JP2006224583A - 搬送部材の粘着力回復方法、搬送装置及び画像記録装置 - Google Patents

搬送部材の粘着力回復方法、搬送装置及び画像記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、粘着性搬送部材の分散染料の析出による粘着力低下と、粘着層の荒れによる粘着力低下を回復し、長期にわたって粘着層を貼り替えることなく安定して被記録媒体を搬送することができる搬送部材の粘着力回復方法、搬送装置及び画像記録装置を提供することである。
【解決手段】 基材を有する両面粘着テープを、無端ベルトまたはローラ表面に付与して粘着層を設けた粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラを有する搬送部材の粘着力回復方法であって、記録材料として分散染料を用い、該粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラ上に付着した該分散染料を溶解させる工程と除去する工程とを、この順序もしくは同時に行うことを特徴とする搬送部材の粘着力回復方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粘着性無端搬送ベルトまたは粘着性ローラを備えた搬送部材の粘着力回復方法及び搬送装置と、それを備えた画像記録装置に関し、特に、布帛に対し、インクジェット方式でインクを吐出し、捺染するためのインクジェットプリンターに好適な搬送部材の粘着力回復方法、搬送装置及び画像記録装置に関する。
インクジェット記録方式は簡便に、かつ安価に画像を作成することができるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御するインクジェット記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させたインクジェット用専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、インクジェット記録装置、インク、インクジェット用専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
更に、近年では、上述したインクジェット記録方式を、布帛の捺染へ応用することも試みられている。これは、捺染の分野において、製版工程を必要としないインクジェット記録方式が、納期短縮や少量多品種生産対応として大きな利点を有するからである。
更に、形成画像として必要な量のインクのみを使用するため、従来方法に比較すると廃液が少ない等の環境的利点も有する優れた画像形成方法であるといえる。
インクジェット捺染方法においては、布帛のように搬送時に不均一な変形を生じやすい被記録物を、変形を起こさずに安定に搬送することが均質な画像を得るためには必要とされており、例えば、粘着性搬送部材として、無端ベルトの表面に両面粘着テープを付与することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、粘着性搬送ベルトの粘着力が低下するのに合わせて、粘着層を加熱することで粘着力を向上させる、または粘着層を洗浄することで粘着力を回復させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
上記特許文献2に記載の方法では、加熱することで粘着力を向上させるためには、装置の使用される温度域において粘着剤の粘弾性に著しい変化が見られる必要があり、ウレタン系粘着剤を用い、26〜28℃程度で粘弾性の変わる粘着剤が適用されている。また、洗浄することで粘着力を回復させるためには、布帛が付与されていなかった部分の粘着層に付着したインク及び、布端部と接した部分に多く付着した糸くず、または全面に付着したホコリを除去することが必要となり、洗浄ブラシが適用されている。
特開2000−198970号公報 特開2002−29110号公報
しかしながら、分散染料を含むインクを記録材料として用いる画像記録装置においては、粘着性搬送部材の粘着力低下の原因は、1)インクの付着、2)糸くずやホコリ等のゴミの付着の他に、3)粘着性搬送部材の表面及び内部に析出する分散染料、及び4)被記録媒体の粘着性搬送部材からの剥離時に発生する粘着層表面の荒れ等の影響が大きいことが、本発明者が検討した結果、明らかになった。
上述のような析出した分散染料は、特許文献2に記載のブラシ洗浄や、特開平4−31070に示されるようなクリーニングブレードやインク吸収部材によるクリーニングを行っても除去することができず、搬送部材の十分な粘着力回復には至っていないのが現状である。
また、上述のような粘着層表面の荒れは、ブラシ、クリーニングブレード、インク吸収部材では回復しないばかりか、汚れを落としやすいクリーニング部材の使用条件、具体的には押し当てる際の圧力を強くしたり、押し当て面積を広くしたりする条件では、より表面を荒らしてしまうことが判明した。
更に、被記録媒体の剥離やクリーニング部材の過度な押しあて等により、粘着層表面が荒れた状態で引き続き印字を行うと、荒れによって生じた凹凸部に分散染料が入りやすく、分散染料の析出がより多く、かつ粘着層の内部にまで発生し、除去が困難となる。この様にして残留した分散染料は、次いで搬送されてくる新しい布帛裏面に圧着され、新しい布帛に残留した分散染料が再転写してしまう現象が頻発した。
従って、本発明の目的は、粘着性搬送部材の分散染料の析出による粘着力低下と、粘着層の荒れによる粘着力低下を回復し、長期にわたって粘着層を貼り替えることなく安定して被記録媒体を搬送することができる搬送部材の粘着力回復方法、搬送装置及び画像記録装置を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
基材を有する両面粘着テープを、無端ベルトまたはローラ表面に付与して粘着層を設けた粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラを有する搬送部材の粘着力回復方法であって、記録材料として分散染料を用い、該粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラ上に付着した該分散染料を溶解させる工程と除去する工程とを、この順序もしくは同時に行うことを特徴とする搬送部材の粘着力回復方法。
(請求項2)
基材を有していない両面粘着テープを、無端ベルトもしくはローラ表面に付与して粘着層を設けた粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラを有する搬送部材の粘着力回復方法であって、記録材料として分散染料を用い、該粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラ上に付着した該分散染料を溶解させる工程と除去する工程とを、この順序もしくは同時に行うことを特徴とする搬送部材の粘着力回復方法。
(請求項3)
前記分散染料を溶解させる工程が、溶媒としてエタノールまたはイソプロパノールを組成比で80%以上含む水溶液を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送部材の粘着力回復方法。
(請求項4)
前記粘着層が、シリコーン粘着剤を主体とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送部材の粘着力回復方法。
(請求項5)
粘着テープの粘着層を、無端ベルトまたはローラ表面に付与して粘着層を設けた粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラを有する搬送部材を用いた搬送装置であって、該粘着性無端ベルトの表面または該粘着ローラの表面を平滑化する工程を有することを特徴とする搬送装置。
(請求項6)
前記粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラの表面を平滑化する工程が、最大粗さRtが5μm以下の平滑化ベルトまたは平滑化ローラを、該粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラの粘着層に押し当てて平滑化することを特徴とする請求項5に記載の搬送装置。
(請求項7)
前記平滑化ベルトが1対の搬送ローラで保持され、前記粘着性無端ベルトの粘着層と接する側にある該搬送ローラが加熱ローラであって、かつ前記粘着性無端ベルトの粘着層と離間する側にある該搬送ローラが除熱ローラであることを特徴とする請求項6に記載の搬送装置。
(請求項8)
請求項1〜4のいずれか1項に記載の搬送部材の粘着力回復方法を有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の搬送装置。
(請求項9)
請求項5〜8のいずれかに1項に記載の搬送装置を有することを特徴とする画像記録装置。
本発明によれば、粘着性搬送部材の分散染料の析出による粘着力低下と、粘着層の荒れによる粘着力低下を回復し、長期にわたって粘着層を貼り替えることなく安定して被記録媒体を搬送することができる搬送部材の粘着力回復方法、搬送装置及び画像記録装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、1)基材を有する両面粘着テープを、無端ベルトまたはローラ表面に付与して粘着層を設けた粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラを有する搬送部材の粘着力回復方法であって、記録材料として分散染料を用い、該粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラ上に付着した該分散染料を溶解させる工程と除去する工程とを、この順序もしくは同時に行うことを特徴とする搬送部材の粘着力回復方法、2)基材を有していない両面粘着テープを、無端ベルトもしくはローラ表面に付与して粘着層を設けた粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラを有する搬送部材の粘着力回復方法であって、記録材料として分散染料を用い、該粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラ上に付着した該分散染料を溶解させる工程と除去する工程とを、この順序もしくは同時に行うことを特徴とする搬送部材の粘着力回復方法、あるいは3)粘着テープの粘着層を、無端ベルトまたはローラ表面に付与して粘着層を設けた粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラを有する搬送部材を用いた搬送装置であって、該粘着性無端ベルトの表面または該粘着ローラの表面を平滑化する工程を有することを特徴とする搬送装置を用いることにより、粘着性搬送部材の分散染料の析出による粘着力低下と、粘着層の荒れによる粘着力低下を回復し、長期にわたって粘着層を貼り替えることなく安定して被記録媒体を搬送することができる搬送部材の粘着力回復方法及び搬送装置を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
上記で規定する方法により、搬送部材の粘着性を回復できる理由は、以下のように推測している。
本発明者が鋭意研究した結果、粘着力の低下は以下の3つの理由で発生すると考えられる。第1の理由は、粘着層中及び粘着層表面への分散染料の浸入、析出である。分散染料インク中の分散染料は、一部が分散剤によってインク中に分散され、また、一部は有機溶媒中に溶解した状態になっている。前記分散染料インクが布帛にインクジェット方式により吐出されると、布帛の網目の隙間から、分散染料インクが搬送部材上に裏抜けする。
搬送部材上に付着した分散染料インクは、一部は表面に残り、一部はインク中の有機溶媒によって膨潤した粘着層中に浸入していく。
次いで、搬送部材上に付着した分散染料インクは、低湿時における自然乾燥、クリーニング装置による乾燥、クリーニング時に使われる洗浄水中に含まれる多価金属等により分散安定性が低下し、粘着層中及び粘着層表面で分散染料粒子が凝集して付着する。また、クリーニング装置、低湿時における自然吸湿、あるいはクリーニング時に使われる洗浄水等によって、インク中の溶媒成分比率が変化し、分散染料インク中の有機溶媒成分中に溶解している分散染料が析出してしまう。以上のような分散染料の凝集による付着、溶解性低下による析出により、粘着層が着色し粘着力低下を引き起こすことを見出した。
分散染料の付着及び析出による粘着力低下の原因は、明らかではないが、以下のように推察している。
粘着層表層に凝集、付着あるいは析出した分散染料は、粘着層表面を硬い分散染料粒子で被覆してしまうため、粘着層表面が硬くなり、粘着力が発揮されなくなる。一方、粘着層中に浸入した後、凝集、付着あるいは析出した分散染料は、粘着層中に硬い分散染料粒子を練り混んでしまうため、粘着層が硬くなり、粘着力が発揮されなくなる。
これに対し、本発明で規定するように、分散染料を溶解させるエタノール等のアルコール系溶媒を用いて、汚染された粘着層表面並びに粘着層内を洗浄することで、粘着力を回復することができた。
また、粘着層の組成をシリコーン粘着剤を主体とすることで、粘着層がインクに濡れにくくなり、かつ、エタノールによる粘着層の溶解を抑制することができ、粘着力回復操作時の作業性が向上した。
また、粘着層の付与方法として基材あり粘着テープを用いると、エタノール等の溶剤を粘着層表層に長時間付与した時に、粘着層の前記溶剤による膨潤による変形量と、粘着テープ基材の前記溶剤による膨潤による変形量の差によって、不規則なしわや歪み生じてしまうことがあった。これに対し、粘着層の付与方法として、基材無し粘着テープを用いることで、基材と粘着層の膨潤による変形量の差が無くなり、粘着力回復操作時の作業性が向上した。
粘着力の低下の第2の理由は、粘着層表面への糸くず等のゴミの付着である。例えば、布帛を粘着層に貼り付けて剥がすと、布帛の製造時に付着していた糸くずが粘着層に移行する。糸くずが布帛と粘着層の間に挟まれると、布帛と粘着層の密着性が低下し、粘着力が低下する。この現象は、特開2002−29110号公報に示されるようなブラシ洗浄によって、十分回復できることが判明している。
粘着力の低下の第3の理由は、被記録媒体の剥離による粘着層表面の荒れである。印字後、布帛を粘着剤から剥がす際に、粘着層はわずかながら引き延ばされて変形する。布帛が繰り返し剥がされると、この粘着層の変形によって表面が荒れ、粘着層の光沢が失われていき、同時に粘着力が低下していく。
また、ワイパーブレード、洗浄ブラシ、インク吸収材料をクリーニング機構として適用した場合、粘着層の光沢の劣化が促進され、粘着力も同時に低下する。この現象は、推測であるが、ワイパーブレード、洗浄ブラシ、インク吸収材料のどれもが、粘着層を引き剥がす力を加える素材であるため、粘着層表面を荒らしているのではないかと考えている。ワイパーブレードや洗浄ブラシは機械的に粘着層表面を擦るため、粘着層表面が荒れるのではないかと考えている。インク吸収材料は機械的な摩擦力は小さいが、インク吸収材料と粘着層が接触したまま放置された場合に、インクを吸収するための空隙や穴に粘着層が入り込んでしまい、再度インク吸収材料と粘着層が引き剥がされる際に、粘着層も引き剥がしてしまうため、粘着層表面が荒れるのではないかと考えている。
布帛の剥離またはクリーニング部材によって表面が荒れた状態で引き続き印字を行うと、荒れによって生じた凹凸部にインクが入りやすく、色剤等の析出がより多く発生するようになり、クリーニングが困難となった。残留した色剤は次いで送られる新しい布帛の裏面に圧着され、新しい布帛に残留した色剤が再転写してしまう現象が頻発した。
これに対し、表面が平滑なローラまたはベルトを押し当て、平滑性を付与した後に剥離することで、布帛の粘着及び剥離で荒れた粘着層表面を平滑化し、粘着力の低下を抑制することができた。
また、平滑化部材として平滑化ベルトを用いる際には、ベルトを保持する1対の搬送ローラのうち、粘着層にはじめに接する側に位置する搬送ローラは、内部に発熱体を組み込んだ加熱ローラとし、粘着層を加熱して軟化させた上で、平滑で粘着層よりも硬いベルトを押しあて、粘着層に平滑面を転写させ、次いで、平滑化ベルトと粘着層とが離間する位置にある搬送ローラは除熱ローラ、具体的には冷却ローラとし、離間領域を冷却または除熱することで、粘着層を元の堅さに戻し、剥離することで、表面をより高効率で平滑化することができる。この結果、印字速度が高速になっても安定した平滑化が行われるようになった。
以下、本発明の詳細について説明する。
はじめに、本発明に係る無端ベルトあるいはローラに粘着層を形成する粘着テープについて説明する。
請求項1に係る発明では、粘着テープとして基材を有する両面粘着テープを用いることを特徴とし、また、請求項2に係る発明では、粘着テープとして基材を有していない両面粘着テープを用いることを特徴する。
図1は、本発明に係る粘着テープの構成の一例を示す模式図である。
図1のa)は基材を有する両面粘着テープの構成の一例を示すものであり、基材Tの両面に粘着層2を設け、そのそれぞれの外側を剥離体1で被覆した両面粘着テープTである。また、図1のb)は基材を有していない両面粘着テープの構成の一例を示すものであり、粘着層2が一対の剥離体1に挟まれた状態で構成されている。
本発明に係る粘着層に用いられる粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、紫外線硬化型粘着剤などを挙げることができる。
アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または他の共重合性モノマーとの共重合体が用いられる。更に、これらの共重合体を構成するモノマーまたは共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、オクチルエステル、イソノニルエステル等)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例えば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシヘキシルエステル)、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられる。主要成分のモノマーとしては、通常、ホモポリマーのガラス転移点が−50℃以下のアクリル酸アルキルエステルが使用される。
上記アクリル系重合体は、通常のラジカル重合で合成される。合成方法には何等制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合などの公知の重合法で行なうことができるが、反応のコントロールが容易であることや直接次の操作に移れることから溶液重合が好ましい。この場合、重合時の溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど、重合によって生成するアクリル系樹脂を溶解し得るものであれば何でもよく、単独でも、複数の溶媒を混合してもよい。また、重合反応の際に使用される重合開始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものであれば何でもよく、特に制限はない。
アクリル系粘着剤の硬化剤としては、イソシアネート系、エポキシ系、アリジリン系硬化剤が利用できる。例えば、イソシアネート系硬化剤では、経時後も安定した粘着力を得ることと、より硬い粘着層とする目的で、トルイレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族系のタイプを好ましく用いることができる。更にこの粘着剤には、添加剤として、例えば安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤を含有させることもできる。
また、再剥離性を付与させるため、または、粘着力を低く安定に維持するために、それらの成分が相手基材に移行しない程度に、ワックス等の有機樹脂、シリコーン、フッ素等の低表面エネルギーを有する成分を添加しても良い。例えば、ワックス等の有機樹脂では、高級脂肪酸エステルや低分子のフタル酸エステルを用いても良い。
ゴム系粘着剤としては、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴムとこれらの混合物、或いは、これらゴム系粘着剤にアビエチン酸ロジンエステル、テルペン・フェノール共重合体、テルペン・インデン共重合体などの粘着付与剤を配合したものが用いられる。
ゴム系粘着剤のベースポリマーとしては、たとえば、天然ゴム、イソプレン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、再生ゴム、ポリイソブチレン系ゴム、さらにはスチレン−イソプレン−スチレン系ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン系ゴム等があげられる。
中でも、ブロックゴム系粘着剤は、一般式A−B−Aで表されるブロック共重合体や一般式A−Bで表されるブロック共重合体(但し、Aはスチレン系重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、またはそれらを水素添加して得られるオレフィン重合体ブロックであり、以下において「スチレン系熱可塑性エラストマー」という)を主体に、粘着付与樹脂、軟化剤などが配合された組成物が挙げられる。上記ブロックゴム系粘着剤において、スチレン系重合体ブロックAは平均分子量が4,000〜120,000程度のものが好ましく、更に10,000〜60,000程度のものがより好ましい。そのガラス転移温度は15℃以上のものが好ましい。また、ブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロックまたはこれらを水素添加して得られるオレフィン重合体ブロックBは、平均分子量が30,000〜400,000程度のものが好ましく、更に60,000〜200,000程度のものがより好ましい。そのガラス転移温度は−15℃以下のものが好ましい。上記A成分とB成分との好ましい質量比はA/B=5/95〜50/50であり、さらに好ましくはA/B=10/90〜30/70である。A/Bの値が、50/50を超えると常温においてポリマーのゴム弾性が小さくなり、粘着性が発現しにくくなり、5/95未満ではスチレンドメインが疎になり、凝集力が不足し、所望の接着力が得られないばかりか、剥離時に接着層がちぎれてしまう等の不具合が見られる。
更に、上記粘着剤に、ポリオレフィン系樹脂を添加することにより、剥離紙または剥離フィルムからの離型性を向上することができる。このポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体及びこれらの混合物が挙げられる。
このポリオレフィン系樹脂は、低分子量分が少ないことが好ましく、具体的には、n−ペンタンによる沸点乾留で抽出される低分子量分が1.0質量%未満であることが好ましい。低分子量分が1.0質量%を超えて存在すると、この低分子量分が温度変化や経時変化に応じて、粘着特性に悪影響を及ぼし、粘着力を低下させるからである。
また、その配合量は、上記ポリイソブチレン系エラストマー乃至スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対し、100質量部以下程度が好ましく、より好ましくは10〜50質量部である。配合量が50質量部を超えると粘着剤の粘着性の発現を阻害する。
また、上記粘着剤には、シリコーンオイルを添加することにより、ポリビニルアルコールを主成分とする塗膜が設けられた自背面との親和性を更に低下せしめることができる。このシリコーンオイルはポリアルコキシシロキサン鎖を主鎖にもつ高分子化合物で、粘着剤層の疎水性を高め、更に接着界面、即ち、粘着剤層表面にブリードするため、粘着剤の接着力を抑制し、接着昂進現象が起き難くする働きがある。シリコーンオイルの分子量は、1,000〜100,000程度が好ましく、更に好ましくは、10,000〜50,000である。分子量が100,000を超えると、ポリイソブチレン系エラストマー乃至スチレン系熱可塑性エラストマーとの相溶性が不足し、分離または白濁を起こし、粘着力に許容しがたいムラが生じる、1,000未満では、接着界面への低分子量成分のブリードが多くなり、粘着力が大幅に低下する。また、その配合量は、上記ポリイソブチレン系エラストマー乃至スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対し、2質量部以下程度が好ましく、より好ましくは1質量部以下である。配合量が2質量部を超えると粘着剤の所望の粘着力が得られない。
また、上記粘着剤には、上記シリコーンオイルに替えて、高級アルキル基を導入したポリエチレンイミンを用いても同様の効果が得られる。上記高級アルキル基を導入したポリエチレンイミンは、高級アルキル基の導入によって、疎水性となったポリマーであり、その分子量は、1,000〜40,000程度のものが好ましい。また、アルキル基は、ポリエチレンイミンのイミノ基に対し、0.5〜1.0当量、好ましくは、0.7〜1.0当量結合しているものが好ましく、高級アルキル基としては、炭素数12以上のアルキル基が好ましく、特に、オクタデシル基が好適に使用される。ポリエチレンイミンに高級アルキル基を導入するには、例えば、ポリエチレンイミンに過剰の高級アルキルイソシアネートを加え、加熱、攪拌下に、付加反応を行う方法が採られる。
高級アルキル基を導入したポリエチレンイミンの配合量は、上記ポリイソブチレン系エラストマー乃至スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対し、5質量部以下程度であり、好ましくは3質量部以下である。高級アルキル基を導入したポリエチレンイミンの配合量が5質量部を超えると、粘着剤層の表面に多量にブリードアウトして、被着体が汚染される。
本発明で使用される粘着付与樹脂は、上記ポリイソブチレン系エラストマー乃至スチレン系熱可塑性エラストマーと選択的に相溶するものであれば任意に選ばれる。例えば、脂肪族系石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン・インデン樹脂、芳香族系石油樹脂、ロジン樹脂、脂環族系石油樹脂等が好適に用いられる。粘着付与樹脂の配合量は、上記ポリイソブチレン系エラストマー乃至スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対し、10〜200質量部であり、好ましくは、20〜150質量部であり、更に好ましくは、30〜100質量部である。その配合量が10質量部未満では、粘着性が発現され難く、逆に、200質量部を超えると、凝集力が小さくなり、被着体に糊残りする。
本発明における粘着剤には、上記の他、必要に応じて、酸化防止剤などの安定剤が添加されてもよく、例えば、酸化防止剤である「イルガノクス1010」(チバガイギー社製)は熱劣化に対して効果がある。
本発明では上記ゴム系粘着剤では、架橋剤を添加し架橋することで粘着層とする。架橋剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤の架橋には、イオウと加硫助剤および加硫促進剤(代表的なものとして、ジブチルチオカーバメイト亜鉛など)が使用される。天然ゴムおよびカルボン酸共重合ポリイソプレンを原料とした粘着剤を室温で架橋可能な架橋剤として、ポリイソシアネート類が使用される。ブチルゴムおよび天然ゴムなどの架橋剤に耐熱性と非汚染性の特色がある架橋剤として、ポリアルキルフェノール樹脂類が使用される。ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムおよび天然ゴムを原料とした粘着剤の架橋に有機過酸化物、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどがあり、非汚染性の粘着剤が得られる。架橋助剤として、多官能メタクリルエステル類を使用する。その他紫外線架橋、電子線架橋などの架橋による粘着剤の形成がある。
シリコーン系粘着剤としては、付加反応硬化型シリコーン粘着剤と縮重合硬化型シリコーン粘着剤があるが、本発明では付加反応硬化型が好ましく用いられ、付加反応硬化型シリコーン粘着剤組成物の組成としては、次のものが好適に用いられる。
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリジオルガノシロキサン
(B)SiH基を含有するポリオルガノシロキサン
(C)制御剤
(D)白金触媒
(E)導電性微粒子
ここで、(A)成分は、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリジオルガノシロキサンであり、このようなアルケニル基含有ポリジオルガノシロキサンとしては、下記一般式(1)で示されるものが例示できる。
一般式(1)
(3-a)aSiO−(RXSiO)m−(R2SiO)n−(RXSiO)p−R(3-a)XaSiO
一般式(1)において、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、Xはアルケニル基含有の有機基である。aは0〜3の整数で1が好ましく、mは0以上であるが、a=0の場合、mは2以上であり、m及びnは、それぞれ100≦m+n≦20,000を満足する数であり、pは2以上である。
Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール基などが挙げられるが、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
Xはアルケニル基含有の有機基で炭素数2〜10のものが好ましく、具体的にはビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、アクリロイルプロピル基、アクリロイルメチル基、メタクリロイルプロピル基、シクロヘキセニルエチル基、ビニルオキシプロピル基等が挙げられるが、特にビニル基、ヘキセニル基などが好ましい。
このポリジオルガノシロキサンの性状は、オイル状、生ゴム状であればよく、(A)成分の粘度は、25℃において100mPa・s以上、特に1,000mPa・s以上が好ましい。なお、上限としては、特に限定されないが、他成分との混合の容易さから、重合度が20,000以下となるように選定することが好ましい。また、(A)成分は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
(B)成分であるSiH基を含有するポリオルガノシロキサンは架橋剤であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個、好ましくは3個以上有するオルガノヒドロポリシロキサンで、直鎖状、分岐状、環状のものなどを使用することができる。
(B)成分としては、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができるが、これらのものには限定されない。
一般式(2)
b1 (3-b)SiO−(HR1SiO)x−(R1 2SiO)y−SiR1 (3-b)b
一般式(2)において、R1は炭素数1〜6の脂肪族不飽和結合を含有しない1価炭化水素基である。bは0〜3の整数、x、yはそれぞれ整数であり、このオルガノヒドロポリシロキサンの25℃における粘度が1〜5,000mPa・sとなる数を示す。
このオルガノヒドロポリシロキサンの25℃における粘度は、1〜5,000mPa・s、特に5〜1000mPa・sであることが好ましく、また2種以上の混合物でもよい。
付加反応による架橋は、(A)成分と架橋剤の(B)成分の間で生じ、硬化後の粘着層のゲル分率は架橋成分の割合によって決まる。
(B)成分の使用量は、(A)成分中のアルケニル基に対する(B)成分中のSiH基のモル比が0.5〜20、特に0.8〜15の範囲となるように配合することが好ましい。0.5未満では架橋密度が低くなり、これにともない保持力が低くなることがある。一方で、20を越えると粘着力及びタックが低下したり、処理液の使用可能時間が短くなる場合がある。
また、耐熱保持力などの耐熱性や溶剤浸透抑制などの耐溶媒性を向上させるためには、組成物中の架橋成分の割合を増やせばよいが、過剰に増やすと粘着力の低下や膜の柔軟性が低下するなどの影響が発生する場合がある。このような点から、(A)/(B)成分の配合質量比は20/80〜80/20とすればよく、特に45/55〜70/30とすることが好ましい。(A)成分の配合割合が20/80より少ないと、粘着力、タックなどの粘着特性が低下することがあり、また、80/20より多いと十分な耐熱性が得られない。
(C)成分は付加反応制御剤であり、シリコーン粘着剤組成物を調合し、基材に塗工する際、加熱硬化の以前に処理液が増粘やゲル化をおこさないようにするために添加するものである。
(C)成分の具体例としては、
3−メチル−1−ブチン−3−オール、
3−メチル−1−ペンチン−3−オール、
3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、
1−エチニルシクロヘキサノール、
3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ブチン、
3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ペンチン、
3,5−ジメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ヘキシン、
1−エチニル−1−トリメチルシロキシシクロヘキサン、
ビス(2,2−ジメチル−3−ブチノキシ)ジメチルシラン、
1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン
などが挙げられる。
(C)成分の配合量は、(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して0〜5.0質量部の範囲であることが好ましく、特に0.05〜2.0質量部が好ましい。5.0質量部を越えると硬化性が低下することがある。
(D)成分は白金系触媒であり、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応物、塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとの反応物などが挙げられる。
(D)成分の添加量は、(A)及び(B)成分の合計量に対し、白金分として1〜5,000ppm、特に5〜2,000ppmとすることが好ましい。1ppm未満では硬化性が低下し、架橋密度が低くなり、保持力が低下することがあり、5,000ppmを越えると処理浴の使用可能時間が短くなる場合がある。
上記の付加反応硬化型シリコーン粘着剤に、帯電防止等の目的で(E)成分の導電性微粒子を添加してもよい。具体的には、銀粉、銅粉、金粉、ニッケル粉、アルミニウム粉、鉄粉、はんだ粉等の金属粉、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、ポリアセチレンなどの導電性樹脂、更に中空ガラスビーズ、シリカ、酸化チタン等の無機粒子やポリアクリレート、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂粒子の表面を金属メッキした銀メッキシリカ、金メッキシリカ、金メッキガラスビーズ、銀メッキポリアクリレート微粒子などの導電化粒子が挙げられる。その中でも銀粉、銅粉、カーボンブラック、金メッキシリカ、銀メッキシリカが好ましい。
(E)成分の導電性微粒子の形状は、球状、樹枝状、針状など特に制限はない。また、粒径は特に制限はないが、最大粒径が粘着剤の塗工厚みの1.5倍を越えないことが好ましく、これを越えると粘着剤塗工表面に導電性微粒子の突出が大きくなりすぎて、この部分を起点に被着体からの浮きなどが発生しやすくなる。
本発明において、導電性シリコーン粘着剤組成物に使用する導電性粒子が銀粉の場合、平均粒径は0.1〜150μm、好ましくは0.15〜80μmである。平均粒径が0.1μm未満の場合は、導電性が極端に低下するため好ましくなく、150μmを超える場合には、良好な接着性が得られないために好ましくない。
(E)成分の添加量は、(A)及び(B)成分の合計/(E)成分の比が97/3〜50/50とすることが好ましい。(E)成分の配合割合が97/3より少ないと十分な導電性が得られない。50/50より多いと粘着力が小さくなるなど粘着特性が低下することがある。
本発明に係るシリコーン粘着剤組成物には、上記各成分以外に任意成分を添加することができる。例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルジフェニルシロキサンなどの非反応性のポリオルガノシロキサン、塗工の際の粘度を下げるためのトルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、ヘキサン、オクタン、イソパラフィンなどの脂肪族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶剤、またはこれらの混合溶剤、酸化防止剤、染料、顔料などが挙げられる。なお、通常、組成物の粘度を下げ、塗工を容易にするために溶剤が使用される。
上記のように配合されたシリコーン粘着剤組成物を、種々の基材に塗工し、所定の条件にて硬化させることにより、粘着層を得ることができる。
また、ウレタン粘着剤として好ましくは、ウレタン系粘着剤をポリイソシアネート系架橋剤で架橋させた二液硬化型ウレタン系粘着剤等が挙げられる。
ウレタン系粘着剤としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオールと、ポリイソシアネート系架橋剤とを触媒を用いて反応させた分子量10,000〜300,000のポリウレタンポリオールに、ポリイソシアネート系架橋剤を配合した溶剤型ウレタン系粘着剤が好ましく用いられる。この粘着剤は、更にポリイソシアネート系架橋剤によって架橋されて粘着層を形成する。
また、ポリイソシアネート系架橋剤としては、公知の芳香族ポリイソシアネート、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。これらの架橋剤はウレタン系粘着剤の架橋密度を適切にコントロールすることができ、安定した剥離性を得られることが望ましい。
ポリイソシアネート系架橋剤の中でも、架橋反応の早いイソシアヌレート環を有する多官能ポリイソシアネート化合物を架橋剤として用いて、ウレタン系粘着剤を架橋して形成することも好ましく、例えば、多官能ポリイソシアネート化合物の三量体からなるイソシアヌレート環を少なくとも1個有するポリイソシアネート系架橋剤が好ましく用いられる。
本発明において、ウレタン系粘着剤に対するポリイソシアネート架橋剤の添加量は、ウレタン系粘着剤固形分100質量部に対して固形分1.5〜11質量部が好ましく、より好ましくは2〜10質量部である。ちなみに、1.5質量部未満では、架橋度が不十分で、凝集力が弱く、剥離時に粘着層がちぎれてしまう。一方、11質量部を超えると、架橋度が高くなり過ぎ、粘着力が低下する、もしくは、架橋剤が飽和状態となり、架橋を密度が低下することで凝集力が低下し、剥離時の粘着層のちぎれが発生することがある。
また、紫外線硬化型粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または共重合性モノマーとの共重合体(アクリル系ポリマー)と、紫外線硬化成分(例えば、アクリル系ポリマーの側鎖に炭素−炭素二重結合を付加させる成分)および光重合開始剤と、必要に応じて架橋剤、粘着付与剤、充填剤、老化防止剤、着色剤などの慣用の添加剤を加えたものが用いられる。
紫外線硬化成分としては、分子中に炭素−炭素二重結合を有しラジカル重合により硬化可能なモノマー、ダイマー、オリゴマー、ポリマーであればよく、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル;エステルアクリレートオリゴマー、2−プロペニルジ−3−ブテニルシアヌレート、2−ヒドロキシエチルビス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートまたはイソシアヌレート化合物などが挙げられる。なお、アクリル系ポリマーとして、ポリマー側鎖に炭素−炭素二重結合を有する紫外線硬化型ポリマーを使用する場合においては、特に上記の紫外線硬化成分を加える必要はない。
前記の重合開始剤としては、その重合反応のきっかけとなり得る適当な波長の紫外線を照射することにより開裂し、ラジカルを生成する物質であればよく、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類;ベンジル、ベンゾイル、ベンゾフェン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの芳香族ケトン類、ベンジルジメチルケタールなどの芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン;クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン類などを挙げることができる。なお、前記架橋剤には、例えば、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミン、カルボキシル基含有ポリマーなどが含まれる。
以上の粘着剤の形態としては、溶剤型、エマルジョン型、ホットメルト型等が使用され、一般的には溶剤型、エマルジョン型のものが利用される。また、必要に応じて他の助剤を添加混合し、塗工液として作製することができる。他の助剤としては、減粘剤、増粘剤、pH調整剤、消泡剤、防腐防黴、顔料、無機充填剤、安定剤、濡れ剤、湿潤剤等を挙げることができる。
次に、粘着剤が塗布され、狭持される剥離フィルムまたは剥離紙に関して説明する。
ここで剥離フィルム、もしくは剥離紙は、粘着層を形成する際の基材であり、同時に粘着剤を保存する際に塵や埃などの異物から粘着層を保護する基材でもある。剥離フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等の各種樹脂からなるフィルムを基材とし、この基材の粘着層との片面もしくは両面に、離型処理(シリコーン処理等)が施されたものなどが挙げられる。剥離フィルムの具体例も、基材が紙となった以外は剥離フィルムと同様である。
剥離フィルム及び剥離紙を製造するための、離型処理を施すための塗布液の具体例を挙げると、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製のDEHESIVEシリーズのうち、無溶剤型の636、919、920、921、924、エマルジョン型の929、430、440、39005、39006、溶剤型の940、942、952、953、811等が、GE東芝シリコーン株式会社製の剥離紙用シリコーン:TPR6500、TPR6501、UV9300、UV9315、XS56−A2775、XS56−A2982、TPR6600、TPR6605、TPR6604、TPR6705、TPR6722、TPR6721、TPR6702、XS56−B3884、XS56−A8012、XS56−B2654、TPR6700 、TPR6701、TPR6707、TPR6710、TPR6712、XS56−A3969、XS56−A3075、YSR3022等が挙げられる。
剥離フィルム及び剥離紙は、一般的に所望の粘着剤に合わせて離型処理剤を選択するので、一般的な市販品という物はあまりないが、本発明に用いることができる剥離フィルム並びに剥離紙の具体例を挙げると、剥離フィルムとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製 A50ライナー、剥離紙としては、株式会社 巴川製紙製 レリーズ等がある。
剥離紙上への粘着層の塗工は、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター、コンマコーター等により行われ、必要によりスムージングや、乾燥、加熱、紫外線等電子線露光工程等を経て、粘着層が形成される。
これら粘着層の厚さは、粘着剤の種類にもよるが、通常は3〜100μm、好ましくは5〜60μm程度である。
また、本発明に用いられる両面粘着テープの一般的な市販品として例を挙げると、
基材なしシリコーン粘着テープとしては、Adhesives Research社製のARclear 8932、ARclad 7876、株式会社 寺岡製作所製のNo.7470等が、
基材ありシリコーン粘着テープとしては、株式会社 寺岡製作所製のNo.749、No.7491、No.760H#25、No.7080#25、No.7082#25、No.760H#25、 No.745等が、
基材なしアクリル粘着テープとしては、日東電工株式会社製のNo.591、LA−50、LA−100、No.5915、HJ−9210、No.5919M、HJ−9150W、CS9621、No.595B、Adhesives Research社製のARclear 8154、ARclear 8796、ARclear 8957、株式会社 寺岡製作所製のNo.7021等が、
基材ありアクリル粘着テープとしては、日東電工株式会社製のNo.500、TW−Y01、No.5000NS、No.5000N(C)、No.507、No.5011N、No.5015、No.501K、No.511、No.501L、No.510、HJ−0240、No.512、No.515等が、
基材ありゴム系粘着テープとしては、日東電工株式会社製のNo.513、No.525B、ニチバン株式会社製の855−1P、住友3M株式会社製の190T、190W、190BLA、株式会社 寺岡製作所製のNo.711、No.712、No.717、No.718、No.719等が、
基材ありウレタン系粘着テープとしては、株式会社 寺岡製作所製のNo.7880、No.7890、美濃商事株式会社製のTwo−Beat−film等が挙げられる。
基材無し粘着テープを、搬送部材に貼り付け、粘着搬送部材を作製する方法としては、搬送部材上に、片方の面の剥離体を剥がした基材無し粘着テープの粘着面を貼り付け、次いで、もう一方の面の剥離体を剥がし、粘着面を露出させる。
次いで、搬送部材の各構成要素について説明する。
本発明に利用できる搬送部材としては、搬送ローラ及び搬送ベルトがあり、搬送ローラとしては、円柱状、楕円柱状、多角形状等、回転搬送するのに差し支えなければいかなる形でも良い。また素材としては金属、ゴム、樹脂等のあらゆる素材が適用できる。その中でも、本発明では金属ローラを芯金に持ち、表面にフッ素樹脂チューブを被覆したローラが好ましく用いられる。これは、布帛に対してインクジェット印字を行った際に、インクが裏抜けて粘着ローラが汚れることがあるが、粘着層をシリコーン粘着剤とすることで、インク汚れの除去が容易になる。このシリコーン粘着剤に対し親和性が高く、高い接着力が得られる搬送部材の表面素材として、フッ素樹脂が好ましく用いられる。
本発明で好ましく用いられるローラ表面に被覆されるフッ素樹脂チューブとしては、特にその素材を限定するものではなく、例えば、PFA(パーフルオロエチレンアルコキシ)樹脂やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂など、通常のローラへの被覆に適したフッ素樹脂であるならばどのようなものであってもよい。
搬送ローラは一般に、装置設計者が所望の機能を持たせるように設計、製造するので、一般的な市販品はなく、本発明においても、ステンレス芯金にPFAフィルムを被覆した搬送ローラを使用した。
本発明に係る無端搬送ベルトに好ましく用いられる素材としては、樹脂、金属、ガラス繊維等がある
例えば、金属ベルトの代表例としては、ニッケルベルトを挙げることができる。金属ベルト基材としては、電気鋳造法を用いて形成された金属電鋳ベルトが製造コスト、表面の平滑性から好ましく用いられる。電気鋳造法では、導電性を有する鋳型、具体的にはステンレス製やアルミニウム製円筒状母型を陰極に用い、陰極を金属メッキ浴に浸し、通電することで陰極表面にメッキを行う。金属メッキ膜を所望の厚さまで成長させた後に、メッキ膜を鋳型から剥がして無端状金属電鋳ベルトが得られる。
鋳型に金属を用いる場合、鋳型表面に剥離のための表面処理を行い、鋳型が非金属の場合は、メッキを行うための導電性処理を行う。
ニッケル電鋳ベルトを例に、更に詳細な金属ベルトの製造方法に関して説明する。
ニッケル電鋳ベルトは電解浴として、例えば、スルファミン酸系などの公知のニッケル電解浴を用いることができ、pH調整剤、ピット防止剤、光沢剤などの添加剤を適宜加えることもできる。例えば、スルファミン酸ニッケルを主成分とし、塩化ニッケルまたは臭化ニッケルが0〜25g/L、およびホウ酸が30〜40g/Lからなるニッケル電解液が挙げられる。スルファミン酸ニッケルは目的に合わせ低濃度から高濃度まで選択可能である。具体的には、スルファミン酸ニッケル四水塩として、普通浴と呼ばれる450g/L程度のものから、スピード浴と呼ばれる600g/Lのものを好ましく用いることができ、更に低濃度、高濃度を使用することもできる。
所望のニッケルまたはニッケル合金からなるニッケル電鋳を得るため、電解浴温度、陰極電流密度などを制御することができる。
電鋳プロセスは、用いる電解浴によっても異なるが、通常、電解浴温度45〜60℃程度、陰極電流密度1〜10A/dm2程度で行うことが好ましい。電鋳プロセスによるニッケルは、電解浴中にサッカリン、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム等含む一次光沢剤(応力減少剤)、2−ブチン−1,4−ジオール、クマリン、ジエチルトリアミン等含む二次光沢剤と呼ばれる添加剤を加えることにより、電着応力を低減させて成型精度を向上させる。このとき加える添加剤の量を調整することにより、ニッケル電鋳中の硫黄含有量、炭素含有量を上記の範囲にすることができる。なお、析出される硫黄、炭素含有量は、浴中の一次光沢剤、二次光沢剤の濃度、および、電流密度、浴温等のプロセス条件で調整可能である。
金属ベルトの厚みは、1μm以上、300μm以下にすることが好ましい。電鋳ニッケルベルトの厚みが300μmを超えると、剛性が大きくなり、柔軟性が低下してくるので、屈曲性が損なわれて回転体として使用しにくくなる傾向にある。
本発明において好ましく用いられる無端ベルト形態の1つとして、繊維を編み上げて作製した網状ベルトが挙げられる。
本発明で好ましく用いられる繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、芳香族アリレート繊維、スチールワイヤが挙げられ、このうち特にガラス繊維やアラミド繊維が、ベルト張力による変形防止の観点で望ましい。
網状ベルトの織り方としては、例えば、平織、朱子織、綾織、ニット織等があり、多層構造となるように編んでも良く、多層構造で編む場合、前記平織、朱子織、綾織、ニット織等を組み合わせて網状ベルトを作製しても良い。
また、網状ベルトを樹脂で被覆しても良く、編み上げたベルトを樹脂溶液中に含浸し、乾燥、焼結並びに架橋等させることで、樹脂被覆編みベルトを作製することができる。編みベルトを含浸する樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度、中密度、低密度、直鎖状低密度)、プロピレン−エチレンブロックまたはランダム共重合体、ゴムまたはラテックス成分、例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体または、その水素添加誘導体、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、液晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリビスアミドトリアゾール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、ポリエステルエステル共重合体、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、ポリウレタン共重合体等の一種またはこれらの混合物からなるものが使用される。
シリコーン樹脂としては、例えば、付加型シリコーン樹脂、縮合型シリコーン樹脂、あるいはシリコーン樹脂と各種樹脂との変性体である変性シリコーン樹脂、例えば、ポリエステル変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、ポリイミド変性シリコーン樹脂、オレフィン変性シリコーン樹脂、エーテル変性シリコーン樹脂、アルコール変性シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂、アミノ変性シリコーン樹脂、メルカプト変性シリコーン樹脂、カルボキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂、熱硬化性シリコーン樹脂、光硬化性シリコーン樹脂等の1種、またはこれらの混合物からなるものが使用できる。
また、特に、本発明ではフッ素樹脂が好ましく用いられ、フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA),テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等の1種、またはこれらの混合物からなるものが使用できる。
また、これらの樹脂中に、綿糸、ポリアミド繊維やアラミド繊維等の化学繊維、ガラス繊維、金属繊維、カーボン繊維等からなる短繊維、織布、フィラー、ウィスカー、シリカ、炭酸カルシウムなどの無機材料等を混入することで、樹脂層の強度を上げることも可能である。また、繊維分を部分的に露出させたりして滑りやすくすることで耐摩擦性を向上したり、表面の摩擦係数を調整することも可能である。
また、内部に金属や繊維等の芯材を含まず、樹脂を主成分としたベルトも好ましく用いることができる。また、所望により付加成分を付与することができる
樹脂としては上記の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂を用いることができる。
付加成分としては、各種フィラーを用いることができ、具体的には炭酸カルシウム(重質、軽質、膠質)タルク、マイカ、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ゼオライト、ウオラストナイト、珪藻土、ガラス繊維、ガラスビーズ、ベントナイト、モンモリロナイト、アスベスト、中空ガラス玉、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化チタン、アルミニウム繊維、ステンレススチール繊維、黄銅繊維、アルミニウム粉末、木粉、もみ殻等が挙げられる。また、これらのフィラーの他に、熱硬化性樹脂として例えばエポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、酸化防止剤として、不飽和ポリエステル樹脂(フェノール系、硫黄系等)を、滑り性改良剤として、有機・無機系の各種顔料を、更には、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、銅害防止剤、難燃剤、架橋剤、流れ性改良剤等を配合することができる。
上記付加成分は、樹脂組成物に対し、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダ等の通常の混練機を用いて成形前に練り混むことが好ましい。しかし、特殊な場合は各成分を直接成形機に供給し、成形機で本組成物を混練しながら成形することもできる。
これら樹脂の混合物からのベルト製造方法は、連続溶融押出成形法、射出成形法あるいはブロー成形法、インフレーションフィルム成形法等公知の溶融成形法を用いることができる。ベルトの望ましい連続溶融押出成形法としては、押出したチューブ内径を高精度で制御可能な下方押出方式の内部冷却マンドレル方式、あるいはバキュームサイジング方式が挙げられる。
押出したシームレスベルトは、未延伸の状態で厚みの均一性、機械的強度を有していなければならない。これは延伸により機械的強度は向上するが、延伸方向に裂け易くなるため耐久性が損なわれるからであると推定される。さらに、延伸により、フィラー等の付加成分と樹脂の界面が剥離し、ベルト強度が著しく低下するからであると推定される。
一方、搬送ローラは、通常、装置設計者が所望の素材、大きさ、形状で個別に作製するため、一般的な市販品はないが、市販されている搬送部材のうち、本発明に好ましく用いられる搬送ローラとしては、宮川ローラ株式会社製のウレグラシリーズ、アブロード SEシリーズ、ボルテージシリーズ、タフロックシリーズ、デラセルシリーズ、コラボシリーズ、コラボ−Uシリーズ、TBラバー、ソフタッチシリーズ、ニューNラバーシリーズ、HDNラバーシリーズ、カーボレスNシリーズ、カーボレスEシリーズ、ASラバーUシリーズ、ASラバーKシリーズ、ASSラバーシリーズ、ソフコーンシリーズ、アーク・ワンシリーズ等が挙げられる。
また、搬送ベルトとしては、日本ジークリング株式会社製のトランジロンベルトシリーズ EB601(W)、EB602(W)、EB603(W)、EB603(G)、EB604(W)、EB604(G)、EB604(G)、EB605(W)、EB605(G)、EB606(W)、EB606(G)、EB607(W)、EB607(G)、EB608(W)、EB608(G)、EB609、EB610、EB611、EB612、EB613、EB614、EB615、EB616、EB617、EB618等、ハバジット日本株式会社製のFNI−5ER、FAB−5ER等が挙げられる。
次いで、本発明に係る搬送部材を備えた画像記録装置による印字工程の一例を示す。
図2は、本発明における産業用記録装置の一例としてのインクジェット捺染記録装置の実施形態を示す断面模式図である。本発明で使用される産業用記録装置の一例としてインクジェット捺染記録装置の概略構成に就いて説明するが、本発明が適用可能な装置は、以下のような構成に限定されるものではなく、産業用記録手段という観点から、当業者が容易に考えられる如何なる構成上の変更あるいは構成要素を付加することも可能である。
図2に示されるように、本発明に係るインクジェット捺染装置における被記録媒体であるプリント媒体51は適宜な布帛であって、ロール状に撒かれている。布帛51が巻出され、中間ローラ53、54及びテンションローラ52を介して、粘着搬送ベルト59の表面に、印圧ローラ55によって押しつけられて固定される。固定された布帛は矢印で示される搬送方向に搬送されて、プラテンローラ57間の領域内において、インクジェットプリントヘッド56を有するプリンタ部によってインクが付与されてプリントされる。
プリントされた布帛51は、布剥がし用の爪60によって、粘着搬送ベルトから剥離され、乾燥ヒータ64により乾燥処理が施される。乾燥ヒータ64としては、温風を布帛51に対して吹付けるものや、赤外線を照射して乾燥するもの等、その他、適宜な形態のものを選択して用いることができる。乾燥後、巻取ローラ66によって巻取られる。
布帛搬送装置は、搬送ローラ58と、これら搬送ローラ58間に巻回された搬送手段である無端ベルト形態の搬送ベルト59と、布帛51の被捺染面を平坦に規制する一対のプラテンローラ57とを有している。搬送ベルト59は、布剥がし用の爪60の部位において布帛51が剥離された後に、クリーニング部材61でインクが粗く拭い取られる。次いで、クリーニング部材62において、水で洗浄され、ふき取り部材63で水分が拭き取られた後に、再び布貼付ローラ55によって布帛51が粘着、固定されて、プリンタ部によって印捺されることを繰り返すことで、連続的に布帛51に記録する装置である。
印字された布帛は、十分な乾燥をしながら、巻き取られることが望ましい。特に20〜100mにも成る長尺の布帛に長時間印字し続ける場合などは、印字された布帛が延々と排出されてくるため、印字した布帛が床などに重なっていき場所をとる。これを巻き取らなければ作業上不安全であり、かつ予期せず汚れてしまうおそれがある。そのために印字後、巻き取る操作が必要となる。この操作時に布帛と布帛の間に紙や布、ビニル等の印字に関わらない媒体を挟んで裏写りを防止してもかまわない。もちろん、途中で切断する場合や短い布帛に対しては必ずしも巻き取る必要はない。
次いで、本発明の特徴である搬送部材の粘着力回復方法について説明する。
本発明の搬送部材の粘着力回復方法においては、記録材料として分散染料を用い、該粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラ上に付着した該分散染料を溶解させる工程と除去する工程とを、この順序もしくは同時に行うことを特徴とする。なお、本発明において好ましく用いられる粘着力回復方法の一例を以下に説明するが、本発明はこの範囲に限定される物ではない。
本発明の搬送部材の粘着力回復方法においては、粘着層表層並びに粘着層中に析出した分散染料に対し、有機溶媒を付与して分散染料を溶解させる工程と、次いで、その後、布帛等のふき取り部材で有機溶媒ごと分散染料を拭き取る除去工程から構成されている。また、有機溶媒を含浸させた拭き取り部材で分散染料を溶解させる工程と除去する工程を同時に行う方法、または拭き取り部材を粘着層に貼り付け、次いで有機溶剤を粘着層と拭き取り部材の界面に注入し、拭き取り部材を引き剥がすことで、析出した分散染料を再溶解させて除去する等を適用することができる。
例えば、図2、3には粘着層表層並びに粘着層中に析出した分散染料に対し、有機溶媒を付与して分散染料を溶解させる工程と、次いで、その後、布帛等のふき取り部材で有機溶媒ごと分散染料を拭き取る除去工程から構成されている一例を示している。
プラテンローラ57間の印字領域内において、インクジェットプリントヘッド56を有するプリンタ部によって分散染料を含むインクが付与されて、布帛51にプリントされる。この時、付与されたインクの一部は布帛51を通過して、搬送ベルト59の表面に設けられた粘着層に到達する。次いで、搬送ベルト59は、布剥がし用の爪60の部位において布帛51が剥離された後に、粘着層表層並びに粘着層中に析出した分散染料を、クリーニング部材61でインクが粗く拭い取られる。次いで、クリーニング部材62において、
有機溶媒を含む水溶液を保持したクリーニングロールにより析出した分散染料を溶解し、次いでその下流側に位置するふき取り部材63で有機溶媒を含む水溶液が拭き取られる。
本発明で好ましく用いられる有機溶媒としては、安全性、臭いの観点から、アルコール系溶媒が好ましい。特に好ましく用いられる溶媒としてはイソプロパノール、エタノールが用いられる。
本発明で好ましく用いられるふき取り部材としては、織物、不織布、ペーパークロス等があるが、形状としては、応力が集中しにくく、傷を付けにくい不織布が特に好ましく、素材としては、分散染料になじみが良く、染料の吸着性が高いレーヨン等化学繊維が特に好ましい。
次いで、本発明の平滑化する工程を有する搬送装置について説明する。
本発明の搬送装置は、粘着テープの粘着層を、無端ベルトまたはローラ表面に付与して粘着層を設けた粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラを有する搬送部材を用い、粘着性無端ベルトの表面または該粘着ローラの表面を平滑化する工程を有することを特徴とする。
すなわち、表面が荒れた粘着層に対し、平滑面を有し、粘着層よりも硬い平滑化部材を押しあて、粘着層に平滑性を付与し、次いで剥離することで、粘着層を平滑化するものである。
上記各平滑化工程の具体例について、図2及び図3を用いて説明する。
図2には、平滑化ローラを用いた粘着力回復装置の一例を示しており、平滑化ローラ71と粘着搬送ベルト59の背面部にニップローラ72を配置し、粘着搬送ベルト59を挟み込み、粘着搬送ベルト表面の粘着層を平滑化する方法である。
図3には、一対のベルト押しあてローラ73、剥離部ローラ77で保持された平滑化ベルト74から構成される粘着力回復装置の一例を示しており、平滑化ベルト74が粘着搬送ベルト表面の粘着層と接する領域にはベルト押しあてローラ73と、粘着搬送ベルト59の背面部に配置したニップローラ76により粘着搬送ベルト59を狭持し、粘着搬送ベルト59の表面にベルト押しあてローラ73を押しつけることにより、粘着搬送ベルト表面の粘着層を平滑化する。また、このベルト押しあてローラ73の内部には発熱体75を組み込こまれており、ベルト押しあてローラ73により加熱することで粘着層を軟化させ、平滑化を効率よく行うことができる。また、平滑化ベルト74と粘着搬送ベルト59の粘着層とが離間する領域には、剥離部ローラ77を配置し、この剥離部ローラ77には冷却装置78を組み込むことで、粘着層からの平滑化ベルトの剥離において、粘着層が荒れてしまうことを抑制することができ好ましい。
本発明で好ましく用いられる平滑化ローラとしては、円柱状で真円性の高い物が好ましく、また素材としては金属、ゴム、樹脂等のあらゆる素材が適用できる。
中でも、本発明では金属ローラを芯金に持ち、表面にフッ素樹脂チューブを被覆し、表面を最大粗さRzが10μm以下になるように研磨したものが好ましく用いられ、より好ましくはRtが5μm以下になるように研磨したものが用いられる。
本発明で好ましく用いられるローラ表面に被覆されるフッ素樹脂チューブとしては、特にその素材を限定されるものではなく、例えば、PFA(パーフルオロエチレンアルコキシ)樹脂やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂など、通常のローラへの被覆に適したフッ素樹脂であるならばどのようなものであってもよい。
また、フッ素樹脂チューブの肉厚は、5μ以上、100μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μ以上50μm以下である。これは、粘着層を平滑化する際に平滑化部材には堅さが必要であり、フッ素樹脂層の厚さが厚すぎると、フッ素樹脂層がクッションの働きをして、十分な平滑性の転写が行われなくなるためである。また、フッ素樹脂の厚さが薄すぎると粘着層の凹凸に対し局所的に平滑化ローラが強く当たってしまい、平滑化ローラが粘着層にくっつき、粘着層を引き剥がしてしまうからである。
また、本発明で好ましく用いられる平滑化ベルトとしては、無端ベルト状で真円性の高い物が好ましく、また素材としては金属、ゴム、樹脂等のあらゆる素材が適用できる。
中でも、本発明で好ましく用いられるベルト基材は前述のニッケル電鋳ベルトであり、肉厚が30μm以上、200μmで有るものが好ましく用いられ、より好ましくは50μm以上、150μm以上である。肉厚が薄すぎると表面を平滑化するために粘着層に押し当てられた際に、剛性が低いために十分な平滑性が得られなくなる。肉厚が厚すぎると柔軟性が低いために、繰り返し使用で折れ曲がりが発生し、ベルトが破断してしまうことがあった。
また、本発明では、金属ベルト表面にフッ素樹脂チューブを被覆し、表面を最大粗さRtとして10μm以下になるように研磨したものが好ましく用いられ、より好ましくはRtを5μm以下になるように研磨したものが用いられる。
本発明で好ましく用いられるベルト表面に被覆されるフッ素樹脂チューブとしては、特にその素材を限定されるものではなく、例えば、PFA(パーフルオロエチレンアルコキシ)樹脂やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂など、被覆に適したフッ素樹脂であるならばどのようなものであってもよい。
また、フッ素樹脂チューブの肉厚は、5μ以上、100μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μ以上50μm以下である。これは、粘着層を平滑化する際に平滑化部材には堅さが必要であり、フッ素樹脂層の厚さが厚すぎると、フッ素樹脂層がクッションの働きをして、十分な平滑性の転写が行われなくなるためである。また、フッ素樹脂の厚さが薄すぎると粘着層の凹凸に対し局所的に平滑化ベルトが当たってしまい、平滑化ベルトが粘着層にくっつき、粘着層を引き剥がしてしまうからである。
図3に示されるように、本発明では平滑化ベルトの一部を加熱することで、平滑化をより効率的に行うことができる。平滑化ベルトの加熱条件は、50℃以上、120℃以下が好ましく、より好ましくは60℃以上、100℃以下である。温度が低すぎると加熱による粘着層軟化の効果が得られなくなる。温度が高すぎると、光沢が低いままの箇所がランダムに現れることがあった。これは、発生時の観察の結果、クリーニングローラでわずかに付着した水分が、高い温度に熱した平滑化ベルトと粘着搬送に挟み込まれると、突沸を起こし、水蒸気が逃げ場を無くして、平滑化ベルト並びに粘着搬送ベルトの密着性を低下させるからだと推定している。
本発明でいう粘着力を具体的に測定する方法の一例を以下に示す。
図4に示すように、粘着力を評価したい粘着搬送部材81上に、粘着力評価用の布片82をしわができないように静置した。次いで、所望の重さのローラ83を所望の速度で布帛の上に転がし、布帛を粘着搬送部材上に印圧させた。具体的には、幅25mmの布片に200gに重さを調整したローラを図4に示すように転がしたときの線圧を、78mN/mmとした。また、転がす速度は、25mm/sの速度とした。具体的には、100mmの長さを4秒間かけて転がして印圧させた。
次いで、布片82の端部を、引っ張り強度試験器84のクリップで挟み込み、水平方向へ引っ張った。布片82が引っ張られ、布片が剥がれ始める瞬間に最大の引っ張り応力85が観測され、その後布帛が剥がれ切るまで安定した引っ張り応力86が測定され、本発明ではこの安定した引っ張り応力86の平均値で粘着力を評価した。
また、本発明に係る平滑化ベルトまたは平滑化ローラの最大粗さRtが5μm以下であることが好ましいが、本発明でいう最大粗さRtは、JIS B0633−2001に定義される値であり、規定の測定面積における最高地点と最低地点の高さの差を示している。測定装置として、WYKO社製 RSTPLUS非接触3次元微小表面形状測定システムを用い、視野の広さは縦240μm×横300μmで5点観察を行い、その平均値を最大粗さRtとして求めることができる。
次に、本発明の搬送装置を備えた画像記録装置について、捺染インクジェットプリンターによる捺染方式を一例として説明するが、本発明はこの範囲に限定されるものではない。
本発明の画像記録装置を用いたインクジェット捺染方法で用いることのできる布帛の素材としては、綿、麻、羊毛、絹、レーヨン、キュプラ、ポリノジック、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、及びこれらの混紡が挙げられる。
布帛は、通常、捺染業者が目的とする布の風合いが得られる様に、糸の種類、糸の太さ、織り方、混紡比率等を自分で決めて発注するか、布帛業者がその時々で設計し、顧客に売り込むことで取り引きされている。よって、一般的な製品はないが、株式会社 色染社の試験用繊維から例を挙げると、綿では金巾、ブロード、ツイル、サテン、ニット スムース、ポンチローマ、ネル、帆布等が、麻では(ラミー)ブロード等が、羊毛ではモスリン、トロピカル、サージ等が、絹では 羽二重、精華パレス等が、レーヨンではタフタ、スフ モスリン、フジエット等が、キュプラはタフタ等が、ポリノジックはブロード等が、テンセルでは平織等が、リヨセルでは平織等が、ジアセテートではタフタ等が、ポリエステルでは タフタ、トロピカル、アムンゼン、紡績糸織物ではテトレックス、ジョーゼット、クレープ・デシン、紗、ジャージー、ダブルピケ、カーシート等が、新合繊ではトレシー、サミア等が、カチオン可染型ポリエステルではニット スムース等が、ナイロン6では タフタ、紗、ジャージー等が、ナイロン66ではジャージー等が、アクリルでは モスリン、ジャージー等が、ビニロンではブロード等が、混紡ではポリエステル65/綿35 ブロード、ポリエステル65/綿35 ツイル、ポリエステル50/綿50 ニット スムース、ポリエステル65/レーヨン35 平織等が、交編ではポリウレタン20/ポリエステル80 ニット等が、マルチファイバークロスではAATCC Style 1,10、SDC等が挙げられる。
本発明の画像記録装置を用いる場合には、特に、ニットのような伸縮性の布をベルト上に精密に貼り付ける際に効果が顕著に見られる。伸びる布の中でも、破断伸度が5%以上のような良く伸びる布は、布帛製造時にしわが発生しやすく、精密に貼り付ける際に良く伸ばして貼り付けるので、繊維間の隙間ができ、裏抜けが発生しやすい。
上記に記した布の中から例示すると、綿ではニット スムース、ポンチローマ、ポリエステルではジャージー、ダブルピケ、カチオン可染型ポリエステルではニット スムース等が、ナイロン6ではジャージー等が、ナイロン66ではジャージー等が、アクリルではジャージー等が、混紡ではポリエステル50/綿50 ニット スムース、交編ではポリウレタン20/ポリエステル80等が挙げられる
本発明に係るインクジェット捺染方法の場合、均一な染色物を得るために、水溶性高分子類を布帛に前処理する前に、布帛繊維に付着した天然不純物(油脂、ロウ、ペクチン質、天然色素等)、布帛製造過程で用いた薬剤の残留分(のり剤等)、よごれなどを洗浄しておくことが望ましい。洗浄に用いられる洗浄剤としては水酸化ナトリウム,炭酸ナトリウムといったアルカリ、陰イオン性界面活性剤,非イオン性界面活性剤といった界面活性剤、酵素等が用いられる。
インクジェット捺染方法においては、にじみ防止効果のため、前処理工程として前処理剤をパッド法、コーティング法、スプレー法などで付与せしめるのが好ましい。
前処理方法としては、水溶性高分子類を布帛に前処理するなどの公知の方法から繊維素材やインクに適した方法を適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。例えば、水溶性金属塩、ポリカチオン化合物、水溶性高分子、界面活性剤及び撥水剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの物質が0.2〜50質量%付与された布帛に対して使用すれば、高度なにじみ防止が可能であり、高精細な画像を布帛にプリントすることができ好ましい。
前処理剤として使用される具体的な水溶性高分子の例を挙げると、天然水溶性高分子としては、トウモロコシ、小麦等のデンプン類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチセルロースなどのセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、アラビアゴムなどの多糖類、ゼラチン、カゼイン、ケラチン等の蛋白質物質、合成水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸系ポリマーなどを用いることができる。界面活性剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系、両性、ノニオン系のものが使用され、代表的には、アニオン系の界面活性剤としては、高級アルコール硫酸エステル塩、ナフタレン誘導体のスルホン酸塩等;カチオン系の界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等;両性界面活性剤としては、イミダゾリン誘導体等;ノニオン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物等;が挙げられる。また、撥水剤としては、例えば、シリコーン、フッ素系及びワックス系のものが挙げられる。これらの、あらかじめ布帛に付与される水溶性高分子や界面活性剤は、インクジェットプリントをし、高温で発色させる際に、タール化などによるよごれの原因とならないために、高温環境に対して安定であることが好ましい。また、これらの、あらかじめ布帛に付与される水溶性高分子や界面活性剤は、インクジェットプリントをし、高温で発色させた後の洗浄処理で、布帛から取り除きやすいものが好ましい。
次に、印字がなされた布帛は、発色工程で処理が施される。発色工程においては、巻き取られた布が発色機にかけられ、加熱によって色剤が布帛中に定着される。
巻き取られた布帛はインクが付与され、画像が形成されているが、布帛表面に色剤が一時的に付着しただけであって、十分布帛に吸着・固着されていない。発色工程とは、インク中の染料を布帛に吸着・固着させることにより、そのインク本来の色相を発現させる工程である。その方法としては、蒸気によるスチーミング、乾熱によるベーキング、サーモゾル、過熱蒸気によるHTスチーマー、加圧蒸気によるHPスチーマーなどが利用される。発色方法及び条件はプリントした素材、インクなどにより適宜選択する。また、印字された布帛は直ちに加熱処理しても、しばらくおいてから加熱処理しても良く。用途に合わせて処理すればよい。本発明においてはいずれの方法を用いてもよい。
また、分散染料を色剤に用いた場合、高温加熱以外にもキャリヤーと呼ばれる浸透剤を用いた発色方法がある。キャリヤーとして用いられる化合物は、繊維中への染料浸透速度が高く、使用法が簡便で、安定し、人体や環境に対して負荷が少なく、繊維からの除去が簡単で、染色堅牢度に影響しないといった特徴を持つものが好ましい。キャリヤーの例としてはo−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、メチルナフタリン、安息香酸アルキル、サリチル酸アルキル、クロロベンゼン、ジフェニルといったフェノール類、エーテル類、有機酸類、炭化水素類などを挙げることができる。これらは、ポリエステルのように100℃前後の温度での染色が難しい難染性繊維の膨潤と可塑化を促進し、分散染料を繊維内に入りやすくする。キャリヤーは、インクジェットプリントに使用する布帛の繊維にあらかじめ吸着させておいてもよいし、インクジェットインク中に含まれていてもよい。
発色工程後は洗浄工程が必要である。なぜなら染着に関与しなかった染料が残留することで、色の安定性が悪くなり堅牢度が低下するばかりか、布帛を縫製し衣類等にしたときに人体に色剤が付着したり、洗濯時に他の洗濯物を汚染したりするおそれがあるからである。また、布帛に施した前処理物を除去することも必要である。そのままにしておくと堅牢性の低下ばかりでなく布帛が変色したり、布帛を縫製し衣類等にしたときの風合いが著しく悪くなるからである。よって、除去対象物や目的に応じた洗浄が必須である。その方法は、プリントする素材、インクにより選択され、例えばポリエステルの場合一般的には、苛性ソーダ、界面活性剤、ハイドロサルファイトの混合液により処理するものである。その方法は、通常オープンソーパーなどの連続型や液流染色機などによるバッチ型で実施されるもので、本発明においてはいずれの方法を用いてもよい。
洗浄後は乾燥が必要である。洗浄した布帛を絞ったり脱水した後、干したりあるいは乾燥機、ヒートロール、アイロン等を使用して乾燥させる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《粘着搬送部材の作製》
〔粘着搬送ベルト1の作製〕
テフロン(登録商標)製ベルト BGF−500−10−2(中興化成工業製)の搬送面に、Adhesives Research社製の基材無しシリコーン両面粘着テープ ARclear 8932を貼り付け、粘着搬送ベルト1を作製した。
〔粘着搬送ベルト2の作製〕
上記粘着搬送ベルト1の作製において、粘着テープとして、株式会社 寺岡製作所社製の基材ありシリコーン両面粘着テープNo.7082を用いた以外は同様にして、粘着搬送ベルト2を作製した。
〔粘着搬送ベルト3の作製〕
上記粘着搬送ベルト1の作製において、粘着テープとして、Adhesives Research社製の基材なしアクリル両面粘着テープARclear 8154を用いた以外は同様にして、粘着搬送ベルト3を作製した。
《インクの調製》
〔イエローインク1の調製〕
(イエロー染料分散液の調製)
分散染料:C.I.Disperse Yellow 30 20%
エチレングリコール 18%
グリセリン 21%
リグニンスルホン酸ナトリウム 12%
イオン交換水 29%
上記各添加剤を順次添加、混合した後、サンドグラインダーを用いて分散を行って、イエロー染料分散液を調製した。
(イエローインクの調製)
イエロー染料分散液 40%
エチレングリコール 17%
グリセリン 19%
燐酸一水素二カリウム 2%
燐酸二水素カリウム 2%
防腐剤(塩化イソチアゾロン) 2%
イオン交換水 18%
上記の各添加剤を順次混合、攪拌した後、3μmメンブランフェイルターでろ過し、次いで中空糸膜を用いた脱気処理を行ってイエローインク1を調製した。
〔マゼンタインク1、シアンインク1及びブラックインク1の調製〕
上記イエローインクの調製において、染料をC.I.Disperse Red 5、C.I.Disperse Blue 330、C.I.Disperse Black 1にそれぞれ変更した以外は同様にして、マゼンタインク1、シアンインク1及びブラックインク1を調製した。
〔クリーニング部材〕
図2に示すクリーニング部材62、拭きとり部材63を表1に記載のように設置した。
クリーニング部材で用いた溶剤は表1に記載の組成のものを用い、拭きとり部材としては、デュポン株式会社製の業務用レーヨン/ポリエステル製不織布 ソンタラ プロクリーン カウンタークロスを用いた。
〔粘着搬送試料の作製〕
上記作製した粘着搬送ベルト及びクリーニング部材を表1に記載の組み合わせとして、
粘着搬送試料1〜28を作製した。
《粘着搬送ベルトの評価》
〔未使用粘着搬送ベルトの粘着力測定〕
粘着搬送ベルトの未使用の状態での粘着力を以下のようにして測定した。
粘着力評価用布サンプルとして、株式会社色染社の試験用繊維 ジャージーを長さ15cm幅2.5cmの布片に切り落とした。切り落としの向きは、巻き出し方向が15cmになる様に切り出した。切り出した布片を、図4に示す方法に従って、粘着搬送ベルト上に78mN/mmの線圧、25mm/sの速度で印圧した。
次いで、1分以内に布帛端部を引っ張り強度試験器のクリップで挟み込み、水平方向へ25mm/sの速度で引っ張り、引っ張り応力の測定を行った。引っ張り強度試験器としては、株式会社イマダ製 デジタルフォースゲージ ZP−50Nを用いた。データ記録には株式会社 イマダ製のwindows用ソフトZP−Recorderを用い、1秒間に1000回のデータ記録を行った。
得られた図4に示すグラフから、安定した引っ張り応力86の平均値を求め、これを粘着力とした。具体的には、引っ張り開始から2秒後から5秒後までのデータの平均値を求めた。
〔粘着搬送ベルトの劣化処理:インクによる析出〕
コニカミノルタIJ社製のインクジェット捺染プリンタ Nassenger Vに表1に記載の粘着搬送ベルトを設置し、株式会社 色染社の試験用繊維 ボイル 幅1.5mを500m分セットし、分散染料インク(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)を合わせて400%の条件で、布から左右5cmずつ外側に打つ条件で幅1.6m長さ500mのベタ印字を行った。ここで言う100%とは、1つの色インクでベタ画像のプリントを作成したときのインク打ち込み量を指している。
次いで、上記粘着力測定方法に従って、強制劣化後の粘着力を測定した。
〔粘着搬送ベルトの粘着力回復性の評価〕
表1に記載の組成からなる溶剤30gを、デュポン株式会社製の業務用レーヨン/ポリエステル製不織布 ソンタラ プロクリーン カウンタークロス 縦350mm×横600mm×厚さ350μm 1枚に含浸させたクリーニング部材を用いて、インクによる劣化処理を行った上記粘着搬送ベルトの粘着層表面をふき取った。なお、不織布が汚れた場合には随時不織布を交換し、不織布側に汚れがほとんど転写しなくなるまでふき取りを行った。
ふき取り終了後、25℃55%の環境で24時間放置し、粘着層にわずかに残る溶媒を乾燥させた。次いで、上記粘着力評価方法に従って、クリーニング後の粘着層の粘着力を測定した。次いで、劣化処理後の粘着力に対する上記測定したクリーニング後の粘着力の比を求め、これを粘着力の回復率とした。
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2006224583
表1に記載の結果より明らかなように、基材を有する両面粘着テープまたは基材を持たない両面粘着テープを有する無端ベルトに、本発明に係るクリーニング処理を施した本発明の粘着搬送試料は、比較例に対し、粘着層の粘着力回復性に優れていることが分かる。
また、本発明の粘着搬送試料2〜28について、粘着搬送ベルトの表面安定性の評価としてしわ発生の確認と、粘着層の密着性について評価を行った結果、基材無しで、粘着剤種がシリコーンである粘着テープを用いた搬送ベルト1は、搬送ベルト2及び搬送ベルト3に比較して、粘着搬送ベルトの表面安定性に優れていることを確認することができた。また、粘着剤種としてシリコーンを含有する粘着テープを用いた搬送ベルト1及び搬送ベルト2は、粘着剤種としてアクリルを含有する粘着テープを用いた搬送ベルト3に比較して、粘着層の密着性に優れていることを確認することができた。
実施例2
《平滑化部材の作製》
〔平滑ローラ基材の作製〕
長さ1.8m、直径50mmのステンレスローラを、最大粗さRtが4.0μmとなるまでバフ研磨した。
〔平滑化ローラ1〜4の作製〕
上記平滑ローラ基材に5mm厚のPFAチューブを被覆し、熱で圧着させた後、表2に記載の最大粗さRtとなるまでその表面を研磨して、Rtの異なる平滑化ローラ1〜4を作製した。また、平滑化ローラ内部には発熱体を組み込んだ。
〔平滑ベルト基材の作製〕
ニッケル電鋳法によって、長さ1.8m、直径400mm、肉厚80μmのニッケル電鋳無端ベルトを作製した。
〔平滑ベルト1〜4の作製〕
上記平滑ベルト基材に厚さ50μmのPFAチューブを被覆し、熱で圧着させた後、表2に記載の最大粗さRtが得られるまで表面を研磨して、Rtの異なる平滑ベルト1〜4を作製した。また、平滑化ベルトは金属ローラを芯金に持ち、表面にフッ素樹脂チューブを被覆したベルト押しあてローラ73と剥離部ローラ77で保持し、ベルト押しあてローラ73の内部には発熱体75を組み込んだ。
〔粘着搬送試料の作製〕
実施例に記載の粘着搬送ベルト1を用い、更に表2に記載の平滑化部材を用い、更に平滑化処理の際の加熱温度、回転速度を表2に記載の様に変更して、粘着搬送試料29〜57を作製した。なお、上記操作は23℃、50%RHの環境下で行った。なお、搬送速度Aは、3.6m/minであり、搬送速度Bは7.2m/minである。
《粘着搬送ベルトの評価》
〔未使用粘着搬送ベルトの粘着力測定〕
実施例1に記載の方法と同様にして測定した。
〔粘着搬送ベルトの劣化処理:表面荒れによる劣化〕
コニカミノルタIJ社製のインクジェット捺染プリンタ Nassenger Vに表2に記載の粘着搬送ベルトを設置し、株式会社 色染社製の試験用繊維 ジャージー(幅1.5m)を2000m相当装着し、インクの印字は行わない状態で、クリーニングローラのを押しあてながら粘着層への貼り付けと剥離を2000m相当分行った。次いで、実施例1に記載の粘着力評価方法に従って、劣化処理後の粘着力を測定した。
〔粘着搬送ベルトの粘着力回復性の評価〕
次いで、上記劣化処理を行った各粘着搬送ベルトに、図2及び図3の記載の位置にそれぞれ表2に記載の平滑化部材を設置し、インクを打たず、布帛を搬送しない状態で、表2に記載の平滑化条件で粘着搬送ベルト及び平滑化部材をを30mだけ回転させた。次いで、実施例1に記載の方法と同様にして平滑化処理後の粘着力及び回復率を測定した。
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2006224583
表2に記載の結果より明らかなように、粘着性無端ベルト表面を平滑化する工程を設けることにより、粘着搬送ベルトの粘着力回復性に優れていることが分かる。
また、本発明の粘着搬送試料において、平滑ベルト1を用いて、その加熱温度を変化させた粘着搬送試料41〜46、52〜58について、下記の平滑化処理後の表面観察を行った結果、加熱温度が40〜100℃の範囲では評価ランク◎、120℃では○、130℃では△であった。
(平滑化処理後の表面観察)
前記平滑化による粘着力回復操作後の粘着層の状態を目視観察し、下記の基準で評価した。
◎:特に粘着層に変化は認められない
○:直径1cm程度の光沢が低い部分が散発しているが、発生はランダムで、もう1周平滑化されると消えて無くなった。
△:光沢が低い部分が1周で2つ以上認められたが、発生はランダムで、繰り返し平滑化すると消えて無くなった。
×:光沢が低い部分が1周で多数認められ、繰り返し平滑化しても残存した状態であった
本発明に係る粘着テープの構成の一例を示す模式図である。 本発明における産業用記録装置の一例としてのインクジェット捺染記録装置の実施形態を示す断面模式図である。 本発明における産業用記録装置の他の一例としてのインクジェット捺染記録装置の実施形態を示す断面模式図である。 本発明でいう粘着力の具体的測定方法の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 剥離体
2 粘着層
3 基材
51 布帛
52 テンションローラ
53 中間ローラ
54 中間ローラ
55 印圧ローラ
56 インクジェットプリントヘッド
57 プラテンローラ
58 搬送ローラ
59 粘着搬送ベルト
60 布剥がし用の爪
61,62 クリーニング部材
63 ふき取り部材
64 乾燥ヒータ
65 中間ローラ
66 巻き取りローラ
71 平滑化ローラ
72 裏あてニップローラ
73 ベルト押しあて部ローラ
74 平滑化ベルト
75 発熱体
76 裏あてニップローラ
77 剥離部ローラ
78 冷却装置
81 粘着搬送部材
82 布片
83 所望な重さのローラ
84 引っ張り強度試験器
85 最大引っ張り応力
86 安定した引っ張り応力

Claims (9)

  1. 基材を有する両面粘着テープを、無端ベルトまたはローラ表面に付与して粘着層を設けた粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラを有する搬送部材の粘着力回復方法であって、記録材料として分散染料を用い、該粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラ上に付着した該分散染料を溶解させる工程と除去する工程とを、この順序もしくは同時に行うことを特徴とする搬送部材の粘着力回復方法。
  2. 基材を有していない両面粘着テープを、無端ベルトもしくはローラ表面に付与して粘着層を設けた粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラを有する搬送部材の粘着力回復方法であって、記録材料として分散染料を用い、該粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラ上に付着した該分散染料を溶解させる工程と除去する工程とを、この順序もしくは同時に行うことを特徴とする搬送部材の粘着力回復方法。
  3. 前記分散染料を溶解させる工程が、溶媒としてエタノールまたはイソプロパノールを組成比で80%以上含む水溶液を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送部材の粘着力回復方法。
  4. 前記粘着層が、シリコーン粘着剤を主体とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送部材の粘着力回復方法。
  5. 粘着テープの粘着層を、無端ベルトまたはローラ表面に付与して粘着層を設けた粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラを有する搬送部材を用いた搬送装置であって、該粘着性無端ベルトの表面または該粘着ローラの表面を平滑化する工程を有することを特徴とする搬送装置。
  6. 前記粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラの表面を平滑化する工程が、最大粗さRtが5μm以下の平滑化ベルトまたは平滑化ローラを、該粘着性無端ベルトまたは粘着性ローラの粘着層に押し当てて平滑化することを特徴とする請求項5に記載の搬送装置。
  7. 前記平滑化ベルトが1対の搬送ローラで保持され、前記粘着性無端ベルトの粘着層と接する側にある該搬送ローラが加熱ローラであって、かつ前記粘着性無端ベルトの粘着層と離間する側にある該搬送ローラが除熱ローラであることを特徴とする請求項6に記載の搬送装置。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の搬送部材の粘着力回復方法を有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の搬送装置。
  9. 請求項5〜8のいずれかに1項に記載の搬送装置を有することを特徴とする画像記録装置。
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