JP2009500320A - 腫瘍の治療 - Google Patents

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Abstract

たんぱくの最小の分解産物は、そのままでは特定の生物的機能を有さないと一般に考えられていたが、体は通常のたんぱく分解プロセスを利用して遺伝子調節化合物または抗腫瘍化合物などの重要な化合物を生成しているだろうということが現在分かってきた。このような抗腫瘍化合物は、腫瘍の治療または予防に有用であり、医薬組成物の一部として用いることができる。本発明は、腫瘍を患っている、または腫瘍を患っていると考えられる患者の治療のための医薬組成物を提供し、該医薬組成物は、医薬的に許容可能な希釈剤とともに、治療上有効な量の、抗腫瘍ペプチドまたはその機能類似体もしくは誘導体を有し、ペプチドは、VVC、LAG、AQG、LQGV、QVVC、MTRV、AQGV、LAGV、LQAV、PGCP、VGQL、RVLQ、EMFQ、AVAL、FVLS、NMWD、LCFL、FSYA、FWVD、AFTV、LGTL、QLLG、YAIT、APSL、ITTL、QALG、GVLC、NLIN、SPIE、LNTI、LHNL、CPVQ、EVVR、MTEV、EALE、TLAVE、VEGNL、LNEAL、VLPALP、MGGTWA、LTCDDP、VLPALPQ、VCNYRDV、CPRGVNP、QPLAPLVGまたはDINGFLPALの群から好ましくは選ばれる。

Description

発明の詳細な説明
技術分野
本発明は、一般にはバイオテクノロジに関し、より具体的には、トリマ、テトラマ、ペンタマ、ヘキサマおよびヘプタマなどのペプチドを用いて、腫瘍増殖に影響を及ぼす方法に関し、ならびにペプチドおよびペプチドを有する医薬組成物によって患者を治療する方法に関する。
発明の背景
癌は、冠状動脈性心臓病に次ぐ第2の主要なヒトの死亡原因である。世界的に見て、毎年、何百万人もが癌によって死亡している。米国だけでも、米国癌協会によって報告されるように、癌は毎年50万人を大幅に超す死亡原因となっており、1年あたりに診断される新規症例は120万を超える。
世界的に見て、種々の癌が主要な死亡原因として顕著である。特に、肺、前立腺、乳房、結腸、膵臓および卵巣の癌腫が、主要な癌死亡原因を代表している。これらの、および他の実質的にすべての癌腫は、共通した致死特性を有している。ごく僅かな例外はあるが、癌種由来の転移性疾患は致命的である。さらに、それらの主要な癌を最初は切り抜けて生存する癌患者についてさえ、彼らの人生は劇的に変化することが共通の経験として示されてきた。多くの癌患者は、再発または治療の失敗の可能性を意識することによって助長される強い不安を経験している。多くの癌患者はまた、治療中または治療後の身体的衰弱を経験している。さらに、多くの癌患者は再発を経験している。
現在の癌治療の再発率および副作用の故に、癌治療の改良が社会的に大いに必要とされている。これらの治療は、体に容易に吸収され、安価で製造しやすく、効果的で、現在の癌治療に関連する多くの副作用を有さない、小分子であるのが好ましい。
発明の開示
たんぱくの最小の分解産物は、そのままでは特定の生物的機能を有さないと一般に考えられていたが、体は通常のたんぱく分解プロセスを利用して重要な化合物を生成しているだろうということが現在分かってきた。特に、hCGのある短い分解産物(すなわち、容易に合成し、医薬組成物において使用することができる短ペプチド、誘導体または機能類似体)は、腫瘍の進行を制限するのに使用することができる。
本発明は、小分子に対する体の生来の反応様式の理解および/または予測に関し、国際公開第99/59617号パンフレット、国際公開第01/72831号パンフレットおよび国際公開第03/29292号パンフレットにおいて報告されている見識に基づいている。これらの内容は全て参照によって本願に組み込まれる。これらの出願は、hCGなどの胎盤性性腺刺激ホルモンのたんぱく分解に由来する、妊婦に存在する遺伝子調節小ペプチドを記載している。これらの分解産物はしばしば、ほんの約3〜6のアミノ酸長であり、サイトカインなどの炎症性メディエータをコードする遺伝子の発現を調節することによってもたらされる卓越した免疫学的活性を有することが示された。驚いたことに、hCGの分解は妊婦の免疫学的恒常性を維持するのに役立つペプチドのカスケード(cascade)を提供することがわかった。これらのペプチドは、免疫システムの均衡を保たせて、母親が免疫学的に健全であるが、妊娠中に胎児を早産することなく出産時まで安全に身ごもっていることを保証する。当該技術において知られている他のペプチドは、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の抗原結合活性を有する。たとえば、Herron(1995年1月10日)の米国特許第5380668号明細書を参照されたい。その内容は全て参照によって本願に組み込まれる。そこで開示されているオリゴペプチドは、概して診断方法での使用のために記載されている。
他の特許および特許出願は、生物システムを調節するための、短ポリペプチドの使用に関する。たとえば、Galloらの出願(たとえば、米国特許第5677275号明細書(国際公開第96/04008 A1号パンフレットに対応)、米国特許第5877148号明細書(国際公開第96/04008 Al号パンフレットに対応)、国際公開第97/49721 Al号パンフレット、米国特許第6319504号明細書(国際公開第97/49373号パンフレットに対応)、米国特許出願公開第2003/0049273 Al号明細書(国際公開第97/49373号パンフレットに対応)、米国特許第5968513号明細書(国際公開第97/49418号パンフレットに対応)、米国特許第5997871号明細書(国際公開第97/49432号パンフレットに対応)、米国特許第6620416号明細書、米国特許第6596688号明細書、国際公開第01/11048 A2号パンフレット、国際公開第01/10907 A2号パンフレットおよび米国特許第6583109号明細書)の特許は、とりわけ、「HIV感染の抑制」、「HIV感染の治療または防止」、「癌の治療または防止」、「体細胞量の損失によって特徴付けられる疾患の治療または防止」、「病的血管新生に関連する疾患の治療または防止」、「造血欠乏の治療または防止」、「生体外での遺伝子治療」、「試験管内での血液細胞の拡大」および/または「血液細胞の患者への供給」における種々のオリゴペプチドおよびそれらの使用を開示している。
典型的な実施形態において、本発明は、1つ以上のペプチドを特定し、および/または1つ以上のペプチドの活性を決定するための方法であって、たとえばペプチドをスクリーニングしてペプチドの活性を決定し、結果を分析し、および/または抗腫瘍活性を有する1つ以上のペプチドを特定する方法を提供する。
さらなる実施形態において、抗腫瘍ペプチドの誘導体または機能類似体を創出することができる。
本発明は、患者にとって医薬的に許容可能な希釈剤とともに、薬理的に有効な量の、少なくとも1つの抗腫瘍ペプチドまたはその誘導体もしくは機能類似体を有する医薬組成物を投与することによって、腫瘍増殖を縮小する方法を提供する。特に有用な医薬的に許容可能な希釈剤は、滅菌水または0.9%生理食塩水もしくはリン酸緩衝食塩水(PBS)などの等張塩溶液である。好ましい実施形態において、本発明は、患者にとって医薬的に許容可能な希釈剤とともに、薬理的に有効な量の2つ以上の抗腫瘍ペプチド、それらの誘導体または機能類似体を含む医薬組成物の粘膜投与、好ましくは経口投与による、癌を患っている、または癌を患っていると考えられる患者の治療法を提供する。
したがって本発明は、腫瘍の大きさを縮小し、および/または腫瘍の進行を抑制するための、患者に適用する抗腫瘍ペプチド医薬組成物の使用を提供する。そのような抗腫瘍ペプチドの有用な例は、オリゴペプチドLQG、LAG、LQGV、AQGV、LAGVおよびVLPALPならびにそれらの機能類似体または誘導体の群から選ぶことができる。機能類似体はたとえば、妊婦由来の尿画分、またはhCGの市販製剤、少なくとも相当量のhCGの分解産物を含む市販製剤に見出すことができる。
本発明に従う医薬組成物に含有するための、抗腫瘍ペプチドの好ましい大きさは、多くても15アミノ酸、好ましくは多くても7アミノ酸であり、3,4,5または6アミノ酸長のかなり小さい分子が特に有効である。
本発明はまた、癌を患っている、または癌を患っていると考えられる患者の治療用の医薬組成物の生産のための、30アミノ酸より小さいペプチドの使用を提供する。前記ペプチドは15アミノ酸より小さいのが好ましい。たとえばここに示す癌治療のためなどのように、ペプチドが繰り返し使用される場合、安全の観点から、前記ペプチドは7アミノ酸より小さいのが好ましく、このようなペプチドは通常、MHC受容体に結合せず、そのため、投与されたペプチドに対する免疫応答によって開始する自己免疫の進行の危険を低減する。
癌患者は、ここで特定されるいくつかの小ペプチドの抗炎症特性の恩恵を直ちに享受するだろうが、驚いたことに、ほとんどの恩恵は、体重kgあたり1mg、好ましくは5mg、より好ましくは10mgを超える投与量の小ペプチド、とりわけトリマおよびテトラマペプチドの抗細胞周期活性に由来するだろう。小ペプチド(すなわち3〜4aa)の低い免疫原性を考慮すれば、小ペプチドを100mg/kgまで、治療を要する患者の状態を考慮して治療が緊急に必要であると決定される場合には、200mg/kgまで、500mg/kgまで、または1g/kgでも、投与することが可能であろう。
さらに、癌治療の必要のある患者は現在、皮下注射または筋肉注射を介して治療可能であるので、自己注射器による自己治療または非熟練者もしくは非医療従事者による治療を可能にすることは特に有用である。
他のペプチド、特にトリマまたはテトラマペプチドは、たとえばここで提供される植物成長アッセイを用いるなどの、増殖アッセイにおける抗細胞周期活性を試験することによって見出すことができる。特に、癌を患っている、または癌を患っていると考えられる患者の治療用の医薬組成物の生産のためのペプチドの使用であって、前記ペプチドが2〜6のアミノ酸から成る使用が、ここで提供される。アナフィラキシショックなどの拒絶反応を防止するという観点からすれば、医薬組成物は2〜6のアミノ酸、より好ましくは3〜5のアミノ酸、最も好ましくは3または4のアミノ酸から成るペプチドを有するのが好ましい。活性の観点だけからすれば、ペプチドの大きさが増すにつれて活性が広がるという一般の見識に基づいて、、より長く(投与後の)完全なたんぱく分解に耐えて3aaの代謝フラグメントがなお活性を有するためにも、前記ペプチドは4アミノ酸から成るのがここでは好ましい。
癌治療用医薬組成物の生産に使用される有用なトリマペプチドは、ここではVVC、LAGおよびAQGと特定される。本発明はまた、癌、好ましくは転移癌の治療用医薬組成物の生産のための、ペプチドVVC、LAGまたはAQGの使用を提供する。トリマペプチドによる本発明に従う治療は、患者の体重kgあたり少なくとも5mgのペプチド用量、より好ましくは体重kgあたり少なくとも17mgのペプチド用量、より好ましくは体重kgあたり少なくとも50mgのペプチド用量による、好ましくは週に3度または1日おきの、反復投与を好ましくは含む。
同様に、有用な癌治療用のテトラマペプチドは、LQGV、QVVC、MTRV、AQGV、LAGV、LQAV、PGCP、VGQL、RVLQ、EMFQ、AVAL、FVLS、NMWD、LCFL、FSYA、FWVD、AFTV、LGTL、QLLG、YAIT、APSL、ITTL、QALG、GVLC、NLIN、SPIE、LNTI、LHNL、CPVQ、EVVR、MTEV、EALE、EPPE、LGTL、VGGI、RLPG、LQGAおよびLCFLであり、有用な癌治療用のペンタマペプチドは、TLAVE、VEGNLおよびLNEALであり、有用な癌治療用のヘキサマペプチドは、VLPALP、MGGTWAおよびLTCDDPであり、有用な癌治療用のヘプタマペプチドは、VLPALPQ、VCNYRDVおよびCPRGVNPであり、有用な癌治療用のオクタマペプチドは、QPLAPLVGであり、有用な癌治療用のノナマペプチドは、DINGFLPALである。
本発明はまた、癌、好ましくは転移癌の治療用医薬組成物の生産のための、LQGV、QVVC、MTRV、AQGV、LAGV、LQAV、PGCP、VGQL、RVLQ、EMFQ、AVAL、FVLS、NMWD、LCFL、FSYA、FWVD、AFTV、LGTL、QLLG、YAIT、APSL、ITTL、QALG、GVLC、NLIN、SPIE、LNTI、LHNL、CPVQ、EVVR、MTEV、EALE、EPPE、LGTL、VGGI、RLPG、LQGAまたはLCFLの使用を提供する。テトラマペプチドによる本発明に従う治療は、患者の体重kgあたり少なくとも5mgのペプチド用量、より好ましくは体重kgあたり少なくとも17mgのペプチド用量、より好ましくは体重kgあたり少なくとも50mgのペプチド用量による、好ましくは週に3度または1日おきの、反復投与を好ましくは含む。
本発明はまた、癌、好ましくは転移癌の治療用医薬組成物の生産のための、TLAVE、VEGNLまたはLNEALの使用を提供する。ペンタマペプチドによる本発明に従う治療は、患者の体重kgあたり少なくとも5mgのペプチド用量、より好ましくは体重kgあたり少なくとも17mgのペプチド用量、より好ましくは体重kgあたり少なくとも50mgのペプチド用量による、好ましくは週に3度または1日おきの、反復投与を好ましくは含む。
本発明はまた、癌、好ましくは転移癌の治療用医薬組成物の生産のための、VLPALP、MGGTWAまたはLTCDDPの使用を提供する。ヘキサマペプチドによる本発明に従う治療は、患者の体重kgあたり少なくとも5mgのペプチド用量、より好ましくは体重kgあたり少なくとも17mgのペプチド用量、より好ましくは体重kgあたり少なくとも50mgのペプチド用量による、好ましくは週に3度または1日おきの、反復投与を好ましくは含む。
ヒトプロテオーム由来のペプチドを、病原体、特にウイルスまたは細菌のプロテオーム由来のものと比較した場合(Burroughsら、Immunogenetics、2004年、第56巻p.311〜320)、7aaのペプチドサイズでは、自己または非自己間で僅か3%の重複しか見られないことが判ったので、7未満の大きさのアミノ酸(aa)が、特に好ましい。ヒトプロテオームに存在するペプチドと病原体のプロテオームに存在するペプチドとの間で、6aaのペプチドでは、自己であるヒトと、非自己である病原体との重複は30%であることが判り、5aaのペプチドでは90%、4aa長(およびそれ未満)のペプチドでは100%重複することが判った。これらのデータに基づいて、自己-非自己の差異が存在しない場合、アナフィラキシショックなどの拒絶免疫反応の危険性は大いに軽減されることが今回ここで確認され、これは、本発明に従うペプチドによる癌治療が、たとえばここで提供される3週間という長期間での反復注射すなわち週に3度の注射のような反復投与を含む場合、顕著な利点である。
アナフィラキシショックなどの拒絶反応を防止するという観点からすれば、ペプチドは、2〜6のアミノ酸、より好ましくは3〜5のアミノ酸、最も好ましくは3または4のアミノ酸から成るのが好ましい。ペプチドの大きさが増すにつれ活性が広がるという一般の見識に基づく活性の観点からすれば、より長く完全なたんぱく分解に耐えて3aaの代謝フラグメントがなお活性を有するためにも、前記ペプチドは4アミノ酸から成るのがここでは好ましい。前述の、および以下に記載する組成物は、癌治療に用いられるのが好ましい。
本発明に従う癌治療での使用に非常に適したペプチドは、VVC、LAG、AQG、LQGV、QVVC、MTRV、AQGV、LAGV、LQAV、PGCP、VGQL、RVLQ、EMFQ、AVAL、FVLS、NMWD、LCFL、FSYA、FWVD、AFTV、LGTL、QLLG、YAIT、APSL、ITTL、QALG、GVLC、NLIN、SPIE、LNTI、LHNL、CPVQ、EVVR、MTEV、EALE、EPPE、LGTL、VGGI、RLPG、LQGA、LCFL、TLAVE、VEGNLまたはLNEALである。このように、本発明は、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物をも提供する。細胞周期は事象の順序集合であり、細胞の成長と2つの娘細胞への分裂とに至る。細胞周期には、G1-S-G2-M期がある。G1期は「GAP1」を表す。S期は「Synthesis」を表す。これは、DNA複製が起こる期間である。G2期は「GAP2」を表す。M期は「有糸分裂(mitosis)」を表し、核分裂(染色体が分離する)および細胞質分裂(cytokinesis)が起こる期間である。ここで使用する用語「抗細胞周期活性」は、ペプチドが細胞周期動態を変更し得ることを示すことを意図している。たとえば、細胞分裂頻度を変更、すなわち増加または減少させることを含む。1つの実施形態においては、抗細胞周期活性は抗増殖活性を指す。
提供されるのは、PGCPを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、VGQLを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、RVLQを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、EMFQを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、AVALを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、FVLSを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、NMWDを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、LCFLを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、FSYAを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、FWVDを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、AFTVを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、LGTLを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、QLLGを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、YAITを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、APSLを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、ITTLを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、QALGを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、GVLCを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、NLINを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、SPIEを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、LNTIを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、LHNLを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、CPVQを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、EVVRを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、MTEVを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、EALEを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、EPPEを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、LGTLを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、VGGIを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、RLPGを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、LQGAを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、LCFLを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、TLAVEを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、VEGNLを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、LNEALを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、MGGTWAを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、LTCDDPを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、VCNYRDVを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、CPRGVNPを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、およびDINGFLPALを含み、癌治療に有用な抗細胞周期活性を有する医薬組成物、である。
本明細書は、本発明として認識されるものを特に指摘し、明確に主張する特許請求の範囲を含んでいるが、本発明の利点は、添付図面と併せて読めば、本発明の以下の記載からより容易に解明することができる。
発明を実施するための最良の形態
ここで使用する、「精製すなわち単離」ペプチドは、天然源もしくはバイオテクノロジ源から精製されたもの、または、より好ましくは、ここにおいて記載されたように合成されたもの、である。
「処理」または「治療」は、完治を必要としない。基礎にある病気の症状が少なくとも軽減され、ならびに/または、症状を引き起こす、基礎にある1つ以上の、細胞の、生理的もしくは生化学的な原因もしくは機構が軽減および/もしくは除去される、ということである。この文脈で用いる軽減とは、病気の生理状態だけではなく、病気の分子状態を含む、病気の状態に関すると理解すべきである。
ここで用いる「組成物」は、ペプチドまたはその誘導体もしくは機能類似体を含むかそれから成る化合物を表す。ペプチドは、好ましくは組成物内への包含前に単離される。ペプチドは、好ましくは3〜6のアミノ酸から成り、最も好ましくは、3または4のアミノ酸から成る。
ここで使用される、基準ペプチドとの特定可能な関係を維持する、ペプチドの「機能類似体」または「誘導体」は、たとえばMTRVLQGVLPALPQVVCといった、基準ペプチドに関して生じた変異であって、米国特許出願公開第10/456375号明細書に開示されているpepscan法、ala-scanning法、およびreplacement net analysis法、ならびに基準配列に関する非保存的置換および/または保存的置換による変異を含む。誘導体は、ペプチド中で用いられる特定のアミノ酸であって、そのペプチドと同じ順番で連続的に配列されるが、たとえば、ケトイソステア(isostere)、ヒドロキシイソステア、ジケトイソステア、またはケト-ジフルオロメチレンイソステアなどのイソステア結合(isosteric linkage)による、非ペプチド結合によって結合される、特定のアミノ酸と同じかそれに相当する側鎖を有する化合物をも含む。一度誘導体が生成されると、このような誘導体は、スクリーニング、活性の特定、データベースへの加入、製剤生成などのためのペプチドとなる。
開始点として選ばれるオリジナルペプチドに機能的または構造的に類似するが、たとえば天然に存在しないアミノ酸またはポリアミドから成るペプチド模倣化合物もまた、誘導体または機能類似体に含まれる。「保存的アミノ酸置換」では、1つのアミノ酸残基が、概して類似する特性(大きさ、疎水性および/または電荷)を有する別の残基と置換されるので、そのような置換を有するペプチド配列の全体の機能が大きく影響を受けるということは起こりそうにない。「非保存的アミノ酸置換」では、1つのアミノ酸残基が、概して異なる特性(大きさ、疎水性および/または電荷)を有する別の残基と置換されるので、そのような置換を有するペプチド配列の全体の機能は大きく影響を受けるだろう。誘導体は、基準ペプチドの少なくとも1つのアミノ酸を体系的に変更することによって提供することもできる。これはたとえば、各アミノ酸が他の19(セレノシステインおよびピロリジンが含まれるのならば21)のアミノ酸の1つと順繰りに置換される、Alanine scanning(Ala-scan)および/またはreplacement net analysisによって実行することができる。これらの方法によって、元々のアミノ酸配列に基づくが、それぞれが少なくとも1つのアミノ酸残基の変更すなわち置換を有する、多くの異なるペプチドを生成することができる。このように、元々のアミノ酸配列の多くの位置変異体が合成および/または酵素的に生成される。
ペプチド模倣体はさらに、元々のアミノ酸間にペプチド結合の代替を含む偽ペプチドを含む(たとえばSoto- Jaraの米国特許第6689753号明細書を参照されたい)。そのようなペプチド結合の代替は、CH、CHCH、CH=CH、C=C、CHNH、COCH、CHS、CHSOおよびNHCOを含むが、これらに限定されない。
さらに、たとえばグリコシル化、PEG化、PEGアルキル化、アルキル化、アセチル化、アミド化、グリコシル-ホスファチジルイノシトール化、ファルネシル化、ADP-リボシル化、硫酸化、脂質結合(lipid attachment)、ヒドロキシル化およびリン酸化によって化学的に修飾されたペプチドも、誘導体または機能類似体に含まれる。
誘導体または類似体は、たとえば、L-アミノ酸残基の、D-アミノ酸残基または他の非天然残基との置換によって生成することもできる。そのような置換はアミノ酸配列の特性を改良し、たとえば逆反転構成においてすべてのD-アミノ酸の公知の活性のペプチド配列を提供することができるので、これによって活性の維持および半減値の増大が可能である。元々のアミノ酸配列の多くの位置変異体(誘導体)を生成し、特定の活性をスクリーニングすることによって、たとえばD-アミノ酸を含む改良ペプチドを本発明に従って特定および使用することができる。
さらに、1つの実施形態における化合物は、
NT Xaa XaaXaa Xaa CT
であり、N-末端のNTは、H-、CH-、アシル基または一般的な保護基の群から選ばれ、C-末端のCTは、小ペプチド(たとえば1〜5のアミノ酸)、-OH、-OR、-NH、-NHR、-NRまたは-N(CH1-6NRの群から選ばれ、RおよびRは、それらが存在する場合、H、アルキル基、アリル基、アラルキル基から独立して選ばれ、RおよびRは互いに環状に結合することができる。このような修飾が基準ペプチドの誘導体を構成する。
ここで用いる「アルキル基」は、好ましくは、たとえばメチル基、エチル基およびイソペンチル基といった1〜6の炭素原子を有する飽和の分岐または非分岐炭化水素である。
ここで用いる「アリル基」は、フェニル基またはナフチル基などの6〜10の炭素原子を好ましくは有する芳香族炭化水素基である。
ここで用いる「アラルキル基」は、ベンジル基、エチルベンジル基、n-プロピルベンジル基およびイソブチルベンジル基などの7〜13の炭素原子を好ましくは有するアレーン基(脂肪族部分と芳香族部分との両方を有する)である。
ここで用いる「ペプチド」は、ペプチド結合によって結合された3〜約50のアミノ酸を有するペプチドを意味する。
「組成物」は、たとえばオリゴペプチドまたは標識ペプチドの許容可能な塩をも含む。ここで用いる「許容可能な塩」は、ペプチドまたは同等の化合物の所望の活性を保持するが、好ましくはペプチドの活性またはペプチドを使用するシステムの他の要素に悪影響を及ぼさない塩を表す。このような塩の例は、たとえば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸などの無機酸によって形成される酸付加塩である。塩は、たとえば酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸などの有機酸によって形成することもできる。塩は、亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケルなどの多価金属カチオンによって形成されるか、N,N’-ジベンジルエチレンジアミンまたはエチレンジアミンから形成される有機カチオンによって形成されるか、それらの組合せ(たとえばタンニン酸亜鉛塩)であるのがよい。
組成物は、生体内に全身的に、局部的に、経口的に、または局所的に投与または導入することができる。組成物は、(塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸およびリン酸などの)無機酸との反応、もしくは(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸およびフマル酸などの)有機酸との反応によって、または(水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムなどの)無機塩基との反応、もしくは(モノ-、ジ-、トリアルキルおよびアリールアミンならびに置換エタノールアミンなどの)有機塩基との反応によって形成される、医薬的に許容可能な酸付加塩または塩基付加塩として投与することができる。ペプチドは、糖類、脂質、他のペプチド、核酸およびPNAと結合することもでき、そのままコンジュゲートとして機能し、または、標的組織もしくは器官への到達後に局所的に解放される。
本発明に従う化合物は、当該技術において知られている方法によって生成することができる(たとえば米国特許出願公開第10/456375号明細書参照)。たとえば、適当なNアルファ保護(反応性側鎖が存在する場合、側鎖保護)を含む、当該技術において知られているペプチド合成方法による。アミノ酸誘導体またはペプチドは、溶液中または固体担体上のいずれかで活性化され、カルボキシル保護アミノ酸またはペプチド誘導体と適切に結合される。痺Aミノ基の保護は、酸に不安定な三級ブチルオキシカルボニル基(「Boc」)、ベンジルオキシカルボニル(「Z」)基もしくは置換類似体、または塩基に不安定な9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(「Fmoc」)基を使用することができる。Z基は、接触水素化によっても除去することができ、他の適当な保護基にはNps、Bmv、Bpoc、Aloc、MSCなどが含まれる。アミノ保護基の優れた概説が、「The peptides, Analysis, Synthesis, Biology」(第3巻、Gross, E.およびMeienhofer, J.編、Academic Press、New York、1981年)に記載されている。カルボキシル基の保護は、たとえば、メチルかエチルのような塩基に不安定なエステル、三級ブチルのような酸に不安定なエステル、もしくは置換ベンジルエステル、といったエステル形成によって、または水素化分解によって行い得る。リジンおよびグルタミン酸またはアスパラギン酸にあるような側鎖官能基の保護は、前述の基を用いて行い得る。チオール基、ならびに常に必要とされるわけではないが、グアニジノ基、アルコール基およびイミダゾール基の保護は、「The peptides, Analysis, Synthesis, Biology」またはPure and Applied Chemistry(第59巻(3)、p.331〜344、1987年)などに記載されるような、種々の試薬を用いて行い得る。適切に保護されたアミノ酸またはペプチドのカルボキシル基の活性化は、アジド、混合無水物、活性エステルによって、または、特に1-N-N-ヒドロキシベンゾトリアゾール、N-ヒドロキシコハク酸イミド、3-ヒドロキシ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-1,2,3-ベンゾトリアジン、N-ヒドロキシ-5ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミドなどの触媒的なラセミ化抑制化合物の付加を伴う、カルボジイミド法によって行い得る。リン系の酸の無水物も使用することができる。たとえば、前記「The Peptides, Analysis, Synthesis, Biology」およびPure and Applied Chemistry(第59巻(3)、p.331〜344、1987年)を参照されたい。
Merrifieldの固相法によって化合物を生成することも可能である。異なる固体担体および異なる戦略が知られており、たとえば「The peptides, Analysis, Synthesis, Biology」(第2巻、Gross, E.およびMeienhofer, J.編、Acad. Press、New York、1980年)のBaranyおよびMerrifield、Int. J. Peptide Protein Res.(第30巻、p.705〜739、1987年)のKneib-CordonierおよびMullen、ならびにInt. J. Peptide Protein Res.(第35巻、p.161〜214、1990年)のFieldsおよびNobleを参照されたい。ペプチド結合がイソステアによって置換されている化合物の合成は、通常、前述の保護基および活性化手段を用いて実行することができる。修飾イソステアを合成する手順は、たとえば-CH-NH-イソステアおよび-CO-CH-イソステアについて、文献に記載されている。
保護基の除去、および固相ペプチド合成の場合、固体担体からの切断は、当該技術において知られている手段によって実行することができる(たとえば前述の「The Peptides
Analysis, Synthesis, Biology」シリーズの第3,5および9巻参照)。
別の可能性は、そのような化合物の合成における酵素の適用である。たとえば「The
Peptides, Analysis, Synthesis, Biology」(第9巻、Udenfriend, S.およびMeienhofer, J.編、Academic Press、New York、1987年)のJakubke, H. D.を参照されたい。たとえば、グリコシル化、リン酸化などの修飾および当該技術において知られている他の修飾による。
本発明に従うペプチドは、組換えDNA法によっても生成することができる。このような方法は、適当な宿主細胞中で1つ以上のオリゴペプチドをコードする組換えポリヌクレオチド配列を発現させることによる所望のペプチドの生成を含む。通常、そのプロセスは、特定のオリゴペプチドをコードするDNA配列の、クローニング媒体(たとえば、プラスミド、ファージDNA、または宿主細胞中で複製可能な他のDNA配列)への導入と、そのクローニング媒体の、適当な真核または原核宿主細胞への導入と、こうして形質転換された宿主細胞の培養とを含む。真核宿主細胞が使われる場合、化合物は糖たんぱく部分を有するかもしれない。
ここで記載されるペプチドを含有する医薬組成物は、癌を患っている、または癌を患っていると考えられる患者に投与される。治療への応用において、組成物は、腫瘍の退行を引き起こすか、腫瘍形成および転移を少なくとも部分的に阻むのに充分な量で患者に投与される。これを達成するのに適当な量は、「治療有効量」として定義される。この使用に効果的な量は、たとえば、ペプチドの性質(比活性など)、投与方法、癌の病期および重症度、患者の体重および全体的な健康状態ならびに処方医師の判断に依存するだろう。
治療医師によって選ばれる服用レベルおよびパターンを用いて、ペプチド組成物の単回投与または反復投与を実行することができる。いずれにしても、薬剤処方が患者を効果的に治療するのに充分なペプチド量をもたらすべきである。投与は、不所望の細胞増殖の最初の兆候があったときから始めるか、診断直後に始め、症状が実質的に和らぐまで、そしてその後しばらく続けるべきである。癌によくある場合では、負荷用量に続き維持用量が必要となるだろう。
治療処置用の医薬組成物は、非経口、局部的、経口的、または局所的投与を意図されている。本発明は、許容可能な担体、好ましくは水性の担体中で溶解または懸濁される抗腫瘍ペプチド溶液を含む非経口的投与用組成物を提供する。たとえば、水、緩衝用水、0.4%生理食塩水、0.3%グリシン、ヒアルロン酸などの、種々の水性媒体を使用することができる。これらの組成物は、従来の良く知られた滅菌技術によって滅菌することができ、またはろ過滅菌することができる。得られる水溶液はそのままで使用するために包装することができ、または、凍結乾燥することができ、凍結乾燥された製剤は投与前に滅菌溶液と組合される。組成物は、たとえば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミンなどといった、pH調整緩衝剤、等張化調整剤、湿潤剤などの、生理的条件に近づけるために必要な、医薬的に許容可能な補助剤を含むことができる。
他の医薬組成物生成方法は、当該技術の当業者に知られているか明らかであり、たとえば、RemingtonのPharmaceutical Science(第19版、Mack Publishing Company、Easton、ペンシルベニア州、1990年)に詳細に記載されている。この文献は、参照によって本明細書に組込まれる。
本発明のペプチドの固体組成物には、たとえば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石、セルロース、グルコース、シュークロース、炭酸マグネシウムなどを含む、従来の非毒性固体担体を使用することができる。経口投与のためには、医薬的に許容可能な非毒性組成物は、先に記載した担体などの通常使用されるあらゆる賦形剤を組込むことによって形成され、有効成分つまり1つ以上の抗腫瘍ペプチドが通常10〜95%であり、より好ましくは25%〜75%の濃度である。
本発明はまた、包装材料内に含まれる少なくとも1つの医薬品を有する薬剤を含む。医薬品は、腫瘍の治療に効果的であり、ここで開示されるペプチドの群から選ぶことができる。
新しい薬物のほとんどが経口的に投与されることを目的としている一方で、ペプチド系の薬物は、不所望の分解にさらされるかもしれないので、鼻内投与または経皮投与などの別の供給方法がより望ましいとされているが、たとえペプチド系薬物であっても、(たとえば、良好な生体利用性を有する)経口供給が望ましい。
国際公開第03/029292 A2号パンフレット(2003年4月10日公開)、国際公開第01/72831 A2号パンフレット(2001年10月4日公開)ならびに米国特許出願公開第20020064501 A1号明細書(2002年5月30日公開)、米国特許出願公開第20030119720 A1号明細書(2003年6月26日公開)、米国特許出願公開第20030113733 A1号明細書(2003年6月19日公開)および米国特許出願公開第20030166556 A1号明細書(2003年9月4日公開)に記載されているように、それらに記載された精製または単離オリゴペプチドを含む組成物は、たとえば敗血症および他の病気の状態および条件の治療において有用な免疫調節作用を有する。これらの公報すべての内容は、参照によってここに組込まれる。組成物はまた遺伝子調節作用を有する。
本発明は、配列MTRVLQGVLPALPQVVCの、特定の4〜8のアミノ酸セグメントからなる精製ペプチドまたは単離ペプチドおよびそれらの誘導体を含む、化合物のスクリーニング方法を含む。抗腫瘍活性は、腫瘍を有するマウスを治療し、その腫瘍を長期にわたって監視することによって決定することができる。1つの実施形態において、アミノ酸セグメントはMTRVLQGVLPALPQVVCの一部の4テトラマ配列、すなわち
XaaXaaXaaXaa(たとえばLQVGに相当)
を含み、XaaはAlaおよびLeuから成る群から選ばれる置換または非置換非極性アミノ酸であり、XaaはGln、ProおよびAlaから成る群から選ばれる置換または非置換アミノ酸であり、Xaaは置換または非置換Glyであり、XaaはValおよびAlaから成る群から選ばれる置換または非置換非極性アミノ酸である。たとえば、ペプチドは、LQGV、誘導体AQGV、誘導体LQGA、誘導体LAGVおよび誘導体LPGCから成る群から選ぶことができる。
別の実施形態において、セグメントは6アミノ酸長であり、配列
XaaXaaPro Ala XaaXaa
を含み、Xaaは置換または非置換ValまたはAlaであり、Xaaは置換または非置換LeuおよびAlaから独立して選ばれ、Xaaは置換または非置換ProまたはAlaである。
そのような実施形態において、ペプチドは、VLPALP、誘導体ALPALP、誘導体VAPALP、誘導体ALPALPQ、誘導体VLPAAPQ、誘導体VLPALAQ、誘導体VLPALA、VLPALPQ、誘導体VLPALPA、誘導体GVLPALPおよび誘導体VLAALPから成る群から選ばれる式を有することができる。
別の実施形態において、組成物は8アミノ酸以下であり、
XaaXaaXaaXaa
からなるアミノ酸配列を含み、XaaはAla、LeuおよびMetから成るアミノ酸の群から選ばれる置換または非置換アミノ酸であり、XaaはGln、Thr、AlaおよびProから成るアミノ酸の群から選ばれる置換または非置換アミノ酸であり、Xaaは置換もしくは非置換GlyまたはArgであり、XaaはCys、AlaおよびValから成るアミノ酸の群から選ばれる置換または非置換アミノ酸である。抗腫瘍活性は、腫瘍を有するマウスを治療し、その腫瘍を長期にわたって監視することによって決定することができる。
そのような実施形態において、配列は、Leu Gln Gly Val、Ala Gln Gly Val、Leu Gln Gly Ala、Leu Ala Gly Val、Leu Pro Gly CysもしくはMet Thr Arg Valまたはその誘導体から成る群から選ぶことができる。
別の実施形態において、セグメントはテトラマのMTRVもしくはQVVCまたはその誘導体であってもよい。
本発明はさらに、精製もしくは単離ペプチドまたはその酸付加塩を含む医薬組成物を有し、該精製もしくは単離ペプチドは抗腫瘍活性を有する。
本発明は、、ペプチドまたはその誘導体もしくは機能類似体を含む組成物であって、特定の分子が抗腫瘍活性能を有する組成物を、そのような治療の必要があると考えられる患者に投与することを含む腫瘍治療において有用なペプチドの特定方法を提供する。
別の実施形態において、組成物は少なくとも2つのペプチドまたはそれらの誘導体を含む。たとえば、各ペプチドが抗腫瘍活性能を有する。例として、少なくとも2つのオリゴペプチドは、LQGV、AQGVおよびVLPALPまたはここで記載される方法によって特定されるペプチドの群から選ぶことができる。
本発明はまた、医薬組成物または薬剤の生成のための本発明に従う組成物の使用、および免疫介在疾患などの種々の病状の治療方法を提供する。
本発明は、以下の実例によってさらに説明される。
実施例
材料および方法
ペプチド合成
ここで記載する、LQG、AQG、LQGV、AQGV、LQGA、VLPALP、ALPALP、VAPALP、ALPALPQ、VLPAAPQ、VLPALAQ、LAGV、VLAALP、VLPALA、VLPALPQ、VLAALPQ、VLPALPA、GVLPALP、VVCNYRDVRFESIRLPGCPRGVNPVVSYAVALSCQCAL、RPRCRPINATLAVEKEGCPVCITVNTTICAGYCPT、SKAPPPSLPSPSRLPGPS、LQGVLPALPQVVC、SIRLPGCPRGVNPVVS、LPGCPRGVNPVVS、LPGC、MTRV、MTRおよびVVCなどのペプチドを、固体担体として2-クロロトリチルクロライド樹脂(
Barlosら、Int. J. Peptide Protein Res.、第37巻、p.513〜520(1991年))を使用し、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)/三級ブチルに基づく手法(Atherton、1985年)を用いる固相合成(Merrifield, R.B.、J. Am. Chem. Soc.、第85巻、p.2149〜2165(1963年))によって生成した。
グルタミンの側鎖はトリチル基で保護した。ペプチドはマニュアルで合成した。各カップリングは、(i)ジメチルホルムアミド(DMF)中での、ピペリジンによるアルファアミノFmoc保護の除去、(ii)DMF/N-メチルホルムアミド(NMP)中での、Fmocアミノ酸(3eq)の、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)/1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)とのカップリング、および(iii)DMF/NMP中での、無水酢酸/ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)による、残りのアミノ基のキャッピング、の工程から構成された。合成が完了すると、ペプチド樹脂を、トリフルオロ酢酸(TFA)/HO/トリイソプロピルシラン(TIS)95:2.5:2.5の混合物で処理した。30分後、脱色するまでTISを添加した。真空で溶液を蒸発させ、ペプチドをジエチルエーテルで沈殿させた。
粗ペプチドを水中に溶解し(50〜100mg/ml)、逆相高速液体クロマトグラフィ(RP−HPLC)によって精製した。HPLC条件:カラムはVydac TP21810C18(10×250mm)であり、溶出系は水中の0.1%(v/v)TFA(A)およびアセトニトリル(ACN)中の0.1%(v/v)TFA(B)の勾配系であり、流量は6ml/minであり、190〜370nmの吸光度を検出した。異なる勾配系を用いた。たとえば、ペプチドLQGおよびLQGVについては、10分間100%のAを使用し、その後、50分間0〜10%のBの直線勾配とした。たとえば、ペプチドVLPALPおよびVLPALPQについては、5分間5%のBを使用し、その後、1分あたり1%のBの直線勾配とした。収集した画分を、40℃にて、減圧下のロータリフィルムエバポレーションによって約5mlに濃縮した。酢酸塩型の陰イオン交換樹脂(Merck II)のカラムで2度溶出することで、残留TFAを酢酸塩に対して交換した。溶出液を濃縮し、28時間凍結乾燥した。その後、PBSに溶解させて、使用のためのペプチドを生成した。
実施例II
動物および腫瘍モデル
マウス(C57B16)に、同系Lewis Lung Carcinoma(LLC)を皮下移植する。
処理法:腹腔内注射によって、移植日から、小ペプチドまたはコントロール物質でマウスを処理する。実験終了まで、月曜、水曜および金曜にマウスに注射する。実験は、腫瘍サイズが20mmを超える、動物が苦しむ、体重の損失が20%を超える、潰瘍が形成される、などに基づいて終了する。それ以外には、実験を開始後8週で終了する。
有効性評価法
腫瘍反応の評価
腫瘍の直径をカリパス測定によって2方向で測定し、腫瘍容積(V)を、式V=0.4(A×B)を用いて計算する(Bは最大直径を表し、AはBに直交する直径を表す)。腫瘍反応の分類は、7日以内(処理開始後3日目から10日目の間)の腫瘍容積の増加が>50%である進行性疾患(PD)、3日目にて腫瘍容積が−25%〜+25%の範囲内である容積に等しい安定疾患、腫瘍容積が−25%〜−90%である部分寛解(R)、処理開始後56日目にて測定不可能な腫瘍となる完全消失(CR)、である。
腫瘍増殖評価は、腫瘍直径が20mmに達すれば終了する。
副作用評価
副作用を毎日監視し、プロトコールに従って分類する。
A)動物体重を毎日監視する。
B)動物の行動を監視する。
C)下痢などのあり得る副作用について、動物を観察する。
結果
腫瘍反応
LLC腫瘍の移植24時間後に、ペプチドの腹腔内注射によってマウスを処理した。PBSを受けたすべてのマウスにおいて、腫瘍は発達して21日目に腫瘍容積が平均して1600mmに達した。その時点では腫瘍の直径はおおよそ16mmであった。サリドマイドをポジティブコントロールとして使用した。21日目に平均腫瘍容積が340mmであることが観察され、56日間で3/6のマウスが完全な腫瘍制御を示した。
ペプチドLQG、LQGV、AQGVおよびVLPALPの投与は、腫瘍増殖の遅延を誘引した(LQGおよびLQGVはサリドマイドに匹敵した)(表1)。ペプチドLQGVの投与は腫瘍増殖の強い遅延をもたらした。
Figure 2009500320
サリドマイド処理したマウスおよびペプチドLQGで処理したマウスにおいて、腫瘍反応がすべての動物において得られた(7日以内の最大増殖が25%を意味する)。ペプチドLQGVおよびVLPALPで処理した動物において、6匹のマウスのうち5匹が反応を示した。動物数が少ないために、容積について有意性は見られなかった。しかし、ペプチドLQG、LQGVおよびVLPALPならびにサリドマイド(T)で処理した動物の反応割合は、偽薬処理マウスと比較して有意に改良された(LQGおよびTではp<0.002、LQGVおよびVLPALPではp<0.015)。
これらの結果から、ペプチド投与が腫瘍増殖の遅延または腫瘍制御をもたらしたことが明らかである。図1において示されるように、マウスを抗腫瘍ペプチドLQGおよびLQGVまたはサリドマイドで処理したときに、同程度の腫瘍増殖曲線が得られた。
副作用
図2に示されるように、小ペプチドで処理したマウスの体重への影響は観察されなかった。上述のような副作用以外も観察されなかった。
ここで引用される、データベースの系統番号、公報、特許および特許出願を含む参考文献のすべては、各文献が参照によって個別に組込まれて明確に示され、ここでその全体が示される場合と同じ程度に、本文に参照によって組込まれる。
実施例III
試験法
動物および腫瘍モデル
マウス(C57B16)に同系Lewis Lung Carcinoma(LLC)を皮下移植する。移植24時間後に、処理を開始する。動物数をグループあたり8匹にして、本研究の信頼性を高める。腫瘍が触診できないときに処理を始めているので、誤差による変化は、定着した腫瘍による研究と比較して、より大きい。処理法:腹腔内注射によって、移植1日後から、小ペプチドまたは偽薬コントロールでマウスを処理する。実験終了まで、月曜、水曜および金曜にマウスに注射する予定である。実験は、腫瘍サイズが20mmを超える、動物が苦しむ、体重の損失が20%を超える、潰瘍が形成されるという基準に基づいて終了する。それ以外には、実験を開始後8週で終了する予定である。
有効性評価法
腫瘍反応の評価
腫瘍の直径をカリパス測定によって2方向で測定し、腫瘍容積(V)を、式V=0.4(A×B)を用いて計算する(Bは最大直径を表し、AはBに直交する直径を表す)。腫瘍反応の分類は、7日以内の腫瘍容積の増加が>25%である進行性疾患(PD)、処理開始時に腫瘍容積が−25%〜+25%の範囲内である容積に等しい無変化(NC)、腫瘍容積が−25%〜−90%の減少である部分寛解(PR)、腫瘍容積が初期容積の10%未満である完全消失(CR)、である。腫瘍増殖評価は、腫瘍直径が20mmに達すれば終了する。
副作用評価
副作用を毎日監視する。
A)動物体重を毎日監視する。
B)動物の行動を監視する。
C)下痢などのあり得る副作用について、動物を観察する。
統計
多群のノン-パラメトリック検定(Kruskal Wallis)およびMann Whitney検定を用いた異なる群のペアワイズ比較を用いて、腫瘍容積を分析した。
結果
腫瘍反応
「材料および方法」に記載したように、マウスをペプチドの用量漸増によって処理した。用量が5mg/kgのとき、腫瘍増殖の遅延が観察された(図1)。この遅延は、用量が高くなるにつれ、より顕著になった。特に、50mg/kgの投与では、腫瘍増殖を強く抑制した。コントロールマウス(ネガティブ:偽薬)は、進行性の腫瘍増殖を示した。サリドマイドで処理したマウス(ポジティブコントロール)は、幾分かの腫瘍増殖の遅延を示しただけであった。個々の腫瘍増殖曲線の概観を、図4に示す。統計分析を表2に示す。
Figure 2009500320
Figure 2009500320
腫瘍反応
提案したのとはやや異なる方法で、腫瘍反応を評価した。腫瘍誘導後すぐに開始するので、処理前と比較して腫瘍は収縮し得ない。それは別にして、初期増殖後の腫瘍サイズの縮小は観察しなかった。そのため、実験期間中、増殖(進行性疾患、PD)および腫瘍反応(TR、20日目までの増殖遅延)を評価した。表3において、反応割合を示す。
毒性
実験中、動物体重の監視(図6)ならびに腎機能および肝機能に関する血液マーカの評価および白血球数(図5)によって、投与ペプチドの毒性を評価した。全用量において、動物体重への影響は観察されなかった。ペプチドの投与は白血球数に影響せず、肝臓および腎臓のパラメータに影響しなかった。グループ間だけでなくグループ内の個々のマウス間で比較することも重要である。これらの結果は、ペプチドの投与が試験したすべてのパラメータに影響しないことを示す。
実施例IV
種々のオリゴペプチドの抗細胞周期活性をさらに研究するために、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の実生で増殖実験を行った。盛んに細胞分裂がおこる急成長中に、植物マーカ遺伝子の発現への影響について、140の種々の長さのオリゴペプチドのグループを試験するのが目的であった。両マーカ遺伝子が細胞周期プロセスに関連しており、高いマーカ活性は高い細胞周期活性を示し、マーカ活性がないのは細胞周期活性がない、したがって増殖していないことを示している。
方法
ペプチドを、最終濃度が5mg/mlになるようにpH8の1×リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に再懸濁した。その後、得られた溶液を96ウェルの丸底プレート(Corning Incorporated)に、ウェルごとに40マイクロリットルずつ分注した。使用前にプレートを−20℃で4日間保存しておいた。シロイヌナズナの生態型Ws-0の種子を2%の市販の漂白剤(Glorix)で10分間表面滅菌し、滅菌MQ水で5回洗浄した。その後、種子を0.1% 寒天に再懸濁し、80mg/lカナマイシンを補完してMS2 0プレートにプレーティングした。プレートを40℃で2晩静置し、その後210℃、16/8時間の光周期の気象室に移した。成長4日後、ペプチド溶液を含む96ウェルプレートに実生を移し(ウェルあたり実生4)、4および8時間インキュベートした。
本実験のために、GUSと融合させた2つのレポータ遺伝子を有するシロイヌナズナのホモ接合型実生を用いた。用いた第1レポータ遺伝子は細胞周期マーカpCDG(Carmonaら、The Plant Journal、1999年、第20巻(4)、p.503〜508)であり、第2レポータ遺伝子はオーキシン応答マーカDR5-GUS(Ulmasovら、The Plant Cell、第9巻、p.1963〜1971)であった。化合物とのインキュベーション後、実生をGUS染色した。10mM EDTA、10% DMSO、0.1% Triton X-100、2mM X-Gluc、0.5mM KFe(CN)および0.5mM KFe(CN)を含む100mMリン酸ナトリウムバッファ(pH7.0)中で、37℃、16時間、染色反応を行った。続いて、GUS反応を停止してクロロフィルを除去するために、実生を96%エタノールで1時間処理し、その後70% エタノール中で保存した。染色した実生を実体顕微鏡下で観察し、化合物処理の効果を示す実生でスライドを作成した。DIC光学素子を備えた顕微鏡下での詳細な顕微鏡観察および写真撮影用に、実生を抱水クロラール溶液中で固定し、澄明にした。
結果
急成長しているシロイヌナズナの実生でのマーカ遺伝子の発現への影響について、ペプチドを試験した。影響を、根、根-胚軸推移帯および子葉といった異なる器官でのGUS分布の変化によって観察した。
試験した140の化合物のうち、総計43が試験した両マーカの発現に明らかな効果を示した。驚いたことに、効果は試験した種々のペプチドの長さに明らかに関連した。以下の表4に見ることができるように、抗細胞周期活性は短いペプチドで多く示され、9アミノ酸よりも長いペプチドでは細胞周期活性の減退は見られなかった。5〜9のアミノ酸長のペプチドの約22%が減退を示したが、試験したトリマおよびテトラマの50%超が細胞周期活性の減退を示した。
Figure 2009500320
結果
植物の細胞周期研究およびマウス細胞の腫瘍増殖の生体内縮小から、癌治療に有用なトリマペプチドVVC、LAG、AQGを特定した。同様に、癌治療に有用なテトラマペプチドはLQGV、QVVC、MTRV、AQGV、LAGV、LQAV、PGCP、VGQL、RVLQ、EMFQ、AVAL、FVLS、NMWD、LCFL、FSYA、FWVD、AFTV、LGTL、QLLG、YAIT、APSL、ITTL、QALG、GVLC、NLIN、SPIE、LNTI、LHNL、CPVQ、EVVR、MTEV、EALEであり、癌治療に有用なペンタマペプチドはTLAVE、VEGNL、LNEALであり、癌治療に有用なヘキサマペプチドはVLPALP、MGGTWA、LTCDDPであり、癌治療に有用なヘプタマペプチドはVLPALPQ、VCNYRDV、CPRGVNPであり、癌治療に有用なオクタマペプチドはQPLAPLVGであり、癌治療に有用なノナマペプチドはDINGFLPALである。
本発明の例となるペプチドで処理したマウスの腫瘍容積を示した図であり、ペプチドA〜Fは、それぞれペプチドLAG、LAGV、LQG、LQGV、AQGVおよびVLPALPに対応する。 本発明の例となるペプチドで処理した腫瘍キャリアマウスの体重を示す図であり、ペプチドA〜Fは、それぞれペプチドLAG、LAGV、LQG、LQGV、AQGVおよびVLPALPに対応する。 ペプチドLQGVの用量漸増によって処理したLewis Lung癌腫保有C57B16マウスの腫瘍容積を示した図であり、試験した用量は1.7,5,17,50および170mg/kgである。 ペプチドLQGVの用量漸増によって処理したマウスの全個体の腫瘍増殖曲線の図である。 用量漸増実験中、腎機能および肝機能に関する血液マーカの評価および白血球数によってLQGVの毒性が評価された図である。 用量漸増実験中、動物体重のモニタリングによってLQGVの毒性が評価された図である。

Claims (16)

  1. 腫瘍を患っている、または腫瘍を患っていると考えられる患者の治療用医薬組成物であって、医薬的に許容可能な希釈剤とともに、治療上有効な量の、抗腫瘍ペプチドまたはその機能類似体もしくは誘導体を有することを特徴とする医薬組成物。
  2. ペプチドが15アミノ酸よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. ペプチドがVVC、LAG、AQG、LQGV、QVVC、MTRV、AQGV、LAGV、LQAV、PGCP、VGQL、RVLQ、EMFQ、AVAL、FVLS、NMWD、LCFL、FSYA、FWVD、AFTV、LGTL、QLLG、YAIT、APSL、ITTL、QALG、GVLC、NLIN、SPIE、LNTI、LHNL、CPVQ、EVVR、MTEV、EALE、TLAVE、VEGNL、LNEAL、VLPALP、MGGTWA、LTCDDP、VLPALPQ、VCNYRDV、CPRGVNP、QPLAPLVGおよびDINGFLPALから成る群から選ばれることを特徴とする請求項1または2記載の組成物。
  4. 前記ペプチドが7アミノ酸よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記ペプチドが2から6までのアミノ酸長であることを特徴とする請求項4記載の組成物。
  6. 前記ペプチドが3または4のアミノ酸長であることを特徴とする請求項5記載の組成物。
  7. 抗腫瘍ペプチドがMTRVLQGVLPALPQVVCの、3から6までのアミノ酸フラグメントであることを特徴とする請求項5記載の組成物。
  8. 抗腫瘍ペプチドがLQGまたはLQGVであることを特徴とする請求項7記載の組成物。
  9. 組成物にオリゴペプチドを組込むことを特徴とする、腫瘍治療用医薬組成物の製造におけるペプチドの使用。
  10. ペプチドが15アミノ酸よりも小さいことを特徴とする請求項9記載の使用。
  11. ペプチドがVVC、LAG、AQG、LQGV、QVVC、MTRV、AQGV、LAGV、LQAV、PGCP、VGQL、RVLQ、EMFQ、AVAL、FVLS、NMWD、LCFL、FSYA、FWVD、AFTV、LGTL、QLLG、YAIT、APSL、ITTL、QALG、GVLC、NLIN、SPIE、LNTI、LHNL、CPVQ、EVVR、MTEV、EALE、TLAVE、VEGNL、LNEAL、VLPALP、MGGTWA、LTCDDP、VLPALPQ、VCNYRDV、CPRGVNP、QPLAPLVGおよびDINGFLPALから成る群から選ばれることを特徴とする請求項9または10記載の使用。
  12. 前記ペプチドが7アミノ酸よりも小さいことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の使用。
  13. 前記ペプチドが2から6までのアミノ酸長であることを特徴とする請求項12記載の使用。
  14. 前記ペプチドが3または4のアミノ酸長であることを特徴とする請求項13記載の使用。
  15. 抗腫瘍ペプチドがMTRVLQGVLPALPQVVCの、3から6までのアミノ酸フラグメントであることを特徴とする請求項13記載の使用。
  16. 抗腫瘍ペプチドがLQGまたはLQGVであることを特徴とする請求項15記載の使用。
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