JP2009506780A5 - - Google Patents

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したがって、本発明は以下に示すステップを含む方法に関する:
a) 細胞の分離
b) 検討対象の物質による細胞の第一次培養
c) 上澄み又は第一次培養からえられる細胞及び上澄みの混合物の収集
d) 標的細胞の上澄みによる、又は細胞及び上澄みの混合物による第二次培養
e) 標的細胞の分析
代替的実施の態様では、免疫調節化合物の同定及び/又は免疫調節化合物の効果の検出、及びインビボプロセスにおいて免疫システムが介在した、アポトーシス誘発及び/又は壊死誘発化合物の同定を意図したインビトロ検出方法に関し、前記方法は以下の一連のステップを含む:
a) 免疫システムのエフェクター細胞を、その免疫調節効果が検討されるアポトーシス誘発及び/又は壊死誘発物質による第一次培養、続いて
b) 上澄み又は第一次培養から得られる細胞及び上澄みの混合物の収集、続いて
c) 標的細胞の上澄みによる、又は第一次培養から得られる細胞及び上澄みの混合物による第二次培養、及び最終的に
d) 免疫調節及び/又はアポトーシス誘発及び/又は壊死誘発効果を適当な検出方法により分析する。
第一次培養において免疫システムの細胞と物質が、後者に効果を及ぼすことが可能となった後に、第二次培養では物質のインビボ効果が、中でも免疫システムの分泌生成物を含む、第一次培養から得られた上澄み又は細胞及び上澄みの混合物を標的細胞と共に培養することにより明らかとなる。
さらに本発明の方法は、第一次培養において免疫調節又はアポトーシス誘発及び/又は壊死誘発物質により、分離された細胞を培養するのに続き、細胞により放出されるメッセンジャ−物質を同定するのに使用することができる。このため、第二次培養の標的細胞に加えられる前に、第一次培養からの上澄みはメッセンジャ−物質の可能性のある物質を特に認識する抗体により事前培養される。抗体とメッセンジャ−物質のエピトープの間との相互反応により、メッセンジャ−物質は標的細胞にシグナルを送ることができず、この様にしてその機能がブロックされる。本発明の方法のこの実施の態様は、何れの特定のメッセンジャ−物質が誘発される効果、例えば、アポトーシスを生じさせるかを検出するために重要である。
24から96ウエルの複数ウエルプレートは、誘発により放出されたメッセンジャ−物質を同定するために、本発明の方法のキットを使用するのが好ましく、そこではプレートの各ウエルの表面はメッセンジャ−物質(例えば、IFN-y)のエピトープを指向する抗体で覆われており、第一次培養から得られた上澄みの部分をこの様に事前処理されたプレートによって培養し、そしてその部分を標的細胞で培養した後にメッセンジャ−物質の可能性を持つ多数の物質を短時間に試験し、それらが事実、免疫反応に介在しており、又はアポトーシスを誘発するかを見出すことができる可能性がある。
上澄み又は第一次培養からの上澄み及び細胞の混合物の収集は、本発明に従い遠心分離により行われる。しかし、本発明では、例えば、上澄みは通過させるが、細胞又は他の存在する細胞破片は通さない孔サイズを持つ細胞ろ過装置により、細胞を上澄みから分離するのに適した他の任意の方法であっても良い。さらに特異抗体を用いる細胞の分離システム及び/又は細胞選定システム、それに続いて磁力(MACS)又は蛍光(FACS)ベースを用いる選定方法も考慮される。
dSLIMによる免疫細胞(PBMC)の第一次培養
分離された細胞(PBMC)は複数ウエルプレートに播種された。バッチサイズ、及び、したがって、ウエルサイズは、後に集菌される培養上澄みが標的細胞による第二次培養に必要な、正確な容積を持つ様選択された。
最初のバッチは非刺激細胞を含んでいた(ネガティブ コントロール)。第二のバッチは0.1 - 10 μM dSLIM-30L1で刺激された。さらに2回のバッチ細胞が、最大可能なポジティブな結果を与え、機器の較正及びFACSの補償をするために0.1 - 10 μMのオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)で刺激を与えられた。更なるバッチ細胞は、比較のため他の0.1 - 10 μMのODNで刺激された。各バッチは37℃でCO2培養器中で48時間培養された。これらのバッチの上澄みは遠心分離により回収され、その後の作業のため-80℃で冷凍された。
次の日、粘着性を持つようになった細胞から媒体を除去し、第一次培養からの上澄みを添加し(間接刺激)、又は指示された物質(dSLIM- 30L1 , lin30L1)を直接に媒体に添加する(直接刺激)ことで刺激が与えられた。ネガティブ コントロールとして間接バッチに媒体のみが添加された。これらの細胞は、刺激されていない細胞(第一次培養からの刺激されていない上澄みの添加)から区別するために非処理細胞と呼ばれた。
バッチ−直接刺激及び間接刺激―は再び37℃でCO2培養器中で48時間培養された。その後、各々の場合について、所望の分析が細胞上で実施された。そのためにまず上澄みが細胞から除去され、そして細胞はPBSで洗浄された。細胞はトリプシン/ EDTAを用いてウエルから除去され、そして更に洗浄ステップを経た後、続く細胞数の決定のために遠心分離管に移された。
図2は、本発明の方法を応用したdSLIM免疫調節剤のインビトロ効果の分析結果を示す。図の右側に示す様に、dSLIMで培養されたPBMCの上澄みを用いることによりHT-29腫瘍細胞(結腸癌)中にアポトーシス及び壊死が誘発される。ここでアポトーシスは、直接dSLIMで処理された細胞の例から、上澄みで処理された細胞の例への増加に見られるように、17%から46.7%に増大している。
図3は、HT-29細胞中でのdSLIM免疫調節剤のインビトロ効果を分析したものである。dSLIMで培養されたPBMCの上澄みを使用することによりHLA-ABC表面マーカーの発現増強が誘発される。細胞集団の移動が図面中の最右翼の図に見ることが出来る。
図4は、dSLIMがアポトーシス(アネキシンV)及び壊死(7-AAD)を誘発することを示す。そこで、アポトーシス細胞の数が、ODNを含まない上澄みで処理された細胞に比べて、dSLIMで処理された細胞からの上澄みのために12.1 % から21 .7 %に上昇している。壊死細胞の数は9.2 %から16 %へ上昇している。
図5は、PBMCのdSLIM上澄みによって標的細胞(HT-29)を培養することにより
HLA-ABC表面マーカーを誘発の増大することを示す。図の上の部分は、ODNで処理されてないPBMCから得られた上澄みで処理された細胞集団の、dSLIMで処理されたPBMCから得られた上澄みで培養された細胞へのシフト(発現の増加)を示す。
A: インビボの状況
B: インビトロ免疫アッセイ
1: 患者
2: 標的組織、例えば、腫瘍
3: 免疫細胞
4: 試験材料、例えば、dSLIM
5: 活性化免疫細胞
6: ドナー
7: 免疫細胞、例えば、PBMC
8: 試験材料、例えば、dSLIM
9: 活性化免疫細胞、例えば、PBMC
10: 上澄み
11: 標的細胞、例えば、腫瘍細胞
12: 分析

Claims (16)

  1. インビボプロセスにおける免疫調節化合物の同定及び/又は免疫調節化合物の効果の検出及び免疫システムが介在した、アポトーシス誘発及び/又は壊死誘発化合物の同定に適したインビトロ検出方法であって、前記方法は以下の一連のステップを含む:
    a) 事前に分離された免疫システムのエフェクター細胞を、その免疫調節効果が検討される物質又はアポトーシス誘発及び/又は壊死誘発物質による第一次培養、続いて
    b)上澄み又は第一次培養から得られる細胞及び上澄みの混合物の収集、続いて
    c) 標的細胞の上澄みによる、又は第一次培養から得られる細胞及び上澄みの混合物による第二次培養、及び最終的に
    d) 免疫調節及び/又はアポトーシス誘発及び/又は壊死誘発効果の、適当な検出方法による分析、のステップ、そして
    標的細胞の分析のために、特異タンパク質の発現が検討され、規定の遺伝子の発現が検討され及び/又は細胞サイクル分析が実施される、前記検出方法。
  2. 第一次培養のための免疫システムのエフェクター細胞は、好ましくは、例えば、B-, T- 及びNK‐細胞、単球、樹脂状細胞の様なFACS又はMACS により分類される血液の抹消血単核球細胞、脾臓細胞又は細胞混合物の亜母集団であるのが良い、請求項に記載の方法。
  3. 第一次培養のための細胞及び第二次培養の標的細胞がヒトの細胞又は高等哺乳動物の細胞である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 第二次培養事前に分離された患者の血液、血清又は血漿を用いて実施される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 第二次培養の標的細胞が腫瘍細胞又は遺伝子的に腫瘍由来の細胞株である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. その効果が検討される免疫調節化合物が、CpG含有オリゴデオキシヌクレオチド又は単鎖領域に少なくとも一つのCpGモチーフを持つ部分的に二重鎖を持つDNA構築体である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  7. その効果が検討されるアポトーシス誘発及び/又は壊死誘発化合物が、好ましくはアンチセンス オリゴデオキシヌクレオチド、si-RNA、抗体又は化学治療剤である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 第一次培養で検討される物質が患者の全血、血球、血球亜母集団、血清及び血漿からなる群から選択され、前記物質は患者の治療前、治療中及び/又は治療後に検討される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 培養が培養器で行われる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 上澄みが遠心分離により収集される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記標的細胞が分析のために染色される、特にアネキシンV又はヨウ化プロピジウム染料により染色される、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
  12. アポトーシス及び/又は壊死検出方法が、標的細胞の分析のために実施される、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 抗体又は他の競合物質が、検討される物質と共に第一次培養に加えられる、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
  14. インビボプロセスにおいて免疫調節化合物を同定し、及び/又は免疫調化合物の効果を検出し、及び免疫システムの介在によるアポトーシス誘発及び/又は壊死誘発化合物を同定するのに適したインビトロ検出方法を実施するためのキットであり、
    ・ 保存用に調製された一定分量の免疫システムのエフェクター細胞、
    ・ 第一次及び第二次培養を実施する手段、
    ・ 検討される化合物により第一次培養中に細胞の培養反応物として放出されるメッセンジャー物質の検出のための、そのウエルの表面が抗体により覆われている24から96ウエルを持つ複数ウエルプレート、及び/又は
    ・ 検討される化合物より誘発される免疫反応による表面分子の発現の変化を検討するために、RT-PCRを実施するための手段であり、キットは表面分子のmRNAを増殖させるために好適なプライマ、増殖のための酵素及び必要な緩衝液、及び/又はFACS分析の手段を含み、そのため、キットは好適な蛍光マークされた抗体であって、表面抗原に向けられる抗体及びさらに、緩衝液及び化学品の様な標的細胞を生成する手段を含む、
    前記キット。
  15. 免疫調節、アポトーシス誘発及び/又は壊死誘発化合物の投与の前、投与中及び/又は投与後に、及びインビボプロセスにおいて免疫調節化合物の効果の検出、免疫システムが介在したアポトーシス誘発及び/又は壊死誘発化合物の同定をインビトロで実施するためのキットであって、少なくとも以下の成分、すなわち、
    ・ 保存用、及び/又は患者の血液、血清又は血漿による培養のために調製された一定分量の標的細胞、
    ・ 第二次培養を実施する手段、
    ・ 検討される化合物による第一次培養中の細胞の培養反応物として放出されるメッセンジャー物質の検出のための、そのウエルの表面が抗体により覆われている24から96ウエルを持つ複数ウエルプレート、及び/又は
    ・ 検討される化合物により誘発される免疫反応による表面分子の発現の変化検討するための、RT-PCRを実施するための手段であり、表面分子のmRNAを増殖させるためプライマ、増殖のための酵素及びFACS分析のために必要な緩衝液及び/又は手段、表面抗原に向けられる蛍光マークされた抗体及びさらに、標的細胞を生成するための緩衝液及び化学品を含む、
    を含む、前記キット。
  16. 含まれる標的細胞が、腫瘍細胞又は遺伝子的に腫瘍由来の細胞株である請求項15のキット。
    明細書の補正:
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