JP2009289505A - 電子線発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
電子線発生装置の絶縁体は真空中に設置されており、電子が表面に当たることにより帯電し、高電界を発生する。また、不純物の微粒子が絶縁体表面にあった場合には静電力により微粒子が移動する。これらが原因となり放電が発生し、電子線の加速電圧が不安定になる。
【解決手段】
陰極と陽極の間に電圧を印加することにより、陰極から電子線を発生する電子線発生装置であって、真空中に配置する絶縁体がセラミクスよりなる基材と基材の表面に形成された低抵抗膜よりなり、低抵抗膜の電気体積低効率が基材の百分の一以下であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は電子線発生装置において放電を防止し、印加電圧を安定化する絶縁体に関する。
透過型電子顕微鏡などの電子線発生装置では、真空中で陰極から放出された電子を加速管で加速し使用する。加速管では、電子を加速するために高電圧が印加される。高電圧の印加により、真空中では、放電が発生する場合がある。
WO2003/107383(特許文献1)には、絶縁体として抵抗率を下げたセラミックスを用いた電子顕微鏡が開示されている。この発明では例えばアルミナに酸化チタンを混合し焼結したセラミックスを用いて、抵抗率を下げているため、放電の抑制が可能であることが考えられる。
WO2003/107383
電子線発生装置において、真空中に設置された絶縁体は電子が表面に当たることにより帯電し、高電界を発生する。また、不純物の微粒子が絶縁体表面にあった場合には静電力により微粒子が移動する。これらが原因となり放電が発生し、電子線の加速電圧が不安定になる。
しかしながら、特許文献1のように混合したセラミックスはコストが高いという問題点がある。そこで本願発明の目的は、コストをかけずに放電を抑制する電子線発生装置を提供することにある。
本発明は上記の課題を解決するものであり、その手段を以下に記述する。
本発明の特徴は、陰極と陽極の間に電圧を印加することにより、陰極から電子線を発生する電子線発生装置であって、前記陰極または前記陽極は絶縁体によって筐体と結合されており、前記絶縁体は基材と前記基材の表面に形成された低抵抗膜から構成されており、前記低抵抗膜の電気体積抵抗率は前記基材の百分の一以下であることにある。絶縁体は、高電圧部と筐体との間を絶縁する。筐体は接地電位(あるいは一定の電位)が与えられている。安全のためには、筐体を接地電位にすることが望ましい。
この手段では絶縁体表面の抵抗率を基材より低くすることができるので、帯電による電位増大を緩和でき、また、不純物の微粒子周辺の電界の緩和による静電力の減少により、不純物の微粒子の絶縁体表面からの離脱を抑制することができるので陰極と陽極の間の放電を抑制することができる。さらに、基材となる絶縁体は従来のものを使用することができ、コストの増大を防ぐことができる。
前記基材は、90%以上のアルミナを焼結したセラミックスであることが好ましい。一般的に流通しており加工性もよい90%以上のアルミナを焼結したセラミックスを用いることにより、コストを下げることができる。
他の本発明の特徴は、陰極と陽極の間に電圧を印加することにより、陰極から電子線を発生する電子線発生装置であって、前記陰極または前記陽極は絶縁体によって筐体と結合されており、前記絶縁体は表面に1μmから10μmの凹凸を設けた無機粒子を焼結したセラミックスであることを特徴とする。セラミックスである絶縁体の表面に凹凸を設け、絶縁体表面で電界により加速される電子を捕捉することにより、後述の電子なだれを発生しにくくすることができ、陰極と陽極の間の放電を抑制できる。
他には、例えば、前記絶縁体として表面に直径1μmから10μmの無機粒子を接着した無機粒子を焼結したセラミックスを使用する。この場合には、表面に無機粒子を接着することで凹凸を形成するため、凹凸の大きさを粒子の大きさで制御することができるという利点がある。
電圧を印加することにより発生した電子線を加速または減速する電極を備え、前記電極は絶縁体によって筐体または異なる電圧を印加された他の電極と結合されており、前記絶縁体は基材と前記基材の表面に形成された低抵抗膜から構成されており、前記低抵抗膜の電気体積抵抗率は前記基材の百分の一以下であることを特徴とする。このような構成によれば、絶縁体表面の抵抗率を基材より低くすることができるので、帯電による電位増大を緩和でき、また、不純物の微粒子周辺の電界の緩和による静電力の減少により、不純物の微粒子の絶縁体表面からの離脱を抑制することができる。その結果、加速電極または減速電極相互間、もしくは電極と筐体の放電を抑制できる。さらに、基材となる絶縁体は従来のものを使用することができ、コストの増大を防ぐことができる。
他の本発明は、陰極と陽極の間に電圧を印加することにより陰極から電子線を発生させる電子線発生装置であって、放出された電子線を加速または減速する加速電極を有し、加速電極は絶縁体を挟み複数個が並べられて用いられ、少なくとも一部の加速電極は筐体と絶縁体を介して接続される。加速電極間、もしくは加速電極と筐体との間には放電が生じる場合があるため、前記絶縁体は表面に1μmから10μmの凹凸を設けた無機粒子を焼結したセラミックスを用いる。絶縁体表面で電界により加速される電子を捕捉することにより、電子なだれを発生しにくくすることができ、加速電極または減速電極相互間、もしくは電極と筐体の間の放電を抑制できる。
面に1μmから10μmの凹凸を設けた無機粒子を使用したセラミクスよりなる絶縁体の他に、無機粒子を焼結したセラミックス基材に直径1μmから10μmの無機粒子を接着した絶縁材を使用してもよい。この手段では絶縁体表面に凹凸を設け、加速電極または減速電極相互間、もしくは電極と筐体の間の放電を抑制できるとともに、表面に無機粒子を接着することで凹凸を形成するため、凹凸の大きさを粒子の大きさで制御することができるという利点がある。
本発明によれば、電子線発生装置において絶縁体表面の抵抗率を基材より低くすることができるので、帯電による電位増大を緩和できる。また、不純物の微粒子周辺の電界の緩和による静電力の減少により、不純物の微粒子の絶縁体表面からの離脱を抑制することができるので陰極と陽極の間の放電を抑制することができる。さらに、基材となる絶縁体は従来のものを使用することができ、コストの増大を防ぐことができる。
本発明によれば、電子線の加速電圧が安定した電子線発生装置を低コストで提供することができる。
まず、電子線発生装置の構造を説明する。電子線発生装置を有する装置の一例として、図1に透過型電子顕微鏡の概略構造例を示す。本例の透過型電子顕微鏡は、電子銃と、加速管と、電子線を調整するレンズ群を有する。電子銃101は陰極から放出された電子を陽極で加速し電子線を作る。電子銃には熱電子放出型電子銃,ショットキー型電子銃,冷陰極電界放出型電子銃,熱陰極電界放出型電子銃等がある。加速管102は電子銃から出た電子線を必要な電圧にまで順次加速する。加速管は、複数の電極を有し、電極間が抵抗で接続されている。一方の端の電極は電源と接続されており、電極ごとに電位が他端の電位に近づき、他端の電極は接地電位、または一定の電位とする。例えば200kVの電子顕微鏡では加速電極を6段,7段積み重ねて加速する。
集束レンズ103は発生する磁界により、電子ビーム100を絞って試料に照射する。電子ビーム100は試料104を透過すると回折を起こす。回折した電子は対物レンズ105で結像される。中間レンズ106は励磁電流を調整して中間レンズの焦点距離を変えて、対物レンズによって作られる回折図形に焦点を合わせる。さらに、それらを拡大し投影レンズ107の物面にそれらの像を作る。投影レンズ107は結像レンズ系の最終レンズであり、中間レンズ106で拡大された像をさらに拡大し、蛍光板108上に結像する。この像は観察窓109から観察することができる。また、カメラ室110に設置されたカメラで像を撮影することができる。
図2に一般的な電子銃101の具体的配置図を示す。加熱用フィラメント202の先端には陰極203が取り付けられている。陰極203の先端の曲率半径は非常に小さく約1000Åであり、陰極203と引き出し電極204の間に電圧が印加されると陰極203先端に高い電界が印加される。引き出し電極204は引き出し電極用絶縁体205を介して筐体201に固定される。電極に電圧を引火する各直流電源はケーブル206とケーブルヘッド207を介し、電流導入端子用絶縁体208に取り付けられた電流導入端子209a,209b,209cと電気的に接続される。加熱用フィラメント202,引き出し電極204は電流導入端子209a,209b,209cと電気的に接続され、加熱用フィラメント202,引き出し電極204には所望の電圧が印加される。上述のように高電界が印加された陰極203は電子を放射し、電子顕微鏡における電子源として機能する。
図3は、加速管の構造例を示す図である。加速管はリング状の内側電極301と外側電極302から構成される加速電極と絶縁体303を複数段積み重ねた構造である。最上段の加速電極には加速電源305が接続され直流高電圧が印加される。加速電極間は分割抵抗304が接続され、最終段の加速電極は接地電位である。このように加速電極を配置することにより、リング状の加速管の中央部には加速電極と垂直の方向に電界が発生することができる。この際、加速電極の最上段と最下段の間では例えば200kVの電圧が印加されることになり、加速電極間には数十kVの電圧が分担されることになる。加速管の最上段には電子銃が設置される。電子銃から放射された電子線306は加速管内中央部の垂直の方向に発生した電界で加速される。
透過型電子顕微鏡では絶縁体111の両端に数十kV以上の電圧が印加される。このような場合、真空中では絶縁体表面で放電が発生することがある。電子源,加速管の場合にも絶縁体の両端には数十kV以上の電圧が印加される。
真空中での放電のメカニズムは諸説あるが、(1)絶縁体の帯電による電界の増大によるもの、(2)不純物の微粒子説を例として説明する。
(1)の絶縁体の帯電とは、陰極から放射された電子や、電子が試料に当たることにより発生する反射電子・二次電子が、真空中の絶縁体表面に当たり、絶縁体から二次電子が放出されることにより絶縁体表面の電子が不足し、表面が正に帯電することである。絶縁体は一般的に二次電子放出係数(一電子が当たった場合に放出される二次電子数)が1以上であることが多い。その結果、このような帯電は絶縁体表面の電位を局所的に増大させ、絶縁体表面の電界が大きくなり電子なだれによる放電が発生しやすくなる。
(2)の不純物の微粒子説とは、絶縁体表面に付着している不純物の微粒子が静電力により絶縁体から離脱すると電圧により加速され、電極に衝突して金属蒸気を発生させ、電子衝撃により電離プラズマ化して電極間の放電を発生させる。
これらの放電メカニズムの説明としては「放電ハンドブック」(電気学会編)が詳しい。
いずれの放電も、絶縁体の抵抗率を下げ、帯電による電位増大を緩和することで抑制することができる。また、不純物の微粒子周辺の電界を緩和して静電力を減少させると、不純物の微粒の絶縁体表面からの離脱を抑制することが期待できる。
以下、実施例を用いて更に詳細を説明する。
第一の実施例は本発明による絶縁体表面の形態を電子顕微鏡の電子銃に適用したものである。電子銃の全体構成は図2と同様である。加熱用フィラメント2の先端には陰極3が取り付けられている。陰極はタングステン,六ホウ化ランタン,カーボンナノチューブ等が好ましい。陰極203の先端の曲率半径は非常に小さく、タングステン,六ホウ化ランタンでは約1000Å、カーボンナノチューブでは約10Åであり、陰極3と引き出し電極4の間に電圧が印加されると陰極203先端に高い電界が印加される。引き出し電極204は引き出し電極用絶縁体205を介して筐体201に固定される。電極に電圧を引火する各直流電源はケーブル206とケーブルヘッド207を介し、電流導入端子用絶縁体208に取り付けられた電流導入端子209a,209b,209cと電気的に接続される。加熱用フィラメント202,引き出し電極204は電流導入端子209a,209b,209cと電気的に接続され、加熱用フィラメント202,引き出し電極204には所望の電圧が印加される。上述のように高電界が印加された陰極203は電子を放射し、電子顕微鏡における電子源として機能する。
引き出し電極用絶縁体205,電流導入端子用絶縁体208は、基材の表面に電気体積抵抗率が基材の百分の一以下である低抵抗膜を構成したものである。基材としては90%以上のアルミナを焼結したセラミックスであることが望ましい。また、サファイヤ,ムライト,コージライト,ステアタイト,フォルステライト,イットリア,チタニア,窒化ケイ素,窒化アルミ,ジルコニア等のセラミックスでもかまわない。低抵抗膜としてはインジウム錫酸化物,亜鉛酸化物,チタン酸化物,錫酸化物,ホウ素酸化物,鉛酸化物等を含む物質が好ましい。低抵抗膜は基材表面全体に連続的に密着していても良いし、部分的に島状に密着していても良い。
また、引き出し電極用絶縁体205,電流導入端子用絶縁体208は絶縁体表面に1μmから10μmの凹凸を設けたものとする。セラミックスをガラスに変え、表面に凹凸を設けて試験したところ、凹凸が1μm以下のガラスに1μmから10μmの凹凸を設けることにより、放電電圧低減の効果が得られた。基材の表面に凹凸を設ける方法としてはサンドブラスト等が好ましい。絶縁体としては90%以上のアルミナを焼結したセラミックスであることが望ましい。また、サファイヤ,ムライト,コージライト,ステアタイト,フォルステライト,イットリア,チタニア,窒化ケイ素,窒化アルミ,ジルコニア等のセラミックスでもかまわない。
絶縁体に凹凸を設ける他の方法として、基材の表面に直径1μmから10μmの無機粒子を接着してもよい。無機粒子としてはアルミナ,シリカ,サファイヤ,ムライト,コージライト,ステアタイト,フォルステライト,イットリア,チタニア,窒化ケイ素,窒化アルミ,ジルコニア等が好ましい。無機粒子を接着する方法としては、上記の無機粒子,低融点のガラス粉末,溶剤を混合した液体を絶縁体にスプレーした後、ガラス粉末の融点以上まで加熱することにより、ガラス粉末を溶融し、無機粒子と絶縁体を接着する方法がある。
以上の構成とすることにより、絶縁体表面の抵抗率を下げることができ、帯電による電位増大の緩和が期待できる。また、不純物の微粒子周辺の電界の緩和による静電力の減少により、不純物の微粒子の絶縁体表面からの離脱を抑制することが期待できる。したがって絶縁体表面の放電を抑制することができる。
本実施例では、絶縁体の放電試験の結果、凹凸のない場合に比して放電電圧を約1.5倍に向上させる効果が期待できる。
第二の実施例は本発明による絶縁体表面の形態を電子顕微鏡の加速管に適用したものである。図3に加速管の構造例を示す。
加速管は、リング状の内側電極301と外側電極302とから構成される加速電極と、絶縁体303を複数段積み重ねた構造である。最上段の加速電極には加速電源305が接続され直流高電圧が印加される。加速電極間は分割抵抗304が接続され、最終段の加速電極は接地電位である。このように加速電極を配置することにより、リング状の加速管の中央部には加速電極と垂直の方向に電界が発生することができる。この際、加速電極の最上段と最下段の間では例えば200kVの電圧が印加されることになり、加速電極間には数十kVの電圧が分担されることになる。加速管の最上段には電子銃が設置される。電子銃から放射された電子線306は加速管内中央部の垂直の方向に発生した電界で加速される。
絶縁体303は、基材と、基材の表面の低抵抗膜より構成されるものである。低抵抗膜の電気体積抵抗率が基材の百分の一以下である。
基材としては90%以上のアルミナを焼結したセラミックスであることが望ましい。また、サファイヤ,ムライト,コージライト,ステアタイト,フォルステライト,イットリア,チタニア,窒化ケイ素,窒化アルミ,ジルコニア等のセラミックスでもかまわない。低抵抗膜としてはインジウム錫酸化物,亜鉛酸化物,チタン酸化物,錫酸化物,ホウ素酸化物,鉛酸化物等を含む物質が好ましい。低抵抗膜は基材表面全体に連続的に密着していても良いし、部分的に島状に密着していても良い。
また、絶縁体303は表面に1μmから10μmの凹凸を設けたものでもよい。表面に凹凸を設ける方法としてはサンドブラスト等が好ましい。絶縁体としては90%以上のアルミナを焼結したセラミックスであることが望ましい。また、サファイヤ,ムライト,コージライト,ステアタイト,フォルステライト,イットリア,チタニア,窒化ケイ素,窒化アルミ,ジルコニア等のセラミックスでもかまわない。
さらに、絶縁体303に凹凸を設ける方法として、表面に直径1μmから10μmの無機粒子を接着してもよい。無機粒子としてはアルミナ,シリカ,サファイヤ,ムライト,コージライト,ステアタイト,フォルステライト,イットリア,チタニア,窒化ケイ素,窒化アルミ,ジルコニア等が好ましい。無機粒子を接着する方法としては、上記の無機粒子,低融点のガラス粉末,溶剤を混合した液体を絶縁体にスプレーした後、ガラス粉末の融点以上まで加熱することにより、ガラス粉末を溶融し、無機粒子と絶縁体を接着する方法がある。
以上の構成とすることにより、絶縁体表面の抵抗率を下げることができ、帯電による電位増大の緩和が期待できる。また、不純物の微粒子周辺の電界の緩和による静電力の減少により、不純物の微粒子の絶縁体表面からの離脱を抑制することが期待できる。したがって絶縁体表面の放電を抑制することができる。
さらに、加速管には各電極に所定の電位を与えるために図3のように分割抵抗304を設けている。加速管の絶縁体に低抵抗膜を付加することにより、絶縁体自体が分割抵抗の役目を果たすことになる。従って、分割抵抗の抵抗値の設計には絶縁体の抵抗を勘案する必要がある。また、絶縁体の抵抗値が設計と合致する場合には、分割抵抗を省略することができる。
第三の実施例は本発明による絶縁体表面の形態をX線管に適用したものである。図4に従来の回転陽極型X線管の構造例を示す。管容器406は金属製の容器で、その内面にはX線発生時に不必要なX線を遮蔽するために、鉛板が張られている。その内部には外囲器401と外囲器401内部の回転陽極403を回転させるためのステータコイル5が設置されている。外囲器401とステータコイル405は、それぞれ絶縁物から成る支持体を介して、管容器406に支持されている。
陰極402と、この陰極402と対向して配置された回転陽極403は真空に保持された外囲器401内部に設置される。外囲器401は絶縁体、または、絶縁体と金属との組合せから構成される。陰極402は熱電子を放出するフィラメントを備え、加熱変圧器と接続されている。回転陽極403はロータ404と接続されている。回転陽極403は陰極402からの電子線が衝突してX線を発生するターゲットを備えている。ターゲットはタングステンなどの高融点、高原子番号の金属から成る。陰極402は高電圧発生器の負極端子に、回転陽極403は高電圧発生器の正極端子に接続される。X線管の使用動作中には、ロータ404はステータコイル405が発生する磁界により回転し、接続された回転陽極403も回転する。その際、X線発生装置の回転陽極403と陰極402との間に高電圧発生器によって百kV以上の高電圧が印加される。同時に陰極402のフィラメントが加熱変圧器によって加熱されるので、陰極402のフィラメントから放出された熱電子は高電圧によって加速されて、回転陽極403のターゲットの焦点に衝突し、X線を発生する。発生したX線はベリリウム等で構成された窓407を通して射出される。
外囲器401の絶縁体は基材の表面に電気体積抵抗率が基材の百分の一以下である低抵抗膜を構成したものである。基材としては90%以上のアルミナを焼結したセラミックスであることが望ましい。また、サファイヤ,ムライト,コージライト,ステアタイト,フォルステライト,イットリア,チタニア,窒化ケイ素,窒化アルミ,ジルコニア等のセラミックスでもかまわない。低抵抗膜としてはインジウム錫酸化物,亜鉛酸化物,チタン酸化物,錫酸化物,ホウ素酸化物,鉛酸化物等を含む物質が好ましい。低抵抗膜は基材表面全体に連続的に密着していても良いし、部分的に島状に密着していても良い。
また、外囲器401の絶縁体は表面に1μmから10μmの凹凸を設けたものでもよい。表面に凹凸を設ける方法としてはサンドブラスト等が好ましい。絶縁体としては90%以上のアルミナを焼結したセラミックスであることが望ましい。また、サファイヤ,ムライト,コージライト,ステアタイト,フォルステライト,イットリア,チタニア,窒化ケイ素,窒化アルミ,ジルコニア等のセラミックスでもかまわない。
さらに、外囲器401の絶縁体に凹凸を設ける方法として、表面に直径1μmから10μmの無機粒子を接着してもよい。無機粒子としてはアルミナ、シリカ、サファイヤ,ムライト,コージライト,ステアタイト,フォルステライト,イットリア,チタニア,窒化ケイ素,窒化アルミ,ジルコニア等が好ましい。無機粒子を接着する方法としては、上記の無機粒子,低融点のガラス粉末,溶剤を混合した液体を絶縁体にスプレーした後、ガラス粉末の融点以上まで加熱することにより、ガラス粉末を溶融し、無機粒子と絶縁体を接着する方法がある。
以上の構成とすることにより、絶縁体表面の抵抗率を下げることができ、帯電による電位増大の緩和が期待できる。また、不純物の微粒子周辺の電界の緩和による静電力の減少により、不純物の微粒子の絶縁体表面からの離脱を抑制することが期待できる。したがって絶縁体表面の放電を抑制することができる。
ここでは回転陽極型のX線管を説明したが、陽極が回転しない固定陽極型のX線管も存在する。固定陽極型もX線の発生方法は回転陽極型と同様である。固定陽極型は陽極が回転しないため陽極の回転に必要なロータ404やステータコイル405は必要ないが、絶縁体の構造や表面形状については回転陽極型と同様である。従って、これらの製品についても好適に適用することができる。
透過型電子顕微鏡の構成図。 電子顕微鏡用電子銃の構成図。 電子顕微鏡用加速管の構成図。 X線管の構成図。
符号の説明
100 電子ビーム
101 電子銃
102 加速管
103 集束レンズ
104 試料
105 対物レンズ
106 中間レンズ
107 投影レンズ
108 蛍光板
109 観察窓
110 カメラ室
111,303 絶縁体
201 筐体
202 加熱用フィラメント
203,402 陰極
204 引き出し電極
205 引き出し電極用絶縁体
206 ケーブル
207 ケーブルヘッド
208 電流導入端子用絶縁体
209 電流導入端子
301 内側電極
302 外側電極
304 分割抵抗
305 加速電源
306 電子線
401 外囲器
403 回転陽極
404 ロータ
405 ステータコイル
406 管容器

Claims (8)

  1. 陰極と、陽極と、内部を真空とする筐体と、前記筐体に前記陰極及び陽極を固定する絶縁体とを有し、前記陰極と陽極の間に電圧を印加することにより、陰極から電子線を発生する電子線発生装置であって、
    前記絶縁体は、基材と、前記基材の表面に形成された低抵抗膜から構成されており、前記低抵抗膜の電気体積抵抗率は前記基材の百分の一以下であることを特徴とする電子線発生装置。
  2. 陰極と、陽極と、内部を真空とする筐体と、前記筐体に前記陰極及び陽極を固定する絶縁体とを有し、前記陰極と陽極の間に電圧を印加することにより、陰極から電子線を発生する電子線発生装置であって、
    前記絶縁体は、基材と、前記基材の表面に設けられた高さ1μmから10μmの凹凸層よりなり、前記絶縁体は無機粒子を焼結したセラミックスであることを特徴とする電子線発生装置。
  3. 請求項1または2に記載された電子線発生装置であって、前記基材は90%以上のアルミナを焼結したセラミックスであることを特徴とする電子線発生装置。
  4. 請求項2に記載された電子線発生装置であって、前記凹凸層は、直径1μmから10μmの無機粒子を接着し、焼結したセラミックス層であることを特徴とする電子線発生装置。
  5. 陰極と、陽極と、内部を真空とする筐体と、前記陰極と陽極の間に電圧を印加することにより、陰極から電子線を発生する電子線発生装置であって、
    前記発生した電子線を電圧を印加することにより加速または減速する加速電極を備え、前記加速電極は絶縁体によって筐体または異なる電圧を印加された他の電極と結合されており、
    前記絶縁体は、基材と、前記基材の表面に形成された低抵抗膜から構成されており、前記低抵抗膜の電気体積抵抗率は前記基材の百分の一以下であることを特徴とする電子線発生装置。
  6. 陰極と、陽極と、内部を真空とする筐体と、前記陰極と陽極の間に電圧を印加することにより、陰極から電子線を発生する電子線発生装置であって、
    前記発生した電子線を電圧を印加することにより加速または減速する加速電極を備え、前記加速電極は絶縁体によって筐体または異なる電圧を印加された他の電極と結合されており、
    前記絶縁体は、基材と、前記基材の表面に設けられた高さ1μmから10μmの凹凸層よりなり、前記絶縁体は無機粒子を焼結したセラミックスであることを特徴とする電子線発生装置。
  7. 請求項5または6に記載された電子線発生装置であって、前記基材は90%以上のアルミナを焼結したセラミックスであることを特徴とする電子線発生装置。
  8. 請求項6に記載された電子線発生装置であって、前記凹凸層は、直径1μmから10μmの無機粒子を接着し、焼結したセラミックス層であることを特徴とする電子線発生装置。
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