JP2009297776A - マーキング装置用振動ペン - Google Patents

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Abstract

【課題】スタイラスに付着した液体が軸受の内部に侵入することがなく、スタイラスの動作が安定したマーキング装置用振動ペンを提供する。
【解決手段】ペンホルダ2と、ピストン3と、スタイラス4と、軸受ホルダ5と、振動手段6とを備え、軸受ホルダ5の基端及び先端には、軸受ホルダ5とスタイラス4との間に間隙Sを保持しつつ、スタイラス4を摺動可能に支持する軸受11,11が設けられ、軸受ホルダ5の周側部には、内部空間2Bと間隙Sとを連通する流入口5aが基端側に設けられると共に、間隙Sと内部空間2Bの外側とを連通する排出口5bが先端側に設けられていることを特徴とするマーキング装置用振動ペン1。
【選択図】図1

Description

本発明は、マーキング装置用振動ペンの改良に関するものであり、特に、スタイラスへの液体付着を排除する構造を有するマーキング装置用振動ペンに関するものである。
自動車や建設機械などの自動化された工場においては、ロット番号等の英数字や合いマークの刻印を行うために、マーキング装置が使用されている。例えば下記特許文献1には、往復運動するピストンと、このピストンの往復運動に追従して先端部でワーク表面を打刻するスタイラスとを備えたマーキング装置用の振動ペンが開示されている。
この振動ペンのスタイラス先端を機械部品の被刻印部に押し当てて、圧縮性流体を利用してスタイラス固定部およびスタイラスを振動させることにより、ワーク表面に刻印を打刻することができる。このスタイラスを振動ペンごと移動させることにより、機械部品の被刻印部の表面に、スタイラスの軌跡に沿った溝を形成することができる。このようにして、機械部品の被刻印部に文字、数字、記号などをマーキングすることができる。また、スタイラスを一カ所で振動させるとその部分にドットが形成されるので、このドットを所定のパターンに複数形成することにより、いわゆる二次元コードを形成することができる。
そして、部品等の製造工程では、このようなドットインパクト式マーキング装置を用いてマーキングスタイラスにより被加工面に窪みを形成し、その窪みを利用して、品質データ、ロット番号などの情報を文字、数字、記号、あるいは二次元コードなどのマークにして直接部品に刻印する。
図4は、従来のマーキング装置用振動ペンを示す断面模式図である。図4(a)に示すように、従来のマーキング装置用振動ペン101は、ペンホルダ102の内部のシリンダ室102Aに往復自在に設けられたピストン103と、ピストン103に取り付けられた棒状のスタイラス104と、ペンホルダ102の内部空間102Bに設けられた筒状の軸受ホルダ105と、ピストン103の基端側に備えられてこのピストン103をスタイラス104の長手方向に振動させる振動手段106と、ピストン103を振動部よりに付勢させるコイルバネ107とを備えて概略構成されている。
軸受ホルダ105にはスタイラス104が貫通されており、基端及び先端にはスタイラス104を摺動可能に支持する一対の軸受111が備えられている。そして、軸受ホルダ105とスタイラス104との間には、間隙Sが設けられている。また、ペンホルダ102の基端部には圧縮空気の供給口109bを有するオリフィス(制限環)109が取り付けられ、ペンホルダ102の一部を構成している。そして、オリフィス109の内部空間であるシリンダ室102Aとペンホルダ102の内部空間102Bとが連通されている。さらに、ペンホルダ102の内部空間102Bの先端側には、内部空間102Bの外側と連通する排気口108bが設けられている。
ピストン103は、シリンダ室102Aに収納されている。また、ピストン103の周側部103aにはゴム製のOリング110が嵌め込まれており、このOリング110の外周面はシリンダ室102Aの内壁面109aと対向している。これにより、ピストン103はOリング110を介してシリンダ室102Aに対して摺動自在とされている。
また、スタイラス104は、一対の軸受111にそれぞれ往復自在に挿入されている。
この構成によって、ピストン103がシリンダ室内102Aに往復自在とされている。また、図4(a)に示すように、軸受ホルダ105とピストン103との間にコイルばね107が配置されており、このコイルばね107によってスタイラス104およびピストン103が供給口109b側に付勢されている。
また、図示略の圧縮空気室から供給される圧縮空気は、供給口109bを介してシリンダ室102Aおよび内部空間102Bに流通されている。この圧縮空気室、オリフィス(供給口)109、およびOリング110、ピストン103並びにコイルばね107によって振動部(振動手段)106が構成されている。
次に、マーキング装置用振動ペン101の動作を説明する。まず、図示略の圧縮空気室から供給口109bに圧縮空気を供給する。圧縮空気が供給されると、シリンダ室102A内部の圧力が上昇する。圧力がある一定値を越えると、シリンダ室102Aを閉塞しているピストン103に対してコイルばね107の付勢力よりも大きな圧力が加わる。これにより、図4(b)に示すように、コイルばね107によって付勢されているピストン103がペンホルダ102の内部空間102B側に押し下げられる。このとき、シリンダ室102Aと内部空間102Bとが連通して「開」の状態となる。
続いて、シリンダ室102A内部に供給された圧縮空気が、「開」となった内部空間102Bに流れて、内部空間102Bの先端側に設けられた排気口108bから外側へと排出される。すると、シリンダ室102A内部の圧力が低下し、コイルばね107によってピストン103が再びオリフィス109側に付勢され、ピストン103によってシリンダ室102Aと内部空間102Bとが「閉」の状態となる。これによりシリンダ室102Aの圧力が再び上昇する。
以上の動作を繰り返すことにより、ピストン103およびスタイラス104が一定の周期で往復振動する。そして、機械部品等の被加工物表面上にスタイラス104を位置させることで、ロット番号等を刻印することができる。
ところで、被加工物表面が機械加工されたものである場合、被加工物表面上には水溶性のクーラント液等の粘性が高い液体が付着していることが多い。このような被加工物を刻印すると、図4(b)に示すように、スタイラス104の先端の表面にクーラント液Cが付着してしまい、さらにスタイラス104の往復振動によってクーラント液Cがスタイラス104と軸受111との間に設けられたわずかなクリアランスから軸受ホルダ105の内部に侵入してしまう。
そして、図4(b)に示すように、軸受ホルダ105の内部に侵入してきたクーラント液Cは軸受ホルダ105とスタイラス104との間の間隙Sに溜まってしまうため、その粘性によりスタイラス104の動作を妨げてしまうという問題があった。
特開平11−99798号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、スタイラスに付着した液体が軸受の内部に侵入することがなく、スタイラスの動作が安定したマーキング装置用振動ペンを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、
本発明のマーキング装置用振動ペンは、供給口と、前記供給口から圧縮空気が供給されるシリンダ室と、前記シリンダ室と連通する内部空間とを有するペンホルダと、前記シリンダ室に往復自在に設けられたピストンと、前記ピストンに取り付けられたスタイラスと、前記内部空間に設けられて前記スタイラスが貫通する筒状の軸受ホルダと、前記ピストンを前記スタイラスの長手方向に振動させる振動手段とを備え、前記軸受ホルダの基端及び先端には、当該軸受ホルダと前記スタイラスとの間に間隙を保持しつつ、当該スタイラスを摺動可能に支持する軸受が設けられ、前記軸受ホルダの周側部には、前記内部空間と前記間隙とを連通する1以上の流入口が基端側に設けられると共に、前記間隙と前記内部空間の外側とを連通する1以上の排出口が先端側に設けられていることを特徴とする。
また、本発明のマーキング装置用振動ペンは、前記ペンホルダの先端に設けられた環状のノズル部を備え、前記排気口から排出された圧縮空気が前記ノズル部の先端と前記スタイラスとの間から当該スタイラスの先端に向けて排出されることが好ましい。
さらに、前記ノズル部の内径が基端から先端に向けて漸次縮小されていることが好ましい。
上記の構成によれば、供給口からシリンダ室に供給された圧縮空気によってピストンが押し下げられ、シリンダ室から内部空間に圧縮空気が供給された際に、圧縮空気が内部空間から間隙に流入口を介して流入する。そして、この間隙から内部空間の外側に排気口を介して排出される。すなわち、軸受ホルダとスタイラスとの間の間隙がペンホルダの内部空間から外側への圧縮空気の排出流路とされているので、軸受ホルダ内が陽圧となって軸受の内部への液体の侵入を防ぐことができる。あるいは、軸受の内部へ侵入した液体を排出することができる。
また、上記構成によれば、軸受ホルダから排出された空気をスタイラスの先端側に向けて吹き付けることができるので、スタイラスに付着した液体が軸受付近まで上昇することを防ぐことができる。
更に上記構成によれば、軸受ホルダから排出された空気をノズル先端に集約することができ、ノズル先端により効果的に吹き付けることが出来るので、軸受から軸受ホルダの内側への液体の侵入を防ぐことができ、スタイラスが動作不良となる虞が低い。
以上説明したように、本発明のマーキング装置用振動ペンによれば、スタイラスに付着した液体が軸受の内部に侵入することがなく、スタイラスの動作が安定したマーキング装置用振動ペンを提供することができる。
以下、本発明を適用した実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の図1〜図3は、マーキング装置用振動ペンの構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際のマーキング装置用振動ペンの寸法関係とは異なる場合がある。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態であるマーキング装置用振動ペンを示す図であって、図1(a)はスタイラスが後退位置の断面図であり、図1(b)はスタイラスが前進位置の断面図である。
図1(a)に示すように、本発明を適用した第1の実施形態であるマーキング装置用振動ペン1は、シリンダ室2Aと内部空間2Bとを有するペンホルダ2と、シリンダ室2Aに往復自在に設けられたピストン3と、このピストン3に取り付けられた棒状のスタイラス4と、内部空間2Bに設けられてスタイラス4が貫通する筒状の軸受ホルダ5と、ピストン3をスタイラス4の長手方向に振動させる振動部(振動手段)6と、ピストン3を振動部6寄りに付勢させるコイルばね7とを具備して概略構成されている。
ペンホルダ2は、ペンホルダ本体8とオリフィス9とが一体化されて構成されている。
ペンホルダ本体8は、中空円筒状の部材であり、内周面8aにより区画されてなる内部空間2Bが内部に形成されている。この内部空間2Bの先端側には、棒状のスタイラス4を案内するための軸受ホルダ5が備えられている。また、内部空間2Bの先端側の周囲には排気口8bが設けられており、この排気口8bを介して内部空間2Bからペンホルダ2の外側に圧縮空気等の流体を排気できるようになっている。
オリフィス9は、有底円筒状の部材であり、内周面9aにより区画されてなるシリンダ室2Aが内部に形成されている。そして、オリフィス9は、ペンホルダ本体8の基端側に装着されることにより、ペンホルダ本体8と一体化されてペンホルダ2を構成している。また、オリフィス9の底部には、図示略の圧縮空気室とシリンダ室2Aとを連通する供給口9bが設けられており、この供給口9bを介して圧縮空気室からシリンダ室2Aに圧縮空気を供給できるようになっている。
ピストン3は、円筒状の小径部3aと、この小径部3aの先端から突出する円板状の大径部3bとから構成され、ペンホルダ2のシリンダ室2A内において往復自在に収納されている。また、小径部3aの周側部には、ゴム製のOリング10がはめ込まれている。Oリング10は、シリンダ室2Aの内周面9aに密着されており、内周面9aに対して摺動自在とされている。また、Oリング10は大径部3bによって内部空間2B側への脱落が防止されている。
また、図1(a)に示すように、内部空間2B内において軸受ホルダ5とピストン3の大径部3bとの間にコイルばね7が配置されており、このコイルばね7が大径部3bをオリフィス9の供給口9b側に付勢することによってスタイラス4およびピストン3全体がペンホルダ2の供給口9b側に付勢されている。図1(a)に示すようにピストン3が圧縮コイルバネ7に付勢されて後退位置にある場合において、ピストン3のOリング10がシリンダ室2A内に配置されることにより、シリンダ室2Aと内部空間2Bとがそれぞれ区画されている。一方、図1(b)に示すようにピストン3が圧縮コイルバネ7に抗して前進位置にある場合に、シリンダ室2Aと内部空間2Bとが連通するように構成されている。
また、図示略の圧縮空気室は圧縮空気を供給可能とされており、オリフィス9の供給口9bを介してペンホルダ2のシリンダ室2Aと連通されている。以上説明したように、オリフィス9、シリンダ3、Oリング10およびコイルばね7によって振動部(振動手段)6が構成されている。
スタイラス4は、円柱状の部材であり、その基端がピストン3に設けられた図示略の孔部に挿入されて固定されている。スタイラス4は、たとえば、超硬合金を用いて形成されているが、打刻を行うことができる硬質材料であればどのような材料でもよく、鋼材、軟鉄材などを用いることもできる。さらにまた、スタイラス4の先端に座金を介して多結晶ダイヤモンド焼結体または立方晶窒化ホウ素などを用いることもできる。
軸受ホルダ5は、円筒状の部材であり、内部空間2B内にペンホルダ本体8の先端を閉塞するように、この内部空間2Bの内側から外側に亘って設けられている。また、軸受ホルダ5にはスタイラス4が貫通されており、基端及び先端にはスタイラス4を摺動可能に支持する一対の軸受11,11が備えられている。この軸受11,11にはそれぞれ軸受孔11aが設けられ、この軸受孔11aに棒状のスタイラス4が挿入されている。これにより、軸受ホルダ5とスタイラス4との間には、間隙Sが設けられている。
軸受ホルダ5の周側部の基端側には、ペンホルダ2の内部空間2Bと軸受ホルダ5内の間隙Sとを連通する1以上の流入口5aが設けられている。また、軸受ホルダ5の周側部の先端側には、軸受ホルダ5内の間隙Sと内部空間2Bの外側とを連通する1以上の排出口5bが設けられている。すなわち、流入口5aは、軸受ホルダ5の基端側の周側部であって内部空間2Bの内側に配置されており、排出口5bは軸受ホルダ5の先端側の周側部であって内部空間2Bの外側に配置されている。
これにより、図1(b)に示すように、供給口9bからシリンダ室2Aに供給された圧縮空気によってピストン3が内部空間2B側に押し下げられ、シリンダ室2Aと内部空間2Bとが連通してシリンダ室2Aから内部空間2Bに圧縮空気が供給された際に、圧縮空気が流入口5aを介して内部空間2Bから間隙Sに流入する。そして、排気口5bを介して間隙Sから内部空間2Bの外側に排出される。すなわち、軸受ホルダ5とスタイラス4との間の間隙Sが、内部空間2Bに設けられた排気口8bとともに、圧縮空気を内部空間2Bから外側に排出するための排出流路とされている。
次に、本実施形態のマーキング装置用振動ペン1の動作を説明する。図1(a)に示すように、初期状態において、ピストン3が圧縮コイルバネ7により供給口9b側に付勢されている。この状態において、図示略の圧縮空気室から供給口9bに圧縮空気を供給すると、圧縮空気はペンホルダ2のシリンダ室2A内に送られる。更に圧縮空気を供給すると、シリンダ3に対して圧縮コイルバネ7の付勢力よりも大きな圧力が加わる。これにより、図1(b)に示すように、圧縮コイルバネ7によって付勢されているピストン3がシリンダ室2Aから内部空間2B側に押し下げられる。
図1(b)に示すように、ピストン3が内部空間2B側に前進されると、Oリング10の位置がシリンダ室2Aの内周面9aよりも先端側に移動する。すると、Oリング10と内周面9aとの密着状態が解消されて、Oリング10と内部空間2Bの内周面8aとの間に隙間が生じる。これにより、シリンダ室2Aと内部空間2Bとが連通されて、ピストン3を押していた圧縮空気がこの隙間からシリンダ室2Aの先端側に流れる。そして、この圧縮空気は、排気口8bと、流入口5a〜軸受ホルダ5内の間隙S〜排気口5bという二つの排出経路を経てペンホルダ2の内部空間2Bの外側に放出される。これにより、ピストン3を押していた圧縮空気の圧力が低下し、圧縮コイルバネ7の付勢力がこの低下した圧力に打ち勝ってピストン3を再び供給口9b側に付勢させる(図1(a)参照)。
ピストン3が後退位置に戻ると、再度、圧縮空気によりピストン3が押されて前進する。この動作を繰り返すことで、ピストン3を介してスタイラス4を往復振動させることができる。
この往復振動するスタイラス4の先端を被加工体の被加工面に押し付けることにより、被加工面上に窪みが形成される。この窪みを複数形成することで、被加工面上に2次元バーコードをマーキングすることができる。また、振動するスタイラス4を被加工面に押し当てながら移動させると、その移動の軌跡に沿って溝が形成される。スタイラス4の移動方向を任意に制御することで、被加工面上に数字や文字や記号等をマーキングすることができる。
ここで、被加工物表面上に水溶性の切削油であるクーラント液等の粘性が高い液体が付着している場合であっても、軸受ホルダ5とスタイラス4との間の間隙Sがペンホルダ2の内部空間2Bの外側への圧縮空気の排出流路とされているので、軸受ホルダ5の内側が外部よりも陽圧となる。これにより、先端側の軸受11の軸受孔11aとスタイラス4との間に設けられた微小な隙間(クリアランス)から軸受ホルダ5の内側への液体の侵入を防ぐことができる。また、クーラント液等の液体が軸受ホルダ5の内側へ侵入した場合であっても、内部空間2Bに設けられた排気口8bと、流入口5a〜軸受ホルダ5内の間隙S〜排気口5bという排出流路との排出量を適宜調整することによって液体を軸受ホルダ5の外側に排出することができるため、上記間隙Sに液体が溜まることがない。したがって、スタイラス4の動作が安定したマーキング装置用振動ペン1を提供することができる。
<第2の実施形態>
以下に、本発明を適用した第2の実施形態について詳細に説明する。図2は、本発明の第2の実施形態であるマーキング装置用振動ペンを示す図であって、図2(a)はスタイラスが後退位置の断面図であり、図2(b)はスタイラスが前進位置の断面図である。なお、図2に示す構成要素において、図1に示す構成要素と同一の構成要素には、図1と同一の符号を付してその説明を省略する。
図2(a)に示すように、本発明を適用した第2の実施形態であるマーキング装置用振動ペン21は、第1実施形態のマーキング装置用振動ペン1の構成に加えて、ペンホルダ2の先端に設けられた環状のノズル部材(ノズル部)22を備えて概略構成されている。
ノズル部材22は、環状の部材であり、ペンホルダ2(ペンホルダ本体8)の先端に設けられている。このノズル部材22の開口径は、基端側と先端側とで異なるように形成されている。基端側の開口径は、ペンホルダ2の先端の開口径とほぼ等しい径に形成されている。一方、先端側の開口径は、ノズル部材22の先端22aの開口部とスタイラス4との間隙(クリアランス)ができるだけ小さくなるように形成されている。すなわち、ノズル部材22の内径は、基端から先端に向けて漸次縮小されて形成されている。これにより、ノズル部材22の内周面22bは、基端から先端に向けてスタイラス4側に傾斜されている。
ノズル部材22の内部には、内周面22bにより区画されてなる空間22Aが形成されている。また、ノズル部材22の空間22Aは、軸受ホルダ5に設けられた排気口5bを取り囲むように設けられており、この排気口5bを介して軸受ホルダ5の内側の間隙Sと連通されている。これにより、排気口5bから排気された圧縮空気をノズル部材22の先端22aとスタイラス4との間からペンホルダ2の外側に排気できるようになっている。
次に、本実施形態のマーキング装置用振動ペン21の動作を説明する。図2(b)に示すように、圧縮空気が流入口5a〜軸受ホルダ5内の間隙S〜排気口5bという排出経路を経てノズル部材22の空間22Aに放出される。空間22Aに放出された圧縮空気は、傾斜された内周面22bに沿って先端22aの開口部に送られる。そして、ノズル部22の先端22aとスタイラス4との間からスタイラス4の先端に向けて排出される。
以上説明したように、本実施形態のマーキング装置用振動ペン21によれば、前述した第1実施形態のマーキング装置用振動ペン1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態のマーキング装置用振動ペン21によれば、軸受ホルダ5から排出された空気をスタイラス4の先端側に向けて吹き付けることができるので、スタイラス4に付着したクーラント液が軸受11付近まで上昇することを防ぐことができる。
更に、軸受ホルダ5から排出された空気をノズル部材22の先端22aに集約することができるため、スタイラス4に効果的に空気を吹き付けることが出来るので、軸受11から軸受ホルダ5の内側への液体の侵入を防ぐことができ、スタイラス4の動作不良を抑制することができる。
<第3の実施形態>
以下に、本発明を適用した第3の実施形態について詳細に説明する。図3は、本発明の第2の実施形態であるマーキング装置用振動ペンを示す断面模式図である。なお、図3に示す構成要素において、図1及び図2に示す構成要素と同一の構成要素には、図1及び図2と同一の符号を付してその説明を省略する。
図3に示すように、本発明を適用した第3の実施形態であるマーキング装置用振動ペン31は、第2実施形態のマーキング装置用振動ペン21のノズル部材22の構成に替えて、先端にノズル部38Aが一体形成されたペンホルダ32を備えて概略構成されている。
ペンホルダ32は、ペンホルダ本体38とオリフィス9とが一体化されて構成されている。
ペンホルダ本体38は、中空円筒状の部材であり、内周面38aにより区画されてなる内部空間32Bが内部に形成されている。また、内部空間32Bの先端側の周囲には排気口38bが設けられており、この排気口38bを介して内部空間2Bからペンホルダ32の外側に圧縮空気等の流体を排気できるようになっている。
ノズル部38Aは、ペンホルダ本体38の先端に設けられた環状部である。このノズル38Aの開口径は、基端側と先端側とで異なるように形成されている。基端側の開口径は、ペンホルダ本体38の先端側の内径と同一径に形成されている。一方、先端側の開口径は、ノズル部38Aの先端38cの開口部とスタイラス4との間隙(クリアランス)ができるだけ小さくなるように形成されている。すなわち、ノズル部38Aの内径は、基端から先端に向けて漸次縮小されて形成されている。これにより、ノズル部38Aの内周面38dは、基端から先端に向けてスタイラス4側に傾斜されている。
ノズル部38Aの内部には、内周面38dにより区画されてなる空間38Bが形成されている。また、ノズル部38Aの空間38Bは、軸受ホルダ5に設けられた排気口5bを取り囲むように設けられており、この排気口5bを介して軸受ホルダ5の内側の間隙Sと連通されている。これにより、排気口5bから排気された圧縮空気をノズル部38Aの先端38cとスタイラス4との間からペンホルダ32の外側に排気できるようになっている。
以上説明したように、本実施形態のマーキング装置用振動ペン31によれば、前述した第1及び第2実施形態のマーキング装置用振動ペン1,21と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態のマーキング装置用振動ペン31によれば、ペンホルダ32(ペンホルダ本体38)の先端にノズル部38Aが設けられて一体化されている。このため、圧縮空気をスムーズにペンホルダ32の先端から排出することができる。さらに、部品点数を削減することができるため、生産性を向上することができる。
図1は、第1実施形態のマーキング装置用振動ペンを示す図であって、図1(a)はスタイラスが後退位置、図1(b)はスタイラスが前進位置の断面図である。 図2は、第2実施形態のマーキング装置用振動ペンを示す図であって、図2(a)はスタイラスが後退位置、図2(b)はスタイラスが前進位置の断面図である。 図3は、本発明の第2の実施形態であるマーキング装置用振動ペンを示す断面模式図である。 図4は、従来のマーキング装置用振動ペンを示す断面模式図である。
符号の説明
1,21,31…マーキング装置用振動ペン、2,32…ペンホルダ、2A…シリンダ室、2B,32B…内部空間、3…ピストン、4…スタイラス、5…軸受ホルダ、5a…流入口、5b…排出口、6…振動部(振動手段)、7…コイルばね、8,38…ペンホルダ本体、9…オリフィス、9b…供給口、10…Oリング、11…軸受、22…ノズル部材(ノズル部)、22a…ノズル部材の先端、38A…ノズル部、38c…ノズル部の先端、S…間隙

Claims (3)

  1. 供給口と、前記供給口から圧縮空気が供給されるシリンダ室と、前記シリンダ室と連通する内部空間とを有するペンホルダと、
    前記シリンダ室に往復自在に設けられたピストンと、
    前記ピストンに取り付けられたスタイラスと、
    前記内部空間に設けられて前記スタイラスが貫通する筒状の軸受ホルダと、
    前記ピストンを前記スタイラスの長手方向に振動させる振動手段とを備え、
    前記軸受ホルダの基端及び先端には、当該軸受ホルダと前記スタイラスとの間に間隙を保持しつつ、当該スタイラスを摺動可能に支持する軸受が設けられ、
    前記軸受ホルダの周側部には、前記内部空間と前記間隙とを連通する1以上の流入口が基端側に設けられると共に、前記間隙と前記内部空間の外側とを連通する1以上の排出口が先端側に設けられていることを特徴とするマーキング装置用振動ペン。
  2. 前記ペンホルダの先端に設けられた環状のノズル部を備え、
    前記排気口から排出された圧縮空気が前記ノズル部の先端と前記スタイラスとの間から当該スタイラスの先端に向けて排出されることを特徴とする請求項1に記載のマーキング装置用振動ペン。
  3. 前記ノズル部の内径が基端から先端に向けて漸次縮小されていることを特徴とする請求項2に記載のマーキング装置用振動ペン。
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