は−(C−C)アルキルシクロプロピル基である。好ましくは、R3は(C−C)アルキルシクロブチル基である。好ましくは、R3は−(C−C)アルキルシクロペンチル基である。好ましくは、R3は(C−C)アルキルシクロヘキシル基である。
好ましくは、R3は(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。好ましくは、R3は−シクロプロピル−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。好ましくは、R3は−シクロブチル−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。好ましくは、R3は−シクロペンチル−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。好ましくは、R3は−シクロヘキシル−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。
好ましくは、R4は水素、ハロゲン、−ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基又は(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。好ましくは、R4は水素、ハロゲン又は(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。好ましくは、R4は水素、ハロゲン又はCHである。好ましくは、R4は水素である。好ましくは、R4はフッ素、塩素又は臭素である。好ましくは、R4はCHである。
好ましくは、R5は水素、ハロゲン、−ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基又は(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。好ましくは、R5は水素、ハロゲン、又は(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。好ましくは、R5は水素、ハロゲン又はCHである。好ましくは、R5はシクロヘキシル基である。好ましくは、R7はフッ素、塩素又は臭素である。好ましくは、R5はCHである。
好ましくは、R4及びR5は水素である。好ましくは、R4はハロゲンであり、R5は水素である。好ましくは、R4は水素であり、R5はCHである。好ましくは、R4及びR5はCHである。好ましくは、R4及びR5はCHであり、各々はR6が結合するフェニル環上のR6に隣接する位置を占める。
好ましくは、R7はハロゲン、−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)、(C−C)アルコキシル基、−(C−C)シクロアルキル基、−C(O)R10、−COOR10、OC(O)R10、OS(O)R10、−SR10、S(O)R10、−S(O)R10又は−O(C−C)アルケニル基である。好ましくは、R7はハロゲン、−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)又は(C−C)アルコキシル基である。好ましくは、R8は水素又はハロゲンである。好ましくは、R7は水素である。
好ましくは、R8はハロゲン、−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)、(C−C)アルコキシル基、−(C−C)シクロアルキル基、−C(O)R10、−COOR10、OC(O)R10、OS(O)R10、−SR10、S(O)R10、−S(O)R10又は−O(C−C)アルケニル基である。好ましくは、R8はハロゲン、−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)又は(C−C)アルコキシル基である。好ましくは、R8は水素又はハロゲンである。好ましくは、R8は水素である。好ましくは、R7は水素であり、R8は水素である。
好ましくは、R9は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。好ましくは、R9はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基、3−メチル−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、3,3−ジメチルブチル基、2−メチルプロピル基、4−メチルペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−トリフルオロプロピル基又は4−トリフルオロブチル基である。好ましくは、R9はイソプロピル基、tert−ブチル基又はトリフルオロメチル基である。
好ましくは、R7は水素であり、R8は水素であり、R9はイソプロピル基、tert−ブチル基又はトリフルオロメチル基である。
好ましくは、R10は各々独立に−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である。
本発明の他の実施形態としては、式X1からX17の化合物が挙げられる。本発明の他の実施形態は、本願明細書に記載されている全ての新規な中間調製物であり、それらは式Iの化合物、又はX1からX17に係るグルカゴン受容体アンタゴニスト又は逆アゴニストの調製にとり有用である。
Figure 2009516698

Figure 2009516698

Figure 2009516698
グルカゴン受容体と相互作用するため、グルカゴン受容体との相互作用が有益である一般的な症状及び障害の治療において、本発明の化合物は有用である。これらの障害及び症状は「糖尿病性及びその他のグルカゴン関連の代謝異常」として本明細書にて定義する。当業者であれば「糖尿病及び他のグルカゴン関連の代謝異常」を、障害の病態生理学又は障害への恒常性反応のいずれにおける、グルカゴン受容体により媒介されるシグナリングに関連するものとして同定できる。このように、本発明の処理と関連した不必要な副作用の1つ以上を減少及び/又は除去する一方で、例えば内分泌系、中枢神経系、末梢神経系、心臓血管系、肺系及び胃腸系の疾患又は症状又は関連する徴候又は後遺症の予防、治療又は軽減するための該化合物の使用が考えられる。「糖尿病及び他のグルカゴン関連の代謝異常」としては、限定はされないが、糖尿病、高血糖症、高インシュリン症、β細胞休息、第1相応答の復元によるβ細胞機能の向上、食事の高血糖症、アポトーシス防止、空腹時血糖異常(IFG)、メタボリックシンドローム、低血糖症、高/低カリウム血症、正常化グルカゴン濃度、改善したLDL/HDL比率、間食の減少、摂食障害、体重減少、多嚢胞卵巣症候群(PCOS)、糖尿病の結果としての肥満、成人の潜在的な自己免疫性糖尿病(LADA)、インスリン炎、小島移植、小児性糖尿病、妊娠糖尿病、遅発性糖尿病合併症、低/高蛋白尿、腎症、網膜症、神経障害、糖尿病による足潰瘍、グルカゴン投与による腸運動の低下、短小腸症候群、下痢止め、胃液分泌の増加、血流量減少、勃起障害、緑内障、手術後侵襲、虚血の後の血流の再潅流により生じる器官組織損傷の改善、虚血心傷害、心不全、うっ血性心不全、脳卒中、心筋梗塞、不整脈、早死、抗アポトーシス、創傷治癒、糖耐性(IGT)、インスリン抵抗性症候群、X症候群、1型糖尿病、2型糖尿病、高脂血症、異脂肪血症、過トリグリセリド血症、リポ蛋白過剰血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化を含む動脈硬化症、グルカゴノーマ、急性膵炎、心臓血管疾患、高血圧、心臓肥大症、胃腸の障害、肥満、肥満の結果としての糖尿病、糖尿病性異脂肪血症などが挙げられる。
更に本発明は式Iの化合物若しくはその薬理学的に許容できる塩、又は式Iの化合物若しくはその薬理学的に許容できる塩及び薬理学的に許容できる担体、希釈剤若しくは賦形剤を含んでなる医薬組成物の、グルカゴン受容体の阻害のための、哺乳類のグルカゴン受容体が媒介する細胞応答を阻害するための、哺乳類における血糖を減少させるための、過剰なグルカゴンに起因する疾患を処理するための、哺乳類における糖尿病及び他のグルカゴン関連代謝異常における、及び糖尿病、肥満、高血糖症、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患、脳卒中、神経障害及び創傷治癒の治療のための使用に関する。すなわち本発明の使用及び方法には、式Iの化合物の予防及び治療的な投与が包含される。
更に本発明は式Iの化合物若しくはその薬理学的に許容できる塩の、グルカゴン受容体を阻害する薬剤の製造のための、哺乳類におけるグルカゴン受容体が媒介する細胞反応を阻害する薬剤の製造のための、哺乳類における血糖レベルを減少させるための薬剤の製造のための、過剰なグルカゴンに起因する疾患を処理するための薬剤の製造のための、哺乳類における糖尿病及び他のグルカゴン関連代謝異常の治療用の薬剤の製造のための、及び糖尿病、肥満、高血糖症、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患、脳卒中、神経障害の治療及び創傷の治療用薬剤の製造のための使用に関する。
更に本発明は、哺乳類の過剰なグルカゴンから生じる症状の治療方法、哺乳類のグルカゴン受容体の阻害方法、哺乳類のグルカゴン受容体が媒介する細胞反応の阻害方法、哺乳類の血糖レベルの低下方法、哺乳類の糖尿病及び他のグルカゴン関連の代謝異常の治療方法、並びに糖尿病、肥満、高血糖症、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患、脳卒中、神経障害の治療及び創傷治癒方法であって、かかる治療を必要とする哺乳類に、式Iの化合物若しくはその薬理学的に許容できる塩、又は式Iの化合物若しくはその薬理学的に許容できる塩及び薬理学的に許容できる担体、希釈剤若しくは賦形剤を含んでなる医薬組成物を、グルカゴン受容体を阻害するのに十分な量で投与することを含んでなる方法の提供に関する。
更に本発明は、グルカゴン受容体の阻害のための使用に適する、グルカゴン受容体が媒介する細胞反応の阻害のための使用に適する、哺乳類の血糖レベルの低下のための使用に適する、哺乳類の糖尿病性及び他のグルカゴン関連の代謝異常の治療のための使用に適する、糖尿病、肥満、高血糖症、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患、脳卒中、神経障害の予防若しくは治療、並びに創傷治癒のための使用に適する、式Iの化合物若しくはその薬理学的に許容できる塩、並びに薬理学的に許容できる担体、希釈剤若しくは賦形剤を含んでなる医薬組成物に関する。
本発明の化合物又は塩の使用により更に、グルカゴン受容体に欠陥を有する患者の同定するための診断薬、並びに、胃酸分泌を増加させ、グルカゴン投与による腸の低蠕動を好転させるための治療薬が提供される。本発明はまた、グルカゴンをアンタゴナイズする作用が有益である障害又は疾患の治療方法の提供に関し、当該方法は、有効量の本発明の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる。本発明の他の実施形態は、本発明の化合物を用いた、グルカゴンにより媒介されるあらゆる症状及び疾患を治療するための薬剤の調製方法の提供に関する。本発明の更に他の実施形態では、本発明の化合物を用いて血糖症の治療用の医薬組成物を調製する。本発明の更に他の実施形態では、本発明の化合物を用いて哺乳類の血糖値を低下させるための薬剤を調製する。本発明の化合物は絶食時及び食後段階の両方における血糖値を低下させる場合に有効である。本発明の更に他の実施形態では、本発明の化合物を用いてIGT治療用の医薬組成物を調製する。本発明の更なる実施形態では、本発明の化合物を用いて2型糖尿病の治療用の医薬組成物を調製する。本発明の更なる実施形態では、本発明の化合物を用いてIGTから2型糖尿病への進行を遅らせ、又は抑止するための医薬組成物を調製する。本発明の更に他の実施形態では、本発明の化合物を用いてインスリン非依存性2型糖尿病からインスリン依存性2型糖尿病への進行を遅らせ又は抑止するための医薬組成物を調製する。本発明の更なる実施形態では、本発明の化合物を用いてI型糖尿病の治療用の医薬組成物を調製する。かかる治療は通常インスリン療法を伴う。本発明の更なる実施形態では、本発明の化合物を用いて肥満治療用の医薬組成物を調製する。本発明の更なる実施形態では、本発明の化合物を用いて脂質代謝疾患の治療用の医薬組成物を調製する。本発明の更に他の実施形態では、本発明の化合物を用いて食欲の制御又はエネルギー消費に関する疾患の治療用の医薬組成物を調製する。本発明の更なる実施形態では、本発明の化合物による患者の治療は食餌療法及び/又は運動療法と組み合わされる。
本発明の更なる実施形態では、本発明の化合物は1つ以上の更なる活性物質と任意の適当な比率で組み合わせて投与される。このような活性物質は例えば抗糖尿病剤、抗肥満剤、抗高圧剤、糖尿病、又は糖尿病に関連した合併症の治療用薬剤及び肥満に関連した合併症の治療用薬剤から選択してもよい。以下にグループの組合せをいくつか列挙する。当然のことながら、以下に指定される薬剤の各々と他に指定される薬剤によって、組合せを増やしてもよい。
本発明の更なる実施形態では、一種以上の抗糖尿病剤と併用して本発明の化合物を投与してもよい。
適当な抗糖尿病剤にはインスリン、インスリンアナログ及び誘導体、(例えばNεB29−テトラデカノイルdes(B30)ヒトインスリン(欧州特許第792290号明細書(Novo Nordisk A/S)に開示)、AspB28ヒトインスリン(欧州特許第214826号明細書及び欧州特許第705275号明細書(Novo Nordisk A/S)に開示)、LysB28 ProB29ヒトインスリン(米国特許第5,504,188号明細書(Eli Lilly)に開示)、Lantus(登録商標)(欧州特許第368187号明細書(Aventis)に開示)が全て本明細書に援用される。)、GLP−1及びGLP−1誘導体(国際公開第98/08871号パンフレット(Novo Nordisk A/S)に開示、本明細書に援用される。)、その他、経口で活性のある血糖値低下剤のようなインスリンアナログ及び誘導体が挙げられる。
経口投与で有効な血糖降下剤としては、以下のものが包含される:イミダゾリン、スルホニルウレア、ビグアニド、メグリチニド、オキサジアゾリジンジオン、チアゾリジンジオン、インシュリン増感剤、インシュリン分泌促進物質(例えばグリメピリド)、α−グルコシダーゼ阻害剤、及びβ−細胞のATP依存性カリウムチャネルに作用する物質(例えばWO97/26265、WO99/03861及びWO00/37474(Novo Nordisk A/S)(本明細書に援用される)において開示されるようなカリウムチャネル開放物質、又はミチグリニド、又はカリウムチャネルブロッカー(例えばBTS−67582、ナテグリニド)、GLP−1アンタゴニスト、DPP−IV(ジペプチジルペプチダーゼ−IV)阻害剤、PTPアーゼ(チロシンホスファターゼ)阻害剤、糖新生及び/又は糖原分解の刺激に関係する肝酵素阻害剤、グルコース取り込み調節因子(国際公開第00/58293号、国際公開第01/44216号、国際公開第01/83465号、国際公開第01/83478号、国際公開第01/85706号、国際公開第01/85707号及び国際公開第02/08209号(Hoffman−La Roche社)に開示されるもの、又は国際公開第03/00262号、国際公開第03/00267号及び国際公開第03/15774号(AstraZeneca社)(本明細書に援用される)において開示されるグルコキナーゼ(GK)の活性剤)、GSK−3(グリコゲン合成酵素キナーゼ−3)阻害剤、HMG CoA阻害剤(スタチン)などの抗脂質物質のような脂質代謝調節化合物、摂食を低下させる化合物、PPAR−α、PPAR−γ及びPPAR−δサブタイプを含むPPAR(ペルオキシソーム増殖剤で活性化する受容体)リガンド及びRXR(レチノイドX受容体)アゴニスト(例えばALRT−268、LG−1268又はLG−1069)。
もう1つの実施形態では、本発明の化合物はインスリン又はNεB29−テトラデカノイルdes(B30)ヒトインスリン、AspB28ヒトインスリン、LysB28 ProB29ヒトインスリン、Lantus(登録商標)のようなインスリンアナログ又は誘導体、又はこれらの1つ又はそれ以上からなる混合製剤と併用して投与される。
本発明の更なる実施形態では、本発明の化合物はグリベンクラミド、グリピジド、トルブタマイド、クロロパミデム、トラザミド、グリメプリド、グリカジド及びグリブリドのようなスルホニル尿素と併用して投与される。
本発明の別の実施形態では、本発明の化合物はビグアニド例えばメトルミンと併用して投与される。
本発明の更に別の実施形態では、本発明の化合物はメグリチニド例えばレパグリニド又はナテグリニドと併用して投与される。
本発明のなおもう1つの実施形態では、本発明の化合物はチアゾリジンジオンインスリン抵抗性改善薬例えばトログリタゾン、シグリタゾン、ピオリタゾン、ロシグリタゾン、イサグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、CS−011/CI−1037又はT174又は、本明細書に引用して組み込まれている国際公開第97/41097号パンフレット、国際公開第97/41119号パンフレット、国際公開第97/41120号パンフレット、国際公開第00/41121号パンフレット及び国際公開第98/45292号パンフレット(Dr. Reddy’s Research Foundation)に開示された化合物と併用して投与される。
本発明の更に他の実施形態では、本発明の化合物は、例えばGI262570、YM−440、MCC−555、JTT−501、AR水素039242、KRP−197、GW−409544、CRE−16336、AR水素049020、LY510929、LY510929、MBX−102、CLX−0940、GW−501516のようなインスリン抵抗性改善薬と、又は、ラガグリタザール(NN 622又は(−)DRF 2725)(Dr. Reddy’s Research Foundation)などの国際公開第99/19313号パンフレット、国際公開第00/50414号パンフレット、国際公開第00/63191号パンフレット、国際公開第00/63192号パンフレット、国際公開第00/63193号パンフレット及び本明細書に引用して組み込まれている国際公開第00/23425号パンフレット、国際公開第00/23415号パンフレット、国際公開第00/23451号パンフレット、国際公開第00/23445号パンフレット、国際公開第00/23417号パンフレット、国際公開第00/23416号パンフレット、国際公開第00/63153号パンフレット、国際公開第00/63196号パンフレット、国際公開第00/63209号パンフレット、国際公開第00/63190号パンフレット及び国際公開第00/63189号パンフレット(Novo Nordisk A/S)に開示される化合物と併用して投与してもよい。
本発明の更なる実施形態では、本発明の化合物はα−グルコシダーゼ阻害剤、例えばボグリボース、ミグリトール又はアカルボースと併用して投与される。
本発明の別の実施形態では、本発明の化合物はβ−細胞のATP−依存性のカリウムチャネルに作用する薬剤、例えばトルブタマイド、グリベンクラミド、グリピジド、グリカジド、BTS−67582又はレパグリニドと併用して投与される。
本発明の更に別の実施形態では、ナテグリニドと併用して本発明の化合物を投与してもよい。
本発明の更に他の実施形態では、本発明の化合物は抗脂血薬又は抗高脂血薬、例えばコレスチラミン、コレスチポル、クロフィブレート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シムバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、プロブコル、デキストロチロキシン、フェノフィブレート又はアトロバスチンと併用して投与される。
本発明の更に他の実施形態では、本発明の化合物は食物摂取を低下する化合物と併用して投与される。
本発明の別の実施形態では、本発明の化合物は一種以上の上記化合物と併用して、例えば、メトホルミンとグリブライドのようなスルホニル尿素、スルホニル尿素とアカルボース、ナテグリニドとメトホルミン、レパグリニドとメトホルミン、アカルボースとメトホルミン、スルホニル尿素、メトホルミンとトログリタゾン、インスリンとスルホニル尿素、インスリンとメトホルミン、インスリン、メトホルミン及びスルホニル尿素、インスリンとトログリタゾン、インスリンとロバスタチン等と併用して投与される。
本発明の更なる実施形態では、本発明の化合物は一種以上の抗肥満剤又は食欲調整剤と併用して投与されてもよい。
そのような薬剤は、以下の物質からなる群から選択してもよい:CART(コカイン、アンフェタミンで制御される転写産物ペプチド)アゴニスト、NPY(神経ペプチドY)アンタゴニスト、MC4(メラノコルチン4)アゴニスト、MC3(メラノコルチン3)アゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)アゴニスト、CRF BP(副腎皮質刺激ホルモン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、CL−316243、AJ−9677、GW−0604、LY362884、LY377267、のようなβ3アドレナリン作動性アゴニスト又はAZ−40140 MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)アゴニスト、フルオキセチン、セロキサット又はシタロプラムのようなセロトニン再取り込み阻害薬、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害薬、混合セロトニン及びノルアドレナリン作動性化合物、5HT(セロトニン)アゴニスト、ビンベシンアゴニスト、ゲラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、プロラクチン又は胎盤性ラクトゲンのような成長因子、成長ホルモン放出化合物、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)アゴニスト、UCP2又は3(脱共役タンパク質2又は3)モジュレーター(活性調節因子)、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、PPAR(ペルオキシソーム増殖因子応答性受容体)モジュレーター(活性調節因子)、RXR(レチノイドX受容体)モジュレーター(活性調節因子)、TR βアゴニスト、AGRP(アグーチ関連タンパク質)阻害剤、H3ヒスタミンアンタゴニスト、オピオイドアンタゴニスト(ナルトレキソンなど)、エクセジン−4、GLP−1及び繊毛神経栄養因子(アクソキンなど)、及びカンナビド受容体アンタゴニスト例えばCB−1(リモナバントなど)、UCP2又は3(脱カップリングタンパク質2又は3)調節因子、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、PPAR(ペルオキシソーム増殖剤により活性化される受容体)調節因子、RXR(レチノイドX受容体)調節因子、TRβアゴニスト、AGRP(アグーチ関連タンパク質)阻害剤、H3ヒスタミンアンタゴニスト、オピオイドアンタゴニスト(例えばナルトレキソン)、エキセンディン−4、GLP−1及びシリア線毛神経組織栄養因子(例えば軸畜牛)、カンナボイド受容体アンタゴニスト(例えばCB−1(例えばリモナバント)。他の実施形態では、抗肥満薬はデキサフェタミン又はアンフェタミンである。他の実施形態では、抗肥満薬はレプチンである。他の実施形態では、抗肥満薬はフェンフルラミン又はエクセフェンフルラミンである。更に他の実施形態では、抗肥満薬はシブトラミンである。更なる実施形態では、抗肥満薬はオルリスタットである。他の実施形態では、抗肥満薬はマジンドール又はフェンテルミンである。更に他の実施形態では、抗肥満薬はフェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキチン、ブプロピオン、トピラメート又はエコピパムである。
更に、本発明の化合物を一種以上の血圧降下薬と併用して投与してもよい。血圧降下薬の例としては、アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロール及びメトプロロールのようなβ−ブロッカー、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、キナプリル及びラミプルのようなSCE(アンギオテンシン変換酵素)阻害剤、ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム及びベラパミルのようなカルシウムチャネルブロッカー、並びにドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン及びテラゾシンのようなα−ブロッカーが挙げられる。更にRemington:The Science and Practice of Pharmacy,19th Edition,Gennaro,Ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1995を参照してもよい。
本発明の化合物はFAS阻害剤と併用して投与してもよい。
本発明の化合物は又化学脱共役剤、ホルモン感受性リパーゼ阻害剤、イミダゾリン類、11−β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤、リポタンパク質リパーゼ活性化因子、AMPK活性化因子、免疫抑制薬、ニコチンアミド、ASIS、抗男性ホルモン、又はカルボキシペプチダーゼ阻害剤と併用して投与してもよい。
当然のことながら、本明細書に記載の化合物は食餌及び/又は運動や、一種以上の上記化合物並びに任意に一種以上の他の活性物質との任意の適当な併用は本発明の範囲内にあるものと考える。
本明細書に記載の化合物、組成物及び方法の記述に用いられる一般用語は通常の意味を有する。本明細書を通じて以下の用語は指摘された意味を有する。
「GLP−1」とはグルカゴン様ペプチド1を意味する。用語「グルカゴン受容体」は特異的にグルカゴンと相互作用する1つ以上の受容体であって結果的に生体シグナルを生じさせるものを意味する。「GLP−1受容体」という用語は生体信号に結果としてなるために特にグルカゴンのようなペプチド1と対話する1つ以上の受容体を意味する。
用語「グルカゴン受容体アンタゴニスト」とはグルカゴン応答によるcAMP産生を阻害する能力を有する本発明の化合物として定義される。用語「グルカゴン受容体逆アゴニスト」とはグルカゴン受容体の構成的な活性を阻害する能力を有する本発明の化合物として定義される。用語「選択的な」アンタゴニスト又は逆アゴニストはGLP−1受容体への親和性と比較したグルカゴン受容体へのより大きな親和性を有する化合物を意味する。
本発明の文書の一般の式において、一般の化学用語はそれらの通常の意味を有する。
例えば、「ハロゲン」又は「ハロ」はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
用語「アルキル」は特に指示されない限り、直鎖又は分枝した飽和構造の指定数の炭素原子を持つそれらアルキル基を指す。「(C−C)アルキル基」とは、メチル基、エチル基、プロピル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びそれらの分枝型若しくは異性体など、1〜3個の炭素原子数の、任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい基を指す。「(C−C)アルキル基」とは、メチル基、エチル基、プロピル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、及びそれらの分枝型若しくは異性体など、1〜7個の炭素原子数の、任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい基を指す。「(C−C10)アルキル基」とは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、ノニル基、デシル基、及びそれらの分枝型若しくは異性体など、1〜10個の炭素原子数の、任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい基を指す。
用語「(C−C)シクロアルキル基」とは、3〜7個の炭素原子からなる1つ以上の環を含んでなる、飽和若しくは部分的に飽和した炭素環のことを指す。(C−C)シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基が挙げられるが、これらに限定されない。用語「(C−C)シクロアルキル基」とは、3〜6個の炭素原子数の飽和炭素環のことを指す。(C−C)シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「(C−C)アルコキシル基」とは、1〜3個の炭素原子数のアルキル基であって、酸素原子の架橋によって結合している基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基)のことを指す。用語「(C−C)アルコキシル基」とは、1〜6個の炭素原子数のアルキル基であって、酸素原子の架橋によって結合している基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基)のことを指す。用語「(C−C)アルコシキ」とは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基など、酸素原子の架橋で結合している、1〜7個の炭素原子数のアルキル基を指し、任意に3個のハロゲンで置換されてもよい。
用語「(C−C)アルケニル基」とは、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ビニル、アルキル、2−ブテニルのような、その炭素鎖に沿って任意の場所において少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖又は分枝構造の、2〜7個の炭素原子数の炭化水素鎖のことを指し、任意に本明細書に列挙される実施形態に記載されるハロゲン原子3個で置換されてもよい。
本明細書に用いられる用語「任意に置換」又は「任意の置換体」は、基が1つ以上の特定の置換基で置換されるか又は置換されないことを意味する。基が1つ以上の特定の置換基で置換される場合、それらの置換基は同一でも異なってもよい。更に、用語「独立して」、「独立して〜である」及び「独立して選択される」が用いられる場合、それらの基は同一でも異なってもよい。上記の定義済み用語の幾つかは二回以上同じ構造式で使用されてもよく、各用語はその使用ごとに他の用語と独立に定められる。
用語「患者」には、ヒト及びペット(イヌ及びネコ等)並びに家畜動物のような非ヒト動物が包含される。家畜動物は、食用生産のために飼育される動物である。家畜動物の例として、雌ウシ、雄ウシ、子ウシ、去勢した子ウシ、ヒツジ、バッファロー、バイソン、ヤギ、及びカモシカのような反芻動物が挙げられる。家畜動物の他の例には、ブタ及びニワトリ、アヒル、七面鳥、並びにガチョウ等鳥類(家禽)が含まれる。家畜のなお他の例には養殖の魚類、貝類及び甲殻類が含まれる。ワニ、スイギュウ、及び走鳥類(例えば、エミュー、レア、又はダチョウ)等の食用生産に用いられる珍しい動物も包含される。治療を必要とする患者は、好ましくは哺乳動物、特にヒトである。
用語「グルカゴン受容体が媒介する細胞応答」にはグルカゴン刺激又はグルカゴン受容体活性に対する哺乳動物細胞による種々の応答が包含される例えば、「グルカゴン受容体が媒介する細胞応答」には、これらに限定されないが、グルカゴン刺激又はグルカゴン受容体活性に応じた肝臓又は他の細胞からのグルコース放出が含まれる。当事者は、グルカゴン受容体活性が媒介する他の細胞の応答を、例えば上記細胞を有効用量のグルカゴンと接触させた後、応答性細胞の終末点における変化を観察することによって、容易に確認できる。
本明細書に用いられる用語「治療」、「処置する」及び「治療する」はそれらの一般的に容認される意味を包含し、即ち、本明細書に記載の病気、疾患又は病理的状態の進行又は重症化を防止、阻害、抑制、緩和、改善、緩慢化、停止、遅延又は逆転するためのための患者の管理及び看護を含み、症状又は合併症の緩和又は軽減、又はその病気、疾患又は病理的状態の治癒又は排除を包含する。
「組成物」とは医薬組成物を意味し、1つ以上の式Iの化合物を含む有効成分、並びに担体を構成する1つ以上の非有効成分を含んでなる医薬生成物が包含される。したがって、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物と薬理学的に許容できる担体を混合して調製される組成物が包含される。
「組成物」とは医薬組成物を意味し、1つ以上の式Iの化合物を含む有効成分、並びに担体を構成する1つ以上の非有効成分を含んでなる医薬生成物が包含される。
用語「ユニットドーズの形態」とは被験者及び他の非ヒト動物に対する単位の薬用量として適切な物理的に個別の単位を意味し、各単位は適当な医薬担体と提携して所望の治療効果を生じると計算された活性物質の所定量を含有する。
本発明の化合物はキラルであってもよく、精製又は部分精製された任意の鏡像異性体も、又はラセミ体混合物も本発明の範囲内に包含されるものとする。更に、二重結合、又は完全又は部分飽和の環系、又は1つ以上の不斉中心、又は回転の制限された結合が分子内に存在する場合、ジアステレオマーが形成されうる。任意のジアステレオマーであっても、分離され、精製又は部分精製されたジアステレオマー又はそれらの混合物の場合、本発明の範囲内に含まれる。更に、本発明の化合物には異なる互変異性体状で存在する可能性があり、その化合物が形成し得る任意の互変異性体状も本発明の範囲内に含まれる。本発明には式Iの又互変異性体、鏡像異性体及び他の立体異性体が包含される。かかる変異は本発明の範囲内にあるものと考えられる。
式Iの化合物は、ジアステレオマーの混合物として存在する場合、例えば適切な溶媒、例えばメタノール又は酢酸エチル又はそれらの混合液から分別結晶によって、鏡像異性体のジアステレオマー対に分離されうる。このようにして得られた鏡像異性体対は通常の手段により、例えば光学活性の酸を分割剤として用いて個々の立体異性体に分離することが可能である。別の方法として、式Iの化合物の何れかの鏡像異性体は、既知の立体配置の光学的に純粋な出発原料又は試薬を用いる立体特異的合成により、又は鏡像異性体特異的な合成により得ることが可能である。
本明細書で用いられる用語「鏡像異性体富化」は、一方の鏡像異性体の量の、他方の鏡像異性体と比較しての増大を指す。達成された鏡像異性体富化を表現する簡便な方法は、鏡像異性体過剰率の概念、又は「ee」の概念であって、以下の式を用いて表される。
ee=(E−E)×100/(E+E
式中、Eは第1の鏡像異性体の量であり、Eは第2の鏡像異性体の量である。このようにして、二つの鏡像異性体の第一の比がラセミ体混合物に存在するように50:50であり、かつ、70:30の最終比を生じるに十分な鏡像異性体富化が達成される場合、第1の鏡像異性体に関する上記ee(鏡像異性体過剰率)は40%である。しかしながら、最終比が90:10である場合、第1の鏡像異性体に関する上記ee(鏡像異性体過剰率)は80%である。90%以上のeeが好ましく、95%以上のeeが最も好ましく、99%以上のeeが特に最も好ましい。鏡像異性体富化は当事者によりキラルカラムによるガスクロマトグラフィー又は高性能液体クロマトグラフィのような標準の技法及び方法を使用して容易に決定される。鏡像異性体対の分離実施に必要な適切なキラルカラム、溶出液及び条件の選択は、当事者にとって十分に公知である。更に、式Iの化合物の特異的な立体異性体及び鏡像異性体は当事者によって、J.Jacquesら、「Enantiomers,Racemates,and Resolutions」John Wiley and Sons、1981、及びE.L.ElielとS.H.Wilen,「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley−Interscience 1994)、並びに1998年4月29日発行の欧州特許出願公開第838448号明細書に開示されたような周知の技法及び分離法を利用して調製できる。分離の例には、再結晶技法又はキラルクロマトグラフィが含まれる。特に明記しない限り、「異性体1」として示される化合物は、キラル分離カラムから溶出される第1の異性体であり、「異性体2」は第2のそれである。
一般に、用語「薬理学的」は形容詞として用いられる場合、生体には実質的に無毒であることを意味する。例えば、本明細書に用いられる用語「薬理学的に許容できる塩」は式Iの化合物の塩を指し、この化合物は実質的に生体に対して無毒である。また、本発明には本発明の化合物の薬理学的に許容できる塩が包含される。薬学的に許容できる塩及びそれを調製するための一般法は公知技術である。例えばP.Stahlら、“Handbook Of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,”(VCHA/Wiley−VCH,2002);Berge,S.M,Bighley,L.D.、及びMonkhouse,D.C.,“Pharmaceutical Salts,”J.Pharm.Sci.,66:1,1977を参照のこと。
本発明は又本発明の化合物のプロドラッグを含み、このプロドラッグは、投与すると代謝過程により化学的転換を受けて薬理学的に活性な物質となる。一般に、かかるプロドラッグは本発明の化合物の機能的誘導体であって、生体内で本発明の化合物に容易に転換可能である。適切なプロドラッグ誘導体の選択と調製のための通常の手順は、例えば、“Design of Prodrugs”,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記載される。
式Iの化合物は当事者により種々の手段に従って調製することができ、それらの幾つかを下記の工程と反応式において説明する。式Iの化合物の生成必要な具体的な工程の順序は、合成しようとする具体的な化合物、出発物質及び置換基の相対的反応性などにより変化する。試薬又は出発物質は当事者であれば容易に入手でき、市販品でない材料の場合には、当事者に公知の通常用いられる標準的な工程に従い、下記の種々の工程及びスキームに沿って容易に合成できる。
以下の反応式、調製、実施例及び手順は本発明の実施をより詳細に説明するために提供されるものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。当事者であれば、本発明の技術思想と範囲から逸脱することなく多様な改善を実施できることを認識するであろう。本明細書で言及される全ての刊行物は、本発明が属する分野の当事者のレベルを示す。
反応式、調製、実施例及び手順における最適反応時間は、反応の進行を通常のクロマトグラフィーによりモニターすることにより決定できる。更に、本発明の化学反応は、アルゴン又は特に窒素のような不活性雰囲気下で実施することが好ましい。溶媒の選択は、その使用する溶媒が進行中の反応に不活性で、かつ反応物質を十分に可溶化して所望の反応を実施するものである限り、通常問題とはならない。化合物は、その後の反応に供する前に分離・精製することが好ましい。化合物形成反応の間に反応溶液から化合物を析出させ、濾過して回収してもよいし、あるいは反応溶媒を抽出、蒸発又は流出させて除去してもよい。中間体及び式Iの最終産物は、必要に応じ、再結晶又はシリカゲル又はアルミナのような固体支持体上のクロマトグラフィ等、通常の方法で更に精製してもよい。
熟練した当業者は全ての置換基が全ての反応条件と適合するわけではないことを認識する。これらの化合物は合成の際、公知の方法により適切なタイミングで保護又は修飾してもよい。
本明細書の反応式、調製、実施例及び工程に用いられる用語並びに略語は、特に指示されない限り通常の意味を有する。例えば、本願明細書では以下の用語はそれぞれ以下の意味を有する。「psi」はインチ当たりのポンド(圧力)を指す。「min」は分を指す。「h」又は「hr」は時間を指す。「TLC」は薄層クロマトグラフィを指す。「HPLC」は高速液体クロマトグラフィを指す。「R」は保持係数を指す。「R」は滞留時間を指す。「δ」はテトラメチルシランからのppmダウンフィールドを指す。「MS」は質量分析を指す。「MS(ES)」は電子スプレー質量分析を指す。「UV」は紫外線分光測定法を指す。「H NMR」は陽子核磁気共鳴分光測定法を指す。更に、「RT」は、室温を指す。「DEAD」は、ジエチルアゾジカルボキシレートを指す。「PPh」はトリフェニルホスフィンを指す。「ADDP」は1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジンを指す。「PBu」はトリブチルホスフィンを指す。「OTF」はトリフレートを指す。「LAH」は水素化アルミニウムリチウムを指す。「DIBAL−H」は、水素化ジイソブチルアルミニウムを指す。「KOtBu」は、カリウムt−ブトキシドを指す。「THF」はテトラヒドロフランを指す。「TBP」はトリブチルホシフィンを指す。「EDCI」は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸を指す。「DMAP」はジメチルアミノピリジンを指す。「HNMe(OMe)」は、N,N,−ジメチルヒドロキシアミンを指す。「CDMT」は2−クロロ−4,6−ジメトキシ−[1,3,5]トリアジンを指す。「NMM」はN−メチルモルホリンを指す。「DCM」はジクロロメタンを指す。「DMSO」はジメチルスルホキシドを指す。「EtN」はトリエチルアミンを指す。「DMF」はジメチルホルムアミドを指す。「PBr」は三臭化リンを指す。式中の「Et」はエチル基を指し、例えばEtOはジエチルエーテルを指す。EtOAcは酢酸エチルを指す。「PyBOP」はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートを指す。「Me」はメチル基を指す(メタノールをMeOHのように表す)。「Pd/C」はカーボン上の10%パラジウムを指す。特に明記しない限り、異性体1はキラル分離において溶出される第1異性体を指し、異性体2はキラル分離において溶出される第2異性体を指す。
一般反応式
本発明の全ての化合物は、例えば以下の反応式、並びに下記調製例及び/又は実施例に記載の合成経路を経て化学的に調製できる。しかしながら、以下の説明は、いかなる形であれ本発明の範囲を限定するものではない。例えば、記載されている経路における各々の具体的な合成工程を異なる方式で組み合わせ、あるいは別の反応式中の工程と組み合わせて、式Iの化合物を別途調製してもよい。
反応式I
Figure 2009516698
反応式Iでは、工程A(式(1)の4−ハロフェノール)(X=I又はBr)を、スズキ反応を用いて式(2)のフェニルホウ酸とカップリングさせて式(3)のビフェニルヒドロキシルを形成させる。当業者であれば、アリールトリフレート及びフェニルホウ酸を使用して、かかるスズキカップリングを多様な反応条件下で実施できることを認識する。好適な条件は、例えば窒素雰囲気下で、塩化リチウムと共にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、並びに無機塩基(炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム)を使用することである。不活性溶剤(例えばトルエン又はベンゼン及び水)中で約4〜48時間、40℃から還流温度にわたる反応温度で反応を実施する。
他の好適な条件は、窒素雰囲気下でフッ化カリウムと共にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを使用することである。不活性溶剤(例えばトルエン又はベンゼン及び水)中で、40℃〜還流温度で、約4〜48時間反応させた。
反応式II
Figure 2009516698
反応式II(工程A)では、式(4)の4−ホルミル安息香酸メチルエステルをグリニャール試薬(X=Br又はCl)と反応させ、式(5)(例えばR3が上記の通り)の第2級アルコールを調製する。
反応式II(工程B)では、式(5)の第2のアルコールを式(1)のフェノールとMitsinobu反応でカップリングさせ、式(6)のエーテルを調製する。ジエチルアゾジカルボン酸塩(DEAD)/トリフェニルホスフィン、N,N,N´,N´−テトラメチルアゾジカルボキシアミド(TMAD)/トリブチルホスフィン、又は1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(ADDP)/トリブチルホスフィンなどの一般的な酸化還元システム(当業者に公知)を用いて変換を行う。後者が好適な酸化還元システムである。反応は不活性溶媒(テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン又はジオキサン)中で、0〜50℃で4〜48時間実施し、テトラヒドロフランとトルエンの混合液が好適な溶媒である。
反応式II(工程C)では、式(6)の4−ハロフェニルエーテル(X=I、又はBr)を、反応式I(工程A)で記載した反応条件を使用して、スズキ反応により式(1)のフェニルホウ酸とカップリングさせ、式(7)のビフェニルエーテルを形成する。
あるいは反応式II(工程D)で、式(3)のビフェニルヒドロキシルを、反応式II(工程B)で記載したMitsinobu反応条件を使用してカップリングさせ、式(7)のビフェニルエーテルを調製する。
反応式II(工程E)では、式(7)の安息香酸メチルエステルを式(8)の安息香酸に加水分解する。エステルをエタノール、メタノール、ジオキサン又はテトラヒドロフランのような適当な水溶性溶媒(好適にはテトラヒドロフラン)中で加水分解する。エステルを室温〜還流温度で2〜48時間、カリウム又は水酸化ナトリウムなどの無機塩基溶媒(好適には水酸化ナトリウム)中で処理する。式(11)の安息香酸を、塩酸で中和し、更に通常の抽出技術を用いて分離する。
反応式III
Figure 2009516698
反応式III(工程A)では、式(9)の安息香酸をアシル化して式(10)のアミドを調製する。当業者であれば、カルボン酸とアミンの間でのアミド結合形成に多数の反応条件を使用できると認識する。かかる方法は例えば“Comprehensive Organic Transformations”、VCH Publishers、1989、p972−976、R.C.Larockのテキストに記載されている。好適な反応条件は、触媒量の4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)及び有機塩基(例えば不活性溶媒(例えばジクロロメタン又はテトラヒドロフラン)中のジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミン)を使用することである。活性エステルを、0℃〜溶媒の還流温度(好ましくは室温)で、約4〜48時間、塩酸アミノアセトニトリルで処理する。
あるいは反応式III(工程A)では、他の好適な反応条件は、有機塩基(例えば不活性溶媒(例えばテトラヒドロフラン)中のNメチルモルホリン)の存在下で2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンを使用して活性エステルを形成させることである。活性エステルを0〜50℃で4〜48時間、塩酸アミノアセトニトリルで処理し、式(10)のアミドを形成させる。
反応式III(工程B)では、式(10)のアミドを式(11)のテトラゾールに環化する。熟練した当業者であれば、テトラゾールをニトリルから形成するのに有用な試薬として、アジドトリメチルシラン、アジドトリブチルスズ及びアジ化ナトリウムが挙げられることを認識するであろう。好適な反応条件は、不活性溶媒(例えばトルエン、ベンゼン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン又はジオキサン)中で、塩酸トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンなどのアルキルアミン塩酸塩の存在下でアジ化ナトリウムを使用することである。好適な反応条件は、40℃〜溶媒の還流温度で、4〜48時間の間、トルエンを使用することである。製品は適当な有機溶媒(例えば酢酸エチル)に、水性塩酸及び抽出を有する酸性化により分離される。
反応式III(工程C)では、式(9)の安息香酸を、反応式III(工程A)に記載の反応条件を使用して1H−テトラゾル−5−イルアミンでアシル化し、式(12)のテトラゾリルベンズアミドを形成させる。
本明細書に記載する実施例は本発明を例示するものであり、請求項に記載された本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。調製例及び実施例における化合物名は、ChemDrawを使用して導出した。
1H NMRは、Varian 400 MHz分光計を用い、室温で記録した。データは以下のように出力される:内部スタンダードのテトラメチルシランからの化学シフト(ppm単位)(スケール、多重度(b=広い一重項、s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、qn=五重項及びm=多重項)、積分強度、カップリング定数(Hz)、及び解析値。H−NMRは、満足なNMRスペクトルが試験対象の化合物に関して得られたことを示すものである。モノアイソトープによるマススペクトルデータは、エレクトロスプレーイオン化法(ESI又はES)を使用してAgilent G1956B MSD single quadrapole計測器を用いて得た。分析用薄層クロマトグラフィは、EM Reagentの0.25mmシリカゲル60−Fプレート上で実施した。視覚化は紫外線分析により実施した。全ての実施例は特に明記しない限りラセミ体に関するものである。
(調製1)2,6−ジメチル−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−オル
4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノール(115.00g、571.96mmol)、4−(トリフルオロメチル)フェニルホウ酸(130.36g、686.35mmol)、(オキシジ−2,1−フェニレン)ビス(ジフェニルホスフィン)(126.00g、233.96mmol)、フッ化カリウム(99.69g、1.72モル)及びPd(OAc)(25.68g、114.39mmol)を、窒素散布したテトラヒドロフラン(3.0L)中に添加し、還流加熱した。出発材料(4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノール)の消費をGCによってモニターした。4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノールが消費されるまで(通常18時間)還流を継続させた。反応完了後、バッチを約25℃に冷却した。粗反応混合物をシリカ(〜500g)上へ吸収させ、ヘプタン中の10%の酢酸エチルでシリカ(1.5kg)から溶出しし、固体(132.9g、87.3%)として生成物を得た。ヘプタン(23L/kg)及びイソプロパノール(0.4L/kg)から結晶化し、オフホワイトの固体として標題化合物(119.5g、78.5%の収率)を得た。MS(ES):265.21[M−1]H NMR(400MHz、CDCl):δ7.68(d、2H)7.26(d、2H)6.62(s、2H)4.73(s、1H)1.97(s、6H)。
(調製2)4’−tert−ブチル−2,6−ジメチルビフェニル−4−オル
4−tert−ブチルフェニルホウ酸を使用して、基本的に調製1で説明した手順に従い、標題化合物を調製した。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.43(d、2H)7.06(d、2H)6.61(s、2H)4.85(s、1H)2.02(s、6H)1.38(s、9H)。
(調製3)メチル4−(1−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ベンゾエート
22Lの反応器中で、メチル−4−ホルミルベンゾエート(500g)をTHF(5L)中に溶解させた。溶液を−40℃に冷却し、イソブチルマグネシウム臭化物(EtO(1.67L)中2.0M)を滴下漏斗で添加し、−20℃未満の内部温度を維持した。反応後にHPLCを行い、メチル−4−ホルミルベンゾエートの量が1%未満であることを確認した後、2℃以下に内部温度を維持しながらMeOH(148mL)によって反応をクエンチさせた。10℃の下で内部温度を維持しながら、反応液に5MのHCl(700mL)を添加した。得られる二相混合液を下部弁を有する12L容器へ移し、300mLのヘプタンでリンスした。形成される層を分離し、有機層を1MのHCl(500mL)で洗浄した。水性層を混合し、tert−ブチルメチルエーテル(500mL)で抽出した。混合有機抽出液を真空濃縮した。得られる残余物をヘプタン(800mL)で希釈し、真空濃縮して共沸的に材料を乾燥させた。得られる油状物をシリカゲルクロマトグラフィで精製し、黄色の油状物として所望のカルビノール246.3g(37%)を得、冷蔵庫中に保存し、白い蝋様の固体に凝固させた。H NMR(500MHz、CDCl):δ8.0(d、2H)7.4(d、2H)4.8(dd、1H)3.9(s、3H)1.85(s、1H)1.71(m、2H)1.48(m、1H)0.95(d、6H)。
(調製4)メチル4−(1−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ベンゾアート(異性体1)
ラセミ体としてのメチル4−(1−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ベンゾエート(68g)を調製用ChiralcelOD−Hカラムを用いて(R)及び(S)鏡像異性体に分離させ、1−プロパノール/ヘプタン(10:90)で溶出した。溶出する第1の異性体を濃縮し、96%eeのキラル純度を有する異性体34.7gを得た。
(調製5)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−安息香酸メチルエステル
メチル4−(1−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ベンゾエート(44.00g、197.94mmol)をトルエン(1.12L)中に溶解させい、バッチ温度を0℃に調節した。固体のアゾジカルボキシル酸ジピペリジン(74.92g、296.92mmol)を反応溶液に添加した。トリ−n−ブチルホスフィン(78.0mL、296.92mmol)を滴下して反応溶液に添加し、バッチ温度を0℃に維持した。2,6−ジメチル−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−オル(65.92g、237.53mmol)(トルエン(1L)中に溶解)を反応液に液滴により添加し、バッチ温度を0℃に維持した。反応混合液を25℃に加温し、約16時間撹拌した。反応液をヘキサン中の30% EtOAcを用い、TLCにより分析した。生成物のrf=0.63、カルビノールのrf=0.34及びビアリールのrf=0.39。メチル4−(1−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ベンゾエートがTLCにより観察されなくなるまで反応を継続させた。反応完了後、溶媒を減圧蒸留により除去し、ヘキサンで置換した。混合液をシリカを使用したクロマトグラフィに供し、ヘキサンで溶出した。生成物を含有するフラクションを濃縮し、45℃、減圧下で粘稠な油状物85.89g(92.2%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO−d):δ7.92(d、2H)7.72(d、2H)7.55(d、2H)7.29(d、2H)6.68(s、2H)5.44(dd、1H)3.81(s、3H)1.83(m、1H)1.82(s、6H)1.75(m、1H)1.52(m、1H)0.94(dd、6H)。
(実施例1)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
工程A:4−(1−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル)安息香酸メチルエステル
マグネシウム(5.2g、199mmol)を窒素雰囲気下で無水THF(60mL)中に懸濁させた。ヨウ素の小結晶を添加した。1−ブロモ−2,2−ジメチルプロパン(25g、165mmol)を無水THF(90mL)中に溶解させ、一部の溶液をマグネシウムに添加した。混合液を還流温度まで加熱し、反応を開始させた。残りの臭化物溶液を滴下して添加した。添加終了後、混合液を4時間還流した。グリニャール試薬を室温に冷却し、滴下してメチル−4−ホルミルベンゾエート(15g、91.5mmol)のTHF中の溶液に添加し、アイスバスで冷却した。添加終了後、得られる溶液を室温で2時間撹拌した。反応をMeOHでクエンチし、精製し、濃縮し、黄色の油状物として標題の化合物8.07g(37%)を得た。H NMR。
工程B:4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−3,3−ジメチルブチル]−安息香酸メチルエステル(異性体1及び異性体2)
4−(1−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル)安息香酸メチルエステル(2.00g、8.47mmol)をTHF/トルエン中で撹拌し、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(ADDP)(3.21g、12.71mmol)を0〜5℃の温度で添加し、トリ−n−ブチルホスフィン(3.2mL、12.71mmol)及び4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール(2.04g、10.17mmol)を更に添加した。反応液を24〜48時間撹拌しながら室温に加温した。反応液をシリカゲル上にロードし、0〜100%の酢酸エチル/ヘキサン勾配を使用して抽出した。クロマトグラフィの後、得られる固体をMeOHで洗浄し、フィルターに通し、白色固体として標題の化合物1.74g(49%)を得た。以下の条件を使用して、キラルクロマトグラフィにより鏡像異性体を分離した:カラム:Chiralcel OJ−H(4.6×150mm)、溶離剤:100%のMeOH、流速:0.6ml/分、UV:250nm。異性体1を862mg(ee>95%)、及び異性体2を802mg(ee>95%)得た。
工程C:4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−安息香酸メチルエステル(異性体1)
4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−3,3−ジメチルブチル]−安息香酸メチルエステル、異性体1(440mg、1.05mmol)、4−(トリフルオロメチル)フェニルホウ酸(403mg、2.1mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(121mg、0.105mmol)及びフッ化カリウム(183mg、3.15mmol)をトルエン/水(20mL/5mL)中に添加し、窒素パージした。混合液を16時間還流し、直接シリカゲル上にロードし、カラムクロマトグラフィにより精製し、標題の化合物550mgを得た。H NMR。
工程D:4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−安息香酸(異性体1)
4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−安息香酸メチルエステル(異性体1)(550mg)をMeOH(10mL)中に溶解させ、5N NaOH(2mL)で処理した。反応液を室温で4時間撹拌し、5N HClで酸性化し、酢酸エチルで抽出した。混合有機相を乾燥させ、濃縮し、標題の化合物440mgを得た。H NMR。
工程E:N−シアノメチル−4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−ベンズアミド(異性体1)
4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−安息香酸(異性体1)(220mg、0.47mmol)をジクロロメタン(5mL)と混合した。トリエチルアミン(0.20mL、1.4mmol)、DMAP(5mg)、アミノアセトニトリル塩酸塩(65mg、0.70mmol)及びEDCI(270mg、1.4mmol)を添加し、反応液を室温で24〜48時間撹拌した。反応混合液をシリカゲルカラムにロードし、0〜100%の酢酸エチル/ヘキサン勾配を使用して溶出し、標題の化合物の160mg(68%)を得た。
工程F:4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)
N−シアノメチル−4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−ベンズアミド(160mg、0.32mmol)をトルエン(20mL)中に溶解させた。トリエチルアミン塩酸塩(132mg、0.96mmol)、更にアジ化ナトリウム(62mg、0.96mmol)を添加し、反応液を24時間還流させた。混合液を室温に冷却し、水に注入し、HCl水溶液でpH=3に調節した。生成物を酢酸エチルで抽出し、乾燥させ、濃縮し、標題の化合物の145mg(82%)を得た。MS(ES):552.2[M+1]、550.2[M−1]
(実施例2)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例1(工程CからF)に記載の手順に従い、実施例1(工程B)で分離した4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−3,3−ジメチルブチル]−安息香酸メチルエステル(異性体2)を開始材料として調製した。MS(ES):552.2[M+1]、550.2[M−1]
(実施例3)4−[1−(−4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例1で説明した手順に従い、実施例1の工程Bで分離した4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−3,3−ジメチルブチル]−安息香酸メチルエステル(異性体1)を開始材料とし、4−イソプロピルフェニルホウ酸を工程Cで使用して調製した。MS(ES):526.5[M+1]、524.3[M−1]
(実施例4)4−[1−(−4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例1で記載されている手順に従い、実施例1の工程Bで分離した4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−3,3−ジメチルブチル]−安息香酸メチルエステル(異性体2)を開始材料とし、4−イソプロピルフェニルホウ酸を工程Cで使用して調製した。MS(ES):524.3[M−1]
(実施例5)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
標題の化合物を基本的に実施例1(工程AからF)で説明した手順に従い、工程Aで塩化イソプロピルマグネシウムを開始材料として調製した。工程Bでラセミ体としての4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピル]−安息香酸メチルエステルを、以下の反応条件を使用してキラルクロマトグラフィで分離した:カラム:Chiralcel OJ−H(4.6×150mm)、溶出液:MeOH/0.2%のジメチルエチルアミン、流速:0.6ml/分、UV:270nm。異性体1をee>99%、及び異性体2を802mg(ee>98.4%)で得た。MS(ES):524.3[M+1]、522.2[M−1]
(実施例6)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例1(工程CからF)で説明した手順に従い、実施例5(工程B)で分離したキラルの4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピル]−安息香酸メチルエステル(異性体2)を開始材料として調製した。MS(ES):524.3[M+1]、522.3[M−1]
(実施例7)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−4,4−ジメチル−ペンチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例1(工程AからF)で説明した手順に従い、グリニャール試薬を調合する反応において2日間還流を行ったことを除き、工程Aにおいて1−ブロモ−3,3−ジメチルブタンを開始材料として調製した。工程Bで、4−[1−4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−4,4−ジメチル−ペンチル]−安息香酸メチルエステルの鏡像異性体(異性体1及び異性体2)を、キラルクロマトグラフィを使用して分離した。MS(ES):566.2[M+1]、564.3[M−1]
(実施例8)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−4,4−ジメチル−ペンチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例1(工程CからF)で説明した手順に従い、実施例7(工程B)で分離したキラル4−[1−4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−4,4−ジメチル−ペンチル]−安息香酸メチルエステル(異性体2)を開始材料として調製した。MS(ES):566.2[M+1]、564.3[M−1]
(実施例9)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例1(工程DからF)で説明した手順に従い、工程Dでキラル4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−安息香酸メチルエステル(調製5)を使用し調製した。MS(ES):538.3[M+1]
(実施例10)4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
工程A:4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−安息香酸メチルエステル(異性体1)
メチル4−(1−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ベンゾエート(異性体1)(調製4)(2.00g、9.01mmol)を0〜5℃の温度でTHF/トルエン中で撹拌し、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(ADDP)(3.41g、13.51mmol)、更にトリ−n−ブチルホスフィン(3.36mL、13.51mmol)及び4’−tert−ブチル−2,6−ジメチルビフェニル−4−オル(調製2)(2.75、10.81mmol)を添加した。反応液を24〜48時間撹拌し、室温に加温した。反応液をシリカゲル上にロードし、0〜100%の酢酸エチル/ヘキサン勾配を使用して抽出し、生成物2.90g(70%)を得た。H NMR。
工程B:4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−安息香酸(異性体1)
4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−安息香酸メチルエステル(2.90g)をMeOH(20mL)に溶解させ、5N NaOH(3mL)で処理した。反応液を室温で5時間撹拌し、5N HClで酸性化し、酢酸エチルにより抽出した。混合有機相を乾燥させ、濃縮し、標題の化合物2.69gを得た。
工程C:4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−N−シアノメチル−ベンズアミド(異性体1)
4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−安息香酸(1.00g、2.25mmol)及び2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−triazine(593mg、3.38mmol)を、窒素雰囲気下でTHF(25mL)中で撹拌した。N−メチルモルホリン(0.37mL、3.38mmol)を添加し、更に塩酸アミノアセトニトリル(229mg、2.48mmol)を添加し、室温で24時間撹拌した。反応液を濾過し、得られる濾過液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製し、0〜100%の酢酸エチル/ヘキサン勾配を使用して溶出し、白色固体として標題の化合物806mg(74%)を得た。H NMR。
工程D:4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)
標題の化合物を、基本的に実施例1(工程F)で説明した手順に従い、4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−N−シアノメチル−ベンズアミド(異性体1)を使用して調製し、200mgの生成物を得た。MS(ES):526.5[M+1]
(実施例11)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−5,5,5−トリフルオロ−ペンチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例1(工程AからF)の手順に従い、工程Aで1−ブロモ−4,4,4−トリフルオロブタンを用いて調製した。工程Aで、4−(5,5,5−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−ペンチル)安息香酸メチルエステルの鏡像異性体を、キラルクロマトグラフィを使用して異性体1及び異性体2に分離した。異性体1を調製し、最終生成物を得た。MS(ES):592.2[M+1]
(実施例12)4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−4,4,4−トリフルオロ−ブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例1(工程AからF)の手順に従い、工程Aで3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロプロパンを用いて調製した。工程Aで、4−(4,4,4−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−ブチル)−安息香酸メチルエステルの鏡像異性体を、キラルクロマトグラフィを使用して異性体1及び異性体2に分離した。異性体1を調製し、4−tert−ブチルフェノールを工程Cで使用した。MS(ES):566.3[M+1]
(実施例13)4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−4,4,4−トリフルオロ−ブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例1(工程CからF)で記載されている手順に従い、実施例12の工程Bで分離した4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−3−メチルブチル]−安息香酸メチルエステル(異性体2)を開始材料とし、工程Cで4−tert−ブチルフェニルホウ酸を使用して調製した。MS(ES):566.3[M+1]
(実施例14)4−[シクロブチル−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−メチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
標題の化合物は工程Aでブロモシクロブタンを開始材料とし、基本的に実施例1(工程AからF)で説明した手順に従い調製した。工程Bで、4−[(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−シクロブチル−メチル]−安息香酸メチルエステルの鏡像異性体を、キラルクロマトグラフィを使用して異性体1及び異性体2に分離した。MS(ES):536.2[M+1]
(実施例15)4−[シクロブチル−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−メチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例1(工程CからF)で説明した手順に従い、実施例14(工程B)で分離したキラル4−[(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−シクロブチル−メチル]−安息香酸メチルエステル(異性体2)を開始材料として調製した。MS(ES):536.2[M+1]
(実施例16)4−[シクロペンチル−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−メチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
標題の化合物を、工程Aで臭化シクロペンチルを開始材料とし、基本的に実施例1(工程AからF)で説明した手順に従い調製した。工程Bで、4−[(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−シクロペンチル−メチル]−安息香酸メチルエステルの鏡像異性体を、キラルクロマトグラフィを使用して異性体1及び異性体2に分離した。MS(ES):550.3[M+1]
(実施例17)4−[シクロペンチル−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−メチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例1(工程CからF)で説明した手順に従い、実施例16(工程B)で分離したキラル4−[(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−シクロペンチル−メチル]−安息香酸メチルエステル(異性体2)を開始材料として調製した。MS(ES):550.3[M+1]
(実施例18)4−[1−(4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
工程A:4−(1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−安息香酸メチルエステル
塩化イソプロピルマグネシウムを用いて、基本的に実施例1、工程A又は調製3に記載の手順に従い、標題の化合物を調製した。
工程B:4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピル]−安息香酸メチルエステル(異性体1及び2)
4−(1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−安息香酸メチルエステル(5.00g、24.04mmol)のトルエン(240mL)中溶液に、0℃で更に1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(ADDP、9.10g、36mmol)、更にトリブチルホスフィン(8.98mL、36mmol)及び4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノール(5.80g、28.85mmol)を添加した。反応混合物を室温に加温し、一晩撹拌した。混合液をシリカゲルにロードし、0%〜50%の酢酸エチル勾配によって抽出し、黄色の油状物として標題の化合物(5.54g)を得た。ラセミ体としての4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピル]−安息香酸メチルエステルをChiralcel OJ−Hカラム(4.6×150mm)で分解した。メタノール/ジメチルエチルアミン(99.8/0.02)で溶出し、適当なフラクションを濃縮し、純粋な鏡像異性体エステル(異性体1:ee>99%、異性体2:ee=98.4%)を得た。
工程C:4−[1−(4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−安息香酸メチルエステル(異性体1)
4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピル]−安息香酸メチルエステル、異性体1(500mg、1.28mmol)、フッ化カリウム(223mg、3.84mmol)、4−イソプロピルフェニルホウ酸(419mg、2.56mmol)及びテトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(148mg、0.128mmol)をフラスコに添加した。反応液を数回窒素パージした後、トルエン/水(20ml/5ml)を添加した。得られる溶液を一晩還流し、シリカゲルにロードし、フラッシュカラムクロマトグラフィで精製し、標題の化合物(510mg)を得た。
工程D:4−[1−(4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−安息香酸(異性体1)
4−[1−(4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−安息香酸メチルエステル(異性体1)(510mg、1.19mmol)をメタノール(10mL)中に溶解させ、室温で3時間、5N水酸化ナトリウム(2mL)で処理した。混合液を濃縮し、酢酸エチルで希釈し、5N HCl(2mL)で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ、濃縮し、白色固体として標題の化合物450mg(91%)を得た。
工程E:4−[1−(4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)
4−[1−(4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−安息香酸(異性体1)(150mg、0.36mmol)のメチレンクロライド(4mL)中の混合液に、室温で、トリエチルアミン(0.15mL、1.08mmol)、DMAP(5.0mg)、1H−テトラゾル−5−イルアミン(46mg、0.54mmol)及びEDCI(208mg、1.08mmol)を添加した。反応混合液を24〜48時間室温で撹拌した。反応液をシリカゲルカラム上に直接ロードし、0〜100%の酢酸エチル/ヘキサンの勾配を使用して抽出し、白色固体として標題の化合物44mg(25%)を得た。MS(ES):484.2[M+1]
(実施例19)4−[1−(4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体2)
Figure 2009516698
、標題の化合物は基本的に実施例18(工程CからE)で説明した手順に従い、実施例18(工程B)で調製したキラル4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−2−メチル−プロピル]−安息香酸メチルエステル(異性体2)を使用して調製した。MS(ES):484.2[M+1]
(実施例20)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例18(工程CからE)で説明した手順に従い、工程Cで出発材料として4−トリフルオロメチルフェニルホウ酸を使用して調製した。510.2[M+1]
(実施例21)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体2)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例18(工程CからE)に記載されている手順に従い、工程Cでキラル4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)2−メチル−プロピル]−安息香酸メチルエステル(異性体2)及び4−トリフルオロメチルフェニルホウ酸を開始材料として用いて調製した。MS(ES):510.2[M+1]
(実施例22)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例18(工程E)で説明した手順に従い、開始材料として4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−安息香酸(異性体1)(実施例1、工程D)を使用して調製した。MS(ES):538.3[M+1]
(実施例23)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体2)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例18(工程E)で説明した手順に従い、出発材料として4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−安息香酸(異性体2)(実施例2、工程D)使用して調製した。MS(ES):536.2[M−1]
(実施例24)4−[1−(4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
4−トリフルオロメチルフェニルホウ素の酸の代わりに4イソプロピルフェニルホウ酸を使用した以外、基本的に実施例22で記載した手順に従い、標題の化合物を調製した。MS(ES):512.3[M+1]、510.2[M−1]
(実施例25)4−[1−(4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体2)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例24に記載の手順に従い、工程Cでキラル4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−3,3−ジメチルブチル]−安息香酸メチルエステル、(異性体2)(実施例24)及び4イソプロピルフェニルホウ酸を使用して調製した。MS(ES):512.3[M+H]、510.2[M−1]
(実施例26)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−4,4−ジメチル−ペンチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例18(工程AからE)で説明した手順に従い、工程Aで1−ブロモ−3,3−ジメチルブタンを使用し、実施例18(工程B)と同様に、ラセミ体としての4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−4,4−ジメチル−ペンチル]−安息香酸メチルエステルをキラル異性体1及び2に分離し、調製した。MS(ES):552.2[M+H]、550.2[M−1]
(実施例27)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−4,4−ジメチル−ペンチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体2)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例26で説明した手順に従い、工程Cで、キラル4−[1−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−フェノキシ)−4,4−ジメチル−ペンチル]−安息香酸メチルエステル(異性体2)(実施例26)を使用して調製した。MS(ES):552.2[M+H]、550.2[M−1]
(実施例28)4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例18で説明した手順に従い、実施例18の工程Bで4−(1−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−安息香酸メチルエステル(異性体1、調製4、キラル分離なし)、及び工程Cで4−tert−ブチルフェニルホウ酸を使用して調製した。MS(ES):512.3[M+H]、510.2[M−1]
(実施例29)4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)
Figure 2009516698
標題の化合物を、基本的に実施例18で説明した手順に従い、実施例18の工程Bで4−(1−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−安息香酸メチルエステル(異性体1、調製4、キラル分離なし)、及び工程Cで4−トリフルオロメチルフェニルホウ酸を使用して調製した。MS(ES):526.3[M+H]、524.3[MH]
式Iの化合物は、投与前にユニットドーズの形態で製剤化するのが好ましい。ゆえに、本発明の更に別の実施形態は、式Iの化合物と1つ以上の薬理学的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤からなる医薬組成物の提供に関する。かかる形態では、製剤は適切な量(例えば所望の効果を得るための有効量)の有効成分を含む適切なサイズのユニットドーズに分割した。かかる医薬品組成物及びその調製方法は公知技術である。例えば「REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY」(A.Gennaroら編、19版、Mack Publishing Co.,1995)を参照のこと。本発明の有効量を構成するのに必要となる、式(I)の化合物又はその薬学的に受け入れられる塩の具体的な量は、治療しようとする症状の具体的な状況により変化した。上記化合物は好ましくは経口投与用である。製剤のユニットドーズにおける有効成分の量は、具体的な投与にも依るが、一般に約0.01mg〜約1,000mg、好ましくは約0.01mg〜約950mg、好ましくは約0.01mg〜約500mg、典型的には約1mg〜約250mgで変化させ、若しくは調節してもよい。実際の用量は、患者の年齢、性別、体重及び症状の重症度に応じて変動させてもよい。かかる方法は当業者に周知である。通常、有効成分を含む経口投与剤形をヒトに投与する場合、一日当たり1〜2回投与とすることができる。投与量、投与経路及び投与頻度などは、最終的には主治医によって決定した。
本発明の組成物を、患者への投与後、有効成分が迅速に放出されるか、徐放出されるか又は遅延放出される態様で調製してもよい。本発明の組成物を、徐放出型に製剤化して構成要素又は有効成分の何れか1つ以上の放出速度を制御し、治療効果を最適化してもよい。徐放出に適する剤形としては、異なる分解速度を有する層から形成される錠剤、有効成分を充填してタブレットとして形成した制御放出ポリマーマトリックス、かかる充填若しくは封入された多孔質のポリマーマトリックスを含有するカプセルなどが包含した。
グルカゴンがグルコースホメオスタシスにおいて重要な役割を果たすことを裏付ける証拠が年々得られている。式Iの化合物は、グルカゴン受容体のアンタゴニスト又は逆アゴニストとして効果的であり、すなわちグルカゴン受容体の活性を阻害した。より具体的には、これらの化合物はグルカゴン受容体の選択的なアンタゴニスト又は逆アゴニストである。式Iの化合物は、選択的なアンタゴニスト又は逆アゴニストとして機能するため、糖尿病及び他のグルカゴン関連の障害など(これらに限定されない)、グルカゴン受容体の不活化に感受性の疾患、障害又は症状の治療に有用である。グルカゴン受容体の選択的なアンタゴニスト又は逆アゴニストの使用により、血漿中のグルコース濃度が低下し、それにより糖尿病及び他のグルカゴン関連の代謝障害などの予防若しくは治療が可能となる。
薬理学的方法
以下に、本発明の化合物の効率の評価に有用な結合試験並びに機能試験について記述した。グルカゴン受容体への化合物の結合は、クローニングされたヒトのグルカゴン受容体に対する選択性を用いる競合結合アッセイにおいて決定することができる。拮抗作用は、5nMのグルカゴンの存在下にアッセイにおいて形成されるcAMPの量を阻害する本発明の化合物の能力として決定してもよい。
グルカゴン受容体(hGlucR)結合アッセイ
本受容体結合アッセイは、クローニングされた293HEK膜から分離されたヒトのグルカゴン受容体を使用した(Lok S,Kuijper JL,Jelinek LJ,Kramer JM,Whitmore TE,Sprecher CA,Mathewes S,Grant FJ,Biggs SH,Rosenberg GB,ら、Gene140、2),203−209、1994。このhGlucR cDNAを発現プラスミドphDにサブクローニングした(完全にγ−カルボキシル化された組換えヒトのプロテインCのトランス活性化発現、抗血液凝固性因子(Grinnell,B.W.,Berg,D.T.,Walls,J.及びYan,S.B.Bio/Technology5:1189−1192(1987)参照)にサブクローニングした。このプラスミドDNAを239HEK細胞にトランスフェクションして200μg/mLのハイグロマイシンを用いて選択した。
懸濁培養した細胞を用いて粗原形質膜を調製した。上記細胞を25mM トリスHCl(pH7.5)、1mM MgCl、DNase1 20μg/mL、及びComplete Inhibitors(EDTAフリー)(Roche社)を含有する低張バッファ中で氷上で溶解した。その細胞懸濁液をガラス製のダウンスのホモジナイザーによりテフロン棒を用いて25回上下してホモジナイズした。このホモジネートを4℃では、1800×gで15分間遠心した。上清を回収し、ペレットを低張バッファに再懸濁して再びホモジナイズした。混合物を1800×gで15分間遠心した。第2の上清を第1の上清と合わせた。混合した上清を1800×gで15分間再遠心して清澄化した。清澄化した上清を高速遠心管に移して4℃では、25000×gで30分間遠心した。ホモジネーションバッファに再懸濁して必要となるまで−80℃の冷凍室に凍結アリコートとして膜ペレットを貯蔵した。
グルカゴンを、125I−ラクトペルオキシダーゼ法によって、放射性ヨードで標識し、Perkin−Elmer/NEN(NEX207)では、逆相HPLCによって精製した。比活性は2200Ci/mmolであった。125I−グルカゴン物質中にプロパノールの含量が高いため、Kdの決定は飽和結合ではなく均一競合により実施した。Kdは3nMと推定され、全ての試験化合物についてKi値の計算に使用した。
脂肪酸フリーの1%のBSA(ICN)で予めブロッキングしたWGAビーズによるシンチレーション近接アッセイ(Amersham)により結合アッセイを行った。結合バッファの組成は25mM Hepes(pH7.4)、2.5mM CaCl、1mM MgCl、0.1%の脂肪酸不含BSA(ICN)、0.003%のTween−20及びEDTAフリーのComplete Inhibitors(Roche社)とした。グルカゴンを0.01N HCl溶液中に1mg/mLの濃度で溶解させ、30μLのアリコートに分割して直ちに−80℃で凍結させた。上記グルカゴンのアリコートを希釈し、1時間以内に結合アッセイに使用した。試験化合物をDMSOに溶解し、DMSOによる希釈系列を調製した。10μLの希釈化合物、又はDMSOを、Corning3632(90μLのアッセイ用結合バッファ又は非放射性グルカゴン(NSB、最終濃度1μM)を含む、不透明で底が透明なアッセイプレート)中に移した。50μLの125Iグルカゴン(反応液中の最終濃度:0.15nM)、50μLのメンブレン(300μg/ウェル)の及び40μLのWGAビーズ(150mg/ウェル)を添加し、プレートの端から端までを被覆した。プレートを室温で14時間静置した後、MicroBetaで測定した。
化合物の存在下における、125Iグルカゴンの特異的な結合パーセントとして算出した。化合物の絶対EC50用量を、添加した化合物の用量に対する125I−グルカゴンの特異的結合パーセントを非線形回帰することによって導出した。EC50用量をCheng−Prusoffの式(Cheng Y.,Prusoff W.H.,Biochem.Pharmacol.22,3099−3108,1973)を用いてKiに変換した。
グルカゴン様ペプチド1(Glp1−R)受容体結合アッセイ
受容体結合アッセイでは、293HEK細胞膜から分離し、クローニングしたヒトグルカゴン様ペプチド1受容体(hGlp1−R)(Graziano,MP,Hey,PJ,Borkowski,D,Chicchi,GG,Strader,CD,Biochem Biophys Res Commun.1993 Oct 15、196(1):141−6)を使用した。hGlp1−R cDNAを、発現プラスミドphD(完全にγ−カルボキシル化された組換えヒトプロテインC(抗血液凝固性因子のトランス活性化因子)のトランス活性化発現、Grinnell,B.W.,Berg,D.T.,Walls,J.及びYan,S.B.Bio/Technology 5:1189−1192(1987)を参照)にサブクローニングした。このプラスミドDNAを239HEK細胞にトランスフェクションし、200μg/mLのハイグロマイシンを用いて選抜した。
懸濁培養した細胞を使用して粗製の原形質膜を調製した。25mMのトリスHCl(pH7.5)、1mMのMgCl、DNAse 20μ/mL及びEDTAフリーのロシュ社製Complete Inhibitorsを含有する低張バッファ中で、氷上で細胞を溶解させた。その細胞懸濁液をガラス製のダウンスのホモジナイザーによりテフロン棒を用いて25回上下してホモジナイズした。このホモジネートを4℃で1800×gで15分間遠心分離した。上清を回収し、ペレットを低張バッファに再懸濁して再びホモジナイズした。混合物を1800×gで15分間遠心した。第2の上清を第1の上清と混合した。混合した上清を1800×gで15分間再度遠心分離して清澄化した。清澄化した上清を高速遠心管に移し、4℃で25000×gで30分間遠心分離した。ホモジネーションバッファに再懸濁し、使用直前まで−80℃の冷凍室に凍結アリコートとして膜ペレットを保存した。
グルカゴン様ペプチド1(Glp−1)を、125I−ラクトペルオキシダーゼ法により放射性ヨードで標識し、Perkin−Elmer/NEN(NEX308)を用いた逆相HPLCで精製した。比活性は2200Ci/mmolであった。125I−グルカゴン物質中にプロパノールの含量が高いため、Kdの決定は飽和結合ではなく均一競合により実施した。Kdは3nMと推定され、全ての試験化合物についてKi値の計算に使用した。
脂肪酸フリーの1%BSA(ICN)で予めブロッキングした小麦麦芽アグルチニン(WGA)ビーズによるシンチレーション近接アッセイ(Amersham)により結合アッセイを行った。結合バッファの組成は25mM Hepes(pH7.4)、2.5mM CaCl、1mM MgCl、0.1%の脂肪酸不含BSA(ICN)、0.003%のTween−20及びEDTAフリーのComplete Inhibitors(Roche社)とした。グルカゴン様ペプチド1(Glp−1)をPBS中に1mg/mLの濃度で溶解させ、30μLに分割して直ちに−80℃で凍結させた。上記グルカゴン様ペプチドのアリコートを希釈し、1時間以内に結合アッセイに使用した。試験化合物をDMSOに溶解し、DMSOによる希釈系列を調製した。10μLの希釈された化合物、又はDMSOを、Corning3632(90μLのアッセイ用結合バッファ又は非放射性グルカゴン様ペプチド1(NSB、最終濃度1μM)を含む、不透明で底が透明なアッセイプレート)中に移した。50μLの125Iグルカゴン様ペプチド1(反応液中の最終濃度:0.15nM)、50μLのメンブレン(300μg/ウェル)の及び40μLのWGAビーズ(150mg/ウェル)を添加し、プレートの端から端までを被覆した。プレートを室温で14時間静置した後、MicroBetaで測定した。
化合物の存在下における、125Iグルカゴン様ペプチド1の特異的な結合パーセントとして算出した。化合物の絶対EC50用量を、添加した化合物の用量に対する125I−グルカゴン様ペプチド1の特異的結合パーセントを非線形回帰することによって導出した。EC50用量をCheng−Prusoffの式(Cheng Y.,Prusoff W.H.,Biochem.Pharmacol.22,3099−3108,1973)を用いてKiに変換した。
グルカゴン刺激によるcAMP機能アンタゴニストアッセイ
cAMP機能アッセイでは、上記hGlucR結合アッセイ用に単離したヒトグルカゴン受容体細胞系と同一のクローンを使用した。化合物の存在下で、EC80用量のグルカゴン含有混合物を用い、細胞を刺激した。細胞内で生じたcAMPを、Perkin Elmer社製のAmplified Luminescent Proximity Homogeneous Assay,Alpha Screen(6760625R)を用いて定量した。
当該システムは簡潔には、細胞内のcAMPとキット由来のビオチン化cAMPとで、抗cAMP抗体被覆アクセプター側ビーズ及びストレプトアビジンコーティングされたドナー側ビーズとの結合を競合させるものである。細胞内のcAMP濃度の増加にしたがい、アクセプター側ビーズ−ビオチン化cAMP−ドナー側ビーズ複合体が減少するため、シグナルが減少した。
グルカゴンを0.01N HClに1mg/mLの濃度で溶解させ、30μLのアリコートに分割し、直ちに−80℃で凍結した。グルカゴンのアリコートを希釈し、1時間以内に機能アッセイに使用した。コンフルエント状態前の組織培養ディッシュから、酵素フリーの細胞分離溶液(特製培地5−004−B)を用いて細胞を回収した。細胞を低速で沈殿させ、アッセイバッファ(Mg及びCa添加HBSS中、25mM Hepes(GIBCO、14025−092)、0.1%の脂肪酸フリーのBSA(ICN社製)を含む)で3回洗浄し、次いで希釈して1mL当たり250,000細胞の最終濃度にした。化合物をDMSO中に段階希釈し、次いで3倍濃度のグルカゴン及び3%DMSOを含むアッセイバッファで希釈した。グルカゴンのEC80を最大グルカゴン用量応答から決定し、グルカゴンが最大グルカゴン反応の80%を引き起こす用量として表した。Alphaスクリーンキットのビオチン化cAMP(最終量、ウエル当たり1単位)と3×IBMX(1500μM)のアッセイバッファ中混合液を調製した。
96ウエル、低容量、白色、ポリスチレンのコスタープレート内で機能アッセイを行った。ビオチン化cAMP/IBMX混合物(0.02mL)を各ウエルに添加し、続いてグルカゴン用量応答cAMP標準曲線の、又は化合物/グルカゴン混合物の0.02mLを添加した。0.02mLの細胞懸濁液(最終5000個/ウエル)を添加して反応を開始させた。室温で60分後、0.03mLの溶解バッファ[10mMHepes(pH7.4)、1% NP40及びAlphaスクリーンキットのアクセプター及びドナービーズをウエル当たり各1ユニット含有する0.01%の脂肪酸フリーBSA(ICN)]を添加して反応を停止させた。溶解バッファの添加を緑色光下で行い、検出ビーズの退色を防止した。プレートを(アルミ)箔で包み、室温に一晩放置して平衡状態にした。Packard Fusion(商標)−αInstrumentでプレートを解析した。
Alphaスクリーンにおける単位を、cAMP標準曲線に基づき、ウエル当たりで生じたcAMPのpモル値に変換した。化合物の存在下で生じたcAMPのpモル値を、EC80用量のグルカゴンのみによる最大反応に対するパーセンテージに変換した。各実験について、cAMPのpモル値の50%の反応を起こすのに必要なグルカゴン量を測定した。このEC50用量を使用して、改変Cheng−Prusoffの式(Cheng,Y.,Prusoff,W.H.,Biochem.Pharmacol.22,3099−3108,1973、Kb=(化合物のEC50)/[1+(使用したグルカゴンのpM/pMで表したグルカゴン用量応答のEC50)を用いて結果をKbとして標準化した。
本明細書に記載の化合物は好ましくは、本明細書に開示されるグルカゴン受容体(hGlucR)結合アッセイで測定した結果、50μM以下のKi値を有した。より好ましくは、本明細書に記載の化合物は本明細書に開示されるグルカゴン受容体(hGlucR)結合アッセイで測定した結果、5μM以下、好ましくは500nM以下、更に好ましくは100nM以下のKi値を有した。本明細書に記載の化合物は通常、GLP−1受容体と比較してグルカゴン受容体に対してより高い親和性、好ましくはGLP−1受容体よりもグルカゴン受容体に対して10〜10,000倍高い結合親和性を示すことが好ましい。本願明細書に記載の全ての実施例は、1μM未満のKi値を有した。開示する化合物に関する結果を以下に記す。
表1:
Figure 2009516698
上記より、当事者であれば本発明の本質的な特徴を理解し、本発明の技術的思想と範囲から逸脱することなく本発明を種々変更及び修正し、多様な用途及び状況に適応させることができる。したがって、他の実施形態も又本発明の特許請求の範囲内である。

Claims (16)

  1. 式I:
    Figure 2009516698
    (I)
    [式中、
    Mは−CH−又は結合であり;
    R1及びR2は独立に−H又は−ハロゲンであり;
    R3は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)、−(C−C)シクロアルキル基、−(C−C)アルキル−(C−C)シクロアルキル基又は−(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり;
    R4及びR5は独立に−H、−ハロゲン、−ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、−CN、−(C−C)アルコキシ基、−(C−C)アルケニル基又は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり;
    R6は式:
    Figure 2009516698
    で示される基であり、ここに、ジグザク表記は親分子への結合位置を示し;
    R7及びR8は独立に−H、−ハロゲン、−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)、−(C−C)アルコキシル基、−(C−C)シクロアルキル基、−C(O)R10、−COOR10、−OC(O)R10、−OS(O)R10、−SR10、−S(O)R10、−S(O)R10又は−O(C−C)アルケニル基であり;
    R9は独立に−H、−ハロゲン、−CN、−(C−C)シクロアルキル、−C(O)R10、−COOR10、−OC(O)R10、−OS(O)R10、−SR10、−S(O)R10、−S(O)R10又は−O(C−C)アルケニル基、−(C−C)アルコキシ基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)又は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり;
    R10は各々独立に−水素又は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である]
    で表される構造を有する化合物又はその薬理学的に許容できる塩。
  2. Mが−CH−又は結合であり;
    R1及びR2が−Hであり;
    R3が−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)、−(C−C)シクロアルキル基、−(C−C)アルキル−(C−C)シクロアルキル基又は−(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり;
    R4及びR5が独立に−H、−ハロゲン又は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり;
    R6が式:
    Figure 2009516698
    で示される基であり、ここに、ジグザク表記は親分子への結合位置を示し;
    R7及びR8が独立に−H、−ハロゲン、−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)又は−(C−C)アルコキシ基であり;
    R9が独立に−H、ハロゲン又は−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である、請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩。
  3. Mが−CH−又は結合であり;
    R1及びR2が−Hであり;
    R3が−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)、−(C−C)シクロアルキル基、−(C−C)アルキル−(C−C)シクロアルキル基又は−(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり;
    R4及びR5が独立に−H、−ハロゲン又は−CH(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり;
    R6が式:
    Figure 2009516698
    で示される基であり、ここに、ジグザク表記は親分子への結合位置を示し;
    R7及びR8が独立に−H又は−ハロゲンであり;
    R9が独立に−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である、請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩。
  4. Mが−CH−であり;
    R1及びR2が−Hであり;
    R3が−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)、−(C−C)シクロアルキル基、−(C−C)アルキル−(C−C)シクロアルキル基又は−(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり;
    R4及びR5が−CH(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)であり、各々R6が結合するフェニル環上にてR6に隣接する位置を占めており;
    R6が式:
    Figure 2009516698
    で示される基であり、ここに、ジグザク表記は親分子への結合位置を示し;
    R7及びR8が−Hであり;
    R9が独立に−(C−C)アルキル基(任意に1〜3個のハロゲンで置換されてもよい)である、請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩。
  5. Mが−CH−又は結合であり;
    R1及びR2が独立に水素又はハロゲンであり;
    R3がメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−メチルプロピル基、3−メチル−ブチル基、tert−ブチル基、4−メチルペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基であり;
    R4及びR5が独立に水素、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、ペンチル基、イソプロポキシ基、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、−CN、メトキシ基、ヒドロキシメチル基、4−メチルペンチルオキシ基又はペンチルオキシ基であり;
    R7及びR8が独立に水素、フルオロ基、クロロ基、メチル基、エチル基、ペンチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基、アセチル基、2−メチルプロピル基、メトキシ基、シクロヘキシル基又はトリフルオロメトキシ基であり;
    R9が水素、ブロモ基、フルオロ基、メチル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基又はイソプロピル基である、請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩。
  6. 以下の式X1からX17からなる群から選択される、請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩:
    Figure 2009516698

    Figure 2009516698
    Figure 2009516698
  7. 以下の群から選択される、請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩:
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)、
    4−[1−(−4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[1−(−4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)、
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)、
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−4,4−ジメチル−ペンチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−4,4−ジメチル−ペンチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)、
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−5,5,5−トリフルオロ−ペンチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−4,4,4−トリフルオロ−ブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−4,4,4−トリフルオロ−ブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)、
    4−[シクロブチル−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−メチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[シクロブチル−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−メチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)、
    4−[シクロペンチル−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−メチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[シクロペンチル−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−メチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−ベンズアミド(異性体2)、
    4−[1−(4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[1−(4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体2)、
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−2−メチル−プロピル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体2)、
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体2)、
    4−[1−(4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[1−(4’−イソプロピル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体2)、
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−4,4−ジメチル−ペンチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)、
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−4,4−ジメチル−ペンチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体2)、
    4−[1−(4’−tert−ブチル−2,6−ジメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)及び
    4−[1−(2,6−ジメチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルオキシ)−3−メチルブチル]−N−(1H−テトラゾル−5−イル)−ベンズアミド(異性体1)。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載の化合物及び薬理学的に許容できる担体を含む、医薬組成物。
  9. 治療を必要とする哺乳類にグルカゴン受容体阻害用量の請求項1から8のいずれか1項記載の式Iの化合物又はその塩を投与することを含む、哺乳類のグルカゴン受容体を阻害する方法。
  10. 治療を必要とする哺乳類にグルカゴン受容体阻害用量の請求項1から8のいずれか1項記載の式Iの化合物又はその塩を投与することを含む、哺乳類の血糖レベルを選択的に低下させる方法。
  11. 治療又は予防を必要とする哺乳類に有効量の請求項1から8のいずれか1項記載の化合物を投与することを含む、糖尿病又は他のグルカゴン関連の代謝異常の治療方法。
  12. 治療又は予防を必要とする哺乳類に有効量の請求項8記載の医薬組成物を投与することを含む、糖尿病又は他のグルカゴン関連の代謝異常の治療方法。
  13. 治療を必要とする対象に有効量の請求項1から8のいずれか1項記載の化合物を投与することを含む、グルカゴン受容体の阻害が有効である障害又は疾患の治療方法。
  14. 治療又は予防を必要とする対象に有効量の請求項8記載の医薬組成物を投与することを含む、グルカゴン受容体の阻害が有効である障害又は疾患の治療又は予防方法。
  15. 糖尿病又は他のグルカゴン関連代謝異常の治療における使用のための請求項1から7のいずれか1項記載の式Iの化合物又はその塩。
  16. 糖尿病又は他のグルカゴン関連代謝異常の治療用薬剤の製造のための請求項1から8のいずれか1項記載の式Iの化合物又はその塩の使用。
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