JP2009514937A - ピラジン誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)の化合物、ならびに薬学的に許容できるその塩および溶媒和物、そのような化合物の調製方法、そのような化合物の調製に用いる中間体、およびそのような化合物を含有する組成物、ならびに疼痛を治療するためのそのような化合物の使用に関する。
【化1】

Description

本発明は、ピラジン誘導体に関する。より詳細には、本発明は、ヘテロアリール置換N−[6−アミノ−5−アリール−ピラジン−2−イル]−カルボキサミド誘導体、ならびにそのような誘導体の調製方法、そのような誘導体の調製に用いる中間体、そのような誘導体を含有する組成物、およびそのような誘導体の使用に関する。
本発明のピラジン誘導体は、ナトリウムチャネルモジュレーターであり、特に疼痛の治療において、いくつかの治療適用を有する。より詳細には、本発明のピラジン誘導体は、NaV1.8モジュレーターである。本発明の好ましいピラジン誘導体は、テトロドトキシン感受性ナトリウムチャネル(TTX−S)に対する親和性より高い親和性をNaV1.8チャネルに対して示す。本発明のより好ましいピラジン誘導体は、テトロドトキシン感受性ナトリウムチャネルと比べてNaV1.8チャネルに対して少なくとも2倍の選択性を示し、もっとも好ましくは8倍の選択性を示す。
NaV1.8チャネルは、疼痛刺激の伝達に関与する感覚ニューロンである侵害受容器に発現する、電位依存性ナトリウムチャネルである。ラットチャネルとヒトチャネルがそれぞれ1996年と1998年にクローン化されている(Nature 1996;379:257〜262;Pain 1998(Nov);78(2):107〜114)。NaV1.8チャネルは、以前にはSNS(感覚ニューロン特異的)およびPN3(末梢神経3型)として知られていた。NaV1.8チャネルは、フグ毒素テトロドトキシンの遮断作用に対して耐性を示すという点で非定型であり、後根神経節ニューロンから記録される遅延電位依存性およびテトロドトキシン耐性(TTX−R)ナトリウム電流の基礎になると考えられている。NaV1.8チャネルに対してもっとも近い分子はNaV1.5チャネルであり、これは心臓ナトリウムチャネルであり、約60%の相同性を共有している。NaV1.8チャネルは、後根神経節(DRG)の「小細胞」においてもっとも高度に発現する。これらは推定ポリモーダル侵害受容器、または疼痛センサーであるCおよびAデルタ細胞であると考えられる。正常な条件下では、NaV1.8チャネルは、DRGニューロン亜集団以外のいずれの場所でも発現しない。NaV1.8チャネルは、DRG増感過程、および神経損傷による過剰興奮にも寄与すると考えられる。NaV1.8チャネルの阻害性調節は、それらが興奮過程に寄与するのを妨げることによって、侵害受容器の興奮性を低減することを目的とする。
NaV1.8ノックアウトは、鈍化疼痛表現型、主として炎症性攻撃をもたらし(A.N.Akopian等、Nat.Neurosci.1999;2;541〜548)、NaV1.8ノックダウンは、疼痛行動、この場合には神経障害性疼痛を低減する(J.Lai等、Pain、2002(Jan);95(1−2):143〜152)ことが研究により示されている。Coward等およびYiangou等は、NaV1.8が疼痛状態において発現すると見られることを示している(Pain.2000(March);85(1−2):41〜50、およびFEBS Lett.2000(Feb 11);467(2−3):249〜252)。
NaV1.8チャネルはまた、背部および歯髄に関連する構造体において発現することが示されており、カウザルギー、炎症性腸状態、および多発性硬化症における役割を果たす証拠がある(Bucknill等、Spine.2002(Jan 15);27(2):135〜140:Shembalker等、Eur J Pain.2001;5(3):319〜323:Laird等、J Neurosci.2002(Oct 1);22(19):8352〜8356:Black等、Neuroreport.1999(Apr 6);10(5):913〜918、およびProc.Natl.Acad.Sci.USA 2000;97:11598〜11602)。
抗痙攣薬または抗うつ薬として用いるために、カルバマゼピン、アミトリプチリン、ラモトリジン、およびリルゾールなど、いくつかのナトリウムチャネルモジュレーターが知られており、これらはすべて脳テトロドトキシン感受性(TTX−S)ナトリウムチャネルを標的とする。そのようなTTX−S剤は、主に脳のTTX−Sチャネルでの作用による、めまい、運動失調、および傾眠を含む用量制限副作用を有する。
WO−A−03/051366は、癌の治療に有用なプロテインキナーゼ阻害剤を記載している。WO−A−03/45924は、CNS関連障害の治療に有用なCRFアンタゴニストを記載している。WO−A−98/38174は、ピラジン誘導体を記載しており、これはナトリウムチャネル遮断剤として作用することが述べられている。
本発明の一目的は、良好な薬物候補である新規なNaV1.8チャネルモジュレーターを提供することである。好ましい化合物は、NaV1.8チャネルには強力に結合するが、他のナトリウムチャネル、特にTTX−Sチャネルにはほとんど親和性を示さず、NaV1.8チャネルモジュレーターとして機能活性を示すべきである。好ましい化合物は、胃腸管から十分に吸収され、代謝的に安定であり、好ましい薬物動態特性を有するべきである。好ましい化合物は、非毒性であり、副作用をほとんど示さないものであるべきである。さらに、理想的な薬物候補は、安定かつ非吸湿性で容易に製剤化される物理的形態で存在するであろう。本発明の好ましいピラジン誘導体は、テトロドトキシン感受性(TTX−S)ナトリウムチャネルよりNaV1.8チャネルに対して選択的であり、副作用プロファイルの改善をもたらす。
したがって、本発明のピラジン誘導体は、広範囲の疾患、特に疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、炎症性疼痛、内臓痛、術後疼痛を含む侵害受容性疼痛、ならびに内臓、消化管、頭蓋組織、筋骨格系、脊椎、尿生殖器系、心臓疾患系、および癌性疼痛を含むCNS、背部、および口腔顔面痛を伴う混合型疼痛の治療に潜在的に有用である。
本発明のピラジン誘導体で治療することのできる他の状態には、多発性硬化症、神経変性障害、過敏性腸症候群、変形性関節症、関節リウマチ、神経病理学的障害、機能性腸障害、炎症性腸障害、月経困難症に伴う疼痛、骨盤痛、膀胱炎、膵炎、片頭痛、群発性および緊張性頭痛、糖尿病性神経障害、末梢神経障害性疼痛、坐骨神経痛、線維筋痛、およびカウザルギーが含まれる。
本発明は、式(I)のピラジン誘導体、
Figure 2009514937
または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物を提供し、
式中、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキル、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、およびジ−((C〜C)アルキル)アミノ(C〜C)アルキルからそれぞれ独立して選択された1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい、(a)1から4個の窒素原子、または(b)1個の酸素もしくは1個の硫黄原子、および0、1、もしくは2個の窒素原子を含む、5員ヘテロアリール基であり、ただしRは、イミダゾリル、オキサゾリル、および1,2,4−トリアゾリルではなく、
Arは、
Figure 2009514937
であり、
式中、→は、ピラジン環に結合する位置を示し、
各Rは独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルコキシ、シアノ、およびハロから選択される。
上述の定義において、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。必要数の炭素原子を含有するアルキルおよびアルコキシ基は、非分岐または分岐であることができる。アルキルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、およびt−ブチルが含まれる。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、sec−ブトキシ、およびt−ブトキシが含まれる。ハロアルキルの例には、トリフルオロメチルが含まれる。
の特定の例には、チエニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、およびテトラゾリル(それぞれ上記のとおり置換されていてもよい)が含まれる。
好ましい態様(A)において、本発明は、式(I)のピラジン誘導体、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物を提供し、式中、Arは、
Figure 2009514937
であり、RおよびRは、上に定義されたとおりであり、より好ましくは、Arは、2−クロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロ−3−メトキシフェニル、2,3,5−トリクロロフェニル、2−クロロ−5−メトキシフェニル、2,3−ジクロロ−5−メトキシフェニル、または2−クロロ−5−シアノフェニルである。
好ましい態様(B)において、本発明は、式(I)のピラジン誘導体、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物を提供し、式中、Arは、もっとも広範な態様または好ましい態様(A)において上に定義されたとおりであり、Rは、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルでそれぞれ置換されていてもよいピラゾリルまたはイソオキサゾリルであり、より好ましくは、Rは、メチル、エチル、およびイソプロピルから独立して選択された1、2、または3個の置換基でそれぞれ置換されているピラゾリルまたはイソオキサゾリルであり、個々の好ましいR基は、3−メチルイソオキサゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル、5−イソプロピルイソオキサゾール−4−イル、5−メチルイソオキサゾール−4−イル、または3−エチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルである。
好ましい態様(C)において、本発明は、式(I)のピラジン誘導体、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物を提供し、式中、ArおよびRは、もっとも広範な態様または好ましい態様(A)もしくは(B)において上に定義されたとおりであり、各Rは独立して、水素、メトキシ、エトキシ、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、クロロ、およびフルオロから選択され、より好ましくは、各Rは独立して、水素、メトキシ、シアノ、トリフルオロメチル、クロロ、およびフルオロから選択される。
本発明による特定の好ましいピラジン誘導体は、下記の実施例の項に挙げたもの、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩および溶媒和物である。本発明によるさらに好ましいピラジン誘導体は、下記から選択された化合物、
N−[6−アミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)ピラジン−2−イル]−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
N−[6−アミノ−5−(2,5−ジクロロフェニル)ピラジン−2−イル]−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
N−[6−アミノ−5−(2,5−ジクロロ−3−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
N−[6−アミノ−5−(2,3−ジクロロ−5−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
N−[6−アミノ−5−(2−クロロフェニル)ピラジン−2−イル]−5−イソプロピルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
N−[6−アミノ−5−(2−クロロフェニル)ピラジン−2−イル]−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
N−[6−アミノ−5−(2,3,5−トリクロロフェニル)ピラジン−2−イル]−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
N−[6−アミノ−5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
N−[6−アミノ−5−(2−クロロ−5−シアノフェニル)ピラジン−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
N−[6−アミノ−5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−3−エチル−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
N−[6−アミノ−5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
N−[6−アミノ−5−(2,5−ジクロロフェニル)ピラジン−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;および
N−[6−アミノ−5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−5−イソプロピルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
ならびに薬学的に許容できるそれらの塩および溶媒和物である。
NaV1.8チャネルモジュレーターである式(I)の化合物は、一連の障害の治療に潜在的に有用である。疼痛、特に慢性、炎症性、神経障害性、侵害受容性、および内臓疼痛の治療は、好ましい用途である。
生理的疼痛は、外部環境からの潜在的に有害な刺激からの危険を警告するように意図された重要な防御機構である。このシステムは一次感覚ニューロンの特定の組を介して作動し、末梢伝達機構による侵害刺激によって活性化される(総説はMillan、1999、Prog.Neurobiol.、57、1〜164を参照のこと)。これらの感覚線維は侵害受容器として知られており、伝導速度の遅い小径軸索が特徴である。侵害受容器は、侵害刺激の強度、持続期間、および質をコードし、それらの局所解剖学的に組織化された脊髄への投射路に基づいて、刺激の位置をコードする。侵害受容器は、侵害受容神経線維上に見出され、それらの線維には、A−デルタ線維(有髄)およびC線維(無髄)の2種類の主要な型がある。侵害受容器の入力によって生じた活性は、後角での複合的なプロセシングの後、直接または脳幹中継核を介して、視床後腹側に、次いで皮質に伝達され、そこで痛みの感覚が生じる。
疼痛は一般に、急性または慢性に分類することができる。急性疼痛は突然始まり、短期間である(通常12週以下)。急性疼痛は通常、特定の損傷など特定の原因に関連し、多くの場合鋭く重い。急性疼痛は、手術、歯科作業、挫傷、または捻挫に起因する特定の損傷後に起こり得る種類の痛みである。急性疼痛は一般に、持続性の心理的応答をもたらさない。対照的に、慢性疼痛は長期間の痛みであり、典型的に3ヶ月を超えて持続し、著しい心理的および情緒的問題を引き起こす。慢性疼痛の一般的な例は、神経障害性疼痛(たとえば疼痛性糖尿病性神経障害、ヘルペス後神経痛)、手根管症候群、背部痛、頭痛、癌性疼痛、関節痛、および慢性術後痛である。
疾患または外傷によって身体組織に実質的損傷が生じるとき、侵害受容器活性化の特質が変化し、末梢では損傷周囲で局所的に、侵害受容器末端で中枢的に増感する。これらの作用により疼痛の感覚が増大する。急性疼痛では、修復過程をよりよく起こすことのできる防御行動の促進において、これらの機構は有用であり得る。ひとたび損傷が治癒すると、感受性は正常に戻ることが、通常は予期される。しかしながら、多くの慢性疼痛状態では、過敏性は治癒過程よりはるかに長く続き、多くの場合、神経系損傷によるものである。この損傷はしばしば、適応不全および異常活性を伴う感覚神経線維の異常をもたらす(WoolfおよびSalter、2000、Science、288、1765〜1768)。
患者の症状のなかで不快感および異常感受性が特徴となるとき、臨床疼痛が存在する。患者は非常に異質である傾向があり、様々な症状を示す可能性がある。そのような症状には、1)鈍痛、灼熱痛、または刺すような痛みであり得る自発痛、2)侵害刺激に対する過度の疼痛応答(痛覚過敏)、および3)通常は無害である刺激によって生じる疼痛(異痛症、Meyer等、1994、Textbook of Pain、13〜44)が含まれる。様々な形態の急性および慢性疼痛を患う患者が類似の症状を有する可能性があるが、根底にある機構は異なる可能性があり、したがって異なる治療戦略を要する可能性がある。それゆえ、疼痛はまた、異なる病態生理によっていくつかの異なるサブタイプに分類することができ、これには侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛が含まれる。
侵害受容性疼痛は、組織損傷または損傷を引き起こす可能性のある強い刺激によって誘発される。痛覚求心性神経線維は、損傷部位での侵害受容器による刺激の伝達によって活性化され、それらの末端レベルで脊髄のニューロンを活性化する。次いでこれが脊髄路を上昇して脳に伝えられ、そこで疼痛が知覚される(Meyer等、1994、Textbook of Pain、13〜44)。侵害受容器の活性化は、2つの型の求心性神経線維を活性化する。有髄A−デルタ線維は、迅速に伝達し、鋭く刺すような痛覚の原因であるのに対し、無髄C線維は、より遅い速度で伝達し、鈍痛またはうずく痛みを伝える。中等度から重度の急性侵害受容性疼痛は、中枢神経系外傷、挫傷/捻挫、熱傷、心筋梗塞、および急性膵炎による疼痛、術後疼痛(任意の型の外科的手技後疼痛)、外傷後疼痛、腎仙痛、癌性疼痛、および背部痛の顕著な特徴である。癌性疼痛は、腫瘍関連痛(たとえば骨痛、頭痛、顔面痛、もしくは内臓痛)、または癌療法に伴う疼痛(たとえば化学療法後症候群、慢性術後痛症候群、もしくは放射線照射後症候群)などの慢性疼痛であり得る。癌性疼痛はまた、化学療法、免疫療法、ホルモン療法、または放射線療法に応答して起こり得る。背部痛は、脱出もしくは破裂した椎間板、または腰椎関節突起間関節、仙腸関節、傍脊椎筋、もしくは後縦靱帯の異常によるものであり得る。背部痛は自然に消散する可能性があるが、一部の患者では、12週を超えて持続し、特に消耗性であり得る慢性状態となる。
神経障害性疼痛は現在のところ、神経系の原発病変または機能不全によって開始されるか、または引き起こされる疼痛として定義されている。神経損傷は外傷および疾患に起因して起こり得るため、「神経障害性疼痛」という用語は、多様な病因を有する多くの障害を包含する。これには末梢神経障害、糖尿病性神経障害、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、背部痛、癌性神経障害、HIV神経障害、幻肢痛、手根管症候群、中枢性卒中後痛、ならびに慢性アルコール症、甲状腺機能低下症、尿毒症、多発性硬化症、脊髄損傷、パーキンソン病、癲癇、およびビタミン欠乏に伴う疼痛が含まれるが、これに限定されるものではない。神経障害性疼痛は、防御的な役割がないため病的である。神経障害性疼痛は多くの場合、元の原因が消失したかなり後に存在し、通常は数年間持続し、患者の生活の質を著しく低下させる(WoolfおよびMannion、1999、Lancet、353、1959〜1964)。神経障害性疼痛の症状は、同じ疾患を有する患者間であっても多くの場合異質であるため、治療が困難である(WoolfおよびDecosterd、1999、Pain Supp.、6、S141〜S147;WoolfおよびMannion、1999、Lancet、353、1959〜1964)。神経障害性疼痛には、持続的であり得る自発痛、ならびに痛覚過敏(侵害刺激に対する感受性増大)および異痛症(通常は無害である刺激に対する感受性)などの発作性または異常誘発性疼痛が含まれる。
炎症過程は、組織損傷または異物の存在に応答して活性化される一連の複合的な生化学的および細胞的事象であり、これが腫れおよび疼痛をもたらす(LevineおよびTaiwo、1994、Textbook of Pain、45〜56)。関節痛はもっとも一般的な炎症性疼痛である。リウマチ性疾患は、先進国においてもっとも一般的な慢性炎症性状態の1つであり、関節リウマチは、障害の一般的原因である。関節リウマチの正確な病因は不明であるが、現在の仮説は遺伝的要因および微生物学的要因の両方が重要であり得ることを示唆している(GrennanおよびJayson、1994、Textbook of Pain、397〜407)。1600万人近くの米国人が症候性変形性関節症(OA)または変形性関節疾患を有し、そのほとんどが60歳を超えていると見積もられており、これは人口が高齢化するにつれて4000万人に増大し、非常に大きな健康問題になることが予期されている(HougeおよびMersfelder、2002、Ann Pharmacother.、36、679〜686;McCarthy等、1994、Textbook of Pain、387〜395)。変形性関節炎を有するほとんどの患者が、関連する疼痛のために治療を求めている。関節炎は、心理社会的機能および身体的機能に著しい影響を及ぼし、後年の障害の主な原因となることが知られている。強直性脊椎炎も、脊椎および仙腸関節の関節炎を引き起こすリウマチ性疾患である。これは生涯を通して起こる背部痛の間欠性エピソードから、脊椎、末梢関節、および他の身体器官を攻撃する重度慢性疾患まで多様である。
他の型の炎症性疼痛は、炎症性腸疾患(IBD)に伴う疼痛を含む内臓痛である。内臓痛は、腹腔の器官を包含する内臓に関連する疼痛である。これらの器官には、生殖器、脾臓、および消化器系の一部が含まれる。内臓に関連する疼痛は、消化器内臓痛と非消化器内臓痛に分類することができる。疼痛を引き起こす一般的に遭遇する胃腸(GI)障害には、機能性腸障害(FBD)および炎症性腸疾患(IBD)が含まれる。これらのGI障害には、現在は中程度にしか制御されていない広範な疾患状態が含まれ、FBDに関しては、胃食道逆流、消化不良、過敏性腸症候群(IBS)、および機能性腹痛症候群(FAPS)、IBDに関しては、クローン病、回腸炎、および潰瘍性大腸炎を含み、これらはすべて定期的に内臓痛を引き起こす。他の型の内臓痛には、月経困難症、膀胱炎、および膵炎に伴う疼痛、ならびに骨盤痛が含まれる。
いくつかの型の疼痛は複数の病因を有し、したがって複数の領域に分類することができ、たとえば背部痛および癌性疼痛は、侵害受容性要素および神経障害性要素の両方を有することに留意されたい。
他の型の疼痛には以下のものが含まれる。
・筋痛、線維筋痛、脊椎炎、血清反応陰性(非リウマチ性)関節症、非関節性リウマチ、ジストロフィノパチー、グリコーゲン分解、多発性筋炎、および化膿性筋炎を含む筋骨格障害に起因する疼痛、
・狭心症、心筋梗塞、僧帽弁狭窄症、心膜炎、レイノー現象、水腫性硬化症、および骨格筋虚血に起因する疼痛を含む心臓および血管痛、
・片頭痛(前兆を伴う片頭痛、および前兆を伴わない片頭痛)、群発性頭痛、緊張型頭痛、混合型頭痛、および血管障害に伴う頭痛などの頭痛、ならびに、
・歯痛、耳痛、口腔灼熱症候群、および側頭下顎筋筋膜痛を含む口腔顔面痛。
式(I)のピラジン誘導体は、多発性硬化症の治療においても有用であることが予期される。
本発明はまた、神経変性障害の症状を治療または軽減する薬剤としての、式(I)のピラジン誘導体の治療的使用に関する。そのような神経変性障害には、たとえばアルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、および筋萎縮性側索硬化症が含まれる。本発明はまた、急性脳損傷と呼ばれる神経変性障害の治療も包含する。これらの障害には、卒中、頭部外傷、および仮死が含まれるが、これに限定されるものではない。卒中とは脳血管疾患を指し、脳血管障害(CVA)と呼ぶこともでき、急性血栓塞栓性卒中を含む。卒中は、局所虚血および全虚血の両方を含む。さらに、一過性脳虚血発作、および脳虚血を伴う他の脳血管問題も含まれる。これらの血管障害は、特に頚動脈血管内膜切除術、または一般には他の脳血管もしくは血管外科手技、または脳血管造影などを含む診断的血管手技を受けている患者に起こり得る。他の事故は、頭部外傷、脊髄外傷、または全身無酸素、低酸素、低血糖、低血圧に由来する損傷、ならびに塞栓(embole)、過灌流(hyperfusion)、および低酸素に由来する手技中に見られる同様の損傷である。本発明は、たとえば心臓バイパス手術中の一連の事故、頭蓋内出血事故、周産期仮死、心停止、およびてんかん重積持続状態において有用であろう。
熟練した医師は、本発明の方法によって投与するために、対象がたとえば卒中を起こしやすいか、または起こす危険性がある、ならびに卒中を罹患している適切な状態を判定できるであろう。
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩には、その酸付加塩および塩基塩が含まれる。
適切な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成される。例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素/リン酸二水素、ピログルタミン酸塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、およびキシノホ酸塩(xinofoate)が含まれる。
適切な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成される。例には、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、および亜鉛塩が含まれる。
酸および塩基のヘミ塩、たとえばヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩を形成することもできる。
適切な塩に関する総説は、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use、StahlおよびWermuth(Wiley−VCH、2002)を参照されたい。
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩は、3つの方法の1つまたは複数によって調製することができる。
(i)式(I)の化合物を所望の酸または塩基と反応させることによる、
(ii)式(I)の化合物の適切な前駆体から酸または塩基不安定保護基を除去することによる、または
(iii)式(I)の化合物のある塩を、適切な酸もしくは塩基との反応によって、または適切なイオン交換カラムによって、別の塩に変換することによる。
3つの反応はすべて、典型的には溶液で実行される。得られる塩は析出させ、濾過によって収集するか、または溶媒を蒸発して回収することができる。得られる塩のイオン化度は、完全イオン化からほぼ非イオン化まで多様であってよい。
本発明の化合物は、完全非晶質から完全結晶性まで連続の固体状態で存在することができる。「非晶質」という用語は、その物質が分子レベルにおいて長距離秩序を欠き、温度に応じて、固体または液体の物理的特性を示すことのできる状態を指す。典型的にそのような物質は特有のX線解析パターンを示さず、固体の特性を示しながら、より形式的には液体とみなされる。加熱により、固体から液体特性への変化が起こり、これは典型的には2次である状態変化を特徴とする(「ガラス転移」)。「結晶性」という用語は、物質が分子レベルで規則的な秩序内部構造を有し、明確なピークを有する特有のX線解析パターンを示す固相を指す。そのような物質も、十分に加熱されると液体の特性を示すが、固体から液体への変化は、典型的には1次である相変化を特徴とする(「融点」)。
本発明の化合物は、非溶媒和形態および溶媒和形態でも存在することができる。本明細書では、「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物と1種または複数の薬学的に許容できる溶媒分子、たとえばエタノールとを含む分子複合体を記述するために用いられる。溶媒が水であるとき、「水和物」という用語が用いられる。
有機水和物に関して現在許容されている分類体系は、単離部位、チャネル、または金属イオン配位水和物を定義するものであり、K.R.MorrisのPolymorphism in Pharmaceutical Solids(H.G.Brittain編、Marcel Dekker、1995)を参照されたい。単離部位水和物は、有機分子の介在によって水分子の相互直接接触が隔てられているものである。チャネル水和物では、水分子は格子チャネルに存在し、ここで水分子は互いに隣接している。金属イオン配位水和物では、水分子は金属イオンに結合している。
溶媒または水が強く結合しているとき、複合体は湿度と無関係に明確な化学量論を有するであろう。しかしながら、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物のように、溶媒または水の結合が弱いとき、水/溶媒含量は、湿度および乾燥条件に依存するであろう。そのような場合、非化学量論が標準となる。
薬物と少なくとも1種の他の成分が化学量論的または非化学量論的量で存在する多成分複合体(塩および溶媒和物以外)も本発明の範囲に含まれる。この種の複合体には、包接体(薬物−宿主包接複合体)および共結晶が含まれる。後者は典型的に非共有相互作用を介して互いに結合している中性分子構成成分の結晶性複合体として定義されるが、中性分子と塩との複合体であることもできる。共結晶は、溶融結晶化、溶媒からの再結晶、または成分を合わせて物理的に粉砕することによって調製することができ、Chem Commun、17、1889〜1896、O.AlmarssonおよびM.J.Zaworotko(2004)を参照されたい。多成分複合体の一般的な総説として、J Pharm Sci.64(8)、1269〜1288、Haleblian(August 1975)を参照されたい。
本発明の化合物は、適切な条件に供したとき、中間状態(中間相または液晶)で存在することもできる。中間状態は、真の結晶状態と真の液体状態(溶融または溶液)の中間である。温度変化の結果として生じる中間形態は「サーモトロピック」と呼ばれ、水もしくは他の溶媒など第2成分の添加によるものは「リオトロピック」と呼ばれる。リオトロピック中間相を形成する潜在能力を有する化合物は「両親媒性」と呼ばれ、イオン(−COONa、−COO、もしくは−SO Naなど)または非イオン(−N(CHなど)極性頭部基を有する分子からなる。さらなる情報は、Crystals and the Polarizing Microscope、N.H.HartshorneおよびA.Stuartの、第4版(Edward Arnold、1970)を参照されたい。
以下、式(I)の化合物への言及はすべて、その塩、溶媒和物、多成分複合体、および液晶、ならびにその塩の溶媒和物、多成分複合体、および液晶への言及を含む。
本発明の化合物は、そのすべての多形および晶癖、以下に定義するそのプロドラッグおよび異性体(光学、幾何、および互変異性体を含む)、ならびに同位体標識された式(I)の化合物を含む、上に定義された式(I)の化合物を含む。
示したように、式(I)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」も本発明の範囲内である。たとえば、それ自体ほとんどまたはまったく薬理活性を持たない可能性のある式(I)の化合物のある種の誘導体は、身体内または身体上に投与されたとき、たとえば加水分解によって、所望の活性を有する式(I)の化合物に変換され得る。そのような誘導体を「プロドラッグ」と称する。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、Pro−drugs as Novel Delivery Systems、Vol.14、ACS Symposium Series(T.HiguchiおよびW.Stella)、ならびにBioreversible Carriers in Drug Design、Pergamon Press、1987(E.B.Roche編、American Pharmaceutical Association)に見出すことができる。
本発明によるプロドラッグは、たとえば、式(I)の化合物に存在する適切な官能基を、たとえばDesign of Prodrugs、H.Bundgaard(Elsevier、1985)に記載されている、当業者に「プロ部分」として知られているある種の部分で置き換えることによって生成することができる。
本発明によるプロドラッグのいくつかの例には、式(I)の化合物が第一級または第二級アミノ官能基(−NHまたは−NHR(式中、R≠H))を含有する場合、そのアミド、たとえば、場合によって式(I)による化合物のアミノ官能基の一方または両方の水素が(C〜C10)アルカノイルで置換されている化合物が含まれる。
前述の例および他の型のプロドラッグの例による置換基のさらなる例は、前述の参考文献に見出すことができる。
さらに、式(I)のある種の化合物は、式(I)の他の化合物のプロドラッグとしてそれ自体作用することができる。
さらに式(I)の化合物の代謝産物、すなわちその薬物の投与によってin vivoで形成される化合物も本発明の範囲に含まれる。本発明による代謝産物のいくつかの例には以下のものが含まれる。
(i)式(I)の化合物がメチル基を含有する場合、そのヒドロキシメチル誘導体(−CH−>−CHOH)、
(ii)式(I)の化合物がアルコキシ基を含有する場合、そのヒドロキシ誘導体(−OR−>−OH)、
(iii)式(I)の化合物が第二級アミノ基を含有する場合、その第一級誘導体(−NHR−>−NH)、
(iv)式(I)の化合物がフェニル部分を含有する場合、そのフェノール誘導体(−Ph−>−PhOH)、および。
1つまたは複数の不斉炭素原子を含有する式(I)の化合物は、2種以上の立体異性体として存在できる。構造異性体が低いエネルギー障壁により相互変換可能である場合、互変異性(tautomeric isomerism)(「互変異性(tautomerism)」)が生じ得る。これは芳香族部分を含有する化合物においていわゆる原子価互変異性の形態をとり得る。その結果として、単一の化合物は、複数の型の異性を示すことができる。複数の型の異性を示す化合物を含む、式(I)の化合物のすべての立体異性体および互変異性型、ならびにそれらの1つまたは複数の混合物が本発明の範囲に含まれる。さらに、対イオンが光学活性である(たとえばd−乳酸塩またはl−リシン)、またはラセミ体である(たとえばdl−酒石酸塩またはdl−アルギニン)酸付加塩または塩基塩も含まれる。
個々のエナンチオマーを調製/単離するための通常の技法には、光学的に純粋な適切な前駆体からのキラル合成、または、たとえばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いるラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が含まれる。
別法として、ラセミ体(またはラセミ前駆体)を、適切な光学活性化合物、たとえばアルコール、または式(I)の化合物が酸性もしくは塩基性部分を含有する場合、1−フェニルエチルアミンまたは酒石酸などの塩基または酸と反応させることができる。結果として得られたジアステレオマー混合物を、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によって分離し、当業者によく知られている手段によって、ジアステレオマーの一方または両方を、対応する純粋なエナンチオマーに変換することができる。
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、クロマトグラフィー、典型的にはHPLCを用いて、0から50容量%のイソプロパノール、典型的には2から20%、および0から5容量%のアルキルアミン、典型的には0.1%のジエチルアミンを含有する炭化水素、典型的にはヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用い、不斉樹脂においてエナンチオマーに富む形態で得ることができる。溶離液の濃縮によって富化混合物を得る。
任意のラセミ化合物が結晶化するとき、2種の異なる型の結晶が可能である。第1の型は、等モル量で両方のエナンチオマーを含有する1つの均質な形態の結晶が生成される上述のラセミ化合物(真のラセミ化合物)である。第2の型は、それぞれ単一のエナンチオマーを含む2種の形態の結晶が等モル量で生成されるラセミ混合物または集塊である。
ラセミ混合物に存在する両方の結晶形態は同じ物理的特性を有するが、真のラセミ化合物と比較して異なる物理的特性を有する可能性がある。ラセミ混合物は当業者に知られている通常の技法によって分離することができ、たとえばStereochemistry of Organic Compounds、E.L.ElielおよびS.H.Wilen(Wiley、1994)を参照されたい。
本発明は、1つまたは複数の原子が、同じ原子番号を有するが、天然で主に見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられている、すべての薬学的に許容できる同位標識された式(I)の化合物を含む。
本発明の化合物に含まれるのに適した同位体の例には、水素の同位体、HおよびHなど、炭素の同位体、11C、13C、および14Cなど、塩素の同位体、36Clなど、フッ素の同位体、18Fなど、ヨウ素の同位体、123Iおよび125Iなど、窒素の同位体、13Nおよび15Nなど、酸素の同位体、15O、17O、および18Oなど、リンの同位体、32Pなど、ならびに硫黄の同位体、35Sなどが含まれる。
ある種の同位体標識された式(I)の化合物、たとえば放射性同位体を取り込んだ化合物は、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。放射性同位体トリチウム、すなわちH、および炭素14、すなわち14Cは、それらの取り込みが容易であり、検出手段が容易である点から、この目的のために特に有用である。
重水素、すなわちHなどの重い同位体で置換することによって、より高い代謝安定性、たとえばin vivo半減期の増大、または必要用量の低減に起因するある種の治療上の利点がもたらされる可能性があり、したがってある状況では好ましい可能性がある。
11C、18F、15O、および13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放出断層撮影(PET)試験に有用であり得る。
同位体標識された式(I)の化合物は、当業者に知られている通常の技法によって、または下記の実施例および調製に記載するものと類似の方法によって、以前に用いられた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて、一般に調製することができる。
本発明による薬学的に許容できる溶媒和物には、たとえばDO、d−アセトン、d−DMSOなど、結晶化の溶媒が同位体置換されていてもよい溶媒和物が含まれる。
下に定義される新規な中間体、式(I)の化合物に関して上に定義されたそのすべての塩、溶媒和物、および複合体、ならびにその塩のすべての溶媒和物、および複合体も本発明の範囲内である。本発明は、上に述べた種のすべての多形、およびその晶癖を含む。
式(I)の化合物は、提示の適応症を治療するもっとも適切な投与形態および投与経路を選択するために、溶解性および溶液安定性(pH全域)、浸透性などの生物薬剤学的特性に関して評価されるべきである。
医薬的に用いるための本発明の化合物は、結晶質または非晶質生成物として投与することができる。それらは、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、または蒸発乾燥などの方法によって、たとえば固体プラグ、粉末、またはフィルムとして得ることができる。この目的のために、マイクロ波または高周波乾燥を用いることができる。
それらは単独で、または1種または複数の本発明による他の化合物と組み合わせて、または1種または複数の他の薬物と組み合わせて(または、それらの任意の組合せとして)投与することができる。一般に、それらの化合物は、1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤と共に製剤として投与される。本明細書では、「賦形剤」という用語は、本発明の化合物以外の任意の成分を記述するために用いられる。賦形剤の選択は、特定の投与様式、溶解性および安定性に対する賦形剤の影響、ならびに投与形態の性質などの要因に大いに依存するであろう。
本発明の化合物の送達に適した医薬組成物、およびそれらの調製方法は、当業者には容易に明らかとなるであろう。そのような組成物、およびそれらの調製方法は、たとえばRemington’s Pharmaceutical Sciences、第19版(Mack Publishing Company、1995)に見出すことができる。
本発明の化合物は経口投与することができる。経口投与は、化合物が胃腸管に入る嚥下、および/またはそれによって化合物が口から直接血流に入る頬、舌、もしくは舌下投与を含むことができる。
経口投与に適した製剤には、錠剤などの固体、半固体、および液体系;マルチ粒子もしくはナノ粒子、液体、または粉末を含有する軟質または硬質カプセル剤;ロゼンジ(液体充填を含む);咀嚼剤;ゲル;迅速分散投与形態;フィルム;坐剤(ovule);スプレー;ならびに頬/粘膜付着性パッチが含まれる。
液体製剤には、懸濁剤、液剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれる。そのような製剤は、軟質または硬質カプセル(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースから製造)の充填剤として用いることができ、典型的に、担体、たとえば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切な油などと、1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤を含む。液体製剤は、たとえばサシェから固体を再構成して調製することもできる。
本発明の化合物は、Expert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981〜986、LiangおよびChen(2001)に記載のものなど、速溶性、速崩壊性投与形態で用いることもできる。
錠剤投与形態の場合、用量に応じて、薬物は投与形態の1重量%から80重量%、より典型的には投与形態の5重量%から60重量%を占めることができる。薬物に加えて、錠剤は一般に崩壊剤を含有する。崩壊剤の例には、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン、およびアルギン酸ナトリウムが含まれる。一般に、崩壊剤は、投与形態の1重量%から25重量%、好ましくは5重量%から20重量%を占める。
錠剤製剤に凝集性を付与するために、一般に結合剤が用いられる。適切な結合剤には、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。錠剤は希釈剤を含有することもでき、たとえばラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン、および第二リン酸カルシウム二水和物などである。
錠剤は場合によって、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80などの界面活性剤、ならびに二酸化ケイ素およびタルクなどの流動促進剤を含むこともできる。存在する場合、界面活性剤は、錠剤の0.2重量%から5重量%を占めることができ、流動促進剤は、錠剤の0.2重量%から1重量%を占めることができる。
錠剤はまた一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物などの潤滑剤を含有する。潤滑剤は一般に、錠剤の0.25重量%から10重量%、好ましくは0.5重量%から3重量%を占める。
可能な他の成分には、抗酸化剤、着色剤、香味剤、保存剤、および味マスキング剤が含まれる。
代表的な錠剤は、約80%までの薬物、約10重量%から約90重量%の結合剤、約0重量%から約85重量%の希釈剤、約2重量%から約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%から約10重量%の潤滑剤を含有する。
錠剤のブレンドを直接またはローラーによって圧縮して、錠剤を形成することができる。あるいは、錠剤のブレンド、またはブレンドの一部を、錠剤化の前に湿式、乾式、もしくは溶融顆粒化する、溶融凝固する、または押出し成形することができる。最終製剤は、1つまたは複数の層を含むことができ、被覆されていても、被覆されていなくてもよく、カプセル化されていてもよい。
錠剤の製剤化は、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets、Vol.1、H.LiebermanおよびL.Lachman(Marcel Dekker、New York、1980)に論じられている。
ヒトまたは獣医学的使用のための摂取可能な経口フィルムは、典型的に迅速に溶解するか、または粘膜付着性であってよい柔軟性の水溶性または水膨潤性薄膜投与形態であり、典型的に式(I)の化合物、フィルム形成ポリマー、結合剤、溶媒、保湿剤、可塑剤、安定剤または乳化剤、粘度調節剤、および溶媒を含む。この製剤のいくつかの成分は、複数の機能を果たすことができる。
式(I)の化合物は、水溶性または水不溶性であってよい。水溶性化合物は、典型的に1重量%から80重量%、より典型的には20重量%から50重量%の溶質を含む。溶解性の低い化合物は、より高い割合の組成物、典型的には88重量までの溶質を含むことができる。あるいは、式(I)の化合物は、マルチ粒子ビーズの形態であることができる。
フィルム形成ポリマーは、天然多糖、タンパク質、または合成親水コロイドから選択することができ、典型的に0.01から99重量%の範囲、より典型的には30から80重量%の範囲で存在する。
可能な他の成分には、抗酸化剤、着色剤、香味剤および香味増強剤、保存剤、唾液促進剤、冷却剤、共溶媒(油を含む)、緩和剤、増量剤、消泡剤、界面活性剤、および味マスキング剤が含まれる。
本発明によるフィルムは典型的に、剥離可能な裏面支持体または紙に被覆された薄い水性フィルムを蒸発乾燥することによって調製される。これは乾燥オーブンまたはトンネル、典型的には複合被覆乾燥機において、または凍結乾燥もしくは真空化によって行うことができる。
経口投与用の固体製剤は、即時放出および/または調節放出であるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出が含まれる。
本発明の目的に適した調節放出製剤は、米国特許第6106864号に記載されている。高エネルギー分散体、ならびに浸透および被覆粒子などの他の適切な放出技術の詳細は、Pharmaceutical Technology On−line、25(2)、1〜14、Verma等(2001)に見出される。制御放出を達成するためのチューイングガムの使用は、WO00/35298に記載されている。
本発明の化合物は、血流、筋肉、または内部器官に直接投与することもできる。非経口投与に適した手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋内、滑膜内、および皮下が含まれる。非経口投与に適した装置には、針(マイクロニードルを含む)注射器、無針注射器、および注入技法が含まれる。
非経口製剤は典型的に、塩、炭水化物、および緩衝剤(好ましくはpH3から9)などの賦形剤を含有してもよい水溶液であるが、いくつかの適用例では、滅菌非水性溶液として、または滅菌発熱物質除去水などの適切なビヒクルと共に用いる乾燥形態としてより適切に製剤化することができる。
たとえば凍結乾燥による、滅菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者によく知られている標準的な製薬技法を用いて容易に達成することができる。
非経口溶液の調製に用いられる式(I)の化合物の溶解性は、溶解促進剤を混入するなど、適切な製剤技法によって向上させることができる。
非経口投与用の製剤は、即時放出および/または調節放出であるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出が含まれる。たとえば本発明の化合物は、活性化合物を調節放出する埋め込みデポー剤として投与するための、懸濁液として、または固体、半固体、もしくはチキソトロピー液体として製剤化することができる。そのような製剤の例には、薬物被覆ステント、ならびに薬物充填ポリ(dl−乳酸−コグリコール)酸(PGLA)ミクロスフェアを含む半固体および懸濁剤が含まれる。
本発明の化合物は、皮膚または粘膜に、局所的、皮膚(内)的、または経皮的に投与することもできる。このための典型的な製剤には、ゲル、ヒドロゲル、ローション、液剤、クリーム、軟膏、粉剤、包帯剤、フォーム、フィルム、皮膚パッチ、ウエハー、インプラント、スポンジ、ファイバー、包帯、およびミクロエマルションが含まれる。リポソームも用いることができる。典型的な担体には、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが含まれる。浸透促進剤を混入してもよく、たとえば、J.Pharm Sci、88(10)、955〜958、FinninおよびMorgan(October 1999)を参照されたい。
局所投与の他の手段には、エレクトロポレーション、イオントフォレシス、フォノフォレシス、ソノフォレシス、およびマイクロニードルまたは無針(たとえばPowderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達が含まれる。
局所投与用の製剤は、即時放出および/または調節放出であるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出が含まれる。
本発明の化合物は、典型的には乾燥粉末吸入器から乾燥粉末の形態で(単独で、または、たとえばラクトースとの乾燥ブレンドの混合物として、または、たとえばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合した混合成分粒子として)、または加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザ(好ましくは、微細ミストを生成するために電気流体力学を用いたアトマイザ)、もしくはネブライザからエアロゾルスプレーとして、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、または1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を用いてまたは用いずに、または点鼻剤として、鼻腔内または吸入によって投与することもできる。鼻腔内に使用する場合、粉剤は、生体接着剤、たとえばキトサンまたはシクロデキストリンを含むことができる。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザ、またはネブライザは、活性剤を分散、可溶化、または延長放出するための、たとえばエタノール、水性エタノール、または他の適切な剤、溶媒として噴射剤、および場合によって、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、またはオリゴ乳酸などの界面活性剤を含む、本発明の化合物の溶液または懸濁液を含有する。
乾燥粉末製剤または懸濁製剤での使用に先立って、薬物生成物を吸入による送達に適した大きさ(典型的に5ミクロン未満)に微粉化する。これは、スパイラルジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノ粒子を形成するための超臨界流体処理、高圧ホモジナイズ、または噴霧乾燥などの任意の適切な粉砕方法によって達成することができる。
吸入器または注入器(insufflator)で用いるためのカプセル(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースから製造)、ブリスター、およびカートリッジは、本発明の化合物、およびラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤、およびl−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムなどの性能改質剤の粉末混合物を含有するように製剤化することができる。ラクトースは無水物であるか、または一水和物の形態であることができ、好ましくは後者である。他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが含まれる。
微細ミストを生成するために電気流体力学を用いるアトマイザで用いるのに適した溶液製剤は、作動当たり1μgから20mgの本発明の化合物を含有することができ、作動量は、1μlから100μlまで多様であってよい。典型的な製剤は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、および塩化ナトリウムを含むことができる。プロピレングリコールの代わりに用いることのできる別の溶媒には、グリセロールおよびポリエチレングリコールが含まれる。
吸入/鼻腔内投与するための本発明の製剤に、メントールおよびレボメントールなどの適切な香味剤、またはサッカリンもしくはサッカリンナトリウムなどの甘味剤を添加することができる。
吸入/鼻腔内投与用の製剤は、たとえばPGLAを用いて、即時放出および/または調節放出であるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出が含まれる。
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合、投与単位は、計量された量を送達する弁によって決定される。本発明による単位は、典型的に計量用量または「1吹き(puff)」を投与するように設定される。全日用量は、単回量で、またはより一般的には1日を通して分割量として投与することができる。
本発明の化合物は、たとえば坐剤、膣坐剤、または浣腸の形態で、直腸または膣内に投与することができる。カカオ脂が伝統的な坐剤基剤であるが、種々の代替物を適宜用いることができる。
直腸/膣内投与用の製剤は、即時放出および/または調節放出であるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出が含まれる。
本発明の化合物は、典型的に等張、pH調整、滅菌食塩水の微粉化懸濁液または溶液の液滴の形態で、眼または耳に直接投与することもできる。眼内および耳内投与に適した他の製剤には、軟膏、ゲル、生分解性(たとえば吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(たとえばシリコン)インプラント、ウエハー、レンズ、および粒状または小胞状系、たとえばニオソームまたはリポソームなどが含まれる。ポリマー、たとえば架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、たとえばジェランガムなどを、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と共に混入することができる。そのような製剤はイオントフォレシスによって送達することもできる。
眼内/耳内投与用製剤は、即時放出および/または調節放出であるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出が含まれる。
本発明の化合物は、前述のいずれかの投与様式で用いるため、それらの溶解性、溶出速度、味マスキング、バイオアベイラビリティ、および/または安定性を改善するために、シクロデキストリンおよびその適切な誘導体、またはポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性高分子物質と組み合わせることができる。
たとえば薬物−シクロデキストリン複合体は、一般にほとんどの投与形態および投与経路に有用であることが見出されている。包接および非包接複合体の両方を用いることができる。薬物との直接複合体形成の代わりに、シクロデキストリンを補助添加剤、すなわち担体、希釈剤、または可溶化剤として用いることができる。これらの目的のためにもっとも一般的に用いられるのは、アルファ、ベータ、およびガンマ−シクロデキストリンであり、その例は国際特許出願WO91/11172、WO94/02518、およびWO98/55148に見出すことができる。
ヒト患者に投与する場合、本発明の化合物の総日用量は、当然ながら投与様式に応じて、典型的に0.1mgから1000mgの範囲である。総日用量は、単回用量または分割用量で投与することができ、医師の裁量で、本明細書に示した典型的な範囲から外れてもよい。
これらの用量は、体重約60kgから約70kgを有する平均的なヒト対象に基づくものである。乳児および高齢者など、その体重がこの範囲外である対象の用量を、医師は容易に決定できるであろう。
不確かさを回避するために、本明細書では「治療」への言及は、治癒的、姑息的、および予防的治療への言及を含む。
NaV1.8チャネルモジュレーターは、特に疼痛の治療において、別の薬理活性化合物、または2種以上の他の薬理活性化合物と有用に組み合わせることができる。たとえば、NaV1.8チャネルモジュレーター、特に上に定義された式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物は、以下から選択された1種または複数の薬剤と組み合わせて、同時に、連続して、または個別に投与することができる。
・オピオイド鎮痛薬、たとえばモルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、レボルファノール、レバロルファン、メタドン、メペリジン、フェンタニル、コカイン、コデイン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、プロポキシフェン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィン、またはペンタゾシン、
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、たとえばアスピリン、ジクロフェナク、ジフルシナル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサール、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、ニメスリド、ニトロフルルビプロフェン、オルサラジン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スルファサラジン、スリンダク、トルメチン、またはゾメピラク、
・バルビツレート鎮静薬、たとえばアモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタビタール、メフォバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、タルブタール、テアミラール(theamylal)、またはチオペンタール、
・鎮静作用を有するベンゾジアゼピン、たとえばクロルジアゼポキシド、クロラゼペート、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、またはトリアゾラム、
・鎮静作用を有するHアンタゴニスト、たとえばジフェンヒドラミン、ピリラミン、プロメタジン、クロルフェニラミン、またはクロルサイクリジン、
・鎮静薬、たとえばグルテチミド、メプロバメート、メタカロン、またはジクロラルフェナゾンなど、
・骨格筋弛緩薬、たとえばバクロフェン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、メトカルバモール、またはオルフレナジン(orphrenadine)、
・NMDA受容体アンタゴニスト、たとえばデキストロメトルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)またはその代謝産物デキストロファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)、ケタミン、メマンチン、ピロロキノリンキニン、シス−4−(ホスホノメチル)−2−ピペリジンカルボン酸、ブジピン、EN−3231(MorphiDex(登録商標)、モルヒネおよびデキストロメトルファンの組合せ製剤)、トピラメート、ネラメキサン、またはペルジンフォテル(perzinfotel)、たとえばNR2Bアンタゴニスト、たとえばイフェンプロジル、トラキソプロジル、または(−)−(R)−6−{2−[4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル]−1−ヒドロキシエチル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノン、
・アルファ−アドレナリン作動薬、たとえばドキサゾシン、タムスロシン、クロニジン、グアンファシン、デクスメテトミジン(dexmetatomidine)、モダフィニル、または4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−(5−メタン−スルホンアミド−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノール−2−イル)−5−(2−ピリジル)キナゾリン、
・三環系抗うつ薬、たとえばデシプラミン、イミプラミン、アミトリプチリン、またはノルトリプチリン、
・抗痙攣薬、たとえば、カルバマゼピン、ラモトリジン、トピラトメート(topiratmate)、またはバルプロエート、
・タキキニン(NK)アンタゴニスト、特にNK−3、NK−2、またはNK−1アンタゴニスト、たとえば(αR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ[2,1−g][1,7]−ナフチリジン−6−13−ジオン(TAK−637)、5−[[(2R,3S)−2−[(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニル]−メチル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(MK−869)、アプレピタント、ラネピタント、ダピタント、または3−[[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−メチルアミノ]−2−フェニルピペリジン(2S,3S)、
・ムスカリンアンタゴニスト、たとえばオキシブチニン、トルテロジン、プロピベリン、塩化トロプシウム(tropsium chloride)、ダリフェナシン、ソリフェナシン、テミベリン、およびイプラトロピウム、
・COX−2選択的阻害剤、たとえばセレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、デラコキシブ、エトリコキシブ、またはルミラコキシブ、
・コールタール鎮痛薬、特にパラセタモール、
・神経弛緩薬、たとえばドロペリドール、クロルプロマジン、ハロペリドール、パーフェナジン、チオリダジン、メソリダジン、トリフルオペラジン、フルフェナジン、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、ジプラシドン、クエチアピン、セルチンドール、アリピプラゾール、ソネピプラゾール、ブロナンセリン、イロペリドン、ペロスピロン、ラクロプリド、ゾテピン、ビフェプルノックス、アセナピン、ルラシドン、アミスルプリド、バラペリドン、パリンドール(palindore)、エプリバンセリン、オサネタント、リモナバント、メクリネルタント(meclinertant)、Miraxion(登録商標)、またはサリゾタンなど、
・バニロイド受容体アゴニスト(たとえばレジニフェラトキシン)またはアンタゴニスト(たとえば、カプサゼピン)、
・ベータ−アドレナリン作動薬、たとえばプロプラノロールなど、
・局所麻酔薬、たとえばメキシレチンなど、
・コルチコステロイド、たとえばデキサメタゾンなど、
・5−HT受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、特に5−HT1B/1Dアゴニスト、たとえばエレトリプタン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、またはリザトリプタンなど、
・5−HT2A受容体アンタゴニスト、たとえばR(+)−アルファ−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−1−[2−(4−フルオロフェニルエチル)]−4−ピペリジンメタノール(MDL−100907)、
・コリン作動性(ニコチン性)鎮痛薬、たとえばイスプロニクリン(TC−1734)、(E)−N−メチル−4−(3−ピリジニル)−3−ブテン−1−アミン(RJR−2403)、(R)−5−(2−アゼチジニルメトキシ)−2−クロロピリジン(ABT−594)、またはニコチンなど、
・Tramadol(登録商標)、
・PDEV阻害剤、たとえば5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニル−スルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル)、(6R、12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピラジノ[2’,1’:6,1]−ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(IC−351またはタダラフィル)、2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル)、5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−(5−アセチル−2−プロポキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−イソプロピル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、4−[(3−クロロ−4−メトキシベンジル)アミノ]−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド、3−(1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−6,7−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−N−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]−4−プロポキシベンゼンスルホンアミドなど、
・アルファ−2−デルタリガンド、たとえばガバペンチン、プレガバリン、3−メチルガバペンチン、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−イル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリン、(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)−プロリン、[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−6−イル]−酢酸、3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、C−[1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−シクロヘプチル]−メチルアミン、(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸、および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸など、
・カンナビノイド、
・代謝型グルタミン酸サブタイプ1受容体(mGluR1)アンタゴニスト、
・セロトニン再取り込み阻害剤、たとえばセルトラリン、セルトラリン代謝産物デメチルセルトラリン、フルオキセチン、ノルフルオキセチン(フルオキセチンデスメチル代謝産物)、フルボキサミン、パロキセチン、シタロプラム、シタロプラム代謝産物デスメチルシタロプラム、エスシタロプラム、d、l−フェンフルラミン、フェモキセチン、イホキセチン、シアノドチエピン(cyanodothiepin)、リトキセチン、ダポキセチン、ネファゾドン、セリクラミン、およびトラゾドンなど、
・ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)再取り込み阻害剤、たとえばマプロチリン、ロフェプラミン、ミルタザピン、オキサプロチリン、フェゾラミン、トモキセチン、ミアンセリン、ブプロプリオン(buproprion)、ブプロプリオン代謝産物ヒドロキシブプロプリオン、ノミフェンシン、およびビロキサジン(Vivalan(登録商標))など、特に選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、たとえばレボキセチン、特に(S,S)−レボキセチンなど、
・デュアルセロトニン/ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、たとえばベンラファキシン、ベンラファキシン代謝産物O−デスメチルベンラファキシン、クロミプラミン、クロミプラミン代謝産物デスメチルクロミプラミン、デュロキセチン、ミルナシプラン、およびイミプラミンなど、
・誘導型一酸化窒素シンターゼ(iNOS)阻害剤、たとえばS−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−L−ホモシステイン、S−[2−[(1−イミノエチル)−アミノ]エチル]−4,4−ジオキソ−L−システイン、S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−2−メチル−L−システイン、(2S,5Z)−2−アミノ−2−メチル−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)−ブチル]チオ]−5−クロロ−3−ピリジンカルボニトリル、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−4−クロロベンゾニトリル、(2S,4R)−2−アミノ−4−[[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−5−チアゾールブタノール、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボニトリル、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−5−クロロベンゾニトリル、N−[4−[2−(3−クロロベンジルアミノ)エチル]フェニル]チオフェン−2−カルボキサミド、またはグアニジノエチルジスルフィドなど、
・アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、たとえばドネペジルなど、
・プロスタグランジンEサブタイプ4(EP4)アンタゴニスト、たとえばN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)−カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド、または4−[(1S)−1−({[5−クロロ−2−(3−フルオロフェノキシ)ピリジン−3−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸など、
・ロイコトリエンB4アンタゴニスト、たとえば1−(3−ビフェニル−4−イルメチル−4−ヒドロキシ−クロマン−7−イル)−シクロペンタンカルボン酸(CP−105696)、5−[2−(2−カルボキシエチル)−3−[6−(4−メトキシフェニル)−5E−ヘキセニル]オキシフェノキシ]−吉草酸(ONO−4057)、またはDPC−11870など、
・5−リポキシゲナーゼ阻害剤、たとえばジレウトン、6−[(3−フルオロ−5−[4−メトキシ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル])フェノキシ−メチル]−1−メチル−2−キノロン(ZD−2138)、または2,3,5−トリメチル−6−(3−ピリジルメチル)1,4−ベンゾキノン(CV−6504)など、
・ナトリウムチャネル遮断剤、たとえばリドカインなど、
・5−HT3アンタゴニスト、たとえばオンダンセトロンなど、
ならびに薬学的に許容できるそれらの塩および溶媒和物。
そのような組合せは、治療において、相乗活性を含む著しい利点を提供する。
たとえば特定の疾患または状態を治療するために、活性化合物の組合せを投与することが望ましい可能性があるため、少なくともその1つが本発明による化合物を含有する2種以上の医薬組成物を、それらの組成物の併用投与に適したキットの形態で好都合に組み合わせてよいことも本発明の範囲内である。
たとえば本発明のキットは、少なくともその1つが本発明による式(I)の化合物を含有する2種以上の個別の医薬組成物、および容器、分割ボトル、または分割ホイル小包などの前記組成物を個別に保持するための手段を含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装に用いられる、よく知られているブリスターパックである。
本発明のキットは、異なる投与形態、たとえば経口および非経口投与形態を投与する、または個別の組成物を異なる投与間隔で投与する、または個別の組成物を量的に相互に調整するのに特に適している。コンプライアンスを助けるために、キットは典型的に投与説明書を含み、さらにいわゆる記憶補助手段を備えることができる。
式(I)のピラジン誘導体はすべて、以下に示す一般的な方法に記載される手順によって、またはそれらの慣例的な変法によって調製できる。本発明はまた、そこで用いられる任意の新規な中間体に加えて、式(I)のピラジン誘導体を調製するための、これらの任意の1つまたは複数の方法を包含する。
以下の一般的な方法において、ArおよびRは別段の記載のないかぎり、式(I)のピラジン誘導体に関して前に定義されたとおりである。溶媒の比を示す場合、比は容量による。
第1の方法によれば、式(I)の化合物は、スキーム1に例示のとおり式(V)の化合物から調製することができる。
Figure 2009514937
Mは、トリアルキルスタンナン、ジヒドロキシボラン、ジアルコキシボラン、またはハロゲン化亜鉛など、クロスカップリング反応に適した金属またはホウ素基で置換されていてもよい。
Xは、クロスカップリング反応に適した基であり、典型的にCl、Br、またはIである。
Yは、適切な脱離基であり、典型的にClである。
式(II)の化合物は、クロロ誘導体の場合、市販され入手可能であるか、または文献で知られている(J.Med.Chem.1967、10(1)、66〜75)。
式(III)の化合物は、適切な触媒系(たとえばパラジウムまたはニッケル)および塩基の存在下、ArMとクロスカップリング反応させる工程ステップ(i)によって、式(II)の化合物から調製できる。典型的に、「鈴木」条件が用いられ、50℃から100℃の温度で有機溶媒中、1.2〜3当量のボロン酸、塩基、およびホスフィンをベースとするリガンドを含む0.01〜0.25当量のパラジウム触媒を含む。好ましい条件は、80℃で2:1の1,4−ジオキサン/水中、2当量のボロン酸、1当量のCsCO、および0.1当量のPd(PPhを含む。
式(IV)の化合物は、適切な溶媒中、場合によって触媒の存在下、適切な薬剤によって活性化された酸塩化物またはカルボン酸を用いるアミドカップリングである工程ステップ(ii)に従って、式(III)の化合物から調製できる。典型的な条件は、室温から80℃の温度で、適切な溶媒中、EtN、ルチジン、またはピリジンなど過剰の適切な有機塩基と共に、酸塩化物および式(III)のアミンを含む。好ましい条件は、60℃でピリジン中、または室温でアセトニトリル中の1.5当量のルチジンと共に、1.5当量の酸塩化物を含む。
式(V)の化合物は、塩基性または酸性条件下でのエステル加水分解である工程ステップ(iii)に従って、式(IV)の化合物から調製できる。典型的な条件は、塩基に媒介されるものであり、室温から100℃の温度で水および適切な溶媒の存在下、LiOH、NaOH、KOH、またはKCOなどのアルカリ金属塩基を用いる。好ましい条件は、75℃で3:1のCHOH/HO中、3当量のLiOH.HOを含む。
式(I)の化合物は、50℃から150℃の温度を要する塩基性または酸性条件下での脱カルボキシル化反応によって(工程ステップ(iv))、式(V)の化合物から調製できる。典型的な条件は、50℃から100℃の温度で適切な有機溶媒中、過剰の酸水溶液を含む。好ましくは、脱カルボキシル化ステップは、2:1の1N HCl水溶液/1,4−ジオキサン中、還流で行う。
第2の方法によれば、式(I)の化合物は、スキーム2に例示のとおり式(VII)の化合物から調製することができる。
Figure 2009514937
式中、M、X、およびYは、スキーム1に関して定義されたとおりである。
式(III)の化合物は、スキーム1に関して上に記載したとおり、工程ステップ(i)に従って式(II)の化合物から調製できる。
式(VI)の化合物は、スキーム1に関して上に記載したとおり、工程ステップ(iii)に従って、エステル加水分解によって式(III)の化合物から調製できる。
式(VII)の化合物は、スキーム1に関して上に記載したとおり、工程ステップ(iv)に従って、脱カルボキシル化によって式(VI)の化合物から調製できる。
式(I)の化合物は、スキーム1に関して上に記載したとおり、工程ステップ(ii)に従って、アミドカップリング反応によって式(VIII)の化合物から調製できる。
式(VII)の化合物は、WO−A−98/3817に記載のとおり、第3の方法に従って調製することもできる(スキーム3)。
Figure 2009514937
式(IX)の化合物は、シアン化物源、たとえばシアン化カリウムの存在下、式(VIII)の化合物またはその塩、たとえばアミノアセトアミジンを、式ArCHOの化合物と反応させることによって、工程ステップ(v)に従って調製することができる。
式(VII)の化合物は、メタノールなどの適切なアルコール溶媒中、水酸化リチウムの存在下、酸化のため反応は空気に暴露した状態で、式(IX)の化合物を環化および酸化することによって調製することができる。
第4の方法によれば、式(I)の化合物は、スキーム4に例示のとおり式(XII)の化合物から調製することができる。
Figure 2009514937
M、X、およびYは、スキーム1に関して定義されたとおりである。
式(X)の化合物は、スキーム1に関して上に記載したとおり、工程ステップ(iii)に従って、エステル加水分解によって式(II)の化合物から調製できる。
式(XI)の化合物は、スキーム1に関して上に記載したとおり、工程ステップ(iv)に従って、脱カルボキシル化によって式(X)の化合物から調製できる。
式(XII)の化合物は、スキーム1に関して上に記載したとおり、工程ステップ(ii)に従って、アミドカップリング反応によって式(XI)の化合物から調製できる。
式(I)の化合物は、スキーム1に関して上に記載したとおり、工程ステップ(i)に従って、クロスカップリング反応によって式(XII)の化合物から調製できる。
式(XI)の化合物は別法として、スキーム5に例示のとおり、式(XIII)の化合物から調製することができる。
Figure 2009514937
式中、Xは、ハロゲン原子である。
2,6−ジアミノピラジンは、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1:Organic and Bio−Organic Chemistry(1972〜1999)1973、6、606に記載のとおり調製することができる。
式(XI)の化合物は、反応ステップ(vii)に従って、求電子的ハロゲン化反応によって調製することができる。典型的な条件は、適切な溶媒中、場合によって触媒、たとえばヨウ素および酢酸銀、または臭素の存在下、2,6−ジアミノピラジンのハロゲンとの反応を含む。好ましい条件は、室温で酢酸中、臭素を含む。
別法として、式(XII)の化合物は、スキーム6に例示のとおり式(XIV)の化合物から調製することができる。
Figure 2009514937
式中、Yは、スキーム1に関して定義されたとおりであり、Xは、ハロゲン原子である。
式(XIV)の化合物は、スキーム1に関して記載したとおり、工程ステップ(ii)に従って、アミドカップリング反応によって式(XIII)の化合物から調製することができる。
式(XII)の化合物は、スキーム5に関して記載したとおり、工程ステップ(vii)に従って、求電子的ハロゲン化反応によって式(XIV)の化合物から調製することができる。
上記の一般的な方法に関して、保護基が存在する場合、これらの保護基は一般に類似の性質を有する他の保護基と交換可能であり、たとえばアミンがtert−ブトキシカルボニル基で保護されていると記載されている場合、任意の適切なアミン保護基と容易に交換できることが当業者には容易に理解されるであろう。適切な保護基は、「Protective Groups in Organic Synthesis」、T.GreeneおよびP.Wuts(第3版、1999、John Wiley and Sons)に記載されている。
本発明はまた、上に定義された新規な中間体、式(I)のピラジン誘導体に関して前に定義されたそのすべての塩、溶媒和物、および複合体、ならびにその塩のすべての溶媒和物および複合体に関する。本発明は、上に述べた種のすべての多形、およびその晶癖を含む。
本発明に従って式(I)のピラジン誘導体を調製するとき、この目的のために最良の特徴の組合せを提供する中間体化合物の形態を慣例的に選択することは、当業者に明らかである。そのような特徴には、その中間体形態の融点、溶解性、処理性、および収量、ならびにその結果得られる生成物が単離において精製され得る容易性が含まれる。
以下の代表的な実施例によって、本発明を例示する。
H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、いずれの場合も提示の構造と一致した。特徴的な化学シフト(δ)は、主要なピークの名称の通常の略語、たとえばs、シングレット、d、ダブレット、t、トリプレット、q、カルテット、m、マルチプレット、br、ブロードを用いて、テトラメチルシランからの低磁場をppmで示す。質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)または大気圧化学イオン化(APCI)を用いて記録した。共通の溶媒には以下の略語が用いられている。CDCl、重水素化クロロホルム、D6−DMSO、重水素化ジメチルスルホキシド、CDOD、重水素化メタノール、THF、テトラヒドロフラン。LCMSは、液体クロマトグラフィー質量分析を表す(R=保持時間)。溶媒の比を示す場合、比は容量による。
実施例および調製のある種の化合物は、自動分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて精製した。逆相HPLC条件は、FractionLynxシステムであった。サンプルはDMSO1mlに溶解して提供した。化合物の性質および事前分析の結果に応じて、精製は周囲温度で酸性条件または塩基性条件下で行った。酸性実験はSunfire Prep C18 OBDカラム(19×50mm、5μm)で行い、塩基性実験はXterra Prep MS C18(19×50mm、5μm)で行ったが、いずれもWaters製である。移動相A:水+0.1%修飾剤(v/v)およびB:アセトニトリル+0.1%修飾剤(v/v)で流速18mL/分を用いた。酸性実験では、修飾剤はギ酸であり、塩基性実験では、修飾剤はジエチルアミンであった。Waters 2525バイナリLCポンプは、B5%の組成で1分間移動相を提供し、次いで6分間かけてB5%から98%で流し、その後B98%で2分間保持した。検出は、225nmに設定したWaters 2487 2波長吸光度検出器、次いで連続して並列のPolymer Labs PL−ELS 2100検出器およびWaters ZQ 2000 4方向MUX質量分析器を用いて達成した。PL 2100 ELSDは、窒素供給1.6L/分で30℃に設定した。Waters ZQ MSは、以下のパラメータに合わせた。
ES+コーン電圧:30v キャピラリー:3.20kv
ES−コーン電圧:−30v キャピラリー:−3.00kv
脱溶媒ガス:600L/時
ソース温度:120℃
走査範囲 150〜900Da
画分収集は、MSおよびELSDの両方で誘導した。
精度管理分析は、分取法と直交する(orthogonal)LCMS法を用いて行った。酸性実験はSunfire C18(4.6×50mm、5μm)で行い、塩基性実験はXterra C18(4.6×50mm、5μm)で行ったが、いずれもWaters製である。移動相A:水+0.1%修飾剤(v/v)およびB:アセトニトリル+0.1%修飾剤(v/v)で流速1.5mL/分を用いた。酸性実験では、修飾剤はギ酸であり、塩基性実験では、修飾剤はジエチルアミンであった。Waters 1525バイナリLCポンプは、3分間かけてB5%から95%の勾配溶離を流し、その後B95%で1分間保持した。検出は、225nmに設定したWaters MUX UV 2488検出器、次いで連続して並列のPolymer Labs PL−ELS 2100検出器およびWaters ZQ 2000 4方向MUX質量分析器を用いて達成した。PL 2100 ELSDは、窒素供給1.6L/分で30℃に設定した。Waters ZQ MSは、以下のパラメータに合わせた。
ES+コーン電圧:25v キャピラリー:3.30kv
ES−コーン電圧:−30v キャピラリー:−2.50kv
脱溶媒ガス:800L/時
ソース温度:150℃
走査範囲 160〜900Da
(実施例1)
N−[6−アミノ−5−(2,3,5−トリクロロフェニル)ピラジン−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
(別名2−メチル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸[6−アミノ−5−(2,3,5−トリクロロフェニル)−ピラジン−2−イル]−アミド)
Figure 2009514937
方法A
N−(6−アミノ−5−クロロピラジン−2−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(調製2、0.05g、0.198mmol)を2,3,5−トリクロロベンゼンボロン酸(0.062g、0.28mmol)、炭酸セシウム(0.045g、0.14mmol)、およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.016g、0.014mmol)を合わせ、1,4−ジオキサン(5ml)と水(1ml)の混合物に懸濁した。反応物を75℃で5時間加熱し、炭酸セシウム(0.04g)およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.01g)の追加のアリコートを添加した。75℃でさらに1時間の後、反応物を室温に冷まし、その後、真空下で濃縮した。残留物を水と酢酸エチルに分配し、有機層を乾燥(MgSO)し、蒸発させた。残留物を酢酸エチル:ヘプタン1:1で溶出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、オフホワイト色の固体として生成物を得た(30mg)。
HNMR(d−DMSO):4.09(s,3H)、6.13(br s,2H)、7.25(d,1H)、7.50〜7.51(m,2H)、7.90(d,1H)、8.55(s,1H)、10.60(br s,1H)。
MS m/z 397[MH]
(実施例2)
N−[6−アミノ−5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
Figure 2009514937
方法B
ジクロロメタン(100ml)中の1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(7.5g、59.5mmol)のスラリーに、塩化オキサリル(11.3g、89.5mmol)を添加した。ジメチルホルムアミド1滴を添加し、反応物を室温で7時間攪拌した。さらに塩化オキサリル7ml、次いでジメチルホルムアミド1滴を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。反応物を真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共沸させた。残留物をCHCN(20ml)に溶解し、3−(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)−ピラジン−2,6−ジアミン(調製6、9.0g、35.9mmol)とルチジン(5.2ml、46.7mmol)のCHCN(100ml)溶液に添加した。反応物を室温で4時間攪拌し、その後、真空下で濃縮した。残留物を酢酸エチル200mlに溶解し、水100mlで洗浄した。有機層を集め、水50mlおよびブライン50mlで再び洗浄し、その後、MgSOで乾燥、真空下で濃縮して、粘着性のゴムを得た。残留物を酢酸エチル:ヘプタン2:1で溶出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体として生成物を得た。
HNMR(d−DMSO):3.8(3H,s)、4.1(3H,s)、5.85(2H,br s)、6.95(1H,m)、7.05(1H,m)、7.25(1H,m)、7.45(1H,m)、7.5(1H,m)、8.55(1H,s)。
LCMS Rt=3.35分
MS m/z 359[MH]
(実施例3)
N−[6−アミノ−5−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピラジン−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
Figure 2009514937
方法C
ジクロロメタン(2ml)中の1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(40mg、0.32mmol)のスラリーに、塩化オキサリル(36μl、0.41mmol)を添加した。ジメチルホルムアミド1滴を添加し、反応物を室温で3時間攪拌し、その後、真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共沸させた。得られた酸塩化物を無水ピリジン1mlに溶解し、3−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピラジン−2,6−ジアミン(調製13、50mg、0.18mmol)の無水ピリジン2ml溶液に添加した。反応物を一晩、60℃に加熱し、その後、真空下で濃縮し、ジクロロメタン5mlと水5mlに分配した。相分離カートリッジを用いて層を分離し、有機層を集め、真空下で濃縮した。残留物をジメチルスルホキシド1mlに溶解し、分取HPLCを用いて精製した。
LCMS Rt=3.14分
MS m/z 388[MH]
下記の一般式の実施例を、
Figure 2009514937
上の実施例1および2に記載のとおり、方法AおよびBに類似の方法で調製した。別段の注記のないかぎり、調製の詳細は言及した方法に記載のとおりである。
Figure 2009514937
Figure 2009514937
Figure 2009514937
(実施例12)
N−[6−アミノ−5−(2,3−ジクロロ−5−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
Figure 2009514937
N−(6−アミノ−5−クロロピラジン−2−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(調製2、0.1g、0.396mmol)を2,(2,3−ジクロロ−5−メトキシ−フェニル−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(調製18)(0.156g、0.515mmol)、炭酸セシウム(0.129g、0.396mmol)、およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.046g、0.04mmol)を合わせ、1,4−ジオキサン(1ml)と水(0.5ml)の混合物に懸濁した。反応物を80℃で5時間加熱した。反応物を室温に冷まし、その後、真空下で濃縮した。残留物を炭酸ナトリウム水溶液(20ml)と酢酸エチル(20ml)に分配し、有機層を乾燥(NaSO)し、真空下で濃縮した。残留物を酢酸エチル:ヘプタン2:3から1:1で溶出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、オフホワイト色の固体として生成物を得た(72mg)。
MS m/z 393[MH]
HNMR(CDCl):3.80(s,3H)、4.23(s,3H)、4.43(br,s,2H)、6.70(s,1H)、6.90(d,1H)、7.10(s,1H)、7.50(d,1H)、8.05(br s,1H)、9.05(s,1H)。
下記の一般式の実施例を、
Figure 2009514937
実施例1および2に上記したとおり、方法AおよびBに類似の方法で調製した。別段の注記のないかぎり、調製の詳細は言及した方法に記載のとおりである。
Figure 2009514937
下記の一般式の実施例を、
Figure 2009514937
実施例1および3に上記したとおり、方法AおよびCに類似の方法で調製した。別段の注記のないかぎり、調製の詳細は言及した方法に記載のとおりである。
Figure 2009514937
Figure 2009514937
Figure 2009514937
下記の一般式の実施例を、
Figure 2009514937
3−(2,5−ジクロロフェニル)ピラジン−2,6−ジアミン(調製11)を用い、実施例2および3に上記したとおり、方法BおよびCに類似の方法で調製した。別段の注記のないかぎり、調製の詳細は言及した方法に記載のとおりである。
Figure 2009514937
Figure 2009514937
下記の一般式の実施例を、
Figure 2009514937
3−(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)ピラジン−2,6−ジアミン(調製6)を用い、実施例2および3に上記したとおり、方法BおよびCに類似の方法で調製した。別段の注記のないかぎり、調製の詳細は言及した方法に記載のとおりである。
Figure 2009514937
Figure 2009514937
Figure 2009514937
下記の一般式の実施例を、
Figure 2009514937
3−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピラジン−2,6−ジアミン(調製13)を用い、実施例2および3に上記したとおり、方法BおよびCに類似の方法で調製した。別段の注記のないかぎり、調製の詳細は言及した方法に記載のとおりである。
Figure 2009514937
下記の一般式の実施例を、
Figure 2009514937
3−(1−ナフチル)ピラジン−2,6−ジアミン(調製8)を用い、実施例2および3に上記したとおり、方法BおよびCに類似の方法で調製した。別段の注記のないかぎり、調製の詳細は言及した方法に記載のとおりである。
Figure 2009514937
下記の一般式の実施例を、
Figure 2009514937
3−(2,5−ジクロロ−3−メトキシフェニル)ピラジン−2,6−ジアミン(調製9)を用い、実施例2に上記したとおり、方法Bに類似の方法で調製した。別段の注記のないかぎり、調製の詳細は言及した方法に記載のとおりである。
Figure 2009514937
(実施例49)
N−[6−アミノ−5−(2,5−ジクロロ−3−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2009514937
ジクロロメタン(10ml)中の3−メチル−4−イソオキサゾールカルボン酸(500mg、3.93mmol)のスラリーに、塩化オキサリル(515μl、5.90mmol)を添加した。ジメチルホルムアミド1滴を添加し、反応物を室温で3時間攪拌し、その後、真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共沸させた。残留物をCHCN(3.93ml)に溶解し、1M溶液を得た。得られた酸塩化物(0.526ml、0.526mmol)の1M溶液を、3−(2,5−ジクロロ−3−メトキシフェニル)ピラジン−2,6−ジアミン(調製9、0.15g、0.526mmol)とルチジン(89μl、0.787mmol)のCHCN(10ml)溶液に添加した。反応物を室温で4日間攪拌し、その後、真空下で濃縮した。残留物をジクロロメタン10mlに溶解し、水5mlで洗浄、相分離カートリッジを用いて、2層を分離した。有機層を真空下で濃縮して、クリーム色の固体を得た。残留物を酢酸エチル:ヘプタン1:1で溶出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体/泡状物として表題生成物62mgを得た。
MS m/z 394[MH]
HNMR(d−DMSO):2.4(s,3H)、3.9(s,3H)、6.0(br s,2H)、7.0(m,1H)、7.3(m,1H)、8.6(s,1H)、9.6(s,1H)、10.65(br s,1H)。
LCMS Rt=2.85分
下記の一般式の実施例を、
Figure 2009514937
実施例1および2に上記したとおり、方法AおよびBに類似の方法で調製した。別段の注記のないかぎり、調製の詳細は言及した方法に記載のとおりである。
Figure 2009514937
Figure 2009514937
Figure 2009514937
下記の一般式の実施例を、
Figure 2009514937
3−(2,3−ジクロロフェニル)ピラジン−2,6−ジアミン(調製7)を用い、実施例2に上記したとおり、方法Bに類似の方法で調製した。別段の注記のないかぎり、調製の詳細は言及した方法に記載のとおりである。
Figure 2009514937
(実施例61)
N−[6−アミノ−5−(2,3,5−トリクロロフェニル)ピラジン−2−イル]イソオキサゾール−3−カルボキサミド
Figure 2009514937
3−イソオキサゾールカルボン酸および3−(2,3,5−トリクロロフェニル)ピラジン−2,6−ジアミン(調製12)を用い、実施例2に上記したとおり、方法Bに類似の方法で、N−[6−アミノ−5−(2,3,5−トリクロロフェニル)ピラジン−2−イル]イソオキサゾール−3−カルボキサミドを調製した。
LCMS Rt=4.07分
MS m/z 386[MH]
(実施例62)
N−[6−アミノ−5−(2,5−ジクロロフェニル)ピラジン−2−イル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
Figure 2009514937
ジクロロメタン(15ml)中の2−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(Heterocycles(1992)34 303〜314)(428mg、1.76mmol)のスラリーに、塩化オキサリル(0.17ml、1.9mmol)を添加し、ジメチルホルムアミド1滴を添加、反応物をN下、室温で1時間攪拌した後、真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共沸させた。得られた酸塩化物をアセトニトリル5mlに溶解し、3−(2,5−ジクロロ−フェニル)ピラジン−2,6−ジアミン(調製11、300mg、1.18mmol)のアセトニトリル(15ml)および2,6−ルチジン(0.21ml、1.8mmol)溶液に添加した。反応物をN下、室温で72時間攪拌した後、真空下で濃縮し、次いで酢酸エチル50mlと水50mlに分配した。有機層をMgSOで乾燥し、真空下で濃縮して褐色の油を得て、それをカラムクロマトグラフィーで精製して(酢酸エチル:ヘプタン、1:2)、表題生成物52mgを得た。
HNMR(CDOD)0.00(s,9H)、1.90(t,2H)、3.65(t,2H)、5.55(s,2H)、6.95(s,1H)、7.45〜7.55(m,3H)、7.90(s,1H)、8.80(s,1H)。
上記アシル化生成物(10mg、0.21mmol)のテトラヒドロフラン(3ml)懸濁液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(0.022ml、0.0212mmol、1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を添加し、反応物を65℃に2時間加熱した。反応混合物を真空下で濃縮し、残留物を酢酸エチル5mlと水5mlに分配した。有機物をMgSOで乾燥し、真空下で濃縮した。得られた残留物をジメチルスルホキシド1mlに溶解し、分取HPLCで精製した。
LCMS Rt=2.04分
MS m/z 349[MH]
以下の調製は、上記実施例を調製するために用いられるいくつかの中間体の調製を例示するものである。
(調製1)
3−クロロ−ピラジン−2,6−ジアミン
Figure 2009514937
メタノール(300ml)および水(120ml)中の3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(20g、99mmol)の攪拌懸濁液に水酸化リチウム(12.4g、0.30mol)を添加し、反応物を90℃で1.5時間加熱した後、室温に冷ました。反応物を真空下で濃縮して、黄色のスラリーを得て、これを1,4−ジオキサン(350ml)に懸濁し、2MのHCl水溶液(200ml)を添加した。混合物を100℃で2時間加熱し、次いでそれを冷ました後、真空下で1,4−ジオキサンを除去した。得られた水溶液を、炭酸ナトリウム(飽和水溶液)を用いてpH8にし、酢酸エチル(3×300ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300ml)で洗浄し、乾燥(NaSO)、真空下で濃縮して、黄色の固体を得た(11.7g、82%)。
HNMR(d−DMSO):5.95(br s,2H)、6.02(br s,2H)、6.82(s,1H)。
MS m/z 147[MH]
(調製2)
N−(6−アミノ−5−クロロピラジン−2−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
Figure 2009514937
1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(0.279g、2.21mmol)のジクロロメタン(5ml)懸濁液に、塩化オキサリル(0.288ml、3.32mmol)、次いでジメチルホルムアミド1滴を添加した。混合物を室温で4時間攪拌し、その後、真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共沸させた。残留物をピリジン(1ml)に溶解し、3−クロロ−ピラジン−2,6−ジアミン(調製1)(0.16g、1.11mmol)の溶液に添加し、混合物を60℃で3時間加熱した後、室温に冷却し、真空下で濃縮した。残留物を酢酸エチル:ヘプタン1:1で溶出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、淡色の固体として生成物を得た(100mg)。
HNMR(d−DMSO):4.05(s,3H)、6.60(br s,2H)、7.20(d,1H)、7.50(d,1H)、8.30(s,1H)、10.60(br s,1H)。
MS m/z 255[MH]
(調製3)
N−(6−アミノ−5−クロロピラジン−2−イル)−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2009514937
3−メチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸(0.06g、0.48mmol)の溶液に、塩化オキサリル(0.06ml、0.69mmol)、次いでジメチルホルムアミド1滴を添加した。混合物を室温で4時間攪拌し、その後、真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共沸させた。残留物をピリジン(1ml)に溶解し、3−クロロ−ピラジン−2,6−ジアミン(調製1)(0.035g、0.24mmol)の無水ピリジン(3ml)溶液に添加し、混合物を50℃で3時間加熱した後、室温に冷却し、真空下で濃縮乾固した。残留物を酢酸エチル:ヘプタン1:1で溶出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体として生成物を得た(30mg)。
HNMR(d−DMSO):2.40(s,3H)、6.60(br s,2H)、8.35(s,1H)、9.60(s,1H)、10.65(br s,1H)。
LCMS Rt=2.35分
MS m/z 254[MH]
(調製4)
N−(6−アミノ−5−クロロピラジン−2−イル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド
Figure 2009514937
5−メチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸(1g、6.9mmol)のジクロロメタン(30ml)溶液に、塩化オキサリル(0.8ml、10.3mmol)、次いでジメチルホルムアミド1滴を添加した。混合物を室温で5時間攪拌し、その後、真空下で濃縮し、ジクロロメタンと共沸させた。残留物をピリジン(3ml)に溶解し、3−クロロ−ピラジン−2,6−ジアミン(調製1)(0.65g、4.6mmol)の無水ピリジン(30ml)溶液に添加し、混合物を50℃で3時間加熱した後、室温に冷却し、真空下で濃縮した。残留物を酢酸エチル:ヘプタン1:1で溶出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体として生成物を得た(360mg)。
HNMR(d−DMSO):2.51(s,3H)、6.71(br,s,2H)、8.35(s,1H)、9.12(s,1H)、10.63(br,s,1H)。
MS m/z 254[MH]
(調製5)
3,5−ジアミノ−6−(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル
Figure 2009514937
方法D
1,4−ジオキサン220mlおよび水(40ml)中の3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(10.9g、53.7mmol)の懸濁液に、2−クロロ−5−メトキシベンゼンボロン酸(20g、107mmol)、炭酸セシウム(17.5g、53.7mmol)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(620mg、0.54mmol)を添加した。反応物を70〜75℃で2時間、油浴で加熱した。次いで、反応物を冷却し、水500mlに注ぎ入れた。得られたスラリーを10分間攪拌した後、真空下で濾過した。次いで、収集したベージュ色の固体をメタノール100mlでスラリーにし、15分間攪拌、その後、濾過し、濾過ケーキをメタノールで洗浄し、真空乾燥して、表題生成物17.4gを得た。
HNMR(d−DMSO):NMR(DMSO):3.65(s,3H)、3.75(s,3H)、6.4(br s 2H)、6.9(d,1H)、7.0(dd,1H)、7.05(br,s,2H)、7.4(d,2H)。
LCMS Rt=3.74分
MS m/z 309[MH]
(調製6)
3−(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)−ピラジン−2,6−ジアミン
Figure 2009514937
方法E
メタノール255mlおよび水76ml中の3,5−ジアミノ−6−(2−クロロ−5−メトキシ−フェニル)−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(調製5、16.5g、53.4mmol)の懸濁液に、LiOH(6.7g、160mmol)を添加し、反応物を90℃で2時間攪拌した。反応物を真空下で濃縮乾固した。残留物を1,4−ジオキサン380mlでスラリーにし、2N HCl230mlを添加した。反応物を100℃に1時間加熱した後、室温に冷却し、真空下で濃縮した。残留物を880NHで塩基性化し、酢酸エチル2×300mlで抽出した。有機層を合わせ、MgSOで乾燥し、真空下で濃縮した。固体残留物をジエチルエーテルで摩砕し、濾過して、淡黄色の固体10gを得た。
HNMR(d−DMSO):3.25(3H,s)、5.2(br,s,2H)、5.9(br,s,2H)、6.8(d,1H)、6.9(dd,1H)、7.15(s,1H)、7.4(d,1H)。
LCMS Rt=2.92分
MS m/z 251[MH]
(調製7)
3−(2,3−ジクロロフェニル)−ピラジン−2,6−ジアミン
Figure 2009514937
方法F
シアン化カリウム(500mg、7.7mmol)および2−アミノアセトアミジン二臭化水素酸塩(1.77g、7.5mmol)を室温で1時間、メタノール(15ml)中で攪拌した。2,3−ジクロロベンズアルデヒド(1.34g、7.68mmol)を添加し、懸濁液を室温で一晩攪拌した。水酸化リチウム一水和物(1.0g、23.8mmol)を添加し、混合物を室温で24時間、大気に暴露しながら攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(80ml)と水(50ml)に分配した。酢酸エチル溶液を水(30ml)で洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で蒸発させて、淡褐色のゴムを得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い、酢酸エチルで溶出してこれを精製し、褐色のゴムとして表題生成物370mgを得た。
HNMR(CDCl):4.26(br s,2H)、4.43(br s,2H)、7.26(d,1H)、7.31(m,1H)、7.46(s,1H)、(7.50(d,1H)
MS m/z 257[MH]
下記の一般式の中間体を、
Figure 2009514937
方法D、次いで方法Eに類似の2段階法で製造した。別段の注記のないかぎり、調製の詳細は調製5および6に上記したとおりである。
Figure 2009514937
Figure 2009514937
(調製14)
3−(2,3−ジクロロ−6−メトキシフェニル)ピラジン−2,6−ジアミン
Figure 2009514937
調製7に上記した方法Fに類似の方法で、2,3−ジクロロ−6−メトキシベンズアルデヒド(調製27)を用いて、3−(2,3−ジクロロ−6−メトキシフェニル)ピラジン−2,6−ジアミンを調製した。反応物をLiOH/空気と共に5時間攪拌した。
HNMR(CDCl):3.76(s,3H)、4.12(br s,2H)、4.35(br s,2H)、6.86(d,1H)、7.47(d,1H)、7.52(s,1H)
MS m/z 287[MH]
(調製15)
3−(2−クロロ−3−メトキシフェニル)ピラジン−2,6−ジアミン
Figure 2009514937
調製7に上記した方法Fに類似の方法で、2−クロロ−3−メトキシベンズアルデヒドを用いて、3−(2−クロロ−3−メトキシフェニル)ピラジン−2,6−ジアミンを調製した。
NMR(CDOD):3.9(3H,s)、6.95(1H,m)、7.15(1H,m)、7.2(1H,s)、7.35(1H,m)
MS m/z 251[MH]
(調製16)
1−ブロモ−3−クロロ−5−メトキシベンゼン
Figure 2009514937
1−ブロモ−3−クロロ−5−フルオロベンゼン(25g、0.12mol)のメタノール(800ml)溶液に、ナトリウムメトキシド(64g、1.18mol)を添加した。反応物を9日間、加熱還流した。その後、反応物を容量5分の1に真空下で濃縮し(150ml)、冷却し、水(1000ml)を添加した。混合物をジエチルエーテル(3×150ml)で抽出した。有機層をブライン(2×100ml)で洗浄し、乾燥(NaSO)、蒸発させて表題生成物を得た(24.6g)。
HNMR(CDCl):3.80(s,3H)、6.84(s,1H)、6.96(s,1H)、7.10(s,1H)。
GC−MS m/z 222[MH]、Rt=3.86分
(調製17)
1−ブロモ−2,3−ジクロロ−5−メトキシベンゼン
Figure 2009514937
1−ブロモ−3−クロロ−5−メトキシベンゼン(調製16、6.0g、27mmol)およびトリクロロイソシアヌル酸(2.3g、9.9mmol)を50℃で3時間、ジメチルホルムアミド(100ml)中で攪拌した。n−ヘプタンを添加し、混合物を濾過して不溶性の不純物を除去した。その後、混合物を真空下で濃縮し、残留物をn−ヘプタン:酢酸エチル9:1で溶出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体として表題生成物を得た(5.0g)。
HNMR(CDCl):3.80(s,3H)、7.00(s,1H)、7.20(s,1H)。
GC−MS m/z 256[MH]、Rt=4.60分
(調製18)
2,(2,3−ジクロロ−5−メトキシ−フェニル−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン
Figure 2009514937
1−ブロモ−2,3−ジクロロ−5−メトキシベンゼン(調製17、1.3g、5.1mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.4g、5.6mmol)、酢酸カリウム(1.5g、15mmol)、および1,1’−[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.37g、0.51mmol)を合わせ、密封容器において83℃で5時間、ジメチルスルホキシド(10ml)中で攪拌した。その後、混合物を氷上に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を乾燥し、蒸発させた。残留物をn−ヘプタン中で攪拌し、濾過し、蒸発させた。この反応を3回行い、粗材料を合わせ、n−ヘプタン:酢酸エチル9:1で溶出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色の油として生成物を得た(3.1g)。
HNMR(CDCl):1.40(s,12H)、3.80(s,3H)、7.08(s,1H)、7.10(s,1H)。
GC−MS m/z 304[MH]、Rt=5.78分
(調製19)
1−ブロモ−2,5−ジクロロ−3−メトキシベンゼン
Figure 2009514937
1−ブロモ−2,5−ジクロロ−3−フルオロベンゼン(40g、0.16mol)およびナトリウムメトキシド(44.3g、0.82mol)を還流温度で16時間、メタノール(500ml)中で攪拌した。反応物を周囲温度に冷却し、その後、水(500ml)でクエンチした。混合物をジエチルエーテル(3×300ml)で抽出し、乾燥(NaSO)し、蒸発させて、白色固体として生成物を得た(40g)。
HNMR(CDCl):3.90(s,3H)、6.86(d,1H)、7.26(d,1H)。
MS m/z 256[MH]
GC−MS m/z 256[MH]、Rt=4.58分
(調製20)
2−(2,5−ジクロロ−3−メトキシ−フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン
Figure 2009514937
1−ブロモ−2,5−ジクロロ−3−メトキシベンゼン(調製19、10g、39mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(10.9g、43mmol)、酢酸カリウム(11.5g、117mmol)、および1,1’−[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(2.8g、4.0mmol)を合わせ、ジメチルスルホキシド(100ml)中で攪拌した。反応フラスコを5分間窒素パージした後、80℃に16時間加熱した。混合物を冷却し、ジメチルスルホキシドを真空下で除去した。残留物を水(500ml)とジクロロメタン(3×200ml)に分配した。有機層をブライン(300ml)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、蒸発させて、黒色の油を得た。残留物をジエチルエーテル(200ml)に溶解し、シリカのプラグで濾過し、緑色の油を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い、ヘプタン:ジエチルエーテル7:1で溶出してこれを精製し、白色固体として表題生成物5.6gを得た。
HNMR(CDCl):1.40(s,12H)、3.89(s,1H)、6.98(s,1H)、7.20(s,1H)。
GC−MS m/z 304[MH]、Rt=5.75分
(調製21)
3−ブロモ−5−クロロ−ベンゼン−1,2−ジオール
Figure 2009514937
3−ブロモ−5−クロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(49.5g、0.21mol)の0.5N NaOH水溶液(500ml、0.25mol)攪拌懸濁液に、40℃で15分かけて過酸化水素(35%水溶液21.4g、0.22mol)を滴加し、得られた混合物を16時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、1N NaOH水溶液(200ml)で希釈し、ジエチルエーテル(3×300ml)で洗浄した。水層を濃HClでpH2に酸性化し、EtO(3×200ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄、乾燥(NaSO)し、濾過し、真空下で濃縮して、赤色/褐色の固体として所望の生成物を得た(46.0g、99%)。
HNMR(CDCl):5.40(s,1H)、5.55(br s,1H)、6.88(d,1H)、7.05(d,1H)。
MS m/z 224[MH]
MP 71〜73℃
(調製22)
5−ブロモ−7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン
Figure 2009514937
1,2−ジブロモエタン(1.44ml、16mmol)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(96mg、2.5mol%)の水(8ml)溶液に窒素下、還流で、3−ブロモ−5−クロロ−ベンゼン−1,2−ジオール(調製21、2.68g、12mmol)とNaOH(1.06g、26.2mmol)の水(10ml)中混合物を4時間かけて添加し、得られた混合物を一晩攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(100ml)で希釈した。混合物をEtO(3×100ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ペンタン:ジクロロメタン9:1)で精製して、黄色の油として所望の生成物を得たが(1.78g、60%)、これは静置によって黄色の固体に結晶化した。
HNMR(CDCl):4.27(t,2H)、4.35(t,2H)、6.86(d,1H)、7.10(d,1H)。
MP 56.5〜58.0℃
(調製23)
(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ボロン酸
Figure 2009514937
5−ブロモ−7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン(調製22、1.5g、6mmol)の乾燥EtO(45ml)攪拌溶液に窒素下、−70℃でn−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液2.63ml、6.6mmol)を添加し、得られた混合物を1時間攪拌した。次いで、ホウ酸トリメチル(0.92ml、8mmol)を添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。飽和NHCl水溶液(60ml)を添加し、水層をEtO(3×100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を真空下で濃縮した。残留物を1M NaOH水溶液に溶解し、EtO(100ml)で洗浄した。その後、水層を2N HCl水溶液で酸性化し(pH2)、ジエチルエーテル(3×100ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥(MgSO)し、濾過し、真空下で濃縮して、白色固体として所望の生成物を得た(1.12g、87%)。
HNMR(CDCl):4.30(t,2H)、4.37(t,2H)、5.62(2H,s)、6.99(d,1H)、7.37(d,1H)。
MP 125〜127℃
(調製24)
2−ブロモ−4,6−ジクロロフェノール
Figure 2009514937
2,4−ジクロロフェノール(4g、24.5mmol)および酢酸ナトリウム(2g、24.5mmol)の酢酸(40ml)溶液に臭素(1.3ml、24.5mmol)を添加し、反応物を室温で14時間攪拌した。反応物を氷600mlに注ぎ入れ、濾過した。生成物をジクロロメタン(200ml)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮して、黄色の固体として表題生成物5.5gを得た。
HNMR(CDCl):5.02(1H,s)、7.32(1H,d)、7.42(1H,d)
(調製25)
1−ブロモ−3,5−ジクロロ−2−メトキシベンゼン
Figure 2009514937
2−ブロモ−4,6−ジクロロフェノール(調製24、4.6g、19mmol)、炭酸カリウム(4.5g、32.3mmol)、およびヨウ化メチル(1.8ml、20.5mmol)をアセトン46ml中で合わせ、18時間加熱還流した。反応物を0℃に冷却し、1N HCl(水溶液)を添加してpH3とし、反応物を酢酸エチル50mlで抽出した。有機層をブライン(2×20ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、真空下で濃縮して、褐色の固体として表題化合物を得た(5.5g)。
HNMR(CDCl):3.88(3H,s)、7.35(1H,m)、7.47(1H,m)。
(調製26)
2−(3,5−ジクロロ−2−メトキシ−フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン
Figure 2009514937
ジエチルエーテル95ml中の1−ブロモ−3,5−ジクロロ−2−メトキシベンゼン(調製25、4.4g、17.5mmol)を窒素下、−78℃に冷却した。BuLi(10ml、35.16mmol)を滴加し、反応物を15分間攪拌した。2−メトキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(4.58g、29mmol)を添加し、反応物を−78℃で1時間攪拌した後、反応物を氷冷塩化アンモニウム(水溶液)50mlに注ぎ入れた。生成物をジエチルエーテル(3×30ml)で抽出し、合わせた有機層を水(50ml)およびブライン(2×25ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、真空下で濃縮して、黄色の油を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル9:1)を用いて精製し、黄色の油4.5gを得た。
HNMR(CDCl):1.36(12H,s)、3.04(3H,s)、7.45(1H,d)、7.55(1H,d)。
(調製27)
2,3−ジクロロ−6−メトキシベンズアルデヒド
Figure 2009514937
3,4−ジクロロアニソール(12.5g、70.6mmol)をテトラヒドロフラン(130ml)に溶解し、−76℃に冷却した。温度を−70℃未満に保ちながら、n−ブチルリチウム(2.5モルヘキサン溶液31ml、77.7mmol)を滴加した。その溶液を−70℃で30分間攪拌し、その後、ジメチルホルムアミド(6.0ml、77.7mmol)を滴加した。混合物を室温に温め、その後、氷(500ml)に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。エーテル抽出物をブラインで洗浄し、その後、無水NaSOで乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去して、粗生成物を得た。この材料を攪拌し、ヘキサン(100ml)およびジクロロメタン(5ml)中、還流温度の直下まで加熱し、その後冷却し、固体を濾別して、オフホワイト色の粉末として表題化合物を得た(10.0g)。
HNMR(CDCl):3.92(s,3H)、6.89(d,1H)、7.58(d,1H)、10.46(s,1H)
MS m/z 206[MH]-
CHN分析:計算値 C、46.86%、H、2.95%、実測値 C、47.01%、H、3.01%
(調製28)
エチル1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシラートおよびエチル1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシラート
Figure 2009514937
2−メトキシエチルヒドラジン塩酸塩(参照:J.Med.Chem.(1967)11(1)79〜83)(1.07g、8.5mmol)およびエチル−4−ジメチルアミノ−2−オキソ−ブタ−3−エノアート(1.5g、8.5mmol)をエタノール(10ml)に溶解し、60℃で7時間加熱した。溶媒を真空下で蒸発させ、残留物を酢酸エチル(80ml)と希薄炭酸ナトリウム溶液(40ml)に分配した。有機層を無水NaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去して褐色のゴムを得た。酢酸エチル中ヘプタン40%から20%を用いて、この材料をシリカゲル(30g)のクロマトグラフィーにかけた。より高く流動する生成物を集めて、流動性黄色油750mgとして、2−(2−メトキシエチル)−2H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステルを得た。より低く流動する生成物を集めて、黄色油360mgとして、1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステルを得た。
1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸のデータ
HNMR(CDCl):1.37(t,3H)、3.32(s,3H)、3.77(t,2H)、4.34(q,2H)、4.77(t,2H)、6.84(s,1H)、7.50(s,1H)
MS m/z 199[MH]
構造はgHMBC(異核多結合相関(Heteronuclear Multiple Bond Correlation))およびgHSQC(同核単一量子コヒーレンス(Homonuclear Single Quantum Coherence))NMR技法によって確認した。
1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸のデータ
HNMR(CDCl):1.32(t,3H)、3.25(s,3H)、3.68(t,2H)、4.29(t,2H)、4.33(q,2H)、6.72(s,1H)、7.44(s,1H)
MS m/z 199[MH]
(調製29)
1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸
Figure 2009514937
エチル1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシラート(調製28、710mg、3.6mmol)をエタノール(10ml)に溶解し、水酸化ナトリウム(160mg、4.0mmol)の水(5ml)溶液を添加し、その溶液を室温で2時間攪拌した。エタノールを真空下で除去し、残留物を2M HCl(約2ml)で酸性にし、ジクロロメタン(40ml)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、ジクロロメタンを真空下で除去して、淡黄色の泡状物590mgを得た。
HNMR(CDCl):3.28(s,3H)、3.75(t,2H)、4.73(t,2H)、6.91(d,1H)、7.51(d,1H)
MS m/z 171[MH]
(調製30)
1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
Figure 2009514937
エチル1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシラート(調製28、360mg、1.8mmol)をエタノール(6ml)に溶解し、水酸化ナトリウム(90mg、2.3mmol)の水(3ml)溶液を添加し、その溶液を室温で3時間攪拌した。エタノールを真空下で除去し、残留物を2M HCl(約1.5ml)で酸性にし、水溶液を真空下で蒸発乾固して、残留物をジクロロメタン(15ml)とメタノール3滴の混合物で抽出した。混合物を濾過して無機物を除去し、溶媒を真空下で除去して、黄色の油310mgを得たが、これは静置により結晶化した。
HNMR(CDCl):3.33(s,3H)、3.78(t,2H)、4.40(t,2H)、6.86(d,1H)、7.54(d,1H)
MS m/z 171[MH]
式(I)のピラジン誘導体がNav1.8チャネルを阻害する能力は、下記のアッセイを用いて測定することができる。
Nav1.8化合物のVIPRアッセイ
このスクリーニングは、Auroraの蛍光電位/イオンプローブリーダー(VIPR)の技術を利用して、ヒトNav1.8(HEK293)発現細胞系におけるテトロドトキシン耐性(TTX−R)ナトリウムチャネルに対する化合物の影響を求めるために用いられる。この実験はFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)に基づくものであり、2種の蛍光分子を用いる。第1の分子、オキソノール(DiSBAC(3))は、膜貫通電位を「感知する」高蛍光負電荷疎水性イオンである。これは膜電位の変化に反応して、原形質膜の反対側にある2つの結合部位間に迅速に再分布できる。電位依存性再分布は、原形質膜の片面に特異的に結合し、可動電位感知イオンのFRET相手として機能する第2蛍光分子(クマリン(CC2−DMPE))を介して、レシオメトリック蛍光読み取り値に変換される。アッセイを可能にするために、チャネルは薬理的に開口状態で保持されなければならない。これは細胞をデルタメトリン(Nav1.8の場合)またはベラトリジン(TTX−Sチャネルに関するSHSY−5Yアッセイの場合)で処理することによって達成される。
細胞維持
ヒトNav1.8細胞を、5%CO2加湿インキュベータ中、T225フラスコで約70%コンフルエンスに増殖させる。培地組成は、DMEM/F−12、10% FCS、および300μg/mlジェネティシンからなる。それらの細胞は、日程計画の必要性に応じて、細胞解離液1:5から1:20を用いて分割し、次の分割の前に3〜4日間増殖させる。
プロトコル
第1日
以下のとおり、実験前にHEK−Nav1.8細胞(ウェル当たり100μl)をポリ−D−リシン被覆プレートにプレートアウトする。24時間@3.5×10細胞/ウェル(3.5×10細胞/ml)またはSelectの技法を用いる。
第2日:VIPRアッセイ
1.実験前に室温で2時間、または37℃で30分間、緩衝液を平衡させる。
2.クマリン染料を調製し(下記参照)、暗所で保存する。Na+不含緩衝液を含有するプレートウォッシャーでプライムし、細胞を2回洗浄する。注記:プレートウォッシャーはウェル当たり〜30μlの残留緩衝液を堆積させる。クマリン(CC2−DMPE)溶液(下記参照)100μLを細胞に加え、明るい光を避けて室温で45分間インキュベートする。
3.オキソノール(DiSBAC(3))染料を調製する(下記参照)。
4.Na+不含緩衝液中で洗浄することによって、細胞からクマリン溶液を吸引除去する。
5.化合物30μl、次いでオキソノール溶液30μlを細胞に加え、暗所において室温で45分間インキュベートする(ウェル総容量〜90μl)。
6.ひとたびインキュベーションが完了したら、細胞はナトリウム付加膜電位に関してVIPRを用いてアッセイを行う準備が整う。
データは、460nmおよび580nmチャネルで測定した強度の正規化比として分析し、報告した。これらの比の算出処理は、以下のように実行した。追加のプレートは細胞プレートで用いたものと同じDisBAC2(3)濃度でコントロール溶液を含有したが、バックグラウンドプレートに細胞は含まれなかった。各波長の強度値を、サンプル点5〜7(初期)および44〜49(最終)に関して平均した。これらの平均を、全アッセイウェルにおいて同じ期間にわたって平均した強度値から減じた。サンプル3〜8から得た初期比(Ri)、およびサンプル45〜50から得た最終比(Rf)は、以下のように定義される。
Ri=(強度460nm、サンプル3〜5−バックグラウンド460nm、サンプル3〜5)/(強度580nm、サンプル3〜5−バックグラウンド580nm、サンプル3〜5)
Rf=(強度460nm、サンプル25〜30−バックグラウンド460nm、サンプル25〜30)/(強度580nm、サンプル25〜30−バックグラウンド580nm、サンプル25〜30)
最終データは各ウェルの出発比に対して正規化し、Rf/Riとして報告する。この分析は、VIPR生成データ用に設計されたコンピュータ化特定プログラムを用いて実行する。Rf/Ri比の値は、Excel Labstats(曲線適合)を用いてプロットするか、またはECADAによって分析して、各化合物のIC50値を求める。
Na+−付加緩衝液pH7.4(5M NaOHで調整)−10×ストック
Figure 2009514937
Na+−不含緩衝液pH7.4(5M KOHで調整)−10×ストック
Figure 2009514937
1×Na+不含緩衝液:−400ml 10× + 3600ml dH2O
2×Na+不含緩衝液:−100ml 10× + 400ml dH2O
1×Na+付加緩衝液:−50ml 10×Na+付加 + 450ml dH2O
クマリン(CC2−DMPE):2プレート:−
最初に管でクマリン(1mM)220μl+プルロニック(20%)22μl+1×Na+−不含緩衝液22mlを混合し、静かにボルテックスする。
Figure 2009514937
オキソノール(DiSBAC(3)):2プレート:−
オキソノール(5mM)48μl+タートラジン(200mM)120μl ボルテックス
2×Na+−不含緩衝液8.0ml ボルテックス
デルタメトリン(Deltametherin)(5mM)1.6μl ボルテックス
Figure 2009514937
TTX−Sアッセイ
TTX−Sアッセイは、Nav1.2、Nav1.3、およびNav1.7を含むいくつかのテトロドトキシン感受性電位依存性ナトリウムチャネルを構成的に発現するSHSY−5Y細胞系で行う。Nav1.8アッセイに関して上に詳述した手順に従ったが、ただし最終アッセイ濃度50μMで、ナトリウムチャネルの開口剤として、このアッセイではデルタメトリンの代わりにベラトリジンを用いた。
試験化合物の溶液を得るために自動溶解手順を用いて、実施例の化合物を上記のアッセイで試験した。
Figure 2009514937
Figure 2009514937
Figure 2009514937
1つの試験化合物に対して複数組のデータが得られる反復実験が行われた場合、示したデータはすべての反復実験の平均値を表す。
実施例のいくつかの化合物は、試験化合物の溶液を得るために手動溶解手順に従った上記のアッセイでも試験を行った。そのようにして得られたデータを下に示す。
Figure 2009514937
1つの試験化合物に対して複数組のデータが得られる反復実験が行われた場合、示したデータはすべての反復実験の平均値を表す。

Claims (18)

  1. Figure 2009514937
    式中、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキル、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ−((C〜C)アルキル)アミノ、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、およびジ−((C〜C)アルキル)アミノ(C〜C)アルキルからそれぞれ独立して選択された1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい、(a)1から4個の窒素原子、または(b)1個の酸素もしくは1個の硫黄原子、および0、1、もしくは2個の窒素原子を含む、5員ヘテロアリール基であり、ただしRは、イミダゾリル、オキサゾリル、および1,2,4−トリアゾリルではなく、
    Arは、
    Figure 2009514937
    であり、
    式中、→は、ピラジン環に結合する位置を示し、
    各Rは独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルコキシ、シアノ、およびハロから選択される式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  2. Arが、
    Figure 2009514937
    である、請求項1に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  3. 各Rが独立して、水素、メトキシ、エトキシ、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、クロロ、およびフルオロから選択される、請求項1または2に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  4. 各Rが独立して、水素、メトキシ、シアノ、トリフルオロメチル、クロロ、およびフルオロから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  5. Arが、2−クロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロ−3−メトキシフェニル、2,3,5−トリクロロフェニル、2−クロロ−5−メトキシフェニル、2,3−ジクロロ−5−メトキシフェニル、または2−クロロ−5−シアノフェニルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  6. が、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルでそれぞれ置換されていてもよいピラゾリルまたはイソオキサゾリルである、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  7. が、メチル、エチル、およびイソプロピルから独立して選択された1、2、または3個の置換基でそれぞれ置換されているピラゾリルまたはイソオキサゾリルである、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  8. が、3−メチルイソオキサゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル、5−イソプロピルイソオキサゾール−4−イル、5−メチルイソオキサゾール−4−イル、または3−エチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  9. N−[6−アミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)ピラジン−2−イル]−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−[6−アミノ−5−(2,5−ジクロロフェニル)ピラジン−2−イル]−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−[6−アミノ−5−(2,5−ジクロロ−3−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−[6−アミノ−5−(2,3−ジクロロ−5−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
    N−[6−アミノ−5−(2−クロロフェニル)ピラジン−2−イル]−5−イソプロピルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−[6−アミノ−5−(2−クロロフェニル)ピラジン−2−イル]−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−[6−アミノ−5−(2,3,5−トリクロロフェニル)ピラジン−2−イル]−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−[6−アミノ−5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−[6−アミノ−5−(2−クロロ−5−シアノフェニル)ピラジン−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
    N−[6−アミノ−5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−3−エチル−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    N−[6−アミノ−5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
    N−[6−アミノ−5−(2,5−ジクロロフェニル)ピラジン−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;および
    N−[6−アミノ−5−(2−クロロ−5−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル]−5−イソプロピルイソオキサゾール−4−カルボキサミド;
    から選択された、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  10. 1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤と共に、請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物。
  11. 薬剤として用いるための、請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  12. NaV1.8チャネルモジュレーターが適応される疾患または状態を治療する薬剤を製造するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物の使用。
  13. 疾患または状態が疼痛である、請求項12に記載の使用。
  14. ヒトを含む哺乳動物において、NaV1.8チャネルモジュレーターが適応される疾患または状態を治療する方法であって、そのような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の請求項1から9のいずれか一項および10にそれぞれ記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物、もしくは組成物を投与することを含む方法。
  15. 疾患または状態が疼痛である、請求項14に記載の方法。
  16. NaV1.8チャネルモジュレーターが適応される疾患または状態の治療に用いるための、請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  17. 疼痛の治療に用いるための、請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  18. 請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物と別の薬理活性剤との組合せ。
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