JP2009298356A - 車両用障害物回避支援装置及び車両用障害物回避支援方法 - Google Patents

車両用障害物回避支援装置及び車両用障害物回避支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の制御目的のトレードオフを有する誘導制御指令値を容易に算出することができる車両用障害物回避支援を提供する。
【解決手段】検出した障害物の占有する領域を除く自車両の走行路領域を走行可能領域として求め、さらに自車両が所定時間後までにわたって上記走行可能領域に留まることが可能な車両操作量の時系列を構成要素とする集合である回避可能操作量集合を算出する。そして、誘導に関わる特定の操作を行った場合の回避可能操作量集合の変化を予測して回避操作の困難度を推定し、回避困難度が小さく保たれると予想される操作量に車両操作量を誘導する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、運転者による障害物の回避操作を支援する車両用障害物回避支援技術に関する。
運転者による障害物回避操作を支援する装置としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。
この特許文献1に記載の技術は、車両が道路から逸脱することを防止するように操舵トルクをアシスト制御することを基本とする。加えて、自車両前方に障害物を検知すると障害物を回避する方向に操舵トルク付加量を補正する。続いて、障害物を回避したことを検知したら、障害物回避方向とは逆方向に操舵トルク付加量を補正する。
これによって、車両が道路から逸脱することを防止しながら、車両前方の障害物を回避しようとするものである。
特開平8−263794号公報
上記特許文献1に記載の技術では、制御目的が相反する場合がある車線逸脱防止と障害物回避という2つの制御を、それぞれ固定した制御ゲインで実施している。
しかし、本来、道路逸脱防止および車線復帰と、障害物回避とは、一連の回避運動の各局面においてその優先度が動的に変化していくと想定することが出来る。このため、固定した制御ゲインでは種々の場面に適切に対応できる汎用性を持たせにくい。このため、例えば障害物回避と道路逸脱防止/車線復帰との優先度が大きく変化すると思われる回避時に、ステアリングホイールを切り戻す場面等において、操舵トルク制御が運転者に違和感を与える可能性がある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、制御目的が相反する場合がある複数の制御の誘導制御指令値を正確に算出することができる車両用障害物回避支援を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、検出した障害物の占有する領域を除く自車両の走行路領域を走行可能領域として求め、さらに自車両が所定時間後までにわたって上記走行可能領域に留まることが可能な車両操作量の時系列を構成要素とする集合である回避可能操作量集合を算出する。そして、誘導に関わる特定の操舵操作を行った場合の回避可能操作量集合の変化を予測して回避操作の困難度を推定し、回避困難度が小さく保たれると予想される操作量に車両操作量を誘導する。
本発明によれば、所定時間先の将来まで含む操作量時系列を基準とすることにより、障害物回避と車線復帰の優先度をある一定の時間区間の中で適切に考慮した操作量の中から誘導量を決定するという構成になる。従って、制御目的が相反する場合がある複数の制御の誘導制御指令値を正確に算出することができる。
次に、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の車両用障害物回避支援装置を装備した自車両の装置構成の概念図である。
(構成)
図1に示す自車両の例は、前輪操舵の車両の例である。
自車両SWには、次のような種々のセンサ類を装備する。そのセンサ類は、複数台のカメラ1、車速センサ2、ヨーレートセンサ3、加速度センサ4、操舵角センサ5、操舵トルクセンサ6である。これらセンサ類は、検出信号を回避支援コントローラ7に出力する。
カメラ1は、例えば車室内前方に設けてある。カメラ1は、自車両SW前方の道路状況を撮影することで、自車両SW前方の情報を検出する。自車両SW前方の情報としては、障害物、道路境界、白線等がある。カメラ1を2台で構成してステレオ形式とすることにより、物体の方向だけでなく、距離も検出可能な構成としている。なお、自車両SW前方ばかりでなく、側方の情報なども取得しても良い。なお、距離について、別途レーザ光などによって取得しても良い。
車速センサ2は、車輪の回転数を検出する。例えば、車輪に取り付けたロータリーエンコーダ等が利用可能である。そして、車輪の回転に比例して発生するパルス信号を検出することで車速を計測する。
ヨーレートセンサ3は、車両に発生するヨーレートを検出する。例えば、水晶振動子や半導体を用いて構成したデバイスを利用する。
加速度センサ4は、車両に発生する特定の方向の加速度を検出する。例えば、圧電素子等を用いて構成したデバイスを利用する。本実施形態では、特に、車両の横方向に発生する加速度を検出する構成を想定する。
操舵角センサ5は、操舵の回転角度を検出する。例えば、ステアリングコラム内に設けて、ステアリングホイール10の回転角度を検出する。
操舵トルクセンサ6は、運転者の操舵トルクを検出する。操舵トルクセンサ6は、ステアリング軸(操舵系)に介装し、その捩れ量などによって操舵トルクを検出する。
また、車両には、転舵アシストモータ8、及びモータコントローラ9を備える。
転舵アシストモータ8は、モータコントローラ9からのアシストトルク指令に応じて、ステアリング軸にアシストトルクを付加する。
回避支援コントローラ7は、マイクロプロセッサからなる。そのマイクロプロセッサは、A/D変換回路、D/A変換回路、中央演算処理装置、メモリ等から構成した集積回路を備える。そして、メモリに格納したプログラムに従って、各種センサで検出した信号の処理、障害物回避操作量集合の算出、及び回避支援の誘導量の算出を行う。そして、モータコントローラ9を介して転舵アシストモータ8を制御し、もってアシストトルクを操舵系に加える。
図2に、以上の装置構成を機能別にまとめたブロック図を示す。
自車両状態検出手段は、車両に取り付けた車速センサ2、操舵角センサ5、ヨーレートセンサ3、加速度センサ4およびカメラ1によって構成する。そして、各センサで検出した信号を統合的に処理して自車両SWの運動・操作状態(車両状態)に関する情報を得る機能を実現する。
これらのセンサのうち、カメラ1は、障害物検出手段および道路境界検出手段としての用途を兼ねており、撮像したイメージを画像処理して障害物や道路境界の情報を抽出する機能を実現する。
次に、回避支援コントローラ7について説明する。
回避支援コントローラ7は、図2に示すように、センサ信号処理部7A、走行可能領域算出手段7B、回避可能操作量集合算出手段7C、回避可能操作量集合変化予測手段7D、回避困難度推定手段7E、及び指令値算出処理部7Fを備える。これらの機能ブロックによって、回避支援コントローラ7は、上述したセンサ信号処理に加えて、障害物を回避し得る操作量の集合を算出し、算出した集合から評価した障害物との接触リスクを小さく抑えることが出来るような操作量を算出する。そして、運転者の操作を、算出した操作量に近づけるような誘導制御の指令値を算出し、その指令値をモータコントローラ9に出力する。
センサ信号処理部7Aは、各センサからの信号に基づく情報を処理して、同一の座標上に展開した情報へ変換する。変換した情報は、回避可能集合算出手段に出力する。なお、カメラ1からの画像情報について画像処理を行い、障害物や道路境界情報を抽出する。この抽出処理は、カメラ1側に持っていても良い。また、センサ信号処理部7Aは、各センサからの信号に基づく情報から、自車両SWの運動状態(走行状態)、及び操作状態を取得する。
走行可能領域算出手段7Bは、自車両SWが走行可能な走行可能領域Pを算出する。すなわち、道路境界検出手段としてのカメラ1が検出した情報に基づき、道路境界の内側の領域である走路領域を求める。また障害物検出手段としてのカメラ1が検出した情報に基づき、障害物の占有領域を求める。障害物の占有領域は、自車両SWがその占有領域内に進入すると障害物と接触してしまう可能性が高い領域である。そして、走路領域から、障害物の占有領域を除いた領域を、上記走行可能領域Pとして算出する。
回避可能操作量集合算出手段7Cは、自車両SWの運動状態および走行可能領域Pに基づき、回避可能操作量集合を算出する。回避可能操作量集合は、所定時間後の間までに、自車両SWが走行可能領域P内に留まることが可能な車両操作量の時系列の集合である。
このとき、回避可能操作量集合は、運転者が取り得る車両操作量の推定される限界を満たす範囲内に制限する。また、回避可能操作量集合は、許容される自車両の車両運動状態の推定される限界を満たす範囲内に制限する。
回避可能操作量集合変化予測手段7Dは、上記算出した回避可能操作量集合の具体的な変化形態を予測する処理を行う。ここで、算出した回避可能操作量集合は、運転者がどのような操舵操作を行うかによって時々刻々と変化していく。
回避困難度推定手段7Eは、回避困難度の指標を求める。回避困難度の指標は、回避可能操作量集合大きさを定義することによって、回避困難度の指標とする。
指令値算出処理部7Fは、回避困難度推定手段7Eの処理結果に基づき、回避困難度を小さく抑えるための操作量を算出して、その操作量の指令値をモータコントローラ9に出力する。
次に、上記回避支援コントローラ7の処理について、図3を参照して説明する。
ここでは、具体性を持たせて処理を分かりやすくするために、図4に示す場面を想定して説明する。図4に示す場面では、自車両SWが片側車線側の直線道路を走行している時に、自車両SW前方の走行路に障害物SMを検出した場面を想定している。
なお、図3の処理は、所定のサンプリング周期で繰り返し実行する。
まずステップS100では、各種センサが検出した信号をメモリ上に読み込む。そして、自車両SWの運動状態および障害物SMの状態を、統一した所定の座標系上の値として算出する。上記座標系は、適当に設定することが可能である。本実施形態では、図4に示すように、道路の進行方向に沿った方向にX軸を、そのX軸と垂直方向(路幅方向)にY軸を設定する。また、本実施形態の説明では、上記座標系は、X座標の原点を自車両SWの現在位置に設定し、且つY座標の原点を道路の中心線付近に設定する。
上記座標系を設定することで、自車両SW(中心点)の位置を(X、Y)=(x、y)といった形で表記することができるようになる。
また、自車両SWの運動状態を表す状態量として、ヨー角θ、車両の縦方向速度vx、横方向速度vy、ヨーレートγ、前輪の転舵角δが重要な物理量であると考える。これらの自車両SWの運動状態を記述する物理量は、次に説明するように、センサの検出信号を処理することによって、具体的な値を取得できる。
すなわち、これらの状態量(物理量)のうち縦方向速度vxに関しては、当該縦方向速度vxに比べて横方向速度vyが十分に小さいとみなせれば、縦方向速度vxは非駆動輪の車輪速で近似することができる。従って、縦方向速度vxは、非駆動輪にとりつけた車速センサ2の検出値から求めることが出来る。
また、ヨーレートγは、ヨーレートセンサ3から得ることができる。
車両ヨー角θは、道路が直線であると仮定すれば、道路境界と自車両の向いている方向とのなす角を、画像処理によって推定することで求めることができる。あるいは、適当な初期値を定めて、ヨーレートセンサ3の出力値を積分することで算出してもよい。
また、横方向速度vyは、車両横加速度を測定する加速度センサ4の出力を積分することによって求めることができる。
前輪舵角δは、操舵角センサ5から取得することができる。
また、障害物SMを検出している場合には、障害物SMの中心点の位置座標Xp=(xp、yp)、および障害物SMの幅σy、及び奥行きσxの各値を、カメラ1で取得した画像情報を処理することによって算出する。奥行きσxは、撮影方向によっては測定が困難な場合もある。奥行きの測定が困難な場合には、例えば便宜的に、幅σyと同じ値を設定しておく。なお、障害物SMを検出しなかった場合には、障害物SMに関する物理量の算出を行わない。
また、道路の左端および右端の位置を、上記座標系上の値に変換して、それぞれY=YL、Y=YRとする。道路の左端および右端の位置は、カメラ1による道路境界検出によって検出する。
図4の場面において導入した座標系と、物理量との例を図5に示す。
以上のように、ステップS100では、統一した座標系を設定し、自車両SW、障害物SMおよび道路境界に関する情報を、導入した座標系上の値として算出する。
次に、ステップS200では、障害物SMの検出の有無によって処理を分岐する。障害物SMを検出した場合には、ステップS300に移行する。一方、障害物SMを検出しなかった場合には、支援の必要性がないと判定し、処理を終了して復帰する。
なお、障害物SMを検出している場合でも、自車両SWとの距離が大きい場合など、自車両SWと接触するリスクが小さい場合には、障害物SMを検出しなかったものとして処理しても良い。
ステップS300では、走行可能領域Pの算出を行う。走行可能領域Pとは、自車両SWが障害物SMと接触しない自車両SWの位置座標(x、y)の集合である。
ここで、自車両SWの位置座標(x、y)と障害物SMの位置座標xp(xp、yp)との間の関係として、走行可能領域Pを定義する場合を考える。この場合、自車両SWの長さをL、幅をWとすると、障害物SMの奥行き及び幅よりも、それぞれ(L/2)、(W/2)だけ余計に中心点間の距離を確保する必要がある。これは、自車両SWの位置座標(x、y)を、自車両SWの中心点にとっている為である。
また、図5の場面では、障害物SMは走行路の左方向に存在している。このため、通常はより広い空間が開けている右方向に回避することになる。そこで、障害物SMの左側も便宜上走行不可能領域として扱うことにすると、走行可能領域Pは、図6に示したような領域として、以下のように定義することができる。
Figure 2009298356
以上のようにステップS300は、走行可能領域Pを定義する処理を行う。
続いてステップS400では、回避可能操作量集合の算出を行う。
上記走行可能領域Pは、物理的に自車両SWと障害物SMが接触しない範囲を求めたものである。しかし、自車両SWの運動にはいくつかの物理的拘束が存在する。このために、自車両SWは走行可能領域P内を自由に運動できるわけではない。従って、走行可能領域Pと自車両SWとの位置関係だけで回避支援の必要性を精度良く判定することは、困難となるおそれある。
そして、回避支援の必要性を判定するためには、次の2点を把握しておくことが重要である。
その2点とは、
a)現在、運転者が行っている操作量が、自車両SWが将来にわたって走行可能領域P内に留まり続けることができる操作量全体の集合の中に、含まれているかどうかを把握すること。
b)含まれているとすれば、回避不可能となるまでの余裕がどの程度残されているのかを把握すること。
である。
そして、回避可能操作量集合を算出するために、まず自車両SWの運動を記述するモデルを導入する。ここでは、車両の運動を記述するモデルとして、四輪車両の運動を二輪車両の運動で近似する二輪モデルを使用する。
この二輪モデルは、走行速度が一定で、ヨー角θが十分に小さく、横方向速度vyが縦方向速度vxと比較して十分に小さく、タイヤ横力の飽和特性が顕著に現れない運動状態では、次式のように近似することができる。
Figure 2009298356
ここで、
m:車両質量
I:車両ヨー慣性モーメント
Lf:車両重心から前輪軸までの距離
Lr:車両重心から後輪軸までの距離
Cf:前輪コーナリングパワー係数
Cr:後輪コーナリングパワー係数
δv:転舵角速度
T:転舵トルク
である。
ここで、転舵角及び転舵トルクは右方向への転舵を正の方向とする。
上記(3)〜(9)式は、自車両SWの運動状態を記述する状態ベクトルとして、
Figure 2009298356
を定義する。なお、(10)式において、添え字のTは行列・ベクトルの転置を表す。
そして、転舵トルクTを制御入力、縦方向速度vxをパラメータとみなすと、以下の線形モデルとしてまとめることができる。
Figure 2009298356
この(11)式の連続時間系モデルを離散時間モデル(サンプリング周期をΔtとする)に変換すると、nを離散化ステップ数として、
Figure 2009298356
という形のモデルを得ることが出来る。ここでは、n=1が現時刻を表す。
以上のようにして導入したモデルを用いると、転舵トルク入力Tに対する車両運動の予測計算を行うことができる。現時刻において測定した状態ベクトルをx0=x(1)とすると、nステップ先の時刻における状態ベクトルの予測値は(12)式から、
Figure 2009298356
という式で算出することができる。
ここで、
Figure 2009298356
である。また、1nは、要素がすべて1となっている、n次の列ベクトルである。また、記法の簡略化のため、ステップ数iにおける入力T(i)をTiと表記している。
ここでは、現在からT秒先までの状態ベクトルを予測するものとして、n=1から、N=(T/Δt)まで、(13)式に従って状態ベクトルx(n+l)を計算する。計算した状態ベクトルの時系列は、転舵トルク入力Tを加えた場合の自車両SWの予測走行軌跡を表す。ただし、自車両SWの走行軌跡は、(1)式、(2)式で定義した走行可能領域Pの内部に留まっている必要がある。
また、転舵角δは車両操舵系の仕様によって最大転舵角δmaxが決まっており、予側転舵角の値がδmaxを超える走行軌跡は実現不可能である。すなわち、自車両SWの走行軌跡は、次式で定義する実現可能状態Qの内部に留まっていることも要求される。
Figure 2009298356
そして、状態ベクトルxが、PおよびQの内部に留まるという条件は、
Figure 2009298356
という行列c、ベクトルcmax(n)を定義すると、
Figure 2009298356
という条件式で表現することができる。
なお、走行可能領域Pは、(1)式において、yの制限値yminが縦方向の位置xに依存して変化するものとして定義している。しかし、縦方向速度vxが一定という条件のもとでは、(3)式から、xの値がステップ数nによって一意に決まる。このため、(15)式では、制限値yminをステップ数nに依存して変化する関数として扱っている。
そして、自車両走行軌跡がPおよびQの内部に留まるためには、(16)式が、n=1、2、…、Nの各ステップについて成立していなければならない。ここで、状態ベクトルxと操作入力の時系列UNとの間には、(13)式の関係が成立する。したがって、(16)式の条件を並べると、
Figure 2009298356
を得ることが出来る。そして、(17)式を操作入力UNに関する条件に書き換えると、
Figure 2009298356
という条件を得ることが出来る。この(18)式を満たす操作量UNの集合が、回避可能操作量集合となる。
すなわち、回避可能操作量集合Sは、
Figure 2009298356
という形式で算出することができる。
このように、ステップS400で具体的に実施する処理は、行列F、Gの算出である。
次に、ステップS500では、回避可能操作量集合Sが、次に運転者が入力する操舵操作量、すなわち転舵トルクT1によってどのように変化するかの予測を行う。
まず、標準的な回避操作パターン(標準解)の算出を行う。この処理は、回避可能操作量集合Sの次数を下げて、処理を簡単にするために行うためのものである。
ここでは、標準解として、回避可能操作量集合のうち極力小さな転舵トルクで回避できる回避操作量時系列を用いる方法を示す。ただし、後述する評価関数の設定によって様々な考え方に沿った標準解を構成することができる。
操作量UNに対する評価関数として、
Figure 2009298356
を導入する。
ここで、w1、w2、…、wNは重みパラメータである。回避可能操作量集合Sの中から(20)式の評価関数を最小とする操作量時系列を、基準回避操作量時系列とする。
次に、具体的な基準回避操作量時系列の算出方法を上記(20)式を例にとって説明する。
新たなN個の正の変数L1、L2、…、LNを導入し、(20)式における|Ti|、(i=1、2、…、N)を変数Liで置き換えた新たな評価関数L′を、次式のように導入する。
L′= w1・L1 +w2・L2 +…+wN・LN ・・・(21)
新たな変数Liと、|Ti|とは、以下のような拘束条件で関連付けてあるとする。
−Li ≦Ti≦ Li (i=1、2、…、N) ・・・(22)
また、変数Liは正と仮定して導入しているので、
i ≧ 0 (i=1、2、…、N) ・・・(23)
という拘束も課す必要がある。
ここで、拘束条件(19)式、(22)式、(23)式、及び評価関数(21)式で定義する問題は、線形計画問題となる。したがって、効率良く解くためのアルゴリズムが知られている。そして、その公知のアルゴリズムを用いて、解{T*i}を得ることができる。
ここで、標準解を使用して回避可能操作量集合を低次元化するために、所定時間経過した後は、標準解に沿った操舵操作が行われるものと仮定する。そして、それよりも手前側の時刻における操作量の集合に注目することにする。
すなわち、操作量UNについて、以下のように、確定部分と未確定部分とに分割する。ここで、確定部分とは、標準解に沿って操作する区間である。未確定部分とは、運転者の自由な操作を想定する区間である。
Figure 2009298356
ただし、Kは、未確定部分として残したステップ数である。UNの平均を(18)式に適用するために、(18)式の行列F、ベクトルG、及びUNを以下のように分割する。
Figure 2009298356
このうち、UN-Kの平均を、算出した基準解{T*i}で置き換えると、最初のKステップに対する回避可能操作量集合SKの平均が、以下のように定義できる。
Figure 2009298356
Kの平均は、最初のKステップで許容できる操作量の集合であると解釈することができる。ただし、(K+1)ステップ以降は、基準回避操作量時系列に沿って回避を行うことを前提とする。
ここで、UKの先頭値であるT1の値を確定させた場合に、集合SKの平均がどのように変化するのかを計算する。そのために、FNの平均、UKを、さらに以下のように分割する。
Figure 2009298356
ただし、
Figure 2009298356
である。
また、fiはFNの平均の第1列目の各成分である。fiの平均はFNの平均の第i行目の第2列から第K列までの各成分を並べた行ベクトルである。
ここで、
Figure 2009298356
である。したがって、T1の値を確定させた場合の回避可能操作量集合SK 2(T1)の中央値は、次の(32)式で表すことが出来る。
Figure 2009298356
ここで、図7に、K=2とした場合の集合S2の平均とS2 2(T1)の中央値の例を示す。K=2とした場合、回避可能操作量集合S2の平均は、T1とT2で構成する2次元平面上の多角形領域として表現することができる。これに対し、特定の入力を加えるということは、多角形領域をT1=(一定)という直線で切って、多角形の辺との交点を結ぶ線分上に集合を、低次元化することであると解釈することができる。
この線分が集合SK 2(T1)の中央値である。この集合は、加える入力によって異なる集合を形成する。これはT1としてどのような入力を加えるかによって、次に取ることのできる入力T2が変化することを示している。この集合の変化に基づいて、現在どのような入力を加えるべきかを評価することができる。
なお、K=3とした場合には、集合S3の平均は、T1、T2、T3で構成する3次元空間上の多面体領域を構成する。この場合には、S3 2(T1)の中央値は、T2、T3で構成する2次元平面上の多角形領域となる。集合の次数が変わってくるが、この後の処理は同じように進めることができる。
以上の処理によって、ステップS500によって、回避可能操作量集合SKの平均からSK 2(T1)の中央値を求める。
次に、ステップ600では、回避可能操作量集合SK 2(T1)の中央値(回避可能操作量集合の変化の予想値)から回避困難度を評価する処理を行う。
一般に、回避可能操作量集合が大きければ、それだけ回避操作に大きな自由度が残っている。この場合には、回避操作に要求される精度もあまり高くないので、回避操作は容易な状況であると解釈することができる。一方、回避可能操作量集合が小さければ、回避を実現するためには高精度の操作が要求されるので、回避操作が難しい状況であるという解釈が成り立つ。従って、回避集合の大きさを何らかの形で測定することにより、その値を回避困難度と関連付けた指標として用いることができる。
集合の大きさの測り方としては様々な方法がある。その一例を示す。
本実施形態で考えている集合は、K次元空間上の多面体領域として表現することができる。したがって、その体積を大きさとして定義することができる。そこで、集合SK 2の中央値の大きさ|SK 2の中央値|を、下記(33)式で定義する。
Figure 2009298356
そして、この値を回避困難度の指標として用いる。
すなわち、回避可能操作量集合SK 2の中央値は、T1に依存して変化する集合になっている。そこで、回避困難度Hを、T1についての関数として、以下の(34)式で定義する。
Figure 2009298356
例えば、図7の例では、S2 2の中央値は線分になる。したがって、
Figure 2009298356
などのように計算出来る。この図7に示す例では、H(TA)の方がH(TB)よりも値が大きく、T1としては、TBよりもTAを加えた方が回避が容易になることを意味している。
一般にH(T1)は、SK 2の中央値が多面体で表すことができるので、区分線形関数となる。例えば、K=2の場合のH(T1)の具体的な形状は、図8のようなものになる。実際の処理においては、区分線形関数全体を算出してもよいし、計算量低減のためいくつかのサンプル点についてのH(T1)の値を求め、サンプル点間で区分線形関数を構成することでH(T1)を近似することも考えられる。
なお、あるT1についてSK 2の中央値が空集合になった場合には、そのT1を入力すると回避が不可能になることを意味している。この場合、H(T1)=0と定義する。
以上のように、ステップS600にて、回避可能操作量集合SK 2(T1)の中央値から回避困難度H(T1)を算出する。
次に、ステップ700では、回避困難度の評価を行う。
ここで、回避困難度関数H(T1)の値がT1の値によらず所定の水準よりも大きい、すなわち回避操作の自由度が大きい場合には、上述した通り、回避操作に要求される精度が低い状況にあることを意味している。この場合には、回避支援は不要とみなすことができる。
従って、回避困難度関数H(T1)の最小値Hminを、下記(35)式で定義する。
Figure 2009298356
そして、(35)式で表す最小値Hminが、所定の閾値Hthrよりも大きい場合には回避支援は不要と判定して処理を終了して復帰する。一方、最小値HminがHthrよりも小さい場合には支援が必要と判定し、ステップ800に移行する。
次に、ステップ800では、回避困難度関数H(T1)と、現在操舵系に作用している転舵トルクの値から、転舵アシストトルクとして発生させるべきトルク指令値を算出する。そして、算出したトルク指令値を、モータコントローラ9に出力する。
ここで、回避困難度関数に基づいて現在の操作量を評価すると、H(T1)の値が最も大きくなる転舵トルクTmax 1が最も望ましい操作量ということになる。従って、現在の転舵トルクがTmax 1に等しい場合には、転舵アシストは不要ということになる。そこで、転舵アシストトルク指令値を△Tとして、
Figure 2009298356
とする。
一方、H(T1)の値が0になっている場合には、現在の転舵トルクでは回避が不可能になることが予測できる状況に該当する。この場合には、早急に転舵トルクを回避可能操作量集合内に戻すべく、最大の転舵アシストトルク指令値ΔTmaxを出力する。
転舵アシストトルクの方向は、回避可能操作量集合が現在の操作量よりも大きい側に存在しているときには正の方向に掛ける。また、回避可能操作量集合が現在の操作量よりも小さい側に存在しているときには負の方向に掛ける。これによって、操作量が回避可能操作量集合の中に入るような誘導を行う。それ以外の転舵トルク入力については、その回避困難度関数値に応じて−ΔTmax〜ΔTmaxまでの中間値を出力する関数を構成する。そして、構成した関数に基づいて指令値を決定する。転舵トルクアシスト指令値の構成例を図9に示す。
以上の処理を、ステップS800で実施して、回避困難度関数に基づいて転舵アシストトルク関数を構成し、現在の転舵トルクの値に対応する関数値を転舵アシストトルク指令値として算出する。
そして、算出した転舵アシストトルク指令値を、モータコントローラ9に出力する。これによって、指令した転舵アシストトルクを発生する電流指令値に変換して、転舵アシストモータ8を駆動することで、実際の転舵アシストトルクとして実現される。
なお、以上のようにして算出する転舵アシストトルク指令は、障害物回避のためのアシス卜である。したがって、通常の操舵操作をアシストするパワーステアリング機能と共存させることができる。すなわち、運転者の操舵トルクをTD、パワーステアリング機能によるアシストトルクをTPSとすると、通常時に操舵系に作用する転舵トルクTは、(37)式で表すことが出来る。
T = TD +TPS ・・・(37)
すなわち、パワーステアリング機能が作動状態の場合には、(37)式で算出した転舵アシストトルクを操作量とみなして、障害物回避のための転舵アシストトルク指令値を算出する。従って、転舵アシストモータ8が実際に出力する転舵アシストトルクは、TPS+ΔTとなる。
ここで、車速センサ2、操舵角センサ5、ヨーレートセンサ3、加速度センサ4およびカメラ1は、自車両状態検出手段を構成する。また、カメラ1は、障害物検出手段および道路境界検出手段も構成する。指令値算出処理部7F、モータコントローラ9、転舵アシストモータ8は、運転操作誘導手段を構成する。上記2輪モデルは、車両運動限界手段を構成する。(14)式は、操作限界推定手段を構成する。
(動作)
定期的に、次の処理を行う。
センサで取得した情報に基づき、自車両の走路領域と、障害物がある場合には障害物が占有する障害物領域を求める。そして、走路領域から障害物領域を除外した走行可能領域Pを求める。
更に、取り得る車両操作量の限界の推定値及び許容される車両運動状態の限界の推定値により制限を課して、所定時間後まで上記走行可能領域Pに留まることが可能な車両操作量の時系列を構成要素とする回避可能操作量集合を算出する。
更に、回避可能操作量集合が、入力する操作量である転舵トルクによって、どのように変化するかを予測して、回避困難度を評価、つまり回避困難度を推定する。
そして、回避困難度に基づき回避支援が必要と判定すると、回避困難度が小さくなる、つまり回避困難度関数H(T1)が大きくなるような、転舵アシストトルク指令値ΔTを算出する。そして、その転舵アシストトルク指令値ΔTを操舵系(操舵トルク伝達系)に付与する。これによって、運転者の操舵操作量が回避可能操作量集合の中に入るように、車両操作量の誘導を行う。即ち、自車両を、障害物を回避する方向に誘導する。
以上のような転舵アシストを行うことで、将来における回避操作の自由度が大きく保つことが出来るような操作に、運転者の転舵操作を誘導することができる。
将来予測に基づいて指令値を算出しているので、危険が顕在化した後の早い段階から運転者操作を支援することができる。一方、回避可能操作量集合に基づいて指令値を算出する構成となっているため、必要以上の操作介入を抑制することで違和感の低減を同時に実現することができる。
(本実施形態の効果)
(1)走行可能領域識別手段、回避可能操作量集合算出手段、回避可能操作量集合変化予測手段、回避困難度推定手段、及び運転操作誘導手段を備える。
すなわち、走行可能領域識別手段は、自車両が走行可能な道路上の領域を検出した上で、回避可能操作量集合算出手段は、所定時間先の将来にわたって走行可能領域に留まることが可能な車両操作量の時系列の集合を算出する。そして、この集合の操舵操作を行った場合の変化を回避可能操作量集合変化予測手段が予測し、回避困難度推定手段は、この予測を評価することにより回避操作の困難度を推定する。運転操作誘導手段は、回避可能操作量集合算出手段の算出結果を、回避操作の困難度と関連付けることで、自車両にとって有利な操作量を算出して車両操作の誘導を行っている。
すなわち、所定時間先の将来まで含む操作量時系列を基準とすることにより、障害物回避と車線復帰の優先度を、ある一定の時間区間の中で適切に考慮した操作量の中から誘導量を決定するという構成になっている。この結果、複数の制御目的のトレードオフを取った誘導制御指令値を正確に算出することができる。
また、単一の操作量ではなく制御目的に合致するすべての操作量時系列の集合をもとに誘導量を決定しているので、運転者に対して特定の回避操作を強制する誘導ではなく、運転者の操作を回避可能な操作量集合に留めるための誘導を行うことができるので、障害物回避と運転者に与える違和感の抑制を両立した支援を実現することができる。
(2)道路境界検出手段を備える。
すなわち、障害物に加えて道路境界を考慮して回避可能操作量集合の算出を行っている。この結果、障害物回避と路外逸脱防止を両立した回避支援を提供することができる。
(3)操作限界推定手段を備える。
これによって、運転者の車両操作量の限界を考慮して回避可能操作量集合を算出する構成となっている。これによって、運転者が実際には操作できない非現実的な回避方法を想定してしまうことを排除する。さらに、操作量限界を適切に推定することで運転者の技量に応じた回避支援の必要性の判定を行うことができる。
(4)車両運動限界推定手段を備える。
これによって、車両運動状態に限界を設定して回避可能操作量集合を算出する構成とする。これによって、車両の急激な運動による車両挙動予測の誤差が所定の水準以上に大きくなることを防止する。この結果、回避可能操作量集合の精度を保つことができる。
(5)回避可能操作量集合算出手段は、新たな情報を検出するたびに回避可能集合を更新する。これによって、障害物の挙動や車両の運動が当初の予測とは異なるものになった場合でも、新たな状況に迅速に対応した回避支援を提供することができる。
(6)運転操作誘導手段は、回避困難度が大きいほど誘導量を大きくする。これによって、正確な操作が要求される場面でより強い誘導制御が行われ、運転者の技量が不足している場合でも適切な回避操作を行いやすくすることができる。
(7)回避困難度が所定の水準よりも小さい場合に操作誘導を抑制する。これによって、支援が不要な場面で誘導が行われることによる、運転者に違和感を与えることを防止することができる。
(8)運転操作誘導手段は、ステアリングホイールから操舵輪までの操舵トルク伝達系に補助トルクを加える。
すなわち、操舵系のアシストトルクを加えることで回避支援を行っている。この結果、運転者に適切な操舵方向と操舵角を運転操作と直結したわかりやすい形で提示することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な構成などについては同一の符号を付して説明する。
図10は、本実施形態の車両用障害物回避支援装置を装備した自車両SWの装置構成の概念図である。
(構成)
本実施形態の基本的な車両構成は、図10に示すように、第1実施形態と同様である。ただし、クラッチ20を、ステアリング軸(操舵系)の途中に介装する。そして、クラッチ20を開放することで、ステアリングホイールによる操舵を機械的に切り離す。また、転舵角センサ21を備える。転舵角センサ21は、操舵トルク伝達経路に介装して、実際の転舵角を検出する。この場合には、モータコントローラ9は、転舵角センサ21の検出信号に基づき、モータ8をシステム側で制御することによって転舵角を運転者操舵とは独立に制御できる。モータコントローラ9は、回避支援コントローラ7からの指令に基づきモータ8を駆動制御する。
この第2実施形態では、回避可能操作量集合算出手段7Cの算出結果を用いて、ある所定の範囲内で運転者の操舵量を補正することで、効果的な回避を行う場合の例である。
次に、本実施形態の回避支援コントローラ7の処理を説明する。
ここで、第1実施形態と同様の図4の場面を想定する。ただし、本実施形態では障害物SMが移動するケースの取り扱いについても説明する。
ここで、第2実施形態における回避支援コントローラ7の処理は、図10に示すように、上記第1実施形態における回避支援コントローラ7の処理(図3参照)と、処理の流れ自体はほぼ同じである。また、第1実施形態と同様な処理ステップについては、同一のステップ番号を付する。
ステップS100及びS200では、センサからの信号によって道路境界情報や障害物情報などを取得して障害物を検出したか否かを判定する。この処理は、第1実施形態のステップS100及びS200と同一の処理を行う。ステップS200にて障害物を検出した場合には、ステップS250に移行する。一方、障害物を検出しない場合にはステップS900に移行する。
ステップS250では、クラッチ20に開放指令を出力してステップS300に移行する。これによって、転舵モータによって転舵角が制御できる状態に移行する。
ステップS300の処理は、第1実施形態と同様な処理となる。ただし、障害物が移動している場合には、回避可能領域を以下のように構成する。
すなわち、障害物の中心位置の検出値をxp=(x0 p、y0 p)とする。なお、ここでは、簡単のため、障害物はX軸と垂直方向(Y軸方向:車幅方向)に移動しているものとすると、移動速度はvp=(0、vy p)と表すことが出来る。この時、障害物が等速直線運動すると仮定すると、ステップ数iにおける障害物の中心位置は、以下のように移動すると予測することができる。
Figure 2009298356
ただし、Δtはステップの時間刻みを表している。従って、ステップ数iにおける走行可能領域Pは、以下のように定義できる。
Figure 2009298356
続いてステップ400の処理を行う。ステップS400の処理は、役割としては第1実施形態のステップ400と同一である。但し、システム構成の違いに合わせて車両モデルの構成を変更している。また、制約条件の表現式にも一部変更を加えている。すなわち、第1実施形態では(3)式〜(9)式の微分方程式で車両モデルを構成していた。これに対し、第2実施形態では(3)式〜(5)式はそのまま流用する一方、(6)式以降のモデルを以下の(42)式〜(44)式のように変更する。
Figure 2009298356
ただし、
θSW :ステアリングホイールの回転角
S :クラッチ20締結時のステアリングホイールから前輪舵角までのギア比
Δδ :前輪舵角の補正量
Δδcom :前輪舵角補正量の指令値
S :前輪舵角補正量に関する指令値から実舵角までの応答時定数
である。
また、車両モデルの変更に伴い、状態ベクトルの定義も以下のように変更する。
Figure 2009298356
状態方程式も、Δδcomを制御、vx、θSWを測定パラメータとみなして、以下のように変更する。
Figure 2009298356
ここで、第1実施形態と同様に(46)式を離散化した状態方程式の行列Ad、Dd、ベクトルbdを算出した上で、nステップ先の時刻における状態ベクトルの予測式を構成すると、次式のようになる。
Figure 2009298356
この第2実施形態では、システム側で前輪舵角を△δmax以上補正しない、という制約条件を課すことにする。
転舵角補正のダイナミクスを(44)式のように定常ゲイン1の1次遅れ系でモデル化しているので、補正指令値△δcomについて、|Δδcom|≦Δδmaxという制約を課しておけば、転舵角補正量△δがΔδmaxを超えることはない。
以上の制約条件は、
Figure 2009298356
と表現することができる。
また、第1実施形態と同様、自車両の走行軌跡が走行可能領域Pの内部に留まっているという条件は、
Figure 2009298356
と表現することができる。
(47)式、(48)式、及び(49)式を用いて第1実施形態と同様の式変形を行うと、最終的に(18)式と同様の操作量UNに関する線形不等式条件を導くことが出来る。ただし、行列F、Gの形態は同一ではない。そして、それが第2実施形態における回避可能操作量集合Sになる。
次に、ステップS500に移行する。このステップS500の処理も、役割としては第1実施形態のステップ500と同様である。ただし、操作量が転舵角から補正舵角指令値に変更になったことに伴う修正を行っている。
まず、基準解については評価関数として次の(50)式を用いて算出する。
Figure 2009298356
そして、第1実施形態と同様に線形計画問題に帰着することで、基準解{Δδ* com}を得ることが出来る。また、基準解を用いて回避可能操作量集合Sを低次元化して、SKの平均を得る処理も、第1実施形態と同様の手順で行うことができる。さらに、転舵角補正量Δδ1 comの値を確定させた場合の回避可能操作量集合SK 2(Δδ1 com)の中央値も同様にして算出することができる。
続いて、ステップ600で回避困難度算出の処理を行い、さらにステップS700で回避困難度評価のための分岐処理を行う。処理は、第1実施形態のステップ600及びS700と同じである。
ステップS700にて回避困難が大きいと判定するとステップ800に移行する。ステップS800では、まず回避困難度関数値が最も大きくなる補正転舵角指令値を算出する。
すなわち、
Figure 2009298356
となるΔδ1* comをステップ500で構成した回避困難度関数から算出する。
そして、ステアリングホイール回転角θSWを測定し、転舵角指令値δcomを、下記(52)式に従って算出する。
Figure 2009298356
その算出した転舵角指令値δcomを転舵角サーボコントローラに出力して処理を終了し、復帰する。
一方、ステップS200で障害物を検出しなかった場合にはステップ900に移行する。ステップS900では、クラッチ20が開放した状態であれば、クラッチ20締結指令を出力し通常の走行状態に戻した上で、復帰する。
ここで、ステップS300は、障害物挙動予測手段を構成する。
(動作)
本実施形態では、障害物を検出して回避支援が始まるとクラッチ20を開放状態として前輪舵角をシステム側で制御するモードに移行する。
このとき、前輪舵角指令値は運転者の操舵角で本来実現する角度を基準として、それに対して±△δmaxを限度とする補正を加えた転舵角に制御する。これによって、運転者の操作に沿った回避としつつ、所定の補正量の範囲内で最も余裕のある回避運動が実現するように、前輪舵角を補正することになる。この結果、運転者の違和感を抑えつつ、適切な回避操作の実行を支援することができる。
(本実施形態の効果)
(1)上記第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を有する。
(2)障害物挙動予測手段を備える。
障害物の移動経路を予測して回避可能操作量集合を算出する構成としている。これによって、移動障害物に対しても有効な回避可能操作量集合を算出することができる。
(3)ステアリングホイールから操舵輪までの操舵トルク伝達系の途中にクラッチを介装する。そして、運転操作誘導手段は、運転者の操舵による転舵角を補正する制御を行うことで運転操作を誘導し、且つ上記転舵角を補正する制御を行う間、クラッチを開放状態とする。
これによって、クラッチ20でステアリングホイールを操舵輪から切り離し、転舵角をシステム側で補正する。これによって、車両運動をより精密に制御した回避を実現し、誘導制御に対する運転者の反応特性のばらつきによらずに安定した回避挙動を実現することができる。
本発明に基づく第1実施形態に係る回避支援装置を装備した車両の模式的構成図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る回避支援コントローラの構成を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る回避支援コントローラの処理を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係る想定した装置の適用場面の一例を示す説明図である。 自車両および障害物の状態量の定義のための座標系設定の一例を示す図である。 図4の場面における走行可能領域の構成例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る回避可能操作量集合と、その変化の一例を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る回避困難度関数の構成の一例を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る転舵アシストトルク指令値の算出方法の一例を示す図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る回避支援装置を装備した車両の模式的構成図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る回避支援コントローラの構成を説明する図である。
符号の説明
1 カメラ
2 車速センサ
3 ヨーレートセンサ
4 加速度センサ
5 操舵角センサ
6 操舵トルクセンサ
7 回避支援コントローラ
7A センサ信号処理部
7B 走行可能領域算出手段
7C 回避可能操作量集合算出手段
7D 回避可能操作量集合変化予測手段
7E 回避困難度推定手段
7F 指令値算出処理部
8 転舵アシストモータ
9 モータコントローラ
20 クラッチ
SW 自車両
SM 障害物

Claims (11)

  1. 自車両の走行状態および操作状態からなる自車両状態を検出する自車両状態検出手段と、
    自車両周囲の障害物を検出する障害物検出手段と、
    自車両の走行路領域から、障害物検出手段が検出した障害物の占有する領域を除外した、自車両が走行可能な領域である走行可能領域を識別する走行可能領域識別手段と、
    自車両が所定時間後までにわたって上記走行可能領域に留まることが可能な車両操作量の時系列を構成要素とする集合である回避可能操作量集合を算出する回避可能操作量集合算出手段と、
    操舵操作を行った場合の回避可能操作量集合の変化を予測する回避可能操作量集合変化予測手段と、
    回避可能操作量集合変化予測手段が予測した回避可能操作量集合の変化を評価することで回避操作の困難度を推定する回避困難度推定手段と、
    回避困難度推定手段の推定に基づき、自車両への操作に介入して、回避の困難度が小さく保たれると予想される操作量に車両操作量を誘導する運転操作誘導手段と、
    を備えることを特徴とする車両用障害物回避支援装置。
  2. 自車両前方の道路境界を検出する道路境界検出手段を備え、
    上記回避可能操作量集合算出手段は、道路境界内に留まりながら障害物と接触することなく走行し得る回避可能操作量集合を算出することを特徴とする請求項1に記載した車両用障害物回避支援装置。
  3. 上記回避可能操作量集合算出手段は、
    取り得る車両操作量の限界を推定する操作限界推定手段を備え、推定された操作限界を満たす範囲内に回避可能操作量集合を構成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両用障害物回避支援装置。
  4. 上記回避可能操作量集合算出手段は、
    許容される車両運動状態の限界を推定する車両運動限界推定手段を備え、推定された車両運動限界を満たす範囲内に回避可能操作量集合を構成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両用障害物回避支援装置。
  5. 障害物の移動経路を予測する障害物挙動予測手段を備え、
    上記回避可能操作量集合算出手段は、予測された障害物移動経路に基づく障害物の占有領域の変動を考慮して回避可能操作量集合を算出することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した車両用障害物回避支援装置。
  6. 上記回避可能操作量集合算出手段は、
    新たな自車両状態または障害物情報を検出するごとに、最新の検出値に基づいて回避可能操作量集合を更新することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した車両用障害物回避支援装置。
  7. 運転操作誘導手段は、回避困難度が大きいほど、誘導量を大きくすることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した車両用障害物回避支援装置。
  8. 回避困難度が所定の水準よりも小さい場合には、操作誘導を行わないことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した車両用障害物回避支援装置。
  9. 運転操作誘導手段は、ステアリングホイールから操舵輪までの操舵トルク伝達系に補助トルクを加えることで、運転操作を誘導することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載した車両用障害物回避支援装置。
  10. ステアリングホイールから操舵輪までの操舵トルク伝達系の途中にクラッチを介装し、
    運転操作誘導手段は、
    運転者の操舵による転舵角を補正する制御を行うことで運転操作を誘導し、且つ上記転舵角を補正する制御を行う間、クラッチを開放状態とすることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載した車両用障害物回避支援装置。
  11. 自車両周囲の障害物を検出し、その検出した障害物の占有する領域を除く自車両の走行路領域を走行可能領域として求め、さらに自車両が所定時間後までにわたって上記走行可能領域に留まることが可能な車両操作量の時系列を構成要素とする集合である回避可能操作量集合を算出し、さらに、特定の操作を行った場合の回避可能操作量集合の変化を予測して回避操作の困難度を推定し、回避困難度が小さく保たれると予想される操作量に車両操作量を誘導することを特徴とする車両用障害物回避支援方法。
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