JP2003144821A - 活性炭フィルタ、浄水カートリッジ及び浄水器 - Google Patents

活性炭フィルタ、浄水カートリッジ及び浄水器

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JP2003144821A JP2001344775A JP2001344775A JP2003144821A JP 2003144821 A JP2003144821 A JP 2003144821A JP 2001344775 A JP2001344775 A JP 2001344775A JP 2001344775 A JP2001344775 A JP 2001344775A JP 2003144821 A JP2003144821 A JP 2003144821A
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Takahisa Ishikawa
隆久 石川
Yasuhito Nakajima
泰仁 中島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水道水中の塩素等を除去すると共に水道水中
にミネラルを供給し、さらに水道水中の細菌を殺菌する
機能も有しうる活性炭フィルタと、この活性炭フィルタ
を備えた浄水カートリッジ及び浄水器を提供する。 【解決手段】 活性炭フィルタ1は、活性炭2と、ミネ
ラル徐放性粒子3とをバインダーを用いて円筒状に成形
してなる。この活性炭フィルタ1はミネラルを徐放する
ため、飲用水にミネラルを添加する機能を有する。ミネ
ラル徐放性粒子がミネラルとしてカルシウム及び/又は
マグネシウム分を徐放するものである場合、水中の細菌
の繁殖が抑制される。ミネラル徐放性粒子として、化石
サンゴ、石灰石、珪灰石を用いた場合、カルシウム分が
適度な溶出速度で徐放する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道水中の塩素等
を除去すると共に水道水中にミネラルを供給する機能を
有した活性炭フィルタと、この活性炭フィルタを有する
浄水カートリッジ及び浄水器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般家庭において、水道水中の残留塩素
や夾雑物を除去するため、活性炭フィルタを用いた浄水
器が普及してきている。
【0003】多くの浄水器は、粒状の活性炭を充填した
浄水カートリッジを備えた構造となっており、水道水が
該浄水カートリッジ内に導入されると水道水中の塩素や
夾雑物が活性炭によって除去される。しかしながら、こ
のような構造の浄水器においては、粒状の活性炭がカー
トリッジ内で自由に動くためにいわゆる水の道ができて
しまい、水道水中の塩素や夾雑物を適切に除去できない
場合がある。
【0004】特開2001−58111号には、活性炭
を高分子量多孔質ポリマーからなる重合体結合材で固化
した多孔質の水処理器用フィルタが開示されている。こ
の多孔質フィルタは活性炭が重合体結合材で固化されて
おり、フィルタ内に水の道が生じることがない。ただ
し、この特開2001−58111号においても活性炭
の機能は溶存物質を除去するのみであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】旧来の浄水器では水道
水中のカルキ臭を除去するのみの機能で十分であった
が、近年浄水器に要求される機能は高まり、ミネラルが
添加されたおいしい水や細菌の繁殖が抑制された水が求
められている。
【0006】本発明は、市場の要求に応えるため水道水
中の塩素等を除去すると共に水道水中にミネラルを供給
し、さらに水道水中の細菌を殺菌する機能も有しうる活
性炭フィルタと、この活性炭フィルタを備えた浄水カー
トリッジ及び浄水器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の活性炭フィルタ
は、活性炭をバインダーによって固化させてなる活性炭
フィルタにおいて、ミネラルを徐放する粒子を含むこと
を特徴とする。
【0008】かかる活性炭フィルタは、活性炭と上記ミ
ネラル除放粒子がバインダーによって固化されているた
め、浄水カートリッジに用いられた場合、水の道が生じ
ることが防止される。また、該粒子からミネラルが徐放
し、処理された水にミネラルが含まれるようになる。こ
のミネラルは、該粒子の表面から少しずつ溶出するもの
であり、ミネラルの溶出効果は長期にわたって継続す
る。
【0009】ミネラルを除放する粒子としては、麦飯
石、化石サンゴ、石灰石、輝石及び珪灰石の少なくとも
1種が好ましい。
【0010】本発明では、上記のミネラル徐放性粒子は
カルシウム及び/又はマグネシウムを徐放するものであ
ってもよい。このカルシウム及び/又はマグネシウムが
少量溶け込んだ水中では、細菌の繁殖が抑制されること
が最近の研究で認められている。
【0011】カルシウムやマグネシウムを除放する物質
としては、カルシウム及び/又はマグネシウムを含む無
機物質粒子(例えば鉱物粒子)が好ましい。
【0012】本発明の浄水カートリッジは、濾材と、上
記本発明の活性炭フィルタとを組み合わせたものであ
る。このように濾材と活性炭フィルタとを有する浄水カ
ートリッジにあっては、水道水中の塩素のみならず、粒
子状の夾雑物も除去可能となるため、飲料水としてさら
に好適な水となる。また、細菌をも濾別しうる微細な濾
材を選択すれば、細菌の濾過も可能となる。
【0013】この浄水カートリッジにおいては、濾材と
して、カルシウム及び/又はマグネシウムを除放する物
質を含有する濾材を用いてもよい。この浄水カートリッ
ジによれば、濾過の際に濾材が捕捉した細菌に対しても
抗菌性を発揮し、しかも止水時おける吐水口側からの細
菌の侵入も該抗菌濾材部分で遮断される。
【0014】濾材をSiO75〜85重量%、Al
5〜10重量%及びCaO10〜20重量%を含む
多孔質セラミックとした場合には、濾材全体が抗菌性を
有するものとなり、浄水カートリッジの抗菌特性が向上
する。
【0015】本発明の浄水器は、上記活性炭又は浄水カ
ートリッジを組み込んだものである。
【0016】この浄水器は、塩素の除去機能及びミネラ
ルの供給添加機能を有していると共に、殺菌機能も有し
得る。
【0017】なお、活性炭には、その原料による分類で
植物系活性炭、石炭系活性炭、石油系活性炭等があり、
形状による分類では粒子状、粉状、繊維状があるが、本
発明においてはいずれの活性炭をも使用することがで
き、また、2種類以上の活性炭を混合してもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。まず、本発明の活性炭フィルタについて説
明する。
【0019】本発明の活性炭フィルタは、活性炭と、ミ
ネラル徐放性粒子とをバインダーを用いて所定形状に成
形したものである。この活性炭フィルタは、ミネラルを
徐放するため、飲用水にミネラルを添加する機能を有す
る。
【0020】活性炭としては、粒状活性炭、繊維状活性
炭、粉末活性炭のいずれでもよいが、活性炭粒子の流出
を少なくするために、活性炭は10μm以上とくに50
μm以上の粒径を有することが好ましい。ただし、活性
炭フィルタの空隙を少なくするために、粒径500μm
以下の粉末活性炭を配合するのが好ましい。なお、粒状
活性炭を配合することにより、活性炭フィルタの通水抵
抗を小さくすることができると共に、バインダー量を減
少させることができる。繊維状活性炭を配合した場合に
は、活性炭フィルタの強度が増大する。
【0021】ミネラル徐放性粒子としては、ミネラルと
してカルシウム分、マグネシウム分、シリカ分の少なく
とも1種を徐放するものが好適であり、特にカルシウム
分及び/又はマグネシウム分を徐放するものが好まし
い。このカルシウム分及び/又はマグネシウム分が添加
された水は抗菌作用を有することが認められている。
【0022】カルシウム分及び/又はマグネシウム分を
徐放する粒子としては、カルシウム及び/又はマグネシ
ウムの酸化物、炭酸塩、シリケート、アルミネート等の
無機粒子とりわけ鉱物粒子が好適である。このようなカ
ルシウム及び/又はマグネシウムの徐放性粒子として
は、炭酸カルシウム(鉱石としては石灰石、化石サンゴ
など)、炭酸マグネシウム、ドロマイト、マグネシアク
リンカーのほか、ワラストナイト(鉱石としては珪灰
石)、エンスタタイト、ゾノトライト、トバモライト等
のシリケートや、スピネル等のアルミネートが例示され
るが、これらは極く一例にすぎない。なお、これらのう
ち、化石サンゴ、石灰石、珪灰石は、カルシウム分の溶
出速度が適度であり、好適である。
【0023】ミネラルとしてシリカ分を溶出させる鉱物
としては、黒雲母モンゾナイト斑岩である麦飯石が好適
である。この麦飯石は、火成岩類中の斑岩に属する岩石
であり、白い長石はカオリン化(陶土化)している場合
が多く、黒雲母もほぼ酸化されて酸化鉄の形で散在して
いるのが特徴である。この麦飯石は、多孔質で吸着性に
優れ、粉末法X線回折法により25000種以上の物質
を含有し、ミネラルを溶出して水質を調整する作用を有
する。その化学組成の一例は次の通りである。 SiO 69.76% Al 14.01% Fe 1.29% FeO 1.40% MgO 3.55% CaO 2.00% Na 3.16% TiO 0.30% P 0.26% MnO 0.02% 付着水 1.06% これらのミネラル徐放性粒子の平均粒径は5〜1000
μm程度が好適である。
【0024】本発明の活性炭フィルタを製造する場合、
上記活性炭100重量部に対し、ミネラル徐放性粒子5
〜50重量部及びバインダー10〜40重量部を混合
し、金型に充填し、加熱成形すればよい。このバインダ
ーとしては、熱可塑性合成樹脂、熱硬化性合成樹脂のい
ずれでもよいが、水道水に対し不溶性であるものが用い
られる。バインダーとしては、例えば超高分子量ポリエ
チレンを用いることができるが、これに限定されるもの
ではない。
【0025】この活性炭フィルタの形状は任意である
が、浄水カートリッジに組み込む場合には、円筒状であ
ることが好ましい。
【0026】図1は、この円筒状活性炭フィルタ1の一
例を示す断面斜視図であり、符号2は活性炭、符号3は
ミネラル徐放性粒子を示している。このような円筒状の
活性炭フィルタの場合、図2の活性炭フィルタ1Aのよ
うに、内周面及び外周面に不織布4を被着させてもよ
い。このように不織布4を被着させると、粉化した活性
炭の流出が防止されると共に、活性炭フィルタ表面の保
護を図ることができる。
【0027】本発明の活性炭フィルタは、銀担持粒子な
どのカルシウム、マグネシウム以外の抗菌性粒子が配合
されてもよい。この抗菌性粒子を配合することにより、
活性炭フィルタに抗菌性が付与される。この抗菌性粒子
としては、銀担持ゼオライト、銀担持セピオライトなど
が例示される。
【0028】次に、この活性炭フィルタを組み合わせた
浄水カートリッジの実施の形態について図3を参照して
説明する。
【0029】この浄水カートリッジ5は、内周面と外周
面に不織布4を被着させた円筒状の活性炭フィルタ1B
の内孔に円筒状の濾材9を挿入配置したものである。こ
の実施の形態では、濾材9の外径は活性炭フィルタ1B
の内径よりも小さく、両者の間に濾過助材10が充填さ
れている。
【0030】活性炭2、濾材9及び濾過助材10を組み
合わせた円筒の両端は、封止部材11及び浄水器との接
合用のコネクタ12が水密的に装着されている。コネク
タ12には、通水孔12aが設けられており、この通水
孔12aが円筒状濾材9の内孔に連通している。水道水
は浄水カートリッジ5の外側領域から活性炭2、濾過助
材10及び濾材9を透過して浄水カートリッジ5の内側
の領域に流入し、通水孔12aから流出する。
【0031】濾材9は多孔質であれば植物繊維、樹脂、
金属、セラミックのいずれの材質を選定してもよいが、
本発明においては高い強度を有するセラミックが好適で
ある。この濾材9にミネラル徐放性粒子や銀担持粒子な
どの抗菌性粒子を含有させてもよい。
【0032】濾材9を特開平8−217566号公報に
記載されているような、SiO75〜85重量%、A
5〜10重量%及びCaO10〜20重量%を
含む多孔質セラミックとした場合には、濾材9全体が抗
菌性を有するようになる。
【0033】濾過助材10としては、珪藻土、ゼオライ
ト等を用いることができ、セラミックとともに再度焼成
することで濾過助材層が焼き固まり、カートリッジの扱
いが容易になる。
【0034】図4は実施の形態に係る浄水器の断面図で
ある。この浄水器13の外殻を構成するケーシング14
は、筒状のケーシング本体14bの両端に、通水口14
cを有したキャップ14aを螺じ込みにより結合したも
のである。浄水カートリッジ5は、そのコネクタ12を
一方の該通水口14cにOリング16を介して差し込む
ことによりケーシング14に同軸的に保持されている。
ケーシング14の他方の通水口は、図示していない給水
栓と連結されており、給水栓を開けることで、残留塩
素、夾雑物及び細菌を含んだ水道水が浄水器13の下部
より矢印に示す如く供給される。水道水は浄水カートリ
ッジ5の外側領域から活性炭2、濾過助材10及び濾材
9を透過して浄水カートリッジ5の内側の領域に流入す
る。この際、水道水中の残留塩素、夾雑物及び細菌が分
離・除去され、清浄水が通水口14cから流出する。こ
の清浄水は、ミネラル徐放性粒子3から溶出したミネラ
ルを含有する。なお、ミネラル成分として適量のカルシ
ウム及び/又はマグネシウムを含む場合には、抗菌作用
も発揮される。また、これにより、止水時における滞留
水中の細菌繁殖が抑制される。
【0035】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、ミネラル
徐放性粒子を含み、濾過水にミネラル成分を含有させる
ことができる活性炭フィルタと、この活性炭フィルタを
備えた浄水カートリッジ及び浄水器が提供される。な
お、このミネラル成分がカルシウム及び/又はマグネシ
ウムであると、この成分を含んだ水に抗菌性が生じ、水
道止水時の細菌の増殖を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る活性炭フィルタを示す一部を
断面とした斜視図である。
【図2】実施の形態に係る活性炭フィルタの一部を断面
とした斜視図である。
【図3】図1の活性炭フィルタを組み込んだ実施の形態
に係る浄水カートリッジの縦断面図である。
【図4】図3の浄水カートリッジを組み込んだ実施の形
態に係る浄水器の縦断面図である。
【符号の説明】
1,1A 活性炭フィルタ 2 活性炭 3 ミネラル徐放性粒子 4 不織布 5 浄水カートリッジ 9 濾材 10 濾過助材 11 封止部材 12 コネクタ 13 浄水器 14 ケーシング 16 Oリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/28 C02F 1/28 G 1/50 510 1/50 510B 520 520B 531 531E 540 540F 560 560B 1/68 510 1/68 510A 520 520D 520L 520M 520P 530 530C 540 540A 540G 540Z Fターム(参考) 4D019 AA03 BA02 BA03 BA05 BA07 BA12 BA13 BB01 BB03 BB06 BC05 BC06 CA03 4D024 AA02 AB11 BA02 BB05 CA04 CA11 DB03 DB26 DB27 4D064 AA17 BJ01 BJ04 BJ05 BJ07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭をバインダーによって固化させて
    なる活性炭フィルタにおいて、ミネラルを徐放する粒子
    を含むことを特徴とする活性炭フィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記粒子は麦飯石、
    化石サンゴ、石灰石、輝石及び珪灰石の少なくとも1種
    を含むことを特徴とする活性炭フィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記粒子はカルシウ
    ム及び/又はマグネシウムを徐放するものであることを
    特徴とする活性炭フィルタ。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記粒子はカルシウ
    ム及び/又はマグネシウムを含む無機物質の粒子である
    ことを特徴とする活性炭フィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、さらに、銀担持粒子を含有することを特徴とする活
    性炭フィルタ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の活性炭フィルタと濾材とを組み合わせてなる浄水カー
    トリッジ。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記濾材がカルシウ
    ム及び/又はマグネシウムを徐放する物質を含有するこ
    とを特徴とする浄水カートリッジ。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記濾材がSiO
    75〜85重量%、Al5〜10重量%、CaO
    10〜20重量%を含むセラミックであることを特徴と
    する浄水カートリッジ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の活性炭フィルタを組み込んだ浄水器。
  10. 【請求項10】 請求項6ないし8のいずれか1項に記
    載の浄水カートリッジを組み込んだ浄水器。
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