JP2010522081A - 浄水システム - Google Patents

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Abstract

本発明の実施態様は、浄水のためのシステム及び方法を提供する。該システムは、水蒸留システムにおけるスケール蓄積を低減させるための装置及び方法を含みうる。

Description

[関連出願]
この出願は、2007年3月21日出願の米国仮出願第60/896224号の優先権を主張する。
[発明の分野]
本発明は、浄水の分野に関する。特に、本発明の実施形態は、浄水装置からスケールを除去するシステム及び方法に関する。
従来の水源が次第に乏しくなり、自治体の飲料水分配システムが経時劣化し、増大した水の使用により源泉や貯水池が枯渇し、塩水汚染を引き起こしているので、浄水技術は、急速に、現代生活に欠くことのできない側面となってきている。加えて、例えば集約農業、ガソリン添加剤、及び毒性重金属を含む様々な行為により、水源の更なる汚染が生じている。これらの問題は、水道システム中に、ますます増加する好ましくないレベルの、病原菌、細菌、塩、MTBE、塩素酸塩、過塩素酸塩、ヒ素、水銀、また更には、飲料水を消毒するために使用される化学物質をもたらしている。逆浸透(RO)、濾過、及び化学処理のような従来の技術では、多様な範囲の水質汚染物質を殆ど処理することができない。また、それらは市販されてはいるが、許容可能な水質を達成するために、多数の処理段階又は様々な技術の組合せを必要とすることが多い。紫外線(UV)光照射又はオゾン処理など、より最近の技術は、ウィルスや細菌に対して効果的である場合があるが、溶存ガス、塩、炭化水素、及び不溶性固形物などの他の汚染物質をほとんど除去しない。また、大抵の蒸留技術は、一部の汚染物質の除去において優れていることがあるが、全ての種類の汚染物質を処理することはできないことが多い。
また現在の蒸留システムは、カルシウム、マグネシウム及び/又はホスフェートイオンを一般に含む水の蒸発と、続くこれらイオンの塩としての沈殿から生じるスケールとして知られている石灰質沈着物の問題によって悩まされている。
かかるスケール沈着物は、炭酸カルシウム又はマグネシウムあるいは対応するホスフェートの形態をとりうるが、一般に乏しい熱伝導体であり、蒸留システムにおける熱移動の効率を低下させ、また管路を塞ぎ、よってメンテナンスコストを増加させる。その結果、市販されている殆どの蒸留システムは、適切な操作のために低い硬度を指定するか、又は前提条件として硬水軟化を必要とする。
ある態様では、蒸留システムにおいて硬水を処理する機構が提供される。該機構は蒸留装置又はその部品におけるスケール形成を効果的に防止し又は低減させる。ある実施態様では、操作が安価であるという更なる望ましい特徴を有している。従って、ある実施態様では、蒸留システムにおいてスケール形成を防止する安価な方法、特に脱気(脱ガス)、デミスト(霜取り)、沸騰及び凝縮操作を含むものが提供される。
本発明のある実施態様はまた脱気、デミスト、及び水蒸発操作を含む最新の蒸留システム、並びに例えば脱気及び蒸発中における硬質スケール形成を防止する一又は複数の機構を含む。更に、本発明は、供給水の硬度にかかわりなく効果的な操作をなすように、浄水システム又はその他の機器にスケール制御機構を組み込むための様々な構成を記載する。本発明のある実施態様は、小型で再チャージ可能な水軟化装置、超音波生成器、特殊なコーティング、又は直流、交流、永久磁石、電磁石等によって発生されうる一又は複数の電磁場の少なくとも一を使用することにより、浄水におけるスケール形成を低減する方法を含む。
本発明のある実施態様は、改善された浄水システムを提供する。浄水システムは、入口、予熱器、ボイラー(蒸発チャンバー)、デガッサー(脱気装置)、デミスター、生成水凝縮器、廃棄物(夾雑物)出口、生成水出口、及び制御システムを備えることができる。制御システムは、使用者の介入又は洗浄を必要とせずに、繰り返されるサイクルを通して浄化システムの動作を可能にする。システムは、汚染された水が、表1、表2、又は表3に示されるレベルよりも最大25倍高い汚染物質類のレベルを有するとき、システムで浄化された水が、表1、表2、又は表3に示されるレベルよりも低い、全ての汚染物質類のレベルを有するように、微生物汚染物質、放射性汚染物質、金属、塩、揮発性有機物、及び不揮発性有機物を含む複数種の汚染物質類を、汚染された水試料から除去することができる。本システムの実施態様では、生成される水の体積は、入力水の体積の約20%から約95%の間とすることができる。システムは、少なくとも約2カ月間、6カ月間、1年間、又はそれ以上の使用を通して、洗浄を必要としない。
システムはまた入口を通る水の流れを調節するための入口スイッチを備えることができる。スイッチは、例えばソレノイド、弁、絞りなどとすることができる機構を備えることができる。入口スイッチは、制御システムによって制御することができる。また、システムは更に、遮断制御装置を備えることができる。遮断制御装置は、例えば、手動制御装置、溢流(フラッド)制御装置、タンク容量制御装置、蒸発チャンバー容量制御装置などとすることができる。制御システムは、蒸発チャンバーからのフィードバック及び/又はタンクフロートに基づいて入口を制御することができる。制御システムは、浄化システムからのフィードバックに基づいてスイッチを制御することができる。フィードバックは、例えば、生成水容器内の水量、生成水出口を通る生成水の流量、流水時間、非流水時間、蒸発チャンバー内の水量、漏れの検出、蒸発チャンバーの圧力、出力水の品質(全蒸発残留物)、蒸発チャンバー内の圧力差、蒸発チャンバーのオーバーフロー堰フロートなどに基づくことができる。システムはまた流量制御装置を備えることができる。流量制御装置は、圧力調整器を備えることができる。圧力調整器は、水圧を、約0kPaから250kPa(0psiから36psi)の間に維持することができる。流量制御装置は、水流を10ml/分から75ml/分の流量の間に維持することができる。システムは、堆積物トラップを備えることができる。
また、システムは、蒸発チャンバー内を通過する予熱管を有することができる。予熱管を出る水は少なくとも約96℃の温度を有することができる。予熱管は、少なくとも約15秒間の予熱管内の水の滞留時間を可能にすることができる。予熱管は、コイルを含むことができる。コイルは、実質的に水平な正味の流れを有することができ、コイルを通って移動する水は、水平面を繰り返し通過することができる。予熱管は、水蒸気(スチーム)凝縮器との熱交換を含むことができる。予熱管の少なくとも一部を、水蒸気凝縮器の少なくとも一部と同軸とすることができる。水蒸気凝縮器は、廃棄水蒸気を収容することができる。
デガッサーは、実質的に鉛直の向きとすることができ、上端部及び下端部を有する。加熱された水は、下端部近傍でデガッサーを出ることができる。本システムでは、蒸発チャンバーからの水蒸気は、下端部近傍でデガッサーに入ることができるが、上端部近傍でデガッサーを出ることもできる。デガッサーは、水と水蒸気の混合を促進するようになされた充填材(マトリックス)を備えることができる。充填材は、実質的に球形の粒子を含むことができる。しかしながら、充填材は、非球形の粒子を含むこともできる。充填材は、デガッサー内の均一な充填を可能にするように選択されたサイズを有する粒子を含むことができる。充填材はまた異なるサイズの粒子を備えることもでき、該粒子は、サイズ的勾配を以てデガッサー内に配設することができる。
本システムでは、水は、実質的に有機物及び揮発性ガスを含まないでデガッサーを出ることができる。蒸発チャンバーは、少なくとも上部セグメントと下部セグメントを備えることができ、上部セグメントの水平断面は、下部セグメントの水平断面より大きい面積を有することができる。蒸発チャンバーは、上部セグメントと下部セグメントとの間の接合部を備えることができる。接合部は、実質的に水平とすることができる。蒸発チャンバーはまた接合部に又はその上方に配することができる排水口を備えることができる。蒸発チャンバーはまた複数の粒子を含む自浄媒体を更に備え、排水口は開口部を有し、開口部は、粒子が排水口を通過できないサイズを有し、開口部は更に粒子の形状と相補的でない形状を有する。蒸発チャンバーは、少なくとも蒸発チャンバーの加熱された領域に近接する領域での沈殿物の蓄積を妨害する自浄媒体を備えることができる。該媒体は、複数の粒子を備えることができる。該粒子は、実質的に球形とすることができる。粒子はまた蒸発チャンバー内の水の沸騰による粒子の実質的に連続的な撹拌を可能にする特徴も備えることができる。この特徴は、例えば、比重、サイズ、形態、集合の数などとすることができる。粒子は、粒子又は蒸発チャンバーを実質的に侵食せずに、粒子による蒸発チャンバーの汚れ落としを可能にするように選択された硬度を有することができる。更に、粒子は、セラミック、金属、ガラス、又は石で構成することができる。粒子は、約1.0より大きく約8.0より小さい比重、又は、より好ましくは約2.0から約5.0の間の比重を有することができる。蒸発チャンバーは、蒸発チャンバーの底部に隣接する加熱部材も備えることができる。加熱部材は、蒸発チャンバーの底部に隣接して蒸発チャンバーの外側に配置することができ、加熱部材は、蒸発チャンバーに接合させることができる。加熱部材は、蒸発の底部に隣接して蒸発チャンバーの内側に配置することもできる。
デミスターは、蒸発チャンバーの上面に近接して配置することができる。蒸発チャンバーからの水蒸気は、圧力を受けてデミスターに入ることができる。デミスターは、差圧を有することができ、差圧は、125Pa以上から約2500Paとすることができる。デミスターは、サイクロン作用により廃棄水蒸気から清浄な水蒸気を分離するようになされることができる。清浄な水蒸気に対する廃棄水蒸気の比率は、約10:1より大きくすることができる。制御システムは、パラメータを調節して水蒸気の質を調整することができる。水蒸気の質は、例えば、清浄な水蒸気の純度、清浄な水蒸気に対する排気水蒸気の比率などを含むことができる。パラメータは、清浄な水蒸気の出口の凹部の位置、デミスターの両端間の差圧、水蒸気入口の流れに対する抵抗、水蒸気出口の流れに対する抵抗など、少なくとも一のパラメータを含むことができる。システムはまた生成水凝縮器用の冷却装置を備えることができ、冷却装置はファンを備えることができる。生成水凝縮器はコイルを含むことができる。生成水は、生成水出口を通って生成水凝縮器を出ることができる。システムはまた廃水凝縮器を備えることができる。廃水は、廃棄物出口を通って廃水凝縮器を出ることができる。
システムはまた生成水貯蔵タンクも備えることができる。貯蔵タンクは、少なくとも一の制御機構を含むことができる。制御機構は、例えばフロート、導電率計などを含むことができる。制御システムはまたサイクルの開始時に、選択された遅延期間中は水蒸気が生成水出口に送られないように、遅延を含むこともできる。遅延時間は、少なくとも約10分間から30分間とすることができる。制御システムは、少なくとも約10分間の、蒸発チャンバー内の水の平均滞在時間を有することができる。あるいは、制御システムは、少なくとも約45分間の、蒸発チャンバー内の水の平均滞在時間を有することができる。蒸発チャンバー内の水が廃棄部へと迅速に排水され、蓄積された不純物及び沈殿物を蒸発チャンバーから除去することを可能にするように、制御システムはまた蒸発チャンバーフラッシュを備えることもできる。
蒸発チャンバーは、蒸発チャンバーのフラッシュ時に、ある残留体積の水が蒸発チャンバーの下方部内に残るように構成することができる。システムの残留水は、次の浄化サイクルの開始中に、最初の水蒸気をデガッサーに供給することができる。本発明はまた浄水方法を含む。そのような方法は、第1の濃度で少なくとも一種の汚染物質を含む流入水源を提供する工程と、流入水の温度を約90℃より高くすることができる条件下で予熱器内に流入水を通す工程と、流入水をデガッサー内の気体の反対方向の流れに対して向流で流すことにより、本質的に全ての有機物、揮発性物質、及び気体を流入水から取り去る工程と、水を、水蒸気の形成を可能にする条件下で、10分間から90分間の平均滞在時間にわたり蒸発チャンバー内に維持する工程と、水蒸気を蒸発チャンバーからサイクロンデミスターへと排出する工程と、清浄な水蒸気の収率がデミスターからの廃棄物の少なくとも約4倍より高くなるように、デミスター内の汚染物質含有廃棄物から清浄な水蒸気を分離する工程と、清浄な水蒸気を凝縮して、第1の濃度より低い第2の濃度で少なくとも一種の汚染物質を含む浄化された水をもたらす工程とを含む。この方法では、少なくとも一種の汚染物質は、例えば、微生物、放射性核種、塩、又は有機物を含む。第2の濃度は、例えば、表1、表2、又は表3に示される濃度以下とすることができ、第1の濃度は、第1の濃度の少なくとも約10倍とすることができる。しかしながら、第1の濃度は、第2の濃度よりも、少なくとも約25倍高くすることができる。気体は、例えば、水蒸気、空気、窒素などとすることができる。本方法におけるプロセスの工程は、洗浄又はメンテナンスを必要とせずに、少なくとも約3カ月間自動的に繰り返すことができる。しかしながら、プロセスの工程は、洗浄又はメンテナンスを必要とせずに、少なくとも約1年間自動的に繰り返すことができる。
浄水システムの一実施態様の正面図である。 浄水システムの一実施態様の断面正面図である。 予熱器の詳細を示す図である。 デガッサーの詳細を示す図である。 蒸発チャンバーの詳細を示す図である。 サイクロンデミスターの詳細を示す図である。 浄水システムの一実施態様の制御回路図である。 例示的なデガッサーの断面図である。 電磁式デスケーラー装置を備えた一体化熱回収システムの図である。 水軟化装置を備えた一体化熱回収システムの図である。 水軟化装置の図である。 超音波式デスケーラー装置を備えた最新式蒸留システムの図である。
本発明の実施態様を、幾つかの例では例示的な形態で、あるいは一又は複数の図面を参照することによってここに開示する。しかしながら、特定の実施態様のそのような開示は例示に過ぎず、本発明の完全な範囲を示すものではない。
本発明のある実施態様は、様々な蒸留システムの様々な表面上のスケール蓄積を防止する装置(コーティング(被覆)を含む)及び方法を含む。本明細書では、蒸留システムの一般的な説明を最初に記載し、ついでスケール低減装置及び方法の特定の態様を記載することによって様々な実施態様を概説する。ついで、本明細書では、スケール除去の実施態様を適用できる特定の蒸留装置の様々な例示的実施態様を概説する。
蒸留システム
本発明のある実施態様は、浄水のためのシステム、方法、及び装置を含む。好ましい実施態様は、全自動化され、非常に長い期間にわたって洗浄も又は使用者の介入も必要としない広い範囲の浄水を提供する。例えば、ここに開示されるシステムは、2、4、6、8、10、又は12カ月間、あるいはそれ以上にわたって、使用者による管理も介入も伴わずに稼動することができる。好ましい実施態様では、システムは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15年間、あるいはそれ以上にわたって、自動的に稼動することができる。
よって、本発明のある実施態様は、入口、予熱器、デガッサー、蒸発チャンバー、デミスター、生成水凝縮器、廃棄物出口、生成水出口、及び制御システムを少なくとも有する浄水システムを提供し、ここで、出口を出る生成水は実質的に純水であり、生成される生成水の体積は流入水の少なくとも約10%、15%、又は20%であり、制御システムは、繰り返しサイクルにより使用者の介入を必要とせずに、浄化システムの動作を可能にする。好ましい実施態様では、生成される生成水の体積は、流入水の体積の少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、又は99%、あるいはそれ以上である。よって、本システムは、流入水の獲得及び/又は排水の処理に比較的高い費用又は不具合が伴う条件で非常に有益である。本システムは、単位流入水又は排水当たりの生成水の生成に関して、多くの他のシステムよりも顕著に高効率である。
異なる実施態様では、実質的な純粋な水は、任意の汚染物質について、流入水より少なくとも25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、250、500、750、1000倍、又はそれ以上高い純度まで浄化された水であるという基準の何れかを満たす水でありうる。他の実施態様では、実質的に純粋な水は、流入水中に存在する複数の汚染物質に関して、上記レベルのうちの一つまで浄化された水である。すなわち、これらの実施態様では、水の純度又は質は、一連の一又は複数の汚染物質の濃度の関数であり、実質的に純粋な水とは、流入水中のこれらの汚染物質の濃度が、生成水中の同じ汚染物質の濃度に比べて、例えば25倍又はそれ以上の比率を有する水である。
他の実施態様では、水の純度は導電率によって測定することができ、超純水は、典型的には約1μジーメンス未満の導電率を有し、蒸留水は典型的には約5の導電率を有する。かかる実施態様では、生成水の導電率は、一般に約1から7の間、典型的には2から6、好ましくは約2から5、2から4、及び2から3の間である。導電率は、全蒸発残留物(TDS)の尺度であり、塩、イオン、ミネラルなどに関する水の純度の良好な指標である。
あるいは、水の純度は、例えば表1及び表2に列挙される現在のEPA(米国環境保護庁)基準、並びに表2に列挙されるような他の認められた基準など、様々な基準によって測定することができる。従って、本発明の好ましい実施態様は、例えば表1に列挙される何れかの汚染物質を含む広範囲の汚染物質から、一又は複数の汚染物質の何れかを減少させることができ、ここで、最終的な生成水は、「MCL」と標識された列で指定されたレベル以下の、そのような汚染物質のレベルを有し、流入水は、指定されたMCLより最大約25倍多い、そのような汚染物質のレベルを有する。同様に、幾つかの実施態様では、幾つかの汚染物質に関して、本発明のシステムは、流入水がMCL又は生成水の30、40、50、60、70、80、90、100、150、250、500、1000倍、又はそれ以上のより高い汚染を有する場合に、汚染物質をMCLレベルまで除去することができる。
流入水から汚染物質を除去するためのシステムの処理容量は、ある程度は流入水中の総不純物レベルの関数であるが、本発明のシステムは、単一の供給流からの多種多様な種類の複数の異なる汚染物質の除去に特によく適しており、蒸留した水に匹敵し、場合によっては超純水に匹敵する水を生成する。表1の「負荷水(Challenge Water)」の列は、EPA試験において使用される水中の汚染物質の濃度レベルを含むことに留意のこと。本発明の浄水システムの好ましい実施態様は、典型的には、この列に列挙される量より多量の初期汚染物質を除去することができる。しかし、当然ながら、「負荷水」の列に記載されるレベルに相当する汚染物質レベルも同様に本発明の実施態様の容量の範囲内に十分含まれる。
Figure 2010522081
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水の純度及び/又は浄化性能の効率は、システムが多種多様な汚染物質を除去する能力に基づいて決定することができる。多くの生物的汚染物質については、目的は、実質的に全ての生存する汚染物質を除去することである。表2は、源水の更なる一般的な汚染物質と、汚染物質レベルを試験するための標準的プロトコルを列挙する。表1及び表2に列挙されるプロトコルは、一般的な汚染物質に対するハイパーテキスト転送プロトコルwww.epa.gov/safewater/mcl.html#mcls;飲用水中の有機化合物の測定方法(Methods for the Determination of Organic Compounds in Drinking Water)、EPA/600/4−88−039、1988年12月、1991年7月改訂、にて公的に入手可能である。方法547、550、及び550.1は、飲用水中の有機化合物の測定方法−補足I、EPA/600−4−90−020、1990年7月、に含まれる。方法548.1、549.1、552.1、及び555は、飲用水中の有機化合物の測定方法 補足II、EPA/600/R−92−129、1992年8月、に含まれる。方法502.2、504.1、505、506、507、508、508.1、515.2、524.2、525.2、531.1、551.1、及び552.2は、飲用水中の有機化合物の測定方法−補足III、EPA/600/R−95−131、1995年8月に含まれる。方法1613は、「同位体希釈HRGC/HRMSによるテトラないしオクタ塩素化ダイオキシン及びフラン(Tetra-through OctaChlorinated Dioxins and Furans by Isotope-Dilution HRGC/HRMS)」、EPA/821−B−94−005、1994年10月という題名である。上記はそれぞれ、その全体を出典明示によりここに援用する。
Figure 2010522081
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好ましい実施態様では、入口スイッチは、浄化プロセス用の追加の水をシステムが受けることができることを指示する信号を受け取ったときに作動される(開かれる)ソレノイドである。より多くの流入水の要求のそのようなフィードバックは、例えば、蒸発チャンバー内の水位、生成物貯蔵タンク内の水位、デガッサーに入る予熱された水の温度、蒸発チャンバーを出る蒸気の温度又は体積などを含む、システムの様々なポイントからもたらされうる。同様に、ソレノイドタイプのスイッチに代わる様々な代替物、例えば、弁、絞り、ぜん動式の管圧縮機構及び栓、圧電スイッチなどを、当業者は利用することができる。
流量制御装置に関して、流量制御装置は任意で、圧力を変えることによりシステム内への水の流れを調節することができ、そのような圧力変化は、流入水をより多く要求するシステム内の検出などにより信号を受けることができる。この流量の可変制御は、流量の二値制御よりはむしろ、システムにおけるある種の効率性の獲得を可能にしうる。
他の制御及びフィードバックポイントは、例えば、システムの任意のポイントにおける水質の検出、システムの任意のポイントにおける水又は水蒸気の体積の検出、システムの故障を示す漏れ又は温度の検出などを含めて、システムの自動化された機能において更なる利益をもたらしうる。システムの実施態様は、全てのそのような制御及び制御の組合せを考慮する。それらは例えば、溢水、貯蔵タンク容量、蒸発チャンバー容量などの検出の制御を含む。様々な実施態様では、フィードバックは、定性的及び/又は定量的なものとすることができる。これらは、例えば、生成水容器内の水量、生成水出口を通る生成水の流れ、流水時間、非流水時間、蒸発チャンバー内の水量、漏れの検出、蒸発チャンバーの圧力、出力水の品質(例えば、全蒸発残留物の測定値など)、蒸発チャンバーにおける又はシステムの他の地点間の圧力差、蒸発チャンバーのオーバーフロー堰フロートを横断する水の流れなどを含む。
電力が供給され、システムがオンにされると、システムは、本質的にシステム耐用期間中を通して完全に自動制御されるように構成される。システムは、正常な状況下での使用者の介入が不必要となるように、溢流を回避し、水流量、圧力、出力、及び洗浄サイクルを調整するための様々なフィードバック機構を備える。これらの制御装置には、蒸発チャンバー内のフロートレベル検出器、サイドフロートスイッチ、タイマー、ファンスイッチ、及び電力計がある。
遮断制御装置は、手動制御装置、貯蔵タンクに隣接するシステムの基部内のフロート又は湿度検出器とすることができる溢流制御装置、タンク容量制御装置、及び蒸発チャンバー容量制御装置を含む。流入水及び他のパラメータの二値のオン/オフ切替を提供する制御装置に加えて、システムは更に、例えば、圧力又は体積に基づく流量制御装置、圧力調整器など、可変制御装置を考慮する。好ましい実施態様では、圧力調整器は、流入水の圧力を、例えば0から250kPaの間となるように調整することができる。他の実施態様では、圧力は、10、20、30、40、50、75、100、125、150、175、200、225、275、300、350、400、450、又は500kPa、あるいはそれ以上とすることができる。圧力の調整は、任意で他のパラメータの調整と組み合わせて、システム内の水流の体積及び速度を低減させることができる。例えば、圧力調整をシステムの寸法と組み合わせて、5ml/分から1000ml/分の間、又はそれ以上の水の流量を提供することができる。本明細書に記載されるシステムは、主に比較的小規模の水の生成に関して説明しているが、該システムは、如何なる体積の水の生成にも拡大縮小可能である。従って、水流の体積に上限はない。しかしながら、例示的な流量は、10〜500ml/分、20〜400ml/分、30〜300ml/分、40〜200ml/分、50〜150ml/分、60〜125ml/分、70〜100m/分、80〜90ml/分などの範囲を含む。
システムは、堆積物によるシステムの早期の汚損を回避するために、流入水から堆積物を除去することができる堆積物トラップを更に備えることができる。多種多様な堆積物トラップが当該分野で知られており、本発明のシステムと共に使用するために選択することができる。同様に、使用者の介入及び洗浄の必要性を最低限に抑えるために、堆積物トラップ自体が自浄特性を有することができる。例えば、堆積物トラップは、回転スクリーンを有することができ、汚損されたスクリーンから新しいスクリーンへの回転を、この装置の両端間の水圧の差によって駆動することができ、それにより、スクリーンは、蓄積された堆積物に関する一定の飽和状態に到達したとき、堆積物によって汚損されていないスクリーンに切り換えられる。幾つかの実施態様では、スクリーンを本来横断する流れと反対方向に水がスクリーンを横断するように、汚損されたスクリーンを水の流路内に配置し、堆積物を廃水通路又は排水口へと除去することができる。従って、本明細書で開示されるシステムは、従来の堆積物トラップ並びに自浄式堆積物トラップの使用を考慮する。
浄水システムの予熱機能は、好ましくは予熱管を含む。しかしながら、この機能は、システム内に流入する水が約90℃以上の温度でデガッサーに到着するという結果をもたらす限り、多くの異なる方法で実施することができる。したがって、予熱機能は、例えば、円筒管、螺旋、平坦なプレート又は分岐したネットワーク、内容積に対する表面積の高い比率を可能にする設計を有する何らかの種類の中空構造、管腔間の壁部を横断する熱交換を可能にする、より大きい又はより小さい管腔と同軸の管腔など、多くの異なる形態で実施することができる。
好ましい実施態様では、予熱管は、蒸発チャンバーの近傍又は蒸発チャンバー内部を通過し、また、予熱管を通る流入水の流量が予熱管内の水温を約90℃以上に上昇させるのに十分となる、蒸発チャンバー内又は近傍での様々な滞留時間を可能にするように構成される。システムの規模、及びシステムの水の処理量に応じて、予熱機能は、効率的な熱交換を可能にする材料及び構成からの利益を受けることができる。あるいは、幾つかの実施態様では、構造の耐久性、空間的考慮、メンテナンスの容易性、材料の入手性又は費用、並びに他の要件が、本発明のこの態様における設計上の選択に影響を及ぼしうる。
好ましい実施態様では、予熱機能は、熱伝導率が比較的低いにも関わらず有利な耐久特性を有するステンレス鋼管である。そのような実施態様では、ステンレス鋼管は、熱源と管内の水との間の熱交換の効率を向上させるような、壁厚、内径、及び他の特性を備える。特に好ましい実施態様では、予熱管は、蒸発チャンバー内を通過するコイルである。好ましくは、コイルの向きは水平であり、コイルに出入りする水は、蒸発チャンバー内で大体同じ高さにあり、コイル内を通過する水はコイル内で、水と気泡の混合を助け大きい泡の合体を回避する一連の上下運動を受ける。大きい気泡のそのような合体は、大きい泡が、予熱器を通るデガッサー内への水の正常な流れを妨げる可能性があり、及び/又はデガッサーの正常な機能を妨げる可能性があるという点で、一般に望ましくない。しかしながら、ある実施態様では、デガッサーの機能は、流入水から来る大量の水蒸気に耐えるために十分強固であり、そのような実施態様では、予熱機能の設計は、そのような合体の回避を特に問題にする必要はない。
幾つかの実施態様では、システムは、例えば高高度など非標準的な環境条件下で有利に機能することができる。高高度では、水の沸点は100度未満であり、従って、蒸発チャンバーへの通常の加熱速度で、より大量の水蒸気が発生し、システムにおけるより高い処理量が可能になる。そのような実施態様では、予熱温度も影響を受ける可能性があることは明らかである。蒸発チャンバー温度がより低いと、例えば管を、同じ流量でより大きい体積を有し、又は同じ体積でより少ない流量を有するように構成することにより、予熱管内の水の滞留時間をより長くすることを可能にすることによって、所望の温度までの予熱を達成することができる。しかしながら、蒸発チャンバー内の水蒸気発生レベルが高められるので、ほとんどの実施態様では、有利な滞留時間及び所望の予熱温度を達成するために予熱管内の流量を低く調節することは好ましくない。これは、より多量の水蒸気発生は、より高い流入水の要求を伴うことを意味するからである。
予熱管が他の管と同軸である実施態様では、システムの任意の高熱部分と低熱流入水との間の熱交換が生じる可能性がある。そのような熱交換は、同軸領域の構造によって決定される可能性があり、例えば熱交換材料の壁厚構成などの因子により大幅に影響を受ける可能性がある。好ましい実施態様では、水蒸気の凝縮は、流入水との熱交換によって達成され、廃棄水蒸気又は生成水蒸気からの過剰な熱を、より低温の流入水へと伝達することを可能にし、予熱機能を助け、幾つかの例では、蒸発チャンバー内のより短い滞留時間及び/又はシステムを通る水のより大きい総流量を可能にする。また、そのような熱交換の更なる利点は、エネルギー効率が高められること、システムから周囲環境内に出る過剰な熱がより少ないことである。同軸構成の代替態様は、例えば隣接する平坦なプレートなど、熱交換能力の任意の従来の構造を含み、究極的には、高温水から低温水へのエネルギーの伝導を可能にする、高温の水又は水蒸気を低温の水に隣接して配置する如何なる構造も、熱交換効果を達成することができ、本発明の一実施態様として考えられる。
デガッサーの性能における主要なファクターは、質量移動比、すなわち、垂直なデガッサー内で下方に進む水の質量と比較した、上方に移動する水蒸気の質量である。実際、脱気機能は、気体を用いた水の質量移動の逆流を可能にする様々な構成を用いて達成することができる。幾つかの実施態様では、気体は水蒸気であり、他の実施態様では、気体は、空気、窒素などとすることができる。水と蒸気との混合の速度及び活動度は、デガッサーカラム媒体のサイズ、構造、及び詰込み、並びに媒体の粒子間の空洞体積による影響を受ける。好ましい実施態様では、媒体の粒子は、螺旋を形成するように充填される。デガッサーの性能は、そこを通る水蒸気及び水の速度及び体積による影響を受け、これらは、水蒸気入口及び出口オリフィスのサイズ、水の流量などの因子によって制御することができる。デガッサーの機能及び設計に関する有用な情報は、Robert Williams著「The Geometrical Foundation of Natural Structure:A Source Book of Design」,ニューヨーク、Dover社、1979年に提供されており、これは出典明示によりその全体が本明細書に援用される。
従って、給水流量の制御、予熱管内の大きな水蒸気泡の回避などは、デガッサーの効率的な機能を助けることができる。これらのパラメータが所望の範囲内にない場合、デガッサー内で溢流又はジェッティング(噴流)が生じる可能性がある。流入水の溢流は、デガッサー内の水の詰まりを形成し、ジェッティングは、水を水蒸気と共にデガッサーの外に噴射し、それらは何れもデガッサーの性能を妨げる可能性がある。従って、溢流及びジェッティングを最低限に抑える、水の流入と蒸気の流出との間の良好なバランスを有する領域内で操作することが望ましい。本発明の実施態様のデガッサーは、多くの従来のデガッサーのように厳密に一種の汚染物質を除去するように設計されていないことが特に重要である。その代わりに、デガッサーは様々な汚染物質を非常に有効に除去する。流入水が例えば1ppmの汚染物質を有する典型的な設定下では、プロセスは、50、40、10、5、2、又は1ppbまでの減少の達成を図る。
蒸発チャンバーは、システムの所望の処理量、またシステム設計に影響を及ぼすファクターに基づいてなされる他の設計上の選択に基づいて、本質的に任意のサイズ及び構成とすることができる。例えば、蒸発チャンバーは、約1ガロン又は2〜10ガロン、11〜100ガロン、101〜1000ガロン、又はそれ以上の容積容量を有することができる。本発明のシステムは、完全に拡大縮小可能であるので、蒸発チャンバーのサイズは変えることができ、所望に応じて選択することができる。同様に、蒸発チャンバーの構成も、所望に応じて変えることができる。例えば蒸発チャンバーは、円筒形、球形、矩形、又はその他任意の形状とすることができる。
好ましい実施態様では、蒸発チャンバーの下部は、チャンバの上部断面より小さい断面積を有するように段差が付けられている。段差の上方は、排出時に残留水が段差の下方に留まるように、好ましくは排水口である。蒸発チャンバーの段差の下方の部分はまた、排水後に全ての洗浄媒体及び幾らかの残留水が下方部分内で保持されるように、洗浄媒体を収容することもできる。下方部分の利点は、蒸発チャンバーの迅速な排水後に、蒸発チャンバーを再び加熱し、最初の新しい流入水が蒸発チャンバー内に到着する前に、蒸気の迅速な発生を可能にすることができることである。この水蒸気の初期発生は、新しいサイクルが開始するときに、デガッサーを通る蒸気の流れが定常状態に到達することを可能にし、これは、流入水の効率的な脱気に有利である。同様に、蒸発チャンバー内の残留水は、蒸発チャンバー自体及び自浄媒体の耐久性及び安定性に不利益となる可能性がある蒸発チャンバーの乾熱を回避する。
幾つかの実施態様では、蒸発チャンバーを重力のみによって排水し、他の実施態様では、蒸発チャンバーの排水はポンプ作用によって駆動される。堆積物、塩、及びその他の粒子などの沈降を回避するために、蒸発チャンバーを迅速に排水することが望ましい。迅速な排水は、好ましくは30秒未満程度であるが、余り迅速でない排水でも依然として、沈降を回避するという所望の利益を実質的に達成することができる。
自浄媒体は、任意の適当な多数の代替物から選択することもできる。そのような代替物は、ガラス又はセラミックのビーズ又はボール、石、様々な形状の任意の合成構造体などを含む。全ての例において、自浄媒体の特性は、沸騰水による撹拌によって自浄媒体の個々の粒子が移動させられるが、そのような移動に自浄媒体の物理的特性が勝り、各粒子を蒸発チャンバーの底部へと再び落としてぶつけ、何らかの堆積物又は被膜を除去するように選択される。例えば、比較的高い比重を有するが比較的小さい面積対体積比を有する自浄媒体は、より低い比重を有するが比較的より高い面積対体積比を有する第2の自浄媒体とほぼ同様の態様で機能することができる。それぞれの例において、当業者は、所望の結果を達成するために、形態及び組成の組合せを選択することができる。幾つかの実施態様では、例えば超音波エネルギーの適用など、自浄のための代替アプローチが用いられる。
自浄媒体の設計上の選択における他の考慮要件は、その硬度である。一般に、硬度は、蒸発チャンバーを構成する材料の硬度と大体同様となるべきである。これは、媒体、又は蒸発チャンバーの壁部もしくは底部の大幅な侵食を伴わずに、自浄媒体を長期間にわたり持続的に使用することを可能にする。蒸発チャンバーの加熱部材が蒸発チャンバーの内部にある幾つかの実施態様では、加熱部材並びに蒸発チャンバー自体への侵食及び/又はその他の損傷を回避するように、自浄媒体の硬度及び他の特性を選択することができる。
蒸発チャンバー及び蒸発チャンバー洗浄媒体の構造によってもたらされる自浄機能により、本発明の実施態様のシステムは、正常な耐用期間中の洗浄を必要としない。幾つかの実施態様では、洗浄は、2、3、4、5、又は6カ月間にわたり必要とされない。他の実施態様では、洗浄は、9、12、18、24、30、又は36カ月間にわたり必要とされない。他の実施態様では、洗浄は、4、5、6、7、8、9、10年間、又はそれ以上にわたり必要とされない。
加熱部材は、蒸発チャンバー内、蒸発チャンバーの真下の何れかに配置することができ、又は蒸発チャンバーと一体化することができる。例えば、好ましい実施態様では、加熱部材は、蒸発チャンバーの底部の真下に配置され、例えばロウ付けなどにより蒸発チャンバーの底部に接合される。加熱器を蒸発チャンバーに取付ける方法は、自浄媒体の洗浄及び撹拌、並びにシステムの効率に影響を及ぼす可能性がある。半田付けにほぼ匹敵するロウ付けは、異なる金属への合金融合を形成するプロセスであり、加熱部材から蒸発チャンバーへの非常に密接な接触及び熱伝導を可能にする。好ましい実施態様では、加熱部材及び蒸発チャンバー底部は、好ましくは水への熱移動用の、また好ましくは自浄機能用の水平プレートを形成する。
蒸発チャンバー内の水の滞留時間は、流入水の性質及びシステムの所望の性能に基づく範囲内で変化させることができる。適当な範囲は、生物的汚染物質が流入水中に存在するかどうかを含む様々な因子によって決定することができる。生物的汚染物質の有効な除去では、蒸発チャンバー内で高温に曝露される時間の長さを可変とすることを必要とすることができる。幾つかの生物的汚染物質は、他の生物的汚染物質よりも高温からより急速に影響を受けやすい。多くの実施態様では、10分ほどの短い滞留時間が、ほとんどの生物的汚染物質を死滅させるのに十分である。他の実施態様では、より広範囲の生物的汚染物質をより完全になくすために、より長い滞留時間が望ましいことがある。蒸発チャンバー内の滞留時間の範囲の上限は、通常、選択された体積の水を沸点に維持するために必要なエネルギーに対する生成水の所望の生成率に関する効率性の検討によって決定される。従って、蒸発チャンバー内の滞留時間は、例えば10、15、20、25、30、35、40、45分など、水が沸点に到達し水蒸気として放出されるのに必要な最短時間から、生物的汚染物質の除去に有利な時点までとすることができる。更に、例えば50、60、70、80、90分又はそれ以上など、より長い滞留時間を、幾つかの実施態様において選択することができる。
蒸発チャンバーを出る蒸気には、一般に、粒子、堆積物、及び他の汚染物質が存在しない。しかしながら、沸騰作用は、例えば空気/水界面にて形成されるミストの微小液滴上の表面上などの、幾つかの汚染物質を気相中に運ぶ可能性がある。デミスターを用いて、そのような汚染物質を持つミストから清浄な水蒸気を分離することができる。水蒸気をサイズ及び移動度に基づいてミストから分離するための、スクリーン、バッフルなどを用いるものを含めた種々のデミスターが当該分野で知られている。好ましいデミスターは、サイクロン作用を用いて水蒸気を密度差に基づいてミストから分離させるものである。サイクロンは、流体又は気体を半径方向の運動で高速に動かし、流体又は気体の成分に遠心力を加えるという原理に基づいて作用する。従来のサイクロンは、幾つかの例では、角加速度を助けることができる円錐部分を有する。しかしながら、好ましい実施態様では、該システムにおいて使用されるサイクロンデミスターは、円錐部分をもたず、その代わり基本的に平坦である。サイクロン分離の効率を制御する主要なパラメータは、蒸気入口のサイズ、清浄な蒸気用及び汚染物質をもつミスト用の2つの出口のサイズ、並びに入口点と出口点との間の差圧である。
デミスターは通常、蒸発チャンバー内又は蒸発チャンバー上方に配置され、蒸発チャンバーからの蒸気が入口オリフィスを通ってデミスターに入ることを可能にする。そのようなオリフィスを通ってデミスターに入る蒸気は、主に蒸発チャンバーとデミスターとの間の差圧及びオリフィスの構成の関数である初速度を有する。通常、デミスターの両端間の差圧は、約0.5から10水柱インチ、すなわち約125から2500Paである。入口オリフィスは、一般に、サイクロン内への水蒸気の進入に対する著しい抵抗をもたらさないように設計される。ついで水蒸気は、例えば入口オリフィスより大幅に狭い加速オリフィスを通過することによって、更に加速することができる。高速状態で、ミストよりも相対的に密度が大幅に低い清浄な水蒸気はサイクロンの中心に向かって移動するが、ミストは周辺に向かって動く。サイクロンの中心に配置された清浄な蒸気出口は、清浄な水蒸気のための出口点を提供し、サイクロンの周辺近傍に配置されたミスト出口は、デミスターからのミストの流出を可能にする。清浄な蒸気は、デミスターから凝縮器へと進むが、ミストは排出されることになる。通常の動作では、清浄な水蒸気対ミストの比は、少なくとも約2:1であり、より一般的には、3:1、4:1、5:1、又は6:1であり、好ましくは、7:1、8:1、9:1、又は10:1であり、最も好ましくは、10:1より大きい。デミスターの選択度は、例えば清浄な蒸気出口の位置及びサイズ、デミスターの両端間の差圧、デミスターの構成及び寸法などを含む幾つかのファクターに基づいて調節されることができる。デミスターの設計に関する更なる情報は、「IMPROVED CYCLONE DEMISTER」という名称の、2005年7月6日出願の米国仮特許出願第60/697107号において提供され、これは出典明示によりその全体が本明細書に援用される。本明細書で開示されるデミスターは、サブミクロンレベルの汚染物質の除去において極めて効率的である。これに対して、例えばスクリーン型及びバッフル型など、他の設計のデミスターは、サブミクロンレベルの汚染物質の除去における効率が大幅に低い。
生成及び廃棄水蒸気は、通常、システム内で凝縮される。過剰な熱を、ヒートシンク、ファン、熱交換機、又はヒートパイプによって排出することができる。凝縮する水蒸気から流入水へと熱を伝導するためのヒートパイプに関する議論は、出典明示によりその全体が本明細書に援用される「ENERGY−EFFICIENT DISTILLATION SYSTEM」(代理人整理番号SYLVAN.010A)という名称の2006年10月16日出願のPCT特許出願第PCT/US2006/040553号に提供されている。
凝縮されて純水となった生成蒸気は、例えば生成水出口又は貯蔵タンクへと運ばれる。貯蔵タンクは、腐敗又は酸化に耐性のある任意の適当な組成物のものとすることもできる。貯蔵タンクの好ましい組成物は、ステンレス鋼、ポリプロピレンを含めたプラスチックなどを含む。幾つかの実施態様では、貯蔵タンクは、オーバーフローを回避し、及び/又は水位を検出するための制御装置を備える。そのような制御装置は、流入水の流れ及び/又はシステムの他の機能を、生成水の生成が要求に対応するように弱めることができる。貯蔵タンクに入る生成水は、極めて清浄であり、基本的に殺菌されているが、外部汚染物質がタンク内に入りその純度を損なう場合に備えて、任意の洗浄/殺菌機能を貯蔵タンク内に設けることが望ましいことがある。
制御システム全体にフィードバックするための様々な制御装置が、貯蔵タンク内に存在することができる。好ましい実施態様では、これらの制御装置は、流入水の流れを制御するためのフィードバック用のフロートスイッチ、及び生成水中の溶解固形分を検出するための導電率計を備えることができる。通常の動作では、生成水中の溶解固形分は極めて低くなる。しかしながら、例えば齧歯類又は昆虫などにより汚染物質が貯蔵タンク内に入れられていた場合、それによりもたらされる汚染によって水の導電率が上昇する。導電率計は、そのような導電率の上昇を検出し、貯蔵タンクの蒸気殺菌サイクルを開始することが望ましいかもしれないという指示を提供することができる。制御システムは、貯蔵タンクから水を排水し、貯蔵タンク内に蒸気を連続的に供給して貯蔵タンクを洗浄及び殺菌し、水浄化サイクルを再開する能力を有することができる。これらの操作は、本発明の様々な実施態様では、手動制御又は自動制御することができる。
水は、貯蔵タンクから蛇口など出口へと移送することができ、そのような移送は、重力によって、及び/又はポンプによって媒介することができる。好ましい実施態様では、ポンプは、出口からの水の流れが十分かつ一定となるように出口での一定の圧力を維持する、オンデマンドポンプである。出口ポンプは、タンク内の水位が臨界レベルより低い場合にポンプの空運転を回避するように、貯蔵タンク内のセンサによって制御することができる。
スケール蓄積の低減
本発明の幾つかの実施態様は、蒸留システムの表面におけるスケール蓄積を防止するための様々な方法と装置を含む。例えば水中のスケール形成イオンの組成のような処理される水の特性に応じて、これらの方法の一又は複数を単独で又は互いに組み合わせて使用することができる。当業者には明らかなように、様々なデスケーラー装置を様々な蒸留装置の多くの様々な部分に適用することができる。例えば、ここに記載されるチャンバー又は流路の何れもここに開示されたデスケーラー装置の幾つかから恩恵を得ることができる。よって、様々なデスケーラーの幾つかを特定のチャンバーに適用して示しているが、当業者であれば、それらを蒸留システムの他の液体含有部分においてもまた同様に有益でありうることが分かるであろう。
スケール形成を防止する一方法は、蒸留器中へ流入する水流に電磁場を重ね合わせ、予熱器に含まれる水に同様の電磁場をかけることによるものである。電場又は磁場はイオン化した種、特に高濃度のカルシウム、マグネシウム及びホスフェートイオンを含む水溶液中に見出されるものを励起する。かかるイオンが励起されると、硬度の高いスケール形成において通常遭遇するものとは異なる結晶学的形態で沈殿する。例えば、カルシウムイオンは、カルサイトの代わりにアラゴナイトの形態で沈殿し、アラゴナイトは固体表面に顕著に少ない度合いで付着するか、及び/又は懸濁液中に維持するのが容易な密度が薄く柔らかい固相を形成する。スケール制御の機構は電場又は磁場に対して同様であり、よって任意の形態の電磁エネルギーが同様の効果を有する。しかしながら、ある実施態様では、一対の電極に印加される電圧は、水の電気分解による電気損失を防止するのに十分に小さい。この量は、例えば10ボルト未満、5−6ボルト未満、又は1−2ボルト未満である。本発明の一実施態様は、一又は複数の電極対、例えば水伝導度を測定するのに使用されるものを、スケール制御と同時の電気伝導度の測定の二重の目的のために提供する。よって、ある実施態様では、電子デスケーラーを使用することができる。利用でき、可変量の電圧を用いることができ、例えば電圧範囲をミリボルト未満、ミリボルトから1ボルト、又はそれ以上にできる広範囲の電磁装置がある。
図9は、二つの電磁セルを有する先進蒸留システムの好ましい実施態様を示している。一つのセルは給水管に配されて給水管に接触し、第二のものは沸騰チャンバー又はボイラーに接触している。図9に図示された実施態様では、供給水308は水入口324を経由してシステムに入り、電磁デスケーラー321が水308中に存在しているイオンを励起し、上述の機構に従ってスケールを低減させる。供給水308は、この実施態様では第二の電磁デスケーラーを含んでいるボイラー318中に流入する前に、水予熱用のヒートパイプ306によって加熱され得る。水は蒸発してスチームになり、続いてデガッサー307に入り、そこでデガッサー307から出る排気ガス310からのエネルギーがヒートパイプ306を経由してボイラー318中の水に移動させられ得る。蒸気はまたデミスター315に入り、これが更に廃棄物質を除去し、清浄なスチーム325を生成し、これが蒸気コンプレッサー315に入る。清浄なスチーム325は冷凍ループ322において冷却され、生成水タンク323に貯蔵される生成水になる。ある実施態様では、デスケーラーは、例えば所定の期間にわたってスケールの蓄積を1−10、10−20、20−40、40−50、50−55、55−60、60−70、70−80、80−90%又はそれ以上低減させることによって、スケールの量を顕著に低減させることができる。
図9に記載の実施態様は、脱気、デミスト、水蒸発、熱回収、及び硬質スケール形成の制御(又は低減)を含む先進の蒸留システムの多くの可能な構成例の一つであることは当業者には明らかなはずである。ある実施態様では、電磁場は、永久磁石又は電磁石によって、あるいは交流電流によって発生される。更に、ある実施態様では、蒸留システムは、より多くの又はより少ない電磁セルを含んでいてもよく、例えば一つのセル、又は三、四、五又はそれ以上のセルである。例えば、水入口又はボイラーに接触し、又は例えば生成タンクにおけるような他の位置で水に接触する複数のデスケーラーがあってもよい。従って、本発明はここに記載された好ましい実施態様の特定の開示によって限定されるものではない。
硬質スケール形成を防止する他の方法は、蒸留システムと組み合わせて水軟化装置を使用することによる。一般的な水軟化装置は、イオン交換樹脂を使用してカルシウム又はマグネシウムイオンをナトリウムイオンに交換することによって機能する。かかる樹脂材料のイオンを交換する能力は樹脂の組成、その表面積、作用している時間によって決まる。イオン交換樹脂がそのナトリウムイオンの供給を終える程度まで、それらは塩ブライン溶液中で再チャージされうる。しかしながら、一般的な水軟化器は、樹脂をブラインで再チャージする頻度を最小にするために十分な樹脂を含むように設計されているため、嵩張る。ある実施態様は、使用者の介入なしに(又は少ない介入で)再チャージすることができる小型の水軟化システムを提供する。これは、樹脂ビーズの表面積を、樹脂ビーズが均一に200メッシュ以下、好ましくは325メッシュ以下のサイズになるように制御し、一つのキャニスターが流入水を軟化し、少なくとも他の一つがリザーバーからの塩ブラインで再チャージされ、人の介入又はメンテナンスを未然に防ぐように、イオン交換樹脂の少なくとも2、3、4又はそれ以上のキャニスターを設けることによって、達成される。
図10は、小型で使用者の介入を防ぐ(又は低減させる)新規な水軟化装置を具備せしめることによって、硬質スケール形成が防止され又は低減される浄水システムの実施態様を示す。図10中、水軟化装置401は蒸留システムの一体部品であり、流入水流のすぐ後に設けられている。
図11は、水軟化装置401の詳細を示す概略図である。図11中において、水は流入口308を通じて装置に入り、バルブ330(例えばソレノイドバルブ)によって2つの分岐流路の一方に向けられる。ソレノイドバルブ330は、イオン交換樹脂が満たされた少なくとも二つのキャニスター331及び332の間で水の流れを周期的に切り替えるタイミング装置に接続されている。樹脂材料332はサイズが200メッシュ未満、好ましくはサイズが325メッシュ未満であり、よって十分に微細であり、カルシウム及びマグネシウムイオンをナトリウムイオンに効果的に交換するために必要な表面積をもたらす。イオン交換キャニスターを通過後、水は、軟水が蒸留システムの予熱段階に入るのを可能にするバルブ330を通過して流れる。流入水は一つのキャニスターにおいて軟化される一方、使用された樹脂を含む他のキャニスター331は、貯蔵タンク332から重力によって流れる濃縮塩水で洗い流され、イオン交換キャニスターが次のサイクルのために再チャージされる。10−20、20−30、30−40、40−50、50−60、60−70、70−80、80−90、90−100、100−1000、又はそれ以上の時間でありうる予め決められた時間間隔の後に、バルブ330が切り替えられ、流入水を再チャージされたキャニスターに分岐させ、途切れることのないイオン交換装置の稼働が達成される。
調節することができる水軟化装置に関与する様々な変数があることは当業者には分かるであろう。例えば、各キャニスター331のサイズは各キャニスター中に存在する樹脂の量とその平均表面積に依存し、バルブ330の切替え頻度は存在する樹脂の量とそのサイズに依存する。
硬質スケール形成が防止され又は低減される浄水システムの他の実施態様は、システム中の水に接触し又は関連する少なくとも一つの超音波生成器を含む。超音波生成器は、例えばボイラーであり得る予熱器中の水に接触し、システムのこの機器における硬質スケール形成を防止又は低減させうる。他の実施態様では、デガッサー中の水に接触し、デガッサーにおける硬質スケール形成を防止又は低減させうる。更なる実施態様では、システムは、予熱器又はボイラー中で水に接触する超音波生成器とデガッサー中で水に接触する第二の超音波生成器を具備し、システムの双方の機器における硬質スケール形成を防止し又は低減させうる。水は非圧縮性流体であるので、音の伝導には優れた媒体である。図12は、超音波生成器336によってボイラー中の水に超音波エネルギーを印加することによって硬質スケール形成が防止され又は低減される浄水システムの実施態様を示す。超音波装置によって発生される音の周波数は変動し得、例えば約80cpsから1メガヘルツ又はそれ以上の周波数を含みうる。
スケールは、水中におけるその溶解度が温度と共に減少し、その水中における濃度が沸騰作用と共に増加するので溶液から沈殿する炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸鉄、及び他の相対的に不溶性物質からなる鉱物性堆積物からなる。水中の炭酸カルシウム(スケールの一般的成分)の溶解度は温度の増加と共に減少する。
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸鉄、及び他のスケール形成化学物質のような物質の結晶格子は、超音波エネルギーを受けているときに振動する。超音波エネルギーが結晶格子の固有振動数に類似している振動数を含む場合、スケール結晶は共鳴し、振動の振幅が増加するにつれて、その結晶の一部が壊れ、よってスケール結晶のサイズを低減させうる。炭酸カルシウムや類似のスケール形成化学物質のような物質は、それらが共鳴し得る多重周波数を有している。C. Lacave等(全体が出典明示によりここに援用されるLacave等, Measurement of Natural Frequencies and Damping of Speleothems, 12 WCEE, 2000)は、主として炭酸カルシウムから構成される石筍及び鍾乳石の固有振動数を研究し、その固有振動数が、物質の寸法に応じて約53Hzから766Hzの範囲であることを見出した。他の固有振動数は700KHzか又はそれ以上と高い。
好ましい実施態様では、超音波生成器は、53、65、70、78、100、115、118、122、163、173、175、182、196、205、209、376、433、435、448、531、492、666、700、766Hz、又は770KHzと高いか、又はそれ以上の範囲又はその倍数である周波数、又は上述の値の何れかより上、又は下又はその間の周波数を発生することができる。
硬質スケール形成が防止され又は低減される浄水システムの他の実施態様は、デガッサー壁面及びビーズ及びボイラーの内表面のように硬質スケールが付着しうる表面に特殊なコーティングを施すことを含む。スケール形成物質、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸鉄及び他の化学物質はイオン性物質である。例えば、スケールを含む分子中のカルシウム又は鉄イオンは電気的に正である陽イオンであるが、その分子中の炭酸塩又はリン酸塩イオンは負である陰イオンである。静電力が、互いの分子の吸引において、また表面を構成する分子中に電荷が不均等に分布しているステンレス鋼又はガラスビーズのような極性表面へのかかる分子の最初の付着に対して役立つ。ステンレス鋼及びガラスにおける電気極性は、それぞれ金属及びケイ酸塩構造から由来する。ステンレス鋼の場合、材料の表面中の鉄、ニッケル及びクロムが実際に陽イオンとして作用し、スケール形成物質が引き付けられる極性化した正荷電表面をもたらす。ガラスの場合、ガラス分子のケイ酸塩部分が実際に陰イオンとして作用し、それによって、スケール形成物質が引き付けられる極性化した負荷電表面をもたらす。
硬質スケール形成が防止され又は低減される浄水システムのある実施態様では、ボイラー及びデガッサーの表面が非極性コーティング、例えばフルオロカーボンポリマー(例えばテフロン(登録商標)コーティング)でコートされる。デガッサーにおけるガラスビーズの表面も同様にコートし、水がデガッサーを通過して移動し、ボイラー中で蒸発させられる際に予熱された水に非極性表面を提示するようになされる。よって、流入水が硬水で又はスケール形成化学物質で硬度に鉱化された場合にはたとえスケールが沈殿しうるとしても、かかるスケールはデガッサー又はボイラーの表面に付着したり吸引されたりせず、蒸留サイクルの終わりに排出されるまで懸濁状態で維持される。
例示的な浄水システム
以下の議論は、本発明の実施態様による例示的な浄水システムの構造的な特徴について言及する。参照番号は、図1〜図8に示される番号に対応する。
動作に際して、浄化システム10は、流入水管22に連結された入口ポート20を備え、流入水管22を通って水が入口ポート20から入口スイッチ24へと進む。入口スイッチ24は、制御システムからの、一又は複数の様々な可能なフィードバック源によって制御することができる。図示の実施態様では、スイッチ24は、制御システム120からのフィードバック、主に蒸発チャンバー50内の水位のフィードバックに基づいて開閉することができるソレノイドである。入口スイッチ24は、堆積物によるシステム10の汚損を回避するための堆積物トラップ25を備える。入口スイッチ24に隣接して、流量調整器26がある。流量調整器26は、水圧を制御し、一般に水圧を0から250kPaの間に維持することによって、流量を調整する。
水は、流量調整器26から、水を予熱器30に送達する予熱器供給管28へと出る。任意で、予備フィルターを、入口ポート20、スイッチ24、及び流入水管22、流量調整器26、及び加熱器供給管28の間の、一又は複数の場所に設置することができる。水は、入口32にて予熱器30に入り、コイル34を通り、出口36にて予熱器から出る。コイル34は、コイル34を通る正味の水流が実質的に水平の向きとなるように向けられるが、コイル34を通る水の実際の経路は、コイル34を通る上向き及び下向きの流れ、並びにコイル34のそれぞれの巻きの頂部及び底部での水平な水流を含む、水平面を通る多数の経路を伴う。このようにして向けられたコイルに温水を通すことは、気体又は蒸気の大きい泡の形成を回避することができる水の所望の混合を維持しながら、水の予熱を可能にすると考えられる。好ましい実施態様では、予熱器は、実質的に蒸発チャンバー50内に配置され、好ましくは、加熱部材56と接する蒸発チャンバーの一部に密接に近接する。
出口36にて予熱器30を出た水は、予熱された水管38に入り、そこを通過してデガッサー40に到達する。水が予熱器30を出るとき、水は、少なくとも約96℃、好ましくは約97℃、98℃、99℃、又はそれ以上である。好ましくは、デガッサー30は、実質的に垂直の向きである。実質的に垂直とは、好ましい実施態様では、鉛直からのずれが0から5度以内、又は真に垂直であることを意味する。他の実施態様では、実質的に垂直とは、約5から20度のずれを意味することができる。他の実施態様では、実質的に垂直とは、約20から45度のずれを意味することができる。デガッサー40の構成は、概ね円筒形であり、好ましくは直径よりも大きい高さを有する。従って、予熱された水は、デガッサー頂部42近傍でデガッサー40に入り、デガッサー底部44近傍でデガッサー40を出て、蒸発チャンバー50に入る。近接とは、ちょうどそこ、又はその近くを意味し、よって、例えば頂部42「近傍」の水入口点とは、頂部42にて、又はそこを通って水が入ることを示すことができ、又は、底部44よりも頂部42に実質的に近いデガッサー40の領域内で水が入ることを示すことができる。
垂直に向けられたデガッサー40を通る下方向への水の通路は、水を、脱気媒体45と密接に接触する流れパターンに置く。好ましい実施態様では、脱気媒体は球形の粒子を含む。球形の粒子は、好ましくはガラスである。代替実施態様では、粒子は、異なる組成物とすることができ、かつ/又は、非球形及び/又は不規則な形状とすることができる。様々なデガッサーの改善及び構成のより詳細な議論は、本明細書の以下のデガッサーという表題の項で行う。
蒸発チャンバー50からの蒸気は、底部44近傍でデガッサー40に入り、媒体45と接触して垂直に上昇し、頂部42近傍でデガッサー蒸気出口46を通ってデガッサーを出る。デガッサー40を通って下方へと流れる水は、脱気媒体45を通って上方へと上昇する蒸気と出会い、基本的に全ての気体及び有機物が取り去られる。下向きの予熱された水及び脱気媒体45を通る上向きの蒸気の極めて非線形の向流は、揮発性化合物及び気体の形の実質的に全ての化合物の除去を促進する。有利には、また予想外に、このデガッサー40の構成及び機能はまた、それ以外の方法では除去が極度に困難である水中の有機汚染物質の除去も可能にする。例えば、このシステムは、水からのイソプロピルアルコールの除去を可能にする。イソプロピルアルコールは、その特性が水の特性と類似しているので、ほとんどのシステムにとって除去が特に困難である。
蒸気出口46を通ってデガッサー40を出た蒸気は、廃棄凝縮器48に入り、そこで凝縮され、流れて廃棄される。一代替実施態様では、廃棄凝縮器48の全部又は一部の機能は、脱気廃棄蒸気からの熱が流入水を加熱するように交換される効果を用いて、入口管22、予熱器供給管28、又は予熱器30のいずれかの部分との熱交換によって実行することができる。この熱交換は、脱気前に流入水を予熱するためのエネルギーを提供することにより効率を増大させるだけでなく、システム10の局所環境に放出されないように過剰な熱をシステム10から排出するという、二重の利点を有する。熱交換構成は、熱交換のための様々な手法を含むことができる。幾つかの好ましい実施態様では、熱交換は、廃棄蒸気管及び予熱管を同心に向けることによって達成される。
脱気された水は、デガッサー40の底部44近傍で、蒸発チャンバー50内へと流れる。蒸発チャンバー50は、好ましくは、少なくとも2つのセグメント、すなわち上部セグメント52及び下部セグメント53を備える。セグメントは、セグメント接合部54にて接合される。好ましい実施態様では、蒸発チャンバー50は、概ね円筒形であり、上部セグメント52は下部セグメント53よりも大きい直径を有する。幾つかの実施態様では、セグメント接合部54は実質的に水平であるが、他の実施態様では、傾斜した向きを有することができる。下部セグメント53の底部55にそれと密接に接触して、蒸発チャンバー加熱部材56がある。接合部54又はその近傍に、蒸発チャンバー排水口60が配置される。
また、蒸発チャンバー50内に、蒸発チャンバー洗浄媒体58が収容されている。好ましい実施態様では、蒸発チャンバー洗浄媒体58は、セラミック粒子59の集合体であり、実質的に球形である。粒子59は、沸騰水による撹拌にもかかわらず、粒子59が蒸発チャンバー50の底部55近傍に留まることを可能にするように選択されたサイズ及び密度を有するが、沸騰作用が粒子59を撹拌するようなサイズ及び密度などの特性を有する。同様に、蒸発チャンバー粒子59はまた、好ましくは、粒子59又は底部55の好ましくない劣化を伴わずに底部55の摩擦を延長できる硬度を有する。動作の際に、沸騰作用は、粒子59を撹拌し、それらを沸騰水中に上昇させる。沸騰作用によって粒子59が撹拌され、持ち上げられると、粒子は後に落下し、蒸発チャンバーの底部に衝突する。この連続的な上昇、落下、及び衝突作用は、蒸発チャンバー50の底部55の汚れを落とし、被膜又は他の沈殿物を防止する。
蒸発チャンバーセグメント接合部54又はその上方に、蒸発チャンバー排水口60がある。洗浄サイクルにおける蒸発チャンバー50の排水時に、水が上部セグメント52から流れるが下部セグメント53からは流れないように、蒸発チャンバー排水口60を、接合部54又はその上方に配置することが好ましい。排水サイクル後に、下部セグメント53は、蒸発チャンバー洗浄媒体58及び蒸発チャンバー水を収容する。これにより、基本的に他のサイクルの開始の直後の、蒸気の発生を可能にするのに十分な水が提供され、この水蒸気は、上昇してデガッサー40に入ることができる。蒸発チャンバー排水口60の構成は、好ましくは、堆積物の沈下を回避する、蒸発チャンバー50の非常に迅速な排水を可能にするのに十分な内部寸法のものである。更に、蒸発チャンバー排水口60は、好ましくは、蒸発チャンバー洗浄媒体58の粒子59の形状と相補的とならないように構成された開口を有する。この非相補的な設計は、蒸発チャンバー洗浄粒子59が蒸発チャンバー排水口60とかみ合って適正な排水を妨げることを回避する。
蒸発チャンバー50内への水の流れ、及び/又は蒸発チャンバーの容積は、蒸発チャンバー50内の水が、約45分の平均滞留時間を有するように選択される。そのような滞留時間は、沸騰による殺菌のための一般に許容される時間を超え、よって水中のいかなる生物的汚染物質も死滅させる。蒸発チャンバー50は、蒸発チャンバーカバー61を更に備える。蒸発チャンバーカバー61内の蒸発チャンバー水蒸気出口62は、水蒸気が蒸発チャンバー50を出てデミスター70に入ることを可能にする。汚染物質が実質的にすべて、蒸発チャンバー50を出る水蒸気内ではなく蒸発チャンバー50内の液体の水の中に残っていると仮定すると、蒸発チャンバーからデミスターへと向かう水蒸気は、デガッサー40を通過した気体、揮発性物質、及び有機物を実質的に含まず、同様に、堆積物、微粒子、生物、鉱物などを実質的に含まない。ただし、そのような水蒸気は、沸騰作用によって気相中に運ばれる少量の汚染物質を含有する可能性がある。従って、蒸発チャンバー50からデミスター70内へと向かう水蒸気は、清浄な水蒸気と汚染物を含有するミストへの分離を必要とする。
デミスター70は、サイクロンの原理に基づいて動作する。水蒸気は、デミスター入口チャンバ72を通ってデミスター70内に入る。水蒸気は、デミスター入口チャンバ72から、デミスターオリフィス74を通り、デミスターサイクロンキャビティ75内へと流れる。サイクロンキャビティ75は実質的に円筒形であり、デミスターオリフィス74の形状及び向きは、オリフィス74に入る水蒸気を、高速度でサイクロンキャビティ75の周辺に向け、サイクロン効果を生み出すように選択される。サイクロンキャビティ75の軸の周りでの水蒸気の高速の回転は、清浄な水蒸気と汚染されたミストの密度差に基づいた分離を可能にする。より低密度である清浄な水蒸気は、サイクロンキャビティ75の中心に向かって動かされ、デミスターの清浄な水蒸気の出口76を通ってサイクロンキャビティ75を出る。出口76を出る清浄な水蒸気は、清浄な水蒸気の出口管78内へと流れ、汚染されたミストは、デミスターの廃棄物出口80を通ってサイクロンキャビティ75を出る。
清浄な水蒸気は、出口管78から生成水凝縮器90内へと流れる。生成水凝縮器は、好ましい実施態様では、効率的な熱交換を可能にするように選択された寸法及び構成を有する、コイル状の管機構を備える。凝縮器ファン94は、生成水凝縮器コイル90及び廃水コイル48を冷却する。凝縮された清浄な水蒸気は、生成水を形成し、生成物管96を通って貯蔵タンク100へと導かれる。生成物管96に沿って、3方向弁98が配置される。動作に際して、3方向弁98は、生成水を廃棄部又は貯蔵タンク100へ導くことができる。
通常の浄化サイクルでは、蒸発チャンバー50の暖機又は充填中の初期期間中、すなわちシステムの予熱機能及び脱気機能が完全に機能する前の、新しいサイクルの最初の数分が、予熱器30及びデガッサー40内の温度上昇を伴う。最終的に、システムは、有効な脱気を可能にする予熱温度及び水蒸気体積に到達する。よって、完全に有効な脱気前の、浄化サイクルにおける暖機中に、蒸気室50を出る水蒸気は、残留している揮発性物質及び有機物で汚染される可能性がある。これらの汚染物質が貯蔵タンク100に入ることを防ぐために、サイクルの最初の20分の間、デミスターの清浄な水蒸気の出口管78に入って生成水凝縮器90内で凝縮されて水となる水蒸気は、3方向弁98によって廃棄部へとそらされる。20分のシステム暖機後、予熱器30及びデガッサー40は完全に機能し、デミスターを出た清浄な水蒸気は揮発性物質及び有機物を実質的に含まず、3方向弁は、精製水を貯蔵タンク100内へ収集できるように切り換わる。貯蔵タンク100から水が引き出されない場合、システムは、タンクの充填により、初始動から約24時間の間循環することができる。水が消費されている場合、システムは、約10時間で約2.5ガロンを生成することができる。貯蔵タンク100は、使用可能な6ガロンの容積を有する。使用者の介入及び洗浄は要求されないが、そのような洗浄が望ましい場合、システムは、使用者が収集タンク100内の水蒸気殺菌サイクルを選択するのを可能にする。
システムは、出口ポート104にて生成水を実質的に一定の圧力に維持する生成物ポンプ102を更に備える。使用者インタフェースパネル110が、システムのオン/オフ状態を示すLED、並びに、必要に応じて様々な任意の手動制御部を備える。
当業者には理解されるように、上に開示したデスケーラー装置、コーティング、方法等の何れも、スケール形成の適切な低減を補助するために水に関連した表面を有する上記要素及び又は方法の任意のものに適用することができる。加えて、低減されるスケールは、脱スケールの態様が適用されるものに限られない。よって、ある実施態様では、デガッサーに応用されるデスケーラーはボイラーにおけるスケール形成の低減にもまた役立ちうる。
制御回路
図7を参照してこの説明を補助する。主電源スイッチが通電されると、制御回路は、タンク内のフロートスイッチによって、貯蔵タンク内の水位状態を決定する。制御システムが、貯蔵タンク内に水を補充する必要があると決定する場合、制御システムは浄水シーケンスを開始する。
浄水サイクル中に、制御回路は、蒸発チャンバー排水口の弁を閉じ、流入水弁を開き、「処理中」ランプ、蒸発チャンバー加熱部材、時間カウンタ、及び冷却ファンを通電させる。制御回路はまた、フロートスイッチによって蒸発チャンバー内の水位を監視し、入ってくる水の流れを必要に応じて調節する。流れの調節は、入口スイッチ、及び蒸発チャンバー内のフロートスイッチからのフィードバックを受けるソレノイドによって制御される。安全機能として、制御回路はまた、加熱器及び蒸発チャンバーの温度も監視し、必要な場合は加熱器への電力を遮断する。
システムがその間に熱的に安定する所定の時間間隔、好ましくは20分後に、制御回路は、純水出力の流れを、迂回モードから貯蔵タンクへと自動的に切り換える。貯蔵タンクが満たされていることを制御回路が判断した後、制御回路は、浄水シーケンスを停止し、システムの自浄機能を開始する。
システムの制御回路は、貯蔵タンク内の水の状態を、例えばフロートスイッチを介した量及び導電率を介した質について連続的に監視する。水質が悪化している場合、制御回路は、注意灯を点灯するように信号を送る。水量が少ない場合、制御回路は、上記のように貯蔵タンクを補充するために純水の処理を自動的に開始する。
制御回路はまた、水送達ポンプの点検を維持し、過負荷の場合、又は純水を確実に供給するにはタンク内の水位が低すぎる場合に、ポンプへの電力を遮断する。最終的に、制御回路はまた、システムを収容する底部受皿内のフロートスイッチによって、水の漏れについてシステムを監視する。このスイッチは、受皿内にかなりの量の水が蓄積すると作動され、その場合、制御回路は漏れが原因でシステム全体を停止する。
実施例1
デガッサーにおける不揮発性又は揮発性有機物の除去
説明された本発明の実施態様におけるデガッサーの有効性の実証として、流入水中のイソプロピルアルコールを用いて試験が行われた。デガッサーの完全な機能が実現されるように、システムに負荷をかけた。システムは、予熱機能が達成されるように暖機され、定常状態の体積の水蒸気が、蒸発チャンバーからデガッサー内へと送達された。4ppmのイソプロピルアルコールを含有する流入水の試料がシステム内に導入され、そのような試料からの生成水は、イソプロピルアルコールの存在が定量的に試験された。ほぼ100倍の減少が認められ、出力水中のイソプロピルアルコールの濃度は、約40ppbであった。
実施例2
生物的汚染物質の除去
全大腸菌群は、実験室で比較的容易に培養されるので、疾病を引き起こす生物の存在に関する主要な指示菌として選択されている。大腸菌群は、病原(疾病を引き起こす)生物ではなく、緩やかな感染性しかもたない。このため、これらの細菌は、実験室での扱いが比較的安全である。水中に多数の大腸菌が見出される場合、ジアルジア及びクリプトスポリジウムなど、別の病原菌及び生物が存在している確率が高い。公共飲料水供給は、飲料水100ml当たりに、全大腸菌が存在しないことを実証するように試験される。全大腸菌群の認可された試験には、メンブレンフィルタ法、多管発酵法、MPN法、及びMMO−MUG(「コリラート」)法がある。メンブレンフィルタ法は、細菌を保持できる微細な有孔フィルタを使用する。フィルタは、ペトリ(培養)皿内で、成長増菌培地(mEndo)を有するパッド上に配置され、35℃で24時間培養される。フィルタ上に集まる個々の細菌細胞が、ドーム形状のコロニーに成長する。大腸菌群は、金緑の光沢を持ち、皿から直接計数される。幾つかの他の細菌が同様の発色をする場合があるので、より特定的な培地を使用する確証試験が必要とされる。確証試験手順は、陽性が疑われている全大腸菌試験の試験を完了するために、更に24から48時間を必要とする。
流入水試料は、大腸菌群を検出するために培養される。100mlの水の試料が培養され、大腸菌コロニーが検出される。流入水は、本明細書で説明されるようにシステム内で処理され、対応する試剤である100mlの生成水が培養される。大腸菌コロニーは検出されず、生成水が生物的汚染物質を含まないことを示す。
デガッサーの詳細及び代替形態
水の脱気は通常、揮発性化合物の蒸気圧力を上昇させるために流入水を加熱することによって実現される。各化合物の沸点では、溶存ガスの溶解度がゼロに降下し、ガスが水から抜け出る。例えば、飲料水中に見られる揮発性物質の多くは、通常は水の沸点よりかなり低い温度で非常に大きい分圧を有する塩素化合物である。従って、これらの物質の多くは、適切な脱気を実行するために水を約200〜210oF(93〜99℃)の温度に加熱することによって除去することができる。ただし、物質は即座に水を完全に離れず、よって、溶存ガスを完全に除去するためには、いくらか時間がかかる。
例えば、住宅用用途に使用される浄水システムなどにおける、従来のデガッサーの設計に伴う1つの困難は、それらが、デガッサー内の加熱される水の滞留時間をほとんど制御できないことである。その結果、過剰な量の揮発性物質が流入水中に存在する場合、全ての揮発性物質の脱気を実行するために与えられる滞留時間が不十分となることがある。更に、多くのデガッサーは、圧力制御を行わずに動作し、これは、システムから揮発性化合物の質量移動を実行するために選択される媒体が水蒸気である場合、水蒸気の過剰な損失をもたらすおそれがある。
デガッサーの設計における他の問題は、拡大縮小性である。大型の工業用デガッサーは、物質移動ひいては脱気にとって有効な、大幅な圧力降下並びに大量の液体及び気体の両方とともに動作するが、小型のデガッサーは、良好に縮小されず、それらを1日当たり10ガロン未満の処理量で動作させることは、困難であった。
必要とされているのは、更なる滞留時間を可能にし、使用地点及び入口地点のためのシステム内の廃棄水蒸気の量を制限することもできる、より小型のデガッサーである。
幾つかの実施態様では、同心状の粒子層を有するデガッサーが提供され、内側の粒子層は粒子間に比較的小さい空間をもたらすように構成され、外側の粒子層は粒子間に比較的大きい空間をもたらすように構成される。様々な実施態様において、粒子は、デガッサー内のランダムかつ構造化された充填を示す。粒子は、金属、ガラス、及びプラスチックなどの材料で製作することができる。デガッサーは、頂部に水入口を有することができる。デガッサーは、廃棄水蒸気用出口を頂部に有し、加熱された水蒸気用入口及び水出口を底部に有することができる。
幾つかの実施態様では、同心状の粒子層を保持する容器を有するデガッサーが提供され、内側の粒子層は粒子間に小さい空間をもたらすように構成され、中間の粒子層は粒子間に中間の空間をもたらすように構成され、外側の粒子層は粒子間により大きい空間をもたらすように構成される。中間の空間は、システム内の水蒸気が気相を脱して凝縮し始めるようなものであり、小さい空間は、水蒸気を液体の水に変換するようにこのプロセスを続けるのに十分小さい。
他の実施態様では、デガッサー容器は、容器の底部外縁部に蒸気入口を有する。水蒸気入口は、沸騰チャンバからの加熱用水蒸気が外縁部にて容器に入り、デガッサーの内側の外縁部を加熱することを可能にする。容器は、容器の頂部に蒸気出口を有し、そこから廃棄蒸気がシステムを出る。容器は、容器頂部に水入口を有することができる。容器は、容器の底部に浄水出口を有する。水出口は、例えば、容器の中央底部内に配置される。容器は粒子で充填される。幾つかの実施態様では、3つの粒子サイズがあり、所与のサイズの各粒子が、同心区域内に配置される。従って、そのような実施態様では、3つの同心区域があり、各区域はそれぞれ所与のサイズの粒子を有する。好ましい実施態様では、粒子はガラスビーズである。より好ましい実施態様では、3つの粒子サイズがあり、容器の最も外側の区域内に最も大きいサイズの粒子があり、容器の最も内側の区域内に最も小さいサイズの粒子がある。最も好ましい実施態様では、容器内に、8mmのガラスビーズを有する最も外側の区域又は層、6mmのガラスビーズを有する中間区域又は層、及び、4mmのガラスビーズを有する中央区域又は層がある。幾つかの実施態様では、ビーズは、ソーダ/石灰ガラス製である。そのような実施態様では、3mmのビーズ20個の重量を約0.7グラムとすることができ、4mmのビーズ20個の重量を約1.8グラムとすることができ、6mmのビーズ20個の重量を約5.7グラムとすることができ、8mmのビーズ20個の重量を、約14.4グラムとすることができる。
幾つかの実施態様は、小型でより有効なデガッサーを備える。デガッサーは、好ましくは、水蒸気の通過を可能にする区域がデガッサー内に作り出され、水蒸気の凝縮を促進する別の区域が作り出されるように、可変空隙率の同心層を採用する。デガッサーは、デガッサーの内側の表面積を増す粒子をデガッサーの内側に備え、それにより、水を浄化するためのより長い滞留時間を可能にする。
幾つかの実施態様では、システムの空隙率は、様々なサイズの粒子によって実現される。こうした実施態様では、外側層内の粒子は、加熱用水蒸気が、蒸発チャンバーなど水蒸気源からデガッサー内へと、またデガッサー全体をより容易に通過することができるように、比較的大きいサイズを有する。蒸発チャンバーから来るこの加熱用水蒸気はまた、システムの内部温度を沸点付近に維持するための断熱物としても作用することができる。より大きいサイズの粒子の外側層の内側は、中間サイズの粒子の層である。この中間サイズの粒子の層は、適当な透過性及び長い滞留時間をもたらし、より高い割合の揮発性物質の脱気を可能にする。この中間サイズの層の細孔及び粒子は、粒子間の空間がより少ないので、蒸気から水をより凝縮させやすい。内側の層は、より小さいサイズの粒子を備え、そのため細孔の大部分が、重力により蒸発チャンバー内へ流れる脱気された水で充填される。
図8は、典型的なデガッサーユニット210の概念を図示する。好ましい実施態様では、脱気されるべき流入水及び他の液体は、取入ポート220を通りデガッサーの頂部を通って流れる。好ましくは、流入水は温水又は熱水である。水は、一連の粒子が詰め込まれたデガッサーを通り、自由に流れることができる。好ましくは、粒子はガラスビーズである。流入水は更に、蒸発チャンバーからの水蒸気によりデガッサー内で加熱される。外側の粒子230は、中間層の粒子240よりも大きく、中間層の粒子240は内側層の粒子250よりも大きい。ビーズの表面積が、デガッサーの中心軸に向かって増大することにより、より大量の揮発性ガスを水から取り去ることが可能になる。より大きい粒子は区域230をもたらし、そこを通して、加熱された水蒸気を迅速かつ効率的にデガッサーに加えることができ、一方、中間及びより小さいサイズの粒子は、区域240及び250をデガッサー内にもたらし、取り去られた蒸気はそこで、液体の形に凝縮し、デガッサーから、例えば好ましくはデガッサーの下方に配置される蒸発チャンバー装置内へと、排水される。当業者には理解されるように、符号230、240、250は、粒子自体、又は、図示の実施態様では粒子間の空間により作り出される多孔区域を指すことができる。
水蒸気270は、システムに熱を加える前に、デガッサーに加えられる。様々な気体が、好ましくはユニットの頂部又は頂部付近に配置される出口ポート280を通ってシステムを出ることができる。水蒸気を水に戻す凝縮をもたらすデガッサーの区画は、より小さい粒子間間隔を有する区画であり、かつ、この区画はデガッサーの中央にあるので、この構成は水蒸気が循環しデガッサーの外側区画を加熱することを可能にするが、水蒸気はデガッサーの中央区画で凝縮して次の区画へと流入する。当業者には理解されるように、異なるサイズの粒子及び異なる区域の位置は変えることができる。例えば、幾つかの実施態様では、より小さい粒子がデガッサーの外縁部上に、中間の粒子が内側に、より大きい粒子が中央に配置される。更に、中間サイズのものを、中央又は外縁部内に配置することができる。そのような実施態様では、水蒸気入口及び出口の位置、及び脱気された水用の出口は、好ましくはそれに応じて配置し直される。ただし、好ましい実施態様は図8に示される。
デガッサーシステムは、好ましくは蒸発チャンバー装置に密接に近接して配置される。好ましくは、デガッサーユニットは蒸発チャンバーの頂部上に配置される。これにより、蒸発チャンバーからの蒸気は、蒸発チャンバーからデガッサー内へと直接上昇することが可能になる。これはまた、デガッサーから廃棄部へと向かう脱気された水を、直接蒸発チャンバーへと排水することを可能にする。当業者には理解されるように、蒸発チャンバーとデガッサーとの間に何らかの有意な仕切りの必要はない。一実施態様では、粒子を保持するためのスクリーンのみが、デガッサーを蒸発チャンバーから分離する。
粒子は、例えば球形、半球形、不定形、矩形、楕円形、正方形、円形、多面体、(例えば礫のような)不規則など、任意の形状にすることが可能である。粒子の表面は、例えば、無孔であったり、多孔であったり、半多孔であったり、被覆されたり、又は長い滞留時間をもたらすように構造化されたりするなど、必要に応じて変えることができる。好ましくは、粒子は、球形であり、無孔である。異なるサイズの粒子は、それらの間の異なるサイズの空間(間隙空間)を有することになることを、当業者は理解するであろう。例えば、より大きいガラスの球体は、より小さいガラスの球体よりも大きい空間を有することになる。粒子間間隔のサイズは、粒子のサイズ、粒子の形状、及びその他のファクターに基づいて変えることができる。通則として、より大きなほぼ球形の粒子もまた、より大きな空隙率を持つ混合物をもたらす。すなわち、比較的大きい空間が、球形の間に存在することになる。同様に、より小さい粒子は、より小さい間隙空間を有し、より蒸気を液体の水に凝縮させやすい環境をもたらす。
粒子は如何なる適当な材料で製作することもできる。例示的な材料は、限定ではないが、金属、ガラス、複合材料、セラミック、プラスチック、石、セルロール材料、繊維材料などを含む。必要に応じて、材料を混合して使用することができる。当業者は、それぞれの特定の目的に適した材料を決定することができる。好ましくは、材料はガラスで製作される。選択される材料は、好ましくは、亀裂、破砕、その他の損傷、又は有毒な材料の水中への浸出を伴わずに、長期間にわたる高温での使用に耐えることができる。必要に応じて、様々なサイズの粒子を様々な材料で製作することができる。例えば、外側の粒子を金属で作製し、中間の粒子を耐熱プラスチックで作製し、中央層をガラスで製作することができる。選択される材料は、好ましくは、加熱プロセスによる破損、錆、又は亀裂に耐えることができる。
粒子を如何なる所望のサイズになるように選択することもできることを、当業者は理解するであろう。例えば、外側の粒子は、約5mmから約25mm又はそれ以上の範囲の直径を有することができる。中間層の粒子は、例えば約1mm以下から約15mm以上の範囲の直径を有することができる。中央層の粒子は、例えば約0.1mm未満から約10mm以上の範囲の直径を有することができる。一般に、直径は、約0.1mmから約30mmの間の範囲とすることができる。
好ましい実施態様では、同心層の粒子はガラスビーズであり、例えば8mmのガラスビーズを有する最も外側層、6mmのガラスビーズを有する中間層、及び4mmのガラスビーズを有する中央層を有する。外側粒子の直径と内側粒子の直径との比は、必要に応じて当業者が変えることができる。外側粒子サイズと内側粒子サイズとの比は、例えば、約1:1から1000:1とすることができる。
好ましくは、粒子の層化は、最も小さいサイズの粒子がユニットの中央にあり、最も大きいサイズの粒子がユニットの外壁に最も近い、同心円である。当業者には理解されるように、円は厳密である必要はなく、必ずしも同心でなくてもよい。例えば、非同心円は、必ずしも図示の実施態様の全ての利点を有する必要はなく、水蒸気をより小さい多孔区域内へと導く大きい多孔区域を有する実施態様は、良好に機能し、本発明の主な利点をもたらすことができる。幾つかの実施態様では、様々な区域又は異なるサイズの粒子が、スクリーンの使用によって別個の群内に保持される。好ましい実施態様では、様々なサイズの粒子は、中間サイズの粒子の存在により小さい粒子が大きい粒子と混ざることを防止する、粒子を容器内に詰め込む方法によって、別個の群として保持される。
必要に応じて、2層又は3層より多い層を使用することができる。例えば、4、5、6、又は7、あるいはそれ以上の層を使用することができる。好ましい実施態様では、それぞれサイズが異なる3つの層が使用される。幾つかの実施態様では、粒子のサイズを変えるのではなく、粒子の表面特性など、粒子の別の特性が変えられる。更に、必要に応じて、徐々により小さい粒子サイズでデガッサーの中央区域を充填することが可能になるように実行される詰め込み手順で、デガッサーに異なるサイズの粒子の混合物を詰め込むことができる。幾つかの実施態様では、層は、層全体を通して均質な粒子で詰め込むことができる。他の実施態様では、層は不均質であり、他の形状のビーズ、粒子、ガラスウールなどを含むことができる。粒子の不均質性は、サイズだけではなく、例えば、組成、表面特性、密度、比熱、ぬれ性(疎水性対親水性)、硬度、延性なども含むことができる。好ましくは、上述したように、不均質性は、どんな形をとるとしてもデガッサー内に同心環内で分布するが、同心状でない他の配置も、本発明の幾つかの実施態様において意図される。
デガッサーの壁部及び入口/出口ポートは、任意の適当な材料で製作することができる。例示的な材料としては、例えば、金属、アルミニウム、ガラス、複合材料、耐熱ポリプロピレンなどがある。好ましくは、壁部の材料は防錆鋼である。好ましくは、材料は、亀裂、破砕、又は有毒な材料の水中への浸出を伴わずに、長期間にわたる高温での使用に耐える。
幾つかの実施態様では、デガッサーは、水が好ましくない量の揮発性物質を含有する場合でも、水を脱気するための適当な滞留時間をもたらすように使用される。従って、デガッサーは、より安全な飲料水、又は多くの別の用途のためのより毒性の低い水を生成するために使用することができる。
本発明の方法を用いて水を処理することによって除去又は減少させることができる揮発性汚染物質の例は、限定ではないが、メチル第3ブチルエーテル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレントランス−1,2−ジクロロエチレン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、エチルベンゼン、スチレン、テトラクロロエチレン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、トルエン、塩化ビニル、キシレン、天然ガス、例えば酸素、窒素、二酸化炭素、塩素、臭素、フッ素、及び水素など、その他の揮発性有機化合物(VOC)、例えばギ酸、エチルヒドラジン、メチルメタクリレート、ブチルエチルアミン、ブタノール、プロパノール、アセトアルデヒド、アセトニトリル、ブチルアミン、エチルアミン、エタノール、メタノール、アセトン、アリルアミン、アリルアルコール、メチルアセテート、水酸化アンモニウム、アンモニアなどを含む。
本発明の更なる実施態様では、デガッサーの外側区画はまた、流入水の温度を水の沸点近くに維持するように、デガッサーの容積の内側区画の有効な断熱をもたらすことができる。幾つかの実施態様では、粒子自体は、それらの熱保持能力のために選択される。これは、エネルギーを節約することができ、より効率的な脱気システムを生み出す。
幾つかの実施態様では、本発明のデガッサーの設計は、脱気された水を蒸発チャンバー内へと運ぶための定常的な通路を提供し、同時に、水蒸気を過剰に発生させる必要性を回避する。これは、水蒸気がデガッサーの外装を加熱するからであり、また、水蒸気が1つの区域でデガッサーに容易に入ることができるが、別の区域では、脱気された水の凝縮及びシステムからの流出を可能にするからである。水蒸気の過剰な発生を防止することによって、粒子内に塩が沈殿する可能性があるという問題を回避することができる。
幾つかの実施態様では、システムの様々な粒子サイズが大きい表面積をもたらすことができるので、デガッサーは、従来使用されているモデルよりも小型とすることができる。次いで、デガッサーの高さを最低限に抑え、より小型の設計をもたらすことができる。
幾つかの実施態様では、デガッサーは、従来のデガッサーに比べて、試料からの不純物除去における効率がより高い。例えば、幾つかの実施態様では、図8のデガッサーは、最大30ml/分の流量の水から、40ppmの塩素を除去することができる。幾つかの実施態様では、デガッサーは、最大20ml/分の流量の水から最大2ppmのアンモニアを除去することができる。幾つかの実施態様では、デガッサーは、最大30ml/分の流量で、空気など一般的な気体を、最大でそれらの気体の溶解限度まで除去することができる。
デガッサーの実施例
実施例3
デガッサーの準備
図8に示すように、幅1インチ×高さ12インチのステンレス鋼製のシリンダに、ステンレス鋼製の水入口ポート及びステンレス鋼製の気体/水出口ポートが取り付けられている(代替実施態様では、幅1インチ×高さ8インチ、幅1.5インチ×高さ8インチ、又は幅3.5インチ×高さ12インチの装置を使用することができる)。ユニットは、蒸発チャンバー装置の頂部に取り付けられる。次いでシリンダは、以下のように清浄な球形のガラスビーズで充填される。外側区域には、約8mmの直径を有するガラスビーズが詰め込まれる。次いで中間層には、約6mmの直径を有するビーズが詰め込まれる。中央区域には、約4mmの直径を有するガラスビーズが詰め込まれる。デガッサーには、ステンレス鋼製のカバーユニットが取り付けられる。蒸発チャンバーが加熱され、水蒸気がデガッサーを通過可能となる。デガッサーが暖められると、処理されるべき水が予熱され、次いでデガッサーの頂部に加えられる。デガッサーを出る水は、減少した量の揮発性化合物をその中に有することになる。装置が定常温度まで上昇すると、装置は、以下の濃度、すなわち40ppmの塩素、2ppmのアンモニア、及び空気中のほとんどの天然の気体を含有する水から、気体をほぼ完全に、最大でそれらの溶解限度まで除去する。
実施例4
飲料水を浄化するための、スケールアップしたデガッサーの使用
実施例3のデガッサーは、2ガロンの蒸発チャンバーシステムの頂部上に組み付けられる。次いで、浄化されるべき水は、5ml/分の流量から50ml/分の流量で、予熱されたデガッサーの入口を通して汲み上げられる(他の実施態様では、最大数リットル/分を使用することができる。)。デガッサーに入る水は、約100℃の温度まで予熱される。水は、基本的に水の沸点にてデガッサーに入る。大量の水が処理される場合、デガッサー頂部での温度は、数度下がることがある(98℃まで降下)。流入水の処理量のほぼ10%から20%が、デガッサーを駆動するための水蒸気として使用され、その約半分がデガッサー内で再凝縮される(水蒸気の使用は水の処理量の1%未満まで低減することができるが)。浄化された水は、蒸発チャンバー内へと降下し、冷却が可能となり、揮発性汚染物質のレベル用に試料化される。この方法を用いることによって、揮発性汚染物質が除去され、水が浄化される。
ユニットは、水を脱気する必要がある限り動作することができるように、連続的に動作させることができる。デガッサーからの排水速度は、ガラスビーズの詰め込み及びサイズに依存し、1秒から数分まで変化する。
幾つかの実施態様では、本明細書においてその実施態様が開示される浄水用システムは、更なる有利な特徴を提供するために、他のシステム及び装置と組み合わせることができる。例えば、システムは、出典明示によりその全体が本明細書に援用される、2005年5月2日出願の「SOLAR ALIGNMENT DEVICE」なる名称の米国特許仮出願第60/676870号、2005年7月6日出願の「VISUAL WATER FLOW INDICATOR」なる名称の米国特許仮出願第60/697104号、2005年7月6日出願の「APPARATUS FOR RESTORING THE MINERAL CONTENT OF DRINKING WATER」なる名称の米国特許仮出願第60/697106号、2005年7月6日出願の「IMPROVED CYCLONE DEMISTER」なる名称の米国特許仮出願第60/697107号、2004年12月1日出願のPCT出願US2004/039993号、2004年12月1日出願のPCT出願US2004/039991号、及び2003年12月2日出願の米国特許仮出願第60/526580号のそれぞれに開示される装置又は方法のいずれかと共に使用することができる。
これらの方法及び装置は、目的を実行し、上述の目標及び利益、並びにその他様々な利点及び利益を得るように適合され、また適合することができることを、当業者は理解するであろう。本明細書で説明される方法、手順、及び装置は、現在の好ましい実施態様を示す例示的なものであり、本発明の範囲の限定は意図されていない。本発明の精神に包含され、本開示の範囲によって規定される、その中での変更及びその他の用途を、当業者は思いつくであろう。
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される本発明に様々な置換及び修正を行うことができることが、当業者には明らかとなるであろう。
本明細書で説明される本発明の態様及び実施態様は、互いに別々に、又は互いに関連付けて実行することができることを、当業者は理解する。従って、個別の実施態様の組み合わせは、本明細書で開示されるような発明の範囲内に含まれる。
全ての特許文献及び出版物は、個別の出版物がそれぞれ、参照により組み込まれるよう具体的かつ個別に指示されるのと同様に、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書において例示的に記載された発明は、本明細書で具体的に開示されない一又は複数の要素、一又は複数の制限を伴わずに、適当に実行することができる。用いられてきた用語及び表現は、限定ではなく説明のために使用され、そのような用語及び表現の使用は、図示及び説明された特徴の、同等物又はその一部の除外を意図しない。開示された発明の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。従って、本発明を好ましい実施態様及び任意の特徴によって具体的に開示してきたが、当業者は本明細書における概念の変更及び変形を行ってもよく、そのような変更及び変形は、本開示によって規定されたような本発明の範囲内にあると、考えられるべきである。

Claims (13)

  1. 給水管、ボイラー、廃棄物出口、生成水出口、及びデスケーラー装置を具備し、該デスケーラー装置が、水軟化装置、電子デスケーラー、超音波デスケーラー、フルオロカーボンコーティング、及びその組合せからなる群から選択される浄水システム。
  2. デスケーラー装置が、給水管と接触し、システム中の液体に電場を印加する構成とされた電子デスケーラーを具備する請求項1に記載のシステム。
  3. システムが予熱器とデガッサーを更に具備し、電子デスケーラーが給水管と接触し、予熱器、デガッサー、及びボイラーの少なくとも一における硬質スケール形成を低減する請求項2に記載のシステム。
  4. 電子デスケーラーが、デガッサーの上流の位置で給水管と接触し、ボイラーにおける硬質スケール形成を低減する請求項1に記載のシステム。
  5. 電子デスケーラーが、ボイラーの上流に位置してボイラーにおける硬質スケール形成を低減する水軟化装置を具備する請求項1に記載のシステム。
  6. 水軟化装置が、給水管に平行に連結された二以上のキャニスターを具備し、各キャニスターがイオン交換樹脂を有する請求項5に記載のシステム。
  7. 水軟化装置が二以上のキャニスター間での切り替えを可能にするように構成され、第一のキャニスターを経由する給水管からの水を軟化させ、少なくとも第二のキャニスターがブライン溶液で処理されて樹脂を再チャージする請求項6に記載のシステム。
  8. システムが第二キャニスターの樹脂を再チャージするのに使用されたブラインをドレインに送るように構成された請求項7に記載のシステム。
  9. タイミング装置によって制御される切替手段を更に具備している請求項7に記載のシステム。
  10. デスケーラーが、ボイラーに接触する超音波生成装置を具備する請求項1に記載のシステム。
  11. 超音波生成装置が、デガッサーに接触し、デガッサー中の硬質スケール形成を低減させる請求項10に記載のシステム。
  12. デスケーラー装置が、ボイラーの表面に位置せしめられたフルオロカーボンポリマーでのコーティングを含み、システムがボイラーに作動可能に連結されたデガッサーを更に具備する請求項1に記載のシステム。
  13. システムがボイラーに作動可能に連結されたデガッサーを更に具備し、デガッサーが、水と蒸気の混合を容易にするように構成された充填材を具備し、デスケーラー装置がデガッサー充填材の少なくとも一部上のフルオロカーボンポリマーコーティングを含む請求項12に記載のシステム。
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