JP2009293125A - メッキ用バレル装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明のバレル装置は、回転駆動手段4によって回転駆動され、内部にワークを収容するバレル1を支持フレーム2に支持させて設け、該バレル1をメッキ槽内のメッキ液に浸漬させて回転させながら上記ワークのメッキを行なうメッキ用バレル装置において、前記バレル1をメッキ槽に対し揺動させるスイング駆動手段5を設け、バレル1を揺動及び回転させてメッキを行なう。
上記バレル1は支持フレーム2に揺動自在に支持したスイングフレーム3に回転可能に支持せしめ、該スイングフレーム3を揺動させることによってバレル1を揺動させる。
【選択図】図1
Description
小さなワークへより均一にメッキを施すには、ワークとメッキ液との接触を頻繁にするとともにワークの重なりや貼り付き防止するため、ワークを攪拌したり振動を付与するなどワークを頻繁に動かすことが必要である。
そのためバレルを回転させるだけでなく、一定のストロークでバレルを上下方向へ作動させるように構成されたバレル装置が提案されている(後記特許文献1参照)。
そして、前記バレルの側面に固定された平歯車の軸は支持壁に形成された上下方向の長孔に係合されて位置可変としてある。
そして、前記バレルが上昇している時はその回転速度が遅くなり、当該バレルが下降しているときはその回転速度が早くなる。
以上のように、バレルは回転しながら所定ストローク上昇・下降を繰り返し、上昇・下降の都度回転速度が変化するため、バレル内に投入されているワークがよりよく攪拌され、比較的小さなワークへより均一にメッキを施すのに有用であるとされている。
前記従来のバレル装置は、設計変更によりバレルを回転させながら左右方向へ所定ストローク繰り返し往復動させることができるが、このように設計変更すると平歯車を水平方向へ並べて設置することになるのでバレル装置の横幅が大幅に増大し、実質的には設計変更をすることができない。
本発明の目的は、バレルを回転させながら左右方向へ繰り返しスイング作動(揺動)させることにより、バレルの往復作動時のメッキ液とワークとの良好な接触を保持することにある。
(1)バレルが従来の回転駆動と共にメッキ槽に対して揺動するのでワークとメッキ液との撹拌・接触効果が向上し、効率良く高品質で均一なメッキが実現できる。(請求項1,同2)
また、バレルが左右方向へスイングする際にメッキ液は図4の矢印bのように円弧状に流れてワークwへのぶつかりが弱く、ワークとの良好な接触が保たれ易い。
さらに、バレルは各スイングフレーム間の前記軸支部(スイング作動の中心)から下方へ離間した位置へ回転自在に設けられているため、スイングフレームは縦方向に沿った状態であって装置の横幅はさほど増大しない。(請求項3)
図1は本発明に係るメッキ用バレル装置の第1実施形態を示す側面図、図2は図1のバレル装置の部分縦断面図である。
2,2は硬質合成樹脂製の板からなる左右で平行に相対する支持フレームであり、下部の二箇所及び上部の一箇所において連結バー20により所定間隔を保って直立方向に連結されている。
このバレル装置は、さらにバレル1を所定の方向へ回転させる回転駆動手段4と、前記スイングフレーム3を前記支持軸30を支点としてスイングさせるスイング駆動手段5とを備えている。
バレル装置はメッキ槽内部のメッキ液中へバレル1が浸漬されるようにメッキ槽側に支持されて設置されるもので、胴部10及び端板11,11には、メッキ液が流通しかつ内部のワークが目詰まりしないような大きさの多数の通液孔(図示せず)が形成されている。この通液孔は前記蓋にも形成される。
また、胴部10の周壁には前記のように多数の通液孔が形成されるほか、内側又は外側に小さなメッシュの網が取り付けられる場合もある。
各窓孔21からは、対応する保持軸12,12の端部が内側から側方へ臨むように位置している。
歯車列41の中間歯車44はスイングフレーム3,3の支持軸30における一方の端部へ回転自在に取り付けられており、この中間歯車44と噛合っている末端の歯車45はバレル1の一方の端板11を兼ねている。
この実施形態においては、バレル1の回転速度とスイング速度とを独自に制御するため、回転駆動手段4のモータ40とスイング駆動手段5のモータ50とは別のモータが使用されている。
また、バレル1のスイング運動は直進運動ではなく円弧運動を伴ってメッキ液の流れ方向が刻々と変化し、メッキ液の流れのワークへのぶつかりが弱く両者の良好な接触が保たれ易い。
また、バレル1は各スイングフレーム3,3間の前記軸支部(スイング作動の中心)から下方へ離間した位置へ回転自在に設けられているため、スイングフレーム3は縦方向に沿った状態であって装置横幅をあまり増大させないで一定のスイングストロークを得ることができる。
この場合には、例えば駆動部へカムクラッチ(図示せず)を組み込み、モータ正転時はバレル回転のみを行い、逆転時はバレル回転とスイング作動を平行して行うようにすることができる。
図3は本発明に係る第2実施形態のメッキ用バレル装置を示す部分破断図である。
第1実施形態のバレル装置では、バレル1を保持軸12,12によってスイングフレーム3,3へ水平にかつ回転自在に保持させ、バレル1の一方の端板11と歯車列41の端末の歯車45とを兼ねさせたものであるが、この実施形態のバレル装置は、バレル1を水平方向に対して所定角度傾斜させたものである。
左右の支持軸30,30は一体ではないが、両者は一体に構成することができる。
この実施形態のバレル装置は、バレル1が水平方向に対して傾斜した状態で回転しつつ両端が揺動(スイング)するので、バレル1内のワークの攪拌がより一層促進される。バレル1を平面視においていずれかの方向へ傾斜させた状態としてもほぼ同様の効果を奏する。
その他の構成や作用効果は、第1実施形態のものとほぼ同様であるのでそれらの説明は省略する。
図4は本発明に係る第3実施形態のメッキ用バレル装置を示す部分正面図、図5の(A)は図4の装置の右側面図、図5の(B)図は同(A)図のモータ側回転板51の平面図である。
この実施形態のメッキ用バレル装置において、スイング駆動手段5にはスイング幅(振幅)調整手段53が設けられている。
回転板51と52aには、一方に前記溝53cと平行する所定長さの長孔53a,53aが形成され、各長孔53aの部分において回転板51,52aとは固定用ボルトナット53bにより前記溝53cの方向にはスライドしないように固定されている。
なお、長孔53aはいずれか一方にのみ形成されていても差し支えない。
なお、この実施形態ではモータ側回転板51とリンク側回転板52aとを設け、この両者間に長孔53aと固定用ボルトナット53bとによるスイング幅調整手段53を設けたが、このような構成に限らず、モータ側回転板51の回転軸50aと、リンク52の偏心軸52cとの偏心量を変化できる構成であれば、他の構成を採用することができる。
その他の構成は第1実施形態のバレル装置と同様であるのでそれらの説明は省略する。
従来の装置は、バレルの回転とバレルの昇降作動が同一のモータによるため、バレル回転速度とバレル昇降(スイング)とをそれぞれ各別に調整することができないとともに、バレル昇降のストローク幅を調整することができない。
これに対し、前記第3実施形態の装置は、バレルの回転速度とバレルのスイング速度とを、ワークやワークとダミーボールとの混在物の状態に合わせてバレルの回転とスイングの各速度とを適切な値に設定することができる。
また、第3実施形態の装置は、バレルのスイング幅(量)をワークやワークとダミーボール(以下「ワーク等」という。)の状態に合わせて適切に設定することができる。
したがって、ワーク等への小刻み高速(例えば300rpmのような)の振動を与えたり、ワーク等の塊内でメッキ液を小刻みに移動させたりすることはできず、あるいはワーク等とメッキ液との質量の相違による攪拌の効果も期待できない。
これに対し、第3実施形態の装置によれば、ワーク等への小刻みかつ高速の振動を与えたり、ワーク等の塊内でメッキ液を小刻みに移動させたりすることも可能であり、ワーク等とメッキ液との攪拌効果も期待できるので、ワークへのメッキの均一化が図られる。
これに対して第3実施形態の装置は、バレルのスイング幅を調整してスイング速度を加速することにより、バレル内のワーク等の攪拌をさらに促進することができる。
第4実施形態
このメッキ用バレル装置は図7,図8で示すように、バレル1を回転させる回転駆動手段4と、スイングフレーム3,3と共にバレル1をスイングさせるスイング駆動手段5とを、支持フレーム2,2の上部相互間に設置されるモータ40で駆動することができる。このモータ40は変速機構40aを備え例えば低速ギヤ列を使用するとバレル1の回転数を5〜15rpm程度とし、高速ギヤ列を使用すると回転域を15〜50rpm程度として変速することができる。
また図示例のスイング変速駆動系は、前記入力レバー57に対し複数の駆動リンク67,68,69を、第1歯車43,第2歯車43a,第3歯車44にそれぞれ択一的に付け替えて連結することにより、各歯車の回転数に基づく揺動変速を簡単且つ廉価な構成によって行えるようになっている。
次に図9,図10を参照しメッキ用バレル装置の第5実施形態について説明する。このメッキ用バレル装置は支持フレーム2,2の上部相互間に設置されているモータ40で、支持フレーム2,2とバレル1とを一体的にスイングさせるスイング駆動手段5と、バレル1を回転させる回転駆動手段4とを共に駆動するようにしている。またメッキ槽に対し揺動方向の移動を規制して支持される本体支持フレーム2aに、メッキ用バレル装置のユニットフレームとなる支持フレーム2を揺動駆動可能に設けている。
スイング駆動手段5は上記支持フレーム2の外側で対向する本体支持フレーム2aとの間に構成されており、第1歯車43と第2歯車43aと第3歯車44の各軸端に、それぞれ各軸芯から所定の偏心距離を有して着脱可能に突設される連結軸71,72,73を有する異径円盤からなる回転部材82,83,84を設けている。そして、上記連結軸71,72,73には駆動リンク86,87,88の基部側を着脱可能に取り付けると共に、該駆動リンク86,87,88の他端は本体支持フレーム2aに設けられる連結軸91,92,93に着脱可能に取り付ける構成にしている。
従って、駆動リンク86を連結軸71と連結軸91とに付け替えた場合には、支持フレーム2,2を回動軸支部81を支点に高速且つ小幅(小ストローク)で揺動させることができる。
2 支持フレーム
2a 本体支持フレーム
3 スイングフレーム
4 回転駆動手段
5 スイング駆動手段
10 胴部
11 端板
12 保持軸
21 窓孔
30 支持軸
40,50 モータ
41 歯車列
42〜45 歯車
51 回転板
52 リンク
53 スイング幅調整手段
67,68,69 駆動リンク
86,87,88 駆動リンク
Claims (11)
- 回転駆動手段(4)によって回転駆動され、内部にワークを収容するバレル(1)を支持フレーム(2)に支持させて設け、該バレル(1)をメッキ槽内のメッキ液に浸漬させて回転させながら上記ワークのメッキを行なうメッキ用バレル装置において、前記バレル(1)をメッキ槽に対し揺動させるスイング駆動手段(5)を設け、バレル(1)を揺動及び回転させてメッキを行なうメッキ用バレル装置。
- バレル(1)を支持フレーム(2)に揺動自在に支持したスイングフレーム(3)に回転可能に支持せしめ、該スイングフレーム(3)を揺動させることによってバレル(1)を揺動させる請求項1のメッキ用バレル装置。
- 左右に相対する支持フレーム(2)と、当該各支持フレーム(2)の対向面側へ同じ高さ位置で軸支された一対のスイングフレーム(3)と、当該各スイングフレーム(3)間の前記軸支部から下方へ離間した位置へ回転自在に設けられたバレル(1)と、前記バレル(1)を回転させる回転駆動手段(4)と、前記スイングフレーム(3)を前記軸支部を支点として揺動させるスイング駆動手段(5)とを備えた請求項1又は2のメッキ用バレル装置。
- 前記回転駆動手段(4)とスイング駆動手段(5)とは別々にモータ(40),(50)を有する請求項1又は2又は3のメッキ用バレル装置。
- 前記スイング駆動手段(5)がバレル(1)の揺動幅を調節するスイング幅調整手段(53)を有する請求項1又は2又は3又は4のメッキ用バレル装置。
- 前記バレル(1)は前記各スイングフレーム(3)へ取り付けられた中空の各保持軸(12)へ回転自在に取り付けられ、前記各支持フレーム(2)には前記スイングフレーム(3)が揺動するとき前記各中空の保持軸(12)が側方に臨む窓孔(21)が形成されている請求項2又は3又は4又は5のメッキ用バレル装置。
- 前記スイング駆動手段(5)が回転駆動手段(4)の駆動系から入力されてバレル(1)を揺動させる請求項1又は2のメッキ用バレル装置。
- 前記スイング駆動手段(5)は、回転駆動手段(4)のモータ(40)によるバレル(1)の回転を減速駆動する複数の歯車列のいずれかの歯車軸の偏心位置に揺動駆動用のリンク(67),(68)・・を付け替えることによって入力しバレル(1)の揺動を変速する揺動変速手段を有する請求項7のメッキ用バレル装置。
- バレル(1)を直接支持フレーム(2)に取付けて支持させるとともに、支持フレーム(2)自体をメッキ槽に対してスイング駆動手段(5)により揺動させる請求項1のメッキ用バレル。
- メッキ槽に対してバレル(1)の揺動方向の移動が規制される本体支持フレーム(2a)を設け、支持フレーム(2)側に設置され、回転駆動手段(4)によるバレル(1)への回転を伝動する歯車軸側の偏心位置と、上記本体支持フレーム(2a)側との間を揺動駆動リンク(86),(87),(88)で連結してスイング駆動手段(5)を構成した請求項9のメッキ用バレル装置。
- 歯車を複数個連系させてなる歯車列の複数の歯車軸側の偏心位置と本体支持フレーム(2a)側との間で、揺動駆動リンク(86),(87),(88)を付け替えることによりバレル(1)の揺動の変速を行う請求項10のメッキ用バレル装置。
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