JP2009301733A - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】チップ部材と中間部材を含む複数の部材を電極母材に接合したスパークプラグの製造方法を改善する。
【解決手段】スパークプラグの製造方法は、電極母材を準備する第1の工程と、電極母材の上に、少なくとも1つの中間部材を挟んで、チップ部材を積層する第2の工程と、電極母材と中間部材との間と、中間部材とチップ部材との間とを同時に抵抗溶接する第3の工程と、を備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、スパークプラグの製造方法に関する。
スパークプラグには、メンテナンスフリー達成のための長寿命化のみならず、電極の小型化による着火性の向上や燃焼効率の向上が求められ、こうした要求に応えるため、中心電極や接地電極における火花放電部位に貴金属チップ部材を接合したスパークプラグが知られている。このようなスパークプラグにおいて、貴金属チップ部材と電極母材との間に、貴金属チップ部材の線膨張係数と電極母材の線膨張係数との中間の値の線膨張係数を有する中間部材を配置する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開昭60−262374号公報 特開昭59−94391号公報 特開平6−60959号公報
このような構成を採用することにより、貴金属チップ部材の電極母材からの剥離を抑制している。
しかしながら、貴金属チップ部材と中間部材を含む複数の部材を母材に接合する際の工程の簡略化や、溶接精度の向上など、製造方法の改善が求められていた。
本発明は、チップ部材と中間部材を含む複数の部材を電極母材に接合したスパークプラグにおいて、その製造方法を改善することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
[適用例1](a)電極母材を準備する工程と、
(b)前記電極母材の上に、少なくとも1つの中間部材を挟んで、チップ部材を積層する工程と、
(c)前記電極母材と前記中間部材との間と、前記中間部材と前記チップ部材との間とを抵抗溶接する工程と、
を備える、スパークプラグの製造方法。
こうすれば、電極母材と中間部材との間と、中間部材とチップ部材との間とを同時に抵抗溶接するので、スパークプラグを製造するための工程数を削減できる。
[適用例2]適用例1に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記(c)工程は、
(c1)前記中間部材と前記チップ部材をチャックで把持することにより前記中間部材と前記チップ部材の積層方向と垂直な方向への移動を規制する工程と、
(c2)前記中間部材と前記チップ部材を前記チャックで把持した状態で、抵抗溶接用電極を前記チップ部材の端面に当接させる工程と、
(c3)前記抵抗溶接電極を前記チップ部材の端面に当接した状態で、前記チャックによる把持を解除する工程と、
(c4)前記抵抗溶接電極を前記チップ部材の端面に当接し、前記チャックによる把持を解除した状態で、前記抵抗溶接電極を介して、前記チップ部材および前記中間部材および前記電極母材に通電し、前記抵抗溶接を行う工程と、
を備え、
前記チャックの前記積層方向の厚さは、前記中間部材の前記積層方向の厚さの合計より大きく、前記中間部材と前記チップ部材の前記積層方向の厚さの合計より小さい、スパークプラグの製造方法。
こうすれば、チャックの厚さが、中間部材の厚さの合計より大きく、中間部材とチップ部材の厚さの合計より小さいので、該チャックは、チップ部材と中間部材とを同時に把持できると共に、チャックで把持した状態でチップ部材の端面全体に抵抗溶接用電極を当接させることができる。この結果、チップ部材と中間部材と電極母材を精度良く抵抗溶接することができる。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記チップ部材の前記積層方向の厚さをTaとし、
前記中間部材の前記積層方向の厚さをTbとした場合において、
Tb>Ta
を満たす、スパークプラグの製造方法。
こうすれば、抵抗溶接された中間部材と貴金属チップ部材との間に発生する応力を抑制することができる。この結果、貴金属チップ部材と中間部材との剥離を抑制することができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記中間部材のヤング率は、前記チップ部材のヤング率および前記電極母材のヤング率より小さい、スパークプラグの製造方法。
こうすれば、中間部材のヤング率が貴金属チップ部材のヤング率および電極母材のヤング率より小さいので、中間部材と貴金属チップ部材との間、および、中間部材と電極母材との間に発生する応力を抑制することができる。この結果、中間部材と貴金属チップ部材と剥離、および、中間部材と電極母材との剥離を抑制することができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記中間部材の線膨張係数は、前記チップ部材の線膨張係数より大きく、前記電極母材の線膨張係数より小さい、スパークプラグの製造方法。
こうすれば、中間部材の線膨張係数は、貴金属チップ部材の線膨張係数より大きく、電極母材の線膨張係数より小さいので、中間部材と貴金属チップ部材との間、および、中間部材と電極母材との間に発生する応力を抑制することができる。この結果、中間部材と貴金属チップ部材と剥離、および、中間部材と電極母材との剥離を抑制することができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記中間部材は、
i)パラジウム(Pd)
ii)金(Au)
iii)金パラジウム合金(AuPd合金)
のうちのいずれかを主成分とする材料で形成されている、スパークプラグの製造方法。
こうすれば、上記ヤング率の条件と、線膨張係数の条件を満たす中間部材を形成することができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記スパークプラグは、中心電極と接地電極とを備え、
前記中心電極および前記接地電極の少なくとも一方は、前記工程(a)〜(c)に従って製造され、
前記中心電極と前記接地電極は、前記スパークプラグの軸線方向に火花ギャップを形成する、スパークプラグの製造方法。
こうすれば、縦放電型のスパークプラグを容易に製造することができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例6のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記スパークプラグは、中心電極と接地電極とを備え、
前記中心電極および前記接地電極の少なくとも一方は、前記工程(a)〜(c)に従って製造され、
前記中心電極と前記接地電極は、前記スパークプラグの軸線方向と垂直な方向に火花ギャップを形成する、スパークプラグの製造方法。
こうすれば、横放電型のスパークプラグを容易に製造することができる。
[適用例9]
適用例1ないし適用例8のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記チップ部材は、前記積層方向と垂直な断面が直径Daの円である円筒形状を有し、
前記中間部材は、前記積層方向と垂直な断面が直径Dbの円である円筒形状を有し、
Db>Da
を満たす、スパークプラグの製造方法。
こうすれば、貴金属チップ部材は、中間部材より小さく、円筒形上の底面全体で中間部材と抵抗溶接されるので、貴金属チップ部材の中間部材からの剥離を抑制することができる。
[適用例10]
適用例1ないし適用例9のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記中間部材における前記積層方向と垂直な断面の面積をSbとし、
前記中間部材における積層方向の厚さをTbとした場合において、
25πTb2>Sb(πは円周率)
を満たす、スパークプラグの製造方法。
こうすれば、円筒形状の中間部材と貴金属チップ部材との間に発生する応力を抑制することができる。この結果、貴金属チップ部材と円筒形状の中間部材との剥離を抑制することができる。
[適用例11]
適用例10に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記中間部材は、積層方向と垂直な断面が直径Dbの円形である円筒形状を有し、
10Tb>Db
を満たす、スパークプラグの製造方法。
こうすれば、円筒形状の中間部材と貴金属チップ部材との間に発生する応力を抑制することができる。この結果、貴金属チップ部材と円筒形状の中間部材との剥離を抑制することができる。
A.第1実施形態:
・スパークプラグの構成:
以下、本発明の実施の態様を実施形態に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態としてのスパークプラグ100の部分断面図である。なお、図1において、スパークプラグ100の軸線方向ODを図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。
図1に示すように、スパークプラグ100は、絶縁体としての絶縁碍子10と、この絶縁碍子10を保持する主体金具50と、絶縁碍子10内に軸線方向ODに保持された中心電極20と、接地電極30と、絶縁碍子10の後端部に設けられた端子金具40とを備える。
絶縁碍子10は周知のようにアルミナ等を焼成して形成され、軸中心に軸線方向ODへ延びる軸孔12が形成された筒形状を有する。軸線方向ODの略中央には外径が最も大きな鍔部19が形成されており、それより後端側(図1における上側)には後端側胴部18が形成されている。鍔部19より先端側(図1における下側)には、後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成され、さらにその先端側胴部17よりも先端側に、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は先端側ほど縮径され、スパークプラグ100が内燃機関のエンジンヘッド200に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。脚長部13と先端側胴部17との間には段部15が形成されている。
主体金具50は、内燃機関のエンジンヘッド200にスパークプラグ100を固定するための円筒状の金具である。主体金具50は、絶縁碍子10を、その後端側胴部18の一部から脚長部13にかけての部位を取り囲むようにして内部に保持している。主体金具50は低炭素鋼材より形成され、図示しないスパークプラグレンチが嵌合する工具係合部51と、内燃機関の上部に設けられたエンジンヘッド200の取付ネジ孔201に螺合するネジ山が形成された取付ネジ部52とを備えている。本実施形態では、この取付ネジ部52を、その外径M(呼び径)が標準的な外径であるM14、或いは、M10〜M18とした。
主体金具50の工具係合部51と取付ネジ部52との間には、鍔状のシール部54が形成されている。取付ネジ部52とシール部54との間のネジ首59には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、スパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付けた際に、シール部54の座面55と取付ネジ孔201の開口周縁部205との間で押し潰されて変形する。このガスケット5の変形により、スパークプラグ100とエンジンヘッド200間が封止され、取付ネジ孔201を介したエンジン内の気密漏れが防止される。
主体金具50の工具係合部51より後端側には薄肉の加締部53が設けられている。また、シール部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に薄肉の座屈部58が設けられている。工具係合部51から加締部53にかけての主体金具50の内周面と絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が介在されており、さらに両リング部材6,7間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53を内側に折り曲げるようにして加締めることにより、リング部材6,7およびタルク9を介し、絶縁碍子10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。これにより、主体金具50の内周で取付ネジ部52の位置に形成された段部56に、環状の板パッキン8を介し、絶縁碍子10の段部15が支持されて、主体金具50と絶縁碍子10とが一体にされる。このとき、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は、板パッキン8によって保持され、燃焼ガスの流出が防止される。座屈部58は、加締めの際に、圧縮力の付加に伴い外向きに撓み変形するように構成されており、タルク9の軸線方向ODの圧縮長を長くして主体金具50内の気密性を高めている。なお、段部56よりも先端側における主体金具50と絶縁碍子10との間には、所定寸法のクリアランスが設けられている。
図2は、第1実施形態におけるスパークプラグ100の中心電極20の先端付近の拡大図である。中心電極20は、インコネル(商標名)600等のニッケルまたはニッケルを主成分とする合金から形成された電極母材21の内部に、電極母材21よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金からなる芯材25を埋設した構造を有する棒状の電極である。通常、中心電極20は、有底筒状に形成された電極母材21の内部に芯材25を詰め、底側から押出成形を行って引き延ばすことで作製される。芯材25は、胴部分においては略一定の外径をなすものの、先端側においては先細り形状に形成される。
中心電極20、詳しくは、電極母材21は、その先端部分に、先端に向かって小径となるテーパ状の電極母材台座22と溶融部23と電極チップ90とを備え、この電極チップ90を含む電極母材台座22よりも先端側の部分は絶縁碍子10の先端部11よりも突出されている。電極チップ90は、耐火花消耗性を向上するために、高融点の貴金属を主成分として形成されている。この電極チップ90としては、例えば、イリジウム(Ir)や、Irを主成分として、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)のうち、1種類あるいは2種類以上を添加したIr合金によって形成され、Ir−5Pt合金(5質量%の白金を含有したイリジウム合金)などが多用される。
溶融部23は、電極母材台座22への電極チップ90の溶接、例えばレーザを照射してその熱により電極母材台座22と電極チップ90とを溶融させるレーザ溶接を経て形成される。つまり、電極母材台座22の先端面に電極チップ90を配置した状態で、電極母材台座22と電極チップ90との境界面を狙ってレーザを照射しつつ、その照射箇所を境界面全周に亘って一周させる。このレーザ溶接では、レーザの照射により両材料(電極母材台座22の構成材と電極チップ90の貴金属)が溶融して混ざり合うため、電極チップ90と電極母材台座22とが強固に接合されると共に、電極母材台座22と電極チップ90とを繋ぐ溶融部23が形成される。この溶融部23は、上記両材料の溶融により両材料の合金として形成される。
中心電極20は軸孔12内を後端側に向けて延設され、シール体4およびセラミック抵抗3(図1参照)を経由して、後方(図1における上方)の端子金具40に電気的に接続されている。端子金具40には高圧ケーブル(図示外)がプラグキャップ(図示外)を介して接続され、高電圧が印加される。
接地電極30の電極母材は耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、ニッケル合金が用いられる。本実施形態では、インコネル(商標名)600(INC600)と呼ばれるニッケル合金が用いられている。この接地電極30は、自身の長手方向と直交する方向における横断面が略長方形を有している。接地電極30の母材基端部(一端部)32は、主体金具50の先端面57に溶接にて接合されている。接地電極30の母材先端部(他端部)31の一側面は、中心電極20の電極チップ90と、軸線O上で軸線方向ODに対向するように屈曲されている。そして、この接地電極30の母材先端部31の一側面と電極チップ90の先端面との間には火花ギャップが形成される。この火花ギャップは、例えば、0.2〜0.6mm程度である。
接地電極30の母材先端部31において、電極チップ90と対向する側面には、2層部材300が電極母材に抵抗溶接されている。2層部材300は、貴金属チップ部材310と、中間部材320とを有している。貴金属チップ部材310と中間部材320とは、電極チップ90と対向する方向(第1実施形態では、軸線方向OD)に積層されている。貴金属チップ部材310の下側の面と中間部材320の上側の面との間は、抵抗溶接されている。中間部材320の下側の面は、接地電極30の電極母材と抵抗溶接されている。貴金属チップ部材310には、例えば、Pt(白金)または、Ptを主成分とする合金が用いられる。本実施形態では、Pt−20Ir合金(20質量%のイリジウムを含有した白金合金)が用いられている。中間部材320には、Pd(パラジウム)またはPdを主成分とする合金、Au(金)またはAuを主成分とする合金、AuPd合金、Pt合金が用いられる。本実施形態では、Pdや、Pt−20Ni(20質量%のニッケルを含有した白金合金)が用いられている。中間部材320は、中間部材320の下側が接地電極30の電極母材に埋設されているのは、2層部材300を電極母材に抵抗溶接する際に、中間部材320より融点の低い電極母材が溶けるため、中間部材320の下側部分が電極部材の内部に沈みこむためである。中間部材320の積層方向(第1実施形態では、軸線方向OD)の厚さTbは、貴金属チップ部材310の積層方向の厚さTaより大きい(Tb>Ta)。
図3は、接地電極30の母材先端部31を、軸線方向ODに見た図である。貴金属チップ部材310は、厚さ方向に垂直な方向の断面が直径Daの円形である。中間部材320は、厚さ方向に垂直な方向の断面が直径Dbの円形である。すなわち、貴金属チップ部材310および中間部材320は、円筒形状を有している。中間部材320の直径Dbは、貴金属チップ部材310の直径Daより大きく、貴金属チップ部材310と中間部材320の厚さ方向に垂直な方向の断面は、同心円である。したがって、中間部材320の外縁部は、厚さ方向から見て、貴金属チップ部材310の外縁より外側にはみ出している。
ここで本実施形態では、中間部材320の直径Dbと、中間部材320の厚さTbとは、10Tb>Dbを満たす。なお、この式を、中間部材320の上側の面の面積Sbは、Sb=π(Db/2)2であるので、10Tb>Dbの式を、Sbを用いて表すと、25πtb2>Sbとなる。
以下に、接地電極30の電極母材の材料(INC600)と、貴金属チップ部材310の材料(Pt−20Ir)と、中間部材320の材料(PdまたはPt−20Ni)の特性を示す。
Figure 2009301733
表1から解るように、中間部材320のヤング率は、貴金属チップ部材310のヤング率および接地電極30の電極母材のヤング率より小さい。そして、中間部材320の線膨張係数は、貴金属チップ部材310の線膨張係数より大きく、接地電極30の電極母材の線膨張係数より小さい。
以上説明した本実施形態によれば、中間部材320の積層方向の厚さTbは、貴金属チップ部材310の積層方向の厚さTaより大きい(Tb>Ta)ので、貴金属チップ部材310と中間部材320との剥離が抑制される。
図4は、中間部材320と貴金属チップ部材310との間(抵抗溶接部)に発生する応力を示すグラフである。このグラフは、シミュレーションによって計算された値である。このシミュレーションでは、中間部材320の直径Daを2.9mm、貴金属チップ部材310の直径Dbを3.0mm、貴金属チップ部材310の厚さTaを0.3mmと設定している。そして、貴金属チップ部材310の材料特性はPt−20Ir、接地電極30の電極母材の材料特性はINC600の特性値をそれぞれ用いている。また、このシミュレーションでは、中間部材320の材料としては、Pd(丸印)とPt−20Ni(四角印)の2種類について計算し、中間部材320の厚さTbとしては、0.2mm〜0.5mmまで0.1mm刻みで計算した。このグラフの縦軸は、貴金属チップ部材と中間部材の間に発生する応力について、Tbが0.2mmのときの応力を1としたときの比を表す。
図4に示すシミュレーション結果から解るように、Tb>Taが満たされる領域では、貴金属チップ部材310と中間部材320との間に発生する応力が、Tb≦Taが満たされる領域より、顕著に抑制される。その結果、貴金属チップ部材310と中間部材320との剥離を抑制することができる。
また、本実施形態では、中間部材320の積層方向の厚さTbと、中間部材320の上側の面の直径Dbとの間は、10Tb>Dbの関係式を満たすので、貴金属チップ部材310と中間部材320との剥離が抑制される。
図4に示すシミュレーション結果から解るように、10Tb>Dbが満たされる領域では、貴金属チップ部材310と中間部材320との間に発生する応力が、10Tb≦Dbが満たされる領域より、顕著に抑制される。その結果、貴金属チップ部材310と中間部材320との剥離を抑制することができる。
中間部材320は、貴金属チップ部材310および接地電極30の電極母材よりヤング率が低い、すなわち、弾性変形しやすい材料である。このような中間部材320が貴金属チップ部材310と接地電極30の電極母材との間にクッションとして介在することによって、貴金属チップ部材310と接地電極30の抵抗溶接面に発生する応力を緩和することができる。このような応力緩和能力が十分に発揮されるためには、中間部材320はある程度の厚さTbが必要になると考えられる。そして、この応力緩和能力が十分に発揮されるために厚さTbが満たすべき条件が、10Tb>Dbや、Tb>Taであると考えられる。
また、本実施形態では、中間部材320の線膨張係数は、貴金属チップ部材310の線膨張係数より大きく、接地電極30の電極母材の線膨張係数より小さいので、温度変化により中間部材と貴金属チップ部材との間、および、中間部材と電極母材との間に発生する応力を抑制することができる。この結果、中間部材320と貴金属チップ部材310と剥離、および、中間部材320と接地電極30の電極母材との剥離をより抑制することができる。
・スパークプラグの製造方法:
上記したスパークプラグ100は、例えば、以下のような製造方法によって製造することが可能である。まず、上述した電極チップ90が溶融部23を介在させて電極母材台座22に接合された中心電極20と、絶縁碍子10と、主体金具50と、接地電極30とを用意する。次いで、中心電極20の先端部(詳しくは、電極チップ90と溶融部23と電極母材台座22)を露出させつつ中心電極20の外周を覆うように絶縁碍子10に中心電極20を組み付ける。その後、絶縁碍子10の外周に、絶縁碍子10の先端部が主体金具50の先端面から1.5mm程度或いはそれ以上突出するように、主体金具50を組み付けると共に、接地電極30の母材基端部32を主体金具50の先端面57に接合する。接合された接地電極30の母材先端部31に、貴金属チップ部材310および中間部材320を積層して抵抗溶接する。その後、接地電極30の母材先端部31が中心電極20の先端部と対向するように接地電極30を屈曲する。
図5は、母材先端部31に貴金属チップ部材310および中間部材320を抵抗溶接する工程を示すフローチャートである。ステップS10では、貴金属チップ部材310および中間部材320が抵抗溶接される前の接地電極30(電極母材)が準備される。ステップS20では、準備された電極母材の母材先端部31の上に、中間部材320と、貴金属チップ部材310とを積層する。
図6は、図5のステップS20の状態を示す図である。図6(A)は、母材先端部31を中間部材320と貴金属チップ部材310の積層の方向(以下、単に積層方向と言う)から見た図であり、図6(B)は、図6(A)におけるB−B断面を示す図である。中間部材320および貴金属チップ部材310は、積層方向の上側から見て同心円状となるように積層される。なお、図示は省略するが、母材先端部31は、積層方向の下側の端部が設置台に設置されており、設置台を介して電気的に接地されている。
ステップS30では、把持治具400により、貴金属チップ部材310と中間部材320が、母材先端部31と共に把持される。
図7は、図5のステップS30の状態を示す図である。把持治具400は、第1チャック部410と、第2チャック部420と、治具本体430とを備えている。把持治具400が閉じた状態で、第1チャック部410は、貴金属チップ部材310を把持する。本実施形態では、第1チャック部410の内側端は、把持治具400が閉じた状態で、積層方向から見て正方形を有している。この正方形の一辺の長さは、概ね貴金属チップ部材310の円筒形状の直径に等しく、把持治具400が閉じた状態で、第1チャック部410の内側端面は、正方形の各辺の中央部にて、貴金属チップ部材310の側面に当接する。したがって、第1チャック部410は、4点の当接によって、貴金属チップ部材310を把持する。第1チャック部410の厚さCaは、貴金属チップ部材310の厚さTaより小さい。第1チャック部の内端側は積層方向から見て正方形としたが、これに限らず貴金属チップ部材310を把持することができれば丸型やその他の形状でも良い。
把持治具400が閉じた状態で、第2チャック部420は、中間部材320を把持する。本実施形態では、第2チャック部420の内側端は、第1チャック部410と同様に、把持治具400が閉じた状態で、積層方向から見て正方形を有している。この正方形の一辺の長さは、概ね中間部材320の円筒形状の直径に等しく、把持治具400が閉じた状態で、第2チャック部420の内側端面は、正方形の各辺の中央部にて、中間部材320の側面に当接する。したがって、第2チャック部420は、4点の当接によって、中間部材320を把持する。中間部材320の厚さCbは、中間部材320の厚さTbと概ね等しい。第2チャック部の内端側は積層方向から見て正方形としたが、これに限らず中間部材320を把持することができれば丸型やその他の形状でも良い。
以上の説明から解るように、チャック部の厚さ、すなわち、第1チャック部410と第2チャック部420の厚さの和Ca+Cbは、中間部材320の厚さTbより大きく、中間部材320と貴金属チップ部材310の厚さの和Ta+Tbより小さい。したがって、貴金属チップ部材310の積層方向の上側の端面は、第1チャック部410の同方向の端面より高い位置になる。
把持治具400が閉じた状態で、治具本体430は、母材先端部31を把持する。治具本体430の内側には、母材先端部31の外形に対応する形状が成形されている。これにより、把持治具400が閉じた状態で、貴金属チップ部材310および中間部材320が、母材先端部31に対して位置決めされる。そして、貴金属チップ部材310および中間部材320の、積層方向と垂直な方向への母材先端部31に対する移動が規制される。
ステップS40では、把持治具400を閉じた状態を維持しつつ、抵抗溶接用電極500により、貴金属チップ部材310の積層方向の上側端面を、積層方向の下向きに押圧する。
図8は、図5のステップS40の状態を示す図である。抵抗溶接用電極500は、積層方向と垂直な断面が円形であり、積層方向の断面が矩形の円筒形状を有している。抵抗溶接用電極500の円筒形状の直径は、貴金属チップ部材310の円筒形状の直径より大きい。このため、抵抗溶接用電極500が、貴金属チップ部材310の積層方向の上方から下降してくると、把持治具400の下側端面は、貴金属チップ部材310の上側端面の全体に亘って当接する。貴金属チップ部材310と中間部材320は、把持治具400により把持されているので、抵抗溶接用電極500が貴金属チップ部材310に当接した瞬間に、貴金属チップ部材310および中間部材320が母材先端部31に対してずれることを抑制できる。図8の状態で、抵抗溶接用電極500は、所定の圧力で貴金属チップ部材310の上側端面を概ね均一に押圧する。
ステップS50では、貴金属チップ部材310、中間部材320、母材先端部31に対する把持治具400による把持が解除される。
図9は、図5のステップS50の状態を示す図である。図9に示すように、抵抗溶接用電極500による貴金属チップ部材310の上側端面に対する押圧が維持された状態で、把持治具400が、積層方向と垂直な方向に開く。この結果、貴金属チップ部材310、中間部材320、母材先端部31の側面に対する把持治具400による把持が解除される。
ステップS60では、図9に示す状態で抵抗溶接が実行される。具体的には、抵抗溶接用電極500の電位が母材先端部31の接地電位に対して高電圧にされ、その結果、抵抗溶接用電極500を介して、貴金属チップ部材310、中間部材320、母材先端部31に大電流が流れる。この結果、貴金属チップ部材310の積層方向の下側面と、当該下側面と接触している中間部材320の積層方向の上側面とが抵抗溶接されると共に、中間部材320の積層方向の下側面と、当該下側面と接触している母材先端部31の積層方向の上側面とが抵抗溶接される。すなわち、貴金属チップ部材310と中間部材320との間と、中間部材320と母材先端部31との間とが、略同時に抵抗溶接される。
図10は、抵抗溶接が完了した直後の様子を示す図である。中間部材320の積層方向の下側は、母材先端部31の上面が溶けたことによって、母材先端部31に埋設される。また、貴金属チップ部材310の側面および中間部材320の側面には、それぞれ、溶接ダレRdが生じる。抵抗溶接が完了すると、抵抗溶接用電極500は、上昇して貴金属チップ部材310は、押圧状態から解放される。
以上説明した第1実施形態のスパークプラグの製造方法によれば、貴金属チップ部材310と中間部材320との間と、中間部材320と母材先端部31との間とが、同時に抵抗溶接されるので、別々に溶接する場合と比較して、工程数および治具数を削減できる。さらに、第1実施形態では、貴金属チップ部材310を精度良く、中間部材320上に抵抗溶接できる。
図11は、比較形態における抵抗溶接について説明する図である。比較形態では、第1の溶接工程で、中間部材320を溶接し、その後の第2の溶接工程で、中間部材320の上に貴金属チップ部材310を抵抗溶接する。図11は、第2の溶接工程において、把持治具400を閉めた状態を示している。比較形態では、第1の溶接工程において発生した溶接ダレRdの存在のために、第2の溶接工程において、貴金属チップ部材310を把持するための把持治具400Aを完全に閉じられないおそれがある。この結果、400Aを閉じた状態において、隙間GAが生じてしまい、貴金属チップ部材310の中間部材320に対する位置ズレが生じ易くなる。
次に、実施例として、上述の第1実施形態の製造方法によりスパークプラグを製造した結果を示す。また、比較例として、上述の比較形態の製造方法によりスパークプラグを製造した結果を示す。第1実施例および比較例ともに、貴金属チップ部材310の中間部材320に対する位置ズレの量(ズレ量)を測定した。
図12は、実施例と比較例における貴金属チップ部材310の中間部材320に対する位置ズレの量を示すグラフである。図12から解るように、比較例では、比較的大きなズレ量が発生する確率が高いのに対して、実施例では、小さなズレ量で収まる確率が極めて高いことが解る。
さらに、第1実施形態によれば、第1チャック部410と第2チャック部420の厚さの和Ca+Cbは、中間部材320の厚さTbより大きく、中間部材320と貴金属チップ部材310の厚さの和Ta+Tbより小さい。この結果、チャック部(第1チャック部410と第2チャック部420)の積層方向上側の端面は、中間部材320の積層方向の端面より高く、貴金属チップ部材310の積層方向の上側の端面より低くなる。従って、貴金属チップ部材310と中間部材320との把持を確保しつつ、抵抗溶接用電極500が、把持治具400と干渉することを抑制することができる。
B.第2実施形態:
図13は、第2実施形態におけるスパークプラグ100Aの中心電極20の先端付近の拡大図である。第2実施形態におけるスパークプラグ100Aが、第1実施形態におけるスパークプラグ100と異なる点は、接地電極30Aの構成である。第2実施形態の接地電極30Aの母材先端部31Aは、第1実施形態と異なり、電極チップ90の側面と対向するように形成されている。すなわち、母材先端部31の端面は、電極チップ90の側面と、軸線方向ODと垂直な方向に対向する。そして、母材先端部31の端面には、電極チップ90との対向方向に2層部材300Aが抵抗溶接されている。2層部材300Aを構成する貴金属チップ部材310Aおよび中間部材320Aの構成および抵抗溶接の方法は、積層方向が軸線方向ODと垂直な方向であることを除いて、第1実施形態と同じである。このように、本発明は、第1実施形態のような軸線方向ODに火花ギャップが設けられた縦放電タイプのスパークプラグだけでなく、第2実施形態のような軸線方向ODに垂直な方向に火花ギャップが設けられた横放電タイプのスパークプラグにも適用可能である。第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。また、第2実施形態のスパークプラグ100Aは、上記第1実施形態と同様の製造方法で作製することができる。すなわち、母材先端部31の端面に、貴金属チップ部材310Aおよび中間部材320Aを同時に抵抗溶接して作製することができる。
C.第3実施形態:
図14は、第3実施形態におけるスパークプラグ100Bの中心電極20Bの先端付近の拡大図である。第3実施形態におけるスパークプラグ100Bが、第1実施形態におけるスパークプラグ100と異なる点は、接地電極30Bの構成と、中心電極20Bの先端付近の構成である。第3実施形態の接地電極30Bの母材先端部31Bは、第1実施形態と異なり、2層部材300が配置されていない。一方、第3実施形態の中心電極20Bの電極母材21Bの先端部分には、第1実施形態の溶融部23および電極チップ90に代えて、2層部材300Bが形成されている。2層部材300Bを構成する貴金属チップ部材310Bおよび中間部材320Bの構成および抵抗溶接の方法は、電極母材21Bが上側にあることに対応して、中間部材320Bが上側に貴金属チップ部材310Bが下側にあることを除いて、第1実施形態と同じである。このように、本発明は、第1実施形態および第2実施形態の2層部材300、300Aのように接地電極に適用されるだけでなく、第3実施形態の2層部材300Bのように中心電極にも適用可能である。中心電極に適用した場合においても、接地電極に適用した場合と同様の作用・効果が得られる。また、第3実施形態のスパークプラグ100Bは、上記第1実施形態と同様の製造方法で作製することができる。すなわち、電極母材21Bの端面に、貴金属チップ部材310Bおよび中間部材320Bを同時に抵抗溶接して作製することができる。
D.変形例:
・第1変形例:
上記実施形態では、中間部材320は、1つであるが、複数の中間部材320を貴金属チップ部材310と母材先端部31との間に挟んでも良い。例えば、一番下の層である母材先端部31から一番上の層である貴金属チップ部材310まで、積層順に線膨張係数が小さくなっていくように複数の中間部材320の材質を選択しても良い。かかる場合には、抵抗溶接を行う際に用いる把持治具において、チャック部の積層方向の厚さは、複数の中間部材320の積層方向の厚さの合計より大きく、複数の中間部材320と貴金属チップ部材310の積層方向の厚さの合計より小さくしても良い。そうすれば、一度の溶接で、複数の中間部材320と貴金属チップ部材310と母材先端部31とを精度良く抵抗溶接することができる。
・第2変形例:
上記実施形態では、貴金属チップ部材310の直径Daを、中間部材320の直径Dbより小さくしたが、これに限られない。例えば、貴金属チップ部材310の直径Daと中間部材320の直径Dbとを等しくしても良い。こうすれば、把持治具400において、第1チャック部410と第2チャック部420を設けることなく、1つのチャック部を設けるだけで良いので、把持治具400の構成を簡便にすることができる。
・第3変形例:
上記実施形態では、2層部材300、300A、300Bは、接地電極か中心電極のいずれか一方に配置されているが、両方に配置しても良い。
・第4変形例:
上記実施形態では、2層部材300、300A、300Bを構成する貴金属チップ部材310、310A、310B、および、中間部材320、320B、320Aは、積層方向から見た形状が円形であるが、これに限られない。例えば、貴金属チップ部材310、310A、310B、および、中間部材320、320B、320Aは、四角形、六角形などの多角形であってもよいし、楕円形であっても良い。また、中間部材と貴金属チップ部材の形状が異なっていても良い。いずれの形状であっても、全周に亘って、中間部材の外縁部は、貴金属チップ部材の外縁より外側にあることが好ましい。また、中間部材の厚さTbと中間部材の積層方向の上面の面積Sbは、25πTb2>Sb(πは円周率)の関係式を満たしていることが好ましい。
・第5変形例:
上記実施形態では、10Tb>Dbの関係式と、Tb>Taの関係式の両方を満たしているが、いずれか一方を満たしているだけでも良い。
・第6変形例:
上記実施形態のように、中間部材320、320A、320Bのヤング率は、貴金属チップ部材310、310A、310Bのヤング率および電極母材21、21Bのヤング率より小さいことが好ましく、中間部材320、320A、320Bの線膨張係数は、貴金属チップ部材310、310A、310Bの線膨張係数より大きく、電極母材21、21Bの線膨張係数より小さいことが好ましい。貴金属チップ部材310、310A、310Bが白金または白金を主成分とした合金であり、電極母材がニッケル合金である一般的な構成である場合、このような条件を満たす中間部材320、320A、320Bの材料としては、i)パラジウム(Pd)、ii)金(Au)、iii)金パラジウム合金(AuPd合金)のうちのいずれかを主成分とする材料がある。
・第7変形例:
上記実施形態では、横放電型と縦放電型を例として説明したが、接地電極の先端部と、中心電極20の先端部との位置関係は、スパークプラグの用途や、必要とされる性能等に応じて適宜設定することが可能である。また、1つの中心電極に対して複数の接地電極が設けられても良い。
以上、本発明の実施形態および変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態および変形例になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
本発明の一実施形態としてのスパークプラグ100の部分断面図である。 第1実施形態におけるスパークプラグ100の中心電極20の先端付近の拡大図である。 接地電極30の母材先端部31を軸線方向ODに見た図である。 中間部材320と貴金属チップ部材310との間(抵抗溶接部)に発生する応力を示すグラフである。 母材先端部31に貴金属チップ部材310および中間部材320を抵抗溶接する工程を示すフローチャートである。 図5のステップS20の状態を示す図である。 図5のステップS30の状態を示す図である。 図5のステップS40の状態を示す図である。 図5のステップS50の状態を示す図である。 抵抗溶接が完了した直後の様子を示す図である。 比較形態における抵抗溶接について説明する図である。 実施例と比較例における貴金属チップ部材310の中間部材320に対する位置ズレの量を示すグラフである。 第2実施形態におけるスパークプラグ100Aの中心電極20の先端付近の拡大図である。 第3実施形態におけるスパークプラグ100Bの中心電極20Bの先端付近の拡大図である。
符号の説明
3…セラミック抵抗
4…シール体
5…ガスケット
6…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁碍子
11…先端部
12…軸孔
13…脚長部
15…段部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…鍔部
20、20B…中心電極
21、21B…電極母材
22…電極母材台座
23…溶融部
25…芯材
30、30A、30B…接地電極
31…母材先端部
40…端子金具
50…主体金具
51…工具係合部
52…取付ネジ部
53…加締部
54…シール部
55…座面
56…段部
57…先端面
58…座屈部
59…ネジ首
90…電極チップ
100、100A、100B…スパークプラグ
200…エンジンヘッド
201…取付ネジ孔
205…開口周縁部
300、300A、300B…2層部材
310、310A、310B…貴金属チップ部材
320、320A、320B…中間部材
400…把持治具
410…第1チャック部
420…第2チャック部
430…治具本体
500…抵抗溶接用電極

Claims (11)

  1. (a)電極母材を準備する工程と、
    (b)前記電極母材の上に、少なくとも1つの中間部材を挟んで、チップ部材を積層する工程と、
    (c)前記電極母材と前記中間部材との間と、前記中間部材と前記チップ部材との間とを抵抗溶接する工程と、
    を備える、スパークプラグの製造方法。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記(c)工程は、
    (c1)前記中間部材と前記チップ部材をチャックで把持することにより前記中間部材と前記チップ部材の積層方向と垂直な方向への移動を規制する工程と、
    (c2)前記中間部材と前記チップ部材を前記チャックで把持した状態で、抵抗溶接用電極を前記チップ部材の端面に当接させる工程と、
    (c3)前記抵抗溶接電極を前記チップ部材の端面に当接した状態で、前記チャックによる把持を解除する工程と、
    (c4)前記抵抗溶接電極を前記チップ部材の端面に当接し、前記チャックによる把持を解除した状態で、前記抵抗溶接電極を介して、前記チップ部材および前記中間部材および前記電極母材に通電し、前記抵抗溶接を行う工程と、
    を備え、
    前記チャックの前記積層方向の厚さは、前記中間部材の前記積層方向の厚さの合計より大きく、前記中間部材と前記チップ部材の前記積層方向の厚さの合計より小さい、スパークプラグの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記チップ部材の前記積層方向の厚さをTaとし、
    前記中間部材の前記積層方向の厚さをTbとした場合において、
    Tb>Ta
    を満たす、スパークプラグの製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記中間部材のヤング率は、前記チップ部材のヤング率および前記電極母材のヤング率より小さい、スパークプラグの製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記中間部材の線膨張係数は、前記チップ部材の線膨張係数より大きく、前記電極母材の線膨張係数より小さい、スパークプラグの製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記中間部材は、
    i)パラジウム(Pd)
    ii)金(Au)
    iii)金パラジウム合金(AuPd合金)
    のうちのいずれかを主成分とする材料で形成されている、スパークプラグの製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記スパークプラグは、中心電極と接地電極とを備え、
    前記中心電極および前記接地電極の少なくとも一方は、前記工程(a)〜(c)に従って製造され、
    前記中心電極と前記接地電極は、前記スパークプラグの軸線方向に火花ギャップを形成する、スパークプラグの製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記スパークプラグは、中心電極と接地電極とを備え、
    前記中心電極および前記接地電極の少なくとも一方は、前記工程(a)〜(c)に従って製造され、
    前記中心電極と前記接地電極は、前記スパークプラグの軸線方向と垂直な方向に火花ギャップを形成する、スパークプラグの製造方法。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記チップ部材は、前記積層方向と垂直な断面が直径Daの円である円筒形状を有し、
    前記中間部材は、前記積層方向と垂直な断面が直径Dbの円である円筒形状を有し、
    Db>Da
    を満たす、スパークプラグの製造方法。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記中間部材における前記積層方向と垂直な断面の面積をSbとし、
    前記中間部材における積層方向の厚さをTbとした場合において、
    25πTb2>Sb(πは円周率)
    を満たす、スパークプラグの製造方法。
  11. 請求項10に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記中間部材は、積層方向と垂直な断面が直径Dbの円形である円筒形状を有し、
    10Tb>Db
    を満たす、スパークプラグの製造方法。
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