JP2009295431A - 節度可変式入力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータを使用してスイッチノブの節度を切り換えるに際し、この節度切り換え時に必要となる消費電力を大幅に削減することができる節度可変式入力装置を提供する。
【解決手段】ロータリスイッチ7には、スイッチノブ8に発生する節度を切り換え可能に発生する可変式節度機構15が組み込まれている。この節度機構15は、スイッチノブ8とこれを回動可能に支持するホルダ部13との間に設けられ、節度ピース16が節度山20を乗り越えることによりスイッチノブ8に節度を発生する。スイッチ本体9には、節度機構15の駆動源としてモータ22が収納されている。可変式節度機構15は、モータ22の端子間を開放又は短絡することにより、モータ22に発生する制動トルクを切り換えて、スイッチノブ8に生じる節度を切り換える。
【選択図】図3

Description

本発明は、スイッチノブに発生する節度感を切り換え可能な節度可変式入力装置に関する。
従来、車両のセンタークラスター等には、各種車載機器を操作する際の入力系として種々のスイッチが搭載されている。このスイッチの種類には、スイッチノブが回転操作式をとるロータリスイッチがあり、この種のロータリスイッチの一種には、その時のスイッチで操作できる機能や用途に応じて節度が切り換わる可変式のものもある。この節度可変式ロータリスイッチには、発生し得る節度感ごとに複数の節度機構を持ち、これらのうち特定の1つが選択的に機能することにより、節度感の切り換えが可能となっている。なお、この種の節度可変式ロータリスイッチは、例えば特許文献1等に開示されている。特許文献1の技術は、機能する節度機構を電磁ソレノイドにより選択的に切り換える電気式である。
特開2007−59382号公報
しかし、電気式の節度可変式ロータリスイッチの場合、ロータリスイッチの節度の切換は、アクチュエータ(電磁ソレノイド)に電気を流してアクチュエータを動作させることにより行う。このため、ロータリスイッチの節度を他の節度に切り換える際には、節度切り換え実行時間の間、アクチュエータに電力を付与した状態を継続しなければならなくなるので、消費電力が大きいという問題があった。特に、もし仮に節度切り換え状態が長時間をとる場合、その間、ずっと電流を流しておく必要があるので、消費電力の問題は特に顕著となる。
本発明の目的は、モータを使用してスイッチノブの節度を切り換えるに際し、この節度切り換え時に必要となる消費電力を大幅に削減することができる節度可変式入力装置を提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明では、回動操作式のスイッチノブと、当該スイッチノブを回動可能に支持するノブ支持部材との間に、付勢部材の付勢力により節度山群に押し付け状態にある節度ピースをノブ操作時に節度山を乗り越えさせるのに必要となる操作トルクを節度として付与する節度機構を少なくとも1つ持ち、前記節度機構を有効無効又は選択的に動作させることにより、前記スイッチノブに発生する節度を切り換え可能な節度可変式入力装置において、前記ノブ支持部材にモータを連結し、前記モータの端子間を短絡又は開放することにより、前記スイッチノブの節度を切り換えることを要旨とする。
この構成によれば、例えばモータの端子間を開放した場合、モータの両端子はともに電位のかかっていない状態をとるので、同モータのモータ軸を外力により回動した際、モータは弱めの制動トルクが発生する状態をとる。よって、このときは、ノブ回動操作の際に節度機構を利かせるのに必要となる操作トルクよりも、モータの制動トルクが下回る値関係をとる。よって、例えば節度が有効無効の2状態で切り換わる場合、モータ端子間が開放状態の際にスイッチノブが回動操作されると、スイッチノブとノブ支持部材とが繋がった状態をとることから、スイッチノブとノブ支持部材との間にある節度機構が無効となり、スイッチノブには節度が発生しない。
一方、例えばモータの端子間を短絡した場合、モータの両端子はともに電位のかかった状態をとるので、モータが発電機として機能する状態をとる。このため、モータ端子間を短絡した状態でモータ軸を外力により回動した際、モータは強めの制動トルクが発生する状態をとる。よって、このときは、ノブ回動操作の際に節度機構を利かせるのに必要となる操作トルクよりも、モータの制動トルクが値を上回る状態をとる。よって、例えば節度が有効無効の2状態で切り換わる場合、モータ端子間が短絡状態にある際にスイッチノブが回動操作されると、このときはノブ支持部材がスイッチ本体に繋がる状態をとるので、スイッチノブがノブ支持部材に対して回動し、スイッチノブとノブ支持部材との間にある節度機構が有効となり、スイッチノブに節度が発生する。
よって、本構成の場合、スイッチノブの節度を切り換えるに際しては、例えばモータ端子に繋がるリレーの接点状態を切り換えるなどして、モータ端子を開放又は短絡させる処理のみで済む。よって、スイッチノブの節度を切り換えるのに、例えばソレノイドやモータ等のアクチュエータに電流を流しつつ、この電流の流し状態を継続しなければならない処理が必要とならない。よって、本構成においては、例えばモータ端子間の接点切り換えにリレーを使用した場合、スイッチノブの節度を発生する際に必要となる電力はリレーの切り換えにのみ必要となるので、スイッチノブの節度を切り換えるのに必要となる消費電力を大幅に削減することが可能となる。
本発明では、前記スイッチノブと前記ノブ支持部材との間に前記節度機構を1つ設け、前記モータの端子を短絡又は開放することにより、前記節度機構の有効無効を切り換えて、前記スイッチノブの節度を有り無しで切り換えることを要旨とする。
この構成によれば、節度可変式入力装置に節度機構を1つ(1種類)のみ設け、この節度機構を有効とするか又は無効とするかを切り換えることにより、スイッチノブを節度有り無しの2状態の間で切り換える。よって、この場合は必要となる節度機構が1つで済むので、節度可変式入力装置に組み付ける節度機構が複雑なものにならない。
本発明では、前記モータは、直流モータであることを要旨とする。
この構成によれば、直流モータを使用したので、このような広く一般的に出回っているモータを使用すれば、実施に際して大きな困難性を伴うことがない。
本発明では、前記スイッチノブが回動操作された際のその回動操作量を増幅させる増幅手段を備えたことを要旨とする。
この構成によれば、スイッチノブが回動操作された際には、その回動操作量が増幅手段により増幅されてモータに伝達される。ところで、例えば直流モータ等のモータでは、モータ軸を速く回すと、その分だけ大きな制動トルクが発生する傾向がある。よって、本構成のように、スイッチノブの回動操作を増幅手段で増幅してモータに伝達するようにすれば、スイッチノブの回動操作した際、モータはより速く回動する状態をとるので、その分だけ制動トルクを大き目の値で引き出すことが可能となる。このため、モータ端子間の短絡時、より確実にモータの制動トルクを節度機構の操作トルクを上回らせることが可能となるので、節度機構をより確実に有効に切り換えることが可能となる。
本発明によれば、モータを使用してスイッチノブの節度を切り換えるに際し、この節度切り換え時に必要となる消費電力を大幅に削減することができる。
以下、本発明を具体化した節度可変式入力装置の一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1に示すように、車両1のセンタークラスター2には、各種操作機器を操作する際の入力系として操作パネル部3が設けられている。この操作パネル部3には、複数のスイッチ群4と、各種画面を表示可能なディスプレイ5とが設けられている。本例の操作パネル部3は、例えばディスプレイ5に選択画面を表示し、この選択画面に表示される複数の選択項目の中から特定のものをスイッチ群4で選択指定する画面対話型(ユーザインターフェース)となっている。また、この操作パネル部3は、エアーコンディショナーシステム、カーナビゲーションシステム、オーディオシステム等の各種車載機器の共通の入力系として使用されている。
スイッチ群4には、操作パネル部3(スイッチ群4)の動作モードを切り換える際に操作するプッシュスイッチ6が設けられている。なお、ここで言う動作モードとは、操作パネル部3を各システムのどの入力系として機能させるのかを指定するオンオフのモードの他に、各々のシステムにおいて詳細項目を設定する時に入り込む下位層のモードも含む。プッシュスイッチ6は、モーメンタリ式であって、各々の動作モードごとに複数配設されている。また、スイッチ群4には、各動作モードにおいて各種詳細設定を行う際に操作するロータリスイッチ7が設けられている。このロータリスイッチ7は、スイッチノブ8が回動操作式をとるもので、操作パネル部3に複数配設されている。
図3〜図5に示すように、ロータリスイッチ7には、スイッチ部品を収納するケースとしてスイッチ本体9が設けられている。ロータリスイッチ7は、このスイッチ本体9がセンタークラスター2に組み付けられている。スイッチ本体9には、ロータリスイッチ7の操作箇所としてスイッチノブ8が回動可能に軸支されている。スイッチノブ8には、スイッチノブ8の回動軸として略円柱形状をなすノブ回動軸10が設けられている。また、ノブ回動軸10の先端には、スイッチ本体9から露出する状態で略円板形状をなすノブ部11がノブ回動軸10と同一軸心に設けられている。ノブ回動軸10において中央寄りの位置には、略円板形状をなした支持座部12が形成されている。
スイッチ本体9の内部には、スイッチノブ8をその基端において回動可能に支持する略円板形状のホルダ部13が収納されている。ホルダ部13の上面には、その中央位置にノブ収納穴14が貫設され、このノブ収納穴14にスイッチノブ8のノブ回動軸10の基端が通されている。よって、スイッチノブ8は、ホルダ部13に対してその中心位置において回動可能となっている。なお、ホルダ部13がノブ支持部材に相当する。
また、スイッチノブ8とホルダ部13との間には、スイッチノブ8の回動操作時においてスイッチノブ8に節度を付与する節度機構15が設けられている。この節度機構15においては、ホルダ部13に、先端面が球面状をなす節度ピース16が取り付けられている。また、ホルダ部13の上面において半径方向外寄りの位置には、この節度ピース16を収納するピース収納穴17が貫設されている。節度ピース16は、このピース収納穴17に付勢部材18を間に挟む状態で収納されている。付勢部材18は、例えばコイルスプリングからなり、節度ピース16を押し出す側(支持座部12側)に常時付勢する。
また、図5に示すように、支持座部12の底面には、節度ピース16の押し付け先として節度山群19が凹凸形成されている。この節度山群19は、節度山20及び節度谷21が連続した群からなり、ノブ回動軸10の軸回り方向において全域に亘って形成されている。この節度機構15が発生する節度、即ちスイッチノブ8を回動操作した際に同ノブ8に発生する回転トルク(操作トルク)Taは、ノブ回動操作時に節度谷21にある節度ピース16が付勢部材18の付勢力に抗して節度山20を乗り越えようとする際の反発力から決まる。また、この反発力は、例えば節度ピース16の大きさ、節度山20の高さ、節度谷21の深さ、付勢部材18の付勢力等から設定される。さらに、この節度機構15は、隣の節度谷同士(節度山同士)の角度間隔がスイッチノブ8を回動操作する際の分解能となる。
図3〜図5に示すように、本例の節度機構15は、異なる節度を選択的に発生可能な可変式となっている。特に、本例の可変式節度機構15は、節度機構15を有効にしてスイッチノブ8に節度を付与する節度有り状態と、節度機構15を無効にしてスイッチノブ8に節度を付与しない節度無し状態との2状態に切り換える有効無効式となっている。即ち、節度機構15が利いているときには、スイッチノブ8の回動操作時にスイッチノブ8に節度が発生し、一方で節度機構15が利いていないときには、スイッチノブ8の回動操作時にスイッチノブ8に節度が発生しない。
この可変式節度機構15においては、スイッチ本体9に、節度機構15の駆動源としてモータ22が収納されている。本例のモータ22は、直流モータ(DCモータ)が使用され、スイッチ本体9内において縦向きに収納されている。モータ22のモータ軸23には、ホルダ部13が同一軸心に同期回動可能な状態で固着されている。このため、本例のスイッチノブ8のノブ回動軸10、ホルダ部13の中心、モータ22のモータ軸23は、同一直線上に並んだ配置状態をとっている。この種のモータ22は、モータ軸23を外力により強制的に回すと、このときのモータ22が発電機として機能することからも分かるように、モータ軸23にこの回動操作に反発するトルク、いわゆる制動トルク(回転トルク)Tが発生する。よって、本例の節度機構15は、モータ22に発生する制動トルクTを利用してスイッチノブ8の節度を切り換える方式をとっている。
図2に示すように、操作パネル部3には、この操作パネル部3のコントロールユニットとしてスイッチコントローラ24が設けられている。スイッチコントローラ24の入力側には、スイッチノブ8の回動操作量を検出する回転量検出センサ25が接続されている。この回転量検出センサ25は、例えばロータリエンコーダ等からなり、スイッチノブ8の回動操作量に応じたセンサ信号をスイッチコントローラ24に出力する。スイッチコントローラ24は、回転量検出センサ25から取得したセンサ信号を基にスイッチノブ8の回動操作量を演算し、スイッチノブ8の操作量を必要とする各種システムにこの演算値を転送して、例えばディスプレイ5の画面をスイッチノブ8の操作量に応じた画面内容に切り換える。
また、スイッチコントローラ24は、入力側にプッシュスイッチ6が接続されるとともに、出力側にモータ22が接続されている。本例のモータ22は、例えば鉄片(接点)と電磁石とからなるリレー26を介してスイッチコントローラ24に繋がっている。このリレー26は、モータ22の一方端子22a(例えば+端子)に繋がる第1固定接点27と、モータ22の他方端子22b(例えば−端子)に繋がる第2固定接点28と、スイッチコントローラ24に延びて電源+Vccに繋がる可動接点29とを持っている。リレー26は、接点状態がスイッチコントローラ24によって管理され、可動接点29が両方の固定接点27,28に接触しないオフ状態と、可動接点29が両方の固定接点27,28に接触するオン状態の2状態をとる。
スイッチコントローラ24は、プッシュスイッチ6から取得したスイッチ信号を基に、操作パネル部3の動作モードを設定しつつ、ディスプレイ5の画面をその時々の動作モードに応じた画面内容に切り換える。また、スイッチコントローラ24は、この動作モードの設定の際、その動作モードに応じてリレー26の接点状態を切り換えて、スイッチノブ8の節度を切り換える。本例の場合、スイッチコントローラ24は、リレー26をオフ状態とすることでモータ22の端子間を開放状態として節度機構15を有効とし、リレー26をオン状態とすることでモータ22の端子間を短絡状態として節度機構15を無効とする。なお、開放状態とは、モータ22の両端子にともに電位がかけられていない状態を言い、短絡状態とは、モータ22の両端子にともに+電位がかけられた状態を言う。
次に、本例の節度可変式入力装置の動作を説明する。
まずは、節度機構15を無効とする動作モードにプッシュスイッチ6が操作された場合を想定する。このとき、スイッチコントローラ24は、図2の回路図に示すように、リレー26をオフ状態にする。これにより、モータ22の端子間は、両端子22a,22bがともに+電位に接続されていない開放状態をとる。このときにモータ22に発生する制動トルクTは、モータ端子間が開放状態をとるときに発生し得る値(以降、モータ開放時制動トルクTcという)をとる。モータ端子間が開放状態をとる際には、モータ22に電力が付与されていないことから、モータ軸23は回動がほぼフリーに許容される状態をとる。よって、このモータ開放時制動トルクTcは、非常に小さい値をとる。
ところで、図6に示すように、モータ開放時制動トルクTcは、節度機構15の回転トルクTaよりも低い値に設定されている。よって、スイッチノブ8が回動操作された際には、節度機構15によりスイッチノブ8とホルダ部13とが繋がった状態をとり、スイッチノブ8、節度機構15、ホルダ部13、モータ軸23が回動部材(図3のドット図示部材)となる。よって、スイッチノブ8が回動操作された際には、ホルダ部13(節度機構15及びモータ軸23も含む)が連れ回りすることから、節度機構15が無効となる。よって、スイッチノブ8は、スイッチノブ8を回動操作しても節度を感じることがない節度無し状態をとる。
一方、節度機構15を有効とする動作モードにプッシュスイッチ6が操作された場合を想定する。このとき、スイッチコントローラ24は、図2の一点鎖線円内に示すように、リレー26をオン状態にする。これにより、モータ22の端子間は、両端子22a,22bがともに+電位に繋がった短絡状態をとる。このときにモータ22に発生する制動トルクTは、モータ端子間が短絡状態をとるときに発生し得る値(以降、モータ短絡時制動トルクTbという)をとる。モータ端子間が短絡状態をとる際には、両端子がともに電位がかかってモータ22が発電機として機能する状態をとるので、モータ軸23は規制がかかる状態で回動が許容される。よって、このモータ短絡時制動トルクTbは、非常に大きな値をとる。
また、図6に示すように、モータ短絡時制動トルクTbは、節度機構15の回転トルクTaよりも高い値に設定されている。即ち、回転トルクTa、モータ短絡時制動トルクTb、モータ開放時制動トルクTcには、「Tc<Ta<Tb」の関係性が満たされている。よって、このモータ短絡時制動トルクTbは節度機構15の回転トルクTaよりも大きな値に設定されているので、このときにスイッチノブ8が回動操作された際には、ホルダ部13はモータ軸23に繋がった状態をとるので、スイッチノブ8のみが回動部材(図4のドット図示部材)となる。このため、スイッチノブ8が回動操作された際には、スイッチノブ8がホルダ部13に対して回動する状態をとり、節度機構15が有効となる。よって、スイッチノブ8は、節度機構15による回転トルクTaが節度として発生する節度有り状態をとる。
さて、本例においては、モータ22の端子間を開放又は短絡した際にモータ22に発生するトルク(制動トルクTb,Tc)を用い、これら制動トルクTb,Tcと節度機構15が持つ回転トルクTaとの値の関係性(即ち、「Tc<Ta<Tb」)で以て、節度機構15の有効無効を切り換える。このため、スイッチノブ8の節度の切り換えに際して必要となる電力は、それまでオフ状態をとっていたリレー26をオンさせるのに必要な電力のみで済む。よって、スイッチノブ8の節度を切り換えるに際して例えばソレノイドやモータ等に電流を流したままにしなくてもよいので、スイッチノブ8の節度を切り変えるのに必要な消費電力を大幅に削減することが可能となる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)モータ22の端子間を開放又は短絡することで節度機構15の有効無効を切り換えるので、スイッチノブ8の節度を切り換える際に必要となる電力はリレー26の切り換えのみで済む。よって、スイッチノブ8の節度を切り換える際に、例えばソレノイドやモータ等のアクチュエータに電流を流し続ける動作をとらずに済むので、節度切り換えに必要な消費電力を大幅に削減することができる。
(2)可変式節度機構15は、1つの節度機構15のみを持ち、この節度機構15を有効とするか又は無効とするかを切り換えることにより、スイッチノブ8を節度有り無しの2状態の間で切り換えるものである。よって、この場合はロータリスイッチ7に必要となる節度機構部品が1つで済むので、ロータリスイッチ7に組み付ける節度機構部品が複雑なものにならずに済む。このため、ロータリスイッチ7を簡素な構造のものとすることができ、ひいてはロータリスイッチ7の部品コストも低く抑えることができる。
(3)可変式節度機構15の駆動源であるモータ22に直流モータを使用したので、この種の広く一般的に出回っているモータを使用すれば、実施に際して大きな困難性が伴うことがない。
(4)プッシュスイッチ6が操作されて操作パネル部3の動作モードが切り換わる際、このモード切り換わりに連動する形でスイッチノブ8の節度が自動で切り換わる。よって、スイッチノブ8の節度を切り換えるに際して、例えば専用のスイッチを操作するなどの特別な切り換え操作が不要となるので、節度切り換えに面倒さを感じ難くすることができる。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・ ホルダ部13とモータ22とは、これらが軸を同一として回動力がそのまま伝達される構成に限定されない。例えば、図7に示すように、ホルダ部13とモータ22との間に、モータ短絡時制動トルクTbを増幅すべく働くギア機構51を介して連結してもよい。このギア機構51は、例えば大小の歯車群からなり、大歯車52がホルダ部13の軸部13aに取り付けられ、小歯車53がモータ軸23に取り付けられる。ところで、この種のモータ22は、モータ軸23が速く回る状態をとると、遅いときに比べて相対的に大きな制動トルクTが発生する傾向がある。よって、ホルダ部13とモータ22とをギア機構51で連結すれば、ホルダ部13の回転時、ホルダ部13の回転量に対してモータ軸23を多く回すことが可能となるので、モータ短絡時制動トルクTbを大き目の値で引き出すことが可能となる。このため、モータ22の端子間短絡時、より確実に制動トルクTにTa<Tbの関係性をとらせられるので、節度機構15をより確実に有効に切り換えることが可能となる。なお、ギア機構51が増幅手段に相当する。
・ ホルダ部13とモータ22との間にギア機構51を配設する場合、このギア機構51は、単なる歯車群に限定されず、例えば遊星歯車を使用してもよい。
・ モータ短絡時制動トルクTbの増幅手段は、必ずしもギア機構51に限らず、これ以外の構造のものを採用してもよい。
・ ロータリスイッチ7の節度切り換えは、必ずしもモード切り換え用のプッシュスイッチ6が操作されたことを条件とすることに限定されない。要は、スイッチノブ8の節度を切り換える必要が生じた場合であれば、その時々に応じて節度を切り換えてよい。例えば、操作パネル部3がタッチパネル式の場合にディスプレイ5がタッチ操作されたり、或いはロータリスイッチ7が所定回動位置にまで回動操作されたりして、操作パネル部3の動作モードが切り換わったことを条件としてもよい。
・ スイッチノブ8の節度切り換えは、必ずしも動作モードの切り換えに自動で連動することに限定されない。例えば、節度切り換え専用のスイッチを設け、このスイッチが操作されたことを条件に、スイッチノブ8の節度が切り換わってもよい。
・ 可変式節度機構15は、必ずしもスイッチノブ8に節度が発生するか或いはしないかを切り換える有効無効式に限定されない。例えば、強めの節度をスイッチノブ8に付与する強節度機構と、弱めの節度をスイッチノブ8に付与する弱節度機構とロータリスイッチ7に設け、これら2者のうちの何れかを選択的に機能させることにより、スイッチノブ8に強節度及び弱節度の何れかを発生させるようにしてもよい。
・ 節度機構15は、節度ピース16がホルダ部13に設けられ、節度山群19がスイッチノブ8に設けられることに限定されず、この組み合わせを逆にしてもよい。
・ 操作パネル部3は、複数のシステム間で共用されることに限らず、例えばナビゲーションシステムのみなど、単一のシステムの入力系として使用されてもよい。
リレー26は、必ずしも鉄片と電磁石とからなる構成に限らず、接点をオンオフできるものであれば、その構造は特に限定されない。
・ モータ22は、必ずしも直流モータに限定されず、例えば交流モータを使用してもよい。
・ 回転量検出センサ25は、スイッチノブ8自体を監視して回動量を見るものの他に、例えばモータ22内に組み込まれたモータ軸23の回動量を見るセンサを使用してもよい。また、スイッチノブ8の回動操作量を見る検出手段は、その操作位置に応じた連続的な検出値を出すセンサに限らず、例えば単なるオンオフの2位置のみを見る接点スイッチでもよい。
・ 節度可変のスイッチは、必ずしもロータリスイッチ7に限定されず、例えばスライドスイッチやプッシュスイッチでもよい。なお、この種のスイッチを使用した場合には、スイッチノブ8の操作運動がモータ22の回転運動で許容できるように、力の向きを変える変換機構が必要となる。
・ ロータリスイッチ7は、必ずしもエアーコンディショナーシステム用やカーナビゲーション用のスイッチに限定されず、例えば走行速度調整用のダイアルとして使用するなど適宜変更可能である。また、ロータリスイッチ7は、必ずしも車載用に限らず、車両以外の他の機器や装置等に広く使用可能である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)請求項1〜4のいずれかにおいて、前記スイッチノブがとる節度を切り換える操作の操作有無を監視する監視手段と、前記スイッチノブが節度切り換え状態に入った際、前記モータ端子間の接点状態を切り換えて、前記スイッチノブの節度を切り換え制御する制御手段とを備えた。この構成によれば、スイッチノブがとる節度を切り換える操作があった際には、その操作に応答する形で制御手段によりスイッチノブの節度が自動で切り換えられる。よって、スイッチノブの節度を切り換えるに際して特別な操作が不要であるので、節度切り換えに面倒さを感じさせずに済む。
一実施形態における車内の運転席付近を示す斜視図。 操作パネル部の概略構成を示す電気構成図。 モータ端子間開放時のロータリスイッチを示す模式断面図。 モータ端子間短絡時のロータリスイッチを示す模式断面図。 ロータリスイッチの概略構成を示す分解斜視図。 ロータリスイッチの特性値イメージと制動トルク値の関係を示す波形図。 別例のノブの回動操作量を増幅してモータに伝達するギア機構の平面図。
符号の説明
8…スイッチノブ、13…ノブ支持部材としてのホルダ部、15…節度機構、16…節度ピース、18…付勢部材、19…節度山群、20…節度山、22…モータ(直流モータ)、22a,22b…端子、51…増幅手段としてのギア機構、Ta…回転トルク(操作トルク)。

Claims (4)

  1. 回動操作式のスイッチノブと、当該スイッチノブを回動可能に支持するノブ支持部材との間に、付勢部材の付勢力により節度山群に押し付け状態にある節度ピースをノブ操作時に節度山を乗り越えさせるのに必要となる操作トルクを節度として付与する節度機構を少なくとも1つ持ち、前記節度機構を有効無効又は選択的に動作させることにより、前記スイッチノブに発生する節度を切り換え可能な節度可変式入力装置において、
    前記ノブ支持部材にモータを連結し、前記モータの端子間を短絡又は開放することにより、前記スイッチノブの節度を切り換えることを特徴とする節度可変式入力装置。
  2. 前記スイッチノブと前記ノブ支持部材との間に前記節度機構を1つ設け、前記モータの端子を短絡又は開放することにより、前記節度機構の有効無効を切り換えて、前記スイッチノブの節度を有り無しで切り換えることを特徴とする請求項1に記載の節度可変式入力装置。
  3. 前記モータは、直流モータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の節度可変式入力装置。
  4. 前記スイッチノブが回動操作された際のその回動操作量を増幅させる増幅手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の節度可変式入力装置。
JP2008148125A 2008-06-05 2008-06-05 節度可変式入力装置 Pending JP2009295431A (ja)

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