JP2009289948A - 貼り合わせウェーハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】活性層の膜厚均一性に優れた貼り合わせウェーハを安価に製造できる貼り合わせウェーハの製造方法を提案する。
【解決手段】活性層用ウェーハへの酸素イオンの注入工程と、活性層用ウェーハへの非酸化性雰囲気中での熱処理工程との間に、活性層用ウェーハに対し急速昇降温の熱処理を施す工程を入れることで、酸素イオン注入層を単一層に纏めるものである。
【選択図】図2
【解決手段】活性層用ウェーハへの酸素イオンの注入工程と、活性層用ウェーハへの非酸化性雰囲気中での熱処理工程との間に、活性層用ウェーハに対し急速昇降温の熱処理を施す工程を入れることで、酸素イオン注入層を単一層に纏めるものである。
【選択図】図2
Description
本発明は、貼り合わせウェーハの製造方法に関し、特に、酸素イオン注入層を減厚化の際のストップ層として効果的に用いるようにした貼り合わせウェーハの製造方法に関するものである。
一般的な貼り合わせウェーハの製造方法としては、酸化膜(絶縁膜)が形成された一枚のシリコンウェーハに、もう一枚のシリコンウェーハを貼り合わせ、この貼り合わせたシリコンウェーハの一方を研削・研磨してSOI(Silicon On Insulator)層を形成する方法(研削研磨法)や、シリコンウェーハの内部に酸素イオンを打ち込んだのち、高温アニールを行うことによって、シリコンウェーハの内部に埋め込み酸化膜(BOX)層を形成し、該BOX層の上部をSOI層とする方法(SIMOX:Separation by Implanted Oxygen法)、SOI層側となるシリコンウェーハ(活性層用ウェーハ)の表層部に水素イオン等を打ち込んでイオン注入層を形成したのち、そのシリコンウェーハを支持基板用のシリコンウェーハと貼り合わせ、ついで熱処理により上記のイオン注入層で剥離させることによってSOI層を形成する方法(スマートカット法)等が知られている(SIMOX法については、例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記した方法では何れも、活性層の膜厚均一性に劣る(±30%以上)という問題があった。
そこで、上記の問題を解決するものとして、本発明者らは先に、酸素イオン注入法と研削研磨法を組み合わせたプロセス、すなわち
「表面に絶縁膜を有しまたは有しない活性層用ウェーハを、直接、支持層用ウェーハと貼り合わせたのち、活性層用ウェーハ部分を薄膜化することからなる、貼り合わせウェーハの製造方法であって、
活性層用ウェーハに酸素イオンを注入して、活性層内に酸素イオン注入層を形成する工程と、
活性層用ウェーハに対し、非酸化性雰囲気中にて1100℃以上の温度で熱処理を施す工程と、
活性層用ウェーハと支持層用ウェーハとを貼り合わせる工程と、
貼り合わせたウェーハの貼り合わせ強度を向上させるための熱処理工程と、
貼り合わせたウェーハの活性層用ウェーハ部分を、酸素イオン注入層の手前まで研削する工程と、
貼り合わせたウェーハの活性層用ウェーハ部分をさらに研磨またはエッチングして、酸素イオン注入層を露出させる工程と、
貼り合わせたウェーハを酸化処理して、酸素イオン注入層の露出面に酸化膜を形成する工程と、
この酸化膜を除去する工程と、
非酸化性雰囲気中にて1100℃以下の温度で熱処理を施して、貼り合わせたウェーハの活性層用ウェーハ部分を平坦化する工程と、
の時系列的結合になることを特徴とする、貼り合わせウェーハの製造方法。」
を開発し、これを開示した(特許文献2参照)。
この方法によれば、活性層の膜厚均一性に比較的優れ、また透過電子顕微鏡(TEM)による評価で比較的欠陥の少ない、直接貼り合わせウェーハの提供が可能になった。
特開平5−291543号公報
特開2008−16534号公報
「表面に絶縁膜を有しまたは有しない活性層用ウェーハを、直接、支持層用ウェーハと貼り合わせたのち、活性層用ウェーハ部分を薄膜化することからなる、貼り合わせウェーハの製造方法であって、
活性層用ウェーハに酸素イオンを注入して、活性層内に酸素イオン注入層を形成する工程と、
活性層用ウェーハに対し、非酸化性雰囲気中にて1100℃以上の温度で熱処理を施す工程と、
活性層用ウェーハと支持層用ウェーハとを貼り合わせる工程と、
貼り合わせたウェーハの貼り合わせ強度を向上させるための熱処理工程と、
貼り合わせたウェーハの活性層用ウェーハ部分を、酸素イオン注入層の手前まで研削する工程と、
貼り合わせたウェーハの活性層用ウェーハ部分をさらに研磨またはエッチングして、酸素イオン注入層を露出させる工程と、
貼り合わせたウェーハを酸化処理して、酸素イオン注入層の露出面に酸化膜を形成する工程と、
この酸化膜を除去する工程と、
非酸化性雰囲気中にて1100℃以下の温度で熱処理を施して、貼り合わせたウェーハの活性層用ウェーハ部分を平坦化する工程と、
の時系列的結合になることを特徴とする、貼り合わせウェーハの製造方法。」
を開発し、これを開示した(特許文献2参照)。
この方法によれば、活性層の膜厚均一性に比較的優れ、また透過電子顕微鏡(TEM)による評価で比較的欠陥の少ない、直接貼り合わせウェーハの提供が可能になった。
しかしながら、上記特許文献2で開示した方法では、酸素イオン注入層を研磨ストップ層として働かせることは記載されているものの、研磨ストップ層として望ましい酸素イオン注入後の熱処理条件までは示されていず、得られる酸素イオン注入層は、必ずしも研磨ストップ層として最適化されているとはいえないという問題があった。
即ち、上記方法では酸素イオンの注入を行った後、非酸化性雰囲気中にて1100℃以上の温度で一回熱処理を行っているのみであり、これによって形成した酸素イオン注入層は図3(a)〜(c)に略線図で示すように、活性層用ウェーハ部分の酸素イオン注入側(図3では下側)の表面(図ではBOX層とSOI層との境界)に近い側の層(注入ダメージ最大領域)Aとその酸素イオン注入側の表面から遠い側の層(注入イオン最大領域)Bとの二層構造となる場合があり、このような二層構造になると、酸素イオン注入層のシリコン中に分散するSiO2粒子の体積分率が低くなって、層B側からの研磨中にSiO2粒子が酸素イオン注入層から脱落し、研磨ストップ後に、図3(a)に示すように、酸素イオン注入層の表面に凹凸が残り易くなる。
このため、その後に酸化処理を施すと、図3(b)に示すように、上記酸素イオン注入層を含めて所定深さまで酸化させた酸化膜Cが、酸素イオン注入層の表面の凹凸に応じてSOI層の表面に食い込み、図3(c)に示すように、酸化膜Cを除去した後にSOI層の表面に凹凸が残り易い。そこで上記の方法では、その後の熱処理工程で活性層用ウェーハ部分の表面を平坦化して、活性層の膜厚均一性を得ているが、熱処理に時間と工数が嵩むという、解決することが望ましい課題があった。
本発明は、上記の課題を有利に解決するもので、研磨ストップ層として望ましい、充分に高い研磨ストップ機能を持つ酸素イオン注入層が得られる、貼り合わせウェーハの有利な製造方法を提案することを目的とする。
さて、本発明者は、上記の問題を解決すべく、酸素イオン注入層での研磨ストップ条件について鋭意検討を重ねた結果、研磨ストップ層として望ましい酸素イオン注入層は、注入した酸素イオンのSiO2化が促進されたものであるという知見を得た。
さらに、本発明者は、酸素イオン注入層に注入した酸素イオンのSiO2化の促進には急速昇降温処理が有効であるという知見を得た。
本発明は上記の知見に立脚するものである。
さらに、本発明者は、酸素イオン注入層に注入した酸素イオンのSiO2化の促進には急速昇降温処理が有効であるという知見を得た。
本発明は上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の貼り合わせウェーハの製造方法の要旨構成は次のとおりである。
1.活性層用ウェーハと支持層用ウェーハとを貼り合わせて貼り合わせウェーハを製造する方法であって、
(1) 活性層用ウェーハに酸素イオンを注入して、酸素イオン注入層を形成する工程と、
(2) 活性層用ウェーハに対し、非酸化性雰囲気中にて熱処理を施す工程と、
(3) 活性層用ウェーハの酸素イオン注入側の表面と支持層用ウェーハとを直接、または絶縁膜を介して貼り合わせる工程と、
(4) 貼り合わせたウェーハの貼り合わせ強度を向上させるための熱処理工程と、
(5) 貼り合わせたウェーハの活性層用ウェーハ部分を、酸素イオン注入層をストップ層として減厚化して、酸素イオン注入層を露出させる工程と、
(6) 貼り合わせたウェーハの活性層用ウェーハ部分の酸素イオン注入層を除去する工程と、
を含む一連の工程を具え、
前記(1)の活性層用ウェーハへの酸素イオンの注入工程と、前記(2)の活性層用ウェーハへの非酸化性雰囲気中での熱処理工程との間に、活性層用ウェーハに対し急速昇降温の熱処理を施す工程を入れることを特徴とする、貼り合わせウェーハの製造方法。
1.活性層用ウェーハと支持層用ウェーハとを貼り合わせて貼り合わせウェーハを製造する方法であって、
(1) 活性層用ウェーハに酸素イオンを注入して、酸素イオン注入層を形成する工程と、
(2) 活性層用ウェーハに対し、非酸化性雰囲気中にて熱処理を施す工程と、
(3) 活性層用ウェーハの酸素イオン注入側の表面と支持層用ウェーハとを直接、または絶縁膜を介して貼り合わせる工程と、
(4) 貼り合わせたウェーハの貼り合わせ強度を向上させるための熱処理工程と、
(5) 貼り合わせたウェーハの活性層用ウェーハ部分を、酸素イオン注入層をストップ層として減厚化して、酸素イオン注入層を露出させる工程と、
(6) 貼り合わせたウェーハの活性層用ウェーハ部分の酸素イオン注入層を除去する工程と、
を含む一連の工程を具え、
前記(1)の活性層用ウェーハへの酸素イオンの注入工程と、前記(2)の活性層用ウェーハへの非酸化性雰囲気中での熱処理工程との間に、活性層用ウェーハに対し急速昇降温の熱処理を施す工程を入れることを特徴とする、貼り合わせウェーハの製造方法。
2.前記(1)の活性層用ウェーハへの酸素イオンの注入工程と、前記(2)の活性層用ウェーハへの非酸化性雰囲気中での熱処理工程との間の、活性層用ウェーハへの急速昇降温の熱処理工程は、
昇降温速度:300℃を越える温度において1℃/sec以上で1000℃/sec以下
熱処理最高温度:1100℃以上でSi融点温度以下
最高温度保持時間:10μsec以上で10min以下
とすることを特徴とする、請求項1記載の貼り合せウェーハの製造方法。
昇降温速度:300℃を越える温度において1℃/sec以上で1000℃/sec以下
熱処理最高温度:1100℃以上でSi融点温度以下
最高温度保持時間:10μsec以上で10min以下
とすることを特徴とする、請求項1記載の貼り合せウェーハの製造方法。
3.前記(2)の活性層用ウェーハへの非酸化性雰囲気中での熱処理は、1000℃以上で1250℃以下の温度で、10min以上行うことを特徴とする、請求項1または2記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
4.前記(1)の活性層用ウェーハへの酸素イオンの注入工程での酸素イオン注入のドーズ量は、1.0×1016〜3.0×1017 atoms/cm2とすることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
本発明では、活性層用ウェーハへの酸素イオンの注入工程と、活性層用ウェーハへの非酸化性雰囲気中での熱処理工程との間に、高速昇降温(RTA:Rapid Thermal Annealing)、フラッシュアニール(Flash Annealing)またはレーザーアニール(Laser Annealing)等によって活性層用ウェーハに対し急速昇降温の熱処理を施す工程を入れるので、酸素イオン注入層に注入された酸素イオンのSiO2化が促進されるとともに、活性層用ウェーハの酸素イオン注入層に対しイオン注入側に位置する活性層のイオン注入欠陥が低減する。
従って本発明によれば、貼り合わせウェーハの製造中、研磨ストップ層として望ましい充分高い研磨ストップ機能を奏する酸素イオン注入層を持つようにし得て、活性層の膜厚均一性に優れた貼り合わせウェーハを安価に製造することができ、しかもその貼り合わせウェーハの活性層を欠陥密度の低いものとすることができる。
なお、上記急速昇降温の熱処理は、
昇降温速度:300℃を越える温度において1℃/sec以上で1000℃/sec以下
熱処理最高温度:1100℃以上でSi融点温度以下
最高温度保持時間:10μsec(秒)以上で10min(分)以下
とすることが、酸素イオン注入層に注入された酸素イオンのSiO2化を促進する上で好ましい。
すなわち、昇降温速度:300℃を越える温度において1000℃/secを越える場合
熱処理最高温度:Si融点温度を超える場合
最高温度保持時間:10min(分)を越える場合
の何れの場合も活性層用ウェーハへのスリップ転位の発生の可能性が大きくなり、
一方、昇降温速度:300℃を越える温度において1℃/sec未満の場合
熱処理最高温度:1100℃未満の場合
最高温度保持時間:10μsec(秒)未満の場合
の何れの場合も酸素イオン注入層の酸素イオンのSiO2化が不充分となる。
昇降温速度:300℃を越える温度において1℃/sec以上で1000℃/sec以下
熱処理最高温度:1100℃以上でSi融点温度以下
最高温度保持時間:10μsec(秒)以上で10min(分)以下
とすることが、酸素イオン注入層に注入された酸素イオンのSiO2化を促進する上で好ましい。
すなわち、昇降温速度:300℃を越える温度において1000℃/secを越える場合
熱処理最高温度:Si融点温度を超える場合
最高温度保持時間:10min(分)を越える場合
の何れの場合も活性層用ウェーハへのスリップ転位の発生の可能性が大きくなり、
一方、昇降温速度:300℃を越える温度において1℃/sec未満の場合
熱処理最高温度:1100℃未満の場合
最高温度保持時間:10μsec(秒)未満の場合
の何れの場合も酸素イオン注入層の酸素イオンのSiO2化が不充分となる。
また、上記急速昇降温の熱処理後の活性層用ウェーハへの非酸化性雰囲気中での熱処理は、1000℃以上で1250℃以下の温度で、10min(分)以上行うことが、酸素イオン注入層を単一層に纏めて、充分に高い研磨ストップ機能を持つ酸素イオン注入層を得る上で好ましい。
さらに、活性層用ウェーハへの酸素イオンの注入工程での酸素イオン注入のドーズ量は、1.0×1016〜3.0×1017 atoms/cm2とすることが、最適な酸素イオン注入層を形成する上で好ましい。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
まず、本実施形態で対象とする貼り合わせウェーハ及び、図1に示すプロセスフローに従う本実施形態の各製造工程について具体的に説明する。
・貼り合わせウェーハ
本実施形態により、例えばSIMOXウェーハ等の貼り合わせウェーハを作製するには、活性層用ウェーハと支持層用ウェーハの2枚のシリコンウェーハを貼り合わせるわけであるが、本実施形態は両ウェーハの貼り合わせに際し、絶縁膜(酸化膜)を介する場合は勿論のこと、このような絶縁膜を介さずに直接貼り合わせる場合にも適用することができる。
なお、貼り合わせウェーハとしては、貼り合せに適した表面ラフネスが良好なものであれば、ドーパントの種類、濃度および酸素濃度などは限定されない。ただし、欠陥をより低減するためには、COP(Crystal Oriented Particle)がないまたは少ないウェーハが好ましい。ここに、COPの低減には、CZ引き上げ条件を最適化してCOPを少なくする方法、ウェーハ鏡面加工後還元雰囲気中で1000℃以上の高温熱処理を施す方法、ウェーハ上にCVDなどでSiをエピタキシャル成長させる方法などを適用することができる。
まず、本実施形態で対象とする貼り合わせウェーハ及び、図1に示すプロセスフローに従う本実施形態の各製造工程について具体的に説明する。
・貼り合わせウェーハ
本実施形態により、例えばSIMOXウェーハ等の貼り合わせウェーハを作製するには、活性層用ウェーハと支持層用ウェーハの2枚のシリコンウェーハを貼り合わせるわけであるが、本実施形態は両ウェーハの貼り合わせに際し、絶縁膜(酸化膜)を介する場合は勿論のこと、このような絶縁膜を介さずに直接貼り合わせる場合にも適用することができる。
なお、貼り合わせウェーハとしては、貼り合せに適した表面ラフネスが良好なものであれば、ドーパントの種類、濃度および酸素濃度などは限定されない。ただし、欠陥をより低減するためには、COP(Crystal Oriented Particle)がないまたは少ないウェーハが好ましい。ここに、COPの低減には、CZ引き上げ条件を最適化してCOPを少なくする方法、ウェーハ鏡面加工後還元雰囲気中で1000℃以上の高温熱処理を施す方法、ウェーハ上にCVDなどでSiをエピタキシャル成長させる方法などを適用することができる。
(1) 活性層用ウェーハに酸素イオンを注入する工程
先ず本実施形態では、活性層用ウェーハに酸素イオンを注入する。
本実施形態においては、酸素イオン注入時の加速電圧は、最終製品の活性層厚さに応じて適宜選択することができ、特に限定されることはない。従って、通常の酸素イオン注入機の加速電圧:100〜300keV程度で行えばよい。
一方、本実施形態においては酸素イオン注入を、基板温度を200℃以上(例えば450℃)の高温にするとともに、ドーズ量を1.0×1016〜3.0×1017 atoms/cm2に設定して行う。
先ず本実施形態では、活性層用ウェーハに酸素イオンを注入する。
本実施形態においては、酸素イオン注入時の加速電圧は、最終製品の活性層厚さに応じて適宜選択することができ、特に限定されることはない。従って、通常の酸素イオン注入機の加速電圧:100〜300keV程度で行えばよい。
一方、本実施形態においては酸素イオン注入を、基板温度を200℃以上(例えば450℃)の高温にするとともに、ドーズ量を1.0×1016〜3.0×1017 atoms/cm2に設定して行う。
酸素イオン注入の際のドーズ量が1.0×1016 atoms/cm2に満たない場合には、(2)の熱処理工程での熱処理後の酸素イオン注入層における酸素原子を含んだSiアモルファス層が単一層に纏まらずに二層構造となるかまたは充分に形成されず、SiO2粒子同士が離れ過ぎていることから、後述する貼り合わせ後の(4)の工程で活性層用ウェーハ部分を減厚化するために研磨を行っている際にSiO2粒子が脱落し易いため、的確に研磨ストップを行うことができない。
一方、酸素イオン注入の際のドーズ量が3.0×1017 atoms/cm2を超える場合には、酸素イオン注入の際に高酸素が必要となるため、酸素イオン注入にコストが嵩んでしまう。
一方、酸素イオン注入の際のドーズ量が3.0×1017 atoms/cm2を超える場合には、酸素イオン注入の際に高酸素が必要となるため、酸素イオン注入にコストが嵩んでしまう。
なお、上記高温での酸素イオン注入を複数回の分割注入としても良く、その分割注入の間に洗浄を行っても良い。洗浄方法としては、パーティクル除去能力に優れたSC1、HF、O3および有機酸による洗浄などが好適である。
次いで本実施形態では、次の通常の熱処理工程の前に、活性層用ウェーハに急速昇降温の熱処理を施す工程を入れる。この急速昇降温の熱処理は、例えば高速昇降温(RTA:Rapid Thermal Annealing)、フラッシュアニール(Flash Annealing)またはレーザーアニール(Laser Annealing)等のための装置あるいは炉によって行うことができ、その熱処理条件は、
昇降温速度:300℃を越える温度において1℃/sec以上で1000℃/sec以下
熱処理最高温度:1100℃以上でSi融点温度以下
最高温度保持時間:10μsec(秒)以上で10min(分)以下
とすることが、酸素イオン注入層に注入された酸素イオンのSiO2化を促進する上で好ましい。
昇降温速度:300℃を越える温度において1℃/sec以上で1000℃/sec以下
熱処理最高温度:1100℃以上でSi融点温度以下
最高温度保持時間:10μsec(秒)以上で10min(分)以下
とすることが、酸素イオン注入層に注入された酸素イオンのSiO2化を促進する上で好ましい。
(2) 活性層用ウェーハを熱処理する工程
次いで本実施形態では、急速昇降温熱処理後、貼り合わせ前の段階で、1100℃以上でかつ1250℃以下の温度で、10分以上熱処理を施す。1100℃未満の温度では、酸素イオン注入層が単一層に纏まらずに二層構造となってしまうか、充分アモルファス状態にならず、研磨ストップ機能が充分高くならない。
一方、1250℃を超える温度では、スリップ転位発生のおそれがある。
この熱処理時、非酸化性雰囲気中で処理することにより、酸素イオン注入時に最表面近傍に注入された酸素を外方へ拡散させて酸素濃度を下げ、貼り合わせ強化熱処理時の最表面近傍の酸素析出物を抑制することに寄与し、その結果、欠陥密度のさらなる低減が可能となる。非酸化性雰囲気としては、ArやH2またはその混合雰囲気などが有利に適合する。
次いで本実施形態では、急速昇降温熱処理後、貼り合わせ前の段階で、1100℃以上でかつ1250℃以下の温度で、10分以上熱処理を施す。1100℃未満の温度では、酸素イオン注入層が単一層に纏まらずに二層構造となってしまうか、充分アモルファス状態にならず、研磨ストップ機能が充分高くならない。
一方、1250℃を超える温度では、スリップ転位発生のおそれがある。
この熱処理時、非酸化性雰囲気中で処理することにより、酸素イオン注入時に最表面近傍に注入された酸素を外方へ拡散させて酸素濃度を下げ、貼り合わせ強化熱処理時の最表面近傍の酸素析出物を抑制することに寄与し、その結果、欠陥密度のさらなる低減が可能となる。非酸化性雰囲気としては、ArやH2またはその混合雰囲気などが有利に適合する。
(3) 活性層用ウェーハと支持層用ウェーハを貼り合わせる工程
本実施形態では次いで、活性層用ウェーハと支持層用ウェーハとを貼り合わせるが、この貼り合わせに際しては、絶縁膜を介してもよいし、絶縁膜を介さずに直接、貼り合わせることもできる。
絶縁膜を介して貼り合わせを行う場合、絶縁膜としてはBOX等の酸化膜(SiO2)、窒化膜(Si3N4)などが好適である。また、成膜方法としては、酸化雰囲気や窒素雰囲気中での熱処理(熱酸化、熱窒化)、CVDなどが好適である。熱酸化としては、酸素ガスの他、水蒸気を使ったWet酸化なども使用することができる。
本実施形態では次いで、活性層用ウェーハと支持層用ウェーハとを貼り合わせるが、この貼り合わせに際しては、絶縁膜を介してもよいし、絶縁膜を介さずに直接、貼り合わせることもできる。
絶縁膜を介して貼り合わせを行う場合、絶縁膜としてはBOX等の酸化膜(SiO2)、窒化膜(Si3N4)などが好適である。また、成膜方法としては、酸化雰囲気や窒素雰囲気中での熱処理(熱酸化、熱窒化)、CVDなどが好適である。熱酸化としては、酸素ガスの他、水蒸気を使ったWet酸化なども使用することができる。
さらに、絶縁膜は、酸素イオン注入前に成膜しても良いし、注入後でも良い。但し、注入後に成膜する場合にはアモルファスの結晶化が進みにくい1000℃以下の温度で成膜することが必要である。
また、絶縁膜の成膜は、活性層用ウェーハまたは支持層用ウェーハ、あるいは活性層用および支持層用の両ウェーハに対して行うことができる。
また、絶縁膜の成膜は、活性層用ウェーハまたは支持層用ウェーハ、あるいは活性層用および支持層用の両ウェーハに対して行うことができる。
また、貼り合わせの前には、パーティクルによるボイドの発生を抑制するため、洗浄処理を施すことが有利である。
洗浄方法として、一般的なシリコンウェーハ洗浄方法である、SC1+SC2、HF+O3、有機酸またはその組み合わせなどが有効である。
さらに、1000℃以下の貼り合せ温度では貼り合せ強度が十分ではなく、貼り合わせ後の研削・研磨工程の条件(圧力・速度)によっては、剥がれる危険性が懸念される場合には、貼り合せ強度を高めるために、貼り合わせ前のシリコン表面を、酸素・窒素・He・H2・Arまたはその混合雰囲気を使ったプラズマによる活性化処理を施すことが有利である。
洗浄方法として、一般的なシリコンウェーハ洗浄方法である、SC1+SC2、HF+O3、有機酸またはその組み合わせなどが有効である。
さらに、1000℃以下の貼り合せ温度では貼り合せ強度が十分ではなく、貼り合わせ後の研削・研磨工程の条件(圧力・速度)によっては、剥がれる危険性が懸念される場合には、貼り合せ強度を高めるために、貼り合わせ前のシリコン表面を、酸素・窒素・He・H2・Arまたはその混合雰囲気を使ったプラズマによる活性化処理を施すことが有利である。
なお、直接貼り合わせの場合、貼り合せ面に吸着したH2Oがその後の熱処理でSiO2に変化し、貼り合わせ界面に存在するため、貼り合せ面のHF洗浄を行い、疎水面貼り合わせを行って、SiO2を抑制する方法を行ってもよい。これにより、界面での酸化物を低減することができ、デバイス特性の改善につながる。
(4) 貼り合わせ強度向上のための熱処理工程
本実施形態では次いで、貼り合せ強度を高めるための熱処理を行う。この熱処理は、結合強度を十分上げるために、1000℃以上の温度で処理するが、保持時間は1h以内とすることが好ましい。雰囲気については特に制限されないが、次工程の研削工程でのウェーハ裏面の保護のために、酸化雰囲気として、150nm以上の酸化膜をつけることが好ましい。
本実施形態では次いで、貼り合せ強度を高めるための熱処理を行う。この熱処理は、結合強度を十分上げるために、1000℃以上の温度で処理するが、保持時間は1h以内とすることが好ましい。雰囲気については特に制限されないが、次工程の研削工程でのウェーハ裏面の保護のために、酸化雰囲気として、150nm以上の酸化膜をつけることが好ましい。
(5) 活性層用ウェーハを減厚化し酸素イオン注入層を露出させる工程
本実施形態では次いで、活性層用ウェーハを研削および研磨により減厚化し、酸素イオン注入層を露出させる。
・研削
貼り合わせウェーハの活性層用ウェーハの研削は、機械式の加工で実施される。この研削では、酸素イオン注入層の表面側に活性層用ウェーハの一部を残す。残される活性層用ウェーハの一部の膜厚は限定されない。
次工程での研磨工程時間を短縮するために、酸素イオン注入層の直前まで研削することが好ましいが、研削装置の精度、研削によるダメージ深さ(約2μm)を考慮すると、残膜Si厚さは3〜10μm 程度とするのが好ましい。
本実施形態では次いで、活性層用ウェーハを研削および研磨により減厚化し、酸素イオン注入層を露出させる。
・研削
貼り合わせウェーハの活性層用ウェーハの研削は、機械式の加工で実施される。この研削では、酸素イオン注入層の表面側に活性層用ウェーハの一部を残す。残される活性層用ウェーハの一部の膜厚は限定されない。
次工程での研磨工程時間を短縮するために、酸素イオン注入層の直前まで研削することが好ましいが、研削装置の精度、研削によるダメージ深さ(約2μm)を考慮すると、残膜Si厚さは3〜10μm 程度とするのが好ましい。
・研磨
研削に引き続いて、貼り合わせウェーハの活性層用ウェーハを研磨して、酸素イオン注入層を露出させる。
この研磨法においては、砥粒濃度が1質量%以下の研磨剤を供給しながら行うことが好ましい。このような研磨液としては、砥粒(例えばシリカ)濃度が1質量%以下のアルカリ性溶液が挙げられる。なお、アルカリ性溶液としては、無機アルカリ溶液(KOH,NaOH等)、有機アルカリ溶液(例えば、アミンを主成分とするピペラジンやエチレンジアミン等)またはこれらの混合溶液などが好適である。
この研磨法は、砥粒濃度が1質量%以下であることもあって、砥粒による機械的な研磨作用はほとんどなく、化学的な研磨作用が優先される。そして、このアルカリ性溶液による化学的な研磨作用により、活性層用ウェーハの一部(Si層)が研磨される。アルカリ性溶液は、Si/(酸素原子を含んだSiアモルファス層)のエッチングレート比が高いため、活性層用ウェーハの一部であるSi層は効率よく研磨することができるが、酸素原子を含んだSiアモルファス層は殆ど研磨されない。従って、研磨装置の機械的精度が十分でなくても、酸素イオン注入層はほとんど研磨されずに、Si層のみが研磨される結果、酸素イオン注入層を均一に露出させることができる。
すなわち、本実施形態における酸素イオン注入層は、充分高い研磨ストップ機能を持つ研磨ストップ層として機能する。
研削に引き続いて、貼り合わせウェーハの活性層用ウェーハを研磨して、酸素イオン注入層を露出させる。
この研磨法においては、砥粒濃度が1質量%以下の研磨剤を供給しながら行うことが好ましい。このような研磨液としては、砥粒(例えばシリカ)濃度が1質量%以下のアルカリ性溶液が挙げられる。なお、アルカリ性溶液としては、無機アルカリ溶液(KOH,NaOH等)、有機アルカリ溶液(例えば、アミンを主成分とするピペラジンやエチレンジアミン等)またはこれらの混合溶液などが好適である。
この研磨法は、砥粒濃度が1質量%以下であることもあって、砥粒による機械的な研磨作用はほとんどなく、化学的な研磨作用が優先される。そして、このアルカリ性溶液による化学的な研磨作用により、活性層用ウェーハの一部(Si層)が研磨される。アルカリ性溶液は、Si/(酸素原子を含んだSiアモルファス層)のエッチングレート比が高いため、活性層用ウェーハの一部であるSi層は効率よく研磨することができるが、酸素原子を含んだSiアモルファス層は殆ど研磨されない。従って、研磨装置の機械的精度が十分でなくても、酸素イオン注入層はほとんど研磨されずに、Si層のみが研磨される結果、酸素イオン注入層を均一に露出させることができる。
すなわち、本実施形態における酸素イオン注入層は、充分高い研磨ストップ機能を持つ研磨ストップ層として機能する。
特に、研磨前にSiをエッチングすることで、テラス(2枚のウェーハが貼り合わない最外周1〜3mmの領域)と貼り合わせ領域との境界がスムースになり、パーティクルの発生が抑制される。なお、研磨前にテラス部のみを研磨してもよい。
(6) 酸素イオン注入層の除去工程
本実施形態では次いで、露出した酸素イオン注入層を除去する。この酸素イオン注入層は、酸素原子を含んだSiアモルファス、一部再結晶化したSiおよびSiO2からなる。除去方法としては、エッチング法、酸化+エッチング法、研磨などが適用できる。
・エッチング法
酸素イオン注入層は、完全なSiO2層(BOX層)となるためには酸素ドーズ量・熱処理が十分でない条件を選択しているため、エッチングにはSiO2を除去するHF溶液、Siを除去するアルカリ溶液、またはSiを酸化するSC1溶液やオゾン溶液と酸化して生成したSiO2を除去するHF溶液とを交互に行うなどのエッチング条件が好ましい。
いずれにしても、HF溶液を使用し、HF溶液に浸漬した後、SiO2除去の目安となる、ウェーハ表面全体が撥水面になるまで、酸化+HFを繰り返し行うことが好ましい。
本実施形態では次いで、露出した酸素イオン注入層を除去する。この酸素イオン注入層は、酸素原子を含んだSiアモルファス、一部再結晶化したSiおよびSiO2からなる。除去方法としては、エッチング法、酸化+エッチング法、研磨などが適用できる。
・エッチング法
酸素イオン注入層は、完全なSiO2層(BOX層)となるためには酸素ドーズ量・熱処理が十分でない条件を選択しているため、エッチングにはSiO2を除去するHF溶液、Siを除去するアルカリ溶液、またはSiを酸化するSC1溶液やオゾン溶液と酸化して生成したSiO2を除去するHF溶液とを交互に行うなどのエッチング条件が好ましい。
いずれにしても、HF溶液を使用し、HF溶液に浸漬した後、SiO2除去の目安となる、ウェーハ表面全体が撥水面になるまで、酸化+HFを繰り返し行うことが好ましい。
・酸化法
この方法は、酸素イオン注入層の露出面に所定厚さの酸化膜を形成する工程と、この酸化膜を除去する工程からなる。
この酸化処理は、酸化性雰囲気中で行えばよく、処理温度は特に限定されないが、好適には600〜1000℃の酸化性雰囲気である。
但し、酸素イオン注入層のアモルファスが再結晶化されることで発生するSiO2粒子に起因した表面ラフネスの劣化を抑制するためには、低温で処理することが好ましく、600〜900℃がより好ましい。
低温で酸化処理を行う場合、酸化膜成長速度を大きくするために、H2O蒸気を使ったWet酸化やHClガスを含んだ酸化性ガス処理の塩酸酸化を適用することができ、高いスループットを得るためにより好ましい。
酸化膜の厚さは、特に限定されるものではないが、酸素イオン注入層に結晶欠陥層が存在する場合には、その厚さ以上とすることが好ましく、本実施形態の酸素イオン注入条件においては、100〜500nm程度とすることが好ましい。酸化膜の厚さが100nm未満では、本実施形態の酸素イオン注入条件ではSiアモルファス層を十分に除去することができず、一方500nm超では、酸化膜の面内均一性の崩れにより、活性層膜厚均一性が劣化する。
この酸化膜を除去するには、HF液による洗浄でもよいし、水素ガスやArガスまたはHFを含むガスを使ったアニールによるエッチングでもよい。ここに、上記の酸化処理および除去処理は、複数回行ってもよい。これにより、平坦化された表面粗さを維持したまま、活性層の一層の薄膜化が可能となる。
酸化膜を除去した後に、例えば有機酸とフッ酸との混合液に貼り合わせウェーハを浸積して、貼り合わせウェーハの表面に付着するパーティクルおよび金属不純物を除去することは有利である。
この方法は、酸素イオン注入層の露出面に所定厚さの酸化膜を形成する工程と、この酸化膜を除去する工程からなる。
この酸化処理は、酸化性雰囲気中で行えばよく、処理温度は特に限定されないが、好適には600〜1000℃の酸化性雰囲気である。
但し、酸素イオン注入層のアモルファスが再結晶化されることで発生するSiO2粒子に起因した表面ラフネスの劣化を抑制するためには、低温で処理することが好ましく、600〜900℃がより好ましい。
低温で酸化処理を行う場合、酸化膜成長速度を大きくするために、H2O蒸気を使ったWet酸化やHClガスを含んだ酸化性ガス処理の塩酸酸化を適用することができ、高いスループットを得るためにより好ましい。
酸化膜の厚さは、特に限定されるものではないが、酸素イオン注入層に結晶欠陥層が存在する場合には、その厚さ以上とすることが好ましく、本実施形態の酸素イオン注入条件においては、100〜500nm程度とすることが好ましい。酸化膜の厚さが100nm未満では、本実施形態の酸素イオン注入条件ではSiアモルファス層を十分に除去することができず、一方500nm超では、酸化膜の面内均一性の崩れにより、活性層膜厚均一性が劣化する。
この酸化膜を除去するには、HF液による洗浄でもよいし、水素ガスやArガスまたはHFを含むガスを使ったアニールによるエッチングでもよい。ここに、上記の酸化処理および除去処理は、複数回行ってもよい。これにより、平坦化された表面粗さを維持したまま、活性層の一層の薄膜化が可能となる。
酸化膜を除去した後に、例えば有機酸とフッ酸との混合液に貼り合わせウェーハを浸積して、貼り合わせウェーハの表面に付着するパーティクルおよび金属不純物を除去することは有利である。
(7) 活性層用ウェーハ表面の平坦化及び/または薄膜化工程
本実施形態では次いで、活性層用ウェーハ表面の平坦化等を行う。
酸素イオン注入層除去後の貼り合わせウェーハ表面は、鏡面研磨と比較すると荒れているため、平坦にすることが望ましい。
平坦化方法としては、還元雰囲気中での熱処理、研磨およびSiエッチングができるガス・イオン・ラジカルなどからなるガスエッチングなどが適用できる。
・研磨法
貼り合わせ表面を極僅か研磨してラフネスを改善する。研磨代は10〜500nm程度とするのが好ましい。10nm未満では十分にラフネスが改善できず、一方500nm超えでは活性層の膜厚均一性が劣化する。この処理により、表面ラフネス(RMS)を0.5nm以下にすることが可能である。
本実施形態では次いで、活性層用ウェーハ表面の平坦化等を行う。
酸素イオン注入層除去後の貼り合わせウェーハ表面は、鏡面研磨と比較すると荒れているため、平坦にすることが望ましい。
平坦化方法としては、還元雰囲気中での熱処理、研磨およびSiエッチングができるガス・イオン・ラジカルなどからなるガスエッチングなどが適用できる。
・研磨法
貼り合わせ表面を極僅か研磨してラフネスを改善する。研磨代は10〜500nm程度とするのが好ましい。10nm未満では十分にラフネスが改善できず、一方500nm超えでは活性層の膜厚均一性が劣化する。この処理により、表面ラフネス(RMS)を0.5nm以下にすることが可能である。
・還元雰囲気熱処理
Ar、H2またはその混合雰囲気中で熱処理することにより、貼り合わせウェーハ表面のラフネスを改善する。処理温度は1000℃以上1300℃以下程度とすることが好ましい。処理時間については低温ほど長時間とする必要があり、1000〜1200℃では1〜2h程度、1200〜1250℃では10〜30min程度、1250以上では1〜5min程度とすることが好ましい。上記の温度および時間を超えて高温・長時間熱処理にすると、還元雰囲気のエッチング作用により活性層の面内均一性が劣化するおそれがある。
本実施形態では、貼り合せ後、酸素イオン注入層除去までの熱処理が1000℃以上の温度域における滞在時間が1h以内に制限されるため、必ずしも十分な貼り合せ強度が得られるとは限らない。よって、酸素イオン注入層除去後に貼り合せ強度が改善される1100℃以上の温度での平坦化処理は、より好ましい。
貼り合せ前処理でプラズマなどによる表面活性化を施した場合は、必ずしも1100℃以上の熱処理は必要ない。
熱処理炉としては、複数枚を同時に処理できる抵抗加熱型の縦型炉または一枚毎処理するランプ加熱式のRTA(高速昇降温炉)などが好適である。特に1200℃以上の処理ではRTAが有効である。
そして、上記の熱処理により、研磨法の場合と同様に、表面ラフネス(RMS)を0.5nm以下にすることが可能である。
この熱処理により生じた表面酸化膜の除去は、HF液による洗浄でもよいし、水素ガスやArガスまたはHFを含むガスを使ったアニールによるエッチングを用いてもよい。
Ar、H2またはその混合雰囲気中で熱処理することにより、貼り合わせウェーハ表面のラフネスを改善する。処理温度は1000℃以上1300℃以下程度とすることが好ましい。処理時間については低温ほど長時間とする必要があり、1000〜1200℃では1〜2h程度、1200〜1250℃では10〜30min程度、1250以上では1〜5min程度とすることが好ましい。上記の温度および時間を超えて高温・長時間熱処理にすると、還元雰囲気のエッチング作用により活性層の面内均一性が劣化するおそれがある。
本実施形態では、貼り合せ後、酸素イオン注入層除去までの熱処理が1000℃以上の温度域における滞在時間が1h以内に制限されるため、必ずしも十分な貼り合せ強度が得られるとは限らない。よって、酸素イオン注入層除去後に貼り合せ強度が改善される1100℃以上の温度での平坦化処理は、より好ましい。
貼り合せ前処理でプラズマなどによる表面活性化を施した場合は、必ずしも1100℃以上の熱処理は必要ない。
熱処理炉としては、複数枚を同時に処理できる抵抗加熱型の縦型炉または一枚毎処理するランプ加熱式のRTA(高速昇降温炉)などが好適である。特に1200℃以上の処理ではRTAが有効である。
そして、上記の熱処理により、研磨法の場合と同様に、表面ラフネス(RMS)を0.5nm以下にすることが可能である。
この熱処理により生じた表面酸化膜の除去は、HF液による洗浄でもよいし、水素ガスやArガスまたはHFを含むガスを使ったアニールによるエッチングを用いてもよい。
かくして本実施形態によれば、膜厚均一性に優れ、かつ欠陥が少なく、しかも表面ラフネスが格段に向上した貼り合わせウェーハを得ることができる。
本実施形態の方法に基づき貼り合わせウェーハを製造した実施例と、従来の方法で貼り合わせウェーハを製造した比較例とについて以下に説明する。なお、ここでは酸素イオン注入層を露出させる研削・研磨処理の前までの工程を行った。
CZ法により育成され、ボロンがドーパントとされたシリコンインゴットからスライスした直径:300mmのシリコンウェーハを2枚×2組準備して、1組を実施例、1組を比較例とし、各組の2枚のうち一方のシリコンウェーハを活性層用ウェーハとするとともに、他方のシリコンウェーハを支持層用ウェーハとした。
実施例、比較例とも活性層用ウェーハに対し、酸化雰囲気中にて1000℃で3hの熱処理を施し、厚さ:150nmの酸化膜を成膜した。
次に、実施例、比較例とも活性層用ウェーハの表面から、酸素イオン注入を加速電圧:200 keVで実施した。この際、実施例、比較例の何れも、基板温度を450℃とするとともに、ドーズ量を1.2×1017atoms/cm2とした。
その結果、実施例、比較例とも活性層用ウェーハの表面から約600〜800nmの深さ位置に酸素イオン注入層が形成された。
次いで、実施例のみ活性層用ウェーハに対しフラッシュアニール炉で、1390℃×30sec(秒)の急速昇降温の熱処理を行った。
その後、実施例、比較例とも活性層用ウェーハを非酸化性(Ar)雰囲気中で、1200℃×1hr(時間)貼り合わせ前熱処理(アニール)した。
CZ法により育成され、ボロンがドーパントとされたシリコンインゴットからスライスした直径:300mmのシリコンウェーハを2枚×2組準備して、1組を実施例、1組を比較例とし、各組の2枚のうち一方のシリコンウェーハを活性層用ウェーハとするとともに、他方のシリコンウェーハを支持層用ウェーハとした。
実施例、比較例とも活性層用ウェーハに対し、酸化雰囲気中にて1000℃で3hの熱処理を施し、厚さ:150nmの酸化膜を成膜した。
次に、実施例、比較例とも活性層用ウェーハの表面から、酸素イオン注入を加速電圧:200 keVで実施した。この際、実施例、比較例の何れも、基板温度を450℃とするとともに、ドーズ量を1.2×1017atoms/cm2とした。
その結果、実施例、比較例とも活性層用ウェーハの表面から約600〜800nmの深さ位置に酸素イオン注入層が形成された。
次いで、実施例のみ活性層用ウェーハに対しフラッシュアニール炉で、1390℃×30sec(秒)の急速昇降温の熱処理を行った。
その後、実施例、比較例とも活性層用ウェーハを非酸化性(Ar)雰囲気中で、1200℃×1hr(時間)貼り合わせ前熱処理(アニール)した。
次いで、各組の両ウェーハにHF+オゾン洗浄を施し、貼り合せ面上のパーティクルを除去した後、各組の両ウェーハを貼り合わせた。
その後、各組の両ウェーハの貼り合わせ界面を強固に結合するための貼り合わせ後熱処理(アニール)を行った。熱処理条件は、酸化性ガス雰囲気中で950℃、1時間とし、貼り合せウェーハ表裏面に約150nm厚の酸化膜をつけ、後加工時の裏面保護膜とした。
その後、各組の両ウェーハの貼り合わせ界面を強固に結合するための貼り合わせ後熱処理(アニール)を行った。熱処理条件は、酸化性ガス雰囲気中で950℃、1時間とし、貼り合せウェーハ表裏面に約150nm厚の酸化膜をつけ、後加工時の裏面保護膜とした。
図2(a),(b)は、上記のようにして得られた実施例および比較例の貼り合わせウェーハの断面TEM写真を示しており、これらの写真からも明らかなように比較例のウェーハと比べて実施例のウェーハは、研磨ストップ層となる酸素イオン注入層の表面が極めて平滑になっており、それゆえこの状態から研削・研磨処理工程および酸素イオン注入層の除去工程を行えば、膜厚均一性に優れ、かつ欠陥が少なく、しかも表面ラフネスが格段に向上した貼り合わせウェーハを得ることができることが判る。
かくして本発明の貼り合わせウェーハの製造方法によれば、貼り合わせウェーハの製造中、研磨ストップ層として望ましい充分高い研磨ストップ機能を奏する酸素イオン注入層を持つようにし得て、活性層の膜厚均一性に優れた貼り合わせウェーハを安価に製造することができ、しかもその貼り合わせウェーハの活性層を欠陥密度の低いものとすることができる。
Claims (4)
- 活性層用ウェーハと支持層用ウェーハとを貼り合わせて貼り合わせウェーハを製造する方法であって、
(1) 活性層用ウェーハに酸素イオンを注入して、酸素イオン注入層を形成する工程と、
(2) 活性層用ウェーハに対し、非酸化性雰囲気中にて熱処理を施す工程と、
(3) 活性層用ウェーハの酸素イオン注入側の表面と支持層用ウェーハとを直接、または絶縁膜を介して貼り合わせる工程と、
(4) 貼り合わせたウェーハの貼り合わせ強度を向上させるための熱処理工程と、
(5) 貼り合わせたウェーハの活性層用ウェーハ部分を、酸素イオン注入層をストップ層として減厚化して、酸素イオン注入層を露出させる工程と、
(6) 貼り合わせたウェーハの活性層用ウェーハ部分の酸素イオン注入層を除去する工程と、
を含む一連の工程を具え、
前記(1)の活性層用ウェーハへの酸素イオンの注入工程と、前記(2)の活性層用ウェーハへの非酸化性雰囲気中での熱処理工程との間に、活性層用ウェーハに対し急速昇降温の熱処理を施す工程を入れることを特徴とする、貼り合わせウェーハの製造方法。 - 前記(1)の活性層用ウェーハへの酸素イオンの注入工程と、前記(2)の活性層用ウェーハへの非酸化性雰囲気中での熱処理工程との間の、活性層用ウェーハへの急速昇降温の熱処理工程は、
昇降温速度:300℃を越える温度において1℃/sec以上で1000℃/sec以下
熱処理最高温度:1100℃以上でSi融点温度以下
最高温度保持時間:10μsec以上で10min以下
とすることを特徴とする、請求項1記載の貼り合せウェーハの製造方法。 - 前記(2)の活性層用ウェーハへの非酸化性雰囲気中での熱処理は、1000℃以上で1250℃以下の温度で、10min以上行うことを特徴とする、請求項1または2記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
- 前記(1)の活性層用ウェーハへの酸素イオンの注入工程での酸素イオン注入のドーズ量は、1.0×1016〜3.0×1017 atoms/cm2とすることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
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-
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