JP2013206789A - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接地電極に対するチップの接合性を飛躍的に高めることができるとともに、印加荷重が広い範囲で設定可能となり、優れた接合性を安定的に実現する。
【解決手段】スパークプラグ1は、接地電極27と、接地電極27に接合された接地電極側チップ32とを備え、接合工程において、抵抗溶接により、接地電極27に接地電極側チップ32が接合される。接合工程においては、接地電極側チップ32に対して接地電極27側に向けた荷重を加えた状態で、接地電極側チップ32に接触するチップ側部材41と、接地電極27に対して荷重を加えた状態で、接地電極27に接触する接地電極側部材42との間で通電することにより、接地電極27に接地電極側チップ32が接合される。接合工程においては、チップ側部材41から接地電極側チップ32に加えられる荷重が、接地電極側部材42から接地電極27に加えられる荷重よりも小さくされる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグの製造方法に関する。
一般的に内燃機関等に使用されるスパークプラグは、中心電極と接地電極との間の火花放電間隙において火花を生じさせることにより、燃焼室に供給される混合気へと着火する構成となっている。
また近年では、耐消耗性の低下を防止しつつ、着火性の向上を図るべく、接地電極のうち中心電極と対向する部位に耐消耗性に優れる金属からなるチップを溶接する技術が提案されている。
ここで、接地電極にチップを溶接する手法としては、一般に抵抗溶接が用いられる。具体的には、接地電極に接触する接地電極側部材と、チップに接触するチップ側部材とにより、接地電極及びチップを挟み込んだ状態で、前記両部材から接地電極及びチップに荷重を加えつつ、両部材間を通電することで、接地電極に対してチップが溶接される(例えば、特許文献1等参照)。尚、接地電極の移動(変形)を抑制すべく、接地電極側部材から接地電極に加えられる荷重と、チップ側部材からチップに加えられる荷重とは等しいものとされる。
特開2002−198157号公報
ところで、接地電極及びチップを十分に溶かし込み、接地電極に対するチップの接合性を高めるという点では、接地電極に対するチップの接触抵抗値を比較的大きなものとし、両者の間での発熱量を増大させることが有効である。そこで、接地電極に対するチップの接触抵抗値を増大させるために、チップ側部材からチップに加えられる荷重を比較的小さなものとすることが考えられる。
しかしながら、チップ側部材からチップに加えられる荷重を小さくした場合には、それに対応して、接地電極側部材から接地電極に加えられる荷重も小さくなる。接地電極に加えられる荷重が小さくなると、接地電極の一部に対して接地電極側部材が局所的に圧接してしまい(面接触ではなく、点接触に近い状態となってしまい)、チップ及び接地電極間の通電経路が安定せず、偏りが生じてしまうおそれがある。その結果、接地電極とチップとの接触部分のうちの一部が過度に溶融する一方で、その一部以外は十分に溶融せず、接地電極とチップとの接触部分を均等に溶融させることができなくなり、ひいては接合性の低下を招いてしまうおそれがある。
これに対して、チップ側部材からチップに加えられる荷重、及び、接地電極側部材から接地電極に加えられる荷重を調節することで、接地電極及びチップ間の接触抵抗値をある程度増大させつつ、接地電極及びチップ間の通電経路を比較的偏りのないものとする手法が考えられる。しかしながら、当該手法では、印加荷重を非常に狭い範囲で設定する必要がある。そのため、印加荷重の管理が極めて難しく、また、製造時における若干の荷重変動で、十分な接合性を得ることができないおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、接地電極に対するチップの接合性を飛躍的に高めることができるとともに、印加荷重を広い範囲で設定することができ、優れた接合性を安定的に実現することができるスパークプラグの製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグの製造方法は、軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記軸孔の先端側に挿設された中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部に、自身の基端部が固定された接地電極と、
前記接地電極の先端部に接合され、前記中心電極の先端部との間に間隙を形成するチップとを備えるスパークプラグの製造方法であって、
抵抗溶接により、前記接地電極に前記チップを接合する接合工程を含み、
前記接合工程においては、
前記チップに対して前記接地電極側に向けた荷重を加えた状態で、前記チップに接触するチップ側部材と、前記接地電極に対して荷重を加えた状態で、前記接地電極に接触する接地電極側部材との間で通電することにより、前記接地電極に前記チップが接合され、
前記チップ側部材から前記チップに加えられる荷重が、前記接地電極側部材から前記接地電極に加えられる荷重よりも小さくされることを特徴とする。
上記構成1によれば、接合工程において、チップ側部材からチップに加えられる荷重が比較的小さなものとされている。従って、接地電極に対するチップの接触抵抗値を大きなものとすることができ、両者を十分に溶かし込むことができる。
さらに、上記構成1によれば、接合工程において、接地電極側部材から接地電極に加えられる荷重が比較的大きなものとされている。従って、接地電極に対して接地電極側部材をより確実に面接触させることができ、接地電極及びチップ間において、通電経路に偏りが生じてしまうことを防止でき、より均等に通電経路を形成することができる。その結果、接地電極とチップとの接触部分を広範囲に亘って均等に溶融させることができる。
以上のように、上記構成1によれば、接地電極とチップとの接触部分の広範囲において、接地電極及びチップを十分に溶かし込むことができる。その結果、接地電極に対するチップの接合性を飛躍的に向上させることができる。
尚、接地電極に対してチップを接合したときには、チップ及び接地電極の接合面の外周側に、接地電極やチップが溶融してなる溶融部がはみ出すことで、いわゆるダレ(外周ダレ)が形成される。上記構成1によれば、接地電極とチップとの接触部分の広範囲において、接地電極及びチップが十分に溶融するために、前記接合面の外周側の広範囲に亘って、外周ダレが形成されることとなる。そのため、前記接合面の外周の広範囲が前記外周ダレで覆われることになり、前記接合面に対するガスの侵入をより確実に防止することができる。その結果、接合面における酸化スケール等の形成を効果的に抑制することができ、接合性をより一層高めることができる。
また、上記構成1によれば、チップ側部材からチップに加えられる荷重と、接地電極側部材から接地電極に加えられる荷重とを個々別々に設定することができるため、各印加荷重を広い範囲で設定することができる。従って、印加荷重の管理が非常に容易になるとともに、優れた接合性を有するスパークプラグを安定的に製造することができる。
尚、チップ側部材からチップに加えられる荷重と、接地電極側部材から接地電極に加えられる荷重とが異なることに伴う接地電極の移動(変形)を抑制すべく(荷重方向の力の平衡を図るべく)、接合工程において、接地電極を保持する保持部材を用いることとしてもよい。この場合には、次述する構成2の位置に保持部材を設けることが好ましい。
構成2.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1において、前記接合工程においては、前記接地電極のうち前記チップの接合される面に隣接する両側面と接触し前記接地電極を挟み込む保持部材により、前記接地電極が保持されることを特徴とする。
荷重を印加しつつチップを接合する際には、チップ等が溶融する瞬間に荷重のバランスが一瞬崩れ、慣性により接地電極が荷重の印加方向に移動してしまうことがある。接地電極が移動してしまうと、チップから接地電極に対して荷重が均等に加わらなくなってしまい、接地電極とチップとの接触部分のうち印加荷重の比較的小さな部位が過度に溶融してしまうおそれがある。
この点、上記構成2によれば、接合工程において、接地電極の両側面と接触し、接地電極を挟み込む保持部材により、接地電極が保持されるように構成されている。従って、接合工程における接地電極の移動を規制することができ、チップから接地電極に対して荷重をより均等に加えることができる。その結果、接地電極とチップとの接触部分をより広範囲に亘って均等に溶融させることができ、接合性を一層向上させることができる。
構成3.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1又は2において、前記接合工程において、前記接地電極側部材は、前記接地電極のうち前記チップの接合される面に隣接する両側面と接触することを特徴とする。
上記構成3によれば、接地電極側部材により、接合工程における接地電極の移動を規制することができ、チップから接地電極に対して荷重をより均等に加えることができる。その結果、接地電極とチップとの接触部分をより広範囲に亘って均等に溶融させることができ、接合性を一層向上させることができる。
また、上記構成3によれば、接地電極の両側面に接地電極側部材が接触しているため、接地電極及びチップ間に形成される通電経路を適度に分散させることができる。そのため、接地電極とチップとの接触部分の極めて広範囲を均等に溶融させることができ、接合性を一段と高めることができる。
構成4.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記チップの少なくとも一部は、前記接地電極のうち、前記接地電極側部材が接触する部位に対応する前記接地電極の長手方向に沿った範囲内に接合されることを特徴とする。
上記構成4によれば、接地電極及びチップ間に形成される通電経路に偏りが生じてしまうことをより確実に防止することができる。従って、接地電極とチップとの接触部分を一層均等に溶融させることができ、接合性をさらに向上させることができる。
構成5.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記接合工程においては、
前記チップのうち前記接地電極側に位置する面の面積よりも断面積が小さい柱状の金属片を、前記チップの中央部及び前記接地電極間に配置した上で、前記チップ側部材及び前記接地電極側部材間が通電され、
前記前記チップ側部材から前記チップに加えられる荷重をA(N)とし、前記金属片の高さをH(mm)としたとき、
A(N)<1000(N/mm)×H(mm)+100(N)
を満たすことを特徴とする。
上記構成5によれば、A<1000(N/mm)×H+100を満たすように、チップ側部材からチップに加えられる荷重が設定されている。従って、接合工程において、金属片(いわゆるプロジェクション)をより確実に溶融させることができ、接地電極に対してチップの中央部をより確実に接合することができる。その結果、接合性をより一層向上させることができる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 スパークプラグの先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。 チップ側部材や接地電極側部材等を示す正面図である。 チップ側部材や接地電極側部材等を示す正面図である。 接地電極に対する接地電極側チップの接合位置を説明するための底面模式図である。 (a)は、接合工程におけるチップ側部材等を示す正面図であり、(b)は、接合工程におけるチップ側部材等を示す側面図である。 (a)は、第2実施形態におけるチップ側部材等を示す正面図であり、(b)は、第2実施形態におけるチップ側部材等を示す側面図である。 (a)は、第3実施形態におけるチップ側部材等を示す正面図であり、(b)は、第3実施形態におけるチップ側部材等を示す側面図である。 (a)は、第4実施形態におけるチップ側部材等を示す正面図であり、(b)は、第4実施形態におけるチップ側部材等を示す側面図である。 第4実施形態における、接地電極に接合された接地電極側チップを示す部分拡大断面図である。 外周ダレの形成範囲が1/2である場合の溶融部を示す模式図である。 (a)〜(d)は、機械的強度の面により接合性を評価する際の評価方法を説明するための接地電極等の断面模式図である。 (a),(b)は、熱的強度の面により接合性を評価する際の評価方法を説明するための接地電極等の断面模式図である。 比較例に相当する接合態様1を説明するためのチップ側部材等を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。 (a)は、接合位置αを示すための接地電極等の側面図であり、(b)は、接合位置αを示すための接地電極等の底面模式図であり、(c)は、接合位置βを示すための接地電極等の側面図であり、(d)は、接合位置βを示すための接地電極等の底面模式図であり、(e)は、接合位置γを示すための接地電極等の側面図であり、(f)は、接合位置γを示すための接地電極等の底面模式図である。
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には軸線CL1方向に延びる棒状(円柱状)の中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、熱伝導性に優れる銅や銅合金、純ニッケル(Ni)からなる内層5A、及び、Niを主成分とする合金からなる外層5Bにより構成されている。さらに、中心電極5は、その先端面が絶縁碍子2の先端から突出しており、中心電極5の先端部には、円柱状の中心電極側チップ31が接合されている。本実施形態において、中心電極側チップ31は、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、又は、これらの金属のうち少なくとも一種を主成分とする合金により形成されている。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を燃焼装置(例えば、内燃機関や燃料電池改質器等)の取付孔に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側には径方向外側に突出する座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を前記燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3に対してその後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、図2に示すように、主体金具3の先端部26には、棒状をなす接地電極27の基端部が接合されている。接地電極27は、断面矩形状をなすとともに、自身の略中間部分にて曲げ返されている。そして、接地電極27のうち中心電極5側に位置する対向面27Tの先端部には、Ir、Pt、W、Pd、又は、これらの少なくとも一種を主成分とする合金からなる円柱状の接地電極側チップ32(本発明のチップに相当する)が接合されている。尚、接地電極側チップ32は、抵抗溶接により形成された、接地電極27の構成材料や接地電極側チップ32の構成材料が溶融してなる溶融部35(図2では、図示の便宜上、溶融部35を実際よりも厚肉に示している)を介して接地電極27に接合されている。そして、両チップ31,32間には、間隙としての火花放電間隙33が形成されており、当該火花放電間隙33において、軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。
まず、主体金具3を予め製造しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、鉄系素材やステンレス素材)に対して冷間鍛造加工等を施すことで概形を形成するとともに、貫通孔を形成する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金等からなる直棒状の接地電極27を抵抗溶接する。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。また、接地電極27の溶接された主体金具3には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性の向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理を施すこととしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。すなわち、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用いて、成形用素地造粒物を調製するとともに、当該成形用素地造粒物を用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体を得る。そして、研削加工を施すことで、得られた成形体を整形するとともに、整形されたものを焼成炉で焼成することにより、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金等を配置したNi合金に鍛造加工を施すことで、中心電極5を作製する。さらに、中心電極5の先端部に対して中心電極側チップ31がレーザー溶接等により接合される。
次に、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱することにより焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面に釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが固定される。より詳しくは、主体金具3に絶縁碍子2を挿通した上で、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって絶縁碍子2と主体金具3とが固定される。
次いで、接地電極27のうち少なくとも接地電極側チップ32の接合予定部位を所定の酸性剥離液に浸漬すること等により、前記接合予定部位を覆うメッキが剥離される。
次に、接合工程において、図3に示すように、それぞれの間で通電可能なチップ側部材41及び接地電極側部材42を用いて、接地電極27の先端部に接地電極側チップ32が接合される。尚、チップ側部材41は、接地電極27に対して接離移動可能な棒状(針状)の電極により構成されている。また、接地電極側部材42は、接地電極27に対して接離移動可能な相対向する一対の電極により構成されている。さらに、図6(b)に示すように、接地電極側部材42のうち接地電極27に接触する部位は、接地電極27の長手方向に沿った長さLが所定の数値範囲内(例えば、1mm以上10mm以下)とされている。
接合工程の説明に戻り、まず、図4に示すように、チップ側部材41上に、接地電極側チップ32を載置した上で、チップ側部材41を接地電極27の前記対向面27Tに対して接近させる。そして、図6(a),(b)に示すように、絶縁性素材からなり、接地電極27のうち前記対向面27Tの背後に位置する背面27Bに接触する保持部材43とチップ側部材41とにより、接地電極27及び接地電極側チップ32を挟み込む。また、接地電極側部材42を接地電極27のうち前記対向面27Tに隣接する両側面27S1,27S2に接触させ、接地電極側部材42により、接地電極27を挟み込む。尚、このとき、図5に示すように、接地電極側チップ32の少なくとも一部が、接地電極27のうち、接地電極側部材42が接触する部位に対応する接地電極27の長手方向に沿った範囲RA内に接合されるように、接地電極側チップ32と接地電極側部材42との相対位置関係が設定されている。
次いで、チップ側部材41から接地電極側チップ32に対して接地電極27側に向けた荷重を加えるとともに、接地電極側部材42から接地電極27に対して荷重を加えた状態で、チップ側部材41及び接地電極側部材42間で所定電流値(例えば、500A以上1500A以下)の電流を所定時間(例えば、100ms以上1000ms以下)に亘って流す。これにより、接地電極27を構成する金属と接地電極側チップ32を構成する金属とが溶け合ってなる溶融部35が形成され、接地電極27に接地電極側チップ32が接合される。特に本実施形態では、接合工程において、チップ側部材41から接地電極側チップ32に加えられる荷重(例えば、50N以上100N以下)が、接地電極側部材42から接地電極27に加えられる荷重(例えば、300N以上)よりも小さくされている。
接地電極側チップ32の接合後、接地電極27の略中間部分が中心電極5側へと屈曲させられる。そして最後に、両チップ31,32間の火花放電間隙33の大きさを調整する加工が実施されることで、上述のスパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、接合工程において、チップ側部材41から接地電極側チップ32に加えられる荷重が比較的小さなものとされている。従って、接地電極27に対する接地電極側チップ32の接触抵抗値を大きなものとすることができ、両者を十分に溶かし込むことができる。
さらに、接合工程において、接地電極側部材42から接地電極27に加えられる荷重が比較的大きなものとされている。従って、接地電極27に対して接地電極側部材42をより確実に面接触させることができ、接地電極27及び接地電極側チップ32間において、通電経路に偏りが生じてしまうことを防止でき、より均等に通電経路を形成することができる。その結果、接地電極27と接地電極側チップ32との接触部分を広範囲に亘って均等に溶融させることができる。
以上のように、本実施形態によれば、接地電極27と接地電極側チップ32との接触部分の広範囲において、接地電極27及び接地電極側チップ32を十分に溶かし込むことができる。その結果、接地電極27に対する接地電極側チップ32の接合性を飛躍的に向上させることができる。
また、本実施形態によれば、接地電極27と接地電極側チップ32との接合面の外周側に位置する溶融部35(いわゆる外周ダレ)を、前記接合面の外周の広範囲に亘って形成することができる。そのため、前記接合面に対するガスの侵入をより確実に防止することができ、接合面における酸化スケール等の形成を効果的に抑制することができる。その結果、接合性をより一層高めることができる。
さらに、本実施形態では、チップ側部材41から接地電極側チップ32に加えられる荷重と、接地電極側部材42から接地電極27に加えられる荷重とを個々別々に設定することができるため、各印加荷重を広い範囲で設定することができる。従って、印加荷重の管理が非常に容易になるとともに、優れた接合性を有するスパークプラグ1を安定的に製造することができる。
また、接合工程においては、接地電極側部材42により接地電極27の移動を規制することができるため、接地電極側チップ32から接地電極27に対して荷重をより均等に加えることができる。その結果、接地電極27と接地電極側チップ32との接触部分をより広範囲に亘って均等に溶融させることができ、接合性をより向上させることができる。
さらに、接地電極27の両側面27S1,27S2に接地電極側部材42が接触しているため、接地電極27及び接地電極側チップ32間に形成される通電経路を適度に分散させることができる。そのため、接地電極27と接地電極側チップ32との接触部分の極めて広範囲を均等に溶融させることができ、接合性を一段と高めることができる。
加えて、本実施形態では、接地電極側チップ32の少なくとも一部が、接地電極27のうち、接地電極側部材42が接触する部位に対応する範囲RA内に接合されるように構成されている。従って、接地電極27及び接地電極側チップ32間に形成される通電経路に偏りが生じてしまうことをより確実に防止することができる。その結果、接地電極27と接地電極側チップ32との接触部分を一層均等に溶融させることができ、接合性をさらに向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次いで、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。上記第1実施形態では、接合工程において、接地電極側部材42が、接地電極27の両側面27S1,27S2に接触するように構成されている。これに対して、本第2実施形態では、図7(a),(b)に示すように、接地電極側部材45が接地電極27の背面27Bに接触し、チップ側部材41との間で接地電極27及び接地電極側チップ32を挟み込むように構成されている。
さらに、本第2実施形態において、保持部材46は、相対向し、互いに接離移動可能な一対の絶縁部材により形成されている。そして、保持部材46が接地電極27の両側面27S1,27S2に接触し接地電極27を挟み込むことで、接地電極27が保持されている。
加えて、接地電極側チップ32を接地電極27に接合する際には、上記第1実施形態と同様に、チップ側部材41から接地電極側チップ32に加えられる荷重が、接地電極側部材45から接地電極27に加えられる荷重よりも小さくされる。尚、接地電極27は、保持部材46により強固に保持されているため、部材41,45から加えられる荷重が異なるものであっても、接地電極27の移動(変形)が規制されることとなる。
また、接地電極側チップ32の少なくとも一部は、接地電極27のうち、接地電極側部材45が接触する部位に対応する接地電極27の長手方向に沿った範囲RB内に接合される。併せて、接地電極側部材45のうち接地電極27に接触する部位は、接地電極27の長手方向に沿った長さL、及び、接地電極27の幅方向に沿った幅Wが、それぞれ接地電極側チップ32の外径以上とされている。
以上のように、本第2実施形態では、上記第1実施形態において、接地電極側部材42により実現される接地電極27の移動規制が、保持部材46により実現される。従って、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
〔第3実施形態〕
次いで、第3実施形態について、上記第2実施形態との相違点を中心に説明する。上記第2実施形態において、保持部材46は、接地電極27の両側面27S1,27S2に接触し、接地電極27を挟み込むように構成されている。これに対して、本第3実施形態では、図8(a),(b)に示すように、保持部材48が、接地電極27の対向面27Tに接触するように構成されている。また、接合工程においては、上記実施形態と同様に、チップ側部材41から接地電極側チップ32に加えられる荷重が、接地電極側部材45から接地電極27に加えられる荷重よりも小さくされる。尚、接合工程において、接地電極側チップ32等が溶融する瞬間に荷重バランスが崩れても、保持部材48により、接地電極27が荷重の印加方向に移動しないように構成されている。
以上、本第3実施形態によれば、基本的には上記実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。すなわち、接地電極27に対する接地電極側チップ32の接合性を飛躍的に高めることができるとともに、接合性に優れるスパークプラグ1を安定的に製造することができる。
〔第4実施形態〕
次いで、第4実施形態について、上記実施形態との相違点を中心に説明する。上記実施形態では、接合工程において、接地電極側チップ32を接地電極27に対して直接接触させた上で、チップ側部材41及び接地電極側部材42(45)間を通電することにより、接地電極側チップ32が接地電極27に接合されている。
これに対して、本第4実施形態では、接合性を向上させるべく、図9(a),(b)に示すように、接合工程において、接地電極側チップ32及び接地電極27間に所定の金属(例えば、接地電極側チップ32の構成材料と接地電極27の構成材料とを含む金属)からなる円柱状の金属片MPが介在されている。尚、金属片MPは、接地電極側チップ32のうち接地電極27側に位置する面の中央部に配置され、接地電極側チップ32のうち接地電極27側に位置する面よりも小さい断面積を有するように構成されている。本実施形態では、金属片MPの外径が、接地電極側チップ32の外径の半分以下とされている。
金属片MPの配置後、チップ側部材41から接地電極側チップ32に荷重を加えるとともに、接地電極側部材45から接地電極27に荷重を加えた状態で、チップ側部材41及び接地電極側部材42間を通電する。これにより、図10(図10では、溶融部37を実際よりも肉厚に示している)に示すように、金属片MPや接地電極27、接地電極側チップ32が溶融してなる溶融部37が形成され、当該溶融部37を介して、接地電極側チップ32が接地電極27に接合される。
尚、本第4実施形態では、チップ側部材41から接地電極側チップ32に加えられる荷重をA(N)とし、図9(a),(b)に示すように、チップ側部材41から接地電極側チップ32に対する荷重の印加方向に沿った金属片MPの高さをH(mm)としたとき、A<1000(N/m)×H+100を満たすように、前記荷重Aが設定されている。
以上、本第4実施形態によれば、基本的には上記実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。すなわち、接地電極27に対する接地電極側チップ32の接合性を飛躍的に高めることができるとともに、接合性に優れるスパークプラグ1を安定的に製造することができる。
加えて、A<1000(N/m)×H+100を満たすように前記荷重Aが設定されているため、金属片MPをより確実に溶融させることができる。従って、接地電極27に対して接地電極側チップ32の中央部をより確実に接合することができ、接合性をより一層向上させることができる。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、接地電極に対して接地電極側チップを接合する際の接合態様を後述する接合態様1〜4のいずれかとした上で、接合工程における、チップ側部材から接地電極側チップに加えられる荷重A(N)と、接地電極側部材から接地電極に加えられる荷重B(N)とを種々変更して、接地電極側チップが接合されてなる接地電極のサンプルを複数作製した。そして、作製された各サンプルについて、接地電極及び接地電極側チップの接合面の外周に位置する溶融部(いわゆる外周ダレ)の形成範囲を特定するとともに、接地電極に対する接地電極側チップの接合性を機械的強度、及び、熱的強度の面から確認した。
ここで、外周ダレの形成範囲は、接地電極側チップの全周に対する、接地電極側チップの周方向に沿った前記外周ダレの存在範囲の割合を算出することにより特定した。例えば、図11に示すように、接地電極側チップの全周の半分だけ外周ダレが存在していた場合には、外周ダレの形成範囲を1/2と特定した。
尚、外周ダレの形成範囲が大きいほど、接地電極及び接地電極側チップの接合面に対するガスの侵入を抑制することができ、接合面における酸化スケール等の発生を抑制できるため、接合性に優れるといえる。この点を鑑みて、外周ダレの形成範囲が4/5以上となったサンプルは、接合面に対するガスの侵入を極めて効果的に抑制することができ、接合性に極めて優れるとして「☆」の評価を下すこととした。また、外周ダレの形成範囲が3/4以上4/5未満となったサンプルは、ガスの侵入抑制効果に優れ、接合性に優れるとして「◎」の評価を下し、外周ダレの形成範囲が2/3以上3/4未満となったサンプルは、ガスの侵入を十分に抑制でき、良好な接合性を有するとして「○」の評価を下すこととした。一方で、外周ダレの形成範囲が2/3未満となったサンプルは、ガスの侵入が懸念されるとして「×」の評価を下すこととした。
また、機械的強度の面による接合性は、次のようにして確認した。すなわち、図12(a)〜(d)に示すように、接地電極側チップの中央部を中心として接地電極を90°屈曲させ、屈曲後において、接地電極及び接地電極側チップの断面を観察し、接地電極に対する接地電極側チップの接合状態を確認した。ここで、図12(a)に示すように、接地電極に対して接地電極側チップ及び溶融部(外周ダレ)の双方が浮くことなく接合されていた場合には、極めて優れた接合性を有するとして「☆」の評価を下すこととした。また、図12(b)に示すように、接地電極に対する溶融部(外周ダレ)の浮きが発生していたものの、接地電極側チップは浮くことなく接地電極に接合されていた場合には、接合性に優れるとして「◎」の評価を下すこととした。さらに、図12(c)に示すように、接地電極に対して接地電極側チップの一部が浮いていたものの、その浮きの長さKが、接地電極側チップの中心からその外周までの距離Dの1/3未満であった場合には、十分な接合性を有するとして「○」の評価を下すこととした。一方で、図12(d)に示すように、接地電極に対して接地電極側チップが浮いており、その浮きの長さKが、前記距離Dの1/3以上であった場合には、接合性に劣るとして「×」の評価を下すこととした。
さらに、熱的強度の面による接合性は、次のように確認した。すなわち、サンプルに対して、接地電極側チップの温度が900℃となるようバーナーで2分間加熱後、1分間室温で徐冷することを1サイクルとして1000サイクル実施した。そして、1000サイクル終了後にサンプルの断面を観察し、図13(a)に示すように、接地電極及び接地電極側チップの接合面の長さXに対する、当該接合面において形成された酸化スケール〔図13(a)中、太線で示す部位〕の長さYを計測するとともに、長さXに対する長さYの割合(酸化スケール割合)を算出した。ここで、酸化スケール割合が1/4以下となったサンプルは、厳しい冷熱サイクル下においても接合面に対するガスの侵入を極めて効果的に抑制でき、極めて優れた接合性を有するとして「☆」の評価を下すこととした。また、酸化スケール割合が1/4超1/3以下となったサンプルは、接合面に対するガスの侵入抑制効果に優れ、優れた接合性を有するとして「◎」の評価を下すこととした。さらに、酸化スケール割合が1/3超1/2以下となったサンプルは、十分な接合性を有するとして「○」の評価を下すこととした。一方で、酸化スケール割合が1/2よりも大きくなったサンプルは、接合性に劣るとして「×」の評価を下すこととした。尚、酸化スケールが複数形成されている場合には、各酸化スケールの長さの合計をYとした。例えば、図13(b)に示すように、酸化スケール〔図13(b)中、太線で示す部位〕が複数形成された場合には、酸化スケールの長さYを各酸化スケールの長さの合計(Y1+Y2)とした。
尚、接合態様1(比較例に相当する)は、図14(a),(b)に示すように、チップ側部材及び接地電極側部材によって、接地電極及び接地電極側チップを挟み込むとともに、チップ側部材から接地電極側チップに加えられる荷重と、接地電極側部材から接地電極に加えられる荷重とを等しいものとして、接地電極に対する接地電極側チップの接合を行う態様である。
また、接合態様2(実施例に相当する)は、図8(a),(b)に示すように、チップ側部材及び接地電極側部材によって、接地電極及び接地電極側チップを挟み込むとともに、チップ側部材から接地電極側チップに加えられる荷重を、接地電極側部材から接地電極に加えられる荷重よりも小さくして、接地電極に対する接地電極側チップの接合を行う態様である。尚、接合態様2においては、接合時における接地電極の移動を規制すべく、接地電極の対向面を絶縁性の保持部材により支持した。
さらに、接合態様3(実施例に相当する)は、図7(a),(b)に示すように、接地電極の両側面に対して保持部材が接触し、保持部材により接地電極が保持された状態で、チップ側部材から接地電極側チップに加えられる荷重を、接地電極側部材から接地電極に加えられる荷重よりも小さくして、接地電極に対する接地電極側チップの接合を行う態様である。
併せて、接合態様4(実施例に相当する)は、図6(a),(b)に示すように、接地電極の両側面に対して接地電極側部材が接触した状態で、チップ側部材から接地電極側チップに加えられる荷重を、接地電極側部材から接地電極に加えられる荷重よりも小さくして、接地電極に対する接地電極側チップの接合を行う態様である。尚、接合態様4においては、接合時における接地電極の移動を規制すべく、接地電極の背面を絶縁性の保持部材により支持した。
表1に、各サンプルの評価をそれぞれ示す。尚、接地電極側チップを接合する際において、電流値を700Aとし、通電時間を200msとした。また、接地電極側チップは、Pt−10Ni合金により構成し、その外径を1.5mm、厚さを0.4mmとした。さらに、接地電極は、インコネル(登録商標)601により構成し、その厚さを1.5mmとし、その幅を2.8mmとした(以下の試験において、接地電極側チップ及び接地電極の構成材料やサイズは同様とした)。加えて、接地電極側部材の長さLを15mmとし、接地電極側チップの全域が、接地電極のうち接地電極側部材が接触する部位に対応する範囲内に接合されるように構成した。
Figure 2013206789
表1に示すように、荷重Aと荷重Bとを等しいものとした接合態様1により、接地電極側チップが接合されてなるサンプル(サンプル1〜3)は、接合性の面で不十分となってしまったり、外周ダレが十分に形成されなかったりすることが分かった。これは、次の(1)及び(2)によると考えられる。
(1)荷重Aが比較的大きい場合には、接地電極に対する接地電極側チップの接触抵抗値が比較的低くなり、発熱量が小さかったため、両者を十分に溶かし込むことができなかったこと。
(2)荷重Bが比較的小さい場合には、接地電極の一部に対して接地電極側部材が局所的に接触し(つまり、面接触ではなく、点接触に近い状態となり)、接地電極及び接地電極側チップ間に形成される通電経路に偏りが生じてしまったため、接地電極と接地電極側チップとの接触部分の一部のみが過度に溶融してしまったこと。
上記サンプル1〜3に対して、荷重Aを荷重Bよりも小さなものとした接合態様2〜4により、接地電極側チップが接合されてなるサンプル(サンプル4〜12)は、良好な接合性を有するとともに、外周ダレを接地電極側チップの周方向に沿った広範囲に形成できることが明らかとなった。これは、次の(3)及び(4)に起因すると考えられる。
(3)荷重Aを比較的小さくしたことで、接地電極に対する接地電極側チップの接触抵抗値が大きなものとなり、両者を十分に溶かし込むことができたこと。
(4)荷重Bを比較的大きくしたことで、接地電極に対して接地電極側部材のより広範囲が接触し、接地電極及び接地電極側チップ間において均等に通電経路が形成されたため、接地電極と接地電極側チップとの接触部分を広範囲に亘って均等に溶融することができたこと。
さらに、接地電極の両側面に対して保持部材又は接地電極側部材を接触させ、接地電極を保持した上で、接地電極側チップが接合されてなるサンプル(サンプル7〜12)は、外周ダレの形成範囲がより大きなものとなるとともに、一層優れた接合性を有することが確認された。これは、次の理由によると考えられる。
すなわち、荷重を印加しつつ接地電極側チップを接合する場合において、接地電極側チップ等が溶融し始めたときには、接地電極が荷重の印加方向に沿って移動してしまうことがある。接地電極が動いてしまうと、接地電極側チップから接地電極に対して荷重が均等に加わらなくなり、接地電極と接地電極側チップとの接触部分のうち印加荷重の比較的小さな部位が過度に溶融してしまう。
これに対して、保持部材により接地電極の移動を規制した状態で、接地電極側チップが接合されたサンプル7〜12は、接地電極側チップから接地電極に対して荷重がより均等に加わった状態で、接地電極側チップが接合されたものである。そのため、サンプル7〜12は、接地電極と接地電極側チップとの接触部分がより広範囲に亘って均等に溶融し、外周ダレの形成範囲がより大きなものとなるとともに、優れた接合性を有していたと考えられる。
また特に、接地電極の両側面に対して接地電極側部材を接触させた上で、接地電極側チップが接合されてなるサンプル(サンプル10〜12)は、外周ダレの形成範囲がより一層大きなものとなるとともに、非常に優れた接合性を有することが明らかとなった。これは、接地電極及び接地電極側チップ間の通電経路が適度に分散し、接地電極と接地電極側チップとの接触部分の略全域が均等に溶融したことによると考えられる。
上記結果より、接地電極に対する接地電極側チップの接合性を高めるためには、チップ側部材から接地電極側チップに加えられる荷重を、接地電極側部材から接地電極に加えられる荷重よりも小さくすることが好ましいといえる。
また、接合性の更なる向上を図るべく、接合工程においては、接地電極の両側面と接触し接地電極を挟み込む保持部材により接地電極を保持しつつ、接地電極側チップを接合することがより好ましいといえる。
さらに、接合性を一段と高めるという観点から、接合工程においては、接地電極側部材を接地電極の両側面と接触させた上で、接地電極側チップを接合することがより一層好ましいといえる。
次に、接地電極側チップの接合位置を後述する接合位置α、β、又は、γとした上で、上記接合態様2により、接地電極側チップが接合されてなる接地電極のサンプルを作製した。そして、各サンプルについて、外周ダレの形成範囲を特定するとともに、機械的強度の面から接合性を確認した。表2に、当該試験の結果を示す。
尚、接合位置αとあるのは、図15(a),(b)に示すように、接地電極のうち接地電極側部材が接触する部位に対応する接地電極の長手方向に沿った範囲Rから外れた位置を意味し、接地電極側チップは、接地電極のうち前記範囲Rから外れた部位に接合される。また、接合位置βとあるのは、図15(c),(d)に示すように、前記範囲Rと前記範囲Rの外部との境界を跨る位置を意味し、接地電極側チップの一部が、接地電極の前記範囲R内に位置する部位に接合される。さらに、接合位置γとあるのは、図15(e),(f)に示すように、前記範囲R内の位置を意味し、接地電極側チップは、接地電極のうち前記範囲R内に位置する部位に接合される。
尚、接地電極側チップを接合するにあたって、荷重Aを100Nとし、荷重Bを200Nとした。また、接地電極側部材の長さLを5mm、又は、10mmとした。
Figure 2013206789
表2に示すように、接地電極側チップの少なくとも一部が接地電極のうち前記範囲R内の位置に接合されてなるサンプル(サンプル23〜26)は、より一層優れた接合性を有することが明らかとなった。これは、接地電極及び接地電極側チップ間に形成される通電経路に偏りが生じてしまうことが防止され、接地電極と接地電極側チップとの接触部分が一層均等に溶融したことによると考えられる。
また特に、接地電極側チップの全体が、接地電極の前記範囲R内に位置する部位に接合されてなるサンプル(サンプル25,26)は、非常に優れた接合性を有することが確認された。
上記試験の結果より、接合性を一層向上させるという観点から、接地電極側チップの少なくとも一部が、接地電極のうち、接地電極側部材が接触する部位に対応する接地電極の長手方向に沿った範囲内に接合されることが好ましいといえる。また、接合性を一段と向上させるという点では、接地電極側チップの全体が、接地電極のうち、接地電極側部材が接触する部位に対応する接地電極の長手方向に沿った範囲内に接合されることが一層好ましいといえる。
次いで、接地電極及び接地電極側チップ間に高さH(mm)を種々変更した金属片を配置するとともに、チップ側部材から接地電極側チップに加えられる荷重A(N)を種々変更した上で、上記接合態様4により、接地電極側チップが接合されてなる接地電極のサンプルを作製した。そして、各サンプルについて、上述した外周ダレの形成範囲や機械的強度及び熱的強度の面からの接合性を確認した。また、各サンプルについて、接地電極及び接地電極側チップの断面を観察することで、接地電極に対して接地電極側チップの中央部及び外周部のそれぞれが接合されているか、接地電極側チップの外周部のみが接合されているか(中央部溶接性)を確認した。ここで、接地電極に対して接地電極側チップの中央部及び外周部が接合されている場合には、接合性に非常に優れるとして「☆」の評価を下した。また、接地電極に対して接地電極側チップの外周部のみが接合されている場合には、良好な接合性を有するとして「○」の評価を下すこととした。表3に、当該試験の結果を示す。
尚、金属片の外径は、接地電極側チップの外径の半分以下とし、接地電極側部材から接地電極に加えられる荷重Bを300Nとした。また、表3において、高さHが0.00mmとあるのは、金属片を設けることなく、接地電極側チップを接地電極に対して直接接合したことを意味する。
Figure 2013206789
表3に示すように、荷重Aを1000(N/mm)×H+100よりも小さなものとして、接地電極側チップが接合されてなるサンプル(サンプル32,33,35,36,38,39)は、接地電極に対して接地電極側チップの中央部及び外周部が接合され、非常に優秀な接合性を有することが明らかとなった。
上記結果より、接地電極側チップ及び接地電極間に金属片を配置した上で、接地電極側チップの接合を行う場合には、接合性をより確実に向上させるために、チップ側部材から接地電極側チップに加えられる荷重をA(N)とし、金属片の高さをH(mm)としたとき、A(N)<1000(N/mm)×H(mm)+100(N)を満たすように、荷重A等を設定することが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、中心電極5の先端部に中心電極側チップ31が設けられているが、中心電極側チップ31を設けないこととしてもよい。
(b)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(c)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
4…軸孔
5…中心電極
27…接地電極
32…接地電極側チップ(チップ)
33…間隙(火花放電間隙)
41…チップ側部材
42,45…接地電極側部材
43,46,48…保持部材
CL1…軸線
MP…金属片

Claims (5)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に挿設された中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部に、自身の基端部が固定された接地電極と、
    前記接地電極の先端部に接合され、前記中心電極の先端部との間に間隙を形成するチップとを備えるスパークプラグの製造方法であって、
    抵抗溶接により、前記接地電極に前記チップを接合する接合工程を含み、
    前記接合工程においては、
    前記チップに対して前記接地電極側に向けた荷重を加えた状態で、前記チップに接触するチップ側部材と、前記接地電極に対して荷重を加えた状態で、前記接地電極に接触する接地電極側部材との間で通電することにより、前記接地電極に前記チップが接合され、
    前記チップ側部材から前記チップに加えられる荷重が、前記接地電極側部材から前記接地電極に加えられる荷重よりも小さくされることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  2. 前記接合工程においては、前記接地電極のうち前記チップの接合される面に隣接する両側面と接触し前記接地電極を挟み込む保持部材により、前記接地電極が保持されることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグの製造方法。
  3. 前記接合工程において、前記接地電極側部材は、前記接地電極のうち前記チップの接合される面に隣接する両側面と接触することを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグの製造方法。
  4. 前記チップの少なくとも一部は、前記接地電極のうち、前記接地電極側部材が接触する部位に対応する前記接地電極の長手方向に沿った範囲内に接合されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
  5. 前記接合工程においては、
    前記チップのうち前記接地電極側に位置する面の面積よりも断面積が小さい柱状の金属片を、前記チップの中央部及び前記接地電極間に配置した上で、前記チップ側部材及び前記接地電極側部材間が通電され、
    前記前記チップ側部材から前記チップに加えられる荷重をA(N)とし、前記金属片の高さをH(mm)としたとき、
    A(N)<1000(N/mm)×H(mm)+100(N)
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
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