JP2020119798A - 点火プラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】点火プラグにおいて、電極チップの耐剥離性を向上する。【解決手段】中心電極と、中心電極の周囲に配置され、中心電極を絶縁保持する主体金具と、一端が自由端であり、他端が主体金具と接続された棒状の電極本体と、放電面を有し、電極本体の特定の側面に配置される電極チップと、電極本体と電極チップとの間に形成される溶融部と、を備える接地電極と、を備える点火プラグは、特定の側面に沿って放電面の重心から上記一端に向かう方向を第1方向とし、第1方向の反対方向を第2方向とし、放電面の重心よりも第1方向側の第1部分を通り、第1方向と垂直な第1断面において、溶融部の放電面と垂直な第3方向の長さの最大値をH1とし、放電面の重心よりも第2方向側の第2部分を通り、第2方向と垂直な第2断面において、溶融部の第3方向の長さの最大値をH2とするとき、H1>H2を満たす。【選択図】 図3

Description

本明細書は、内燃機関等において燃料ガスに点火するための点火プラグに関する。
点火プラグの電極において、火花が発生するギャップを形成する部分には、従来から耐火花消耗性に優れた貴金属製の電極チップが用いられている。該電極チップを電極本体に接合する方法には、例えば、レーザ溶接を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に示すように、電極チップと電極本体との接触面にレーザ溶接によって形成される溶融部の形状として、様々なものが提案されている。例えば、電極チップと電極本体との接合強度を高めるために、電極チップと電極本体との接触面の全体を接合することが知られている。この点火プラグでは、電極チップと電極本体との間に層状の溶融部が形成される。
特開2012−74271号
このような点火プラグでは、電極チップと電極本体とは別の材料で形成されるので、2つの材料間の線膨張係数の差に起因して、溶融部には熱応力がかかる。溶融部が厚いほど該熱応力を緩和できるために、該熱応力に起因して電極チップが電極本体から剥離することに対する耐性(耐剥離性)が向上する。一方で、溶融部を厚くするためには、レーザ溶接時において溶接に要するエネルギーを大きくする必要があるため、溶融部の一部が、電極チップの放電面や放電面の近傍に付着する不具合(いわゆる溶融ダレの昇り)が発生しやすくなる。溶融ダレの昇りが発生すると、溶融部が放電に曝されて溶融部が劣化して耐剥離性が低下し得る。
本明細書は、電極チップと電極本体とが溶融部を介して接合された点火プラグにおいて、電極チップの耐剥離性を向上できる技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]中心電極と、
前記中心電極の周囲に配置され、前記中心電極を絶縁保持する主体金具と、
一端が自由端であり、他端が前記主体金具と接続された棒状の電極本体と、放電面を有し、前記電極本体の特定の側面に配置される電極チップと、前記電極本体と前記電極チップとの間に形成される溶融部と、を備える接地電極と、
を備える点火プラグであって、
前記特定の側面に沿って前記放電面の重心から前記一端に向かう方向を第1方向とし、前記第1方向の反対方向を第2方向とし、
前記放電面のうち、前記放電面の重心よりも前記第1方向側の第1部分を通り、前記第1方向と垂直な第1断面において、前記溶融部の前記放電面と垂直な第3方向の長さの最大値をH1とし、
前記放電面のうち、前記放電面の重心よりも前記第2方向側の第2部分を通り、前記第2方向と垂直な第2断面において、前記溶融部の前記第3方向の長さの最大値をH2とするとき、
H1>H2を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
重心よりも第1方向側は、重心よりも第2方向側と比較して、主体金具と接続された接続端から遠い。このために、重心よりも第1方向側は、熱引きの効率が重心よりも第2方向側よりも低いので、重心よりも第2方向側よりも高温になる。したがって、重心よりも第1方向側では、発生する熱応力が重心よりも第2方向側よりも大きくなる。本実施形態では、上述のように、H1>H2を満たすので、例えば、溶融部が均一の厚さを有する場合と比較して、レーザ溶接時に投入されるエネルギーを過度に大きくすることなく、重心よりも第1方向D1側における溶融部の厚さを確保できる。この結果、溶融ダレの昇りの発生を抑制しつつ、熱応力を緩和できるので、接地電極チップの耐剥離性を向上できる。
[適用例2]適用例1に記載の点火プラグであって、
前記第1断面において、
前記第3方向の長さが最大となる位置は、前記第3方向と垂直な第4方向の両端と異なることを特徴とする、点火プラグ。
第1断面において第4方向の両端は外気に曝されているが、第4方向の両端とは異なる部分は外気に曝されていない。このために、第4方向の両端とは異なる部分は、熱引きの効率が第4方向の両端よりも低いので、熱応力が大きくなりやすく、溶融部の厚さを確保する必要性が高い。上記構成によれば、溶融部の第3方向の長さが最大となる位置が第4方向の両端と異なる位置であるので、溶融部の第3方向の長さが最大となる位置が第4方向の両端に位置する場合よりも、溶接に要するエネルギーを過度に大きくすることなく、第4方向の両端と異なる位置における溶融部の厚さを確保できる。また、第4方向の両端にて溶融部が過度に厚い場合には、該両端にて溶融ダレの昇りが発生しやすい。上記構成によれば、第4方向の両端にて溶融部が過度に厚くなることを抑制して、該両端にて溶融ダレの昇りが発生することを抑制できる。したがって、電極チップの耐剥離性をさらに向上できる。
[適用例3]適用例2に記載の点火プラグであって、
前記第1断面において、
前記溶融部と前記電極チップとが接触する前記第4方向の全範囲を3等分した3つの範囲のうち、前記第4方向の中央に位置する範囲を、中央範囲とするとき、
前記第3方向の長さが最大となる位置は、前記中央範囲にあることを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、第3方向の長さが最大となる位置が中央範囲にあるので、中央範囲における溶融部の厚さを確保でき、第3方向の長さが最大となる位置が両端の範囲にある場合よりも、両端の近傍にて過度に溶融部が厚くなることを抑制できる。この結果、溶融ダレの昇りをさらに抑制しつつ、熱応力を緩和することができる。
[適用例4]適用例3に記載の点火プラグであって、
前記3つの範囲のうち、前記溶融部の前記第3方向の長さの平均値が最大になる範囲は、前記中央範囲であることを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、中央範囲における溶融部の厚さを確保でき、両端の範囲にて溶融部が過度に厚くなることを抑制できる。この結果、溶融ダレの昇りをさらに抑制しつつ、熱応力を緩和することができる。
[適用例5]適用例2に記載の点火プラグであって、
前記第1断面において、
前記溶融部と前記電極チップとが接触する前記第4方向の全範囲を3等分した3個の範囲のうち、前記第4方向の両端に位置する範囲を、端部範囲とするとき、
前記第3方向の長さが最大となる位置は、2つの前記端部範囲のいずれかにあることを特徴とする、点火プラグ。
[適用例6]適用例5に記載の点火プラグであって、
前前記3つの範囲のうち、前記溶融部の前記第3方向の長さの平均値が最大になる範囲は、2つの前記端部範囲のうち、前記第3方向の長さが最大となる位置を含む範囲であることを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、端部範囲のうちの一方における溶融部の厚さを確保でき、端部範囲のうちの他方において溶融部が過度に厚くなることを抑制できる。したがって、端部範囲のうちの一方において溶融ダレの昇りが発生することをさらに抑制できる。
[適用例7]適用例1〜6のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記第1断面において、前記溶融部の前記第3方向の長さの最小値をH3とするとき、
H3>H2を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、H3>H2を満たすので、溶接に要するエネルギーを過度に大きくすることなく、第1部分における溶融部の厚さをさらに確保できる。この結果、溶融ダレの昇りの発生を抑制しつつ、熱応力をさらに緩和できるので、電極チップの耐剥離性をさらに向上できる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグや点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関、点火プラグの電極、点火プラグの電極と電極チップの溶接方法、点火プラグの電極の製造方法等の態様で実現することができる。
本実施形態の点火プラグ100の断面図。 実施形態の接地電極30の接地電極チップ39近傍の構成を示す図。 第2方向D2と垂直な面で接地電極チップ39を含む部分を切断した断面図。 接地電極30の製造方法のフローチャート。 接地電極30の製造方法の第1の説明図。 接地電極30の製造方法の第2の説明図。 第1溶接工程において投入される熱エネルギーを概念的に示すグラフ。 第1溶接工程にて溶融部35Aが形成された状態のA−A断面を示す図。 変形例の接地電極30Bの説明図。 変形例の接地電極30Cの説明図。
A.実施形態:
A−1.点火プラグの構成:
図1は本実施形態の点火プラグ100の断面図である。図1の一点破線は、点火プラグ100の軸線COを示している。軸線COと平行な方向(図1の上下方向)を軸線方向とも呼ぶ。軸線COを中心とする円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、軸線COを中心とする円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。図1における下方向を先端方向FDと呼び、上方向を後端方向BDとも呼ぶ。図1における下側を、点火プラグ100の先端側と呼び、図1における上側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
点火プラグ100は、詳細は後述する中心電極20と接地電極30との間に形成される間隙(火花ギャップ)に、火花放電を発生させる。点火プラグ100は、内燃機関に取り付けられ、内燃機関の燃焼室内の燃料ガスに着火するために用いられる。点火プラグ100は、絶縁体としての絶縁体10と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40と、主体金具50と、を備える。
絶縁体10は、アルミナ等を焼成して形成されている。絶縁体10は、軸線方向に沿って延び、絶縁体10を貫通する貫通孔である軸孔12を有する略円筒形状の部材である。絶縁体10は、鍔部19と、後端側胴部18と、先端側胴部17と、段部15と、脚長部13と、を備えている。後端側胴部18は、鍔部19より後端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。先端側胴部17は、鍔部19より先端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。脚長部13は、先端側胴部17より先端側に位置し、先端側胴部17の外径よりも小さな外径を有している。脚長部13は、点火プラグ100が内燃機関(図示せず)に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。段部15は、脚長部13と先端側胴部17との間に形成されている。
主体金具50は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼材)で形成され、内燃機関のエンジンヘッド(図示省略)に点火プラグ100を固定するための円筒状の金具である。主体金具50は、軸線COに沿って貫通する貫通孔59が形成されている。主体金具50は、絶縁体10の径方向の周囲(すなわち、外周)に配置される。すなわち、主体金具50の貫通孔59内に、絶縁体10が挿入・保持されている。換言すれば、主体金具50は、中心電極20の周囲に配置され、中心電極20を、絶縁体10を介して絶縁保持している。中心電極の先端は、主体金具50の先端より先端側に突出している。絶縁体10の後端は、主体金具50の後端より後端側に突出している。
主体金具50は、点火プラグレンチが係合する六角柱形状の工具係合部51と、内燃機関に取り付けるための取付ネジ部52と、工具係合部51と取付ネジ部52との間に形成された鍔状の座部54と、を備えている。取付ネジ部52の呼び径は、例えば、M8(8mm(ミリメートル))、M10、M12、M14、M18のいずれかとされている。
主体金具50の取付ネジ部52と座部54との間には、金属板を折り曲げて形成された環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、点火プラグ100が内燃機関に取り付けられた際に、点火プラグ100と内燃機関(エンジンヘッド)との隙間を封止する。
主体金具50は、さらに、工具係合部51の後端側に設けられた薄肉の加締部53と、座部54と工具係合部51との間に設けられた薄肉の圧縮変形部58と、を備えている。主体金具50における工具係合部51から加締部53に至る部位の内周面と、絶縁体10の後端側胴部18の外周面との間に形成される環状の領域には、環状のリング部材6、7が配置されている。当該領域における2つのリング部材6、7の間には、タルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53の後端は、径方向内側に折り曲げられて、絶縁体10の外周面に固定されている。主体金具50の圧縮変形部58は、製造時において、絶縁体10の外周面に固定された加締部53が先端側に押圧されることにより、圧縮変形する。圧縮変形部58の圧縮変形によって、リング部材6、7およびタルク9を介し、絶縁体10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。これにより、金属製の環状の板パッキン8を介して、主体金具50の取付ネジ部52の内周に形成された段部56(金具側段部)によって、絶縁体10の段部15(絶縁体側段部)が押圧される。この結果、内燃機関の燃焼室内のガスが、主体金具50と絶縁体10との隙間から外部に漏れることが、板パッキン8によって防止される。
中心電極20は、軸線方向に延びる棒状の中心電極本体21と、中心電極チップ29と、を備えている。中心電極本体21は、絶縁体10の軸孔12の内部の先端側の部分に保持されている。中心電極本体21は、電極母材21Aと、電極母材21Aの内部に埋設された芯部21Bと、を含む構造を有する。電極母材21Aは、例えば、ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成されている。芯部21Bは、電極母材21Aを形成する合金よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金、本実施形態では、銅で形成されている。
また、中心電極本体21は、軸線方向の所定の位置に設けられた鍔部24(フランジ部とも呼ぶ。)と、鍔部24よりも後端側の部分である頭部23(電極頭部)と、鍔部24よりも先端側の部分である脚部25(電極脚部)と、を備えている。鍔部24は、絶縁体10の段部16に支持されている。脚部25の先端部分、すなわち、中心電極本体21の先端は、絶縁体10の先端より先端側に突出している。
中心電極チップ29は、略円柱形状を有する部材であり、中心電極本体21の先端(脚部25の先端)に、例えば、レーザ溶接を用いて、接合されている。中心電極チップ29の先端面は、後述する接地電極チップ39との間で火花ギャップを形成する第1放電面295である。中心電極チップ29は、高融点の貴金属を主成分とする材料で形成されている。中心電極チップ29は、例えば、イリジウム(Ir)やIrなどの貴金属、または、該貴金属を主成分とする合金を用いて形成された貴金属チップである。
接地電極30は、主体金具50の先端に接合された接地電極本体31と、四角柱形状の接地電極チップ39と、を備えている。接地電極本体31は、断面が四角形の棒状体である。接地電極本体31の一端は、自由端311であり、他端は、接続端312である。接続端312は、主体金具50の先端面50Aに、例えば、抵抗溶接によって、接合されている。これによって、主体金具50と接地電極本体31とは、電気的に、かつ、物理的に接続される。接地電極本体31は、自由端311を含み、軸線COと垂直な方向に伸びる先端部31aと、接続端312を含み、軸線方向に伸びる後端部31bと、を備えている。先端部31aと後端部31bとの間は、湾曲している部分である。
接地電極本体31は、例えば、ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成されている。接地電極本体31は、耐腐食性の高い金属(例えば、ニッケル合金)で形成された母材と、熱伝導性が高い金属(例えば、銅)を用いて形成され、母材に埋設された芯部と、を含む2層構造を有しても良い。接地電極チップ39は、中心電極チップ29と同様に、イリジウム(Ir)やIrなどの貴金属、または、該貴金属を主成分とする合金を用いて形成された貴金属チップである。
端子金具40は、軸線方向に延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼)で形成され、端子金具40の表面には、防食のための金属層(例えば、Ni層)がめっきなどによって形成されている。端子金具40は、軸線方向の所定位置に形成された鍔部42(端子顎部)と、鍔部42より後端側に位置するキャップ装着部41と、鍔部42より先端側の脚部43(端子脚部)と、を備えている。端子金具40のキャップ装着部41は、絶縁体10より後端側に露出している。端子金具40の脚部43は、絶縁体10の軸孔12に挿入されている。キャップ装着部41には、高圧ケーブル(図示外)が接続されたプラグキャップが装着され、火花放電を発生するための高電圧が印加される。
絶縁体10の軸孔12内において、端子金具40の先端(脚部43の先端)と中心電極20の後端(頭部23の後端)との間には、火花発生時の電波ノイズを低減するための抵抗体70が配置されている。抵抗体70は、例えば、主成分であるガラス粒子と、ガラス以外のセラミック粒子と、導電性材料と、を含む組成物で形成されている。軸孔12内において、抵抗体70と中心電極20との隙間は、導電性シール60によって埋められている。抵抗体70と端子金具40との隙間は、導電性シール80によって埋められている。導電性シール60、80は、例えば、B23−SiO2系等のガラス粒子と金属粒子(Cu、Feなど)とを含む組成物で形成されている。
A−2. 接地電極30の接地電極チップ39近傍の構成:
接地電極30の接地電極チップ39近傍の構成について、さらに、詳細に説明する。図2は、実施形態の接地電極30の接地電極チップ39近傍の構成を示す図である。図2(A)には、接地電極チップ39の第2放電面393の近傍を、軸線方向に沿って後端方向BDから先端方向FDに向かって見た図が示されている。図2(B)には、点火プラグ100の先端近傍を特定面で切断した断面CFが示されている。図2(A)の一点破線は、図2(B)の断面CFの切断位置を示している。
接地電極チップ39の後端面は、中心電極チップ29の第1放電面295(図1)と対向する第2放電面393である。図2(B)の断面CFは、第2放電面393の重心GCを通り、かつ、第2放電面393と垂直で、かつ、棒状の接地電極本体31の軸線と平行な断面である。本実施形態では、第2放電面393の重心GCを通り、かつ、第2放電面393と垂直な線は、点火プラグ100の軸線COと一致する。
なお、第2放電面393の重心は、第2放電面393に均等に質量が分布していると仮定した場合の重心である。第2放電面393は、例えば、以下のように決定される。第2放電面393を後端方向BD側から先端方向FDに向かって撮影してデジタル画像を取得する。該デジタル画像において第2放電面393を構成する複数個の画素の座標の平均座標を算出する。該平均座標によって示される位置を第2放電面393の重心とする。
第2放電面393の重心GCから、第2放電面393に沿って自由端311に向かう方向、すなわち、図2(A)、(B)の左方向を、第1方向D1とする。第2放電面393の重心GCから、第2放電面393に沿って自由端311から離れる方向、すなわち、第1方向D1の反対方向を、第2方向D2とする。
さらに、接地電極チップ39の厚さ方向、すなわち、第2放電面393と垂直な方向であって、接地電極本体31から接地電極チップ39に向かう方向(本実施例では後端方向BD)を第3方向D3とする。
接地電極本体31の自由端311(自由端面)と連接する4つの側面のうち、第1放電面295と対向する側面を、内側面313とする。接地電極本体31の4つの側面のうち、内側面313と連接する2個の側面、すなわち、図2(A)の上下方向に位置する側面を、側面314、315とする。そして、第2放電面393の重心GCから、側面314に向かう方向、すなわち、図2(A)の上方向を第4方向D4とし、第4方向D4の反対方向を第5方向D5とする。
接地電極チップ39は、四角柱状の部材である。すなわち、接地電極チップ39は、四角形(本実施例では正方形)の第2放電面393と、第2放電面393に連接する4つの側面391、392、394、395とを備えている。これらの4つの側面のうち、側面391は、自由端311の側(第1方向D1)を向いており、側面392は、接続端312の側(第2方向D2)を向いている。接地電極チップ39は、該四角形(矩形)の第2放電面393の一辺の長さW、すなわち、接地電極チップ39の第1方向D1の長さ、および、第4方向D4の長さは、例えば、1.5mm〜3.0mmである。特に、本実施形態では、四角形(矩形)の第2放電面393の一辺の長さWは、2.5mm以上であることが好ましい。接地電極チップ39の平均厚さ(軸線方向の長さの平均)は、例えば、0.2mm〜1.0mmである。
接地電極チップ39は、接地電極本体31の先端部31aにおいて、内側面313に沿って配置されている。接地電極チップ39は、接地電極本体31に対して、レーザ溶接によって接合されている。このために、接地電極チップ39と接地電極本体31との間には、レーザ溶接によって形成された溶融部35が配置されている。溶融部35は、溶接前の接地電極チップ39の一部分と、接地電極本体31の一部分と、が溶融・凝固した部分である。このために、溶融部35は、接地電極チップ39の成分と、接地電極本体31の成分と、を含んでいる。接地電極チップ39は、溶融部35を介して、接地電極本体31の内側面313に接合されている、と言うことができる。
図2(A)から解るように、軸線方向に沿って見た溶融部35の形状は、軸線方向に沿って見た接地電極チップ39の形状よりわずかに大きな略相似形(本実施形態では、四角形)である。そして、溶融部35の4つの方向D1、D2、D4、D5の側面351、352、354、355は、接地電極チップ39の対応する側面391、392、394、395より径方向の外側に位置しており、外部に露出している。
溶融部35の後端方向BD側の接触面353(図2(B))は、接地電極チップ39の第2放電面393の反対側の面(先端方向FDの面)との接触面である。接地電極チップ39の第2放電面393の反対側の面(先端方向FDの面)の全てが、溶融部35に接触している。溶融部35の先端方向FD側の面356(図2(B))は、全体が接地電極本体31に接触している。
溶融部35は、接地電極チップ39の側面391、392、394、395のうちの先端方向FD側の部分を覆う溶融ダレ35nを有している(図2(B))。溶融ダレ35nは、接地電極チップ39の全周に亘って形成されている。
図2(B)に示すように、断面CFにおいて、溶融ダレ35nの部分を除く溶融部35の厚さ(第3方向の長さ)は、第2方向D2の端で最小となり、第1方向D1の端で最大となっている。そして、断面CFにおいて、溶融ダレ35nの部分を除く溶融部35の厚さは、第2方向D2から第1方向D1に向かって連続的に長くなっている。以下では、溶融部35の厚さは、溶融ダレ35nを除いた部分における厚さを意味するものとする。
図3は、第2方向D2と垂直な面で、接地電極チップ39を含む部分を切断した断面図である。図3(A)は、図2(A)、(B)のA−A断面を示し、図3(B)は、図2(A)、(B)のB−B断面を示し、図3(C)は、図2(A)、(B)のC−C断面を示している。
A−A断面は、第2方向D2と垂直で点C1を通る断面である。点C1は、断面CFと第2放電面393とが交差する線分の第2方向D2の端点T1と、重心GCと、の中点である。A−A断面は、第2方向D2と垂直で第2放電面393の重心GCよりも第1方向D1側の第1部分39A(図2(A)でシングルハッチングされた部分)を通る第1断面の一例である。
A−A断面、および、図2(A)に示すように、溶融部35は、第3方向D3に突出した厚肉部35Mを備えている。溶融部35のうち、厚肉部35Mと溶融ダレ35nとを除いた部分は、薄肉部35Tである。厚肉部35Mの第4方向D4の位置は、溶融部35の第4方向D4の中央部である。厚肉部35Mは、溶融部35の第1方向D1の端から、第1方向D1の中央より第2方向D2まで延びている。
A−A断面において、溶融部35の厚さ(第3方向D3の長さ)の最大値(最大厚さとも呼ぶ)をH1とする。溶融部35の厚さが最大厚さH1となる第4方向D4の位置は、厚肉部35Mの第4方向D4の中心の位置である。ここで、図3(A)には、A−A断面において、溶融部35と接地電極チップ39とが接触する第4方向D4の全範囲を3等分した3つの範囲LR、CR、RRが示されている。A−A断面において、溶融部35の厚さが最大厚さH1となる第4方向D4の位置は、3つの範囲のうちの中央範囲CRにある。A−A断面において、厚肉部35Mの厚さは、薄肉部35Tの厚さよりも厚い。
A−A断面において、溶融部35の厚さの最小値(最小厚さとも呼ぶ)をH3とする。溶融部35の厚さが最小厚さH3となる第4方向D4の位置は、薄肉部35Tが位置する範囲にあり、上述した3つの範囲のうちの端部範囲LR、RRにある。
なお、A−A断面において、溶融部35の3つの範囲LR、CR、RRのうち、平均厚さ(第3方向D3の長さの平均値)が最大となる範囲は、溶融部35の厚さが最大厚さH1となる位置を含む範囲である。本実施形態では、溶融部35の厚さが最大厚さH1となる位置は、中央範囲CRにあるので、平均厚さが最大となる範囲は、中央範囲CRである。なお、溶融部35の範囲LRの平均厚さHaLは、例えば、以下のように測定される。まず、測定対象の点火プラグ100の接地電極チップ39および接地電極本体31を切断して得られるA−A断面を研磨して鏡面を得る。そして、該鏡面の拡大写真を、金属顕微鏡を用いて撮影する。該拡大写真において、該範囲LR内に等間隔で10箇所以上の測定位置を決定し、該測定位置における溶融部35の厚さを測定する。10箇所以上の測定位置における溶融部35の厚さの平均値を、範囲LRの平均厚さとする。他の範囲CR、RRの平均厚さHaC、HaRについても同様である。
B−B断面は、第2方向D2と垂直で重心GCを通る断面である(図2(A))。B−B断面において、溶融部35の最大厚さをH0とする。溶融部35の厚さが最大厚さH0となる第4方向D4の位置は、厚肉部35Mの第4方向D4の中心の位置である。ここで、図3(B)には、図3(A)と同様に、B−B断面において、溶融部35と接地電極チップ39とが接触する第4方向D4の全範囲を3等分した3つの範囲LR、CR、RRが示されている。B−B断面において、溶融部35の厚さが最大厚さH0となる第4方向D4の位置は、3つの範囲のうちの中央範囲CRにある。B−B断面において、厚肉部35Mの厚さは、薄肉部35Tの厚さよりも厚い。B−B断面において、溶融部35の最小厚さをHmとする。B−B断面において、溶融部35の厚さが最小厚さHmとなる第4方向D4の位置は、薄肉部35Tが位置する範囲にあり、上述した3つの範囲のうちの端部範囲LR、RRにある。
なお、B−B断面において、溶融部35の3つの範囲LR、CR、RRのうち、平均厚さ(第3方向D3の長さの平均値)が最大となる範囲は、A−A断面と同様に、溶融部35の厚さが最大厚さH0となる位置を含む範囲である。本実施形態では、溶融部35の厚さが最大厚さH0となる位置は、中央範囲CRにあるので、平均厚さが最大となる範囲は、中央範囲CRである。なお、溶融部35の3つの範囲LR、CR、RRの各平均厚さの測定方法は、A−A断面について説明した通りである。
C−C断面は、第2方向D2と垂直で点C2を通る断面である(図2(A))。図2(A)に示すように、点C2は、断面CFと第2放電面393とが交差する線分の第2方向D2の端点T2と、重心GCと、の中点である。C−C断面は、第2方向D2と垂直で第2放電面393の重心GCよりも第2方向D2側の第2部分39B(図2(A)でクロスハッチングされた部分)を通る第2断面の一例である。C−C断面において、溶融部35は、その全体が薄肉部35Tであり、厚肉部35Mは、存在していない。ここで、C−C断面において、溶融部35の最大厚さをH2とする。C−C断面において、溶融部35の厚さは、ほぼ均一であるが、実際には、第4方向D4の位置によってバラツキがある。
A−A断面における溶融部35の最大厚さH1は、B−B断面における溶融部35の最大厚さH0よりも厚い。B−B断面における溶融部35の最大厚さH0は、C−C断面における溶融部35の最大厚さH2よりも厚い。すなわち、H1>H0>H2が満たされる。
さらに、A−A断面における溶融部35の最小厚さH3、および、B−B断面における溶融部35の最小厚さH3は、C−C断面における最大厚さH1よりも厚い。すなわち、H3>H2、Hm>H2が満たされる。
A−3:製造方法
点火プラグ100の製造方法について、接地電極30の製造方法を中心に説明する。図4は、接地電極30の製造方法のフローチャートである。図5、図6は、接地電極30の製造方法の説明図である。先ず、曲げられる前の棒状の接地電極本体31が準備される。そして、接地電極本体31に溶接される前の接地電極チップ39が準備される。
S10では、接地電極本体31の内側面313に、図5(A)、図6に示すように、溶接前の四角柱状の接地電極チップ39が配置される。この状態では、接地電極チップ39の先端側の面39Sと、内側面313と、が互いに接触する。
S20では、押さえ部材500によって、接地電極本体31に対して、接地電極チップ39が固定される。具体的には、図6に示すように、押さえ部材500によって、接地電極チップ39が、第2放電面393側から先端方向FD(図6の下方向)に押さえられる。これによって、接地電極チップ39の先端側の面39Sと、接地電極本体31の内側面313と、を互いに接触させた状態で、接地電極チップ39と、接地電極本体31と、が固定される。この先端側の面39Sと接地電極本体31の内側面313との接触面、すなわち、接地電極チップ39と接地電極本体31との間の接合すべき面を、チップ接合面BSとも呼ぶ。
S30では、レーザ溶接のためのレーザを走査・出力して、チップ接合面BSのうち、第4方向D4側の約半分が溶接される。なお、本実施形態では、レーザとしてファイバレーザが用いられる。ファイバレーザは、例えば、YAGレーザと比較して、集光性が高いために、形成できる溶融部35の形状の自由度が高いので、図2に示すように、厚さが比較的薄く、かつ、軸線と垂直な方向(例えば、第1方向D1)の長さが比較的長い形状の溶融部35を形成できる。
図5(A)のレーザLZ1は、S30の溶接工程(第1溶接工程とも呼ぶ)の開始時点におけるレーザを示し、レーザLZ2は、第1溶接工程の終了時点におけるレーザを示している。レーザは、図5(A)に示すように、側面394より第4方向D4側から第5方向D5に照射される。図5(A)、図6に示すように、第1溶接工程では、側面394におけるチップ接合面BSより僅かに後端方向BD側の部位を、第2方向D2の端点P1から第1方向D1の端点P2まで第1方向D1に照射位置を移動しながら、レーザが連続して照射される。
図7は、第1溶接工程において、投入される熱エネルギーを概念的に示すグラフである。このグラフは、横軸に第1溶接工程におけるレーザの照射位置を取り、縦軸に該照射位置における熱エネルギーをプロットして得られる。図7に示すように、第1溶接工程において照射されるレーザのエネルギーLEは、第2方向D2の端点P1から第1方向D1の端点P2まで一定である。ここで、接地電極チップ39に加えられたレーザのエネルギーは、熱エネルギーとして接地電極本体31に伝わる。接地電極本体31に移動した熱は、接地電極本体31を第1方向D1と第2方向D2とに伝わる。図6に示すように、接地電極本体31の第1方向D1の端は、自由端311であり、空気に接している。これに対して、接地電極本体31の第2方向D2の端は、接続端312(図1)であり、主体金具50に接続している。空気は、主体金具50と比較して熱伝導率が大幅に低いので、第1方向D1への熱引き量は、第2方向D2への熱引き量よりも大幅に小さい。このために、第1方向D1に照射位置を移動しながらレーザを照射すると、接地電極チップ39に加えられたレーザのエネルギーの一部は、熱エネルギーとして第1方向D1に逃げることなく、接地電極チップ39に蓄積される。図7にてハッチングされた部分は、接地電極チップ39に蓄積された熱エネルギーを示す。第1溶接工程において、端点P1から端点P2までの各位置に投入されるエネルギーの合計TEは、接地電極チップ39に蓄積された熱エネルギーと、新たに投入されたレーザのエネルギーと、の合計になる。この結果、図7に示すように、第1溶接工程において、端点P1から端点P2までの各位置に投入されるエネルギーの合計TEは、端点P1から端点P2に向かうに連れて大きくなる。この結果、形成される溶融部35の厚さは、端点P1から端点P2に向かうに連れて厚くなる。
図5(B)において、ハッチングされた溶融部35Aは、第1溶接工程にて形成された溶融部である。第1溶接工程によって、チップ接合面BSのうちの第4方向D4側の約半分が溶接される。図8は、第1溶接工程にて溶融部35Aが形成された状態のA−A断面を示す図である。この図に示すように、溶融部35Aは、接地電極チップ39の第4方向D4の中央部分に位置する厚肉部35AMと、厚肉部35AMよりも第4方向D4側の薄肉部35ATと、を含んでいる。厚肉部35AMが形成されるのは、接地電極チップ39の第4方向D4の中央部分は、外気と接触する表面からも離れており、特に熱が溜まりやすいためである。
第1溶接工程後のS40では、再び、レーザを走査・出力して、チップ接合面BSのうちの残りの約半分、すなわち、第5方向D5側の約半分が溶接される。
図5(B)のレーザLZ3は、S40の溶接工程(第2溶接工程とも呼ぶ)の開始時点におけるレーザを示し、レーザLZ4は、第2溶接工程の終了時点におけるレーザを示している。レーザは、図5(B)に示すように、側面395より第5方向D5側から第4方向D4に照射される。第2溶接工程では、側面395におけるチップ接合面BSより僅かに後端方向BD側の部位を、第1方向D1の端点P3から第2方向D2の端点P4まで第2方向D2に照射位置を移動しながら、レーザが連続して照射される。第1方向D1の端点P3から第2方向D2の端点P4までの間で、照射位置の移動速度は一定であり、レーザの照射のエネルギーは一定である。なお、第2溶接工程では、第2溶接工程とは異なり、溶融部35Aが形成されているために接地電極チップ39から接地電極本体31への熱引きがスムーズであること、および、接続端312に向かって第2方向D2に効率的に熱引きが行われることから、接地電極チップ39に熱エネルギーが蓄積され難い。
以上説明した第1溶接工程と第2溶接工程との2回の工程によって、図2、図3を参照して説明した溶融部35が形成され、接地電極本体31と接地電極チップ39との溶接が完了する。
なお、接地電極本体31と接地電極チップ39との溶接は、例えば、主体金具50に棒状の接地電極本体31が溶接された後に、行われても良い。また、接地電極本体31と接地電極チップ39とが溶接された後に、主体金具50に接地電極本体31が溶接されても良い。
さらに、絶縁体10と中心電極20と導電性シール60と抵抗体70と導電性シール80と端子金具40とを有する組立体が、公知の方法で作成される。例えば、中心電極20、導電性シール60の材料、抵抗体70の材料、導電性シール80の材料を、絶縁体10の軸孔12に、後端方向BD側から、この順番に挿入する。そして、絶縁体10を加熱した状態で端子金具40を軸孔12に後端方向BD側から挿入することによって、組立体が製造される。
その後、主体金具50に組立体が固定される。具体的には、主体金具50の貫通孔59内に、組立体と、タルク9と、リング部材6、7とが配置される。絶縁体10の段部15と主体金具50の段部56との間には、板パッキン8が介在される。そして、主体金具50の加締部53を内側に折り曲げるように加締めることによって、主体金具50と絶縁体10とが組み付けられる。そして、棒状の接地電極30が曲げられて、中心電極チップ29と接地電極チップ39との間のギャップが形成される。以上により、点火プラグ100が完成する。
以上説明した実施形態の点火プラグ100によれば、第2放電面393の重心GCよりも第1方向D1側の第1部分39Aを通り、第1方向D1と垂直な第1断面(具体的には、図3(A)のA−A断面)において、溶融部35の第3方向D3の長さの最大値(最大厚さ)をH1とし、第2放電面393の重心GCよりも第2方向D2側の第2部分39Bを通り、第2方向D2と垂直な第2断面(具体的には、図3(C)のC−C断面)において、溶融部35の最大厚さをH2とするとき、H1>H2を満たす。
重心GCよりも第1方向D1側は、重心GCよりも第2方向D2側と比較して、主体金具50と接続された接続端312から遠い。このために、重心GCよりも第1方向D1側は、熱引きの効率が重心GCよりも第2方向D2側よりも低いので、重心GCよりも第2方向D2側よりも高温になる。したがって、重心GCよりも第1方向D1側では、発生する熱応力が重心GCよりも第2方向D2側よりも大きくなる。本実施形態では、上述のように、H1>H2を満たすので、例えば、溶融部35が均一の厚さを有する場合と比較して、レーザ溶接時に投入されるエネルギーを過度に大きくすることなく、重心GCよりも第1方向D1側における溶融部35の厚さを確保できる。この結果、溶融ダレの昇りの発生を抑制しつつ、熱応力を緩和できるので、接地電極チップ39の耐剥離性を向上できる。
溶融ダレの昇りは、レーザ溶接時に、溶融ダレ35nが第2放電面393に付着する不具合である。溶融ダレの昇りが発生すると、放電が当該溶融ダレに集中するので、溶融ダレ35nひいては溶融部35の全体が放電に曝されて損傷しやすくなる。この結果、溶融部35の損傷による接地電極チップ39の剥離や脱落が発生しやすくなる。溶融部35の厚さを全体的に厚くすると熱応力は緩和しやすくなるが、溶接時に投入されるエネルギーが大きくなるので、溶融ダレの昇りが発生しやすくなる。本実施形態では、上述のように、このような溶融ダレの昇りの発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、A−A断面(図3(A))において、溶融部35の厚さが最大となる位置は、第4方向D4の両端と異なる。A−A断面において第4方向D4の両端は外気に曝されているが、第4方向D4の両端とは異なる部分は外気に曝されていない。このために、第4方向D4の両端とは異なる部分は、熱引きの効率が第4方向D4の両端よりも低いため熱応力が大きくなりがちである。このために、第4方向D4の両端とは異なる部分では、溶融部35の厚さを確保する必要性が高い。本実施形態によれば、溶融部35の厚さが最大となる位置が第4方向D4の両端と異なる位置であるので、溶融部35の厚さが最大となる位置が第4方向D4の両端に位置する場合よりも、レーザ溶接に要するエネルギーを過度に大きくすることなく、第4方向D4の両端と異なる位置における溶融部35の厚さを確保できる。また、第4方向D4の両端にて溶融部35が過度に厚い場合には、該両端にて溶融ダレの昇りが発生しやすい。本実施形態によれば、第4方向D4の両端にて溶融部35が過度に厚くなることを抑制して、該両端にて溶融ダレの昇りが発生することを抑制できる。したがって、接地電極チップ39の耐剥離性をさらに向上できる。
より具体的には、本実施形態によれば、A−A断面において、溶融部35と接地電極チップ39とが接触する第4方向D4の全範囲を3等分した3つの範囲LR、CR、RRのうち、第4方向D4の中央に位置する範囲を、中央範囲CRとするとき、溶融部35の厚さが最大となる位置は、中央範囲CRにある(図3(A))。この結果、溶融部35の厚さが最大となる位置が両端の端部範囲LR、RRにある場合よりも、第4方向D4の両端の近傍にて過度に溶融部35が厚くなることを抑制できる。したがって、溶融ダレの昇りをさらに抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、3つの範囲LR、CR、RRのうち、溶融部35の厚さの平均値が最大になる範囲は、中央範囲CRである(図3(A))。この結果、中央範囲CRにおける溶融部35の厚さを確保でき、第4方向D4の両端の範囲にて溶融部35が過度に厚くなることを抑制できる。したがって、溶融ダレの昇りをさらに抑制しつつ、熱応力を緩和することができる。
さらに、本実施形態によれば、A−A断面において、溶融部35の厚さの最小値をH3とするとき、H3>H2が満たされる。この結果、レーザ溶接に要するエネルギーを過度に大きくすることなく、重心GCよりも第1方向D1側における溶融部35の厚さをさらに確保できる。この結果、溶融ダレの昇りの発生を抑制しつつ、熱応力をさらに緩和できるので、接地電極チップ39の耐剥離性をさらに向上できる。
B.変形例:
(1)図9は、変形例の接地電極30Bの説明図である。変形例の接地電極30Bは、A−A断面とB−B断面の構成が上記実施形態とは異なる。図9(A)には、接地電極30BのA−A断面が示されている。図9(B)には、接地電極30BのBーB断面が示されている。
上記実施形態の接地電極30のA−A断面(図3(A))では、厚肉部35Mは、3つの範囲LR、CR、RRのうちの中央範囲CRに位置している。これに代えて、変形例の接地電極30BのA−A断面(図9(A))では、厚肉部35Mは、3つの範囲LR、CR、RRのうちの端部範囲LRに位置している。変形例のA−A断面において、溶融部35Bの厚さが最大厚さH1となる第4方向D4の位置は、上記実施形態と同様に、厚肉部35Mの第4方向D4の中心の位置である。したがって、変形例のA−A断面では、溶融部35Bの厚さが最大厚さH1となる第4方向D4の位置は、3つの範囲のうちの端部範囲LRにある。変形例のA−A断面のその他の構成は、上記実施形態と同様である。
上記実施形態の接地電極30のB−B断面(図3(B))では、厚肉部35Mは、3つの範囲LR、CR、RRのうちの中央範囲CRに位置している。これに代えて、変形例の接地電極30BのB−B断面(図9(B))では、厚肉部35Mは、3つの範囲LR、CR、RRのうちの端部範囲LRに位置している。変形例のB−B断面において、溶融部35Bの厚さが最大厚さH1となる第4方向D4の位置は、上記実施形態と同様に、厚肉部35Mの第4方向D4の中心の位置である。したがって、変形例のB−B断面では、溶融部35Bの厚さが最大厚さH1となる第4方向D4の位置は、3つの範囲のうちの端部範囲LRにある。変形例のB−B断面のその他の構成は、上記実施形態と同様である。
変形例の接地電極30BのC−C断面の構成は、上記実施形態の接地電極30のC−C断面の構成と同一である(図示省略)。
以上説明した変形例の接地電極30Bでは、最大厚さH1が最大になる位置は、端部範囲LRにある。また、溶融部35Bの平均厚さが最大になる範囲は、最大厚さH1になる位置を含む端部範囲LRである。この結果、端部範囲における溶融部35Bの厚さを確保でき、かつ、端部範囲RRにおいて溶融部35Bが過度に厚くなることを抑制できる。したがって、端部範囲LRにおいて溶融ダレの昇りが発生することを抑制できる。
なお、最大厚さH1が最大になる位置は、もう一方の端部範囲RRにあっても良く、溶融部35Bの平均厚さが最大になる範囲は、最大厚さH1になる位置を含む端部範囲RRであっても良い。この場合には、端部範囲RRにおいて溶融ダレの昇りが発生することを抑制できる。
(2)図10は、変形例の接地電極30Cの説明図である。上記実施形態の接地電極30は、厚肉部35Mと薄肉部35Tとを備えている。これに代えて、変形例の接地電極30Cは、厚肉部35Mを備えていない。図10(A)には、接地電極30CのA−A断面が示されている。図10(B)には、接地電極30CのBーB断面が示されている。
図10(A)の変形例のA−A断面において、溶融部35Cの最大厚さをH1とし、最小厚さをH3とする。接地電極30CのA−A断面において、溶融部35Cの厚さは、ほぼ均一であるが、実際には、第4方向D4の位置によってバラツキがある。
図10(B)の変形例のB−B断面において、溶融部35Cの最大厚さをH0とし、最小厚さをHmとする。接地電極30CのB−B断面において、溶融部35Cの厚さは、ほぼ均一であるが、実際には、第4方向D4の位置によってバラツキがある。
変形例の接地電極30BのC−C断面の構成は、上記実施形態の接地電極30のC−C断面の構成と同一である(図示省略)。
以上説明した本変形例においても、図10(A)のA−A断面における溶融部35Cの最大厚さH1と、C−C断面(図3(C))における溶融部35Cの最大厚さH2とは、H1>H2を満たす。この結果、溶融ダレの昇りの発生を抑制しつつ、熱応力を緩和できるので、接地電極チップ39の耐剥離性を向上できる。
また、本変形例においても、A−A断面における溶融部35Cの厚さの最小値をH3とするとき、H3>H2が満たされる。この結果、接地電極チップ39の耐剥離性をさらに向上できる。
(3)上記実施形態において、A−A断面における溶融部35の厚さの最小値H3は、C−C断面における溶融部35の最大厚さH2よりも大きい(H3>H2)。これに代えて、
A−A断面における溶融部35の厚さの最小値H3は、C−C断面における溶融部35の最大厚さH2以下であっても良い(H3≦H2)。H3≦H2であっても、少なくともH1>H2が満たされる場合には、接地電極チップ39の耐剥離性を向上できる。
(4)上記実施形態の点火プラグ100の具体的な構成は、一例であり、適宜に変形され得る。例えば、接地電極チップ39は、五角柱形状などの他の形状を有してもよい。また、接地電極チップ39は、白金(Pt)を主成分とする合金、例えば、Ptを50重量%以上含有する合金を用いて形成されていても良い。また、接地電極30、主体金具50、中心電極20、絶縁体10等の材質、寸法、形状等は、様々に変更可能である。例えば、主体金具50の材質は、亜鉛めっきまたはニッケルめっきされた低炭素鋼でも良いし、めっきがなされていない低炭素鋼でも良い。また、絶縁体10の材質は、アルミナ以外の様々な絶縁性セラミックスでもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
5…ガスケット、6…リング部材、8…板パッキン、9…タルク、10…絶縁体、12…軸孔、13…脚長部、15、16…段部、17…先端側胴部、18…後端側胴部、19…鍔部、20…中心電極、21…中心電極本体、21A…電極母材、21B…芯部、23…頭部、24…鍔部、25…脚部、29…中心電極チップ、30、30B、30C…接地電極、31…接地電極本体、31a…先端部、31b…後端部、35、35B、35C…溶融部、35M、35AM…厚肉部、35T、35AT…薄肉部、35n…溶融ダレ、39…接地電極チップ、39A…第1部分、39B…第2部分、39S…面、40…端子金具、41…キャップ装着部、42…鍔部、43…脚部、50…主体金具、50…溶融部、50A…先端面、51…工具係合部、52…取付ネジ部、53…加締部、54…座部、56…段部、58…圧縮変形部、59…貫通孔、60…導電性シール、70…抵抗体、80…導電性シール、100…点火プラグ、500…押さえ部材

Claims (7)

  1. 中心電極と、
    前記中心電極の周囲に配置され、前記中心電極を絶縁保持する主体金具と、
    一端が自由端であり、他端が前記主体金具と接続された棒状の電極本体と、放電面を有し、前記電極本体の特定の側面に配置される電極チップと、前記電極本体と前記電極チップとの間に形成される溶融部と、を備える接地電極と、
    を備える点火プラグであって、
    前記特定の側面に沿って前記放電面の重心から前記一端に向かう方向を第1方向とし、前記第1方向の反対方向を第2方向とし、
    前記接地電極のうち、前記放電面の重心よりも前記第1方向側の第1部分を通り、前記第1方向と垂直な第1断面において、前記溶融部の前記放電面と垂直な第3方向の長さの最大値をH1とし、
    前記接地電極のうち、前記放電面の重心よりも前記第2方向側の第2部分を通り、前記第2方向と垂直な第2断面において、前記溶融部の前記第3方向の長さの最大値をH2とするとき、
    H1>H2を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
  2. 請求項1に記載の点火プラグであって、
    前記第1断面において、
    前記第3方向の長さが最大となる位置は、前記第3方向と垂直な第4方向の両端と異なることを特徴とする、点火プラグ。
  3. 請求項2に記載の点火プラグであって、
    前記第1断面において、
    前記溶融部と前記電極チップとが接触する前記第4方向の全範囲を3等分した3つの範囲のうち、前記第4方向の中央に位置する範囲を、中央範囲とするとき、
    前記第3方向の長さが最大となる位置は、前記中央範囲にあることを特徴とする、点火プラグ。
  4. 請求項3に記載の点火プラグであって、
    前記3つの範囲のうち、前記溶融部の前記第3方向の長さの平均値が最大になる範囲は、前記中央範囲であることを特徴とする、点火プラグ。
  5. 請求項2に記載の点火プラグであって、
    前記第1断面において、
    前記溶融部と前記電極チップとが接触する前記第4方向の全範囲を3等分した3個の範囲のうち、前記第4方向の両端に位置する範囲を、端部範囲とするとき、
    前記第3方向の長さが最大となる位置は、2つの前記端部範囲のいずれかにあることを特徴とする、点火プラグ。
  6. 請求項5に記載の点火プラグであって、
    前前記3つの範囲のうち、前記溶融部の前記第3方向の長さの平均値が最大になる範囲は、2つの前記端部範囲のうち、前記第3方向の長さが最大となる位置を含む範囲であることを特徴とする、点火プラグ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の点火プラグであって、
    前記第1断面において、前記溶融部の前記第3方向の長さの最小値をH3とするとき、
    H3>H2を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
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