JP2009298092A - 空気入りタイヤの製造方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加硫時におけるグリーンタイヤ12の物性変化および圧力分布、温度分布の不均一に基づくベアの発生を効果的に抑制する。
【解決手段】コア本体41における流体通路46の開口をフィルム体48により覆うとともに、加硫時にこれらの間にスチームを供給して膨出したフィルム体48によりグリーンタイヤ12を加硫金型53に押し付けるようにしたので、グリーンタイヤ12とスチームとの接触が阻止され、しかも、均一化された圧力分布、温度分布下でグリーンタイヤ12を型付けしながら加硫することができる。
【選択図】図4

Description

この発明は、剛体コアの外側にグリーンタイヤを成形した後、該グリーンタイヤを加硫して空気入りタイヤとする空気入りタイヤの製造方法および装置に関する。
従来の空気入りタイヤの製造方法および装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
特表2006−506254号公報
このものは、外表面に開口する一次作動流体、例えばスチームの一次通路が内部に形成された剛体コアの外側にトロイダル状のグリーンタイヤを成形した後、加硫金型内に剛体コアと共にグリーンタイヤを収納することで、該加硫金型と剛体コアとの間にグリーンタイヤの体積より容積が大である加硫空間を形成する。
その後、高温の一次作動流体を一次通路に供給して剛体コアを内部から加熱する一方、加硫金型内に形成された二次通路を通じて一次作動流体より高圧で加硫温度未満の二次作動流体を加硫金型とグリーンタイヤとの間に供給することで、グリーンタイヤの膨出を阻止しつつ、グリーンタイヤの内面を半加硫状態とし、次に、二次作動流体の供給を停止した状態で高温、高圧の一次作動流体を一次通路から剛体コアとグリーンタイヤとの間に供給することにより、グリーンタイヤを膨出させて加硫金型の内面に押し付けながら加硫するようにしたものである。
しかしながら、このような従来の空気入りタイヤの製造方法・装置にあっては、グリーンタイヤの加硫時に一次作動流体(スチーム)が該グリーンタイヤの内面に直接接触するため、一次作動流体に接触した部位における物性が変化し、この結果、所望の性能、品質を有する空気入りタイヤを製造することができなくなってしまうという課題があった。
また、前記剛体コアに形成された一次通路の開口(孔、スリット等)は、グリーンタイヤの成形時に未加硫ゴムが一次通路内に侵入するのを防止するために、その直径、幅をかなり小さなものとせざるを得ず、この結果、一次作動流体のグリーンタイヤと剛体コアとの間への流入に時間が掛かって、トレッド端部の膨出タイミングがトレッド中央部の膨出タイミングよりある程度遅れ、これにより、加硫初期におけるグリーンタイヤの加熱温度、押付け圧力が不均一となり、この結果、加硫の進行が場所により異なって空気入りタイヤの外表面に凹み等のベアが発生することがあるという課題もあった。
この発明は、加硫時におけるグリーンタイヤの物性変化および圧力分布、温度分布の不均一に基づくベアの発生を効果的に抑制することができる空気入りタイヤの製造方法および装置を提供することを目的とする。
このような目的は、第1に、外表面に開口する流体通路が内部に形成されたコア本体、および、コア本体に外縁部が密封係止されることで、流体通路の開口を外側から覆う伸縮可能なフィルム体からなる剛体コアの外側にトロイダル状のグリーンタイヤを成形する工程と、加硫金型内に剛体コアと共にグリーンタイヤを収納することで、該加硫金型と剛体コアとの間にグリーンタイヤの体積より容積が大である加硫空間を形成する工程と、剛体コアを内部から加熱することで、グリーンタイヤの内面を半加硫状態とする工程と、流体通路を通じてコア本体とフィルム体との間に圧力流体を供給することで膨出したフィルム体により、グリーンタイヤを加硫金型の内面に押し付けながら、グリーンタイヤを剛体コアおよび加硫金型により加硫する工程とを備えた空気入りタイヤの製造方法により、達成することができる。
第2に、外表面に開口する流体通路が内部に形成されたコア本体、および、コア本体に外縁部が密封係止されることで、流体通路の開口を外側から覆う伸縮可能なフィルム体からなり、外側にトロイダル状のグリーンタイヤが成形される剛体コアと、内部に剛体コアと共にグリーンタイヤが収納されたとき、剛体コアとの間にグリーンタイヤの体積より容積が大である加硫空間を形成する加硫金型と、剛体コアを内部から加熱することで、グリーンタイヤの内面を半加硫状態とすることができる加熱手段と、流体通路を通じてコア本体とフィルム体との間に圧力流体を供給することでフィルム体を膨出させる供給手段とを備え、膨出したフィルム体よりグリーンタイヤを加硫金型の内面に押し付けながら、グリーンタイヤを剛体コアおよび加硫金型により加硫するようにした空気入りタイヤの製造装置により、達成することができる。
この発明においては、伸縮可能なフィルム体の外縁部をコア本体に密封係止することで、コア本体の外表面における流体通路の開口をフィルム体により外側から覆うようにしたので、流体通路を通じて供給される圧力流体、例えばスチームがグリーンタイヤの内面に直接接触することはなく、この結果、グリーンタイヤの内面に生じる物性変化は効果的に抑制され、所望の性能、品質を有する空気入りタイヤを容易に製造することができる。
また、コア本体における流体通路の開口をフィルム体により覆っているので、グリーンタイヤの成形時に未加硫ゴムが開口から流体通路内に侵入することはなく、該開口(孔、スリット等)の直径、幅を大きくとることができる。この結果、流体通路からフィルム体とコア本体との間に圧力流体を短時間で大量に供給して、膨出したフィルム体によって均一化された圧力分布、温度分布下でグリーンタイヤを加硫金型に押し付けることができ、これにより、加硫初期における加硫の進行が均一化し空気入りタイヤの外表面における凹み等のベアの発生を効果的に抑制することができる。
また、請求項2に記載のように構成すれば、グリーンタイヤの内面を半加硫状態とするとき、グリーンタイヤの膨出を阻止してその内面を確実に剛体コアに接触させ続けることができる。さらに、グリーンタイヤのトレッド部は外表面に主溝、ラグ溝等の深くて幅広である溝が形成されるため、加硫時に最も大きく拡張する必要があるが、請求項4に記載のように構成すれば、グリーンタイヤのトレッド部を膨出したフィルム体により加硫金型の内面に押し付けて該部位の型付けを確実に行うことができる。
また、請求項5に記載のように構成すれば、製作費を安価としながら、加硫時に確実にグリーンタイヤを加硫金型の内面に押し付けることができ、さらに、請求項6に記載のように構成すれば、繰り返しの伸縮による破断を効果的に抑制しながら、フィルム体を容易に必要量だけ膨出させることができる。
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は外表面が空気入りタイヤの内表面と同一形状である剛体コアであり、この剛体コア11の外側には子午線断面がトロイダル状をしたグリーンタイヤ12が装着されている。ここで、前述のグリーンタイヤ12は、例えば、以下のように未加硫ゴムリボン、ワイヤ、コード等のタイヤ構成部材を剛体コア11に次々に貼付けることで、該剛体コア11の外側に成形される。即ち、まず、剛体コア11の外側に未加硫ゴムリボンを渦巻き状、螺旋状に多数回貼付けてインナーライナー13を成形した後、ビード部Bにおけるインナーライナー13の外側にビードワイヤを渦巻き状に複数回巻き付ける。
次に、前記インナーライナー13の外側にカーカスコードを両ビード部Bで折返しながら子午線方向に貼付けるとともに、このような貼付けを周方向にずらしながら多数回行ってカーカス層14を成形する。その後、ビード部Bにおけるカーカス層14の外側にビードワイヤを渦巻き状に複数回巻き付け、先程巻き付けたビードワイヤと共にカーカス層14を両側から挟持するビードコア15を成形する。
次に、前記カーカス層14の半径方向外側にベルトコードを螺旋状に多数回巻き付けたり、周方向に対して傾斜させながら周方向にずらして多数回貼付けることでベルト層16を成形した後、サイドウォール部Sにおけるカーカス層14の外側に未加硫のゴムリボンを渦巻き状に多数回貼付けてサイドトレッド17を、トレッド部Tにおけるベルト層16の外側に未加硫のゴムリボンを螺旋状に多数回貼付けてトップトレッド18を成形し、グリーンタイヤ12を成形する。
ここで、前記剛体コア11はドーナツ状をした芯体23を有し、この芯体23は弧状をした複数個、ここでは10個の型セグメント22を周方向に密着した状態で並べて配置することで構成している。ここで、これら型セグメント22は、扇形をした扇形セグメント22aと、周方向両端が平行な平行セグメント22bとの2種類のセグメントからなり、これら扇形セグメント22aと平行セグメント22bとは周方向に交互に配置されている。なお、前記平行セグメント22bの代わりに、山形をした山形セグメントを用いてもよい。
各型セグメント22の内部には周方向に延びる貫通室24が形成され、これらの貫通室24は該型セグメント22の周方向両端において開口している。ここで、型セグメント22は前述のように周方向に密着した状態で並べられているので、全ての貫通室24はリング状に連通し、芯体23の内部に連続リング状の流体室25を構成する。この流体室25には図示していない圧力流体源が接続されており、この結果、前記流体室25には圧力流体源から必要に応じて、例えば高温に加熱されたスチーム、不活性ガス等の圧力流体、ここではスチームが供給される。
前述した流体室25、圧力流体は全体として、剛体コア11を内部から加熱する加熱手段26を構成するが、この加熱手段26が短時間作動して流体室25にスチームが数分間だけ供給されると、剛体コア11はグリーンタイヤ12の内面を短時間加熱してインナーライナー13の加硫を若干だけ進行させ、該グリーンタイヤ12の内面(内面に位置する薄肉のインナーライナー13)を最適加硫度に至る前の状態、即ち、半加硫状態とすることができる。
そして、このようにグリーンタイヤ12の内面を半加硫状態とすれば、加硫時にグリーンタイヤ12が後述のように膨出してカーカス層14がビードコア15から引き抜かれようとしても、該半加硫状態となった部位がカーカス層14を拘束し、前述のような引き抜きが効果的に抑制される。なお、この発明においては、加熱手段として前記コア本体41に内蔵されたニクロム線等のヒーターあるいは電磁誘導加熱装置を用いてもよい。
各型セグメント22の半径方向内端部でその一側面には円周方向に延びる弧状溝27が、一方、その他側面にも円周方向に延びる弧状溝28が形成されている。そして、これらの弧状溝27、28は、芯体23が組み立てられたとき、連続して芯体23の一側面および他側面にそれぞれ形成された環状溝29、30を構成する。31は軸方向一端部に他側に向かって延びる環状突起32が形成された一側リング体であり、この一側リング体31は環状突起32が前記環状溝29に挿入されることで、芯体23に係止されている。23は軸方向他端部に一側に向かって延びる環状突起34が形成された他側リング体であり、この他側リング体33は環状突起34が前記環状溝30に挿入されることで、芯体23に係止されている。
35は軸方向他端部に前記他側リング体33に当接するフランジ36が形成された円筒状のスリーブであり、このスリーブ35の一端部外周に形成されたおねじ37は前記一側リング体31の内周に形成されためねじ38に螺合しており、これにより、一側、他側リング体31、33は芯体23を両側から締め付けて芯体23をドーナツ状に保持する。前述した芯体23、一側、他側リング体31、33、スリーブ35は全体として、金属から構成されたコア本体41を構成する。
前述した各型セグメント22(扇形、平行セグメント22a、22b)の外表面で、少なくともトレッド部Tの内面、この実施形態ではトレッド部Tの内面のみに対向する部位には、一定深さの浅い略矩形状を呈する凹み44が形成され、これらの凹み44は各型セグメント22(扇形、平行セグメント22a、22b)の周方向両端より若干周方向中央側において終了している。
46はコア本体41(各型セグメント22)の内部に形成された複数の流体通路であり、これら流体通路46の内端は前記流体室25(貫通室24)に連通している。また、これら流体通路46は外端部が複数に枝分かれするとともに、その外端が前記コア本体41の外表面において、詳しくは型セグメント22に形成された凹み44の底面に開口している。この結果、流体室25に圧力流体(スチーム)が供給されると、該圧力流体は流体通路46を通じて該流体通路46の外端開口から流出することができる。
48は前記凹み44と補完形状を呈する薄肉のフィルム体であり、これらのフィルム体48は前記凹み44を埋めるよう各凹み44内に収納されており、この結果、該フィルム体48は少なくともトレッド部Tの内面に対向する位置に配置されていることになる。ここで、前記フィルム体48はトレッド部Tの内面に対向する位置に加え、サイドウォール部Sの内面に対向する位置に配置されていてもよい。このときには、サイドウォール部Sに対向する位置のコア本体に流体通路をさらに設けることができる。
前述のようにフィルム体48が凹み44を埋めるよう該凹み44内に収納されると、フィルム体48の外表面は凹み44が形成されていないときの芯体23の外表面と同一曲面となるとともに、前記流体通路46の外端開口はフィルム体48によって外側から覆われる。このように流体通路46の開口をフィルム体48によって外側から覆うようにすると、グリーンタイヤ12の成形時に未加硫ゴムが開口から流体通路46内に侵入することはなく、該開口(孔、スリット等)の直径、幅を大きくとることができる。
49は凹み44の外縁部底面とフィルム体48の外縁部との間に介在されたポリイミド系耐熱接着剤、ゴム・エポキシ樹脂混合型耐熱接着剤等からなる接着層であり、これら接着層49はフィルム体48の外縁部を凹み44の底面に接着することで、該フィルム体48の外縁部をコア本体41に密封係止させている。ここで、前記フィルム体48は伸縮可能なプラスチック、加硫済みゴムから構成されており、この結果、前記流体通路46を通じて流体室25から圧力流体がフィルム体48とコア本体41(凹み44の底面)との間に供給されると、フィルム体48は外縁部がコア本体41に係止された状態のままで半径方向外側に膨出変形し、フィルム体48と凹み44の底面との間の距離は外縁部から中央部に向かうに従い徐々に大となる。
前述した圧力流体源、流体室25、圧力流体は全体として、流体通路46を通じてコア本体41とフィルム体48との間に圧力流体を供給することでフィルム体48を膨出させる供給手段50を構成するが、この実施形態においては、前記供給手段50の一部、即ち、流体室25、圧力流体は前記加熱手段26と共用である。
ここで、前述の圧力流体がグリーンタイヤ12を加硫する高温(通常 170度C程度)のスチームである場合には、フィルム体48がスチームに加熱されて溶融してしまうとスチームをフィルム体48とコア本体41との間に閉じ込めることができないので、前記フィルム体48は融点が加硫温度より高い材料を用いることが好ましい。しかも、フィルム体48は、スチームをフィルム体48とコア本体41との間に閉じ込めるためには、耐気体透過性の高い材料を用いることが好ましい。ここで、耐気体透過性が高いとは、気体透過係数が 1.5×10−9 cm3・cm/cm2・sec・kPa以下のものをいう。
そして、前述のような伸縮可能で、融点が加硫温度より高く、しかも、耐気体透過性の高いプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、耐熱ナイロン、フッ素樹脂の一種である変性エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)等を挙げることができる。ここで、フィルム体48として前述のようなプラスチックを用いれば、製作費を安価としながら、加硫時に確実にグリーンタイヤ12を後述の加硫金型の内面に押し付けることができる。
また、前記フィルム体48の厚さは、該フィルム体48が前述のようなプラスチックから構成されているときには、 0.3〜 1.0mmの範囲内であることが好ましい。その理由は、前記厚さが 0.3mm未満であると、繰り返しの伸縮によりフィルム体48が破断するおそれがあり、一方、 1.0mmを超えると、圧力流体がフィルム体48とコア本体41との間に供給されたときの該フィルム体48の膨出変形量が小さくなってしまうが、前述の範囲内であれば、繰り返しの伸縮による破断を効果的に抑制しながら、フィルム体48を容易に必要量だけ膨出させることができるからである。前述したコア本体41、フィルム体48は全体として前記剛体コア11を構成する。
図3において、53は前記剛体コア11とともにグリーンタイヤ12を加硫して加硫済みの空気入りタイヤとする加硫金型であり、この加硫金型53は下プラテンを含む下基台54を有し、この下基台54の上面にはグリーンタイヤ12の下側サイドウォール部S、ビード部Bを主に型付けする下サイドモールド55が固定されている。56は下基台54の上方に設置され上プラテンを含む上基台であり、この上基台56は図示していないシリンダの作動により昇降し、下基台54に対して離隔、接近する。59は上基台56の下面に固定された上サイドモールドであり、この上サイドモールド59はグリーンタイヤ12の上側サイドウォール部S、ビード部Bを主に型付けする。
60は周方向に並べて配置された複数の弧状を呈するセクターモールドであり、これらのセクターモールド60はグリーンタイヤ12のトレッド部Tを主に型付けする。そして、グリーンタイヤ12が装着された剛体コア11が下サイドモールド55上に横置きで載置された後、上サイドモールド59が下降限まで下降するとともに、前記セクターモールド60が図示していない移動手段により半径方向内側限まで同期移動すると、前記セクターモールド60は互いに密着して連続リング状を呈するとともに、下サイドモールド55および上サイドモールド59に密着して加硫金型53が閉止される。
これにより、加硫金型53の内部には剛体コア11と共にグリーンタイヤ12が収納されるとともに、剛体コア11と加硫金型53との間にグリーンタイヤ12が位置する加硫空間63が形成されるが、この加硫空間63の容積は前記グリーンタイヤ12の体積より大であり、この結果、グリーンタイヤ12の外表面と加硫金型53の内面との間、この実施形態ではトレッド部Tの外表面とセクターモールド60の内面との間に空隙64が形成される。
66は加硫金型53、この実施形態では各セクターモールド60内に形成された通路であり、これら通路66の内端部は複数に枝分かれするとともに、その内端はセクターモールド60の内面に開口することで加硫空間63に連通している。一方、前記通路66の外端は図示していない高圧流体源に接続されており、この結果、この高圧流体源からは通路66を通じて加硫金型53とグリーンタイヤ12との間の空隙64に、前記流体室25、流体通路46に供給される圧力流体より高圧で加硫温度未満の高圧流体、例えば、常温のエア、予熱用のスチーム等、ここでは常温のエアが供給される。
この結果、前述のようにグリーンタイヤ12の内面を半加硫状態とするために、流体室25、流体通路46を通じて圧力流体がコア本体41とフィルム体48との間に導かれても、前述のように通路66を通じて空隙64に高圧流体が供給されると、これらの間の圧力差によりフィルム体48およびグリーンタイヤ12の膨出は阻止され、グリーンタイヤ12の内面を確実に剛体コア11に接触させ続けて半加硫状態とすることができる。
次に、この発明の実施形態1の作用について説明する。
前述の剛体コア11を組み立てる場合には、まず、扇形、平行セグメント22a、22bを周方向に交互に配置してドーナツ状の芯体23を形成した後、該芯体23の環状溝29、30に一側、他側リング体31、33の弧状突起32、34をそれぞれ挿入し、その後、スリーブ35のおねじ37を一側リング体31のめねじ38に螺合して一側、他側リング体31、33により芯体23を両側から締め付けドーナツ状の剛体コア11を組み立てる。
次に、剛体コア11を軸線回りに回転させながら前述のように剛体コア11の周囲に未加硫ゴムリボン、ワイヤ、コード等のタイヤ構成部材を次々に貼付け、該剛体コア11の外側にトロイダル状のグリーンタイヤ12を成形する。次に、グリーンタイヤ12が装着された剛体コア11を、開放された加硫金型53まで搬送して下サイドモールド55上に横置きで載置した後、上サイドモールド59を下降限まで下降させ、下、上サイドモールド55、59と剛体コア11とによりグリーンタイヤ12のビード部B、サイドウォール部Sを両側から挟持する。
その後、前記セクターモールド60を半径方向内側限まで同期移動させ、これらセクターモールド60を互いに密着させて連続リング状とするとともに、下サイドモールド55および上サイドモールド59に密着させて加硫金型53を閉止する。これにより、加硫金型53内に剛体コア11と共にグリーンタイヤ12が収納され、剛体コア11と加硫金型53との間にグリーンタイヤ12が位置する加硫空間63が形成されるが、この加硫空間63の容積はグリーンタイヤ12の体積より大であるため、グリーンタイヤ12のトレッド部Tとセクターモールド60との間に、図3に示すような、空隙64が形成される。
次に、圧力流体源から高温の圧力流体(スチーム)を短時間(数分間)だけ流体室25、流体通路46に供給し、これにより、剛体コア11を内部から加熱してグリーンタイヤ12の内面(インナーライナー13)を半加硫状態とする。このとき、前記圧力流体がコア本体41とフィルム体48との間に流入してフィルム体48が膨出しグリーンタイヤ12のトレッド部Tがコア本体41から離れると、該トレッド部Tはスチームとの接触となるため、加熱されにくく、半加硫状態となるのが困難となる。
このため、この実施形態においては、前述した圧力流体の流体室25への供給と同時に、高圧流体源から通路66を通じて加硫金型53とグリーンタイヤ12との間の空隙64に前記圧力流体より高圧の高圧流体(エア)を供給し、これら流体の圧力差によりフィルム体48、グリーンタイヤ12のトレッド部Tの膨出を阻止してグリーンタイヤ12(トレッド部T)の内面を確実に剛体コア11に接触させ続けるようにしている。なお、このとき、前記高圧流体は、加硫温度未満、ここでは常温であるため、グリーンタイヤ12のトレッド部T外表面において加硫が開始することはない。
次に、空隙64から高圧流体を排出する一方、圧力流体の圧力を上昇させる。この結果、剛体コア11が加熱されてグリーンタイヤ12のビード部B、サイドウォール部Sが下サイドモールド55、上サイドモールド59により型付けされながら加硫される。一方、グリーンタイヤ12のトレッド部Tは、空隙64の圧力低下により流体通路46を通じて圧力流体がフィルム体48とコア本体41の外表面との間に流入し、図4に示すように、フィルム体48が半径方向外側に膨出変形するため、該フィルム体48と共に半径方向外側に膨出してセクターモールド60に押し付けられ、該セクターモールド60により型付けされながら加硫される。このとき、前記空隙64はグリーンタイヤ12の膨出により潰されて消失する。
このようにしてグリーンタイヤ12は剛体コア11と加硫金型53とにより該加硫金型53に押し付けられながら加硫されて空気入りタイヤとなる。ここで、前述のようなグリーンタイヤ12の膨出変形により、カーカス層14が引っ張られてビードコア15から引き抜かれようとするが、前述のようにグリーンタイヤ12の内面(インナーライナー13)を半加硫状態としたので、このようなカーカス層14の引き抜きは半加硫状態となった部位に拘束されて効果的に抑制される。
また、グリーンタイヤ12のトレッド部Tは外表面に主溝、ラグ溝等の深くて幅広である溝が形成されるため、加硫時に最も大きく拡張する必要があるが、前述のようにフィルム体48を少なくともトレッド部T内面に対向する位置に設けて、該トレッド部Tをフィルム体48と共に膨出させるようにすれば、トレッド部Tは加硫金型53(セクターモールド60)の内面に押し付けられ該部位における型付け(溝の形成)を確実に行うことができる。
さらに、前述のような加硫時、流体通路46を通じて供給される圧力流体(スチーム)はグリーンタイヤ12の内面に直接接触することはないので、グリーンタイヤ12の内面に生じる物性変化は効果的に抑制され、所望の性能、品質を有する空気入りタイヤを容易に製造することができる。しかも、コア本体41における流体通路46の開口をフィルム体48により覆っているので、グリーンタイヤ12の成形時に未加硫ゴムが開口から流体通路46内に侵入することはなく、これにより、該開口(孔、スリット等)の直径、幅を大きくとることができる。
この結果、流体通路46からフィルム体48とコア本体41との間に圧力流体を短時間で大量に供給して、膨出したフィルム体48により均一化された圧力分布、温度分布下でグリーンタイヤ12を加硫金型53に押し付けることができ、これにより、加硫初期における加硫の進行が均一化し空気入りタイヤの外表面におけるベアの発生を効果的に抑制することができる。
このようにしてグリーンタイヤ12が加硫されて空気入りタイヤとなると、圧力流体を流体室25、流体通路46から排出するが、このとき、フィルム体48が収縮して凹み44内に復帰するため、コア本体41とフィルム体48との間の圧力流体も同様に排出される。その後、加硫金型53を開放して剛体コア11および空気入りタイヤを加硫金型53から取り出した後、剛体コア11を分解しながら空気入りタイヤ内から取り出す。
この発明は、剛体コアの外側にグリーンタイヤを成形した後、該グリーンタイヤを加硫して空気入りタイヤとする産業分野に適用できる。
この発明の実施形態1を示す剛体コア、グリーンタイヤの子午線断面図である。 剛体コアの側面図である。 加硫金型に剛体コア、グリーンタイヤを収納した状態を示す正面断面図である。 加硫金型、剛体コアによりグリーンタイヤを加硫している状態を示す正面断面図である。
符号の説明
11…剛体コア 12…グリーンタイヤ
26…加熱手段 41…コア本体
46…流体通路 48…フィルム体
50…供給手段 53…加硫金型
63…加硫空間 66…通路
T…トレッド部

Claims (6)

  1. 外表面に開口する流体通路が内部に形成されたコア本体、および、コア本体に外縁部が密封係止されることで、流体通路の開口を外側から覆う伸縮可能なフィルム体からなる剛体コアの外側にトロイダル状のグリーンタイヤを成形する工程と、加硫金型内に剛体コアと共にグリーンタイヤを収納することで、該加硫金型と剛体コアとの間にグリーンタイヤの体積より容積が大である加硫空間を形成する工程と、剛体コアを内部から加熱することで、グリーンタイヤの内面を半加硫状態とする工程と、流体通路を通じてコア本体とフィルム体との間に圧力流体を供給することで膨出したフィルム体により、グリーンタイヤを加硫金型の内面に押し付けながら、グリーンタイヤを剛体コアおよび加硫金型により加硫する工程とを備えたことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記圧力流体として高温に加熱された圧力流体を用いることで剛体コアを内部から加熱しグリーンタイヤの内面を半加硫状態とするとき、加硫金型内に形成された通路を通じて圧力流体より高圧で加硫温度未満の高圧流体を加硫金型とグリーンタイヤとの間に供給し、フィルム体およびグリーンタイヤの膨出を阻止するようにした請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 外表面に開口する流体通路が内部に形成されたコア本体、および、コア本体に外縁部が密封係止されることで、流体通路の開口を外側から覆う伸縮可能なフィルム体からなり、外側にトロイダル状のグリーンタイヤが成形される剛体コアと、内部に剛体コアと共にグリーンタイヤが収納されたとき、剛体コアとの間にグリーンタイヤの体積より容積が大である加硫空間を形成する加硫金型と、剛体コアを内部から加熱することで、グリーンタイヤの内面を半加硫状態とすることができる加熱手段と、流体通路を通じてコア本体とフィルム体との間に圧力流体を供給することでフィルム体を膨出させる供給手段とを備え、膨出したフィルム体よりグリーンタイヤを加硫金型の内面に押し付けながら、グリーンタイヤを剛体コアおよび加硫金型により加硫するようにしたことを特徴とする空気入りタイヤの製造装置。
  4. 前記剛体コアのフィルム体を、少なくともトレッド部内面に対向する位置に設けた請求項3記載の空気入りタイヤの製造装置。
  5. 前記フィルム体を融点が加硫温度より高いプラスチックから構成した請求項3または4記載の空気入りタイヤの製造装置。
  6. 前記フィルム体の厚さは 0.3〜 1.0mmの範囲内である請求項5記載の空気入りタイヤの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015182296A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ製造用の剛性中子装置、及び、空気入りタイヤの製造方法

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