JP2009514037A - 高コントラスト用途のための光学要素 - Google Patents
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Abstract
本願は、高コントラストが望ましい用途に使用するための光学要素を開示する。この光学要素は、入射光の設計波長における複数の反射帯域を有する多層光学フィルムを備え、反射帯域のうちの少なくとも1つは狭い反射帯域であり、各反射帯域は設計入射角における公称スペクトル位置を有し、各反射帯域は設計角度以外の角度で入射した光に対して色シフト反射帯域にシフトする。この光学要素は又、色シフト反射帯域のうちの少なくとも1つを吸収するための波長選択性吸収体を備えている。
Description
本願は、高コントラスト用途において反射部材として使用するための光学要素に関する。
様々な前面投影型スクリーンが知られている。現行の前面投影型スクリーンは、高度な周辺光条件においては十分に機能していない。例えば、投影システムを通常の会議室で使用するには、ユーザーは、投影画像をスクリーン上に見るために室内の周辺光の量を減じる必要がある。室内の周辺光を減じることは、コントラストを改善するための技法の1つである。前面投影型スクリーンにおけるコントラストを改善するための他の技法には、偏光したプロジェクタ光源(例えば米国特許第6,381,068号(ハラダ(Harada)ら)を使用すること及び、光を主要波長で優先的に反射、透過、又は散乱させること(例えば米国特許第6,529,332(ジョーンズ(Jones)ら)、第6,836,361号(ホウ(Hou))、第6,847,483号(リッペー(Lippey)ら)、及び米国特許第7,054,063号(シモダ(Shimoda)))が挙げられる。
本願は、高コントラストが望ましい投影スクリーン及び他の用途において使用するための光学要素を開示する。一態様において、この光学要素は、入射光の設計波長における複数の反射帯域を有する多層光学フィルムを備え、反射帯域のうちの少なくとも1つは狭い反射帯域であり、各反射帯域は設計入射角において公称スペクトル位置を有し、各反射帯域は設計角度以外の角度で入射した光に対して色シフト反射帯域にシフトする。この光学要素は又、色シフト反射帯域のうちの少なくとも1つにおける光を吸収するための波長選択性吸収体を備えている。
別の態様において、この光学要素は、2つの干渉スタック反射体を備える多層光学フィルムを備えており、その多層光学フィルムは、第1の入射角の光に関する少なくとも2つの狭い反射帯域を有している。この多層光学フィルムは又、第2の入射角の光に関する少なくとも2つの色シフト反射帯域と、2つの干渉スタック反射体の間に設けられた波長選択性吸収(WSA)層とを有することができる。WSA層は、色シフト反射帯域のうちの少なくとも1つを隠すように選択された吸収端を有することができる。
別の態様において、この光学要素は、青色光反射用の干渉スタックと、青色光反射用の干渉スタックの後方に設けられた緑色用のWSAと、緑色端用の吸収体の後方に設けられた緑色光反射用の干渉スタックと、緑色光反射用の干渉スタックの後方に設けられた赤色用のWSAと、赤色用のWSAの後方に設けられた赤色光反射用の干渉スタックとを備えている。
上記の本発明の概要は、本発明の開示した実施形態のそれぞれ又は全ての実現形態を説明することを意図したものではない。本願のこれらの態様及び他の態様は、以下の詳細な説明から明らかとなろう。上記の要約は、請求する主題を限定するものとして決してみなされるべきではない。請求する主題は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義され、その特許請求の範囲は手続処理の間に補正されうる。
本発明は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を鑑みて、より完全に理解されうる。添付の図面において、同様の参照番号は同様の要素を示す。添付の図面は、説明のための例とすることを意図したものであり、限定することを意図したものではない。
本願は、コントラスト比の増加が望まれる用途において反射部材として使用するための光学要素を開示する。例えば、この光学要素は、高コントラストの前面投影型スクリーン、ディスプレイ、及び保全の用途において使用することができる。高コントラストは、投影光を反射させる一方で周辺光を実質的に吸収することによって達成される。光学要素の反射スペクトルは、プロジェクタの光源のスペクトルに波長整合させることができる。開示する光学要素は、選択した波長及び選択した入射角のみを有する光(投影光)を反射させる一方で、他の波長及び角度を有する光(周辺光)を実質的に吸収するように設計されている。
本願で開示する光学要素は、電磁スペクトルのうちの特定の狭い目標部分を選択的に反射させるように設計された多層光学フィルム(MOF)を備えている。多層光学フィルムは、スペクトルのうちの選択した波長のみを反射させる一方で、他の波長を透過させるように設計することができる。多数の用途(例えば投影スクリーン及び他のディスプレイシステム)の場合、反射させるべく選択された波長はスペクトルの可視領域にある。しかしながら、光学要素は、限定はしないが赤外線(IR)波長及び紫外線(UV)波長を含む他の選択した波長を反射させるように設計することができる。好適な多層光学フィルムの例には、無機の多層光学フィルム、共押出しした高分子多層光学フィルム、及び多ピッチのコレステリック液晶が挙げられる。
多層光学フィルムは、偏光子又はミラーの形で設計することができる干渉式フィルムである。高分子の又はコレステリックの多層光学フィルムは反射型偏光子、又はミラーとして設計することができる。無機の多層光学フィルムはミラーとして設計することができる。本明細書で述べるように、MOF反射型偏光子は、ある偏光を有する光を実質的に反射させる一方で、他の偏光を実質的に透過させる。コレステリック反射型偏光子は、円偏光した光のうちの選定された成分(左右像)を反射させる。共押出しした高分子反射型偏光子は、直線偏光を反射させる。MOFミラーは、双方の偏光を実質的に反射させる。
多層光学フィルム、即ち、屈折率の異なるミクロ層を配列することによって望ましい透過特性及び/又は反射特性を少なくとも部分的にもたらすフィルムが知られている。一連の無機材料を真空槽内で基材上の光学的に薄い層(「ミクロ層」)に堆積させることによって、そのような多層光学フィルムを製作することが知られている。無機の多層光学フィルムは、例えば、H.A.マクラウド(H.A. Macleod)著、「薄膜光学フィルター第2版(Thin-Film Optical Filters, 2nd Ed.)」、マクミラン出版社(Macmillan Publishing Co.)(1986年)、及び、A.セラン(A. Thelan)著、「光学干渉フィルタの設計(Design of Optical Interference Filters)」、マグローヒル社(McGraw-Hill, Inc.)(1989年)に記載されている。
更に最近では、交互に並ぶ高分子層を共押出しすることによる多層光学フィルムが検証されている(例えば米国特許第3,610,729号(ロジャース(Rogers))、第4,446,305号(ロジャース(Rogers)ら)、第4,540,623号(イン(Im)ら)、第5,448,404号(シュレンク(Schrenk)ら)、及び第5,882,774号(ジョンザ(Jonza)ら)を参照)。これらの共押出しした高分子多層光学フィルムでは、高分子材料は、個々の層の組織において優勢的に又は独占的に使用されている。そのようなフィルムは、大量製造プロセスに適合しており、大型のシート及びロール品で製作することができる。
光学フィルタにおいて使用するための共押出しした高分子多層光学フィルムは、例えば、米国特許第5,882,774号(ジョンザ(Jonza)ら)、並びに、PCT公報WO95/17691、WO95/17692,WO95/17699、及びWO99/36262に記載されている。ある商業的に入手可能な形式の多層反射型偏光子が、ミネソタ州セントポール(St. Paul)のスリーエム社(3M)によってDBEF(Dual Brightness Enhanced Film)として市販されている。高分子多層光学フィルムは一般に、異なる屈折率を有する高分子材料の交互層を使用して形成される。通常、いかなる高分子であっても、その高分子が透過の波長領域にわたって比較的透明である限り使用することができる。偏光の用途に対しては、第1の光学層、第2の光学層、又は双方が複屈折性であるか、又は複屈折性にされうる高分子を使用して形成される。又、複屈折性の高分子は、偏光でない用途においても使用することができる。
コレステリック液晶光学フィルムが、例えば、米国特許第5,793,456号、米国特許第5,506,704号、米国特許第5,691,789号、及び欧州特許出願公報第EP940705号に記載されている。あるコレステリック反射型偏光子が、商標名TRANSMAX(商標)としてメルク社(Merck Co.)によって市販されている。コレステリック液晶光学フィルムは、光波長の特定の帯域幅にわたって、ある円偏光を有する光(例えば左円偏光又は右円偏光した光)を実質的に反射させ、他の円偏光を有する光(例えば右円偏光又は左円偏光した光)を実質的に透過させる。この特性は、コレステリック液晶材料のダイレクタに垂直入射で向けられた光の反射性又は透過性を表すものである。他の角度で向けられた光は通常、コレステリック液晶材料によって楕円偏光される。コレステリック材料は、限定はしないがモノマー及びポリマーを含めた任意の既知の材料で構成することができる。
コレステリック液晶光学フィルムのピッチは、そのコレステリック液晶によって反射された光の中心波長及びスペクトル帯域幅を決定する上での重要な要素である。これらの光学フィルムに対するピッチは、無機の高分子多層光学フィルム及び共押出しした高分子多層光学フィルムの層の厚さと類似している。多ピッチの繰返し単位をある範囲の値にわたって使用すると、通常、光学フィルムの帯域幅が増加する。多ピッチ単位を有する(例えば帯域幅を増加させるため)コレステリック液晶光学フィルムは、例えば、異なる材料又は同じ材料の異なる組み合わせを使用して作られたコレステリック液晶光学フィルムを積み重ねることによって形成することができる。別の方法は、1つ以上の層のそれぞれを通じてピッチを変化させることによって光学フィルムを形成することである。異なる値のピッチは、異なる波長の光を反射させる、異なる光学層として機能する。
加えて、それぞれが特定のピッチ値を有するピッチ単位の数は、無機の高分子多層光学フィルム及び共押出しした高分子多層光学フィルムにおける繰返し単位の数と類似している。通常、コレステリック液晶MOFにおいて、繰り返されるピッチ単位の数が多いほど、反射性が高くなる。
本明細書で使用するとき、「フィルム」とは、伸長した光学体であって、その厚さが一般に横方向寸法よりもはるかに薄いものを指す。場合によっては、硬質の基材、又は好適な反射特性若しくは透過特性を有する別のフィルムなどの別の光学体に、フィルムを取り付けたり貼り付けたりすることができる。又、フィルムは、自立するか、又は他の柔軟な層(1つ若しくは複数)に取り付けられるかにかかわらず、物理的に柔軟な形にすることができる。
多層光学フィルムは通常、1つ以上の干渉スタックを備えている。各干渉スタックは、異なる屈折率特性を有する個々のミクロ層の可干渉性の群配置を備えており、従って、一部の光は、隣接するミクロ層間の境界面で反射される。干渉スタックに所望の反射特性又は透過特性を与えるために、ミクロ層は十分に薄いものとなっており、従って、複数の境界面で反射された光は、強め合う又は弱め合う干渉を受ける。紫外線、可視線、又は近赤外線の波長にある光を反射させるように設計された干渉スタックの場合、各ミクロ層は一般に、約1μm未満の光学的厚さ(物理的厚さに屈折率を掛けたもの)を有している。この用途において、光を反射させるように設計された干渉スタックは、干渉スタック反射体と呼ばれる。干渉スタック反射体の外面の表面薄層、又はミクロ層の可干渉性の群配置を分離する干渉スタック同士の間に設けられた保護境界層など、より薄い層も又、この設計に含めることができる。又、多層光学フィルムは、積層体内の2枚以上の干渉スタック反射体シートを結合するための、1枚以上の薄い接着層を備えることもできる。
簡潔な実施形態において、ミクロ層は、1/4波長スタックに対応する厚さを有することができ、即ち、光学的厚さが等しい2枚の隣接するミクロ層(f比=50%)からそれぞれ本質的に構成される光学的な繰返し単位又は単位セルで配置され、そのような光学的な繰返し単位は、波長λが光学的な繰返し単位の全体的な光学的厚さの2倍である、強め合う干渉光で、効果的に反射する。フィルムの厚さ方向の軸(例えばz軸)に沿った厚さ勾配を使用すると、反射帯域を拡大することができる。又、米国特許第6,157,490号(ホイートリー(Wheatley)ら)で論じられているように、そのような帯域端をとがらせるように調整された厚さ勾配を使用することもできる。共押出しした高分子多層光学フィルムの場合、反射帯域は、とがらせた帯域端並びに「平頂な」反射帯域を有するように設計することができる。又、f比が50%とは異なる2枚のミクロ層の光学的な繰返し単位を有する多層光学フィルム、又は光学的な繰返し単位が2枚を超えるミクロ層から本質的になるフィルムなど、他の層構成も企図される。これらの別の光学的な繰返し単位の設計は、特定の高次反射を増加又は減少させるように設計することができる。例えば、米国特許第5,360,659号(アーレンズ(Arends)ら)及び第5,103,337号(シュレンク(Schrenk)ら)を参照されたい。
多層光学フィルムは、反射帯域として知られる少なくとも1つのスペクトル帯域にわたって一方の又は双方の偏光を反射させるように設計することができる。このフィルムは又、反射帯域(1つ又は複数)の片側又は両側で鋭い帯域端を呈し、それによって高度な彩度を与えるように調整することもできる。多層光学フィルム内の干渉スタックの層の厚さ及び屈折率は、少なくとも1つの特定の波長の偏光を(特定の入射角で)反射させる一方で、他の波長に対しては実質的に透過性となるように制御することができる。これらの層の厚さ及び屈折率を種々のフィルム軸に沿って綿密に操作することによって、多層光学フィルムは、スペクトルの1つ以上の領域にわたってミラー又は反射型偏光子として作用するように製作することができる。従って、例えば、多層光学フィルムは、スペクトルの可視領域にある双方の偏光を反射させるよう波長整合する一方で、スペクトルの他の部分にわたっては透過性となるように調整し、それによって投影スクリーンにおいて使用するのに特に好適なものにすることができる。
共押出しした高分子多層光学フィルムの製作に使用しうる例示的な材料は、米国特許第6,827,886号(ニービン(Neavin)ら)に見出すことができる。適切な屈折率の差異と適切な層間接着の双方をもたらす例示的な2つの高分子の組み合わせとして、(1)主に一軸延伸を用いたプロセスを使用して作製される偏光多層光学フィルムには、PEN/coPEN、PET/coPET、PEN/sPS、PET/sPS、PEN/Eastar(商標)及びPET/Eastar(商標)(ここで、「PEN」はポリエチレンナフタレートを指し、「coPEN」はナフタレンジカルボン酸をベースとしたコポリマー又は配合物を指し、「PET」はポリエチレンテレフタレートを指し、「coPET」はテレフタル酸をベースとしたコポリマー又は配合物を指し、「sPS」はシンジオタクチックポリスチレン及びその誘導体を指し、Eastar(商標)はイーストマンケミカル社(Eastman Chemical Co.)から商業的に入手可能なポリエステル又はコポリエステル(シクロヘキサンジメチレンジオール単位及びテレフタレート単位を備えると考えられている)である)、(2)二軸延伸プロセスのプロセス条件を操作することによって作製される偏光多層光学フィルムには、PEN/coPEN、PEN/PET、PEN/PBT、PEN/PETG及びPEN/PETcoPBT(ここで、「PBT」はポリブチレンテレフタレートを指し、「PETG」は第2のグリコールを利用したPETのコポリマー(通常はシクロヘキサンジメタノール)を指し、「PETcoPBT」は、エチレングリコールと1,4−ブタンジオールの混合物を有するテレフタル酸又はそのエステルのコポリマーを指す)、(3)ミラーフィルム(着色ミラーフィルムを含む)には、PEN/PMMA、coPEN/PMMA、PET/PMMA、PEN/Ecdel(商標)、PET/Ecdel(商標)、PEN/sPS、PET/sPS、PEN/coPET、PEN/PETG、及びPEN/THV(商標)(ここで、「PMMA」はポリメチルメタクリレートを指し、Ecdel(商標)は、イーストマンケミカル社(Eastman Chemical Co.)から商業的に入手可能なコポリエステルエーテルエラストマーであり、THV(商標)はスリーエムカンパニー社(3M Company)から商業的に入手可能なフルオロポリマーである)が挙げられる。
好適な多層光学フィルム並びに関連する設計及び構造の更なる詳細は、米国特許第5,882,774号(ジョンザ(Jonza)ら)、第6,531,230号(ウェーバー(Weber)ら)、PCT公報WO99/39224(アウダーカーク(Ouderkirk)ら)、及び「多層高分子ミラーの巨大複屈折光学(Giant Birefringent Optics in Multilayer Polymer Mirrors)」、サイエンス誌(Science)、287巻(Vol. 287)、2000年3月(ウェーバー(Weber)ら)に見出すことができる。多層光学フィルム及びフィルム体は、光学特性、機械特性、及び/又は化学特性のために選択された付加的な層及びコーティングを備えることができる。例えば、そのような光学要素を有する投影スクリーンの部材を紫外線によって生じる劣化から保護するために、紫外線吸収層を光学要素の入射側に追加することができる。又、付加的な層及びコーティングには、耐擦傷性層、耐裂性層、及び硬化剤を挙げることができる。例えば、米国特許第6,368,699号(ギルバート(Gilbert)ら)を参照されたい。
可視光の1つ以上の狭い帯域を反射させるように設計された多層光学フィルムは通常、他の可視波長の大部分を透過させる。そのようなフィルムの吸収性は通常、無視できるほど十分に低く、従って、概して、反射された光の量(R)と透過された光の量(T)の合計は入射光の総量に等しい。
この用途の状況において、反射帯域は、低反射性(高透過性)のスペクトル領域によって境界を画された高反射性のスペクトル領域である。それにもかかわらず、所与のMOFの透過帯域においても、少量の反射が生じうる。反射帯域は、一つの中心波長及び幅を有することによって特徴付けることができる。中心波長は、反射帯域の中心における波長であり、この波長は多くの場合(必然的ではないが)、反射帯域がピーク反射値を有する波長に近いものである。反射帯域の幅は半値全幅(FWHM)として表現することができ、この半値全幅は、最大反射値の50パーセントをとる、帯域内の2つの波長の間のnm単位の距離である。
本明細書で使用する多層光学フィルムは通常、複数の反射帯域を有しており、それらの反射帯域のうちの少なくとも1つは幅が好ましくは50nm未満の狭い反射帯域である。この狭い反射帯域の波長位置を好適な光源と共に使用した場合、高輝度でかつ忠実な色で投影画像の反射をもたらすことができる。多層光学フィルムは、前面投影型スクリーン又は他の高コントラストの用途において光学要素の反射部材として機能する。複数の反射帯域を含み、それらの反射帯域が、設計角度で入射する光の選択した可視波長にわたって延びる多層光学フィルムは、投影した光の目標部分を反射させるために使用することができる。
図1は、3つの別個の干渉スタック反射体(110、112、及び114)を有する例示的な多層光学フィルム100を示す。各干渉スタック反射体は、交互に並ぶ高分子のミクロ層、無機のミクロ層、又は多ピッチのコレステリック液晶の光学的な繰返し単位を備えている。図1aは、交互に並ぶ層A及びB(それぞれ16及び17)を有する干渉スタック反射体の一例を示す。ミクロ層の各繰返し群は、この場合AB、光学的な繰返し単位18を形成している。又、当該技術分野において既知の光学的な繰返し単位を有するものを含め、他の干渉スタック設計も企図される。例えば、2枚を超えるミクロ層を有する光学的な繰返し単位(例えばABC、CACDBD、7A1B1A7B1A1B)も又企図される。
図1に示すように設計した一実施形態において、3つの干渉スタック反射体(110、112、及び114)は、それぞれ青色光、緑色光、及び赤色光を反射させるように選定されている。反射された三原色を混合して、事実上全ての色をディスプレイ上で達成することができる。図1において、青色光を反射させるように設計された第1の干渉スタック反射体110は、多層光学フィルム100の入射側102に最も接近して示されている。入射光は、プロジェクタの光20と周辺光50とを含んでいる。緑色光を反射させるように設計された第2の干渉スタック反射体112は、多層光学フィルムの入射側102から見て青色光反射用の干渉スタック反射体110の後方に設けられている。赤色光を反射させるように設計された第3の干渉スタック反射体114は、緑色光反射用の干渉スタック112の後方に設けられている。
図2は、図1に示す共押出しした高分子多層光学フィルムの反射スペクトル200aを示す。反射スペクトル200aは、3つの狭い反射帯域(210、212、及び214)は、1つはスペクトルの青色(210)領域、1つはスペクトルの緑色(212)領域、1つはスペクトルの赤色(214)領域にあり、並びにそれらの反射帯域の間の介在する透過帯域を有している。反射帯域の各々は、幅が約30nmである。
多層光学フィルムの特性の1つは、反射帯域が入射角と共にシフトすることである。垂直な又は略垂直な角度で入射する光に対しては、反射帯域は、一組の波長領域に位置している。斜角で入射する光に対しては、これらの反射帯域は、より短い波長にシフトする。例えば、垂直入射において緑色波長の反射帯域を有するように設計された多層光学フィルムでは、その緑色用の反射帯域は、入射光の角度が増加すると、青色波長に向かってシフトする。図2では、垂直入射において、赤色用の反射帯域214が、640nmと670nmの間の波長を反射させている。40°で入射する光に対しては、この赤色用の反射帯域は、曲線200bで示すように、585nm〜615nmにシフトする。多層光学フィルムの色シフト性が、米国特許第6,531,230号(ウェーバー(Weber)ら)に詳細に記載されている。
図3は、プロジェクタ光源30を備える実施形態を示し、このプロジェクタ光源30は、スクリーン10に設計角度θで入射する光20を発している。スクリーン10は、反射部材を備える光学要素を有している。投影光20は、15°の半頂角を有する角度範囲25内で入射している。この範囲内の角度は、通常略垂直と呼ばれ、垂直即ち0°で入射する光を含む。円錐の中心の角度は、設計角度θ(図示の実施形態では0°)である。光学要素によって反射される特定の波長範囲は、プロジェクタ光源30の発光波長に波長整合されることができる。典型的なプロジェクタ光源は、キノセン又は水銀含有ガスを充填した超高圧ショートアークランプと、VCSEL、ファイバレーザー、端面発光レーザー、固体直接波長発生レーザー(solid state direct wavelength generation lasers)、非線形光学波長発生レーザー(non-linear optic wavelength generation lasers)を含むレーザー源と、ダイオード励起光学ガラスと、Nd:YAG及びYLFを含む結晶とを備えている。又、LED光源をプロジェクタ光源として使用することもできる。例えば、赤色、緑色、及び青色LEDを有するプロジェクタ光源を使用することができる。多くの場合、プロジェクタ光源は、画像生成プロセスにおいて、吸収又は反射ダイクロイック素子によってフィルタリングされ、更にプロジェクタの光スペクトルは、投影画像の必要なスペクトル分に最良に適合するように微調整される。
次いで、投影スクリーン内の光学要素の反射帯域を、以下で説明するように、投影光スペクトルの対応する高出力ピークの中心にその反射帯域が位置するように選択することができる。いくつかの実施形態において、投影光のピークは、光学要素の反射ピークに部分的にのみ重なりうる。
プロジェクタの光は、偏光されていても偏光されていなくてもよい。反射型偏光子多層光学フィルムを備える光学要素の場合、偏光光源を使用することができる。光学要素は、ある偏光状態(直線偏光又は円偏光)においては反射性となり、他の偏光状態に対しては(可視帯域全体にわたって)高度に透過性となるように構成することができる。このことは、プロジェクタ光源が、直線偏光又は円偏光した光を出力し、プロジェクタの偏光作用とスクリーンの反射偏光作用の向きが揃う場合に有利となりうる。共押出しした高分子反射型偏光子MOFを使用した光学要素の例については、実施例2で述べる。
図1に示すように構成された多層光学フィルムは、投影光の目標とする反射性を達成するために、図3の投影システムにおける投影スクリーンの部材として使用することができる。しかしながら、この設計のスクリーンは、相当な量の周辺光を反射させがちであり、コントラストを減少させる一因となる。例えば図2を参照すると、略垂直な角度で650nmにて投影された赤色光は、赤色用のMOF反射帯域(640nm〜670nm)によって反射されている。同じ650nmの波長を有する周辺光50も又、略垂直な角度で入射すると反射される。より大きな斜めの入射角では、赤色用の反射帯域が650nmより短い波長にシフトするので、周辺光はMOFを透過する。これに対して、色シフト反射帯域と一致する波長にある周辺光であって、斜角で入射するものは、MOFによって反射される。設計角度以外の角度におけるこの周辺光の反射は、低コントラストの一因となる。コントラストは、スクリーンによって反射された投影光の量と、反射された周辺光の量との比によって決まる。従って、コントラスト比を増加させる1つの方法は、光学要素によって反射される周辺光の量を減少させることである。
コントラストを増加させるために、波長選択性吸収体(WSA)を追加することによって、光学要素の色シフト反射帯域を隠すことができる。図4aは、2枚の干渉スタック反射体12及び14と、その干渉スタック反射体12と14との間に配置された波長選択性吸収層24とを有する光学要素の概略図を示す。WSA層24は、設計角度の反射帯域と、所与の色の反射用の干渉スタックの色シフト反射帯域との間の波長に位置する吸収端を有するように選択されている。この設計を用いると、色シフト反射帯域は、波長選択性吸収体によって効果的に隠すことができる。
例示的な実施形態において、干渉スタック反射体14は、図2に示すように、中心波長を600nmとして、赤色光を反射させるように選択することができる。赤色用のWSA層24は、約620nmに位置する吸収端を有するように選択し、赤色光反射用の干渉スタック14の前方に配置することができる。赤色用のWSA層は、620nmよりも短い波長を吸収する。この設計を用いると、さもなければ赤色光反射用の干渉スタックの色シフト帯域(40°の入射角に対して約600nmを中心とする)によって反射される光が、赤色用の波長選択性吸収体によって吸収され、それによって、光学要素によって反射される周辺光の量が減少する。
波長選択性吸収体は、実質的に角度に依存しないので、選択した波長を有する光は、いかなる角度でスクリーンに入っても吸収される。波長選択性吸収体は、単一の吸収端を有し、その吸収端に満たない波長にある光は吸収され、その吸収端を超える波長を有する光は透過されるように選定することができる。図5は、そのような波長選択性吸収体のスペクトルの例を示す。図5に、3つの例示的な波長選択性吸収体の透過スペクトルを示す。505nm付近に吸収端を有する緑色用のWSAの透過スペクトルを曲線40で示し、620nm付近に吸収端を有する赤色用のWSAの透過スペクトルを曲線42で示し、780nm付近に吸収端を有する黒色用のWSAの透過スペクトルを曲線44で示す。
或いは、波長選択性吸収体は、吸収端に満たないものを透過させ、吸収端を超えるものを吸収してもよい。又、これらの2つの組み合わせは、波長選択性吸収体が、選択した波長範囲内のものは吸収し、この範囲に満たないものとこの範囲を超えるものは透過させるように設計することもできる。1つ以上のそのような波長選択性吸収体を使用して、色シフト反射帯域を隠すことができる。
赤色、緑色、及び青色用の反射帯域を備える実施形態において、赤色光反射用、緑色光反射用、及び青色光反射用の干渉スタック及びWSA層の順序は、設計角度外の角度で入射する周辺光が吸収されるように、綿密に調整することができる。略垂直な入射角を反射させるように設計された光学要素では、赤色光反射用の干渉スタック及び赤色用のWSA層が、スクリーンの入射側に配置される場合、620nmの赤色吸収端よりも短い全ての波長が吸収される。従って、青色及び緑色の波長(それぞれ430nm及び530nm付近)にある光は、青色光反射用及び緑色光反射用の干渉スタックに達する機会を得る前に吸収され、この設計の光学要素によって反射されることがない。
図4bは、MOF層(干渉スタック反射体)及びWSA層が、選択された三原色を略垂直な入射で反射させる一方で、3つの干渉スタック反射体のうちの2つに対応する色シフト波長を含んだ、略垂直でない角度で入射する望ましくない周辺光を吸収するように調整された実施形態を示す。
青色光反射用の干渉スタック110は、光学要素の入射側152に配置されている。この青色光反射用の干渉スタックは、図2に示すように(曲線200a)、垂直及び略垂直な入射において430nmと460nmの間の波長を反射させるように設計されている。40°では、色シフトした青色用の反射帯域が、約390nm〜420nmに存在する。この実施形態においては、反射されるこれらの青色波長は、色の合成と、濃青色波長に対する目の感度低下とに関する理由により、望ましいものであるため、青色用の色シフト反射帯域は、波長選択性吸収体によって隠されていない。他の実施形態においては、青色用のWSA層を青色光反射用の干渉スタックの前方に追加することができる。又、先に説明したように、紫外線吸収層、耐擦傷性層などを含めた付加的な層又はコーティングを追加することもできる。
緑色光反射用の干渉スタック112は、青色光反射用の干渉スタック110の後方に配置されている。この緑色光反射用の干渉スタックは、520nmと550nmの間の波長を垂直及び略垂直な入射において反射させるように設計されている。緑色用の色シフト反射帯域は、約480nm〜510nmに存在する。この緑色用の色シフト反射帯域を隠すために、緑色用の波長選択性吸収(WSA)層120が追加されている。緑色用のWSA層は、約505nmに吸収端を有している(図5の曲線40を参照)。緑色用のWSA層120は、青色反射用のMOF層と緑色反射用のMOF層との間に配置されており、従って、505nmよりも短い波長を有する光は吸収され、505nmよりも長い波長を有する光は、緑色用のWSA層120を透過する。緑色反射用の干渉スタック112の反射帯域波長に一致する光は、緑色反射用の干渉スタック112によって実質的に反射される。
同様に、赤色光反射用の干渉スタック114は、緑色光反射用の干渉スタック112の後方に配置されている。この赤色反射用の干渉スタック114は、640nmと670nmの間の波長を略垂直な入射において反射させるように設計されている。40°では、赤色用の色シフト反射帯域は、約585nm〜615nmに存在する。この反射帯域を隠すために、赤色用のWSA層122が、緑色反射用のMOF層と赤色反射用のMOF層との間に追加されている。所望により、他の層の組み合わせによって透過しうる任意の光を吸収するために、黒色の吸収層130を赤色光反射用の干渉スタック114の後方に追加することができる。所望により、光学要素は又、投影画像を好適な範囲の視野角度に後方散乱させるために、前面拡散層を備えることができる。光学要素は、反射光の角度分布によって特徴付けられる。光の異なる角度分布が、特定の用途に望まれる場合、拡散要素を追加して光の角度分布を修正することができる。
前面投影型スクリーンの用途において、投影画像は通常、略垂直な設計角度の範囲でスクリーンに入射する。又、投影光が特殊な設計角度で入射されうる他の実施形態も存在する。光が投影スクリーンに設計角度、例えば30°で入射するように配置されたプロジェクタ又は光源を有するシステムが構成可能である。そのようなシステムにおいて、多層光学フィルムの色シフト反射帯域は、入射光が垂直へと変化するにつれて、より長い波長に向かって移動する。30°よりも大きな角度で入射する光に対し、その反射帯域は、先に述べたように、より短い波長に向かってシフトする。
30°の設計角度のプロジェクタ光を反射させるように設計された光学要素に対しては、より大きな波長の色シフト反射帯域を隠すように、波長選択性吸収体の異なる組み合わせを選択することができる。例えば、約30°において490nm〜520nmの波長を反射させるように設計された緑色光反射用の干渉スタックは、垂直入射光に対し、色シフト反射帯域をより長い波長(例えば530nm〜560nm)において有することがある。干渉スタック反射体の前方に配置され、且つ、530nm未満の波長は透過させるが530nmから600nmの波長は吸収するように選択された波長選択性吸収体を使用して、色シフト反射帯域を垂直入射において隠すことができる。
又、30°の設計角度の実施形態において、第2の色シフト反射帯域が、より大きな入射角に関しても存在しうる。この第2の色シフト反射帯域は、より短い波長に向かってシフトする。この反射帯域を隠すために、第2の波長選択性吸収体を、先に述べたように、干渉スタック反射体の前方に追加することができる。又、所望の角度選択特性を光学要素に付与するように構成された任意の数の波長選択性吸収層を用いて、2つ以上の反射帯域を第1の選択角度において有するように設計された2つ以上の干渉スタック反射体を有する光学要素を含めて、他の実施形態が企図される。
いくつかの実施形態において、波長選択性吸収体の物理的位置は、可視スペクトルの対象部分において、略垂直な角度における高度な反射性を光学要素に持たせる一方で、ある選定した反射帯域が、垂直な角度から相当に逸脱した入射角に対して波長選択性吸収体によって隠されるように設計されている。他の実施形態において、反射帯域の角度選択性は、垂直以外の角度に向かうように設計されている。
本明細書で開示する光学要素は、プロジェクタ光のスペクトルに一致する波長において高度な目標反射率をもたらし、その目標反射率は、選択した設計角度の領域におけるものである。これらの光学要素は、設計角度以外の角度で入射した周辺光の反射を、波長選択性吸収層での吸収によって最小限にする。波長選択性吸収層が無い多層光学フィルムは、波長空間において選択的に反射性を有するが、WSA層を有する多層光学フィルムを備える光学要素は、波長と角度の双方に選択性を有することができる。高コントラストな前面投影型スクリーン、ディスプレイ、及び保全の用途に使用される、現在開示する光学要素は、角度と波長の双方に選択性を有する反射性を有することを特徴としている。
第1の入射角における選択した数の反射帯域と、第2の入射角における異なる数の反射帯域とを有する光学要素を開示する。入射角の設計角度以外の角度に対し、色シフト反射帯域を隠す(吸収する)ことによって、設計角度における反射帯域の数を、設計角度以外の角度における反射帯域の数と異なるように選択することができる。以下で詳細に説明するように、図6は、0°の設計角度においては3つの反射帯域(曲線202)を有する一方で、40°で入射する光に対しては単一の反射帯域(曲線212)のみを有する光学要素の例を示す。
いくつかの実施形態においては、可視波長内の全ての反射帯域が、狭い反射帯域となりうる。他の実施形態においては、1つ以上の狭い反射帯域が、1つ以上の反射広帯域と結合されうる。そのような組み合わせには、第1の狭い反射帯域と第2の広い反射帯域とを備えるように設計された多層光学フィルムが挙げられる。そのような実施形態の例を図13に示す。図13において、赤色用の反射帯域270は狭い反射帯域であり、第2の反射帯域272は、可視スペクトルの青緑色の部分にある広い反射帯域である。そのような多層光学フィルムは、例えば2つの別個の干渉スタックから構成することができ、それらの干渉スタックは、一方は赤色用の狭い反射帯域270に寄与するものであり、他方は青緑色用の反射帯域272において反射させるように設計されている。赤色用の色シフト反射帯域を隠すために、吸収端274を約620nmに有する波長選択性吸収体を追加することができる。この実施形態において、青色用の色シフト帯域は、人間の目が応答性を有していない紫外線領域に移動するので、この帯域を隠すための第2のWSAはなくてもよい。
他の可能な設計には、可視域を越えて延びる反射帯域が挙げられ、その反射帯域において人間の目は応答性を有しておらず、従って、そのような帯域は効果的に可視波長の狭い反射帯域となる。2つの別の実施形態の反射スペクトルを図14a及び14bに示す。
図14aは、垂直入射における2つの狭い反射帯域280及び232を有する多層光学フィルムの反射スペクトル285を示す。これらの反射帯域は、可視域外の1次反射の高次高調波であってもよく、又2つの別個の干渉スタックからの1次反射であってもよい。第3の反射帯域284は、紫外線波長へと延びる広い反射帯域である。40°で入射する光に対して色シフト反射体を反射スペクトル曲線286で示す。色シフト反射帯域を隠すために、緑色用の反射帯域と青色用の反射帯域(それぞれ282及び234)との間に位置する約505nmに吸収端283を有する波長選択性吸収体を使用することができる。これを達成するために、青色用のWSAは、光学要素内で緑色反射用の干渉スタックと広帯域の青色反射用の干渉スタックとの間に配置されている。反射曲線288は、この設計の光学要素の反射スペクトルを示している。
図14bは、別の実施形態の光学要素の反射スペクトルを示す。ここで、第1の干渉スタック反射体は、赤色波長にあり且つ可視域外で赤外線波長へと延びる広い反射帯域290を有するように設計されている。第2の多層光学フィルムは、2つの狭い反射帯域(それぞれ292及び294)を有するように設計されており、それらの狭い反射帯域は、1つは緑色波長にあり、1つは青色波長にある。図14aの実施形態と同様に、これらの反射帯域は、可視域外の1次反射の高次高調波であってもよく、又2つの別個の干渉スタックからの1次反射であってもよい。この設計において、WSAは、設計角度外で入射した光に関する赤色用の色シフト反射帯域を隠すために、約620nmに吸収端291を有するように選択されている。反射スペクトル295は、この設計の多層光学フィルムの反射率を、垂直入射角での反射帯域(290、292、及び294)と共に示している。反射スペクトル296は、40°で入射した光に対する、同じ多層光学フィルムの反射率を示している。曲線296において、全ての反射帯域が、矢印で示すように、より短い波長にシフトしている。波長選択性吸収体を追加した多層フィルムを備える光学要素の反射スペクトルを、曲線298として示す。この曲線において、広い色シフト反射帯域は、より狭い反射帯域へと変化している。
図4aに示す光学要素設計を使用する実施形態において、各MOF層は、1つ以上の反射帯域を有するように設計することができる。高分子ミクロ層の単一の干渉スタックの場合、複数の反射帯域が、単一の1次反射帯域の高調波であってもよい。投影スクリーンで使用するための光学要素を設計するにあたって、各MOF層内の反射帯域のうちの少なくとも1つは所与の設計角度に対して可視領域内にあるべきである。例えば、3つの干渉スタック反射体を備える光学要素を、図4bに示すように設計することができる。もう一つの例は、一方は赤色光及び緑色光を反射させ、他方は青色光を反射させる、2つの干渉スタック反射体を備える光学要素である。もう一つの例は、第1の反射体は2つの反射帯域(例えば青色および緑色)を有する一方で、第2の反射体は単一の赤色用の反射帯域を有する2つの干渉スタック反射体を備える光学要素である。これらの例において、反射帯域は、1次反射であっても任意の高次(高調波)反射であってもよい。例えば、赤色用の反射帯域は、赤外線(IR)用の反射帯域の2次高調波反射であってもよい。可視域外にある更なる反射帯域(IR帯域など)は、視聴目的の光学要素には役立たないが、他の設計の検討には、所望により使用することができる。例えば、可視域外にある反射帯域は、認証目的など、視認できない光源が使用される保安の用途には望ましいものとなりうる。
本発明について、本明細書ではスペクトルの可視領域と関連させてしばしば説明しているが、本発明の実施形態は、種々のパラメータ(例えば、光学層の光学的厚さ及び材料選択)を適切に調節することにより、電磁放射の様々な波長(従って周波数)で機能するように使用することができる。いくつかの実施形態については、投影スクリーンの状況で説明しているが、種々のディスプレイ(例えば、看板、アクティブ又は動的ディスプレイの用途、及びバックライト付きディスプレイ)並びに保全の用途(例えば、製品ラベル、製造業者証明ラベル、及び認証タグ)を含めて、高コントラストが望まれる他の用途で使用される光学要素に、同じ技法を適用することができる。
例えば可搬式の投影スクリーンなど、柔軟性が望まれる用途には、高分子材料が好ましい。高分子材料で構成された光学要素は柔軟となるように製作することができ、従って、そのような光学要素を有する投影型スクリーンは、使用していない間、保管又は輸送のために容易に丸めておくことができる。
上述の原理を利用して、多様な光学要素を設計することができる。光学要素は、2つ以上の干渉スタック反射体と、選択した一対の隣接する干渉スタック反射体の間に層として散在する1つ以上の波長選択性吸収体とを備えることができる。MOF層の各々の反射帯域は、設計角度以外の角度に対してシフトするので、波長選択性吸収体は、色シフト反射帯域を隠すように選択することができる。これによって、光学要素は、波長選択性を有すると共に角度選択性を有するようになる。本明細書で説明する光学要素のいずれかを利用する前面投影型スクリーン又はディスプレイなどの高コントラストな用途では、第1の角度の範囲でスクリーンに入る投影光の略全てを反射させる一方で、第2の角度の範囲で入射する周辺光の吸収性を最大限にすることによって、より高いコントラストが実現される。第1の角度範囲は、略垂直であってもよく、又別の設計角度範囲であってもよい。
特定の実施例について詳細に説明したが、他の実施形態も又企図される。例えば、単一の波長選択性吸収体を有する2つの干渉スタック反射体を有する光学要素も又、上記の例示的な実施形態における赤色、緑色、及び青色に限らず、任意の2つの波長範囲で反射させるように設計することができる。所望による付加的な層も又、本発明の趣旨及び範疇から逸脱することなく追加することができる。例えば、黒色の吸収層を多層光学フィルムの後方に追加することができる。同様に、光学要素によって反射される光の角度分布を適切な視野角度へと変化させるために、拡散層を光学要素の入射側に追加することができる。所望による付加的な層又はコーティングには、紫外線保護層、耐擦傷性層、ハードコートなどが挙げられる。
前面投影型スクリーンのコントラスト比は、投影環境における周辺光の反射効率に対する投影画像の反射効率を表すものである。スクリーンのコントラスト比の厳密な値は、プロジェクタ出力(ルーメン)、スクリーンサイズ、周辺光の光源スペクトル及び照度に依存し、又ある程度まではスクリーンのゲインに依存する。一般に、標準的な「白色」のビーズスクリーンは、通常のオフィスでの投影環境及び標準的なHTPS又はDLPプロジェクタに対し、垂直な角度におけるコントラスト比が約2:1であることを特徴としている。いくつかの商業的に入手可能な高コントラスト前面投影型スクリーンは、同様の投影状況に対し、10:1から20:1に及ぶ視野角度コントラスト比を有するものとして特徴付けられている。以下の実施例に示すように、本明細書で開示する多層光学フィルムと波長選択性吸収体(1つ又は複数)を備えた光学要素を使用するスクリーンは、波長選択性吸収体(1つ又は複数)が無い同様な設計のスクリーンと比較すると、約100%(即ち2倍)改善されるコントラスト比を達成することができる。
(実施例1)
実施例1においては、多層光学フィルムミラーを備える光学要素を計算論的に構築する(即ちモデル化する)。MOF構造は、可干渉性多層光学フィルムによる3つの4分の1波長スタックからなり、各スタックは、ポリカーボネート(材料1)とPMMA(材料2)の160層を有している。実施例1における全ての材料は等方性であり、屈折率はn1=1.579、n2=1.495である。屈折率の低いPMMA層は、空気から干渉スタック反射体までの境界面にある。これらのPMMA層は、干渉スタックの反射帯域間の波長領域における反射レベルを低下させるように機能する。交互に並ぶ高分子ミクロ層の可干渉性スタックの各グループ(本明細書では、「青色反射用の干渉スタック」、「緑色反射用の干渉スタック」などと呼ぶ)は、設計上の可視波長の周囲に反射帯域を有するように設計されている。式1は、1次高調波(m=1)の反射帯域の中心波長λ0,mと、各干渉スタック反射体内のミクロ層の物理的厚さd1,iおよびd2,i、並びに繰り返されるミクロ層を備える2つの材料の屈折率値n1及びn2との関係を示す。この設計の実施例において、1に近い非常に低い階調度が選定されており、従って、単位セルの全て(材料1及び2の4分の1波長の対)が、略同じ波長で共振する。これによって、1次反射帯域は可視域において比較的狭いものとなる。
実施例1においては、多層光学フィルムミラーを備える光学要素を計算論的に構築する(即ちモデル化する)。MOF構造は、可干渉性多層光学フィルムによる3つの4分の1波長スタックからなり、各スタックは、ポリカーボネート(材料1)とPMMA(材料2)の160層を有している。実施例1における全ての材料は等方性であり、屈折率はn1=1.579、n2=1.495である。屈折率の低いPMMA層は、空気から干渉スタック反射体までの境界面にある。これらのPMMA層は、干渉スタックの反射帯域間の波長領域における反射レベルを低下させるように機能する。交互に並ぶ高分子ミクロ層の可干渉性スタックの各グループ(本明細書では、「青色反射用の干渉スタック」、「緑色反射用の干渉スタック」などと呼ぶ)は、設計上の可視波長の周囲に反射帯域を有するように設計されている。式1は、1次高調波(m=1)の反射帯域の中心波長λ0,mと、各干渉スタック反射体内のミクロ層の物理的厚さd1,iおよびd2,i、並びに繰り返されるミクロ層を備える2つの材料の屈折率値n1及びn2との関係を示す。この設計の実施例において、1に近い非常に低い階調度が選定されており、従って、単位セルの全て(材料1及び2の4分の1波長の対)が、略同じ波長で共振する。これによって、1次反射帯域は可視域において比較的狭いものとなる。
各干渉スタックの1次反射帯域の波長位置は、この実施例では、赤色、緑色、及び青色の波長に放射ピークを有するプロジェクタに適合するように選定されている。この実施例において、投影光のスペクトルは、430nm、530nm、及び650nmの波長に中心を有するガウシアン形状のピークをもたらす、LED型の狭い帯域スペクトルであると仮定する。図2は、垂直な入射角でのMOF反射のスペクトル200a(WSA層なし)と、投影光のスペクトル250を示す。
多層光学フィルムのスペクトルをある入射角の範囲にわたって計算し、比色分析ツールを使用することにより、ある範囲の入射角に対して視感反射率及び投影光の色変化をプロットすることができる。図7aは、投影光のスペクトルに対する視感反射効率60及びMOF体によって反射された際の投影光の色変化(a*値64及びb*値66)を、多層光学フィルムのみに対する入射角の関数として示す。投影光の色変化は、CIE Lab色度システムを使用して計算されている。又、小型の蛍光光源(典型的な周辺光光源を代表する)の視感反射効率62を、同じ多層光学フィルムに対する入射角の関数として示す。
図7aにおいて、投影光の色変化a*値64及びb*値66は、略垂直な設計角度(0度から20度)を有する前面投影型スクリーンに適当な角度範囲で、比較的小さな変化を示しており、又、投影光に対する視感反射効率60は、その範囲において略90%である。小型の蛍光光源の視感反射曲線62の下にある範囲は、概して、コントラストを減少させうる反射周辺光を表している。高コントラスト前面投影型スクリーンを設計する上での技術的難題の1つは、視聴者の視野角範囲に光を散乱させうる相互干渉角度にわたって、いかなる周辺光光源に対する反射作用をも非常に小さくすることである。
周辺蛍光の視感反射効率62は、20°を超える角度において上昇しているが、これは、多層光学フィルムの反射帯域が、視感反射に著しく寄与する蛍光光源のスペクトルの領域にシフトするためである。角度をなした蛍光反射の重大な要因は、赤色及び緑色用の反射帯域である。
このコントラスト減少効果を緩和する方法は、入射角が増加すると、赤色及び緑色用の反射帯域が吸収端へとシフトするようにすることである。波長選択性吸収層を干渉スタック反射体に介挿させる計算論的設計について、以下で論じる。WSA層は、商業的に入手可能な染料吸着長波長パスフィルタ(例えば、Filtron E−520及びFiltron E−620染料入りアクリル及びポリカーボネート板製品)にならってモデル化した。鋭い可視吸収帯域端を有する波長選択性吸収体を生成しうる他の押出し可能な染料及び顔料が、商業的に入手可能である。図5は、実施例1及び2の光学要素に使用したWSA層の透過スペクトルを示す。
光学要素が、例えば図4bに示すように、適当な順序で置かれた一連の波長選択性吸収体を有するMOF構造を備えている場合、その光学要素の反射帯域のうちのいくつかは、入射角の増加と共に隠される(吸収される)。図6は、図4bに示すように構成された干渉スタック反射体と、WSA層と、黒色の吸収層とを備える光学要素に対する、計算論的な反射スペクトル202を示す。垂直入射では、スペクトル202は、先に図2に示した波長と類似した波長において3つの反射帯域を示す。40°の入射角では、しかしながら、スペクトル212は、図2の青色用の色シフト反射帯域に対応するただ1つの反射帯域を有している。図6は、2つの散在するWSA層を有する3つの干渉スタック反射体を備える光学要素を示し、この光学要素は、垂直な入射角においては3つの反射帯域を、40°で入射する光に関してはただ1つの反射帯域を有するように設計されている。
これらの方法を使用すると、散在するWSA層を有する干渉スタック反射体を備える光学要素は、ある入射角では第1の個数n個の反射帯域を有する一方で、別の入射角では第2の個数の反射帯域を有するように構成することができる。この設計では、波長選択性と角度選択性の双方を有する光学要素が得られる。いかにして種々の干渉スタック反射体を種々のWSA層と結合すると、ある選定した設計波長及び角度に関しては反射特性を有する一方で、他の波長及び角度では吸収する光学要素を作り出せるかが、当業者には明らかとなろう。この実施例で説明する設計を使用すると、蛍光反射の重大な要因は、30°を超える角度で吸収される。
既に述べたように、多層光学フィルムの反射スペクトルを入射角の範囲全体にわたって計算し、比色分析ツールを使用することにより、前面投影型スクリーンの光学要素(WSA層を備える)に適当な相互干渉角度の範囲に対する視感反射率及び投影光の色変化をプロットすることができる。図7bは、投影光のスペクトルに対する視感反射効率70及び光学要素によって反射された際の投影光の色変化(a*値74及びb*値76)を入射角の関数として示す。蛍光光源の視感反射効率72は、約25°を超える角度において著しい減少を示しているが、これは、赤色用及び緑色用の反射帯域が、そのような角度においては反射に寄与しなくなるからである。蛍光の視感反射率曲線72の下にある範囲はここでも又、光学要素によって反射された、コントラストを減少させる周辺光の量を示している。WSA層が干渉スタック反射体の間に介挿されている場合、全体的な蛍光反射は相当に(約3分の1に)減少する。この設計の光学要素は、略垂直な角度(プロジェクタの設計角度)においては高度な目標反射率を有するが、あらゆる種類の彷徨周辺光に関連付けられる他の全ての角度においては吸収性構造となる。
図10は、この実施例の光学要素を使用した、コントラスト比の推定を示す。コントラスト比の推定は、周辺光の出力がスクリーンの前側半球の周りに等しく分布すると仮定して、視野角度(スクリーンに略垂直)での画像の輝度を推定し、(略垂直な立体角度の中に反射された)周辺光の輝度を正規化することによって行うことができる。図10は、様々な周辺光の照度(小型の蛍光スペクトルを仮定する)に対する推定コントラスト比を示す。プロジェクタの出力は1000ルーメンとする。4つの曲線は、1辺当たり1.5メートル(曲線300)、1辺当たり2.0メートル(曲線302)、1辺当たり2.5メートル(曲線304)、及び1辺当たり3.0メートル(曲線306)の4つの異なる寸法のスクリーンを表している。
光学要素の上の光学拡散体オーバーレイの光学効果によって、MOFの反射応答及び周辺光の方向転換に関する角度特性が変化する。具体的には、拡散体オーバーレイがMOFと光学的に接触している場合、MOF構造を通じた伝播角度が結果としてより大きくなりうる。これらの光学効果は、拡散性オーバーレイの拡散特性に細部にわたって依存する。
(実施例2)
実施例2においては、MOF反射型偏光子を計算論的に構築する。このMOF構造は、可干渉性多層による3つの4分の1波長スタックからなり、各スタックは、延伸方向の屈折率n1、延伸=1.757、及び一致方向の屈折率1、一致=1.614を有する屈折ポリエチレンナフタレン(PEN、材料1)と、屈折率n2=1.612を有するPEN(co−PEN、材料2)の非複屈折コポリマーとによる160層のミクロ層を有している。より屈折率の低いco−PEN層は、空気と干渉との境界面にあると仮定する。このco−PEN層は、干渉スタックの反射帯域間の波長領域における反射レベルを低下させるように機能する。実施例1のMOFミラーと同様に、可干渉性干渉スタックの各々は、プロジェクタ光の出力スペクトルに一致する設計上の可視波長に反射帯域を有するように設計されている。式1は、歪み硬化による複屈折に起因して屈折率が一致しない平面内の材料軸に対する1次高調波反射の波長(m=1)と、各干渉スタックの層の物理的厚さとの関係を示す。直交する平面内の軸に沿って、複屈折性のPENの屈折率は、等方性のco−PENの屈折率と実質的に一致し、実質的に可干渉性の反射は生じない。
実施例2においては、MOF反射型偏光子を計算論的に構築する。このMOF構造は、可干渉性多層による3つの4分の1波長スタックからなり、各スタックは、延伸方向の屈折率n1、延伸=1.757、及び一致方向の屈折率1、一致=1.614を有する屈折ポリエチレンナフタレン(PEN、材料1)と、屈折率n2=1.612を有するPEN(co−PEN、材料2)の非複屈折コポリマーとによる160層のミクロ層を有している。より屈折率の低いco−PEN層は、空気と干渉との境界面にあると仮定する。このco−PEN層は、干渉スタックの反射帯域間の波長領域における反射レベルを低下させるように機能する。実施例1のMOFミラーと同様に、可干渉性干渉スタックの各々は、プロジェクタ光の出力スペクトルに一致する設計上の可視波長に反射帯域を有するように設計されている。式1は、歪み硬化による複屈折に起因して屈折率が一致しない平面内の材料軸に対する1次高調波反射の波長(m=1)と、各干渉スタックの層の物理的厚さとの関係を示す。直交する平面内の軸に沿って、複屈折性のPENの屈折率は、等方性のco−PENの屈折率と実質的に一致し、実質的に可干渉性の反射は生じない。
図8aは、WSA層が無い3つの反射型偏光子干渉スタックから構成された光学要素に対する反射スペクトルを示す。曲線205は、直線偏光した入射光に対する垂直な角度での反射スペクトルを示しており、その入射光の電場は、実質的に一致しない屈折率を有する材料軸を含んだ法平面内にある。曲線215は、40°の入射角における反射スペクトルを示している。MOF反射型偏光子の反射スペクトルを入射角の範囲全体にわたって計算し、比色分析ツールを使用することにより、プロジェクタの光出力の偏光が屈折率の相当な不一致を伴ってMOF偏光軸と一致する入射角及び偏光状態の範囲に対する視感反射率及び光源の色変化をプロットすることができる。図9aは、視感反射効率160及びプロジェクタ光の色変化(a*値164及びb*値166)を、この光学要素からの反射に対する入射角の関数として示す。又、小型の蛍光光源の視感反射効率162を入射角の関数として示し、ここで蛍光の偏光状態は不規則であると仮定する。
図9aにおいて、a*値164及びb*値166は、前面投影型スクリーンに適当な角度範囲(0°〜20°)において小さな変化のみを示し、投影光の白色状態に実質的に変化がないことを示唆しており、又、RGB光源に対する視感反射効率160は、その範囲において90%超となっている。小型の蛍光光源の視感反射曲線162の下にある範囲は、概して、コントラストを減少させうる反射光である。
反射帯域が入射角の増加に伴って隠れる(吸収される)ように、WSA層をMOF反射型偏光子構造に追加し、適当な順序で配置した(図4bを参照)。図8bは、図4bに示すように構成された、共押出しした高分子MOF反射型偏光子と、WSA層と、黒色の吸収層とを備える光学要素に対する計算論的な反射スペクトル207を示す。図9bは、直線偏光されたプロジェクタ光源に対するそのような光学要素の反射効率170を示す。WSA層が干渉スタック反射体に介挿されている場合、全体的な蛍光反射は、実施例1と同様に相当に減少する。この設計の光学要素は、略垂直な角度(プロジェクタ角度)においては高度な目標反射率を有するが、あらゆる種類の彷徨周辺光に関連付けられる他の全ての角度においては吸収性構造となる。
前面投影型スクリーンのコントラスト比の推定値を図11に示し、ここで、実施例2では光学要素は反射型偏光子機能を備えている(投影スペクトルは、屈折率の不一致な材料軸と整列する直線偏光状態を有すると仮定する)。図11は、様々な周辺光の照度(小型の蛍光スペクトルを仮定する)に対する略垂直な角度でのスクリーンの推定コントラスト比を示す。プロジェクタの出力は1000ルーメンである。4つの曲線は、1辺当たり1.5メートル(曲線310)、1辺当たり2.0メートル(曲線312)、1辺当たり2.5メートル(曲線314)、及び1辺当たり3.0メートル(曲線316)の4つの異なる寸法のスクリーンを表している。
図12は、MOFの干渉スタックに介挿されるWSA層を含めることによって、推定コントラスト比の増加が生じることを示す。推定コントラスト比の改善は、実施例1の光学要素に対して、又実施例2の光学要素に対して、2倍となっている。プロジェクタの出力は1000ルーメンであり、スクリーンサイズは1辺当たり2メートルである。曲線320は、波長選択性吸収体の無い実施例2の高分子反射型偏光子の様々な周辺光状態に対する推定コントラスト比を示す。曲線322は、波長選択性吸収体を有する実施例2の高分子反射型偏光子の推定コントラスト比を示す。これらの曲線を、例えば100ルクスの周辺光において比較すると、WSA層が無い反射型偏光子(曲線320)は約25の推定コントラスト比を有する一方で、介挿したWSA層を有する同じ反射型偏光子は50の推定コントラスト比を有している。同様に、曲線324及び326は、WSA層の無い実施例1のミラーMOF構造に対する推定コントラスト比(曲線324)、及びWSA層を有する実施例1のミラーMOF構造に対する推定コントラスト比(曲線326)を示す。同様の約100%のコントラスト比の増加が達成されている。100ルクスの蛍光周辺光において、WSA層の無いミラーは、20の推定コントラスト比を有する一方で、WSA層を有する同じMOFミラーは、約42の推定コントラスト比を有している。
本明細書で説明した波長選択性吸収体(1つ又は複数)を具備する光学要素を備えるスクリーンを設計する場合、そのようなスクリーンは、波長選択性吸収体(1つ又は複数)が無い同様な設計のスクリーンと比較して約100%(即ち2倍)改善したコントラスト比を有すると推定される。同様のコントラスト比の改善が、本明細書で開示した光学要素を組み込んだディスプレイ装置及び保全用途に見込まれる。
本発明は種々の修正及び別の形態に容易に応じるが、その細部は、一例として図面及び詳細な説明に示した。しかしながら、その意図は、説明した特定の実施形態に本発明を限定することではないことを理解されたい。逆に、その意図は、添付の特許請求の範囲で定義する本発明の趣旨と範疇に含まれる全ての修正物、等価物、並びに代替物を網羅することである。
Claims (19)
- 入射光の設計波長における複数の反射帯域を有する多層光学フィルムであって、前記反射帯域のうちの少なくとも1つは狭い反射帯域であり、各反射帯域は設計入射角における公称スペクトル位置を有し、各反射帯域は前記設計角度以外の角度で入射した光に対して色シフト反射帯域にシフトする、多層光学フィルムと、
前記色シフト反射帯域のうちの少なくとも1つにおける光を吸収するための波長選択性吸収体と、を備える光学要素。 - 前記光学要素は、前記設計入射角におけるn個の反射帯域と、n個未満の色シフト反射帯域とを有する、請求項1に記載の光学要素。
- 前記反射帯域は、前記設計入射角において赤色用、緑色用、及び青色用の反射帯域を含む、請求項1に記載の光学要素。
- 前記設計入射角は0°である、請求項1に記載の光学要素。
- 前記多層光学フィルムは反射型偏光子である、請求項1に記載の光学要素。
- 前記光学要素は、反射光の角度分布によって特徴付けられ、前記光学要素は、反射光の前記角度分布を変えるための拡散要素を更に備える、請求項1に記載の光学要素。
- 請求項1に記載の光学要素を備えるスクリーンであって、
前記スクリーンは、コントラスト比によって特徴付けられ、該コントラスト比は、前記波長選択性吸収体が無い同様な設計のスクリーンと比較して約100%改善されているスクリーン。 - 光を投影するための光源と、
前記投影された光を反射させるための、請求項1に記載の光学要素を備えるスクリーンと、を備えるシステム。 - 前記光学要素は、前記設計入射角において前記光源と波長整合している、請求項8に記載のシステム。
- 2つの干渉スタック反射体を備える多層光学フィルムであって、第1の入射角の光に関する2つの狭い反射帯域および、第2の入射角の光に関する2つの色シフト反射帯域を有する多層光学フィルムと、
前記2つの干渉スタック反射体の間に設けられた波長選択性吸収(WSA)層であって、前記色シフト反射帯域のうちの少なくとも1つを隠すように選択された吸収端を有する波長選択性吸収層と、を備える光学要素。 - 前記第1の入射角は、略垂直な入射角である、請求項10に記載の光学要素。
- 前記光学要素は、第1の入射角におけるn個の反射帯域と、第2の入射角におけるn個未満の反射帯域とを有する、請求項10に記載の光学要素。
- 前記多層光学フィルムの後方に設けられた黒色のWSA層を更に備える、請求項10に記載の光学要素。
- 前記多層光学フィルムの前方に設けられた拡散層を更に備える、請求項10に記載の光学要素。
- 請求項10に記載の光学要素を備えるスクリーンであって、
前記スクリーンは、コントラスト比によって特徴付けられ、該コントラスト比は、前記波長選択性吸収体が無い同様な設計のスクリーンと比較して約100%改善されているスクリーン。 - 青色光反射用の干渉スタックと、
前記青色光反射用の干渉スタックの後方に設けられた緑色用の波長選択性吸収体と、
前記緑色用の波長選択性吸収体の後方に設けられた緑色光反射用の干渉スタックと、
前記緑色光反射用の干渉スタックの後方に設けられた赤色用の波長選択性吸収体と、
前記赤色用の波長選択性吸収体の後方に設けられた赤色光反射用の干渉スタックと、を備える光学要素。 - 前記赤色反射用の干渉スタックの後方に設けられた黒色のWSAを更に備える、請求項16に記載の光学要素。
- 前記青色光反射用の干渉スタックの前方に設けられた拡散層を更に備える、請求項16に記載の光学要素。
- 請求項16に記載の光学要素を備えるスクリーンであって、
前記スクリーンは、コントラスト比によって特徴付けられ、該コントラスト比は、前記波長選択性吸収体が無い同様な設計のスクリーンと比較して約100%改善されているスクリーン。
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