JP2005187436A - 歯科用補綴物の製造方法および歯科用陶材セット - Google Patents

歯科用補綴物の製造方法および歯科用陶材セット Download PDF

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Abstract

【課題】ジルコニア製フレームおよびセラミック層にクラックが生じず、しかも、二層形成されるそのセラミック層の下層を所期の厚さ寸法で形成し得る歯科用補綴物の製造方法、およびそれに好適に用い得る歯科用陶材セットを提供する。
【解決手段】第1セラミック層14を形成するための第1陶材として、質量比でSiO2が67.5(%)、Al2O3が15.9(%)、Li2Oが0.1(%)、Na2Oが4.8(%)、K2Oが10.0(%)、CaOが0.3(%)、MgOが0.2(%)、Sb2O3が0.2(%)、ZrO2が1.0(%)の組成のものが用いられ、その上に第2セラミック層36を形成するための第2陶材として、質量比でSiO2が64.2(%)、Al2O3が15.9(%)、Li2Oが0.1(%)、Na2Oが4.7(%)、K2Oが10.0(%)、CaOが0.7(%)、MgOが0.7(%)、Sb2O3が1.0(%)、CeO2が0.7(%)、B2O3が1.2(%)の組成のものが用いられているため、フレーム10と同等の熱膨張係数を有するので、熱処理の冷却過程でクラックの発生が抑制される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ジルコニア製フレームが用いられた歯科用補綴物の製造方法、およびそれに好適に用いられる歯科用陶材セットに関する。
従来、口腔内に装着される歯科用補綴物は、金属製フレームの表面に天然歯の色調に調整したセラミック材料(陶材)を被覆することにより構成されていたが、近年、フレームをセラミック材料で構成したオールセラミック補綴物が用いられるようになってきている(例えば特許文献1等を参照)。このようなオールセラミック補綴物によれば、生体に金属が接触することに起因する金属アレルギーや、金属色を隠すために設けられる不透明な下地層に起因して天然歯本来の色調が得られない等の問題が解消され或いは緩和される利点がある。
特許第3351701号公報
上記オールセラミック補綴物としては、例えば、珪酸リチウムガラス等の結晶化ガラスで全体を構成するものや、セラミック焼結体でフレームを構成し、その表面にガラス陶材で外装部(すなわちセラミック層)を形成するもの等がある。例えば、上記特許文献1には、長石質ガラスマトリックス中に白榴石結晶相が分散させられた二相陶材組成物が開示されている。
ところで、上記結晶化ガラスで全体を構成したセラミック補綴物は、機械的強度や靭性が比較的低いため、強度を必要とするブリッジ等には利用できず、単冠に用途が限定される。一方、上記フレームを構成するセラミック焼結体としては、スピネル、アルミナ、ジルコニア等が挙げられ、特に、アルミナ製フレームが多用されている。しかしながら、アルミナやスピネルもブリッジ用途としては機械的強度や靭性が十分に高いとは言えず、ブリッジが適用できるのは前歯に限られ、大きな咀嚼力等が作用する臼歯では単冠のみに使用可能である。
これに対して、ジルコニアはセラミックの中では機械的強度および靭性に優れているので、臼歯を含む3本ブリッジはもとより、5本、6本といった多本数のブリッジや、フルマウスも可能である。しかも、ジルコニアは歯科用途として好ましい色調を有している利点もある。特に、Y2O3を3(mol)固溶して部分安定化したものが機械的強度、靭性、色調の面で最も好ましい。
しかしながら、従来から用いられているフレーム材料の熱膨張係数は、チタンが7.8×10-6、その他の金属が11.5×10-6以上、アルミナが6.8×10-6(/℃)程度であるのに対し、ジルコニアは10×10-6(/℃)程度であって何れとも全く相違する。そのため、従来のフレーム材料の熱膨張係数に合わせて用意されている陶材を用いると、陶材をフレームに固着する熱処理の冷却過程において、セラミック層の構成材料(すなわち陶材)の熱膨張係数がジルコニアのそれに比較して大きい場合には、そのセラミック層に引張応力が発生してクラックが生じ、反対にセラミック層の構成材料の熱膨張係数がジルコニアのそれに比較して小さい場合には、フレームに引張応力が発生してクラックが生じる不都合がある。熱処理の冷却過程における収縮を考慮すると、セラミック層の熱膨張係数がフレームのそれと同等か僅かに小さいことがそれらのクラックを防止するために望ましいのである。したがって、ジルコニア製フレームに適切な熱膨張係数を有し、天然歯の色調に合わせて適宜調整可能な陶材が望まれていた。
しかも、フレーム上に形成されるセラミック層は、天然歯と同程度の色調や透明感を得ることを目的として一般に二層以上で構成される。そのため、セラミック層の上層を形成するための熱処理中に、先に形成されている下層が軟化させられ、延いては上層を形成するための陶材の流動に伴って流動させられると、下層の厚みが部分的に変化(場合によってはフレームが露出)して所期の色調や透明感が得られない部分が生じると共に、補綴物の所期の形状が得られなくなる不都合もある。このような問題は、特に、鋳込み法によってセラミック層を形成する場合に顕著となる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、ジルコニア製フレームおよびセラミック層にクラックが生じず、しかも、二層形成されるそのセラミック層の下層を所期の厚さ寸法で形成し得る歯科用補綴物の製造方法、およびそれに好適に用い得る歯科用陶材セットを提供することにある。
斯かる目的を達成するため、第1発明の要旨とするところは、ジルコニア製フレームの表面に少なくとも二層のセラミック層を固着することにより歯科用補綴物を製造する方法であって、それらセラミック層の形成工程は、(a)66.0乃至72.0(質量%)の範囲内のSiO2、13.5乃至17.8(質量%)の範囲内のAl2O3、0.05乃至0.31(質量%)の範囲内のLi2O、1.3乃至6.5(質量%)の範囲内のNa2O、8.7乃至12.5(質量%)の範囲内のK2O、0.1乃至0.5(質量%)の範囲内のCaO、0.01乃至0.22(質量%)の範囲内のMgO、0.1乃至0.6(質量%)の範囲内のSb2O3、0乃至3(質量%)の範囲内のCeO2、0乃至3(質量%)の範囲内のB2O3、および0乃至3(質量%)の範囲内のSrOを主成分とした所定の第1組成の第1セラミック層を前記フレームの表面に固着形成する第1工程と、(b)63.0乃至69.0(質量%)の範囲内のSiO2、14.8乃至17.9(質量%)の範囲内のAl2O3、0.02乃至0.28(質量%)の範囲内のLi2O、1.5乃至6.8(質量%)の範囲内のNa2O、8.0乃至14.0(質量%)の範囲内のK2O、0.2乃至1.5(質量%)の範囲内のCaO、0.05乃至0.55(質量%)の範囲内のMgO、0.2乃至2.2(質量%)の範囲内のSb2O3、0.1乃至3(質量%)の範囲内のCeO2、0.1乃至3(質量%)の範囲内のB2O3、および0乃至3(質量%)の範囲内のSrOを主成分とした所定の第2組成の第2セラミック層を前記第1セラミック層の表面を覆って固着形成する第2工程とを、含むことにある。
また、第2発明の要旨とするところは、ジルコニア製フレームの表面に少なくとも二層のセラミック層を固着形成することにより歯科用補綴物を製造するために用いられるそれらセラミック層の各々を形成するための少なくとも二種の陶材から成る歯科用陶材セットであって、(a)酸化物換算で66.0乃至72.0(質量%)の範囲内のSiO2、13.5乃至17.8(質量%)の範囲内のAl2O3、0.05乃至0.31(質量%)の範囲内のLi2O、1.3乃至6.5(質量%)の範囲内のNa2O、8.7乃至12.5(質量%)の範囲内のK2O、0.1乃至0.5(質量%)の範囲内のCaO、0.01乃至0.22(質量%)の範囲内のMgO、0.1乃至0.6(質量%)の範囲内のSb2O3、0乃至3(質量%)の範囲内のCeO2、0乃至3(質量%)の範囲内のB2O3、および0乃至3(質量%)の範囲内のSrOを主成分とする所定の第1組成となる第1陶材と、(b)酸化物換算で63.0乃至69.0(質量%)の範囲内のSiO2、14.8乃至17.9(質量%)の範囲内のAl2O3、0.02乃至0.28(質量%)の範囲内のLi2O、1.5乃至6.8(質量%)の範囲内のNa2O、8.0乃至14.0(質量%)の範囲内のK2O、0.2乃至1.5(質量%)の範囲内のCaO、0.05乃至0.55(質量%)の範囲内のMgO、0.2乃至2.2(質量%)の範囲内のSb2O3、0.1乃至3(質量%)の範囲内のCeO2、0.1乃至3(質量%)の範囲内のB2O3、および0乃至3(質量%)の範囲内のSrOを主成分とする所定の第2組成となる第2陶材とを、含むことにある。
前記第1発明によれば、前記歯科用補綴物を製造するための前記セラミック層の形成工程の前記第1工程において、前記第1組成の第1セラミック層がジルコニア製フレームの表面に固着形成された後、前記第2工程において、前記第2組成の第2セラミック層がその第1セラミック層を覆って固着形成される。そのため、これら第1セラミック層および第2セラミック層は前記の第1組成および第2組成をそれぞれ有することから、何れもジルコニア製フレームと同程度の熱膨張係数を有するので、固着形成のための熱処理の冷却過程において熱膨張係数の相違に起因してフレーム或いはセラミック層すなわち外装部にクラックの発生することが抑制される。したがって、ジルコニア製フレームおよびセラミック層にクラックを発生させることなく歯科用補綴物を製造できる。なお、第1セラミック層は、フレームの表面全体を覆って形成されても、その一部を露出させて形成されても良い。また、「第1セラミック層を覆って」とは、第1セラミック層を完全に覆う場合に限られず、その表面の一部を覆う場合も含まれる。
特に、先に下側に形成される第1セラミック層が、後にその上に形成される第2セラミック層よりも同一温度における粘性が高くなる場合には、第2セラミック層を固着形成する際に先に形成されている第1セラミック層が軟化して流動或いは変形させられることが抑制される。このため、二層形成されるそのセラミック層の下層すなわち第2セラミック層を所期の厚さ寸法に保ったまま歯科用補綴物を製造できる。
また、前記第2発明によれば、焼成或いは加熱処理後にそれぞれ前記第1組成および前記第2組成に生成される前記第1陶材および第2陶材を含む歯科用陶材セットであることから、前記第1発明の歯科用補綴物の製造方法に好適に用い得る。
なお、前記第1セラミック層(すなわち前記第1陶材の焼成物或いは加熱処理生成物)において、SiO2はガラス状にするための基本成分であるが、66.0(質量%)未満では鋳込み等の使用温度における粘度が低くなり過ぎ、72.0(質量%)を超えるとガラス軟化点が高くなり過ぎる。この割合は、第2セラミック層の使用温度(例えば鋳込み温度)においてその第2セラミック層よりも高粘度になるように定められる。また、Al2O3は透明度を高めると共に耐酸性や耐水性を高め、また、粘度を調節するための成分であるが、13.5(質量%)未満では透明性が不十分になり、17.8(質量%)を超えると白濁する。また、Li2Oは熱膨張係数を高くすると共に軟化点を低下させることからこれらを調節するための成分であり、また、リューサイト結晶(KAlSi2O6)の析出を促進する効果も有するものであるが、0.05(質量%)未満では熱膨張係数が小さくなると共に軟化点が高くなり、0.31(質量%)を超えると熱膨張係数が大きくなり過ぎる。また、Na2Oは軟化点を低下させるための成分であるが、1.3(質量%)未満では軟化点が高くなり、6.5(質量%)を超えると耐水性が悪くなる。また、K2Oはリューサイト結晶の析出量を調節するための成分であるが、8.7(質量%)未満ではリューサイト析出量が少なくなって適当な熱膨張係数が得られず、12.5(質量%)を超えるとリューサイト析出量が多くなり過ぎる。また、Ca、Mg、Srは、適当なバランスで含まれることによりガラスの耐酸性や耐水性を向上させ延いてはガラスを安定化させるための成分であり、このような効果を得るために前記の範囲が好適である。また、Sb2O3はAgイオンによるガラスの黄変を防止するための成分であり、0.1(質量%)未満では黄変防止効果が殆ど得られず、0.6(質量%)を超えるとガラスに溶け込まない部分が生じる。なお、本発明の主成分中にはAgは含まれていないが、歯科ではAgを含む補綴物も一般に用いられていることから、これが汚染源となり得るのである。また、CeO2は軟化点を調節するための成分であるが、3(質量%)を超えるとガラスが黄色に着色する。また、B2O3も軟化点を調節するための成分であるが、3(質量%)を超えると耐水性が悪くなる。したがって、それぞれ、前記の範囲であることが必要である。
なお、SiO2は67〜68(質量%)、Al2O3は15.5〜16.5(質量%)、Li2Oは0.08〜0.12(質量%)、Na2Oは4.5〜5.2(質量%)、K2Oは9〜11(質量%)、CaOは0.2〜0.4(質量%)、MgOは0.1〜0.3(質量%)、SrOは0.1〜0.3(質量%)、Sb2O3は0.1〜0.3(質量%)、CeO2は0〜1(質量%)、B2O3は0〜1(質量%)であることが、これら各成分を添加する効果を十分に得るために一層好ましい。
また、前記第2セラミック層(すなわち前記第2陶材の焼成物或いは加熱処理生成物)における各主成分の作用は第1セラミック層の場合と同様であり、その構成割合が定められている理由も略同様である。但し、前述したような粘度の相互関係を実現するために、粘度に与える影響の大きい成分の割合が異なるものとされ、その影響で、他の構成成分の割合も第1セラミック層とは僅かに異なっている。すなわち、SiO2の割合が少なくされると共に、Al2O3の割合が多くされている。
なお、SiO2は63.5〜64.5(質量%)、Al2O3は15.5〜16.5(質量%)、Li2Oは0.08〜0.12(質量%)、Na2Oは4.5〜5.2(質量%)、K2Oは9〜11(質量%)、CaOは0.6〜0.8(質量%)、MgOは0.6〜0.8(質量%)、SrOは0.1〜0.3(質量%)、Sb2O3は0.8〜1.1(質量%)、CeO2は0.5〜1(質量%)、B2O3は0.8〜1.4(質量%)であることが、これら各成分を添加する効果を十分に得るために一層好ましい。
ここで、好適には、前記第1セラミック層は、前記第2工程における前記第2セラミック層を生成するための加熱処理温度においてその第2セラミック層よりも高粘度である。すなわち、前記第1陶材はそれから生成されるセラミック層が、前記第2陶材からセラミック層を生成するための加熱処理温度において、その第2陶材から生成されるセラミック層よりも高粘度である。すなわち、第1セラミック層、第2セラミック層、第1陶材、および第2陶材は、前記組成の範囲内においてこのような条件を満たすように選択されることが好ましい。上記加熱処理温度は、第1セラミック層および第2セラミック層の組成に応じて定められるものであるが、例えば、750〜1100(℃)の範囲内、一層好適には、950〜1050(℃)の範囲内の温度である。
また、好適には、前記第2工程は、前記第1セラミック層の表面によって内壁面の一部が構成された所定の空隙内に所定の流動性材料を充填することにより前記第2セラミック層を形成するものである。すなわち、第2工程は、第1セラミック層上に流動性材料すなわち第2陶材を鋳込み或いは射出成形することにより、第2セラミック層を形成するものである。第2工程は、粉末状態の陶材を所定の溶媒と練和して前記フレームの表面上に筆等の器具で築盛する方法で行うこともできるが、第1発明および第2発明は、このような空隙内に充填する製造方法に特に好適に適用される。このような製造方法では、高い形状精度および厚み精度でセラミック層を設けることができるが、空隙内の全体に第2陶材を行き渡らせることを目的として、第2陶材が第1セラミック層に比較的強い力で押し付けられる。そのため、その第1セラミック層よりも第2セラミック層の同一温度における粘性が低くなるように定められた効果が築盛の場合に比較して一層顕著になる。
また、好適には、前記第2工程は、加熱されることにより流動性が高められた前記流動性材料を前記空隙内に充填するものである。このようにすれば、流動性材料すなわち第2陶材は充填するに際して加熱されることにより流動性を高められることから、予め形成された第1セラミック層も高温に加熱されることになるため、第2工程の実施中の温度における第2セラミック層(すなわち第2陶材)の粘性が第1セラミック層の粘性よりも十分に低くなるようにそれらの組成が定められた効果が一層顕著になる。
なお、上記のように第2陶材を空隙内に充填するに際しては、例えば、前記第2組成を有するインゴットを空隙の開口から挿入し、加熱して軟化させつつ加圧して押し込む方法が好適であるが、例えば、粉末の形態のものを開口から充填してもよい。インゴットによる場合には、第2陶材を軟化させるのに適当な加熱時間は、例えば5分〜3時間程度の範囲内、一層好適には10分〜1時間の範囲内である。押し込む際の加圧力は、0.1〜5(MPa)の範囲内、一層好適には、1(MPa)以下である。加熱温度は第2陶材が十分に軟化させられる温度であればよく、例えば、750〜1100(℃)の範囲内、一層好適には、950〜1050(℃)の範囲内である。また、インゴットは、公知の適宜の方法で製造することができ、例えば、目的の組成となるように用意した原料を粉砕・混合した後に、加熱溶融して所望の大きさの型枠に充填し、冷却することによって得ることができる。
また、好適には、前記第1工程は、前記フレームの表面によって内壁面の一部が構成された所定の空隙内に所定の流動性材料を充填することにより前記第1セラミック層を形成するものである。すなわち、第2セラミック層に加えて第1セラミック層も鋳込み或いは射出成形によって形成することができる。
但し、前記第1セラミック層は、上記のような鋳込み或いは射出成形に限られず、公知の種々の方法のうちから選択した適宜の方法で形成し得る。例えば、フレームの表面に筆等を用いて第1陶材を塗布して築盛することができる。築盛による場合には、セラミック粉末および必要な添加剤を適当な溶媒に分散させることにより、塗布に好適な性状のスラリ或いはペーストに調製する。溶媒としては、例えば、水、専用液、或いは樹脂が挙げられる。上記専用液は、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリンである。また、上記樹脂は、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリノルマルブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリビニルアセテート等のビニル系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂である。
また、第1セラミック層の厚さ寸法は、補綴物に要求される形状や色調等に応じて適宜定められるものであるが、クラウン、ブリッジ等の義歯の場合、フレーム上に厚さ0.01〜0.3(mm)程度の範囲内、例えば0.2(mm)程度である。
一方、第2セラミック層の厚さ寸法も所望の色調や透明性を実現するために適宜定められるものであるが、例えば、クラウン、ブリッジ等の義歯の場合、0.8〜1.5(mm)程度の範囲内、例えば1.0(mm)程度の厚さ寸法が好適である。
なお、前記第2工程は、前記第1セラミック層の少なくとも一部の表面に焼却除去可能な材料から成る所定形状の模型層を形成する工程と、所定の鋳型構成材料中に前記模型層を埋没させる工程と、前記鋳型構成材料を硬化させた後、前記模型層を焼却除去することにより前記模型層に対応する前記空隙が設けられた鋳型を形成する工程とを含むものである。上記鋳型構成材料は、例えば埋没材と呼ばれる燐酸塩系、石膏系、エチルシリケート系、アルミナセメント系材料等から構成され、常温で硬化するものが特に好ましい。これらの工程により鋳型を製造し、これを用いて第2セラミック層を形成すると、前記模型層に対応する寸法および形状の空隙を有する鋳型を形成することができる。
なお、上記模型層は、焼却除去可能な材料によって構成されていることが必要であり、成形性に優れていることが好ましい。例えば歯科用途に適するワックスや樹脂が好適な材料として挙げられる。特にワックスは、成形性が良好である点から好ましい。なお、「焼却除去」とは、焼成過程において焼失等の適宜の形態で鋳型から除去されることを意味する。
また、好適には、前記第1セラミック層および前記第2セラミック層すなわち前記第1陶材および前記第2陶材は、それぞれ前記第1組成および前記第2組成の構成成分と、色調を調整するための副成分と、不可避不純物とから成るものである。すなわち、本発明のセラミック層および陶材は、主成分の他に色調を調整するための副成分を含む物であっても良い。なお、不可避不純物としては、例えば微量のFe2O3が挙げられる。
また、好適には、前記副成分は、顔料、蛍光材、および乳濁剤の少なくとも一種である。乳濁剤としては、例えば、ZrO2、SnO2、TiO2、Al2O3、CeO2等が挙げられる。
また、好適には、前記第1セラミック層および前記第2セラミック層は、それぞれ25乃至500(℃)の温度範囲において9.1×10-6乃至10.3×10-6(/℃)の範囲内の熱膨張係数を有するものである。このようにすれば、ジルコニアの熱膨張係数が前述したように10×10-6(/℃)程度であることから、セラミック層およびフレームの破損が好適に抑制される。
また、好適には、前記第2セラミック層は、前記第1セラミック層よりも透明度が高くなるように、それらの副成分が定められる。これにより、少なくとも二つの第1セラミック層および第2セラミック層(装飾層)から成る審美性に優れる外装部を有する歯科用補綴物が得られる。また、必要に応じて更に陶材を第2セラミック層表面の一部或いは全部に築盛することにより、より天然歯に近い、審美性に優れた歯科用補綴物を得ることもできる。このような更に付加される陶材は、築盛によって形成してもよく、鋳込みにより形成しても良い。鋳込みによって形成する場合には、第2セラミック層よりも更に同一温度における粘性が低い材料を選択することが好ましい。
また、本発明は、フレーム上にセラミック層が設けられ、口腔内に装着される種々の歯科用補綴物に適用できるが、具体的には、例えば、ブリッジ、フルマウス、歯冠(クラウン)、被覆冠等が挙げられる。
なお、フレームの形状やセラミック層が設けられた補綴物の形状は、補綴される歯の位置や形状に合わせて適宜決定される。例えば、虫歯等を削り取った歯や破損した歯の形状に合わせて成形され得る。フレームの製造方法は、鋳込み成形等の公知の種々の方法から適宜のものを用い得る。
また、好適には、前記第1工程および前記第2工程は、前記フレーム上または前記第1セラミック層上に第1セラミック層および第2セラミック層をそれぞれ形成するに際して、加熱処理或いは焼成処理を施すものである。すなわち、塗布或いは鋳込み等によって表面に設けられた後、加熱されることによってフレーム或いは下側に設けられたセラミック層との結合力を高められる。この加熱処理は、例えば第1陶材および第2陶材が樹脂や溶剤等の有機物を混合した状態で用いられる場合には、これら有機物を焼失させる工程でもある。
なお、加熱処理温度は、第1セラミック層および第2セラミック層の各々の組成に応じて適宜定められるものであるが、好適には、何れも950〜1100(℃)の範囲内、一層好適には、1000〜1050(℃)の範囲内である。処理雰囲気は特に限定されないが、例えば大気中もしくは減圧下である。
また、好適には、前記第1陶材および前記第2陶材は、例えば1000〜1500(℃)の範囲内のガラス溶融温度で酸化物を生成する化合物を混合し、例えば大気中(例えば1000(℃)以上)で加熱溶融させた後、冷却して回収し、これを更に粉砕して、例えば800〜1100(℃)の範囲内の温度で、30〜60分程度の時間だけ熱処理を施してリューサイト結晶を適量析出させ、顔料、蛍光材を添加して更に混合し、粉砕することによって製造される。上記混合・粉砕工程には、ボールミル、石川式擂潰機、遊星ミル等が好適に用いられる。
上記のような原料合成において、陶材を構成する各元素の供給源としては、以下のようなものが挙げられる。例えば、Si、Al、K、Na源としてカリ長石、Si源としてSiO2、Al源としてAl2O3、Al(OH)3、Li源としてLi2CO3、LiOH、Na源としてNa2CO3、NaOH、K源としてK2CO3、KOH、Mg源としてMgO、MgCO3、Mg(OH)2、Ca源としてCaCO3、Ca(OH)2、Sb源としてSb2O3、Ce源としてCeO2、B源としてH3BO3等である。供給源はこれらに限られず、前記組成を構成し得るものであれば適宜用いられる。
また、好適には、前記第1セラミック層および前記第2セラミック層は、リューサイト結晶を含むものである。このようにすれば、これらの靭性が一層高められると共に、熱膨張率の調節が容易になる。好適には、リューサイト結晶は、2〜65(質量%)の範囲内の割合で含まれる。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1(a)〜(g)は、本発明の一実施例の歯科用補綴物の一例である歯冠(クラウン)38の製造方法を説明する図である。歯冠38は、例えば成人の上顎前歯に装着されるものである。なお、本発明は、この他の全ての歯にも適用され得る。図1(a)において、別途製造されたジルコニア製のフレーム(単冠フレーム)10が用意される。このジルコニア製フレーム10は、例えば石膏による歯型の型取りとジルコニアの鋳込み等により製造されたものである。
次いで、上記ジルコニア製フレーム10の表面12に、例えば下記の表1に示す第1陶材を筆で0.2(mm)程度の厚みで均一に塗布(築盛)した。第1陶材は、以下の表1に示す組成のセラミック粉末を含み、このセラミック粉末の合計100(重量部)に対して、100(重量部)のプロピレングリコール水溶液を混合して調製したスラリーである。築盛後、これを1050(℃)程度の温度で焼成し、図1(b)に示すようにフレーム10の表面12の全体に第1セラミック層(下地層)14を形成した。
[表1]
第1陶材 第2陶材
SiO2 67.5 64.2
Al2O3 15.9 15.9
Li2O 0.1 0.1
原料組成 Na2O 4.8 4.7
(質量%) K2O 10.0 10.0
CaO 0.3 0.7
MgO 0.2 0.7
Sb2O3 0.2 1.0
CeO2 0 0.7
B2O3 0 1.2
ZrO 2 1.0 0
熱膨張係数(/℃) 9.8×10 -6 9.6×10 -6
なお、上記第1陶材は、例えば、図2に示される製造工程に従って合成されたものである。すなわち、秤量工程R1において、例えば1000〜1500(℃)の範囲内のガラス溶融温度で酸化物を生成する化合物を秤量し、混合工程R2において、ボールミル或いは石川式擂潰機等を用いて混合する。次いで、加熱溶融工程R3において、例えば大気中(例えば1000(℃)以上)で加熱溶融させた後、冷却回収工程R4においてこれを冷却して回収する。次いで、粉砕工程R5において、これをボールミルや遊星ミル等を用いて更に粉砕する。次いで、熱処理工程R6において、粉砕した原料を例えば800〜1100(℃)の範囲内の温度で、30〜60分程度の時間だけ熱処理を施す。これにより、リューサイト結晶が析出されるので、これを制御することによって熱膨張係数の調節が可能である。次いで、顔料・蛍光材添加混合工程R7において、ボールミルや石川式擂潰機等を用いて顔料および蛍光材を混合すると共に、続いて粉砕工程R8において粉砕することによって第1陶材が得られる。ここで用いる原料は、前述したような各元素の供給源となる種々のものから選ばれた適宜のものである。また、陶材には、上記主成分の他に、蛍光材や顔料が含まれている。
次いで、図1(c)に示すように、得られた第1セラミック層14の表面16に、歯科用ワックス(例えばGC社製品「ブルーインレーワックス」)を用いて所望する歯冠形状の模型層20を形成した。これに図1(d)に示すようにスプルー線(例えばGC社製品「レディーキャスティングワックス R20」)と呼ばれるピン22をつけ、台座26に移した。さらに図1(e)に示すように、台座26に例えば金属製又はゴム製の鋳造用リング28を設置し、この内側に常温硬化性の歯科用埋没材30(例えばデグサデンタル社製品「セルゴフィットスピード」)を流し込み、模型層20をフレーム10ごと埋没した。歯科用埋没材30が硬化した後、ピン22及び台座26を取り除き、内部にフレーム10が装着された状態の埋没材30から成る硬化体を電気炉中に移した。そして例えば800(℃)の温度で例えば1時間程度加熱し、図1(f)に示すように、模型層20が焼却除去され、当該模型層部分が空隙部18となった鋳型32を作製した。
次いで、第2陶材として、前記表1に示す組成のガラス粉末を用意し、第1陶材と同様に結晶化させたガラス組成物(粉末)を合成し、更に、金型プレス装置等を用いて例えば直径10(mm)、高さ10(mm)程度の大きさの円柱状に成形し、例えば1050(℃)程度の温度で焼成処理を施し、徐冷することにより、円柱状のガラスインゴットを得た。
このガラスインゴットを鋳型32に押し込むプランジャー(図示せず)と共に、鋳型32のセラミックス保持部(台座のあった部分)34に装着し、これを高温プレス炉(例えばイボクラ株式会社製、型式:EP500)中にセットした。かかるプレス炉を1050(℃)に加熱し、例えば20分間保持した後、軟化したインゴット(すなわち第2陶材)を図示しないプランジャーによって例えば0.5(MPa)程度の圧力で鋳型32方向にプレスした。これにより、陶材導入路24(即ちピン22のあった部分)から溶融状態の第2陶材が鋳型内に注入され、空隙部18に充填された。この充填時における第2陶材すなわち第2セラミック層(コート層)36の粘性は1×107(cP)程度であった。なお、同温度における第1セラミック層14の粘性は、5×106(cP)程度であり、これよりも十分に大きい値になっている。
冷却完了後、鋳型32を壊して歯冠(クラウン)38を取り出した。以上の処理によって、図1(g)に示すような第1セラミック層14の表面16に第2セラミック層36が形成された歯冠(クラウン)38を得た。得られた歯冠38の表面を観察したところ、クラックは全く存在せず、所望の歯冠形状が得られたことが確かめられた。また、歯冠38は天然歯に近い外観を有していた。なお、通常は、第2セラミック層36の表面の一部または全体を覆う第3セラミック層が更に透明性の高い陶材で設けられることにより、天然歯に外観が一層近づけられるが、このようなものは必須ではなく、図においてはこれが省略されている。
要するに、本実施例によれば、第1セラミック層14を形成するための第1陶材として、質量比でSiO2が67.5(%)、Al2O3が15.9(%)、Li2Oが0.1(%)、Na2Oが4.8(%)、K2Oが10.0(%)、CaOが0.3(%)、MgOが0.2(%)、Sb2O3が0.2(%)、ZrO2が1.0(%)の組成のものが用いられ、その上に第2セラミック層36を形成するための第2陶材として、質量比でSiO2が64.2(%)、Al2O3が15.9(%)、Li2Oが0.1(%)、Na2Oが4.7(%)、K2Oが10.0(%)、CaOが0.7(%)、MgOが0.7(%)、Sb2O3が1.0(%)、CeO2が0.7(%)、B2O3が1.2(%)の組成のものが用いられていることから、何れもジルコニア製フレーム10と同程度の熱膨張係数を有するので、熱処理の冷却過程でクラックの発生が抑制される。しかも、先に下側に形成される第1セラミック層14は、その上に形成される第2セラミック層36よりも同一温度における粘性が高いので、第2セラミック層36を固着形成する際に先に形成されている第1セラミック層14が軟化して流動或いは変形させられることが抑制される。
なお、前記のようなガラスインゴットに代えて、第2陶材を粉末状態で用意し、第1陶材と同様にして第1セラミック層14の上に築盛し、例えば930(℃)程度の温度で焼成処理を施した。このような製造方法によっても、同様な歯冠38が得られ、その表面には何らクラックが存在せず、所望の歯冠形状が得られたことが確かめられた。
上記の第1陶材および第2陶材に代えて、従来の陶材を用いた試験結果を以下に説明する。
まず、従来から金属フレームに用いられている下記表2の第3陶材および第4陶材を用いて、ジルコニア製フレーム10上に順次に築盛、焼成処理を施した。焼成温度は、下地層となる第3陶材が960(℃)程度、コート層となる第4陶材が930(℃)程度である。冷却後、得られた歯冠の外観を観察したところ、セラミック層(すなわち下地層およびコート層)にクラックが入っていることが確かめられた。なお、陶材には、下記の主成分の他に蛍光材や顔料が含まれている。
[表2]
第3陶材 第4陶材
SiO2 52.2 65.6
Al2O3 11.6 14.6
Li2O 0.3 0.4
原料組成 Na2O 7.5 9.3
(質量%) K2O 7.1 8.8
CaO 0.6 0.7
MgO 0.5 0.6
SnO 2 20.2 0
熱膨張係数(/℃) 12.3×10 -6 12.3×10 -6
次に、従来からアルミナフレームに用いられている下記表3の第5陶材および第6陶材を用いて、上記の場合と同様にジルコニア製フレーム10上に順次に築盛、焼成処理を施した。焼成温度は、下地層となる第5陶材およびコート層となる第6陶材共に960(℃)程度である。冷却後、得られた歯冠の外観を観察したところ、フレーム10にクラックが入っていることが確かめられた。なお、この陶材にも、下記の主成分の他に蛍光材や顔料が含まれている。
[表3]
第5陶材 第6陶材
SiO2 74.0 75.3
Al2O3 8.6 9.5
Li2O 0.3 0.4
原料組成 Na2O 5.7 6.3
(質量%) K2O 5.0 5.5
CaO 0.6 0.7
MgO 0.5 0.5
ZrO2 2.7 0
CeO 2 0 1.1
熱膨張係数(/℃) 6.8×10 -6 6.8×10 -6
なお、前記の実施例においては、本発明が単冠に適用された場合について説明したが、本発明の歯科用補綴物は高強度のジルコニア製フレーム10を用いたものであるので、臼歯を含むブリッジにも好適に適用される。
図3、図4は、成人臼歯の一歯欠損を補綴するための3本ブリッジ68の製造方法を説明するための図である。図3において、(a)は一本の歯が欠損した上顎40の要部を示したものであり、中央に一点鎖線で欠損歯42を示す。(b)は、欠損歯42の両側の歯44,46を削って支台歯48,50を形成した段階を表している。続く工程では、形成した支台歯48,50の外形よりも僅かに大きい内面形状を有するフレーム(三本ブリッジフレーム)52をジルコニアで作製する。(c)は製造されたフレーム52の断面を表している。このフレーム52の製造は、支台歯48,50を形成した上顎40の形状を測定し、セラミック・ブロックを削り出すCAD/CAM法等によって行われる。フレーム52は、支台歯48,50に対応するコアエレメント(すなわち所謂コーピング部のフレーム)54,56と、欠損歯42に対応するコアエレメント(すなわち所謂ポンティック部のフレーム)58とを連結したものである。
次いで、(d)に示す段階では、前記の単冠の場合と同様にして、フレーム52の表面に第1セラミック層60を築盛する。第1セラミック層60は、図に示されるように、コアエレメント54,56においてはその外側を覆い、コアエレメント58においては全表面を覆うように設けられる。次いで、図4(e)に示す段階では、この表面に歯44,46および欠損歯42の形状で模型層62をワックス等によって形成し、フォーマ64に植立する。模型層62の形成方法や、フォーマ64への植立方法は単冠の場合と同様である。これを前記の図1(e)に示す場合と同様に周囲に鋳造用リングを配置して歯科用埋没材中に埋没して型取りし、模型層62すなわちワックスを焼失させてその模型層62に対応する空隙を形成した後(図1(f)参照)、鋳型のその空隙内に第2セラミック層66を形成するための第2陶材を充填して鋳型から取り出すことにより、図4(f)に示されるようなブリッジ68が得られる。製造されたブリッジ68のうち、中央に位置する欠損歯に対応する部分(ポンティック)70の断面((f)におけるg−g断面)を(g)に示す。
このようにして製造されたブリッジ68は、第1セラミック層60、第2セラミック層66共に所期の形状および厚さ寸法を備えており、これらにも、フレーム52にも、クラックなどは全くみられなかった。また、天然歯に近い外観を有すると共に、臼歯として十分な強度および靭性を備えていた。なお、このようなブリッジ68においても、第2セラミック層66の表面の一部または全体に、それよりも透明性の高い第3セラミック層が必要に応じて設けられるが、これは必須ではなく、図においては省略した。
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
本発明の一実施例の歯冠の製造方法を模式的に示す工程図であって、(a)はフレームの断面を、(b)はフレーム表面に下地層(第1セラミック層)が形成された状態を、(c)は下地層表面に模型層が形成された状態を、(d)は下地層および模型層が形成されたフレームが台座に取り付けられた状態を、(e)は台座に鋳造用リングが設置され、この内側に歯科用埋没材が流し込まれた状態を、(f)は模型層が焼却除去されて当該模型層部分に空隙部を有する鋳型が作製された状態を、(g)は下地層表面にコート層(第2セラミック層)が形成された歯冠を、それぞれ示したものである。 本発明の補綴物を製造するために用いられるセラミック層の製造方法を説明する工程図である。 本発明の他の実施例のブリッジの製造方法を模式的に説明するための図であって、(a)は欠損歯の様子を、(b)はブリッジを装着するための支台歯を形成した段階を、(c)は補綴位置に合わせて作成したフレームを、(d)はフレーム表面に第1セラミック層を形成した段階をそれぞれ表したものである。 図3に続く製造工程を説明するための図であって、(e)は下地層の上に模型層が形成され且つフォーマに植立された状態を、(f)はコート層が形成された状態を、(g)はブリッジのポンティックの断面をそれぞれ示したものである。
符号の説明
10:フレーム、14:第1セラミック層(下地層)、18:空隙部、20:模型層、30:歯科用埋没材、32:鋳型、36:第2セラミック層(コート層)、38:歯冠(歯科用補綴物)

Claims (8)

  1. ジルコニア製フレームの表面に少なくとも二層のセラミック層を固着することにより歯科用補綴物を製造する方法であって、それらセラミック層の形成工程は、
    66.0乃至72.0(質量%)の範囲内のSiO2、13.5乃至17.8(質量%)の範囲内のAl2O3、0.05乃至0.31(質量%)の範囲内のLi2O、1.3乃至6.5(質量%)の範囲内のNa2O、8.7乃至12.5(質量%)の範囲内のK2O、0.1乃至0.5(質量%)の範囲内のCaO、0.01乃至0.22(質量%)の範囲内のMgO、0.1乃至0.6(質量%)の範囲内のSb2O3、0乃至3(質量%)の範囲内のCeO2、0乃至3(質量%)の範囲内のB2O3、および0乃至3(質量%)の範囲内のSrOを主成分とした所定の第1組成の第1セラミック層を前記フレームの表面に固着形成する第1工程と、
    63.0乃至69.0(質量%)の範囲内のSiO2、14.8乃至17.9(質量%)の範囲内のAl2O3、0.02乃至0.28(質量%)の範囲内のLi2O、1.5乃至6.8(質量%)の範囲内のNa2O、8.0乃至14.0(質量%)の範囲内のK2O、0.2乃至1.5(質量%)の範囲内のCaO、0.05乃至0.55(質量%)の範囲内のMgO、0.2乃至2.2(質量%)の範囲内のSb2O3、0.1乃至3(質量%)の範囲内のCeO2、0.1乃至3(質量%)の範囲内のB2O3、および0乃至3(質量%)の範囲内のSrOを主成分とした所定の第2組成の第2セラミック層を前記第1セラミック層の表面を覆って固着形成する第2工程と
    を、含むことを特徴とする歯科用補綴物の製造方法。
  2. 前記第1セラミック層は、前記第2工程における前記第2セラミック層を生成するための加熱処理温度においてその第2セラミック層よりも高粘度である請求項1の歯科用補綴物の製造方法。
  3. 前記第2工程は、前記第1セラミック層の表面によって内壁面の一部が構成された所定の空隙内に所定の流動性材料を充填することにより前記第2セラミック層を形成するものである請求項1の歯科用補綴物の製造方法。
  4. 前記第2工程は、加熱されることにより流動性が高められた前記流動性材料を前記空隙内に充填するものである請求項3の歯科用補綴物の製造方法。
  5. 前記第1工程は、前記フレームの表面によって内壁面の一部が構成された所定の空隙内に所定の流動性材料を充填することにより前記第1セラミック層を形成するものである請求項3の歯科用補綴物の製造方法。
  6. 前記第1セラミック層および前記第2セラミック層は、それぞれ25乃至500(℃)の温度範囲において9.1×10-6乃至10.3×10-6(/℃)の範囲内の熱膨張係数を有するものである請求項1の歯科用補綴物の製造方法。
  7. ジルコニア製フレームの表面に少なくとも二層のセラミック層を固着形成することにより歯科用補綴物を製造するために用いられるそれらセラミック層の各々を形成するための少なくとも二種の陶材から成る歯科用陶材セットであって、
    酸化物換算で66.0乃至72.0(質量%)の範囲内のSiO2、13.5乃至17.8(質量%)の範囲内のAl2O3、0.05乃至0.31(質量%)の範囲内のLi2O、1.3乃至6.5(質量%)の範囲内のNa2O、8.7乃至12.5(質量%)の範囲内のK2O、0.1乃至0.5(質量%)の範囲内のCaO、0.01乃至0.22(質量%)の範囲内のMgO、0.1乃至0.6(質量%)の範囲内のSb2O3、0乃至3(質量%)の範囲内のCeO2、0乃至3(質量%)の範囲内のB2O3、および0乃至3(質量%)の範囲内のSrOを主成分とする所定の第1組成となる第1陶材と、
    酸化物換算で63.0乃至69.0(質量%)の範囲内のSiO2、14.8乃至17.9(質量%)の範囲内のAl2O3、0.02乃至0.28(質量%)の範囲内のLi2O、1.5乃至6.8(質量%)の範囲内のNa2O、8.0乃至14.0(質量%)の範囲内のK2O、0.2乃至1.5(質量%)の範囲内のCaO、0.05乃至0.55(質量%)の範囲内のMgO、0.2乃至2.2(質量%)の範囲内のSb2O3、0.1乃至3(質量%)の範囲内のCeO2、0.1乃至3(質量%)の範囲内のB2O3、および0乃至3(質量%)の範囲内のSrOを主成分とする所定の第2組成となる第2陶材と
    を、含むことを特徴とする歯科用陶材セット。
  8. 前記第1陶材および前記第2陶材は、それぞれ焼成後に25乃至500(℃)の温度範囲において9.1×10-6乃至10.3×10-6(/℃)の範囲内の熱膨張係数を有するものである請求項7の歯科用補綴物の製造方法。
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