JP2009299499A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タービンが直列に配置された多段ターボチャージャを有する内燃機関において、効率的且つ効果的に排気を浄化する。
【解決手段】タービンロータが排気管212に直列に配置されたプライマリターボ300とセカンダリターボ500とを有するエンジン200において、DPF400は、各ターボのタービンロータによって挟まれた区間に設置されている。ここで、DPF400がPMの再生状態にない通常期には、プライマリターボ300が主たる過給器として使用され、排気熱の有効利用が図られるが、PMの再生期間においては、セカンダリターボ500の可変ノズル550のノズル開度が閉弁側に、またプライマリターボ300の可変ノズル350のノズル開度が開弁側に制御される。その結果、過給圧の低下を招くことなくDPF400の内圧が上昇し、PMの再生が促進される。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のターボチャージャを有する内燃機関の排気浄化装置の技術分野に関する。
この種の装置或いはこの種の装置に関連する従来技術として、例えば下記特許文献1乃至6に記載されたものが挙げられる。
例えば、特許文献1に開示された、ディーゼルパティキュレートフィルタを備えた遮熱エンジン(以下、「従来の技術」と称する)によれば、遮熱構造を有する燃焼室を備えたエンジンの排気マニホールドとターボチャージャとの間にDPF(Diesel Particulate Filter)を配することによって、排気ガス有する熱エネルギ及びパティキュレートの燃焼熱をターボチャージャに提供することが可能であるとされている。
また、特許文献2では、ターボチャージャ上流側且つEGR通路上流側にDPFを配置することにより、DPFの圧力損失によるEGR通路接続部の圧力変化を抑制することが可能なディーゼルエンジンも提案されている。
また、特許文献3では、大小二種類のターボの下流側にDPFを配したエンジンの吸排気系構造も提案されている。
また、特許文献4では、微粒子捕集フィルタの目詰まり時、フィルタ上流側に設置されたターボの可変ノズルの目標開度を大きくし、排気タービン入り口側の圧力上昇を抑制して残留ガスによる内部EGRの率の上昇を抑制する技術が提案されている。
また、特許文献5では、DPFを通過するガスの流量の制御により、DPF後部の温度上昇を防ぎつつDPF前部の温度低下による燃費の悪化を防止する技術も提案されている。
更に、特許文献6では、タービンとDPFとの間に燃料添加弁を有するシステムにより添加燃料の霧化を促進する技術も提案されている。
特開平8−189336号公報 特開2002−174110号公報 特開2006−70878号公報 特開2005−48743号公報 特開2006−189024号公報 特開2007−332901号公報
近年、タービン同士が直列関係にある多段ターボチャージャが提案されてきている。ところが、この種の多段ターボチャージャを有する内燃機関においては、未だDPF等フィルタの配置が最適化されておらず、排気浄化性能に改善の余地がある。この点において特許文献3を除く上記各特許文献を見ても、各々単一のターボチャージャを有する構成が開示されているのみであり、ターボチャージャ上流にDPFを備えるとされたところで、多段ターボチャージャに適用可能であるか、或いは適用した場合如何なる排気浄化の効果が得られるのかについての記述は存在しない。
一方、上記特許文献3では、バイパス制御弁の開閉状態によっては、大小二種類のターボチャージャが、各タービンが夫々直列に配された二段ターボチャージャとして機能し得、この場合、これらの下流側にDPFが配置されている構成となる。従って、少なくとも多段ターボチャージャを有する内燃機関におけるDPFの配置について幾らかなり言及されている。ところが、特許文献3は、吸排気系をコンパクトに構成することに主眼が置かれたものに過ぎず、係るDPF配置が排気浄化性能の観点から決定されている旨の記述を見出すことはできない。即ち、上記各種特許文献に記載される各種装置に代表される各種従来技術には、内燃機関が多段ターボチャージャを有する場合に最適な排気浄化性能が得られ難いという技術的問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、多段ターボチャージャを備えた場合にも効率的且つ効果的に排気を浄化することが可能な内燃機関の排気浄化装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、内燃機関の排気経路に設置された第1のタービンと、該第1のタービンを駆動する排気の圧力たる第1の排気圧を変化させることが可能な第1の排気圧可変手段とを夫々有する少なくとも一つの第1のターボチャージャ及び前記排気経路における前記第1のタービンの下流側に前記第1のタービンに対し直列に配置された第2のタービンと、該第2のタービンを駆動する排気の圧力たる第2の排気圧を変化させることが可能な第2の排気圧可変手段とを夫々有する少なくとも一つの第2のターボチャージャを含む多段ターボチャージャと、前記排気経路における前記第1のタービンと前記第2のタービンとに挟まれた区間に設置された、排気中のPM(Particulate Matter:粒子状物質)の捕捉及び該捕捉されたPMの再生が可能な捕捉再生手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る「内燃機関」とは、一又は複数の気筒を有し、当該気筒の各々における燃焼室において、例えばガソリン、軽油或いは各種アルコール等の燃料、又は当該燃料を含む混合気の爆発或いは燃焼に伴って生じる力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等の物理的な又は機械的な伝達経路を経て駆動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念であり、例えば2サイクル或いは4サイクルレシプロエンジン等を指す。特に、本発明に係る内燃機関は、好適な一形態として、軽油を燃料とし、例えば気筒内に吸入される気体(以下、適宜「吸気」と称する)が圧縮される圧縮行程、又は吸気を吸入する吸気行程等において燃料が噴射され、当該燃料が高温高圧の気筒内で自着火して燃焼を生じる、或いは、吸気と燃料との混合気が気筒内で圧縮される過程において高温高圧の気筒内で自着火して燃焼を生じる、例えばディーゼルエンジン等の圧縮自着火式内燃機関として構成される。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、多段ターボチャージャを備える。ここで、「多段」とは、各々に対応するタービンが排気経路において相互に直列に配置されていることを意味する。この多段ターボチャージャは、第1及び第2のターボチャージャにより構成される。この際、第1及び第2のターボチャージャは、その構成(特に、物理的、機械的又は電気的構成)或いは動作特性(例えば、最も動作効率の高い回転領域や過給圧の領域等)が相互に同等であってもよいし、異なっていてもよい。また、第1及び第2のターボチャージャは、夫々が単一のターボチャージャでなくてもよく、複数のターボチャージャの複合体であってもよい。
ここで、多段ターボチャージャは、構成要素たるターボチャージャの各々が、少なくともタービン及びコンプレッサを有する過給手段であって、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の構成要素であると共に、主として内燃機関の過給システムとして機能する。多段ターボチャージャを備えた内燃機関においては、過給圧の精細な制御が容易となり、また過給圧の上限値、下限値又は到達範囲等が拡大され得るため、内燃機関の出力特性の向上、或いは酸素不足等による後述のPMの発生を抑制することによるエミッション悪化の抑制等各種の利益が享受され得る。
一方、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、燃焼室における燃焼の過程において、未燃状態の個体炭素粒子(例えば、スート(煤))、或いはそれに適宜HC、特に粘着性のSOF(Solvable Organic Fraction)等が付着すること等によって生成される各種の粒子状物質を包括する概念としてのPMを捕捉可能、且つこれら捕捉されたPMの再生(PMの酸化燃焼、及びそれに伴う捕捉機能の再生を包括する概念である)が可能な、例えばセラミックウォールフロー型、メタルフロースルー型又はメタルウォールフロー型等の諸形態を採り得る、また例えば、好適な一形態としてDPF等の各種フィルタ、或いは当該DPFを含むDPNR(Diesel Particulate NOx Reduction System)等各種の形態を採り得る捕捉再生手段が備わる。
好適な一形態として、捕捉再生手段が、排気の入口側と出口側で互い違いに目封じされた複数の通路を有するハニカム状の担体を備えた、所謂ウォールフロー型のDPF等を含む場合、排気中のPMは、当該ハニカム状の担体において排気の流れる方向(以下、適宜「排気流れ方向」と略称する)に形成される複数の通路相互間を隔絶する壁体(例えば、フィルタ担体)に阻まれ(排気自体は、壁体部に形成される細孔を介して隣接する通路へ流れる)、当該壁体部に濾し取られる形で捕捉される。
また、例えばDPFに酸化触媒が担持される等して捕捉再生手段がPMの酸化機能を有するならば、PMの捕捉及び再生が捕捉再生手段において好適に行われる。また、捕捉再生手段の排気流れ方向上流側(即ち、排気流れ方向を基準とする方向概念であって、この場合気筒側である)に酸化触媒が別体として配置されていてもよく、その場合、当該酸化触媒により排気中のNOから酸化力が良好なNOが生成され、当該NOによってDPFに捕捉されたPM(この場合、好適な一形態として、PM中のSOFは酸化触媒により酸化され得、捕捉されるPMは主としてスートとなり得る)の再生が促進される。また、例えば排気温度或いはフィルタ温度等がPMの再生開始温度に達する運転領域では、或いはそのような運転領域における運転が所定時間継続した場合には、この種の酸化触媒を有しておらずとも、捕捉再生手段に捕捉されたPMの再生が好適に促進される。
ここで、例えば、第1のタービンの上流側に捕捉再生手段が設置された場合、第1のタービンを駆動する排気は、その排気熱の一部が捕捉再生手段により奪われており、相対的に冷却された状態にある。排気熱は排気圧或いは排気流速と相関し、その大小はタービンの駆動状態に影響するため、結局この場合、第1のタービンは、効率的に駆動され難くなって、過給効率の低下を招く。
一方で、第2のタービンの下流側に捕捉再生手段を設置した場合、多段ターボチャージャは、排気熱を可及的に高効率に利用することが可能となるから、過給効率の点では優れる。ところが、本出願人の研究によれば、例えばDPF等においては、その内圧がPMの再生能力と相関することが明らかとされており、タービン下流側の排気圧を、PMの再生能力のみを考慮して所望の値に且つ精細に制御することが、少なくとも実践上不可能に近い点に鑑みれば、この場合、PMの再生能力が不要に低下する可能性がある。
ここで、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置において、捕捉再生手段は、第1のタービンと第2のタービンとに挟まれた区間に設置されている。即ち、捕捉再生手段の上流側及び下流側には、夫々少なくとも一つのタービンが存在する。
ここで特に、第1のターボチャージャ及び第2のターボチャージャには、例えば、VN(Variable Nozzle:可変ノズル)或いはWGV(Waste Gate Valve)等の排気パイパス手段等、夫々第1のタービン及び第2のタービンを駆動する排気の圧力たる第1及び第2の排気圧を可変とする物理的、機械的、機構的、電気的又は磁気的手段等を包括する概念としての第1及び第2の排気圧可変手段が備わっている。
このため、このように捕捉再生手段の上流及び下流に少なくとも一のタービンが存在するならば、これらの駆動制御により、例えばPMの再生時には第2の排気圧を相対的に上昇せしめて第2のタービン上流側に位置する捕捉再生手段の内圧を高めPMの再生効率を上昇させる、或いは例えばPMの非再生時には第1のターボチャージャを主たる過給器として利用する(即ち、内燃機関全体としての過給圧の制御を、主として第1の排気圧可変手段を介して行う)ことにより排気熱を高効率に利用する等の実践上の高い利益を享受することが可能となる。即ち、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、第1及び第2の排気圧可変手段を相互に協調的に制御することを念頭に入れることにより、PMの再生を効率的且つ効果的に行うことが可能となるのである。
補足すると、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、多段ターボチャージャにおいて第1及び第2の排気圧が可変である点に着目し、これらの協調制御によって過給効果をスポイルすることなくPMの再生を図り得る位置に捕捉再生手段が設置されている。即ち、多段ターボチャージャであるが故に考慮すべき捕捉再生手段の配置(即ち、シングルターボチャージャであれば、如何にしたところでターボチャージャの上流又は下流に捕捉再生手段を配置するよりなく、この種の問題を考慮しても無駄である)が、多段ターボチャージャであるが故に可能な措置を考慮に入れて最適化されているのである。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の一の態様では、前記再生が行われる再生期間において、前記第2の排気圧が上昇するように前記第2の排気圧可変手段を制御する第1の制御手段を更に具備する。
この態様によれば、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第1の制御手段が、PMの再生がなされる期間としての再生期間において第2の排気圧が上昇するように第2の排気圧可変手段を制御するので、少なくとも何らこの種の措置が講じられない場合と較べて、第2の排気圧可変手段の上流側に位置する捕捉再生手段の内圧を上昇させることが可能となる。従って、PMの再生効率(例えば、所定の再生状態を得るまでの時間であってもよいし、PMの燃焼の度合い等であってもよい)を向上させることが可能となる。尚、ここで述べられる「上昇するように」とは、現時点の第2の排気圧と較べて二値的に、段階的に又は連続的に上昇させることを意味し、その厳密な意味での上昇量は、少なくとも発明の本質部分とは無関係である。
尚、この態様では、前記再生期間において、前記第1の排気圧が低下するように前記第1の排気圧可変手段を制御する第2の制御手段を更に具備してもよい。
このように、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第2の制御手段により、再生期間において第1の排気圧が低下せしめられた場合、第2の排気圧を上昇させ易くなり、上述した捕捉再生手段の内圧上昇がより促進されて好適である。また、第1の排気圧の低下は、第1のターボチャージャによる過給圧を低下させる結果となるから、先に述べた第2の排気圧の上昇による第2のターボチャージャの過給圧の上昇が少なからず相殺される形となり、内燃機関全体としての過給圧を維持し、車両のドライバビリティの低下を抑制することも可能となる。尚、ここで述べられる「低下するように」とは、現時点の第1の排気圧と較べて二値的に、段階的に又は連続的に減少させることを意味し、その厳密な意味での低下量は、少なくとも発明の本質部分とは無関係である。
このように第1及び第2の排気圧可変手段が夫々制御される態様では、前記再生期間において、前記多段ターボチャージャの目標過給圧を基準値未満に設定する設定手段を更に具備し、前記第1及び第2の制御手段は、過給圧が前記設定された目標過給圧となるように前記第1及び第2の排気圧可変手段を制御してもよい。
この場合、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る設定手段により、多段ターボチャージャの目標過給圧が、例えば、車両又は内燃機関の運転条件(例えば、機関回転速度及び要求負荷(アクセル開度)等)に基づいて適宜設定される基準値(即ち、好適な一形態として、この種の再生期間以外の期間の目標過給圧である)未満に設定される。PMの再生がなされるに際しては、定性的な傾向として、再生に供される作動ガス(即ち、好適には排気)の量が少ない方がよい。従って、このように設定される目標過給圧に応じて排気圧可変手段が制御されることによる過給圧の低下により、捕捉再生手段に供給される排気の量が減少し、PMの再生を好適に行うことが可能となる。
一方、通常、この種の基準値は、要求トルク(要求負荷)に対応する噴射量で噴射される燃料に対し十分な(即ち、酸素不足によるPMの生成が助長されないような)過給圧として設定される。従って、このように目標値が減じられた場合、燃焼室における燃焼状態が悪化して、PMの排出量が増加する可能性は逆に高くなる。然るに、このような制御がなされるのは主として再生期間であり、元よりPMの排出量が増加したところで、捕捉再生手段におけるPMの酸化燃焼反応によって排気の浄化性能は保たれるため実践上何らの問題も生じない。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の他の態様では、前記第1及び第2の排気圧可変手段は、夫々前記第1及び第2のタービンに排気を供給する排気供給路の流路断面積を変化させることが可能な可変ノズルである。
この態様によれば、第1及び第2の排気圧可変手段が、夫々可変ノズルとして構成されるため、第1及び第2の排気圧を比較的簡便に制御可能である。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の他の態様では、前記捕捉再生手段が過熱状態にあるか否かを判別する判別手段と、前記捕捉再生手段が前記過熱状態にある旨が判別された場合に、前記第1及び第2の排気圧のうち少なくとも一方が上昇するように前記第1及び第2の排気圧可変手段のうち少なくとも一方を制御する第3の制御手段とを更に具備する。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る判別手段により、捕捉再生手段が過熱状態にある旨が判別された場合に、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第3の制御手段により、第1及び第2の排気圧のうち少なくとも一方が上昇せしめられる。
ここで、「過熱状態」とは、PMの再生が進行する過程でPMの燃焼が過渡的に拡散し、補足再生手段の温度が過度に上昇すること等によって、例えば捕捉再生手段の熔損(例えば、フィルタ担体の熔損)が生じた状態、近未来的に熔損を生じかねない旨が推定される状態、或いは予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、それ以上の温度上昇が望ましくない旨が規定された状態等を指す。
このような過熱状態においては、少なくともPMの再生を促進すべきでなく、より好適にはPMの再生速度の緩慢化或いはPMの再生の停止を図るべきである。ここで、第1の排気圧にせよ第2の排気圧にせよ、排気圧の上昇は、過給圧の上昇を招き、吸入空気量、ひいては吸気量の増大が生じる。吸気量が増大すれば、排気量もまた増大するから、結果的に捕捉再生手段は、この増大した排気により冷却され、PMの再生が進行し難くなる。
ここで特に、本発明の内燃機関が、好適には圧縮自着火式のディーゼルエンジンの形態を採り得る点に鑑みれば、燃料噴射量は、吸気量によりその上限が制限される(即ち、酸素不足によるスモークの増大を回避する目的等から制限される)に過ぎず、要求負荷に応じた燃料が噴射される限りにおいて、過給圧を上昇させ吸気量の増大させたところで、内燃機関の出力特性に影響は現れ難い。即ち、この態様によれば、ドライバビリティや動力性能への影響を回避しつつ、捕捉再生手段を熱負荷から保護することが可能となり、実践上極めて有益である。補足すると、この態様においては、多段ターボチャージャは明らかに捕捉再生手段の作用をアシストしており、過給手段としてよりは、内燃機関の排気浄化装置としての機能を発揮している。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の他の態様では、前記排気経路における、前記第1のタービンのうち前記捕捉再生手段の上流側において前記捕捉再生手段と最も近接して配置された一のタービンと前記捕捉再生手段との間に、前記排気中に燃料を添加することにより前記PMの燃焼を促す燃料添加手段を更に具備する。
燃料添加弁は、排気中に燃料を添加して排気経路又は捕捉再生手段において燃焼させ、捕捉再生手段の温度上昇を促進する効果があるが、第1のタービンの上流側に配設された場合には、添加された燃料がタービンを汚染して、例えばタービン固着等の不具合を生じかねない。
この態様によれば、第1のタービンが単数であれ複数であれ、捕捉再生手段の上流側において捕捉再生手段と最も近接して配置されたタービンと捕捉再生手段との間に燃料添加弁が配設される。このため、排気中に添加された燃料は、排気経路又は捕捉再生手段で燃焼するか、或いは一部未燃であれ捕捉再生手段に捕捉される形となるため、第1及び第2のタービンが汚染される確率が著しく低下する。即ち、この態様によれば、多段ターボチャージャへ悪影響が及ぶことを回避しつつ、PMの再生を好適に行うことが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、エンジンシステム10は、図示せぬ車両に搭載され、ECU100及びエンジン200を備える。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、エンジン200の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「第1の制御手段」、「第2の制御手段」及び「設定手段」の一例である。ECU100は、ROMに格納される制御プログラムに従って、後述する排気浄化制御を実行することが可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「第1の制御手段」、「第2の制御手段」及び「設定手段」の一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
エンジン200は、軽油を燃料とする、本発明に係る「内燃機関」の一例たる直列4気筒ディーゼルエンジンである。エンジン200の概略について説明すると、エンジン200は、シリンダブロック201に4本のシリンダ202が並列配置された構成を有している。そして、各シリンダ内において燃料を含む混合気が圧縮自着火した際に生じる力が、不図示のピストンを紙面と垂直な方向に往復運動させ、更にコネクティングロッドを介してピストンに連結されるクランクシャフト(いずれも不図示)の回転運動に変換される構成となっている。以下に、エンジン200の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。尚、本実施形態に係るエンジン200は、シリンダ202が図1において紙面と垂直な方向に4本並列してなる直列4気筒ディーゼルエンジンであるが、個々のシリンダ202の構成は相互に等しいため、ここでは一のシリンダ202についてのみ説明することとする。
シリンダ202内における混合気の燃焼に際し、エアフィルタを介して外部から吸入された空気たる吸入空気は、吸気管203に導かれる。吸気管203には、吸入空気の量を調節可能なスロットルバルブ204が配設されている。このスロットルバルブ204は、ECU100と電気的に接続され且つECU100により上位に制御されるスロットルバルブモータ(不図示)から供給される駆動力により回転可能に構成された回転弁であり、スロットルバルブ204を境にした吸気管203の上流部分と下流部分とをほぼ遮断する全閉位置から、ほぼ全面的に連通させる全開位置まで、その回転位置が連続的に制御される構成となっている。
吸気管203は、吸気マニホールド205と連通しており、この吸気マニホールド205を介して更に、各シリンダに設けられた吸気ポート206に連通している。一方、吸気管203に導かれる吸入空気は、スロットルバルブ204の下流側の合流位置において、後述するEGRガスと混合され、吸気ポート206とシリンダ内部とを連通させることが可能に構成された不図示の吸気バルブの開弁時にシリンダ202内に吸気として吸入される構成となっている。シリンダ202内には、筒内直噴型のユニットインジェクタ207から燃料たる軽油が噴射される構成となっており、噴射された燃料が各シリンダ内部で、当該吸気と混合され、上述した混合気となる。
尚、詳細は省略するが、燃料は、不図示の燃料タンクに貯留されている。この燃料タンクに貯留される燃料は、不図示のフィードポンプの作用により燃料タンクから汲み出され、不図示の低圧配管を介して公知の各種態様を採り得高圧ポンプ(不図示)に圧送される構成となっている。この高圧ポンプは、コモンレール208に対し、燃料を供給することが可能に構成されている。
コモンレール208は、ECU100と電気的に接続され、上流側(即ち、高圧ポンプ側)から供給される高圧燃料をECU100により設定される目標レール圧まで蓄積することが可能に構成された、高圧貯留手段である。尚、コモンレール208には、レール圧を検出することが可能なレール圧センサ及びレール圧が上限値を超えないように蓄積される燃料量を制限するプレッシャリミッタ等が配設されるが、ここではその図示を省略することとする。前述したユニットインジェクタ207は、シリンダ202毎に搭載されており、夫々が高圧デリバリ209を介してコモンレール208に接続されている。
ここで、ユニットインジェクタ207の構成について補足すると、ユニットインジェクタ207は、ECU100から供給される指令に基づいて作動する電磁弁と、この電磁弁への通電時に燃料を噴射するノズル(いずれも不図示)とを備える。当該電磁弁は、コモンレール208の高圧燃料が印加される圧力室と、当該圧力室に接続された低圧側の低圧通路との間の連通状態を制御することが可能に構成されており、通電時に当該加圧室と低圧通路とを連通させると共に、通電停止時に当該加圧室と低圧通路とを相互に遮断する。
一方、ノズルは、噴孔を開閉するニードルを内蔵し、圧力室の燃料圧力がニードルを閉弁方向(噴孔を閉じる方向)に付勢している。従って、電磁弁への通電により加圧室と低圧通路とが連通し、圧力室の燃料圧力が低下すると、ニードルがノズル内を上昇して開弁する(噴孔を開く)ことにより、コモンレール208より供給された高圧燃料を噴孔より噴射することが可能に構成される。また、電磁弁への通電停止により加圧室と低圧通路とが相互に遮断されて圧力室の燃料圧力が上昇すると、ニードルがノズル内を下降して閉弁することにより、噴射が終了する構成となっている。
尚、燃料は、個々のシリンダ202において、ユニットインジェクタ207を介し、目標噴射量に相当する燃料が、燃焼室内の急激な温度上昇を防止するための、或いは燃料と吸気とを十分に予混合するための単数又は複数のパイロット噴射と、目標噴射量とパイロット噴射量との差分に相当する主噴射とに分割して噴射される構成となっている。
上述した混合気は、圧縮工程において自着火して燃焼し、燃焼済みガスとして、或いは一部未燃の混合気として、吸気バルブの開閉に連動して開閉する排気バルブ(不図示)の開弁時に排気ポート210を介して排気マニホールド211に導かれる構成となっている。この排気マニホールド211は、本発明に係る「排気経路」の一例たる排気管212に連通しており、排気の大部分は、この排気管212に導かれる構成となっている。
一方、排気マニホールド211には、排気管212とは別にEGR通路213が連通している。EGR通路213は、排気マニホールド211と吸気管203とを連通させる金属製且つ中空の管状部材であり、上述した合流位置において吸気管203と連通する構成となっている。EGR通路213は、その一部の区間においてEGRクーラ215が設置された冷却通路214とEGRクーラ215が設置されないバイパス通路216とに分岐している。
EGRクーラ215は、冷却通路214に設けられた冷却装置である。EGRクーラ215は、外周部にエンジン200の冷却水配管が張り巡らされた金属製且つ中空の管状部材であり、EGR通路213及び冷却通路214に導かれEGRクーラ215を通過するEGRガスは、この冷却水との熱交換により冷却され、下流側(即ち、吸気管203側)へ導かれる構成となっている。EGRクーラ215には、夫々が上述したウォータジャケットに連通するインレットパイプ及びアウトレットパイプ接続されている。この際、冷却水は、インレットパイプから当該冷却水配管に流入し、アウトレットパイプを介して当該冷却水配管の外に排出される。排出された冷却水は、エンジン200の冷却水循環系に還流され、所定の経路を経て再びインレットパイプから供給される。上述したバイパス通路216は、少なくともこのEGRクーラ215をバイパスするように構成されている。
切り換えバルブ217は、EGR通路214とバイパス通路216との分岐部位に設置された開閉可能な弁体と、当該弁体を駆動する駆動装置を含むバルブ機構である。切り換えバルブ217の弁体は、当該駆動装置により開閉状態が連続的に変化するように構成されており、当該開閉状態に応じて、冷却通路214とバイパス通路216との間のEGRガスの流量比率を制御することが可能に構成されている。切り換えバルブ217の駆動装置は、ECU100と電気的に接続されており、切り換えバルブ217の弁体の開閉状態は、ECU100により上位に制御される構成となっている。
EGRバルブ218は、冷却通路214とバイパス通路216との合流位置下流側(吸気管203側)においてEGR通路213に設置された開閉可能な弁体と、当該弁体を駆動する駆動装置を含むバルブ機構である。EGRバルブ218の弁体は、当該駆動装置により開閉状態が連続的に変化するように構成されており、当該開閉状態に応じて、EGR通路213を流れるEGRガスの流量、即ち、EGR量を制御することが可能に構成されている。EGRバルブ218の駆動装置は、ECU100と電気的に接続されており、EGRバルブ218の弁体の開閉状態は、ECU100により上位に制御される構成となっている。EGR通路213、冷却通路214、EGRクーラ215、バイパス通路216、切り換えバルブ217及びEGRバルブ218は、全体として所謂EGR装置の一例を構成している。
エンジン200は、プライマリターボ300及びセカンダリターボ500を備える。
プライマリターボ300は、タービンハウジング310に収容されたタービンロータ320、可変ノズル330及びコンプレッサハウジング340に収容されたコンプレッサブレード350を含む過給器であり、本発明に係る「第1のターボチャージャ」の一例である。
タービンロータ320は、排気により駆動され、不図示の回転軸を中心として回転可能に構成された回転体であり、タービンロータ320上流側における排気の圧力(即ち、本発明に係る「第1の排気圧」の一例)に応じて、その回転速度が可変となる、本発明に係る「第1のタービン」の一例である。タービンロータ320の回転軸は、コンプレッサブレード350と共有されており、タービンロータ320が排気圧により回転すると、コンプレッサブレード350もまた、当該回転軸を中心として回転する構成となっている。
コンプレッサブレード350は、吸気管203に導かれる吸入空気を、その回転に伴って生じる吸引力により下流側の吸気マニホールド205へ圧送供給することが可能に構成されており、このコンプレッサブレード350による吸入空気の圧送効果により、所謂過給が実現される構成となっている。尚、コンプレッサブレード350と吸気マニホールド205との間には、過給された吸入空気を冷却することによって過給効率の向上を実現するインタークーラが設けられていてもよい。
可変ノズル330は、ノズル開度に応じ、排気管212のうち排気マニホールド211とタービンロータ320とを連通する部分の一部について、その流路断面積(例えば、当該部分の伸長方向と交わる方向の断面に係る断面積)を変化させることが可能に構成されるノズルベーンを備えた、本発明に係る「第1の排気圧可変手段」の一例である。可変ノズル330は、図示せぬアクチュエータにより駆動され上述したノズル開度が変化する構成となっており、このアクチュエータは更に、ECU100と電気的に接続され、ECU100により駆動制御される構成となっている。即ち、可変ノズル330は、ECU100によりその駆動状態が制御される構成となっている。
補足すると、プライマリターボ300において、可変ノズル330によりタービンロータ320上流側の流路断面積が減少せしめられると、流路抵抗が増加するため可変ノズル330上流側の排気圧が上昇する。このため、タービンハウジング310に流入する排気の流速及び圧力が上昇してタービンロータ320の回転速度が上昇する。その結果、コンプレッサブレード350の回転速度が上昇して過給圧が上昇する。尚、このような可変ノズル式ターボチャージャの構成は、公知の各種態様を採り得るため、ここでは、詳細な説明を省略することとする。
セカンダリターボ500は、タービンハウジング510に収容されたタービンロータ520、可変ノズル530及びコンプレッサハウジング540に収容されたコンプレッサブレード550を含む過給器であり、本発明に係る「第2のターボチャージャ」の一例である。
タービンロータ520は、排気により駆動され、不図示の回転軸を中心として回転可能に構成された回転体であり、タービンロータ520上流側における排気の圧力(即ち、本発明に係る「第2の排気圧」の一例)に応じて、その回転速度が可変となる、本発明に係る「第2のタービン」の一例である。タービンロータ520は、排気管212において、プライマリターボ300のタービンロータ320の下流側にタービンロータ320と直列に配設されている。タービンロータ520の回転軸は、コンプレッサブレード550と共有されており、タービンロータ520が排気圧により回転すると、コンプレッサブレード550もまた、当該回転軸を中心として回転する構成となっている。
コンプレッサブレード550は、吸気管203に導かれる吸入空気を、その回転に伴って生じる吸引力により下流側のコンプレッサブレード350へ圧送供給することが可能に構成されており、このコンプレッサブレード550による吸入空気の圧送効果により、所謂多段過給が実現される構成となっている。即ち、プライマリターボ300及びセカンダリターボ500により、本発明に係る「多段ターボチャージャ」の一例が構成されている。
可変ノズル530は、ノズル開度に応じ、排気管212のうちタービンロータ520とタービンロータ320とを連通する部分の一部について、その流路断面積(例えば、当該部分の伸長方向と交わる方向の断面に係る断面積)を変化させることが可能に構成されるノズルベーンを備えた、本発明に係る「第2の排気圧可変手段」の一例である。可変ノズル530は、図示せぬアクチュエータにより駆動され上述したノズルが変化する構成となっており、このアクチュエータは更に、ECU100と電気的に接続され、ECU100により駆動制御される構成となっている。即ち、可変ノズル530は、ECU100によりその駆動状態が制御される構成となっている。
補足すると、セカンダリターボ500において、可変ノズル530によりタービンロータ520上流側の流路断面積が減少せしめられると、流路抵抗が増加するため可変ノズル530上流側の排気圧が上昇する。このため、タービンハウジング510に流入する排気の流速及び圧力が上昇してタービンロータ520の回転速度が上昇する。その結果、コンプレッサブレード550の回転速度が上昇して過給圧が上昇する。
エンジン200は、排気管212における、プライマリターボ300のタービンロータ320とセカンダリターボ500のタービンロータ520との間の区間にDPF400を備える。
DPF400は、排気中のPM(主として、スート(固体炭素粒子が結合したもの)と燃料中のSOF等を含む粒子状物質)を捕捉可能に構成された、本発明に係る「捕捉再生手段」の一例たるフィルタである。DPF400は、金属製の筐体に、コージェライトやSiC等のセラミック製フィルタ担体が収容された構造を有する。このフィルタ担体は、排気の流れる方向に伸長し且つ排気の流れる方向と垂直な断面がハニカム状をなす複数の排気通路を有している。また、この排気通路は、排気の入口側と出口側とのうち一方が目封じされており、且つこの目封じ部位が相互に隣接しないよう互い違いに形成されており、フィルタ担体は所謂セラミックウォールフロー型のフィルタ構造を有している。このような構成において、DPF400に排気が流入すると、入り口側が目封じされていない方の排気通路から排気が流入し、フィルタ担体に形成される細孔を通って、隣接する、出口側が目封じされていない排気通路へ移動した後、この出口側が開放された排気通路より排出される。この際、当該細孔上層部からフィルタ担体表面にかけて形成されるPM層(即ち、PMが堆積してなる層状領域)の自己捕集作用により、排気中のPMが濾し取られ、排気が浄化される構成となっている。
また、エンジン200には、このDPF400のフィルタ担体の温度たるDPF温度Tdpfを検出可能な温度センサ219が設置されている。温度センサ219は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたDPF温度Tdpfは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
尚、エンジン200において、DPF400の上流側(或いは更に下流側)に、酸化触媒が備わっていてもよい。この場合、係る酸化触媒により排気中のCO、HC(主としてSOF)及びNO等の酸化が促進されることにより、DPF400に捕捉されるPMの再生が促進され得る。また同様の趣旨として、酸化触媒がDPF400のフィルタ担体に担持されていてもよい。
排気管212における、タービンロータ320とDPF400との間の区間には、燃料添加弁600が配設されている。燃料添加弁600は、燃料の供給ラインと連通した噴射弁であり、排気管212内に燃料を直接供給することが可能に構成された、本発明に係る「燃料添加手段」の一例である。燃料添加弁600は、ECU100と電気的に接続されており、その動作がECU100により上位に制御される構成となっている。このように、本実施形態では、ECU100、プライマリターボ300、DPF400、セカンダリターボ500及び燃料添加弁600により本発明に係る「内燃機関の排気浄化装置」の一例が構築されている。
尚、図面の煩雑化を防ぐ目的から図示を省略するが、エンジンシステム10には、吸気管203に流入する吸入空気の量たる吸入空気量を検出可能なエアフローメータ、吸気マニホールド205の圧力たる過給圧(インマニ圧)を検出可能な圧力センサ、排気中の酸素濃度から排気空燃比を検出可能な空燃比センサ、及びドライバのアクセル操作量に応じたアクセル開度を検出可能なアクセル開度センサ等が備わり、いずれもECU100と電気的に接続され、その検出値が一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
<実施形態の動作>
DPF400においては、フィルタ担体にPMが過剰に堆積すると、排気がフィルタ担体を通過し難くなり、DPF400上流側の排気圧(所謂エンジン背圧)が過度に上昇することがある。このような排気圧の上昇は、エンジン200の排気性能を低下させ、エンジン出力の低下に繋がる。また、PMが過剰に堆積すると、後述する強制再生であれ、エンジン200の運転履歴を反映する形で熱負荷により自然に開始される自然再生であれ、PM再生時に、PMの酸化燃焼反応が一気に進行して、急激な温度上昇が生じる可能性がある。このような急激な温度上昇は、フィルタ担体の熔損を招きかねない。このため、ECU100により実行される排気浄化制御においては、PMの再生が少なくとも実践上不足無い規模で行われる。
一方、本実施形態において、エンジン200はプライマリターボ300及びセカンダリターボ500からなる多段ターボチャージャを備えており、過給圧の制御範囲の拡大及び制御性の向上が図られている。即ち、セカンダリターボ500により過給された吸入空気がプライマリターボ300に供給され(そのような意味では、セカンダリターボ500がプライマリターボと、またプライマリターボ300がセカンダリターボと夫々表現されてもよい)、プライマリターボ300による過給に供されるため、シングルターボチャージャによる過給時と較べて、過給圧の限界がより向上するのに加え、各可変ノズルの駆動制御により、プライマリターボ300を主たる過給器として使用することも、セカンダリターボ500を主たる過給器として使用することも、或いはこれらを相互に協調的に使用することも容易にして可能であり、シングルターボチャージャの過給圧と較べれば、より精細な過給圧制御が可能となる。
他方、本実施形態においては、このように多段ターボチャージャを含むエンジン構成において、上流側及び下流側に少なくとも一のタービンロータが備わる位置にDPF400が設置されている。このため、プライマリターボ300及びセカンダリターボ500は、夫々好適な排気浄化性能を実現するための、内燃機関の排気浄化装置の一部として機能することが可能である。このような多段ターボチャージャを効率的且つ効果的に利用してなされる排気浄化は、ECU100により実行される排気浄化制御により実現される。
ここで、図2を参照し、排気浄化制御の詳細について説明する。ここに、図2は、排気浄化制御のフローチャートである。
図2において、ECU100は、エンジン200の運転条件或いは車両の走行条件が、予め設定されたPMの再生条件に該当するか否かを判別する(ステップS101)。
ここで、エンジン200におけるPMの再生には、強制再生と自然再生の二種類存在する。強制再生とは、DPF400に捕捉されたPMを強制的に酸化燃焼させる再生形態であり、自然再生とは、例えば、高回転高負荷領域での運転が比較的長期にわたって継続した場合等に、蓄積された熱負荷によりDPF400において自然にPMの酸化燃焼が開始される再生形態である。ステップS101における「再生条件」とは、これらいずれの再生が開始される(再生を開始すべき)条件であってもよい。
強制再生に関して言えば、再生条件とは、例えばDPF400に捕捉されたPMの量(捕捉量)が然るべき閾値に到達した場合或いは到達したと推定される場合等を指す。この場合、捕捉量は、DPF400にPMの捕捉量を直接検出可能なセンサが設置されていれば、当該センサの出力値を参照して推定(この場合、実測に近い)されてもよいし、DPF400下流のPM濃度を検出可能なセンサが設置される場合には、検出されたPM濃度と排気流量等から推定される単位時間当たりの捕捉量を時間積分すること等によって推定されてもよいし、DPF400の前後差圧等に基づいて推定されてもよい。或いは、より簡便な手法として、前回強制再生がなされてからの経過時間が、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて強制再生をなすべき旨の判断を下し得るものとして設定された基準値に到達した場合に強制再生が開始されてもよい。ここでは、上記いずれかの手法が採用されるものとする(センサを必要とする場合、当該必要とされるセンサは図1に不図示ながらもエンジンシステム10に備わっているものとする)。
一方、自然再生に関して言えば、DPF400に自然と加わる熱負荷によって酸化燃焼反応が生じるから、例えば温度センサ219により検出されるDPF温度Tdpfが、予め自然再生が開始されるものとして設定された閾値を超えた場合に、自然再生が開始される旨の判別がなされてもよい。或いは、燃料噴射量、機関回転速度、吸気量(又は吸入空気量)及びEGR率(又はEGR量)等を含む、エンジン200の運転条件を規定する各種の制御量から適宜選択される制御量に基づいて(単位時間当たりの熱負荷を時間積分し且つ積算する等の処理を経て)、DPF400に加わる熱負荷がより精細に推定され、自然再生の開始の有無判別に供されてもよい。
尚、捕捉されたPMは、DPF温度或いはDPF400に流入する排気の温度が所定の反応温度(フィルタ構成等に応じて適宜異なる)以上となる高温領域で顕著に進行する。この際、DPF400が酸化触媒を担持している、或いはDPF400の上流側に酸化触媒が別途設置されている場合、これら酸化触媒の機能により、例えば酸化力の強いNOの生成が促進される結果、反応開始温度が、比較的低温側に推移(例えば250℃程度)し得るが、DPF400では、これら酸化触媒に類する機能体を有さないため、PMの再生が開始される温度は概ね600℃以上の高温領域となる。従って、ディーゼルエンジンが比較的燃焼温度の低い内燃機関であることに鑑みれば、通常想定される車両の運転範囲内では、PMの自然再生は、ほとんど生じない。
エンジン200又は車両の運転条件がPMの再生条件に該当しない場合(ステップS101:NO)、ECU100は、排気浄化制御を終了する。但し、排気浄化制御は、終了後、ECU100に固有の周期で繰り返し実行されるため、然るべき時間経過の後に処理はステップS101に戻され、一連の処理が繰り返される。一方、エンジン200又は車両の運転条件がPMの再生条件に該当する場合(ステップS101:YES)、ECU100は、係る再生条件の種別が強制再生であるか否かを判別する(ステップS102)。再生条件の種別が強制再生である場合(ステップS102:YES)、ECU100は、PMの強制再生を開始する(ステップS103)。
強制再生の実行に際し、ECU100は、燃料の一部が排気中に噴射されるように、燃料添加弁600を駆動制御する。その結果、高温の排気中で燃料が燃焼し、燃料添加がなされない場合と比較して高温の排気が生成される。係る高温の排気は、DPF400に到達したフィルタ担体を通過する過程でこのフィルタ担体を加熱して、DPF温度Tdpfを上昇させる。その結果、DPF温度TdpfがPMの再生開始温度に到達すると(厳密には、必ずしもこのように二値的に切り替わるものではない)、PMの再生が開始される。再生条件の種別が自然再生である場合(ステップS102:NO)、ステップS103はスキップされる。
ここで、多段ターボチャージャの動作について説明すると、エンジン200の目標過給圧Ptgは、シングルターボチャージャの場合と同様に、機関回転速度とアクセル開度(即ち、要求負荷)とに基づいて、予め然るべき記憶手段(例えば、ROM)に格納された目標過給圧マップから選択される。ECU100は、この選択された目標過給圧Ptgが得られるように、各可変ノズルの駆動制御(ノズルベーンの開度制御)を実行し、実際の過給圧を目標過給圧に追従せしめている。
ここで特に、DPF400におけるPMの再生を考えた場合、DPF400を不要に冷却しないといった観点から、作動ガスとしての排気の量は少ない方が望ましい。そこで、強制再生にせよ自然再生にせよ再生が開始された場合、ECU100は、目標過給圧Ptgを減少側に補正する(ステップS104)。
この際、補正前の目標過給圧Ptg(即ち、本発明に係る「基準値」の一例であり、ここでは通常の目標過給圧)が、要求負荷に応じた燃料噴射量に対し、不完全燃焼に起因するスモーク(端的には、主として固体炭素であり、PMの構成要素である)の発生が抑制され得る限界付近に設定されている場合(通常は、無用に過給圧を上昇させると燃料の過早着火によりノッキングの発生確率が上昇するため、目標過給圧はエミッションの観点から許容され得る範囲で低めに設定される)、目標過給圧を減少補正することによって、燃焼室内部が酸素不足となりPMの排出量が過度に増加する可能性があるが、元よりステップS104の実行時点はPMの再生期間であるため、多少PMの排出量が増加したところで、DPF400において再生されるのみとなって、実践上エミッションの悪化は顕在化しない。
一方、各ターボチャージャのタービンロータは、排気圧(排気熱又は排気流速としても同様である)によりその回転速度が変化するから、プライマリターボ300とセカンダリターボ500とを比較した場合、DPF400による冷却(DPF400が昇温するということは、即ち、熱交換により排気が冷却されることを意味する)を受ける分、セカンダリターボ500の方が、過給効率が低下し易い。このため、通常、ECU100は、プライマリターボ300を主たる過給器として使用し、排気圧(排気熱又は排気流速)の可及的に高効率な利用が図られている。
他方、DPF400におけるPMの再生は、DPF400の内圧に応じてその進行度合いが変化する。より具体的には、DPF内圧が高い方が(リニアであれノンリニアであれ、一部飽和するにせよしないにせよ、定性的な傾向として)PMの再生が促進される。PMの再生が促進されれば、PMの時間当たりの再生量が増大し、PMの再生期間は逆に減少し得る。ところが、DPF400の上流側にタービンロータ320を有するプライマリターボ300が主たる過給器として使用され、可変ノズル330の駆動制御等を介してノズル開度が少なからず減少側へ制御されていると、タービンロータ320の上流側のみ排気圧が上昇する形となって、DPF400におけるPMの再生は、必ずしも効率的になされない。
そこで、ECU100は、目標過給圧Ptgを減少補正した後、セカンダリターボ500における可変ノズル530のノズル開度を減少させる(ステップS105)。その結果、プライマリターボ300におけるタービンロータ320の下流側の排気は、セカンダリターボ500のタービンロータ520へ向かう排気流路の一部において流路断面積が絞られることによって、その圧力が上昇する。この排気流路には、DPF400が設置されており、結局可変ノズル530のノズル開度を減少させることによって、DPF内圧が上昇してPMの再生が促進される。
ここで特に、元々過給圧が補正後の目標過給圧Ptgに維持されている状態で、このようにセカンダリターボ500の可変ノズル530のノズル開度を減少させると、実過給圧は目標過給圧Ptgよりも高くなって好ましくない。そこで、ステップS105においてセカンダリターボ500における可変ノズル530のノズル開度が減少側へ制御されると(或いは、略同時であってもよい)、ECU100は、プライマリターボ300側の可変ノズル330のノズル開度を増加させる(ステップS106)。
可変ノズル330のノズル開度が増加せしめられると、タービンロータ320を駆動する排気の排気圧が低下する。そのため、エンジン200全体としてみれば、主たる過給器がプライマリターボ300からセカンダリターボ500に切り替えられたに過ぎず、過給圧の変動が抑制される。また、このように可変ノズル330のノズル開度が増加せしめられると、プライマリターボ300がエンジン200全体における過給圧に与える影響は軽くなり、排気マニホールド211から供給される排気の圧力がプライマリターボ300におけるタービンロータ320の下流側において過度に減少することがなくなるため、ステップS105によりDPF内圧の上昇が顕著に生じ、PMの再生がより高効率に進行する。
ステップS106を実行すると、ECU100は、PMの再生が終了したか否かを判別する(ステップS107)。PMの再生が終了していない場合(ステップS107:NO)、ステップS107に係る処理が繰り返し実行されると共に、PMの再生が終了すると(ステップS107:YES)、排気浄化制御は終了する。
以上説明したように、本実施形態に係るエンジンシステム10によれば、プライマリターボ300のタービンロータ320とセカンダリターボ500のタービンロータ520との間に捕捉再生手段としてのDPF400を配置したので、PMの非再生時には好適な過給効果が得られると共に、PMの再生時には多段ターボチャージャの過給効果を阻害することなく、且つ上流側又は下流側にタービンが配設されない場合と較べて好適なPMの再生が可能となり、排気を効率的且つ効果的に浄化することが可能となるのである。また、タービンロータ320とDPF400との間にPMの強制再生に係る燃料添加弁を備えるため、排気中に添加される燃料(主としてHC)が、タービンロータ320及びタービンロータ520に付着することはなく、そのような意味においても過給と排気浄化との両立が好適に実現されている。
尚、本実施形態では、多段ターボチャージャが、プライマリターボ及びセカンダリターボの二種類のターボチャージャにより構築されるが、このような実践上の利益は、多段ターボチャージャとして更に他のターボチャージャを有していたところで変わらず享受されることは明らかである。
<第2実施形態>
次に、図3を参照し、本発明の第2実施形態として、DPF400を熱負荷から保護するための保護制御について説明する。ここに、図3は、保護制御のフローチャートである。尚、第2実施形態に係るエンジンシステムの構成は、第1実施形態に係るエンジンシステム10と同等であるとする。
図3において、ECU100は、DPF温度Tdpfが、予めDPF400が過熱状態にある旨に相当するものとして設定された上限温度Tdpfthよりも高いか否かを判別する(ステップS201)。ここで、上限温度Tdpfthは、DPF400におけるPMの再生開始温度(第1実施形態で述べたように、ここでは概ね600℃前後)以上の値であり、現時点或いは近未来的にDPF400に熱負荷による熔損が生じかねない旨の値に設定されている。ここでは、DPF400の熔損が、概ね1000℃前後で生じるものとして、安全側にマージンを付与した上で、係る上限温度Tdpfthが900℃前後に設定されている。尚、係る上限温度は、明らかにDPF400に熔損が生じる温度でない限りどのような値であってもよく、触媒保護制御の本質に影響を与えない。
DPF温度Tdpfが、上限温度Tdpfth以下である場合(ステップS201:NO)、ECU100は、触媒保護制御を終了する。但し、第1実施形態に係る排気浄化制御と同様に、触媒保護制御は、ECU100に固有の処理周期で繰り返し実行されるため、然るべき時間経過の後に再びステップS201以降の処理が実行される。
DPF温度Tdpfが、上限温度Tdpfthよりも高い場合(ステップS201:YES)、ECU100は、PMの強制再生中であるか否かを判別する(ステップS202)。強制再生中でない場合、端的には自然再生中である場合(ステップS202:NO)、処理はステップS204に移行される。一方、強制再生中である場合、(ステップS202:YES)、ECU100は、燃料添加弁600の駆動制御を介して排気への燃料添加を終了し、強制再生を終了する(ステップS203)。ステップS203が実行されると、処理はステップS204に移行される。
ステップS204では、目標過給圧Ptgが増加側へ補正される。先に述べたように、エンジン200の過給圧は、目標過給圧Ptgに追従するように制御される。従って、ステップS204において目標過給圧Ptgが増加側へ補正されると、プライマリターボ300の可変ノズル330、セカンダリターボ500の可変ノズル530或いはその両方におけるノズル開度が閉弁側へ制御され、過給圧の上昇が図られる。この際、要求負荷に応じた燃料噴射量は変化しないため、エンジン200の出力上昇は生じないが、過給圧が上昇したことによりシリンダ内に吸入される吸気量は増大し、必然的に排気の量も増大する。
ここで、先に述べたように、DPF400におけるPMの再生は、作動ガスとしての排気が少ない方が進行し易く、このように排気量が増大すると、DPF400が幾らかなり冷却され、DPF温度Tdpfは低下する。その結果、DPF400の熔損は回避される。尚、ステップS204においては、第1実施形態に述べた通り、プライマリターボ300側の可変ノズル330の方がより開弁した状態にあるから、好適には、プライマリターボ300側の可変ノズル330のノズル開度が減少側へ制御される。更にこの場合、タービンロータ320上流側の排気圧の上昇に伴って、タービンロータ320下流側(即ち、DPF400上流側)の排気圧が低下し易くなるから、DPF400におけるPM再生は少なくとも相対的に阻害される形となり好適である。
以上説明したように、第2実施形態によれば、ECU100が、本発明に係る「判別手段」及び「第3の制御手段」の夫々一例として機能することにより、DPF400が過熱状態にある場合に、速やかにDPF温度の低下が図られる。このため、DPF400が熔損に至る可能性が著しく低減され、排気浄化性能がより確実に担保されるのである。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の排気浄化装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1のエンジンシステムにおいてECUにより実行される排気浄化制御のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係り、ECUにより実行される保護制御のフローチャートである。
符号の説明
10…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、203…吸気管、206…吸気マニホールド、211…排気マニホールド、212…排気管、219…温度センサ、300…プライマリターボ、320…タービンロータ、350…可変ノズル、400…DPF、500…セカンダリターボ、520…タービンロータ、550…可変ノズル、600…燃料添加弁。

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気経路に設置された第1のタービンと、該第1のタービンを駆動する排気の圧力たる第1の排気圧を変化させることが可能な第1の排気圧可変手段とを夫々有する少なくとも一つの第1のターボチャージャ及び前記排気経路における前記第1のタービンの下流側に前記第1のタービンに対し直列に配置された第2のタービンと、該第2のタービンを駆動する排気の圧力たる第2の排気圧を変化させることが可能な第2の排気圧可変手段とを夫々有する少なくとも一つの第2のターボチャージャを含む多段ターボチャージャと、
    前記排気経路における前記第1のタービンと前記第2のタービンとに挟まれた区間に設置された、排気中のPM(Particulate Matter:粒子状物質)の捕捉及び該捕捉されたPMの再生が可能な捕捉再生手段と
    を具備することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記再生が行われる再生期間において、前記第2の排気圧が上昇するように前記第2の排気圧可変手段を制御する第1の制御手段を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記再生期間において、前記第1の排気圧が低下するように前記第1の排気圧可変手段を制御する第2の制御手段を更に具備する
    ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記再生期間において、前記多段ターボチャージャの目標過給圧を基準値未満に設定する設定手段を更に具備し、
    前記第1及び第2の制御手段は、過給圧が前記設定された目標過給圧となるように前記第1及び第2の排気圧可変手段を制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記第1及び第2の排気圧可変手段は、夫々前記第1及び第2のタービンに排気を供給する排気供給路の流路断面積を変化させることが可能な可変ノズルである
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記捕捉再生手段が過熱状態にあるか否かを判別する判別手段と、
    前記捕捉再生手段が前記過熱状態にある旨が判別された場合に、前記第1及び第2の排気圧のうち少なくとも一方が上昇するように前記第1及び第2の排気圧可変手段のうち少なくとも一方を制御する第3の制御手段と
    を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記排気経路における、前記第1のタービンのうち前記捕捉再生手段の上流側において前記捕捉再生手段と最も近接して配置された一のタービンと前記捕捉再生手段との間に、前記排気中に燃料を添加することにより前記PMの再生を促す燃料添加手段を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010180782A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Isuzu Motors Ltd 内燃機関の多段過給システム及びその制御方法
JP2011208552A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Mazda Motor Corp エンジンの制御方法及び制御装置
WO2013137309A1 (ja) 2012-03-13 2013-09-19 いすゞ自動車株式会社 排気ガス浄化装置

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