JP2009292705A - 炭化珪素エピタキシャル成長用炭化珪素単結晶ウェハ及び炭化珪素エピタキシャルウェハ - Google Patents

炭化珪素エピタキシャル成長用炭化珪素単結晶ウェハ及び炭化珪素エピタキシャルウェハ Download PDF

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Abstract

【課題】結晶欠陥の少ない炭化珪素エピタキシャルウェハを製造するためのエピタキシャル成長用の炭化珪素単結晶ウェハを提供する。
【解決手段】エピタキシャル成長面を上として、エピタキシャル成長用炭化珪素単結晶ウェハの形状を上に凸な形状とする。さらに好ましくは、炭化珪素単結晶ウェハのそりが0μm超100μm以下であり、上に凸である形状を持つ部分がウェハ面積全体の60%以上であり、炭化珪素単結晶のc軸と炭化珪素単結晶ウェハ面の法線のなす角が0°以上4°未満、より好ましくは、0°以上1°未満である炭化珪素単結晶ウェハを使用することにより、炭化珪素エピタキシャル膜を製膜する際に炭化珪素エピタキシャル膜中で発生する欠陥の数を減らし、良質の炭化珪素エピタキシャルウェハを製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子材料の基板として利用される炭化珪素エピタキシャルウェハ及び良質な炭化珪素エピタキシャルウェハを製造するための炭化珪素エピタキシャル成長用の炭化珪素単結晶ウェハに関するものである。
高熱伝導率を持ち、バンドギャップの大きい炭化珪素単結晶は、高温で用いられる電子材料や、高耐圧の求められる電子材料の基板として有用な材料である。
炭化珪素単結晶を用いて電子材料を作製する方法として、昇華再結晶法を用いて製造された炭化珪素単結晶ウェハ上に不純物濃度が制御された炭化珪素エピタキシャル膜を作製し、この膜を利用して電子材料を形成する方法がある。
炭化珪素単結晶の作製法の一つに昇華再結晶法(レーリー法)がある(非特許文献1)。昇華再結晶法では、原料部分の温度を炭化珪素が昇華する温度以上に加熱し、一方で、結晶成長を行う部分では昇華ガスが再結晶をする程度に原料部分よりも低温にして、種結晶表面で再結晶を起こしながら単結晶の成長を行う。
炭化珪素単結晶にはポリタイプと呼ばれる、いくつかの異なる結晶構造が存在する。結晶成長中に異なるポリタイプが発生、成長すると、その部分で結晶欠陥が生じ、電子材料用の基板としての品質が劣化する。そのため、ポリタイプの安定した炭化珪素単結晶成長方法が求められている。
昇華再結晶法を用いて結晶成長を行う際には、成長面が適度な凸形状となるようにすると単一のポリタイプからなる結晶が得られ易いと言う知見が得られている(非特許文献2)。これは、成長面に適度な凸形状を設けて中心部から周辺部に向かって結晶成長させることで、良質な炭化珪素単結晶が得られるというものである。仮に凸形状を有さないと、結晶成長の際に利用する成長用坩堝との境界付近で成長した結晶性に劣る炭化珪素結晶をきっかけにして中心部側に結晶成長が進み、結果として結晶性に劣る炭化珪素単結晶を含んだインゴットが形成されてしまうといった知見に基づく。
ところで、炭化珪素エピタキシャル成長を行うために利用されるエピタキシャル成長用炭化珪素単結晶ウェハは、昇華再結晶法等の方法を用いて作製されたインゴットから切り出し、表面を研磨し、さらに場合によっては、表面の研磨によるダメージ層を取り除くための化学的機械的研磨を行って製造される。電子デバイスを作製する際に利用されるフォトリソグラフィー工程で露光を行う際に焦点がぼけることの無いように、ウェハの平坦度を高くすることが求められているが、炭化珪素は硬度が高く、切断、研磨等の加工を高精度で行うことが難しい。切断時に生じるウェハのうねりが研磨後にまで残ってしまい、複数の凹凸のある、うねったウェハとなることが多い。
また、炭化珪素エピタキシャル成長を行う方法の1つとして、珪素源となるシラン等のガスと炭素源となるプロパン等の原料ガスを搬送ガスである水素ガスと共に、1500〜1700℃程度に加熱された炭化珪素エピタキシャル成長用炭化珪素単結晶ウェハ上に流し、ウェハ上で起こる化学反応を利用して、ウェハ上に炭化珪素単結晶の膜を成長する方法がある。
ウェハ表面に露出したステップの端面に成長原料ガスから化学反応により得られる炭化珪素を吸着、成長させることで、下地ウェハと同じ結晶構造を持つエピタキシャル膜を成長させることができる。下地ウェハである炭化珪素単結晶ウェハ中には、らせん転位が存在しており、結晶成長時にはこのらせん転位を利用して渦巻き成長をする。
このように、ステップの端面に原料ガスを吸着させ、渦巻き成長により結晶を成長させる際には、以下のような問題が発生する。下地ウェハに吸着した炭化珪素がステップの端面に吸着されず、テラス上で新たに結晶核を形成し、結晶方位や結晶構造の異なる新しいステップを形成する。この場合、下地ウェハと新しい結晶核の部分の境界に欠陥が発生する。図4に示すように、同一のテラスの両端に渦巻き成長の中心を持つステップが存在する場合には、両端のステップが成長してくると、テラス上で2つのステップが交わり、テラスが消失する。この場合、2つの異なる渦巻き成長の結晶方位の微細な違いに起因して、2つのステップが交わった部分で結晶欠陥が発生することがある。
エピタキシャル膜中の欠陥は、この膜を使ってデバイスを作製する際に、電気特性劣化の原因として大きな問題となる。
ステップの数が少なくテラスの距離が長いと、原料ガスから供給された炭化珪素がステップの端面まで拡散することができず、表面に新しい結晶核を形成する可能性が高くなる。これを避けるために、下地ウェハを結晶軸(通常六方晶のc軸)に対して斜めに切断することで、表面に露出するステップの数を多くし、結晶欠陥が発生することを抑える方法が提案されている(非特許文献3)。
この方法は、ウェハが凹凸の多い、うねった形状であっても、同一テラス上に2つ以上の渦巻き中心が存在する場合を減らすことはできるが、依然として、テラスの両端から進展してくるステップの交わる部分で欠陥が発生すると言う問題は解決されていない。また、エピタキシャル成長用ウェハを作製する際に斜めに切断する必要があるため、インゴットから得られるウェハの枚数が少ないと言う問題点もある。
昇華再結晶法で成長面の形状を適度な凸形状にすることにより単一のポリタイプからなる結晶が得られ易いと言う知見は、インゴットの周辺部分から欠陥がインゴット内部に進入することを抑制することを目的としており、ここで述べているテラスの両端から進展するステップが交わることに起因する欠陥の抑制の効果はない。すなわち、この方法はインゴットを得る際の知見であり、得られたインゴットからエピタキシャル成長用炭化珪素単結晶ウェハを切り出した後のウェハ上への炭化珪素単結晶の膜成長に関する技術とは異なる。
Yu. M. Tairov and V. F. Tsvetkov, Journal of Crystal Growth, 52 (1981) pp.146 Z. G. Herro, B. M. Epelbaum, M. Bickermann, P. Masri, A. Winnacker, J. Cry. Growth, 262 (2004) pp.105. T. Ueda, H. Nishino and H. Matsunam, Journal of Crystal Growth, 104 (1990) pp.695.
本発明では、欠陥の発生し難いエピタキシャル成長を行うことに適したウェハの形状を開示することで、エピタキシャル成長中の欠陥の発生を抑制し、電子材料製造用の良質の炭化珪素エピタキシャル膜付ウェハを提供することを目的とする。
エピタキシャル成長面を上として、上に凸である形状を持つ部分を有する炭化珪素エピタキシャル成長用の炭化珪素単結晶ウェハを用いることで、エピタキシャル成長中に発生する欠陥を抑制することができ、高品質の炭化珪素エピタキシャル膜の成長が可能な炭化珪素単結晶ウェハが得られる。
炭化珪素単結晶ウェハのそりが0μm超100μm以下である前記炭化珪素エピタキシャル成長用の炭化珪素単結晶ウェハを用いることで、高品質の炭化珪素エピタキシャル膜の成長が可能な炭化珪素エピタキシャル成長用の炭化珪素単結晶ウェハが得られる。
また、エピタキシャル成長面を上として、上に凸である形状を持つ部分がウェハ面積全体の60%以上である前記炭化珪素エピタキシャル成長用の炭化珪素単結晶ウェハを用いることで、高品質の炭化珪素エピタキシャル膜の成長が可能な炭化珪素エピタキシャル成長用の炭化珪素単結晶ウェハが得られる。
さらに、炭化珪素単結晶のc軸と炭化珪素単結晶ウェハ面の法線のなす角が0°以上4°未満である前記炭化珪素エピタキシャル成長用の炭化珪素単結晶ウェハを用いることで、高品質の炭化珪素エピタキシャル膜の成長が可能な炭化珪素エピタキシャル成長用の炭化珪素単結晶ウェハが得られる。
また、さらに、炭化珪素単結晶のc軸と炭化珪素単結晶ウェハ面の法線のなす角が0°以上1°未満である前記炭化珪素エピタキシャル成長用の炭化珪素単結晶ウェハを用いることで、より高品質の炭化珪素エピタキシャル膜の成長が可能な炭化珪素エピタキシャル成長用の炭化珪素単結晶ウェハが得られる。
前記炭化珪素エピタキシャル成長用の炭化珪素単結晶ウェハを用いてエピタキシャル成長を行うことで、欠陥の少ない高品質の炭化珪素エピタキシャル膜を持つ炭化珪素エピタキシャルウェハが得られる。
ここで、凸形状を定義するために、図1に示すようにエピタキシャル成長面を上にし、成長方向をz方向とし、z方向を含む面でウェハを切断した際の、エピタキシャル成長用ウェハの断面のzに垂直な方向をsとする。このときウェハ断面の表面の形状はz=m(s)で表すことができる。ウェハ表面のある点において、可能な全ての断面に対してm(s)のs方向に対する2回微分であるd2m/ds2がゼロ以下(d2m/ds2≦0)時に、ある点は上に凸な形状であると定義する。特殊な場合として、可能な全ての断面に対してm(s)のs方向に対する2回微分であるd2m/ds2がゼロ(d2m/ds2=0)の場合は平坦な形状であり、本発明では、上に凸な形状には含めない。
また、図2に示すように、エピタキシャル成長面を上にしてウェハを置いた際に、エピタキシャル成長面の最も高い点と最も低い点の高さの差をそりと定義する。
電子デバイスに利用される炭化珪素単結晶ウェハは六方晶構造をとる結晶構造を持つものがあり、この六方晶の六回対称軸がc軸と呼ばれている。
エピタキシャル成長用ウェハの同一テラス上に複数のステップが存在する場合には、エピタキシャル成長に伴い、ステップがテラス上で交わる際に欠陥が発生する可能性があるが、本発明の炭化珪素単結晶ウェハは成長面に上に凸である形状を持つ部分を有して、エピタキシャル成長時に同一テラス上に複数のステップが存在することを少なくすることができるので、ステップが交わることを抑制し、ステップが交わることにより発生する欠陥を大幅に低減することができる。
エピタキシャル成長した炭化珪素ウェハを用いて電子材料を製造する際に、三角欠陥や針状欠陥と呼ばれる光学顕微鏡で観察できる数μm程度の欠陥が存在すると電子材料に不良が発生しやすい。本発明によればエピタキシャル成長時の欠陥の発生を抑制することができ、不良の少ない電子デバイスを作製するための良質のエピタキシャル膜を持つ炭化珪素単結晶ウェハが得られる。
以下、本発明による実施の形態を説明する。
エピタキシャル成長用ウェハは、昇華再結晶法等の方法を用いて作製されたインゴットから切り出し、表面を研磨し、さらに場合によっては、表面の研磨によるダメージ層を取り除くための化学的機械的研磨を行って製造される。研磨を行っているために、通常、エピタキシャル成長面には巨視的に見て尖った部分は存在しない。つまり、前述のウェハ表面を表す関数m(s)のs方向に関する1回微分は通常連続であり、2回微分も存在する。図1のように中心部が周辺部に比べて高い場合には、d2m/ds2≦0が表面上の全ての点で満たされ、上に凸の形状の条件が満たされる。
本発明者は、図1に示すように、上に凸な形状を持つ部分のみからなる、中心が周辺部に比べて高いウェハにエピタキシャル成長を行うと、欠陥の発生が少ないことを見出した。これは、図3に模式的に示すように、ウェハの表面を微細に観察した場合、エピタキシャル成長面に現れるテラス上に複数のステップが存在せず、すなわち同一テラス面においてステップ同士が対向することがなく、テラス上で異なる方向から伸展するステップが交わることがないため、ステップの交線上で発生する欠陥がないからである。
一方で、下に凸な表面形状を持つ場合には、図4に示すように、同一テラス上で複数の方向からステップが伸びてきて、エピタキシャル成長が進むと共に、テラス上でステップが交わる。ステップがぶつかる部分では、成長中心の微小な方位の違いに起因して、欠陥が発生する。
表面が上に凸の形状を示す場合に、欠陥の少ない良質のエピタキシャル成長膜が得られる本発明の効果は、表面の形状に依存しており、ウェハの直径による影響はない。
中心部と周辺部の高さの差の最大値であるそりが100μmより大きい場合には、電子材料を製造する工程中において、例えば、ウェハの熱処理工程においてはそりに起因して一様な温度分布が得られないと言った問題や、リソグラフィー等の工程においてそりが大きいことに起因してウェハを吸着してチャックすることができないと言った問題が発生する。このため、本発明者らは、そりが0μm超100μm以下であることが望ましいことを見出した。
前述のように、エピタキシャル成長用ウェハは、インゴットから切り出し、研磨を行って製造する。切断工程や研磨の工程で、ウェハ表面が図2のようにうねった形状となることがある。このような場合、くぼんだ部分は上に凸でない形状を示す。表面がうねった形状を持つウェハを用いても、上に凸である領域がウェハの全面積の60%以上あれば、その部分を利用して、表面の面積に対して60%以上の良質なエピタキシャル膜を得ることができ、その膜を利用して電子材料を作製できる。本発明者らは、非常に高い精度で切断、研磨を行うことに比べて、若干のうねりを許容する工程を採用することで、工業的に容易に良質のエピタキシャル成長膜を形成できる炭化珪素エピタキシャル成長用ウェハを製造できることに気付き、ウェハの面積の60%以上の領域が上に凸であるような形状を持つエピタキシャル成長用ウェハに優位性を見出した。
上述の、上に凸な形状を持つ基板を得るために、例えば、ワイヤーソーを用いてウェハを切り出す際に、適切なワイヤーの張力や切断速度を用いることで、炭化珪素単結晶インゴットから上に凸な形状を持つ炭化珪素エピタキシャル成長用ウェハを切り出すことができ、さらに、適切な加重をかけながらウェハの裏面、表面を研磨することで切断時の形状を大きく変えることなく、上に凸な形状を持つ炭化珪素エピタキシャル成長用ウェハを得ることができることを確認した。上に凸な形状を持つウェハを得る方法についてはこれに制限されず、例えば内周刃切断機を用いて上に凸形状を持つ切断形状を有したウェハを作製し、所定の形状になるように研磨等するようにしてもよい。
図1に示すように、中心部が周辺部に比べて高くなるような上に凸な形状を持つようにすると、同一テラス上に複数のステップが存在することが無くなると同時に、ウェハ表面に露出するステップの数を増加させることができる。ステップの数を増やすことで、テラスの幅を狭くすることができ、欠陥の発生につながるテラス上での新しい結晶核の形成を抑制できる。この効果は、ウェハ表面に露出するステップの数が少ない、c軸とウェハ表面の法線のなす角度が小さい場合により大きく得られる。本発明者らは、炭化珪素単結晶のc軸と炭化珪素単結晶ウェハの法線のなす角が0°以上4°未満である場合に、上に凸な形状を持つエピタキシャル成長用炭化珪素単結晶ウェハ上に良質のエピタキシャル成長膜を形成できることを見出した。さらに、炭化珪素単結晶のc軸と炭化珪素単結晶ウェハの法線のなす角が0°以上1°未満である場合により高い効果が得られることも見出した。
エピタキシャル成長膜の欠陥は、エピタキシャル成長を行った後に表面を光学顕微鏡で観察した場合に観察される、三角欠陥や針状欠陥と呼ばれる、数μm程度の表面の凹凸を伴うような欠陥や、光学顕微鏡では観察しにくく、KOHなどを用いて表面をエッチングすることにより始めて観察される欠陥など、複数の種類の欠陥の存在が知られている。本発明者らは上に凸な形状を持つエピタキシャル成長用炭化珪素単結晶ウェハを用いることで、電子材料を作成した際に不良を引き起こしやすいと考えられている三角欠陥や針状欠陥といった光学顕微鏡で観察されるような欠陥を減らすことができることを見出した。
上記の炭化珪素エピタキシャル成長用ウェハを用いて作製した炭化珪素エピタキシャルウェハは、結晶欠陥が少ない高品質と言う特性を持ち、電子材料用のウェハとして有用である。
以下に、本発明の実施例について述べる。
まず、実施例で用いるエピタキシャル成長装置全体について、図5を用いて簡単に説明する。エピタキシャル成長用ウェハを黒鉛製のサセプター上に載せる。黒鉛製のサセプターの周囲には断熱材が配置され、石英管の中に置かれている。黒鉛製のサセプターは、石英管の外側に配置された高周波誘導加熱用のコイルに流される高周波電流により加熱される。また、石英管の中へは、流量を制御されたシランとプロパンからなる原料ガスと搬送ガスである水素が供給されると同時に、排気ポンプを用いて排気が行われ、石英管内部の圧力が調整される。黒鉛製のサセプターの温度は二色温度計により計測され、石英管内部の圧力は圧力計により計測される。制御装置は、所定の原料ガスと搬送ガスを流しながら、石英管内部の圧力が所定の圧力となるように、排気バルブの流量調節バルブを制御する。また、黒鉛製サセプターの温度が所定の温度となるように、高周波電源の出力を制御する。
エピタキシャル成長に利用したウェハは、炭化珪素単結晶インゴットの切断面をX線を用いて決め、その面に平行にワイヤーソーで切断し、裏面を鏡面研磨した後に、表面の研磨によるダメージ層を取り除くための化学的機械的研磨を行って準備した。
エピタキシャル成長は以下のように行った。まず、エピタキシャル成長用ウェハをサセプターに載せ、装置内を真空に排気した。次に、誘導加熱を用いてサセプター温度を1600℃にし、搬送ガスである水素ガスを流した。その後、サセプター温度が1600℃の一定の温度となるように高周波誘導加熱電流を制御しながら、搬送ガスである水素ガスと共に原料ガスであるシランとプロパンを装置内に流し、炉内の圧力を一定の圧力(1×104Pa)になるように制御を行った。成長速度は0.1〜0.3μm/min程度であった。所定の時間、サセプター温度を1600℃に保ちながら、エピタキシャル成長を行った。その後、搬送ガス中に含まれる原料ガスを流すのを止めると同時に、高周波誘導加熱を10分かけて徐々に下げて、加熱を停止し、成長を終了した。
(実施例1)
次に、本発明で開示したエピタキシャル成長用炭化珪素単結晶ウェハを利用して、炭化珪素エピタキシャル成長を行った実施例について説明する。図6は、直径が50mmのエピタキシャル成長用炭化珪素単結晶ウェハの形状を測定したデータで、ウェハ表面の等高線が示されている。一番高い点が白い三角で、一番低い点が黒い三角で記されており、中心部分が最も高く、周辺の部分が低くなっており、面内の全ての領域で上に凸な形状となっている。そりは24μmであった。この基板のポリタイプは4Hであり、c軸から[11-20]方向に、ウェハ面の法線となす角が8°傾いたSi面上にエピタキシャル成長を行った。
このウェハに、厚さ15μmの炭化珪素エピタキシャル膜を作製した。この膜を光学顕微鏡を用いて観察したところ、エピタキシャル膜中に欠陥が存在することを示す三角欠陥等の表面の凹凸が観察されたものの、その密度は10個/cm2程度と少なく、良質の炭化珪素エピタキシャル膜が得られた。炭化珪素エピタキシャル膜上に電子材料を作製する場合、エピタキシャル膜に存在する欠陥が電子材料の特性に影響を与えるため、本発明により得られた欠陥の少ない高品質の炭化珪素エピタキシャル膜は、電子材料を作製するためのウェハとして有用である。
(実施例2)
図7は、直径76mmのエピタキシャル成長用炭化珪素ウェハの形状を測定したデータで、ウェハ表面の等高線が示されている。一番高い点が白い三角で、一番低い点が黒い三角で記されており、中心部分が最も高く、周辺の部分が低くなっている。図7の上部の領域で図中にあみがけで示した部分では、等高線が内側に曲がっており、ウェハ表面が上に凸ではない形状となっている。この網がけの部分は、ウェハ面積の40%より少なく、残りの60%以上の部分は上に凸な形状となっている。そりは32μmであった。この基板のポリタイプは4Hであり、c軸から[11-20]方向に、ウェハ面の法線となす角が3.5°傾いたSi面上にエピタキシャル成長を行った。
このウェハに、厚さ10μmの炭化珪素エピタキシャル膜を作製した。この膜を光学顕微鏡を用いて観察したところ、エピタキシャル膜中に欠陥が存在することを示す三角欠陥等の表面の凹凸が観察された。図中の網がけの部分では欠陥密度が60個/cm2程度と高かったものの、それ以外の部分での欠陥の密度は15個/cm2程度と、良好な炭化珪素エピタキシャル膜が得られた。炭化珪素エピタキシャル膜上に電子材料を作製する場合、エピタキシャル膜に存在する欠陥が電子材料の特性に影響を与える。全面にわたり高品質のウェハとはならなかったものの、ウェハ面内の60%以上の領域で欠陥の少ない高品質の炭化珪素エピタキシャル膜が得られており、本発明により得られたウェハは電子材料を作製するためのウェハとして有用である。
(実施例3)
図8は、直径76mmのエピタキシャル成長用炭化珪素ウェハの形状を測定したデータで、ウェハ表面の等高線が示されている。一番高い点が白い三角で、一番低い点が黒い三角で記されており、中心部分がもっとも高く、周辺の部分が低くなっており、面内のすべての領域で上に凸な形状となっている。そりは55μmであった。この基板のポリタイプは4Hであり、c軸から[11-20]方向に、ウェハ面の法線となす角が0.8°傾いたSi面上にエピタキシャル成長を行った。
このウェハに厚さ5μmの炭化珪素エピタキシャル膜を作製した。この膜を光学顕微鏡を用いて観察したところ、エピタキシャル膜中に欠陥が存在することを示す三角欠陥等の表面の凹凸が観察された。欠陥の密度は40個/cm2程度と良好な炭化珪素エピタキシャル膜が得られた。本発明により得られたウェハは電子材料を作製するためのウェハとして有用である。
(比較例1)
実施例2と比較するために、図9に示すような等高線を持つ、直径が50mmのエピタキシャル成長用炭化珪素ウェハにエピタキシャル成長を行った。一番高い点が白い三角で、一番低い点が黒い三角で記されており、中心部分が最も低く、周辺の部分が高くなっており、面内の全ての領域で上に凸でない形状となっている。そりは23μmであった。この基板のポリタイプは4Hであり、c軸から[11-20]方向に、ウェハ面の法線となす角が3.5°傾いたSi面を用いてエピタキシャル成長を行った。
このウェハに厚さ10μmの炭化珪素エピタキシャル膜を作製した。この膜を光学顕微鏡を用いて観察したところ、エピタキシャル膜中に欠陥が存在することを示す三角欠陥等の表面の凹凸が多数観察され、その密度は70個/cm2程度と多かった。炭化珪素エピタキシャル膜上に電子材料を作製する場合、エピタキシャル膜に存在する欠陥が電子材料の特性に影響を与えるため、このウェハでは欠陥が多く、エピタキシャル膜上に作製した電子材料は良好な特性が得られず、この炭化珪素エピタキシャルウェハは電子材料用のウェハとしては役に立たない。
ウェハ表面の凸性を説明する図 ウェハのそりを説明する図 上に凸な表面を持つウェハ表面でのエピタキシャル成長を説明する模式図 下に凸な表面を持つウェハ表面でのエピタキシャル成長を説明する模式図 本実施例のエピタキシャル装置を説明する図 本実施例のエピタキシャルウェハの形状を説明する図 本実施例のエピタキシャルウェハの形状を説明する図 本実施例のエピタキシャルウェハの形状を説明する図 本比較例のエピタキシャルウェハの形状を説明する図

Claims (6)

  1. エピタキシャル成長面を上として、上に凸である形状を持つ部分を有する炭化珪素エピタキシャル成長用の炭化珪素単結晶ウェハ。
  2. 炭化珪素単結晶ウェハのそりが0μm超100μm以下である請求項1記載の炭化珪素単結晶ウェハ。
  3. エピタキシャル成長面を上として、上に凸である形状を持つ部分がウェハ面積全体の60%以上である請求項1又は2に記載の炭化珪素単結晶ウェハ。
  4. 炭化珪素単結晶のc軸と炭化珪素単結晶ウェハ面の法線のなす角が0°以上4°未満である請求項1〜3のいずれかに記載の炭化珪素単結晶ウェハ。
  5. 炭化珪素単結晶のc軸と炭化珪素単結晶ウェハ面の法線のなす角が0°以上1°未満である請求項1〜3のいずれかに記載の炭化珪素単結晶ウェハ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の炭化珪素単結晶ウェハ上にエピタキシャル成長を行った炭化珪素エピタキシャルウェハ。
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