JP2009500164A - 浄水システム - Google Patents

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Abstract

浄水のための装置および方法が提供される。蒸気から液体またはその他の粒子を除去するための改良されたデミスタ(70)が開示される。デミスタは、調節可能な出口を有することができる。他の実施形態において、ボイラ装置(310)の内側に、デミスタ装置が少なくとも部分的に配置される。また、水フィルタの効率に関する光指示を提供するフィルタフロー指示計(401)も提供される。フィルタフロー指示計は、フィルタユニットの入力側と出力側とをつなぐ可視サイド通路を有する。フィルタシステム内における圧力差に応じて、ボール(440)などの重り物体が、サイド通路内を上下に移動することができる。ユーザは、サイド通路内における重り物体の位置を見ることによって、フィルタの状態を決定することができる。また、水の風味を向上させるために、浄化された水に様々なミネラルを加えなおす装置および方法が説明される。装置および方法は、天然の湧き水によく見られるミネラル(230,240,250)から一般に選択される摩砕されたミネラル混合物の使用をともなう。ミネラルフィルタ装置を通って流れる純水は、いくらかのミネラルを取り入れることができ、そうして、健康に害を及ぼす汚染物質を含まないが天然の湧き水に似た味のする水を生成する。

Description

<関連出願>
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づいて、2005年7月6日出願の米国仮出願第60/697,104号、2005年7月6日出願の米国仮出願第60/697,106号、2005年7月6日出願の米国仮出願第60/697,107号、2006年3月3日出願の米国仮出願第60/778,680号、2006年3月3日出願の米国仮出願第60/779,201号、2005年10月14日出願の米国仮出願第60/727,106号、および2005年12月7日出願の米国仮出願第60/748,496号の優先権を主張する。これらの各出願は、参照により全体を本明細書に組み込まれるものとする。
本発明は、浄水の分野に関するものである。
従来の水源が不足の一途をたどり、飲用水の地域分配システムが時間の経過とともに劣化し、増大する水使用が井戸や貯水池を枯渇させ、塩水汚染を引き起こすにつれて、浄水技術が急激に、現代生活に不可欠な要素になってきている。また、例えば集約農業、ガソリン添加剤、および毒性重金属などを含む様々な活動により、水源の更なる汚染が生じている。これらの問題は、水システム内において、微生物、バクテリア、塩、MTBE、塩素酸塩、過塩素酸塩、ヒ素、水銀、およびひいては飲用水の消毒に用いられる化学剤までもを望ましくないレベルに増大させる要因となる。
逆浸透(RO)、ろ過、および化学的処理などの従来の技術では、多様な水質汚染物質を扱えるものは稀である。また、これらの技術は、市販されてはいるものの、許容レベルの水質を実現するためには、複数の処理段階、または様々な技術の組み合わせを必要とすることがしばしばである。紫外(UV)線照射またはオゾン処理などの従来と異なる技術は、ウィルスおよびバクテリアに対しては効果的であるが、溶解ガス、塩、炭化水素、および不溶性の固体などの他の汚染物質はほとんど除去することができない。また、大抵の蒸留技術は、一部の汚染物質の除去に秀でてはいても、全種類の汚染物質は扱えないことが多い。
したがって、連続式で、自浄式で、入力される水量の大部分を回収する高度な蒸留システムが、深刻化する水質汚染問題および水不足を解決するための最良の長期的選択肢であると考えられる。これらの蒸留システムは、デミスタおよびフィルタを含む多くの構成要素をともなうことができる。
デミスタ
このような蒸留システムの一部であることが可能なデミスタは、混合サンプルから重い粒子の蒸気と軽い粒子の蒸気とを分離することができる。サイクロンデミスタは、汚染された蒸気を曲面状のハウジング内に送り込み、そのハウジング内においてその蒸気を回転運動に追い立てることによって動作される。この回転運動は、より重い蒸気の滴をハウジングの外壁へと追いやる遠心力を生じさせ、一方で、より軽い蒸気の滴は、装置の比較的中心近くに留まる。このため、重い物質で汚染されているがゆえに重い蒸気を、その物質で汚染されていない蒸気から分離することができる。
「清浄な」蒸気と「汚れた」蒸気とのこの分離を上手く生かすため、デミスタは、通常、曲面状のハウジングの上部の中心に降水管を有し、清浄な蒸気をハウジングから出すための出口通路を提供している。また、デミスタ内には、普通、ハウジングの降水管と反対
の側に第2の出口が設けられている。汚れた蒸気は、この第2の出口を通ってデミスタを後にすることができる。
フィルタフロー指示計
蒸留システムにしばしば含まれるもう1つの部分は、液体ろ過装置である。このような装置の例は、特定の大きさの粒子のみを通過させる装置、微粒子を除去するフィルタ、特定の化学物質の分子を除去するフィルタ、および水の汚染物質を浄化する装置を含む。
フィルタ構成のいくつかは、水の流れから微粒子を捕獲することによって、このような微粒子を水生産物から除去する、単純な機械的装置である。他の装置は、水の流れの中に溶解している不純物を物理的に吸着させるために、活性炭素などの吸着剤を用いることによって、浄化を行う。更に他の装置は、複数のタイプのフィルタカートリッジを使用し、問題の発生時にそのことをユーザに知らせるための精密な電子制御システムを有する、複雑なシステムである。
多くのタイプのフィルタ装置にともなう繰り返し起こる問題の1つは、液体から除去されている物体がフィルタユニットに詰まる可能性があることである。フィルタがどの時点において正しく機能できないほどに詰まったかを決定することは、しばしば困難である。不幸なことに、多くのタイプのフィルタ装置では、手入れされなかった詰まったフィルタが破れ、ろ過材料をろ過液体中に漏れ出させる可能性がある。これは、警告なしに発生して水質を損なうことがしばしばある。
フィルタユニットの状態を決定し、フィルタが効果的に働いていないことをユーザに警告するために、多くのタイプの監視システムが開発されてきた。代表的なセンサシステムは、フィルタがいつ詰まったか、およびいつ洗浄または交換を必要とするかを示すための、電子センサおよび圧力センサを含む。これらのタイプのセンサシステムは、一般に、手が込んでて高価である可能性がある。
生産水の特性
水質に対する懸念は、上述された浄水の態様および装置をもたらした。これらの装置のいくつかは、水道水によく見られるがヒトの健康に害を及ぼす指定の不純物を排除することを主張している。化学的に純粋になるように処理された水は、水質に対する消費者の懸念を軽減するものの、多くの消費者は、化学的に純粋な水を無味で「味気ない」とする意見を持っている。また、多くの消費者は、飲用水の中に特定の有益なミネラルが含まれることを望んでいる。
ミネラルは、化学的に浄化された水にはない風味を水に加えるので、湧き水が、飲用水として人気のある選択肢になっている。また、湧き水は、特定の溶解ガスも含んでおり、これも、水の風味を良くしている。
現在使用されているデミスタ設計の多くは、ガスサイクロンの動作原理に対する理解が不適切である。このため、圧力損失、汚染された蒸気から清浄な蒸気を効果的に分離するのに適切な滞留時間、ならびに得られる清浄な蒸気および汚染された蒸気の量を決定する分配係数が、適切に扱われていない。また、コンパクトで、(例えば高高度などの)様々な条件下で動作するように調節可能で、且つユニット内においてなるべく水の凝縮を生じないように高い断熱性の、サイクロンデミスタが必要とされている。
本発明のいくつかの態様において、ボイラ内に位置するデミスタが提供される。デミスタは、完全にボイラ内に位置していてもよいし、一表面のみもしくは一表面の一部のみをボイラの周囲に配置されてもよいし、またはこれらの両極端の間の任意の関連性を有して
いてもよい。例えば、デミスタの容積または表面積の100〜90%、90〜80%、80〜50%、50〜30%、20〜10%、10〜0%がボイラ内に含まれることができる。1つの実施形態において、デミスタの容積はいっさいボイラ内になく、デミスタの底面がボイラの上面との間で表面を共有している。好ましい1つの実施形態において、デミスタは、そのほぼ全容積をボイラによって加熱可能であるようにボイラ内に配置されている。より好ましい1つの実施形態において、デミスタは、デミスタの底面および側面がボイラによって加熱されるように、ボイラ内に配置されている。いくつかの実施形態において、デミスタは、ボイラからの熱をデミスタの内部に容易に伝える材料で作成される。したがって、デミスタの外殻を形成する材料は、熱を容易に伝えることができる。いくつかの実施形態において、デミスタは、ボイラからの熱が、デミスタ内における水の凝縮を阻止するのに有用であるように構成される。
いくつかの態様において、デミスタチャンバは、例えば調節可能なシャッタの使用を通じて調節することができる、廃棄蒸気のための第1の出口を含む。しかしながら、もし必要であれば、この調節可能なシャッタは、常設位置で固定することができる。
いくつかの態様において、デミスタチャンバは、清浄な蒸気のための出口、すなわち降下管を含む。降下管は、もし必要であれば、可調節式であるとともに、常設位置で固定可能である。
本発明の更なる実施形態において、デミスタチャンバを有するデミスタが提供される。デミスタチャンバは、ボイラからの蒸気がデミスタチャンバ内において回転運動に追い立てられるようにデミスタチャンバ上に配置された、蒸気のための入口と、調節可能なシャッタメカニズムを有する、廃棄蒸気のための第1の出口と、デミスタチャンバの上部に位置し、調節可能な降下管を有する、清浄な蒸気のための第2の出口とを有している。デミスタの外表面積の大半は、ボイラ内に位置する。
本発明の他の態様において、必要とされているのは、ろ過機能の障害の程度を可視的に示す簡単で且つ安価な方法である。
いくつかの実施形態において、本発明は、フィルタの両側間の圧力の差に基づいて可視指示物を移動させることによって機能するフィルタフロー指示計である。
いくつかの実施形態において、フィルタフロー指示計は、フィルタユニットの入力側と出力側とをつなぐ可視サイド通路を含む。フィルタシステム内における圧力の差に応じて、ボールなどの重り物体が、サイド通路内を上下に移動することができる。ユーザは、サイド通路内における重り物体の位置を見ることによって、フィルタの状態を決定することができる。
本発明のいくつかの実施形態において、フィルタフロー指示計は、フィルタユニットの一方の側の第1の容積と、フィルタのもう一方の側の第2の容積とをつなぐサイド通路を含む。サイド通路の内部空間は、サイド通路の外側から見ることができる。サイド通路内には、移動可能な重り物体がある。デバイスは、第1の容積と第2の容積との間の圧力の変化に基づいて重り物体の移動が生じるように構成され、この移動は、重力に逆らって生じる。使用されるフィルタユニットは、商業的供給源から得られるなどのカートリッジユニットであることが可能である。フィルタユニットは、また、取り外し可能なフィルタを取り付けられた2つのインターロックコネクタで構成することも可能である。フィルタユニット、サイド通路、および重り物体は、任意の適切な材料で作成することができる。重り物体は、球状、またはそれに近い形状であることが好ましい。サイド通路は、円筒状であってよく、例えば透明な材料で作成することができる。
本発明の追加の実施形態において、フィルタフロー指示計は、フィルタ自体の一部であり、水の流れを垂直にするように向きを定められた2つのインターロックコネクタを有しており、これらのインターロックコネクタ間にろ過セクションを設けられる。円筒状の透明なサイド通路が、ろ過セクションの第1の側の容積を、ろ過セクションの反対側の容積につなぐ。また、円筒状のサイド通路の内部の直径より僅かに小さい直径を有する重り物体があり、サイド通路は、流入する液体の流れから遠く離れた部分をピンによって分岐される。このため、ボールは、そのピンを越えて進むことができず、一方で、液体は、ピンの周囲を自由に流れることができる。好ましい1つの実施形態において、ボールは、視覚的に顕著であるように色づけされ、インターロックコネクタは、プラスチックで作成される。
上記のいくつかの装置、またはその他の浄水装置を使用すると、生産される水が風味に乏しくなる恐れがある。したがって、いくつかの態様において、本発明は、望ましくない汚染物質を含まないが依然として味の良い水を生産することに関する。したがって、必要とされているのは、浄化された水の中に有用な溶解ミネラルを回復させ、更に空気の溶解を可能にすることによって、湧き水の組成を真似る、メカニズムおよび方法である。
本発明のいくつかの実施形態において、風味を向上させるリバースフィルタが提供される。いくつかの実施形態において、リバースフィルタは、粒子を中に有するチャンバを有する。水は、このチャンバを通って流れることができるが、粒子は、水と一緒に出ていかない。チャンバは、リバースフィルタを通される水に風味を加えるための粒子の取り合わせを含有している。1つの実施形態において、チャンバは、チャンバを通る水に溶解することができる様々なミネラルを含有することにより、ミネラルまたはその他の中身を水に加える。いくつかの実施形態では、ミネラルは、例えば、アンダルサイト(紅柱石):Al2OSiO4、灰長石:CaAl2Si23、直閃石:(Mg,Fe)7Si322(OH,F)2、燐灰石:Ca5(PO43(OH,F,Cl)、黒雲母:K(Mg,Fe)3AlSiO310(OH,F)2、緑泥石:(Mg,Al,Fe)12(Si,Al)820(OH)16、コーディエライト(菫青石):Al3(Mg,Fe)2Si5Al218、ドロマイト(白雲石):CaMg(CO32、ホーンブレンド(普通角閃石):(Ca,Na,K)2-3(Mg,FeFe3+Al)5Si6(Si,Al)222(OH,F)2、マグネサイト(菱苦土鉱):MgCO3、かんらん石:(Mg,Fe)SiO4、もしくはタルク(滑石):Mg3Si410(OH)2などの少なくとも1つ、またはこれらのミネラルの任意の組み合わせを含むことができる。一般に、任意のケイ酸塩、ならびに不溶性の炭酸塩および硫酸塩のほとんどを使用することができる。
本発明の更なる1つの実施形態において、浄水装置の一部として、ミネラルベースの水の風味向上器が提供される。この実施形態の装置の完全体は、凝縮器と、凝縮器と流体をやり取りする関係にある導電率計と、ミネラルの取り合わせを含有するミネラルチャンバとを含む。ミネラルチャンバは、凝縮器と流体をやり取りする関係にある。様々なミネラルは、例えば、アンダルサイト(紅柱石):Al2OSiO4、灰長石:CaAl2Si23、直閃石:(Mg,Fe)7Si322(OH,F)2、燐灰石:Ca5(PO43(OH,F,Cl)、黒雲母:K(Mg,Fe)3AlSiO310(OH,F)2、緑泥石:(Mg,Al,Fe)12(Si,Al)820(OH)16、コーディエライト(菫青石):Al3(Mg,Fe)2Si5Al218、ドロマイト(白雲石):CaMg(CO32、ホーンブレンド(普通角閃石):(Ca,Na,K)2-3(Mg,FeFe3+Al)5Si6(Si,Al)222(OH,F)2、マグネサイト(菱苦土鉱):MgCO3、かんらん石:(Mg,Fe)SiO4、もしくはタルク(滑石):Mg3Si410(OH)2などの少なくとも1つ、またはこれらのミネラルの組み合わせのいくつかを含むことができる。これらのミネラルは、ミネラルチャンバを通る水を所望の湧き水に似た味に風味付けする
のに正しい量およびおおむね正しい粒子サイズである。いくつかの実施形態において、粒子のサイズ、および水またはリバースフィルタの温度は、水の所望の流量に基づいて設定される。
本発明の1つの代替の実施形態において、ミネラルの豊富な水を生成するための方法が提供される。水は、上述されたリバースフィルタに通される。もう1つの実施形態では、水は、先ず、加熱プロセスをともなう方法によって浄化される。この比較的温かい浄化された水は、次いで、室温に冷却される前にフィルタに通されることにより、水のための風味を含有する粒子を溶解しやすくなる。
本発明の他の実施形態は、向上された浄水システムを提供する。いくつかの実施形態において、システムは、フィルタフロー指示計も含む装置の一部であるデミスタから遠くに離れて位置するリバースフィルタなどの、上述された態様を含む。いくつかの実施形態において、一般の浄水システムは、入口、予熱器、脱ガス器、蒸発チャンバ、デミスタ、生産物凝縮器、廃棄出口、生産物出口、および制御システムを含むことができる。制御システムは、ユーザによる操作または洗浄を必要とすることなくサイクルの繰り返しを通じて浄水システムを動作可能にする。システムは、汚染された水が各タイプの汚染物質について表1,2,3に示されるレベルの最大25倍のレベルを有する場合に、システム内において浄化された水がこれら全てのタイプの汚染物質について表1,2,3に示されたレベルを下回るレベルを有するように、汚染された水のサンプルから、微生物的汚染物質、放射性汚染物質、金属、塩、揮発性有機物、および不揮発性有機物を含む複数のタイプの汚染物質を取り除くことができる。システムの実施形態において、生産される水の量は、入力される水の約20%から約95%までの間であることが可能である。システムは、少なくとも2ヶ月、6ヶ月、1年、またはそれを上回る使用期間の間、洗浄を必要としない。
いくつかの実施形態において、飲用水の浄水装置が提供される。この装置は、沸騰チャンバと、沸騰チャンバと液体をやり取りする関係にある脱ガス器と、沸騰チャンバと流体をやり取りする関係にある注水管と、注水管の内側に配置された水フィルタと、水フィルタおよび注水管に関連付けられた圧力指示計と、沸騰チャンバと気体をやり取りする関係にあるデミスタと、デミスタと気体または液体をやり取りする関係にあるリバースフィルタと、を含む。圧力指示計は、1)注水管の第1の容積を注水管の第2の容積につなぐサイド通路であって、第1および第2の容積は、水フィルタによって隔てられ、サイド通路の内部空間は、サイド通路の外側から見ることができる、サイド通路と、2)サイド通路内を移動可能なサイド通路内の重り物体であって、この移動は、第1の容積と第2の容積との間の圧力の変化に基づいて生じる、重り物体と、を含む。デミスタは、1)蒸気のための入口であって、沸騰チャンバからの蒸気がデミスタチャンバ内において回転運動に追い立てられるようにデミスタチャンバ上に配置された入口と、2)廃棄蒸気のための第1の出口であって、調節可能なシャッタメカニズムを含む出口と、3)清浄な蒸気のための第2の出口であって、デミスタチャンバの上部に位置し、調節可能な降下管を含む出口と、を含み、デミスタチャンバは、沸騰チャンバ内に位置する。リバースミネラルフィルタは、1)水は流れることができるが常在粒子は出ていかないチャンバと、2)チャンバを通る水に溶解可能な少なくとも1種のミネラルを含む常在粒子の取り合わせと、を含む。
本明細書では、場合によっては代表的な形態のかたちで、あるいは1つまたは2つ以上の図面を参照にして、本発明の実施形態が開示される。しかしながら、特定の実施形態のこのような開示は、いずれも、例示的に過ぎず、本発明の全範囲を表すものではない。一般に、各種の発明は、水(もしくは任意の一般的液体)浄化システムをともなう、あるいはこのようなシステムに関する。いくつかの実施形態において、開示された発明は、デミスタ、フィルタフロー指示計、およびリバースフィルタ装置に関する。いくつかの実施形態において、これらの各種の発明は、後述される浄化システムと組み合わせることができ
る。他の実施形態において、これらの各種の発明は、単純に、互いに組み合わされる。他の実施形態において、これらの装置は、互いに別々に用いられる、あるいは液体の浄化と別に用いられる。
浄水システム
本発明のいくつかの実施形態は、浄水のためのシステム、方法、および装置を含む。好ましい実施形態は、完全に自動化され且つ長期間にわたって洗浄もユーザによる操作も必要としない、広範な浄水を提供する。例えば、本明細書において開示されるシステムは、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、8ヶ月、10ヶ月、12ヶ月、またはそれを上回る期間にわたってユーザによる制御または操作をともなうことなく稼動することができる。好ましい実施形態において、システムは、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、11年、12年、13年、14年、15年、またはそれを上回る期間にわたって自動的に稼動することができる。
このため、本発明のいくつかの実施形態は、少なくとも入口、予熱器、脱ガス器、蒸発チャンバ(例えばボイラ)、デミスタ、生産物凝縮器、廃棄出口、生産物出口、および制御システムを含む浄水システムを提供し、このうち、出口から出ていく生産水は、ほぼ純粋であり、生産される生産水の量は、入力される水の量の少なくとも約10%、15%、または20%であり、制御システムは、ユーザによる操作を必要とすることなくサイクルの繰り返しを通じて浄水システムを動作可能にする。好ましい実施形態において、生産される生産水の量は、入力される水の量の、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%。80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを上回る。このため、システムは、投入水の獲得および/または廃水の処分に関連する費用または不都合が比較的大きい条件の下で、大きなメリットがある。システムは、その他の多くのシステムと比べて、単位入力水または単位廃水当たりの生産水の生産量という点で、大幅に効率的である。
ほぼ純粋な水は、様々な実施形態において、下記の任意の基準を満たす水であることが可能である。すなわち、任意の汚染物質を、投入水の純度の少なくとも25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、100倍、125倍、150倍、175倍、200倍、250倍、500倍、750倍、1000倍、またはそれを上回る純度に浄化した水であることが可能である。他の実施形態において、ほぼ純粋な水は、投入水の中に存在する複数の汚染物質を上記のレベルの1つに浄化した水である。すなわち、これらの実施形態において、水の純度、すなわち水質は、1種または2種以上の一連の汚染物質の濃度の関数であり、ほぼ純粋な水とは、例えば、投入水の中のこれらの汚染物質の濃度と生産水中の同じ汚染物質の濃度との比が25倍またはそれを上回るような水である。
他の実施形態において、水の純度は、導電率によって測定することができる。ここで、超高純度の水は、通常は約1マイクロジーメンス未満の導電率を有し、蒸留水は、通常は約5の導電率を有する。このような実施形態において、生産水の導電率は、一般におよそ1〜7であり、代表的なのものはおよそ2〜6であり、好ましくはおよそ2〜5、2〜4、または2〜3である。導電率は、総溶解固形分(total dissolved solids、TDS)を測定したものであり、塩、イオン、ミネラルなどに関する水の純度を表す優れた指標である。
あるいは、水の純度は、例えば、表1および表2に列挙された現行のEPA基準、および表2に列挙された他の認められた基準などの、各種の基準によって測定することができる。したがって、本発明の好ましい実施形態は、例えば表1に列挙されたあらゆる汚染物質を含む幅広い範囲の汚染物質のなかの、任意の1種または2種以上の汚染物質を減らす
ことができる。投入水が、このような汚染物質について、「MCL」と表示された欄に明記されたMCLの最大約25倍の大きさのレベルを有する場合に、最終的な生産水は、このような汚染物質について、MCLに明記されたレベルまたはそれ未満のレベルを有する。同様に、いくつかの実施形態において、且ついくつかの汚染物質について、本発明のシステムは、投入水がMCLまたは生産水の30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、150倍、250倍、500倍、1000倍、またはそれを上回る汚染物質を有する場合に、それらの汚染物質をMCLのレベルまで除去することができる。
投入水から汚染物質を除去する能力は、どのシステムであれ、ある程度までは、投入水の中の総不純物レベルの関数であるが、本発明のシステムは、広範囲の様々なタイプの複数の汚染物質を単一の供給流から除去し、蒸留水に匹敵し尚且つ場合によっては超高純度の水にも匹敵する水を生産するのにとりわけ良く適している。なお、表1の「課題水」の欄は、EPAテストで使用された水中の汚染物質に関する濃度レベルを含んでいる。本発明の浄水システムの好ましい実施形態は、通常、この欄に列挙された量を遥かに上回る多量の初期汚染物質を除去することができる。しかしながら、当然ながら、「課題水」に記されたものに対応する汚染物質レベルも、同様に、十分に本発明の実施形態の能力の範囲内である。
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水の純度および/または浄水性能の効率の決定は、広範囲の汚染物質を除去するシステムの能力に基づくことができる。多くの生物的汚染物質の場合、目的は、生きているほぼ全ての汚染物質を除去することにある。表2は、源水によく見られる更なる汚染物質と、それらの汚染物質のレベルをテストするための標準プロトコルとを列挙している。表1お
よび表2に列挙されたプロトコルは、よく見られる水質汚染物質に関するハイパーテキスト転送プロトコル:www.epa.gov/safewater/mcl.html#mcls:Methods for the Determination of Organic Compounds in Drinking Water(飲用水中の有機化合物の決定のための方法), EPA/600/4−88−039, December 1988, Revised, July 1991において公的に入手可能である。方法547、550、および550.1は、Methods for the Determination of Organic Compounds in Drinking Water − Supplement I(飲用水中の有機化合物の決定のための方法−補足I), EPA/600−4−90−020, July 1990に含まれる。方法548.1、549.1、552.1、および555は、Methods
for the Determination of Organic Compounds in Drinking Water − Supplement II(飲用水中の有機化合物の決定のための方法−補足II), EPA/600/R−92−129, August 1992に含まれる。方法502.2、504.1、505、506、507、508、508.1、515.2、524.2、525.2、531.1、551.1、および552.2は、Methods for the Determination of Organic Compounds in Drinking Water − Supplement III(飲用水中の有機化合物の決定のための方法−補足III), EPA/ 600/R−95−131, August 1995に含まれる。方法1613は、「Tetra−through OctaChlorinated Dioxins and Furans by Isotope− Dilution HRGC/HRMS(同位体希釈による四塩素化〜五塩素化のダイオキシンおよびフラン)」, EPA/821− B−94−005, October 1994と題される。上記はそれぞれ、参照により全体を本明細書に組み込まれるものとする。
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好ましい実施形態において、入口スイッチは、システムが浄化プロセスのために追加の水を受け取り可能であることを示す信号が受信されたときにアクティブ化される(開かれる)ソレノイドである。更なる水の投入を要求するこのようなフィードバックは、例えば、蒸発チャンバ(例えばボイラ)内における水位、生産物貯蔵タンク内における水位、脱ガス器に入る予熱された水の温度、蒸発チャンバを後にする蒸気の温度または量などを含む、システム内の様々なポイントから発することができる。同様に、当業者であれば、ソレノイド式のスイッチに代わるものとして、例えば弁、開口、蠕動式の管圧縮メカニズム
および閉じ具、圧電スイッチなどを含む様々な代替手段を用いることができる。
フロー制御器に関連して、フロー制御器は、圧力を変化させることによって、システムに入る水の流れを適度にすることが随意に可能であり、このような圧力の変化は、より多くの水の投入を求める要求をシステム内において検出するなどによって通知される。フローのこの可変制御は、フローのバイナリ制御と異なり、システム内において特定の効率を獲得することを可能にする。
その他の制御およびフィードバックポイントは、例えば、システム内の任意のポイントにおける水質の検出、システム内の任意のポイントにおける水または蒸気の量の検出、システムの誤作動を示す漏れまたは温度の検出などを含む、システムの自動機能に対し、更なるメリットをもたらすことができる。システムの実施形態は、このような全ての制御およびそれらの組み合わせを考慮に入れている。これらは、例えば、フラッディング、貯蔵タンクの容量、蒸発チャンバの容量などを検出する制御を含む。様々な実施形態において、フィードバックは、定性的または定量的、またはその両方であることが可能である。これらは、例えば、生産水容器内の水の量、生産物出口を通る生産水の流れ、水が流れる時間、水が流れない時間、蒸発チャンバ内の水の量、漏れの検出、蒸発チャンバの圧力、出力される水の質(例えば総溶解固形分を測定したものなど)、蒸発チャンバの両端またはシステム内のその他のポイント間の圧力差、蒸発チャンバのオーバーフロー堰フロートを跨ぐ水の流れなどを含むことができる。
電源が供給され、システムがオンにされると、システムは、基本的にシステムの寿命を通して完全に自動制御されるように構成される。システムは、通常の状況下でユーザによる操作を不要にできるように、フラッディングを回避するための、ならびに水の流れ、圧力、出力、および洗浄サイクルを調整するための、様々なフィードバックメカニズムを含む。これらの制御には、蒸発チャンバ(例えばボイラ)内のフロート液面検出器、サイドフロートスイッチ、タイマ、ファンスイッチ、および電力計がある。
シャットダウン制御は、手動制御、システムの基部内において保持タンクに隣接するフロート検出器または水分検出器であることが可能なフラッディング制御、タンク容量制御、および蒸発チャンバ容量制御を含む。投入水またはその他のパラメータに対するバイナリのオンオフ切り替えを可能にする制御に加え、システムは、更に、例えば圧力または量に基づく流量制御、圧力調整器などの様々な制御を考慮に入れている。好ましい実施形態では、圧力調整器によって、投入水の圧力を、例えば0〜250kPaになるように調整することができる。他の実施形態では、圧力は、10kPa、20kPa、30kPa、40kPa、50kPa、75kPa、100kPa、125kPa、150kPa、175kPa、200kPa、225kPa、275kPa、300kPa、350kPa、400kPa、450kPa、500kPa、またはそれを上回ることが可能である。圧力の調整は、随意に他のパラメータの調整と相まって、システム内における水の流れの量および速度を減衰させることもできる。例えば、圧力の調整は、システムの寸法と相まって、5〜1000ml/分またはそれを上回る流量の水を提供することができる。本明細書において説明されるシステムは、主に、比較的小規模の水生産の観点から説明されているが、これらのシステムは、あらゆる量の水生産に対応して拡大縮小可能である。したがって、水の流れの量に上限はない。ただし、代表的な流量は、10〜500ml/分、20〜400ml/分、30〜300ml/分、40〜200ml/分、50〜150ml/分、60〜125ml/分、70〜100ml/分、80〜90ml/分などの範囲を含む。
システムは、更に、投入水から沈殿物を除去可能なセジメントトラップを含むことによって、そのような沈殿物によりシステムが時期尚早に汚損される事態を回避することがで
きる。当該分野では、様々なタイプのセジメントトラップが知られ、本発明のシステムとともに使用するために選択することができる。同様に、ユーザによる操作および洗浄の必要性を最小限に抑えるため、セジメントトラップは、それ自体が自己洗浄特性を有することが可能である。例えば、セジメントトラップは、リボルバー式のスクリーンを有してよく、汚損されたスクリーンから新しいスクリーンへの回転は、とあるスクリーンが沈殿物の蓄積に関して特定の飽和状態に達したときに、沈殿物によって汚損されていない別のスクリーンに切り替わるように、装置両端の水圧差によって駆動することができる。いくつかの実施形態では、汚損されたスクリーンを水の流路内に配置し、本来通る方向とは逆の方向にスクリーンを通って水を流れさせることによって、沈殿物を廃棄通路、すなわちドレインへと取り除くことができる。したがって、本明細書において開示されるシステムは、従来のセジメントトラップはもちろん、自己洗浄式のセジメントトラップの使用も考慮に入れている。
浄水システムの予熱機能は、好ましくは予熱管をともなう。しかしながら、この機能は、結果としてシステムに流れ込む水を、約90℃またはそれを上回る温度で脱ガス器に到達させればよく、多くの異なる方法で実施可能である。したがって、予熱機能は、例えば、円筒管、螺旋、扁平な板または分岐したネットワーク、内部容積に対する表面積の比率を高くできるように設計された任意の空洞構造、自身より大きいまたは小さい同軸のルーメンとの間の壁面における熱交換を可能にするルーメンなどを含む、多くの異なる形態で実現可能である。
好ましい実施形態において、予熱管は、蒸発チャンバの隣りに、または蒸発チャンバの中に通される。そして、予熱管は、予熱管を通る投入水の流量が、予熱管の中の水の温度を約90℃またはそれを上回る温度まで上昇させるのに十分な範囲の時間にわたって蒸発チャンバの中または近くに水を滞留可能にするように構成される。システムの規模、およびシステムの水処理の容量に応じて、予熱機能は、効率的な熱交換を可能にする材料および構成による恩恵を受けることができる。あるいは、いくつかの実施形態では、構成の耐久性、空間への配慮、メインテナンスの容易性、材料の入手可能性または費用、およびその他の考慮事項が、本発明のこの態様における設計上の選択に影響を及ぼすことができる。
好ましい実施形態において、予熱機能は、ステンレス製の管である。これは、熱伝導率が比較的低いものの、耐久性という有利な特性を有している。このような実施形態において、ステンレス製の管は、熱源と管内の水との間における熱交換の効率を高められるような壁の厚さ、内径、およびその他の特性を付与される。とりわけ好ましい実施形態では、予熱管は、(例えばボイラの一部を構成する)蒸発チャンバの中を通るコイルである。好ましくは、コイルの向きは水平であり、コイルに入る水とコイルから出る水とは蒸発チャンバ内においてほぼ同じ高さにあり、コイルを通る水はコイル内において一連の上昇および下降の動きを経る。このような動きは、水と泡との混合を促進することにより、合体による泡の大型化を阻止する。このような、合体による泡の大型化は、予熱器を通って脱ガス器へと入る水の正常な流れおよび/または脱ガス器の正常な機能が大きな泡によって妨げられるという意味で、一般に望ましくない。しかしながら、特定の実施形態において、脱ガス機能は、投入水からの大量の蒸気を許容しうる程度に十分に強固であり、このような実施形態では、予熱機能を設計するにあたり、泡の大型化を回避することをとりわけ気にかける必要はない。
いくつかの実施形態において、システムは、例えば高高度などの非標準的な環境条件の下で、有利に機能することができる。高高度では、水の沸点が100℃未満になるので、蒸発チャンバに通常の速度で熱を加えると、より大量の蒸気が生成され、システムにおける量的な処理能力が高くなる。このような実施形態では、予熱温度も明らかに影響を受け
る。蒸発チャンバの温度が低くなると、所望の温度への予熱は、例えば流量を同じにしたまま容積を大きくするように、または容積を同じにしたまま流量を小さくするように予熱管を構成するなどによって、予熱管内における水の滞留時間を長くすることによって実現することができる。しかしながら、蒸発チャンバ内における蒸気生成レベルの上昇ゆえに、大半の実施形態において、予熱管内の流量を下げる調整によって有利な滞留時間および所望の予熱温度を実現する方法は、不利であると考えられる。なぜならば、蒸気生成速度の上昇は、それにともなって、要求される水の投入量が増加することを意味するからである。
予熱管が別の管と同軸であるような実施形態では、システムの任意の高熱部分と、低熱の投入水との間に熱交換を生じることができる。このような熱交換は、同軸領域の構造によって決定することができ、壁の厚さ、熱交換材料の組成などの要素に大きく影響される可能性がある。好ましい実施形態において、蒸気の凝縮は、投入水との熱交換を通じて実現される。これは、廃棄蒸気または生成蒸気の余分な熱を、より低温の投入水へと伝達可能にすることによって、予熱機能に役立てることができ、場合によっては、蒸発チャンバ内における滞留時間を短縮する、および/またはシステムを通る水の総流量を増大させることができる。また、このような熱交換による更なるメリットは、エネルギ効率の向上、およびシステムから周囲の環境に排出される余分な熱の減少である。同軸構成に代わるものとして、例えば隣り合う平板など、熱交換能力があると確認された任意の従来の手段が含まれる。詰まるところ、高温の水または蒸気を低温の水に隣接して配置して、高温の水から低温の水へのエネルギの伝達を可能にすることを確認された任意の手段が、熱交換効果を実現することができ、本発明の1つの実施形態として考えられる。
脱ガス器の性能の鍵となる要素は、大量移送比、すなわち垂直な脱ガス器内における、上昇する大量の蒸気に対する下降する大量の水の比率である。実際、脱ガス機能は、ガスに対する大量の水の逆流移送を可能にする様々な構成によって実現することができる。いくつかの実施形態において、ガスは蒸気であり、他の実施形態において、ガスは空気や窒素などであることが可能である。水と蒸気とが混ざる速度および活性は、脱ガス器のカラム媒体の大きさ、構造、および充填、ならびに媒体の粒子間の空隙容量によって影響される。好ましい実施形態において、媒体の粒子は、寄り集まって螺旋を形成する。脱ガス器の性能は、中を通る蒸気および水の速度および量によって影響される。これらは、蒸気の入口および出口のオリフィスの大きさ、水の流量などの要素によって制御することができる。脱ガス器の機能および設計に関する有用な情報が、Williams, Robert The Geometrical Foundation of Natural Structure: A Source Book of Design, New York: Dover, 1979に提供されており、該文献は、参照により全体を本明細書に組み込まれるものとする。
投入水の流量の制御、予熱管内における大きい蒸気泡の回避などは、したがって、脱ガス器の効率的な機能を促進することができる。これらのパラメータが所望の範囲内にない場合は、脱ガス器内でフラッディングまたはジェッティングが生じる可能性がある。投入水のフラッディングは、脱ガス器内に水の栓を形成し、ジェッティングは、蒸気によって脱ガス器から水を噴出させる。いずれも、脱ガス器の性能を損なう恐れがある。したがって、フラッディングおよびジェッティングを最小限に抑えられるとともに水の流入と蒸気の流出とを上手くバランスさせられるようなゾーン内での操作が望ましい。本発明の実施形態の脱ガス器は、従来の多くの脱ガス器と異なり、厳密に1種類の汚染物質のみを除去するようには設計されていないという意味で、とりわけ重要である。代わりに、本発明の実施形態の脱ガス器は、様々な汚染物質を非常に効果的に除去する。投入水が、例えば1ppmのレベルの汚染物質を有するような代表的な設定では、プロセスは、50ppb、40ppb、10ppb、5ppb、2ppb、または1ppbまで削減を図ろうとする
蒸発チャンバは、システムに望まれる処理能力、およびシステムの設計に影響する要素に基づいてなされるその他の設計上の選択に応じて、基本的に、任意の大きさおよび構成を有することができる。例えば、蒸発チャンバは、約1ガロン、2〜10ガロン、11〜100ガロン、101〜1000ガロン、またはそれを上回る容積容量を有することができる。本発明のシステムは、完全に拡大縮小可能であるので、蒸発チャンバの大きさは可変であり、必要に応じて選択することができる。同様に、蒸発チャンバの構成も、必要に応じて可変である。例えば、蒸発チャンバは、円筒状、球状、長方形、または他の任意の形状であることが可能である。
好ましい実施形態において、蒸発チャンバの下部は、同チャンバの上部より小さい断面積を有するように階段状に形成される。排水時の残留水を段の下に留まらせるため、段の上はドレインであることが好ましい。蒸発チャンバの段より下の部分は、また、排水後に全部の洗浄媒体および一部の残留水が下部に保持されるように、洗浄媒体を収容することができる。下部を有することによるメリットは、蒸発チャンバを迅速に排水した後に、蒸発チャンバに再び熱を加えることができ、そうすれば、新しく投入された最初の水が蒸発チャンバ内に到着するまでに、蒸気を迅速に生成可能となることにある。この蒸気の初期生成は、新しいサイクルの開始時に、脱ガス器を通る蒸気の流れを安定した状態にすることができ、これは、投入された水を効率的に脱ガスするにあたって有利である。同様に、蒸発チャンバ内における残留水の存在は、自己洗浄媒体はもちろんチャンバ自体の耐久性および安定性にも害を及ぼしうる蒸発チャンバの乾燥加熱を阻止することができる。
いくつかの実施形態において、蒸発チャンバは、重力のみによって排水を行う。他の実施形態では、蒸発チャンバの排水は、ポンプ作用によって駆動される。蒸発チャンバは、沈殿物、塩、およびその他の微粒子の沈降を回避するために、迅速に排水することを望まれる。迅速な排水は、好ましくはおよそ30秒未満であるが、より迅速さに劣る排水であっても、依然として、沈降を回避するなどの所望のメリットをほぼ実現することができる。
自己洗浄媒体は、任意の複数の適切な代替物のなかから選択することができる。このような代替物は、ガラスもしくはセラミックのビーズすなわちボール、石、および様々な形状のうちの任意の形状の合成構造などを含む。いずれの場合も、自己洗浄媒体の性質は、沸騰水による撹拌が自己洗浄媒体の個々の粒子を移動させるものの、このような移動は自己洗浄媒体の物理的性質によって克服され、各粒子は再び蒸発チャンバの底へと降下し、チャンバの底に打ち当たって、任意の堆積物または垢を剥がれさすように選択される。例えば、比重が比較的高い一方で表面積対体積率が比較的小さい自己洗浄媒体は、比重が小さめである一方で表面積対体積率が比較的大きい第2の自己洗浄媒体におおよそ匹敵する形で機能しうる。いずれの場合も、当業者であれば、所望の結果を実現することができるように形態および組成の組み合わせを選択することができる。いくつかの実施形態では、例えば超音波エネルギなど、自己洗浄のための代替のアプローチが用いられる。
自己洗浄媒体の設計上の選択において考慮されるもう1つの事項は、それ自体の硬さである。一般に、自己洗浄媒体の硬さは、蒸発チャンバを構成する材料の硬さにおおよそ匹敵することが望ましい。こうすれば、自己洗浄媒体は、媒体または蒸発チャンバの壁もしくは底を大きく侵食することなく長期間にわたって連続的に使用することをが能になる。蒸発チャンバの加熱体がチャンバの内部にあるようないくつかの実施形態において、自己洗浄媒体の硬さおよびその他の性質は、蒸発チャンバはもちろん加熱体に対する侵食および/または損傷も回避するように選択することができる。
蒸発チャンバおよび蒸発チャンバ洗浄媒体の構造によって提供される自己洗浄機能ゆえに、本発明の実施形態のシステムは、その通常の使用耐用期間中は洗浄が不要である。いくつかの実施形態では、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、または6ヶ月にわたって洗浄が不要である。他の実施形態では、9ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月、30ヶ月、または36ヶ月にわたって洗浄が不要である。他の実施形態では、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、またはそれを上回る期間にわたって洗浄が不要である。
加熱体は、蒸発チャンバの中または蒸発チャンバのすぐ下に配置することができる、あるいは、蒸発チャンバと一体形成することができる。例えば、好ましい実施形態において、加熱体は、蒸発チャンバの底のすく下に配置され、例えばろう付けによって蒸発チャンバの底に接合される。加熱体を蒸発チャンバに取り付ける方法は、自己洗浄媒体の洗浄および撹拌、ならびにシステムの効率に影響を及ぼしうる。はんだ付けにおおよそ匹敵するろう付けは、異種の金属と融合する合金を形成するプロセスであり、加熱体から蒸発チャンバへの非常に密な接合および熱の伝達を可能にする。好ましい実施形態では、加熱体と蒸発チャンバの底とで水平な板が形成され、これは、水への熱の伝達にとって好ましく、また、自己洗浄機能にとっても好ましい。
蒸発チャンバ内における水の滞留時間は、投入水の性質およびシステムに望まれる性能に基づいて、一定の範囲内で可変である。適切な範囲は、投入水の中に生物的汚染物質があるかどうかを含む様々な要素によって決定される。生物的汚染物質を効果的に除去するためには、蒸発チャンバ内において高温に曝される時間を可変にする必要があるであろう。いくつかの生物的汚染物質は、他の生物的汚染物質より速く高熱による影響を受ける傾向がある。多くの実施形態において、大半の生物的汚染物質を殺すには、10分間の短さの滞留時間で十分である。他の実施形態では、より広範囲の生物的汚染物質をより徹底的に排除するために、より長い滞留時間が望まれる。蒸発チャンバ内における滞留時間の範囲の上限は、通常、選択された量の水を沸点に維持するために必要とされるエネルギに照らした場合の生産水の所望の生成速度に関連する効率への考慮によって決定される。したがって、蒸発チャンバ内における滞留時間は、水が沸点に達して蒸気に発展するために必要とされる最短時間程度の短さから、例えば10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分など生物的汚染物質の除去に有利な時点などに到ることが可能である。更に、いくつかの実施形態では、例えば50分、60分、70分、80分、90分、またはそれ以上などの、より長い滞留時間が選択されてよい。
蒸発チャンバから出る蒸気は、一般に、微粒子、沈殿物、およびその他の汚染物質を含んでいない。しかしながら、沸騰の作用は、特定の汚染物質を、例えば空気と水との境界に形成されたミストの微滴の表面上にある気相へと運ばせる。清浄な蒸気は、デミスタの使用によって、このような汚染物質を含んだミストから分離することができる。当該分野では、蒸気をサイズおよび流動性に基づいてミストから分離する様々なタイプのデミスタが知られており、例えば、スクリーンやバッフルなどを用いたものがある。好ましいデミスタは、サイクロン作用を用いて密度の差異に基づいて蒸気をミストから分離するデミスタである。サイクロンは、流体またはガスを高速で半径方向に運動させて流体またはガスの成分に遠心力を及ぼすという原理で働く。従来のサイクロンは、場合によっては角加速を助けることができる円錐曲線を有している。しかしながら、好ましい実施形態において、システムにおいて用いられるサイクロンデミスタは、円錐曲線を有しておらず、基本的に平坦である。サイクロン分離の効率を制御する鍵となるパラメータは、蒸気入口の大きさ、清浄な蒸気のための出口および汚染物質を含むミストのための出口を含む2つの出口の大きさ、ならびに進入ポイントと出口ポイントとの間の圧力差である。
デミスタは、通常、蒸発チャンバの中または上方に配置され、チャンバからの蒸気を入口オリフィスを通してデミスタへと入らせる。このようなオリフィスを通してデミスタに
入る蒸気は、主に、蒸発チャンバとデミスタとの間の圧力差およびオリフィスの構成の関数である初期速度を有する。通常、デミスタ両端間の圧力差は、約0.5〜10水柱インチ、すなわち約125〜2500Paである。入口オリフィスは、一般に、サイクロンに入る蒸気に大きな抵抗を及ぼさないように設計される。蒸気は、次いで、例えば入口オリフィスより大幅に狭い加速オリフィスを通ることによって、更に加速することができる。高速では、ミストより大幅に密度が小さい清浄な蒸気が、サイクロンの中心に向かって移動する一方で、ミストは、外周に向かって移動する。サイクロンの中心に配置された清浄な蒸気の出口が、清浄な蒸気のための出口ポイントを提供する一方で、サイクロンの外周の近くに配置されたミストの出口は、デミスタからのミストの流出を可能にする。清浄な蒸気が、デミスタから凝縮器へと引き渡される一方で、ミストは、廃棄へと向かわされる。ミスト対清浄な蒸気の比は、通常の動作のもとでは少なくとも約2:1であり、より一般的には3:1、4:1、5:1、または6:1であり、好ましくは7:1、8:1、9:1、または10:1であり、最も好ましくは10:1より大きい。デミスタの選択性は、例えば清浄な蒸気の出口の開口部の位置および大きさ、デミスタ両端間の圧力差、デミスタの構成および寸法などを含むいくつかの要素に基づいて調整することができる。デミスタの設計に関する更なる情報が、2005年7月6日付けで出願され「IMPROVED CYCLONE DEMISTER(改良されたサイクロンデミスタ)」と題された米国仮特許出願第60/697,107に提供されており、本文献は、参照により全体を本明細書に組み込まれるものとする。本明細書で開示されるデミスタは、サブミクロンレベルの汚染物質の除去において極めて効率的である。これに対し、例えばスクリーンタイプのデミスタおよびバッフルタイプのデミスタなどのその他の設計のデミスタは、サブミクロンレベルの汚染物質の除去において遥かに非効果的である。
生産蒸気および廃棄蒸気は、通常、システム内において凝縮される。余分な熱は、ヒートシンク、ファン、熱交換器、またはヒートパイプによって排出することができる。凝縮していく蒸気から投入水へと熱を伝えるためのヒートパイプについての説明が、2005年10月14日付けで出願され「ENERGY−EFFICIENT DISTILLATION SYSTEM(エネルギ効率の良い蒸留システム)」と題された米国仮特許出願第60/727,106に提供されており、本文献は、参照により全体を本明細書に組み込まれるものとする。
凝縮されて浄水になった生産蒸気は、例えば生産物出口または貯蔵タンクへと水路を経て運ばれる。貯蔵タンクは、耐腐食性および耐酸化性の任意の適切な組成であることが可能である。貯蔵タンクとして好ましい組成には、ステンレス鋼、ポリプロピレンを含むプラスチックなどが含まれる。いくつかの実施形態において、貯蔵タンクは、オーバーフローを回避するための制御および/または水位を検出するための制御を含む。このような制御は、生産水の生産を自身に対する要求に応えたものにするために、投入水の流れおよび/またはシステムの他の機能を減衰させることができる。貯蔵タンクに入る生産水は、極めて清浄で且つ基本的に滅菌されているが、貯蔵タンクに外部汚染物質が侵入してその清浄性を損なう場合は、随意の洗浄/滅菌機能を貯蔵タンクに提供すると望ましいことがある。
貯蔵タンクには、制御システム全体へのフィードバックのために、様々な制御を含ませることができる。好ましい実施形態において、これらの制御は、投入水の流れを制御するためのフィードバックのためのフロートスイッチ、および生産水中に溶解した固形物を検出するための導電率計を含むことができる。通常の動作において、生産水中に溶解された固形物は、極めて少ない。しかしながら、例えば齧歯類または虫類などによって貯蔵タンクの中に汚染物質が堆積された場合は、その結果生じる汚染が水の導電率を増大させると考えられる。導電率計は、このような導電率の上昇を検出し、貯蔵タンクの蒸気滅菌サイクルを開始することが賢明であるとの指示を提供することができる。制御システムは、貯
蔵タンクから水を排出させ、貯蔵タンクの洗浄および滅菌のために貯蔵タンクに蒸気を連続供給した後、浄水サイクルを再開させることができる。これらの操作は、本発明の様々な実施形態において、手動制御されてもよいし、あるいは自動制御されてもよい。
水は、貯蔵タンクから蛇口などの出口へと送ることができ、このような送水には、重力および/またはポンプを介在させることができる。好ましい実施形態において、ポンプは、出口を定圧に維持するオンデマンド式のポンプであるので、出口からの水の流れは、十分で且つ一貫したものである。出口ポンプは、貯蔵タンク内における水位が臨界レベルを下回った際にポンプが空稼動する事態を回避するために、貯蔵タンク内のセンサによって制御することができる。
代表的な浄水システム
以下の議論は、本発明の実施形態にしたがった代表的な浄水システムの構造特徴に言及する。参照符号は、図1〜6に示された符号に対応する。
動作時において、浄化システム10は、入口20を含む。入口20は、給水管22につながれ、水は、この管の中を入口20から入口スイッチ24へと通される。入口スイッチ24は、制御システムからの1つまたは2つ以上の様々な考えられるフィードバック源によって制御することができる。図示された実施形態において、スイッチ24は、制御システム120からのフィードバックに基づいて開いたり閉じたりできるソレノイドであり、主に、蒸発チャンバ50内における水位のフィードバックに基づく。入口スイッチ24は、沈殿物によるシステム10の汚損を回避するためのセジメントトラップ25を含む。入口スイッチ24には、フロー調整器26が隣接している。フロー調整器26は、水圧を制御することによって流れを制御し、一般に、水圧を0〜250kPaに維持する。
水は、フロー調整器26を出て予熱供給管28に到り、予熱供給管28は、水を予熱器30に送る。随意に、入口20、スイッチ24、給水管22、フロー調整器26、および予熱供給管28の間の1箇所または2箇所以上に、予熱フィルタを配置することが可能である。水は、入口32から予熱器30に入り、コイル34を通り、出口36から予熱器を後にする。コイル34は、コイル34を通る水の正味の流れがほぼ水平向きであるように方向付けられ、その一方で、コイル34を通る水の実際の経路は、コイル34の各巻きの頂部および底部における水平な水の流れはもちろん、コイル34を通る水の上昇流および下降流を含む水平面を貫く複数の通路もともなう。このような向きのコイルに熱水を通らせれば、水を望ましいかたちで混合させつつ水を予熱することが可能になると考えられる。これは、大きな気泡または蒸気泡が形成される事態を防ぐことができる。好ましい実施形態において、予熱器は、ほぼ蒸発チャンバ50(例えばボイラ)内に配置され、好ましくは、蒸発チャンバ内の、加熱体56と接触する部分に近接近して配置される。
出口36から予熱器30を後にする水は、予熱水管38に入り、その中を通って脱ガス器40に到達する。予熱器30からの流出時において、水は、少なくとも約96℃、好ましくは約97℃、98℃、99℃、またはそれを上回る。脱ガス器30は、ほぼ垂直向きであることが好ましい。ほぼ垂直とは、好ましい実施形態では、垂直からの開きが0〜5度の範囲内である、またはまさしく垂直であることを意味する。他の実施形態では、ほぼ垂直とは、約5〜20度の開きを意味することができる。他の実施形態では、ほぼ垂直とは、約20〜45度の開きを意味することが可能である。脱ガス器40の構成は、概ね円筒状であり、高さが直径より大きいことが好ましい。したがって、予熱された水は、脱ガス器の上部42の付近で脱ガス器40に入り、脱ガス器の底部44の付近で脱ガス器40を出て蒸発チャンバ50に入る。付近とは、そこまたは近くを意味するので、例えば、上部42「付近」の水の進入ポイントとは、直接上部42からの、もしくは上部42を通っての水の進入を示すことも、または底部44よりも上部42に大幅に近い脱ガス器40の
領域での水の進入を示すことも可能である。
垂直向きの脱ガス器40を通って下降する水の経路は、水を、脱ガス器媒体45と密に接触するパターンで流れさせる。好ましい実施形態において、脱ガス器媒体は、球状の粒子を含む。球状の粒子は、好ましくはガラスである。代替の実施形態において、粒子は、異なる組成、ならびに/または非球状および/もしくは不規則な形状であることが可能である。脱ガス器の様々な改良および構成に関する詳細な考察は、本明細書の「脱ガス装置」の表題を持つセクションにおいて後ほど提供される。
蒸発チャンバ50からの蒸気は、底部44の付近で脱ガス器40に入り、媒体45に接触しながら垂直に上昇し、脱ガス器の蒸気出口46を通って脱ガス器の上部42の付近で脱ガス器から出る。脱ガス器40を通って下降して流れる水は、脱ガス器媒体45を通って上昇して流れる蒸気と遭遇し、基本的にあらゆるガスおよび有機物を剥ぎ取られる。脱ガス器媒体45を通る予熱された水の下降流と蒸気の上昇流との非線形的な対向流は、揮発性化合物およびガス状のほぼ全ての化合物の除去を容易にする。予期しなかったが好都合なことに、この脱ガス器40の構成および機能は、他の方法では極めて除去が困難である水中の有機性汚染物質の除去も可能にする。例えば、システムは、水からイソプロピルアルコールを除去することを可能にする。イソプロピルアルコールは、その特性の水との類似性ゆえに、大半のシステムにとって、とりわけ除去が困難な汚染物質である。
蒸気出口46を通って脱ガス器40を後にする蒸気は、廃棄凝縮器48に入り、そこで凝縮されて廃棄へと流れる。1つの代替の実施形態において、廃棄凝縮器48の機能の全部または一部は、給水管22、予熱供給管28、または予熱器30の任意の部分との熱交換によって実施される。これは、脱ガス器の廃棄蒸気からの熱が、投入水の予熱に交換されるという効果がある。この熱交換は、システム10からの余分な熱を使い尽くし、この熱がシステム10の局所環境に放射されないようにするとともに、投入水を脱ガスに先立って予熱するためのエネルギを提供し、効率を向上させるという、二重のメリットがある。熱交換の構成は、熱交換への様々なアプローチを含むことができる。いくつかの好ましい実施形態において、熱交換は、廃棄蒸気管と予熱管とを同軸に方向付けることによって実現される。
脱ガスされた水は、脱ガス器40の底部44の付近で蒸発チャンバ50へと排出される。蒸発チャンバ50は、好ましくは、上方部位52および下方部位53の少なくとも2つの部位を含む。これらの部位は、接合部位54において接合される。好ましい実施形態において、蒸発チャンバ50は、概ね円筒状であり、上方部位52は、下方部位53より大きな直径を有している。接合部位54は、いくつかの実施形態ではほぼ水平であるが、他の実施形態では傾斜した向きを有することができる。下方部位53の底部55には、該底部55と密に接触した蒸発チャンバ加熱体56がある。接合部位54には、または接合部位54の近くには、蒸発チャンバドレイン60が配置される。
蒸発チャンバ50内には、蒸発チャンバ洗浄媒体58も含まれる。好ましい実施形態において、蒸発チャンバ洗浄媒体58は、ほぼ球状のセラミック粒子59の集まりである。粒子59は、沸騰した水による撹拌にかかわらず蒸発チャンバ50の底部55の近くに留まれるように選択されたサイズおよび密度を有する一方で、沸騰作用によって撹拌されるようなサイズおよび密度などの性質を有する。同様に、蒸発チャンバの粒子59は、好ましくは、粒子59も底部55も有害に劣化させることなく底部55を長期にわたって研磨可能な硬さも有する。動作時において、沸騰作用は、粒子59を撹拌し、沸騰水の中へと上昇させる。沸騰作用によって撹拌され、上昇された粒子59は、後に降下し、蒸発チャンバの底部に打ち当たる。この上昇、下降、および打ち当たりの連続作用は、蒸発チャンバ50の底部55を擦ることによって、垢またはその他の堆積物の蓄積を阻止する。
蒸発チャンバの接合部位54に、または接合部位54の上方に、蒸発チャンバドレイン60が配置される。蒸発チャンバドレイン60の位置は、接合部位54に、または接合部位54の上方にあるので、洗浄サイクル中の蒸発チャンバ50の排水時、水は、下方部位53からではなく上方部位52から排出される。排水サイクル後、下方部位53は、蒸発チャンバ洗浄媒体58と蒸発チャンバ水とを含有している。これは、別のサイクルの開始時に、基本的に直ちに蒸気が生成され、上昇して脱ガス器40に入ることができるように、十分な水を提供する。蒸発チャンバドレイン60の構成は、好ましくは、沈殿物の沈降を阻止する蒸発チャンバ50の非常に迅速な排水を可能にするのに十分な内部寸法である。更に、蒸発チャンバドレイン60は、好ましくは、蒸発チャンバ洗浄媒体58の粒子59の形状と相補的でないように構成された開口を有する。この非相補的な設計は、蒸発チャンバを洗浄する粒子59が蒸発チャンバドレイン60と結合して適切な排水を妨げることのないようにする。
蒸発チャンバ50に入る水の流れ、および/または蒸発チャンバの容積は、蒸発チャンバ50内の水がおよそ45分間の平均滞留時間を有するように選択される。このような滞留時間は、沸騰による滅菌時間として一般に認められた時間を超えており、したがって、水中のあらゆる生物的汚染物質を殺すことができる。蒸発チャンバ50は、更に、蒸発チャンバカバー61を含む。蒸発チャンバカバー61内の蒸発チャンバ蒸気出口62は、蒸発チャンバ50から蒸気を出してデミスタ70に入らせる。蒸発チャンバを出てデミスタに入る蒸気は、脱ガス器40を経ているため、ガス、揮発物、および有機物をほとんど含んでおらず、同様に、沈殿物、微粒子、生物、ミネラルなどの汚染物質も、ほぼ全て蒸発チャンバ50内の液体水中に留まっているため、このような汚染物質も、ほとんど含んでいない。しかしながら、このような蒸気は、沸騰作用によって気相内へと運ばれた小さい汚染物質を含んでいる可能性がある。したがって、蒸発チャンバ50を出てデミスタ70に入る蒸気は、清浄な蒸気と、汚染物質を含有したミストとに分離する必要がする。
デミスタ70は、サイクロンの原理で動作する。蒸気は、デミスタ入口チャンバ72を介してデミスタ70に入る。蒸気は、デミスタ入口チャンバ72から、デミスタオリフィス74を経て、デミスタサイクロンキャビティ75に流入する。サイクロンキャビティ75は、ほぼ円筒状であり、デミスタオリフィス74の形状および向きは、オリフィス74に入る蒸気を高速でサイクロンキャビティ75の外周へと向かわせることによってサイクロン効果を発生させるように選択される。サイクロンキャビティ75の軸を中心とした蒸気の高速回転は、清浄な蒸気と汚染されたミストとの密度の差に基づく分離を可能にする。より低密度の清浄な蒸気は、サイクロンキャビティ75の中心に向かって追い立てられ、デミスタの清浄な蒸気の出口76を通ってサイクロンキャビティ75から出る。出口76から出る清浄な蒸気は、清浄な蒸気の出口管78へと流れ込む。一方で、汚染されたミストは、デミスタの廃棄出口80を通ってサイクロンキャビティ75から出る。デミスタのより詳細な説明は、以下で提供される。
清浄な蒸気は、出口管78から生産物凝縮器90へと流れ込む。好ましい実施形態において、生産物凝縮器は、効率的な熱交換を可能にするように選択された寸法および組成を有するコイル管を含む。凝縮器ファン94は、生産物凝縮器コイル90および廃棄凝縮器コイル48を冷却する。凝縮された清浄な蒸気は、生産水を形成し、生産物管96を介して貯蔵タンク100へと向かう。生産物管96に沿って、三方弁98が配置される。動作時において、三方弁98は、生産水を、廃棄へと、または貯蔵タンク100へと向かわせることができる。
代表的な浄化サイクルにおいて、システムの予熱機能および脱ガス機能が完全に機能する前に蒸発チャンバ50のウォームアップおよび充填を行う初期期間中、新しいサイクル
の最初の数分間は、予熱器30および脱ガス器40の温度を上昇させることをともなう。最終的に、システムは、効果的な脱ガスを可能にする予熱温度および蒸気量を得る。したがって、浄化サイクルにおいて、脱ガスが十分に効果的になるまでのウォームアップ期間中に蒸発チャンバ50から出ていく蒸気は、残留する不揮発物および有機物で汚染されている可能性がある。これらの汚染物質が貯蔵タンク100に入るのを阻止するため、上記サイクルの最初の20分間、デミスタの清浄な蒸気の出口管78に入って生産物凝縮器90内において水に凝縮する蒸気は、三方弁98によって廃棄へと分流される。20分間に及ぶシステムウォームアップを経た後、予熱器30および脱ガス器40は、完全に機能化され、デミスタから出る清浄な蒸気は、揮発物および有機物をほとんど含まなくなるので、三方弁は、貯蔵タンク100における生産水の収集を可能にするように切り替わる。貯蔵タンク100から水が回収されていないときは、システムは、初期の起動からタンクの充填を経て約24時間でサイクルすることができる。もし水が消費されている場合は、システムは、約10時間で約2.5ガロンを生産することができる。貯蔵タンク100は、6ガロンの使用可能量を有する。ユーザによる操作および洗浄は不要であるが、もし、このような洗浄が必要である場合は、システムは、貯蔵タンク100内における蒸気滅菌サイクルをユーザに選択させることができる。
システムは、更に、出口104における生産水をほぼ定圧に維持する生産物ポンプ102を含む。ユーザインターフェースパネル110は、システムのオン/オフ状態を示すLED、および必要に応じた随意の各種の手動制御を含む。
制御回路構成
この議論は、図7への参照によって補助される。メインの電源スイッチがオンにされると、制御回路構成は、貯蔵タンクの中のフロートスイッチによってタンク内の水位状態を決定する。制御システムは、貯蔵タンク内の水を補充する必要があると判断すると、浄水処理を開始する。
浄水サイクル中、制御回路構成は、蒸発チャンバ排水弁を閉じて給水弁を開き、「処理」ランプ、蒸発チャンバ加熱体、計時カウンタ、および冷却ファンをオンにする。制御回路構成は、また、フロートスイッチによって蒸発チャンバ内の水位を監視し、必要に応じ、流入する水の流れを調節する。流れの調節は、入口スイッチすなわち蒸発チャンバ内のフロートスイッチからフィードバックを受け取るソレノイドである。制御回路構成は、また、安全機能として、加熱体の温度および蒸発チャンバの温度も監視し、必要に応じ、加熱体への電源供給を遮断する。
好ましくは20分間など、システムが熱的に安定する時間として事前に決定された期間の後、制御回路構成は、純水の出力流をバイパスモードから貯蔵タンクへと自動的に切り替える。貯蔵タンクが満タンであることが決定されると、制御回路構成は、浄水処理を停止させ、システムの自己洗浄機能を開始させる。
システムの制御回路構成は、貯蔵タンク内の水の状態について、例えばフロートスイッチを介して量を、そして例えば導電率を介して質を、継続的に監視する。もし水の質が低下すると、制御回路構成は、注意ランプを灯すための信号を送信する。もし水の量が低下すると、制御回路構成は、上述のように、貯蔵タンクを補充するための浄水処理を自動的に開始する。
制御回路構成は、また、送水ポンプに対するチェックも継続し、タンクが溢れた場合またはタンクの水位が信頼できる量の純水を供給できないほど低くなった場合にポンプの電源を遮断する。最後に、制御回路構成は、システムを収容する底皿内のフロートスイッチを介してシステムの水漏れも監視する。このスイッチは、皿の中にかなりの量の水が蓄積
されるとアクティブにされ、このときの制御回路構成は、漏れのためにシステム全体をシャットダウンする。
<実施例1>
脱ガス器内における不揮発性有機物または揮発性有機物の除去
説明された本発明の実施形態における脱ガス器の有効性を証明するものとして、入力水中のイソプロピルアルコールについて試験が行われた。システムは、脱ガス器の完全な機能を実現するために、チャージすることを許可された。すなわち、システムは、予熱機能を達成し且つ安定した量の蒸気を蒸発チャンバから脱ガス器へと送り込むように、ウォームアップされた。4ppmのイソプロピルアルコールを含有する入力水のサンプルが、システムに導入され、次いで、このようなサンプルから得られた生産水が、イソプロピルアルコールの存在について量的にテストされた。およそ100分の1への減少が記録された。出力水中のイソプロピルアルコールの濃度は、約40ppbであった。
<実施例2>
生物的汚染物質の除去
全大腸菌群は、実験室内で比較的培養しやすいので、疾患を引き起こす有機体の存在を示す主要な指示菌として選択された。大腸菌は、病原(疾患を引き起こす)有機体ではなく、伝染性は軽度である。このため、これらの細菌は、実験室内で用いるのに比較的安全である。水中に大量の大腸菌が発見された場合は、ジアルジア属やクリプトスポリジウム属などのその他の病原菌または病原有機体が存在する可能性が高い。飲用水100ml当たりに全大腸菌が存在しないことを証明するために、公共上水道が検査された。全大腸菌用に認可された試験法には、メンブランフィルタ法、多管発酵法、MPN法、およびMMO−MUG(「Colilert」)法が含まれる。メンブランフィルタ法は、細菌を保持することができる微細孔のフィルタを使用する。フィルタは、ペトリ(培養)皿内の、増菌培地(mEndo)を有するパッド上に置かれ、24時間にわたって35℃で培養される。フィルタ上に集まる個々の細菌体は、成長してドーム状のコロニーを形成する。大腸菌は、金緑の光沢を有しており、皿から直接数えることができる。他の幾種かの細菌も類似の色を発現するので、より特定的な培地を使用した確認試験が必要である。確認手続きは、疑いのある陽性の全大腸菌について試験を完了するために、更に24時間から48時間を必要とする。
大腸菌の存在を検出するため、投入水のサンプルが培養される。100mlの水サンプルが培養され、大腸菌のコロニーが検出される。投入水は、本明細書で説明されたシステム内で処理され、対応する100mlの生産水が培養され検査される。大腸菌のコロニーは検出されなかった。これは、生産水が生物的汚染物質を含まないことを示している。
脱ガス装置の詳細および代替案
水の脱ガスは、普通、流入する水を加熱して揮発性化合物の蒸気圧を増大させることによって実現される。溶解ガスの溶解度は、各化合物の沸点でゼロに落ち、ガスは、次いで、水から出ていく。例えば、飲用水中に見られる多くの揮発性物質は、水の沸点より遥かに低い温度で非常に大きい分圧を通常有する塩素化合物である。したがって、これらの物質の多くは、水を華氏約200〜210度(摂氏93〜99度)の温度に加熱して、適切な脱ガスを生じさせることによって、水から除去することができる。しかしながら、これらの物質は、水から直ちに完全に出るのではなく、したがって、溶解ガスを完全に除去するには、いくらかの時間が必要である。
例えば住居の用途に使用される浄水システムなどの、これまでの脱ガス器の設計にともなう困難の1つは、脱ガス器内における加熱水の滞留時間をほとんど制御できないことにある。このため、流入する水の中に過剰な量の揮発性物質が存在する場合は、それら全て
の揮発性物質の脱ガスを達成にするのに十分な滞留時間を得られない恐れがある。また、多くの脱ガス器は、圧力制御の欠如した状態で動作し、これは、システムからの揮発性成分の大量送出を達成するために選択された媒体が水蒸気である場合に、水蒸気が過剰に失われる事態を招く恐れがある。
脱ガス器の設計上のもう1つの問題は、拡大縮小可能性である。大型の業務用脱ガス器は、大量移送に効果的である大幅な圧力降下と大量の液体およびガスとをともなって動作する。一方で、小型の脱ガス器は、上手く縮小されず、1日当たり10ガロン未満の処理能力で動作させることは挑戦であった。
必要とされているのは、更なる滞留時間を可能にするとともに、使用ポイントシステムまたは進入ポイントシステムにおいて廃棄蒸気の量を制限することができる、よりコンパクトな脱ガス器である。
いくつかの実施形態において、粒子の同心層を有する脱ガス器が提供される。粒子の内側層は、粒子間の空間が比較的小さくなるように構成され、粒子の外側層は、粒子間の空間が比較的大きくなるように構成される。様々な実施形態において、粒子は、脱ガス器内においてランダムで且つ構造的な充填状態を呈する。粒子は、金属、ガラス、およびプラスチックなどの材料で作成することができる。脱ガス器は、上部に水の入口を有する。脱ガス器は、上部に廃棄蒸気の出口を、そして加熱蒸気の入口および水の出口を底部に有することができる。
いくつかの実施形態において、粒子の同心層を保持する容器を有する脱ガス器装置が提供される。粒子の内側層は、粒子間の空間が小さくなるように構成され、粒子の中間層は、粒子間の空間が中程度になるように構成され、粒子の外側層は、粒子間の空間が大きくなるように構成される。中程度の空間は、システム内の水蒸気が気相から凝縮しはじめるような空間であり、小さい空間は、このプロセスが継続して水蒸気を液体水に変換するのに十分な小ささである。
他の実施形態において、脱ガス器の容器は、容器の底部の外周に蒸気の入口を有する。蒸気の入口は、沸騰チャンバからの加熱蒸気が外周から容器に入って脱ガス器の内部の外周を加熱することを可能にする。容器は、容器の上部に蒸気の出口を有しており、廃棄蒸気は、ここからシステムを出ていく。容器は、容器の上部に水の入口を有する。容器は、容器の底部に浄水の出口を有する。水の出口は、例えば、容器の底部の中央に配置される。容器は、粒子で満たされる。いくつかの実施形態において、粒子は3種類のサイズがあり、所定のサイズの各粒子は、同心ゾーン内に配置される。このため、このような実施形態では、3つの同心ゾーンがあり、各同心ゾーンは、所定のサイズの粒子を有する。好ましい1つの実施形態において、粒子はガラスのビーズである。より好ましい1つの実施形態において、粒子は3種類のサイズがあり、最も大きいサイズの粒子は容器の最外ゾーンにあり、最も小さいサイズの粒子は容器の最内ゾーンにある。最も好ましい1つの実施形態では、8mmのガラスのビーズを有する最外ゾーンすなわち最外層、6mmのガラスのビーズを有する中間ゾーンすなわち中間層、および4mmのガラスのビーズを有する最内ゾーンすなわち最内層がある。いくつかの実施形態において、これらのビーズは、ソーダガラスまたは石灰ガラスで作成される。このような実施形態では、20個の3mmビーズは重さ約0.7グラム、20個の4mmビーズは重さ約1.8グラム、20個の6mmビーズは重さ約5.7グラム、そして20個の8mmビーズは重さ約14.4グラムであることが可能である。
いくつかの実施形態は、コンパクトで且つより効果的な脱ガス器を含む。この脱ガス器は、蒸気を通過可能にする1つのゾーンと、水蒸気の凝縮を促進するもう1つのゾーンと
を脱ガス器内に形成するために、各種孔隙率の同心層を用いることが好ましい。脱ガス器は、脱ガス器の内部の表面積を増大させる粒子を内部に含むことにより、浄化されるべき水の滞留時間を長くすることができる。
いくつかの実施形態において、システムの多孔性は、様々なサイズの粒子によって実現される。これらの実施形態では、加熱蒸気が、より容易に蒸発チャンバなどの蒸気源から脱ガス器内に入って脱ガス器を通り抜けることができるように、外側層内の粒子は、比較的大きいサイズを有する。蒸発チャンバから来るこの加熱蒸気は、システムの内部温度を沸点近くに維持するための断熱材としても機能する。大きいサイズの粒子からなる外側層の内側には、中間サイズの粒子からなる層がある。中間サイズの粒子からなるこの層は、適切な浸透性および長い滞留時間を提供することにより、より高い割合の揮発性物質を脱ガスすることを可能にする。この中間サイズの孔および粒子の層は、粒子間の空間が小さいので、蒸気から水を凝縮させやすい傾向がある。内側層は、より小さいサイズの粒子を含むので、それらの孔の大部分は、脱ガスされた水で満たされ、脱ガスされた水は、重力によって蒸発チャンバへと流れ込む。
図8は、代表的な脱ガス器ユニット210の概念を示している。好ましい1つの実施形態において、脱ガスされるべき流入する水またはその他の液体は、吸入口220を通って脱ガス器の上部から流れ込む。流入する水は、温かい、または熱いことが好ましい。水は、一連の粒子を充填された脱ガス器を通って自由に流れることができる。粒子は、ガラスのビーズであることが好ましい。流入する水は、脱ガス器内において、蒸発チャンバからの蒸気を介して更に加熱される。外側の粒子230は、中間層の粒子240より大きく、中間層の粒子240は、内側層の粒子250より大きい。脱ガス器の中心軸に向かってビーズの表面積が増すことにより、より多量の揮発性ガスを水から揮散させることが可能になる。より大きな粒子は、加熱された蒸気を迅速に且つ効率的に脱ガス器に加えることができるゾーン250を提供し、中間サイズおよび小さいサイズの粒子は、揮散された蒸気を液状に凝縮させ、脱ガス器から例えば脱ガス器の下方に位置することが好ましい蒸発チャンバへと排出させることができる、ゾーン230および240を脱ガス器内に提供する。当業者ならばわかるように、項目230、240、および250は、粒子自体を指すこともできるし、あるいは、図示された実施形態において、粒子間の空間から形成されているような、多孔性のゾーンを指すこともできる。
蒸気270は、主にシステムに熱を加えるために、脱ガス器に加えられる。各種のガスは、好ましくはユニットの上部または上部の近くに位置する出口280を通ってシステムから出ることができる。蒸気を凝縮させて水に戻す脱ガス器のセクションは、粒子間の空間が狭いセクションであり、このセクションは、脱ガス器の中心にある。このため、この構成は、蒸気を循環させ、脱ガス器の外側セクションを加熱することを可能にし、蒸気は、脱ガス器の中央セクションで凝縮し、次のセクションへと排出される。当業者ならばわかるように、サイズの異なる粒子および異なるゾーンの位置は、変更することができる。例えば、いくつかの実施形態では、小さい粒子が脱ガス器の外周に配置され、中間の粒子がその内側に、そして大きい粒子が中心に配置される。また、中間サイズのものを中心または外周に配置することも可能である。このような実施形態では、蒸気の入口および出口の位置、ならびに脱ガスされた水のための出口を、相応して配置しなおすことが好ましい。しかしながら、好ましい実施形態は、図8に示されている。
脱ガス器システムは、蒸発チャンバ装置に近接近して配置されることが好ましい。好ましくは、脱ガスユニットは、蒸発チャンバの上部上に配置される。これは、蒸発チャンバからの蒸気を蒸発チャンバから脱ガス器へと直接上昇させることを可能にする。これは、また、脱ガス器からの脱ガスされた水をそのまま蒸発チャンバへと排出させることも可能にする。当業者であればわかるように、蒸発チャンバと脱ガス器とを明確に隔離する必要
はない。1つの実施形態では、粒子を保持するためのスクリーンのみによって、脱ガス器を蒸発チャンバから隔てている。
粒子は、例えば球状、半球状、不定形、長方形、楕円形、四角形、円形、多面形、不規則(例えば砂利など)などの任意の形状であることが可能である。粒子の表面は、長い滞留時間を可能にするため、例えば固形、多孔性、半多孔性、塗布される、構造化されるなど、要望に応じて可変である。好ましくは、粒子は球状で且つ無孔である。当業者であれば、粒子のサイズが異なれば、粒子間の空間(隙間空間)のサイズも異なることがわかるであろう。例えば、大きいガラス球は、小さいガラス球より大きい空間を有するであろう。粒子間の空間は、粒子のサイズ、粒子の形状、およびその他の要素に基づいて可変である。一般的な法則として、大きめの概ね球状の粒子は、やはり、孔隙率の高い混合物を形成するであろう。すなわち、球と球との間に、比較的大きい空間ができるであろう。同様に、小さめの粒子は、小さい隙間空間を有するので、結果として、蒸気を液体水に凝縮させる傾向が強い環境になるであろう。
粒子は、任意の適切な材料で形成することができる。代表的な材料は、金属、ガラス、複合物、セラミックス、プラスチック、石、セルロース系材料、繊維性材料などを含むが、これらに限定されない。もし必要であれば、材料の混合を用いることも可能である。当業者ならば、特定の各目的に応じて適切な材料を決定することができるであろう。好ましくは、材料はガラスで作成される。選択された材料は、深刻な亀裂、破壊、もしくはその他の損傷を生じることなく、または毒性物質を水中に滲出させることなく、長期間に及ぶ高温での使用に耐えられることが好ましいであろう。各種サイズの粒子は、もし必要であれば、異なる材料で作成することも可能である。例えば、外側の粒子を金属で形成し、中間の層を耐温度性のプラスチックで、そして中央の層をガラスで作成することができる。選択された材料は、加熱プロセスに起因する破壊、さび、または亀裂に対して耐性があることが好ましい。
当業者ならば、粒子を任意の所望のサイズに選択可能であることがわかるであろう。例えば、外側の粒子は、約5mmから約25mmまたはそれを上回る直径を有することができる。中間層の粒子は、例えば、約1mmまたはそれ未満から約15mmまたはそれを上回る直径を有することができる。中心層の粒子は、例えば、約0.1mm未満から約10mmまたはそれを上回る直径を有することができる。一般に、直径は、約0.1mmから約30mmまでの幅があることが可能である。
好ましい1つの実施形態において、同心層の粒子はガラスのビーズであり、例えば、最外の層は8mmのガラスのビーズを有し、中間の層は6mmのガラスのビーズを有し、中央の層は4mmのガラスのビーズを有している。外側の粒子の直径対内側の粒子の直径の比は、当業者の要望に応じて可変である。外側の粒子のサイズ対内側の粒子のサイズは、例えば、約1.1〜1,000:1であることが可能である。
好ましくは、粒子の層は同心円状であり、最も小さいサイズの粒子がユニットの中央にあるとともに、最も大きい粒子がユニットの外壁の最も近くにある。当業者ならばわかるように、これらの円は、厳密である必要はなく、必ずしも同心である必要もない。例えば、非同心の円は、図示された実施形態のメリットの全てを必ずしも有するとは限らないものの、孔隙率の小さいゾーンに蒸気を導く孔隙率の大きいゾーンを有する実施形態であれば、十分に機能して、本発明の主要なメリットを提供することができる。いくつかの実施形態では、各種のゾーン、すなわちサイズの異なる粒子どうしが、スクリーンの使用によって別々のグループに維持される。好ましい1つの実施形態において、各種サイズの粒子は、容器に充填される際に別々のグループに維持される。このとき、小さい粒子は、中間サイズの粒子の存在によって、大きい粒子と混ざるのを阻止される。
もし必要であれば、2枚または3枚より多い枚数の層を使用することができる。例えば、4枚、5枚、6枚、または7枚、またはそれより多い枚数を使用することができる。好ましい1つの実施形態では、3枚の層が使用され、それぞれサイズが異なる。いくつかの実施形態では、粒子のサイズを変えるのではなく、粒子の表面性質などの粒子の他の特質が変えられる。更に、もし必要であれば、脱ガス器は、サイズの異なる粒子を混合したものを充填することができ、この充填作業は、脱ガス器の中央領域にいくほど次第に小さいサイズの粒子が満たされるように実施される。いくつかの実施形態では、層は、各層全体にわたって均一な粒子を充填される。他の実施形態では、層は、不均一であり、他の形状のビーズ、粒子、ガラスウールなどを含むことができる。粒子の不均一性は、サイズのみならず、例えば組成、表面特性、密度、比熱、湿潤性(疎水性対親水性)、硬度、延性などを含むことができる。好ましくは、上述されたように、この不均一性は、どんな形態をとるものであれ、脱ガス器内において同心円状に分布される。ただし、本発明のいくつかの実施形態では、非同心状の他の配置も考えられる。
脱ガス器装置の壁および入口/出口は、任意の適切な材料で作成することができる。代表的な材料は、例えば、金属、アルミニウム、ガラス、複合材料、耐温度性ポリプロピレンなどを含む。好ましくは、壁の材料は、耐さび性の鋼で作成される。好ましくは、材料は、亀裂、破壊、または水中への毒性物質の滲出をともなうことなく、高温での長期間に及ぶ使用に耐えられる。
いくつかの実施形態において、脱ガス器は、水が好ましくない量の揮発性物質を含有する場合でも、その水の脱ガスのために適切な滞留時間を提供するために、使用される。このため、脱ガス器は、より安全な飲用水を生産するために、または他の多くの用途のための毒性の低い水を生産するために、使用することができる。
本発明の方法を用いた水処理によって除去または低減させることができる揮発性汚染物質の例は、メチル第3ブチルエーテル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、エチルベンゼン、スチレン、テトラクロロエチレン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、トルエン、塩化ビニル、キシレン、ならびに酸素、窒素、二酸化炭素、塩素、臭素、フッ素、および水素などの天然ガス、ならびにギ酸、エチルヒドラジン、メタクリル酸メチル、ブチルエチルアミン、ブタノール、プロパノール、アセトアルデヒド、アセトニトリル、ブチルアミン、エチルアミン、エタノール、メタノール、アセトン、アリルアミン、アリルアルコール、酢酸メチル、水酸化アンモニウム、およびアンモニアなどのその他の揮発性有機化合物(VOC)などを含むが、これらに限定されない。
本発明の更なる実施形態において、脱ガス器の外側セクションは、脱ガス器の容積の内側セクションに対して効果的な断熱機能を提供することにより、流入する水の温度を水の沸点近くに維持することもできる。いくつかの実施形態では、粒子自体が、それらの保温機能を目当てに選択される。これは、エネルギを節約し、より効率的な脱ガスシステムを形成することができる。
いくつかの実施形態において、本発明の脱ガス器の設計は、脱ガスされた水を蒸発チャンバ内へと運ぶ安定した経路を提供すると同時に、蒸気の過剰な旋回の必要性を回避する。これは、蒸気が脱ガス器の外殻を加熱するから、そして、蒸気が1つのゾーンから脱ガス器内に容易に入り、脱ガスされた水の凝縮およびシステムからの排出が別のゾーンによ
って可能になるからである。過剰な蒸気の旋回を阻止することによって、塩が沈殿して粒子となる問題が回避される。
いくつかの実施形態において、脱ガス器は、システム中の様々な粒子サイズによって高表面積を得られるので、現在使用されているモデルより更にコンパクトにすることができる。したがって、脱ガス器の高さを最小に抑えて、よりコンパクトな設計を実現することができる。
いくつかの実施形態において、脱ガス器は、サンプルからの不純物の除去において、従来の脱ガス器よりも効率的である。例えば、いくつかの実施形態において、図8の脱ガス器は、100万分の40の塩素を最大30ml/分の流量で水から除去することができる。いくつかの実施形態において、脱ガス器は、2ppmのアンモニアを最大20ml/分の流量で水から除去することができる。いくつかの実施形態において、脱ガス器は、空気などの通常のガスを、それらの溶解限度に到るまで最大30ml/分の流量で除去することができる。
脱ガス器の実施例
<実施例3>
脱ガス器装置の準備
図8に示されるように、幅1インチ(1インチは約2.54センチ)、高さ12インチのステンレス製の円筒に、ステンレス製の水入口およびステンレス製のガス/水出口が装着される。代替の実施形態では、幅1インチ、高さ8インチの装置、幅1.5インチ、高さ8インチセンチの装置、または幅3.5インチ、高さ12インチの装置が使用されてよい)。このユニットは、蒸発チャンバ装置の上部に取り付けられる。円筒は、次いで、以下のように、清浄な球状のガラスのビーズで満たされる。すなわち、外側の領域を、直径約8mmのガラスのビーズで充填し、次いで、中間層を、直径約6mmのビーズで充填し、次いで、中央領域を、直径約4mmのガラスのビーズで充填する。脱ガス器に、ステンレス製のカバーユニットが装着される。蒸発チャンバは加熱され、脱ガス器に蒸気が通される。脱ガス器が温まると、処理されるべき水が予熱され、次いで、脱ガス器の上部から加えられる。脱ガス器を後にする水は、その中の揮発性化合物の量を低減されている。装置は、安定した温度に達すると、40ppmの塩素、2ppmのアンモニア、および空気中の大部分の天然ガスを含むガスを、それらの溶解限度以下の範囲で水からほぼ完全に除去する。
<実施例4>
飲用水を浄化するための、拡大された脱ガス器装置の使用
実施例3の脱ガス器装置は、2ガロンの蒸発チャンバシステムの上に組み付けられる。次いで、浄化されるべき水が、予熱された脱ガス器の入口を通して5ml/分から50ml/分の流量で送り込まれる(他の実施形態では、数リットル/分以下の流量を使用することが可能である)。脱ガス器に入る水は、約200℃の温度に予熱される。水は、基本的に水の沸点で脱ガス器に入る。処理されている水が多量である場合は、脱ガス器の上部における温度が数度(98℃まで)落ちてよい。流入する水の処理量のおよそ10〜20%が、脱ガス器を駆動する蒸気として使用され、その約半分が、脱ガス器内において再び凝縮される(ただし、蒸気の使用は、水の処理量の1%未満まで減らすことが可能である)。浄化された水は、蒸発チャンバ内へと下降し、冷却され、揮発性汚染物質のレベル測定のためにサンプル抽出される。この方法により、揮発性汚染物質は除去され、水は浄化される。
ユニットは、連続動作可能であるので、水を脱ガスする必要がある限り動作することができる。脱ガス器からの排水率は、ガラスのビーズの充填具合およびサイズに依存して、
約1秒から数分まで変化する。
デミスタの詳細および代替案
本発明の1つの態様において、調節可能なデミスタ装置が提供される。デミスタは、上記のデバイスと併用することができる、あるいは上記のデバイスと切り離して使用することができる。
図9Aの図は、1つの代表的なデミスタを示してる。各種の入口開口および出口開口は、性能を最適化するために、ユーザによって調節することができる。サイクロンデミスタの分離特性を変更するため、好ましくは、図9Aに示されるように、調節可能な降下管395を使用することができる。この調節可能な降下管395は、ユニットから出る清浄な蒸気対汚染された蒸気の比を調整することができる。更に、蒸気350の過剰な損失を阻止するため、デミスタ300の頂点、すなわち円錐先端にある出口360において、調節可能なシャッタメカニズム370を使用することができる。
流入する蒸気320は、ボイラ310から入口330を通ってデミスタに入る。蒸気320は、デミスタチャンバ340に入り、チャンバ内における蒸気の回転を通して形成される遠心力を介してデミスタ300内において分離される。蒸気は、清浄な蒸気380と、汚れた、すなわち廃棄される蒸気350とに分離される。チャンバ内における蒸気の角速度は、サイクロンを通した圧力差および蒸気の進入する角度の関数である。このようなパラメータの設定値は、デミスタの性能を最適化するために、当業者によって決定される。
廃棄蒸気350は、廃棄出口360を通ってデミスタチャンバ340を後にする。廃棄出口は、デミスタから出される蒸気の量をより良く制御することを可能にする調節可能なシャッタメカニズム370を含むことができる。いくつかの実施形態において、開口は、動作中に調節することもできるし、あるいはデミスタの稼動の合間に調節することもできる。シャッタメカニズムは、例えば金属(例:ステンレス鋼)、セラミックス、またはプラスチックなどの任意の適切な材料で作成することができる。
清浄な蒸気380は、チャンバ340の中心またはチャンバ340の中心近くにある出口390を通ってデミスタ300から出る。好ましくは、清浄な蒸気の出口390は、具体的なニーズに見合うようにデミスト特性を変更するために、チャンバ340の容積に挿入される管の量を変更するように調節することができる、降下管395を有している。好ましくは、降下管95の調節は、デミスタチャンバの内部に存在する降下管の長さを変更することによってなされる。降下管は、出口390自体の近くにある蒸気を集めることができる、あるいは降下管395をチャンバ340に挿入することによって、チャンバの中心近くにある蒸気を集めることができる。この方法により、出口390を通って出る清浄な蒸気対汚れた蒸気の比を制御することができる。降下管は、例えば、デミスタチャンバの長さの約5〜10%、15%、20%、25%、30%、40%、またはそれを超える長さにわたって挿入することができる。全体寸法は、可変である。例えば、高さが5インチであるとともに、蒸気入口の上部では直径が1インチ、管の上部および底部では直径が4分の1インチであることが可能である。当業者ならば、具体的な目的を達成するために、降下管の挿入ポイントを調節することができるであろう。清浄な蒸気の出口は、好ましくは、デミスタ装置の上部に位置する。
いくつかの実施形態において、調節可能なシャッタ370および調節可能な降下管395は、ともに同じ実施形態で用いられる。当業者ならば、システムからの清浄な蒸気および汚れた蒸気を所望の量および純度にするとともに、チャンバを後にする蒸気を所望の量にするために、反復プロセスを通じてこれらの一方または両方を調節することができるで
あろう。システムが望みどおりに機能しはじめたら、これらの調節可能な特徴は、適所に固定することができる。これは、例えば溶接などの様々な方法で行うことができる。
上記のデミスタ装置の設計は、ユーザによる、例えば廃棄蒸気の開口および清浄な蒸気の開口、または降下管の挿入の長さの調節を通じて動作条件を精密に調節することを可能にする。このようにして、サイクロン動作を最適化することができる。当業者ならば、特定のデミスト目的に見合うように、これらのパラメータを調節することができるであろう。
蒸気の入口、廃棄蒸気の出口、および清浄な蒸気の出口の調節は、手動で実施することができる。調節は、また、遠隔制御することもできる。また、最大の性能を得られるようにこれらの開口を自動的に変更するために、電子システムを設けることもできる。開口の調節は、もし必要であれば、完全にコンピュータ制御することができる。圧力が危険レベルに達した、構成要素が故障した、入力フローが変化した、または予期しないその他の問題が生じた場合にシステム全体が停止するように、緊急停止システムを設けることができる。
デミスタの開口を調節する能力は、清浄な空気対汚染された蒸気の比を幅広い範囲内で変更し、ユニットの出力を水の純度の関数として増大または減少させることを可能にする。したがって、当業者ならば、任意のタイプのデミスト計画にあわせてプロセスを最適化するために、必要に応じて装置を調節することができる。
本発明のいくつかの実施形態では、デミスタの少なくとも一部が、ボイラのチャンバ内に位置している。更なる実施形態では、デミスタのチャンバの大部分または全部が、ボイラのチャンバ内に含まれている。図9Bは、この実施形態の一例を示している。デミスタを内部に配置すると、貴重なスペースを節約し、温度を一定に保証し、蒸気の凝縮を阻止することができる。デミスタは、ボイラ装置内のあらゆる場所に配置することができる。デミスタの容積対ボイラの容積の比は、可変である。例えば、デミスタ対ボイラの容積比は、1:1,000〜1:0.5の範囲であってよく、例えば、1:100〜1:1、1:5〜1:2、および1:10〜1:3であることが可能である。一般に、1日当たり6ガロンの小規模のユニットにとっては1:10〜1:50が実用的であり、中規模(1日当たり600ガロン)のユニットにとっては1:50〜1:300が実用的であり、工業規模のユニットにとってはより大きい比が有用であろう。当業者ならば、所定の目的に適したデミスタ対ボイラの容積比を決定することができるであろう。当業者ならばわかるように、実際にボイラ(すなわち沸騰チャンバ)内にあるデミスタの量は、可変である。いくつかの実施形態において、2つのチャンバ間で共通の容積または表面積は、いくらであってもよく、デミスタの100〜90%、90〜80%、80〜50%、50〜30%、20〜10%、10〜0%の容積または表面積が、ボイラ内に含まれることができる。1つの実施形態では、熱の損失および蒸気の凝縮を阻止するため、デミスタは、完全にボイラの内部にある。
当業者ならばわかるように、ボイラによって提供される追加の熱は、デミスタ内で生じうる凝縮の量を低減させることができる。例えば、このように加熱されたデミスタは、デミスタがボイラからの熱を得ないシステムと比べて、50〜90%、90〜98%、より好ましくは98〜100%の凝縮を低減させることができる。また、チャンバ内にデミスタを配置すれば、デミスタの少なくとも一部を大気条件の変化から効果的に遮って、更に効率を高めることができる。
デミスタチャンバ、入口、廃棄蒸気の出口、清浄な蒸気の出口(降下管)、および廃棄蒸気の開口シャッタは、任意の適切な材料で形成することができる。代表的な材料は、ス
テンレス鋼、またはチタン、アルミニウム、もしくは銅などの金属もしくは合金、またはポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ケブラ、セラミック、ガラスなどを含むが、これらに限定されない。当業者ならば、特定の目的に適した材料を決定することができるであろう。好ましくは、選択された材料は、耐熱性で、耐亀裂性で、且つ延ばして使用するのに耐えることができる。いくつかの実施形態において、デミスタチャンバ340またはデミスタ300のボイラ内にない部分は、凝縮のリスクの軽減に役立てるために、断熱材で形成される、または断熱材で覆われる。
いくつかの実施形態において、本発明のデミスタは、あらゆる規模の動作に適している。例えば、いくつかの目的に対しては、小規模で持ち運び可能なデミスタが有用である。蒸気からミストを分離するため、デミスタの直径は、高遠心力を実現するように小さくすることができる。実際的な言い方をすると、これは、直径が2インチ未満、好ましくは1インチ未満であることを一般に意味する。デミスタの長さ、すなわち高さは、装置内におけるガス/ミスト混合物の滞留時間を決定し、1,2インチ程度の短さから数インチまたはそれを超える長さであることが可能である。当業者ならば、この開示内容を踏まえて、どのように具体的な調節を行うかがわかるであろう。中規模のデミスタ、大規模のデミスタ、および商業規模のデミスタもまた、本発明の方法を使用して作成することができる。
いくつかの実施形態において、デミスタ装置は、サイクロンデミスタ内における圧力損失を最小限に抑えた状態で蒸気を効果的に分離することができるように調節可能である。いくつかの実施形態では、デミスタの外表面が加熱されるので、デミスタ装置は、内部蒸気の凝縮に見舞われる可能性が低くなる。
<実施例5>
デミスタ装置の組み立て
幅1インチ、深さ3インチのステンレス製のデミスタチャンバに、ボイラからくる蒸気のための入口が装着される。また、チャンバには、廃棄蒸気の出口に対する調節を可能にするためのシャッタシステムも装着される。更に、清浄な蒸気の出口に、直径4分の1インチのステンレス製の降下管が装着される。この降下管は、チャンバ内に0.25インチ入った状態からチャンバ内に2.5インチ入った状態までの間で調節することができる。シャッタは、完全に開かれた位置に初期配置され、降下管は、チャンバの内部にある部分が最小となる位置に初期配置される。チャンバに、清浄な蒸気と汚れた蒸気とを分離するのに十分な速度で蒸気が加えられる。降下管の位置が、システムから所望の純度の蒸気が得られるまで調節される。この調節と同時に、またはこの調節の後のいずれかに、廃棄出口にあるシャッタが、所望の量の清浄な蒸気と廃棄蒸気とが分離されてチャンバから出されるように調節される。そして、チャンバから出る蒸気を所望の純度にするために、降下管の調節を再び行うことができる。降下管およびシャッタは、次いで、ともに適所に固定され、その結果、最適化されたデミスタが得られる。
デミスタチャンバは、次いで、ボイラ装置の内部に装着することができる。いくつかの実施形態では、メインテナンスを容易にするため、デミスタ円筒の上部は、ボイラ装置の上部からアクセス可能である。しかしながら、他の実施形態では、デミスタの表面積の大部分または全部をボイラ内に含ませることができる。
<実施例6>
加熱されたデミスタ
この実施例は、ボイラ内に含まれたデミスタを使用する1つの実施形態を示す。デミスタのチャンバの容積は、完全に、沸騰チャンバ内に位置している。沸騰チャンバは、蒸気を生成するために加熱され、生成された蒸気は、デミスタ内へと追い込まれる。蒸気は、回転運動によって清浄な蒸気と汚い蒸気とを分離するようなかたちでデミスタに入る。清
浄な蒸気は、降下管から集められる。蒸気が分離される間、デミスタは、沸騰チャンバからの熱によって加熱される。これは、デミスタ内で生じる凝縮を少なくする(ほぼ無くす)。
可視フィルタフロー指示計
いくつかの実施形態において、上述された浄水システムは、フィルタがどの程度上手く機能しているか、すなわち水がどの程度容易にフィルタを通って流れているかに関する光指示を提供する、簡単で、それにもかかわらず効果的な、フィルタフロー指示計を含むことができる。フィルタは、水が沸騰チャンバまたは脱ガス器に入る前の位置に設けてもよいし、あるいは、上述された浄水システムの全域、前、または後の任意のポイントに設けてもよい。また、当業者ならばわかるように、いくつかの実施形態において、可視フロー指示計は、圧力差を監視するべきあらゆる場所、すなわちフィルタが配置されているあらゆる場所で使用することができる。
いくつかの実施形態において、フィルタフロー指示計は、フィルタユニットの入力側と出力側とをつなぐサイド通路を含む。サイド通路内には、重り物体が配置され、この重り物体は、フィルタシステム内における圧力差に応じて上下に移動することができる。重り物体は、設定ポイントを越えて移動することがないように、選択的保持装置によって維持する。重り物体が選択的保持装置にぶつかると、ユーザは、サイド通路を通して容易にその物体を見ることができる。このため、フィルタフロー指示計は、水がどのようにフィルタを通って流れているかに関する可視指示を提供することができる。
いくつかの実施形態において、本発明のフィルタフロー指示計は、サービスまたはユーザによる監視のために、システムの動作に関して簡単で且つ便利な指示を提供することができる。フィルタフロー指示計は、好ましくは、フィルターフロー指示計を水供給ライン上に垂直位置で挿入し、プラスチックボールなどの重り物体をサイド管の底部に着座させることによって動作される。通常の動作では、ライン内におけるフィルタのろ過能力を監視するにあたり、ユーザによる操作は不要である。ユーザは、単純に、ピンに対する重り物体の位置を見ることによって、フィルタが正しく機能しているか、あるいは望みどおりの効率的なろ過を行えないほど詰まっているかを決定する。いくつかの実施形態において、フィルタフロー指示計は、反対方向への重り物体の動きを観察することによって、フィルタに穴が開いているか否かを決定するのにも有用である。
サイド通路は、任意の適切な材料で作成することができる。好ましくは、サイド通路は透明、または透明に近いので、重り物体は、容易に見ることができる。したがって、好ましい実施形態では、ガラスやプラスチックなどの材料を使用することができる。好ましくは、材料は、比較的圧力抵抗性であり、亀裂または破損に対して耐性がある。1つの実施形態では、サイド通路それ自体が先細っているので、重り物体は、通路内を上へと追い立てられるにつれて、サイド通路の壁から抵抗を受ける。当業者ならばわかるように、サイド通路は、様々な装置または方法によって、フィルタコネクタユニットに接続することができる。例えば、サイド通路は、Oリングをともなう金属コネクタ、圧縮継ぎ手、またはその他のタイプの金属継ぎ手もしくはプラスチック継ぎ手などによって、フィルタコネクタユニットに接続することができる。1つの好ましい実施形態では、側壁が先細っていないので、物体がピンに押し付けられた場合でも、依然として物体の周りを水が流れることができる。こうして、フィルタが完全に詰まった場合でも、水を逃して水ライン内の圧力を減らすことができる水路が提供される。水ラインへの通路の接続は、圧力が上昇した場合にサイド管がシステムを容易に破壊することのないように、十分に強いことが好ましい。代表的な圧力は、100〜200psiであることが可能である。
重り物体は、フィルタユニット内における圧力差に応じてサイド通路内を上下に移動可
能である限り、任意の形状およびサイズであることが可能である。重り物体は、例えば、球状、四角形、楕円形、または不定形である、あるいは別の適切な形状であることが可能である。重り物体は、任意の色であることが可能である。好ましくは、重り物体は球である。好ましくは、重り物体は、サイド通路の内径より僅かに小さい。より好ましくは、重り物体は、容易に見ることができるように、赤いボールである。物体は、様々な材料から作成することができる。1つの好ましい実施形態において、物体は、水より重く、且つ、ろ過されている水を汚染することのないよう水中で比較的不活性である。例えば、球は、チタンもしくはステンレス鋼などの各種の金属、セラミックス、プラスチックなどで作成することができる。また、物体は、例えばプラスチックをコーティングされたステンレス製の芯などの、複合物体であることが可能である。容易に見ることができるように、球は、直径約4分の1インチ(0.8cm)であってよく、その2倍のサイズであることも可能である。サイズが大きくなると、圧量差に応じて移動するボールの重量が増大するので、応答性が乏しくなる恐れがある。
フィルタフロー指示計401(図10A)は、任意のタイプのろ過装置405に組み付けることができる。本発明のいくつかの実施形態において、フィルタフロー指示計401は、図10Aに示されるように、ラボ用品店で見つけることができる、または園芸品店もしくは日曜大工店で容易に入手可能である、ネジ型ろ過装置405の2つのパーツに組み付けられる。フィルタ接続ユニット410a,410bは、あらゆるタイプのフィルタコネクタから選ぶことができる。好ましくは、フィルタ接続ユニット410a,410bは、インターロック式である。好ましくは、ろ過装置405は、液体がシステム内を垂直に流れるように、直立に配置される。
1つの好ましい実施形態において、フィルタフロー指示計401は、図10Aに示されるように、フィルタ装置405の一部である。この装置は、2つのインターロック式のプラスチックコネクタ410a,410bを有し、これら2つのプラスチックコネクタ410a,410b間に、フィルタまたはフィルタスクリーン420が機械的に固定される。プラスチックコネクタ410a,410bのそれぞれは、フィルタの、サイド管すなわちサイド通路430を接続されるいずれかの側に、開口411,412を有する。サイド管430内には、サイド管より僅かに大きい直径を有する色つきのプラスチックボール440があり、サイド管430内の中ほどには、色つきのボールを所望のポイントを越えて移動させないための、小さいピン450がある。
フィルタは、水流中の微粒子を捕獲するにつれて、徐々にその有効孔隙率を失い、このため、フィルタ420の両側で圧力差を生じる。フィルタの両端の圧力差は、サイド通路430内の重り物体440に及ぼされる力を増大させるので、物体440は、ピン450につかえてそれ以上サイド通路430内を上昇できなくなるまでサイド通路内を移動する。アセンブリ全体を垂直に取り付け、フィルタが十分に詰まるまで重り物体440がサイド管430内を上昇することのないように重力の力で抑えることによって、システムは、フィルタが交換または洗浄を必要とする時点を容易に示すことができる。いくつかの実施形態では、重り物体440の後方に、第2のピンが挿入されるので、もし水圧の変化が生じても、ボールがサイド通路から出て行くことはない。当業者ならばわかるように、圧力の増大を示す必要がある部分のみが垂直であればよいので、装置全体を垂直配置にする必要はない。このため、幾つかの実施形態では、フィルタも、フィルタフロー指示計全体も、垂直に配置されていない。いくつかの実施形態において、物体は、重くする必要はなく、バネまたはバネセットによってサイド通路内に維持され、設定位置からのズレによってフィルタ交換の必要性を示すことができる。このため、いくつかの実施形態において、サイド通路内の物体に求められるのは、サイド通路を通る水の流れの変化が物体の位置の変化をもたらすように、サイド通路を通る水の流れに何らかの力を及ぼすことのみである。
当業者ならばわかるように、サイド通路の長さ、重り物体の重さおよびサイズ、ならびに詰まったフィルタの指標としての重り物体の位置は、例えば、水の流量または使用されているフィルタのタイプなど、装置の特定の使用ごとに可変である。
当業者ならば、本発明の開示内容を踏まえて、説明された所望の結果を実現するためにこれらの変数を調節可能であることを認識できるであろう。例えば、所定の流量および所定のフィルタについて、サイド通路上の最も遠い位置まで直ちに流されることのない物体が見つかるまで、異なるサイズの重り物体または異なる重りの物体を単純に加えることができる。また、この同じプロセスは、フィルタが詰まったときにサイド通路内の最も遠い位置まで移動することができない重すぎる物体を除外するためにも使用することができる。
当業者ならばわかるように、フィルタがいつ「詰まった」かは、フィルタの具体的タイプ、浄化されている物質、除去されている物質、予期される将来の用途などに依存することができる。当業者ならば、本明細書の開示内容を踏まえ、所定の用途について、フィルタがいつ詰まったかを決定し、それに応じてフィルタフロー指示計を較正することができるであろう。
装置は、あらゆるタイプのろ過システムとともに機能することができる。考えられるろ過システムのタイプの例は、液体から粒状物質を分離するフィルタ、液体から特定の生化学的分子を分離するフィルタ、微生物学的物質を除去するフィルタ、電荷に応じて分子を除去するフィルタなどを含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、フィルタフロー指示計は、例えばフィルタが破裂したときなど、フィルタを通される水が多すぎるときを示すことができる。これは、ボールの重さを水の圧力とバランスさせ、410aのチャンバと410bのチャンバとの間の通常の圧力差が重り物体をサイド通路内で僅かに上に移動させるがピン450に到るまでは移動させないようにすることによって行うことができる。もし重り物体が、水によってサイド通路内を途中まで上昇するべきときに下降した場合は、これは、フィルタを通って流れる水が多すぎることを示すことができる。
当業者ならばわかるように、もしフィルタが詰まったが破裂しなかった場合は、フローライン内において水圧の上昇が生じるリスクがある。特定の状況下において、水圧は、フローラインまたはポンプ装置を通常損傷させる可能性があるポイントまで増大する恐れがある。いくつかの実施形態において、サイド通路430は、圧力解放装置または水の流れの迂回路として機能するように構成される。このため、サイド通路は、サイド通路内を通る圧力が過度であるときに2つのコネクタ410a,410bから切り離されるようなかたちで接続することができる。これは、フィルタ自体が過度な圧力によって損傷を受ける可能性があるシステムにおいても有利であり、水がコネクタ410a,410bの孔411,412を通ってフローラインから離れることを可能にする。いくつかの実施形態では、過剰な水を全て集めて所望の位置へと分岐させられるように、コネクタ10a,10bの孔411,412と流体をやり取りする関係にある貯蔵所または廃棄ラインが提供される。いくつかの実施形態では、サイド通路430全体またはその一部がフローラインから切り離され、孔411,412を露出させる。他の実施形態では、サイド通路は切り離される必要はなく、その代わり、増圧下で「破裂」することによって、水をフローラインから逃すための別の出口を提供する。
図10Bは、どのようにしてフィルタフロー指示計を組み立てられるかを示している。先ず、側孔411,412を穿つことによって、プラスチックコネクタ410が準備される。プラスチックコネクタ410は、次いで、フィルタ420を間に挟んで2つのコネク
タ410a,410bで押し付けるかたちで接合される。次いで、サイド管430に、プラスチックボール440が挿入される。サイド管アセンブリは、次いで、溶接または押圧のいずれかによって、コネクタアセンブリの孔411,412に接続される。
温度過昇および電気的短絡の場合に必要とされる電気的切り放しを提供するために、光フィルタ制御システムを使用することができる。例えば、システムは、重り物体が停止ピンに到達したときに水の流れが自動的に停止するように構成することができる。
<実施例7>
光フィルタフロー指示計
ラボ用品店で容易に入手可能な部品を使用して、光フィルタフロー指示計を組み立てることができる。フィルタコネクタユニットは、コネクタユニットの内側にぴたりとはまる0.2μmのフィルタに接続される。各コネクタの側面に、孔が穿たれる。2インチのポリエチレン管に、ポリプロピレンをコーティングされた赤くて小さいステンレス製のボールが装着される。この管は、また、水の流入する側から離れた端に、停止ピンを装着される。管の各端は、次いで、フィルタコネクタユニットに装着され、適切な接着剤を使用して固定される。
<実施例8>
光フィルタフロー指示計の動作
この実施例は、飲料から微粒子を除去するために使用されるフィルタ装置を監視するために、どのようにフィルタフロー指示計を使用できるかを示している。市販の水ろ過カートリッジ装置が、水のフローライン上に装着される。サイド通路は、フローライン内のフィルタのいずれかの側に接続され、透明なポリエチレン管で作成される。サイド通路は、小さいボールを含み、更に、水の流れから離れた端に停止ピンを含む。このサイド通路の部分は、垂直に向いている。液体を1ガロン毎分の流量でフィルタを通って移動させるために、ポンプが使用される。
先ず、その特定のフィルタにあわせてフロー指示計を較正することができる。清浄なフィルタおよび清浄な水を使用して、そのフィルタに、所望の流量で水を通過させる。サイド通路内に、様々なサイズおよび重さのボールを配置し、所望の流量の際に、それらのボールがどこに静止するかをテストする。サイド通路から落ちず、且つサイド通路の上方部分へと停止ピンに向かって追い立てられることのない、一連のボールが選択される。フィルタは、次いで、「詰まった」フィルタと取り換えられ、システムに、再び水が流される。サイド通路の上方部分へと移動して、停止ピンの近くまたは停止ピンに達するボールが選択される。
水を効率的にろ過するフィルタの能力は、ボールの位置に基づいて、ユーザが視覚的に監視することができる。ボールが停止ピンに当たるときは、フィルタが詰まったことを示している。この場合は、ろ過を停止して、フィルタを交換または洗浄することができる。
飲用水のミネラル含有量を回復させるための装置
本発明のいくつかの実施形態において、浄水に所望のまたは特定の味を与えるための装置が提供される。これは、望ましくない不純物について生産水の純度を維持しつつ、自然の風味を有利に提供することができる、リバースフィルタの使用を通じてなされる。リバースフィルタは、湧き水によく見られる成分またはミネラルを含有することにより、これらの成分またはミネラルを化学的に浄化された水に加えなおし、味を向上させることができる。当業者ならばわかるように、これは、本明細書において説明される浄化システムに続いて使用される場合に、とりわけ有利である。しかしながら、ここで説明される装置は、例えば蛇口、水飲み器、または容器などで別途使用することもできる。
図11は、リバースフィルタとともに使用されうる各種の構成要素を示している。これらは、例えば、凝縮器510、導電率計520、コネクタ管530,550、リバースフィルタ540、および生産水タンク560を含む。
風味付けシステムは、少なくとも1種の可溶性ミネラルを含有するミネラルリバースフィルタ540、すなわち「リバースミネラルフィルタ」を含むことができる。当業者ならばわかるように、味で知られる多くの湧き水には、マグネシウム、カルシウム、カリウム、およびナトリウムなどの特定のイオンが含まれる。また、高級な湧き水には、炭酸塩、重炭酸塩などの特定のアニオン、およびときには何らかの硫酸塩も含まれる。このため、浄水に適量のこれらのまたはその他のミネラルを加えなおす装置を使用することによって、望ましくない汚染物質は含まないものの水に味または風味を加えるこれらのミネラルは依然として有するような水を実現することができる。
リバースミネラルフィルタは、アンダルサイト(紅柱石):Al2OSiO4、灰長石:CaAl2Si23、直閃石:(Mg,Fe)7Si322(OH,F)2、燐灰石:Ca5(PO43(OH,F,Cl)、黒雲母:K(Mg,Fe)3AlSiO310(OH,F)2、緑泥石:(Mg,Al,Fe)12(Si,Al)820(OH)16、コーディエライト(菫青石):Al3(Mg,Fe)2Si5Al218、ドロマイト(白雲石):CaMg(CO32、ホーンブレンド(普通角閃石):(Ca,Na,K)2-3(Mg,FeFe3+Al)5Si6(Si,Al)222(OH,F)2、マグネサイト(菱苦土鉱):MgCO3、かんらん石:(Mg,Fe)SiO4、およびタルク(滑石):Mg3Si410(OH)2など、湧き水の水源によく見られる岩盤類を含むことができる。
使用することができる他の組成は、次の表3で見ることができる。
Figure 2009500164
表3は、世界中の様々なミネラルウォータによく見られるイオンを含有するいくつかの無機塩類について、溶解度積データを含む溶解度の値をまとめたものである。表1の使用を通じて(およびその他の化合物のその他の既知の化学的特性を通して)、異なる各種の塩を、自然界に見られる任意のミネラルウォータの組成を再現する割合で組み合わせることができる。当業者ならばわかるように、正確な量および組み合わせは、具体的に望まれる最終生産物に応じて可変である。
リバースミネラルフィルタ40は、上記のミネラルの1種または2種以上を含むことが好ましく、また、このようなミネラルまたはその他のミネラルの組み合わせであることも可能である。本発明のいくつかの実施形態において、リバースミネラルフィルタは、化学的に純粋な水のミネラル含有量を回復させ、その金属イオンと非金属イオンとの比を天然の湧き水に見られるそれに似せるために使用することができる。通常、このような水は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、およびカルシウムイオンを、数百万分の1(ppm)から100ppmの濃度で、より好ましくは1〜10ppmの濃度で含有する。このような水は、また、重炭酸塩、炭酸塩、硫酸塩、および塩素などのアニオンを、金属カチオンの濃度と同様の濃度で含有する。当業者ならば、選択された各ミネラルを適量供給し、ミネラルウォータまたは湧き水に似た生産物を得ることができるであろう。また、ガスなどのその他の所望のミネラルも、システムに容易に追加することができる。また、所望の生産水を実現するために、水のpH、硬度、およびリン含有量を調節することができる。また、例えば鉄、ヨウ素、銅、フッ化物、亜鉛、およびこれらの任意の組み合わせを含む微量元素の存在および量を調整することもできる。
ミネラルは、水へのミネラルの溶解能力、すなわちその溶媒和特性に基づいて、標準サイズに摩砕される。ミネラルの摩砕は、また、ミネラルの表面積を増大させること、およびリバースフィルタに加えられる各成分のサイズをより良く制御することを可能にする。粒子のサイズは、それらの粒子が水中にイオンを解放する能力を変えることができる。これは、ひいては、生産水中に存在するミネラルの最終的な濃度を変えることができる。当業者ならば、生産水中のミネラルを所望の量にするため、選択された各タイプのミネラルについて、使用に適した粒子のサイズを決定することができるであろう。
所望のミネラルウォータとして様々なものが考えられるので、どのリバースフィルタの詳細も、とりわけミネラルの量およびサイズについては、大幅に可変である。考慮すべき一般的要素は、フィルタを通る浄水の流量、ならびに水およびフィルタの温度を含む。具体的な所望のタイプの生産水について、必要とされるミネラルの種類、各ミネラルがどれだけ必要であるか、必要とされる各ミネラルの相対量、ならびに各ミネラルの比溶解度および絶対溶解度が決定される。例えば、比較的溶解度が低いが生産水中に比較的多量存在することを求められるミネラルは、フィルタ中に多量存在させるとともに比較的細かく摩砕することができる。議論されたように、各種ミネラルの粒子のサイズは可変である。いくつかの実施形態において、ミネラルの粒子のサイズは、100nmから1mまでの幅があり、より好ましくは1ミクロンから1cmまでであり、更に好ましくは10ミクロンから1mmまでであり、もっと好ましくは100ミクロンから1mmまでである。もちろん、適切な場合には、より大きいサイズおよびより小さいサイズが可能である。当業者ならばわかるように、例えば10cmから1mまでのような大きいサイズは、家庭用のシステムには通常は不適用であると考えられる。好ましいサイズは、それら特定のミネラルの溶解度の関数であることが可能である。溶解度は、ミネラルの粒子のサイズが非常に小さいとき、すなわちミネラルが細かく摩砕されたときは大きくなる。摩砕作用は、ミネラルの格子を歪めさせ、高エネルギのサイトを形成する。これらは、より水に溶解しやすいサイトである。当業者ならばわかるように、天然のミネラルウォータは、これらのミネラルを通って流れることによって自然に得られるので、同じ結果を実現するには、異なる条件下ではあるが、浄化された水を同じ種類のミネラルを通って流れさせる手法を用いることができる。
ミネラルは、不溶性のものとして一般に分類されるが、この分類は、絶対的な観点ではなく相対的な観点に基づいている。例えば、固体は、普通、もし水中の濃度が0.1モル/l未満であれば不溶性であるとして分類される。しかしながら、より正確な溶解度の測定方法は、所定の流体中における溶解度積またはイオン化定数のいずれかの観点に基づく。いずれも、所定の固体に接触したときの、単位体積当たりの可溶化またはイオン化された種の量を測定する。
上で列挙されたミネラルは、かなり広い範囲の溶解度を有する。したがって、いくつかの実施形態において、ミネラルは、異なる速度で水中にイオンを解放することにより、リバースミネラルフィルタの寿命を確実に長持ちさせることができる。いくつかの実施形態において、リバースフィルタから失われた任意のミネラルは、摩砕された追加のミネラル材料をリバースフィルタのハウジングに流し込むことによって、容易に交換することができる。他の実施形態では、ミネラルの機能性が終了したときに、リバースフィルタカートリッジ全体を交換することができる。いくつかの実施形態では、ミネラル自体をリバースフィルタの別々の領域に含ませ、各種類のミネラルごとに別々の水の流れを通らせる。あるいは、ミネラルを混ぜ合わせ、それら全部に1つの水の流れを通らせることができる。当業者ならばわかるように、ミネラルが無くなったためにリバースミネラルフィルタがこれ以上機能しなくなると、多くのミネラルがあるべき大きさより小さくなり、水の味を異ならせるようになるので、リバースミネラルフィルタ自身もその能力を失う。
水中にミネラルを解放する速度は、温度、ミネラル粒子のサイズ、システムのpH、存在するミネラルの量、およびその他の要素など、多くの要素をともなうことができる。当業者ならば、所望の効果を実現するために、加えられるミネラルの量を決定することができるであろう。また、水がミネラルと接触した状態にとどまる継続期間、水をミネラル粒子に接触させる力、およびミネラル粒子が互いに強制的にぶつかりあって壊れることによって自身の表面積を更に増大させられるか否かなど、その他の要素も、風味付けされた水の中に存在する最終的なミネラルの量に影響を及ぼすことができる。
いくつかの実施形態において、リバースフィルタは、上記の1つまたは2つ以上の要素を増大または減少させるように設計される。このため、例えば、いくつかの実施形態において、リバースフィルタは、純水の溶解能力を向上させるように加熱される。
当業者ならば、ミネラルの種類、ミネラルの量、使用されるミネラルの溶解度、および使用される摩砕されたミネラル粒子の適切なサイズを決定することができるであろう。当業者ならばわかるように、ミネラル以外の他の化合物も、水に風味を加えるために使用することができる。また、空気などのガス、または炭酸化を可能にするための二酸化炭素を加えることも、あるいはレモン、オレンジなどの天然の風味を加えることもできる。このような化合物は、「風味付け化合物」と総称される。リバースフィルタ容器540の中に見られるこれらの風味付け化合物(ミネラルベースのものまたはそれ以外のもの)は、「常在粒子」と称される。当業者ならばわかるように、本明細書は、風味付け化合物として主にミネラルについて論じているが、これらの実施形態の多くでは、その他の風味付け化合物も使用することができる。
いくつかの実施形態において、最終的な水は、「ミネラルウォータ」に類似し、約250ppmまたはそれを上回る総溶解固形分を含有する。ミネラルは、浄化された水に加えられるので、最終的な水は、技術的には「ミネラルウォータ」と見なされないが、その他のあらゆる面で同じであることができる。いくつかの実施形態において、最終的な水は、「低ミネラル含有量」を有し、500ppm未満の総溶解固形分(TDS)含有量を有する。他の実施形態において、最終的な水は、500〜1500ppmのTDS含有量を有する。更に他の実施形態において、最終的な水は、「高ミネラル含有量」を有し、1500ppmを超えるTDS含有量を有する。
いくつかの実施形態において、リバースフィルタは、特定のタイプのミネラルウォータと同じミネラル含有量を有する生産水を得られるように構成される。例えば、リバースフィルタは、71mg/mlのカルシウム、7.5mg/mlのマグネシウム、2.7mg/mlのナトリウム、1.0mg/mlのカリウム、0.2mg/mlのフッ化物、0.01mg/mlの鉄、0.01mg/mlの亜鉛、221mg/mlのTDS、190mg/mlのCaCO3、および7.7のpHを有する水を生産するように構成することができる。このような水は、MOUNTAIN VALLEY(登録商標)の湧き水と同じ味がする。当業者ならばわかるように、例えばARROWHEAD(登録商標)、CALISTOGA(登録商標)、DEER PARK(登録商標)、ICE MOUNTAIN(登録商標)、OZARKA(登録商標)、PERRIER(登録商標)、S. PELLEGRINO(登録商標)、ZEPHYRHILLS(登録商標)、およびVITTEL(登録商標)など、任意のミネラルウォータを作ることもできる。
ミネラルまたはその他の風味付け化合物は、水に対する化合物の溶解能力を変えるために、様々に処理することができる。例えば、上述されたように、ミネラルは、風味に加えるために、より小さく摩砕することができる。いくつかの実施形態において、ミネラルは、水に対する溶解能力を変えるために、加熱または冷却することができる。ミネラルまた
はその他の化合物は、溶解速度を増大または減少させるために、追加の化合物で処理する、または追加の化合物と混ぜ合わせることができる。同様に、いくつかの実施形態において、ミネラルまたは風味付け化合物は、ミネラルまたは化合物を滅菌することができるオートクレーブまたは装置で処理することができる。
もし必要であれば、リバースミネラルフィルタは、任意の適切な材料のケースで囲うことができる。代表的なケース材料は、ガラス、金属、プラスチック、ポリエチレン、ポリプロピレン、石、セラミック、ゴムなどを含むが、これらに限定されない。当業者ならばわかるように、リバースフィルタは、一端に設けられた純水のための入口と、もう一端に設けられた風味付け処理を経た水のための出口と、ミネラルを保持するための本体とを含む、比較的単純な容器であることが可能である。
いくつかの実施形態において、出口は、摩砕されたミネラルは保持するが水を通すには十分に大きいような孔を有するスクリーンまたはフィルタで覆われる。1つの実施形態において、スクリーンの孔は十分に小さく、水を飲む人がわからないほど小さい粒子のみを通過させる。いくつかの実施形態において、スクリーンを通って飲用水に流れ込むことができる小さいサイズのミネラル粒子の形成は、フィルタに前もって水を通しておき、最初にリバースフィルタ内にあるこれらの小さい粒子を全て取り除いておくことによって処理される。
いくつかの実施形態において、リバースフィルタは、2次粒子フィルタを含む。上述されたスクリーンは、初期のサイズの粒子を通過させて貯蔵タンクすなわち貯蔵容器に入らせるのを阻止するのに十分な小ささの区分を有するが、サイズが小さくなって上記の初期スクリーンを通過できるようになった使用済みの粒子を捕獲するために、2次スクリーンを使用することも可能である。この2次フィルタは、様々な位置に配置することができ、生産水タンクの後でも可能である。しかしながら、これは、リバースフィルタの後かつ生産物タンクの前に配置することが好ましい。
いくつかの実施形態において、チャンバは、水がリバースフィルタから出るために通過しなければならない距離を延長する一連の管を含む。これらの管は、摩砕されたミネラルで満たすことができる。管の追加は、水がミネラルと接触した状態でいられる期間を長くすることができる。他の実施形態において、チャンバは、リバースフィルタ内における水の流れを変えさせて、風味付け化合物の溶解を増やすための、様々な構造を有する。いくつかの実施形態において、リバースフィルタは、浄化された水にガスを溶解させなおすための、エアレーションユニットを含む。いくつかの実施形態では、二酸化炭素も水に加えられる。二酸化炭素は、風味付けのために少量加えることができる、あるいは水を「発泡させる」ために十分な量を加えることができる。
図11に示されるように、比較的純粋な水は、リバースフィルタの底部から入り、リバースフィルタの全長を通って上昇し、リバースフィルタの上部を通って生産水タンクへと出ていくことができる。これは、水がリバースフィルタから出る前に、水で容器を飽和させることを可能にする。代替の実施形態において、水は、リバースフィルタの上部を通って入り、底部を通って出ていく。代替の実施形態において、リバースフィルタは、水平に配置され、水は、一方の垂直サイドから他方の垂直サイドへと流れる。当業者ならばわかるように、これらの実施形態は、それぞれ特定の利点を有することができる。例えば、リバースフィルタの底部から水が出る構成は、システムを通った水を除去することができる。このため、リバースフィルタ内の淀んだ水がミネラルを溶解しつづけて風味の過飽和状態になる事態が回避される。あるいは、図11に示される実施形態においても、リバースフィルタと導電率計との間の管30の基部にドレインおよび弁を追加することによって、同じ結果を実現することができる。
いくつかの実施形態において、リバースフィルタ540は、図11に示されるように、より大きなシステムの一部である。システムは、蒸気を液体に変換するための凝縮器510と、結果得られる水の中に含まれるイオンの量を監視するための導電率計520と、その後に続くリバースフィルタ540と、生産物タンク560とを含むことができる。導電率計520は、ミネラル鉱石によって良い風味を付与される前の水の純度を保証するために使用することができる。凝縮器510、導電率計520、およびリバースフィルタ540をつなぐために、コネクタ管530,550を使用することができる。コネクタ管530,550は、例えば金属、ガラス、ポリプロピレン、プラスチック、またはその他の材料など、任意の適切な材料で作成することができる。浄化された水を貯蔵するための生産水タンク560も示されている。当業者ならばわかるように、生産物タンクは、例えば高容量タンク、個々の水用ボトル、またはひいては水飲み用コップなど、様々な形態をとることができる。
システムは、例えば家庭用水源の一蛇口に取り付けるなど小規模に作成することも、あるいは商業規模の浄水処理に使用するために拡大することもできる。このように調製された水は、後の使用に備え、例えば瓶に詰めて貯蔵することができる。
いくつかの実施形態において、ミネラルによって水に風味を付けするためのキットが提供される。キットは、リバースフィルタのケースである容器と、予め摩砕され個別の容器に詰められたミネラルの品揃えとを含む。ユーザは、フィバースフィルタから得られる水の味をカスタマイズするために、様々なミネラルを様々な分量でケースに加えることができる。いくつかの実施形態では、どのミネラルがどのような特有の風味を有するかを特定した味チャートが、キットとともに提供される。
<実施例7>
リバースフィルタユニットの用意
ミネラルの組み合わせは、1のアンダルサイト(Al2OSiO4)と、1のドロマイト(白雲石)(CaMg(CO3))と、2分の1の黒雲母と、2分の1のマグネサイト(菱苦土鉱)と、2分の1のコーディエライト(菫青石)(Al3(Mg,Fe)2Si5Al218)とを、およそ100nmのサイズの粒子に摩砕することによって調製される。材料は、混ぜ合わされ、ポリプロピレンで作成された5インチ×4インチのリバースフィルタケースユニットに詰められ、該ケースユニットは、使用に先立って、室温で貯蔵される。商業的に浄化された水が、20ml毎分の流量でフィルタ装置に通される。この技術を使用することによって、水の風味を変えることができる。
<実施例8>
リバースフィルタユニットおよびその使用方法
黒雲母とマグネサイトとを使用して、ミネラル配合が用意される。ミネラルは、50nmなどの適切なサイズに摩砕される。摩砕されたミネラルは、5フィート×10インチの金属ケースに詰められる。摩砕されたミネラルを所定位置に保持するため、入口フィルタおよび出口フィルタが追加される。クエン酸と重炭酸カリウムとの混合を含有する第2のリバースフィルタが追加される。このため、水との接触によって発生する二酸化炭素ガスが、生産物水に部分的に取り込まれる。
水は、次いで、脱ガス器、ボイラ、デミスタ、そして最後に凝縮器を通って流れることによって浄化される。この浄化された水(イオンを取り除かれ、ミネラルを取り除かれ、非粒状化されている)は、20ml毎分の流量で金属ケースを通って流れされる。水は、最初は、リバースフィルタを通って流れることができるあらゆる粒状物質をリバースフィルタから除去するために流される。
流量を制御し、生じうるあらゆる圧力変化を調節することができるように、ミネラルフィルタの入口側に、圧力モニタが設けられる。入口の純度は、導電率計によって測定され、水に流れ込むミネラル化の量は、システムの出口側にある導電率計によって測定される。水は、生産物水タンクへと流れ込み、そこから更に調節され、瓶に詰められる。この方法を使用することによって、黒雲母鉱泉水の風味を有する高品質の浄化された水が調製される。
<実施例9>
所望の味にあわせてリバースフィルタの構成要素を調節する
当業者ならば、特定のミネラル、それらの量、およびそれらのミネラル粒子の相対サイズの選択が、所定の成分リストおよび溶解度表をともなう各種の計算を通じてなされることがわかるであろうが、成分は、更なる反復プロセスの中で選択することもできる。
先ず、ドロマイト(白雲石):CaMg(CO3)などの単純なミネラルから開始し、同ミネラルの中間サイズの粒子をリバースフィルタのチャンバに加えることができる。次いで、ドロマイトを含有するリバースフィルタに水を通らせ、水の味見をすることができる。もし風味が強すぎる場合は、ミネラルは、種類は同じだが、よりサイズの大きい粒子からなるミネラルと交換することができる。もし風味が弱すぎる場合は、これらのミネラル粒子は、より多量の粒子、またはよりサイズの小さい粒子、またはそれらの両方と交換することができる。更に、他のミネラルについても、同じリバースフィルタ内において上記のステップを繰り返すことによって、水を更にカスタマイズすることができる。
いくつかの実施形態において、パーツおよび実施形態(例えばデミスタ、フィルタフロー指示計、およびリバースフィルタを含む)を本明細書において開示された、水を浄化するためのシステムは、更なる有利な特徴を提供するために、他のシステムおよび装置と組み合わせることができる。例えば、システムは、2005年5月2日付けで出願され「SOLAR ALIGNMENT DEVICE(ソーラーアライメント装置)」と題された米国仮特許出願第60/676870号、2005年7月6日付けで出願され「VISUAL WATER FLOW INDICATOR(可視水フロー指示計)」と題された米国仮特許出願第60/697104号、2005年7月6日付けで出願され「APPARATUS FOR RESTORING THE MINERAL CONTENT
OF DRINKING WATER(飲用水のミネラル含有量を回復させるための装置)」と題された米国仮特許出願第60/697106号、2005年7月6日付けで出願され「IMPROVED CYCLONE DEMISTER(改良されたサイクロンデミスタ)」と題された米国仮特許出願第60/697107号、2004年12月1日付けで出願されたPCT出願第US2004/039993号、2004年12月1日付けで出願されたPCT出願第US2004/039991号、2003年12月2日付けで出願された米国仮特許出願第60/526,580号、2003年12月2日付けで出願された米国仮出願第60/526,530号、2003年12月2日付けで出願された米国仮出願第60/526,580号、2005年10月19日付けで出願された米国特許出願第11/255,083号、2006年4月28日付けで出願されたPCT出願第PCT/US2006/015859号、2005年5月2日付けで出願された米国出願第60/676,870号、2006年3月3日付けで出願された米国仮出願第60/778,680号、2006年3月3日付けで出願された米国仮出願第60/779,201号、2005年10月14日付けで出願された米国仮出願第60/727,106号、および2005年12月7日付けで出願された米国仮出願第60/748,496号で開示された、任意の装置または方法とともに使用することができる。これらの各文献は、参照により本明細書に全体を組み込まれるものとする。
当業者ならば、これらの方法および装置が、目的を実施するとともに上記の狙いおよび利点ならびに他の様々な利点およびメリットを得るように、適合されることがわかるであろう。本明細書において説明されるこれらの方法、手順、および装置は、好ましい実施形態を目下のところ表している代表的なものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。当業者ならば、本発明の趣旨に含まれ且つ開示内容の範囲によって定められる変更およびその他の用途を想定できるであろう。
当業者にとっては、本明細書に開示されている発明に、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく様々な置き換えおよび変更を加えられることが明らかであろう。
当業者ならば、本明細書に明記された本発明の態様および実施形態が、互いに別々に実施されても、あるいは互いに共同で実施されてもよいことがわかる。したがって、別々の実施形態の組み合わせもまた、本明細書において開示される発明の範囲内である。
全ての特許および刊行物は、あたかも各刊行物が参照により組み込まれることを個々に具体的に明記されたように、同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
説明のために本明細書に記載されている発明は、任意の1つまたは複数の要素、1つまたは複数の限定がなくても実施することができ、これは、本明細書では具体的に開示されていない。使用されている用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用されたものであり、このような用語および表現の使用は、図示および説明されている特徴またはそれらの一部の等価の形態を排除することを意図していない。開示されている本発明の範囲内において、様々な変更が可能であることがわかる。このため、好ましい実施形態および随意の特徴によって本発明が具体的に開示されてはいるものの、当業者ならば本明細書において開示されている概念の変更および変形を採用することができること、そしてこのような変更および変形は開示によって定められた本発明の範囲内であるとみなされることが理解されるべきである。
浄水システムの1つの実施形態の正面図である。 浄水システムの1つの実施形態の正面断面図である。 予熱器の詳細を示した図である。 脱ガス器の詳細を示した図である。 蒸発チャンバの詳細を示した図である。 サイクロンデミスタの詳細を示した図である。 浄水システムの1つの実施形態の制御回路構成の図である。 代表的な脱ガス器装置の断面図である。 代表的なデミスタ装置の図である。 代表的なデミスタ装置のボイラ内部における位置を示した図である。 代表的なフィルタフロー指示計の概略および組み立ての図である。 本発明のいくつかの実施形態において使用される各種アイテムの例、およびそれらの位置関係を示した図である。また、本発明の代表的な1つの実施形態の組み立ての方法も示している。 本発明の代表的な装置の概略図である。

Claims (24)

  1. デミスタチャンバを備えるデミスタであって、
    デミスタチャンバは、
    蒸気のための入口と、
    廃棄蒸気のための第1の出口と、
    清浄な蒸気のための第2の出口と、
    を含み、
    前記デミスタチャンバの少なくとも第1の表面は、沸騰チャンバ内に含まれる、または沸騰チャンバと直接境を接している、デミスタ。
  2. 請求項1に記載のデミスタであって、
    前記デミスタチャンバの前記第1の表面は、熱を伝える材料を含む、デミスタ。
  3. 請求項1に記載のデミスタであって、
    前記デミスタチャンバの前記第1の表面は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、およびステンレス鋼からなる群より選択される金属を含む、デミスタ。
  4. 請求項1に記載のデミスタであって、
    前記デミスタチャンバの容積の少なくとも50%は、前記沸騰チャンバ内に含まれる、デミスタ。
  5. 請求項1に記載のデミスタであって、
    前記デミスタチャンバの容積のおよそ100%は、前記沸騰チャンバ内に含まれる、デミスタ。
  6. 請求項1に記載のデミスタであって、
    前記デミスタチャンバの全表面のおよそ100%は、前記沸騰チャンバ内に含まれる、デミスタ。
  7. 請求項7に記載のデミスタであって、
    前記チャンバは、不良断熱体である材料を含む、デミスタ。
  8. デミスタチャンバを備えるデミスタであって、
    前記デミスタチャンバは、
    蒸気のための入口であって、ボイラからの蒸気が前記デミスタチャンバ内において回転運動に追い立てられるように前記デミスタチャンバ上に配置される入口と、
    廃棄蒸気のための第1の出口であって、調節可能なシャッタメカニズムを含む第1の出口と、
    清浄な蒸気のための第2の出口であって、前記デミスタチャンバの上部に位置し、調節可能な降下管を含む第2の出口と、
    を含み、
    前記デミスタチャンバは、沸騰チャンバ内に位置する、デミスタ。
  9. デミスタ内における水の凝縮を阻止する方法であって、
    デミスタの外表面に熱を供給することを備え、
    前記熱は、前記デミスタの少なくとも一部が含まれる沸騰チャンバによって供給される、方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、
    前記デミスタチャンバ内に入る蒸気を生成するため、そして前記デミスタの前記外表面を加熱するために、1つの沸騰チャンバが使用される、方法。
  11. デミスタ内における凝縮を阻止するための方法であって、
    前記デミスタの外表面に熱を加えることを備える方法。
  12. 圧力指示計であって、
    第1の容積を第2の容積につなぐサイド通路であって、前記第1および第2の容積は、フィルタによって隔てられ、前記サイド通路の内部空間は、前記サイド通路の外側から見ることができる、サイド通路と、
    前記サイド通路内を移動可能な前記サイド通路内の重り物体であって、前記移動は、前記第1の容積と前記第2の容積との間の圧力の変化に基づいて生じる、重り物体と、
    を備える圧力指示計。
  13. 請求項12に記載の圧力指示計であって、
    前記サイド通路は、垂直向きである、圧力指示計。
  14. 請求項12に記載の圧力指示計であって、
    前記重り物体は、球である、圧力指示計。
  15. 請求項12に記載の圧力指示計であって、
    前記フィルタは、浄水フィルタである、圧力指示計。
  16. 請求項15に記載の圧力指示計であって、
    前記サイド通路は、更に、選択的保持装置を含み、前記選択的保持装置は、前記重り物体が通過するのを阻むが、水の流れは大きく阻まない、圧力指示計。
  17. フィルタと組み合わされるフィルタフロー指示計であって、
    前記組み合わせは、
    水の通過を許容するように構成されたフィルタと、
    前記フィルタによって隔てられた第1および第2の容積と、
    前記第1の容積を前記第2の容積につなぐ、フィルタをともなわないサイド通路であって、前記サイド通路の内部空間は、前記サイド通路の外側から見ることができ、前記サイド通路の少なくとも一部は、垂直配置を有する、サイド通路と、
    前記サイド通路内を移動可能な前記サイド通路内の重り球であって、前記第1の容積と前記第2の容積との間の圧力の変化に基づいて前記サイド通路内を所定のポイントまで自由に移動することができる重り球と、
    水は自由に周囲を流れることができるが前記重り球はできないように、前記サイド通路の一部に渡されたピンであって、前記サイド通路内の所定のポイントを定めるピンと、
    を含む、フィルタフロー指示計。
  18. リバースミネラルフィルタであって、
    水は流れることができるが常在粒子は出ていかないチャンバと、
    前記チャンバを通る水に溶解可能な少なくとも1種のミネラルを含む常在粒子の取り合わせと、
    を備えるリバースミネラルフィルタ。
  19. 請求項18に記載のリバースミネラルフィルタであって、
    前記少なくとも1種のミネラルは、アンダルサイト(紅柱石):Al2OSiO4、灰長石:CaAl2Si23、直閃石:(Mg,Fe)7Si322(OH,F)2、燐灰石:C
    5(PO43(OH,F,Cl)、黒雲母:K(Mg,Fe)3AlSiO310(OH,F)2、緑泥石:(Mg,Al,Fe)12(Si,Al)820(OH)16、コーディエライト(菫青石):Al3(Mg,Fe)2Si5Al218、ドロマイト(白雲石):CaMg(CO32、ホーンブレンド(普通角閃石):(Ca,Na,K)2-3(Mg,FeFe3+Al)5Si6(Si,Al)222(OH,F)2、マグネサイト(菱苦土鉱):MgCO3、かんらん石:(Mg,Fe)SiO4、タルク(滑石):Mg3Si410(OH)2、およびこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、リバースミネラルフィルタ。
  20. 請求項18に記載のリバースミネラルフィルタであって、
    前記チャンバは、更に、金属、塩、ガス、酸、および塩基からなる群より選択される成分を含む、リバースミネラルフィルタ。
  21. 請求項18に記載のリバースミネラルフィルタであって、
    前記少なくとも1種のミネラルは、粒子として構成され、前記ミネラルとの接触後に前記チャンバから出る水は、開始時の水が約0ppmの総溶解固形分(TDS)を有する場合に少なくとも約250ppmのTDSを有する、リバースミネラルフィルタ。
  22. ミネラルベースの水の風味向上器であって、
    凝縮器と、
    前記凝縮器と流体をやり取りする関係にある導電率計と、
    少なくとも1種のミネラルを含有するミネラルチャンバであって、前記凝縮器および前記導電率計と流体をやり取りする関係にあるミネラルチャンバと、
    を備え、前記少なくとも1種のミネラルは、前記ミネラルチャンバを通る水を所望のミネラルウォータに似た味に風味付けするのに正しい量および粒子サイズである、風味向上器。
  23. 水に風味付けする方法であって、
    容器内において蒸気を水に凝縮させることと、
    前記凝縮された水を、ミネラルを含むチャンバに通すことと、
    を備える方法。
  24. 飲用水の浄水装置であって、
    沸騰チャンバと、
    前記沸騰チャンバと液体をやり取りする関係にある脱ガス器と、
    前記沸騰チャンバと流体をやり取りする関係にある注水管と、
    前記注水管の内側に配置された水フィルタと、
    圧力指示計であって、1)前記注水管の第1の容積を前記注水管の第2の容積につなぐサイド通路であって、前記第1および第2の容積は、前記水フィルタによって隔てられ、前記サイド通路の内部空間は、前記サイド通路の外側から見ることができる、サイド通路と、2)前記サイド通路内を移動可能な前記サイド通路内の重り物体であって、前記移動は、前記第1の容積と前記第2の容積との間の圧力の変化に基づいて生じる、重り物体と、を含む、圧力指示計と、
    前記沸騰チャンバと気体をやり取りする関係にあるデミスタであって、1)蒸気のための入口であって、前記沸騰チャンバからの蒸気が前記デミスタチャンバ内において回転運動に追い立てられるように前記デミスタチャンバ上に配置された入口と、2)廃棄蒸気のための第1の出口であって、調節可能なシャッタメカニズムを含む第1の出口と、3)清浄な蒸気のための第2の出口であって、前記デミスタチャンバの上部に位置し、調節可能な降下管を含む第2の出口と、を含み、前記デミスタチャンバは、前記沸騰チャンバ内に位置する、デミスタと、
    前記清浄な蒸気のための出口と少なくとも気体をやり取りする関係にあるリバースミネラルフィルタであって、1)水は流れることができるが常在粒子は出ていかないチャンバと、2)前記チャンバを通る水に溶解可能な少なくとも1種のミネラルを含む常在粒子の取り合わせと、を含む、リバースミネラルフィルタと、
    を備える浄水装置。
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