JP2000062395A - 彫刻ペン - Google Patents

彫刻ペン

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JP2000062395A
JP2000062395A JP10237793A JP23779398A JP2000062395A JP 2000062395 A JP2000062395 A JP 2000062395A JP 10237793 A JP10237793 A JP 10237793A JP 23779398 A JP23779398 A JP 23779398A JP 2000062395 A JP2000062395 A JP 2000062395A
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Japan
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engraving
needle
moving
pen
tip
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JP10237793A
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English (en)
Inventor
Tomoo Ito
友雄 伊藤
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Ando Electric Co Ltd
Original Assignee
Ando Electric Co Ltd
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Publication date
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Priority to EP99306430A priority patent/EP0982152A3/en
Priority to US09/378,921 priority patent/US6099177A/en
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    • B44DECORATIVE ARTS
    • B44BMACHINES, APPARATUS OR TOOLS FOR ARTISTIC WORK, e.g. FOR SCULPTURING, GUILLOCHING, CARVING, BRANDING, INLAYING
    • B44B5/00Machines or apparatus for embossing decorations or marks, e.g. embossing coins
    • B44B5/0004Machines or apparatus for embossing decorations or marks, e.g. embossing coins characterised by the movement of the embossing tool(s), or the movement of the work, during the embossing operation
    • B44B5/0019Rectilinearly moving embossing tools

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  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Pens And Brushes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 彫刻ペンの全体を上下に移動させる手段を彫
刻装置に備えることなく、彫刻面への彫刻、並びに、一
筆書きでは表現できない彫刻を彫刻面に行うための彫刻
針の移動を可能とする彫刻ペンを提供する。 【解決手段】 彫刻針7の先端部7cが彫刻面Tに近づ
く方向および遠ざかる方向に、彫刻針7を彫刻ペン1の
本体ケース2と相対的に移動させるための移動機構を備
える。移動機構は、本体ケース2の内部に設けられた移
動空間3cと、移動空間3cの内周に沿って移動可能な
移動体5と、移動体5を彫刻面Tから遠ざける方向に付
勢する第一の付勢手段8とを備えている。第二の付勢手
段(圧縮ガス)により第一の付勢手段8による付勢力に
抗して移動体5を彫刻面Tに近づける方向に付勢するこ
とにより、移動体5の動きに伴って彫刻針7の先端部7
cが彫刻面Tに近づく方向に移動し、第二の付勢手段
(圧縮ガス)による付勢力を解除することにより、彫刻
針7の先端部7cが彫刻面Tから遠ざかる方向に移動す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被彫刻物の彫刻面
に文字、記号、図形等の彫刻を行うための彫刻装置に用
いられる彫刻ペンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の彫刻ペンを図3に基づいて以下に
説明する。図3は従来の彫刻ペンを説明するための側断
面図である。
【0003】図3に示されるように、従来の彫刻ペン5
0は、キャップ51が上部に取付けられた胴部52と、
先端部53とが接合されてなる本体ケース54を備えて
いる。本体ケース54は図示しない彫刻装置に取付けら
れており、彫刻装置に備えられた移動手段により、X、
Y方向に所望の移動がなされるようになっている。さら
に、本体ケース54は、彫刻装置に備えられた図示しな
いエアシリンダ、図示しないスライド機構等からなる上
下移動手段により、上下に移動されるようになってい
る。また、本体ケース54の内部には、圧縮ガスにより
彫刻針60を上下に微振動させる振動発生機構を備えて
いる。
【0004】上記の振動発生機構について詳細に説明す
る。本体ケース54のキャップ51には圧縮ガス供給口
51aが形成されており、圧縮ガス供給口51aからは
胴部52の内部に形成された内室55へと連続的に圧縮
ガスが供給される。
【0005】内室55へと供給された圧縮ガスにより、
内室55の下部に設けられた貫通孔55aを介して、胴
部52に形成されたOリング収納溝52aに配設された
Oリング56に対して下方向のガス圧が加わる。
【0006】Oリング56に加わるガス圧が一定値以下
のときには、Oリング56は、圧縮コイルバネ57によ
り、彫刻針60の鍔部60aを介して上方向に付勢さ
れ、Oリング56が貫通孔55aの下端部に密着して、
Oリング56が貫通孔55aの下端部を塞いだ状態であ
る。
【0007】Oリング56に加わるガス圧が一定値を越
えると、Oリング56とともに、彫刻針60が圧縮コイ
ルバネ57の付勢力に抗して下方向に付勢されて僅かに
下方向に移動する。これにより、Oリング56と胴部5
2のOリング収納溝52aとの間に生じた僅かな隙間を
圧縮ガスが通過し、圧縮ガスが本体ケース54の先端部
53の内部に形成された彫刻針動作室53aへと流れ込
む。また、彫刻針動作室53aに流れ込んだガスは、本
体ケース54の先端部53に形成された排出孔53bか
ら排出される。
【0008】すると、それまで高圧状態にあった内室5
5の内部のガス圧が下がるため、Oリング56が彫刻針
60の鍔部60aを介して圧縮コイルバネ57により付
勢されて彫刻針60とともに僅かに上方向に移動し、O
リング56が貫通孔55aの下端部に押しつけられ、再
びOリング56により貫通孔55aの下端部を塞いだ状
態となる。
【0009】そして、再び内室56内部のガス圧が上昇
する。以後同様に、キャップ51の圧縮ガス供給口51
aから内室55へと圧縮ガスを供給している間は、Oリ
ング56および彫刻針60が上下に微振動する。
【0010】このように、圧縮ガスにより彫刻針60が
上下に微振動している状態で、彫刻針60の下端部を彫
刻面T’に圧接させるべく、前記上下移動手段の図示し
ないスライド機構により彫刻ペン50の全体を案内しな
がら、上下移動手段の図示しないエアシリンダ等により
彫刻ペン50の全体を下方向に移動させた後、彫刻ペン
50をX、Y方向に移動することで、彫刻面T’に文
字、記号、図形等の彫刻を行う。
【0011】一筆書きでは表現できない彫刻を彫刻面に
行うためには、前記上下移動手段により彫刻ペン50の
全体を上方向に一旦移動させた後、彫刻ペン50をX、
Y方向に移動させ、所定位置で再び彫刻ペン50の全体
を下方向に移動させた後、彫刻を行う。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の技術では、上述したように、彫刻を行うときに彫
刻針60の下端部を彫刻面T’に圧接させるために、並
びに、一筆書きでは表現できない彫刻を彫刻面に行うた
めに、前記彫刻装置にスライド機構、および、エアシリ
ンダ等からなる前記上下移動手段を備える必要がある。
従って、前記上下移動手段を備えるためにコストがかか
るといった問題や、彫刻装置の大型化を招いてしまうと
行った問題があった。
【0013】また、一筆書きでは表現できない彫刻を彫
刻面に行うためには、前記上下移動手段により彫刻ペン
50の全体を上方向に一旦移動させた後、彫刻針60を
X、Y方向に移動させ、所定位置で再び彫刻ペン50の
全体を下方向に移動させる必要があるため、彫刻の繰り
返し動作に手間がかかるといった問題があった。
【0014】そこで、本発明の目的は、彫刻ペンの全体
を上下に案内するスライド機構や彫刻ペンの全体を上下
に移動させるエアシリンダ等の上下移動手段を備えるこ
となく、彫刻針による彫刻面への彫刻、並びに、一筆書
きでは表現できない彫刻を彫刻面に引き続き行うための
彫刻針の移動を可能とする彫刻ペンを提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、被彫刻物の彫刻面に平行な面内
で彫刻ペンを移動させる手段を備えた彫刻装置に取付け
られた本体ケースと、該本体ケースに設けられ先端部を
前記彫刻面に衝突させて該彫刻面に窪みを形成するべく
微振動することが可能な彫刻針と、を有する彫刻ペンで
あって、前記彫刻針の先端部が前記彫刻面に近づく方向
および該彫刻針の先端部が該彫刻面から遠ざかる方向
に、該彫刻針を前記本体ケースと相対的に移動させるた
めの移動機構を備えたこと、を特徴としている。
【0016】以上のような構成の請求項1記載の発明に
よれば、彫刻装置に備えられた被彫刻物の彫刻面に平行
な面内で彫刻ペンを移動させる手段により、彫刻ペンを
所望の位置に移動させ、移動機構により彫刻針を彫刻ペ
ンの本体ケースと相対的に移動させて彫刻針の先端部を
彫刻面に近づけ、彫刻針を微振動させて彫刻針の先端部
を彫刻面に衝突させ彫刻面に窪みを形成しながら彫刻面
に平行な面内で彫刻ペンを適宜移動させることによっ
て、彫刻面に文字、記号、図形等の彫刻を形成すること
ができる。また、連続的な窪みでは表現できない、即ち
一筆書きでは表現できない彫刻を彫刻面に行うときに
は、移動機構により彫刻針の先端部が彫刻面から遠ざか
る方向に彫刻針を本体ケースと相対的に一旦移動させた
後、彫刻ペンを所望の位置に移動させ、再び移動機構に
より彫刻針の先端部を彫刻面に近づけ、彫刻針を振動さ
せながら彫刻面に平行な面内で彫刻ペンを適宜移動させ
ることによって、彫刻を行うことができる。つまり、彫
刻針の先端部が彫刻面に近づく方向および彫刻針の先端
部が彫刻面から遠ざかる方向に、彫刻針を彫刻ペンの本
体ケースと相対的に移動させるために、彫刻ペンの全体
を移動させるのではなく、彫刻針を彫刻ペンと相対的に
移動させるので、例えば、彫刻ペンの全体を上下に案内
するスライド機構や彫刻ペンの全体を上下に移動させる
エアシリンダ等の上下移動手段等を彫刻装置に備える必
要が無く、コストの低減および彫刻装置の小型化が可能
となる。
【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載の彫
刻ペンであって、前記移動機構は、前記本体ケースの内
部に設けられた移動空間と、該移動空間の内周に沿って
移動可能な移動体と、前記移動体を前記彫刻面から遠ざ
ける方向に付勢する第一の付勢手段と、を備えており、
第二の付勢手段により前記第一の付勢手段による付勢力
に抗して前記移動体を前記彫刻面に近づける方向に付勢
することにより、該移動体の動きに伴って前記彫刻針の
先端部が該彫刻面に近づく方向に該彫刻針が移動し、前
記第二の付勢手段による付勢力を解除することにより、
前記移動体の動きに伴って前記彫刻針の先端部が前記彫
刻面から遠ざかる方向に該彫刻針が移動すること、を特
徴としている。
【0018】以上のような構成の請求項2記載の発明に
よれば、第二の付勢手段により第一の付勢手段による付
勢力に抗して移動体を彫刻面に近づける方向に付勢する
ことにより、該移動体の動きに伴って彫刻針が該彫刻面
に近づく方向に移動し、第二の付勢手段による付勢力を
解除することにより、移動体の動きに伴って彫刻針が彫
刻面から遠ざかる方向に移動するので、移動機構により
彫刻針の先端部が彫刻面に近づく方向および彫刻針の先
端部が該彫刻面から遠ざかる方向に、彫刻針を本体ケー
スと相対的に移動させることを容易かつ確実に行うこと
ができる。また、第一の付勢手段の付勢力および第二の
付勢手段の付勢力を適宜調節することにより、彫刻針の
先端部が彫刻面に近づく方向および彫刻針の先端部が該
彫刻面から遠ざかる方向への彫刻針の移動の動作を短時
間に行うようにすることができる。
【0019】請求項3記載の発明は、請求項2記載の彫
刻ペンであって、前記第二の付勢手段は、前記本体ケー
スに供給される圧縮ガスであること、を特徴としてい
る。
【0020】以上のような構成の請求項3記載の発明に
よれば、前記第二の付勢手段は、前記本体ケースに供給
される圧縮ガスであるので、この圧縮ガスのガス圧およ
び流量、即ち圧縮ガスの供給速度を適宜調節することに
より、第一の付勢手段による付勢力に抗して移動体を彫
刻面に近づける方向に付勢して、該移動体の動きに伴わ
せて彫刻針の先端部を彫刻面に近づける方向に移動させ
る動作を短時間に行うようにすることができる。
【0021】請求項4記載の発明は、請求項3記載の彫
刻ペンであって、前記移動体には、前記圧縮ガスが通過
可能な貫通孔が形成され、前記彫刻針の一端には鍔部が
形成され、前記鍔部と前記移動体との間には前記貫通孔
の出口を塞ぐ弾性部材が介装され、前記圧縮ガスを前記
貫通孔の出口と前記弾性部材との間を間欠的に通過させ
ることにより前記微振動を発生させること、を特徴とし
ている。
【0022】以上のような構成の請求項4記載の発明に
よれば、彫刻針の先端部を彫刻面に近づける方向に移動
させるための動力が圧縮ガスであると共に、彫刻針を微
振動させるための動力も圧縮ガスであるので、彫刻針の
先端部を彫刻面に近づけるための動力と彫刻針を微振動
させるための動力とを兼用できる。
【0023】請求項5記載の発明は、請求項4記載の彫
刻ペンであって、前記弾性部材は、前記移動体に形成さ
れた溝部に位置決め配設されていること、を特徴として
いる。
【0024】以上のような構成の請求項5記載の発明に
よれば、前記弾性部材は、前記移動体に形成された溝部
に位置決め配設されているので、該弾性部材が該移動体
に対してずれることを防止できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る実施の形態
例を図1及び図2に基づいて説明する。図1及び図2
は、本発明に係る彫刻ペン1を説明するための側断面図
である。
【0026】先ず、図1及び図2に示されるように、彫
刻ペン1の本体ケース2は、胴部ケース3および胴部ケ
ース3と接合された先端部ケース4からなっている。本
体ケース2は図示しない彫刻装置に取付けられており、
彫刻装置に備えられた移動手段により、X、Y方向に所
望の移動がなされるようになっている。
【0027】胴部ケース3には、圧縮ガス供給口3a
と、圧縮ガス供給口3aから圧縮ガス(第二の付勢手
段)が流れ込む内室3bと、内室3bと連通された円筒
形状の移動空間3cとがそれぞれ形成されている。
【0028】移動空間3cの内部には、外周が移動空間
3cの内周とほぼ同じに設定された円柱形状の移動体5
が上下に摺動可能に配設されている。ここで、移動空間
3cの上側面3dにより移動体5の上方向移動が規制さ
れ、先端部ケース4の上端面4cにより移動体5の下方
向移動が規制されている。移動体5の下部に形成された
Oリング配設溝(溝部)5aには、Oリング(弾性部
材)6が位置決め配設され、Oリング6が移動体5に対
してずれないようになっている。また、移動体5には、
内室3b側からOリング配設溝5aへと貫通する貫通孔
5bが形成されている。ここで、貫通孔5bの下端部は
Oリング6により塞がれた状態である。
【0029】彫刻針7は、軸部7aと、軸部7aの上端
部に形成された盤状の鍔部7bと、軸部7aの下端部に
形成され先端が尖った形状の先端部7cと、をそれぞれ
有している。彫刻針7の軸部7aは、先端部ケース4に
形成された軸部挿通孔4aに挿通され、軸部挿通孔4a
に対して上下に摺動自在である。また、軸部7aの周囲
には圧縮コイルバネ(第一の付勢手段)8が圧縮された
状態で配設され、圧縮コイルバネ8の上端部は彫刻針7
の鍔部7bの下側面に、圧縮コイルバネ8の下端部は先
端部ケース4の内部に形成された彫刻針動作室4bの下
端面にそれぞれ接している。従って、彫刻針7の鍔部7
bおよびOリング6を介して、圧縮コイルバネ8により
移動体5が上方向に付勢されており、図1に示される状
態では、移動体5の上端面の周縁部が移動空間3cの上
側面3dに当接して移動体5が制止した状態である。ま
た、Oリング6は貫通孔5bに押しつけられている。よ
って、内室3bの下端部は移動体5およびOリング6に
よって密閉された状態である。
【0030】次ぎに、本発明に係る彫刻ペン1による彫
刻動作について説明する。先ず、胴部ケース3の圧縮ガ
ス供給口3aから内室3bへと圧縮ガスの供給を開始す
る。すると、内室3bの内部のガス圧が高まるととも
に、圧縮コイルバネ8の付勢力に抗して移動体5が移動
空間3cの内周に沿って下方向に移動する。また、移動
体5の移動に伴って、Oリング6および彫刻針7も下方
向に移動する。
【0031】図2に示されるように、移動体5の下端面
が先端部ケース4の上端面4cに当接したところで、移
動体5、Oリング6および彫刻針7の下方向移動は停止
する。ここで、図2に示されるように、彫刻針7の先端
部7cは、被彫刻物の彫刻面Tとすれすれの位置にな
る。
【0032】この状態で、圧縮ガス供給口3aからは圧
縮ガスが供給され続けているので、内室3bの内部のガ
ス圧はさらに上昇する。内室3bの内部のガス圧、即
ち、Oリング6に加わるガス圧が一定値を越えると、ガ
ス圧によりOリング6とともに彫刻針7が圧縮コイルバ
ネ8の付勢力に抗して僅かに下方向に移動する。これに
より、Oリング6と移動体5のOリング配設溝5aとの
間に僅かな隙間が生じ、圧縮ガスがこの隙間を通過して
彫刻針動作室4bへと流れ込む。また、彫刻針動作室4
bに流れ込んだガスは、先端部ケース4に形成された排
出孔4dから排出される。
【0033】すると、それまで高圧状態にあった内室3
bの内部のガス圧が下がるため、彫刻針7の鍔部7bを
介してOリング6が圧縮コイルバネ8により付勢されて
彫刻針7とともに僅かに上方向に移動し、Oリング6が
貫通孔5bの下端部に押しつけられ、再びOリング6に
より貫通孔5bの下端部を塞いだ状態となる。
【0034】そして、再び内室3b内部のガス圧が上昇
する。以後同様に、圧縮ガス供給口3aから内室3bへ
と圧縮ガスを供給している間は、Oリング6および彫刻
針7の僅かな上下方向移動が速い速度で繰り返され、彫
刻針7の上下方向の微振動となる。ここで、圧縮ガスの
供給開始から、彫刻針7の上下方向の微振動が開始され
るまでの動作は、極めて短時間に行われるように、圧縮
ガスの供給速度等が設定されている。
【0035】最初に移動体5の下端面が先端部ケース4
の上端面4cに当接したところで、彫刻針7の先端部7
cは、被彫刻物の彫刻面Tとすれすれの位置になってい
るため、上述したように彫刻針7が上下方向に微振動す
ることで、先端部7cが繰り返し彫刻面Tに衝突し、彫
刻面Tに窪みが形成される。
【0036】従って、上述したように彫刻針7が上下に
微振動している状態で、彫刻装置に備えられた移動手段
により彫刻ペン1をX、Y方向に適宜移動させること
で、彫刻面Tに文字、記号、図形等の彫刻を形成するこ
とができる。
【0037】一筆書きでは表現できない彫刻を彫刻面T
に形成するためには、先ず、圧縮ガス供給口3aからの
圧縮ガスの供給を停止するとともに、圧縮ガスの供給側
を解放状態にし、内室3b内部のガス圧を低下させる。
すると、彫刻針7の上下方向の微振動が停止するととも
に、圧縮コイルバネ8により鍔部7b、Oリング6を介
して上方向に付勢されている移動体5の上面の周縁部が
移動空間3cの上面側3dに当接するまで移動体5が上
方向に移動する。ここで、圧縮ガスの供給停止から移動
体5が上方向に移動するまでの動作は、極めて短時間に
行われるように、圧縮コイルバネ8の強さ等が設定され
ている。
【0038】移動体5が上方向に移動する際には、彫刻
針7も上方向に移動し、図1に示されるように、彫刻針
7の先端部7cが彫刻面Tから十分離れた状態となる。
この状態で、彫刻装置に備えられた移動手段により彫刻
ペン1をX、Y方向に所望の位置へと移動させ、再び圧
縮ガス供給口3aから内室3bへと圧縮ガスを供給する
ことで、一筆書きでは表現できない彫刻を彫刻面Tに形
成することができる。
【0039】以上のような構成の本発明に係る彫刻ペン
1によれば、彫刻針7の先端部7cを彫刻面Tに近づけ
る動作、および先端部7cを彫刻面Tから遠ざける動作
を、彫刻ペン1の全体を移動させて行うのではなく、彫
刻ペン1に相対的に彫刻針7を移動させて行うので、ス
ライド機構、および、エアシリンダ等からなる彫刻針1
を彫刻装置に相対的に移動させるための手段を備える必
要がなく、彫刻装置のコストダウンおよび小型化が可能
となる。さらに、彫刻針7の先端部7cを彫刻面Tに近
づけるための移動体5の下方向移動を、圧縮ガスにより
極めて短時間に行うことができる。また、圧縮ガスの供
給を停止すると、圧縮コイルバネ8により付勢されて彫
刻針7の先端部7cが即座に彫刻面Tから遠ざかる。従
って、彫刻針7を彫刻面Tに近づける動作→彫刻面Tへ
の彫刻→彫刻針7を彫刻面Tから遠ざける動作、の一連
の繰り返し動作が円滑かつ、非常に短時間で行われるの
で、一筆書きでは表現できない彫刻も円滑に行うことが
でき、彫刻完了までの時間短縮が可能となる。また、圧
縮ガスを、彫刻針7を微振動させるための動力としても
兼用できる。
【0040】なお、移動空間は、摩擦抵抗などの面から
円筒形状であることが望ましいため円筒形状としたが、
移動空間は円筒形状に限らず例えば、四角筒形状でも良
く、この場合、移動体の形状も移動空間の形状に合わせ
て適宜変更可能である。また、移動体を彫刻面から遠ざ
ける方向に付勢する第一の付勢手段として圧縮コイルバ
ネを用いたが、第一の付勢手段としては移動体を彫刻面
から遠ざける方向に付勢することで、移動体の動きに伴
って彫刻針を彫刻面から遠ざける方向に移動させること
ができるものであればその他でも良い。さらに、その他
の具体的細部構造等は本発明の要旨を逸脱しない範囲に
おいて適宜に変更可能である。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載の発明に係る彫刻ペンによ
れば、彫刻針の先端部が彫刻面に近づく方向および彫刻
針の先端部が彫刻面から遠ざかる方向に、彫刻針を彫刻
ペンの本体ケースと相対的に移動させるための移動機構
を備えたので、彫刻針の先端部を彫刻面に近づけたり遠
ざけたりするために、彫刻ペンの全体を彫刻装置に相対
的に移動させる手段を備える必要がなく、彫刻装置のコ
ストダウンおよび小型化が可能となる。
【0042】請求項2記載の発明に係る彫刻ペンによれ
ば、移動機構により彫刻針の先端部が彫刻面に近づく方
向および彫刻針の先端部が該彫刻面から遠ざかる方向
に、彫刻針を本体ケースと相対的に移動させることを容
易かつ確実に行うことができる。また、第一の付勢手段
の付勢力および第二の付勢手段の付勢力を適宜調節する
ことにより、彫刻針の先端部が彫刻面に近づく方向およ
び彫刻針の先端部が該彫刻面から遠ざかる方向への彫刻
針の移動の動作を短時間に行うようにすることができ、
彫刻の時間短縮が可能となる。
【0043】請求項3記載の発明に係る彫刻ペンによれ
ば、前記第二の付勢手段は、前記本体ケースに供給され
る圧縮ガスであるので、この圧縮ガスのガス圧および流
量、即ち圧縮ガスの供給速度を適宜調節することによ
り、彫刻針の先端部を彫刻面に近づける方向に移動させ
る動作を短時間に行うようにすることができ、彫刻の時
間短縮が可能となる。
【0044】請求項4記載の発明に係る彫刻ペンによれ
ば、彫刻針の先端部を彫刻面に近づける方向に移動させ
るための動力が圧縮ガスであると共に、彫刻針を微振動
させるための動力も圧縮ガスであるので、彫刻針の先端
部を彫刻面に近づけるための動力と彫刻針を微振動させ
るための動力とを兼用できる。
【0045】請求項5記載の発明に係る彫刻ペンによれ
ば、前記弾性部材は、前記移動体に形成された溝部に位
置決め配設されているので、該弾性部材が該移動体に対
してずれることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る彫刻ペンを説明するための側断面
図である。
【図2】本発明に係る彫刻ペンを説明するための側断面
図である。
【図3】従来の彫刻ペンを説明するための側断面図であ
る。
【符号の説明】
1 彫刻ペン 2 本体ケース 3c 移動空間 5 移動体 5a 溝部(Oリング配設溝) 5b 貫通孔 6 弾性部材(Oリング) 7 彫刻針 7b 鍔部 7c 先端部 8 第一の付勢手段(圧縮コイルバネ) T 彫刻面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被彫刻物の彫刻面に平行な面内で彫刻ペン
    を移動させる手段を備えた彫刻装置に取付けられた本体
    ケースと、該本体ケースに設けられ先端部を前記彫刻面
    に衝突させて該彫刻面に窪みを形成するべく微振動する
    ことが可能な彫刻針と、を有する彫刻ペンであって、 前記彫刻針の先端部が前記彫刻面に近づく方向および該
    彫刻針の先端部が該彫刻面から遠ざかる方向に、該彫刻
    針を前記本体ケースと相対的に移動させるための移動機
    構を備えたこと、を特徴とする彫刻ペン。
  2. 【請求項2】前記移動機構は、 前記本体ケースの内部に設けられた移動空間と、 該移動空間の内周に沿って移動可能な移動体と、 前記移動体を前記彫刻面から遠ざける方向に付勢する第
    一の付勢手段と、を備えており、 第二の付勢手段により前記第一の付勢手段による付勢力
    に抗して前記移動体を前記彫刻面に近づける方向に付勢
    することにより、該移動体の動きに伴って前記彫刻針の
    先端部が該彫刻面に近づく方向に該彫刻針が移動し、 前記第二の付勢手段による付勢力を解除することによ
    り、前記移動体の動きに伴って前記彫刻針の先端部が前
    記彫刻面から遠ざかる方向に該彫刻針が移動すること、
    を特徴とする請求項1記載の彫刻ペン。
  3. 【請求項3】前記第二の付勢手段は、前記本体ケースに
    供給される圧縮ガスであること、を特徴とする請求項2
    記載の彫刻ペン。
  4. 【請求項4】前記移動体には、前記圧縮ガスが通過可能
    な貫通孔が形成され、 前記彫刻針の一端には鍔部が形成され、 前記鍔部と前記移動体との間には前記貫通孔の出口を塞
    ぐ弾性部材が介装され、 前記圧縮ガスを前記貫通孔の出口と前記弾性部材との間
    を間欠的に通過させることにより前記微振動を発生させ
    ること、を特徴とする請求項3記載の彫刻ペン。
  5. 【請求項5】前記弾性部材は、前記移動体に形成された
    溝部に位置決め配設されていること、を特徴とする請求
    項4に記載の彫刻ペン。
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