JP2009302097A - 単結晶SiC基板の製造方法および単結晶SiC基板 - Google Patents

単結晶SiC基板の製造方法および単結晶SiC基板 Download PDF

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Abstract

【課題】SiC層とSiO等の埋め込み絶縁層との界面を均一な状態にして結晶性のよいSiC層が得られ、しかも低コストで生産性のよい単結晶SiC基板の製造方法を提供する。
【解決手段】所定厚さの表面Si層3と埋め込み絶縁層4とを有するSi基板1を準備し、上記Si基板1を炭素系ガス雰囲気中で加熱して上記表面Si層3を単結晶SiC層6に変成させる単結晶SiC基板の製造方法であって、上記表面Si層3を単結晶SiC層6に変成させる際に、埋め込み絶縁層4との界面8近傍のSi層を残存Si層5として残す。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁層埋め込み型の半導体基板である単結晶SiC基板の製造方法およびそれによって得られた単結晶SiC基板に関するものである。
単結晶SiC(炭化シリコン)は、熱的、化学的安定性に優れ、機械的強度も強く、放射線照射にも強いという特性から、次世代の半導体デバイス材料として注目を集めている。また、埋め込み絶縁層を有するSOI基板は、回路の高速化と低消費電力化を図る上で優れており、次世代のLSI基板として有望視されている。従って、これら2つの特徴を融合した絶縁層埋め込み型半導体SiC基板が半導体デバイス材料として極めて有望である。
上記絶縁層埋め込み型半導体SiC基板をコストメリットのある大口径化を容易に実現しながら製造できる製法として、例えば下記の特許文献1記載の方法が提案されている。この方法は、所定厚さの表面シリコン層と埋め込み絶縁層(SiO層)を有するSOI基板(絶縁層埋め込み型Si基板)を用いて作製する。すなわち、上記SOI基板の表面Si層を10nm程度に薄膜化し、これを水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガス雰囲気の加熱炉内に所定時間加熱処理することにより、上記表面シリコン層を高温で炭化処理して単結晶SiC薄膜に変成し、上記単結晶SiC薄膜をシード層としてエピタキシャル法によりSiC層を成長させることが行なわれる。
上記特許文献1記載の方法では、上記炭化処理により、厚さ約10nm以下の表面シリコン層を全て炭化して単結晶SiC薄膜(SiCシード層)を生成している。ところが、このようにすると、埋め込み酸化膜とSiC薄膜の界面に不規則かつ大きな「うねり」が発生してしまう。すなわち、変成されたSiC層と埋め込まれているSiO層との界面は、高温下で不安定で、特にSiCがSiO層に侵入しやすいうえ、Si→SiC反応が急激に進行するため、上記SiC/SiO界面が不安定となり、界面が荒れて波打つような状態になる。
このような界面の「うねり」は、時として10nmを超える程にもなり、SiC層の厚みにばらつきが生じる結果となるうえ、生成したSiC薄膜自体にまで「うねり」が生じることになってしまい、半導体デバイスとして使用する際に大きな問題となることが予想される。また、界面およびSiC薄膜自体「うねり」が存在する状態で、そのSiC薄膜上にSiC層をエピタキシャル成長させると、成長させたSiC層自体の結晶性が大幅に劣化するうえ、表面状態も粗い状態になりやすいという問題もあった。
そこで、SOI基板を炭素系ガス雰囲気で加熱して表面シリコン層をSiCシード層に変性させる単結晶SiC基板の製造方法であって、上記変性に先立って、表面シリコン層に対して窒素をイオン注入することにより、表面シリコン層における埋め込み絶縁層の界面近傍領域に窒素含有シリコン層を形成することにより、変性によって生成されたSiCが埋め込み絶縁層中に侵入するのを防止し、膜圧の均一な単結晶SiC薄膜を形成する方法が提案されている(下記の特許文献2)。
特開2003−224248号公報 特開2005−268460号公報
しかしながら、上記特許文献2の方法では、界面の「うねり」は防止できるものの、窒素含有シリコン層の窒素含有量を1〜30原子%と非常に大きくしなければならず、一般に半導体素子製造に用いられるイオン注入に比べて100〜1000倍ものドーズ量が必要となる。このため、大電流でのイオン注入のために非常に高価な装置が必要となり、イオン注入自体も長時間を要するため、単位時間当たりの生産量が低くコスト高となる問題がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたもので、SiC層とSiO等の埋め込み絶縁層との界面を均一な状態にして結晶性のよいSiC層が得られ、しかも低コストで生産性のよい単結晶SiC基板の製造方法およびそれによって得られた単結晶SiC基板の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の単結晶SiC基板の製造方法は、所定厚さの表面Si層と埋め込み絶縁層とを有するSi基板を準備し、上記Si基板を炭素系ガス雰囲気中で加熱して上記表面Si層を単結晶SiC層に変成させる単結晶SiC基板の製造方法であって、上記表面Si層を単結晶SiC層に変成させる際に、埋め込み絶縁層との界面近傍のSi層を残存Si層として残すことを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の単結晶SiC基板は、埋め込み絶縁層を有する単結晶Si基板の上記埋め込み絶縁層より表面側に、単結晶SiC層が形成された単結晶SiC基板であって、上記単結晶SiC層と埋め込み絶縁層との界面近傍にSi層が形成されていることを要旨とする。
すなわち、本発明の単結晶SiC基板の製造方法は、上記表面Si層を単結晶SiC層に変成させる際に、埋め込み絶縁層との界面近傍のSi層を残存Si層として残すことにより、その下部の埋め込み絶縁層との界面の平坦性が大幅に改善され、界面の「うねり」を大幅に小さくできる。埋め込み絶縁層と残存Si層との界面の平坦性が向上することから、表面に形成される単結晶SiC層自体に発生する「うねり」も大幅に低減される。このように、うねりの少ない単結晶SiC層が形成されることから、半導体デバイスとしての性能を大幅に向上させる。そして、イオン注入等によらないため、上述した高品質の単結晶SiC基板を低コストで生産性よく製造することができる。
本発明において、上記埋め込み絶縁層との界面近傍に残存Si層が残された単結晶SiC基板に対しエピタキシャル成長させることにより、表面の単結晶SiC層の上層にさらに単結晶SiCを成長させる場合には、このように、単結晶SiC層の上層にさらにエピタキシャル成長によってSiCを形成する際にも、成長するSiCの結晶性が向上するため、きれいな単結晶で厚みも均一なSiCが得られるようになる。
本発明において、上記残存Si層の厚みが3〜20nmである場合には、埋め込み絶縁層と残存Si層との界面および単結晶SiC層自体の平坦性を向上させる効果が十分に得られるとともに、単結晶SiC層の下層にボイド等の欠陥がほとんど生じず、良好な半導体デバイスが得られる。
また、本発明の単結晶SiC基板は、上記単結晶SiC層と埋め込み絶縁層との界面近傍にSi層が形成されていることから、その下部の埋め込み絶縁層との界面の平坦性が大幅に改善され、界面の「うねり」を大幅に小さくできる。埋め込み絶縁層と残存Si層との界面の平坦性が向上することから、表面に形成される単結晶SiC層自体に発生する「うねり」も大幅に低減される。このように、うねりの少ない単結晶SiC層が形成されることから、半導体デバイスとしての性能を大幅に向上させる。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明の単結晶SiC基板の製造方法の一実施の形態を示す図である。
この単結晶SiC基板の製造方法は、まず、所定厚さの表面Si層3と埋め込み絶縁層4とを有するSi基板1を準備し、上記Si基板1の表面Si層3の厚みを6nm〜40nm程度に薄膜化する(図1(A))。つぎに、上記Si基板1を炭素系ガス雰囲気中で加熱して上記表面Si層3を単結晶SiC層6に変成させる(図1(B))。このとき、埋め込み絶縁層4との界面8近傍のSi層を残存Si層5として残すことが行なわれる。ついで、上記単結晶SiC層6をシード層としてエピタキシャル成長により、単結晶SiCエピタキシャル層7を成長させる(図1(C))。
以下、各工程について詳しく説明する。
上記Si基板1は、Si母材2の表面近傍に、埋め込み絶縁層4として所定厚みのSiO層が形成され、表面に所定厚さの表面Si層3が形成されたものである。上記埋め込み絶縁層4の厚みは、約1〜200nm程度の厚みになるよう設定されている。
ついで、上記Si基板1の表面Si層3の厚みを薄くし薄膜化する。この薄膜化は、例えば、Si基板1を酸化雰囲気で加熱処理することにより、埋め込み絶縁層4との界面8近傍に所望厚みのSi層を残存させるよう、表面Si層3の表面から所定深さを酸化させて酸化物層9を形成したのち、表面の酸化物層9をフッ化水素酸等でエッチングすることにより除去し、界面8近傍に残存させた所望厚みのSi層を露出させることにより薄膜化することが行われる。
このとき、薄膜化した表面Si層3の厚みは、6nm〜40nm程度に設定するのが好ましく、より好ましいのは8nm〜30nm程度であり、さらに好ましいの10nm〜27nm程度である。
上記薄膜化した表面Si層3の厚みが6nm未満では、その後の変成工程によって十分な厚みの残存Si層5を残すことができないうえ、十分な厚みの一次単結晶SiC層6も生成することができないからである。また、上記薄膜化した表面Si層3の厚みが40nmを超えると、後述する変性処理に時間を要することとなったり、残存Si層5の厚みが厚くなりすぎて上記界面8近傍にボイド等の欠陥が生じやすくなったりするからである。
上記薄膜化後の表面Si層3の厚みは、Si基板1を酸化雰囲気で加熱処理して酸化物層9を形成するときの雰囲気、温度、時間等の酸化処理条件を調整し、もともとの表面Si層3の厚みに対して形成させる酸化物層9の厚みを調整することにより設定することができる。
つぎに、上記Si基板1を炭素系ガス雰囲気中で加熱して上記表面Si層3を単結晶SiC層6に変成させる。
上記変成工程は、例えば、図2に示す装置により行われる。この装置は、ヒータ11を有する加熱炉10と、上記加熱炉10内に導入される雰囲気ガス(水素ガスG1および炭化水素ガスG2)を貯留するボンベ13,14とを備えている。12は水素ガスG1と炭化水素ガスG2とを混合して混合ガスとして加熱炉10に供給する混合器である。
上記装置により、上記Si基板1を加熱炉10内に設置し、上記加熱炉10内に水素ガスG1と炭化水素系ガスG2との混合ガス(G1+G2)を供給しながら、加熱炉10内の雰囲気温度を上昇させて、前記Si基板1の表面Si層3を単結晶SiC層6に変成させることが行われる。
より詳しく説明すると、上記Si基板1を加熱炉10内に設置して、加熱炉10内に水素ガスG1に対して炭化水素系ガスG2を1体積%の割合で混合した混合ガス(G1+G2)を供給する。また、この混合ガス(G1+G2)の供給と同じくして、加熱炉10内の雰囲気温度を500℃〜シリコンの溶融点未満、好ましくは1200〜1405℃に加熱する。この加熱によって、Si基板1の表面Si層3を単結晶SiC層6に変成させる。
ここで、前記水素ガスG1はキャリアガスであり、炭化水素ガスG2としては例えばプロパンガスを使用する。例えば、水素ガスG1のボンベ13からの供給量が1000cc/分であったならば、炭化水素ガスG2のボンベ14からの供給量を10cc/分とする。単結晶SiC層6の厚みは、同層の欠損欠陥の低減ならびに3次元成長抑制のため、3nm〜20nm程度に設定することが好ましく、より好ましいのは4nm〜10nm程度であり、さらに好ましいのは5nm〜7nm程度である。
このとき、表面Si層3における表面Si層3と埋め込み絶縁層4との界面8近傍領域に残存Si層5を残すことが行なわれる。上記残存Si層5の厚みは、3〜20nmに設定するのが好ましく、より好ましいのは3〜17nmである。上記残存Si層5の厚みが3nm未満だと、残存Si層5と埋め込み絶縁層4との界面8の平坦性を向上させる効果に乏しく、上記残存Si層5の厚みが20nmを超えると、上記界面8近傍にボイド等の欠陥が生じやすくなるからである。
上記残存Si層5の厚みは、変性処理の雰囲気、温度、時間等の条件を調節することにより、薄膜化したときの表面Si層3の厚みに対して形成させる単結晶SiC層6の厚みを調節することにより設定することができる。
必要に応じて、上記工程を過剰に行って単結晶SiC層6を上記単結晶SiC層6の上に堆積させることが行われる。上記工程を過剰に行う(例えば数分〜数時間継続させる)ことにより、上記単結晶SiC層6の上に炭素薄膜が堆積される。
ついで、上記単結晶SiC層6をシード層としてエピタキシャル成長により、単結晶SiCを成長させ、単結晶SiCエピタキシャル層7を堆積させる。
上記エピタキシャル成長は、例えば、下記の条件により単結晶SiCを成長させることができる。すなわち、単結晶SiC層6が形成されたSi基板1を処理チャンバー内に配置し、上記処理チャンバー内にモノメチルシランまたはシランおよびプロパン等の炭化水素系ガスとを含有する原料ガスを、大気圧以下の圧力下において約1〜1000sccm程度のガス流量で供給しながら、温度500℃〜シリコンの溶融点未満、好ましくは800〜1405℃で処理することにより、上記単結晶SiC層6をシード層としてエピタキシャル成長により、単結晶SiCを成長させることができる。
ここで、上記変性処理やエピタキシャル成長で形成されるSiCや埋め込み絶縁層4(SiO)を構成するSi分は、高温化において一部がCOとなって昇華すると考えられる。また、SiCとSiOが接触した状態で高温化に晒されると、SiCとSiOとの間で相互変性すると考えられる。
このとき、単結晶SiC層6と埋め込み絶縁層4(SiO)との間に残存Si層5が存在しなければ、単結晶SiC層6を構成するSiCの一部がSiOに変性したり、反対に埋め込み絶縁層4を構成するSiO一部がSiCに変性したりすることが起こって、結果的に、単結晶SiC層6と埋め込み絶縁層4の界面の平坦性が崩れ、「うねり」になって現れるものと考えられる。
そこで、本発明のように、変性処理後に単結晶SiC層6と埋め込み絶縁層4(SiO)の間に、適切な厚みの残存Si層5を存在させることにより、上記のようなSiCとSiOと相互変性が防止され、残存Si層5と埋め込み絶縁層4との界面8の平坦性が維持されるものと考えられる。また、変性処理後に単結晶SiC層6に何らかの欠陥があった場合でも、残存Si層5の存在により欠陥が埋め込み絶縁層4まで至らず、Siの昇華を防止し、残存Si層5と埋め込み絶縁層4との界面8の平坦性が維持されるものと考えられる。
残存Si層5と埋め込み絶縁層4との界面8の平坦性が維持されると、変性処理によって得られる単結晶SiC層6の厚みも平坦化し、結晶面がそろった状態になると考えられる。そうすると、その後にエピタキシャル成長によって単結晶SiCを成長させた場合にも、そろった状態のSiCの結晶性が維持されるため、従来よりもはるかにきれいな単結晶で膜厚も均一な単結晶SiCエピタキシャル層7が得られるようになる。
このようにすることにより、上記単結晶SiC層6と埋め込み絶縁層4との界面8近傍に残存Si層5が形成されていることから、その下部の埋め込み絶縁層4との界面8の平坦性が大幅に改善され、界面の「うねり」を大幅に小さくできる。埋め込み絶縁層4と残存Si層5との界面8の平坦性が向上することから、表面に形成される単結晶SiC層6自体に発生する「うねり」も大幅に低減される。このように、うねりの少ない単結晶SiC層6が形成されることから、半導体デバイスとしての性能を大幅に向上させる。
また、上記埋め込み絶縁層4との界面8近傍に残存Si層5が残された単結晶SiC基板に対しエピタキシャル成長させることにより、表面の単結晶SiC層6の上層にさらに単結晶SiCを成長させる場合には、このように、単結晶SiC層6の上層にさらにエピタキシャル成長によってSiCを形成する際にも、成長するSiCの結晶性が向上するため、きれいな単結晶で厚みも均一なSiCが得られるようになる。
また、上記残存Si層5の厚みが3〜20nmである場合には、埋め込み絶縁層4と残存Si層5との界面8および単結晶SiC層6自体の平坦性を向上させる効果が十分に得られるとともに、単結晶SiC層6の下層にボイド等の欠陥がほとんど生じず、良好な半導体デバイスが得られる。
つぎに、本発明の単結晶SiC基板の製法の実施例について説明する。
〔実施例1〕
表面Si層3の厚みが10〜14nmの(111)SIMOX基板(SOI−A)、表面Si層3の厚みが18〜22nmの(111)SIMOX基板(SOI−B)、表面Si層3の厚みが9900〜1100nmの(111)貼り合わせSOI基板(SOI−C)を出発材料として準備した。上記各SOI基板を試料として電気炉に挿入し、プロパンガスと水素ガスとをそれぞれ流量100sccm及び10SLMで当該電気炉に導入しつつ、電気炉内雰囲気が1250℃に達するまで加熱昇温し、当該温度で15分間保持した。
この工程により、表面Si層3は表面側から3〜7nmのSiが炭化されて、3〜7nm厚の単結晶SiC層6(シード層)へと変成された。SOI−A、SOI−B、SOI−Cは、それぞれ単結晶SiC層6(シード層)の下層に3〜11nm、9〜17nm、およそ9900〜1100nmの残存Si層5が存在する膜構造となった。
このあと、電気炉の加熱用ヒーターヘの通電を止め、同時に当該両ガスの導入を止める一方で、流量10SLMの窒素を炉内に導入して当該両ガスと置換した。この状態で電気炉の雰囲気温度が700℃になるまで冷却した後、当該雰囲気温度を700℃に保持したまま窒素ガスの導入を止め、同時に流量10sccmの酸素ガスを1時間導入した。この酸素ガスの導入は、プロパンガスの導入によりSiCが生成された際に、過剰の炭素が試料表面に付着するので、この過剰炭素を酸素と反応せしめてCOを発生させ、効果的に当該過剰炭素を除去するためである。ついで、当該酸素の導入を止め、再び流量4SLMの窒素ガスを導入して、試料全体が所定の低温、例えば80℃程度に低下するまで冷却してウェハを炉外に取り出した。
〔比較例1〕
表面Si層3の厚みが3〜7nmの(111)SIMOX基板(SOI−Ref)を出発材料として準備し、当該SOI基板を試科として電気炉に挿入し、実施例1と同条件で変性処理である炭化熱処理を実施した。この工程により、表面Si層3が完全に炭化されて、3〜7nm厚の単結晶SiC層6(シード層)へと変成され、その下層には直に接する埋め込み絶縁層4が存在する構造となった。
〔実施例1および比較例1の評価〕
実施例1ならびに比較例1の製法による各単結晶SiC層6について、断面TEM像観察による評価を行った。
SOI−Refを出発材料とした比較例1の製法による単結晶SiC層6(シード層)の断面TEM像を図3に示す。約5nm厚の単結晶SiC層6(シード層)が埋め込み絶縁層4上に直に形成されているが、埋め込み絶縁層4上部の界面に約10nmの大きなうねりが発生している。これに伴い、単結晶SiC層6(シード層)自体にも約10nm程度のうねりが見られ、断面TEMによる格子像では明らかなSiC配向性のみだれが見られた。
SOI−Aを出発材料とした実施例1の製法による単結晶SiC層6(シード層)の断面TEM像を図4に示す。3〜7nm厚の単結晶SiC層6(シード層)の下層に、3〜11nm厚の残存Si層5が残されており、これにより、その下部の埋め込み絶縁層4との界面8の平坦性が改善され、同界面8のうねりを3nm未満に低減化できた。これに伴い、単結晶SiC層6(シード層)のうねりも、前記界面8のうねりと概ね同等の3nm未満のレベルに抑えられた。断面TEMによる格子像においても、比較例1に比べてSiCの配向性に改善がみられた。
SOI−B、SOI−Cを出発材料とした実施例1の製法によるSiCシード層の場合についても、同様に、単結晶SiC層6の下層に残存Si層5が残されており、これにより、その下部の埋め込み絶縁層4との界面8の平坦性が改善され、同界面8のうねりを3nm未満に低減化できた。断面TEMによる格子像においても、比較例1に比べてSiCの配向性に改善がみられた。これに伴い、単結晶SiC層6(シード層)のうねりも、前記界面8のうねりと概ね同等の3nm未満のレベルに抑えられた。断面TEMによる格子像においても、比較例1に比べてSiCの配向性に改善がみられた。ただし、SOI−Cを出発材科とした場合には、単結晶SiC層6(シード層)の直下に、深さ、横方向サイズ共に約100nmの空隙(ボイド)が発生した。下記の表1に、実施例1および比較例1の評価結果を纏める。
〔実施例2〕
SOI−Aを出発材料とした実施例1の製法による単結晶SiC層6(シード層)形成済のサンプルを、減圧エピタキシャル成長炉に挿入し、約2×10−4torrの減圧下にてモノメチルシランを3sccmで当該エピタキシャル成長炉に導入しつつ、ウェハ温度が1150℃に達するまで加熱昇温し、当該温度で10分間保持した。この工程により、単結晶SiC層6(シード層)上に約100nm厚の単結晶SiCエピタキシャル層7が堆積された。このあと、エピタキシャル成長炉の加熱用ヒーターへの通電を止め、同時にモノメチルシランガスの導入を止め、この状態で電気炉の試料全体が所定の低温、例えば80℃程度に低下するまで冷却してウエハを炉外に取り出した。
〔比較例2〕
SOI−Refを出発材料とした比較例1の製法による単結晶SiC層6(シード層)形成済のサンプルを、減圧エピタキシャル成長炉に挿入し、実施例2と同条件で、単結晶SiC層6(シード層)上に約100nm厚の単結晶SiCエピタキシャル層7を堆積した。
〔実施例2および比較例2の評価〕
実施例2ならびに比較例2の製法によるSiCエピタキシャル層について、断面TEM像の観察による評価、およびX線回折ロッキングカーブ法による評価を行った。
SOI−Aを出発材料とした実施例2の製法による単結晶SiCエピタキシャル層7の断面TEM像を図5に示す。約100nm厚の単結晶SiCエピタキシャル層7が単結晶SiC層6(シード層)の上部に形成され、その下層に、3〜7n111厚の残存Si層5が残されている。図4で示した埋め込み絶縁層4上部界面8の良好な平坦性は、引き続きSiCエピタキシャル工程を実施した後にも維持されていた。
同様に、SOI−B、SOI−Cを出発材料とした場合にも、埋め込み絶縁層4上部界面8の良好な平坦性はSiCエピタキシャルエ程を実施した後も維持されていることが確認された。
実施例2、ならびに比較例2の製法による各単結晶SiCエピタキシャル層7について、X線回析ロッキングカーブ法により、SiC(111)ピークの半値幅を評価した。下記の表2に評価結果を纏める。実施例2による単結晶SiCエピタキシャル層7の半値幅は、比較例1の試料上に同条件で形成した単結晶SiCエピタキシャル層7の半値幅の約70〜80%の値であり、単結晶SiC層6(シード層)の下部に残存Si層5を残したことにより、単結晶SiCエピタキシャル層7の結晶品質が改善することが確認された。
本発明は、大規模集積回路等に用いる半導体基板の製造等に適用することができる。
本発明の一実施形態の単結晶SiC基板の製造方法を示す図である。 上記単結晶SiC基板の製造方法に用いる装置を示す図である。 SOI−Refを出発材料とした比較例1の製法による単結晶SiC層(シード層)の断面TEM像である。 SOI−Aを出発材料とした実施例1の製法による単結晶SiC層(シード層)の断面TEM像である。 SOI−Aを出発材料とした実施例2の製法による単結晶SiCエピタキシャル層の断面TEM像である。
符号の説明
1 Si基板
2 Si母材
3 表面Si層
4 埋め込み絶縁層
5 残存Si層
6 単結晶SiC層
7 単結晶SiCエピタキシャル層
8 界面
9 酸化物層
10 加熱炉
11 ヒータ
12 混合器
13 ボンベ
14 ボンベ

Claims (4)

  1. 所定厚さの表面Si層と埋め込み絶縁層とを有するSi基板を準備し、上記Si基板を炭素系ガス雰囲気中で加熱して上記表面Si層を単結晶SiC層に変成させる単結晶SiC基板の製造方法であって、上記表面Si層を単結晶SiC層に変成させる際に、埋め込み絶縁層との界面近傍のSi層を残存Si層として残すことを特徴とする単結晶SiC基板の製造方法。
  2. 上記埋め込み絶縁層との界面近傍に残存Si層が残された単結晶SiC基板に対しエピタキシャル成長させることにより、表面の単結晶SiC層の上層にさらに単結晶SiCを成長させる請求項1記載の単結晶SiC基板の製造方法。
  3. 上記残存Si層の厚みが3〜20nmである請求項1または2記載の単結晶SiC基板の製造方法。
  4. 埋め込み絶縁層を有する単結晶Si基板の上記埋め込み絶縁層より表面側に、単結晶SiC層が形成された単結晶SiC基板であって、上記単結晶SiC層と埋め込み絶縁層との界面近傍にSi層が形成されていることを特徴とする単結晶SiC基板。
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