JP2009299242A - エアーバッグ用コーティング繊維のコーティング剥離方法および剥離剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリコーンゴムなどでコーティングしたエアーバッグ用コーティング繊維をリサイクルするためにコーティング材と基材とを分離するための剥離剤およびその方法の提供。
【解決手段】陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の界面活性剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび有機アミンからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ、水からなる剥離剤、ならびに必要に応じて前記成分に溶剤あるいは相溶化剤を含む剥離剤溶液にエアーバッグ用コーティング繊維を加温して浸漬する剥離方法。
【選択図】なし
【解決手段】陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の界面活性剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび有機アミンからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ、水からなる剥離剤、ならびに必要に応じて前記成分に溶剤あるいは相溶化剤を含む剥離剤溶液にエアーバッグ用コーティング繊維を加温して浸漬する剥離方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、車両等に搭載されるエアーバッグ用コーティング繊維を剥離する薬剤およびそれを使用してコーティング繊維をリサイクルする技術に関する。
近年、自動車の乗員保護安全のため、エアーバッグの設置が急速に普及してきた。エアーバッグは、6,6−ナイロン、6−ナイロンあるいはポリエステル等の繊維布にシリコーン等の膜をコーティングしてインフレーターガスの洩れを抑え高温時展張の衝撃に耐えうるようにしている。しかし、近年、需要の急増によって原料素材がタイトになり価格の高騰を引き起こしている。一方、エアーバッグの増加にともなって基布裁断時の端材発生の増加や、使用済みあるいは古くなったエアーバッグも増加している。また、平成17年1月から自動車リサイクル法が施行され、リサイクルの障害となっているシュレッダーダスト、エアーバッグ類、フロン類の3品目のリサイクを適正に行うことが自動車製造業者等に義務付けられた。このような状況から、エアーバッグ製造時の端材および使用済みエアーバッグ材料のリサイクルニーズが急激に高まってきている。
しかし、シリコーンコーティング等を施したエアーバッグ基材はコーティング膜と基材とを分離分別をしなければ、価値ある繊維あるいは樹脂原料としてリサイクルできないが、いまだその分離分別する技術は開発されていない。
エアーバッグのリサイクルを容易にするため、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、クロロプレンゴムやフッ素ゴム、フッ素樹脂などの樹脂を被覆または含浸しないノンコートエアーバッグが開発されているが、その場合にもボトムクロスを積層縫製し、かつリテイナーとの縫製接合などによって滑脱破壊の防止や引裂き強度の向上などの解決する方法が提案されている(特許文献1)。また、エアーバッグの縫製縫いしろ部における基布を構成する糸の引き抜き強度を大きくして破壊時の滑脱破壊を防止する方法が開示されている(特許文献2)。しかしこれらの方法では、インフレータガスの洩れを完全に防止するためには複雑な構造にせざるをえず、コストの大幅なアップになってしまったり、耐久性に問題が生じてしまうため、現在はコーティングしたエアーバッグが主流となっている。
一方、塗装器具などに付着した塗料の剥離剤として、塩化メチレンを主剤とするもの、あるいは強アルカリ水溶液をベースとした剥離剤が知られているが、安全性や環境への悪影響など問題点が多い。水に不溶のエステル類などの溶剤と、水溶性溶剤、界面活性剤などからなるものも開示されているが(特許文献3)、界面活性剤が溶剤の可溶化に消費され本来の剥離性能は充分ではない。また、床面塗装の剥離剤としてベンジルアルコールなどの溶剤、エトキシル化アニオン性界面活性剤および有機アミン、水酸化カリウムなどのアルカリからなる剥離剤が開示されている(特許文献4)。これらのような塗装面の剥離剤は、インフレーターガスの洩れを抑え高温時展張衝撃に耐えうるように密着度の高いコーティングが施されているエアーバッグに適用された例はなく、適用に際して、臭気や引火性の問題、不十分な剥離性能、あるいは剥離条件を強くするとコーティング材や基材繊維を侵し、コーティング材および/または基材のリサイクルができなくなるなど問題点も多い。したがって現在主流の柔軟性をもち、かつ高温、高伸張に耐えるエアーバッグ用コーティング繊維に適したリサイクル方法は開発されていない。
特許3329907号
特開2006−248521
特開平8−218010
特表2002−526629
エアーバッグのリサイクルを容易にするため、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、クロロプレンゴムやフッ素ゴム、フッ素樹脂などの樹脂を被覆または含浸しないノンコートエアーバッグが開発されているが、その場合にもボトムクロスを積層縫製し、かつリテイナーとの縫製接合などによって滑脱破壊の防止や引裂き強度の向上などの解決する方法が提案されている(特許文献1)。また、エアーバッグの縫製縫いしろ部における基布を構成する糸の引き抜き強度を大きくして破壊時の滑脱破壊を防止する方法が開示されている(特許文献2)。しかしこれらの方法では、インフレータガスの洩れを完全に防止するためには複雑な構造にせざるをえず、コストの大幅なアップになってしまったり、耐久性に問題が生じてしまうため、現在はコーティングしたエアーバッグが主流となっている。
一方、塗装器具などに付着した塗料の剥離剤として、塩化メチレンを主剤とするもの、あるいは強アルカリ水溶液をベースとした剥離剤が知られているが、安全性や環境への悪影響など問題点が多い。水に不溶のエステル類などの溶剤と、水溶性溶剤、界面活性剤などからなるものも開示されているが(特許文献3)、界面活性剤が溶剤の可溶化に消費され本来の剥離性能は充分ではない。また、床面塗装の剥離剤としてベンジルアルコールなどの溶剤、エトキシル化アニオン性界面活性剤および有機アミン、水酸化カリウムなどのアルカリからなる剥離剤が開示されている(特許文献4)。これらのような塗装面の剥離剤は、インフレーターガスの洩れを抑え高温時展張衝撃に耐えうるように密着度の高いコーティングが施されているエアーバッグに適用された例はなく、適用に際して、臭気や引火性の問題、不十分な剥離性能、あるいは剥離条件を強くするとコーティング材や基材繊維を侵し、コーティング材および/または基材のリサイクルができなくなるなど問題点も多い。したがって現在主流の柔軟性をもち、かつ高温、高伸張に耐えるエアーバッグ用コーティング繊維に適したリサイクル方法は開発されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、流動特性に優れ、高温、高伸張に耐えるエアーバッグ用コーティング繊維をコート材とエアーバッグ基材に分離、分別してリサイクルする方法、及びそのための剥離剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、少なくとも下記(A)界面活性剤、(B)アルカリ成分および(C)水性キャリヤー成分を必須成分とする剥離剤組成物、およびそれを用いて、20℃〜90℃に、10分〜24時間浸漬後、洗浄およびすすぎを行うことで、エアーバッグ用コーティング繊維がコート材と基材に分離する方法を見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示すエアーバッグ用剥離剤組成物及びその使用方法を提供する。
(A)アルキル(炭素数8〜18)ベンゼンスルホン酸塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、アルカン(炭素数8〜22)スルホン酸塩、アルファオレフィン(炭素数8〜22)スルホン酸塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、アルキル(炭素数8〜22)硫酸塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、ポリオキシエチレン(オキシエチレン鎖1〜10)アルキル(炭素数8〜20)エーテル硫酸塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、ジアルキル(アルキルの炭素数6〜18)スルホコハク酸エステル塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、アルキル(炭素数6〜18)ナフタレンスルホン酸塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、脂肪酸(炭素数8〜22)塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレン(オキシエチレン鎖2〜30)アルキル(炭素数6〜22)エーテル、ポリオキシエチレン(オキシエチレン鎖2〜30)アルキル(炭素数6〜18)フェニルエーテル、脂肪酸(炭素数8〜22)アルカノール(モノエタノール、ジエタノール、モノイソプロパノール、ジイソプロパノールなど)アミド、脂肪酸(炭素数8〜22)ポリグリセリン(重合度2〜20)エステル、脂肪酸(炭素数8〜22)ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン(オキシエチレン鎖2〜30)、ポリオキシエチレン(オキシエチレン鎖2〜60)硬化ヒマシ油などの非イオン界面活性剤、アルキル(炭素数8〜22)アミン塩(塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩など)、ジアルキルアミン(アルキルの炭素数8〜22)塩(塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩など)、アルキル(炭素数8〜22)トリメチルアンモニウム塩(塩化物、臭化物、よう化物など)、ジアルキル(アルキル鎖の炭素数8〜22)型第四級アンモニウム塩(ハロゲン化物、メトサルフェートなど)、アルキル(炭素数8〜22)ピリジニウム塩(ハロゲン化物、メトサルフェートなど)、アルキル(炭素数8〜22)ベンジルジメチルアンモニウム塩(ハロゲン化物)などの陽イオン界面活性剤、及びアルキル(炭素数8〜22)ベタイン、脂肪酸(炭素数8〜22)アミドプロピルベタイン、アルキル(炭素数8〜22)アミンオキシドなどの両性界面活性剤の中から1種または2種以上を0.1%〜50%、(B)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのエタノールアミン類などのアルカリ剤を1種または2種以上を0.1〜40%、及び(C)水性キャリヤーを含有する剥離剤組成物。
従って、本発明は、下記に示すエアーバッグ用剥離剤組成物及びその使用方法を提供する。
(A)アルキル(炭素数8〜18)ベンゼンスルホン酸塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、アルカン(炭素数8〜22)スルホン酸塩、アルファオレフィン(炭素数8〜22)スルホン酸塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、アルキル(炭素数8〜22)硫酸塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、ポリオキシエチレン(オキシエチレン鎖1〜10)アルキル(炭素数8〜20)エーテル硫酸塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、ジアルキル(アルキルの炭素数6〜18)スルホコハク酸エステル塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、アルキル(炭素数6〜18)ナフタレンスルホン酸塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、脂肪酸(炭素数8〜22)塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレン(オキシエチレン鎖2〜30)アルキル(炭素数6〜22)エーテル、ポリオキシエチレン(オキシエチレン鎖2〜30)アルキル(炭素数6〜18)フェニルエーテル、脂肪酸(炭素数8〜22)アルカノール(モノエタノール、ジエタノール、モノイソプロパノール、ジイソプロパノールなど)アミド、脂肪酸(炭素数8〜22)ポリグリセリン(重合度2〜20)エステル、脂肪酸(炭素数8〜22)ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン(オキシエチレン鎖2〜30)、ポリオキシエチレン(オキシエチレン鎖2〜60)硬化ヒマシ油などの非イオン界面活性剤、アルキル(炭素数8〜22)アミン塩(塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩など)、ジアルキルアミン(アルキルの炭素数8〜22)塩(塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩など)、アルキル(炭素数8〜22)トリメチルアンモニウム塩(塩化物、臭化物、よう化物など)、ジアルキル(アルキル鎖の炭素数8〜22)型第四級アンモニウム塩(ハロゲン化物、メトサルフェートなど)、アルキル(炭素数8〜22)ピリジニウム塩(ハロゲン化物、メトサルフェートなど)、アルキル(炭素数8〜22)ベンジルジメチルアンモニウム塩(ハロゲン化物)などの陽イオン界面活性剤、及びアルキル(炭素数8〜22)ベタイン、脂肪酸(炭素数8〜22)アミドプロピルベタイン、アルキル(炭素数8〜22)アミンオキシドなどの両性界面活性剤の中から1種または2種以上を0.1%〜50%、(B)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのエタノールアミン類などのアルカリ剤を1種または2種以上を0.1〜40%、及び(C)水性キャリヤーを含有する剥離剤組成物。
上記剥離剤組成物にエチレングリコールやジエチレングリコールおよびそのアルキル(炭素数1〜6)エーテル、ポリオキシエチレン(オキシエチレン鎖2〜30)グリセリルエーテル、平均分子量100〜1500の低分子量ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどの溶剤あるいは相溶化剤の中から1種又は2種以上を0.1〜40%配合してもよい。
上記のような剥離剤組成物に、浴比3〜100の範囲でエアーバッグ用コーティング繊維を浸漬し、場合によっては撹拌を行い、20〜90℃に加温して10分〜24時間浸漬剥離する。
本発明によれば、エアーバッグ用コーティング繊維のコート材を基材から剥離するのに好適な剥離剤組成物および剥離方法が得られる。
(A)成分の界面活性剤としては陰イオン系、非イオン系、陽イオン系および両性系のいずれも使用できるが、好ましくは陰イオン系、非イオン系および両性系界面活性剤があげられ、特に陰イオン系および非イオン系界面活性剤が好ましい。(A)成分中の陰イオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩、エーテルカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩 ̄ホルムアルデヒド縮合物、N−メチル−N−アシル(炭素数8〜22)タウリン塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、N−アシル(炭素数8〜22)サルコシン塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)、N−アシル(炭素数8〜22)グルタミン酸塩(ナトリウム、カリウム、アミン、アンモニウム塩など)および油脂(ひまし油、オリーブ油、大豆油、パーム油、やし油、菜種油、コーン油など)硫酸化物などが使用できる。好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩などが挙げられ、特にアルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩およびジアルキルスルホコハク酸塩が好ましい。(A)成分中の非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、グリセリル脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸ポリグリセリンエステルなどが挙げられ、好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどである。陽イオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンザルコニウム塩、トリ(ポリオキシアルキレン)アルキルアンモニウム塩の脂肪酸ジエステル、アルキルイミダゾリウム塩などが挙げられ、好ましくはアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩である。両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインなどが挙げられる。
(B)アルカリ剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、エタノールアミン類、プロパノールアミン類などが挙げられる。好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびトリエタノールアミンなどである。
溶剤あるいは相溶化剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびこれらのアルキル(炭素数1〜4)エーテル、あるいはポリエチレングリコール(分子量100〜1000)、ポリプロピレングリコール(分子量200〜2000)などのグリコールエーテル類およびこれらの酢酸エステル類などが挙げられる。好ましくは、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール400などである。
上記成分からなる剥離剤組成物に、必要に応じて、キレート剤、可溶化剤、安定化剤などを配合することができる。
(B)アルカリ剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、エタノールアミン類、プロパノールアミン類などが挙げられる。好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびトリエタノールアミンなどである。
溶剤あるいは相溶化剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびこれらのアルキル(炭素数1〜4)エーテル、あるいはポリエチレングリコール(分子量100〜1000)、ポリプロピレングリコール(分子量200〜2000)などのグリコールエーテル類およびこれらの酢酸エステル類などが挙げられる。好ましくは、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール400などである。
上記成分からなる剥離剤組成物に、必要に応じて、キレート剤、可溶化剤、安定化剤などを配合することができる。
上記組成物あるいはその1.1〜20倍希釈水溶液に該エアーバッグ用コーティング繊維を、浴比3〜100、温度20〜90℃で、10分〜24時間浸漬し、必要に応じて撹拌した後、コーティング材を基材から剥離する。剥離組成物の希釈倍率は1〜20倍が挙げられるが、好ましくは1〜5倍である。浸漬液の加温は20〜90℃が挙げられるが、好ましくは40〜70℃である。また、浸漬中は撹拌することが剥離促進に好ましい。
コーティング材や基材をリサイクルする上で、これらの材の損傷あるいは不純物の混入を避けることが重要で、剥離剤組成と剥離条件を関連させて実施する必要がある。例えば、剥離剤が低アルカリ組成(アルカリ分が5%以下)の場合には、界面活性剤濃度を1%以上とし、浸漬温度を50℃以上にすれば浸漬時間は1時間未満で剥離が可能となる。そのような剥離剤でも40℃で10時間以上浸漬すれば剥離はできる。
コーティング材や基材をリサイクルする上で、これらの材の損傷あるいは不純物の混入を避けることが重要で、剥離剤組成と剥離条件を関連させて実施する必要がある。例えば、剥離剤が低アルカリ組成(アルカリ分が5%以下)の場合には、界面活性剤濃度を1%以上とし、浸漬温度を50℃以上にすれば浸漬時間は1時間未満で剥離が可能となる。そのような剥離剤でも40℃で10時間以上浸漬すれば剥離はできる。
以下に、実施例と比較例を示した。表1の剥離性については、優れている場合の評価を◎、良好な場合を○、あまり良くない場合を△、良くない場合を×で示した。
「実施例1」
ラウリル硫酸ナトリウム10g、ジオクチルスルホコハク酸エステルナトリウム10g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル50g、ブチルセロソルブ30g、水酸化ナトリウム10gおよび水890gを含む剥離剤溶液1Lに、エアーバッグ端材5cm×10cm 5枚を撹拌式洗浄機に入れ、50℃で1時間撹拌した。水道水1Lで15分のすすぎを2回行い、コーティングの剥離状態を観察した。その結果、コーティング材が溶液上部に剥離してくるのが見られた。
「実施例2〜5」
下表の処方に従って配合し、実施例1と同様に剥離試験をした。その結果を表に示す。
*1ラウリル硫酸ナトリウム
*2ラウリルエーテル(2)硫酸ナトリウム
*3ジオクチルスルホコハク酸エステルナトリウム
*4ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル
*5ポリオキシエチレン(5)ポリオキシプロピレン(2)ラウリルエーテル
*6ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
*7エチレングリコールモノブチルエーテル
*8ジプロピレングリコール
*9ポリエチレングリコール200
「実施例1」
ラウリル硫酸ナトリウム10g、ジオクチルスルホコハク酸エステルナトリウム10g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル50g、ブチルセロソルブ30g、水酸化ナトリウム10gおよび水890gを含む剥離剤溶液1Lに、エアーバッグ端材5cm×10cm 5枚を撹拌式洗浄機に入れ、50℃で1時間撹拌した。水道水1Lで15分のすすぎを2回行い、コーティングの剥離状態を観察した。その結果、コーティング材が溶液上部に剥離してくるのが見られた。
「実施例2〜5」
下表の処方に従って配合し、実施例1と同様に剥離試験をした。その結果を表に示す。
*2ラウリルエーテル(2)硫酸ナトリウム
*3ジオクチルスルホコハク酸エステルナトリウム
*4ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル
*5ポリオキシエチレン(5)ポリオキシプロピレン(2)ラウリルエーテル
*6ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
*7エチレングリコールモノブチルエーテル
*8ジプロピレングリコール
*9ポリエチレングリコール200
Claims (3)
- 陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の界面活性剤0.1〜50重量%、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび有機アミンからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ0.1〜40重量%および水性キャリヤーを含有してなるエアーバッグ用コーティング繊維の剥離剤組成物。
- 請求項1に記載の剥離剤組成物に、ポリエチレングリコール(分子量100〜6000)、あるいはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、グリコールエーテル類、グリコールエーテル酢酸エステル類などの水溶性溶剤あるいは相溶化剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とするエアーバッグ用コーティング繊維の剥離剤組成物。
- 請求項1あるいは請求項2に記載の剥離剤組成物にコーティング繊維を20〜90℃に加温して10分〜24時間浸漬して、繊維のコーティング部分を剥離することを特徴とするエアーバッグ用コーティング繊維の剥離方法。
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