JP2009293551A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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紘晶 溝口
衛 ▲吉▼岡
Mamoru Yoshioka
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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の制御装置に関し、触媒劣化抑制のために減速時の燃料カットを禁止する場合において、エンジンブレーキの効きの低下を防止しつつ、失火を確実に回避することを目的とする。
【解決手段】本発明の内燃機関の制御装置は、排気ガスを浄化する触媒と、触媒が高温状態であるか否かを判定する触媒温度判定手段と、減速時に触媒が高温状態であると判定された場合に、燃料カットの禁止を要求する触媒劣化抑制手段と、吸入空気量を調整する空気量調整アクチュエータと、体積効率と相関する値を負荷率として算出する負荷率算出手段と、触媒劣化抑制手段により燃料カットの禁止が要求されているときに、負荷率が所定負荷率より低い場合あるいは低くなるおそれのある場合に、空気量調整アクチュエータの制御値を補正する負荷率制御手段と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
一般に、自動車用の内燃機関では、燃費の改善等を目的として、減速時に燃料噴射を停止する燃料カットが行われる。燃料カットを実行する条件としては、例えば、エンジン回転数が所定回転数以上であり、且つスロットル弁が全閉であることなどとされる。
内燃機関の排気通路に設けられた排気ガス浄化用の触媒は、高負荷走行時などにおいて、高温(例えば700℃以上)になることがある。触媒は、高温状態のときに酸素濃度の高い雰囲気に晒された場合に劣化し易いという性質を有している。触媒が高温状態のときに燃料カットが実行されると、触媒に酸素を多量に含む空気が流入するので、触媒の劣化が進行し易い。
上記のような触媒劣化を抑制するため、触媒が高温のときには、減速時に燃料カットを行わないようにする(つまり減速時に燃料噴射を継続する)技術が知られている。しかしながら、減速時には、スロットル弁が閉じられ、気筒内に流入する空気量が少量となるため、燃料噴射を行った場合に失火が発生し易い。失火が発生すると、未燃燃料を含んだ排気ガスが排気通路に流れ、その未燃燃料が触媒内で燃焼することになる。このため、触媒温度が過度に上昇し、かえって触媒にダメージを与える結果となる。
特開平9−217642号公報には、減速時に燃料カットを行わない場合に、失火が発生しないように、スロットル弁開度の下限値を、失火が発生しない最小値に制限する技術が開示されている(同公報の請求項4等参照)。
特開平9−217642号公報 特開平10−159613号公報 特開2004−116657号公報 特開2007−129881号公報
上記公報に開示された発明では、失火が発生しない最小スロットル弁開度とエンジン回転数等との関係を予め調べて作成したマップを用意しておき、そのマップに基づいて、失火が発生しない最小スロットル弁開度を算出するようにしている(同公報の段落0018、図7等参照)。
しかしながら、スロットル弁にデポジットが堆積した場合には、そのデポジットの影響で、吸入空気量が減少する。このため、上記のように算出された、失火が発生しない最小スロットル弁開度に制御した場合であっても、失火を回避し得るだけの空気量が得られないことがある。それゆえ、上記公報に開示された発明では、減速時の失火の発生を確実に防止することは困難である。
一方、特開平10−159613号公報には、吸気系のデポジットを推定し、これを学習値として記憶する技術が開示されている。この技術を上記の発明と組み合わせることにより、上記問題の解決を図ることも考えられる。すなわち、吸気系デポジットの学習値に基づいて、失火が発生しない最小スロットル弁開度を補正する方法である。
しかしながら、デポジット等の堆積の仕方は千差万別で予測不可能であるため、単一の学習値では、スロットル弁開度を精度良く補正することは困難である。また、車両のバッテリーの交換時にECUに記憶された学習値がクリアされてしまった場合や、デポジットが急速に堆積したことによって学習が間に合わなかった場合などには、適正な補正ができなくなる。このようなことから、デポジットの学習値を用いてスロットル弁開度を補正したとしても、減速時の失火を確実に回避することは困難である。
また、減速時に吸入空気量を多めに制御すれば、失火を回避することはできるが、エンジンブレーキの効きが低下し、減速性が悪化するという問題が生ずる。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、触媒劣化抑制のために減速時の燃料カットを禁止する場合において、エンジンブレーキの効きの低下を防止しつつ、失火を確実に回避することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の排気ガスを浄化する触媒と、
前記触媒が高温状態であるか否かを判定する触媒温度判定手段と、
前記内燃機関の減速時に前記触媒が高温状態であると判定された場合に、燃料カットの禁止を要求する触媒劣化抑制手段と、
前記内燃機関の吸入空気量を調整する空気量調整アクチュエータと、
前記内燃機関の体積効率と相関する値を負荷率として算出する負荷率算出手段と、
前記触媒劣化抑制手段により燃料カットの禁止が要求されているときに、前記負荷率が所定負荷率より低い場合あるいは低くなるおそれのある場合に、前記負荷率が前記所定負荷率より低くなる事態が回避されるように、前記空気量調整アクチュエータの制御値を補正する負荷率制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の排気ガスを浄化する触媒と、
前記触媒が高温状態であるか否かを判定する触媒温度判定手段と、
前記内燃機関の減速時に前記触媒が高温状態であると判定された場合に、燃料カットの禁止を要求する触媒劣化抑制手段と、
前記内燃機関の吸入空気量を調整する空気量調整アクチュエータと、
前記内燃機関の体積効率と相関する値を負荷率として算出する負荷率算出手段と、
前記触媒劣化抑制手段により燃料カットの禁止が要求されているときに、前記負荷率が所定負荷率より低い場合あるいは低くなるおそれのある場合に、前記負荷率が前記所定負荷率より低くなる事態が回避されるように、前記空気量調整アクチュエータの制御値を補正する負荷率制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記触媒劣化抑制手段により燃料カットの禁止が要求されているときに、前記負荷率が前記所定負荷率より低い場合には、その要求に反して燃料カットを実行させる強制燃料カット手段を備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記所定負荷率は、燃料噴射を実行した場合に失火するおそれがない負荷率の下限として、予め設定された値であることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記負荷率制御手段は、前記負荷率が前記所定負荷率より低い場合に、前記空気量調整アクチュエータの制御値を、吸入空気量が増大する方向に補正する手段を含むことを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記負荷率制御手段は、前記所定負荷率以上の値に設定された目標負荷率と、前記負荷率との偏差に基づいて、前記空気量制御アクチュエータの制御値を補正するフィードバック制御手段を含むことを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記内燃機関の吸気通路に設置された、前記空気量制御アクチュエータとしてのスロットル弁と、
前記内燃機関の吸気弁の作用角を可変とする可変作用角機構と、
前記触媒劣化抑制手段の要求に従って燃料カットが禁止される場合に、前記作用角を所定の大作用角に制御する作用角制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、
失火の発生を検知する失火検知手段と、
前記触媒劣化抑制手段の要求に従って燃料カットが禁止されているときに、失火の発生が検知された場合には、吸入空気量を増量させる吸入空気量増量手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第8の発明は、第7の発明において、
前記吸入空気量増量手段により吸入空気量が増量された後に、失火が解消または減少したか否かを判定する判定手段と、
失火が解消または減少していないと前記判定手段により判定された場合に、燃料カットを実行させる燃料カット実行手段と、
を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、触媒劣化抑制のために減速時の燃料カットの禁止が要求されているときに、負荷率が所定負荷率より低い場合あるいは低くなるおそれのある場合には、空気量調整アクチュエータの制御値を補正することにより、負荷率が所定負荷率より低くなる事態を回避させることができる。このため、吸気系にデポジットが堆積したような場合であっても、失火の発生を確実に抑制することができるので、触媒温度の過度な上昇を確実に防止することができる。また、吸入空気量を必要以上に多くすることなく失火を回避することができるので、エンジンブレーキの効きの低下を回避することができ、良好な減速性が得られる。
第2の発明によれば、触媒劣化抑制のために減速時の燃料カットの禁止が要求されているときに、負荷率が所定負荷率より低い場合あるいは低くなるおそれのある場合には、空気量調整アクチュエータの制御値を、吸入空気量が増大する方向に補正することができる。このため、吸気系にデポジットが堆積したような場合であっても、失火の発生を確実に抑制することができるので、触媒温度の過度な上昇を確実に防止することができる。また、吸入空気量を必要以上に多くすることなく失火を回避することができるので、エンジンブレーキの効きの低下を回避することができ、良好な減速性が得られる。
第3の発明によれば、上記所定負荷率を、燃料噴射を実行した場合に失火するおそれがない負荷率の下限として予め設定された値としていることにより、失火が発生しない範囲において負荷率を十分に低くすることができる。このため、エンジンブレーキの効きの低下をより確実に回避することができ、更に良好な減速性が得られる。
第4の発明によれば、負荷率が上記所定負荷率より低い場合に、空気量調整アクチュエータの制御値を、吸入空気量が増大する方向に補正することができる。これにより、失火の発生をより確実に抑制することができる。
第5の発明によれば、上記所定負荷率以上の値に設定された目標負荷率と、負荷率との偏差に基づいて、空気量制御アクチュエータの制御値を補正することができる。これにより、負荷率をフィードバック制御することができるので、減速時の燃料カットを禁止する場合において、負荷率をより適切に制御することができる。その結果、失火の発生防止と、良好な減速性とをより確実に両立することができる。
第6の発明によれば、減速時の燃料カットを禁止する場合に、吸気弁の作用角を所定の大作用角に制御するとともに、負荷率についてはスロットル弁によって制御することができる。このため、各気筒の吸気弁作用角の僅かな違いによって気筒毎の空気量に差が生ずることを防止することができる。よって、一部の気筒で失火が発生するようなことを確実に回避することができる。また、気筒毎の空気量のバラツキを見込んで全体の空気量を多めに制御する必要がないので、エンジンブレーキの効きの低下を回避することができる。
第7の発明によれば、減速時の燃料カットが禁止されているときに、失火の発生が検知された場合に、吸入空気量を増量させることができる。これにより、吸入空気量の計量ずれがあったような場合においても、失火を確実に抑制することができる。
第8の発明によれば、失火の発生が検知された後に吸入空気量が増量された場合において、失火が解消または減少していないと判定手段により判定された場合には、燃料カットを実行させることができる。これにより、失火の原因が、吸入空気量の計量ずれによる実空気量の不足以外にある場合においても、触媒に未燃燃料が流入することを確実に抑制することができる。このため、触媒温度の過度の上昇を確実に回避することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。実施の形態1のシステムは、車両等に搭載される内燃機関10を備えている。内燃機関10は、複数の気筒を有しているが、図1にはそのうちの1つの気筒のみが示されている。内燃機関10の各気筒には、吸気通路12と、排気通路14とが連通している。
各気筒には、ピストン16と、吸気弁18と、排気弁20と、点火プラグ22と、吸気ポート内に燃料を噴射する燃料インジェクタ24とが設けられている。なお、本発明では、図示の構成に限らず、気筒内に直接に燃料を噴射するように燃料インジェクタが設けられていてもよい。
ピストン16は、コネクティングロッドを介してクランク軸26に連結されている。クランク軸26の近傍には、その回転角度を検出するクランク角センサ28が設けられている。
吸気通路12の途中には、電子制御式のスロットル弁30が設けられている。その近傍には、スロットル弁30の開度(以下「スロットル弁開度」と称し、符号TAで表す)を検出するスロットルポジションセンサ32が設けられている。また、スロットル弁30の上流側には、吸入空気量Gaを検出するエアフロメータ34が設けられている。エアフロメータ34の上流側には、エアクリーナ36が設けられている。
排気通路14の途中には、排気ガス中の有害成分を浄化するための触媒38が設置されている。この触媒38は、例えば、三元触媒、酸化触媒、NOx触媒等である。触媒38には、触媒温度センサ40が取り付けられている。本実施形態では、この触媒温度センサ40によって触媒38の温度(床温)を検出するものとするが、本発明では、内燃機関10の運転状態あるいは排気ガス温度等に基づいて触媒38の温度を推定するようにしてもよい。
本実施形態の内燃機関10は、吸気弁18の作用角(すなわち開弁期間)を可変とする可変作用角機構42を備えている。この可変作用角機構42は、制御軸44を回転させることにより、吸気弁18の作用角を連続的に変化させることができるように構成されている。図示を省略するが、可変作用角機構42は、制御軸44の一端に固定されたウォームホイールと、このウォームホイールと噛み合うウォームギヤと、このウォームギヤを回転駆動するモータとからなる制御軸駆動機構を備えている。このような可変作用角機構42によれば、吸気弁18の作用角を変化させることにより、吸入空気量を調整することができる。
なお、可変作用角機構42は、上記の構成に限定されるものではない。例えば、カムシャフトをサーボモータにより回転駆動することによって吸気弁18の開弁期間を変化させるような機構であってもよい。
本実施の形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、上述した各種のセンサおよびアクチュエータと、車両の運転席のアクセルペダル開度を検出するアクセルポジションセンサ46とが、電気的に接続されている。
ECU50は、エアフローメータ34により検出される吸入空気量Gaと、クランク角センサ28により検出されるエンジン回転数NEとに基づいて、負荷率KLを算出することができる。負荷率KLは、体積効率と相関する値である。体積効率は、内燃機関10の1サイクル当たりの行程容積に対する、1サイクル当たりに実際に吸入される空気の容積の比として定義される。すなわち、体積効率および負荷率KLは、何れも、1サイクル当たりに筒内に実際に吸入される空気量と相関を有する値である。
また、ECU50は、内燃機関10の減速時に、燃料インジェクタ24からの燃料噴射を停止させる燃料カットを行うことができる。すなわち、ECU50は、内燃機関10の減速を所定の条件(例えば、アクセルペダル開度がゼロであること、および、エンジン回転数NEが所定の復帰回転数より高いこと)により判定し、その条件が成立している場合に、燃料カットを実行する。
燃料カットが実行されると、燃料を含まない空気が排気通路14に流通するので、触媒38は高濃度の酸素に晒される。このとき、触媒38が高温状態(例えば700℃以上)であると、触媒38の劣化が進行し易い。この触媒38の劣化を回避するため、本実施形態では、触媒38が高温状態にあると判定された場合には、減速時に燃料カットの実行を禁止する触媒劣化抑制制御を実行することとしている。すなわち、触媒38が高温状態にある場合には、減速時にも燃料噴射を継続する。
触媒劣化抑制制御を実行する場合、つまり減速時に燃料噴射を継続する場合には、失火を回避することが重要である。失火が発生すると、未燃燃料を含んだ排気ガスが排気通路14に流れ、その未燃燃料が触媒38内で燃焼する。その結果、触媒38の温度が過度に上昇し、かえって触媒38にダメージを与えてしまうからである。
失火が発生するか否かは、1サイクルで筒内に吸入される空気量によって決まる。筒内には、前サイクルの既燃ガスが残留している。よって、筒内に吸入される空気量が少なくなるほど、筒内における残留ガスの割合が高まる。不活性な残留ガスの割合が、ある割合を超えると、良好な着火が得られなくなり、失火が発生する。従って、失火が発生するか否かは、1サイクルで筒内に吸入される空気量から予測することができ、よって、負荷率KLからも予測することができる。このため、失火が生ずるおそれはないと判断できるような負荷率KLの下限値、つまり「失火限界負荷率」が存在する。燃料噴射を行う場合に、負荷率KLがこの失火限界負荷率以上であれば失火が生ずるおそれはないと判断でき、負荷率KLが失火限界負荷率未満であると失火するおそれがあると判断できる。なお、失火限界負荷率は、厳密にはエンジン回転数NEに応じて変化するが、本実施形態では、エンジン回転数NEによらずに失火限界負荷率が一定(例えば10%)であるものとする。
本実施形態では、失火に起因する触媒38の過昇温を確実に防止するため、負荷率KLが失火限界負荷率未満である場合には、触媒劣化抑制制御を禁止し、燃料カットを強制的に実行することとしている。よって、以下の説明では、失火限界負荷率のことを「触媒劣化抑制禁止負荷率」とも呼ぶ。
触媒劣化抑制制御を実行する必要のある場合、すなわち触媒38が高温状態であって内燃機関10が減速する場合に、負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率未満になると、触媒劣化抑制制御が禁止され、燃料カットが実行されてしまう。このため、触媒38の劣化抑制が図れない。触媒劣化抑制制御が確実に実行されるようにするには、負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率未満にならないにように、負荷率KLを大きくすれば良い。
しかしながら、減速時に燃料噴射を行っている場合において負荷率KLを大きくすると、トルクが発生してしまうので、エンジンブレーキの効きが悪くなり、十分な減速性が得られないという問題が生ずる。従って、触媒劣化抑制制御の実行時においては、負荷率KLが、触媒劣化抑制禁止負荷率より僅かに大きい値に維持されることが理想である。図2は、触媒劣化抑制制御実行時の負荷率KLとエンジン回転数NEとの関係を示す図であり、同図中の実線で示すグラフが上記理想の負荷率KLである。すなわち、触媒劣化抑制制御の実行時においては、エンジン回転数NEの低下に伴って負荷率KLを図2中の実線のように制御することができれば、触媒38の劣化抑制と、十分な減速性とを両立することができる。
ところで、本実施形態の内燃機関10では、吸入空気量Gaを調整可能なアクチュエータとして、スロットル弁30と、可変作用角機構42との二つがある。内燃機関10の通常運転時には、スロットル弁30によって吸入空気量Gaを調整するよりも、可変作用角機構42によって吸入空気量Gaを調整した方が良い。可変作用角機構42によって吸入空気量Gaを調整した方が、ポンプ損失が小さくなるので、燃費性能が改善されるからである。そこで、本実施形態において、通常運転時には、可変作用角機構42によって吸入空気量Gaを調整することとしている。
しかしながら、触媒劣化抑制制御の実行時においては、次のような問題がある。触媒劣化抑制制御の実行時において、可変作用角機構42によって上記理想の負荷率KLを実現しようとすると、吸気弁18の作用角を十分に小さくする必要がある。吸気弁18の作用角には、寸法公差等の影響により、気筒間で多少のバラツキがある。作用角がある程度大きいときには、そのような作用角の多少の誤差が気筒毎の空気量にさほど影響することはない。これに対し、小作用角のときには、作用角の僅かな違いが、各気筒に吸入される空気量に大きく影響する。このため、全気筒の平均負荷率が失火限界負荷率以上になっていても、空気量が相対的に少ない気筒の負荷率は失火限界負荷率未満になることがある。そのような場合には、空気量の少ない気筒において失火が発生してしまう。一方、気筒間の空気量のバラツキを見込んで全気筒の平均負荷率を大きめに制御すると、減速性が悪化してしまう。
そこで、本実施形態では、触媒劣化抑制制御の実行時においては、スロットル弁30によって吸入空気量Gaを調整することとした。すなわち、スロットル弁開度TAを変化させることによって負荷率KLを制御することとし、吸気弁18の作用角については大作用角に制御することとした。この場合、「大作用角」とは、必ずしも最大の作用角でなくてもよく、気筒毎の作用角の僅かな違いが空気量のバラツキを生じさせない程度の大きさの作用角であればよい。このような制御によれば、触媒劣化抑制制御の実行時において各気筒の負荷率KLを均等にすることができるので、上記のような不都合を確実に回避することができる。
スロットル弁30によって吸入空気量Gaを調整する場合において、エンジン回転数NEが変化しても負荷率KLを一定に維持するためには、エンジン回転数NEが高いときほどスロットル弁開度TAを大きくする必要がある。よって、触媒劣化抑制制御の実行時において、負荷率KLを触媒劣化抑制禁止負荷率より僅かに大きい値に維持するためには、エンジン回転数NEが高い場合ほどスロットル弁開度TAを大きくする必要がある。本実施形態において、ECU50には、触媒劣化抑制制御の実行時に負荷率KLを触媒劣化抑制禁止負荷率より僅かに大きい値に維持するための基本スロットル弁開度のマップが記憶されている。図3がそのマップである。図3に示すマップによれば、触媒劣化抑制制御時の基本スロットル弁開度は、エンジン回転数NEが高い場合ほど、大きい開度に設定される。
スロットル弁30にデポジットが堆積していない場合においては、スロットル弁開度TAを図3に示す触媒劣化抑制制御時の基本スロットル弁開度に制御することにより、負荷率KLを触媒劣化抑制禁止負荷率より僅かに大きい値に制御することができる。しかしながら、スロットル弁30等にデポジットが堆積した場合には、同じスロットル弁開度でも、吸入空気量Gaが少なくなるので、負荷率KLが低くなる。このため、スロットル弁開度TAを図3に示す基本スロットル弁開度に制御しても、負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率より低くなってしまう場合がある。そこで、本実施形態では、スロットル弁30等に堆積するデポジットの影響を学習し、その学習値に基づいて、触媒劣化抑制制御実行時の基本スロットル弁開度を補正することとしている。
図4は、アイドル運転時のスロットル弁開度TAと吸入空気量Gaとの関係を示す図である。図4中の実線は、デポジットが堆積していない状態でのスロットル弁開度TAと吸入空気量Gaとの関係を示している。デポジットが堆積すると、同じスロットル弁開度TAでの吸入空気量Gaが低下する。図4中の一点鎖線は、デポジットが堆積した状態でのスロットル弁開度TAと吸入空気量Gaとの関係を示している。
図4中、Ga1は、通常のアイドル運転時にエンジン回転数NEを所定のアイドル回転数に維持するために必要な吸入空気量である。Ga2は、冷間ファーストアイドル運転時にエンジン回転数NEを所定のファーストアイドル回転数に維持するために必要な吸入空気量である。
通常のアイドル運転時には、エンジン回転数NEが上記アイドル回転数に維持されるように、スロットル弁開度TAがフィードバック制御される。デポジットが堆積した場合には、このフィードバック制御により、スロットル弁開度TAは、TA1からTA1’へと補正される。
同様に、冷間ファーストアイドル運転時には、エンジン回転数NEが上記ファーストアイドル回転数に維持されるように、スロットル弁開度TAがフィードバック制御される。デポジットが堆積した場合には、このフィードバック制御により、スロットル弁開度TAは、TA2からTA2’へと補正される。
TA1とTA1’との差、およびTA2とTA2’との差には、デポジットの影響が反映されている。そこで、本実施形態では、TA1とTA1’との差、およびTA2とTA2’との差を、デポジットの影響を表す学習値として利用している。すなわち、TA1とTA1’との差、あるいはTA2とTA2’との差が大きいほど、多くのデポジットが堆積していると判断できる。触媒劣化抑制制御の実行時においては、上記のようなデポジットの学習値に応じて、触媒劣化抑制制御実行時の基本スロットル弁開度を拡大側に補正している。
この補正により、触媒劣化抑制制御実行時においてデポジットの影響をある程度は抑制することができる。しかしながら、デポジットの堆積の仕方は千差万別であるので、デポジットが吸入空気量Gaに及ぼす影響は一様ではない。また、デポジットの影響の大小は、エンジン回転数NEによっても変化する。このため、上記のようなデポジット学習値に基づく補正を行ったとしても、触媒劣化抑制制御実行時の負荷率KLを適切に制御できない場合がある。例えば、図2中の一点鎖線で示すように、一部のエンジン回転数領域において、負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率より小さくなってしまうような場合が生ずる。負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率より小さくなると、失火が発生したり、あるいは触媒劣化抑制制御が禁止されて燃料カットが実行されてしまったりする。このため、触媒38の劣化抑制が図れなくなる。
また、デポジットが急速に堆積したことによって学習が間に合わなくなった場合や、バッテリー交換によって学習値がクリアされてしまった場合などにおいては、何れの回転域においてもデポジットの影響を適切に補正できなくなるので、負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率より小さくなってしまう事態が更に起こり易くなる。
以上述べたように、触媒劣化抑制制御実行時の基本スロットル弁開度をデポジット学習値に基づいて補正した場合であっても、負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率以上の値に確実に維持されるようにすることは困難である。そこで、本実施形態では、触媒劣化抑制制御の実行時に、負荷率KLを監視し、負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率以下であった場合には、スロットル弁開度TAを拡大側に補正することとした。これにより、負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率より小さくなる事態を確実に回避することができるので、失火の発生を確実に防止するができるとともに、触媒劣化抑制制御を確実に実行させることができる。
[実施の形態1における具体的処理]
図5は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行されるものとする。図5に示すルーチンによれば、まず、触媒劣化抑制制御が実行中であるか否かが判別される(ステップ100)。その結果、触媒劣化抑制制御が実行中であった場合には、次に、スロットル弁開度嵩上げ履歴がオンであるかオフであるかが判別される(ステップ102)。
上記スロットル弁開度嵩上げ履歴は、当初はオフとされている。上記ステップ102で、スロットル弁開度嵩上げ履歴がオフであると判定された場合には、次に、現在の負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率以下であるか否かが判別される(ステップ104)。その結果、負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率以下であった場合には、スロットル弁開度嵩上げ量αが所定のマップに基づいて算出される(ステップ106)。
上記ステップ106において嵩上げ量αが算出された場合には、スロットル弁開度TAは、嵩上げ量αだけ拡大される。これにより、負荷率KLを増大させることができるので、負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率より小さくなる事態を回避することができる。その結果、失火の発生や、触媒劣化抑制制御が禁止される事態を確実に回避することができるので、触媒38の確実な劣化抑制が図れる。
なお、上記ステップ106においては、エンジン回転数NEが高い場合ほど嵩上げ量αが大きくなるように、嵩上げ量αを算出することが好ましい。エンジン回転数NEが高い場合ほど、スロットル弁開度TAの変化に対する空気量の感度が小さいので、嵩上げ量αを大きくすることが合理的である。
上記ステップ106の処理に続き、スロットル弁開度嵩上げ履歴がオンとされる(ステップ108)。これにより、本ルーチンが次回実行された場合においては、上記ステップ102においてスロットル弁開度嵩上げ履歴がオンであると判定されるので、上記ステップ104の処理をスキップして上記ステップ106の処理が実行される。
一方、上記ステップ100において触媒劣化抑制制御実行中でないと判定された場合、あるいは上記ステップ104で現在の負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率より大きいと判定された場合には、スロットル弁開度TAの補正(嵩上げ)を行う必要はない。このため、これらの場合には、スロットル弁開度嵩上げ量αがゼロとされるとともに(ステップ110)、スロットル嵩上げ履歴がオフとされる(ステップ112)。
以上説明したように、本実施形態によれば、スロットル弁30等にデポジットが堆積した場合であっても、触媒劣化抑制制御実行中に負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率より小さくなることを確実に回避することができる。このため、失火が発生したり、触媒劣化抑制制御の実行が禁止されたりすることを確実に防止することができる。よって、触媒38の確実な劣化抑制が図れる。
なお、本実施形態では、通常運転時においては可変作用角機構42が吸気弁18の作用角を変化させることによって吸入空気量Gaを調整するものとして説明したが、本発明において、内燃機関10は、可変作用角機構42を備えず、通常運転時においてもスロットル弁30によって吸入空気量Gaを調整するものであってもよい。
また、本実施形態では、触媒劣化抑制禁止負荷率(=失火限界負荷率)がエンジン回転数NEによらず一定であるものとして説明したが、本発明では、触媒劣化抑制禁止負荷率をエンジン回転数NEに応じて算出するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、スロットル弁30が前記第1および第2の発明における「空気量調整アクチュエータ」に、触媒劣化抑制禁止負荷率が前記第1および第2の発明における「所定負荷率」に、スロットル弁開度TAが前記第1および第2の発明における「制御値」に、それぞれ相当している。また、ECU50が、触媒温度センサ40の出力に基づいて触媒38の温度が所定値(例えば700℃)以上であるか否かを判別することにより前記第1および第2の発明における「触媒温度判定手段」が、吸入空気量Gaおよびエンジン回転数NEに基づいて負荷率KLを算出することにより前記第1および第2の発明における「負荷率算出手段」が、図5に示すルーチンの処理を実行することにより前記第1および第2の発明における「負荷率制御手段」が、上記ステップ104および106の処理を実行することにより前記第4の発明における「補正する手段」が、触媒劣化抑制制御の実行時に吸気弁18が前述したような大作用角となるように可変作用角機構42を制御することにより前記第6の発明における「作用角制御手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図6および図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。本実施形態は、前述した図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に、後述する図7に示すルーチンの処理を実行させることにより、実現することができる。
本実施形態では、触媒劣化抑制制御の実行時に、触媒劣化抑制禁止負荷率より所定値βだけ高い値を目標負荷率とし、負荷率KLがその目標負荷率に近づくように、負荷率KLをフィードバック制御することとした。図6は、本実施形態における触媒劣化抑制制御実行時の負荷率KLの変化を示す図である。同図に示すように、本実施形態によれば、触媒劣化抑制制御の実行時に、負荷率KLをフィードバック制御することにより、負荷率を目標負荷率(触媒劣化抑制禁止KL+β)の近傍に確実に維持することができる。このため、このため、失火が発生したり、触媒劣化抑制制御の実行が禁止されたりすることをより確実に防止することができる。よって、触媒38の確実な劣化抑制が図れる。
[実施の形態2における具体的処理]
図7は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図7に示すルーチンによれば、まず、触媒劣化抑制制御が実行中であるか否かが判別される(ステップ120)。その結果、触媒劣化抑制制御が実行中でなかった場合には、負荷率フィードバックフラグがオフとされ(ステップ122)、そのまま本ルーチンの処理が終了される。
上記負荷率フィードバックフラグは、負荷率KLのフィードバック制御の実行中であるか否かを表すフラグである。本実施形態では、触媒劣化抑制制御の実行中に、負荷率KLが初めて目標負荷率(触媒劣化抑制禁止負荷率+β)以下になった時点から、負荷率KLのフィードバック制御を開始することとしている(図6参照)。
上記ステップ120において、触媒劣化抑制制御の実行中であると判定された場合には、次に、現在の負荷率KLが目標負荷率(触媒劣化抑制禁止負荷率+β)以下であるか否かが判別される(ステップ124)。その結果、負荷率KLが目標負荷率以下であると判定された場合には、負荷率フィードバックフラグがオンとされる(ステップ126)。負荷率フィードバックフラグがオフからオンとされると、負荷率KLのフィードバック制御が開始される。
上記ステップ126の処理に続いて、スロットル弁開度TAを補正するためのフィードバック補正値γが算出される(ステップ128)。このフィードバック補正値γは、目標負荷率と負荷率KLとの偏差に基づいて、例えば比例項、微分項、積分項あるいはこれらの組み合わせなどとして算出することができる。フィードバック補正値γが算出された場合には、スロットル弁開度TAは、エンジン回転数NEに基づいて算出される触媒劣化抑制時の基本スロットル弁開度と、上記フィードバック補正値γとの和となるように制御される。
上記ステップ128では、現在の負荷率KLが目標負荷率以下であるため、上記フィードバック補正値γは、スロットル弁開度TAを拡大させるような値に算出される。これにより、負荷率KLを増大させることができる。
一方、上記ステップ124において、現在の負荷率KLが目標負荷率より大きいと判別された場合には、次に、負荷率フィードバックフラグがオンであるか否かが判別される(ステップ130)。その結果、負荷率フィードバックフラグがオンでないと判別された場合には、負荷率KLのフィードバック制御がまだ開始されていないと判断できる。この場合には、本ルーチンの処理がそのまま終了される。これに対し、上記ステップ130で負荷率フィードバックフラグがオンであると判別された場合には、スロットル弁開度TAを補正するためのフィードバック補正値γが上記と同様にして算出される(ステップ132)。
上記ステップ132では、現在の負荷率KLが目標負荷率を超えているため、上記フィードバック補正値γは、スロットル弁開度TAを縮小させるような値に算出される。これにより、負荷率KLを低下させることができる。ただし、本実施形態では、フィードバック補正値γの下限を0としてガードをかけることとしている。すなわち、上記ステップ132においては、フィードバック補正値γが負の値になった場合には、フィードバック補正値γを0として算出するものとする。このガード処理によれば、スロットル弁開度TAが触媒劣化抑制時の基本スロットル弁開度より小さい値に制御されることを防止することができる。すなわち、スロットル弁開度TAが縮小方向に過補正されることを防止することができる。その結果、負荷率KLが触媒劣化抑制禁止負荷率未満にまで低下することを確実に回避することができる。よって、失火の発生や、あるいは燃料カットの強制実行を確実に防止することができる。
上述した実施の形態2においては、ECU50が図7に示すルーチンの処理を実行することにより前記第5の発明における「フィードバック制御手段」が実現されている。
実施の形態3.
次に、図8を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に、後述する図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
本実施形態では、前述した実施の形態2と同様に、触媒劣化抑制制御の実行中に、負荷率KLのフィードバック制御を行う。そして、本実施形態では、エアフローメータ34の計量ズレが万一発生した場合を想定し、そのような場合においても、触媒劣化抑制制御時に失火が発生したり減速性が悪化したりすることを確実に回避できる制御を行うこととした。
エアフローメータ34が吸入空気量Gaを実際より少なく計量している場合には、実際の負荷率KLは過大に制御される。この場合、エンジンブレーキの効きが悪化し易くなる。このことを回避するため、本実施形態では、触媒劣化抑制制御時のスロットル弁開度TAに上限値のガードをかけることとした。これにより、エアフローメータ34が吸入空気量Gaを実際より少なく計量している場合であっても、負荷率KLの増大を抑制することができ、エンジンブレーキの効きの悪化を抑制することができる。
一方、エアフローメータ34が吸入空気量Gaを実際より多く計量している場合には、実際の負荷率KLは過小に制御される。この場合、失火が発生するおそれがある。このことを回避するため、本実施形態では、所定の方法によって失火の発生を検知し、失火の発生が検知された場合には、失火がなくなるまで、吸入空気量Gaを徐々に増加させることとした。
失火の発生を検知する方法は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、クランク角センサ28の信号に基づいて失火の発生を検知することとした。失火が発生すると、トルクが急減するので、クランク軸26の角加速度に変化が生ずる。このため、クランク角センサ28の信号に基づいて算出される角加速度を監視することにより、失火の発生を検知することができる。このような方法のほかに、例えば、気筒内のイオン電流や燃焼圧などを検出し、その検出値に基づいて失火の発生を検知するようにしてもよい。
[実施の形態3における具体的処理]
図8は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図8において、図7に示すステップと同様のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。図8において、ステップ120〜132の処理は、図7と同様である。
図8に示すルーチンにおいては、図7に示すルーチンと比べ、ステップ128の後にステップ134が追加されている。このステップ134において、スロットル弁開度TAの上限ガード値が算出される。ここでは、エンジン回転数NE毎の上限ガード値を定めたマップがECU50に記憶されており、そのマップに基づいて上限ガード値が算出されるものとする。そして、上記ステップ128で算出された、フィードバック補正後のスロットル弁開度TAがその上限ガード値を超えている場合には、スロットル弁開度TAは、その上限ガード値となるように制御される。これにより、エアフローメータ34による計測値が過小側にずれている場合であっても、実際の負荷率KLが大きくなり過ぎることを抑制することができる。よって、エンジンブレーキの効きの悪化を回避することができる。
また、図8に示すルーチンでは、触媒劣化抑制制御の実行中に、失火の発生の有無を前述した方法によって検知する(ステップ136)。その結果、失火の発生が検知された場合には、吸入空気量Gaを徐々に増量させるべく、スロットル弁開度TAを徐々に大きくする処理が実行される(ステップ138)。
上記ステップ138の処理に続いて、失火の発生の有無が再度検知され、失火が解消あるいは減少したかどうかが判別される(ステップ140)。上記ステップ136で検知された失火が、エアフローメータ34の計量ずれによる実空気量の不足に起因するものである場合には、上記ステップ138の処理による空気量の増量によって、失火を解消あるいは減少させることができる。
しかしながら、上記の失火が、空気量不足以外の何らかの原因で生じている場合もあり得る。この場合には、空気量を増量しても失火を回避することはできない。そこで、上記ステップ140で、失火が解消あるいは減少していないと判定された場合には、燃料カットを実行する(ステップ142)。これにより、触媒38への未燃燃料の流入が抑制されるので、触媒38の温度が過度に上昇することを回避し、触媒38を保護することができる。
なお、上述した実施の形態3においては、ECU50が、上記ステップ136の処理を実行することにより前記第7の発明における「失火検知手段」が、上記ステップ138の処理を実行することにより前記第7の発明における「吸入空気量増量手段」が、上記ステップ140の処理を実行することにより前記第8の発明における「判定手段」が、上記ステップ142の処理を実行することにより前記第8の発明における「燃料カット実行手段」が、それぞれ実現されている。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 触媒劣化抑制制御実行時の負荷率KLとエンジン回転数NEとの関係を示す図である。 触媒劣化抑制制御実行時の基本スロットル弁開度のマップである。 アイドル運転時のスロットル弁開度TAと吸入空気量Gaとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2における触媒劣化抑制制御実行時の負荷率KLの変化を示す図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
18 吸気弁
20 排気弁
22 点火プラグ
24 燃料インジェクタ
28 クランク角センサ
30 スロットル弁
34 エアフローメータ
38 触媒
40 触媒温度センサ
42 可変作用角機構
46 アクセルポジションセンサ
50 ECU

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気ガスを浄化する触媒と、
    前記触媒が高温状態であるか否かを判定する触媒温度判定手段と、
    前記内燃機関の減速時に前記触媒が高温状態であると判定された場合に、燃料カットの禁止を要求する触媒劣化抑制手段と、
    前記内燃機関の吸入空気量を調整する空気量調整アクチュエータと、
    前記内燃機関の体積効率と相関する値を負荷率として算出する負荷率算出手段と、
    前記触媒劣化抑制手段により燃料カットの禁止が要求されているときに、前記負荷率が所定負荷率より低い場合あるいは低くなるおそれのある場合に、前記負荷率が前記所定負荷率より低くなる事態が回避されるように、前記空気量調整アクチュエータの制御値を補正する負荷率制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関の排気ガスを浄化する触媒と、
    前記触媒が高温状態であるか否かを判定する触媒温度判定手段と、
    前記内燃機関の減速時に前記触媒が高温状態であると判定された場合に、燃料カットの禁止を要求する触媒劣化抑制手段と、
    前記内燃機関の吸入空気量を調整する空気量調整アクチュエータと、
    前記内燃機関の体積効率と相関する値を負荷率として算出する負荷率算出手段と、
    前記触媒劣化抑制手段により燃料カットの禁止が要求されているときに、前記負荷率が所定負荷率より低い場合あるいは低くなるおそれのある場合に、前記空気量調整アクチュエータの制御値を、吸入空気量が増大する方向に補正する負荷率制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 前記所定負荷率は、燃料噴射を実行した場合に失火するおそれがない負荷率の下限として、予め設定された値であることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記負荷率制御手段は、前記負荷率が前記所定負荷率より低い場合に、前記空気量調整アクチュエータの制御値を、吸入空気量が増大する方向に補正する手段を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記負荷率制御手段は、前記所定負荷率以上の値に設定された目標負荷率と、前記負荷率との偏差に基づいて、前記空気量制御アクチュエータの制御値を補正するフィードバック制御手段を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記内燃機関の吸気通路に設置された、前記空気量制御アクチュエータとしてのスロットル弁と、
    前記内燃機関の吸気弁の作用角を可変とする可変作用角機構と、
    前記触媒劣化抑制手段の要求に従って燃料カットが禁止される場合に、前記作用角を所定の大作用角に制御する作用角制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  7. 失火の発生を検知する失火検知手段と、
    前記触媒劣化抑制手段の要求に従って燃料カットが禁止されているときに、失火の発生が検知された場合には、吸入空気量を増量させる吸入空気量増量手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記吸入空気量増量手段により吸入空気量が増量された後に、失火が解消または減少したか否かを判定する判定手段と、
    失火が解消または減少していないと前記判定手段により判定された場合に、燃料カットを実行させる燃料カット実行手段と、
    を備えることを特徴とする請求項7記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011140717A (ja) * 2010-01-11 2011-07-21 Samsung Mobile Display Co Ltd 薄膜蒸着装置

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