JP2009506978A - インスリン類の併用 - Google Patents

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Abstract

治療上有効な量のインスリンまたはインスリン類縁体製剤と、治療上有効な量のベタインとからなる医薬的な連関または組み合わせであって、インスリンおよびベタインが化合物または錯体を形成することができ、ベタインの用量は、分解の制御および/または作用持続時間の増強および/またはインスリンまたはインスリン類縁体製剤の治療効果の増強のために選択される。

Description

本発明は併用療法を使用した糖尿病治療用の医薬組成物および方法を提供する。この組成物は、ベタイン類、脂質ベタイン類、ベタイン脂質類のうち一つまたは二つ以上から選択した化合物、およびインスリン類などの抗糖尿病薬に関する。その方法とは、式Iからなる化合物、好ましくはグリシンベタイン(n=1)、と抗糖尿病薬とを混合したものを、これら2つの成分が同時に送達されるように投与する方法である。つまり、ベタイン類、脂質ベタイン類、ベタイン脂質類のうち一つまたは二つ以上から選択した前記化合物を最初に投与し、その後、前記抗糖尿病薬を投与する方法や、抗糖尿病薬が最初に送達された後、ベタイン類、脂質ベタイン類、ベタイン脂質類のうち一つまたは二つ以上からから選択した化合物が送達されるような投与方法である。本願の請求項においては、ベタインとは、薬学的に許容されるベタイン、脂質ベタイン類、ベタイン脂質類、薬学的に許容されるそれらの塩およびそれらの組み合わせをいう。本発明はさらにインスリンおよびインスリンの薬効および/または持続時間を高めるために使用するベタインで構成される医薬組成物に関する。
本発明は、医薬組成物に関し、さらに詳しくは、併用療法を使用した糖尿病治療用の医薬組成物に関する。ベタイン類とインスリンとを併用することによりその半減期が延長され、インスリンの有効性が増強されるとともに、患者が心血管イベントを発症しないよう予防する。
糖尿病は、糖尿病(DM)(diabetesmellitus,DM)および尿崩症(diabetesinsipidus)のように、尿が過剰に排泄される人間の疾患のことをいう。糖尿病(DM)は、ブドウ糖利用機能が一部または完全に機能しなくなる、一種の代謝異常である。人々の約5%は糖尿病にかかっている。1920年代にインスリンが導入されて以来、糖尿病治療を改善すべく研究が行われてきた。血糖値が極端に高くならないように、糖尿病患者は、例えば、速効性のインスリンを毎食事とともに投与し、長時間作用型または中間型のインスリンを毎日一回または二回投与するなど、基礎分泌量を補うために毎日、複数回、注射をしている。
糖尿病治療においては、多種多様のインスリン製剤が提案および使用されている。これらの製剤には、レギュラーインスリン、イソフェンインスリン(NPH製剤)、インスリン亜鉛懸濁液(セミレンテ.RTM.、レンテ.RTM.、およびウルトラレンテ.RTM.など)、および二相性イソフェンインスリンなどがある。糖尿病患者はインスリンによる治療を数十年続けるため、安全で、かつ生活の質の向上をはかれるインスリン製剤が大いに求められている。市販のインスリン製剤には作用発現が速い特徴を有するものや、作用発現は比較的遅いが、おおよそ作用が持続するものなどの他の製剤がある。速効性のインスリン製剤は、通常は、インスリン溶液で、遅効性のインスリン製剤は結晶性インスリンおよび/または亜鉛塩単体またはプロタミンもしくはその双方を添加して沈降させた無晶性インスリンを含有する懸濁液である。さらに、患者によっては作用発現が速い製剤と持続性作用がある製剤の両方が入った製剤を使用する患者もいる。このような製剤はプロタミンインスリン結晶を懸濁したインスリン溶液でもよい。また、速効性のインスリン溶液と遅効性のインスリン懸濁注射液とを自分に所望される割合で混合して最終製剤を調製する患者もいる。
ヒトインスリンは、いわゆるA鎖およびB鎖と呼ばれる2本のポリペプチド鎖で構成され、それぞれ21個および30個のアミノ酸残基からなっている。このA鎖およびB鎖は、2つのシスチン結合・ジスルフィド結合によって相互に連結されている。ヒト以外の哺乳動物由来のほとんどのインスリンは構造的に類似しているが、ヒトと同じアミノ酸残基が同じ場所にないこともある。
遺伝子工学として知られる方法の開発によりヒトインスリンと同様のさまざまなインスリン化合物の調整が可能になった。これらの類似したインスリン類縁体(analogue)製剤では、一種または二種以上のアミノ酸類がヌクレオチド配列によって暗号化可能な他のアミノ酸類と置き換えられている。これらの化合物はすべて本発明のベタイン類との併用に適応することができる。
ふつう、インスリン製剤は皮下注射で投与する。患者にとって重要なのはインスリン製剤の作用プロファイルで、これは注射後の時間の関数として表されるグルコース代謝に対するインスリン作用である。このプロファイルにおいては、とりわけ、作用開始時間、最高濃度、および全体の作用持続時間が重要となる。患者が望み、また必要としているのは、異なる作用プロファイルを有する種々のインスリン製剤である。一人の患者に、同じ日に、作用プロファイルが非常に異なるインスリン製剤を使用することもできる。必要とされる作用プロファイルは、例えば、一日の時間帯および患者が摂取した食事の量や成分などによって決まる。
そこで、インスリンの放出特性が異なる製剤が強く求められている。ある患者が、同じ日のうちに、異なる放出特性を有するインスリン製剤を使用することも可能になる。例えば、この患者は、食前に、作用発現が遅くない速効型インスリン製剤を使用する。また別の患者は、食前に、速効型および遅効型の両方の入った製剤を使用するといったことができる。このように速効型および遅効型の両方の入った製剤の場合、速効性薬剤と遅効性薬剤との割合はかなり異なることがある。就寝前、この患者は長時間作用性のインスリン製剤を使用してもよいが、おなじく就寝前、速効型および遅効型の両方の入った製剤を使用する患者もいる。
本発明の目標は、患者のニーズにあったインスリン/ベタインの併用および/または効能・効果を安定して提供することにある。前記インスリン/ベタインの併用は、哺乳動物における血糖を急速に、かつ長期間制御する場合、反復投与の必要性を軽減するのに適している。
糖尿病は、一般に、インスリン依存性糖尿病(IDDM、I型糖尿病)またはインスリン非依存性糖尿病(NIDDM、II型糖尿病)のいずれかに分類されるが、糖尿病の病態を伴った臨床病理学的にあまり一般的ではない糖尿病もある。これらには、妊娠性若年発症成人型糖尿病(MODY)、慢性膵炎により二次的に起こる熱帯性の糖尿病、膵臓疾患または手術による二次的な糖尿病、および内分泌疾患による二次的な糖尿病などがあげられる。
併用療法という概念は現在の医療においてはよく利用されている。目標にする病原体または生化学経路が同一である2種またはそれ以上の薬剤を病理の治療に併用することにより、薬効が大きくなり、また各薬剤単体の治療に使用される用量にともなって発現する副作用が減少することがある。薬物を併用することによる効果は相加的な(併用による薬効は各薬剤単体の効果の和に大体等しくなる)場合もあるが、その薬効が相乗効果による効果である場合もある(併用による効果が、各薬物を単体で投与した場合の効果の和よりも大きくなる)。実際の医療では、薬物の併用効果が相加的であるか、あるいは相乗的であるかを判断するのは極めて困難な場合が多い。
糖尿病患者のほとんどが、治療として何らかの形でインスリン療法をうけている。さらに、インスリン依存性糖尿病患者は末梢組織でのインスリン利用能を高めるためにビグアナイド系薬剤(例えば、メトホルミン)の投与を受ける場合もある。インスリン非依存性糖尿病患者に対しては、インスリン、スルホニル尿素(膵臓でのインスリン産生を高めるため)、およびビグアナイド系薬剤またはグリタゾン(末梢組織でのインスリン感受性を高めるため)を併用した治療が行われることが多い。例えば、グリタゾンとスルホニル尿素の併用における改善した効用が最近のヒト治験において示された(WO98/36755参照)。最近、インスリン非依存性糖尿病患者の治療のためのメトホルミンとの併用剤として2つのグリタゾン化合物(ロシグリタゾンおよびピオグリタゾン)が米国で承認された。
種々の抗糖尿病化合物が知られている。例えば、スルホニル尿素類は膵臓からのインスリン放出を刺激して低血糖症を誘発する薬物の一群である。一般に、スルホニル尿素類はインスリン非依存性糖尿病の治療において幅広く利用されているが、インスリン依存性糖尿病においては患者にインスリン産生効能が先天的にないため、その有効性は減少する。スルホニル尿素類の有害反応はほんの一部の患者、特に高齢者において発現する。最も重篤な副作用のひとつに低血糖症および昏睡がある。ほかの副作用としては、吐き気および嘔吐、胆汁鬱滞性黄疸、無顆粒球症、心血管死、再生不良性および溶血性貧血、全身過敏症および皮膚反応などがあげられる。
ビグアナイド系薬剤はもうひとつの薬物群で、1950年代半ばに最初に導入され高血糖症の治療に有効性を示したが、その機序はよく解明されていない。この種の薬剤で最もよく知られているものにメトホルミン、フェンホルミンおよびブホルミンがある。スルホニル尿素類とは違って、メトホルミンは膵臓からのインスリン放出を誘発しない。その薬効は、末梢組織でのインスリン作用を促進し、糖新生を抑制して肝臓のブドウ糖産生量を減少させ、また小腸からのブドウ糖吸収を減少させる機序によると思われる。ビグアナイド系薬剤の使用による副作用には乳酸アシドーシス、下痢、吐き気、および拒食症がある。これらビグアナイド系薬剤はスルホニル尿素類などの膵臓からのインスリン産生量を増加させる薬物と併用投与されることが多く、併用によって副作用プロファイルを改善しながら、より高い有効性および/または薬物投与量の低減をはかることができる。
近年になって、インスリン非依存性糖尿病の治療にグリタゾン類が導入され、幅広く使用されている。このグリタゾン剤はトログリタゾン、ロシグリタゾンおよびピオグリタゾンなどのようなチアゾリジンジオン系薬剤として一般に知られており、骨格筋などの末梢組織のインスリン感受性を高めることによって作用すると思われる。これらの薬剤はインスリンまたはスルホニル尿素系薬剤などの膵臓からのインスリン放出を高める薬剤と併用されることが多い。これらの薬剤の臨床評価の間に、肝毒性、臓器腫大、浮腫、貧血および体重増加といった数多くの副作用が記載されている。これらの病態のうち、肝毒性は最も急性で致命的なものとされるが、患者人口に占める発現率は高くはない。これに対して、発現率の増加が認められるのは長期グリタゾン治療に伴う体重増加で、大多数の糖尿病患者においてはすでに危篤である合併症をさらに増悪させ、ひいては長期治療をつづけると抗糖尿病効果が得られなくなることにもなる。
アカルボースなどのα‐グルコシダーゼ阻害薬は、小腸の刷子縁にあるα‐グルコシダーゼの抑制作用によって、でん粉、デキストリン、および二糖類の小腸での吸収を減少させる。この酵素を阻害することにより炭水化物の吸収が遅れ、ふつう食後にみられる血漿グルコースの上昇が緩和される。アカルボースはインスリン依存性糖尿病およびインスリン非依存性糖尿病の患者において、いくらか効能は見られたが、量依存的な吸収不良、鼓腸および腹部膨満を伴うことが多い。
ほかの薬剤としては、糖尿病治療においてその利用が制限されるものがあり、レパグリニドのようなカリウムチャネル拮抗薬、およびゾポレスタットやトルレスタットのようなアルドース還元酵素阻害剤がそれである。まだ実験段階ではあるが、グルカゴンの拮抗薬、レチノイドX受容体(RXR)の活性化剤、PPAR‐αの活性化剤、PPAR‐δの活性化剤および抗肥満薬もまた抗糖尿病薬としての可能性を大いに秘めているとして評価されている。
以上の事柄を鑑みて、従来より、糖尿病の病態および糖尿病の合併症をより効果的に治療できるように図ることが求められている。薬物の投与量を減量し、それにより副作用を軽減する併用療法が必要である。ところが、その方法が見つかったのである。本発明のベタイン類、すなわちベタイン類、脂質ベタイン類、ベタイン脂質類のうち一つまたは二つ以上からから選択した一つまたは二つ以上の化合物とインスリンとを併用すると、その有効性、薬効の持続時間を向上しつつも、薬剤による副作用の可能性を低減させることがわかった。ベタイン類をインスリン製剤と併用することで、インスリン量を減らし、一方で併用剤の半減期を延ばすことができる。本発明はこれらのニーズおよび他のニーズを満たしている。
本発明は、インスリン依存性糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、妊娠糖尿病、若年型糖尿病などの糖尿病含む種々の疾患に対する、併用療法を使用した、治療用医薬組成物を提供する。ある態様では、この医薬組成物には薬学的に許容される式Iの化合物を有する担体および生体のインスリン産生を促進させるインスリン製剤および/または化合物が含まれる。驚くことに、ベタインをインスリンと併用するとインスリンの半減期が延長され、その有効性および/またはその生物学的利用能が増強される。本発明の組成物は臨床上、単剤のみの使用よりも有利である。このように、本発明は以下の構成からなる併用または関係または組成物を提供する。
I)nが1から5の整数(好ましくは,n=1)である式I(CH+___(CH)n__COO-で表される化合物であり、この式Iで表される化合物、そのエステル類、その前駆体、およびその混合物の薬学的に許容される塩を含む化合物と、
II)短時間作用型インスリン、中間型インスリン、長時間作用型インスリン、そのプロドラッグ、その混合物または薬学的に許容されるそれらの塩を含み、有益であるかぎり少なくとも一種の薬学的に許容される担体または溶剤をも含める、インスリン療法に限定しない、一種または二種以上のインスリン製剤。
ある態様では、本発明の組成物には一種または二種以上のインスリン製剤とともに配合した式Iで表される化合物が含まれる。別の態様では、本発明の組成物は式Iで表される化合物からなるが、一種または二種以上のインスリン製剤とは独立に、つまり分けて配合される。
ある実施形態では、本発明による併用はさらにスルホニル尿素類、ビグアナイド系薬剤、グリタゾン類およびその他PPARγ、拮抗薬、α‐グルコシダーゼ阻害薬、カリウムチャネル拮抗薬、アルドース還元酵素阻害剤、グルカゴン拮抗薬、RXRの活性化剤、PPARαの活性化剤、PPARδの活性化剤、または抗肥満薬などの一種または二種以上の抗糖尿病薬を、これらに限定せず含むことができる。
式Iで表される化合物(すなわちベタイン類)とインスリンの医薬上の治療方法、併用法および使用方法を特許請求の範囲としている。前記インスリン製剤には短時間作用型インスリン、中間型インスリン、長時間作用型インスリンから選択した、当業者には公知のあらゆる剤形でのインスリンが含まれ、その剤形またはそれらの混合物は、ヒューマログ、ノボラピッド、ノボラピッド・ノボレット、ランタス、長時間作用型類似体製剤のレベミル、ヒューマン・アクトラピッド(ヒト Actrapid)、ヒューマン・ヴェロスリン、ポーク・アクトラピッド(Pork Actrapid)、ヒューマジェクトS(Humaject S)、ヒューマリンS、中性のHypurin Bovine、中性のHypurin Porcine、Insuman Rapid、Insuman Rapid Opti Set、中間型および長時間作用型のヒューマリンI、ヒューマリン・レンテ、ヒューマリンZN、ヒューマン・インスラタード(ヒト Insulatard)、ヒューマン・モノタード(ヒト Monotard)、ポーク・インスラタード(Pork Insulatard)、ヒューマン・ウルトラタード(ヒト Ultratard)、Hypurin Bovine イソフェン、Hypurin Bovine レンテ、Hypurin Bovine プロタミン亜鉛、Hypurin Porcine イソフェン、Insuman Basal、Insuman Basal Opti Set、アナログ混合製剤のヒューマログ・ミックス、ノボミックス、混合製剤のヒューマジェクト(Humaject)、ヒューマン・ミクスタード(ヒト Mixtard)、ポーク・ミクスタード(Pork Mixtard)、Hypurin Porcine イソフェン・ミックス、Insuman Comb、Insuman Comb Opti Setおよびそれらの混合剤などから構成される群から選択してなる。
したがって、本明細書に記載される組成物または併用剤の投与構成は以下のようになっている。
1)式Iで表される一種または二種以上の化合物(好ましくはグリシンベタイン)であって、インスリン産生および/または有効性および/または生体での半減期を増大させ、かつ/またはインスリンに対する末梢組織の感受性を高める式Iで表される一種または二種以上の化合物と、
2)単剤でもその有効性を高める、インスリン療法などの抗糖尿病薬、またはインスリン分泌促進剤などの薬剤。高い有効性が得られるほか、本発明の併用療法により薬剤の用量も同時に減らすことが可能になる。式Iで表される化合物と、一種または二種以上の別の抗糖尿病薬(例えば、ビグアナイド系薬剤、グリタゾン類、RXRリガンド、PPARγ作動薬など)との併用療法では、一部の抗糖尿病薬に通常伴う副作用が減少する結果となった。
ある態様では、本発明による併用する化合物は、インスリン分泌促進またはインスリン感受性には効果を示さない抗糖尿病薬、例えば、a‐グルコシダーゼ阻害薬、カリウムチャネル拮抗薬、アルドース還元酵素阻害剤、グルカゴン拮抗薬、RXRリガンド、PPARα作動薬、PPARδ拮抗薬、および抗肥満薬などと併わせて、連続的に(例えば抗糖尿病薬の投与前)、またはほぼ同時に投与された。意外にも、上記のような併用療法を行った結果、単剤のみを使用した場合に比べ有効性が向上した。
別の実施態様において本発明は、宿主に本発明の組成物を投与することによって代謝性疾患または炎症性疾患を治療する方法を提供する。ある好ましい態様においては、前記の方法は、式Iで表される化合物とインスリン製剤との併用剤が、例えばひとつの製剤にするなどして同時に送達されるようにした組成物の投与方法が含まれる。また別の態様では、本発明による方法は、併用療法であり、この療法においては、式Iで表される化合物を最初に、例えば第一の製剤によって、少なくとも一部を投与し、次いで、例えばさらなる製剤またはまったく別の製剤によって、インスリン製剤を投与するものである。またこの方法は、公知のインスリンおよび/または技能を有する医師などによって処方されたインスリンなどがまず最初にひとつの製剤において送達され、その後、異なる経路による投与に適した例えば一種または二種以上の別々のコンパートメント、剤形、投与法で、別の製剤として式Iで表される化合物が送達される、抗糖尿病薬を含んでいる。併用療法、治療方法および/または投与法は、例えば、異なる経路での投与に適応できる。本発明では例えば、公知で、しかも臨床上の設定で応用されている全ての投与形態および/または投与経路が使用可能である。このような投与経路としては、それに限定することなく、経口、経皮投与、経皮吸収、皮下、非経口、腹腔内、舌下、経鼻、経肺、直腸投与およびそれらの併用があげられる。本発明はこれらすべての投与方法を包含するものである。併用療法は糖尿病にともなう病態、例えば、肥満、心血管性疾患、脳血管障害、血栓症、虚血、低酸素症、高血圧、高コレステロール血症、脂質異常、末梢神経障害およびその他の神経性障害などに特に有効である。式Iで表される化合物およびインスリン製剤は同時に投与することができるが、式Iで表される化合物の投与されるべき量および/または抗糖尿病薬の量を、少なくとも一部の放出量を制御しながら投与するのが好ましい。
定義:
本発明において使用されるベタインまたはベタイン類とは、式Iで表される化合物などの「ベタイン類」、「脂質ベタイン類」および「ベタイン脂質類」、並びに併用およびその混合物をいう。
本発明に記載される「ベタイン類」とは、有利には、1から5の整数である式(CH+(CHCOO-で表される化合物、(好ましくは,グリシンベタインでn=1)、薬学的に許容されるその塩類、そのエステル類、その前駆体、およびその混合物のことをいう。
「脂質ベタイン類」および「ベタイン脂質類」とは、一般にシダ類、苔類、真菌類、アメーバ、非種子植物や藻類などの真核生物に見られる膜の構成成分であるベタイン脂質類をいう。ベタイン脂質類はエーテル-結合型の、非リングリセロ脂質で、よく知られているホスファチジルコリンに全体構造において類似している。最も一般的なグリセロ脂質は極性頭部基が結合したジアシルグリセロール部をもっている。この極性頭部基は植物のガラクトリピドによくみられる糖鎖または動物の脂質クラスでは最も一般的なグリセロリン脂質にあるホスホリルエステル(phosphorylester)であってよい。ベタイン脂質類はグリセロ脂質第三のクラスで、四級アミンアルコールがエーテル結合によってジアシルグリセロール部に結合している。ベタイン脂質類は抽出、生合成または合成によって得ることができる。ベタイン脂質のジアシルグリセリル‐O-4’‐(N、N、N-トリメチル)ホモセリンおよび密接に関連した等電点であるジアシルグリセリル‐O-2’‐(ヒドロキシメチル)(N、N、‐トリメチル)‐β‐アラニンが最も一般的である。
「薬学的に許容される塩類」とは、本願明細書に記載される化合物にある特定の置換基により、比較的に無毒の酸または塩基で調製される活性化合物の塩類を包含している。本発明の化合物が比較的酸性の官能基で構成される場合、塩基添加塩類は前記化合物の中性型と必要な塩基の所望の量とを、ストレートのままでまたは適宜の不活性溶剤に溶かして接触させて得ることができる。薬学的に許容される塩基添加塩類としてはナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ塩またはマグネシウム塩、または類似の塩などがあげられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基で構成される場合、酸添加塩類は前記化合物の中性型と必要な量の所望の酸とを、ストレートのままでまたは適宜の不活性溶剤に溶かして接触させて得ることができる。薬学的に許容される酸添加塩類としては、それに限定することなく、無機酸由来のもの、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などをはじめ、比較的無毒の有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、琥珀酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン(tolylsulfonic)、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などに由来する塩類があげられる。他にも、アルギネートなどのアミノ酸類の塩類、およびグルクロン酸やガラクツロン酸などの有機酸の塩類も含まれる(例えば、Berge、S.M.、ら、’’Pharmaceutical Salts’’、Journal of Pharmaceutical Science、 1977、66、1-19(「医薬塩類」、医療薬学ジャーナル、1977年66、1‐19)を参照)。本発明のある特定の化合物は塩基性官能基および酸性官能基の両方をもつため化合物を塩基または酸添加塩類のいずれにも変換することができる。
前記化合物の中性型は従来の方法で塩と塩基または酸を接触させ、親(parent)化合物を単離することによって再生することが可能である。化合物の親型は、例えば極性溶剤に対する溶解度など、ある種の物性においてさまざまな塩とは異なるが、それ以外では塩類は本発明の目的とする化合物の親型と同等である。
塩型に加え、本発明ではプロドラッグ型の化合物を提供する。本願明細書の化合物のプロドラッグとは、生理的、例えば水性媒体中での分解、条件下ですぐに化学変化をおこして本発明の化合物を得られるものである。さらに、プロドラッグをex vivo環境においてin vivoの、化学的方法または生化学的方法によって本発明の化合物に変換することが可能である。例えば、プロドラッグは、経皮吸収パッチおよび/または経腸リザーバーなどのリザーバーおよび/または適宜の酵素または化学的試薬が入った埋め込み型のリザーバーに入れると、本発明の化合物にゆっくりと変換させることができる。
本発明のある種の化合物は水和型も含めて、未溶媒和型と溶媒和型の形で存在可能である。一般に、溶媒和型は未溶媒和型と同等で、本発明の範囲内に包含されるものとする。本発明のある種の化合物は複結晶状または無晶性状で存在可能である。一般に、すべての物理的形状が本発明が目的とする使用において同等であり、また本発明の範囲内とされる。
本発明のある種の化合物は不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有するが、ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体および各種異性体すべてが本発明の範囲内に包含されるものとする。
本発明の化合物はさらに人為的割合の原子同位体、安定した同位体など、一つまたは二つ以上の構成原子から成っていてもよい。例えば、この化合物は三重水素(トリチウム、H)、ヨウ素125(125I)または炭素14(14C)などの放射性同位元素で標識してもよい。本発明の化合物の同位体に対する変更はすべて、放射性または非放射性にかかわらず本発明の範囲内に包含されるものとする。
「プロドラッグ」とは薬物前駆体の化合物で、投与後、in vivoで化学的または生理的過程を介して薬物を放出するものをいう(例えば、プロドラッグが生理的pH域になると、所望の薬物形態に変換される)。
「必要とされる併用量、」「有効な併用量」「治療学的に有効な併用量」または「有効な併用量」とは、すべて、式Iで表される化合物と糖尿病の疾患にともなう症状の改善に有効な抗糖尿病薬とを併せた量をいう。本願明細書において、式Iで表される化合物と抗糖尿病薬との「併用」とは、2つの化合物が同時に送達されうることを意味し、併用療法において、式Iで表される化合物を最初に投与してから抗糖尿病薬を投与することのみならず、抗糖尿病薬が最初に送達されてから、式Iで表される化合物が送達される。投与を受けた人が症状が軽減したと自覚する、または他覚的に改善が観察された場合は、所望の結果が得られたとすることができる。
「相乗的な有効量」とは、式Iで表される化合物と相乗的な効果をもたらすのに有効な抗糖尿病薬とを併せた量のことをいう。相乗作用はひとつの生物現象で、混合物にした2つの活性成分の有効性が相加的以上、すなわち、有効性が各成分単体での同等濃度よりも大きくなることをいう。ある態様では、式Iで表される化合物と抗糖尿病薬との併用療法の有効性は相乗的である。したがって、相乗効果とは、個々の要素の結果または機能の和より大きな、ひとつの結果であり機能である。
「同時に」および「併用治療」とは、投与プロトコルであり、このプロトコルでは本発明の化合物、および随意的に少なくともさらに一つの抗糖尿病薬を24時間以内、48時間以内、72時間以内、96時間以内またはそれ以上の時間以内に投与する。
作用の発現:インスリンが血流に届いて、血糖降下が開始するまでの時間の長さ。
ピーク時間:インスリンが血糖値の降下においてその効果が最大になっている時間。
作用の持続時間:インリンが血糖降下を続けている時間。
ある実施態様においてはこの期間は一週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月というように長くなりうる。こういう長い期間が必要となるのは、本発明の化合物を体内への長期間にわたる送達に適した埋め込み型小型ポンプおよび/または注入器および/または投与法で投与する場合である。
(発明の詳細な説明および好ましい実施形態)
組成物
ある実施形態では、本発明は医薬組成物であって、
(i) 式Iで表される化合物、好ましくはグリシンベタインと、
(ii) 抗糖尿病薬とからなる医薬組成物を提供する。本発明の組成物は臨床上、単剤のみの使用よりも有利である。
従って本発明は、治療上有効な量のインスリンまたはインスリン類縁体製剤、および治療上有効な量のベタインからなる医薬的な連関(association)または併用であって、インスリンおよびベタインは化合物質または錯体を形成し、かつベタインの量でインスリンまたはインスリン類縁体製剤の分解を制御する、医薬的な連関または併用に関する。
有利には、投与してから少なくとも30分、好ましくは少なくとも1時間、最も好ましくは少なくとも2時間というインスリンの作用の発現時間を短縮するためにベタインの量が選ばれる。作用発現の時間は、糖尿病1および糖尿病2といった糖尿病に罹患した人の血液中のブドウ糖含有量が、投与後の降下率30%(好ましくは50%の降下、最も好ましくは70%の降下)に達するまでに効果的に要する時間である。
好ましくは、インスリンを投与してから少なくとも4時間から6時間、好ましくはインスリンを投与してから3時間から8時間までインスリンの効果を高めるように、ベタインの量が選ばれる。インスリンは、投与後3時間から8時間といったように、投与後4時間から6時間、効果的には4時間から8時間、最も好ましくは4時間から10時間の間、糖尿病に罹患していない人の血糖値くらいまで血糖値を降下させるのに適している。
ある実施態様によれば、投与後2時間から10時間のインスリンのin vivoでの生物学的利用能を少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、最も好ましくは少なくとも50%向上させるために、ベタインの量が選ばれる。生物学的利用能または生物学的有効性は、ベタインを含まないインスリンの生物学的利用能または生物学的有効性に比べると、少なくとも20%、効果的には少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%向上する。まだ試験を実施する段階ではあるが、なぜインスリンの生物学的利用能または生物学的有効性が高くなるか、その機序として考えられるのはインスリンの分解速度の低下、インスリンの分解を助けるとして知られる部位や細胞に対するベタインの保護効果、ベタインによるPPAR受容体の活性化などがあげられ、これにより脂肪細胞の分化およびインスリン感作における遺伝子発現の制御ともに、脂肪酸異化作用における多くの遺伝子転写の制御が改善され、β‐酸化およびインスリン感作が改善される。
このインスリンは有利には、短時間作用型のインスリンなどとして知られるインスリンであり、そのためにベタインの量は好ましくは、迅速かつ十分なインスリン作用を達成するのみならず、延長したインスリンの作用を達成できるように選ばれ、それによって、インスリンの効率を改善するか、または効果的な治療を可能にしつつインスリン量を減らすことができることを意味している。
また別の実施態様によると、前記インスリンは2つの異なるインスリンの混合物として知られるインスリンまたはインスリン混合物であり、短時間作用型インスリンと長時間作用型インスリンとの混合物、短時間作用型インスリンと中間型インスリン、中間型インスリンと長時間作用型インスリンとの混合物、および短時間作用型インスリンと中間型インスリンと長時間作用型インスリンとの混合物との混合物から構成される群から選択した混合物であると有利である。
また、このインスリンはインスリン長時間作用型インスリンとして知られるインスリンまたは中間型インスリンとして知られるインスリンであってもよい。
本発明の医薬的な連関または併用は、例えば、レギュラーインスリン、インスリンリスプロ、インスリン類縁体からなる群から選択された短時間作用型インスリンと薬学的に許容されるベタインの連関または併用である(インスリンとベタインは、おそらく錯体または化合物を形成する)。この場合、ベタイン含量は化合物中のベタイン部分も含めて表され、一方、短時間インスリン含量は該化合物のインスリン部分も含むように表され、その作用発現は薬理学的な作用持続時間と合うように等しく、薬学的に許容されるインスリンの作用持続時間の少なくとも1.3倍であることを特徴とする。
式Iで表される化合物の固有の性質に基づいて、これらの化合物のうち一つと本明細書に記載の一種または二種以上の抗糖尿病薬との併用で単剤のみの使用より臨床上有意な利点を提供する。したがって、(1)式Iで表される化合物(末梢組織でのインスリン感受性を高めると考えられている)とインスリン療法、またはインスリン分泌促進剤(例えばスルホニル尿素)のいずれかとの併用により各薬剤単体での有効性が高まり、その上、併用療法で使用されるあらゆる薬剤の用量を低減できる。さらに、(2)式Iで表される化合物と一種または二種以上のインスリン感受性を高める他剤(例えば、ビグアナイド系薬剤、グリタゾン類、RXRリガンド類、PPARγ作動薬など)との併用療法を行うと、各種薬剤同士の効果が向上し、ふつうはこれらの薬剤にともなう副作用が減少する。また、(3)式Iで表される化合物は、その作用機序がインスリン分泌促進またはインスリン感受性(例えば、α‐グルコシダーゼ阻害薬、カリウムチャネル拮抗薬、アルドース還元酵素阻害剤、グルカゴン拮抗薬、RXRリガンド類および抗肥満薬)以外である抗糖尿病薬と併せて投与することが可能である。重要なことには、これらのタイプの併用方法により単剤のみの使用に比べ有効性が向上することである。さらに、本発明は(4)式Iで表される化合物(好ましくは,グリシンベタイン)と、例えば肥満、心血管性疾患、脳血管障害、血栓症、虚血、低酸素症、高血圧、高コレステロール血症などの脂質障害、末梢神経障害などの神経性疾患など、糖尿病にともなって生じることが多い病態のどれか1つの治療を目的とした薬剤とからなる併用治療を含んでいる。このほか、(5)式Iで表される化合物とインスリン感受性を高める一種または二種以上の他剤(例えば、ビグアナイド系薬剤、グリタゾン類、RXRリガンド類、PPARγ作動薬など)とをあわせた併用療法により、糖尿病による煩わしさや病態の予防、または糖尿病による煩わしさや病態が現れるのを遅らせることができる。
式Iで表される化合物、特にグリシンベタインは、抗凝集、抗凝固、抗接着、抗炎症および線維素溶解といった性質を有することで知られている。式Iで表される各化合物がもつ正確な効能および作用薬としての固有活性は、この化合物の構造上、比較的予測しやすい機能である。
本発明のひとつの実施態様において、式Iで表される化合物、好ましくはグリシンベタイン(n=1)は糖尿病を管理するということに関しては治療上および/または食事療法上で補足的に使用することができる。
本発明によれば、治療および/または食事療法にベタイン類を補うことは糖尿病管理において効能を高める有用な方法となりうる。ベタインは水溶液中において安定したアミノ酸で、滅菌条件で破壊されることがない(例えば、高温および高圧)。さらにベタインは毒性がなく、一般にヒトおよび動物いずれに投与しても安全である。ベタインはI型糖尿病患者の治療に有用である。その場合、ベタインを、残存する膵β‐細胞によるインスリン分泌を増強させること、および産生が向上した一酸化窒素を介して組織におけるインスリン感受性を改善することを目的としてインスリン療法と共に使用する。これによりI型糖尿病患者のインスリン療法の用量および頻度を軽減し、同時に蛋白質のバランスおよび内皮機能を改善する。II型糖尿病患者においては、組織のインスリン抵抗性を克服しようとしてインスリンが過剰産生されるために膵臓が疲弊しているため、II型糖尿病の治療にインスリン分泌を促進させる薬物または薬剤を使用しない臨床医師が多い。
ある実施形態では、一種または二種以上の式Iで表される化合物は、一種または二種以上のインスリン化合物と併用した場合に、一部または全部が緩徐、遅延、拡張、持続あるいは制御しつつ放出される。
ある実施形態では、一種または二種以上の抗糖尿病化合物は、一種または二種以上の式Iで表される化合物と併用した場合に、一部または全部が緩徐、遅延、拡張、持続あるいは制御しつつ放出される。
ある実施形態では、一種または二種以上の式Iで表される化合物は一部または全部が緩徐、遅延、拡張、持続あるいは制御しつつ放出され、一部または全部が緩徐、遅延、拡張、持続あるいは制御しつつ放出する投与法である一種または二種以上の抗糖尿病化合物と併用される。
式Iで表される好ましい化合物は、n=1がすなわちグリシンベタインおよびその薬学的に許容される塩類である化合物である。しかし、少なくとも式Iで表される一種または二種以上のベタイン類単体を本発明にしたがって使用し、本発明の治療上の目的を達成することが可能である。一種または二種以上の式Iで表されるベタイン類は、混合物で、または本発明のインスリン化合物との併用で使用して、本発明の治療上の目的を達成することもできる。
本発明の混合した組成物および併用した治療法はさらに一種または二種以上の抗糖尿病化合物からなる。本発明の組成物および方法においては多種にわたる抗糖尿病薬が使用可能である。適切な薬剤としては、限定されるものではないが、一種または二種以上のスルホニル尿素類などの抗糖尿病薬、ビグアナイド系薬剤、グリタゾン類などのPPARγ作動薬、α‐グルコシダーゼ阻害薬、カリウムチャネル拮抗薬、アルドース還元酵素阻害剤、グルカゴン拮抗薬、RXRの活性化剤、インスリン治療剤またはその他の抗肥満薬、そのプロドラッグ、または抗糖尿病薬の薬学的に許容される塩類があげられる。ある例において抗糖尿病薬には、限定されるものではないが、例えば、クロルプロパミド、グリベンクラミド、トルブタミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリピジド、グリメピリド、レパグリニドおよびメグリチニドを含む一種または二種以上のスルホニル尿素類や類縁体製剤;限定されるものではないが、例えば、メトホルミン、フェンホルミンおよびブホルミンなどを含むビグアナイド系薬剤、が含まれる。
本願明細書に記載されたように一種または二種以上の抗糖尿病薬を、本願明細書に記載されたように病理を治療するために本発明の混合化合物と併用する治療方法も特許請求の範囲である。
ある実施形態では、本発明の混合化合物を、糖尿病に伴う病態を治療し、軽減し、および/またはそれに対する治療法を提供するための化合物として特許請求の範囲に記載している。上記の病態とは、糖尿病性の網膜症、心臓疾患、口渇、蛋白尿、網膜剥離、一過性脳虚血発作、高血圧、経肺高血圧、門脈高血圧、肥満、高コレステロール、糖尿病の網膜症、心臓疾患などである。
ある実施形態では、本明細書での連関(association)は、アスピリン、ポリフェノール類、ビタミン類、Dhea(ホルモン)、スタチン類、バイアスピリン(bi-aspirin)、抗酸化剤、抗コレステロール薬などにある群から選択した一種または二種以上の治療剤とさらに連関および/または併用させることもできる。
別の実施態様においてインスリン製剤には、皮下、経口、吸入、舌下など各種投与形態のインスリン、分子を改変したもの、および短時間作用型、中間作用型および長時間作用型のものなど、さまざまな形態のインスリンが含まれる。適切なインスリンの原料として、限定するものではないが、遺伝子組換え型ヒトインスリン、ブタ天然型インスリン、雄ウシ天然型インスリン、ウシ天然型インスリン、ヒト天然型インスリン、遺伝子組換え型ヒトアルギン(argine)インスリン、遺伝子組換え型ヒトアスパルチック(aspartic)インスリン、ダラネティッド(dalanated)インスリン、デファラン(defalan)インスリン製剤、インスリングラルギン、ヒトインスリン亜鉛、ヒトイソフェンインスリン、インスリンリスプロ、中性インスリン、ヒトプロインスリン、これらの混合剤などがある。
方法、使用、用量および計画
別の実施態様において、本発明は糖尿病または糖尿病関連の疾患に伴って現れる宿主の病態調節方法であって、(i)式Iで表される化合物と、それに組み合わせる(ii)一種または二種以上のインスリン製剤とから構成される組成物を、宿主に有効量投与することからなる病態調節方法を提供する。
本発明の医薬組成物は種々の薬物の送達システムでの使用に適している。本発明での使用に適した製剤例は、Remington's Pharmaceutical Sciences (レミントンズ・ファーマスーティカル・サイエンス)(Mack Publishing Company(マック・パグリッシング・カンパニー)、ペンシルバニア州フィラデルフィア、第17版(1985年)に記載されており、本願明細書を参照することによって組み込まれる。さらに、薬物送達方法の簡単な概説については、Langer(ランガー)、Science(サイエンス)249:1527-1533(1990年)を参照されたく、本明細書を参照することによって組み込まれる。
本発明の医薬組成物は皮下、腹腔内、経舌、舌下、経鼻、経肺、非経口、局所(topical)、経口または局所(local)投与を目的とする。ある態様では、医薬組成物は例えば静脈内、皮下、皮内、または筋肉内に非経口投与される。ある実施形態では、本発明で許容できる担体、好ましくは水性の担体に溶存または懸濁した式Iで表される化合物、一種または二種以上の上記のインスリン製剤から構成される非経口投与用の組成物を提供する。種々の水性の担体には例えば、水、緩衝水、0.4%生理食塩水、0.3%グリシン、ヒアルロン酸などを使用してよい。これらの組成物の殺菌は、従来の公知の滅菌法、もしくはフィルター滅菌であってよい。得られた水溶液はそのままの状態で、または凍結乾燥して使用するためにパッケージされ、凍結乾燥した調整剤は滅菌溶液と混合してから投与に使用する。
さらに、組成物は、生理的近似条件に調整するために必要に応じてpH調整剤および緩衝剤、張度調整剤、湿潤剤といった薬学的に許容される助剤を含有していてよく、これらには酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミンがある。
固形製剤については、式Iで表される化合物を従来の非毒性固形担体に混合することが可能で、使用できるのは例えば薬学的レベルのマンニトール、ラクトース、でん粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石、セルロース、ブドウ糖、ショ糖、炭酸マグネシウム、などである。経口投与においては、薬学的に許容される非毒性の組成物は、一般に活性成分の10‐95%、およびより好ましくは濃度25%‐75%である先にあげたキャリアのようなふつうに利用される添加剤のいずれかを混入して形成する。
ある実施態様において、本発明はマイクロカプセルおよびナノカプセルまたはそのいずれかにエントラップ(entrap)したインスリン/ベタイン類を特許請求の範囲とする。
ある実施態様において、本発明は微粒子およびナノ粒子またはそのいずれかの中にエントラップ(entrap)したインスリン/ベタイン類を特許請求の範囲とする。
ある実施態様において、本発明はリポソーム内におよび/または多重リポソーム製剤内にエントラップ(entrap)したインスリン/ベタイン類を特許請求の範囲とする。
ある実施態様において、本発明はインスリン/ベタイン類を混合したものと粘膜への生体接着剤をさらに混合することを特許請求の範囲とする。
ある実施態様において、本発明はインスリン/ベタイン類を混合したものとキトサンとをさらに混合することを特許請求の範囲とする。
ある実施態様において、本発明はインスリン/ベタイン類を混合したものと浸透促進剤とをさらに混合することを特許請求の範囲とする。
ある実施態様において、本発明は緩除放出型および/または浮き型(buoyant)および/または浮遊型の剤形をしたインスリン/ベタイン類を混合したものを特許請求の範囲とする。
エアロゾル投与法においては、式Iで表される化合物およびインスリン製剤は、好ましくは、界面活性剤および噴霧剤とともに細粒状で供給される。界面活性剤は、当然、非毒性で、好ましくは噴霧剤に溶解するものでなければならない。ある実施態様において、本発明のベタイン類は界面活性剤として使用が可能である。この種の薬剤の例としては他に6から22の炭素原子を含んでいる脂肪酸のエステル類または部分エステル類があり、例えば、脂肪族多価アルコールまたはその環状無水物を有するカプロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレステリン酸およびオレイン酸などがある。混合または天然のグリセリド類のような混合エステル類を利用してよい。担体も、例えば、経鼻送達用レシチンと同様に所望どおりに含まれる。
本発明の化合物は多種多様の経口剤、経腸剤および非経口剤に調製および投与が可能である。したがって本発明の化合物は、静脈内、筋肉内、皮内、皮下、十二指腸内、または腹腔内へ注射して投与できる。また、本願明細書に記載の化合物は例えば経鼻で吸入することにより投与できる。そのうえ、本発明の化合物は経皮吸収させて投与することができる。したがって本発明は、薬学的に許容される担体または添加剤と、式Iで表される化合物または薬学的に許容される式Iで表される化合物の塩のどちらかとからなる医薬組成物も提供する。
本発明の化合物から医薬組成物を調製するためには、薬学的に許容される担体は固形または液体のいずれでもよい。固形経口調製剤としては粉末、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ、坐剤、および顆粒水和剤がある。固形の担体は溶剤、矯味剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤としても作用する一種または二種以上の物質、または封じ込め物質であってよい。
粉末においては、担体は細粒化した活性成分との混合物である細粒の固形である。錠剤では、活性成分と適切な割合で必要な結合特性を有する担体を混合し、所望の形状、大きさに成形する。
得られた粉末および錠剤は好ましくは5%から95%の活性化合物を含有する。適切なキャリアは、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、でん粉、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシルメチル・セルロース・ナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどである。「製剤」という場合、カプセルを提供する担体としてのカプセル封入物質を有する活性化合物の剤形を含む意図であり、このカプセルの中では、他の担体を有するか又は有することなく、活性成分は担体によって囲まれており、よってそれと連関している。同様にカシェおよびトローチ剤も含まれる。錠剤、粉末、カプセル剤、丸剤、カシェ、およびトローチ剤は経口投与に適した固形製剤として使用することができる。
坐剤の調製においては、脂肪酸グリセリド類またはココアバターの混合物のような低融点ワックスをまず最初に融解し、その中に活性成分を攪拌するなどして均一に分散させる。次いで溶融した均一混合物を便利な大きさの型に注入し、冷却してから凝固させる。
液体型の製剤には、溶液、懸濁液、および乳濁液があり、例えば水または水/プロピレングリコール液などである。注射剤、液体製剤には水溶性ポリエチレングリコール溶液の溶液内に調製が可能である。
経口に適した水溶液は、活性成分を水に溶解して、適切な着色剤、風味、安定剤、防腐剤および増粘剤を所望どおりに添加することにより調製が可能である。経口に適した水溶性懸濁液は、細粒化した活性成分を、天然のまたは合成のゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシルメチル・セルロース・ナトリウムのような公知の懸濁剤などの粘性物質を含んだ水中に分散させることによって作製することができる。
また使用直前に経口投与用に液状に変化させる固形の製剤も含まれる。このような液体製剤には溶液、懸濁液、および乳濁液がある。これらの製剤は、その活性成分に加え、着色剤、風味、安定剤、緩衝液、人工および天然の甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有していてよい。
医薬製剤は単位投与形態になっていることが好ましい。この形態においては、製剤は適切なおよび/または有効な量の活性成分を含有する単位用量にさらに分割される。単位投与形態は包装した製剤でよく、この包装にはブリスター、ポケット錠剤、カプセル剤、および粉末および/またはバイアルのビーズ、バッグ、袋、あるいはアンプルなど個別の量の製剤が入っている。また、単位投与形態はカプセル、錠剤、カシェ、またはトローチそれ自体、もしくはこれらが適切数、包装されたものでよい。
本発明の医薬製剤/組成物はペン型注射器(例えばNovopenなどの類似注射器)に適している。
単位投与製剤中の活性インスリン成分量は、目的の用途および活性成分の効能に応じて0.1mgから100mgの範囲で、好ましくは1.0mgから10mgの範囲で変更または調整が可能である。組成物は、所望であれば、適合する他の治療剤を含有していてよい。
治療上の使用、特にインスリン依存性糖尿病治療、または炎症を起こしている病態の治療での使用においては、薬学的な方法および/または本発明の併用療法において利用されるインスリン化合物を、初回投与量約0.01mg/kgから約1mg/kgで毎日投与する。一日の用量範囲は約0.01mg/kgから約0.5mg/kgが好ましい。最も好ましくは一日の用量範囲が0.02mg/kgから1mg/kgの間であり、特に0.03mg/kgから0.5mg/kgの間である。しかし、用量は患者の必要条件、治療すべき条件の重症度、および利用する化合物によって異なる。それぞれの状況にあった適正量の判断は、投与する医師の技術の範囲に入る。一般に、治療は化合物の最適とされる量に満たない少量投与から始める。その後、最適効果が達成されるまで徐々に用量を増加していく。所望であれば、一日の総量を何回分かに分けて投与すると都合がよい。
治療に使用する場合、本発明の式Iで表される化合物および抗糖尿病薬を患者に必要とされる併用量を投与して反応を誘導する。反応を誘導させるために十分な量については「治療学的に有効な併用量」として定義されている。この方法には式Iで表される化合物と抗糖尿病薬とを組み合わせて2つの成分を同時に送達する投与が含まれ、併用療法においては、抗糖尿病薬がまず最初に送達されてから式Iで表される化合物が送達されるのみならず、式Iで表される化合物をまず最初に投与してから抗糖尿病薬を投与する。
本発明の薬学的方法において利用される式Iで表されるベタインは、初回投与量を約0.01mg/kgから約200mg/kgにして毎日投与する。一日の用量範囲は約0.1mg/kgから約100mg/kgが好ましい。一日の用量範囲は1mg/kgから100mg/kg、特に10mg/kgから50mg/kgにあることが最も好ましい。
本発明には別々に投与できる活性成分を組み合わせることに関した態様があるので、本発明はキットになった別々の医薬組成物を組み合わせることにも関する。キットには2つの医薬組成物が別々にはいっている。つまり式Iで表される化合物、そのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と、上記の抗糖尿病薬のような2つめの化合物である。キットには前記成分を別々に収容するための、分割型ボトルまたは分割型フォイル製包装のような容器が含まれるが、これらの別々の成分は単一の一つの容器に入っていてもよい。キットに別々の成分を投与する際の使用法が入っているのが一般的である。キットの形式はこれら別々の成分を異なる剤形で(例えば、経口および非経口で)好ましくは投与する場合、投与間隔を変えて投与する場合、あるいは組み合わせる個々の成分の滴定が医師の処方によって所望されている場合、特に有利である。
各種の使用法に有効な併用量は、例えば、個別のインスリン製剤、式Iで表される使用される化合物、投与の仕方、患者の体重や全身の健康状態、および薬剤を処方する医師の判断によって決まることになる。ある実施形態では、投与する組成物または製剤にはある分量の式Iの化合物(一種以上)が治療を受ける人の疾患/病態の治療に有効な分だけ含有されている。抗糖尿病薬の量はその化学薬品の種類によってある程度決まる。
ある例においては、式Iで表される化合物を、本発明の化合物に全身が暴露され、好ましくは筋肉組織および脂肪組織が暴露される方法のいずれを介しても投与できる。これらの方法の投与経路には経口、経腸、非経口、十二指腸内などがある。一般に、本発明の化合物は単回で(例えば、一日一回)または頻回で投与する。本発明の化合物は、一般に式Iで表される少なくとも一つの化合物と薬学的に許容される担体または溶剤とからなる医薬組成物の形で投与する。したがって、本発明の化合物は、単剤でまたは併用して、従来の経口剤、非経口剤または経皮吸収剤のいずれの剤形においても投与が可能である。
経口投与については、医薬組成物は、本発明によるもの、よらないものをふくめて、溶液、懸濁液、錠剤、丸剤、カプセル剤、マイクロエマルジョン、ミクロ粒子またはナノ粒子、粉末などの形態をとることができる。錠剤には、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムなどのさまざまな添加剤とともに、でん粉で好ましくはジャガイモでん粉またはタピオカでん粉、および一部の複合ケイ酸塩などの各種結合剤を使用し、さらにはポリビニルピロリドン、ショ糖、ゼラチンおよびアカシアのような接着剤等が混ざっている。これに加え、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクのような滑沢剤が錠剤成形に極めて有用であることが多い。類似の固形組成物もゼラチンソフトカプセルおよび硬カプセルの形で賦形剤として使用されるが、これに関連する好ましい物質に高分子量ポリエチレングリコールやラクトースまたは乳糖もある。水溶性懸濁液および/またはエリキシル剤が経口投与に所望される場合、本発明の化合物を水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンなどの溶剤およびそれらの各種混合溶剤と同様に、各種甘味剤、矯味剤、着色剤、乳化剤および/または懸濁剤と混合できる。
ある実施形態では、混合化合物は粉末、顆粒、微粒、微小球、ナノ粒子、小球およびゲル状である。この混合化合物は薬学的な単位投与形態であって、袋、パウチ、ブリスターおよびバッグから構成される群から選択した投与形態であってよい。これは、少なくともベタインを含有する組成物の薬学的な単位投与形態であって、30日間を通しての温度が38℃、相対湿度90%である環境において密封条件に貯蔵後、組成物の重量増加が1%未満に規定された防湿層特性を備えている、袋、パウチ、ブリスターおよびバッグからなる群から選択した薬学的な単位投与形態である。
これら個々の小袋はできれば偽処方防止用の暗号化処理および/または切り裂きおよび/または開いて開封しやすいように切り込み処理がさらに施される。
MVTRは「気化水分透過率(Moisture Vapour Transmission Rate)」の略で、気体状HOの保護層透過度を測定したものであるが、ベタイン医薬経口剤の単一投与量袋はバッグ、ブリスターおよびパウチから構成される群からなり、前記製剤は少なくとも部分的に可撓性、不透水性であり、かつ24時間を通して38℃、相対湿度90%でのMVTR値が0.1g/m以下である保護層に特徴付けられる。
ある実施形態では、ベタイン類粒子の大きさは最少量の水(例えば最小量の水だけが取り入れられる微細粒子から最適の大きさの粒子まで)だけを吸収するように選択することができる。必用に応じて、粒子(または糖衣丸薬のような製剤を良好な湿潤層を有する界面活性剤でさらに包んでよい)に糖衣をかけることができ、かつ必用に応じて前記粒子をゲルまたはポリマーに封じ込めてから、選択したMVTR容器または薬学的な単位投与形態に包装することができる。
例えばコーティングまたは包装用原材料は12μmのPET、25μmのアルミ箔および50μmのPE内面ヒートシール層から構成される積層であってよい。表面装飾の更なる高品質化および透明化はグラビアリバース印刷法によって実現することができる。
この高吸湿性製品(乾燥処理後、すなわちその液体含有量の一部または全部を除去した後のベタイン)に求められる完全な保護層はPET、PEおよびアルミ箔の積層によって実現される。250から5000mgの単回投与分量は引き裂いて開封しやすく、口にあたっても安全である。この剤形でのベタインは水に溶解させなくても直接口に入れて摂取できる。ベタイン類の味を隠すために矯味剤などを添加して、患者のコンプライアンスを向上させることもできる。使用性を向上させる幾何学的形状の恩恵を受けることができる。
ある実施態様において、スティックタイプの小袋は、その内容量に対する材料使用量が最少ですむうえ、バッグの表面積が小さくなるためMVTRを低下させることができて好ましい。
MVTR、ベタイン用量、引っ張り強さ、大きさ、形状、摩擦係数の組み合わせでどれを選択するかによって、投与法を最適化することができる。初期のベタイン類の水分量を選択および/または制御することによって、その他のパラメータ(MVTRなど)を下げ、投与形態のコンプライアンスを向上させることもできる。
ある実施形態では、式Iで表される化合物および/または抗糖尿病化合物および/または本発明の混合化合物は、本発明者によって出願されているWO0051596、US20020065320、WO02062322、US20040033223、WO2004049095、WO2004091601、BE2004/0364、PCT/BE2004/00110、PCT/BE2004/000163におけるような製剤、剤形および投与形態で製造が可能である。
ただし、本発明において、実際の好ましい治療経過はとりわけ式Iで表される化合物の投与方法、使用する抗糖尿病薬の配合成分、化合物の投与方法、治療しようとする疾患および治療しようとする宿主によって異なってくる。ある一定の病態に対する最適な治療経過は、従来の治療経過判断の試験方法を用い、本願明細書に打ち出す情報に照らしてみることで、当業者は確認ができる。
式Iで表される化合物の別の使用法
式Iで表される化合物がヒトおよび他の種において一酸化窒素産生を高めることが最近示された。したがって、式Iで表される特異的化合物は一酸化窒素濃度が原因となった、あるいはそれにつながるさまざまな病態および疾患の治療に非常に適している。それゆえ、式Iで表される化合物は以下に概要を示した他の適応症単独で、または本発明のインスリン化合物と組み合わせての治療に適している。
代謝状態の例:糖尿病および糖尿病の二次的状態、高血圧、狭心症、異脂肪血症、高トリグリセリド血症、痛風、高リポ蛋白血症、高コレステロール血症、ネフロパシーおよび糖尿病に二次的に生じる腎疾患、糖尿病性神経障害、その他のインスリン抵抗性による疾患、多嚢胞性卵巣症候群、糖質コルチコイド誘発性インスリン抵抗性。
肥満は、脂肪細胞分化および脂肪を促進する。
高血圧、血管内皮細胞によりエンドセリン-1分泌を抑制または降下または交叉して、血圧を降下させる。
全身のブドウ糖および脂質恒常性に関係している脂質性障害。
骨障害。
女性の体内での過剰な子宮出血抑制に使用でき、また閉経期の女性におけるホルモン障害を軽減する目的にも式Iで表される化合物が使用可能な女性特異的症状
男性更年期に関係する障害などの男性ホルモン障害。
増殖性皮膚疾患と同様、表皮細胞の分化にともなって現れる座瘡などの皮膚疾患。
アルツハイマー病、神経炎症、虚血性脳卒中、閉鎖性頭部外傷、および多発性硬化症などのCNS(中枢神経系疾患)。
化学療法、癌。
炎症/免疫性疾患。
眼科、黄斑性変性
3.血管新生阻害
さらなる実施態様
ある実施態様において、ベタインがブドウ糖負荷を改善するとしている。
ベタインは極めて毒性が低いため非インスリン依存性妊娠性糖尿病に関連した症状を治療するためおよび/または緩和させるための薬剤として特に適している。
ベタイン類はその薬学的な機能上、ベタインを膵臓細胞移植に組み合わせた治療方法において特に適している。
ある実施様態では、インスリン/ベタイン類の混合剤を、透析液に混合してから注入することができる。この希釈インスリン/ベタイン類溶液は緩除に、かつ継続的に拡散することになる。
NPHインスリンとは違い、この混合物は沈降せず、腹膜を通って短時間で吸収されるため、とりわけ腹腔内投与に適している。インスリン/ベタイン類の併用は速効かつ長時間作用を有する安定した、可溶性のインスリン製剤であるため、インスリン/ベタイン混合剤はハーゲドルン・イェンセン法とは違って腹腔内投与が可能な徐放性または長時間作用型製剤になる。したがって、本発明の混合形態はとりわけ治療用化合物を生体内まで送達する通常のポンプまたは埋め込み型のポンプに適している。
ある実施態様において、本発明の混合剤は、さらに、亜鉛および生理的に許容できるその塩類または誘導体から成っていてよい。
ベタインの主な血糖降下作用機序は機能性膵臓ベータ細胞からのインスリン放出を促進することによると思われる。
本発明は、投与対象者の皮膚の皮内コンパートメント、好ましくは皮内コンパートメントの経皮脈管構造へのインスリンの投与方法に関する。本発明の方法および併用投与法は、インスリン効率および/または送達および/または作用の持続時間の薬物動態学的および薬力学的パラメータを改善し、糖尿病(DM)の治療および/または予防において優れた臨床効果を有効に得られる。本発明による方法は非空腹時(すなわち食後)および空腹時の血糖値の血糖コントロールを改善し、ひいては治療、予防および/または糖尿病の管理において、皮下インスリン送達を含めた従来のインスリン送達方法よりも治療上の有効性を向上させる。
市販の吸入器具は経肺送達効率が悪く、インスリンの経肺での生物学的利用能が比較的低いことから、エアロゾル製剤および送達用の層に期待が高まっている。HMAPの使用によって、糖尿病治療に必要な濃度でインスリンを投与する経路として、肺の潜在性が高くなる。
ある実施形態では、ベタイン類はその陽イオン構造のため、陰イオンの化合物であるインスリンに共有結合して、受容体結合能力が低い誘導体を得ることができるため、受容体介在性による分解を回避し、これによりさらに長い時間循環していることが可能になる。したがって、インスリン製剤に一種または二種以上のベタインを添加して修飾することにより無晶性インスリン懸濁液を作製することができる。ある実施形態では、インスリン製剤が一種または二種以上のベタインと反応して、一種または二種以上のインスリンを緩除に放出する錯体を形成した。
ベタインインスリン共役のインスリン成分は循環系においてゆっくりと、自然に活性化され、in vivoで持続的なブドウ糖降下作用を示す。
ある実施形態では、ベタイン単体および/または本発明の組成物が哺乳動物における血糖ヘモグロビンを下げるおよび/またはコントロールすることを請求している。
ある実施形態では、ベタイン単体および/または本発明の組成物が哺乳動物におけるグリコヘモグロビンを下げるおよび/またはコントロールすることを請求している。
ある実施形態では、ベタイン単体および/または本発明の組成物が哺乳動物におけるアシドーシスを下げるおよび/またはコントロールすることを請求している。
ある実施形態では、ベタイン単体および/または本発明の組成物が哺乳動物におけるケトン類を下げるおよび/またはコントロールすることを請求している。
ある実施形態では、ベタイン単体および/または本発明の組成物が哺乳動物におけるケトアシドーシスを下げるおよび/またはコントロールすることを請求している。
ある実施形態では、ベタイン単体および/または本発明の組成物が哺乳動物における緑内障および/または開放隅角緑内障を治療および/または予防することを請求している。
ある実施形態では、ベタインは高血糖症を減少させ、ベータ細胞でのインスリン貯蔵および分泌機能を改善させるインスリン様経口剤であるバナジウムと特異的投与法で混合することができ、また慢性の糖尿病状態を逆転させることができる。
ある実施態様において、ベタインはインスリン増感剤として使用できる。ベタインは細胞へのブドウ糖の滲入を促進し、したがって自らインスリン様活性を得る。
ある実施態様において、緩除放出型インスリンはベタインとの混合物からなる。
ベタイン/インスリン混合剤により、ブドウ糖のレベルをより安定して、かつ、より予測しやすくコントロールでき、より安定性があるためカテーテルでのミクロの沈降を回避できる。
ある実施態様において、ベタイン/インスリンを、その放出や活性度に影響することもされることもなくウルトラレンテ(極めて遅い)インスリン製剤と混合することが可能になる。したがってベタイン/インスリンは他のインスリン製剤と適合し、あらかじめ混合して製剤に使用できる。したがって、作用発現が速いおよび/または遅いまたは長時間作用型のいずれの性質のインスリン製剤も提供できる。
本発明はインスリン製剤/ベタイン類混合剤とインスリン製剤とを予め混合した組成物を記載しおよび請求するものである。
本発明の組成物においてプロタミンはベタイン類に置き換えられる。
要約すると、ベタインおよび/またはベタイン/インスリン混合物に懸濁したインスリンを皮下投与することにより、投与したその時には効果があるとして知られるインスリン製剤では達成できない持続性、非低血糖性のブドウ糖降下特性がもたらされる。しかし、驚くことに、ベタインインスリン混合物はインスリンの短時間作用特性は保持しながら、インスリン効果および作用の持続時間を増強する。
どのインスリン計画でもその目的は膵臓からの正常なインスリン分泌を模倣して、血糖を正常濃度範囲内またはそれに近似させることにある。理想的なのは、この形態で、定期の食事に伴う分泌とともに、連続した(基礎量の)インスリン分泌を提供することである。現在使われているヒトインスリンは有用ではあるが、完璧ではない。その作用および吸収速度はさまざまである。したがって本発明では発症および持続時間が天然の(内因性)インスリンに類似する投与法を提供する。
数々の薬理学的な問題でインスリン療法が複雑になる。第一に、皮下インスリン注射部位が末梢門脈循環に入らず末梢に流れ出ることがあげられる。
したがって、インスリン治療を受けている患者が門脈での有効なインスリン濃度を得られても全身循環で高インスリン血症を起こしてしまう。第二に、インスリン治療薬の薬物動態学的および薬力学的性質が微細に調整されたβ細胞に合わない、つまり「短時間作用型」インスリン製剤の吸収が緩除すぎるうえ、長く残りすぎるので正常な食事のピークを模倣できず、一方「長時間作用性の」治療薬では食間に必要な定常の、低濃度にはならない。さらに、皮下インスリン吸収度はまちまちなので、一回のインスリン量ではブドウ糖降下作用を正確に予測できない。これらの薬物動態学的欠点を本発明に記載および請求するインスリン組成物の開発でいくつか主張してきた。
本発明の組成物は、腹腔内、注入、経肺、経鼻、経口、舌下、経皮(パッチ)、経皮吸収(圧縮空気または許容できる手段で)および皮下注射といったさまざまな経路での投与が可能である。
したがって本発明の組成物は哺乳動物におけるインスリンの生理的放出を模倣する。本発明の好ましい実施態様において組成物はインスリン製剤の有効性を改善し、それにより投与を必要とする患者や動物における全体量または毎日のインスリン製剤の投与量あるいは毎日(24時間)必要とされる投与量を減量することが可能となる。
ある実施形態では、本発明の組成物は罹患者またはプロタミン誘発性の抗体を有する患者の治療に適している。
ある実施形態では、本発明のベタイン類を請求しており、これらは患者のNa+/K+ATPasesを調節することで薬理学的な効果を有する、罹患者または糖尿病に罹患する危険性のある患者の治療に適しているベタイン類である。
重要な実施態様において、本発明のベタイン類を請求しており、これらは患者のインスリン分泌を増強することで薬理学的な効果を有する、罹患者または糖尿病に罹患する危険性のある患者の治療に適しているベタイン類である。
重要な実施態様では本発明のベタイン類を請求しており、これらは患者のC‐ペプチド分泌を増強することで薬理学的な効果を有する、罹患者または糖尿病に罹患する危険性のある患者の治療に適しているベタイン類である。
インスリン/ベタインで筋肉へ運ばれるブドウ糖量が増える。さらに、in vivoでインスリン/ベタインは、はっきりした一酸化窒素シンターゼ依存型血管応答を誘導して全体の骨格筋血流量を増加させるとともに抵抗性および終細動脈それぞれを弛緩することで筋肉毛細血管を補充する。
ある実施態様において、ベタイン類がインスリン製剤を受容体介在性エンドサイトーシスに続く酵素分解から保護することを請求している。
本発明はさらにインスリンおよびベタイン類を含有する医薬製剤であって、インスリン/ベタイン混合剤は、遅効性および/または長時間作用型インスリン製剤の作用特性と組み合わせた、短時間型および/または速効性のインスリン製剤の作用特性と一致する、又はほぼ一致する作用特性を有する。本発明はまた本発明の医薬製剤を用いた糖尿病の治療方法に関する。
インスリン/ベタインは中性pHで持続作用(延長)に関する固有の機序を有する基礎インスリン類縁体製剤の新規クラスに属する。現在の市販の基礎インスリン製剤は、同量の投与でも投与日によって血糖応答が異なる。独特の化学的構造および/または製剤であるため注射部位からより緩除に、しかもより安定して吸収される。
本発明の目的は、安定したインスリン/ベタイン医療用混合剤および/または患者のニーズにあう投与法を提供することにある。このようなインスリン/ベタイン混合剤は哺乳動物において急速にしかも長期にわたって血糖コントロールの必要がある場合に、反復投与回数を少なくする場合に適している。
本発明における一つの目的は、ベタイン類およびインスリン製剤が一緒に共結晶化されるインスリン/ベタイン製剤を供給することである。既に当業者によって公知であり、プロタミンを含有する共結晶化インスリン製剤に過去に使用されているすべての方法、技術および工程が、本発明の範囲内でベタイン類およびインスリン製剤の共結晶化に使用するのに適している。
本発明における一つの目的は一種または二種以上のベタインを添加することによって得られるインスリン類縁体製剤を供給することにある。このような類縁体製剤はその薬物動態学的特性、安定性、組織特異性および投与方法についてはさまざまである。さらに、インスリン内にベタイン類成分を導入し、それをベタイン類と共結晶化して行う別の方法は、薬物の時間‐作用特性の改変および/またはインスリンが本来もつ配列の変更を行うために使用される。
ある実施態様において、ベタイン類とインスリン製剤とを混合および/または共結晶化する本発明の混合剤は、さらに、遠心分離、超遠心分離、色分離、化学分離、電気泳動、濾過、限外濾過、ナノ濾過、逆浸透およびインスリンおよび/またはベタイン精製過程で一般に当業者によって使用される方法のうちから選択した一種または二種以上の分離工程にかけられる。
ある実施形態では、前記分離方法での透過液(permeates)および/または保持液(retentates)、および/またはこれらの混合液を使用して医薬品を得ることができる。別の実施態様において、この分離方法を使用して例えば、それに限定するものではないが、ある特定の作用発現、作用の特定の持続期間、ある特定の投与方法、ある特定の薬理学的有効性およびこれらの特性/特徴の組み合わせなど、所望の特性を有する特定のインスリン製剤/ベタイン類混合剤を得ることが可能である。したがって、この分離工程/方法は本発明での混合剤の所望の特徴を調整するのに役立つ。
本発明における一つの目的は好都合な作用特性を有するインスリン/ベタイン製剤供給することにある。
ある実施態様において、このベタイン類がインスリン製剤を受容体介在性エンドサイトーシスに続いて起こる酵素分解から保護されることを請求している。
本発明のもう一つの目的は作用発現が速く、かつまた遅効性の作用も有する可溶性のインスリン/ベタイン製剤を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は溶解しない物質をまったく含まない、または極微量にしか含まないインスリン/ベタイン製剤供給することにある。
本発明のもう一つの目的は、速効かつ長時間作用型インスリン成分を含有するインスリン/ベタイン製剤であって、製剤中のインスリン成分がそれ一つだけであった場合に考えられる作用と同じように、または実質的に同じように2つのインスリン成分が作用するインスリン/ベタイン製剤を供給することにある。
本発明のもう一つの目的は、その時々に、しかもまた患者ごとに極めて予測がしやすい放出特性を有するインスリン/ベタイン製剤を供給することにある。
本発明のもう一つの目的は、ベタイン類と短時間作用型類縁体製剤との混合剤であって、この混合剤をさらに短時間作用型類縁体製剤と混合することからなるベタイン類と短時間作用型アナログ製剤との混合剤を供給することにある。短時間作用型類縁体製剤と短時間作用型類縁体製剤/ベタイン類との混合比は1/10から10/1の間でよい。
(発明の詳細な説明)
本発明の製剤は溶解しない物質をまったく含まないか、または含んでいても極微量である。本発明の製剤はその時間、時間ごとに、またはその患者ごとに極めて予測しやすい放出特性を有する。
本発明の医薬製剤は、適切な成分を所望の最終製品として適切になるように溶解および混合を行うという従来の医薬業界の技術で調製することができる。
等張剤、防腐剤、および、緩衝液を必要に応じて添加し、溶液のpH値は、必要であれば、酸、例えば、塩酸、または塩基、例えば、必要に応じた水酸化ナトリウム水溶液を用いて調整する。最後に、成分が所望の濃度となるようにこの溶液を水で調節する。
本発明の好ましい実施態様において、製剤は溶液に等張性をもたせる薬剤としてグリシンベタインのみを含有し、必要に応じて、抗菌性防腐剤、pH緩衝剤、および適宜の亜鉛塩からなる群から選択した一種または二種以上の薬物を含有する。
本発明の好ましい実施態様において、組成物はさらに治療活性剤を含んでいてよい。
本発明の好ましい実施態様において、製剤の全インスリン量は、約10U/mlから約1500U/mlの範囲、好ましくは約40U/mlから約1000U/mlの範囲、より好ましくは約100U/mlから約500U/ml、例えば、100、200、400、または500U/mlの範囲である。本願明細書で使用する「U」とはインスリン単位をいう。インスリンアスパルトでは、1単位は6nmol(約40マイクログラム)に相当し、インスリンデテミルでは、1単位は24nmol(約160マイクログラム)に相当する。
本発明の好ましい実施態様において防腐剤は、フェノール、m‐クレゾールまたはフェノールとm-クレゾールの混合物である。本発明のさらなる好ましい実施態様では、フェノールおよび/またはm-クレゾールの総濃度は約20mMから約50mMの範囲、好ましくは約30mMから約45mMの範囲である。このフェノールおよび/またはm-クレゾールの濃度は、特にインスリン濃度によって決まる。
本発明の好ましい実施態様において製剤は、六量体インスリンあたり約2.3から約4.5の範囲内のZn2+の割合(約0.38から約0.75のZn2+/モノマーインスリンに相当する)で、インスリンの自由になって亜鉛イオンを含んでいる。亜鉛量は、インスリン六量体あたりの量を理論値として、すなわち単量体のインスリン分子6分子あたりの亜鉛原子数として表し、実際のインスリンすべてが六量体のインスリンとして存在しているか、いないかは関係しない。本発明の製剤調整用に使用する亜鉛塩は、例えば、塩化亜鉛、酸化亜鉛または酢酸亜鉛であってよい。
本発明の好ましい実施態様において、等張剤は約100から250mMの濃度範囲にあるグリセリン、マンニトール、ソルビトールまたはこれらの混合物である。
本発明のまた別の好ましい実施態様では、製剤はハロゲン化物イオン、好ましくは塩化ナトリウムのようなイオンを、約1mMから約100mMに相当する量、好ましくは約5mMから約40mM含有している。
本発明の好ましい実施態様において、pH緩衝液はナトリウムリン酸ナトリウム、TRIS(トロメタモール)、N‐グリシルグリシンまたはL‐アルギニンである。好ましくは、pH緩衝液は濃度範囲が約3mMから約20mM、好ましくは約5mMから約15mMである生理的に許容できる緩衝液である。本発明の好ましい実施態様において、本発明の製剤のpH値は約7.0から約8.0の範囲にある。
本発明の好ましい実施態様において、本発明の製剤は約0.1%未満、好ましくは0.01%未満(重量あたりの重量)の溶解しない物質を含んでいる。
本発明の製剤の投与は通常の技術を有する医師がその有効性について既知であるあらゆる経路を介して行ってよい。非経口および好ましくは皮下投与が好ましい。
糖尿病治療を目的として投与する本発明の製剤の量は数々の要因によって決まるが、これらの要因として挙げられるのは、患者の性別、体重、身体活動および年齢、患者の食生活、治療目的とする病態や疾患を起こす元となる原因、投与経路および生物学的利用能、投与したインスリンまたはインスリン類縁体製剤の体内での持続性、使用製剤の成分、使用するインスリンまたはインスリン類縁体製剤の力価、他薬との可能な組み合わせ、その糖尿病例の重症度、および間隔をあけて投与する場合はその投与間隔などである。本発明の製剤の用量および投与回数を滴定して所望の結果を達成することは、通常の医師の技術の範疇にはいる。本発明の製剤で使用するインスリン成分の一日量は、公知のインスリン組成物の場合と同様に当業者が患者ごとに判断していくことを推奨する。
本発明を以下に実施例をあげてさらに説明していくが、これらは保護範囲を限定するものではない。これまでの説明および以下の実施例に開示する特徴は、それぞれ別々に、またはそれらを組み合わせた形、いずれにおいても本発明を各種異なる形で実現するための資料となる。
本発明を、個々の実施例をあげてより詳細に説明していく。以下にあげる実施例はあくまでも例示することを目的としており、本発明をいかなる形においても制限するものではない。
(実施例1)
動物モデル
雄Wistar系ラット(±250g)を1週間飼育後、ストレプトゾトシン65mg/kgを腹腔内に注射し、膵臓の細胞を破壊して動物の内因性インスリン産生を奪った。ラットを24°Cの照明制御条件下におき、通常の固形飼料および水を自由に摂取させて5日間飼育した。実験用化合物、すなわちインスリン(ウシ-Ref I5500 Sigma-U/kg)およびインスリン/ベタイン(U/mg/kg)にインスリンを併せたものを1ml/kg溶液で、絶食していないラットに実験当日皮下注射した。インスリン/ベタイン(U/mg/kg)とインスリンを併わせたものにおいては、インスリンの半分とベタインとを混合した後で、残りの半分を加える。血糖値(mg/dl)を血糖測定器One Touch Ultra ‐ Johnson & Johnson (ワンタッチウルトラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社製)を用いて10分毎に測定した。血糖分析用の血液試料を尾静脈から採取した。群はラット5匹で構成される。(コントロールの非糖尿病の動物では±140mg/dlを示した)。
図1はこの試験の結果を示す。この図では血糖値は注射後の時間の関数にして表されている。INはインスリン単位を表し、ベタインおよびBETはグリシンベタイン(mg)を表す。
(実施例2)
実施例1のラットを実施例1による処置をした後、血糖測定器One Touch Ultra ‐ Johnson & Johnson (ワンタッチウルトラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社製)を用いて2時間毎にサンプリングした。血糖分析用の血液試料を尾静脈から採取した。
図2はこの試験の結果を示す。この図では血糖値は注射後の時間の関数にして表されている。INはインスリン単位を表し、ベタインおよびBETはグリシンベタイン(mg)を表す。この図から明らかにわかることは、その用量のベタインを選ぶことによって、10時間経った後も持続性作用を有するほどに、短時間作用型インスリンの効率を著しく改善することが可能である。
(実施例3)
雄Wistar系ラット(±250g)を1週間飼育後、ストレプトゾトシン75mg/kgを腹腔内に注射した。ラットを24°Cの照明制御条件下におき、通常の固形飼料および水を自由に摂取させて5日間飼育した。実験用化合物、すなわちインスリン(ウシ-Ref I5500 Sigma-U/kg)およびインスリン/ベタイン(U/mg/kg)を1ml/kg溶液で、絶食していないラットに実験当日皮下注射した。血糖値(mg/dl)を血糖測定器One Touch Ultra ‐ Johnson & Johnson (ワンタッチウルトラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社製)を用いて2時間毎に測定した。血糖分析用の血液試料を尾静脈から採取した。各群はラット5匹で構成される。高値(測定器表示はHI)とされたのは600mg/dlであった(コントロールの非糖尿病動物では±140mg/dlを示した)。
図3はこの試験の結果を示す。この図では血糖値は注射後の時間の関数にして表されている。INはインスリン単位を表し、ベタインおよびBETはグリシンベタイン(mg)を表す。
この図から明らかにわかることは、その用量のベタイン分量を選択することによって、24時間経った後も速効性、および持続性作用を有するほどに、短時間作用型インスリンの効率を著しく改善することが可能であるということであり、これは、短時間作用型インスリンが、例えば約24時間持続型や一日一回型のインスリンのような長時間作用型インスリンに転換したことを意味する。
(実施例4)
雄Wistar系ラット(±250g)を1週間飼育後、ストレプトゾトシン60mg/kgを腹腔内に注射した。動物(n=8/群)を通常の固形飼料および水を自由に摂取させて5日間飼育し、その後、1日目(T0)にベタイン(200mg/kg/day)またはプラセボを溶解し、飲料水に入れて24日間、毎日投与した。実験の間は、通常の固形飼料はいつでも自由に摂取できる状態にして置いた。実験を行う日の朝、絶食していないラット(先の実施例に同様)の血糖値を測定した。T0から7日経過後、2つの群の間で処置を入れ替えた。
図4の結果から、グリシンベタインはそれ自体血糖調節作用を持っており、そのため患者における糖尿病性の病理の発現を治療しおよび/または予防するのに適している。
(実施例5)
メトホルミンおよび無水ベタインと有する投与形態:
小袋(sachet)は500mgメトホルミンおよび2000mgグリシンベタインの単位粉末製剤を含有する
実施例1の投与法を繰り返した。ただし、メトホルミンおよびグリシンベタインは顆粒化剤とともに混合し、押出成形してから球状化して約1mmのビーズに成形した。このビーズは有機溶剤内に混ぜたユードラギットをビーズに噴霧してコーティングし、その後乾燥させる。
(実施例6)
この実施例では式Iで表される化合物とメトホルミンとの経口投与による併用療法について例示する。
インスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病(DM))の患者を治療用に選択する。選択するのは体重70〜100キログラムの患者である。式Iで表される化合物を1〜15グラムの用量で一日2回、毎日、さらに典型的には100mg/kgを一日2回、毎日経口投与した。幼児または小児の場合はこの推奨用量は、体重または体表面積に正比例する量まで減量する。
患者集団の半数にメトホルミンと式Iで表される化合物を、両薬剤ともに有効量を用いて投与した。別の半数の患者には有効量のメトホルミンを投与した。患者を監視して疾患の症状および体重増加や肝毒性の兆候といった副作用について改善がみられないか調べた。
本発明の混合化合物で、患者のインスリンに対する生体感受性が増強し、空腹時のブドウ糖レベルが降下した。
この結果は、i)式Iで表される化合物とii)メトホルミンとを混合して投与すると、各薬剤単体での有効性が増強することを示している。またこの組成物により、各薬剤単体で生じる副作用の付随的な低減が提供される。
実施例7
カプセルはグリブリドおよび無水ベタインを含有する:
小袋(sachet)には1mgメトホルミンと1000mgグリシンベタインの単位粉末製剤が入っている。
(実施例8)
市販の注射液(静脈注射液または皮下注射液など)と同様のインスリン組成物を用いて、これに滅菌水に入れたグリシンベタイン溶液を加えて、インスリン溶液を調製した。前記混合を行う前に、ベタイン溶液を濾過した。
ベタインと混合する前の注射用溶液は、10mgから20mgと同価である50から100インスリン単位(短時間作用型)で構成される。
以下の表はpH値が約7である1.5mlまたは2mlの注射液としての単位用量含有量を表す。
Figure 2009506978
図1は実施例1の試験の結果を示すグラフである。 図2は実施例2の試験の結果を示すグラフである。 図3は実施例3の試験の結果を示すグラフである。 図4は実施例4の試験の結果を示すグラフである。

Claims (91)

  1. 治療上有効な量のインスリンまたはインスリン類縁体、および治療上有効な量の薬学的に許容されるベタインの医薬的な連関または併用であって、その中でインスリンとベタインは化合物または錯体を形成することができ、インスリンまたはインスリン類縁体/ベタインの重量比は1:50と1:2の間であり、有利には1:30と1:2.5の間であり、好ましくは1:25と1:5の間であることを特徴とする、医薬的な連関または併用。
  2. 連関または併用した投与の後のヒトでの作用発現の時間が30分未満、および8時間以上、有利には10時間以上の作用時間を達成するために、ベタインの量を選択したことを特徴とする、請求項1記載の医薬的な連関または併用。
  3. 前記インスリンまたはインスリン類縁体が長時間作用型インスリンであり、30分未満の作用発現の時間を保証するためにベタインの用量が選択されたことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の医薬的な連関または併用。
  4. 前記連関または併用が16時間以上、有利には24時間以上の作用時間を有することを特徴とする、請求項3記載の医薬的な連関または併用。
  5. 前記インスリンまたはインスリン類縁体が短時間作用型インスリンであり、インスリンまたはインスリン類縁体の作用時間を、連関または併用した投与の後、少なくとも8時間から14時間に延長するためにベタインの用量を選択したことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の医薬的な連関または併用。
  6. インスリンまたはインスリン類縁体が血中に放出される少なくとも1分、好ましくは少なくとも5分、最も好ましくは少なくとも15分前にベタインが血中に放出されるように、ベタインの剤形が選ばれたことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  7. 短時間作用型インスリンまたはインスリン類縁体と、長時間作用型インスリンまたはインスリン類縁体が混合されていることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  8. インスリンまたはインスリン類縁体とベタインが、該インスリンまたはインスリン類縁体ベタイン相の中に分散および/または溶解している、および/またはベタイン含有膜により被覆されていることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  9. インスリンまたはインスリン類縁体とベタインが、共沈殿または共結晶を形成することを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  10. インスリンまたはインスリン類縁体とベタインが形成している構造において、ベタインがインスリンまたはインスリン類縁体分子との間に結合を形成していることを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  11. ベタインとインスリンまたはインスリン類縁体が、コポリマーと類似した構造または回復した(cured)構造を有することを特徴とする、請求項10記載の医薬的な連関または併用。
  12. ヒトに注射するために選択された一日単位用量の剤形であり、前記用量はインスリンまたはインスリン類縁体を1mgから50mgを含むことを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  13. 1g未満、有利には500mg未満のベタインを含むことを特徴とする、請求項12記載の医薬的な連関または併用。
  14. 長時間作用型インスリンまたはインスリン類縁体を投与した後の作用発現時間を、少なくとも30分、好ましくは少なくとも1時間、最も好ましくは2時間減少させるためにベタインの量を選択することを特徴とする、請求項1から請求項13のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  15. 短時間作用型インスリンまたはインスリン類縁体を投与した後の作用発現時間を、少なくとも5分、好ましくは少なくとも10分、最も好ましくは15分減少させるためにベタインの量を選択することを特徴とする、請求項1から請求項14のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  16. インスリンまたはインスリン類縁体の作用時間を、2時間、有利には少なくとも4時間に増加させるためにベタインの量を選択することを特徴とする、請求項1から請求項15のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  17. 1日2回の投与に適した剤形であり、前記連関または併用は、インスリンまたはインスリン類縁体として、短時間作用型インスリンまたはインスリン類縁体のみを含むことを特徴とする、請求項1から請求項16のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  18. インスリンまたはインスリン類縁体の効力を、インスリン投与後少なくとも4時間から6時間、好ましくはインスリン投与後少なくとも3時間から8時間の間、増加させるのに適した量のベタインを含む、請求項1から請求項17のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  19. 投与して2〜10時間後のインビボでのインスリンの生物学的利用率を、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、最も好ましくは少なくとも50%増加させるためにベタインの量を選択した、請求項1から請求項18のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  20. インビボでの全体のインスリンの生物学的利用率を、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、最も好ましくは少なくとも50%増加させるためにベタインの量を選択した、請求項1から請求項19のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  21. インスリンが、短時間作用型インスリンなどとして知られているインスリンである、請求項1から請求項20のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  22. インスリンが、インスリンまたは2つの異なったインスリンの混合物として知られたインスリン混合物であり、有利には短時間作用型インスリンと長時間作用型インスリンの混合物、短時間作用型インスリンと中間型インスリンの混合物、中間型インスリンと長時間作用型インスリンの混合物、および短時間作用型インスリン、中間型インスリンと長時間作用型インスリンの混合物からなる群から選択された混合物である、請求項1から請求項21のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  23. インスリンが、長時間作用型インスリンなどとして知られているインスリンである、請求項1から請求項22のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  24. インスリンが、中間型インスリンなどとして知られているインスリンである、請求項1から請求項23のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  25. レギュラーインスリン、インスリンリスプロ、インスリン類縁体からなる群から選択された短時間作用型インスリンおよび薬学的に許容されるベタインを含み、その作用時間は活性の薬理学的な持続時間と合うように等しく、薬学的に許容されるインスリンの作用持続時間の少なくとも1.3倍であることを特徴とする、請求項1から請求項23のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  26. 中間型インスリン、長時間作用型インスリンまたはそれらの混合物からなる群から選択された、1つまたはそれ以上のインスリンを更に含む、請求項25記載の医薬的な連関または併用。
  27. ベタインがグリシンベタインである、請求項1から請求項26のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  28. 薬学的に許容されるインスリン/薬学的に許容されるベタインの重量比が3以上であり、有利には5以上であり、最も好ましくは7以上である、請求項1から請求項27のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  29. 100U未満のインスリン、有利には50U未満のインスリン、好ましくは30U未満のインスリンを含むヒトの単位投与形態である、請求項1から請求項28のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  30. ベタインの非存在下で必要とされるインスリンの1日用量未満に相当する1日用量のインスリン、使用されるのと同一のインスリンまたはインスリン混合物を含む、請求項14記載の医薬的な連関または併用。
  31. ベタインの非存在下で必要とされる75%以下に相当する1日用量(単位で表す)のインスリン、有利には50%以下の1日用量(単位で表す)のインスリン、使用されるのと同一のインスリンまたはインスリン混合物を含む、請求項30記載の医薬的な連関または併用。
  32. 経口投与に適した剤形である、請求項1から請求項31のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  33. 薬学的に許容されるビグアナイドを更に含む、請求項1から請求項32のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  34. 薬学的に許容されるビグアナイド/薬学的に許容されるベタインの重量比が、1:10と10:1の間であり、有利には1:8と8:1の間であり、好ましくは1:5と5:1の間である、請求項33記載の医薬的な連関または併用。
  35. 薬学的に許容されるビグアナイド/薬学的に許容されるベタインの重量比が1以上である、請求項34記載の医薬的な連関または併用。
  36. 薬学的に許容されるビグアナイドを含む制御放出形態である、請求項33または34記載の医薬的な連関または併用。
  37. 制御放出形態が、薬学的に許容されるビグアナイド3g未満を、有利には2.5g未満を、好ましくは2g未満を含む、請求項36記載の医薬的な連関または併用。
  38. 薬学的に許容されるベタインを含む制御放出形態である、請求項1から請求項22のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  39. 薬学的に許容されるベタイン1g以上を、有利には1.5g以上を、好ましくは2g以上を含む、請求項1から請求項23のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  40. 経口投与のための1つまたはそれ以上の単位の形態である、請求項1から請求項24のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  41. 薬学的に許容されるビグアナイドを備えるビーズまたは粒子であり、前記ビーズまたは粒子は水不溶性のポリマー被覆を備え、前記被覆は腸溶性である、請求項25記載の医薬的な連関または併用。
  42. 薬学的に許容されるベタインを備えるビーズまたは粒子であり、前記ビーズまたは粒子は水不溶性ポリマー被覆を備え、前記被覆は腸溶性である、請求項25又は26記載の医薬的な連関または併用。
  43. 薬学的に許容されるビグアナイドと薬学的に許容されるベタインを備えるビーズまたは粒子であり、前記ビーズまたは粒子は水不溶性ポリマー被覆を備え、前記被覆は腸溶性である、請求項25又は26記載の医薬的な連関または併用。
  44. 薬学的に許容されるインスリンと薬学的に許容されるベタインが密封された投与形態に、好ましくは密封されたバイアルまたはバッグの中に置かれた、請求項1から請求項28のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  45. 各バッグが、薬学的に許容されるベタインを500mgから6000mgと、場合によっては薬学的に許容されるビグアナイドを500mgから3000mgとを含む単位投与を形成する、請求項29記載の医薬的な連関または併用。
  46. ベタインの形態が、インスリンまたはインスリン類縁体の投与の前に投与されるために選択されたものである、請求項1から請求項30のいずれか1項記載の医薬的な連関または併用。
  47. ベタインの形態が、インスリンまたはインスリン類縁体を血中に投与する前に、少なくとも一部分が血中に投与されるように選択されたものである、請求項31記載の医薬的な連関または併用。
  48. 1つまたはそれ以上の短時間作用型のインスリンを含み、nが1から5の整数である一般式(CH+___(CH)n__COO-のベタインを含まない、成分または相または剤形(form)A、および、
    成分または相または剤形(form)Bであって
    a 1つまたはそれ以上の短時間作用型インスリン、および
    b nが1から5の整数である、一般式(CH+___(CH)n__COO-のベタイン、薬学的に許容されるその塩類、そのエステル類、その前駆体、およびその混合物を含む該成分または相または剤形(form)B、
    を組み合わせた医薬組成物。
  49. 成分または相または剤形(form)Aと成分または相または剤形(form)Bが、同じ投与形態で組み合わされたことを特徴とする、請求項48記載の医薬組成物。
  50. 成分または相または剤形(form)Bが、ベタインと結合した短時間作用型インスリンである、請求項48又は49記載の医薬組成物。
  51. 成分または相または剤形(form)Bが、ベタイン含有相の中に分散されている短時間作用型インスリンを含む、請求項48又は49記載の医薬組成物。
  52. 一つ又はそれ以上のベタインが、少なくとも成分または相または剤形(form)Bの、短時間作用型インスリンのインスリン作用の持続を増加させる、請求項48から請求項51のいずれか1項記載の医薬組成物。
  53. 成分または相または剤形(form)AおよびBを共に組み合わせることで、成分または相または剤形(form)Aの少なくともインスリン作用の発現時間を、それを成分または相または剤形(form)Bと組み合わせる前に維持または保持している、請求項48から請求項52のいずれか1項記載の医薬組成物。
  54. 成分または相または剤形(form)AおよびBを共に組み合わせることで、成分または相または剤形(form)Bの少なくともインスリン作用の発現時間を、それを成分または相または剤形(form)Aと組み合わせる前に維持または保持している、請求項48から請求項53のいずれか1項記載の医薬組成物。
  55. 成分または相または剤形(form)AおよびBが組み合わされ、成分または相または剤形(form)Aのインスリン作用が発現する時間を減少させる、請求項48から請求項54のいずれか1項記載の医薬組成物。
  56. 成分または相または剤形(form)AおよびBが組み合わされ、成分または相または形剤形(form)Bのインスリン作用が発現する時間を減少させる、請求項48から請求項55のいずれか1項記載の医薬組成物。
  57. 成分または相または剤形(form)AおよびBが組み合わされた医薬組成物であって、該組成物のインスリンの作用発現は、成分または相または剤形(form)Aおよび/またはBの短時間作用型インスリンの作用発現と同等であるかまたは低く、且つ該組成物のインスリンの作用時間は、成分または相または剤形(form)Aおよび/またはBの短時間作用型インスリンよりも高い、請求項48から請求項56のいずれか1項記載の医薬組成物。
  58. 成分または相または剤形(form)AおよびBの中で、同じ短時間作用型インスリンまたはインスリン類縁体が使用されている、請求項48から請求項57のいずれか1項記載の医薬組成物。
  59. 成分または相または剤形(form)Aは、成分または相または剤形(form)Bと組み合わせた後に、成分または相または剤形(form)Bのインスリンの作用時間と同じインスリンの作用の持続時間を有している、請求項48から請求項58のいずれか1項記載の医薬組成物。
  60. 成分または相または剤形(form)Bは、成分または相または剤形(form)Aと組み合わせた後に、成分または相または剤形(form)Aのインスリン作用の発現時間と同じインスリンの作用の発現時間を有している、請求項48から請求項59のいずれか1項記載の医薬組成物。
  61. 成分または相または剤形(form)Aと成分または相または剤形(form)Bの間の、重量比および/または単位(unit)による比が、0.1から1の間にある、請求項48から請求項60のいずれか1項記載の医薬組成物。
  62. 成分または相または剤形(form)Bと成分または相または剤形(form)Aの間の、重量比および/または単位(unit)による比が、0.1から1の間にある、請求項48から請求項61のいずれか1項記載の医薬組成物。
  63. 成分または相または剤形(form)Bが遅延したインスリンの作用発現を有する、請求項48から請求項62のいずれか1項記載の医薬組成物。
  64. 成分または相または剤形(form)Bが遅延したインスリンの作用の持続時間を有する、請求項48から請求項63のいずれか1項記載の医薬組成物。
  65. 成分または相または剤形(form)Bがヒト体内において、遅延したインスリンの蛋白質分解作用を有する、請求項48から請求項64のいずれか1項記載の医薬組成物。
  66. 成分または相または剤形(form)Bがヒト体内において、遅延および/または制御された分解を有する、請求項48から請求項65のいずれか1項記載の医薬組成物。
  67. 成分または相または剤形(form)Aのインスリンが、成分または相または剤形(form)Bの混合物を形成するのに使用されるインスリンと同様の特性および/または性質を有する、請求項48から請求項66のいずれか1項記載の医薬組成物。
  68. 成分または相または剤形(form)Aのインスリンが、成分または相または剤形(form)Bの混合物を形成するのに使用されるインスリンと異なった特性を有する、請求項48から請求項67のいずれか1項記載の医薬組成物。
  69. 成分または相または剤形(form)Aが、成分または相または剤形(form)Bの中に分散された、請求項48から請求項68のいずれか1項記載の医薬組成物。
  70. 成分または相または剤形(form)Bが、成分または相または剤形(form)Aの中に分散された、請求項48から請求項69のいずれか1項記載の医薬組成物。
  71. 成分または相または剤形(form)Bが成分または相または剤形(form)Aから、放出制御層または障壁、有利には延長または持続した放出の層または障壁によって分離された、請求項48から請求項70のいずれか1項記載の医薬組成物。
  72. 1またはそれ以上の短時間作用型インスリンを含む成分または相または剤形(form)Aであって、前記成分または相または剤形(form)Aは有利には実質的にベタインを含まない、該成分または相または形態A、および
    相または剤形(form)Bであって、
    a 短時間作用型インスリン、中間型インスリン、長時間作用型インスリン、およびそれらの混合物からなる群から選択された1またはそれ以上の化合物、および
    b nが1から5の整数、好ましくは1である、一般式(CH+___(CH)n__COO-のベタイン、その薬学的に許容されるその塩類、そのエステル類、その前駆体、およびその混合物、
    の混合物を含む該成分または相または剤形(form)B、
    を組み合わせた医薬組成物。
  73. 成分または相または剤形(form)Aと成分または相または剤形(form)Bが、同じ投与形態の中で組み合わされている、請求項72記載の医薬組成物。
  74. 1またはそれ以上のベタインが、成分または相または剤形(form)Bのインスリン作用の持続を増加させる、請求項72又は請求項73記載の医薬組成物。
  75. 成分または相または剤形(form)Aが、成分または相または剤形(form)Bと組み合わされた後に、成分または相または剤形(form)Bのインスリンの作用時間と同じインスリン作用の持続時間を有する、請求項72から請求項74のいずれか1項記載の医薬組成物。
  76. 成分または相または剤形(form)Bが、成分または相または剤形(form)Aと組み合わされた後に、成分または相または剤形(form)Aのインスリン作用の発現時間と同じインスリン作用の発現時間を有する、請求項72から請求項75のいずれか1項記載の医薬組成物。
  77. 成分または相または剤形(form)Aと成分または相または剤形(form)Bの間の、重量および/または単位(unit)による比が0.1から1の間である、請求項72から請求項76のいずれか1項記載の医薬組成物。
  78. 成分または相または剤形(form)Bと成分または相または剤形(form)Aの間の、重量および/または単位(unit)による比が0.1から1の間である、請求項72から請求項77のいずれか1項記載の医薬組成物。
  79. 成分または相または剤形(form)Bのインスリン作用の発現時間が遅延している、請求項72から請求項78のいずれか1項記載の医薬組成物。
  80. 成分または相または剤形(form)Bのインスリン作用の持続時間が延長している、請求項72から請求項79のいずれか1項記載の医薬組成物。
  81. 成分または相または剤形(form)Bのヒトの体内における蛋白質分解作用が遅延している、請求項72から請求項80のいずれか1項記載の医薬組成物。
  82. 成分または相または剤形(form)Bのヒト体内における分解が遅延および/または制御されている、請求項72から請求項81のいずれか1項記載の医薬組成物。
  83. 成分または相または剤形(form)Aのインスリンが、成分または相または剤形(form)Bの混合物を形成するのに使用されるインスリンと同じ特性および/または性質を有する、請求項72から請求項82のいずれか1項記載の医薬組成物。
  84. 成分または相または剤形(form)Aのインスリンが、成分または相または剤形(form)Bの混合物を形成するのに使用されるインスリンと異なった特性を有する、請求項72から請求項83のいずれか1項記載の医薬組成物。
  85. 成分または相または剤形(form)Aが、成分または相または剤形(form)Bの中に分散されている、請求項72から請求項84のいずれか1項記載の医薬組成物。
  86. 成分または相または剤形(form)Bが、成分または相または剤形(form)Aの中に分散されている、請求項72から請求項85のいずれか1項記載の医薬組成物。
  87. 成分または相または剤形(form)Bが成分または相または剤形(form)Aから、放出制御された層または障壁、有利には延長または持続された放出層または障壁によって分離された、請求項72から請求項86のいずれか1項記載の医薬組成物。
  88. 成分または相または剤形(form)Bが、少なくとも1つのインスリンと少なくとも1つのベタインの共結晶である、請求項72から請求項87のいずれか1項記載の医薬組成物。
  89. 短時間作用型インスリン、中間型インスリン、長時間作用型インスリンから選択された1またはそれ以上の化合物、および、nが1から5の整数である、一般式(CH+___(CH)n__COO-のベタイン、その薬学的に許容されるその塩類、そのエステル類、その前駆体、およびその混合物、を共結晶する製造方法。
  90. 哺乳動物の糖尿病、特に2型および1型の糖尿病を治療するための、請求項48から請求項89のいずれか1項記載の医薬組成物の使用方法。
  91. 1つまたはそれ以上の短時間型インスリンと、nが1から5の整数である、一般式(CH+___(CH)n__COO-のベタインを含む成分または相または剤形(form)A、および、
    成分または相または剤形(form)Bであって、
    a 1つまたはそれ以上の短時間作用型インスリン、および
    b nが1から5の整数である、一般式(CH+___(CH)n__COO-のベタイン、薬学的に許容されるその塩類、そのエステル類、その前駆体、およびその混合物を含む該成分または相または剤形(form)B、
    を組み合わせた医薬組成物あって、
    それによって、相または剤形(form)Aの成分のインスリンは相または剤形(form)Bのインスリンと異なっている、医薬組成物。
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