JP2009298174A - ハイブリッド駆動装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば、ハイブリッド車両における走行モードの切り換え動作を安定させると共に、ハンチングの発生を低減する。
【解決手段】固定変速モードが無段変速モードに対してエネルギー利用効率が高くなる条件範囲は、図中ハッチングで示した条件(A1)の範囲である。このような条件範囲A1は、上限値γlow及び下限値γhiだけでなく、車速(V1)及び(V2)によって車速(V)についても制限されている。車速(V1)は、例えば80km/hであり、車速(V2)は、例えば、160km/hである。このような車速(V1)及び(V2)は、動力循環が発生する境界を規定する速度である。条件範囲(A1)から外れた目標変速比(γref1)から条件範囲(γref2)に目標変速比(γref)が変更になった際に変速モードを無段変速モードから固定変速モードで切り換えることによって、安定したクラッチ機構の係合が可能になる。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば、本発明は、ハイブリッド車両の動力源である内燃機関及び電動機を有してなるハイブリッド駆動装置を制御するためのハイブリッド駆動装置の制御装置の技術分野に関する。
この種のハイブリッド駆動装置の一例として、複数組の差動機構からなる動力分配機構に、動力源、出力部材及びモータジェネレータとを連結し、当該動力分配機構のいずれかの回転要素の回転を選択的に阻止することにより動力源と出力部材との間の回転数比をオーバードライブ状態に固定するブレーキを備えた駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されたハイブリッド車の駆動装置によれば、当該回転数比が連続的に制御される状態において動力源及びモータジェネレータ並びに出力部材の間でのトルクの伝達に複数の差動機構が寄与しないようにハイブリッド駆動装置が構成されているため、装置全体としての動力の伝達効率を向上させると共に動力損失を抑制することが可能であるとされている。
このようなハイブリッド駆動装置によれば、エネルギーの利用効率を向上させる目的で、内燃機関及び駆動軸の夫々の回転数比を連続的に変化させることが可能な無段変速モードと、内燃機関及び駆動軸の夫々の回転数比が固定された固定比変速モードとを切り換えて、通常ハイブリッド車両を駆動する。無段変速モード及び固定比変速モードを相互に切り換え可能な変速機構は、従来の湿式多板クラッチではなく、ドグ歯を有する噛み合いクラッチ(ドグクラッチ)等の係合手段が利用されている。係合手段の係合及び非係合を相互に切り換えるタイミングは、ドライバのアクセル操作に基づくアクセル開度、車速、或いは駆動装置に要求される駆動力に応じて設定される。
尚、このようなハイブリッド駆動装置では、内燃機関を動力源とした場合、通常、オーバードライブ状態、即ち、固定変速モードが選択された状態において、内燃機関の機関回転速度が、ハイブリッド車両の走行状態に応じて一義的に決定される。
特開2004−345527号公報
しかしながら、例えば、アクセル開度、或いは、ドライバの操作に応じてハイブリッド駆動装置に要求される要求駆動力に基づいて車両に減速要求がなされた場合、駆動装置全体が消費するエネルギーを抑制するために即座にドグクラッチを解放(非係合)状態に切り換え、変速モードを固定変速モードから無段変速モードに切り替える必要が生じる。より具体的には、ドグクラッチを固定した直後にハイブリッド車両に急激な減速が生じると、即座にドグクラッチを解放(非係合)状態に切り換え、減速された走行状態でおいて固定変速モードより相対的にエネルギー利用効率を高めることが可能な無段変速モードに変速モードを切り換える必要が生じる。したがって、アクセル開度或いは要求駆動力に基づいて、最適な変速モードを選択した場合には、変速モードを切り換えるタイミングを規定する条件が適切な条件範囲に含まれていない場合もある。したがって、適切な条件に基づいて無段変速モードから固定変速モードに変速モードを切り換える切り換え動作の動作状態を安定させることが困難になる問題点がある。
加えて、例えば、ドライバがアクセルペダルを踏み込む踏み込み量に応じたアクセル開度に基づいて、変速モードを無段変速モードから固定変速モードに切り替えるタイミングを特定した場合、エンジン等の内燃機関の回転数、即ち内燃機関の回転速度と、駆動輪に駆動力を伝達する出力軸の回転速度との比である変速比に対応するギア比が、変速モードを無段変速モードから固定変速モードに切り換えることによってエネルギー損失を低減できるギア比(目標とすべきギア比、言い換えれば、目標とすべき変速比)から乖離している状態でドグクラッチが固定されると、ハンチングが生じる問題点もある。
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、走行モードの切り換え動作を安定させると共に、ハンチングの発生を低減可能なハイブリッド駆動装置の制御装置を提供することを課題とする。
本発明に係るハイブリッド駆動装置の制御装置は上記課題を解決するために、(i)内燃機関、(ii)第1電動機、(iii)相互に係合可能な第1係合要素及び第2の係合要素を有する係合手段、(iv)相互に差動回転可能に構成された、前記内燃機関の出力軸に連結される第1回転要素、前記第1電動機の出力軸に連結される第2回転要素、前記駆動輪に駆動力を伝達する駆動軸に連結される第3回転要素及び前記第1の係合要素に連結される第4回転要素を含む複数の回転要素を備えてなる動力分割手段、並びに、(v)出力軸が前記第3回転要素に連結された第2電動機を備え、前記駆動軸の出力回転速度、及び前記内燃機関の出力軸の回転速度である機関回転速度の比である変速比を連続的に変化させることが可能な無段変速モードと、前記変速比を所定値に固定する固定変速モードとを相互に切り換えてハイブリッド車両を駆動可能なハイブリッド駆動装置を制御するためのハイブリッド駆動装置の制御装置であって、(i)前記駆動輪に伝達されるべき要求駆動力と、(ii)前記内燃機関の最適燃費線とから、前記機関回転速度が目標にすべき目標機関回転速度を特定する第1特定手段と、前記目標機関回転速度及び前記出力回転速度の比である目標変速比を特定する第2特定手段と、前記目標回転変速比が所定の目標変速比の範囲に含まれると判定された場合に、前記係合手段が非係合状態から係合状態に切り換えられることによって、前記変速モードが前記無段変速モードから前記固定変速モードに切り換えられるように前記ハイブリッド駆動装置を制御する制御手段とを備える。
本発明に係るハイブリッド駆動装置は、例えば駆動輪に直接的に若しくは間接的に連結されてなる、例えばドライブシャフト若しくはアクスルシャフト等の形態を採り得る車軸、又は例えば当該車軸に対し例えばデファレンシャルギア装置(ギアシステム、ギア機構若しくはギアユニット等、呼称は多種多様であってよい)或いは各種減速装置(減速システム、減速機構及び減速ユニット等、呼称は多種多様であってよい)等を適宜介して連結され、当該車軸に連動して回転可能な回転軸等の形態を採り得る概念としての本発明に係る車両の駆動軸に対し、内燃機関、例えばモータ又はモータジェネレータ等の第1電動機及び第2電動機から出力される、例えばトルク等の形態を有する駆動力を適宜に伝達することが可能に構成された装置(システム、機構若しくはユニット等呼称は多種多様であってよい)である。
本発明に係るハイブリッド駆動装置において、これら複数の駆動力源相互間の駆動力配分は、少なくとも相互に差動回転可能に構成された第1乃至第4回転要素を備え、例えば、複合型プラネタリギア(呼称は、ギア装置、ギア機構、ギアシステム又はギアユニット等多種多様であってよい)等の形態を採り得る動力分割手段の構成、例えば物理的、機械的、機構的又は電気的な構成に応じて決定される。尚、「複合型プラネタリギア」とは、各々が回転要素として例えばサンギア、キャリア及びリングギアを備えた複数のプラネタリギアを含み、各プラネタリギアにおける任意の且つ一部の回転要素同士が直接的に又は間接的に連結される等して一体の(或いは一体として扱うことが可能な)回転要素をなす(即ち、複合型の)プラネタリギアを包括する概念をいう。
本発明に係るハイブリッド駆動装置は、相互に係合可能な第1及び第2係合要素を備え、或いは更に、これら係合要素の少なくとも一方を、これらを相互に係合させるべく駆動することが可能な各種の駆動装置、及びこれら係合要素の物理状態を検出する各種検出手段等を適宜に含み得る、例えばドグクラッチ等の噛合式のクラッチ、湿式多板方式等の各種油圧クラッチ若しくは油圧ブレーキ等を含む油圧制御式の係合装置、又は電磁クラッチ等の電磁制御式の摩擦係合装置、或いはバンドブレーキ等の機械的な摩擦係合装置等の形態を採り得る概念としての係合手段を備えている。第2係合要素は、例えば、物理的に、機械的に、機構的に又は電気的に、また直接的に若しくは間接的に固定された状態にあり、或いはこれらとは異なり、第1係合要素を保持、把持又は挟持することが(これらもまた、係合の概念の範疇である)可能に構成されており、単一の要素からなるにせよ複数の要素からなるにせよ、少なくとも第1係合要素と係合した状態において、第1係合要素の回転を阻止することが可能に構成されている。
ここで、本発明に係るハイブリッド駆動装置において、係合手段が、第1係合要素が第2係合要素から解放されている状態として規定される解放状態(即ち、係合要素同士が相互に離間している状態であり、第2係合要素の回転が少なくとも第1係合要素により阻止されない状態である)を採る場合、ハイブリッド車両の変速モードは、無段変速モードに設定されている。無段変速モードとは、第2回転要素(即ち、一義的に第1電動機)が反力要素となり、例えば、内燃機関の出力トルク(即ち、エンジントルク)の反力トルクを負担することによって、クランク軸等、内燃機関の出力軸と駆動軸との間の回転速度比(即ち、変速比)を、厳密に、実質的に或いは予め物理的、機械的、機構的又は電気的に規定される範囲内で連続的に(実践上連続的であるのと同等に段階的な態様を含む)変化させることが可能な変速モードをいう。
無段変速モードでは、内燃機関の出力軸に連結された第1回転要素及び第1係合要素に連結された第4回転要素の回転速度を制御可能な回転速度制御機構としての機能を備えてなる第1電動機の回転速度が制御されることによって、例えば内燃機関の動作点(機関回転速度(即ち、内燃機関の出力軸の回転速度)と出力トルクとにより規定される一の運転条件)は、理論的に、実質的に又は何らかの制約の範囲で自由に選択される。これにより、内燃機関の動作点は、例えば、内燃機関における燃料消費率を理論的に、実質的に又は何らかの制約の範囲で現実的に最小(単位燃料量当たりの走行距離といった意味では最大)とし得る最適燃費動作点等に制御される。
係合手段が、第1及び第2係合要素が相互に係合している係合状態を採る場合、上述したように第1係合要素(一義的に、動力分割手段の第4回転要素)の回転が阻止される。この場合、上述した変速比は、例えば機関回転速度が駆動軸の回転速度よりも低い旨に相当する所謂オーバードライブ変速比等を好適な一態様として採り得る一の値(固定変速比)に固定され、固定変速モードが実現される。この際、動力分割手段の入力部材として機能し得る内燃機関の出力軸に対し直接的に又は間接的に連結された、単一の又は複数の第1回転要素の回転速度は、例えば、物理的に又は実質的に回転速度がゼロ又はゼロとみなし得る第4回転要素と、直接的及び間接的の別を問わず車両の駆動軸に連結され、路面負荷と釣り合って回転する第3回転要素の回転速度とにより一義的に規定される。
変速モードとして固定変速モードが選択実行されている場合、動力分割手段における第4回転要素は、係合手段による例えば物理的、機械的、機構的、電気的又は磁気的な力によってその回転が阻止されるため、例えば、エンジントルクの反力トルクを負担する反力要素として機能し得る。この際、上述した無段変速モードが選択実行されている場合に、第2回転要素が(即ち、一義的に第1電動機が)当該反力要素として機能する(即ち、反力要素として機能することによって、第1電動機が言わば回転速度制御機構として機能する)ことに鑑みれば、固定変速モードにおいて第2回転要素に反力トルクの一部を分担させたとしても、無論ハイブリッド車両は走行可能である。
この際、第4回転要素が反力要素となることによって、第1電動機からの反力トルクに相当する駆動力の供給は不要となり、ハイブリッド駆動装置全体におけるエネルギ資源(好適には電力)の利用効率が向上し得る。よって、固定変速モードにおいては第4回転要素が反力要素となるため、本発明に係るハイブリッド駆動装置において変速モードの切り替えがなされる場合、第2回転要素(即ち、一義的に第1の電動機)と第4回転要素(即ち、一義的に第1の係合要素)との間で反力要素の切り替えを行う必要が生じる。
ここで、変速モードとして固定変速モードが選択されている状態では、内燃機関の機関回転速度は、駆動軸及び駆動輪間に何らかの物理的な、機械的な、機構的な又は電気的な変速装置又は減速装置が備わっていてもいなくても、少なくとも車速に応じて一義的に決定される。従って、理論的に言えば、この種のハイブリッド駆動装置を搭載するハイブリッド車両では、車速によっては、内燃機関の機関回転速度が、自立回転可能な回転速度としての自立回転速度未満に、或いは安定回転可能な回転速度としての安定回転速度(即ち、自立回転速度よりも高回転領域の値である)未満に低下する可能性が存在する。
より具体的には、例えばドライバが、例えば前方車両や前方の障害物との衝突を回避する等の目的から、或いは他の目的から、即ち理由の如何によらず、例えば平常時になされる制動操作と比較して幾らかなりその操作量又は操作速度等が大きい等といった意味での急激な制動操作を行うことがある。この際、車速は、当該操作量又は操作速度等に応じて相応に急激に低下する。従って、固定変速モードが選択されている状況においてこの種の急激な制動操作が生じた場合、仮に変速モードを無段変速モードから固定変速モードに切り替えたとして、その直後に固定変速モードから無段変速モードへの変速モードの切り替え要求が、過渡的、瞬時的又は急激に発生する可能性がある。
ところが、係合手段を解放(非係合)状態に制御するには、係合手段の物理的、機械的、機構的、電気的又は磁気的な構成に起因して必須なプロセスであるか否かは別として、上述したように反力要素の切り替えが必要となる。即ち、係合手段が、例えばドグクラッチ等、係合要素相互間にある程度の係合力が作用している状態(即ち、ある程度の反力要素として機能している状態)における係合要素の解放が困難(実質的には不可能に近い)である構成を有している場合、実践上顕在化し得る程度の不具合を伴うことなくハイブリッド車両を無段変速モードで走行させるためには、反力要素を第2回転要素に切り替え、第1電動機によって反力トルクを負担する必要がある。即ち、反力要素の切り替え以前に第1係合要素を第2係合要素から解放すると(無論、そのような動作が理論的に、実質的又は何らかの制約の範囲で現実的に可能であるとした場合)、一瞬であるにせよ反力要素が存在しなくなり、内燃機関は単に空転することになってハイブリッド駆動装置は駆動軸に対し何らの駆動力を出力することもできないのである。
従って、固定変速モードから無段変速モードへの切り替えに際しては、第1係合要素が第2係合要素から解放される以前に、機関回転速度が自立回転速度未満の低回転領域に到達する可能性が生じ得る。この場合、ノッキングの発生又は物理的な振動若しくは衝撃の発生等により或いは内燃機関が機関停止状態(即ち、所謂エンジンストール状態)に陥ること等により、車両の動力性能の低下或いは快適性能の低下が顕在化しかねない。言い換えれば、走行モードを固定変速モードから無段変速モードに切り替える切り換え動作の動作状態が不安定になる。
特に、この種の変速モードの切り替えの要否(実行の可否)を規定する変速条件が、例えば、固定変速モードが、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて内燃機関の機関回転速度が自立回転速度若しくは自立回転速度に一定若しくは不定のマージンを加算してなる機関回転速度又は安定な機関回転速度以上の回転領域に収まるように、アクセル開度、ハイブリッド駆動装置に要求される要求駆動力等の負荷条件に応じて決定されている場合、固定変速モードに変速モードが切り換えられた後、ハイブリッド車両が急制動されると、係合手段が即座に解放され、走行モードの切り替え動作が不安定になる。
そこで、本発明に係るハイブリッド駆動装置の制御装置では、以下の如くにして、ハイブリッド車両の走行モードを切り換える切り換え動作を安定させる。即ち、本発明に係るハイブリッド駆動装置の制御装置によれば、その動作時に、先ず、第1特定手段が、(i)前記駆動輪に伝達されるべき要求駆動力と、(ii)前記内燃機関の最適燃費線とから、前記機関回転速度が目標にすべき目標機関回転速度を特定する。第1特定手段は、例えば、後述する第2特定手段及び制御手段と共に、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステムを構成する。「要求駆動力」とは、アクセル開度等のドライバの操作に応じて、或いは走行環境に基づいて特定され、当該ハイブリッド駆動装置が駆動輪に出力すべき駆動力をいう。「最適燃費線」とは、ハイブリッド駆動装置の構成要素である内燃機関の最も良好な燃費を示す特性線をいう。このような特性線は、例えば、エンジンなどの内燃機関の機関回転数、及び内燃機関から出力される出力トルクで規定される2次元平面内で規定される。目標機関回転数とは、変速モードを無段変速モードから固定変速モードに切り替えることによって、内燃機関、第1電動機及び第2電動機を含んだ当該ハイブリッド駆動装置全体におけるエネルギー利用効率が高まるように設定可能な機関回速度をいう。
第2特定手段は、前記目標機関回転速度及び前記出力回転速度の比である目標変速比を特定する。このような目標変速比は、変速モードを固定変速モードに切り替えることによって、ハイブリッド駆動装置全体におけるエネルギー利用効率を高めることが可能な変速比であり、予め、理論的に、実験的に、或いはシミュレーション的に特定されていてもよいし、変速モードを切り替える毎に特定されてもよい。
制御手段は、前記目標回転変速比が所定の目標変速比の範囲に含まれると判定された場合に、前記係合手段が非係合状態から係合状態に切り換えられえることによって、前記変速モードが前記無段変速モードから前記固定変速モードに切り換えられるように前記ハイブリッド駆動装置を制御する。「所定の目標変速比の範囲」とは、その上限値及び下限値が、変速モードを無段変速モードから固定変速モードに切り替えることによってエネルギー利用効率を高めることが可能な利点を損なわない範囲で設定される目標変速比の範囲をいう。
したがって、本発明に係るハイブリッド駆動装置の制御装置によれば、アクセル開度又は内燃機関の負荷に応じて変速モードを切り換える場合に比べて、ハイブリッド車両の走行状態が急激に変化した場合、より具体的には、急減速した場合や、車両の加速に応じて無段変速モードより固定変速モードに変速モードを切り換えたほうがエネルギー利用効率を高めることが可能になる場合に、安定して変速モードを切り換えることが可能になる。これに伴い、変速モードを切り換えることによって得られるエネルギー利用効率の向上も実現可能になる。
本発明に係るハイブリッド駆動装置の制御装置の一の態様では、前記制御手段は、前記変速比が所定の変速比の範囲に含まれると判定された場合に、前記係合手段が前記非係合状態から前記係合状態に切り換えられるように、前記ハイブリッド駆動装置を制御してもよい。
この態様によれば、目標変速比が所定の目標変速比の範囲にあると判定されることによって係合手段が非係合状態から係合状態に切り換えられ、且つ変速モードが無段変速モードから固定変速モードに切り換えられる際に、変速比が目標変速比から離れた値であった場合には、第1係合要素及び第2係合要素の相対的な回転速度が零、或いは係合動作に支障が生じない程度の値から外れるため、ハンチングが発生する。そこで、この態様によれば、第1係合要素及び第2係合要素の夫々の回転速度が係合動作に支障が生じない程度まで近づいた、或いは相互に一致した場合に、第1係合要素及び第2係合要素を相互に係合、即ち固定する。
したがって、この態様によれば、第1係合要素及び第2係合要素の相対的な回転速度が零、或いは係合動作に支障が生じない程度の値から外れることを一因として発生するハンチングを低減でき、より一層安定した係合動作を実現できる。
本発明に係るハイブリッド駆動装置の制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記ハイブリッド車両の走行モードが動力循環モードから外れた際に、前記係合手段が前記係合状態から前記非係合状態に切り換えられるように、前記ハイブリッド駆動装置を制御してもよい。
この態様にでは、「動力循環モード」とは、係合手段が係合されていることに起因して、内燃機関に第1電動機から反力トルクを付与することを目的として第2電動機から第1電動機に電力が供給されるモードをいい、より具体的には、駆動軸に出力される駆動力のエネルギーが部分的に電気エネルギーとして第1電動機に循環されている状態をいう。
この態様によれば、前記ハイブリッド車両の走行モードが動力循環モードから外れた際に、前記係合手段が前記係合状態から前記非係合状態に切り換えられるように、前記ハイブリッド駆動装置が制御されるため、動力循環によるエネルギー損失が低減され、駆動装置全体のエネルギー利用効率を向上させることが可能である。より具体的には、例えば、固定変速モードでハイブリッド車両が駆動されている状態において、第1電動機から駆動力を駆動軸に出力し、加速度を高めることが可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、図面を参照して、本発明に係るハイブリッド駆動装置の制御装置の実施形態を説明する。
<1:ハイブリッド車両の構成>
先ず、図1を参照しながら、本発明に係るハイブリッド駆動装置の一実施形態を搭載したハイブリッド車両10の構成を説明する。図1は、本発明に係るハイブリッド駆動装置の一実施形態を搭載したハイブリッド車両10の構成の概念を示した概念図である。
図1において、ハイブリッド車両10は、ECU100、本発明の「内燃機関」の一例であるエンジン200、動力分割機構300、本発明の「第1電動機」の一例であるモータジェネレータMG1(以下、適宜「MG1」と略称する)、本発明の「第2電動機」の一例であるモータジェネレータMG2(以下、適宜「MG2」と略称する)、PCU(Power Control Unit)400、バッテリ500及び車速センサ12を備えている。エンジン200、動力分割機構300、モータジェネレータMG1、モータジェネレータMG2、PCU(Power Control Unit)400、及びバッテリ500は、後述するクラッチ機構350と共に、本発明の「ハイブリッド駆動装置」の一例を構成している。
ECU100は、本発明に係る「ハイブリッド駆動装置の制御装置」の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM等を備え、ハイブリッド車両10の動作全体を制御可能に構成された電子制御ユニットである。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する変速制御を実行する。
ECU100は、本発明の「第1特定手段」、「第2特定手段」、及び「制御手段」の夫々の一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行される。但し、本発明の「第1特定手段」、「第2特定手段」、及び「制御手段」の夫々の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
エンジン200は、ガソリンエンジンであり、ハイブリッド車両10の主たる動力源として機能するように構成されている。
車速センサ12は、ハイブリッド車両10の車速Vを検出することが可能に構成されたセンサである。車速センサ12は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vは、ECU100によって一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
アクセル開度センサ13は、ハイブリッド車両10に備わる不図示のアクセルペダルの操作量を検出可能に構成されたセンサである。アクセル開度センサ13は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたアクセル開度accは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
ブレーキペダルセンサ14は、ハイブリッド車両10に備わる不図示のブレーキペダルの操作量(即ち、一義的にブレーキ踏力)を検出可能に構成されたセンサである。ブレーキペダルセンサ14は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたブレーキペダル操作量brkは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される。
モータジェネレータMG2は、ハイブリッド車両10の駆動輪たる左前輪FL及び右前輪FRに夫々連結されるドライブシャフトSFL及びSFRと、デファレンシャル等各種減速ギア装置を含む減速機構11を介して連結されている。モータジェネレータMG2は、後述する駆動軸320に対し動力を供給することが可能となるように、その出力回転軸が駆動軸320に連結されている。
ここで、図2を参照しながら、エンジン200の詳細な構成を説明する。図2は、エンジン200の構成を模式的に示した模式図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。尚、本発明における「内燃機関」とは、例えば2サイクル又は4サイクルレシプロエンジン等を含み、少なくとも一の気筒を有し、当該気筒内部の燃焼室において、例えばガソリン、軽油或いはアルコール等の各種燃料を含む混合気が燃焼した際に発生する爆発力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等の動力伝達手段を適宜介して駆動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念である。したがって、内燃機関の構成は、エンジン200に限定されず各種の態様を採り得る。
尚、エンジン200は、紙面と垂直な方向に4本の気筒201が直列に配されてなる直列4気筒エンジンであるが、個々の気筒201の構成は相互に等しいため、図2においては一の気筒201についてのみ説明を行う。また、本発明に係る内燃機関における気筒数及び各気筒の配列形態は、上述した概念を満たす範囲でエンジン200のものに限定されず多様な態様を採り得、例えば、6気筒、8気筒或いは12気筒エンジンであってもよいし、V型、水平対向型等であってもよい。
図2において、エンジン200は、気筒201内において燃焼室に点火プラグ(符号省略)の一部が露出してなる点火装置202による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成されている。
クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転位置(即ち、クランク角)を検出するクランクポジションセンサ206が設置されている。クランクポジションセンサ206は、ECU100(不図示)と電気的に接続されており、ECU100では、このクランクポジションセンサ206から出力されるクランク角信号に基づいて、エンジン200の機関回転速度NEが算出される構成となっている。
エンジン200において、外部から吸入された空気は吸気管207を通過し、吸気ポート210を介して吸気バルブ211の開弁時に気筒201内部へ導かれる。一方、吸気ポート210には、インジェクタ212の燃料噴射弁が露出しており、吸気ポート210に対し燃料を噴射することが可能な構成となっている。インジェクタ212から噴射された燃料は、吸気バルブ211の開弁時期に前後して吸入空気と混合され、上述した混合気となる。
燃料は、図示せぬ燃料タンクに貯留されており、図示せぬフィードポンプの作用により、図示せぬデリバリパイプを介してインジェクタ212に供給される構成となっている。気筒201内部で燃焼した混合気は排気となり、吸気バルブ211の開閉に連動して開閉する排気バルブ213の開弁時に排気ポート214を介して排気管215に導かれる。
一方、吸気管207における、吸気ポート210の上流側には、図示せぬクリーナを経て導かれた吸入空気に係る吸入空気量を調節するスロットルバルブ208が配設されている。このスロットルバルブ208は、ECU100と電気的に接続されたスロットルバルブモータ209によってその駆動状態が制御される構成となっている。尚、ECU100は、基本的には不図示のアクセルペダルの開度(以下、適宜「アクセル開度」と称する)に応じたスロットル開度が得られるようにスロットルバルブモータ209を制御するが、スロットルバルブモータ209の動作制御を介してドライバの意思を介在させることなくスロットル開度を調整することも可能である。即ち、スロットルバルブ208は、一種の電子制御式スロットルバルブとして構成されている。
排気管215には、三元触媒216が設置されている。三元触媒216は、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能に構成された触媒装置である。尚、エンジン200には、三元触媒216に代えて或いは加えて、例えばNSR触媒(NOx吸蔵還元触媒)或いは酸化触媒の各種触媒が設置されていてもよい。
また、排気管215には、エンジン200の排気空燃比を検出することが可能に構成された空燃比センサ217が設置されている。更に、気筒201を収容するシリンダブロックに設置されたウォータージャケットには、エンジン200を冷却するために循環供給される冷却水(LLC)に係る冷却水温を検出するための水温センサ218が配設されている。これら空燃比センサ217及び温度センサ218は、夫々ECU100と電気的に接続されており、検出された空燃比及び冷却水温は、夫々ECU100により一定又は不定の検出周期で把握される構成となっている。
再び、図1において、モータジェネレータMG1は、エンジン200からトルクの供給を受けて回転することにより、バッテリ500を充電するための、或いはモータジェネレータMG2に電力を供給するための発電を主として行うことが可能に構成されている。モータジェネレータMG1は、ハイブリッド車両10の走行モードが無段変速モードに設定されている際に、その回転速度の制御を介してエンジン200の機関回転速度NEを連続的に変化させることが可能である。このような無段変速機能は、後述する動力分割機構300の差動作用に伴って生じる。尚、モータジェネレータMG1は、ハイブリッド車両10の走行状態によっては、電動機として機能することも可能に構成されている。
モータジェネレータMG2は、エンジン200の動力をアシストする電動機として、或いはバッテリ500を充電するための発電機として機能するように構成されている。より具体的には、モータジェネレータMG2は、駆動力或いは制動力を補助(アシスト)する装置であり、駆動力をアシストする場合には、電力が供給されて電動機として機能し、制動力をアシストする場合には、ハイブリッド車両10の駆動輪側から伝達されるトルクによって回転させられて電力を発生する発電機として機能するようになっている。
尚、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2は、例えば同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備えている。但し、他の形式のモータジェネレータであっても構わない。モータジェネレータMG2は、ハイブリッド車両10の駆動輪たる左前輪FL及び右前輪FRに夫々連結されるドライブシャフトSFL及びSFRと、デファレンシャル等各種減速ギア装置を含む減速機構11を介して連結される、後述する駆動軸320に対し動力を供給することが可能となるように、その出力回転軸が駆動軸320に連結された構成を有している。即ち、駆動軸320の回転速度は、モータジェネレータMG2の回転速度Nmg2と一義的な関係を有している。
PCU400は、バッテリ500から取り出した直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ500に供給することが可能に構成されたインバータ等を含み、バッテリ500と各モータジェネレータとの間の電力の入出力を個別に制御することが可能に構成された制御ユニットである。PCU400は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。
バッテリ500は、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を力行するための電力に係る電力供給源として機能することが可能に構成された充電可能な蓄電池である。
動力分割機構300は、例えば、複合型プラネタリギアユニットであり、エンジン200、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2と、駆動軸320との間の動力の入出力状態を物理的に制御できるように構成されている。
図3を参照しながら、動力分割機構300の詳細な構成を説明する。図3は、動力分割機構300の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図3において、動力分割機構300は、エンジン200の出力トルク(以下、適宜「エンジントルク」と称する)を、モータジェネレータMG1及び駆動軸320に分配できる機構であり、相互に差動作用を生じる複数の回転要素を備えている。より具体的には、動力分割機構300は、複数組の差動機構を備え、互いに差動作用を生じる三つの回転要素のうち第1回転要素に入力軸310が連結され、第2回転要素にモータジェネレータMG1の回転軸が連結され、さらに第3回転要素に駆動軸320が連結されている。入力軸310は、エンジン200のクランクシャフト205と連結されており、駆動軸320は既に述べたようにモータジェネレータMG2の回転軸及び後述するMG2変速部360に連結されている。即ち、動力分割機構300には、エンジン200、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2が夫々連結されている。
動力分割機構300は、差動機構として、シングルピニオンギア型の第1遊星歯車機構330及びダブルピニオン型の第2遊星歯車機構340を備えた、所謂ラビニヨ型遊星歯車機構の形態を採る。
第1遊星歯車機構330は、サンギア331、キャリア332及びリングギア333並びに軸線方向に自転し且つキャリア332の自転により公転するようにキャリア332に保持された、サンギア331及びリングギア333に噛合するピニオンギア334を備え、サンギア331にモータジェネレータMG1が、キャリア332に入力軸310が、またリングギア333に駆動軸320が夫々連結された構成を有している。
第2遊星歯車機構340は、サンギア341、キャリア342及びリングギア343並びに軸線方向に自転し且つキャリア342の自転により公転するように夫々キャリア342に保持された、サンギア341に噛合するピニオンギア345及びリングギア343に噛合するピニオンギア344を備え、サンギア341に後述するクラッチ機構350のクラッチ板351が、キャリア342に第1遊星歯車機構330におけるリングギア333が、またリングギア343に第1遊星歯車機構330におけるキャリア332が夫々連結された構成を有している。
動力分割機構300は、全体として第1遊星歯車機構330のサンギア331、第2遊星歯車機構340のサンギア341、相互に連結された第1遊星歯車機構330のキャリア332及び第2遊星歯車機構340のリングギア343並びに相互に連結された第1遊星歯車機構330のリングギア333及び第2遊星歯車機構340のキャリア342からなる合計4個の回転要素を備えており、夫々が本発明に係る「第2回転要素」、「第4回転要素」、「第1回転要素」及び「第3回転要素」の一例をなしている。
クラッチ機構350は、本発明に係る「係合手段」の一例たる回転同期係合式の係合装置である。クラッチ機構350は、クラッチ板351及びクラッチ板352を有するドグクラッチであり、各クラッチ板が、相互に噛合することにより係合する構成となっている。
クラッチ板351は、第2遊星歯車機構340のサンギア341に連結され、当該サンギア341と一対に回転可能に構成されてなる、本発明に係る「第1係合要素」の一例である。クラッチ板351においてクラッチ板352に対向する係合面には、物理的な凹凸部をなす複数のドグ歯が形成されている。
クラッチ板352は、動力分割機構300の筐体部に物理的に固定された、本発明に係る「第2係合要素」の一例である。クラッチ板352においてクラッチ板351に対向する係合面には、クラッチ板351のドグ歯と相互に噛合可能な、クラッチ板351のドグ歯と同様の複数のドグ歯が形成されている。クラッチ機構350の係合時には、クラッチ板351及び352の夫々に形成されたドグ歯が相互に噛合する構成となっている。この際、クラッチ板352が物理的に固定された状態にあるために、クラッチ板351及びクラッチ板351に連結されたサンギア341の回転は阻止され、これらもまた物理的に固定された状態となる。
尚、クラッチ機構350は、図示するクラッチ板351及び352の他に、クラッチ板351を駆動する駆動装置及びクラッチ板351の回転角度を検出するレゾルバ(いずれも不図示)を備えている。この駆動装置は、クラッチ板351を、その回転方向及びクラッチ板352の方向にストロークさせるための駆動力を付与することが可能に構成された駆動力付与手段である。駆動装置は、ECU100と電気的に接続され、その動作がECU100により上位に制御される構成となっている。レゾルバは、クラッチ板351の回転位相を検出することが可能に構成された角度センサである。レゾルバは、ECU100と電気的に接続され、検出されたクラッチ板351の回転位相(角度)は、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
動力分割機構300は、MG2変速部360を備えている。MG2変速部360は、モータジェネレータMG2の回転軸と駆動軸320との間の動力伝達経路に設置された、複数の摩擦係合装置及びそれら各々を駆動する油圧アクチュエータ等の駆動装置からなる変速装置である。MG2変速部360は、当該複数の摩擦係合装置各々の接触状態の組み合わせにより、モータジェネレータMG2の回転軸と駆動軸320との回転速度比を段階的に変化させることが可能に構成されている。MG2変速部360は、モータジェネレータMG2が最高回転速度を超えないように、また、モータジェネレータMG2が可及的に高効率な回転領域で回転するように、上述した駆動装置の制御を介してその変速比がECU100により適宜に制御される構成となっている。
このように、ハイブリッド車両10は、その駆動装置として、エンジン200、モータジェネレータMG1、モータジェネレータMG2、動力分割機構300、並びにクラッチ機構350を備えており、本発明に係る「ハイブリッド駆動装置」の一例を構成している。
動力分割機構300は、ハイブリッド車両10の変速装置として機能する。この際、動力分割機構300では、無段変速モードと固定変速モードの二種類の変速モードが選択的に実現される。
動力分割機構300が、クラッチ機構350による、対応する回転要素(ここでは、第2遊星歯車機構340のサンギア341)の固定を行っていない状態でエンジン200を駆動すると、エンジントルクが動力分割機構300によってモータジェネレータMG1と駆動軸320とに分配されて伝達される。これは、動力分割機構300の差動作用によるものであり、モータジェネレータMG1の回転速度を増減制御することにより、エンジン200の機関回転速度NEが無段階(連続的)に制御される。これが無段変速状態であり、この無段変速状態に対応する変速モードが、無段変速モードである。
無段変速モードでは、実質的に第1遊星歯車機構330のみが駆動軸320へのエンジントルクの伝達に寄与する。このような無段変速モードにおけるエンジン200の機関回転速度NEは、基本的には、エンジン200の動作点(機関回転速度と負荷(即ち、一義的にエンジントルク)との組み合わせとして規定される動作条件)が、エンジン200の燃費が最小となる最適燃費動作点となるように、該最適燃費動作点に対応する値を目標回転速度として制御される。
これに対して、クラッチ機構350によって動力分割機構300の一回転要素たるサンギア341を物理的に固定すると、動力分割機構300の変速比(即ち、エンジン200の機関回転速度NEと駆動軸320の回転速度Nout(以下、適宜「出力回転速度Nout」と称する)との比)は、一の変速比に固定され、固定変速モードが実現される。より具体的に言えば、遊星歯車機構では、サンギア、キャリア及びリングギアの三要素のうち、二要素の回転速度が決まれば残余の一要素の回転速度が必然的に決定される。第2遊星歯車機構340において、キャリア342の回転速度と一対一の関係にある出力回転速度Noutは、ハイブリッド車両10の車速により一義的に定まる性質のものであり、サンギア341が固定され回転速度がゼロとなれば、必然的に残余の一要素たるリングギア343の回転速度が決定される。ここで、リングギア343は、上述したように第1遊星歯車機構330のキャリア332と連結されており、またキャリア332はエンジン200のクランクシャフト205に連結された入力軸320に連結されている。従って、必然的にエンジン200の機関回転速度NEも、リングギア343の回転速度と一対一の関係となる。即ち、固定変速モードにおいて、エンジン200の機関回転速度NEは、車速Vに応じて一義的にその変化特性が決定されるのである。
このように、クラッチ機構350によってサンギア341が固定された状態では、動力分割機構300においてエンジントルクの反力トルクを受け持つ反力要素が、サンギア331(即ち、一義的にモータジェネレータMG1)からサンギア341(即ち、一義的にクラッチ機構350)に移行し、駆動軸320へのエンジントルクの伝達には実質的に第2遊星歯車機構340のみが寄与することになる。従って、モータジェネレータMG1を発電機及び電動機として機能させる必要がなく、モータジェネレータMG2で発電してモータジェネレータMG1に給電する、或いはバッテリ500からモータジェネレータMG1に給電する等の必要が生じない。言い換えれば、電力消費が生じない。即ち、固定変速モードにおいては、機械的エネルギと電気的エネルギとのエネルギ変換を繰り返すことによる動力損失、所謂動力循環が生じることはなく、燃費の悪化を防止もしくは抑制することが可能となる。
ここで、図4を参照し、無段変速モード及び固定変速モードについて更に説明する。ここに、図4は、各々の変速モードに対応する動力分割機構300の共線図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図4において、左から順にMG1(即ち、一義的にサンギア331)、クラッチ機構350(即ち、一義的にサンギア341)、エンジン200(即ち、一義的にキャリア332及びリングギア343)及び駆動軸320(即ち、一義的にキャリア333及びリングギア342)が表され、夫々における回転速度が縦軸に表されている。尚、MG2変速部360は、一の変速比に固定されているものとする。
無段変速モードに対応する各々の回転速度を例示する特性線が、図示PRF_CVTn(n=1,2,3)(鎖線参照)として表される。無段変速モードでは、モータジェネレータMG1の回転速度を増減変化させることにより、エンジン200の機関回転速度NEを連続的に制御することが可能である。例えば、出力回転速度Nout(即ち、ドライブシャフトの回転速度と一義的であり、即ち、車速と一義的である)が、図示白丸m1である場合に、例えばMG1の回転速度Nmg1を図示白丸m2、m3及びm4と順次変化させた場合には、機関回転速度NEは、夫々図示白丸m5、m6及びm7と順次変化し、夫々出力回転速度Noutよりも高い値、等しい値及び低い値に順次変化する。
ここで、図示PRFCVT3に例示する特性は、機関回転速度NEが出力回転速度Noutよりも低い、所謂オーバードライブ状態に相当するが、無段変速モードにおいて、このオーバードライブ状態を実現する場合、モータジェネレータMG1は、負回転領域においてエンジントルクの反力トルク(負側のトルク)を出力することとなり、その駆動状態は力行状態となる。一方、モータジェネレータMG2では、この力行状態にあるMG1に電力を供給すべく(或いは、MG1が力行されることによって駆動軸320に出力される駆動力を吸収すべく)正回転領域で負側のトルクが出力され、発電が行われる。その結果、無段変速モードでオーバードライブ状態を実現しようとした場合には、場合により(特に、高回転軽負荷領域において)、動力循環によるエネルギー損失が回避され難い。このように、動力循環によってエネルギー損失が生じる状態でハイブリッド車両10が走行する走行モードが、本発明の「動力循環モード」の一例に相当する。
一方、クラッチ機構350のクラッチ板351及び352が相互に係合した状態では、クラッチ機構350の回転速度はゼロとなり(図示白丸m8参照)、動力分割機構300における回転速度の特性は、図示PRF_OD(実線参照)により例示される状態となる。即ち、エンジン200の機関回転速度NEは、出力回転速度Noutよりも低い値に固
定される(図示白丸m9参照)。即ち、動力分割機構300の変速比は、オーバードライブ変速比に固定され、オーバードライブ状態が実現される。この状態では、サンギア341に対してクラッチ機構350から反力トルクを与えることになり、サンギア341が反力要素として機能するため、モータジェネレータMG1を発電機及び電動機のいずれとしても機能させる必要がなく、モータジェネレータMG1は実質的に空転状態となる。そのため、モータジェネレータMG2からモータジェネレータMG1に電力を供給する必要もなくなり、動力循環を回避することができる。
ハイブリッド車両10の変速モードは、ECU100の制御下において、通常、これら二種類の変速モードのうち、その時点のハイブリッド車両10に要求される要求駆動力、或いはアクセル開度等の動作条件或いはハイブリッド車両10の実際の動作条件等に応じて、より良好な燃費を与える(即ち、効率の高い)変速モードに決定される。例えば、エンジン200の動作点が最適燃費線上で設定され難い、高速定常走行時等の高速軽負荷走行時等において、固定変速モードによるオーバードライブ走行が実現される。
しかしながら、例えば、アクセル開度、或いは、ドライバの操作に応じてハイブリッド駆動装置に要求される要求駆動力に基づいて車両に減速要求がなされた場合、駆動装置全体が消費するエネルギーを抑制するために即座にドグクラッチを解放(非係合)状態に切り換え、変速モードを固定変速モードから無段変速モードに切り替える必要が生じる。より具体的には、ドグクラッチを固定した直後にハイブリッド車両に急激な減速が生じると、即座にドグクラッチを解放(非係合)状態に切り換え、減速された走行状態でおいて固定変速モードより相対的にエネルギー利用効率を高めることが可能な無段変速モードに変速モードを切り換える必要が生じる。したがって、アクセル開度或いは要求駆動力に基づいて、最適な変速モードを選択した場合には、変速モードを切り換えるタイミングを規定する条件が適切な条件範囲に含まれていない場合もある。したがって、適切な条件に基づいて無段変速モードから固定変速モードに変速モードを切り換える切り換え動作の動作状態を安定させることが困難になる問題点がある。
加えて、例えば、アクセル開度或いは要求駆動力に基づいて、変速モードを無段変速モードから固定変速モードに切り替えるタイミングを特定した場合、エンジン等の内燃機関の回転数、即ち内燃機関の回転速度と、駆動輪に駆動力を伝達する出力軸の回転速度との比である変速比に対応するギア比が、目標とすべきギア比から乖離している状態でドグクラッチが固定されると、ハンチングが生じる問題点もある。
後述するように、本発明に係るハイブリッド駆動装置の制御装置の一実施形態であるECU100によるクラッチ機構350等の制御によれば、この種の問題の発生を抑制しつつ、エネルギー利用効率が高まるように安定した変速モードの切り替えが可能になる。
<2:ハイブリッド駆動装置の制御方法>
次に、図5乃至図8を参照しながら、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置の制御装置によって実行される制御方法を説明しつつ、ECU100の動作を詳細に説明する。図5は、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置の制御装置によって実行される制御方法の主要な処理ルーチンを順に示したフローチャートである。図6は、車速V及び目標変速比γrefで規定された2次元平面内において目標変速比の範囲を概念的に示した概念図である。図7は、車速V及び目標変速比γで規定された2次元平面内において所定の変速比の範囲を概念的に示した概念図である。図8は、無段変速モードから固定変速モードに変速モードを切り替える前後における係合要素の回転速度が示された共線図である。
図5に示すように、ECU100は、ハイブリッド車両10の走行時において、アクセル開度センサ13が検出したアクセル開度acc及び車速Vに基づいて、駆動輪FL及びFRに伝達されるべき要求駆動力Perを算出する(ステップS10)。次に、ECU100は、要求駆動力Perが算出された時点のエンジン200の回転数、即ち機関回転速度NEと、その時点における駆動軸320の回転速度である出力回転速度NOとの比(NE/NO)で規定される変速比γ、即ち、その時点における変速比γを算出する(ステップS20)。
次に、ECU100は、要求駆動力Perに基づいて目標機関回転速度Nerを算出すると共に、目標変速比γref(Ner/NO)を算出する(ステップS30)。この際、ECU100は、予めメモリ等に記憶されていたエンジン200の最適燃費線と、要求駆動力Perとに基づいて、機関回転速度NEが目標にすべき目標機関回転速度Nerを特定する。
次に、ECU100は、クラッチ板351及び352を係合する目標変速比γの上限値γhi及び下限値γlowを算出する(ステップS40)。上限値γlow及び下限値γhiの夫々は、本発明に係る「所定の目標変速比の範囲」の一例を規定する値である。これら上限値γlow及び下限値γhiの夫々は、変速モードを無段変速モードから固定変速モードに切り替えることによってエネルギー利用効率を高めることが可能な利点を損なわない範囲で設定される。尚、上限値γlow及び下限値γhiの夫々の添字low及びhiの夫々は、hiギア及びlowギアを意味している。
次に、ECU100は、目標変速比γrefが、上限値γlow及び下限値γhi間に含まれている否かを判定する(ステップS50)。目標変速比γrefが、クラッチ板351及び352の相対的な回転速度がゼロ、或いは係合可能な程度に小さい値になる目標変速比γref0に対して上側及び下側の夫々の側の値である上限値γlow及び下限値γhi間に含まれていないと判定された場合(No)、ECU100は、クラッチ板351及び352を非係合状態に維持するようにクラッチ機構350を制御し(ステップ80)、ハイブリッド車両10の変速モードは無段変速モードに維持される。
ここで、図6を参照しながら、無段変速モードから固定変速モードに変速モードが切り換えられる際の条件を詳細に説明する。
図6に示すように、固定変速モードが無段変速モードに対してエネルギー利用効率が高くなる条件範囲は、図中ハッチングで示した条件A1の範囲である。このような条件範囲A1は、上限値γlow及び下限値γhiだけでなく、車速V1及びV2によって車速Vについても制限されている。車速V1は、例えば80km/hであり、車速V2は、例えば、160km/hである。このような車速V1及びV2は、上述の動力循環が発生する境界を規定する速度であり、モータジェネレータMG1及びMG2、動力分割機構300、並びにエンジン200等の各種設計に応じて特定される。
尚、本実施形態によれば、条件範囲A1から外れた目標変速比γref1から条件範囲γref2に目標変速比γrefが変更になった際に変速モードを無段変速モードから固定変速モードで切り換えることによって、後述するその時点における変速比γに関する判定を実行することなく、安定したクラッチ機構350の係合が可能になる。
したがって、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置の制御装置によれば、アクセル開度acc又はエンジン200の負荷に応じて変速モードを切り換える場合に比べて、ハイブリッド車両10の走行状態が急激に変化した場合、より具体的には、急減速した場合や、車両の加速に応じて無段変速モードより固定変速モードに変速モードを切り換えたほうがエネルギー利用効率を高めることが可能になる場合に、安定して変速モードを切り換えることが可能になる。これに伴い、変速モードを切り換えることによって得られるエネルギー利用効率の向上も実現可能になる。
再び、図5において、目標変速比γrefが、上限値γlow及び下限値γhi間に含まれていると判定された場合(Yes)、ECU100は、その時点における変速比γが、上限値γlow及び下限値γhi間に含まれているか否かを判定する(ステップS60)。その時点における変速比γが、上限値γlow及び下限値γhi間に含まれていないと判定された場合(No)、ECU100は、クラッチ板351及び352を非係合状態に維持するようにクラッチ機構350を制御し(ステップ80)、変速モードは無段変速モードに維持される。その時点における変速比γが、上限値γlow及び下限値γhi間に含まれていると判定された場合(Yes)には、ECU100は、クラッチ板351がクラッチ板352に係合されるように、前記ハイブリッド駆動装置、より具体的には、クラッチ機構350を制御する(ステップS70)。
ここで、図7及び図8を参照しながら、その時点における変速比γを判定することによって、無段変速モードから固定変速モードに変速モードが切り換えられる際の条件を詳細に説明する。
図7に示すように、固定変速モードが無段変速モードに対してエネルギー利用効率が高くなる条件範囲は、図中ハッチングで示した条件A2の範囲である。このような条件範囲A2は、条件A1と同様に上限値γlow及び下限値γhiだけでなく、車速V1及びV2によって車速Vについても制限されている。ステップS60では、その時点における変速比γが、条件A2から外れた変速比γ1から条件A2に含まれる変速比γ2に変更された際に、言い換えれば、変速比γが、クラッチ板351及び352の相対的な回転速度がゼロに近い値になった場合における目標変速比γref0により近くなった際に、クラッチ板351及び352が相互に係合され、変速モードを無段変速モードから固定変速モードに切り換える。
このようにしてクラッチ板351及び352の係合タイミングが特定されることによって、ハンチングの発生を低減できる。より具体的には、仮に、その時点における変速比γが、目標変速比γref0から離された値である変速比γ1であった場合、クラッチ板351及び352の相対的な回転速度が零、或いは係合動作に支障が生じない程度の値から外れるため、ハンチングが発生するからである。
より詳細には、図8に示すように、クラッチ機構350の回転速度m10に比べて回転速度m8から離れた回転速度m11からクラッチ板351をクラッチ板352に係合させる場合に比べて、回転速度m10から回転速度m8に向かってクラッチ機構350を係合状態に切り換えるほうが、クラッチ板351及び352の係合(固定)を確実、且つスムーズに実行可能であるからである。
したがって、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置の制御装置によれば、クラッチ板351及び352の夫々の回転速度が係合動作に支障が生じない程度まで近づいた、或いは相互に一致した場合に、これらクラッチ板を係合、即ち固定させるため、クラッチ板351及び352の相対的な回転速度の大きさを一因とする噛み合わせずれ等の発生によるハンチングを低減でき、より一層安定した係合動作を実現できる。
尚、ECU100は、ハイブリッド車両10の走行モードが動力循環モードから外れた際に、クラッチ機構350が係合状態から非係合状態、即ち固定状態から解放状態に切り換えられるように、ハイブリッド駆動装置を制御することも可能である。このような制御によれば、無段変速モードによってエネルギー損失が低減する効果が得られる利点を享受しつつ、駆動装置全体のエネルギー利用効率を向上させることが可能である。より具体的には、例えば、固定変速モードでハイブリッド車両10が駆動されている状態において、車速Vが車速V2(図6及び図7参照)以上に変更された際に、モータジェネレータMG1から駆動力を駆動軸320に出力し、エネルギー利用効率を高めつつ、ハイブリッド車両10の加速度を高めることが可能である。
本発明の実施形態に係るハイブリッド駆動装置を搭載したハイブリッド車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1に示したハイブリッド車両におけるエンジンの模式図である。 図1に示したハイブリッド車両における動力分割機構の構成を概念的に示したスケルトン図である。 図3に示した動力分割機構において実現される各々の変速モードに対応する共線図である。 本発明の実施形態であるハイブリッド駆動装置の制御装置に一例であるECUにより実行されるハイブリッド駆動装置の制御方法のフローチャートである。 車速V及び目標変速比γrefで規定された2次元平面内において目標変速比の範囲を概念的に示した概念図である。 車速V及び目標変速比γで規定された2次元平面内において所定の変速比の範囲を概念的に示した概念図である。 無段変速モードから固定変速モードに変速モードを切り替える前後における係合要素の回転速度が示された共線図である。
符号の説明
10・・・ハイブリッド車両、100・・・ECU、200・・・エンジン、300・・・動力分割機構、350・・・クラッチ機構、400・・・PCU、500・・・バッテリ500、MG1,MG2・・・モータジェネレータ

Claims (3)

  1. (i)内燃機関、(ii)第1電動機、(iii)相互に係合可能な第1係合要素及び第2の係合要素を有する係合手段、(iv)相互に差動回転可能に構成された、前記内燃機関の出力軸に連結される第1回転要素、前記第1電動機の出力軸に連結される第2回転要素、前記駆動輪に駆動力を伝達する駆動軸に連結される第3回転要素及び前記第1係合要素に連結される第4回転要素を含む複数の回転要素を備えてなる動力分割手段、並びに、(v)出力軸が前記第3回転要素に連結された第2電動機を備え、前記駆動軸の出力回転速度、及び前記内燃機関の出力軸の回転速度である機関回転速度の比である変速比を連続的に変化させることが可能な無段変速モードと、前記変速比を所定値に固定する固定変速モードとを相互に切り換えてハイブリッド車両を駆動可能なハイブリッド駆動装置を制御するためのハイブリッド駆動装置の制御装置であって、
    (i)前記駆動輪に伝達されるべき要求駆動力と、(ii)前記内燃機関の最適燃費線とから、前記機関回転速度が目標にすべき目標機関回転速度を特定する第1特定手段と、
    前記目標機関回転速度及び前記出力回転速度の比である目標変速比を特定する第2特定手段と、
    前記目標回転変速比が所定の目標変速比の範囲に含まれると判定された場合に、前記係合手段が非係合状態から係合状態に切り換えられることによって、前記変速モードが前記無段変速モードから前記固定変速モードに切り換えられるように前記ハイブリッド駆動装置を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とするハイブリッド駆動装置の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記変速比が所定の変速比の範囲に含まれると判定された場合に、前記係合手段が前記非係合状態から前記係合状態に切り換えられるように、前記ハイブリッド駆動装置を制御すること
    を特徴とする請求項1に記載のハイブリッド駆動装置の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記ハイブリッド車両の走行モードが動力循環モードから外れた際に、前記係合手段が前記係合状態から前記非係合状態に切り換えられるように、前記ハイブリッド駆動装置を制御すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド駆動装置の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013095205A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Daihatsu Motor Co Ltd クラッチタイミング制御装置

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