JP2009502883A - C型肝炎ウイルスの大環式インヒビター - Google Patents

C型肝炎ウイルスの大環式インヒビター Download PDF

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Abstract

【化1】
Figure 2009502883

式(I)、そのN−オキシド、塩、および立体化学的異性体のHCV複製のインヒビター(式中の定義は明細書に記載する);式(I)の化合物を含有する製薬学的組成物、および化合物(I)の製造法。式(I)のHCVのインヒビターとリトナビルとの生物学的に利用可能な組み合わせ物も提供する。

Description

本発明は、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製に阻害活性を有する大環式化合物に関する。さらに有効成分としてこれらの化合物を含んでなる組成物、ならびにこれら化合物および組成物の製造法に関する。
C型肝炎ウイルスは世界的な慢性肝臓疾患の主な原因であり、そしてかなり医学的調査が集中するようになった。HCVはヘパドナウイルス(hepacivirus)属におけるウイルスのフラビウイルス科(Flaviviridae)のファミリーのメンバーであり、そしてフラビウイルス(flavivirus)属に緊密に関連し、この属にはデングウイルスおよび黄熱ウイルスのようなヒトの疾患に結び付く多くのウイルスを含み、そしてウシのウイルス性下痢ウイルス(BVDV)を含む動物のペスチウイルス(pestivirus)属にも緊密に関連している。HCVはプラス(positive)−センスの一本鎖RNAウイルスであり、約9,600塩基のゲノムを持つ。このゲノムはRNAの二次構造を採用する5’および3’非翻訳領域の両方、およびおよそ3,010〜3,030アミノ酸の1つのポリプロテインをコードする中央のオープンリーディングフレームを含んでなる。このポリプロテインは、宿主およびウイルスのプロテアーゼの両方により媒介される一連の調和がとれた同時(co−)および翻訳後の細胞内タンパク質分解性開裂(endoproteolytic cleavage)により、前駆体ポリプロテインから生じる10種の遺伝子産物をコードする。ウイルスの構造タンパク質にはコアのヌクレオキャプシドタンパク質、および2つのエンベロープ糖タンパク質E1およびE2を含む。非構造(NS)タンパク質は、幾つかの必須ウイルス酵素機能(ヘリカーゼ、ポリメラーゼ、プロテアーゼ)、ならびに未知の機能のタンパク質をコードする。ウイルスゲノムの複製は、非構造的タンパク質5b(NS5B)によりコードされるRNA−依存的RNAポリメラーゼにより媒介される。ポリメラーゼに加えて、ウイルスのヘリカーゼおよびプロテアーゼ機能(両方とも二機能性NS3タンパク質にコードされる)は、HCV RNAの複製に必須であることが示された。NS3セリンプロテアーゼに加えて、HCVはNS2領域にメタロプロティナーゼもコードする。
初期の急性感染後、感染した個体の大部分はHCVが肝細胞で優先的に複製するので慢性肝炎を発症するが、直接的に細胞障害性ではない。特に激しいT−リンパ球応答の欠如およびウイルスが突然変異する高い傾向は、高率で慢性感染を促進すると思われる。慢性肝炎は肝硬変を導く肝線維症、末期肝臓疾患そしてHCC(肝細胞癌)に進行する恐れがあり、肝臓移植の主な原因となる。
6つの主要なHCV遺伝子型および位置的に異なって分布した50以上のサブタイプがある。1型HCVはヨーロッパおよび米国で主要な遺伝子型である。HCVの広範囲な遺伝的異質性は重要な診断的および臨床的意義を有し、これが恐らくワクチンの開発および治療に対する応答の欠如における困難さを説明している。
HCVの伝播は、汚染された血液または血液製剤との接触を介して、例えば輸血または静脈内の薬剤使用後に起こり得る。血液スクリーニングに使用される診断試験の導入は、輸液後のHCV発症に下降傾向を導いた。しかし末期の肝臓疾患へのゆっくりとした進行を仮定すれば、存在している感染は重篤な医学的および経済的負担を何十年にもわたり与え続ける。
現行のHCV療法は、リバビリンと組み合わせた(ペグ化:pegylated)イン
ターフェロン−アルファ(IFN−α)に基づく。この併用療法は1型遺伝子のウイルスに感染した40%以上の患者に、そして2および3型遺伝子に感染したおよそ80%の患者に持続的なウイルス学的応答を生じる。1型HCVに及ぼす効果が限られている上、この併用療法には重大な副作用があり、そして多くの患者によく耐容されない。主な副作用には、インフルエンザ様症状、血液学的異常、および神経精神学的症状がある。したがって、より効果的で、便利で、しかもよく良く耐容される処置が必要とされている。
最近、2種類のペプチドミメティックHCVプロテアーゼインヒビターが臨床的候補として注目を集め、すなわちそれらは特許文献1に開示されているBILN−2061および特許文献2に開示されているVX−950である。多くの類似のHCVプロテアーゼインヒビターも学術的および特許文献に開示されてきた。すでにBILN−2061またはVX−950の持続的投与が、各薬剤に対して耐性のHCV変異体、いわゆるドラッグエスケープ変異体を選択することが明らかとなった。これらのドラッグエスケープ変異体はHCVプロテアーゼゲノム中で特徴的な変異、つまりD168V、D168Aおよび/またはA156Sを有する。したがって、異なる耐性パターンを有するさらなる薬剤が作用しない患者に処置選択提供するために必要であり、そして第一線の処置についても、多剤での併用治療が将来の標準となる可能性がある。
HIV剤、そして特にHIVプロテアーゼインヒビターを用いた経験から、最適ではない薬物動態学および複雑な投薬用量計画は、すぐに不適切なコンプライアンスの失敗を生じることがさらに強調された。これは次いでHIV処方における各薬剤について、24時間の谷の濃度(最少血漿濃度)が、1日の大半についてIC90またはED90閾値未満にしばしば落ちることを意味する。少なくともIC50、そしてさらに現実的にはIC90またはED90の24時間の谷レベルは、ドラッグエスケープ変異体の発生を遅らせるために必須であると考えられる。そのような谷のレベルを可能にするために必要な薬物動態学および薬剤代謝を達成することは、薬剤設計に対する厳しい挑戦を与える。多くのペプチド結合を持つ従来技術のHCVプロテアーゼインヒビターの強力なペプチドミメティックの特性は、効果的な投薬用量計画を行うために薬物動態学的ハードルを有する。
副作用、限られた効力、耐性の発生およびコンプライアンスの失敗のような現行のHCV療法の欠点を克服することができるHCVインヒビターの必要性が存在する。
特許文献3はアザ−ペプチド大環式C型肝炎セリンプロテアーゼインヒビター;HCV感染に罹患した個体に投与するための前記化合物を含んでなる製薬学的組成物;および本発明の化合物を含んでなる製薬学的組成物を投与することによる個体のHCV感染を処置する方法を開示する。
参考文献
国際公開第00/59929号パンフレット 国際公開第03/87092号パンフレット 国際公開第05/010029号パンフレット
本発明は、HCVインヒビターとしての活性だけではなく、良好な細胞透過性および同時に生物学的利用性という意味でも魅力的なHCV複製のインヒビターに関する。
本発明は、式(I):
Figure 2009502883
[式中、
各破線(−−−−−により表される)は場合により存在しうる二重結合を表し;
XはN、CHであり、そしてXが二重結合を有する場合、これはCであり;
はアリールまたは飽和、一部不飽和もしくは完全に不飽和の5もしくは6員の単環式または9〜12員の二環式複素環式環系であり、ここで該環系は1個の窒素を含み、そして場合により酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される1〜3個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく、そしてここで残る環員は炭素原子であり;ここで該環系は場合により任意の炭素または窒素環原子上で、C3−7シクロアルキル、アリール、Het、−C(=O)−NR4a4b、−C(=O)R、−C(=O)OR5a、および場合によりC3−7シクロアルキル、アリール、Het、−C(=O)NR4a4b、−NR4a4b、−C(=O)R、−NR4aC(=O)R、−NR4aSO、−SO、−SONR4a4b、−C(=O)ORまたは−NR4aC(=O)OR5aで置換されてもよいC1−6アルキルから各々が独立して選択される1、2、3もしくは4個の置換基で置換されることができ;そしてここで、複素環式環の任意の炭素原子上の置換基はまた−OR、−SR、ハロ、ポリハロ−C1−6アルキル、オキソ、チオ、シアノ、ニトロ、アジド、−NR4a4b、−NR4aC(=O)R、−NR4aSO、−SO、−SONR4a4b、−C(=O)OHおよび−NR4aC(=O)OR5aから選択されることもでき;
Lは直接結合、−O−、−O−C1−4アルカンジイル−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−NR4a−または−O−C(=O)−NR4a1−4アルカンジイル−であり;
は水素、−OR、−C(=O)OR、−C(=O)R、−C(=O)NR4a4b、−C(=O)NHR4c、−NR4a4b、−NHR4c、−NR4aSONR4a4b、−NR4aSOまたはB(ORを表し;
は水素であり、そしてXはCまたはCHである場合、RはまたC1−6アルキルであることもでき;
nは3、4、5または6であり;
pは1または2であり;
各R4aおよびR4bは独立して水素、C3−7シクロアルキル、アリール、Het、場合によりハロ、C1−4アルコキシ、シアノ、ポリハロC1−4アルコキシ、C3−7シクロアルキル、アリールもしくはHetで置換されてもよいC1−6アルキルであり;あるいはR4aおよびR4bはそれらが結合している窒素原子と一緒になってピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル、4−C1−6アルキルカルボニル−ピペラジニル、およびモルホリニルを形成し;ここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されること
ができ;
4cはC3−7シクロアルキル、アリール、Het、−O−C3−7シクロアルキル、−O−アリール、−O−Het、C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシであり、ここで該C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシは各々場合により−C(=O)OR、C3−7シクロアルキル、アリールまたはHetで置換されることができ;
は水素;C2−6アルケニル;Het;場合にC1−6アルキルで置換されてよいC3−7シクロアルキル;または場合によりC3−7シクロアルキル、アリールまたはHetで置換されてもよいC1−6アルキルであり;
5aはC2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、Het、または場合によりC3−7シクロアルキル、アリールまたはHetで置換されてもよいC1−6アルキルであり;
は水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキルまたはアリールであり;
は水素;ポリハロC1−6アルキル;アリール;Het;場合によりC1−6アルキルで置換されてもよいC3−7シクロアルキル;または場合によりC3−7シクロアルキル、アリールまたはHetで置換されてもよいC1−6アルキルであり;
基または基の一部としてのアリールはフェニル、ナフチル、インダニルまたは1,2,3,4−テトラヒドロナフチルであり、その各々は場合によりハロ、C1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ポリハロC1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、カルボキシル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、アジド、メルカプト、C3−7シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル、4−C1−6アルキルカルボニル−ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されることができ;ここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができ;そしてフェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル基は場合によりC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノから各々独立して選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されることができ;
基または基の一部としてのHetは窒素、酸素および硫黄から各々が独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の飽和、一部飽和もしくは完全に不飽和の複素環式環であり、該複素環式環は場合によりベンゼン環と縮合していてもよく、そしてここで全体として基Hetは場合によりハロ、C1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ポリハロC1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、カルボキシル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、C3−7シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル、4−C1−6アルキルカルボニル−ピペラジニルおよびモルホリニルよりなる群から各々が独立して選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されることができ;ここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができ;そしてフェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル基は場合によりC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノから各々独立して選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されることができる]
により表すことができるHCV複製のインヒビター、そのN−オキシド、塩および立体化学的異性体に関する。
本発明の化合物は、それらの低下している構造的柔軟性にもかかわらずに、HCVに対して活性な薬剤である点で驚く。これは柔軟性が低い大環式環は低い活性の薬剤であるこ
とが予想されるという現在では一般的な考え方とは反対である。
比較的低い分子量を有する本発明の化合物は市販されているか、または技術的に知られている合成手順を介して容易に入手可能な出発材料から始めて合成し易い。
さらに本発明は式(I)の化合物、またはそのN−オキシド、付加塩、四級アミン、金属錯体および立体化学的異性体、それらの中間体の製造法、ならびに式(I)の化合物の製造における中間体の使用にも関する。
本発明は、薬剤として使用するための式(I)の化合物自体、またはそのN−オキシド、付加塩、四級アミン、金属錯体および立体化学的異性体に関する。さらに本発明は担体および本明細書で特定する抗ウイルス的に有効な量の式(I)の化合物を含んでなる製薬学的組成物に関する。さらに本発明は、HCV感染に罹患している個体に投与するための前記化合物を含んでなる製薬学的組成物に関する。製薬学的組成物は、前記化合物と他の抗−HCV剤との組み合わせ物を含んでなることができる。
また本発明はHCV複製を阻害する薬剤を製造するための式(I)の化合物、そのN−オキシド、付加塩、四級アミン、金属錯体または立体化学的異性体の使用に関する。あるいは本発明は温血動物におけるHCV複製の阻害法に関し、該方法は有効量の式(I)の化合物、またはそのN−オキシド、付加塩、四級アミン、金属錯体または立体化学的異性体を投与することを含んでなる。
前記の、または今後使用するように、以下の定義を他に特記しない限り使用する。
用語、ハロは、フロオロ、クロロ、ブロモおよびヨードの総称である。
基または基の一部として(例えばポリハロC1−6アルコキシ)の用語「ポリハロC1−6アルキル」は、1もしくは複数のフッ素原子を含むメチルまたはエチル、例えばジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチルのようなモノ−またはポリハロ置換C1−6アルキル、特に最高1、2、3、4、5、6以上のハロ原子で置換されたC1−6アルキルと定義する。好適なものはトリフルオロメチルである。またペルフロオロC1−6アルキル基も含まれ、これはすべての水素原子がフッ素原子で置換されたC1−6アルキル基、例えばペンタフルオルエチルである。ポリハロC1−6アルキル基の定義の中で、1より多くのハロゲン原子がアルキル基に結合している場合、ハロゲン原子は同じかまたは異なってもよい。
基または基の一部として本明細書で使用する「C1−4アルキル」は、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピルのような1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖の飽和炭化水素基と定義し;「C1−6アルキル」は、C1−4アルキル基、および例えば1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチル−1−ブチル、2−メチル−1−ペンチル、2−エチル−1−ブチル、3−メチル−2−ペンチル等のような5もしくは6個の炭素原子を有するそれらのより高次な相同体を包含する。中でも最も興味深いC1−6アルキルはC1−4アルキルである。
基または基の一部として用語「C2−6アルケニル」は、例えばエテニル(またはビニル)、1−プロペニル、2−プロペニル(またはアリル)、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、2−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ペンテニル等のような飽和の炭素−炭素結合および少なくとも1つの二重結合を有し、そして2〜6個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖の炭化水素基と定義する。中でも最も興味深いC2−6アルケニルはC2−4アルケニルである。
基または基の一部として用語「C2−6アルキニル」は、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル等のような飽和の炭素−炭素結合および少なくとも1つの三重結合を有し、そして2〜6個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖の炭化水素基と定義する。中でも最も興味深いC2−6アルキニルはC2−4アルキニルである。
3−7シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルの総称である。アリールまたはHet上で置換されている場合、C3−7シクロアルキルは特にシクロプロピルである。
1−6アルカンジイルは、例えばメチレン、エチレン、1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイル、1,2−プロパンジイル、2,3−ブタンジイル、1,5−ペンタンジイル、1,6−ヘキサンジイル等のような1〜6個の炭素原子を有する二価の直鎖状および分枝鎖の飽和炭化水素基と定義する。中でも最も興味深いC1−6アルカンジイルは、C1−4アルカンジイルである。
1−6アルコキシはC1−6アルキルオキシを意味し、ここでC1−6アルキルは上記定義の通りである。
本明細書で前に使用するように、用語(=O)またはオキソは炭素原子と結合した場合にカルボニル部分を形成し、硫黄原子と結合した場合にスルホキシド部分を形成し、そして該2つの用語が硫黄原子に結合した場合にスルホニル部分を形成する。環または環系が1つのオキソ基で置換される場合はいつでも、オキソが結合する炭素原子は飽和の炭素である。
二価の基Lは−O−C1−4アルカンジイル、−O−CO−、−O−C(=O)−NR5a−または−O−C(=O)−NR5a−C1−4アルカンジイル−であることができ、これらの二価の基は特にそれらの酸素原子によりピロリジン部分に結合している。
基Hetは本明細書および特許請求の範囲で特定するような複素環である。Hetの例には、例えばピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアジノリル、イソチアジノリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル(1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリルを含む)、テトラゾリル、フラニル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル−トリアジニル、またはインドリル、インダゾリル(特に1H−インダゾリル)、インドリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル(特に1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル(特に1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾチアジノリル、ベンズイソチアジノリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ−1,2,3−トリアゾリル、ベンゾ−1,2,4−トリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾピラゾリル等のようなベンゼン環に縮合した任意のそのような複素環を含んでなる。中でも最も興味深いHet基は、不飽和のものであり、特に芳香族の特性を有するものである。さらに興味深いものは、単環式のそのようなHet基である。
これまでの、そして以下の段落で挙げる各HetまたはR基は、式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義で挙げた数および種類の置換基で場合により置換され得る。このおよび以下の段落で挙げるHetまたはR基の幾つかは、1、2または3個のヒドロキシ置換基で置換され得る。そのようなヒドロキシで置換された環は、ケト基を持つそれらの互換異性体として存在することができる。例えば3−ヒドロキシピリダジン部分は、その互換異性体形2H−ピリダジン−3−オンで存在することができる。ケト置換HetまたはR基の幾つかの例は、1,3−ジヒドロ−ベンズイミダゾール−2−オン、1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン、1H−インドール−2,3−ジオン、1H−ベンゾ[d]イソキサゾール、1H−ベンゾ[d]イソチアゾール、1H−キノリン−2−オン、1H−キノリン−4−オン、1H−キナゾリン−4−オン、9H−カルバゾールおよび1H−キナゾリン−2−オンである。Hetがピペラジニルである場合、これは好ましくはその4−位で炭素原子により4−窒素に結合される置換基、例えば4−C1−6アルキル、4−ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C3−7シクロアルキルにより置換される。
は、本明細書および特許請求の範囲で特定するような飽和、一部不飽和または完全に不飽和の5もしく6員の単環式または9〜12員の二環式複素環式環系であることができる。該単環式または二環式環系の例は、例えば前記段落で基Hetの例として述べた任意の環、およびさらに前記段落で述べたピリジルまたはピリミジニルと縮合した例えばピロロピリジン(特に1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン)、ナフチリジン(特に1,8−ナフチリジン)、イミダゾピリジン(特に1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン)、ピリドピリミジン、プリン(特に7H−プリン)等のような任意の単環式複素環を含んでなる。
興味深いHetまたはR基は、例えばピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル(1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリルを含む)、テトラゾリル、フラニル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラゾリル、ドリアジニル、あるいはインドリル、インダゾリル(特に1H−インダゾリル)、インドリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル(特に1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル(特に1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)、キナゾリニル、フタラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニルのようなべンゼン環に縮合したそのような複素環を含んでなる。
Hetがピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、4−置換ピペラジニルの場合、これらの基は好ましくはそれらの窒素原子を介して結合される(すなわち1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、4−モルホリニル、1−ピペラジニル、4−置換ピペラジン−1−イル)。
各「アリール」は上記のように特定され、そして好ましくは上記に特定する置換で置換されたフェニルである。これはアリールC1−6アルキルにも同等に適用され、これは特にアリールメチル、例えばベンジルであることができる。
定義で使用する任意の分子部分上の基の位置は、それが化学的に安定である限り、そのような部分上の任意の場所でよいことに注目すべきである。
変項の定義に使用する基には、他に示さない限りすべての可能な異性体を含む。例えばピリジルには2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジルを含み;ペンチルには1−ペンチル、2−ペンチルおよび3−ペンチルを含む。
任意の構成において変項が1より多く存在する場合、各々の定義は独立している。
今後使用する場合はいつも、用語「式(I)の化合物」または「本化合物」または類似の用語は、式(I)の化合物、その各および任意のサブグループ、それらのプロドラッグ、それらのN−オキシド、付加塩、四級アミン、金属錯体および立体化学的異性体を含むことを意味する。1つの態様には、本明細書で特定する式(I)の化合物、または式(I)の化合物の任意のサブグループ、ならびにそれらのN−オキシド、塩、可能な立体異性体を含んでなる。別の態様は、本明細書で特定する式(I)の化合物、または式(I)の化合物の任意のサブグループ、ならびにそれらの塩、可能な立体異性体を含んでなる。
式(I)の化合物は幾つかのキラル中心を有し、そして立体化学的異性体として存在する。本明細書で使用する用語「立体化学的異性体」は、同じ結合の配列により結合した同じ原子から作られるが、相互に交換することができない異なる三次元的構造を有する、式(I)の化合物が有することができるすべての可能な化合物と定義する。
(R)または(S)が置換基内のキラル原子の絶対的な立体配座を表すために使用される場合に関して、この表示は化合物全体を考慮し、置換基を分離せずになされている。
他に言及または示さない限り、化合物の化学表示は、該化合物が有することができるすべての可能な立体化学的異性体の混合物を包含する。該混合物は、該化合物の基本的分子構造のすべてのジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーを含むことができる。本発明の化合物のすべての立体化学的異性体は、純粋な状態または互いに混合された状態の両方で本発明の範囲に包含されることを意図している。
本明細書で挙げた化合物および中間体の純粋な立体異性体は、該化合物または中間体と同じ基本的分子構造の他のエナンチオマーまたはジアステレオマー形を実質的に含まない異性体と定義する。特に用語「立体異性体的に純粋」とは少なくとも80%の立体異性体過剰率(すなわち最低90%の1つの異性体と最大10%のもう1つの可能な異性体)から100%の立体異性体過剰率(すなわち100%の1つの異性体ともう1つの異性体無し)を有する化合物または中間体、より詳細には90%〜100%の立体異性体過剰率、さらにより特別には94%〜100%の立体異性体過剰率、そして最も特別には97%〜100%の立体異性体過剰率を有する化合物または中間体に関する。「エナンチオマー的に純粋」および「ジアステレオマー的に純粋」という用語も同様に理解されるべきであるが、それぞれ問題の混合物中にエナンチオマー過剰率、ジアステレオマー過剰率の関係がある。
本発明の化合物および中間体の純粋な立体異性体は、技術的に知られている手順を応用することにより得ることができる。例えばエナンチオマーは光学的に活性な酸または塩基を用いてそれらのジアステレオマー塩の選択的結晶化により互いに分離することができる。その例は酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸である。あるいはエナンチオマーはキラルな固定相を使用してクロマトグラフィー技術により分離することができる。該純粋な立体化学的異性体は、反応が立体特異的に起こるならば、適切な出発材料である対応する純粋な立体化学異性体から誘導することもできる。好ましくは特異的な立体異性体が望まれる場合、該化合物は立体特異的な製造法により合成される。これらの方法はエナンチオマー的に純粋な出発材料を使用することが有利である。
式(I)の化合物のジアステレオマーラセミ体は、常法により別個に得ることができる。有利に使用することができる適切な物理的分離法は、例えば選択的結晶化およびクロマトグラフィー、例えばカラムクロマトグラフィーである。
式(I)の化合物、それらのN−オキシド、塩、溶媒和物、四級アミンまたは金属錯体、およびそれらの製造に使用する中間体の幾つかについて、絶対的な立体化学的配座を実験的に定めなった。当業者はそのような化合物の絶対配座を、例えばX−線回折のような既知の技法を使用して決定することができる。
また本発明は本化合物に存在する原子のすべての同位体を含むことも意図している。同位体には同じ原子番号を有するが、異なる質量数のそれら原子を含む。一般例として、そして限定するものではなく、水素の同位体には三重水素および重水素がある。炭素の同位体にはC−13およびC−14がある。
本明細書を通して使用する用語「プロドラッグ」は、インビボで生じる誘導体の生物変換産物(biotransformation product)が式(I)の化合物で定義する活性薬剤となるようなエステル、アミドおよびホスフェートのような薬理学的に許容されうる誘導体を意味する。プロドラッグを記載するグッドマン アンド ギルマン(Goodman and Gilman)による参考文献[治療薬の薬理学的基礎(The Pharmacological Basis of Therapeutics)、第8版、マグローヒル(McGraw−Hill)社編集、1992、「薬剤の生物変換(Biotransformation of Drugs)、第13〜15頁]は引用により包括的に本明細書に編入する。プロドラッグは好ましくは優れた水溶性、上昇した生物学的利用性を有し、そしてインビボで活性なインヒビターに直ちに代謝される。本発明の化合物のプロドラッグは、修飾が日常的な操作により、またはインビボで元の化合物に分解するように、化合物中に存在する官能基を修飾することにより製造され得る。
好適であるのは、インビボで加水分解性であり、そしてヒドロキシもしくはカルボキシル基を有する式(I)の化合物から誘導される製薬学的に許容され得るエステルプロドラッグである。インビボで加水分解性のエステルは、ヒトまたは動物体内で加水分解されて元の酸またはアルコールを生成するエステルである。適切な製薬学的に許容され得るカルボキシのエステルには、C1−6アルコキシメチルエステル、例えばメトキシメチル、C1−6アルカノイルオキシメチルエステル、例えばピバロイルオキシメチル、フタリジルエステル、C3−8シクロアルコキシカルボニルオキシC1−6アルキルエステル、例えば1−シクロヘキシルカルボニル−オキシエチル;1.3−ジオキソレン−2−オニルメチルエステル、例えば5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オニルメチル;およびC1−6アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、例えば1−メトキシカルボニル−オキシエチルを含み、これらは本発明の化合物中、任意のカルボキシ基で形成されることができる。
ヒドロキシ基を含有する式(I)の化合物のインビボで加水分解性のエステルには、リン酸エステルのような無機エステルおよびα−アシルオキシアルキルエーテル、およびエステルのインビボ加水分解の結果として分解して元のヒドロキシ基を与える関連化合物を含む。α−アシルオキシアルキルエーテルの例にはアセトキシ−メトキシおよび2,2−ジメチルプロピオニルオキシ−メトキシがある。ヒドロキシのためのインビボ加水分解性エステル形成基の選択には、アルカノイル、ベンゾイル、フェニルアセチルおよび置換ベンゾイルおよびフェニルアセチル、アルコキシカルボニル(アルキル炭酸エステルを与えるために)、ジアルキルカルバモイルおよびN−(ジアルキルアミノエチル)−N−アルキルカルバモイル(カルバメートを与えるために)、ジアルキルアミノアセチルおよびカ
ルボキシアセチルがある。ベンゾイル上の置換基の例には、環の窒素原子からメチレン基を介してベンゾイル環の3−もしくは4−位に結合されるモルホリノおよびピペラジノがある。
さらに治療的使用には、式(I)の化合物の塩は対イオンが製薬学的に許容され得る化合物である。しかし製薬学的に許容されない酸および塩基の塩も、例えば製薬学的に許容され得る化合物の製造または精製に用途を見いだすことができる。製薬学的に許容されてもされなくてもすべての塩が本発明の範囲に含まれる。
これまでに述べた製薬学的に許容され得る酸および塩基付加塩は、式(I)の化合物が形成することができる治療に活性な非毒性の酸および塩基付加塩形を含んでなることを意味する。製薬学的に許容され得る酸付加塩は、塩基形をそのような酸で処理することにより都合よく得ることができる。適切な酸は、例えばハロ化水素酸、例えば塩酸もしくは臭化水素酸、硫酸、硝酸;リン酸等のような無機酸;あるいは例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、蓚酸(すなわちエタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸(すなわちヒドロキシブタン二酸)、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノ−サリチル酸、パモ酸等の酸のような有機酸を含む。
逆に該酸形は適当な塩基を用いた処理により遊離塩基形に転換することができる。
酸性プロトンを含む式(I)の化合物は適当な有機および無機塩基を用いた処理により、それらの非毒性金属またはアミン付加塩形態に転換することもできる。適当な塩基の塩形態は例えば、アンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩等、有機塩基との塩、例えばベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン塩、および例えばアルギニン、リシン等のようなアミノ酸との塩を含んでなる。
これまでに使用したような付加塩という用語には、式(I)の化合物ならびにその塩が形成することができる溶媒和物も含んでなる。そのような溶媒和物は、例えば水和物、アルコラート等である。
これまで本明細書で使用した用語「四級アミン」は、式(I)の化合物が、式(I)の化合物の塩基性窒素と、例えば場合により置換されてもよいアルキルハライド、アリールハライドまたはアリールアルキルハライド、例えばメチルヨージドもしくはベンジルヨージドのような適切な四級化剤との間の反応により形成することができる四級アンモニウム塩と定義する。アルキルトリフルオロメタンスルホネート、アルキルメタンスルホネートおよびアルキルp−トルエンスルホネートのような良好な脱離基を有する他の反応物も使用することができる。四級アミンは正に荷電した窒素を有する。製薬学的に許容され得る対イオンには、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロアセテートおよびアセテートを含む。選択した対イオンは、イオン交換樹脂を使用して導入することができる。
本化合物のN−オキシド形は、1または幾つかの窒素原子がいわゆるN−オキシドに酸化された式(I)の化合物を含んでなることを意味する。
式(I)の化合物は金属結合、錯化、錯体形成特性を有することができ、したがって金属錯体または金属キレートとして存在することができると考えられる。そのような式(I)の化合物の金属化誘導体は、本発明の範囲内に含まれることを意図している。
式(I)の化合物の中にはそれらの互変異性体形で存在することができるものもある。上記式では具体的に示さないが、そのような形態も本発明の範囲内に含まれることを意図する。
上で言及したように、式(I)の化合物は幾つかの不斉中心を有する。これらの各不斉中心をさらに効果的に示すために、以下の構造式で示すような番号付けを使用する。
Figure 2009502883
不斉中心は大環の1、4および6位ならびに5員環の炭素原子3’、R置換基がC1−6アルキルである場合の炭素原子2’、およびXがCHである場合の炭素原子1’に存在する。これら各不斉中心は、それらのRまたはSの立体配座で存在することができる。
1位の立体化学は好ましくはL−アミノ酸、すなわちL−プロリンの立体配座の立体化学に対応する。
XがCHである場合、シクロペンタン環の1’および5’位で置換される2つのカルボニル基は、好ましくはトランスの立体配座である。5’位のカルボニル置換基は、好ましくはL−プロリンの立体配座に対応する立体配座である。1’および5’位で置換されるカルボニル基は好ましくは、式(I−a)に従う構造で以下に表される。
Figure 2009502883
式(I)の化合物は、以下の構造的断片で表されるシクロプロピル基を含む:
Figure 2009502883
式中、Cは7位の炭素を表し、そして4および6位の炭素はシクロプロパン環の不斉炭素原子である。
式(I)の化合物の他の区分で可能な他の不斉中心にもかかわらず、これら2つの不斉中心の存在は、化合物が式(I)の化合物のジアステレオマー(式中、7位の炭素は以下に示すようにカルボニルに対してシンたはアミドに対してシンのいずれかに配置される)のようなジアステレオマーの混合物として存在できることを意味する。
Figure 2009502883
1つの態様は、7位の炭素がカルボニルに対してシンに配置された式(I)の化合物こ関する。別の態様は、4位の炭素の立体配座がRである式(I)の化合物に関する。式(I)の化合物の具体的なサブグループは、7位の炭素がカルボニルに対してシンに配置され、そして4位の炭素の立体配座がRであるものである。
式(I)の化合物はプロリン残基(XがNである場合)またはシクロペンチルもしくはシクロペンテニル残基(XがCHまたはCである場合)を含むことができる。好適であるのは、1位(または5’)の置換基および置換基−L−R(3’位で)がトランスの立体配座である式(I)の化合物である。中でも特に興味深いのは、1位がL−プロリンに対応する立体配座を有し、そして−L−R置換基が1位に対してトランスの立体配座である式(I)の化合物である。好ましくは式(I)の化合物は以下に表す式(I−b)の構造で示されるような立体化学を有する:
Figure 2009502883
本発明の1つの態様は、式(I)の化合物、または式(I−a)、(I−b)の化合物、または式(I)の化合物の任意のサブグループに関し、ここで1もしくは複数の以下の条件を適用する:
(a)Rが水素であり;
(b)Xが窒素であり;
(c)Lが−O−であり;
(d)二重結合が炭素原子7と8との間に存在する。
本発明の1つの態様は、式(I)の化合物、または式(I−a)、(I−b)の化合物、または式(I)の化合物の任意のサブグループに関し、ここで1もしくは複数の以下の条件を適用する:
(a)Rが水素であり;
(b)XがCHであり;
(c)Lが−O−であり;
(d)二重結合が炭素原子7と8との間に存在する。
式(I)の化合物の特定のサブグループは、以下の構造式により表されるものである:
Figure 2009502883
式(I−c)または(I−d)の化合物の中で、式(I−a)および(I−d)の化合物の立体化学的配座を有するものが特に興味深い。
式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの炭素原子7と8との間の二重結合は、シスまたはトランスの立体配座であることができる。好ましくは炭素原子7と8との間の二重結合は、式(I−c)および(I−d)で表されるようなシスの立体配座である。
炭素原子1’と2’との間の二重結合が、以下の式(I−e)に表されるように式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループに存在してよい。
Figure 2009502883
式(I)の化合物のさらに別の特定のサブグループは、以下の構造式により表されるものである:
Figure 2009502883
式(I−f)、(I−g)または(I−h)の化合物の中で、式(I−a)および(I−b)の化合物の立体化学的配座を有するものが特に興味深い。
(I−a)、(I−b)、(I−c)、(I−d)、(I−e)、(I−f)、(I−g)および(I−h)において、適用できる場合には、L、X、n、R、RおよびRは本明細書で特定する式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義で特定した通りである。
式(I−a)、(I−b)、(I−c)、(I−d)、(I−e)、(I−f)、(I−g)または(I−h)の化合物の上記に定義したサブグループ、ならびに本明細書に定義する任意の他のサブグループは、そのような化合物のN−オキシド、付加塩、四級アミン、金属錯体および立体化学的異性体も含んでなることを意味すると考えられる。
nが2である場合、“n”により括弧でくくられた部分−CH−は、式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループにおいてエタンジイルに対応する。nが3である場合、“n”により括弧でくくられた部分−CH−は、式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループにおいてプロパンジイルに対応する。nが4である場合、“n”により括弧でくくられた部分−CH−は、式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループにおいてブタンジイルに対応する。nが5である場合、“n”により括弧でくくられた部分−CH−は、式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループにおいてペンタンジイルに対応する。nが6である場合、“n”により括弧でくくられた部分−CH−は、式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループにおいてヘキサンジイルに対応する。式(I)の化合物の特定のサブグループは、nが4または5であるそれら化合物である。
式(I)の化合物のさらなるサブグループは、本明細書に特定するそれら式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループであり、式中、Rがフェニル、ナフチル、ピリジル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ピリミジニル、[1,8]ナフチリジニル、インドリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニルであり;すべて場合により式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義においてRとの関連で挙げたものから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されてもよい。
式(I)の化合物の他のサブグループは、本明細書に特定するそれら式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループであり、式中、
(a)Rはフェニル、ナフチル(ナフタ−1−イルまたはナフタ−2−イルのような)、キノリニル(特にキノリン−4−イル)、イソキノリニル(特にイソキノリン−1−イル)、キナゾリニル(特にキナゾリン−4−イル)、ピリジル(特に3−ピリジル)、ピリミジニル(特にピリミジン−4−イル)、ピリダジニル(特にピリダジン−3−イルおよびピリダジン−2−イル)、[1,8]ナフチリジニル(特に[1,8]ナフチリジン−4−イル)である;
(a)(b)Rがトリアゾリル(特にトリアゾ−ル−1−イル、トリアゾ−ル−2−イル)、テトラゾリル(特にテトラゾール−1−イル、テトラゾール−2−イル)、6−オキソ−ピリダジン−1−イル、ピラゾリル(特にピラゾール−1−イル)またはイミダゾリル(特にイミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル)である;
(c)R
Figure 2009502883
から選択される複素環であり、そしてここで上記の各R基は場合により式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義においてRとの関連で挙げたものから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されることができる。
本発明の態様は、式中、Lが直接結合、−O−、−OC(=O)−,または−OC(=O)NR4a−であるか、あるいは特にLが−OC(=O)NH−または−O−であるか、あるいはさらに特別にLが−O−である式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
好ましくはLが−O−であり、そしてRが(a)で上に特定した通りである。好ましくはLが直接結合であり、そしてRが(b)で上に特定した通りである。好ましくはLが二価の基−OC(=O)−であり、そしてRが上に特定した通りである。
本発明の態様は、式中、Lが−O−であり、Rがキノリニル(特にキノリン−4−イル)、)、イソキノリニル(特にイソキノリン−1−イル)、キナゾリニル(特にキナゾリン−4−イル)、またはピリミジニル(特にピリミジン−4−イル)であり、このいずれも独立して、場合によりC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ニトロ、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、−NR4a4b、−C(=O)NR4a4b、C3−7シクロアルキル、アリール、Het、−C(=O)OHまたは−C(=O)OR5aでモノ、ジまたはトリ置換されてもよく;ここでアリールまたはHetはそれぞれ独立して場合により、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(例えば4−メチルピペラジニル)、チオモルホリニルまたはモルホリニルで置換されてもよく;そしてここでモルホリニル、チオモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC−Cアルキル基で置換されることができる式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の態様は、式中、Lが−O−であり、そしてRがキノリニル(特にキノリン−4−イル)、イソキノリニル(特にイソキノリン−1−イル)、キナゾリニル(特にキナゾリン−4−イル)、またはピリミジニル(特にピリミジン−4−イル)であり、このいずれも独立して、場合によりメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、−NR
4b、−C(=O)NR4a4b、フェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、ハロフェニル、ピリジル、C1−4アルキルピリジル、ピリミジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、C1−4アルキルピペラジニル、ピロリジニル、ピラゾリル、C1−6アルキル−ピラゾリル、チアゾリル、C1−6アルキルチアゾリル、シクロプロピルチアゾリル、またはモノもしくはジC1−6アルキル−アミノチアゾリルでモノ、ジまたはトリ置換されてもよく;そしてここでモルホリニル、チオモルホリニルおよびピペリジニル基は、場合により1もしくは2個のC−Cアルキル(特に1もしくは2個のメチル)基で置換されることができる式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の態様は、式中、Rが場合により式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義において特定するRの単環式もしくは二環式環系上の可能な置換基として挙げたものから選択される1、2、3もしくは4(または1、2もしくは3)個の置換基で置換されてもよいキノリニルである式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の具体的態様は、式中、R
(d−1)式
Figure 2009502883
の基
(d−2)式
Figure 2009502883
の基
(d−3)式
Figure 2009502883
の基
(d−4)式
Figure 2009502883
の基
あるいは特に(d−4−a)式
Figure 2009502883
の基
(d−5)式
Figure 2009502883
あるいは特に(d−5−a)式
Figure 2009502883
の基である式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループであり、
式中、基(d−1)〜(d−5)、ならびに(d−4−a)および(d−5−a)において:
各R1a、R1b、R1b’、R1d、R1d’、R1e、R1fは、独立して式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義において特定するRの単環式もしくは二環式環系上の可能な置換基として挙げたものから選択される任意の置換基であり;
あるいは特に、式中、基(d−1)〜(d−5)、ならびに(d−4−a)および(d−5−a)において:
1bおよびR1b’は独立して水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−NR4a4b(特にアミノまたはモノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ)、−C(=O)NR4a4b、(特にアミノカルボニルまたはモノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル)、ニトロ、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、−C(=O)OHまたは−C(=O)OR5a(特に式中、R5aがC1−6アルキルである)であることができ;
式中、上で、またはこれから挙げる各R4a、R4b、R5aは独立して、式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義で定める通りであり;
あるいは特に、式中、基(d−1)〜(d−5)、ならびに(d−4−a)および(d−5−a)において:
1aは水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、モノC1−6アルキルアミノ、アミノ、C3−7シクロアルキル、アリールまたはHetであり;
さらに具体的にはR1aはC1−6アルコキシ、アリールまたはHetであり;中でも興味深いのは、式中、R1aがメトキシ、エトキシ、プロポキシ、フェニル、ピリジル、
チアゾリル、ピラゾリルである態様であり、各々が式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義で特定するように置換され;具体的態様では、該アリールまたはHetは各々独立して場合により、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニルで置換されてもよく;そしてここで、モルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができ;そして特にR1aは基Hetであることができ;ここでHetはピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニルを含むことができ;そしてここでモルホリニル、チオモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができる;
本発明の態様は、式中、R1aが基
Figure 2009502883
であるか、あるいは特に式中、R1aが:
Figure 2009502883
よりなる群から選択される式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループであり、式中、可能な場合、窒素はR1c置換基または分子の残りへの結合を持つことができ;各R1cは、式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義で特定するようなRの単環式または二環式環系上の可能な置換基として挙げたものの中から選択されることができるR置換基であり;
具体的には各R1cは水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ポリハロC1−6アルキル(特にトリフルオロメチル)、−NR4a4b(特にアミノまたはモノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ)、−C(=O)NR4a4b、(特にアミノカルボニルまたはモノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル)、ニトロ、ヒドロキシ、−C(=O)OHまたは−C(=O)OR5a(特に式中、R5aがC1−6アルキルである)、フェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(特に4−メチルピペラジニル)であることができ;そしてここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができ;
さらに具体的には、各R1cは水素、ハロ、C1−6アルキル、アミノ、またはモノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニルであることができ;そしてここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換さ
れることができ;そしてフェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル基は場合により、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノから各々独立して選択される1、2もしくは3個の(特に1もしくは2個の)置換基で置換されることができ;
さらに具体的には、各R1cは水素、ハロ、C1−6アルキル、アミノ、またはモノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニルであることができ;そしてここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができ;
そしてR1cが窒素原子上で置換される場合、置換基は好ましくは炭素原子またはその炭素原子の1つを介して窒素に結合される炭素含有の置換基であり;
具体的には各R1dおよびR1d’は独立して水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロであることができるか:
あるいはさらに具体的には(d−3)中の各R1dは水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロであることができ;
具体的にはR1eは水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(特に4−メチルピペラジニル)であることができ;そしてここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができ;
好ましくは各R1bはC1−6アルコキシ、より好ましくはメトキシであり;
具体的にはR1fは水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(特に4−メチルピペラジニル)またはモルホリニルであることができる。
本発明の具体的態様は、式中、Rが7−メトキシ−2−フェニル−キノリン−4−イルであり、そしてLが−O−である式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の態様は、式中、R
(e)場合により式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義で特定するようなRの単環式または二環式環系上の可能な置換基として挙げたものの中から選択される1、2、3もしくは4(または1、2もしくは3)個の置換基で置換されてもよいイソキノリニル(特に1−イソキノリニル)である、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
具体的なそのような態様は、式中、R
(e−1)式
Figure 2009502883
の基であるか、あるいは特に(e−1−a)式
Figure 2009502883
の基であるものであり、式中、
9a、R9b、R9cは互いに独立して、式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義で特定するようなRの単環式または二環式環系上の可能な置換基として挙げたものの中から選択される任意の置換基であり;特に
9aは上で特定したR1aと同じ意味を有し:特にこれはアリールまたはHetであることができ、そのいずれも場合により式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義で特定するようなアリールまたはHetの置換基として挙げた任意の基で置換されてもよく(置換基の数も含む);具体的には該アリールまたはHetは、1、2もしくは3(特に1)個の基または基R10で置換されることができ;ここで該R10は上記で定義するような式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義で特定するようなアリールまたはHetの置換基として挙げた任意の基であり;すなわち特にR10は水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル、場合によりC1−6アルキルでモノもしくはジ置換されてもよいアミノ、またはアミノカルボニルまたはモノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニルであり;ここでまたHetは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(例えば4−メチルピペラジニル)またはモルホリニルを含み;そしてここでモルホリニルまたはピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができ;そしてフェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル基は場合によりC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノから各々独立して選択される1、2もしくは3(特に1もしくは2)個の(置換基で置換されることができ;
9bは上で特定したようなR1bと同じ意味を有することができ;特にこれは水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、Het、ハロ(例えばブロモ、クロロまたはフルオロ)であることができ;
9cは上で特定したようなR1cと同じ意味を有することができ;特にこれは水素またはC1−6アルコキシであることができる。
特に、(e−1)または(e−1−a)で特定するイソキノリニル基のR9aには、フェニル、ピリジル、チアゾリル、オキサゾリルまたはピラゾリルを含み、そのいずれも場合により上記定義のR10で置換されてもよく、特に場合により水素、C1−6アルキル(例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル)、アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(例えば4−メチルピペラジニル)、またはモルホリニル、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、アミノカルボニル、またはモノもしくはジC1−6アルキルアミノカルボニルであることができるR10で置換されてもよく;そしてここでモルホリニルおよびピペリジニル基は、場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができる。
好ましくは(e−1)または(e−1−a)で特定するイソキノリニル基のR9aには
、上で特定した任意の基(q)、(q’)、(q’−1)、(q−1)、(q−2)、(q−3)、(q−4)、ならびに
Figure 2009502883
を含み、ここで各R10は、式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義で特定されるようなHetの置換基として挙げた任意の基であるか;あるいは特にR10は上記定義の通りであり;特にR10は水素、C1−6アルキル(例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル)、アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキル−ピペラジニル(例えば4−メチルピペラジニル)、モルホリニル、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、アミノカルボニル、またはモノもしくはジC1−6アルキルアミノカルボニルであり;そしてここでモルホリンおよびピペリジンは、場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができる。
また好ましくは(e−1)または(e−1−a)で特定するイソキノリニル基のR9aには:
Figure 2009502883
を含み、ここで各R10は上記定義の通りであり、そして特に水素、ハロ、C1−6アルキル(例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル)、アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(例えば4−メチルピペラジニル)、モルホリニル、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、アミノカルボニル、またはモノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニルであり;そしてここでモルホリニルおよびピペリジニル基は、場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができる。
(e−2)で特定するイソキノリニル基のR9bは、水素、C1−6アルキル、ハロ(例えばブロモ、クロロまたはフルオロ)、特に水素またはブロモであることができる。
(e−2)で特定するイソキノリニル基のR9bは、水素またはC1−6アルコキシ(例えばメトキシ)であることができる。
本発明の態様は、式中、Rが:
Figure 2009502883
であり、
式中、R9bが水素またはハロ(例えばブロモ)であり、そしてR9cが水素またはC1−6アルコキシ(例えばメトキシ)である式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の態様は、式中、Rが:
Figure 2009502883
であり、式中、R9aが式(I)の化合物の任意の群またはサブグループであり;そしてR9bが水素、ハロまたはトリフルオロメチルである式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明のさらに好適な態様は、式中、Rが:
Figure 2009502883
であり、式中、R9aがメトキシ、エトキシまたはプロポキシであり;そして
9bが水素、フルオロ、ブロモ、クロロ、ヨード、メチル、エチル、プロピルまたはトリフルオロメチルである式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明のさらなる態様は、式中、Rが:
Figure 2009502883
であり、式中、R9bが水素、ハロまたはトリフルオロメチルである式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の態様は、式中、R
(f)場合により式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義で特定されるようなRの単環式もしくは二環式環系上の可能な置換基として挙げたものから選択される1、2、3もしくは4(または1、2もしくは3)個の置換基で置換されてもよいキナゾリニル(特にキナゾリン−4−イル)である式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
のキナゾリンの態様には
(f−1)
Figure 2009502883
の基、あるいは特に
(f−1−a)
Figure 2009502883
の基を含み、ここで
9a、R9bおよびR9cは、イソキノリニルであるRと関連して上に述べた意味を有する(基(e−1)、(e−1−a)等のような)。
ここで具体的にはR9aはC3−7シクロアルキル、アリールまたはHetであり、それらのいずれも場合により1、2もしくは3(特に1)個のR10で置換されてもよく;ここで
10は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−メチルピペラジニル、チオモルホリニルまたはモルホリニル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニルであり;ここでピペリジニル、モルホリニルは場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができ;そしてフェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル基は場合により、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノから各々独立して選択される(特にC1−6アルキルから選択される)1、2もしくは3(特に1もしくは2)個の置換基で置換されることができ;
9bは水素、ハロゲン、C1−6アルキル(好ましくはメチル)、C3−7シクロアルキル、アリール、Het、ハロ(特にブロモ、クロロまたはフルオロ)であり;
9cは水素またはC1−6アルコキシである。
キナゾリンに関してR9aの好適な態様には、アリールまたはHetを含み、特にここでR9aはフェニル、ピリジル、チアゾリル、オキサゾリルまたはピラゾリルであり、そのいずれも場合により定義するような1、2もしくは3個(特に1個)のR10で置換されてよい。
キナゾリンに関してR10の態様には、水素、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、ハロ(ジフルオロのようなジハロを含む)、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、C1−6アルキルピペラジニル(例えば4−メチルピペラジニル)またはモルホリニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(例えば4−メチルピペラジニル)、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、アミノカルボニル、モノまたはジC1−6アルキルアミノ−カルボニル、またはC3−7シクロアルキル(特にシクロプロピル)を含む。
好ましくは(f−1)または(f−1−a)で特定したキナゾリル基のR9aには、上記に特定した任意の基(q)、(q’)、(q’−1)、(q−1)、(q−2)、(q−3)、(q−4)、(q−5)、(q−6)、(q−7)、(q−8)を含み;
ここでこれらの基におけるR10は上記定義の通りであるか、または特に水素、C1−6アルキル(メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルのような)、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル、N−メチルピペラジニルまたはモルホリニル、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノまたはアミノカルボニル、モノまたはジC1−6アルキルアミノ−カルボニルである。
キナゾリンに関してR9aには
Figure 2009502883
を含むことができ、ここでR10は水素、ハロゲン、C1−6アルキル(メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルのような、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルアミド、モルホリニルまたはピペリジン−1−イルであり、モルホリニルおよびピペリジニルは場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されてもよい。
さらにキナゾリンに関するR9aの態様には、水素、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、飽和の単環式アミノ、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノまたはアミノカルボニル、モノ−およびジC1−6アルキルアミノカルボニルまたはハロ(特にフルオロ)であるような1もしくは2個のR10基で置換されたフェニルを含む。
キナゾリンに関するR9bの態様には、水素、C1−6アルキル(特にメチル)、ハロ(例えばブロモ、クロロまたはフルオロ)を含み、特にここでR9bが水素またはブロモである。
キナゾリンに関するR9cの態様には、水素またはC1−6アルコキシ(特にメトキシ)を含む。
式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの具体的態様は、式中、Rが:
Figure 2009502883
であり、式中、R10およびR9cが上記に特定した通りであり、そして特にR9cが水素またはC1−6アルコキシ(例えばメトキシ)であるものである。
本発明の態様は、Rが:
Figure 2009502883
であり、式中、R9aが式(I)の化合物の任意の群またはサブグループで定めた通りであり、好ましくはR9aがp−メトキシフェニルまたはp−フルオロメチルであり;そしてR9bが水素、メチル、ハロまたはトリフルオロメチルである式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明のさらに好適な態様は、式中、Rが:
Figure 2009502883
であり、式中、R9aがメトキシ、エトキシまたはプロポキシであり;そして
9bが水素、フルオロ、ブロモ、クロロ、ヨード、メチル、エチル、プロピルまたはトリフルオロメチルである式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明のさらなる態様は、式中、Rが:
Figure 2009502883
であり、式中、R9bが水素、ハロまたはトリフルオロメチルである式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
が上で特定したような基(d−1)〜(d−5)、(e−1)〜(e−3)、(f−1)〜(f−3)、(g−1)〜(g−2)である態様の化合物のサブグループの中で好適であるのは、Lが−O−であるこれらサブグループの中のそれら化合物である。
本発明の態様は、Lが直接結合であり、そしてRが1H−ピロール、1H−イミダゾール、1H−ピラゾール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、キノリン、シンノリン、1H−ピロロ[2,3]−b]ピリジン、1H−インドール、1H−ベンゾイミダゾール、1H−インダゾール、7H−プリン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、1H−イミダゾ−[4,5−c]ピリジン、1H−イミダゾ−[4,5−b]ピリジン、1,3−ジヒドロ−ベンズイミダゾール−2−オン、1,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−チオン、2,3−ジヒドロ−1H−インドール、1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン、1H−インドール−2,3−ジオン、1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン、ベンゾフラン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[d]イソキサゾール、ベンゾ[d]イソチアゾール、1H−キノリン−2−オン、1H−キノリン−4−オン、1H−キナゾリン−4−オン、9H−カルバゾールおよび1H−キナゾリン−2−オンよりなる群から選択され、各々が場合により式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義で特定されたRの置換基で置換されてもよい式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
さらに本発明の態様は、Lが直接結合であり、そしてRがピロリジン、4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール、ピラゾリジン、イミダゾリジン−2−オン、ピロリジン−2−オン、ピロリジン−2,5−ジオン、ピペリジン−2,6−ジオン、ピペリジン−2−オン、ピペラジン−2,6−ジオン、ピペラジン−2−オン、ピペラジン、モルホリン、ピラゾリジン−3−オン、イミダゾリジン−2,4−ジオン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンおよび1,2,3,6−テトラヒドロピリジンよりなる群から選択され、各々が場合により式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義で特定されたRの置換基で置換されてもよい式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の態様は、Lが直接結合であり、そしてRが以下に表すような場合により置換されてもよいテトラゾリルであり:
Figure 2009502883
式中、R1gは水素、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、−NR4a4b、−C(=O)R、−SO、C3−7シクロアルキル、アリール、Het、または場合によりC3−7シクロアルキル、アリール、Hetで置換されてもよいC1−6アルキルであり;
1hは水素、−NR4a4b、C3−7シクロアルキル、アリール、Het、または場合によりC3−7シクロアルキル、アリールまたはHetで置換されてもよいC1−6アルキルであり;そして
4a、R4b、RおよびRは上記定義の通りである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の態様は、Lが直接結合であり、そしてRが以下に表すような場合により置換されてもよいトリアゾリルであり:
Figure 2009502883
式中、R1iおよびR1jは各々独立して、水素、ハロ、−C(=O)NR4a4b、−C(=O)R、C3−7シクロアルキル、アリール、Het、および場合により−NR4a4bまたはアリールで置換されてもよいC1−6アルキルであるか;あるいはR1iおよびR1jはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、アリールおよびHetよりなる群から選択される環式部分を形成することができる、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
Lが直接結合である場合のRに関するさらに好適な置換基には、以下に示すピリダジノンおよびその誘導体:
Figure 2009502883
を含み、ここでR1k、R1lおよびR1mは独立して、水素、アジド、ハロ、C−Cアルキル、−NR4a4b、C3−7シクロアルキル、アリールおよびHetよりなる群から選択され;あるいはR1kおよびR1lまたはR1lおよびR1mはそれらが結合している炭素原子と一緒になってフェニル部分を形成し、これは次いで場合によりアジド、ハロ、C1−アルキル、−NR4a4b、C3−7シクロアルキル、アリールまたはHetで置換されることができる。
本発明の態様は、式中、Lが−O−(C=O)−NR5a−であるか、または特にLが−O−(C=O)−NH−であり、そしてRが上記定義のようなアリールであるか;あるいはRが、場合により式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループの定義のような基アリールの可能な置換基として述べたものから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されてもよいフェニルであり;具体的にはRは式:
Figure 2009502883
の基であり、式中、
9eは水素、C1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルまたはハロであり;
9fは−COOH−、−C(=O)OR6a、ハロ、Hetまたはアリールであり;ここでHetおよびアリールは本明細書に定義する通りであり、そして
6aはHまたはC1−6アルキルであり、好ましくはR6aはメチルまたはエチルである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
特にR9eは水素、フッ素またはトリフルオロメチルであることができる。
特にR9fは−COOC1−6アルキル(例えば、−C(=O)OEt)、フェニル、チアゾリル、1−ピペリジニルまたは1−ピラゾリルであることができ、フェニル、ピペリジニルおよびピラゾリル基は場合によりC1−6アルキル、特にメチルで置換されてもよい。
本発明の他の態様は、式中、Lが−O−(C=O)−NR5a−であるか、または特に
式中、Lが−O−(C=O)−NHであり、そしてRが式:
Figure 2009502883
の基であり、式中、R10およびR11は互いに独立して水素、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、アミノ、アジド、メルカプト、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、アリールまたはHetであり;特にR10およびR11は互いに独立して水素、ハロ、ニトロ、カルボキシル、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、イソプロピルカルボニル、t−ブチル−カルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、t−ブチルチオ、トリフルオロメチルまたはシアノであり;
WはアリールまたはHetであるか、あるいはWは−COOHまたは−COOR6aであり、ここでR6aはC1−6アルキル、好ましくはメチルまたはエチルである式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
式(I)の化合物の他のサブグループは、式中、Wがフェニル、ナフチル(特にナフト−1−イルまたはナフト−2−イル)、ピロリル(特にピロール−1−イル)、ピリジル(特に3−ピリジル)、ピリミジニル(特にピリミジン−4−イル)、ピリダジニル(特にピリダジン−3−イルおよびピリダジン−2−イル)、6−オキソ−ピリダジン−1−イル、トリアゾリル(特に1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、さらに特別には1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル)、テトラゾリル(特にテトラゾール−1−イル、テトラゾール−2−イル)、ピラゾリル(特にピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル)、イミダゾリル(特にイミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル)、チアゾリル(特にチアゾール−2−イル)、ピロリジニル(特にピロリジン−1−イル)、ピペリジニル(特にピペリジン−1−イル)、ピペラジニル(特に1−ピペラジニル)、4−C1−6アルキルピペラジニル(特に4−C1−6アルキルピペラジン−1−イル、さらに特別には4−メチル−ピペラジン−1−イル)、フラニル(特にフラン−2−イル)、チエニル(特にチエン−3−イル)、モルホリニル(特にモルホリン−4−イル)であり;すべてが場合によりC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルまたはC1−6アルコキシカルボニルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されてもよい、本明細書に特定する式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
特にWはフェニル、ナフト−1−イル、ナフト−2−イル、ピロール−1−イル、3−ピリジル、ピリミジン−4−イル、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−2−イル、6−オキソ−ピリダジン−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−2−イル、ピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、イミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、フラン−2−イル、チエン−3−イル、モルホリン−4−イルであることができ;すべてが場合によりC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル(トリフルオロメチルのような)およびC1−6アルコキシカルボニルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されてもよい。
さらに式(I)の化合物のサブグループは、Wがメチル、エチル、イソプロピルまたはtert−ブチルのような1もしくは2個のC1−6アルキルで置換されたチアゾール−2−イルである本明細書に特定する式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。式(I)の化合物の好適なサブグループは、Wが以下の構造:
Figure 2009502883
から選択される本明細書に特定するそれら式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の態様は、R10およびR11が互いに独立して水素、ハロ、ニトロ、カルボキシル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、シアノ、アリールまたはHetである式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の態様は、R10およびR11が互いに独立して水素、ハロ、ニトロ、カルボキシル、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、イソプロピルカルボニル、tert−ブチル−カルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、tert−ブチルチオ、トリフルオロメチルまたはシアノである式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の好適な態様は、R10およびR11の1つが水素である式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の好適な態様は、R10およびR11の1つがハロ(特にフルオロ)、トリフルオロメチルまたはC1−6アルキル(特にメチル)である式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。他の好適な態様は、R10およびR11の1つがハロ(特にフルオロ)、トリフルオロメチルまたはメチルであり、そしてR10およびR11の他方が水素であるものである。
本発明の好適な態様は、R10およびR11の1つがW基に関してパラ位である式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。さらに好適な態様は、R10およびR11の1つがハロ(特にフルオロ)、トリフルオロメチルまたはメチルであり、そしてW基に関してパラ位であり;R10およびR11の他方が上記定義の通りであることができ、または水素であることができる式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の態様は、式中、
(a)Rが−NHR4cであり、特に式中、R4cがC1−6アルキル、アリール、Het、C1−6アルコキシ、−O−アリールまたは−O−Hetであり;
(b)Rが−ORであり、特に式中、Rがメチル、エチルまたはtert−ブチルのようなC1−6アルキルであり、そして好ましくは式中、Rが水素であり;
(c)Rが−NHS(=O)であり、特に式中、RがC1−6アルキル、場合によりC1−6アルキルで置換されてもよいC3−7シクロアルキル、またはアリールであり、例えば式中、Rはメチル、シクロプロピル、メチルシクロプロピルまたはフェニルであり;
(d)Rが−CO(=O)OR、−C(=O)R、−C(=O)NR4a4bまたは−C(=O)NHR4cであり、式中、R4a、R4b、R4c、RまたはRは上記定義の通りであり、そしてRは好ましくは−C(=O)NHR4cであり、ここでR4cはシクロプロピルであり;
(e)Rが−NHS(=O)NR4a4bであり、特に式中、R4aおよびR4bは互いに独立して、水素、C3−7シクロアルキルまたはC1−6アルキル、例えばNHS(=O)N(C1−3アルキル)である、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
さらに本発明の態様は、式中、Rが−NHR4cであり、そしてR4c
Figure 2009502883
から選択されるHet基である式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明のさらなる態様は、Rが−NHR4cであり、そしてR4cが−C(=O)ORで置換されたC1−6アルキルである式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明のさらなる態様は、式中、
(a)Rが水素であり;
(b)RがC1−6アルキル、好ましくはメチルである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
本発明の態様は、式中、
(a)XがN、C(Xは二重結合を介して結合されている)またはCH(Xは単結合を介して結合されている)であり、そしてRが水素であり;
(b)XがC(Xは二重結合を介して結合されている)であり、そしてRがC1−6アルキル、好ましくはメチルである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の任意のサブグループである。
式(I)の化合物は、それぞれが曲線により限定される3つの基礎単位(building block)P1、P2、P3からなる。基礎単位P1はさらにP1’テイル(tail)を含む。基礎単位P1とP2との結合、および場合によりP1とP1’との結合にはアミド結合の形成が関与する。基礎単位P3とP2との結合には、P2がピロリジン環である場合にはアシル化が関与する。単位P1とP3との結合には二重結合の形成が関与する。式(I)の化合物を製造するための基礎単位P1、P1’、P2およびP3の結合は、任意の所定の配列で行うことができる。この工程の1つには環化が関与し、これにより大環が形成される。式(I−j)の化合物は、式(I−i)の化合物から二重結合の還元、例えばRh、PdまたはPtのような貴金属触媒の存在下で水素を用いた還元により製造することができる。
Figure 2009502883
これから記載する合成手順は、ラセミ体、立体化学的に純粋な中間体または最終生成物、または任意の立体異性体混合物にも応用可能であることを意味する。ラセミ体または立体化学混合物は、合成手順の任意の段階で立体異性体に分離することができる。1つの態様では、中間体および最終生成物は式(I−b)の化合物において上に特定する立体化学を有する。
一態様では化合物(I−i)は、最初にP2とP1との間にアミド結合を形成し、P3部分をP2にカップリングし、そして引き続きP3とP1との間の二重結合結合を形成すると同時に大環に環化することにより製造される。
好適な態様では、CとCとの間の結合が二重結合であり、上記定義のような式(I−i)の化合物である化合物(I)は、以下の反応スキームに概略するように製造することができる:
Figure 2009502883
大環の形成は、Miller,S.J.,Blackwell,H.E.,Grubbs,R.H.J.Am.Chem.Soc.118,(1996),9606−9614;Kingsbury,J.S.,Harrity,J.P.A.,Bonitatebus,P.J.,Hoveyda,A.H.,J.Am.Chem.Soc.121(1999),791−799;およびHuang et al.,J.Am.Chem.Sco.121,(1999),2674−2678により報告されているような例えばRu−基材触媒のような適切な金属触媒の存在下、オレフィン複分解反応を介して行うことができる;例えばHoveyda−Grubbs触媒。
ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)−3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン ルテニウムクロライド(NeolystM1(商標))またはビス(トリシクロヘキシルホスフィン)−[(フェニルチオ)メチレン]ルテニウム(IV)ジクロライドのような空気中で安定なルテニウム触媒を使用することができる。使用することができる他の触媒は、Grubbsの第1および第2世代触媒、すなわちそれぞれベンジリデン−ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウムおよび(1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)−(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムである。中でも特に興味深いのは、Hoveyda−Grubbsの第1および第2世代触媒であり、これらはそれぞれジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)−ルテニウム(II)および1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウムである。またMoのような他の遷移金属を含有する他の触媒もこの反応に使用することができる。
複分解反応は、例えばエーテル、例えばTHF、ジオキサン;ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、CHCl、1,2−ジクロロエタン等、炭化水素、例えばトルエンのような適切な溶媒中で行うことができる。好適な態様では、複分解反応は、トルエン中で行われる。これらの反応は高温で窒素雰囲気下にて行われる。
大環のC7とC8との間の結合が単結合である式(I)の化合物、すなわち式(I−j)の化合物は、式(I−i)の化合物から式(I−i)の化合物中のC7−C8二重結合の還元により製造することができる。この還元は、例えばPt、Pd、Rh、Ruまたはラニーニッケルのような貴金属触媒の存在下で、水素を用いた触媒的水素化により行うことができる。中でも興味深いのはアルミナ担持Rhである。水素化反応は好ましくは例えばメタノール、エタノールのようなアルコール、またはTHFのようなエーテル、またはそれらの混合物のような溶媒中で行われる。水をこれらの溶媒または溶媒混合物に加えることもできる。
基は合成の任意の段階で、すなわち本明細書中、上に記載したような環化前または後、あるいは環化および還元の前または後に、P1基礎単位に結合することができる。Rが−NR4a4b、−NHR4c、−NHSONR4a4b、−NR5aSOを表す式(I)の化合物(これらの基は集合的に−NR2−a2−bにより表され、該化合物は式(I−d−1)により表される)は、両部分の間にアミド結合を形成することによりR基をP1に結合することにより製造することができる。同様に、Rが−ORを表す式(I)の化合物(すなわち式(I−d−2)の化合物)は、エステル結合を形成することによりR基をP1に結合することにより製造することができる。1つの態様では、−NR2−a2−bまたは−OR基は、以下のGが基:
Figure 2009502883
Figure 2009502883
を表す反応スキームに概略されるように、化合物(I)の合成の最終段階で導入される。中間体(2a)は、これから記載するアミド結合形成のための任意の手順のようなアミド形成反応によりアミン(2b)とカップリングされ得る。特に、(2a)はカップリング剤、例えばN,N’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、EEDQ、IIDQ、EDCIまたはベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP(商標)として市販されている)を用いて、エーテル、例えばTHFまたはハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンのような溶媒中で処理し、続いて所望するアミン(2b)と、好ましくは(2a)をカップリング剤と反応させた後に反応させる。(2a)と(2b)との反応は、好ましくは塩基、例えばトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミンのようなトリアルキルアミン、または1,8−ジアザビサイクル[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)の存在下で行われる。中間体(2a)は活性化形、例えば一般式G−CO−Zの活性化形(式中、Zはハロを表すか、または活性エステルの残りを表し、例えばZはフェノキシ、p.ニトロフェノキシ、ペンタフルオロフェノキシ、トリクロロフェノキシ、ペンタクロロフェノキシ等のようなアリールオキシ基であるか;あるいはZは混合無水物の残りであることができる)に転換することもできる。1つの態様では、G−CO−Zは酸クロライド(G−CO−Cl)または混合酸無水物(G−CO−O−CO−RまたはG−CO−O−CO−OR、後者のRは例えばメチル、エチル、プロピル、i.プロピル、ブチル、t.ブチル、i.ブチルまたはべンジルのようなC1−4アルキルである)である。活性化形G−CO−Zは所望の(2b)と反応させる。
上の反応に記載したような(2a)中のカルボン酸の活性化は、式
Figure 2009502883
のアザラクトン中間体への内部の環化反応を導くことができ、式中、L、R、R、nは上に特定した通りであり、そして式中、立体中心(stereogenic center)は例えば(I−a)または(I−b)のような上に特定する立体化学的配座を有することができる。中間体(2a−1)は常法を使用して反応混合物から単離することができ、そして単離された中間体(2a−1)は次いで(2b)と反応させるか、または(2a−1)を含有する反応混合物を、(2a−1)を単離せずにさらに(2b)と反応させることができる。カップリング剤との反応が水に非混和性の溶媒中で行われる1つの態様では、(2a−1)を含有する反応混合物は、すべての水溶性の副産物を除去するために、水またはわずかに塩基性の水で洗浄することができる。次いでこのようにして得られた洗浄溶液を、さらなる精製工程なしに(2b)と反応させることができる。一方、中間体(2a−1)の単離は、任意のさらなる精製後に単離された生成物を(2b)と反応させて、少ない副産物およびより容易な反応の処理をもたらすことができるという点で特定の利点を提供することができる。
中間体(2a)はエステル形成反応によりアルコール(2c)とカップリングさせることができる。例えば(2a)および(2c)は、一緒に物理的に(例えば共沸混合的な水の除去)、または脱水剤を使用することにより化学的に水の除去反応にかけられる。また中間体(2a)は、上に挙げた活性化形のような活性形G−CO−Zに転換し、そしてひき続きアルコール(2c)と反応させることができる。エステル形成反応は好ましくはアルカリ金属炭酸塩または炭酸水素、例えば炭酸水素ナトリウムもしくはカリウム、またはアミド形成反応に関連して本明細書で挙げるアミンのような三級アミン、特にトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミンのような塩基の存在下で行われる。エステル形成反応に使用することができる溶媒は、THFのようなエーテル;ジクロロメタン、CHClのようなハロゲン化炭化水素:トルエンのような炭化水素;DMF、DMSO、DMAのような極性の非プロトン性溶媒;等の溶媒を含んでなる。
が水素を表す式(I)の化合物、すなわち化合物(I−d−3)は、以下のように
製造することができる。第1にエステル(I−d−2−a)(これはRがC1−4アルキルである式(I−d−2)の中間体である)を、対応するアルコール(3)に、例えばLiAlHまたはNaBHのような水素化金属錯体を用いて還元し、続いて穏やかな酸化剤、例えばMnOを用いた酸化反応に供し、これにより中間体(I−d−3)を得る。
Figure 2009502883
式(I)の化合物は、以下の反応スキームに概略するように中間体(4a)と中間体(4b)〜(4f)との反応により製造することもでき、ここで種々の基は上に特定した意味を有し、そしてC1−4AlkはC1−4アルカンジイルを表す:
Figure 2009502883
(4b)中のYは、ヒドロキシ、またはハライドのような脱離基、例えばブロミドもしくはクロライド、またはアリールスルホニル基、例えばメシラート、トリフラートまたはトシラート等を表す。
1つの態様では、(4a)と(4b)との反応はO−アリール化反応であり、そしてYは脱離基を表す。この反応はE.M.Smith et al.(J.Med.Chem.(1988),31,875−885)により記載されている手順に従い行うことができる。特にこの反応は塩基、好ましくは強塩基の存在下、反応に不活性な溶媒中、例えばアミド結合の形成に挙げた溶媒の1つの中で行われる。
特定の態様では、出発材料(4a)をヒドロキシ基から水素を取り去るために十分に強い塩基、例えばLiHもしくは水素化ナトリウムのようなアルカリ金属水素化物のアルカリ、またはナトリウムもしくはカリウムメトキシドもしくはエトキシド、カリウムtert−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシドの存在下、双極性の非プロトン性溶媒、例えばDMA、DMF等のような反応に不活性な溶媒中で(4b)と反応させる。生じたアルコラートは、Yが上に挙げたような適切な脱離基であるアリール化剤(4b)と反応させる。この種のO−アリール化反応を使用した(4a)の(I)への転換は、ヒドロキシまたは−L−R基を持つ炭素での立体化学的配座を変化させない。
あるいは(4a)と(4b)との反応は、ミツノブ反応(Mitsunobu,1981,Synthesis,January,1−28;Rano et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,22、3779−3792;Krchnak et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,5,6193−6196;Richter et al.,Tetrahedron Lett.,1994,35,27,4705−4706)を介して行うこともできる。この反応は中間体(4a)を、トリフェニルホスフィンおよびジアルキルアゾカルボキシレート、例えばジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)等の活性剤の存在下で、Yがヒドロキシルである(4b)を用いて処理することを含んでなる。ミツノブ反応はヒドロキシまたは−L−R基を持つ炭素での立体化学的配座を変える。
Lがウレタン基(Lは−O−C(=O)−NR5a−である)である式(I)の化合物は、(4a)を(4c)または(4d)とカルボニル導入剤の存在下で反応させることにより製造することができる。後者はカルボニルジイミダゾール(CDI)のようなホスゲンまたはホスゲン誘導体のような試薬を含んでなる。1つの態様では(4a)を、アミン、R−NHまたはH−NR5aとの反応で対応するクロロホルメートを提供するホスゲンと反応させて、カルバメート、すなわちLが−OC(=O)NH−または−OC(=O)NR5a−を提供する。クロロホルメートとアミンとの反応は好ましくはこれから述べるアミド結合の形成について挙げるもの、特に(2a)と(2b)との反応に関連して挙げるものと同じ溶媒および塩基を使用して行う。特別な塩基はアルカリ金属炭酸塩または炭酸水素、例えば炭酸水素ナトリウムもしくはカリウム、またはトリアルキルアミン、例えばリエチルアミンのような三級アミンである。
アルコール(4a)と酸(4e)との反応により、式(4a)のエステル誘導体(すなわちLが−O−C(=O)−である)を得る。エステル形成の標準的手順、特に反応(2a)と(2c)との反応に関連して上に記載した手順を使用することができる。例えばこれらの手順には酸(4e)の、酸無水物もしくは酸ハライド、例えば酸クロライド(R−C(=O)Cl)のような活性形への変換、および活性形とアルコール(4a)との反応を含むことができる。
Lが−O−C1−4アルカンジイル−である式(I)の化合物は、(4f)とのエーテル形成反応により製造することができる。エーテル形成は共沸混合的な水の除去により、または化学的に、例えばWilliamson反応によることができる。
あるいは式(I)の化合物を製造するために、最初に基礎単位P2およびP1間のアミド結合を形成し、次いでP3基礎単位をP1−P2のP1部分にカップリングし、そして続いてP2−P1−P3のP3とP2部分との間にカルバメートまたはエステル結合を形成すると同時に環を閉じる。
さらに別の合成法は、基礎単位P2およびP3間のアミド結合の形成、続いて基礎単位P1のP3−P2中のP3部分へのカップリング、そして最後にP1−P3−P2中のP1とP2との間のアミド結合の形成、それと同時の閉環である。
基礎単位P1およびP3は結合されることができ、そしてこのように形成されたP1−P3単位(block)は、基礎単位P2にカップリングすることができ、そしてこのように形成する配列P1−P2−P3は続いてカルバメートまたはエステルアミド結合を形成することにより環化される。
任意の前記取り組みにおける基礎単位P1およびP3は、例えばこれから記載するオレフィン複分解反応またはWittig型反応により、二重結合の形成を介して結合することができる。所望により、このように形成された二重結合は、(I−i)から(I−j)への転換に関する上記記載に準じて還元することができる。また二重結合は後の段階、すなわち第3の基礎単位を加えた後、または大環の形成後に還元することもできる。基礎単位P2およびP1はアミド結合の形成により結合され、そしてP3およびP2はカルバメートまたはエステルの形成により結合される。
テイルP1’はP1基礎単位に式(I)の化合物の任意の合成段階で結合させることができ、例えば基礎単位P2およびP1のカップリングの前または後;P3基礎単位のP1へのカップリングの前または後;あるいは閉環の前または後。
個々の基礎単位を最初に製造し、そして続いて一緒にカップリングするか、あるいは基礎単位の前駆体を一緒にカップリングし、そして後の段階で所望する分子組成に修飾することができる。
各基礎単位の官能基は、副反応を回避するために保護してもよい。
アミド結合の形成は、ペプチド合成におけるアミノ酸のカップリングに使用されるもののような標準的手法を使用して行うことができる。後者には1つの反応物のカルボキシル基ともう1つの反応物のアミノ基の脱水的カップリングが関与して、結合するアミド結合を形成する。アミド結合の形成は、カップリング剤の存在下で出発材料を反応させることにより、またはカルボキシル官能基を活性エステル、混合無水物またはカルボン酸クロライドまたはブロミドのような活性形に転換することにより行うことができる。そこに使用するようなカップリング反応および試薬の一般的記載は、ペプチド化学に関する一般的教科書、例えばM.Bodanszky,「ペプチド化学(Peptide Chemistry)」、第2版、スプリンガーファラーグ(Springer−Verlag)、ベルリン、ドイツ(1993)に見いだすことができる。
アミド結合形成でのカップリング反応の例には、アジド法、混合炭素−カルボン酸無水物(イソブチルクロロホルメート)法、カルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、またはN−エチル−N’−[(3−ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミドのような水溶性カルボジイミド)法、活性エステル法(例えばp−ニトロフェニル、p−クロロフェニル、トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、N−ヒドロキシ琥珀酸イミド等のエステル)、Woodward試薬K−法、1,1−カルボニルジイミダゾール(CDIまたはN,N’−カルボニル−ジイミダゾール)法、リン試薬または酸化−還元法がある。これらの方法の中には適切な触媒、例えばカルボジイミド法において、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)または4−DMAPを加えることにより強化され得るものもある。さらにカップリング試薬は(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートをそれ自体で、または1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾールまたは4−DMAPの存在下で;あるいは2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラ−メチルウロニウムテトラフルオロボレート、またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラ−メチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートである。これらのカップリング反応は溶液中(液相)または固相中のいずれかで行うことができる。
好適なアミド結合の形成は、N−エチルオキシカルボニル−2−エチルオキシ−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)またはN−イソブチルオキシ−カルボニル−2−イソブ
チルオキシ−1,2−ジヒドロキノリン(IIDQ)を使用して行われる。古典的な無水物の手順とは異なり、EEDQおよびIIDQは塩基も低温反応も必要としない。典型的にはこの手順には有機溶媒(広い種類の溶媒を使用することができる)中、等モル量のカルボキシルおよびアミン成分を反応させることが関与する。次いでEEDQまたはIIDQが過剰で加えられ、そして混合物は室温で撹拌される。
カップリング反応は好ましくはハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、クロロホルム、双極性の非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、DMSO、HMPT、エーテル、例えばテトラヒドロフラン(THF)のような不活性溶媒中で行われる。
多くの場合、カップリング反応は三級アミン、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N−メチル−モルホリン、N−メチルピロリジン、4−DMAPまたは1,8−ジアザビサイクル[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のような適切な塩基の存在下で行われる。反応温度は0℃から50℃の間の範囲でよく、そして反応時間は15分から24時間の間の範囲でよい。
一緒に結合される基礎単位の官能基は、望ましくない結合の形成を回避するために保護されることができる。使用できる適切な保護基は、例えばGreeneの「有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」、ジョン ウィリー&サンズ(John Wiley & Sons)、ニューヨーク(1999)および「ペプチド:分析、合成、生物学(Peptides:Analysis,Synthesis,Biology)」、第3巻、アカデミック出版、ニューヨーク(1987)に列挙されている。
カルボキシル基は、開裂してカルボン酸を与えることができるエステルとして保護されることができる。使用できる保護基には1)メチル、トリメチルシリルおよびtert−ブチルのようなアルキルエステル;2)ベンジルおよび置換ベンジルのようなアリールアルキルエステル;または3)トリクロロエチルおよびフェナシルエステルのような温和な塩基または温和な還元手段により開裂され得るエステル、を含む。
アミノ基は:
1)ホルミル、トリフルオロアセチル、フタリルおよびp−トルエンスルホニルのようなアシル基;
2)ベンジルオキシカルボニル(CbzまたはZ)および置換ベンジルオキシカルボニル、および9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)のような芳香族カルバメート基;
3)tert−ブトキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシ−カルボニルおよびアリルオキシカルボニルのような脂肪族カルバメート基;
4)シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシカルボニルのような環式アルキルカルバメート基;
5)トリフェニルメチル、ベンジルまたは4−メトキシベンジルのような置換ベンジルのようなアルキル基;
6)トリメチルシリルまたはt.Buジメチルシリルのようなトリアルキルシリル;および
7)フェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイルのようなチオール含有基
のような種々のN−保護基により保護されることができる。
興味深いアミノ保護基はBocおよびFmocである。
好ましくはアミノ保護基は、次のカップリング工程前に開裂される。N−保護基の除去は、技術的に知られている手法に従い行うことができる。Boc基が使用される場合、選択法はストレートまたはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸、またはジオキサンもしくは酢酸エチル中のHClである。次いで生じたアンモニウム塩は、カップリング前に中和されるか、または水性バッファーのような塩基性溶液、またはジクロロメタンもしくはアセトニトリルもしくはジメチルホルムアミド中の三級アミンとのカップリング中にその場で中和される。Fmoc基が使用される場合、試薬の選択はジメチルホルムアミド中のピペリジンまたは置換ピペリジンであるが、任意の二級アミンを使用することもできる。脱保護は0℃から室温の間の温度、通常は15〜25℃、または20〜22℃付近で行われる。
基礎単位のカップリング反応に妨害となり得る他の官能基も保護することができる。例えばヒドロキシル基はべンジルもしくは置換ベンジルエーテル、例えば4−メトキシベンジルエーテル、ベンゾイルもしくは置換ベンゾイルエステル、例えば4−ニトロベンゾイルエステルとして保護されることができ、またはトリアルキルシリル基(例えばトリメチルシリルもしくはtert−ブチルジメチルシリル)で保護することができる。
さらにアミノ基は、選択的に開裂することができる保護基により保護され得る。例えばBocがα−アミノ保護基として使用される場合、以下の側鎖保護基が適切である:p−トルエンスルホニル(トシル)部分をさらなるアミノ基を保護するために使用することができる;ベンジル(Bn)エーテルはヒドロキシ基を保護するために使用することができる:そしてベンジルエステルはさらなるカルボキシル基を保護するために使用することができる。あるいはFmocがα−アミノ保護に使用される場合、通常はtert−ブチルに基づく保護基が許容され得る。例えばBocはさらなるアミノ基に使用することができる:ヒドロキシル基のためのtert−ブチルエーテル;およびさらなるカルボキシル基のためのtert−ブチルエステルを使用することができる。
任意の保護基が合成手順の任意の段階で除去することができるが、反応工程に関与しないいかなる官能基の保護基も大環の構築の完成後に除去されることが好ましい。保護基の除去は保護基の選択により支配されるいかなる様式でも行うことができ、この様式は当業者には周知である。
XがNである式(1a)の中間体(該中間体は式(1a−1)により表される)は、中間体(5a)から出発するカルバメート形成反応により製造することができ、これは以下の反応スキームに概略するようにアルケノール(5b)から誘導されるカルバメート形成剤と反応させる。
Figure 2009502883
中間体(5a)は、上に記載したアミド結合形成に使用したものと同じ溶媒および塩基を使用して、該カルバメート形成試薬と反応させる。
あるいは中間体(1a−1)は以下のように製造することができる:
Figure 2009502883
PGはO−保護基であり、これは本明細書に挙げる任意の基であることができ、そして特にベンゾイルまたは4−ニトロベンゾイルのような置換ベンゾイル基である。
中間体(6a)は、アルケニル(5b)から誘導されたカルバメート形成剤と反応させ、そしてこの反応は中間体(6c)を生じる。これらは特に上に挙げた反応条件を使用して脱保護される。例えばPGがベンゾイルまたは置換ベンゾイルである場合、この基はアルカリ金属水酸化物(LiOH、NaOH、KOH)、特にPGが4−ニトロベンゾイルの場合はLiOHを用いて、水およびアルカノール(メタノール、エタノール)およびTHFのような水溶性の有機溶媒を含んでなる水性媒質中での反応により除去される。生じたアルコール(6d)は、(4a)と(4b)〜(4f)との反応について上に記載したように中間体(4b)〜(4f)と反応させ、そしてこの反応で中間体(1a)を生じる。
カルバメート形成反応は、種々の方法を使用して、特にアミンとアルキルクロロホルメートとの反応により;アルコールとカルバモイルクロライドまたはイソシアネートとの反応により;金属錯体またはアシル転移剤が関与する反応を介して行うことができる。例えばGreene,T.W.and Wuts,P.G.M.,「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、1999;ウィリー&サンズ、第309〜348を参照にされたい。一酸化炭素および特定の金属触媒を使用して、アミンを含む幾つかの出発化合物からカルバメートを合成することができる。パラジウム、イリジウム、ウランおよび白金のような金属を触媒として使用することができる。また報告されているカルバメートの合成のための二酸化炭素を使用する方法も使用することができる(例えば、Yoshida,Y.,et al.,Bull.Chem.Soc.Japan 1989,62,1534;およびAresta,M.et al.,Tetrahedron,1991,47,9489を参照にされたい)。
カルバメートの製造のための1つの取り組みは、試薬
Figure 2009502883
を使用することにより、ここでWはハロ、特にクロロおよびブロモのような脱離基であるか、または上に挙げたようなアミド結合の形成のための活性エステルで使用にれる基、例えばフェノキシまたは置換フェノキシ、例えばp.クロロおよびp.ニトロフェノキシ、トリクロロフェノキシ、ペンタクロロフェノキシ、N−ヒドロキシ−スクシンイミジル等である。試薬(7)はアルケノール(5b)およびホスゲンから形成されることができ、これがアルケニルクロロホルメートを形成するか、あるいはアルケニルクロロホルメートのクロロを試薬(7)(ここでWはWである)に転移することにより形成されることができ、試薬(7)は上に挙げたもののような任意の活性エステルの部分であり、今後、試薬(7a)と呼ぶ。試薬(7)を(5a)または(6a)と反応させ、(1a−1)または(6c)を得る。
また試薬(7a)は、アルケノール(5b)を、例えばビスフェノール、ビス−(置換フェノール)またはビスN−ヒドロキシ−スクシンイミジルカルボネートのようなカルボネートW−CO−Wと反応させることにより製造することもできる:
Figure 2009502883
また試薬(7a)は、以下のようにクロロホルメートCl−CO−Wから製造することもできる:
Figure 2009502883
試薬(7a)を製造するための上記反応は、適切な塩基およびアミド結合の合成に関して上に挙げた塩基および溶媒、特にトリエチルアミンおよびジクロロメタンのような反応に不活性な溶媒の存在下で行うことができる。
XがCである式(1a)の中間体(該中間体は式(1a−2)により表される)は、以下の反応スキームに示すように、(4a)と(4e)の反応について上に記載したような反応条件のようにエスルを製造するための反応条件を使用して、アルカノール(5b)と反応させる中間体(8a)から出発するエステル形成反応により製造することができる。
Figure 2009502883
あるいは中間体(1a−1)は以下のように製造することができる:
Figure 2009502883
PGは上記のようなO−保護基である。上記と同じ反応条件を使用することができる:(4a)と(4e)との反応に関するようなエステル形成、保護基の説明のようなPGの除去、および(4a)と試薬(4b)〜(4f)との反応におけるようなRの導入。
式(2a)の中間体は、最初に開いたエステル(9a)を大環エステル(9b)に環化し、次いでこれを以下のように(2a)に転換することにより製造することができる:
Figure 2009502883
L−Rは上に特定する通りであり、そしてPGはカルボキシル保護基、例えば上に挙げたカルボキシル保護基の1つであり、特にC1−4アルキルまたはベンジルエステル、例えばメチル、エチルもしくはt.ブチルエステルである。(9a)から(9b)への反応は複分解であり、そして上記のように行われる。基PGも上記の手順に従い除去される。PGがC1−4アルキルエステルである場合、これはアルカリ加水分解により、例えばNaOHまたは好ましくはLiOHを用いて、水性溶媒、例えばC1−4アルカノール/水混合物中で除去される。ベンジル基は触媒的水素化により除去することができる。
別の合成では、中間体(2a)は以下のように製造することができる:
Figure 2009502883
PG基は、これがPGに向けて選択的に開裂可能となるように選択される。PGは、例えばメチルもしくはエチルエステルであることができ、これは水性媒質中でアルカリ金属水酸化物を用いた処理により除去することができ、この場合、PGは例えばt.ブチルもしくはベンジルである。PGは弱酸性の条件下で除去可能となるt.ブチルエステルであることができ、あるいはPGは強酸または触媒的水素化により除去できるベンジルエステルであることができ、後者の2つの場合、PGは例えば4−ニトロ安息香酸エステルのような安息香酸エステルである。
最初に、中間体(10a)を大環エステル(10b)に環化し、これはPG基の(10c)への除去により脱保護され、これを中間体(4b)〜(4f)から中間体(9b)へと反応させ、続いてカルボキシル保護基PGを除去し、これにより中間体(2a)を得る。環化、PGおよびPGの脱保護、そして(4b)〜(4f)とのカップリングは上記の通りである。
基は、上記のような最終段階、または初期の大環形成前のいずれかの合成の任意の段階で導入することができる。以下のスキームでは、基Rが−NR2−a2−b(これは上に特定した)であるか、または−ORであるRが導入される:
Figure 2009502883
上記スキームでは、LおよびPGは上記定義の通りであり、そしてLがP3基
Figure 2009502883
(b)であり、ここでnは上記定義の通りであり、そしてXがNである場合、Lも窒素保護基(上記定義のようなPG)であることができ、そしてXがCである場合、Lは基−COOPG2aでもよく、ここで基PG2aはPGのようなカルボキシル保護基であることができ、ここでPG2aはPGに向けて選択的に開裂可能である。1つの態様では、PG2aはt.ブチルであり、そしてPGはメチルもしくはエチルである。
が基(b)を表す中間体(11c)および(11d)は、中間体(1a)に対応し、そしてさらに上に特定するように処理することができる。
P1およびP2基礎単位のカップリング
P1およびP2基礎単位は、上記の手順に従いアミド形成反応を使用して結合される。P1基礎単位はカルボキシル保護基PG((12b)でのような)を有することができ、またはすでにP1’基に結合されてもよい((12c)のように)。Lは上で特定したようなN−保護基(PG)または基(b)である。Lはヒドロキシ、−OPGまたは上に特定する基−L−Rである。以下の任意の反応スキームにおいて、Lがヒドロキシである場合、各反応工程の前に、これは基−OPGとして保護することができ、そして所望により続いて遊離のヒドロキシ官能基に脱保護して戻される。上記と同様に、ヒドロキシ官能基は基−L−Rに転換され得る。
Figure 2009502883
上記スキームの手順において、シクロプロピルアミノ酸(12b)もしくは(12c)は、上記の手順に従いアミド結合の形成でP2基礎単位(12a)の酸官能基にカップリングされる。中間体(12d)または(12e)が得られる。後者でLが基(b)である場合、生じる生成物は事前の反応スキームで中間体(11c)または(11d)の幾つかを包含するP3−P2−P1配列である。使用した保護基について適切な条件を使用して(12d)中の酸保護基を除去し、続いて上記のようにアミンHNR2−a2−b(2b)またはHOR(2c)とカップリングすることにより、ここでも中間体(12e)(ここで−CORはアミドもしくはエステル基である)を得る。LがN−保護基である場合、これを除去して中間体(5a)もしくは(6a)を得ることができる。1つの態様では、この反応中のPGはBOC基であり、そしてPGはメチルもしくはエチルである。さらにLがヒドロキシである場合、出発材料(12a)はBoc−L−ヒドロキシプロリンである。特定の態様では、PGはBOCであり、PGはメチルもしくはエチルであり、そしてLは−L−Rである。
1つの態様では、Lは基(b)であり、そしてこれらの反応にはP1のP2−P3へのカップリングが関与し、これは上に挙げた中間体(1a−1)または(1a)をもたらす。別の態様では、LはN−保護基PGであり、これは上で特定され、そしてカップリング反応で中間体(12d−1)または(12e−1)を生じ、これから上に挙げた条件を使用して基PGを除去することができ、中間体(12−f)またはそれぞれ(12g)を得、これは上に特定する中間体(5a)および(6a)を包含する。
Figure 2009502883
1つの態様では、上記スキームにおいて基Lは基−O−PGを表し、これはLがヒドロキシである出発材料(12a)に導入することができる。この場合PGはPGとなる基Lに向けて選択的に開裂可能となるように選択される。
類似の方法において、XがCであるP2基礎単位(これはシクロペンタンまたはシクロペンテン誘導体である)は、以下のスキームに概略するようにP1基礎単位に結合することができ、ここでR、R、L、PGおよびPG2aはカルボキシル保護基である。PG2aは典型的にはこれが基PGに向けて選択的に開裂可能となるように選択される。(13c)におけるPG2a基の除去は、中間体(8a)または(8b)を生じ、これらは上記のように(5b)と反応させることができる。
Figure 2009502883
1つの特定の態様では、XがCであり、RがHである場合、およびXおよびRを持
つ炭素が単結合により結合されている場合(P2はシクロペンタン部分である)、PG2aおよびLは一緒になって結合を形成し、そしてP2基礎単位は式:
Figure 2009502883
により表される。
二環式酸(14a)を(12b)または(12c)と、それぞれ(14b)および(14c)に対して上に記載したように反応させ、ここでラクトンが開いて中間体(14c)および(14e)を与える。ラクトンは、例えばアルカリ金属水酸化物、例えばNaOH、KOH、特にLiOHのような塩基性条件を使用して、エステルの加水分解手順を使用して開くことができる。
Figure 2009502883
中間体(14c)および14(e)はさらにこれから記載するように処理することができる。
P3およびP2基礎単位のカップリング
ピロリジン部分を有するP2基礎単位に関して、P3およびP2またはP3およびP2−P1基礎単位は、(5a)と(5b)とのカップリングについて上に記載した手順に従い、カルバメート形成反応を使用して結合される。ピロリジン部分を有するP2基礎単位のカップリングに関する一般手順は、Lが上に特定され、そしてLが基−O−PG、基
Figure 2009502883
Figure 2009502883
である以下の反応スキームで表される。
1つの態様では、(15a)中のLは基−OPGであり、PG基は除去することができ、そしてシクロプロピルアミノ酸(12a)または(12b)とカップリングした酸を生じ、Lが基(d)または(e)である中間体(12d)または(12e)を得る。 P2がシクロペンタンまたはシクロペンテンであるP3単位とP2単位またはP2−P1単位とのカップリングに関する一般手順は、以下のスキームにより示される。
Figure 2009502883
上記2つのスキームにおける反応は、(5a)、(8a)または(8b)と(5b)との反応について上に記載したものと同じ手順を使用して行われ、そして特にLが基(d)または(e)である上記反応は、上に記載する(5a)、(8a)または(8b)と(5b)との反応に対応する。
式(I)の化合物の製造に使用した基礎単位P1、P1’、P2およびP3は、技術的に知られている中間体から出発して製造することができる。多くのそのような合成を、これからさらに詳細に記載する。
P2基礎単位の合成
P2基礎単位は、基−L−Rで置換したピロリジン、シクロペンタンまたはシクロペンテン部分のいずれかを含む。
ピロリジン部分を含有するP2基礎単位は、市販されているヒドロキシプロリンから誘導することができる。
シクロペンタン環を含むP基礎単位の製造は、以下のスキームに示すように行うことができる。
Figure 2009502883
二環式酸(17b)は、Rosenquist et al.,によりActa Chem.Scand.46(1992)1127−1129に記載されているように、例えば3,4−ビス(メトキシカルボニル)−シクロペンタノン(17a)から製造することができる。この手順の第1段階には、メタノールのような溶媒中でホウ水素化ナトリウムのような還元剤を用いたケト基の還元、続いてエステルの加水分解、そして最後にラクトン形成手順、特にピリジンのような弱塩基の存在下での無水酢酸を使用することによる二環式ラクトン(17b)への閉環が関与する。次いで(17b)のカルボン酸官能基は、基PG(これは上に特定したようなものである)のような適切なカルボキシル保護基を導入することにより保護することができ、これにより二環式エステル(17c)を提供する。基PGは特にt.ブチル基のように酸に不安定であり、そして例えばルイス酸の存在下でのイソブテンを用いた、あるいはジクロロメタンのような溶媒中、ジメチルアミノ−ピリジンもしくはトリエチルアミンのような三級アミンのような塩基の存在下でのジ−tert−ブチルジカーボネートを用いた処理により導入される。上記の反応条件を使用した、特に水酸化リチウムを用いた(17c)のラクトン開環は酸(17d)を生じ、これはさらにP1基礎単位とのカップリング反応に使用することができる。(17d)の遊離酸は好ましくはPGへ向けて選択的に開裂可能な酸保護基PG2aで保護されることができ、そしてヒドロキシ官能基は基−OPGまたは基−L−Rに転換されることができる。基PGの除去で得られる生成物は中間体(17g)および(17i)であり、これは上に特定した中間体(13a)または(16a)に対応する。
特異的な立体化学を有する中間体は、上の反応順序において中間体を分割することにより製造することができる。例えば、(17b)は技術的に知られている手順に従い、例えば光学的に活性な塩基を用いた造塩作用により、またはキラルクロマトグラフィーにより
分割することができ、そして生じた立体異性体はさらに上記のように処理することができる。(17d)のOHおよびCOOH基は、シスの位置である。トランスの類似体は、例えばミツノブ反応を適用することによるように、立体化学を逆転するOPGまたはLRを導入する反応において、特異的な試薬を使用することによりOH官能基を持つ炭素で立体化学を逆転することにより製造することができる。
1つの態様では、同じ条件を使用して中間体(17d)はP1単位(12b)または(12c)にカップリングされる(このカップリング反応は(13a)または(16a)と同じP1単位とのカップリングに対応する)。続いて上記の−L−R−置換基の導入、続いて酸保護基PGの除去で中間体(8a−1)を得、これは中間体(8a)のサブクラスであるか、または中間体(16a)の一部である。PGの除去の反応生成物をさらにP3基礎単位にカップリングする。1つの態様では、(17d)中のPGはt.ブチルであり、これは例えばトリフルオロ酢酸を用いた酸性条件下で除去することができる。
Figure 2009502883
不飽和P2基礎単位、すなわちシクロペンテン環は、以下のスキームで具体的に説明するように製造することができる。
Figure 2009502883
Dolby et al.によりJ.Org.Chem.36(1971)1277−1285に記載された3,4−ビス(メトキシカルボニル)シクロペンタノン(17a)の臭素化−排除反応、続いてホウ水素化ナトリウムのような還元剤を用いたケト官能基の還元で、シクロペンテノール(19a)を与える。例えばジオキサンと水の混合物のような溶媒中で水酸化リチウムを用いた選択的エステル加水分解で、ヒドロキシ置換モノエステルシクロペンテノールを与える(19b)。
が水素以外であることもできる不飽和のP2基礎単位は、以下のスキームに示すように製造することができる。
Figure 2009502883
市販されている3−メチル−3−ブテン−1−オール(20a)の酸化、特にクロロクロム酸ピリジニウムのような酸化剤による酸化で(20b)を生じ、これは対応するメチルエステルに、例えばメタノール中でのアセチルクロライドを用いた処理、続いて臭素を用いた臭素化反応により、α−ブロモエステル(20c)を生じる。次いでこれを、エステル形成反応により(20d)から得たアルケニルエステル(20e)と縮合することができる。(20e)のエステルは、好ましくはt.ブチルエステルであり、これは対応する市販の酸(20d)から、例えばジメチルアミノピリジンのような塩基の存在下でジ−tert−ブチルジカーボネートを用いた処理により製造することができる。中間体(20e)はリチウムジイソプロピルアミドのような塩基をテトラヒドロフランのような溶媒中で用いて処理され、そして(20c)と反応させてアルケニルジエステル(20f)を与える。上記のように行うオレフィン複分解反応による環化(20f)で、シクロペンテン誘導体(20g)を与える。(20g)の立体選択的エポキシ化は、Jacobsenの不斉エポキシ化法を使用して行って、エポキシド(20h)を得ることができる。最後に例えば塩基、特にDBN(1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]ノン−5−エン)の添加による塩基性条件下でエポキシドを開く反応でアルコール(20i)を得る。任意に、中間体(20i)の二重結合を、例えば炭素担持パラジウムのような触媒を使用して触媒的水素化により還元して、対応するシクロペンタン化合物を得ることができる。t.ブチルエステルは、対応する酸に除去することができ、続いてこれをP1基礎単位にカップリングする。
−L−R基は、本発明に従い化合物の合成の任意の都合が良い段階でピロリジン、シクロペンタンまたはシクロペンテン環に導入することができる。1つの取り組みは最初にR基を該環に導入し、そして続いて他の所望する基礎単位、すなわちP1(場合によりO1’テイルを有する)およびP3を加え、続いて大環を形成する。別の取り組みは、−L−R置換基を持たない基礎単位P2を、各P1およびP3とカップリングし、そして−L−R基を大環の形成前または後に加えることである。後者の手順では、P2部分がヒドロキシ基を有し、これはヒドロキシ保護基PGにより保護され得る。
−L−R基は、(4a)から出発する(I)の合成に関して上に記載したように、ヒドロキシ置換中間体(21a)または(21b)と中間体(4b)〜(4f)との反応により、基礎単位P2に導入することができる。これらの反応は以下のスキームに表され、ここでLは上に特定した通りであり、そしてLおよびL5aは互いに独立してヒドロ
キシ、カルボキシル保護基−OPGまたは−OPG2aを表すことができ、あるいはLは上に特定するような基(d)または(e)のようなP1基を表すこともでき、あるいはL5aは上に特定するような基(b)のようなP3基を表すこともできる。基PGおよびPG2aは上で特定した通りである。基LおよびL5aがPGまたはPG2aである場合、それらは各基が他方に向けて選択的に開裂可能となるように選択される。例えばLおよびL5aの1つはメチルまたはエチル基であることができ、そして他方がベンジルまたはt.ブチル基であることができる。
(21a)の1つの態様では、LがPGであり、そしてLが−OPGであるか、または(21d)でL5aが−OPGであり、そしてLが−OPGであり、そしてPG基が上記のように除去される。
Figure 2009502883
別の態様では、基LがBOCであり、Lがヒドロキシであり、そして出発材料(21a)が市販されているBOC−ヒドロキシプロリンであるか、あるいは他のその立体異性体、例えばBOC−L−ヒドロキシプロリン、特にそのトランス異性体である。(21b)のLがカルボキシル−保護基である場合、これは(21c)に対して上に記載した手順に従い除去することができる。さらに別の態様では、(21b−1)のPGがBocであり、そしてPGが低級アルキルエステル、特にメチルまたはエチルエステルである。後者のエステルの酸への加水分解は、標準的な手順、例えばメタノール中の塩酸を用いた酸加水分解、またはNaOH,特にLiOHのようなアルカリ金属水酸化物で行うことができる。別の態様では、ヒドロキシ置換シクロペンタンまたはシクロペンテン類似体(21d)は(21e)に転換され、これはLおよびL5aが−OPGまたは−OPG2aである場合、対応する酸(21f)に基PGの除去により転換することができる。(21e−1)におけるPG2aの除去は、類似の中間体を導く。
中間体(4b)、(4c)、(4d)、(4e)および(4f)は技術的に知られている化合物であり、あるいは既知の出発材料を使用して技術的に知られている方法に従い製造することができる。
キノリン誘導体である中間体(4b)は、以下のスキームに示すように製造することができる。そのような中間体(4b)は、上で特定するように例えばRが基(d−1)、(d−2)、(d−3)、(d−4)、(d−4−a)、(d−5)または(d−5−a)であるものである。
Figure 2009502883
市販されているか、またはアセチルクロライド等のようなアシル化剤を、ジクロロメタンのような溶媒中で三塩化ホウ素または三塩化アルミニウムのような1もしくは複数のルイス酸の存在下で使用して、既知の手順を介する3−メトキシアニリン(22a)のフリーデル−クラフト アシル化により(22b)を与える。(22b)を4−イソプロピル−チアゾール−2−カルボン酸(22c)と、好ましくはピリジン中のような塩基性条件下で、例えばPOClのようなカルボキシレート基に関する活性化剤の存在下でカップリングさせ、続いて閉環およびtert−ブタノール中でのカリウムtert−ブトキシドのような塩基性条件下での脱水で、キノリン誘導体(4b−1)を得る。これをLGが脱離基である(4b−2)に、例えば(4b−1)とハロゲン化剤、例えば塩化ホスホリル等との反応により、または(4b−1)とアリールスルホニルクロライド、例えばトシルクロライドとの反応により転換することができる。
置換アニリン(22a)は市販されているか、または適切な置換された安息香酸(23a)から製造することができ、これをジフェニルホスホリルアジドと高温で反応させ、そして続いてC1−4アルカノール、特にt.ブタノールで処理して、化合物(23b)のようなC1−4アルコキシカルボニルアミンを得る。化合物(23b)の脱保護で置換ア
ニリン(22a)を得る。
Figure 2009502883
あるいは置換アニリン(22a)は対応する置換ニトロベンゼンから、これを元素亜鉛、錫または鉄を用いて酸の存在下で還元することにより製造することができる。
一般構造(22c)を持つ種々のカルボン酸を上記合成に使用することができる。これらの酸は市販されているか、または技術的に知られている手順を介して製造することができる。Berdikhina et al.によりChem.Heterocycl.Compd.(英訳)(1991),427−433に記載された手順に従う2−(置換)アミノカルボキシ−アミノチアゾール誘導体(22c−1)の製造例は、2−カルボキシ−4−イソプロピル−チアゾール(22c−1)の製造を具体的に説明する以下の反応スキームに示される:
Figure 2009502883
チオオキサム酸エチル(24a)を、β−ブロモケトン(24b)と反応させて、チアゾリルカルボン酸エステル(24c)を形成し、これを対応する酸(22c−1)に加水分解する。これら中間体のエチルエステルは、上で定義したような他のカルボキシル保護基PGにより置き換えられることができる。上記スキームでは、R1fが上記定義の通りであり、そして特にC1−4アルキル、さらに特別にはi.プロピルである。
ブロモケトン(24b)は、3−メチル−ブタン−2−オン(MIK)から適切な塩基(特にLiHMDS)および臭素の存在下でシリル化剤(TMSCl)を用いて製造することができる。
メトキシ置換基を有する中間体(22b)(該中間体は式(22b−1)により表される)は、Brown et al.によりJ.Med.Chem.1989,32,807−826に記載されているように、または以下のスキームに概略するように製造することができる。
Figure 2009502883
市販されている出発材料のアセチル酢酸エチルおよびエトキシメチレンマロノニトリルは、ナトリウムエトキシドのような適切な塩基、およびエタノール等のような溶媒の存在下で反応させる。この反応により中間体(25a)を得る。これを例えばアルカリ金属水酸化物、例えばNaOHまたはLiOHのような塩基を用いて、エタノール/水のような適切な溶媒中で加水分解して(25b)を得る。中間体(25b)の中間体(25c)への脱カルボキシル化は、高温で好ましくはキノリンのような塩基性溶媒の存在下にて行う。中間体(25c)のメチル化、特にMeIのようなメチル化剤を用いて、適切な溶媒(DMF等のような)中、適切な塩基(例えばKCO)の存在下でのメチル化で(25d)を得る。これをMeMgBrのようなグリニャール試薬と適切な溶媒(例えばTHF)の存在下で反応させ、続いて例えば水性HClでの加水分解により中間体(22b−1)を得る。
さらなるカルボン酸(22c)、特に置換アミノチアゾールカルボン酸(22c−2)の合成をこれから具体的に説明する:
Figure 2009502883
種々の置換基R4aを持つチオウレア(26c)(ここでは特にC1−6アルキルである)は、ジクロロメタンのような溶媒中でジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下、適切なアミン(26a)とtert−ブチルイソチオシアネートとの反応、続いて酸性条件下でのtert−ブチル基の除去により形成することができる。続いてチオウレア誘導体(26c)と3−ブロモピルビン酸との縮合によりチアゾールカルボン酸(22c−2)を与える。
本発明の化合物または基礎単位P2(ここで複素環式R基はピロリジン、シクロペンタンまたはシクロペンテン環に環の窒素を介して直接結合しており、すなわちLは一般式(I)において直接結合である)は、例えばピロリジン環上の適切な脱離基が窒素含有の環式基に置き換えられる置換反応を使用することにより製造することができる。これは基
礎単位段階、または基礎単位を集成および/または環化した後に行うことができる。1つの手順では、ピロリジン誘導体(4a)、(XI)、(XVI)、(XXV)またはヒドロキシであるL基を有する任意の中間体を、ハロゲン化剤、例えば塩化ホスホリル等、またはアリールスルホニルクロライド、例えばトシルクロライドのような脱離基導入試薬と反応させる。このように形成された中間体を次いで、水素で置換された環の窒素(すなわちN−H)を有する複素環と反応させる。
Lが直接結合であり、そしてRが炭素原子を介してピロリジン部分に結合されている環系である式(I)の化合物は、ヒドロキシ化合物から出発する環を構築することにより製造することができる。これは基礎単位段階または基礎単位を集成および/または環化した後に行うことができる。例えばヒドロキシ官能基は脱離基に転換されることができ、これは次いでシアノ基に置換される。次いでこのシアノ基はさらに所望する複素環に転換することができる。例えばテトラゾール誘導体がテトラゾール環の炭素原子を介して結合している化合物は、テトラゾール部分をピロリジン−環前駆体上に直接構築することにより都合よく製造することができる。これは例えばこの導入されたシアノ基を縮合し、続いてアジ化ナトリウムのようなアジド試薬との反応により達成することができる。テトラゾール誘導体は、例えば窒素−環前駆体のヒドロキシ基をアジド基に変換し、続いて得られたアジドと適切なアルキン誘導体との3+2環化付加反応により窒素−環前駆体上に直接構築することができる。
基を導入するための上記反応に使用するために、構造的に多様なテトラゾールは、市販されているニトリル化合物をアジ化ナトリウムと反応させることにより製造することができる。トリアゾール誘導体はアルキン化合物とトリメチルシリルアジドとの反応により製造することができる。有用なアルキン化合物は市販されているか、またはそれらは例えばソノガシラ(Sonogashira)反応、すなわち例えばA.Elangovan,Y.−H.Wang,T.−I.Ho,Org.Lett.,2003,5,1841−1844に記載されているようなPdCl(PPh)およびCuIの存在下での1級アルキン、アリールハライドおよびトリエチルアミンの反応に従い製造することができる。またP2基礎単位を他の基礎単位にカップリングする前または後のいずれかに結合する場合、複素環式置換基は修飾されることもできる。
Lが結合であり、そしてRが場合により置換されてもよい複素環である化合物の製造に関するさらなる選択は、例えば国際公開第2004/072243号パンフレットに見いだすことができる。
Lがウレタン基(Lは−O−C(=O)−NR4a−である)である基礎単位P2は、(4a)、(6a)またはそれらのシクロペンタン類似体、例えば(5a)をホスゲンと反応させることにより製造することができ、これによりアミン、R−NHまたはH−NR4aとの反応で、カルバメート(すなわちLが−OC(=O)NH−または−OC(=O)NR4a−である)を与える対応するクロロホルメートを提供し、一方、アルコール(4a)、(6a)または(5a)と酸無水物または酸ハライド、例えば酸クロライド(R−C(=O)Cl)のようなアシル化剤との反応は、エステル(すなわちLが−O−C(=O)−である)を与える。クロロホルメートとアミン、好ましくは酸クロライドとアルコール(4a)、(6a)または(5a)との反応は、好ましくはアルカリ金属炭酸塩または炭酸水素、例えば炭酸水素ナトリウム、またはトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミンのような塩基の存在下で行われる。
イソキノリン誘導体である中間体(4b)は、技術的に知られている手順を使用して製造することができる。例えば米国特許第2005/0143316号明細書は、R−OHまたはR−LG中間体のようなイソキノリンの合成に関する多様な方法を提供する。
そのようなイソキノリンの合成法は、N.Briet et al.,Tetrahedron,2002,5761に記載され、そして以下に示され、ここでR1a、R1bおよびR1b’は、R基上の置換基について本明細書に定める意味を有するイソキノリン部分上の置換基である。
Figure 2009502883
桂皮酸誘導体(27b)は、1−クロロイソキノリンに3段階法で転換される。生じたクロロイソキノリンは、続いて本明細書に記載するようにヒドロキシピロリジン、ヒドロキシシクロペンタンまたはヒドロキシシクロペンテン誘導体にカップリングされ得る。第1段階では、桂皮酸(27b)中のカルボキシル基が、例えば塩基の存在下でC1−6アルキル(特にメチルもしくはエチル)クロロホルメートを用いた処理により活性化される。次いで生じた混合無水物はアジ化ナトリウムで処理されて、アシルアジド(27c)を生じる。幾つかの他の方法もカルボン酸からアシルアジドを形成するために利用でき、例えばカルボン酸は塩基の存在下、塩化メチレンのような非プロトン性溶媒中でジフェニルホスホリルアジド(DPPA)を用いて処理することができる。次の段階では、アシル アジド(27c)は、ジフェニルエーテルのような高沸点溶媒中で、アシルアジドを加熱することにより、対応するイソキノリン(27d)に転換される。出発の桂皮酸誘導体は市販されているか、または対応するベンズアルデヒド(27a)からマロン酸もしくはその誘導体との直接的縮合により、またはWittig反応を採用することにより得ることができる。中間体イソキノロン(27d)は、対応する1−クロロ−イソキノリンに、オキシ塩化リンのようなハロゲン化剤を用いた処理により転換することができる。
Figure 2009502883
イソキノリンであるR基も、K.Hirao,R.Tsuchiya,Y.Yano,H.Tsue,Heterocycles 42(1)1996,415−422により記載されている手順に従い製造することができる。
イソキノリン環系の合成のための別の方法は、Pomeranz−Fritsh法である。この方法は、ベンズアルデヒド誘導体(28a)の官能化イミン(28b)への転換から始まり、次いでこれは高温で酸を用いた処理によりイソキノリン環系へ転換される。この方法は、アスタリスクにより示されるC8位で置換されたイソキノリン中間体を製造するために有用である。中間体イソキノリン(28c)は、2段階工程で対応する1−クロロキノリン(28e)に転換することができる。第1段階にはイソキノリン(28c)をジクロロメタンのような適切な溶媒中でメタ−クロロ過安息香酸のようなペルオキシドを用いて処理することによるイソキノリンN−オキシド(28d)の形成を含んでなる。中間体(28d)は、オキシ塩化リンのようなハロゲン化剤での処理により対応する1−クロロイソキノリンに転換される。
イソキノリン環系の合成のための別の方法を、以下のスキームに示す。
Figure 2009502883
この工程では、オルト−アルキルベンズアミド誘導体(29a)のアニオン形が、THFのような溶媒中でtert−ブチルリチウムのような強塩基を用いた処理により得られ、そして続いてニトリル誘導体と縮合されて、イソキノリン(29b)を生じる。これは、上記方法により対応する1−クロロイソキノリンに転換することができる。(29a)のR’およびR”はアルキル基、特にC1−4アルキル基、例えばメチルまたはエチルである。
以下のスキームはイソキノリンの合成に関するさらなる方法を示す。
Figure 2009502883
中間体(29a)は上記のような強塩基を使用して脱プロトン化される。R’およびR”は上に特定した通りである。生じた中間体アニオンはエステル(30a)と縮合されて、ケトン中間体(30b)を得る。続く反応では、この中間体(30b)をアンモニアまたはアンモニウム塩、例えば酢酸アンモニウムと高温で反応させて、イソキノロン(29b)の形成を生じる。
イソキノリンのさらに別の製造方法を、以下の反応スキームで具体的に説明する。
Figure 2009502883
この工程の第1段階では、オルト−アルキルアリールイミン誘導体(31a)を脱プロトン化条件(例えばsec−ブチルリチウム、THF)に供し、そして生じたアニオンをWeinrebアミド(31b)のような活性化カルボン酸誘導体と縮合する。生じたケトイミン(31c)は、高温で酢酸アンモニウムとの縮合によりイソキノリン(31d)に転換される。このように得られたイソキノリンは、本明細書に記載する方法により対応する1−クロロイソキノリンに転換することができる。
そのまま、または式(I)の化合物または本明細書に挙げる任意の中間体のヒドロキシピロリジン、ヒドロキシシクロペンタンまたはヒドロキシシクロペンタン部分に包含される本明細書に記載するイソキノリンは、さらに官能化することができる。そのような官能化の例をこれから具体的に説明する。
Figure 2009502883
上記スキームは、アルコール溶媒中で(32a)のナトリウムまたはカリウムアルコキシドを用いた処理により、1−クロロ−6−フルオロ−イソキノリンの対応する1−クロロ−6−C1−6アルコキシ−イソキノリン部分(32b)への転換を表し、これからアルコキシドが誘導される。上記スキーム中のLはハロまたは基
Figure 2009502883
を表し、RはC1−6アルキルを表し、そしてLGは脱離基を表す。1つの態様では、LGはフルオロである。LおよびLはP2部分のこれらの位置で結合することができる種々の置換基、特にOLのような基を表すか、あるいはLはP1基であり、そしてLはP3基でもよく、あるいはLおよびLは一緒になって式(I)の化合物の大環系の残りを形成してもよい。
以下のスキームは、スズキ(Suzuki)反応によるイソキノリンの修飾に関する例を提供する。これらのカップリングは、該環が適切に活性化されるか、または官能化されれば(例えばクロロにより)、環系の各位置でイソキノリンを官能化するため採用することができる。
Figure 2009502883
この配列は1−クロロイソキノリン(33a)から始まり、これはメタクロロ過安息香酸のようなペルオキシドを用いた処理により、対応するN−オキシド(33b)に転換される。後者の中間体は、例えばオキシ塩化リンのようなハロゲン化剤での処理により対応する1,3−ジクロロ−イソキノリン(33c)に転換される。中間体(33c)は−L−R−基を導入するために本明細書に記載した方法を使用して中間体(33d)とカップリングして(ここでLは基PGであり、ここでXはNであるか、またはLは基−COOPGであり、ここでXはCである)、中間体(33e)を提供することができる。中間体(33e)はスズキカップリングを使用して、THF、トルエンのような溶媒またはDMFのような双極性の非プロトン性溶媒中で、パラジウム触媒および塩基の存在下で、アリール硼酸を用いて誘導化され、C3−アリールイソキノリン中間体(15f)を提供する。またヘテロアリール硼酸をこのカップリング法に使用して、C3−ヘテロアリールイソキノリンを提供することもできる。
またアリールまたはヘテロアリール基を用いたイソキノリン系のスズキカップリングは、式(I)の化合物の製造において後の合成段階で採用することもできる。またイソキノリン環系は、例えばUS2005/1043316で具体的に説明されているようにHeck、ソノガシラまたはStilleカップリングのような他のパラジウム触媒化反応を採用することにより官能化することもできる。
P1基礎単位の合成
P1断片の製造に使用したシクロプロパンアミノ酸は市販されているか、または技術的に知られている手順を使用して製造することができる。
アミノ−ビニル−シクロプロピルエチルエステル(12b)は、国際公開第00/09543号パンフレットに記載した手順に従い、または以下のスキームに具体的に説明するように得ることができ、ここでPGは上で特定したようなカルボキシル保護基である:
Figure 2009502883
市販されている、または容易に得ることができるイミン(34a)の塩基の存在下での1,4−ジハロブテンを用いた処理は(34b)を生じ、これは加水分解の後、カルボキシル基に対してシンのアリル置換基を有するシクロプロピルアミノ酸(12b)を生じる。エナンチオマー混合物(12b)の分割で、(12b−1)を生じる。分割は酵素的分離;キラル酸を用いた結晶化;または化学的誘導化;またはキラルカラムクロマトグラフィーのような技術的に知られた手順を使用して行われる。中間体(12b)または(12b−1)は、上記のように適切なプロリン誘導体にカップリングすることができる。
N−保護基PGの導入およびPGの除去は、以下の反応スキームに概略するように(ここでR2−a、R2−bおよびPGは上に特定した通りである)、シクロプロピルアミノ酸(35s)を生じ、これらはアミド(12c−1)またはエステル(12c−2)に転換され、これらは中間体(12c)のサブグループである。
Figure 2009502883
(35a)とアミン(2b)との反応は、アミド形成法である。(2c)との類似の反応はエステル形成反応である。両方とも上記手順に従い行うことができる。この反応は中間体(35b)または(35c)を生じ、これからアミノ保護基が上記のような標準的方法により除去される。これは次いで所望の中間体(12c−1)を生じる。出発材料(35a)は、最初にN−保護基PGを導入し、続いて基PGの除去により上に挙げた中間体(12b)から製造することができる。
1つの態様では、(35a)と(2b)との反応は、THFのような溶媒中、アミノ酸のカップリング剤、例えばN,N’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)等での処理、続いて1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のような塩基の存在下で(2b)との反応により行われる。あるいはアミノ酸は、ジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下、(2b)で処理し、続いてベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP(商標)として市販されている)のようなカップリング剤で処理して、スルホンアミド基の導入を行うことができる。
中間体(12c−1)または(12c−2)は、次いで上記のような適切なプロリン誘導体にカップリングすることができる。
一般式(I)の化合物(式中、Rは−ORまたは−NR4a4bである)の製造のためのP1基礎単位は、アミノ酸(35a)と適切なアルコールまたはアミンを、それぞれエステルまたはアミド形成のための標準的条件下で反応させることにより製造することができる。
P3基礎単位の合成
P3基礎単位は市販されているか、または当業者に知られている方法に従い生成することができる。
適切なP3基礎単位のP2−PまたはP2部分へのカップリングは、上に記載した。P3基礎単位のP1またはP1−P2部分へのカップリングは、Wittig合成のような二重結合の形成を介して、または好ましくは本明細書で上に記載したようなオレフィン複分解反応により達成することができる。
式(I)の化合物は、技術的に知られている官能基変換反応に従い互いに転換することができる。例えば、アミノ基はN−アルキル化され、ニトロ基はアミノ基に還元され、ハロ原子は別のハロに交換することができる。
式(I)の化合物は、三価の窒素をそのN−オキシド形に転換するための技術的に知られている手順に従い、対応するN−オキシド形に転換することができる。該N−オキシド反応は一般に式(I)の出発材料を適切な有機もしくは無機ペルオキシドと反応させることにより行うことができる。適切な無機ペルオキシドは、例えば過酸化水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属ペルオキシド、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウムを含んでなり;適切な有機ペルオキシドは、例えばベンゼンカルボペルオキソ酸またはハロ置換ベンゼンカルボペルオキソ酸、例えば3−クロロベンゼン−カルボペルオキソ酸、ペルオキソアルカン酸、例えばペルオキソ酢酸のような過酸、アルキルヒドロペルオキシド、例えばtert−ブチルヒドロ−ペルオキシドを含んでなる。適切な溶媒は例えば、水、低級アルコール、例えばエタノール等、炭化水素、例えばトルエン、ケトン、例えば2−ブタノン、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、およびそのような溶媒の混合物である。
式(I)の化合物の純粋な立体化学的異性体形は、技術的に知られている手順を適用することにより得ることができる。ジアステレオマーは、選択的結晶化およびクロマトグラフィー技術、例えば向流分配、液体クロマトグラフィー等のような物理的方法により分離することができる。
式(I)の化合物は、技術的に知られている分割法に従い互いに分離することができるエナンチオマーのラセミ混合物として得ることができる。十分に塩基性または酸性である式(I)のラセミ化合物は、適切なキラル酸、それぞれにキラル塩基との反応により対応
するジアステレオマー塩に転換することができる。該ジアステレオマー塩形は、続いて例えば選択的または分別的結晶化により分離され、そしてエナンチオマーはそれらからアルカリまたは酸により遊離される。式(I)の化合物のエナンチオマー形を分離する代替的様式には、液体クロマトグラフィー、特にキラルな固定相を使用した液体クロマトグラフィーが関与する。該純粋な立体化学的異性体は、反応が立体特異的に起こるならば、適当な出発材料の対応する純粋な立体化学的異性体から誘導することもできる。好ましくは特異的な立体異性体を望む場合、該化合物は立体特異的な製造法により合成され得る。これらの方法にはエナンチオマー的に純粋な出発材料を有利に使用する。
さらなる観点では、本発明は治療に有効な量の本明細書に特定する式(I)の化合物、または本明細書に特定する式(I)の化合物の任意のサブグループの化合物、および製薬学的に許容され得る担体を含んでなる製薬学的組成物に関する。この内容において治療に有効な量は、ウイルス感染、特に感染している個体または感染する可能性がある個体におけるHCVウイルス感染を、安定化または減少させるために予防的に作用するために十分な量である。さらなる観点では、本発明は本明細書に特定する製薬学的組成物を製造する方法に関し、これは製薬学的に許容され得る担体と治療に有効な量の本明細書に特定する式(I)の化合物、または本明細書に特定する式(I)の化合物の任意のサブグループの化合物とを完全に混合することを含んでなる。
したがって本発明の化合物またはその任意のサブグループは、投与目的に応じて様々な製薬学的形態に配合することができる。適切な組成物として、全身的に投与する薬剤に通常に採用されるすべての組成物を挙げることができる。本発明の製薬学的組成物を製造するために、有効成分として場合によっては付加塩形もしくは金属錯体の特定の化合物の有効量を、製薬学的に許容され得る担体との完全な混合物に合わせ、この担体は所望する投与の製造形態に依存して広い種々の形態を取ることができる。これらの製薬学的組成物は、特に経口で、直腸に、経皮的に、または非経口的注射により投与するために適する単位剤形が望ましい。例えば経口剤形に組成物を製造するには、懸濁液、シロップ、エリキシル、乳液および溶液のような経口液体製造物の場合、例えば水、グリコール、油、アルコール等のような任意の通常の製薬学的媒質を採用することができ;あるいは粉末、ピル、カプセルおよび錠剤の場合、澱粉、糖、カオリン、潤滑剤、結合剤、崩壊剤等のような固体担体を採用することができる。
剤形の投与における容易さから、錠剤およびカプセルが最も有利な経口単位剤形を表し、この場合、固体の製薬学的担体が明らかに使用される。非経口組成物には、担体は通常、滅菌水を少なくとも大部分で含んでなるが、例えば溶解性の目的で他の成分を含んでもよい。例えば注射可能な溶液は、担体が塩溶液、グルコース溶液または塩およびグルコース溶液の混合物を含んでなるように製造される。注射可能な懸濁液も製造でき、この場合適切な液体担体、沈殿防止剤等が使用され得る。また含まれるのは、使用直前に液体形の製造物に転換することを意図する固体形の製造物である。皮下投与に適する組成物では、担体は場合により浸透強化剤および/または適切な湿潤剤を、場合によりわずかな比率の任意の性質の適切な添加剤と合わせて含んでなり、この添加剤は重要な悪影響を皮膚に導入しない。
また本発明の化合物は、吸入または通気を介して、この方法を介して投与するために当該技術分野で採用されている方法および製剤により投与することもできる。すなわち一般に本発明の化合物は、溶液、懸濁液または乾燥粉末の形態で肺に投与することができ、溶液が好適である。経口吸入または通気を介して溶液、懸濁液または乾燥粉末を送達するために開発された任意のシステムが本化合物の投与に適している。
すなわち本発明は、式(I)の化合物および製薬学的に許容され得る担体を含んでなる
、口を通して吸入または通気により投与するために適合した製薬学的組成物も提供する。好ましくは本発明の化合物は、噴霧化またはエーロゾル化された用量で溶液の吸入を介して投与される。
前記の製薬学的組成物は、投与の容易さおよび投薬用量の均一性のために単位剤形に配合することが特に有利である。本明細書で使用する単位剤形は、単位剤形として適する物理的に別れた単位を指し、各単位が必要な製薬学的担体と関連して所望の治療効果を生じるために算出された予め定めた量の融合成分を含有する。そのような単位剤形の例は、錠剤(刻み目付き、またはコート錠剤を含む)、カプセル、ピル、座薬、粉末小包、オブラート剤、注射可能溶液または懸濁液等、およびそれらの多数に分割されたものである。
式(I)の化合物は、抗ウイルス特性を表す。本発明の化合物および方法を使用して処置できるウイルス感染およびそれらに関連する疾患には、HCV、および黄熱、デング熱(1〜4型)、セントルイス脳炎、日本脳炎、マリーバレー脳炎、西ナイルウイルスおよびクンジンウイルスのような他の病原性フラビウイルス属によりもたらされる感染を含む。HCVに関連する疾患には、進行性の肝線維症、肝硬変を導く炎症および壊死、末期肝疾患、およびHCCを含む;および他の病原性フラビウイルスに関する疾患には、黄熱、デング熱、出血熱および脳炎がある。多くの本発明の化合物はさらにHCVの変異株に対して活性である。加えて、本発明の多くの化合物が好ましい薬物動態学的プロファイルを示し、そして許容され得る半減期、AUC(曲線下面積)およびピーク値を含む生物学的利用性という意味での魅力的特性を有し、そして不十分な素早い開始および組織滞留のような望ましくない現象を欠いている。
HCVに対する式(I)の化合物のインビトロの抗ウイルス活性は、実施例の章でさらに例示するように、Lohmann et al.(1999)Science 285:110−113に基づく細胞HCV複製系に、Krieger et al.(2001)Journal of Virology 75:4614−4624により記載された修飾をさらに行って試験した。このモデルはHCVに関する完全な感染モデルではないが、現在利用できる自律HCV RNA複製の最も頑強かつ効果的なモデルとして広く受け入れられている。この細胞モデルにおいて抗HCV活性を表す化合物は、哺乳動物におけるHCV感染の処置にさらに開発するための候補と考えられる。HCVレプリコンモデルでは、HCV機能を特異的に妨害する化合物間を、細胞傷害性または細胞静止効果を発揮し、そしてその結果としてHCV RNAまたは結合したレポーター酵素濃度における減少を引き起こすものと識別することが重要であると考えられている。例えばレザズリンのような蛍光性レドックス染料を使用して、ミトコンドリア酵素の活性に基づく細胞傷害性の評価に関するアッセイがこの分野では知られている。さらにホタルのルシフェラーゼのような結合したレポーター遺伝子活性の非選択的阻害の評価について、細胞逆選択物質(cellular counter−screen)が存在する。適切な細胞型は、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現が構成的に活性な遺伝子プロモーターに依存する、安定なトランスフェクションによるルシフェラーゼレポーター遺伝子を装備することができ、そしてそのような細胞は非選択的インヒビターを排除するための逆選択物質として使用することができる。
式(I)の化合物またはその任意のサブグループ、それらのプロドラッグ、N−オキシド、付加塩、四級アミン、金属錯体および立体化学的異性体の抗ウイルス特性、特にそれらの抗−HCV特性は、ウイルス感染、特にHCV感染を体験している個体の処置、およびこれら感染の予防に有用である。一般に本発明の化合物は、ウイルス、特にHCVのようなフラビウイルスに感染した温血動物の処置に有用となり得る。
したがって本発明の化合物またはその任意のサブグループは、薬剤として使用すること
ができる。薬剤または処置法としての該使用は、ウイルス感染、特にHCV感染に関連する状態を克服するために、ウイルスに感染した個体またはウイルス感染が疑われる個体への有効量の全身投与を含んでなる。
また本発明は、ウイルス感染、特にHCV感染を処置または防止する薬剤の製造に、本化合物またはその任意のサブグループの使用に関する。
さらに本発明は、ウイルスに感染した、またはウイルス、特にHCVに感染する危険性がある温血動物の処置法に関し、この方法は抗ウイルス的に有効な量の本明細書に特定する式(I)の化合物または本明細書に特定する式(I)の化合物の任意のサブグループの化合物を投与することを含んでなる。
またこれまでに知られている抗HCV化合物の組み合わせ、例えばインターフェロン−α(IFN−α)、ペグ化(pegylated)インターフェロン−αおよび/またはリバビリン、および式(I)の化合物を併用療法で薬剤として使用することができる。用語「併用療法」とは、HCV感染の処置、特にHCV感染の処置に同時、別個または順次使用するために、組み合わせた製造物として必須の(a)式(I)の化合物および(b)任意の他の抗HCV化合物を含有する生成物に関する。
抗HCV化合物は、HCVポリメラーゼインヒビター、HCVプロテアーゼインヒビター、HCVの生活環の別の標的のインヒビター、および免疫調節剤、抗ウイルス剤およびその組み合わせから選択される作用物質を包含する。
HCVポリメラーゼインヒビターには、限定するわけではないがNM283(バロピシタビン:valopicitabine)、R803、JTK−109、JTK−003、HCV−371、HCV−086、HCV−796およびR−1479を含む。
HCVプロテアーゼのインヒビターには(NS2−N3インヒビターおよびNS3−NS4Aインヒビター)には、限定するわけではないが国際公開第02/18369号パンフレット(例えば273頁9〜22行、および274頁4行〜276頁11行を参照にされたい)の化合物;BILN−2061、VX−950、GS−9132(ACH−806)、SCH−503034およびSCH−6を含む。使用することができるさらなる作用物質は、国際公開第98/17679号、同第00/056331号(ベルテックス:Vertex);同第98/22496(ロッシュ:Roche);同第99/07734(ベーリンガー インゲルハイム:Boehringer Ingelheim)、同第2005/073216号、同第2005073195号(メディビル:Medivir)パンフレットに開示されているもの、および構造的に類似する作用物質である。
HCVの生活環における他の標的のインヒビターには、NS3ヘリカーゼ;メタロプロテアーゼインヒビター;ISIS−14803、AVI−4065等のようなアンチセンスオリゴヌクレオチドインヒビター;SIRPLEX−140−N等のようなsiRNA’s;ベクターにコードされた短いヘアピンRNA(shRNA);DNAザイム;ヘプタザイム、RPI.13919等のようなHCV特異的リボザイム;HepeX−C,HuMax−HepC等のようなエントリーインヒビター;セルゴシビル、UT−231B等のようなアルファグルコシダーゼインヒビター;KPE−02003002;およびBIVN401を含む。
免疫調節剤には限定するわけではないが:IntronA(商標)、Roferon−A(商標)、Canferon−A300(商標)、Advaferon(商標)、Infergen(商標)、Humoferon(商標)、Sumiferon MP(商標
)、Alfaferon(商標)、IFN−ベータ(商標)、Feron(商標)等のようなα−インターフェロン、β−インターフェロン、γ−インターフェロン、ω−インターフェロン等を含む天然および組換えインターフェロンのアイソフォーム化合物;PEGインターフェロン−α−2a(Pegasys(商標))、PEGインターフェロン−α−2b(PEG−Intron(商標))、ペグ化IFN−α−con1等のようなポリエチレングリコール誘導化(ペグ化)インターフェロン化合物;アルブミン融合インターフェロンであるアルブフェロン(albuferon)α等のようなインターフェロン化合物の長期作用製剤および誘導化;レシクモド(resiquimod)のような細胞中のインターフェロンの合成を刺激する化合物;インターロイキン;SCV−07等のような1型ヘルパーT細胞応答の発生を強化する化合物;CpG−10101(アクチロン:actilon)、イサトリビン(isatoribine)等のようなトル(TOLL)様受容体アゴニスト;サイモシンα−1;ANA−245;ANA−246;ヒスタミンジヒドロクロライド;プロパゲルマニウム;テトラクロロデカオキシド;アンプリゲン(ampligen);IMP−321;KRN−7000;シバシル、XTL−6865等のような抗体;およびInnoVac C、HCV E1E2/MF59等のような予防用および治療用ワクチンを含む。
他の抗ウイルス剤には、限定するわけではないがリバビリン、アマンタジン、ビラミジン(viramidine)、ニタゾキサニド(nitazoxanide);テルビブジン(telbivudine);NOV−205;タリバビリン(taribavirin);インターナルリボソームエントリーのインヒビター;IMPDHインヒビター(例えば米国特許第5,807,876号、同第6,498,178号、同第6,344,465号、同第6,054,472号明細書、国際公開第97/40028号、同第98/40381号、同第00/56331号パンフレットの化合物、およびマイコフェノール酸およびその誘導体、限定するわけではないがVX−950、メリメポジブ(merimepodib)(VX−497)、VX−148および/またはVX−944)のような広スペクトルのウイルスインヒビター;あるいは上記の任意の組み合わせを含む。
このようにHCV感染を克服または処置するために、式(I)の化合物は例えばインターフェロン−α(IFN−α)、ペグ化インターフェロン−αおよび/またはリバビリンと、ならびにHCVエピトープ、小干渉RNA(SiRNA)、リボザイム、DNAザイム、アンチセンスRNA、例えばNS3プロテアーゼ、NS3ヘリカーゼおよびNSBポリメラーゼの小分子アンタゴニストに対して標的化された抗体に基づく治療薬との組み合わせて同時に投与されることができる。
したがって本発明は、HCVウイルスに感染した哺乳動物におけるHCV活性の阻害に有用な薬剤の製造のための上記定義の式(I)の化合物またはその任意のサブグループの使用に関し、ここで該薬剤は併用療法に使用され、該併用療法は好ましくは、式(I)の化合物および他のHCV阻害化合物、例えば(ペグ化)IFN−αおよび/またはリバビリンを含んでなる。
さらに別の観点では、本明細書で特定する式(I)の化合物と抗−HIV化合物の組み合わせ物を提供する。抗−HIV化合物は好ましくは薬剤の代謝に正の効果、および/または生物学的利用性を改善する薬物動態学を有するそれらHIVインヒビターである。そのようなHIVインヒビターの例はリトナビルである。
そのように本発明はさらに(a)式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビター、またはその製薬学的に許容され得る塩;および(b)リトナビルまたはその製薬学的に許容され得る塩を含んでなる組み合わせ物を提供する。
化合物のリトナビルおよびその製薬学的に許容され得る塩、およびその製造法は、国際公開第94/14436号パンフレットに記載されている。リトナビルの好適な剤形は、米国特許第6,037,157号明細書、およびそこに引用されている文献;米国特許第5,484,801号、同第08,402,690号明細書、および国際公開第95/07696号および同第95/09614号パンフレットを参照にされたい。リトナビルは以下の式を有する:
Figure 2009502883
さらなる態様では、(a)式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビターまたはその製薬学的に許容され得る塩;および(b)リトナビルまたはその製薬学的に許容され得る塩を含んでなる組み合わせ物は、本明細書に記載する化合物から選択される付加的な抗HCV化合物をさらに含んでなる。
本発明の1つの態様では、本明細書に記載する組み合わせ物の製造法が提供され、この方法は式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビターまたはその製薬学的に許容され得る塩、およびリトナビルまたはその製薬学的に許容され得る塩を合わせる工程を含んでなる。本発明の別の態様は、組み合わせ物が本明細書に記載する1もしくは複数の付加的作用物質を含んでなる方法を提供する。
本発明の組み合わせ物は、薬剤として使用することができる。薬剤または処置法としての該使用は、HCVおよび他の病原性フラビ−およびペスチウイルスに関連する状態を克服するために効果的な量を、HCVに感染した個体に全身的投与することを含んでなる。結果として本発明の組み合わせ物は、哺乳動物における感染またはHCV感染に関連する疾患を処置し、防止し、または克服するために、特にHCVおよび他の病原性フラビ−およびペスチウイルスに関連する状態を処置するために有用な薬剤の製造に使用することができる。
本発明の1つの態様では、本明細書に記載する態様の1つに従う組み合わせ物、および製薬学的に許容され得る賦形剤を含んでなる製薬学的組成物が提供される。特に本発明は(a)治療に有効な量の式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビターまたはその製薬学的に許容され得る塩、(b)治療に有効な量のリトナビルまたはその製薬学的に許容され得る塩、および(c)製薬学的に許容され得る賦形剤を含んでなる製薬学的組成物を提供する。任意に製薬学的組成物は、さらにHCVポリメラーゼインヒビター、HCVプロテアーゼインヒビター、HCVの生活環における別の標的のインヒビター、および免疫調節剤、抗ウイルス剤、およびそれらの組み合わせから選択される追加の作用物質を含んでなる。
組成物は、上記の剤形のような適切な製薬学的剤形に配合することができる。各有効成
分は別個に配合され、そして製剤を同時に投与することができ、あるいは両方を含有し、そして所望によりさらなる有効成分を含有する1つの製剤を提供することができる。
本明細書で使用する用語「組成物」は、特定する成分ならびに特定する成分の組み合わせから直接的または間接的に生じる任意の生成物を含んでなる生成物を包含することを意図している。
1つの態様では、本明細書に提供される組み合わせ物はHIV療法で同時に、別個に、または順次に使用するための組み合わせ製造物としても配合することができる。そのような場合、一般式(I)の化合物またはその任意のサブグループは、他の製薬学的に許容され得る賦形剤を含有する製薬学的組成物に配合され、そしてリトナビルが他の製薬学的に許容され得る賦形剤を含有する製薬学的組成物に別個に配合される。都合のよいことにはこれら2つの別個の製薬学的組成物は、同時に、別個に、または順次に使用するためのキットの一部となることができる。
このように本発明の組み合わせ物の個々の成分は、治療の過程で異なる時期に別個に、あるいは分割された、または単一の組み合わせ形態で同時に投与することができる。したがって本発明はすべてのそのような同時または交互処置の処方を包含すると理解され、そして用語「投与する」はしかるべく解釈される。好適な態様では、別個の剤形がほぼ同時に投与される。
1つの態様では、本発明の組み合わせ物は一定量のリトナビル、またはその製薬学的に許容され得る塩を含み、これは式(I)の該HCV NS3/4aプロテアーゼインヒビターが単独で投与された場合の生物学的利用性に対して、式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビターの生物学的利用性を臨床的に改善するために十分である。
別の態様では、本発明の組み合わせ物は一定量のリトナビル、またはその製薬学的に許容され得る塩を含み、これは式(I)の該HCV NS3/4aプロテアーゼインヒビターが単独で投与された場合の少なくとも1つの薬物動態学的変数に対して、t1/2、Cmin、Cmax、Css、12時間でのAUCまたは24時間でのAUCから選択される式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビターの少なくとも1つの薬物動態学的変数を上げるために十分である。
さらなる態様は、HCV NS3/4aプロテアーゼインヒビターの生物学的利用性を改善する方法に関し、この方法はそのような改善が必要な個体に、治療に有効な量の該組み合わせ物の各成分を含んでなる本明細書に定める組み合わせ物を投与することを含んでなる。
さらなる態様では、本発明はt1/2、Cmin、Cmax、Css、12時間でのAUCまたは24時間でのAUCから選択される式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビターの少なくとも1つの薬物動態学的変数を改善する物質(improver)としてリトナビルまたはその製薬学的に許容され得る塩の使用に関し、ただし該使用はヒトまたは動物の体内では実施されない。
本明細書で使用する用語「個体」は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくは処置、観察または実験の対象となったヒトを指す。
生物学的利用性とは、全身の循環に到達する投与された用量の画分と定義する。t1/2は半減期または血漿濃度がその元の値の半分に落ちるために要する時間を表す。Cssは定常状態の濃度、すなわち薬剤の投入速度が排除速度に等しい濃度である。Cmin
投与間隔の間に測定される最低(最少)濃度と定義する。Cmaxは投与間隔の間に測定される最高(最大)濃度と定義する。AUCは定めた期間に関する血漿濃度−時間曲線下の面積と定める。
本発明の組み合わせ物は、該組み合わせ物中に含まれる各成分に関して特異的な投薬用量範囲でヒトに投与することができる。該組み合わせ物中に含まれる成分は一緒に、または別個に投与され得る。式(I)のNS3/4aプロテアーゼインヒビターまたはその任意のサブグループ、およびリトナビルまたはその製薬学的に許容され得る塩もしくはエステルは、1日あたり0.02〜5.0グラムの次元の投薬用量レベルを有することができる。
式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビターおよびリトナビルは、組み合わせて投与される場合、式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビター対リトナビルの重量比は適切には約40:1〜約1:15、または約30:1〜約1:15、または約15:1〜約1:15、典型的には約10:1〜約1:10、そしてさらに典型的には約8:1〜約1:8の範囲である。また有用であるのは、約6:1〜約1:6、または約4:1〜約1:4、または約3:1〜1:3、または約2:1〜約1:2、または約1.5:1〜約1:1.5の範囲の式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビター対リトナビルの重量比である。1つの観点では式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビターの重量による量は、リトナビルの量以上であり、ここで式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビター対リトナビルの重量比は、適切には約1:1〜約15:1、典型的には約1:1〜約10:1、そしてさらに典型的には約1:1〜約8:1の範囲である。また有用であるのは、約1:1〜約6:1、または約1:1〜約5:1,または約1:1〜約4:1、または約3:2〜約3:1、または約1:1〜約2:1または約1:1〜約1.5:1の範囲の式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビター対リトナビルの重量比である。
本明細書で使用する用語「治療に有効な量」とは、本発明の見解において処置する疾患の症状の緩和を含め、研究者、獣医師、医師または他の臨床医により求められる組織、系、動物またはヒトにおける生物学的または医学的応答を誘発する活性化合物または成分または製薬学的作用物質の量を意味する。本発明は2以上の作用物質を含んでなる組み合わせ物を指すので、「治療に有効な量」は組み合わせた効果が所望する生物学的または医学的応答を誘発するように一緒に摂取される作用物質の量である。例えば、(a)式(I)の化合物および(b)リトナビルを含んでなる治療に有効な量の組成物は、一緒に摂取した場合に治療に効果的な合わせた効果を有する式(I)の化合物の量および(b)リトナビルの量となる。
一般に、抗ウイルス的に効果的な毎日の量は、0.01mg/kg〜500mg/kg体重、より好ましくは0.1mg/kg〜50mg/kg体重となる。1日を通じて適切な間隔で2、3、4以上の副用量として必要な用量を投与することが適切かもしれない。例えば該副用量は単位剤形あたり1〜1000mg、そして特別には5〜200mgの有効成分を含有する単位剤形として配合することができる。
正確な投薬用量および投与頻度は、当業者に周知であるように、使用する特定の式(I)の化合物、処置する特定の状態、処置する状態の重篤度、年齢、体重、性別、障害の程度、および特定の患者の一般的な身体状態ならびに個体が摂取し得る他の投薬療法に依存する。さらに該有効な毎日の量は、処置する個体の応答に依存して、かつ/または本発明の化合物を処方する医師の評価に依存して、上げても下げてもよいことは明白である。これまでに挙げた有効な毎日の量の範囲は、したがって指針とするのみである。
1つの態様に従い、式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビターおよびリトナビルは、1日に1または2回、好ましくは経口的に同時投与されることができ、ここで用量あたりの式(I)の化合物の量は、約1〜約2500mg、そして用量あたりのリトナビルの量は1〜約2500mgである。別の態様では、1日1または2回、同時投与するための用量あたりの量は、約50〜約1500mgの式(I)の化合物、および約50〜約1500mgのリトナビルである。さらに別の態様では、1日1または2回、同時投与するための用量あたりの量は、約100〜約1000mgの式(I)の化合物、および約100〜約800mgのリトナビルである。さらに別の態様では、1日1または2回、同時投与するための用量あたりの量は、約150〜約800mgの式(I)の化合物、および約100〜約600mgのリトナビルである。さらに別の態様では、1日1または2回、同時投与するための用量あたりの量は、約200〜約600mgの式(I)の化合物、および約100〜約400mgのリトナビルである。さらに別の態様では、1日1または2回、同時投与するための用量あたりの量は、約200〜約600mgの式(I)の化合物、および約20〜約300mgのリトナビルである。さらに別の態様では、1日1または2回、同時投与するための用量あたりの量は、約100〜約400mgの式(I)の化合物、および約40〜約100mgのリトナビルである。
1日1または2回の投薬用量について、式(I)の化合物(mg)/リトナビル(mg)の組み合わせ物の例には、50/100、100/100、150/100、200/100、250/100、300/100、350/100、400/100、450/100、50/133、100/133、150/133、200/133、250/133、300/133、50/150、100/150、150/150、200/150、250/150、50/200,100/200、150/200、200/200、250/200、300/200、50/300、80/300、150/300、200/300、250/300、200/600,400/600、600/600、800/600、1000/600、200/666、400/666、600/666、800/666、1000/666、1200/666、200/800、400/800、600/800、800/800、1000/800、1200/800、200/1200、400/1200、600/1200、800/1200、1000/1200および1200/1200を含む。1日1または2回の投薬用量について式(I)の化合物(mg)/リトナビル(mg)の他の組み合わせ物の例には、1200/400、800/400、600/400、400/200、600/200、600/100、500/100、400/50、300/50および200/50を含む。
本発明の1つの態様では、HCV感染を処置するために、またはHCVのNS3プロテアーゼを阻害するために効果的な組成物;および組成物がC型肝炎ウイルスによる感染を処置するために使用することができることを示すラベルを含んでなる包装材料含んでなる製品が提供され:ここで組成物は式(I)の化合物またはその任意のサブグループ、または本明細書に記載する組み合わせ物を含んでなる。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物またはその任意のサブグループ、あるいは式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼインヒビターまたはその製薬学的に許容され得る塩、およびリトナビル、またはその製薬学的に許容され得る塩を組み合わせた本発明の組み合わせ物を、有力な製剤がHCV NS3/4aプロテアーゼ、HCVの増殖または両方を阻害する能力を測定するための試験またはアッセイにおける標準または試薬として使用するために有効な量で含んでなるキットまたは容器に関する。本発明のこの観点は製薬学的な調査プログラムにその用途を見いだすことができる。
本発明の化合物および組み合わせ物は、HCV処置で該組み合わせ物の効力を測定するためのような高処理量の標的−被検体アッセイに使用することができる。
以下の実施例は本発明を具体的に説明することを意図し、それを制限するものではない。
実施例1
1,3−ジクロロ−6−メトキシイソキノリン(6)の合成
工程A
Figure 2009502883
トリエチルアミン(80.5mL、578ミリモル)を0℃の窒素下で3−メトキシ桂皮酸1(49.90g、280ミリモル)の懸濁液(225mLのアセトン中)に加えた。0℃で10分後、温度を0℃に維持しながらエチルクロロホルメート(46.50g、429ミリモル)を滴下した。0℃で1時間後、アジ化ナトリウム(27.56g、424ミリモル)の溶液(200mLの水中)をゆっくり加え、次いで反応混合物を室温に暖めた。16時間後、反応混合物を水(500mL)に注ぎ、そしてアセトンを蒸発させた。残渣をトルエンで抽出して2の溶液を得、これをそのまま次の工程に使用した。
工程B
Figure 2009502883
前段階からのトルエン溶液を、ジフェニルメタン(340mL)およびトリブチルアミン(150mL)の190℃に加熱した溶液に滴下した。トルエンはディーン−スタークフラスコを介して即座に蒸留された。完全に添加した後、反応温度を210℃に2時間上げた。冷却後、沈殿生成物を濾過により集め、ヘプタンで洗浄して49.1g(29%)の目的生成物3を白色粉末として得た:m/z=176(M+H)H−NMR(CDCl):8.33(d,J=8.9Hz,1H),7.13(d,J=7.15Hz,1H),7.07(dd,J=8.9Hz,2.5Hz,1H),6.90(d,J=2.5Hz,1H),6.48(d,J=7.15Hz,1H),3.98(s,3H)。
工程C
Figure 2009502883
オキシ塩化リン(25mL)を3(10.00g、57ミリモル)にゆっくりと加え、そしてこの混合物を3時間、穏やかに加熱還流した。反応が完了した後、オキシ塩化リンを蒸発させた。残渣を氷冷水(40mL)に注ぎ、そしてpHをNaOH溶液(水中の50重量/重量%)で10に調整した。混合物をCHClで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(CHCl)により精製して、8.42g(76%)の目的生成物4を黄色い固体として得た:m/z=194(M+H)H−NMR(CDCl):8.21(d,J=9.3Hz,1H);8.18(d,J=5.7Hz,1H);7.47(d,J=5.6Hz,1H);7.28(dd,J=9.3Hz,2.5Hz,1H);7.06(d,J=2.5Hz,1H),3.98(s,3H)。
工程D
Figure 2009502883
メタクロロ過安息香酸(6.41g、28.6ミリモル)を少量ずつ0℃で4(27.0g、13.9ミリモル)の溶液(10mLのCHCl中)に加えた。0℃で30分後、反応混合物を室温に12時間暖めた。次いで反応混合物を1N NaOHとCHClとの間に分配し、そしてNaOH 1Nおよびブラインで連続して洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして蒸発させて、1.89g(64%)の目的生成物5をオレンジ色の固体として得た:m/z=209.9(M+H)
工程E
Figure 2009502883
5(1.86g、8.86ミリモル)の溶液(18mLのオキシ塩化リン中)を3時間、加熱還流した。次いでオキシ塩化リンを真空下で蒸発させた。残渣を氷冷水(50mL)に注ぎ、そしてpHを水中、50重量/重量%のNaOHで10に調整した。混合物をCHClで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして蒸発させた。粗物質をカラムクロマトグラフィー(CHCl)により精製して、350mg(17%)の目的生成物6を黄色い固体として得た:m/z=227.9(M+H)H−NMR(CDCl):8.16(d,J=9.3Hz,1H),7.50(s,1H),7.25(dd,J=9.3Hz,2.5Hz,1H),6.98(d,J=2.5Hz,1H),3.98(s,3H)。
4−ブロモ−1−ヒドロキシ−6−メトキシイソキノリン(7)の合成
Figure 2009502883
N−ブロモスクシンイミド(2.33g、14.3ミリモル)を3(2.06g、11.8ミリモル)の溶液(40mLのDMF中)に加えた。生じた混合物を室温で一晩、撹拌した。次いでDMFを蒸発させ、そしてCHClを残渣に加えた。この懸濁液を45℃で15分間加熱した。白色固体を濾過し、そしてイソプロピルエーテルで洗浄して、2.07g(69%)の目的生成物7を得た:m/z=253.7(M+H)H NMR(DMSO d):8.14(d,J=8.8Hz,1H);7.52(s,1H),7.17(dd,J=8.8Hz,2.5Hz,1H),7.11(d,J=2.4Hz,1H),3.83(s,3H)。
O−(ヘキサ−5−エニル)−O−(スクシンイミジル)カーボネート(8)の合成
Figure 2009502883
ヘキサ−5−エノール(5.00g、49.9ミリモル)、ジスクシンイミジルカーボネート(13.08g、51.1ミリモル)およびトリエチルアミン(6.50g、64.2ミリモル)の混合物(50mLのCHCl中)を室温で一晩、撹拌した。完了後、反応混合物を氷に注ぎ、有機層を水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして蒸発させて、10.25g(85%)の8を無色の油として得た。m/z=242(M+H)H NMR(CDCl):5.82−5.73(m,1H),5.07−4.96(m,2H),4.33(t,J=6.3Hz,6.6Hz,2H),2.85(s,4H),2.15−2.06(m,2H),1.82−1.72(m,2H),1.56−1.47(m,2H)。
O−(ヘキサ−5−エニル)−O−(4−ニトロフェニル)カーボネート(9)の合成
Figure 2009502883
ヘキサ−5−エノール(0.50g、5.0ミリモル)の撹拌溶液(1.2mL、15ミリモルのピリジンおよび20mLのジクロロメタン中)に、0℃で4−ニトロフェノールクロロホルメート(1.1g、5.5ミリモル)を1回で加えた。室温で1.5時間撹拌した後、反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、そして連続して10%水性クエン酸(3×15mL)、そして水性の飽和炭酸水素ナトリウム(3×15mL)で
洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(AcOEt/ヘキサン勾配、10:90から15:85)、0.97g(73%)の目的生成物9をわずかに黄色い油として得た:H NMR(CDCl,at 298K)8.28(m,2H),7.38(m,2H),5.81(m,1H),5.02(m,2H),4.30(t,2H),2.13(m,2H),1.78(m,2H),1.54(m,2H)。
実施例2:17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−2,14−ジオキソ−3,15−ジアザ−13−オキサトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデカ−7−エン−4−カルボン酸(16)の合成
工程A
Figure 2009502883
Boc−ヒドロキシプロリン(760mg、3.29ミリモル)の溶液(50mLのDMSO中)に、カリウムtert−ブトキシド(1.11g、9.87ミリモル)を加えた。溶液を周囲温度で窒素下にて1時間、撹拌した。次いで1,3−ジクロロ−6−メトキシキノリン6(750mg、3.29ミリモル)を加えた。室温で12時間後、反応混合物を氷冷水でクエンチし、希釈したHClでpH4に酸性化し、EtOAcで抽出し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして蒸発させて1.39g(90%)の目的生成物10を固体として得た:m/z=242(M+H)H NMR(CDCl):8.10(d,J=9.3Hz,1H),7.15(d,J=2.4Hz,1H),7.10(dd,J=9.3Hz,2.5Hz,1H),6.90(s,1H),5.80−5.67(br s,1H),4.45(t,J=7.9Hz,1H),3.95(s,3H),3.80−3.90(br s,1H),3.70−3.80(m,1H),2.75−2.60(m,1H),2.35−2.45(m,1H);1.5(s,9H)。
工程B
Figure 2009502883
10(1.25g、2.96ミリモル)、1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩11(526mg、2.96ミリモル)、HATU(1.12g、2.96ミリモル)およびDIPEA(955mg、7.39ミリモル)の混合物(50mLのDMF中)を、室温で窒素雰囲気下にて12時間、撹拌した。次いで反応混合物をジクロロメタンで希釈し、そして連続して水性NaHCOそして水で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、そして濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して(CHCl/MeOH,95:5)、1.5g(90%)の所望する生成物12を黄色い泡沫状で得た:m/z=561(M+H)H NMR(CDCl):8.10(d,J=9.3Hz,1H),7.50(s,1H),7.25(dd,J=9.3Hz,2.5Hz,1H),6.98(d,J=2.4Hz,1H),5.80−5.67(m,1H),5.29(d,J=17.1Hz,1H),5.12(d,J=10.3Hz,1H),4.45−4.50(br s,1H),4.1−4.18(m,2H),3.95(s,3H),3.8−3.9(br s,1H),3.7−3.8(m,1H),3.25−3.35(m,2H),2.35−2.45(m,1H),1.50−2.20(m,7H),1.50(s,9H)。
工程C
Figure 2009502883
12(3.0g、5.36ミリモル)の溶液(30mLのTFA−DCM 1:2中)を室温で1時間撹拌した。次いで反応混合物をトルエン(30mL)と共に蒸発乾固させて目的生成物13(>95%純度、HPLCによる)を得た:m/z=460(M+H)
工程D
Figure 2009502883
炭酸水素ナトリウム(2.7g、32ミリモル)を、13(1.5g、3.26ミリモル)の溶液(50mLのCHCl中)に加えた。次いでトリエチルアミン(681μL、4.89ミリモル)および化合物8(1.08g、4.24ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で12時間撹拌し、次いで濾過した。反応混合物を水とCHClとの間に分配し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィーによりシリカで精製して(CHCl/EtOAc、95:5)、1.73g(90%)の目的生成物14を得た:m/z=587(M+H)H NMR(CDCl):8.10(d,J=9.3Hz,1H),7.50(s,1H),7.39(s,1H),7.25(dd,J=9.3Hz,2.5Hz,1H),6.98(d,J=2.4Hz,1H),5.81−5.62(m,2H),5.56(t,J=3.8Hz,1H),5.29(dd,J=1.3Hz,17.2Hz,1H),5.12(dd,J=1.5Hz,10.4Hz,1H),5.00−4.86(m,3H),4.35(t,J=7.5Hz,2H),4.20−4.06(m,2H),3.98(s,3H),3.48−3.37(m,1H),3.10−3.00(m,1H),2.77−2.67(m,1H),2.41−2.32(m,1H),2.10(dd,J=8.6Hz,17.4Hz,1H),1.98(dd,J=7.1Hz,14.4Hz,2H),1.88(dd,J=5.6Hz,8.1Hz,1H);1.57−1.46(m,3H);1.35−1.18(m,5H)。
工程E
Figure 2009502883
化合物14(1.73g、2.95ミリモル)を、脱気した乾燥ジクロロエタン(1L)に溶解し、窒素を通気した。次いでHoveyda−Grubbs(第1世代)触媒(355mg、20モル%)を加え、そして反応混合物を70℃で20時間、窒素下にて加熱した。反応混合物を室温に冷却し、そしてロータリーエバポレーションにより濃縮した。生じた油をカラムクロマトグラフィーによりシリカで精製して(CHCl/EtOAc、90:10)、530mg(32%)の目的化合物15をベージュ色の固体として得た:m/z=559((M+H)H NMR(CDCl):8.10(d,J=9.3Hz,1H),7.50(s,1H),7.39(s,1H),7.25(dd,J=9.3Hz,2.5Hz,1H),7.2(s,1H),7.1(br s,1H),5.76−5.67(m,1H),5.6−5.57(bs,1H),5.45(dt,J=1.0Hz,10.0Hz,1H),4.4(t,J=7.8Hz,2H),4.2(q,J=7.1Hz,2H);3.9(s,3H),4.00−3.88(m,1H),3.8−3.9(dd,J=12.5,4.0Hz,1H),2.5−2.7(m,3H),2.15−2.3(m,2H),1.8−2.0(m,3H),1.5−1.6(m,1H),1.4−1.45(m,1H),1.22(t,J=7.1Hz,3H)。
工程F
Figure 2009502883
水酸化リチウム(307mg、7.17ミリモル)(3mLの水中)を、15(200mg、0.358ミリモル)の溶液(10mLのTHFおよび2mLのメタノール中)に加えた。室温で48時間後、反応混合物を水で希釈し、そしてpH3にHClの1N溶液で酸性化し、AcOEtで抽出し、乾燥させ(NaSO)、そして蒸発させた。得られた固体をエーテルでトリチュレートして160mg(84%)の目的生成物16を白色固体として得たm/z=530(M+H)H NMR(CDCl):8.10(d,J=9.3Hz,1H),7.50(s,1H),7.39(s,1H),7.25(dd,J=9.3Hz,2.5Hz,1H),7.39−7.30(bs,1H),5.90−5.83(bs,1H),5.71(dd,J=8.0Hz,17.9Hz,1H),5.18(t,J=10.1Hz,1H),4.79(dd,J=7.3Hz,9.0Hz,1H),4.1(s,3H),4.09−3.97(m,1H),3.81−3.66(m,2H),3.62(d,J=11.6Hz,1H),3.19−3.05(m,1H),2.59−2.22(m,4H),2.01−1.90(m,1H),1.89(dd,J=5.8Hz,J=8.6Hz,1H),1.70(dd,J=6.1Hz,9.8Hz,1H),1.67−1.58(m,2H),1.43−1.28(m,2H)。
実施例3:N−[17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−2,14−ジオキソ−3,15−ジアザ−13−オキサトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデカ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(17)の合成
Figure 2009502883
16(120mg、0.23ミリモル)およびカルボニルジイミダゾール(44mg、0.27ミリモル)の溶液(25mLの乾燥THF中)を窒素下で3時間、還流した。場合によりアザラクトン誘導体を所望により単離することができる。次いで反応混合物を室温に冷却し、そしてシクロプロピルスルホンアミド(33mg、0.27ミリモル)およびDBU(52mg、0.34ミリモル)を加えた。反応混合物を50℃で24時間加熱し、次いで室温に冷却し、そして水とCHClとの間に分配した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして溶媒を蒸発させた。粗物質をカラムクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製して(CHCl/EtOAc、95:05)固体を得、これを連続して水中でトリチュレートし、濾過し、乾燥させ、エーテル中でトリチュレートし、そして再度、高真空下にて乾燥させて23mg(16%)の表題生成物17を白色粉末として得た:m/z=530(M+H)H NMR(CDCl):8.10(d,J=9.3Hz,1H),7.50(s,1H);7.39(s,1H);7.25(dd,J=9.3Hz,2.5Hz,1H);7.39−7.30(bs,1H);5.90−5.83(bs,1H);5.71(dd,J=8.0Hz,17.9Hz,1H);5.18(t,J=10.1Hz,1H),4.79(dd,J=7.3Hz,9.0Hz,1H),4.1(s,3H),4.09−3.97(m,1H),3.81−3.66(m,2H),3.62(d,J=11.6Hz,1H),3.19−3.05(m,1H);2.59−2.22(m,4H);2.01−1.90(m,1H),1.89(dd,J=5.8Hz,8.6Hz,1H),1.70(dd,J=6.1Hz,9.8Hz,1H),1.67−1.58(m,2H),1.75−0.76(m,7H)。
実施例4:17−(7−メトキシ−2−フェニルキノリン−4−イルオキシ)−2,14−ジオキソ−3,15−ジアザ−13−オキサトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデカ−7−エン−4−カルボン酸(22)の合成
工程A
Figure 2009502883
N−Boc−ヒドロキシプロリン(3.9g、16.9ミリモル)の撹拌溶液(90mLのDMSO中)に、カリウムtert−ブトキシド(4.5g、40.1ミリモル)を加えた。1時間後、4−クロロ−2−フェニル−7−メトキシ−キノリン(4.5g、16.7ミリモル)を加え、そして生じた溶液を室温で12時間撹拌した。次いで混合物を水(180mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL)で洗浄し、そして1N HClで中和した。固体を濾過し、水で洗浄し、そして乾燥させて4.65gの目的生成物18を得た。m/z=464.2(M+H)
工程B
Figure 2009502883
1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボン酸エチルエステル(11、41mg、0.26ミリモル)、18(11mg、0.22ミリモル)、HATU(204mg、0.54ミリモル)の溶液(4mLのDMF中)に、DIPEA(187μL、1.08ミリモル)を加えた。室温で1時間撹拌した後、ジクロロメタン(4mL)を加えた。溶液を水性NaHCO(sat)、そして2部の水で連続して洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、そして濃縮して表題の生成物19を得た:m/z=602.2(M+H)
工程C
Figure 2009502883
19(0.36g、0.60ミリモル)の溶液(5mLのジクロロメタン中)に、0℃でトリフルオロ酢酸を1回で加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、そしてさらに室温で40分間撹拌し、次いで濃縮し、そしてトルエンから濃縮して(3×15mL)、オフホワイト色の泡沫を得た。この残渣に、9(0.175g、0.66ミリモル)の溶液(10mLのジクロロメタン中)を、続いてジイソプロピルエチルアミン(0.32mL、1.8ミリモル)を加え、そして48時間、還流した。次いで反応混合物を濃縮し、そしてジクロロメタン(15mL)およびジイソプロピルエチルアミン(0.32ml、1.8ミリモル)に再溶解し、次いでさらに48時間還流した。生じた明茶色の溶液をジクロロメタン(15mL)で希釈し、水性の飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し(3×20mL)、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィーによる精製(AcOEt/ヘキサンの40:60から50:50の勾配)、240mg(63%)の所望する生成物20を無色の油として得た:m/z=628(M+H)
工程D
Figure 2009502883
ジ−アルケン20(0.24g、0.38ミリモル)の溶液(240mLのジクロロエタン中)を、連続して窒素で3回、続いてアルゴンで1回、脱気し、次いでHoveyda−Grubbs第1世代(0.016g、0.07当量)を加え、そして反応混合物をさらに2回、アルゴンで脱気し、次いで16時間、アルゴン下で還流した。次いで反応混合物を室温に冷却し、触媒スカベンジャーを加え(0.13g)、そして生じた混合物を1時間撹拌した。次いで混合物を濾過し、そして蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して(AcOEt/ヘキサンの40:60から50:50勾配)、150mg(67%)の目的生成物21を無色の固体として得た。
工程E
Figure 2009502883
1Mの水酸化リチウム(3mL)を室温でエチルエステル21(0.15g、0.25ミリモル)の溶液(6mLのジオキサン−メタノール 1:1中)に加えた。2時間後、メタノール(1mL)をゲル様の懸濁液に加え、そして生じた溶液をさらに24時間撹拌した。次いで反応混合物は酢酸(0.5mL)を使用して酸性化し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して(AcOEt/MeOH、92:8+0.5%のAcOH)、110mg(76%)の目的化合物22を無色の固体として得た:m/z=572(M+H)
実施例5:N−[17−(7−メトキシ−2−フェニルキノリン−4−イルオキシ)−2,14−ジオキソ−3,15−ジアザ−13−オキサトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデカ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)−スルホンアミド(23)の合成
Figure 2009502883
酸22(0.041g、0.072ミリモル)の撹拌懸濁液(1.2mLのジクロロメタン−ジメチルホルムアミド 3:1中)に、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドxHCl(0.027g、0.143ミリモル)を加え、この時点で溶液を得た。反応混合物を10分間撹拌し、その後4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.009g、0.072ミリモル)を加え、そして反応混合物をさらに40分間、室温で撹拌した。次いで国際公開第03/053349号パンフレットに記載されているように製造したシクロプロピルスルホンアミド(0.035g、0.287ミリモル)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.043ml、0.287ミリモル)の溶液を加え、そして試験管を密閉し、そして次いで100℃で40分間、マイクロ波にかけた。次いで反応混合物を酢酸エチル(20mL)、水性1M 塩酸とブラインとの間で分配した。有機層は、上記に順じて処理した0.062g、0.108ミリモル)の酸から出発した別のバッチの有機層とプールした。生じた溶液を乾燥させ(NaSO)、濾過し、そしてシリカで濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(AcOEt:トルエン 50:50から100:0+0.5%AcOH、続いてAcOEt/MeOH、9:1の勾配)。適切な画分を濃縮し、そしてさらに製造用HPLC(カラム:ACE 5 C8、100x21.2mm、ACE−122−1020)で、流速=15mL/分、勾配、10分で、10mMの水性酢酸アンモニウム中の55%メタノール/5%アセトニトリルから90%メタノールを使用して精製した。適切な画分を濃縮し、メタノールに再溶解し、濃縮し、そして一晩凍結乾燥してオフホワイト色の固体を得た。最後にこの物質をカラムクロマトグラフィーにかけて(AcOEt/トルエン、1:1)、39mg(32%)の所望する生成物23を白色粉末として得た:m/z=675(M+H)13C−NMR(125MHz,CDCl):6.4,6.5,22.8,24.0,25.3,28.0,31.3,33.4,37.4,43.0,53.8,56.2,58.2,63.7,76.1,98.9,108.3,115.4,118.8,123.3,126.0,127.4,128.0,128.9,129.3,129.6,130.3,131.2,139.8,151.4,154.5,158.5,160.5,161.6,169.9,175.6。
実施例6:18−(7−メトキシ−2−フェニルキノリン−4−イルオキシ)−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−14−オキサトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸(24)の合成
Figure 2009502883
表題化合物24は、中間体19およびO−(ヘプタ−6−エニル)−O−(4−ニトロフェニル)カーボネートから、17−7−(メトキシ−2−フェニルキノリン−4−イルオキシ)−2,14−ジオキソ−3,15−ジアザ−13−オキサトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデカ−7−エン−4−カルボン酸(22)の合成について記載したものと同じ手順(工程C−E)に従い合成した:m/z=586(M+H)
実施例7:N−[18−(7−メトキシ−2−フェニルキノリン−4−イルオキシ)−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−14−オキサトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)−スルホンアミド(25)の合成
Figure 2009502883
表題化合物25は、化合物24から、N−[17−(7−メトキシ−2−フェニルキノリン−4−イルオキシ)−2,14−ジオキソ−3,15−ジアザ−13−オキサトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデカ−7−エン−4−カルボニル]−(シクロプロピル)スルホンアミド(23)の合成について記載したものと同じ手順に従い合成した:m/z=689(M+H)
実施例8:
3−オキソ−2−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(27)の合成
Figure 2009502883
DMAP(14mg、0.115ミリモル)およびBocO(252mg、1.44ミリモル)を、26(180mg、1.15ミリモル)の撹拌溶液(2mLのCHCl中)に、不活性アルゴン雰囲気下で0℃にて加えた。反応物を室温に暖め、そして一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、そして粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し(トルエン/酢酸エチルの15:1、9:1、6:1、4:1、2:1の勾配)、これは表題化合物を白色結晶として与えた(124mg、51%)。
H−NMR(300MHz,CDOD)δ1.45(s,9H),1.90(d,J=11.0Hz,1H),2.10−2.19(m,3H),2.76−2.83(m,1H),3.10(s,1H),4.99(s,1H);13C−NMR(75.5MHz,CDOD)δ27.1,33.0,37.7,40.8,46.1,81.1,81.6,172.0,177.7。
化合物27の製造に関する代替法
Figure 2009502883
化合物26(13.9g、89ミリモル)をジクロロメタン(200ml)に溶解し、次いで約−10℃に窒素下で冷却した。次いで溶液にイソブチレンを全容量が約250mlに増すまで通気し、これは「濁った溶液」を与えた。BFxEtO(5.6ml、44.5ミリモル、0.5当量)を加え、そして反応混合物を約−10℃に窒素下で維持した。10分後、透明溶液が得られた。反応はTLCにより監視した(数滴の酢酸で酸性とした3:2のEtOAc−トルエン、そして4:1のヘキサン−EtOAc、塩基性の過マンガン酸塩溶液で染色した)。70分で、化合物26の痕跡のみが残り、そして水性の飽和NaHCO(200ml)を反応混合物に加え、次いでこれを10分間、激しく撹拌した。有機層を飽和NaHCO(3x200ml)、そしてブライン(1x150ml)で洗浄し、次いで亜硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして油を含有する小滴に濃縮した。残渣にヘキサンを加えると、生成物は崩壊した。さらにヘキサンを加え、そして加熱還流して透明溶液を与え、これから生成物を結晶化した。結晶は濾過により集め、そしてヘキサン(rt)で洗浄し、次いで72時間風乾して、無色の針状物(12.45g、58.7ミリモル、第1の収量から66%)を得た
実施例9:P2基礎単位としてのキナゾリンの合成
2−(4−フルオロ−ベンゾイルアミノ)−4−メトキシ−3−メチル−安息香酸メチルエステル(28)
Figure 2009502883
4−フルオロ安息香酸(700mg、5ミリモル)をジクロロメタン(20ml)およびピリジン(2ml)に溶解した。2−アミノ−4−メトキシ−3−メチル−安息香酸メ
チルエステル(878mg、4.5ミリモル)を加え、そして混合物を5時間、還流した。水を加え、そして混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を乾燥させ、濾過し、そして蒸発させ、そして得られた残渣をカラムクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し、1:1のエーテル−ペンタンで溶出し、これにより純粋な表題化合物を得た(870mg、61%)。MS(M+H)318.
2−(4−フルオロ−ベンゾイルアミノ)−4−メトキシ−3−メチル−安息香酸(29)
Figure 2009502883
LiOH(1M、4mL)を、2−(4−フルオロ−ベンゾイルアミノ)−4−メトキシ−3−メチル−安息香酸メチルエステル(28)(870mg、2.7ミリモル)の溶液(15mLのテトラヒドロフラン、7.5mLの水および7.5mLのメタノール中)に加えた。混合物を50℃に4時間加熱した。水(30mL)を加え、そして容量を半分に減らした。酢酸による酸性化、続いて濾過により純粋な表題化合物(830mg、100%)を得た。MS(M+H)304.
2−(4−フルオロ−フェニル)−7−メトキシ−8−メチル−キナゾリン−4−オール(30)
Figure 2009502883
2−(4−フルオロ−ベンゾイルアミノ)−4−メトキシ−3−メチル−安息香酸(29)(830mg、2.7ミリモル)を、ホルムアミド(20ml)中、150℃で4時間加熱した。過剰なホルムアミドを蒸留により除去した。水を加え、そして沈殿した生成物を濾過して純粋な表題化合物(642mg、83%)を得た。MS(M+H)285.
実施例10:置換キナゾリン−4−オールの製造に関する一般的手順
Figure 2009502883
置換2−アミノ−ベンズアミド[A](1当量)の懸濁液(60mlの乾燥THF中)にピリジン(2当量)を滴下し、そして混合物を5℃に冷却した。酸クロライド[B](1.25当量)をゆっくりと加え、そして混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、そして水に懸濁した。化合物を数時間、水中に放置し、濾過し、そして冷水そしてジエチルエーテルで洗浄した。生成物[C]を真空下で乾燥させた。収率:90〜100%。使用した酸クロライド[B]は、ニコチニルクロライド塩酸塩であり、2.5当量のピリジンを使用し、そして混合物は室温で一晩ではなく2〜3日撹拌した。
形成したアミド[C](1当量)を炭酸ナトリウム(2.5当量)の懸濁液(水とEtOHの1:1の混合物中)に加え、そして混合物を2時間還流した。EtOHを減圧下で除去し、5%のクエン酸溶液を加え、そして混合物を一晩静置した。生成物[D]を濾過により単離し、次いで水そしてジエチルエーテルで洗浄し、そして真空下で乾燥させた。実施例11:7−メトキシ−8−メチル−2−ピリジン−3−イル−キナゾリン−4−オール(31)
Figure 2009502883
ベンズアミド誘導体として2−アミノ−4−メトキシ−3−メチルベンズアミドを、そして酸クロライドとしてニコチニルクロライド塩酸塩を使用して、実施例10に記載した一般的手順に従い、これにより表題化合物(2.5g、92%)を得た、[M+H]=268。
実施例12:7−メトキシ−8−メチル−2−ピリジン−4−イル−キナゾリン−4−オール(32)
Figure 2009502883
ベンズアミド誘導体として2−アミノ−4−メトキシ−3メチルベンズアミドを、そして酸クロライドとしてイソニコチノイルクロライド塩酸塩を使用して、実施例10に記載した一般的手順に従い、これにより表題化合物(1.6g、60%)を得た、[M+H]=268。
実施例13:7−メトキシ−8−メチル−2−エチル−キナゾリン−4−オール(33)
Figure 2009502883
ベンズアミド誘導体[A]として2−アミノ−4−メトキシ−3−メチルベンズアミドを、そして酸クロライド[B]として酢酸クロライドを使用して、実施例10に記載した一般的手順に従い、これにより表題化合物(2.2g、100%)を得た。
H−NMR DMSO−Dδ1.2(m,3H),2.38(s,3H),2.6(m,2H),3.90(s,3H),7.18(d,2H),7.96(d,2H),11.88(s,1H)。
実施例14:7−メトキシ−8−メチル−2−(4−メトキシフェニル)−キナゾリン−4−オール(34)
Figure 2009502883
ベンズアミド誘導体[A]として2−アミノ−4−メトキシ−3−メチルベンズアミドを、そして酸クロライド[B]として4−メトキシ安息香酸クロライドを使用して、実施例10に記載した一般的手順に従い、これにより表題化合物(5.5g、92%)を得た。H−NMR DMSO−Dδ2.38(s,3H),3.82(s,3H),3.92(s,3H),7.04(d,2H),7.20(d,1H),8.00(d,1H),8.20(d,2H),12.18(s,1H)。
実施例15:8−メトキシ−2−フェニル−キナゾリン−4−オール(35)
Figure 2009502883
ベンズアミド誘導体[A]として2−アミノ−4−メトキシ−3−メチルベンズアミドを、そして酸クロライド[B]としてベンゾイルクロライドを使用して、実施例10に記載した一般的手順に従い、これにより表題化合物(2.0g、80%)を得た、[M+H]=253。
H−NMR DMSO−Dδ3.97(s,3H),7.39−7.72(m,6H),8.19(m,2H),12.48(s,1H)。
実施例16:2−(3−フルオロ−フェニル)−7−メトキシ−8−メチル−キナゾリン−4−オール(36)
Figure 2009502883
ベンズアミド誘導体[A]として2−アミノ−4−メトキシ−3−メチルベンズアミドを、そして酸クロライド[B]として3−フルオロ−ベンゾイルクロライドを使用して、実施例10に記載した一般的手順に従い、これにより表題化合物(2.1g、73%)を得た、[M+H]=271。
実施例17:2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−7−メトキシ−8−メチル−キナゾリン−4−オール(37)
Figure 2009502883
ベンズアミド誘導体[A]として2−アミノ−4−メトキシ−3−メチルベンズアミドを、そして酸クロライド[B]として3,5−ジフルオロ−ベンゾイルクロライドを使用して、実施例10に記載した一般的手順に従い、これにより表題化合物(2.1g、85%)を得た、[M+H]=303。
実施例18:7−メトキシ−8−メチル−キナゾリン−4−オール(38)
Figure 2009502883
表題化合物は、一般的手順において、工程[B]から[C]の閉環反応をEtOHではなくDMF中で行った時に、副産物として形成された。
実施例19:式(I)の化合物の活性
レプリコンアッセイ
式(I)の化合物は、細胞アッセイでHCV RNA複製の阻害における活性について調査した。このアッセイは、式(I)の化合物が細胞培養で機能するHCVレプリコンに対して活性を表すことを示した。細胞アッセイは、マルチ−ターゲットスクリーニング法で、Lohmann et al.により(1999)Science vol.285pp.110−113に記載され、Krieger et al.(2001)Journal of Virology 75:4614−4624に記載されているように修飾したバイシストロニック(bicistronic)な発現構築物に基づいた。本質的に方法は以下の通りである。
アッセイは安定にトランスフェクトされた細胞株Huh−7luc/neo(今後、Huh−Lucと呼ぶ)を利用した。この細胞株は、脳心筋炎ウイルス(EMCV)に由来するインターナルリボソームエントリーサイト(IRES)から翻訳された1b型HCVの野生型NS3−NS5B領域、先行するレポーター部分(FfL−ルシフェラーゼ)、および選択可能なマーカー部分(neo、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ)を含んでなるバイシストロニックな発現構築物をコードするRNAを宿す。構築物は5’および3’NTR(非翻訳領域)により1b型HCVから区切られた。G418(neo)の存在下、レプリコン細胞の連続培養は、HCV RNAの複製に依存する。HCV RNAを発現する安定にトランスフェクトされたレプリコン細胞(これは自律的に、そして高レベルまで複製し、とりわけルシフェラーゼをコードする)を抗ウイルス化合物をスクリーニングするために使用した。
レプリコン細胞は、種々の濃度で加えた試験および対照化合物の存在下、384ウェルプレートに播いた。3日間インキュベーションした後、HCV複製はルシフェラーゼ活性をアッセイすることにより測定した(標準的なルシフェラーゼアッセイ基質および試薬およびパーキンエルマー(Perkin Elmer)のViewLux(商標)ultraHTSマイクロプレートイメージャーを使用した)。対照培養中のレプリコン細胞は、高いルシフェラーゼ発現をインヒビターの不存在下で有する。化合物のルシフェラーゼ活性に及ぼす阻害活性は、Huh−Luc細胞で監視され、各試験化合物に関する用量−応答曲線を可能にする。次いでEC50値を算出し、この値は検出されるルシフェラーゼ活性のレベルの50%まで減少させるために必要な化合物の量を表し、より詳細には遺伝子で結合されたHCVレプリコンRNAが複製する能力を表す。
阻害アッセイ
このインビトロアッセイの目的は、本発明の化合物によるHCV NS3/4Aプロテアーゼ複合体の阻害を測定することである。このアッセイは本発明の化合物がHCV NS3/4Aタンパク質溶解活性の阻害にいかに効果的であるかの指標を提供する。
完全長のC型肝炎NS3プロテアーゼ酵素の阻害は、本質的にPoliakov,2002、Prot Expression & Purification 25 363 371に記載されているように測定した。簡単に説明すると、デプシペプチド基質、Ac−DED(Edans)EEAbuΨ[COO]ASK(Dabcyl)−NH(AnaSpec、サン ホゼ、米国)の加水分解をペプチドコファクター、KKGSVVIVGRIVLSGK( ke Engstream、ウプサラ大学の医学生物学および微生物学部、スウェーデン)の存在下で分光蛍光的に測定した。[Landro,1997#Biochem36 9340−9348]。酵素(1nM)を、25μMのNS4Aコファクターおよびインヒビターを含む50mM HEPES、pH7.5、10mM DTT、40%グリセロール、0.1%n−オクチル−D−グルコシド中で、30℃にて10分間インキュベーションし、この時に反応は0.5μMの基質を加えることにより開始した。インヒビターをDMSOに溶解し、30秒間超音波処理し、そしてボルテックスで混合した。溶液は測定の間、−20℃に保存した。
アッセイサンプル中のDMSOの最終濃度は、3.3%に調整した。加水分解の速度は、公開されている手順に従い内部のフィルター効果について補正した。[Liu,1999 Analytical Biochemistry 267 331−335]。Ki値は、競合的阻害に関するモデルおよびKmに関する固定値(0.15μM)を使用して非線形回帰分析により予想した(GraFit,Erithacus Software,Staines、MX,英国)。2つの複製の最小値は、すべての測定について行った。
以下の表1は、上記実施例の1つに従い製造した化合物を列挙する。化合物は実施例1
〜7で提供する番号と同じ番号を付ける。試験した化合物の活性も表す。
Figure 2009502883
Figure 2009502883

Claims (18)


  1. Figure 2009502883
    [式中、
    各破線(−−−−−により表される)は場合により存在しうる二重結合を表し;
    XはN、CHであり、そしてXが二重結合を有する場合、これはCであり;
    はアリールまたは飽和、一部不飽和もしくは完全に不飽和の5もしくは6員の単環式または9〜12員の二環式複素環式環系であり、ここで該環系は1個の窒素を含み、そして場合により酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される1〜3個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく、そしてここで残る環員は炭素原子であり;ここで該環系は場合により任意の炭素または窒素環原子上で、C3−7シクロアルキル、アリール、Het、−C(=O)−NR4a4b、−C(=O)R、−C(=O)OR5a、および場合によりC3−7シクロアルキル、アリール、Het、−C(=O)NR4a4b、−NR4a4b、−C(=O)R、−NR4aC(=O)R、−NR4aSO、−SO、−SONR4a4b、−C(=O)ORまたは−NR4aC(=O)OR5aで置換されてもよいC1−6アルキルから各々が独立して選択される1、2、3もしくは4個の置換基で置換されることができ;そしてここで、複素環式環の任意の炭素原子上の置換基はまた−OR、−SR、ハロ、ポリハロ−C1−6アルキル、オキソ、チオ、シアノ、ニトロ、アジド、−NR4a4b、−NR4aC(=O)R、−NR4aSO、−SO、−SONR4a4b、−C(=O)OHおよび−NR4aC(=O)OR5aから選択されることもでき;
    Lは直接結合、−O−、−O−C1−4アルカンジイル−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−NR4a−または−O−C(=O)−NR4a1−4アルカンジイル−であり;
    は水素、−OR、−C(=O)OR、−C(=O)R、−C(=O)NR4a4b、−C(=O)NHR4c、−NR4a4b、−NHR4c、−NR4aSONR4a4b、−NR4aSOまたはB(ORを表し;
    は水素であり、そしてXはCまたはCHである場合、RはまたC1−6アルキルであることもでき;
    nは3、4、5または6であり;
    pは1または2であり;
    各R4aおよびR4bは独立して水素、C3−7シクロアルキル、アリール、Het、
    場合によりハロ、C1−4アルコキシ、シアノ、ポリハロC1−4アルコキシ、C3−7シクロアルキル、アリールもしくはHetで置換されてもよいC1−6アルキルであり;あるいはR4aおよびR4bはそれらが結合している窒素原子と一緒になってピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル、4−C1−6アルキルカルボニル−ピペラジニル、およびモルホリニルを形成し;ここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができ;
    4cはC3−7シクロアルキル、アリール、Het、−O−C3−7シクロアルキル、−O−アリール、−O−Het、C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシであり、ここで該C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシは各々場合により−C(=O)OR、C3−7シクロアルキル、アリールまたはHetで置換されることができ;
    は水素;C2−6アルケニル;Het;場合によりC1−6アルキルで置換されてもよいC3−7シクロアルキル;または場合によりC3−7シクロアルキル、アリールまたはHetで置換されてもよいC1−6アルキルであり;
    5aはC2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、Het、または場合によりC3−7シクロアルキル、アリールまたはHetで置換されてもよいC1−6アルキルであり;
    は水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキルまたはアリールであり;
    は水素;ポリハロC1−6アルキル;アリール;Het;場合によりC1−6アルキルで置換されてもよいC3−7シクロアルキル;または場合によりC3−7シクロアルキル、アリールまたはHetで置換されてもよいC1−6アルキルであり;
    基または基の一部としてのアリールはフェニル、ナフチル、インダニルまたは1,2,3,4−テトラヒドロナフチルであり、その各々は場合によりハロ、C1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ポリハロC1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、カルボキシル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、アジド、メルカプト、C3−7シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル、4−C1−6アルキルカルボニル−ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されることができ;ここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができ;そしてフェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル基は場合によりC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノから各々独立して選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されることができ;
    基または基の一部としてのHetは窒素、酸素および硫黄から各々が独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の飽和、一部飽和もしくは完全に不飽和の複素環式環であり、該複素環式環は場合によりベンゼン環と縮合していてもよく、そしてここで全体として基Hetは場合によりハロ、C1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ポリハロC1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、カルボキシル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、C3−7シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル、4−C1−6アルキルカルボニル−ピペラジニルおよびモルホリニルよりなる群から各々が独立して選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されることができ;ここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されることができ;そしてフェニル、ピリジル、チアゾリル、ピラゾリル基は場合によりC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノから各々独立して
    選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されることができる]
    を有する化合物、そのN−オキシド、付加塩および立体化学的異性体。
  2. 化合物が式(I−b):
    Figure 2009502883
    を有する請求項1に記載の化合物。
  3. 化合物が式(I−c)または(I−d):
    Figure 2009502883
    を有する請求項1〜2のいずれか1項に記載の化合物。
  4. Lが−O−、−O−CO−または直接結合である請求項1〜2のいずれか1項に記載の化合物。
  5. Lが−O−であり、そして−R
    (d−1)式
    Figure 2009502883
    の基
    (d−2)式
    Figure 2009502883
    の基
    (d−3)式
    Figure 2009502883
    の基
    (d−4)式
    Figure 2009502883
    の基、または特に(d−4−a)式
    Figure 2009502883
    の基
    (d−5)式
    Figure 2009502883
    の基であり、
    式中、基(d−1)〜(d−5)、ならびに(d−4−a)および(d−5−a)において、各R1a、R1b、R1b’、R1d、R1d’、R1e、R1fは独立して請求項1に特定するRの単環式または二環式環系上の可能な置換基として挙げたものから選択される任意の置換基である請求項3または4に記載の化合物。
  6. Lが−O−であり、そして−Rが式
    Figure 2009502883
    [式中、R1fが水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(特に4−メチルピペラジニル)またはモルホリニルである]
    の基である請求項3または4に記載の化合物。
  7. (f)Rが−NHR4cであり、ここでR4cがC1−6アルキル、アリール、Het、C1−6アルコキシ、−O−アリールまたは−O−Hetであるか;あるいは
    (g)Rが−ORであり、ここでRがメチル、エチル、tert−ブチルまたは水素であるか;あるいは
    (h)Rが−NHS(=O)であり、ここでRがメチル、シクロプロピル、メチルシクロプロピルまたはフェニルであるか;あるいは
    (i)Rが−C(=O)OR、−C(=O)R、−C(=O)NR4a4bまたは−C(=O)NHR4cであり、ここでR4a、R4b、R4c、RまたはRが請求項1〜4のいずれか1項で定義した通りであり、そしてR4cがシクロプロピルであるか;あるいは
    (j)Rが−NHS(=O)NR4a4bであり、ここでR4aおよびR4bは各々独立して水素、C3−7シクロアルキルまたはC1−6アルキルである、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. nが4または5である請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. XがNである請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. XがCHであり、そしてXとRを持つ炭素原子との間の結合が単結合である請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  11. が水素である請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  12. N−オキシドまたは塩以外である請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. (a)請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩;および
    (b)リトナビルまたはその製薬学的に許容され得る塩
    を含んでなる組み合わせ。
  14. 担体、および有効成分として抗ウイルス的に有効な量の請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物または請求項13に記載の組み合わせを含んでなる製薬学的組成物。
  15. 薬剤として使用するための請求項1〜12のいずれかに記載の化合物または請求項13
    に記載の組み合わせ。
  16. HCVの複製を阻害する薬剤を製造するための請求項1〜12のいずれかに記載の化合物または請求項13に記載の組み合わせの使用。
  17. 有効量の請求項1〜12のいずれかに記載の化合物または請求項13に記載の組み合わせの有効量の各成分を投与することを含んでなる温血動物におけるHCV複製の阻害方法。
  18. 請求項1〜12のいずれかに記載の化合物の製造法であって:
    (a)以下の反応スキームに概略するように、式(I−i)の化合物であるCとCとの間の結合が二重結合である式(I)の化合物を、CとCとの間の二重結合を、特にオレフィン複分解反応を介して形成すると同時に大環に環状化することにより製造し:
    Figure 2009502883
    (b)式(I−i)の化合物中のC7−C8二重結合の還元により式(I−d)の化合物を、大環のC7とC8との間の結合が単結合である式(I)の化合物、すなわち式(I−j)の化合物
    Figure 2009502883
    に転換し;
    (c)式(I−d−1)により表されるRが−NR5a5b、−NHR5c、−NHSONR5a5b、−NR5aSOを表す(これらの基は集合的に−NR2−a2−bにより表される)式(I)の化合物を、Gが基:
    Figure 2009502883
    を表す以下のスキームに概略するように、中間体(III)とアミンH−NR2−a2−b(IV−a)との間にアミド結合を形成することにより製造するか、あるいはRが−ORを表す式(I)の化合物、すなわち式(I−d−2)の化合物を、中間体(III)とアルコール(IV−b)との間にエステル結合を形成せしめることにより製造し:
    Figure 2009502883
    (d)Rが水素を表す式(I)の化合物、すなわち式(I−d−3)の化合物を、RがC1−4アルキルである式(I−d−2)の中間体であるエステル(I−d−2−a)から、対応するアルコール(I−d−3)への還元反応、続いて穏やかな酸化剤での酸化反応により製造し:
    Figure 2009502883
    (e)以下の反応スキームに概略するように、中間体(V)を中間体(4b)、(4c)、(4d)、(4e)または(4f)と反応させ、ここで種々の基は上に特定した意味を有し、そしてC1−4AlkはC1−4アルカンジイルを表し:
    Figure 2009502883
    そして、式中、(4b)中のYはヒドロキシまたは脱離基を表し;この反応は特にYが脱離基を表す場合O−アリール化反応であるか、またはYがヒドロキシである場合ミツノブ反応であり;
    (f)Lがウレタン基である(Lが−O−C(=O)−NR5a−である)式(I)の化合物を、中間体(4a)をアミン(4c)または(4d)とカルボニル導入剤の存在下で反応させることにより製造し、カルボニル導入剤は特にホスゲンまたはホスゲン誘導体を含んでなり;
    (g)Lが−O−C(=O)−である式(I)の化合物を、アルコール(4a)を酸(4e)または対応するアシル化剤、特に酸無水物または酸ハライドのようなその活性な誘導体と反応させることにより製造し;
    (h)Lが−O−C1−4アルカンジイル−である式(I)の化合物を、(4a)と(4f)との間のエーテル形成反応により製造し;
    (i)式(I)の化合物を官能基変換反応により互いに転換し;あるいは
    (j)式(I)の化合物の遊離形を酸または塩基と反応させることにより塩形態を製造する、
    ことを含んでなる請求項1〜12のいずれかに記載の化合物の製造法。
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