JP2009501595A - 歯科補綴物 - Google Patents

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Abstract

本発明のセラミックコーピングの製造方法は、i)歯模型を少なくとも1層のプラスチック層で被覆する工程と、ii)工程(i)から得られるプラスチック被覆歯模型を溶融アルミナゲルで被覆し、それを乾燥させて、未焼結状態のセラミックコーピングを形成する工程と、iii)工程(ii)から得られる未焼結状態のセラミックコーピングを950〜1200℃の温度で焼結する工程と、iv)工程(iii)から得られるセラミックコーピングを結晶粉末で被覆する工程と、v)工程(iv)から得られる結晶粉末被覆セラミックコーピングを1180℃以下の温度で結晶硬化させる工程と、を含む。そして、完成したセラミックコーピング、すなわち結晶硬化したセラミックコーピングの外側を審美層で被覆すると、歯科補綴物を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

発明の分野
本発明は、金属非含有歯科補綴物に関する。特に、本発明は、金属非含有歯科補綴物の内側支持構造体を製造する方法を提供する。
発明の背景
歯科補綴物、例えば、歯科用クラウン又は歯科用ブリッジは、通常、内側の支持構造体、及び外側の審美層から成る。歯学用語では、歯科補綴物の内側支持構造体はコーピングと呼ばれる。金属焼付ポーセレン(PFM)歯科補綴物では、コーピングは金属製である。PFM歯科補綴物は、口にぴったり合わないと、重大な不都合に直面する。PFM歯科補綴物は、製造時に金属コーピングの辺縁の計算を誤ると、調節が不可能である。金属コーピングは、得られるPFM歯科補綴物の機械的強度を高めるが、灰色がかった色合いを外側の審美層に与え、そのため、得られるPFM歯科補綴物の審美的価値が低くなる。金属コーピングはまた、生体適合性を有さず、そのため、その中の金属が腐食すると、外側の審美層の変色、及び、歯科補綴物に隣接する歯肉組織の炎症が引き起こされる。
セラミックコーピングが金属コーピングの代わりに使用される金属非含有歯科補綴物が開発されている。それにもかかわらず、金属は、依然としてコーピング材の第一の選択肢である。これは、セラミックコーピングが多くの場合、非常に弱く、実用上要求される機械的強度を歯科補綴物に与えることができないか、或いは、セラミックコーピングの製造に用いられる技術があまりに複雑かつ高価であり、実行困難であるからである。
入手可能なセラミックコーピングとしては、アルミナ強化ポーセレンコーピング、ガラス浸潤セラミックコーピング、純アルミナコーピング及びガラスセラミックコーピングが挙げられる。アルミナ強化ポーセレンコーピングは、後歯の修復、又は歯科用ブリッジの構築に使用可能な程度に十分な機械的強度を有していない。ガラス浸潤セラミックコーピング、純アルミナコーピング及びガラスセラミックコーピングはいずれも、高い機械的強度を与えるが、これらのセラミックコーピングの製造に利用可能な技術は、過大な労力又は費用を要する。
セラミックコーピングの製造に利用可能な技術の1つは、埋没材を用いて、セラミックコーピング製造用モールドにキャスティングすること、次いで、セラミックコーピング材を高圧高温下でプレス成形することを必要とする。この技術の一例は、米国特許第6126732号に記載されている。この特許によれば、セラミックコーピングは、1〜50質量部のガラス粒子及び50〜99質量部のセラミック粒子を含有する組成物を、約40MPa以下の圧力及び800〜1300℃の温度でプレス成形することによって製造される。このプロセスは、モールドキャスティング工程を必要とするので、非常に時間がかかり、また、高い圧力及び温度を必要とするので、エネルギーを非常に多く消費する。
セラミックコーピングの製造に利用可能な他の技術は、コンピューター支援設計/コンピューター支援製造(CAD/CAM)システムの使用を必要とする。この技術では、歯科技工士が、修復対象の歯の模型を作製し、歯模型の形状をデジタル化し、歯模型のデジタル形状情報に基づいて、コーピングを、CADシステムを用いて設計しなければならない。そして、コーピングのデジタル設計情報を、所定の歯科技工所にインターネットを通じて送り、CAMシステムを用いてコーピングを製造しなければならない。その後、コーピングは、外側の審美層を構築するために歯科技工士に戻される。この技術では、コーピングを製造するために歯科技工士が第三者の歯科技工所に依存しなければならないので、歯科技工士は多くの制約を受けることになる。この技術の一例は、PCT国際公開第2005/046502号パンフレットによって提供されている。
セラミックコーピングの製造に利用可能な更に別の技術が欧州特許第0241384号に記載されている。この特許では、セラミックコーピングが、修復対象の歯の模型を金属酸化物粒子の少量と接触させて、塊状化した金属酸化物粒子の基礎構造体を歯模型上に形成すること、基礎構造体を歯模型と一緒に焼成して、歯模型の脱水及び基礎構造体からの分離を行うこと、基礎構造体をフリット化し、最後に、基礎構造体にガラスを含浸させること、によって製造される。基礎構造体からの歯模型の分離を行うために、焼成工程中の温度は、約180℃の温度に到達するまではゆっくり(例えば1℃/分で)昇温し、次いで、約330℃まではより速く昇温するように厳しく制御しなければならない。このことにより、セラミックコーピングの製造に要する総時間が長くなる。
時間効率及びエネルギー効率に優れ、かつ高価な装置を要しない、機械的強度の高いセラミックコーピングを製造する方法が求められている。
発明の概要
本発明は、歯科補綴物のセラミックコーピングを製造する方法であって、
i)修復対象の歯の模型を少なくとも1層のプラスチック層で被覆する工程と、
ii)工程(i)から得られるプラスチック被覆歯模型を溶融アルミナゲルで被覆し、それを乾燥させて、未焼結状態のセラミックコーピングを形成する工程と、
iii)工程(ii)から得られる未焼結状態のセラミックコーピングを950〜1200℃の温度で焼結する工程と、
iv)工程(iii)から得られるセラミックコーピングを結晶粉末で被覆する工程と、
v)工程(iv)から得られる結晶粉末被覆セラミックコーピングを1180℃以下の温度で結晶硬化させる工程と、
を含む方法に関する。
製造されるセラミックコーピングが歯科用ブリッジのセラミックコーピングであるならば、
a)工程(i)及び(ii)に従って作製された、セラミックコーピングが形成された個々の歯模型を、そのフルマウス(full mouth)の位置に合わせて配置し、一箇所にまとめる工程と、
b)隣接するセラミックコーピング間に溶融アルミナゲルを接合材として塗布し、それを乾燥させて、未焼結状態の歯科用ブリッジのセラミックコーピングを形成する工程と、
が上記工程(ii)及び工程(iii)の間に更に組み込まれる。
焼結工程(iii)は、好ましくは、合計5〜10分の焼結時間のうちの約3〜5分間、真空下で行われ、好ましくは、
a)未焼結状態のセラミックコーピングを3〜6分間、500〜600℃で予備乾燥する工程と、
b)温度を、950〜1200℃の最終温度に到達するまで80〜120℃/分の速度で上昇させる工程と、
c)最終温度を5〜10分間保持し、当該保持時間の最後の3〜5分内に真空状態を解除する工程と、
に従って行われる。
結晶硬化工程(v)は、好ましくは、合計30〜50分の結晶硬化時間のうちの約15〜30分間、真空下で行われ、好ましくは、
a)結晶粉末被覆セラミックコーピングを3〜6分間、500〜600℃で予備乾燥する工程と、
b)温度を、1160〜1180℃の最終温度に到達するまで80〜120℃/分の速度で上昇させる工程と、
c)最終温度を30〜50分間保持し、当該保持時間の最後の15〜20分内に真空状態を解除する工程と、
に従って行われる。
工程(i)で使用される各プラスチック層は、好ましくは0.1〜0.15mmの厚さを有し、使用されるプラスチック材料は、好ましくはポリ塩化ビニル(PVC)である。工程(i)は、好ましくは、
a)歯模型の辺縁部に印を付ける工程と、
b)0.1〜0.15mmの厚さを有するポリ塩化ビニル(PVC)ホイル層を、0.5〜0.6mmの厚さを有するポリプロピレン(PP)ホイル層の上に積層し、これらの層を、変形可能になるまでプロパンガスの炎で加熱する工程と、
c)工程(b)から得られる変形可能なプラスチックホイルを、シリコン又は任意の他の圧力変形可能な材料で満たされたジャーの上に置く工程と、
d)歯模型を、プラスチックホイルが歯模型の形状に変形するように、工程(c)から得られる変形可能プラスチックホイル被覆シリコンジャーの中に浸漬する工程と、
e)プラスチックホイルの、歯模型の形状を取っている部分を辺縁部に沿って切り取る工程と、
f)切断体のPVC層をPP層から分離する工程と、
g)工程(f)から得られるPVC切断体を、歯模型が第1のプラスチック層で被覆されるように歯模型に被せる工程と、
h)歯模型が第2のプラスチック層で被覆されるように、第1のプラスチック層で被覆された歯模型に対して、工程(b)〜(g)を繰り返す工程と、
に従って行われる。
本発明の方法によって製造される、歯科補綴物のセラミックコーピングは、530〜630MPa以下の曲げ強度を示すことができ、また、鉱物硬度のモーススケールで硬度12を示すことができる。
発明の詳細な説明
本発明は、金属非含有歯科補綴物のセラミックコーピングを製造する方法、特に、金属非含有歯科補綴物の溶融アルミナコーピングを製造する方法、とりわけ、金属非含有歯科補綴物の、結晶硬化した溶融アルミナコーピングを製造する方法に関する。どのタイプのコーピングについても、製造開始前の標準的な準備工程は、
I)修復対象の歯を、歯科補綴物の取付けが容易になるように準備する工程、
II)準備された歯の陰型を採る工程、及び、
III)準備された歯の陽型を、陰型に基づいて形成する工程(ここで、陽型は鋳型(die)又は歯模型(tooth model)と呼ばれる)、
である。
コーピングは、歯模型に基づいて製造することができる。歯模型の製造での使用に適した従来の材料(特に石膏)はいずれも、ここで使用可能である。通常、フルマウスの陰型が患者から採られ、フルマウスの陽型が形成される。そして、修復対象の歯の個々の歯模型が、フルマウスの陽型から切り取られる。
本発明のセラミックコーピングの製造方法は、
i)歯模型を少なくとも2層のプラスチック層で被覆する工程と、
ii)工程(i)から得られるプラスチック被覆歯模型を溶融アルミナゲルで被覆し、それを乾燥させて、未焼結状態のセラミックコーピングを形成する工程と、
iii)工程(ii)から得られる未焼結状態のセラミックコーピングを950〜1200℃以下の温度で焼結する工程と、
iv)工程(iii)から得られるセラミックコーピングを結晶粉末で被覆する工程と、
工程(iv)から得られる結晶粉末被覆セラミックコーピングを1180℃以下の温度で結晶硬化させる工程と、
を含む。
そして、完成したセラミックコーピングの外側を審美層で被覆すると、歯科補綴物を得ることができる。
歯模型は、少なくとも1層のプラスチック層で被覆される。これにより、未焼結状態のセラミックコーピングを歯模型から分離すること、及び、完成したセラミックコーピングの内側表面と、修復対象の歯の外側表面との間に空間を作り出すことが可能となる。各プラスチック層は、好ましくは0.1〜0.15mmの厚さを有する。歯模型は、未焼結状態のセラミックコーピングが歯模型から分離された後も依然としてプラスチック層で被覆され、他方、別のプラスチック層は、未焼結状態のセラミックコーピングの内張りを形成している(図5に示す)。未焼結状態のセラミックコーピングのプラスチックの内張りは、焼結工程で灰化する。従って、焼結したセラミックコーピングは、プラスチックの内張りを有しないことになる。使用されるプラスチック材料は熱可塑性を特徴とし、焼結工程中の高温で灰化可能である。使用されるプラスチック材料の一例はポリ塩化ビニル(PVC)である。
上述の方法は、金属非含有歯科用クラウンの個々のセラミックコーピングを製造する方法である。金属非含有歯科用ブリッジのセラミックコーピングを製造する方法は、どのようなユニットのものであっても、個々のセラミックコーピングの間の接合部[5]を構築する追加工程が必要である点を除いて、金属非含有歯科用クラウンの個々のセラミックコーピングを製造する場合と同じである。個々のセラミックコーピングの間の接合部[5]を構築するために、先ず、上記工程(i)及び(ii)に従って作製された、セラミックコーピングが形成された個々の歯模型が、元のフルマウスの位置に合わせて配置され、一箇所にまとめられる。そして、隣接する2つのセラミックコーピング間に溶融アルミナゲルが接合材として塗布され、それが乾燥されて、未焼結状態の金属非含有歯科用ブリッジのセラミックコーピングが形成される。その後、上記工程(iii)〜(v)が実施されて、金属非含有歯科用ブリッジの、完成した結晶硬化セラミックコーピングが得られる。
以下、上述のようなセラミックコーピングの製造工程を、本発明の好ましい実施形態に従ってより詳細に説明する。
〔工程(i):歯模型を2つのプラスチック層で被覆する工程〕
工程(i)を行うために、下記工程が実施される。
a)歯模型[1]の辺縁部[3]に印を付ける工程
b)0.1〜0.15mmの厚さを有するポリ塩化ビニル(PVC)ホイル層を、0.5〜0.6mmの厚さを有するポリプロピレン(PP)ホイル層の上に積層し、これらの層を、変形可能になるまでプロパンガスの炎で加熱する工程
c)工程(b)から得られる変形可能なプラスチックホイルを、シリコン又は任意の他の圧力変形可能な材料で満たされたジャーの上に置く工程
d)歯模型[1]を、プラスチックホイルが歯模型[1]の形状に変形するように、工程(c)から得られる変形可能プラスチックホイル被覆シリコンジャーの中に浸漬する工程(図3に示す。)
e)プラスチックホイルの、歯模型[1]の形状を取っている部分を辺縁部[3]に沿って切り取る工程
f)切断体のPVC層をPP層から分離する工程
g)工程(f)から得られるPVC切断体を、歯模型[1]が第1のプラスチック層で被覆されるように歯模型[1]に被せる工程
h)歯模型[1]が第2のプラスチック層で被覆されるように、第1のプラスチック層で被覆された歯模型[1]に対して、工程(b)〜(g)を繰り返す工程
PVCホイルは、プロパンガスの炎で直接に加熱すれば、容易に破壊することができる。そこで、PPホイルが、加熱工程(b)の間、伝熱材として作用し、かつ、PVCホイルを直接的な熱から保護するように、PVCホイルがPPホイルの上に積層される。
〔工程(ii):工程(i)から得られるプラスチック被覆歯模型を溶融アルミナゲルで被覆し、それを乾燥させて、未焼結状態のセラミックコーピングを形成する工程〕
工程(ii)を行うために、先ず、プラスチック層が歯模型[1]から剥がされる。次いで、歯模型[1]にワニスが塗られる。ワニスが乾燥すると、プラスチック層が再び歯模型[1]に被せられ、プラスチック層で被覆されていない歯模型[1]の本体部[2]にセパレータオイルが塗られる。その後、プラスチックで被覆された歯模型[1]が、歯模型[1]を溶融アルミナゲル中に浸漬することによって、アルミナ粉末の水性懸濁物を含有する溶融アルミナゲルで被覆される(図4に示す)。溶融アルミナゲルが乾燥すると、未焼結状態のセラミックコーピング[4]が歯模型[1]上に形成される。過剰の溶融アルミナゲルが歯模型[1]の辺縁部[3]を覆っている場合は、過剰の溶融アルミナゲルは辺縁部[3]に沿ってこすり取ることができる。好ましくは、使用される溶融アルミナゲル中のアルミナ粉末は、平均粒子サイズが約2.5〜5.5ミクロンのものであり、より好ましくは、使用される溶融アルミナゲルは、Turkom−Ceraの商品名で市販されているものである。
〔工程(iii):工程(ii)から得られる未焼結状態のセラミックコーピングを950〜1200℃の温度で焼結する工程〕
工程(iii)を行うために、工程(ii)で形成された未焼結状態のセラミックコーピング[4]が歯模型[1]から取り外され、焼結用トレーに置かれる。そして、未焼結状態のセラミックコーピング[4]が下記プログラムに従って焼結される。
Figure 2009501595
焼結プログラムに従って、未焼結状態のセラミックコーピング[4]が3〜6分間、500〜600℃で予備乾燥され、その後、温度が、950〜1200℃の最終温度に到達するまで80〜120℃/分の速度で徐々に上げられる。そして、最終温度が5〜10分間保持される。最終温度が保持される間、焼結プロセスは、最後の3〜5分間を除いて真空下で行われる。未焼結状態のセラミックコーピングを焼結するのに費やされる時間は約12〜25分である。
この段階で、セラミックコーピング[4]の輪郭は、回転速度が2000〜3000rpmの粗粒ダイヤモンドバーを用いて修正することができる。同様に、セラミックコーピング[4]の厚さもまた、0.3mmもの薄さに調節することができる。
次の工程に先だって、修正を施されたセラミックコーピング[4]は、セラミックコーピング[4]の適合性を確認するために歯模型[1]に再度被せられる。
〔工程(iv):工程(iii)から得られるセラミックコーピングを結晶粉末で被覆する工程〕
結晶粉末で被覆されたセラミックコーピング[4]は、焼成すると非常に硬くなるので、この工程を進める前に、セラミックコーピング[4]の適合性を確保し、セラミックコーピング[4]の輪郭を修正しておくことが重要である。
工程(iv)を行うために、先ず、結晶粉末が蒸留水と混合されて、薄いペーストが調製される。そして、結晶粉末ペーストが、セラミックコーピング[4]の辺縁部[3]を被覆することなく、約1〜2mmの厚さでセラミックコーピング[4]に塗布される(図6に示す)。好ましくは、使用される結晶粉末は、10種のミネラル成分から構成される結晶粉末であり、より好ましくは、使用される結晶粉末は、Turkom−Ceraの商品名で市販されているものである。
〔工程(v):工程(iv)から得られる結晶粉末被覆セラミックコーピングを1160〜1180℃の温度で結晶硬化させる工程〕
工程(v)を行うために、結晶粉末で被覆されたセラミックコーピング[4]が、結晶硬化プロセスにおいてセラミックコーピング[4]の支持体として機能する白金棒に載せられる。結晶粉末で被覆されたセラミックコーピング[4]は、下記プログラムに従って結晶硬化プロセスに供される。
Figure 2009501595
結晶硬化プログラムに従って、結晶粉末で被覆されたセラミックコーピング[4]が3〜6分間、500〜600℃で予備乾燥され、その後、1160〜1180℃の最終温度に到達するまで80〜120℃/分の速度で徐々に上げられる。そして、最終温度が30〜50分間保持される。最終温度が保持される間、結晶硬化プロセスは、好ましくは、最後の15〜20分間を除いて真空下で行われる。最終温度が保持される保持時間は、歯科用ブリッジの結晶硬化セラミックコーピングを製造する場合は、歯科用クラウンの場合よりも長いものの、保持時間はやはり30〜50分である。結晶粉末被覆セラミックコーピングの結晶硬化プロセスに費やされる時間は約37〜65分である。
工程(v)の結晶硬化プロセスは、セラミックコーピングを硬化させ、セラミックコーピングの機械的強度を増大させるプロセスである。
余分なガラスは、結晶硬化されたセラミックコーピング[4]から、微粒ダイヤモンドバーを用いて取り除くことができ、完成したセラミックコーピング[4]の外側を審美層で被覆すると、歯科補綴物が得られる。外側の審美層の形成に使用される材料が通常はポーセレンであることから、コーピングの外側を審美層で被覆するプロセスはポーセレン積層プロセスと呼ばれる。
本発明の方法において、未焼結状態のセラミックコーピングは、歯模型に直接取り付けられたり形成されたりするのではなく、プラスチック層に取り付けられ、又は形成される。その結果、欧州特許第0241384号に記載のような、厳格な温度制御を伴う焼成工程を要せずに、未焼結状態のセラミックコーピングを歯模型から容易に分離することが可能となる。本発明の方法はまた、モールドキャスティング工程を必要とせず、また、高価な装置も必要としないので、時間効率、エネルギー効率及び費用効率が高い。本発明の方法によって製造される結晶硬化セラミックコーピングは、530〜630MPa以下の曲げ強度を示すことができ、また、鉱物硬度のモーススケールで硬度12を示すことができる。
単一のセラミックコーピングが取り付けられている単一の歯模型を示す図である。 2ユニット歯科用ブリッジのセラミックコーピングが取り付けられている2つの歯模型を示す図である。 プラスチックホイルが歯模型の形状に変形するように、歯模型が変形可能プラスチックホイル被覆シリコンジャーの中に浸漬されることを示す図である。 プラスチック被覆歯模型が溶融アルミナゲルのジャーの中に浸漬されることを示す図である。 未焼結状態のセラミックコーピングが歯模型から取り外されることを示す図である。歯模型は、セラミックコーピングが取り外された後も依然としてプラスチック層で被覆され、他方、別のプラスチック層はセラミックコーピングの内張りを形成している。 結晶粉末の被膜がセラミックコーピングに塗布されていることを示す図である。
符号の説明
1…歯模型、2…歯模型の本体部、3…歯模型又はセラミックコーピングの辺縁部、4…セラミックコーピング、5…2ユニット歯科用ブリッジのセラミックコーピングの接合部。

Claims (11)

  1. 歯科補綴物のセラミックコーピングを製造する方法であって、
    i)修復対象の歯の模型を少なくとも1層のプラスチック層で被覆する工程と、
    ii)工程(i)から得られるプラスチック被覆歯模型を溶融アルミナゲルで被覆し、それを乾燥させて、未焼結状態のセラミックコーピングを形成する工程と、
    iii)工程(ii)から得られる未焼結状態のセラミックコーピングを950〜1200℃の温度で焼結する工程と、
    iv)工程(iii)から得られるセラミックコーピングを結晶粉末で被覆する工程と、
    工程(iv)から得られる結晶粉末被覆セラミックコーピングを1160〜1180℃の温度で結晶硬化させる工程と、
    を含み、
    a)工程(i)及び(ii)に従って作製された、セラミックコーピングが形成された個々の歯模型を、そのフルマウスの位置に合わせて配置し、一箇所にまとめる工程と、
    b)隣接するセラミックコーピング間に溶融アルミナゲルを接合材として塗布し、それを乾燥させて、未焼結状態の歯科用ブリッジのセラミックコーピングを形成する工程と、
    が工程(ii)及び工程(iii)の間に組み込まれた方法。
  2. 焼結工程(iii)が、合計5〜10分の焼結時間のうちの3〜5分間、真空下で行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  3. 焼結工程(iii)が、
    a)未焼結状態のセラミックコーピングを3〜6分間、500〜600℃で予備乾燥する工程と、
    b)温度を、950〜1200℃の最終温度に到達するまで80〜120℃/分の速度で上昇させる工程と、
    c)最終温度を5〜10分間保持し、当該保持時間の最後の3〜5分内に真空状態を解除する工程と、
    に従って行われる、請求項3に記載の方法。
  4. 結晶硬化工程(v)が、合計20〜50分の結晶硬化時間のうちの15〜30分間、真空下で行われる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  5. 結晶硬化工程(v)が、
    a)結晶粉末被覆セラミックコーピングを3〜6分間、500〜600℃で予備乾燥する工程と、
    b)温度を、1160〜1180℃の最終温度に到達するまで80〜120℃/分の速度で上昇させる工程と、
    c)最終温度を30〜50分間保持し、当該保持時間の最後の15〜20分内に真空状態を解除する工程と、
    に従って行われる、請求項5に記載の方法。
  6. 工程(i)で使用される各プラスチック層が0.1〜0.15mmの厚さを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  7. 使用されるプラスチック材料がポリ塩化ビニル(PVC)である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程(i)が、
    a)歯模型の辺縁部に印を付ける工程と、
    b)0.1〜0.15mmの厚さを有するポリ塩化ビニル(PVC)ホイル層を、0.5〜0.6mmの厚さを有するポリプロピレン(PP)ホイル層の上に積層し、これらの層を、変形可能になるまでプロパンガスの炎で加熱する工程と、
    c)工程(b)から得られる変形可能なプラスチックホイルを、シリコン又は任意の他の圧力変形可能な材料で満たされたジャーの上に置く工程と、
    d)歯模型を、プラスチックホイルが歯模型の形状に変形するように、工程(c)から得られる変形可能プラスチックホイル被覆シリコンジャーの中に浸漬する工程と、
    e)プラスチックホイルの、歯模型の形状を取っている部分を辺縁部に沿って切り取る工程と、
    f)切断体のPVC層をPP層から分離する工程と、
    g)工程(f)から得られるPVC切断体を、歯模型が第1のプラスチック層で被覆されるように歯模型に被せる工程と、
    h)歯模型が第2のプラスチック層で被覆されるように、第1のプラスチック層で被覆された歯模型に対して、工程(b)〜(g)を繰り返す工程と、
    に従って行われる、請求項8に記載の方法。
  9. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法によって製造可能な、歯科補綴物のセラミックコーピング。
  10. 530〜630MPaの曲げ強度を示す、請求項10に記載のセラミックコーピング。
  11. 鉱物硬度のモーススケールで硬度12を示す、請求項10に記載のセラミックコーピング。
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