JP2009513142A - 非ランダムプライマーを用いる核酸増幅 - Google Patents

非ランダムプライマーを用いる核酸増幅 Download PDF

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Abstract

本発明は、核酸分子の標的集団(例えば、最も高度に発現されているmRNA種を除く、細胞種中で発現されている全てのmRNA分子)を選択的に増幅するための方法を提供する。本発明は、配列番号1から933に示されている核酸配列などのオリゴヌクレオチドの集団も提供する。例えば、これらのオリゴヌクレオチドは、グロビンmRNA又はリボソームRNA分子に対して相補的なcDNA分子の合成を開始させずに、哺乳動物の血液から単離されたmRNA分子に対して相補的なcDNA分子の合成を開始させるために使用することが可能である。

Description

本発明は、核酸分子の増幅を開始するのに有用なオリゴヌクレオチドに関する。
遺伝子発現分析では、しばしば、出発核酸分子を増幅する。核酸分子の増幅は、逆転写(RT)、インビトロ転写(IVT)又はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)単独で、又はこれらの組み合わせによって、達成され得る。出発核酸分子は、mRNA分子であり得、mRNAは、まず、相補的なcDNA分子を合成し、次いで、第一のcDNA分子に対して相補的である第二のcDNA分子を合成し、これにより、二本鎖cDNA分子を作製することによって増幅される。第一鎖cDNAの合成は、典型的には、逆転写酵素を用いて達成され、第二鎖cDNAの合成は、典型的には、DNAポリメラーゼを用いて達成される。二本鎖cDNA分子は、RNAポリメラーゼを用いて相補的RNA分子を作製するために使用することができ、元の出発mRNA分子の増幅がもたらされる。RNAポリメラーゼは、RNA合成の開始を誘導するためにプロモーター配列を必要とする。相補的RNA分子は、例えば、さらなる相補的DNA分子を作製するためのテンプレートとして使用され得る。
核酸分子の増幅は、出発材料中の1つ又はそれ以上の標的核酸分子へ特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーの使用を必要とする。各オリゴヌクレオチドプライマーは、標的核酸分子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ部分に対して5’に位置するプロモーター配列を含み得る。オリゴヌクレオチドのハイブリダイズ部分が短すぎる場合には、オリゴヌクレオチドは、標的核酸分子に安定的にハイブリダイズせず、増幅反応の開始、及びその後の増幅が起こらない。また、オリゴヌクレオチドのハイブリダイズ部分が短すぎる場合には、オリゴヌクレオチドは、標的核酸分子の1つ又は少数に特異的にハイブリダイズせず、多数の標的核酸分子に非特異的にハイブリダイズする。
異なる標的核酸分子(例えば、mRNA分子)の複雑な混合物の増幅は、典型的には、異なる核酸配列を有する多数のオリゴヌクレオチドの集団の使用を必要とする。オリゴヌクレオチドの費用は、オリゴヌクレオチドの長さとともに増大する。コストを抑制するためには、オリゴヌクレオチドの標的配列への特異的ハイブリダイゼーションを確保するために必要とされる最小長より長くないオリゴヌクレオチドプライマーを作製することが好ましい。
しばしば、高度に発現されているRNA(例えば、リボゾームRNA)を増幅することは望ましくない。例えば、血液細胞中の遺伝子の発現を分析する遺伝子発現実験では、豊富に存在するグロビンmRNA又はリボソームRNAの多数コピーを増幅することによって、稀なmRNAのレベルの僅かな変化が不明確になり得る。従って、核酸分子の集団内の所望の核酸分子を選択的に増幅するオリゴヌクレオチドプライマーの集団(例えば、最も高度に発現されているmRNAを除く、細胞中に発現されている全てのmRNAを選択的に増幅するオリゴヌクレオチドプライマー)に対する需要が存在する。オリゴヌクレオチドの集団を合成するコストを低下させるために、各オリゴヌクレオチドのハイブリダイズ部分は、所定の条件下で、所望の標的配列への特異的ハイブリダイゼーションを確保するために必要とされるより長くすべきではない。
(発明の概要)
一態様において、本発明は、核酸分子の標的集団(例えば、最も高度に発現されているmRNA種を除く、細胞種に発現されている全てのmRNA分子)を選択的に増幅するための方法を提供する。本発明の本態様の方法は、それぞれ、核酸分子のより大きな集団内の核酸分子の標的集団の増幅を開始するためのオリゴヌクレオチドの集団を使用する工程を含む。オリゴヌクレオチドの集団は、所定の条件下で標的核酸集団の第一の亜集団にハイブリダイズするが、前記所定の条件下で標的核酸集団の第二の亜集団にハイブリダイズしないその能力に基づいて選択される。
別の態様において、本発明は、配列番号1から933に示されている核酸配列などのオリゴヌクレオチドの集団を提供する。これらのオリゴヌクレオチドは、例えば、グロビンmRNA又はリボソームRNA分子に対して相補的なcDNA分子の合成を開始せずに、哺乳動物の血液から単離されたmRNA分子に対して相補的なcDNA分子の合成を開始するために使用することが可能である。幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドの集団中の各オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する所定の配列部分をさらに含む。一実施形態において、所定の配列部分は、PCR増幅における、又はインビトロ転写のためのプライマー結合部位として使用され得る転写プロモーターを含む。別の実施形態において、所定の配列部分は、転写プロモーターでないプライマー結合部位を含む。例えば、幾つかの実施形態において、本発明は、転写プロモーター(T7配列(配列番号934)など)が配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団のメンバーに対して5’に位置する、オリゴヌクレオチドの集団を提供する。従って、幾つかの実施形態において、本発明は、各オリゴヌクレオチドが配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団の異なるメンバーに対して5’に位置するT7プロモーター(配列番号934)からなる、オリゴヌクレオチドの集団を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、所定の配列部分がPCR合成反応を開始するのに有用であり、及びRNAポリメラーゼプロモーター配列を含まない少なくとも1つのプライマー結合部位を含む、オリゴヌクレオチドの集団を提供する。このような実施形態において使用するための所定の配列部分の代表例は、5’CCGAACTACCCACTTGCATT3’(配列番号956)として与えられ、これは、好ましくは、配列番号1から933に示されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団のメンバーに対して5’に位置する。
別の態様において、本発明は、核酸分子の標的集団(例えば、最も高度に発現されているmRNA種を除く、細胞種中で発現されている全てのmRNA分子)を選択的に増幅するための試薬を提供する。本発明の本態様の試薬は、核酸分子の標的集団の増幅を開始するためのオリゴヌクレオチドの集団を含み、各ヌクレオチドは、6個、7個又は8個のヌクレオチドからなるハイブリダイズ部分を含む。幾つかの実施形態において、本発明は、ハイブリダイズ部分が配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団のメンバーである、オリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を提供する。従って、幾つかの実施形態において、本発明は、配列番号1から933に記されている配列の少なくとも10%(少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は99%など)を含むオリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を提供する。別の実施形態において、本発明は、転写プロモーター(例えば、T7プロモーター(配列番号934))又はプライマー結合部位(例えば、配列番号956)などの所定の配列部分が配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団のメンバーに対して5’に位置する、オリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を提供する。従って、幾つかの実施形態において、本発明は、各オリゴヌクレオチドが配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団の異なるメンバーに対して5’に位置するT7プロモーター(配列番号934)からなる、オリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を提供する。
さらなる態様において、本発明は、核酸分子の標的集団(例えば、最も高度に発現されているmRNA種を除く、細胞種中で発現されている全てのmRNA分子)を選択的に増幅するためのキットを提供する。本発明の本態様のキットは、核酸分子の標的集団の増幅を開始するためのオリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を含み、各オリゴヌクレオチドは、6個、7個又は8個のヌクレオチドからなるハイブリダイズ部分を含む。幾つかの実施形態において、本発明は、ハイブリダイズ部分が配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団のメンバーであるオリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を含むキットを提供する。従って、幾つかの実施形態において、本発明は、配列番号1から933に記されている配列の少なくとも10%(少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は99%など)を含むオリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を含むキットを提供する。別の実施形態において、本発明は、転写プロモーター(例えば、T7プロモーター(配列番号934))などの所定の配列部分が配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団のメンバーに対して5’に位置する、オリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を含むキットを提供する。従って、幾つかの実施形態において、本発明は、各オリゴヌクレオチドが配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団の異なるメンバーに対して5’に位置するT7プロモーター(配列番号934)からなるオリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を含むキットを提供する。
別の態様において、本発明は、増幅されたRNA分子を生成させるために、核酸分子の標的集団を選択的に増幅する方法を提供する。本方法は、(a)オリゴヌクレオチドの集団を準備すること(各オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイズ部分及び該ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する転写プロモーター部分を含み、前記ハイブリダイズ部分は配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの集団のメンバーである。)、(b)哺乳動物対象から単離されたmRNAを含む試料に、オリゴヌクレオチドの前記集団をアニールすること、(c)逆転写酵素を用いて、前記mRNAからcDNAを合成すること、(d)DNAポリメラーゼを用いて二本鎖cDNAを合成すること、及び(e)増幅されたRNAを生成させるために、各オリゴヌクレオチドの転写プロモーター部分に結合するRNAポリメラーゼを用いて、二本鎖cDNAをRNAへ転写すること、を含む。
別の態様において、本発明は、増幅されたDNA分子を生成させるために、核酸分子の標的集団を選択的に増幅する方法を提供する。本方法は、(a)オリゴヌクレオチドの第一の集団を準備すること(各オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイズ部分及び該ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する第一のPCRプライマー結合部位を含み、前記ハイブリダイズ部分は、配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの集団のメンバーである。)、(b)哺乳動物対象から単離されたmRNAを含む試料に、オリゴヌクレオチドの前記集団をアニールすること、(c)逆転写酵素を用いて、前記mRNAからcDNAを合成すること、(d)DNAポリメラーゼ及びオリゴヌクレオチドの第二の集団を用いて二本鎖cDNAを合成すること(各オリゴヌクレオチドは、ランダムなハイブリダイズ部分及び該ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する第二のPCR結合部位を含む。)、並びに(e)増幅された二本鎖DNAを生成させるために、熱安定性DNAポリメラーゼ、第一のPCRプライマー結合部位に結合する第一のPCRプライマー及び第二のPCRプライマー結合部位に結合する第二のPCRプライマーを用いて、二本鎖cDNAをPCR増幅すること、を含む。
添付の図面と合わせて、以下の詳細な記述を参照することによって、先述の態様及び本発明に伴う利点の多くがよりよく理解されるので、先述の態様及び本発明に伴う利点の多くがより容易に理解される。
本明細書に具体的に定義されていなければ、本明細書中で使用される全ての用語は、本発明の分野における当業者に対する意味と同一の意味を有する。本分野の定義及び用語に関しては、当業者は、特に、「Sambrook et al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2d ed., Cold Spring Harbor Press, Plainsview, New York; and Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology(Supplement 47), John Wiley & Sons, New York, 1999」を参照されたい。
一態様において、本発明は、核酸分子の標的集団を選択的に増幅するための方法を提供する。本発明の本態様の方法は、それぞれ、核酸分子のより大きな集団内の核酸分子の標的集団の(例えば、逆転写、インビトロ転写若しくはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)又はこれらの組み合わせによる)増幅を開始するためのオリゴヌクレオチドの集団を使用する工程を含み、(a)各オリゴヌクレオチドは、6ヌクレオチド又は7ヌクレオチド又は8ヌクレオチドからなるハイブリダイズ部分を含み、及び(b)所定の条件下で標的核酸集団の第一の亜集団へハイブリダイズするが、前記所定の条件下で標的核酸集団の第二の亜集団にハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドの集団が選択される。オリゴヌクレオチドの集団が、ハイブリダイズ部分の5’に位置する所定の配列部分も含み得る。一実施形態において、所定の配列部分は、転写プロモーターを含み、転写プロモーターはプライマー結合部位としても使用することができる。従って、本発明の本態様のある種の実施形態において、オリゴヌクレオチドの集団の各オリゴヌクレオチドは、6ヌクレオチド又は7ヌクレオチド又は8ヌクレオチドからなるハイブリダイズ部分、及び該ハイブリダイズ部分に対して5’に位置している転写プロモーター部分を含む。別の実施形態において、所定の配列部分は、PCR増幅反応において使用するための第一のプライマー結合部位を含み、第一のプライマー結合部位は、場合によって、転写プロモーターを含み得る。例として、本発明によって提供されるオリゴヌクレオチドの集団は、本発明の本態様の方法の実施において有用である。
例えば、本発明の一実施形態において、哺乳動物の血液細胞由来の全て又は実質的に全てのmRNA分子の増幅を開始するためのプライマーとして使用することが可能であるが、哺乳動物の血液細胞由来のグロビンmRNA又はリボソームRNAの増幅を開始しない、それぞれが6ヌクレオチドの長さを有するオリゴヌクレオチドの集団(配列番号1から933)が同定された。オリゴヌクレオチドの同定された集団(配列番号1から933)は、さほどランダムでない(NSR)プライマーと称される。従って、哺乳動物の血液細胞から単離されたmRNA分子の出発集団を代表するが、グロビンmRNA又はリボソームRNAに対応するcDNA分子の多数を含まない核酸分子(例えば、cDNA)の集団の合成を開始するために、オリゴヌクレオチドのこの集団(配列番号1から933)を使用することが可能である。本発明は、T7プロモーター(配列番号934)などの所定の配列が配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団のメンバーに対して5’に位置する、オリゴヌクレオチドの集団も提供する。従って、各オリゴヌクレオチドは、標的核酸分子(例えば、mRNA)にハイブリダイズするハイブリダイズ部分(配列番号1から933から選択される。)及びハイブリダイズ部分に対して5’に位置するプロモーター配列を含み得る。プロモーター配列は、(T7プロモーターを含む)オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて増幅されたDNA分子中に取り込まれ得、その後、DNA分子からの転写を促進することが可能である。あるいは、転写プロモーターなどの所定の配列部分は、例えば、DNAリガーゼ酵素によって、cDNA分子へ共有結合され得る。
標的核酸集団の第一の亜集団は、例えば、例えば、最も豊富に発現されているmRNAなど、mRNAの選択された群を除く、細胞又は組織中で発現されている全てのmRNAを含み得る。豊富に発現されているmRNAは、典型的には、細胞又は組織中に発現されている全てのmRNAの少なくとも0.1%を占める(及び、例えば、細胞又は組織中に発現されている全てのmRNAの50%超又は60%超又は70%超を占め得る。)。豊富に発現されているmRANの例は、ある種の血液細胞中のグロビンmRNAである。有用な転写プロモーター配列としては、T7プロモーター(5’AATTAATACGACTCACTATAGGGAGA3’)(配列番号934))、SP6プロモーター(5’ATTTAGGTGACACTATAGAAGNG3’(配列番号935))及びT3プロモーター(5’ΑATTAACCCTCACTAAAGGGAGA3’(配列番号936))が挙げられる。
本発明の方法は、例えば、高度に発現されているRNA(例えば、グロビンmRNA又はリボゾームRNA)などの増幅された試料から(NSRプライマーにハイブリダイズしない)mRNAの群の存在を低下させることが望ましい、全血などの生物試料中の全RNAのトランスクリプトームのプロファイリングに有用である。幾つかの実施形態において、本発明の方法は、NSRプライマーにハイブリダイズする増幅された核酸分子の量に比べて、mRNA試料に由来する増幅された核酸中のNSRプライマーにハイブリダイズしない核酸分子の群の量を、少なくとも2倍、最大1000倍(少なくとも10倍、50倍、100倍、500倍又はそれ以上など)低下させるために使用され得る。
本発明の本態様の方法を実施するために使用されるオリゴヌクレオチドの集団は、オリゴヌクレオチドのより大きな集団内から選択され、(a)オリゴヌクレオチドの亜集団は、所定の条件下で標的核酸集団の第一の亜集団へハイブリダイズするが、前記所定の条件下で標的核酸集団の第二の亜集団にハイブリダイズしない能力に基づいて選択され;及び(b)オリゴヌクレオチドの集団は、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド又は8ヌクレオチドの長さを有する全ての可能なオリゴヌクレオチドを含む。
オリゴヌクレオチドの集団の組成。オリゴヌクレオチドの集団は、6ヌクレオチド又は7ヌクレオチド又は8ヌクレオチドの長さを有する全ての可能なオリゴヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドの集団は、6ヌクレオチドの長さを有する全ての可能なオリゴヌクレオチド、又は7ヌクレオチドの長さを有する全ての可能なオリゴヌクレオチド、又は8ヌクレオチドの長さを有する全ての可能なオリゴヌクレオチドのみを含み得る。場合によって、オリゴヌクレオチドの集団は、6ヌクレオチドの長さを有する全ての可能なオリゴヌクレオチド、又は7ヌクレオチドの長さを有する全ての可能なオリゴヌクレオチド、又は8ヌクレオチドの長さを有する全ての可能なオリゴヌクレオチドに加えて、他のオリゴヌクレオチドを含み得る。典型的には、オリゴヌクレオチドの集団の各メンバーは、30ヌクレオチド長以下である。
オリゴヌクレオチドの集団の配列。6ヌクレオチドの長さを有する4,096の可能なオリゴヌクレオチドが存在する。7ヌクレオチドの長さを有する16,384の可能なオリゴヌクレオチドが存在する。8ヌクレオチドの長さを有する65,536の可能なオリゴヌクレオチドが存在する。オリゴヌクレオチドの集団を構成するオリゴヌクレオチドの配列は、Microsoft Wordなどのコンピュータプログラムによって容易に生成させることができる。
オリゴヌクレオチドの亜集団の選択。オリゴヌクレオチドの亜集団は、オリゴヌクレオチドの亜集団のメンバーが、所定の条件下で、標的核酸集団の第一の亜集団へハイブリダイズするが、同一の所定の条件下で標的核酸集団の第二の亜集団のメンバーのかなりの数にハイブリダイズしない能力に基づいて、オリゴヌクレオチドの集団から選択される。標的核酸集団は、増幅されたRNA、一本鎖DNA又は二本鎖DNAを産生するために(例えば、逆転写、インビトロ転写、ポリメラーゼ連鎖反応又はこれの組み合わせを用いて)増幅されるべき核酸分子を含み、及び増幅されるべきでない核酸分子も含む核酸分子(例えば、mRNA又はDNA分子)の集団である。オリゴヌクレオチドの亜集団は、各々が、所定の条件下で、増幅されるべき核酸分子の集団全体に分配された配列にハイブリダイズするが、同一の所定の条件下で、増幅されるべきでない核酸分子の多く(又は全て)にハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドから構成される。オリゴヌクレオチドの亜集団は、所定の条件下で、意図的に回避されたもの以外の標的核酸配列にハイブリダイズする。
例えば、哺乳動物の血液細胞(例えば、ヒト血液細胞)中で発現された全てのmRNA分子の集団は、核酸分子の標的集団とすることが可能である。この標的集団は、グロビンタンパク質をコードする多くのmRNA分子を含有する。この標的集団は、多くのリボソームRNA分子(例えば、5S、18S及び28SリボソームRNA)も含有する。典型的には、グロビンmRNA又はリボソームRNAを増幅することは望ましくない。例えば、血液細胞中の遺伝子の発現を分析する遺伝子発現実験では、豊富なグロビンmRNA又はリボソームRNAの多数コピーの増幅は、より豊富でないmRNAのレベルの僅かな変化を不明確にし得る。その結果、本発明の実施において、所定の条件下で、多くの(又は全ての)グロビンmRNA又は多くの(又は全ての)リボソームRNAにハイブリダイズしないが、同一の所定の条件下で、血液細胞中で発現されている他のmRNA分子の多く(好ましくは全て)にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの亜集団が選択される。血液細胞の例には、白血球(例えば、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球及び単球)、赤血球及び血小板が含まれる。
所定の条件下で、標的核酸集団の第一の亜集団にハイブリダイズするが、前記所定の条件下で、前記標的核酸集団の第二の亜集団にハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドの亜集団を選択するためには、標的核酸集団の第二の亜集団のメンバーの完全な又は実質的に完全な核酸配列を知ることが必要である。従って、例えば、第二の亜集団がグロビンmRNA及びリボソームRNAを含む場合には、グロビンmRNA(又は代表的なグロビンmRNA)並びに5S、18S及び28SリボソームRNA(又はリボソームRNAの前記クラスの各々の代表的メンバー)の核酸配列を知ることが必要である。
次いで、グロビンmRNA及びリボソームRNAの配列と、オリゴヌクレオチド集団中の全オリゴヌクレオチドの配列(例えば、全ての可能な6核酸オリゴヌクレオチドの集団)を比較して、何れのオリゴヌクレオチドが、所定のハイブリダイゼーション条件下で、グロビンmRNA及びリボソームRNAの何れかの部分にハイブリダイズするかを決定するために、適切なソフトウェアプログラムが使用される。所定のハイブリダイゼーション条件下で、グロビンmRNA及びリボソームRNAの何れの部分にもハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドのみが選択される。核酸配列の比較及び所定のハイブリダイゼーション条件下で互いにハイブリダイズする配列の同定を可能とするパールスクリプトを容易に記述し得る。
従って、例えば、実施例1により完全に記載されているように、何れかのリボソームRNA配列の何れかの部分に対して正確に相補的でなく、又はグロビンmRNA配列の何れかの部分に正確に相補的でない全ての可能な6核酸オリゴヌクレオチドの亜集団が同定された。一般的に、(所定の条件下で、標的核酸集団の第一の亜集団にハイブリダイズするが、前記所定の条件下で、前記標的核酸集団の第二の亜集団にハイブリダイズしない)オリゴヌクレオチドの亜集団は、標的核酸集団中の全て又は実質的に全ての核酸分子にハイブリダイズするのに十分な異なるオリゴヌクレオチド配列を含有しなければならない。本明細書の実施例2は、配列番号1から933に記載されている核酸配列を有するオリゴヌクレオチドの集団が、RefSeqと称される公に閲覧可能なデータベース中に格納されている遺伝子転写物の集団内の全て又は実質的に全ての核酸配列にハイブリダイズすることを示している。
さらなる所定の核酸配列部分。オリゴヌクレオチドの選択された亜集団(例えば、配列番号1から933)は、核酸分子の標的集団の増幅を開始するために使用することが可能である。あるいは、各オリゴヌクレオチドがオリゴヌクレオチドの選択された亜集団の1つのメンバーの配列を含み、さらなる所定の核酸配列も含むオリゴヌクレオチドの集団をプライマーとして使用することが可能である。さらなる所定の核酸配列は、典型的には、オリゴヌクレオチドの選択された亜集団のメンバーの配列に対して5’に位置している。典型的には、オリゴヌクレオチドの集団は、オリゴヌクレオチドの選択された亜集団の全てのメンバーの配列を含む(例えば、オリゴヌクレオチドの集団は、配列番号1から933に示されている配列の全てを含むことができる。)。
さらなる所定の核酸配列は、相補的標的配列に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション特異性に影響を与えないように選択される。例えば、図1Cに記載されているように、各オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの選択された亜集団のメンバーの配列に対して5’に位置した転写プロモーター配列を含むことが可能である。プロモーター配列は、従って、RNAの合成用テンプレートとして使用することができる増幅された核酸分子中に取り込まれ得る。オリゴヌクレオチドの集団の所定の配列部分中には、あらゆるRNAポリメラーゼプロモーター配列を含めることが可能である。代表的な例としては、T7プロモーター(配列番号934)、SP6プロモーター(配列番号935)及びT3プロモーター(配列番号936)が挙げられる。
別の例において、図1Dに記載されているように、各オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの選択された亜集団のメンバーの配列に対して5’に位置するプライマー結合部位を含む所定の配列を含むことが可能である。プライマー結合部位は、増幅された核酸中に取りこまれ、次いで、増幅された核酸は、cDNAから二本鎖の増幅されたDNA産物を作成するためのPCRプライマー結合部位として使用することができる。プライマー結合部位は、例えば、表35中に示されているように、転写プロモーター配列の一部であり得る。あるいは、プライマー結合部位は、転写プロモーター配列の一部(例えば、実施例11に記載されているような、配列番号956)を含まない場合があり得る。
例えば、本発明の一実施形態は、オリゴヌクレオチドの集団を提供し、該集団の各オリゴヌクレオチドは、(a)オリゴヌクレオチドの亜集団のメンバーである6核酸オリゴヌクレオチドの配列(配列番号1から933)(オリゴヌクレオチドの亜集団は、哺乳動物の血液細胞中で発現されている全て又は実質的に全てのmRNAにハイブリダイズしないが、グロビンmRNA又はリボソームRNAにハイブリダイズしない。);及び(b)6核酸オリゴヌクレオチドの配列に対して5’に位置するT7転写プロモーター配列(配列番号934)を含む。一実施形態において、オリゴヌクレオチドの集団は、配列番号1から933に記されている6ヌクレオチド配列の全てを含む。別の実施形態において、オリゴヌクレオチドの集団は、配列番号1から933に記されている6ヌクレオチド配列の少なくとも10%(少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は99%など)を含む。
場合によって、スペーサー部分は、所定の配列部分及びハイブリダイズ部分の間に位置する。スペーサー部分は、典型的には、1から12ヌクレオチド長(例えば、1から6ヌクレオチド長)であり、ヌクレオチドのあらゆる組み合わせを含むことができる。スペーサー部分は、例えば、ヌクレオチドのランダムな選択から構成され得る。スペーサー部分の全部又は一部は、ハイブリダイズ部分と同一の標的核酸配列にハイブリダイズし得、又はハイブリダイズし得ない。スペーサー部分の全部又は一部がハイブリダイズ部分と同一の標的核酸配列にハイブリダイズすれば、効果は、ハイブリダイズ部分及びハイブリダイズするスペーサー部分を含むオリゴヌクレオチドによって開始されるcDNA合成の効率を増強させることである。
ハイブリダイゼーション条件。本発明の実施において、オリゴヌクレオチドの亜集団は、オリゴヌクレオチドの亜集団のメンバーが、所定の条件下で、標的核酸集団の第一の亜集団にハイブリダイズするが、同一の所定の条件下で標的核酸集団の第二の亜集団にハイブリダイズしない能力に基づいて、オリゴヌクレオチドの集団から選択される。所定のハイブリダイゼーション条件は、グロビンmRNA又はリボソームRNAを除く、試料中に存在する全ての核酸分子に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを許容する。典型的には、ハイブリダイゼーション条件は、未変性二重鎖の融解温度(Tm)より25℃から30℃(例えば、10℃)以下である。約100塩基より多い核酸分子に対するTは、式T=81.5+0.41%(G+C)−log(Na)((G+C)は、核酸分子のグアノシン及びシトシン含量である。)によって計算することが可能である。100塩基長未満のオリゴヌクレオチド分子の場合、典型的なハイブリダイゼーション条件は、Tmより5から10℃低い。平均して、短いオリゴヌクレオチド二重鎖のTmは、約(500/オリゴヌクレオチド長)℃だけ低下する。本発明の幾つかの実施形態において、ハイブリダイゼーション温度は、40℃から50℃の範囲である。適切なハイブリダイゼーション条件は、過度の実験操作なしに、経験的にも同定され得る。
増幅条件。本発明の実施において、標的核酸集団の第一の亜集団の増幅は、所定の増幅条件下で起こる。ハイブリダイゼーション条件は、上記のように選択することが可能である。典型的には、所定の増幅条件としては、逆転写酵素を用いた第一鎖cDNA合成が挙げられる。逆転写反応は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)の所定の濃度の存在下で行われる。幾つかの実施形態において、dNTP濃度は、実施例5から9に記載されているように、標的遺伝子に対して増幅された産物を濃縮するために、約1000から約2000μMの範囲である。
オリゴヌクレオチドの組成及び合成。本発明の実施において有用なオリゴヌクレオチドプライマーは、所望の反応をなお開始することができる限り、DNA、RNA、PNA、キメラ混合物又はこれらの誘導体若しくは修飾された様式とすることが可能である。オリゴヌクレオチドプライマーは、塩基部分、糖部分又はホスファート骨格において修飾することが可能であり、所望の増幅反応をなお開始させることができる限り、他の付加基又は標識を含み得る。
例えば、オリゴヌクレオチドプライマーは、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキューオシン、5N−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸、シュードウラシル、キューオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル及び2,6−ジアミノプリンを含む(但し、これらに限定されない。)群から選択される少なくとも1つの修飾された塩基部分を含み得る。
同じく、例として、オリゴヌクレオチドプライマーは、アラビノース、2−フルオロアラビノース、キシルロース及びヘキソースを含む(但し、これらに限定されない。)群から選択される少なくとも1つの修飾された糖部分を含むことができる。
さらなる例として、オリゴヌクレオチドプライマーには、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホルアミドチオアート、ホスホルアミダート、ホスホルジアミダート、メチルホスホナート、アルキルホスホトリエステル及びフォルムアセタール又はこれらの類縁体からなる群から選択される少なくとも1つの修飾されたホスファート骨格を含むことができる。
本発明の方法において使用するためのオリゴヌクレオチドプライマーは、非特異的な核酸切断化学若しくは酵素、又は部位特異的な制限エンドヌクレアーゼを用いたより大きな核酸断片の切断によって、又は本分野において公知の標準的な方法よる合成、例えば、自動化されたDNA合成装置(Biosearch,Applied Biosystemsなどから市販されているものなど)及び標準的なホスホルアミダイト化学の使用による合成によって誘導され得る。例として、ホスホロチオアートオリゴヌクレオチドは、Steinら(Nucl.AcidsRes.75:3209−3221,1988)の方法によって合成され得、メチルホスホナートオリゴヌクレオチドは、制御された孔ガラスポリマー支持体の使用によって調製することができる(Sarin et al., Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.55:7448−7451,1988)。
所望のオリゴヌクレオチドが合成されたら、その上で合成された固相支持体からオリゴヌクレオチドを切除し、存在する全ての保護基を除去するために、本分野で公知の方法によって処理される。次いで、抽出及びゲル精製などの本分野で公知の何れかの方法によって、オリゴヌクレオチドを精製し得る。オリゴヌクレオチドの濃度及び純度は、アクリルアミドゲル上で分離されたオリゴヌクレオチドを調べることによって、又は分光光度計中で260nmでの光学密度を測定することによって測定し得る。
本発明の本態様の方法は、例えば、mRNAのコード領域、イントロン、遺伝子の選択的にスプライスされた形態のコード領域及び遺伝子発現を制御する非コードRNAを選択的に増幅するために使用することが可能である。
別の実施形態において、本発明は、配列番号1から933に記されている核酸配列の少なくとも10%(少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は99%など)を含むオリゴヌクレオチドの集団を提供する。例えば、これらのオリゴヌクレオチド(配列番号1から933)は、グロビンmRNA又はリボソームRNA分子に対して相補的なcDNA分子の合成を開始させずに、哺乳動物の血液から単離されたmRNA分子に対して相補的なcDNA分子の合成を開始させるために使用することが可能である。実際、例えば、これらのオリゴヌクレオチド(配列番号1から933)は、グロビンmRNA又はリボソームRNAの有意な量を増幅させずに、mRNA分子の全ての集団をテンプレートとして用いて、cDNAの合成を開始させるために使用することが可能である。例えば、本発明は、転写プロモーター(T7プロモーター(配列番号934)など)などの所定の配列部分が、配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団のメンバーに対して5’に位置する、オリゴヌクレオチドの集団を提供する。従って、幾つかの実施形態において、本発明は、各オリゴヌクレオチドが配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団の異なるメンバーに対して5’に位置するT7プロモーター(配列番号934)からなるオリゴヌクレオチドの集団を提供する。幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドの集団は、配列番号1から933に記されている6ヌクレオチド配列の少なくとも10%(20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は99%など)を含む。
別の態様において、本発明は、核酸分子の標的集団を選択的に増幅するための試薬を提供する。例えば、本試薬は、グロビンmRNA又はリボソームRNA分子に対して相補的なcDNA分子の合成を開始させずに、哺乳動物の血液細胞から単離されたmRNA分子に対して相補的なcDNA分子の合成を開始させるために使用することが可能である。本発明の試薬は、配列番号1から933に示されている核酸配列の少なくとも10%を含むオリゴヌクレオチドの集団を含む。幾つかの実施形態において、本発明は、配列番号1から933に記されている6ヌクレオチドの配列の少なくとも10%(20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は99%など)を含むオリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を提供する。幾つかの実施形態において、グロビンmRNA又はリボソームRNAを除く、試料中に存在する実質的に全ての核酸分子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの集団が選択される。他の実施形態において、試料中に存在する核酸分子の亜群にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの集団が選択され、核酸分子の前記亜群は、グロビンmRNA又はリボソームRNAを含まない。
別の実施形態において、本発明は、転写プロモーター(T7プロモーターなど)を含む所定の配列部分が配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団のメンバーに対して5’に位置する、オリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を提供する。従って、幾つかの実施形態において、本発明は、各オリゴヌクレオチドが配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団の異なるメンバーに対して5’に位置するT7プロモーター(配列番号934)からなるオリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を提供する。
別の実施形態において、本発明は、プライマー結合部位を含む所定の配列部分が配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団のメンバーに対して5’に位置する、オリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を提供する。従って、幾つかの実施形態において、本発明は、各オリゴヌクレオチドが配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団の異なるメンバーに対して5’に位置するプライマー結合部位(配列番号956)からなるオリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を提供する。本発明の試薬は、水溶液又は水が除去された水溶液又は凍結乾燥された固体として提供することができる。
さらなる実施形態において、本発明の試薬は、二本鎖cDNAを産生するための以下の成分:逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ、RNアーゼH酵素、Tris緩衝液、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、還元剤、デキシヌクレシド三リン酸(dNTP)、β−ニコチンアミドアデニン二ヌクレオチド(β−NAD+)及びリボヌクレアーゼ阻害剤の1つ又はそれ以上を含み得る。例えば、試薬は、低下したRNアーゼH活性及び増加した熱安定性を有する逆転写酵素(例えば、SuperScriptTMIIIReverse Transcriptase, Invitrogen)及び50から5000μMの範囲、又はより好ましくは、1000から2000μMの範囲のdNTPの最終濃度など、第一鎖cDNA合成に対して最適化された成分を含み得る。
別の態様において、本発明は、核酸分子の標的集団を選択的に増幅するためのキットを提供する。幾つかの実施形態において、キットは、転写プロモーター(例えば、T7プロモーター)などの所定の配列部分が配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団のメンバーに対して5’に位置する、オリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を含む。従って、幾つかの実施形態において、本発明は、各オリゴヌクレオチドが配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団の異なるメンバーに対して5’に位置するT7プロモーター(配列番号934)からなる、オリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を含有するキットを提供する。本実施形態に係るキットは、さほどランダムでない本発明のプライマーを用いて作製されたcDNAから、インビトロで転写されたRNAを製造するのに有用である。
幾つかの実施形態において、キットは、各オリゴヌクレオチドが配列番号1から933に記されている配列を有するオリゴヌクレオチドの集団の異なるメンバーに対して5’に位置するプライマー結合部位として使用するのに適した所定の配列からなる、オリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を含有する。本実施形態に係るキットは、本発明のさほどランダムでないプライマーを用いて作製されたcDNAのPCR増幅から生成された二本鎖DNAを製造するのに有用である。
本発明のキットは、本明細書に記載されている方法に従って、標的核酸集団の何れかの亜集団、例えば、最も豊富に発現されたmRNAを除く、細胞又は組織中に発現されている全てのmRNAを検出するために設計され得る。哺乳動物のmRNA標的分子の非限定的な例として、哺乳動物の血液細胞由来のmRNA分子の全て又は実質的に全てが挙げられる。典型的なオリゴヌクレオチドプライマーの非限定的な例として、配列番号1から933が挙げられる。転写プロモーターの非限定的な例は、配列番号934から936に記載されている。プライマー結合領域の非限定的な例は、配列番号946、955及び956として記載されている。
スペーサー部分には、標的mRNAにハイブリダイズするヌクレオチドなど、ヌクレオチドのあらゆる組み合わせが含まれ得る。
ある種の実施形態において、キットは、6個、7個又は8個のヌクレオチドのハイブリダイズ部分を有するオリゴヌクレオチドプライマーを含む試薬を含む。
ある種の実施形態において、キットは、哺乳動物のmRNA標的の複数を検出するために使用され得るオリゴヌクレオチドプライマーの集団を含む試薬を含む。
ある種の実施形態において、キットは、40℃から50℃の温度範囲でハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む。
別の実施形態において、キットは、rRNA又はグロビンmRNAを検出しないオリゴヌクレオチドの亜集団を含む。キットの本実施形態に従って使用するための典型的なオリゴヌクレオチドは、配列番号1から933に提供されている。
幾つかの実施形態において、キットは、配列番号1から933に記されている6ヌクレオチド配列の少なくとも10%(少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は99%など)を含むオリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を含む。
ある種の実施形態において、キットは、転写プロモーターがT7プロモーター(配列番号934)、SP6プロモーター(配列番号935)又はT3プロモーター(配列番号936)を含む、オリゴヌクレオチドを含む。
別の実施形態において、キットは、ヌクレオチドのあらゆる組み合わせを含む1から12個のヌクレオチドのスペーサー部分を有するオリゴヌクレオチドを含み得る。
本発明の幾つかの実施形態において、キットは、cDNAを産生するための以下の成分:逆転写酵素、DNAポリメラーゼ酵素、DNAリガーゼ酵素、RNアーゼH酵素、Tris緩衝液、カリウム塩(例えば、塩化カリウム)、マグネシウム塩(例えば、塩化マグネシウム)、アンモニウム塩(例えば、硫酸アンモニウム)、還元剤(例えば、ジチオスレイトール)、デキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)、β−ニコチンアミドアデニン二ヌクレオチド(β−NAD+)及びリボヌクレアーゼ阻害剤の1つ又はそれ以上をさらに含み得る。例えば、キットは、低下したRNアーゼH活性及び増加した熱安定性を有する逆転写酵素(例えば、SuperScriptTMIIIReverse Transcriptase, Invitrogen)及び50から5,000μMの範囲、又はより好ましくは、1000から2000μMの範囲のdNTPの最終濃度を与えるためのdNTP原溶液など、第一鎖cDNA合成に対して最適化された成分を含み得る。
様々な実施形態において、キットは、PCR増幅工程中に二本鎖DNAに優先的に又は排他的に結合するSYBRグリーン色素又はBEBO色素などの検出試薬を含み得る。他の実施形態において、キットは、PCR増幅産物の量を測定するために蛍光発光体及び消光物質を含むフォワード及び/又はリバースプライマーを含み得る。
本発明のキットは、増幅されたcDNAのインビトロ転写のための試薬も提供し得る。例えば、幾つかの実施形態において、キットは、以下の成分−RNAポリメラーゼ酵素、IPPアーゼ(イノシトールポリホスファート1−ホスファターゼ)酵素、転写緩衝液、Tris緩衝液、ナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム)、マグネシウム塩(例えば、塩化マグネシウム)、スペルミジン、還元剤(例えば、ジチオスレイトール)、ヌクレオシド三リン酸(ATP、CTP、GTP、UTP)及びアミノアリルUTPの1つ又はそれ以上をさらに含み得る。
別の実施形態において、キットは、標識されたcDNA試料をマイクロアレイにハイブリダイズさせる際に使用するために、インビトロ転写産物をCy3又はCy5色素で標識するための試薬を含み得る。
キットは、場合によって、mRNA標的の選択的増幅においてキットを使用するための指示書を含む。キットには、増幅されたcDNA分子のインビトロ転写のための指示書並びにインビトロ転写産物を標識し、及びマイクロアレイにハイブリダイズさせるための指示書を場合によって提供することも可能である。
別の態様において、本発明は、増幅されたRNA分子を生成するために、核酸分子の標的集団を選択的に増幅する方法を提供する。本方法は、(a)オリゴヌクレオチドの集団を準備すること(各オリゴヌクレオチドはハイブリダイズ部分及び該ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する転写プロモーター部分を含み、前記ハイブリダイズ部分は配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの集団のメンバーである。);(b)哺乳動物対象から単離されたmRNAを含む試料に、前記オリゴヌクレオチドの集団をアニールすること;(c)逆転写酵素を用いて、前記mRNAからcDNAを合成すること;(d)DNAポリメラーゼを用いて二本鎖cDNAを合成すること;及び(e)増幅されたRNAを生成するために、各オリゴヌクレオチドの転写プロモーター部分に結合するRNAポリメラーゼを用いて、二本鎖cDNAをRNAへ転写すること、を含む。図1Cは、本発明の本態様に係る本方法の代表的実施形態を示している。本明細書に記載されている方法及び試薬は、本発明の本態様の実施において有用である。
別の態様において、本発明は、増幅されたDNA分子を生成するために、核酸分子の標的集団を選択的に増幅する方法を提供する。本方法は、(a)オリゴヌクレオチドの第一の集団を準備すること(各オリゴヌクレオチドはハイブリダイズ部分及び該ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する第一のPCRプライマー結合部位を含み、前記ハイブリダイズ部分は配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの集団のメンバーである。)、(b)哺乳動物対象から単離されたmRNAを含む試料に、前記オリゴヌクレオチドの集団をアニールすること、(c)逆転写酵素を用いて、前記mRNAからcDNAを合成すること、(d)DNAポリメラーゼ及びオリゴヌクレオチドの第二の集団を用いて二本鎖cDNAを合成すること(各オリゴヌクレオチドは、ランダムなハイブリダイズ部分及び該ハイブリダイズ部分の5’に位置する第二のPCR結合部位を含む。)、並びに(e)増幅された二本鎖DNAを生成するために、熱安定性DNAポリメラーゼ、第一のプライマー結合部位に結合する第一のPCRプライマー及び第二のPCRプライマー結合部位に結合する第二のPCRプライマーを用いて、二本鎖cDNAをPCR増幅すること、を含む。図1Dは、本発明の本態様の本方法の代表的実施形態を示している。
本発明の本態様に従って、第一鎖cDNAから第二鎖DNA分子を合成するために、あらゆるDNA依存性DNAポリメラーゼを使用し得る。例えば、第二鎖DNA分子を合成するために、DNAポリメラーゼIのKrenow断片を使用することが可能である。第二鎖DNA分子の合成は、6から9個のランダムなヌクレオチドからなるハイブリダイズ部分を含み、及び該ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する所定の配列部分をさらに含むオリゴヌクレオチドの第二の集団を用いて開始される。所定の配列部分は、配列がオリゴヌクレオチドの第一の集団中に含有される所定の配列と異なっていれば、あらゆる適切な配列を含み得る。プライマー配列の選択に応じて、これらの所定の配列部分は、例えば、第二のDNA分子からDNA依存性RNA合成を選択的に誘導するために、及び/又はDNA依存性DNA合成を介して二本鎖cDNAテンプレートを増幅するために使用することが可能である。
二本鎖DNA分子の精製:第二のDNA分子の合成は、図1Dに示されているように、第一のDNA分子が第二のDNA分子にハイブリダイズされる二本鎖DNA分子の集団を与える。典型的には、二本鎖DNA分子は、第二のプライマーの全て又は実質的に全て(すなわち、典型的には、99%超)など、50塩基対より短い実質的に全ての核酸分子を除去するために精製される。好ましくは、精製方法は、実質的に二本鎖であるDNA分子を選択的に精製し、対を形成していない実質的に全ての一本鎖核酸分子(一本鎖プライマーなど)を除去する。精製は、サイズ分画カラムを通じた溶出によるなど、本分野で認められたあらゆる手段によって達成することが可能である。次いで、精製された第二のDNA分子は、例えば、沈殿させ、本発明の本態様の方法の次の段階のために適切な緩衝液中に再溶解させることができる。
二本鎖DNA分子の増幅。本発明の本態様の方法の実施において、二本鎖DNA分子は、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて酵素的に増幅されたテンプレートとして使用される。ポリメラーゼ連鎖反応を開始させるために、あらゆる適切なプライマーを使用することが可能である。典型的には、2つのプライマーが使用され、一方のプライマーは第一のプライマー配列の所定の部分(又はその相補物)にハイブリダイズし、他方のプライマーは第二のプライマー配列の所定の部分(又はその相補物)にハイブリダイズする。
PCR増幅条件。一般的に、ポリメラーゼ連鎖反応中の増幅サイクルの数が多くなるほど、得られる増幅されたDNAの量は多くなる。他方で、増幅サイクルが多すぎると、二本鎖DNAのランダムに偏った増幅がもたらされ得る。従って、幾つかの実施形態において、増幅サイクルの望ましい数は、10から30増幅サイクルなどの5から35増幅サイクルなど、5と40増幅サイクルの間である。
温度条件に関しては、典型的には、サイクルは、95℃などの融解温度;約40℃から70℃までを変動するアニーリング温度及び典型的には約72℃である伸長温度を含む。アニーリング温度に関しては、幾つかの実施形態において、アニーリング温度は、約55℃から65℃、より好ましくは60℃である。
一実施形態において、本発明の本態様において使用するための増幅条件は、(95℃、30秒;60℃、30秒;72℃、60秒)の10サイクル、次いで、(95℃、30秒;60℃、30秒、72℃、60秒の20サイクル(各サイクルごとに、伸長工程に+10秒が付加される。))を含む。
本発明の本態様の方法において使用するためのPCR反応成分に関して、dNTPは、典型的には、50μMから2000μM、より好ましくは800から1000μMのdNTPの範囲で反応中に存在し、MgClは、典型的には、0.25mMから10mM、より好ましくは約4mMの範囲で反応中に存在する。フォワード及びリバースPCRプライマーは、典型的には、約50nMから2000nMで反応中に存在し、より好ましくは、約1000nMの濃度で存在する。
DNA標識。ハイブリダイゼーション実験中におけるプローブ(DNAチップをスクリーニングするために使用されるプローブなど)としての使用を容易にするために、増幅されたDNA分子は、場合によって、色素分子で標識することが可能である。蛍光発光体及び化学発光などのあらゆる適切な色素分子を使用することが可能である。増幅されたDNA分子に色素分子を付着させるための典型的な方法は、実施例15に記載されている。
本発明の本態様に係る方法は、例えば、全RNAを含有する生物試料(全血など)中でのトランスクリプトームプロファイリグのために使用され得る。幾つかの実施形態において、本発明の本態様の方法に従って産生された、増幅されたDNAは、遺伝子発現実験において使用するために標識され、これにより、NSRによって開始されたcDNAから生成された、増幅されたRNAより低いバッグラウンドレベルを典型的に生じるハイブリダイゼーションベースの試薬を提供する。
本発明の本態様の幾つかの実施形態において、第一及び/又は第二のプライマー結合領域の所定の配列部分は、1つ又はそれ以上の制限酵素部位を含み、これにより、増幅された部分に隣接する1つ又はそれ以上の制限酵素部位を有する増幅された二本鎖DNA産物の集団を生成する。これらの増幅された産物は、配列分析のために直接使用し得、又は、制限酵素での消化によって放出させ、さらなる分析のための発現ベクターなどのあらゆる所望のベクター中にサブクローニングし得る。
以下の実施例は、本発明を実施するために、現在想定される最良の様式を例示するものに過ぎず、本発明を限定するものと解釈すべきではない。
本実施例は、血液細胞中で発現されている全て又は実質的に全てのmRNA分子にハイブリダイズするが、グロビンmRNA又はリボソームRNAにハイブリダイズしない933個の6マーオリゴヌクレオチド(配列番号1から933)の集団の選択について記載する。
各ヌクレオチドがA、T(又はU)、C又はGである、全4096個の可能な6マーオリゴヌクレオチドを計算した。各6マーオリゴヌクレオチドの逆相補物を、18S及び28SrRNAのヌクレオチド配列、及び血液試料中の発現の高いレベルに基づいて選択された以下の6つのヘモグロビン遺伝子のヌクレオチド配列と比較した。
Figure 2009513142
8つの転写物配列の何れかと完璧な合致を有する逆相補6マーオリゴヌクレオチドを除去した。933個の6マー(配列番号1から933)の逆相補物は、グロビン又はrRNA転写物の何れの部分とも完璧に合致しなかった。グロビン又はrRNA遺伝子の何れの部分とも完全に合致しない933個の6マーオリゴヌクレオチド(配列番号1から933)を、「さほどランダムでない(NSR;Not−So−Random)」プライマーと称する。
本実施例は、配列番号1から933に記されている核酸配列を有するオリゴヌクレオチドの集団が、National Center for Biotechnology Information(NCBI),U.S. National Library of Medicine, 8600 Rockville Pike, Bethesda, MD 20894, U.S.A.のウェブサイトで閲覧可能なRefSeqデータベース内の核酸配列上の4ないし5ヌクレオチドごとにハイブリダイズすることを示している。NCBIの基準配列転写物データベース(RefSeq)は、ヒトタンパク質コード転写物の黄金標準と考えられるものを含有している。
図1Aに示されているように、ランダムな6マー(N6)は、RefSeqデータベースから得られる転写物配列(「ヌクレオチド配列」と表される。)上の全てのヌクレオチド位置においてアニールすることができる。その逆相補物がリボソームRNA及びグロビンmRNAに完全な合致する6マーを差し引いた後、残りのNSRオリゴヌクレオチド(配列番号1から933)は、図1Bに示されているように、RefSeqデータベース内の核酸配列(「ヌクレオチド配列」と表される。)上の4ないし5ヌクレオチドごとに完全な合致を示す。図2に示されているように、NSRオリゴヌクレオチド結合部位は、ヘモグロビン遺伝子中には存在しない(図2には、「A」として表されている。)。3つの遺伝子(LCE1A、CLE1D、LCE1F)からなる1つの非典型的な遺伝子ファミリー(図2中では、「B」として表されている。)は、100ヌクレオチド当たり僅かに4つのNSR6マー結合部位を含有する。しかしながら、RefSeq転写物は、通例、100ヌクレオチド当たりの5ないし30個のNSRオリゴヌクレオチド(配列番号1から933)結合部位を全ての場所に有しており、多くの転写物は、100ヌクレオチド当たり15から20個のNSR結合部位(図2では、「C」として表されている。)を有する。
従って、933個の6マー(配列番号1から933)の集団は、18S、28S及びヘモグロビン転写物を除く全ての転写物を増幅することができる。
本実施例は、(各々が、5’末端に共有結合されたT7プロモーター(配列番号934)を有する)933個の6マー(配列番号1から933)を用いた、アクチンレポーターmRNAのPCR増幅が、グロビンmRNA及びrRNAの増幅開始を選択的に低下させることを示している。
製造業者の指示書に従って、PAXgene Blood RNA Kit(Qiagen, Inc., Valencia, CA)を用いて、ヒト全血の各ドナーから全RNAを抽出した。5’末端に共有結合されたT7プロモーターを有する5μMの6マー(配列番号1から933)(T7−NSR6)又はランダムな9マー(T7−N9)を用いて、テンプレートRNA100ngからcDNAを合成するために、MMLV(モロニーマウス白血病ウイルス)逆転写酵素(Epicentre Biotechnologies,Madison,WI)を使用した。逆転写の前に、プライマー及びテンプレートを含有する水5μLを65℃で5分間変性させ、4℃で瞬間冷却し、23℃に平衡化させた。逆転写のために、水1μL、5×First Strand Buffer(250mMTris−HCl,pH8.3;375mMKCl;15mMMgCl;Invitrogen Corporation, Carlsbad, CA)、100mMDTT0.5μL、10mMdNTP0.5μL及びMMLV逆転写酵素1.0μL(50単位/μL)を含有するRTマスター混合物5μLを、試料混合物に添加した。40℃で120分間、95℃で5分間、10μLの反応物を温置し、室温まで冷却し、水で5倍希釈した。
逆転写後に、7900HTPCR機器(Applied Biosystems, Foster City, CA)を使用して、384ウェル光学PCRプレート中での定量的PCR(qPCR)によって、10μLの最終反応容量中で、cDNA2μLの2つ組みの測定を行った。qPCRは、製造業者の推奨される条件を用いて、ABITaqMar(R)アッセイ(真核生物の18SrRNA、ABIカタログ番号Hs99999901s1;ヒトβアクチン、ABIカタログ番号4310881E;ヒトβヘモグロビン、ABIカタログ番号Hs00747223 g1;ABI Assay−by−Designαグロビン;(フォワード5’−GCACGCGCACAAGCT−3’(配列番号937)、リバース5’−GGGTCACCAGCAGGCA−3’(配列番号938)、FAMプローブ5’−ACTTCAAGCTCCTAAGCCAC−3’(配列番号939)を使用して行った。PCR後に、結果の表をExcel(Microsoft Corp.,Redmond,WA)に出力し、試料に対する定量的分析を生データから回帰した(存在量=10[(Ct−5)/−3.4])。
933個のNSR6マー(配列番号1から933)を用いたヒト全血の全RNAの逆転写は、qPCRによって測定されたところによると、cDNA中のグロビン及びrRNA含量の著しい低下をもたらした。具体的には、T7−NSR6によって開始されたcDNAは、ランダムな9マー(T7−N9)を用いて生成されたcDNAと比べて、αグロビン(58%低下)、βグロビン(85%低下)及び18SrRNA(75%低下)の低下した存在量を示した。
表2中で以下に示されているように、T7−NSR6によって開始されたcDNAは、ランダムな9マーを用いて生成されたcDNAと比べて、βグロビン(HBB)(94%低下)及び18SrRNA(91%低下)の低下した存在量を示した。これに対して、2つのプライマープール(T7−N9及びT7−NSR6)に対するβアクチンのcDNAレベルは、RNAの増幅後に同等であり、これは、3つの独立したドナーを用いて確認された結果である(データは示さず。)。
Figure 2009513142
本実施例は、(各々が、5’末端に共有結合されたT7プロモーター(配列番号934)を有する)933個の6マー(配列番号1から933)が、トランスクリプトームの相当な割合の増幅を開始することを示している。
cDNAの複雑性を評価するために、933個の6マー(配列番号1から933)を使用して、2段階の逆転写及びインビトロ転写(IVT)アプローチを用いて、2つの異なる細胞株(Jurkat及びK562)由来の全RNAを増幅した。増幅産物を標識し、Jurkat又はK562細胞の何れかの中で発現されていることが知られている約5000個のヒト転写物に対するプローブを含有するDNAマイクロアレイにハイブリダイズした。転写物のほぼ82%(4244/5198)が、何れかの細胞株中で、バックグラウンドシグナル強度を上回るシグナル強度(log強度−1.5)を報告した。さらに、933個の6マー(配列番号1から933)を用いて増幅されたRNAから得られたJurkat/K562発現プロファイルは、ランダムに開始されたJurkat及びK562mRNAから増幅された対照プロファイルに対して類似性の高い程度を示した(何れかの実験において、p値<0.01を有するプローブに対して:相関係数=0.72)。
増幅実験は、以下のように実施した。細胞株Jurkat(Tリンパ球、ATCC No.TIB−152)及びK562(慢性骨髄性白血病、ATCCNo.CCL−243)に対して、Ambion,Inc.(Austin,TX)から全RNA及びmRNAを入手した。マイクロアレイハイブリダイゼーションのために増幅されたRNA(aRNA)を生成させるために、逆転写及びインビトロ転写を用いた2段階増幅アプローチを使用した。実施例3に記載されているように、20μLの反応容量中で、全RNA1μg及び5μMプライマーからNSRcDNAを合成したが、40℃で6時間の延長された温置段階を用いた。実施例3に記載されているように、20μLの反応容量中で10μMのランダム9マーを用いて、mRNA100ngからcDNAを合成した。933個の6マー(配列番号1から933)及びランダムな9マーの5’末端に、T7プロモーター配列(配列番号934)を共有結合した。
インビトロ転写のために、5×Transcription Buffer16μL(0.2MTris−HCl,pH7.5、50mMNaCl、30mMMgCl及び10mMスペルミジン;Epicentre Biotechnologies、Madison、WI)、100mMDTT6μL、200mMMgCl3.3μL、NTP(25mMATP、25mMCTP、25mMGTP、6mMUTP)8μL、75mMアミノアリル−UTP2μL、IPPアーゼ0.6μL(2U/μL)、T7RNAポリメラーゼ0.08μL(2.5kU/μL)、水24μLを含有するIVTプレミックス60μLに、20μLのRT反応物を添加し、40℃で16時間、70℃で5分間温置し、室温まで冷却した。1Mバイカルボナート緩衝液中で1時間、最終産物をCy3又はCy5色素に結合させた。4Mヒドロキシルアミンの添加で反応を終了させた後、RNAeasySpinColumnを用いて精製した。分光光度計により、パーセント色素取り込み及び総cDNA収率を測定した。以前に記載されているとおり、Cy3/Cy5標識されたcDNA試料の対を合わせて、マイクロアレイにハイブリダイズさせた(Roberts et al.“Signaling and Circuitry of Multiple MAPK Pathways Revealed by a Matrix of Global Gene Expression Profiles,”Science 287:873−880,2000)。48時間、アレイをハイブリダイズさせた後、洗浄し、Agilent Microarray Scanner上で走査した。
Agilent Technologies(Palo Alto, CA)から、特注の高密度オリゴヌクレオチドアレイを入手した。以前に記載された実験から得たアレイプローブデザインに対して、計5198個の転写物を選択した(Hughes et al.,“Expression profiling using microarrays fabricated by an ink−jet oligonucleotide synthesizer,”Nat.Biotechnol.19(4):342−347,2001)。ヌクレオチド組成及びクロスハイブリダイゼーション能に基づいて、プローブ配列(60マー)を選択し、各転写物に対する既知のポリアデニル化部位の少なくとも500bp上流に配置した。データ解析は、以前に記載されているとおりに実施した(Hughes et al.,上記)。
本実施例は、第一鎖合成反応中のデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)の濃度を増加させることによって、グロビンmRNA及びrRNAに比べて、(各々が、5’末端に共有結合されたT7プロモーター(配列番号934)を有する)NSRプライマー(配列番号1から933を含む。)を用いたIGF1R及びGAPDHレポーターmRNAの増幅を増加させることを示している。
方法:
本実施例では、以下のように、NSRプライマーを使用した。
6マー配列とT7プロモーター(配列番号934)の間に挿入された単一のランダムヌクレオチドを加えた933個の6マー(配列番号1から933)、「NSR7」と称される。
実施例3に記載されているように、ヒト全血から全RNAを抽出した。10μMの6マー(配列番号1から933)又はランダム8マー(N8)を用いて、テンプレートRNA200ngからcDNAを合成するために、MMLV逆転写酵素(SuperScript IIITM(“SSIII”)、Invitrogen Corporation,Carlsbad,CA)を使用した。反応容量が20μLであったこと、2μLのSSIII逆転写酵素(200単位/μL)を反応混合物に添加したこと、及びdNTPの濃度が500から5,000μMまでを変動したことを除き、第一鎖合成は、実施例3に記載されているとおりに行った。40℃で120分間、70℃で15分間、反応物を温置し、室温まで冷却し、10mMTrispH7.6、0.1mMEDTAで、2倍希釈した。
レポーターとしてのヒトβアクチンを、ヒトインシュリン成長因子1受容体(IGFR1R)(ABIカタログ番号Hs00181385)及びヒトグリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)(ABIカタログ番号43100884E−0507028)に対するABITaqManアッセイに置き換えたことを除き、逆転写後、実施例3に記載されているとおりにqPCRを行った。PCR後に、結果の表をExcelに出力し、実施例3に記載されているように、試料に対する定量的分析を生データから回帰した。
(配列番号1から933を含む)NSR7プライマー及びdNTPの漸増濃度を用いたヒト全血の全RNAの逆転写は、NSR7で開始された反応の増加した特異性をもたらした。2つの独立した実験から得られたデータは、下表1から5に示されている。10の(Cts×log10(1/2)+10)乗として表された生の存在量値(表3及び4)を、所定の標的遺伝子に対する最高のN8値に対して標準化した(表5及び6)。
Figure 2009513142
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次いで、18SrRNA、28SrRNA、αグロビン(HBA)及びβグロビン(HBB)バックグラウンド値に対するIGF1R及びGAPDHレポーターの比である、バックグラウンドに対するレポーターの比(レポーター/バックグラウンド)を、NSR7及びN8プライマープールに対して計算した。表7及び8に示されているように、dNTP濃度が増加するにつれて、NSR7で開始されたレポーター/バックグラウンド比が劇的に増加した。
Figure 2009513142
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比率の比は、NSR7及びN8プライマープールに対するレポーター/バックグラウンド比の比較であり、NSRによって開始された反応の特異性の指標である。表9及び表10に示されているように、比率の比は、より高いdNTP濃度で劇的に増加した。
Figure 2009513142
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収率比は、N8によって開始されたcDNA変換の出力と比較して、NSR7によって開始されたcDNA変換の出力を測定し、パーセントとして表されている(NSRをN8で除した。)。表11及び表12に示されているように、N8に対するNSRの収率比は、rRNA及びグロビンmRNAに比べて、IGF1R及びGAPDHレポーターに対して大幅に高かった。比は、IGF1R及びGAPDHレポーターについては、dNTP濃度にわたって相対的に一定であったが、rRNA及びグロビン遺伝子については、dNTP濃度が増加するにつれて減少し、より高いdNTP濃度でのレポーターの濃縮と合致していた。
Figure 2009513142
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要約すると、本実施例は、(配列番号1から933を含む)NSR7プライマーを用いて開始されたcDNAの絶対収率が低いdNTP濃度において最も高かったのに対して、ランダムな8マーに比べた特異性は、より高いdNTP濃度で増加したことを示している。このデータに基づくと、高い収率及び高い特異性を達成するためのdNTPの最適な濃度は、約1000から約2000μMdNTPの範囲にあると思われる。
本実施例は、テンプレートRNAの少量が逆転写され、インビトロ転写(IVT)によって増幅されたときに、各々が5’末端に共有結合されたT7プロモーター(配列番号934)を有するNSRプライマー(配列番号1から933を含む。)が、特異性を維持することを示している。
最初の実験において、テンプレートRNAの少量が使用された場合には、第二鎖合成及びIVT増幅工程の間に、NSR7によって開始された特異性が失われることが決定された。IVT増幅工程は、上に開示されているマイクロアレイ実験に対して十分なRNAを産生するために必要とされる。
以下のように、SuperScriptTMRNA Amplification System(Invitrogen、カタログ番号L1016−01)を使用することによって、テンプレートRNAの少量から得られる、NSR7によって開始された特異性が改善されることが観察された。
方法:第一鎖cDNA合成は、NSR7プライマープールとともに、1000μMdNTP並びに全血全RNAテンプレート50ng、100ng及び200ngを用いて、実施例5に記載されているように実施した。各々が、5’末端に共有結合されたT7プロモーター(配列番号934)を有するランダムな7マー(T7−N7)及びランダムな8マー(N8)プライマーとともに、RNAテンプレート100ngを使用した。第二鎖cDNA合成のために、水91μL、5×Second−Strand Reaction Buffer(100mMTris−HCl(pH6.9)、450mMKCl、23mMMgCl、0.75mMβ−NAD、50mM(NHSO)、10mMdNTP3μL、DNAポリメラーゼI(10単位/μL)4μL、DNAリガーゼ(10単位/μL)1μL及びRNアーゼH(2単位/μL)1μLを含有する第二鎖混合物130μLに、第一鎖反応産物20μLを添加した。16℃で120分間、反応を温置した。SpinCartridge及びキット中に供給されている緩衝液を用いて、二本鎖cDNAを精製し、低度の熱ないし中程度の熱を加えながら、真空下での遠心によって、溶出されたcDNAの容量を20μL未満まで減少させた。
元のmRNA標的に対して相補的なアンチセンスRNA(aRNA)を転写するために、T7ポリメラーゼを用いたインビトロ転写によって、二本鎖cDNAテンプレートを増幅した。IVTのために、精製されたcDNAの前記容量を23μLになるように水で調整し、10×T7Reaction Buffer(Invitrogen)4μL、T7EnzymeMix(T7RNAポリメラーゼを含む。)7μL、NTP(それぞれ25mMのATP、CTP、GTP及びUTP)を含有するIVT反応混合物17μLに添加し、6から16時間、37℃で温置した。Invitrogenによって供給された、Spin Cartridges及びaRNA Binding及びWash Bufferを用いて、得られた増幅されたaRNAを精製し、Nanodrop Technologiesを用いて、aRNAの収率を定量した。
一本鎖cDNAを作製するために、ランダムな8マー(N8)を用いてaRNAを逆転写した。逆転写のために、5×第一鎖緩衝液(250mMTris−HCl、pH8.3;375mMKCl;15mMMgCl)4μL、10mMdNTP2μL、100mMDTT1μL、RNAseOUTTM1μL(40単位/μL)、SuperscriptIII Reverse Transcriptase(200単位/μL)2μLを含有するRT混合物20μLに、aRNA500ng又は1000ngを添加し、40℃で60分間、70℃で10分間温置し、氷上で冷却した。
逆転写後に、IGFR1(カタログ番号Hs00181385)、GAPDH(カタログ番号43100884E−0507028)、GUSB(カタログ番号4310888E)、ACTIN(カタログ番号4310881E)、真核生物の18SrRNA(カタログ番号Hs99999901s1)及びヒトヘモグロビンβ(HBB)(カタログ番号Hs00747223g1)に対してABI Taqman(R)アッセイを用いて、実施例3に記載されているように、qPCRを行った。
真核生物の28SrRNA及びヒトヘモグロビンα(HBA)に対して、特注プライマー及びプローブ(5’−FAM(6−カルボキシフルオレセイン)レポーター色素及び無蛍光消光物質(NFQ;no fluoresence quencher)を、プローブの3’末端に含有する。)を以下のように使用した。
真核生物の28SrRNA:
フォワードプライマー:5’ACGGTGGCCATGGAAGTC3’(配列番号940);
リバースプライマー:5’TCGGCAGGTGAGTTGTTACAC3’(配列番号941);
FAMプローブ:5’ACTCCTTAGCGGATTCC3’(配列番号942)
ヒトヘモグロビンα(HBA):
フォワードプライマー:5’GCACGCGCACAAGCT3’(配列番号943)
リバースプライマー:5’GGGTCACCAGCAGGCA3’(配列番号944);
FAMプローブ:5’ACTTCAAGCTCCTAAGCCAC3’(配列番号945)
(配列番号1から933を含む)NSR7を用いたヒト全血の全RNAの逆転写に続くIVTによって、図3に示されているように、入力RNAテンプレートの量に正比例するaRNAの高い収率が生じた。
RNAテンプレートの変動する量から得られたcDNA及び逆転写されたIVT産物(IVT−RT)の定量的PCR(qPCR)分析が、表13(生のCt値)及び表14(絶対的存在量)に示されている。プライマープールは、第一鎖cDNA合成のために使用されたプライマーを示している。産物は、cDNA又はIVT−RT産物の何れかがqPCRに対するテンプレートであったことを示している。
Figure 2009513142
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バックグラウンドRNAに対するレポーターの比が、表15に示されている。最初の第一鎖cDNA工程(左列)の間に観察されたT7−N7に比べて、実質的なNSR7の特異性は、ほとんど存在しなかった。重要なことには、第一鎖合成工程からIVT工程(右列)に進むにつれて、NSR7及びT7−N7両プライマーに対して、バックグラウンドRNAに対するレポーターの比が増加した(N8に対して、データを標準化した。)。
Figure 2009513142
NSR7によって開始されたcDNAから生成されたIVT産物の定量的PCR分析は、各試料の組成が、3つの異なる全RNA入力濃度(50ng、100ng及び200ng)で、概ね同一であることを示した。組成は、レポーター及びバックグラウンドIVT産物の標準化された収率を表している。表16に示されているように、標準化された収率は、入力RNAの4倍の範囲にわたって、レポーター及びバックグラウンド遺伝子の両方に対して極めて似通っていた。このデータは、IVT産物が適切な標的RNAから増幅され、反応が非特異的な転写物材料によって凌駕されなかったことを示唆している。
Figure 2009513142
本実施例は、各々が5’末端に共有結合されたT7プロモーター(配列番号934)を有するNSR7プライマー(配列番号1から933を含む。)を高いdNTP濃度と組み合わせると、高い特異性で第一鎖RT産物が生成されること、及び標的遺伝子に関して大幅に濃縮されたIVT産物の高い収率を与えるために、SuperscriptTMRNA Amplification System(Invitrogen)でこれらの産物を増幅できることを示している。
方法:
実施例5に記載されているように、40μLの反応容量でNSR7、T7−N7及びN8プライマーを用いて、全血全RNA400ngを逆転写した。qPCRによって、IGF1R、GAPDH、rRNA及びグロビンの存在量を評価するために、20μL(200ng全血全RNA)を使用し、次いで、最も成績が優れているプライマーの組をIVTに供した。2つのプライマー濃度(10μM及び25μM)及び2つのdNTP濃度(1000μM及び2500μM)を評価した。第一鎖逆転写後の生のCt及び絶対的存在量の値が、表17及び表18に示されている。
実施例6に記載されているように、IVT反応から得られたaRNAの1μgを、qPCR分析のために、逆転写によってcDNAに戻した。図4は、レポーター遺伝子IGF1R及びGAPDHの比活性が、高dNTP濃度の存在下で増加したのに対して、バックグラウンドrRNAの比活性及びグロビンmRNAは、高dNTP濃度の存在下で減少したことを示している。
IVT−RT反応産物のqPCR後に生のCt及び存在量の値は、表19及び20に示されている。第一鎖NSR7及びIVT−RTに対するレポーター/バックグラウンド比が、表21に示されている。
比率の比のデータによって、cDNAへの変換及びqPCR後に、第一鎖合成収率をIVT収率と比較することが可能となる。レポーター/バックグラウンド比及びNSR7/N8比の比較は、表22に示されているように、dNTP濃度を1000mMから2500mMまで増加させることによって、NSR7によって媒介される特異性の顕著な増加をもたらしたことを示している。プライマー濃度は、NSR7によって媒介された特異性に対して、より目立たない影響を有していた。さらに、NSR7によって開始されたcDNA合成の収率/IVT収率の比率を比較することによって、rRNA(18S及び28S)の劇的な相対的低下が示され、逆転写の第一巡目に観察されたrRNAcDNAは、IVT中に転写されないことを示唆している(表23)。第一鎖合成とIVTの間でのバックグラウンドグロビンmRNA収率の相対的低下は、NSR7プライマーでは観察されなかった。ランダムな8マーで、第一鎖合成が開始された場合には、IVT後に、rRNA及びグロビンmRNAの両者と比べて、レポーター遺伝子IGF1R及びGAPDHが濃縮された(表24)。
要約すると、本実施例は、(配列番号1から933を含む)NSR7プライマーと組み合わせた高dNTP濃度は、高いNSR7特異性で第一鎖逆転写産物を与える。次いで、標的遺伝子が大幅に濃縮されているIVT産物の高い収率を与えるために、SuperScriptTMRNA Amplification System(Invitrogen)を用いて、第一鎖産物を増幅することができる。
Figure 2009513142
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本実施例は、dNTPの高濃度とともに、各々が5’末端に共有結合されたT7プロモーター(配列番号934)を有する(配列番号1から933を含む)NSR7プライマーを使用すると、全血全RNAテンプレート濃度の幅広い範囲にわたって、rRNA及びグロビンmRNAに対してIGF1R及びGAPDHレポーターmRNAの選択的な増強が起こることを示している。
実施例5に記載されているように、ヒト全血全RNAを逆転写し、qPCRによって分析した。テンプレートRNAの量は、20ng、50ng、100ng、500ng、1000ng、2000ng及び5000ngであった。rRNA及びグロビンmRNAに対する、NSR7媒介性のIGF1R及びGAPDHレポーターの濃縮(NSR7対N8に対する比率の比によって求めた。)は、全てのテンプレート量で観察される(表25及び表26)。NSR対N8に対するレポーター/バックグラウンド比率の比は、より高いテンプレート量で増加するが、第一鎖cDNA産物の総合的な収率は損なわれる(表27)。入力テンプレートRNAの1μg(1000ng)は、cDNA収率とNSR7媒介性増幅の特異性の間の最適な妥協点に相当する。より高いRNAテンプレート量(2000ng及び5000ng)では、逆転写反応は、RNAを完全にcDNAへ転化させることができなかった。表28中のcDNAの収率は、(表29から得られる)産物の絶対収率に、テンプレートRNA5000ngに対する希釈因子を乗じた後、一貫して最も高い収率値を与えたテンプレートRNA20ngから得られたN8収率に対して標準化することによって求めた。IGF1R及びGAPDHの標準化されたcDNA収率は、NSR7及びN8の両方に対して、全てのテンプレート量にわたって類似しており、最高のRNAテンプレート濃度で収率は減少した。これに対して、18S、28S、αグロビン及びβグロビン産物の収率は、NSR7で開始された場合より、N8で開始された場合に、大幅により高かった。
要約すると、「NSR効果」((配列番号1から933を含む)NSR7プライマーによるレポーターmRNAのcDNAへの転化のパーセントは、N8に比べて高いが、NSR7プライマーによるバックグラウンドRNAのcDNAへの転化のパーセントは、N8に比べて低いこととして定義される。)は、検査した全てのテンプレート濃度にわたって保存される。これは、テンプレート量に対して反応条件を特別に調整する必要がないという利点を与える。
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本実施例は、各々が5’末端に共有結合されたT7プロモーター(配列番号934)を有するNSR7プライマー(配列番号1から933を含む。)が、高NTP濃度と組み合わされると、ランダムな7マー(T7−N7)と比較したときに、増加した特異性を示すこと、及びRNAテンプレート量の幅広い範囲にわたって、この特異性が維持されることを示している。
実施例6に記載されているように、第一鎖cDNA合成、第二鎖合成、IVT、IVTの逆転写及びaRNAのqPCRを行った。RNAテンプレート量は、全血全RNAの100ng、200ng、500ng及び1000ngであった。反応容量は40μLであり、40℃で180間、70℃で10分間、反応物を温置し、氷上で冷却した。dNTP濃度は、2000μMであった。第二鎖合成反応は、16℃で120分間であった。
第一鎖合成から得られたデータは、NSR7プールで開始された場合のrRNA及びグロビンバックグラウンド遺伝子に比べて、高dNTP濃度はIGF1R及びGAPDHレポーターの増加したレベルをもたらすが、T7−N7プールで開始した場合にはもたらさないことを示した(データは、N8に対して標準化されている。)(表30)。図5を参照されたい。さらに、表31中のデータは、NSR7によって開始されたcDNAのインビトロ転写後にバックグラウンドに比したレポーターの濃縮も観察されること、グロビンmRNAに比べて、リボソームrRNAに対して、濃縮がより顕著な傾向があること、及び入力RNAテンプレート量の幅広い範囲にわたって、濃縮が観察されたことを示している。比率の比は、第一鎖及びIVT反応の両者について、NSR7をT7−N7と比較したときに、レポーターがバックグラウンドに比べて濃縮されていること、並びにこの効果は、検査された全てのRNA入力量で観察されたことを示している(表32)。表33は、NSR7、T7−N7及びN8開始された第一鎖cDNA及びIVT−RT反応から得られた生のqPCRデータを示している。表34は、NSR7、T7−N7及びN8開始された第一鎖cDNA及びIVT−RT反応から得られた生の存在量データを示している。
図5は、入力RNAテンプレートの量の関数として、T7−NSRによって開始された及びT7−N7によって開始されたcDNAから増幅されたRNAの収率を示すヒストグラムプロットである。検査された入力RNAの量は、100ng、200ng、500ng及び1000ngの範囲であった。図6は、インビトロ転写(IVT)による増幅後における、T7−NSR開始された及びT7−N7開始されたcDNA(N8に対して標準化されている。)の相対組成を示す直線目盛りでのヒストグラムプロットである。図5及び6に示されているように、NSRによって開始されたIVT産物の組成は、N8によって開始されたcDNAの組成と大幅に異なっている。図6に示されているように、NSRプライマープールを用いたIVT後に、IGF1R及びGAPDHレポーターは増加し、rRNA及びグロビンバックグラウンドは減少した。これに対して、T7−N7プライマープールから得られたIVT産物は、N8によって開始されたcDNAに対して標準化されたときに、出発材料と大幅に異ならなかった。
図7は、インビトロ転写による増幅後における、T7−NSR開始された及びT7−N7開始されたcDNA(N8に対して標準化されている。)の相対組成を示す対数目盛りでのヒストグラムプロットである。図8は、RNAテンプレート量の関数として、T7−NSRによって開始されたcDNAからのインビトロ転写産物の相対的な存在量を示すヒストグラムプロットである。図9は、RNAテンプレート量の関数として、T7−N7によって開始されたcDNAからのインビトロ転写産物の相対的な存在量を示すヒストグラムプロットである。
図7及び図8に示されているように、NSRによって開始されたIVT産物の場合、より高いRNAテンプレート量を用いると、より高い特異性に対する傾向が存在する(rRNA及びグロビンaRNAの対応する減少を伴う、IGF1R及びGAPDHの増加)。図9に示されているように、T7−N7によって開始されたIVT産物の場合、RNAテンプレートが増加するにつれて、IGF1R、GAPDH及びグロビンレベルは増加したが、rRNAは僅かに低下した。これらの結果は、NSRによって開始されたIVT産物が、RNA入力の10倍の範囲にわたって、かなり均一であることを示している。
要約すると、NSRプライマーと組み合わせた高いdNTP濃度は、第一鎖cDNA合成及びIVT後に、RNAテンプレート量の幅広い範囲にわたって、増加したレポーターレベルと減少したバックグラウンドレベルをもたらす。NSRで開始された場合に、IGF1R及びGAPDHレベルが増加する一方、rRNA及びグロビンレベルは減少するが、T7−N7で開始された場合には、N8開始された出発材料とは大幅に異ならないように、NSRによって開始されたIVT産物の組成は、T7−N7及びN8によって開始された産物とは実質的に異ならない。最後に、NSRによって開始されたIVT産物の組成は、RNAテンプレート量の幅広い範囲にわたって、比較的均一であった。
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本実施例は、マイクロアレイ試料の調製のために、NSRによって開始された第一鎖逆転写後に第二鎖合成及びインビトロ転写を使用する典型的な方法について記載する。
方法:
第一鎖逆転写
以下のように、第一鎖逆転写を実施する。
混合:
・全RNAテンプレート1μg
・100μM原NSRプライマー2μL
・10μLの最終容量になる水xμL
・混合し、65℃で5分間温置し、氷上で瞬間凍結。
以下のものを含有するRTカクテル10μL(氷上で調製)を添加:
・5×FS緩衝液4μL
・25mMdNTP1.6μL
・水1.4μL
・原DTT1μL
・RNAsOUT1μL
・SSIII1μL
試料を混合し、遠心し、(「ホットスタート」を与えるために)予め加温された40℃のサーマルサイクラーに移し、40℃で3時間、70℃で10分間、試料を温置し、4℃まで冷却した。
第二鎖合成
SuperScriptTMRNA Amplification System(Invitrogen、カタログ番号L1016−01)の成分を使用して、以下のように、第二鎖合成カクテルを調製する。
・DEPC処理された水91μL
・5×第二鎖緩衝液30μL
・10mMdNTPMix3μL
・DNAポリメラーゼI(10単位/μL)4μL
・DNAリガーゼ(10単位/μL)1μL
・RNAseH(2単位/μL)1μL
第二鎖合成カクテル130μLを、上記第一鎖反応20μLに添加し、混合し、16℃で2時間、試料を温置する。
二本鎖cDNAの精製
1.cDNALoading Buffer500μLを、第二鎖cDNA合成から得た反応チューブに添加する。チューブ内の総容量は、650μLとすべきである。ピペット操作で上下させることによって、完全に混合する。
2.各Spin Cartridgeを、コレクションチューブ中に予め挿入する。SpinCartridge上に直接cDNA/緩衝溶液を載せる。
3.12,000×g、室温で、微小遠心管中において、1分間遠心する。コレクションチューブを取り出し、フロースルーを廃棄する。
4.同じコレクションチューブ中にSpinCartridgeを置き、cDNA Wash Buffer700μLを添加する。
5.12,000×g、室温で、2分間遠心する。コレクションチューブを取り出し、フロースルーを廃棄する。
6.同じコレクションチューブ中にSpinCartridgeを置き、12,000×g、室温で、さらに4分間遠心する。コレクションチューブを取り出し、フロースルーを廃棄する。
7.新しいRecovery Tube中にSpinCartridgeを置く。
8.Spin Cartridgeの中心にDEPC処理された水28μLを添加し、室温で2日間温置する。
9.12,000×gで、室温で、1分間遠心する。
10.cDNAをカラム上に、ピペットで戻し、1分間放置し、再度遠心する。
インビトロ転写反応
以下のように、In Vitro Transcription Cocktailを調製する(18μLの容量)
・100mMATP 1.5μL
・100mMCTP 1.5μL
・100mMGTP 1.5μL
・100mMUTP 0.75μL
・アミノ−アリルUTP(50mM) 1.75μL
・10×T7Reaction Buffer 4.0μL
・T7EnzymeMix 7.0μL
カクテルに、精製されたcDNA22μLを添加し、37℃で一晩、試料を温置する。
aRNAの精製
aRNAを精製するために、以下の手順を使用する。
1.aRNA Binding Buffer160μLを反応チューブに添加する。総容量は、200μLとすべきである。ピペット操作で上下させることによって、完全に混合する。
2.100%エタノール100μLを反応チューブに添加する。ピペット操作で上下させることによって、完全に混合する。
3.各Spin Cartridgeを、コレクションチューブ中に予め挿入する。SpinCartridge上に直接、全てのaRNA/緩衝溶液を載せる。
4.12,000×gで、微小遠心管中において、15秒間、室温で遠心する。コレクションチューブを取り出し、フロースルーを廃棄する。
5.同じコレクションチューブ中にSpinCartridgeを置き、aRNA Wash Buffer500μLを添加する。
6.12,000×gで、15秒間、室温で遠心する。コレクションチューブを取り出し、フロースルーを廃棄する。
7.工程5から6を繰り返す。
8.同じコレクションチューブ中にSpinCartridgeを置き、カラムを乾燥させるために、さらに2分間、全速で遠心する。コレクションチューブを取り出し、フロースルーを廃棄する。
9.新しいRecovery Tube中にSpinCartridgeを置く。
10.Spin Cartridgeの中心にDEPC処理された水100μLを添加し、室温で1分間温置する。
11.溶出液中の精製されたaRNAを集めるために、12,000×gで、2分間、室温で遠心する。
12.Nanodropを用いて、aRNAの収率を定量する。
本実施例は、(共有結合されたT7プロモーター(配列番号934)あり又はなしの933個の6マー(配列番号1から933))を用いて作製されたcDNAを、PCRによって、aDNAへ転化させ得ることを示している。
方法:本実施例では、以下のように、NSRプライマーを使用した。
6マー配列とT7プロモーター(配列番号934)の間に挿入された単一のランダムヌクレオチドを加えた933個の6マー(配列番号1から933)、「NSR7」と称される。
Ambion,Inc.(Austin, TX)から、細胞株Jurkat(Tリンパ球、ATCC番号TIB−152)に対する全RNAを入手した。
プロトコールは、3段階の増幅アプローチを含む。(1)第一のプライマー結合部位を含むNSRプライマーを用いて開始されて、NSRによって開始された第一鎖cDNAを生成する逆転写を用いて、第一鎖cDNAをRNAから生成し、(2)第二のプライマー結合部位を含むランダムなプライマー(例えば、9マー)を用いて開始される第二鎖cDNA合成;及び(3)増幅されたDNA(aDNA)を生成させるための、第一及び第二のプライマー結合部位に結合するフォワード及びリバースプライマーを用いて開始されるcDNAのPCR増幅。
Figure 2009513142
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注:以下に記載されているプロトコールは、上で表35中に示されている全てのプライマーを用いて実施されたが、3つの方法の工程を明瞭に記載するために、プライマーの組1に関連して、簡潔に記載されている。
第一鎖cDNA合成:T7プロモーター(配列番号934)に加えて、1つのランダムヌクレオチド(N)と933個の6マー(配列番号1から933)を含むNSR7プライマープールを用いて開始された。
第二鎖cDNA合成:以下のプライマープールを用いて行った。
5’TGCATTGAGAGGGTGTAATTTGNNNNNNNNN3’(配列番号947)
(ランダムな9マーに加えて、第二のPCRプライマー結合部位、すなわち「尾部」を含むRRT1と称される。)。
以下のPCRプライマーを用いて、PCR増幅を開始した。
フォワードPCR1:5’CGCAATTAATACGACTCACTATAGG3’(配列番号946)(T7プロモーター(第一のプライマー結合部位)に結合する。)
リバースプPCR1:5’TGCATTGAGAGGGTGTAATTTG3’(配列番号947)
(第二のPCRプライマー結合部位に結合する。)
aDNAを生成するために有用なさらなるプライマーの組:
表35に上記されているプライマーの組は、T7プロモーターを含むNSR7とともに使用されるが、aDNAを作製する方法は、少なくとも1つのプライマー結合配列を含有する何れかの所定の配列が尾部に付着されたさほどランダムでないプライマー(NSR)のプールを用いて実施され得ることが理解される。例えば、933個の6マー(配列番号1から933)に加えて、6マーの配列と第一のプライマー結合配列(配列番号:956:5’CCGAACTACCCACTTGCATT3’)の間に挿入された単一のランダムなヌクレオチドを含むNSRプライマーのプールを含むプライマープールを使用した。
第一のプライマー結合配列(配列番号956)に加えて、1つのランダムヌクレオチド(N)及び933個の6マー(配列番号1から933)を含むNSRプライマープールを用いて、第一鎖合成を実施した。
以下のプライマープール:
5’CCACTCCATTTGTTCGTGTGNNNNNNNNN3’(配列番号957)を用いて、第二鎖合成を実施した。
(ランダムな9マーに加えて、第二のPCRプライマー結合部位を含む。)
次いで、以下のPCRプライマーを用いて、二本鎖cDNAのPCR増幅を実施した。
フォワードPCRプライマー:5’CCGAACTACCCACTTGCATT3’(配列番号958)
(第一のPCRプライマー結合部位に結合する。)
リバースPCRプライマー:5’CCACTCCATTTGTTCGTGTG3’(配列番号959)
(第二のPCRプライマー結合部位に結合する。)
詳細な方法
検査試料:上で表35中に示されているプライマーの組を用いて、試験試料1から8を実施し、以下のプライマーの組#1について記載したように、平行して検査した。
以下のようにして、対照試料を含めた。
1.第二鎖Klenowへの第一鎖逆転写酵素反応後に(但し、N9プライマーなし)、PCR増幅。
2.第一鎖逆転写酵素反応後に(第二鎖Klenowなし)、PCR増幅。
第一鎖逆転写:
以下のように、第一鎖逆転写を実施した。
混合:
・(Ambion,Inc.(Austin,TX)から入手した)1μg/μLのJurkat全RNAテンプレート1μL
・100μM原NSR7プライマープール2μL
・10μLの最終容量になるようにHO7μL
・混合し、65℃で5分間温置し、氷上で瞬間凍結。
以下のものを含有するRTカクテル10μL(氷上で調製)を添加:
・5×First Strand Buffer(250mMTris−HCl,pH8.3、375mMKCl、15mMMgCl)4μL
・20mMdNTP2μL
・HO1μL
・0.1MDTT1μL
・RNAseOUT(Invitrogen)1μL
・MMLV逆転写酵素(200単位/μL)(SuperScriptIIITM(SSIII)Invitrogen Corporation、Carlsbad、CA)1μL
試料を混合し、(「ホットスタート」を与えるために)予め加温された40℃のサーマルサイクラーに移し、次いで、40℃で2時間、70℃で10分間、試料を温置し、4℃まで冷却した。
次いで、RNAseH(1から4単位/μL)1μLを添加し、37℃で20分間、試料を温置し、次いで、95℃まで5分間加熱し、4℃で瞬間凍結した。
第二鎖合成
第二鎖合成カクテルを以下のように調製した。
・10×Klenow Buffer10μL
・N9ReverseRT1プライマー(配列番号947)10μL
・20mMdNTP2.5μL
・HO57.5μL
・Klenow酵素(NEBexo50U/μL)0.33μL
第二鎖合成カクテル80μLを、第一鎖テンプレート反応混合物20μLに添加し、混合し、37℃で30分間温置する。
cDNA精製
製造業者の指示に従って、Invitrogenから入手したSpinCartridges及びキット中に供給されていた緩衝液を用いて、得られた二本鎖cDNAを精製した。30μLの総容量がカラムから溶出され、このうち20μLを、後続のPCRのために使用した。
PCR増幅
精製されたcDNAテンプレート20μLに以下の混合物を添加した。
・5×Roche Expand Plus PCR Buffer20μL
・20mMdNTPS2.5μL
・フォワードPCRプライマー(10mM原液)(配列番号946)4μL
・リバースPCRプライマー(10mM原液)(配列番号947)4μL
・ExpandEnzyme(5U/μL)(Roche)1μL
・HO40μL
・25mMMgCl10μL
PCR増幅条件:
計25のPCRサイクル:
10サイクル:
・94℃、30秒間
・55℃又は60℃、30秒間
・72℃、1分間
15サイクル:
・94℃、30秒間
・55℃又は60℃、30秒間
・72℃、1分間(各サイクルについて、伸長工程に10秒を付加した。)
・仕上げのために72℃、7分間、4℃で冷却。
結果:(1)qPCRによる選択されたレポーター遺伝子の増幅のレベルを測定する、(2)増幅されたDNA「aDNA」の収率を測定する、及び(3)cDNA中の種の集団が等しく代表されていることを確認するために、アガロースゲル上のaDNAの分取試料を評価する観点で、結果を分析した。
表36中のデータは、試料1から10に対する二本鎖cDNA及びaDNA産物のqPCR後における、レポーター遺伝子GAPDH、GUSB、hPO及びアクチンに対する生の存在量値(希釈に対して調整)を示している。
Figure 2009513142
次いで、以下の増幅係数に基づいて、表36中で上に示されている生のデータを調整した。
(PCR/cDNA)*(cDNA/平均cDNA)
良好でないcDNA及びPCR収率を有するが、PCR増幅に対するcDNAの高いレベルを有する試料(例えば、試料7)により、強固なcDNA合成レベル及び強固なPCR収率(例えば、試料2)を有する試料を優先して増幅を重み付けするために、この増幅係数を導入した。上記増幅係数に基づいて調整された存在量の値は、以下で表37中に示されている。
Figure 2009513142
上で表37に示されているように、総じて、PCR収率は良好であり、特に、プライマーの組1及び2では良好であった。検査された全てのレポーター遺伝子に対して、増幅が観察された。試料1から8及び対照1から2から得たaDNAの分取試料を1.6%アガロースゲル上に泳動させ(データは示さず。)、各検査試料が増幅された材料の塗抹を示したので、増幅された産物が最初の全RNA中に存在するmRNA種を代表していることを示唆している。
上記の方法を使用したが、PCRの計30サイクルを用い、PCRアニーリング温度を60℃まで上昇させて、反応の第二の組を同じ試料とともに泳動した。Jurkat細胞中で高度に発現されることが知られている、表38中に示された8つのレポーター遺伝子に対するqPCRを用いて、得られたaDNAに対してqPCRを行った。
Figure 2009513142
表39中に示されているように、検査した8つのプライマーの組のうち7つのプライマーにおいて、PCR増幅中に60℃のアニーリング温度を用いて得られたaDNAの総収率は、55℃で得られた総収率より高い。
Figure 2009513142
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表40に示されているように、55℃又は60℃でアニールされたPCR反応由来のaDNAの定量的PCR(qPCR)分析は、aDNA/cDNAの比率によって測定した場合に、60℃のアニーリング温度でのプライマー対1が最高のPCR特異性を与えることを示した。レポーター遺伝子の比活性は、検査されたPCRサイクルの範囲にわたって(4サイクルから24サイクル)、aDNAの収率と緊密に連関していた(データは示さず。)。
本実施例は、実施例11に記載されているように、933個の6マー(配列番号1から933)を用いて作製された二本鎖cDNAテンプレートから増幅されたaDNAが、二本鎖cDNAテンプレート中に観察された発現比を保持したことを示している。
方法:
NSR7プライマープールとともに、Jurkat又はK562細胞(Ambion、Inc.AustinTXから入手)から得た全RNAテンプレート1μgを用いて、実施例11に記載されているように、第一鎖cDNA合成を実施した。2つのJurkat試料を平行して泳動した。第二鎖合成及びcDNA精製についても、実施例11に記載されているように実施した。
cDNAのPCR増幅
PCR反応中で使用する前に、cDNAテンプレートを10倍及び100倍希釈し、精製されたcDNA10μL又は希釈されたcDNA10μLの何れかを使用した。
cDNAテンプレート10μLへ添加:
・5×Roche Expand Plus PCR Buffer20μL
・10mMdNTPS2.0μL
・フォワードPCRプライマー(10mM原液)(配列番号946)4μL
・リバースPCRプライマー(10mM原液)(配列番号947)4μL
・ExpandEnzyme(5U/μL)(Roche)1μL
・HO60μL
・25mMMgCl10μL
PCR増幅条件:
計30のPCRサイクルを実施:
10サイクル:
・94℃、30秒間
・60℃、30秒間
・72℃、1分間
20サイクル:
・94℃、30秒間
・60℃、30秒間
・72℃、1分間(各サイクルについて、伸長工程に10秒を付加した。)
・仕上げのために72℃、7分間、4℃で冷却。
PCR後の精製:500μLの緩衝液を用いて、100μLのPCR反応を希釈し、製造業者の指示に従って、Invitrogenから取得したSpinCartridges及びキット中に供給された緩衝液を用いて精製した。55μLの総容量をカラムから溶出した。
結果:予想された塗抹の存在(トランスクリプトーム中の実質的に全ての種の増幅を示唆する。)を確認するためのアガロースゲル上のaDNAの総aDNA収率評価の観点から、及びqPCRによってレポーター遺伝子のパネルを測定することによって、結果を分析した。
Figure 2009513142
結果:表41に示されているように、テンプレート入力の範囲にわたって、aDNAの収率は一貫していた。これらの結果は、PCR反応がより低いテンプレート入力で飽和されたことを示唆している。アガロースゲル分析は、予測された塗抹を示し、トランスクリプトソーム全体にわたる優れた増幅を示唆している(図示せず。)。
cDNAから生成されたaDNAが、cDNA中に存在する標的遺伝子発現レベルを保持したかどうかを決定するために、54個のランダムに選択されたTaqMan試薬を用いて定量的PCR分析を実施し、遺伝子特定番号1から34を検出した。表42に示されているように、ランダムに選択された54個の標的遺伝子のうち、標的遺伝子から生成された、NSR7によって開始されたcDNA及びaDNA(10μLのcDNAテンプレート入力から得られた。)の両者で、34個の遺伝子に対して測定可能なシグナルが測定された。以下で表42に示されている遺伝子発現シグナルは、(10(log10(1/2)*Ct+10))乗として計算された。
Figure 2009513142
Figure 2009513142
表42に示されているように、Jurkat及びK562実験の結果は、cDNAとcDNAから得られたaDNAとの間の発現比に良好な相関を示している。図10は、cDNA(x軸)対aDNA(y軸)中で測定された、表42から得られる発現値のプロットを示している。重要なことに、図10に示されている結果は、その発現が高いか、又は低いかに関わらず、遺伝子xがNSR−PCRによってy倍増幅されるように、実際の試料(aDNA)/PCR増幅された材料(aDNA)から得られる発現比が保持されることを示している。総合すると、これらの実験は、発現比を保持しながら、全RNAをaDNAへ増幅するために、NSRPCRaDNAを使用し得ることを示している。
本実施例は、実施例11に記載されているように、933個の6マー(配列番号1から933)を用いて作製された二本鎖cDNAテンプレートから増幅されたaDNAが、rRNA及びグロビンに対して標的遺伝子の濃縮を保持したことを示している。
原理:NSR−プライマーcDNAから生成されたインビトロ転写産物から以前に観察された、rRNA及びグロビンに対する標的遺伝子の濃縮が、NSRによって開始されたcDNAのPCR増幅から生じた生成された増幅されたDNA産物において保持されているかどうかを決定すること。
方法:NSR−プライマーcDNAから生成されたインビトロ転写産物から以前に観察された、rRNA及びグロビンに対する標的遺伝子の濃縮が、NSRによって開始されたcDNAのPCR増幅から生じた生成された増幅されたDNA産物において保持されているかどうかを決定することために、NSR7プライマーを用いて生成されたcDNAから取得された、増幅されたaDNA産物を、以下の実験で、ランダムな8マーを用いて生成されたcDNAから取得された、増幅されたaDNA産物と比較した。
(1)各々が5’末端に共有結合されたT7プロモーター(発現番号934)を有する、配列番号1から933を含む)NSR7プライマープール;又は(2)5’末端に共有結合されたT7プロモーター(配列番号934)を有するランダムな8マー(N8)プライマープールの何れかで生成された二つ組み試料を用いて、実施例11に記載されているように、全血から単離された全RNA1μgに対して第一鎖cDNA合成を行った。
NSR7によって開始された試料及びランダムな8マー(N8)によって開始された試料の両方に対して何れかの配列番号947を用いて、実施例11に記載されているように二本鎖合成及びcDNA精製を行った。
cDNAのPCR増幅
以下のように、後続のPCR反応において、1μL+9μLのHO又は10μLのcDNAテンプレートの何れかを使用した。
cDNAテンプレート10μLへ添加:
・5×Roche Expand Plus PCR Buffer20μL(1.5mMMgClを含む。)
・20mMdNTPS1.0μL
・フォワードPCRプライマー(10mM原液)(配列番号949)4μL
・リバースPCRプライマー(10mM原液)(配列番号948)4μL
・ExpandEnzyme(5U/μL)(Roche)1μL
・HO60μL
PCR増幅条件:
計20のPCRサイクルを実施:
10サイクル:
・94℃、30秒間
・60℃、30秒間
・72℃、1分間
10サイクル:
・94℃、30秒間
・60℃、30秒間
・72℃、1分間(各サイクルについて、伸長工程にを付加した。)
・仕上げのために72℃7分間、4℃で冷却。
PCR後の精製:500μLの緩衝液を用いて、100μLのPCR反応を希釈し、製造業者の指示に従って、Invitrogenから取得したSpinCartridges及びキット中に供給された緩衝液を用いて精製した。50μLの総容量をカラムから溶出した。
結果:表43のデータは、以下のレポーター遺伝子に関して、NSRによって開始されたcDNAに対するqPCR存在量値/N8によって開始されたcDNAに対するqPCR存在量値の比を示している(希釈に対して調整されている。)。18S、28S、HBA1、HBA2又はHBBに対して測定されたバックグラウンド遺伝子発現と比較されたA=IGF1R;B=GAPDH、C=STMN1及びD=CDCA7。
Figure 2009513142
上で表43に示されているデータは、NSR7によって開始されたcDNAから増幅されたaDNA中のバックグラウンド発現に対する標的遺伝子の劇的な濃縮を示している。観察された濃縮は、より低いテンプレート入力を用いると、一貫してより良好である。総合すると、実施例11に記載された3段階増幅法(NSR−PCR)は、rRNA及びグロビンに対する標的遺伝子の著しい濃縮を与えることが明瞭である。従って、実施例11に記載されているNSR−PCR法は、全血などの生物試料中の全RNAの完全なトランスクリプトームプロファイリグのために使用することができる。
本実施例は、PCR反応において、プライマー、dNTP及びMgClの上昇した濃度の使用を通じて、増幅されたDNAの収率を増加させることが可能であり、これにより、高処理量の用途において、NSR−PCRが実施できることを示している。
原理:以下のように、2つの異なるdNTP及びMg++濃度でのプライマー入力濃度の関数として、cDNAテンプレートを用いたPCR反応から得られる総aDNA収率を測定するために、実験を実施した。
方法:
テンプレート:実施例13に記載されているように、NSR7プライマーを用いてJurkat全RNAからcDNAを調製した。
PCRプライマー:
フォワード:配列番号949;リバース:配列番号948
検査したプライマー濃度:200、400、600、800及び1000nM
検査したdNTP濃度:200μM、1.5mM
検査したMg++濃度:500μM、4mM
実施例13に記載されているように、PCR反応を調製した。
PCR増幅条件:
計30のPCRサイクルを実施:
10サイクル:
・94℃、30秒間
・60℃、30秒間
・72℃、1分間及び
20サイクル:
・94℃、30秒間
・60℃、30秒間
・72℃、1分間(各サイクルについて、伸長工程に10秒を付加した。)
・仕上げのために72℃7分間、4℃で冷却。
PCR後の精製:500μLの緩衝液を用いて、100μLのPCR反応を希釈し、製造業者の指示に従って、Invitrogenから取得したSpinCartridges及びキット中に供給された緩衝液を用いて精製した。50μLの総容量をカラムから溶出した。
Figure 2009513142
上で表44に示されている結果は、800nMプライマー、500μMdNTP及び4mMMg++でのaDNAの収率が、10μg/100μLPCR反応物に近づくことを示している。アガロースゲルによって、aDNAも分析し、増幅された材料の塗抹を含有していることが確認され、増幅された産物が最初の全RNA中に存在するmRNA種を代表していることを示している。
非特異的材料の増幅と比較して、増幅された完全な転写物材料の存在をさらに評価するために、表38に示されている遺伝子1から8のパネルをqPCRによって分析した。対照試料9は18SrRNAであり、対照試料10は28SrRNAであった。
図11は、各遺伝子のlog10発現としてプロットされたqPCRの結果を示している。図示されているように、800nMプライマー、500μMdNTP及び4μMMgClを有するPCR反応中で産生された、増幅されたaDNAの収率は、より低いプライマー、dNTP及びMg++濃度で産生されたaDNAと同じ遺伝子特異的活性を有する。図11に示されている対照試料9(18SrRNA)及び試料10(28SrRNA)の値はレポーター遺伝子の幾つかより高いが、これらの値(18S及び28SRNA)は、ランダムに開始された(例えば、NSRプライマーを用いて開始されていない)試料中に存在するrRNAの量と比べて、実際に、約99倍低下していたことに注目することが重要である。rRNAは全RNAの約98%を占めるので、rRNAの存在量が元の値の1%まで低下した場合でさえ、存在する全量は、なお、試料中のRNAの約1/3に相当する。重要なことに、本発明の方法に従って治療された試料中に観察されたこのrRNAの99%の減少は、ランダムに開始された試料中で通例観察されるrRNAによって不明瞭化されたシグナル(すなわち、「クロストーク」)の問題を除去するのに十分過ぎるものであることが、本発明者らによって観察されている(データは図示せず。)。
これらのデータは、最適化されたPCR条件を用いて作製されたaDNAの高い収率が、増幅された完全な転写物材料を含有しており、増加された収率が、増幅反応時に生成された非特異的材料の存在によるものではないことを示している。
本実施例は、遺伝子発現モニタリング用途においてその後使用するためにaDNAPCR産物を標識するのに有用である方法について記載する。
1.PCR産物への蛍光標識の直接的な化学的カップリング
Cy3及びCy5直接標識キットは、Minis(Madison、WI、kit MIR製品番号3625及び3725)から入手した。
実施例11に記載されているようにして得られたPCR産物(aDNA)10μgを、製造業者によって記載されているとおりに、標識試薬とともに温置した。標識試薬は、Cy3又はCy5を核酸試料に共有結合させ、その後、核酸試料は、遺伝子発現モニタリングなどのほぼあらゆる分子生物学的用途において使用することができる。次いで、標識されたaDNAを精製し、初発の標識と比較したその蛍光を測定した。
結果:上記のように4つのaDNA試料を標識し、蛍光を測定した。4つの標識されたaDNA試料にわたって、保持された標識の0.9から1.5%の範囲を観察した(0.9から1.5%の標識効率とも称される。)。これらの結果は、aaUTP標識され、インビトロ翻訳され、増幅されたRNAに対して典型的に観察される1%から3%の標識効率に収まる。
2.aa標識された一本鎖aDNAを得るために、1つのプライマー(フォワード又はリバース)を使用する、aDNAテンプレートを用いたPCRの際のアミノアリル修飾されたdUTP(aadUTP)の取り込み。
方法:実施例11に記載されているNSR7プライマープールを用いて作製されたaDNAPCR産物1μgを、以下のように、PCR反応混合物に添加する。
・100から1000μMのaadUTP+dCTP+cATP+dGTP+dUTP(dUTPに対するaadUTPの最適なバランスは、定型的な実験操作を用いて経験的に決定され得る。)
・4mMMgCl
・フォワードプライマーのみ又はリバースプライマーのみ400から1000nM(例えば、フォワード:配列番号949;又はリバース配列番号948)、但し、両者ではない。
PCR反応:PCRの5から20サイクル(94C30秒、60℃30秒、72℃30秒)、この時間中、二本鎖PCRテンプレートの1つの鎖のみが合成される。PCRの各サイクルは、aa標識された一本鎖aDNAの1コピーを産生すると予測される。次いで、このPCR産物が精製され、標準的な化学カップリングによって、Cy3又はCy5標識が取り込まれる。
3.aa標識された二本鎖aDNAを得るために、aDNAテンプレートを用い、フォワード及びリバースプライマーを使用するPCRの際のアミノアリル修飾されたdUTP(aadUTP)の取り込み。
方法:実施例11に記載されているようにNSR7プライマープールを用いて作製されたaDNAPCR産物1μgを、以下のように、PCR反応混合物に添加する。
・100から1000μMのaadUTP+dCTP+cATP+dGTP+dUTP(dUTPに対するaadUTPの最適なバランスは、定型的な実験操作を用いて経験的に決定され得る。)
・4mMMgCl
・フォワードプライマー及びリバースプライマー400から1000nM(例えば、フォワード:配列番号949;又はリバース配列番号948)
PCR反応:PCRの5から20サイクル(94C30秒、60℃30秒、72℃30秒)、この時間中、二本鎖PCRテンプレートの両鎖が合成される。次いで、二本鎖のaa標識されたaDNAPCR産物が精製され、標準的な化学カップリングによって、Cy3又はCy5標識が取り込まれる。
本発明の好ましい実施形態を例示し、記載してきたが、本発明の範囲を逸脱せずに、本発明に様々な変更を施し得ることが理解される。
排他的な財産権又は特権が主張される本発明の実施形態が、以下のように定義される。
図1Aは、実施例2に記載されているヒトRefSeq転写物データベース中のヌクレオチド配列に対する、ランダムな6マー(N6)オリゴヌクレオチドの正確な合致の数を示している。 図1Bは、実施例2に記載されているヒトRefSeq転写物データベース中のヌクレオチド配列に対する、さほどランダムでない(NSR;Not−So−Random)6マーオリゴヌクレオチドの正確な合致の数を示している。 図1Cは、実施例4に記載されているNSR6マーオリゴヌクレオチドの混合物を用いて、増幅されたRNA分子の調製物を合成するための本発明の方法の代表的実施形態を示している。 図1Dは、実施例12に記載されているNSR6マーオリゴヌクレオチドの混合物を用いて、増幅されたDNA分子の調製物を合成するための本発明の方法の代表的実施形態を示している。 図2は、実施例2に記載されているヒトRefSeq転写物データベース中に存在する100個のヌクレオチド当りのNSR6マー結合部位の数を示すヒストグラムプロットである。 図3は、実施例6に記載されているように、入力RNAテンプレート量の関数として、T7−NSR6マーによって開始されたcDNAから増幅されたRNAの収率を示すヒストグラムプロットである。 図4は、T7−NSR6マー及びT7−N8によって開始された、レポーター及びバックグラウンド遺伝子に対するcDNAから増幅されたRNAの収率を、実施例7に記載されているようにプライマー及びdNTP濃度の関数として示すヒストグラムプロットである。 図5は、実施例9に記載されているように、入力RNAテンプレートの量の関数として、T7−NSR及びT7−N7によって開始されたcDNAから増幅されたRNAの収率を示すヒストグラムプロットである。 図6は、実施例9に記載されているように、インビトロ転写による増幅後における、T7−NSR及びT7−N7によって開始されたcDNA(N8に対して標準化されている。)の相対組成を示す線形目盛りでのヒストグラムプロットである。 図7は、実施例9に記載されているように、インビトロ転写による増幅後における、T7−NSR及びT7−N7によって開始されたcDNA(N8に対して標準化されている。)の相対組成を示す対数目盛りでのヒストグラムプロットである。 図8は、実施例9に記載されているように、RNAテンプレート量の関数としての、T7−NSRによって開始されたcDNAからのインビトロ転写産物の相対的存在量のヒストグラムプロットである。 図9は、実施例9に記載されているように、RNAテンプレート量の関数としての、T7−N7によって開始されたcDNAからのインビトロ転写産物の相対的存在量のヒストグラムプロットである。 図10は、実施例12に記載されているように、T7−NSRによって開始されたcDNA(x軸)とT7−NSRによって開始されたcDNAから生成された、増幅されたDNA(aDNA)(y−軸)の定量的PCRによって測定された、34のレポーター遺伝子のパネルから得られた発現値の相関をグラフ的に示している。 図11は、プライマー濃度の範囲を用いて生成された、増幅されたDNAの定量的PCRによって測定された、10個のレポーター遺伝子のパネルの遺伝子特異的活性のヒストグラムプロットである。

Claims (42)

  1. 核酸分子の標的集団を選択的に増幅する方法であり、オリゴヌクレオチドの集団を使用して、核酸分子のより大きな集団内の核酸分子の標的集団の増幅を開始する工程を含み、
    (a)各オリゴヌクレオチドがハイブリダイズ部分を含み、該ハイブリダイズ部分が6個、7個又は8個のヌクレオチドの1つからなり、及び
    (b)オリゴヌクレオチドの集団が、所定の条件下で前記標的核酸集団の第一の亜集団にハイブリダイズするが、前記所定の条件下で前記標的核酸集団の第二の亜集団にハイブリダイズしないように選択される、前記方法。
  2. 各オリゴヌクレオチドが、ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する所定の配列部分をさらに含む、請求項1の方法。
  3. 所定の配列部分が転写プロモーターを含む、請求項2の方法。
  4. 所定の配列部分がPCR増幅用のプライマー結合部位を含む、請求項2の方法。
  5. ハイブリダイズ部分の集団が、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド又は8ヌクレオチドの長さを有する全ての可能なオリゴヌクレオチドから選択される、請求項1の方法。
  6. ハイブリダイズ部分の集団が、6ヌクレオチドの長さを有する全ての可能なオリゴヌクレオチドから選択される、請求項1の方法。
  7. ハイブリダイズ部分の集団が、配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドから選択される、請求項1の方法。
  8. ハイブリダイズ部分が、配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの集団のメンバーである、請求項1の方法。
  9. ハイブリダイズ部分の集団が、7ヌクレオチドの長さを有する全ての可能なオリゴヌクレオチドから選択される、請求項1の方法。
  10. ハイブリダイズ部分の集団が、8ヌクレオチドの長さを有する全ての可能なオリゴヌクレオチドから選択される、請求項1の方法。
  11. 核酸分子の標的集団が哺乳動物の血液細胞から得られる、請求項1の方法。
  12. 哺乳動物の血液細胞が、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球、赤血球及び血小板からなる群から選択される、請求項11の方法。
  13. 核酸分子の標的集団が哺乳動物の血液細胞から得られるmRNA分子を含む、請求項1の方法。
  14. 標的核酸集団の第二の亜集団が、核酸分子の標的集団中の最も豊富な核酸分子から実質的になる、請求項1の方法。
  15. 最も豊富な核酸分子が、リボソームRNA、リボソームDNA,グロビンDNA又はグロビンRNAからなる群から選択される、請求項14の方法。
  16. 核酸分子の標的集団の増幅が、核酸分子の標的集団を逆転写することに続き、RNA分子を生成するためのインビトロ転写の工程を含む、請求項3の方法。
  17. 標的集団の増幅が、核酸分子の標的集団を逆転写することに続き、二本鎖DNA分子を生成するためのPCR増幅の工程をさらに含む、請求項4の方法。
  18. 逆転写工程がdNTPの存在下で実施され、dNTP濃度が50から5000マイクロモルの範囲を含む、請求項16又は17の方法。
  19. dNTP濃度が1000から2000マイクロモルの範囲を含む、請求項18の方法。
  20. 所定のハイブリダイゼーション条件が40℃から50℃の範囲のアニーリング温度を含む、請求項1の方法。
  21. スペーサー部分が、各オリゴヌクレオチドの所定の配列部分とハイブリダイズ部分との間に配置されている、請求項2の方法。
  22. 核酸分子の標的集団を選択的に増幅する方法であり、オリゴヌクレオチドの集団を使用して、核酸分子のより大きな集団内の核酸分子の標的集団の増幅を開始する工程を含み、
    (a)各オリゴヌクレオチドがハイブリダイズ部分を含み、該ハイブリダイズ部分が6個、7個又は8個のヌクレオチドの1つ及び該ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する所定の配列部分からなり、並びに
    (b)オリゴヌクレオチドの集団が、所定の条件下で標的核酸集団の第一の亜集団へハイブリダイズするが、前記所定の条件下で標的核酸集団の第二の亜集団にハイブリダイズしないように選択される、前記方法。
  23. 所定の配列部分がインビトロ転写に適した転写プロモーターを含む、請求項22の方法。
  24. 所定の配列部分がPCR増幅用のプライマー結合部位を含む、請求項22の方法。
  25. 核酸分子の標的集団を選択的に増幅する方法であり、オリゴヌクレオチドの集団を使用して、核酸分子のより大きな集団内の核酸分子の標的集団の増幅を開始する工程を含み、オリゴヌクレオチドの前記集団内の各オリゴヌクレオチドがハイブリダイズ部分及び該ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する所定の配列部分を含み、前記ハイブリダイズ部分が配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの集団のメンバーである、前記方法。
  26. 所定の配列部分がインビトロ転写に適した転写プロモーターを含む、請求項25の方法。
  27. ハイブリダイズ部分の集団が、配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの少なくとも10%を含む、請求項25の方法。
  28. 配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの集団。
  29. 配列番号1から933からなるオリゴヌクレオチドの集団。
  30. 配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの少なくとも10%を含むオリゴヌクレオチドの集団。
  31. 核酸分子の標的集団を選択的に増幅するための試薬であり、配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの少なくとも10%を含む、前記試薬。
  32. 核酸分子の標的集団を選択的に増幅するための試薬であり、核酸分子の標的集団の増幅を開始するためのオリゴヌクレオチドの集団を含み、各オリゴヌクレオチドがハイブリダイズ部分及び該ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する所定の配列部分を含み、前記ハイブリダイズ部分が配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの集団のメンバーである、前記試薬。
  33. 所定の配列部分がインビトロ転写に適した転写プロモーターを含む、請求項32に記載の試薬。
  34. ハイブリダイズ部分の集団が、配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの少なくとも10%を含む、請求項32に記載の試薬。
  35. ハイブリダイズ部分の集団が、配列番号1から933からなるオリゴヌクレオチドを含む、請求項32に記載の試薬。
  36. 核酸分子の標的集団を選択的に増幅するためのキットであり、オリゴヌクレオチドの集団を含む試薬を含み、各オリゴヌクレオチドは、配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの集団のメンバーであるハイブリダイズ部分を含む、前記キット。
  37. ハイブリダイズ部分の集団が、配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの少なくとも10%を含む、請求項36に記載のキット。
  38. ハイブリダイズ部分の集団が、配列番号1から933からなるオリゴヌクレオチドを含む、請求項36に記載のキット。
  39. 以下の成分:逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ、RNアーゼH酵素、Tris緩衝液、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、還元剤、デキシヌクレオシド三リン酸又はリボヌクレアーゼ阻害剤の少なくとも1つをさらに含む、請求項36に記載のキット。
  40. 以下の成分:RNAポリメラーゼ、IPPアーゼ、転写緩衝液、Tris緩衝液、ナトリウム塩、マグネシウム塩、スペルミジン、還元剤、ヌクレオシド三リン酸又はアミノ−アリル−UTPの少なくとも1つをさらに含む、請求項36に記載のキット。
  41. 核酸分子の標的集団を選択的に増幅する方法であり、
    (a)オリゴヌクレオチドの集団(各オリゴヌクレオチドはハイブリダイズ部分及び該ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する転写プロモーター部分を含み、前記ハイブリダイズ部分は配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの集団のメンバーである。)を準備する工程と;
    (b)哺乳動物対象から単離されたmRNAを含む試料に、前記オリゴヌクレオチドの集団をアニールする工程と;
    (c)逆転写酵素を用いて、前記mRNAからcDNAを合成する工程と;
    (d)DNAポリメラーゼを用いて二本鎖cDNAを合成する工程と;及び
    (e)各オリゴヌクレオチドの転写プロモーター部分に結合するRNAポリメラーゼを用いて、二本鎖cDNAをRNAへ転写して、増幅されたRNAを生成させる工程と、
    を含む、前記方法。
  42. 核酸分子の標的集団を選択的に増幅する方法であり、
    (a)オリゴヌクレオチドの第一の集団(各オリゴヌクレオチドはハイブリダイズ部分及び該ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する第一のPCRプライマー結合部位を含み、前記ハイブリダイズ部分は配列番号1から933を含むオリゴヌクレオチドの集団のメンバーである。)を準備する工程と;
    (b)哺乳動物対象から単離されたmRNAを含む試料に、前記オリゴヌクレオチドの集団をアニールする工程と;
    (c)逆転写酵素を用いて、前記mRNAからcDNAを合成する工程と;
    (d)DNAポリメラーゼ及びオリゴヌクレオチドの第二の集団(各オリゴヌクレオチドは、ランダムなハイブリダイズ部分及び該ハイブリダイズ部分に対して5’に位置する第二のPCR結合部位を含む。)を用いて二本鎖cDNAを合成する工程と;並びに
    (e)熱安定性DNAポリメラーゼ、第一のPCRプライマー結合部位に結合する第一のPCRプライマー及び第二のPCRプライマー結合に結合する第二のPCRプライマーを用いて、二本鎖cDNAをPCR増幅して、増幅された二本鎖DNAを生成させる工程と、
    を含む、前記方法。
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