特許文献1による電子装置は、例えば、受熱部材をガイドレール部材で形成すると共に、このガイドレール部材に一体的に形成された複数の放熱フィンを設けることにより、ICカードを高効率的に冷却することができる、としている。
しかし、ICカードスロットを有する電子装置は、実現容易であるが、ICカードをその両翼で案内するガイドレール部材と、ICカードが発生する熱を受熱する受熱部材を備える電子装置は、実現が容易ではないという問題がある。
電子装置が受熱部材を備えることにより、コスト上昇するという経済的な要因もさることながら、一般に、ICカードスロットを有する電子装置は、ガイドレール部材に沿ってロック機構を設けており、ガイドレール部材に沿って挿入されたICカードが発生する熱を受熱する受熱部材を設けることが配置上、困難なことが多いからである。
したがって、ICカードを受け入れる電子装置の構造に依存することなく、ICカード自体に冷却構造を設けることが求められている。
例えば、プリント基板の両面を覆うフレームの両面に多数の通風孔を設けて空冷する案が考えられるが、これらの通風孔に微細な金属片を含む塵芥が侵入して、電子部品間を短絡(ショート)させる懸念があり好ましくない。したがって、塵芥の侵入を防止すると共に冷却容易な構造を有するICカードが求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、発熱部品を搭載するプリント基板をフレームに収容するICカードであって、塵芥の侵入を防止すると共に冷却容易な構造を有するICカードを提供することを目的とする。
発明者は、上記目的を満たすため、ICカードのフレームの両端部に塵芥の侵入が困難な複数の通風穴を設けることにより、ICカードを冷却容易なことを見出し、これに基づいて、以下のような新たなICカードを発明した。
(1) 内部を開口する枠板状の矩形のフレームと、このフレームの一方の端部に配列する複数のコンタクトと、これらのコンタクトを接続して前記フレームの内部に配置するプリント基板と、このプリント基板の両面を覆うと共に、前記フレームに取り付ける一対のシェルと、を備え、前記フレームは、一方の端部に設けられて、塵芥の進入が困難な第1通風路と、他方の端部に設けられて、塵芥の進入が困難な第2通風路と、を有するICカード。
(1)の発明によるICカードは、枠板状の矩形のフレーム、複数のコンタクト、プリント基板、及び一対のシェルを備えている。フレームは、内部を開口している。複数のコンタクトは、フレームの一方の端部に配列している。プリント基板は、複数のコンタクトを接続しており、フレームの内部に配置している。一対のシェルは、プリント基板の両面を覆うと共に、フレームに取り付けている。
そして、(1)の発明によるICカードは、フレームが第1通風路と第2通風路を有している。第1通風路は、フレームの一方の端部に設けられており、塵芥の進入が困難となっている。第2通風路は、フレームの他方の端部に設けられており、塵芥の進入が困難となっている。
ここで、フレームは絶縁性を有してよく、絶縁性のフレームとは、非導電性の材料からなるフレームのことであってよく、例えば、合成樹脂を成型して、所望の形状の絶縁性のフレームを得ることができる。
例えば、フレームは、第1フレームと第2フレームとが結合して構成してよく、第1フレームは、複数のコンタクトを配列してよく、第2フレームは、一方の方向に延びて、プリント基板の両端縁を支持する一対の枠板を両翼に有している。そして、一対のシェルが組み込まれて、第1フレームと第2フレームとの結合を強固にできる。
フレームは、一方の端面に開口された接続開口を設けてよく、この接続開口の内壁に、複数の板状のコンタクトを配列できる。これらの板状のコンタクトは、プリント基板の端部に形成されたエッジコネクタ(プリントコンタクトともいう)にハンダ接合されてよく、このICカードを電子装置のスロットに挿入すると、スロットの奥に配置されたコネクタに接続して、電子装置とプリント基板を電気的に接続できる。フレームには、ピン状のソケットコンタクト(雌コンタクト)を配列してもよい。
プリント基板は、矩形に形成されてよく、一方の面(実装面)にマイコンなどの複数の電子部品を配置してよく、他方の面(配線面)に複数の電子部品を電気接続する複数のパターンが形成される。複数の電子部品を電気接続する複数のパターンを一方の面に形成してよく、複数の電子部品を他方の面に配置してもよい。これらの電子部品は、発熱部品を含んでいる。
一対のシェルは、板厚の薄い金属板から成ることが好ましく、両翼が直角に屈折されてフレームの板厚面に係止することにより、プリント基板の両面を覆うと共に、フレームに取り付ける一対のシェルを実現できる。これらのシェルは、ICカードの外殻を略構成してよく、不要な電磁波を遮蔽するシールド板としても機能する。
一対のシェルは、防錆効果のあるステンレス板が好適に用いられてよく、例えば、クロームメッキが施された鋼板であってもよい。又、一対のシェルは、容易に変形しないように、プリント基板の両面を覆う広い面に補強リブを設けることが好ましい。
一般に、ICカードに備わるコネクタとスロット内部のコネクタとが的確に接続するように、ICカードが挿入されるスロットには、一方のシェルを付勢する片持ち状の板ばねを設けている。つまり、スロットには、一方のシェルにスライドする片持ち状の板ばねが設けられているので、シェルに放熱孔を設けると、放熱孔に片持ち状の板ばねの先端部が係止して好ましくない。
一対のシェルがプリント基板の両面を覆うとは、一対のシェルがフレームの全領域に亘り、覆うことを意味しない。フレームは、一方のシェルに覆われない露出領域を両端部に有している。シェルの板厚程度の段差が両端部に形成され、これらの段差に一方のシェルの両端部が当接して、外面が略フラットなICカードが構成される。
通風路は塵芥の進入が困難とは、外部に向かって開口する通風路の開口面積が小さいことを意味してよく、空気流と共に開口から侵入した塵芥がフレームの内部を直撃することなく、塵芥の直撃を緩和、又は塵芥を滞留させる障壁を通風路に設けることを意味している。この障壁を設ける通風路は、例えば、後述する逆V字状の分散路であってよく、傾斜路であってよく、開口に対向する堰であってもよい。
一般に、ICカードが接続されるスロットを有するPCなどの電子機器は、内部に搭載されたCPUを冷却するために、空冷ファンを備えていると考えられ、スロットには外部の空気が取り入れられると想定される。
ICカードは、複数のコンタクトを配列する一方の端部がスロットに挿入されてよく、他方の端部が外部に対向している。したがって、他方の端部に設けられる第2通風路は吸気口を開口していると考えてよく、一方の端部に設けられる第1通風路が排気口を開口していると考えてよく、第2通風路から外気を吸気してよく、第1通風路から外気を排気してよく、プリント基板に実装された電子部品を空冷できる。
しかし、(1)の発明によるICカードは、空冷ファンを備える電子機器に接続されることを必ずしも想定していない。ICカードの内部で温められた空気が第2通風路から排気されてよく、第1通風路から外気を吸気してよく、プリント基板に実装された電子部品を空冷できる。
このように、(1)の発明によるICカードは、フレームの内部で温められた空気が第1通風路又は第2通風路から排気されてよく、第1通風路又は第2通風路から外気を吸気してよく、内部に塵芥の侵入が困難にプリント基板に実装された電子部品を空冷できる。
(1)の発明によるICカードは、ICカードを受け入れる電子装置の構造に依存することなく、ICカード自体に冷却構造を設けている。
(2) 前記第1通風路は、前記フレームの一方の面に開口する複数の第1通風開口と、前記一方のシェルに遮蔽されて、前記第1通風開口に連通すると共に内部に向かって分岐する第1分散路と、を有する(1)記載のICカード。
(2)の発明によるICカードは、第1通風路が複数の第1通風開口と第1分散路を有している。第1通風開口は、フレームの一方の面に開口している。第1分散路は、一方のシェルに遮蔽されて、第1通風開口に連通すると共に、内部に向かって分岐している。
第1通風開口は、一方のシェルに覆われないフレームの一方の露出領域に開口してよく、第1通風開口は、フレームの一方の面に開口している。第1分散路は、実体として、前記露出領域に連続する段差面に穿設された逆V字状の分岐溝であってよく、この分岐溝が一方のシェルに遮蔽されて、第1通風開口に連通すると共に、内部に向かって分岐する第1分散路を実現できる。
第1通風開口は、塵芥の進入が困難なように、開口面積が小さいことが好ましい。又、第1通風開口から侵入した塵芥は、第1分散路に阻止されて、内部への直撃を防止している。第1通風開口は、第1分散路を介して内部の空気が流出する排気口であってよく、外気を取り入れる排気口であってもよい。(2)の発明によるICカードは、第1通風路が塵芥の侵入を防止している。
(3) 前記第2通風路は、前記フレームの他方の端面に開口する複数の第2通風開口と、前記一方のシェルに遮蔽されて、前記第2通風開口に連通すると共に内部に向かって傾斜する傾斜路と、を有する請求項1又は2記載のICカード。
(3)の発明によるICカードは、第2通風路が複数の第2通風開口と傾斜路を有している。第2通風開口は、フレームの他方の端面に開口している。傾斜路は、第2通風開口に連通すると共に、内部に向かって傾斜している。
第2通風開口は、フレームの他方の板厚面に開口してよく、第2通風開口は、フレームの他方の端面に開口している。傾斜路は、実体として、前記他方の露出領域に連続する段差面に穿設された傾斜溝であってよく、この傾斜溝が一方のシェルに遮蔽されて、第2通風開口に連通すると共に、内部に向かって傾斜する傾斜路を実現できる。
第2通風開口は、塵芥の進入が困難なように、開口面積が小さいことが好ましい。又、第2通風開口から侵入した塵芥は、傾斜路に阻止されて、内部への直撃を防止している。例えば、一対の傾斜路は、内部に向かって開角しており、プリント基板への塵芥の直撃を防止できる。
第2通風開口は、傾斜路を介して内部の空気が流出する排気口であってよく、外気を取り入れる排気口であってもよい。(3)の発明によるICカードは、第2通風路が塵芥の侵入を防止している。
(4) 前記第2通風路は、前記フレームの他方の端面に開口する複数の第3通風開口と、前記一方のシェルに遮蔽されて、前記第3通風開口に連通すると共に内部に向かって分岐する第2分散路と、を有する(1)又は(2)記載のICカード。
(4)の発明によるICカードは、第2通風路が複数の第3通風開口と第2分散路を有している。第2分散路は、一方のシェルに遮蔽されて、第2通風開口に連通すると共に、内部に向かって分岐している。
第3通風開口は、フレームの他方の板厚面に開口してよく、第3通風開口は、フレームの他方の端面に開口している。第2分散路は、実体として、前記他方の露出領域に連続する段差面に穿設された逆V字状の分岐溝であってよく、この分岐溝が一方のシェルに遮蔽されて、第3通風開口に連通すると共に、内部に向かって分岐する第2分散路を実現できる。
第3通風開口は、塵芥の進入が困難なように、開口面積が小さいことが好ましい。又、第3通風開口から侵入した塵芥は、第2分散路に阻止されて、内部への直撃を防止している。第3通風開口は、第3分散路を介して内部の空気が流出する排気口であってよく、外気を取り入れる排気口であってもよい。(4)の発明によるICカードは、第2通風路が塵芥の侵入を防止している。
(5) 前記第2通風路は、前記フレームの他方の端面に開口する複数の第4通風開口と、前記一方のシェルに対向すると共に、前記第4通風開口に対向して設けられる第1堰と、有し、前記第1堰を乗り越える空気流が前記一方のシェルに遮蔽されて、前記プリント基板の一方の面上を移動する(1)又は(2)記載のICカード。
(5)の発明によるICカードは、第2通風路が複数の第4通風開口と第1堰を有している。第4通風開口は、フレームの他方の端面に開口している。第1堰は、第4通風開口に対向して設けられている。そして、第1堰を乗り越える空気流が一方のシェルに遮蔽されて、プリント基板の一方の面上を移動する。
第4通風開口は、フレームの他方の板厚面に開口してよく、第4通風開口は、フレームの他方の端面に開口している。第4通風開口は、塵芥の進入が困難なように、開口面積が小さいことが好ましい。又、第4通風開口から侵入した塵芥は、第1堰に阻止されて、内部への直撃を防止している。
一方、第1堰を乗り越える空気流が一方のシェルに遮蔽されて、プリント基板の一方の面上を移動して、第1通風路から排気されることにより、内部に塵芥の侵入が困難にプリント基板に実装された電子部品を空冷できる。
(5)の発明によるICカードは、ICカードを受け入れる電子装置の構造に依存することなく、ICカード自体に冷却構造を設けている。
(6) 前記第2通風路は、前記フレームの他方の端面に開口する複数の第5通風開口と、前記一対のシェルに対向すると共に、前記第5通風開口に対向して設けられる第2堰と、有し、前記第2堰を乗り越える空気流が前記一対のシェルに遮蔽されて、前記プリント基板の両面上を移動する(1)又は(2)記載のICカード。
(5)の発明によるICカードは、第2通風路が複数の第5通風開口と第2堰を有している。第5通風開口は、フレームの他方の端面に開口している。第2堰は、第5通風開口に対向して設けられている。そして、第2堰を乗り越える空気流が一対のシェルに遮蔽されて、プリント基板の両面上を移動する。
第5通風開口は、フレームの他方の板厚面に開口してよく、第5通風開口は、フレームの他方の端面に開口している。第5通風開口は、塵芥の進入が困難なように、開口面積が小さいことが好ましい。又、第5通風開口から侵入した塵芥は、第2堰に阻止されて、内部への直撃を防止している。
一方、第2堰を乗り越える空気流が一対のシェルに遮蔽されて、プリント基板の両面上を移動して、第1通風路から排気されることにより、内部に塵芥の侵入が困難にプリント基板に実装された電子部品を空冷できる。
(6)の発明によるICカードは、ICカードを受け入れる電子装置の構造に依存することなく、ICカード自体に冷却構造を設けている。
本発明によるICカードは、フレームの内部で温められた空気が第1通風路又は第2通風路から排気されてよく、第1通風路又は第2通風路から外気を吸気してよく、内部に塵芥の侵入が困難にプリント基板に実装された電子部品を空冷できる。
本発明によるICカードは、ICカードを受け入れる電子装置の構造に依存することなく、ICカード自体に冷却構造を設けている。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明によるICカードの第1実施形態を示す斜視分解組立図である。図2は、前記第1実施形態によるICカードの斜視図であり、一対のシェルの図示を割愛している。図3は、前記第1実施形態によるICカードの横断面図である。
図4は、本発明によるICカードの第2実施形態を示す斜視図であり、一対のシェルの図示を割愛している。図5は、前記第2実施形態によるICカードの横断面図である。図6は、本発明によるICカードの第3実施形態を示す横断面図である。図7は、前記第3実施形態によるICカードの縦断面図である。図8は、本発明によるICカードの第4実施形態を示す横断面図である。図9は、前記第4実施形態によるICカードの縦断面図である。
最初に、本発明の第1実施形態によるICカードの構成を説明する。図1及び図2において、第1実施形態によるICカードK1は、枠板状の矩形のフレーム1、複数のコンタクト2、プリント基板3、及び一対のシェル4a・4bを備えている。フレーム1は、内部を開口している。複数のコンタクト2は、フレーム1の一方の端部に配列している。プリント基板3は、複数のコンタクト2を接続しており、フレーム1の内部に配置している。一対のシェル4a・4bは、プリント基板3の両面を覆うと共に、フレーム1に取り付けている。
図1及び図2において、フレーム1は、第1通風路11と第2通風路12を有している。第1通風路11は、フレーム1の一方の端部に設けられており、塵芥の進入が困難となっている。第2通風路12は、フレーム1の他方の端部に設けられており、塵芥の進入が困難となっている。
図1及び図2において、フレーム1は、第1フレーム1aと第2フレーム1bとが結合して構成される。第1フレーム1aは、複数のコンタクト2を配列している。第1フレーム1aは、一方の方向に延びて、プリント基板3の両端縁を支持する一対の枠板1c・1dを両翼に有している。
同様に、図1及び図2において、第2フレーム1bは、一方の方向に延びて、プリント基板3の両端縁を支持する一対の枠板11e・11fを両翼に有している。そして、一対のシェル4a・4bが組み込まれて、第1フレーム1aと第2フレーム1bとの結合を強固にできる。
図1及び図3において、フレーム1は、一方の端面に開口された接続開口10を設けている。接続開口10の内壁に、複数の板状のコンタクト2を配列している。複数の板状のコンタクト2は、プリント基板3の端部に形成されたエッジコネクタにハンダ接合されている。ICカードK1を図示しない電子装置のスロットに挿入すると、スロットの奥に配置されたコネクタに接続して、電子装置とプリント基板3を電気的に接続できる。
図1から図3において、プリント基板3は、矩形に形成されている。プリント基板3の実装面にマイコンなどの複数の電子部品(図示せず)を配置してよく、プリント基板3の配線面に複数の電子部品を電気接続する複数のパターンが形成される。これらの電子部品は、発熱部品を含んでいる。
図1において、シェル4aは、板厚の薄い金属板が成形されている。シェル4aは、両翼が直角に屈折された一対の折り曲げ片41・42を有している。一対の折り曲げ片41・42は、一対の枠板1c・1d及び1e・1fに係止できる。
図1において、又、シェル4aは、一対の微少な折り曲げ片43・43を一方の端部の両翼に有している。更に、シェル4aは、微少な折り曲げ片44を他方の端部の中央部に有している。
一方、図2において、第1フレーム1aは、一対の陥没穴1g・1hを有している(図2参照)。又、図1において、第2フレーム1bは、陥没穴1jを有している。一対の微少な折り曲げ片43・43が一対の陥没穴1g・1hに嵌合され、微少な折り曲げ片44が陥没穴1jに嵌合して、第1フレーム1aと第2フレーム1bの結合を強固にできる。
図1において、シェル4bは、板厚の薄い金属板が成形されている。シェル4bは、両翼が直角に屈折された一対の折り曲げ片45・46を有している。一対の折り曲げ片45・46は、一対の枠板1c・1d及び1e・1fに係止できる。
図1において、又、シェル4bは、一対の微少な折り曲げ片47・47を一方の端部の両翼に有している。更に、シェル4bは、微少な折り曲げ片48・48を他方の端部の両翼に有している。一対の微少な折り曲げ片47・47が図示しない一対の陥没穴に嵌合され、微少な折り曲げ片48・48が図示しない一対の陥没穴に嵌合して、第1フレーム1aと第2フレーム1bの結合を強固にできる。
図2を参照すると、フレーム1は、一対のシェル4a・4bに覆われない露出領域11a・12aを両端部に有している。そして、シェル4aの板厚程度の一対の段差11b・12bが両端部に形成されている。一対の段差11b・12bにシェル4aの両端部が当接して、外面が略フラットなICカードK1が構成されている。
図2を参照すると、第1通風路11は、複数の第1通風開口11cと第1分散路11dを有している。第1通風開口11cは、フレーム1の露出領域11aに開口している。第1分散路11dは、シェル4aに遮蔽されて、第1通風開口11cに連通すると共に、内部に向かって分岐している。
図2を参照すると、第1分散路11dは、実体として、露出領域11aに連続する段差11bに穿設された逆V字状の分岐溝であってよく、この分岐溝がシェル4aに遮蔽されて、第1通風開口11cに連通すると共に、内部に向かって分岐する第1分散路11dを実現できる。
図3を参照すると、第2通風路12は、一対の第2通風開口12c・12cと一対の傾斜路12d・12dを有している。第2通風開口12cは、第2フレーム1bの他方の端面に開口している。傾斜路12dは、シェル4aに遮蔽されて、第2通風開口12cに連通すると共に、内部に向かって傾斜している。
図2を参照すると、傾斜路12dは、実体として、露出領域12aに連続する段差12bに穿設された傾斜溝であってよく、この傾斜溝がシェル4aに遮蔽されて、第2通風開口12cに連通すると共に、内部に向かって傾斜する傾斜路12dを実現できる。
次に、本発明の第1実施形態によるICカードの作用を説明する。
図1から図3において、ICカードK1は、複数のコンタクト2を配列する一方の端部が図示しないスロットに挿入されてよく、他方の端部が外部に対向している。したがって、他方の端部に設けられる第2通風路12が吸気口を開口していると考えてよく、一方の端部に設けられる第1通風路11が排気口を開口していると考えることができる。つまり、第2通風路12から外気を吸気してよく、第1通風路11から外気を排気してよく、プリント基板3に実装された電子部品を空冷できる。
図1から図3において、第1通風開口11cは、塵芥の進入が困難なように、開口面積が小さくなっている。又、第1通風開口11cから侵入した塵芥は、第1分散路11dに阻止されて、内部への直撃を防止している。第1通風開口11cは、第1分散路11dを介して内部の空気が流出する排気口であってよく、外気を取り入れる排気口であってもよい。ICカードK1は、第1通風路11が塵芥の侵入を防止している。
図1から図3において、第2通風開口12cは、塵芥の進入が困難なように、開口面積小さくなっている。又、第2通風開口12cから侵入した塵芥は、傾斜路12dに阻止されて、内部への直撃を防止している。例えば、一対の傾斜路12d・12dは、内部に向かって開角しており、プリント基板3への塵芥の直撃を防止できる。
次に、本発明の第2実施形態によるICカードの構成を説明する。なお、以下に説明する第2から4実施形態によるICカードは、第1実施形態によるICカードと略同様に構成されるので、第1通風路及び第2通風路の構成以外の説明を割愛する場合がある。
図4及び図5において、第2実施形態によるICカードK2は、枠板状の矩形のフレーム5、複数のコンタクト2、プリント基板3、及び一対のシェル4a・4bを備えている(図1参照)。フレーム5は、内部を開口している。複数のコンタクト2は、フレーム5の一方の端部に配列している。プリント基板3は、複数のコンタクト2を接続しており、フレーム5の内部に配置している。一対のシェル4a・4bは、プリント基板3の両面を覆うと共に、フレーム5に取り付けている。
図4において、フレーム5は、第1通風路51と第2通風路52を有している。第1通風路51は、フレーム5の一方の端部に設けられており、塵芥の進入が困難となっている。第2通風路52は、フレーム1の他方の端部に設けられており、塵芥の進入が困難となっている。
図4及び図5において、フレーム5は、第1フレーム5aと第2フレーム5bとが結合して構成される。第1フレーム5aは、複数のコンタクト2を配列している。第1フレーム5aは、一方の方向に延びて、プリント基板3の両端縁を支持する一対の枠板5c・5dを両翼に有している。
同様に、図4及び図5において、第2フレーム5bは、一方の方向に延びて、プリント基板3の両端縁を支持する一対の枠板51e・51fを両翼に有している。そして、一対のシェル4a・4bが組み込まれて、第1フレーム5aと第2フレーム5bとの結合を強固にできる。
図4を参照すると、フレーム5は、一対のシェル4a・4bに覆われない露出領域51a・52aを両端部に有している。そして、シェル4aの板厚程度の一対の段差51b・52bが両端部に形成されている。一対の段差51b・52bにシェル4aの両端部が当接して、外面が略フラットなICカードK2が構成されている。
図4を参照すると、第1通風路51は、複数の第1通風開口51cと第1分散路51dを有している。第1通風開口51cは、フレーム5の露出領域51aに開口している。第1分散路51dは、シェル4aに遮蔽されて、第1通風開口51cに連通すると共に、内部に向かって分岐している。
図4を参照すると、第1分散路51dは、実体として、露出領域51aに連続する段差51bに穿設された逆V字状の分岐溝であってよく、この分岐溝がシェル4aに遮蔽されて、第1通風開口51cに連通すると共に、内部に向かって分岐する第1分散路51dを実現できる。
図4及び図5を参照すると、第2通風路52は、一対の第3通風開口52c・52cと一対の第2分散路52d・52dを有している。第3通風開口52cは、第2フレーム5bの他方の端面に開口している。第2分散路52dは、シェル4aに遮蔽されて、第3通風開口52cに連通すると共に、内部に向かって分岐している。
図4及び図5を参照すると、第2分散路52dは、実体として、露出領域52aに連続する段差52bに穿設された逆V字状の分岐溝であってよく、この分岐溝がシェル4aに遮蔽されて、第3通風開口52cに連通すると共に、内部に向かって分岐する第2分散路52dを実現できる。
次に、本発明の第2実施形態によるICカードの作用を説明する。
図4及び図5において、ICカードK2は、複数のコンタクト2を配列する一方の端部が図示しないスロットに挿入されてよく、他方の端部が外部に対向している。したがって、他方の端部に設けられる第2通風路52が吸気口を開口していると考えてよく、一方の端部に設けられる第1通風路51が排気口を開口していると考えることができる。つまり、第2通風路22から外気を吸気してよく、第1通風路51から外気を排気してよく、プリント基板3に実装された電子部品を空冷できる。
図4及び図5において、第1通風開口51cは、塵芥の進入が困難なように、開口面積が小さくなっている。又、第1通風開口51cから侵入した塵芥は、第1分散路51dに阻止されて、内部への直撃を防止している。第1通風開口51cは、第1分散路51dを介して内部の空気が流出する排気口であってよく、外気を取り入れる排気口であってもよい。ICカードK2は、第1通風路51が塵芥の侵入を防止している。
図4及び図5において、第3通風開口52cは、塵芥の進入が困難なように、開口面積小さくなっている。又、第3通風開口52cから侵入した塵芥は、第2分散路52dに阻止されて、内部への直撃を防止している。
図4及び図5において、第3通風開口52cは、第2分散路52dを介して内部の空気が流出する排気口であってよく、外気を取り入れる排気口であってもよい。ICカードK2は、第2通風路52が塵芥の侵入を防止している。
次に、本発明の第3実施形態によるICカードの構成を説明する。なお、以下に説明する第3及び4実施形態による第1通風路は、第1及び第2実施形態による第1通風路11・51と略同様に構成されるので、第1通風路の説明を割愛する場合がある。
図6及び図7において、第3実施形態によるICカードK3は、枠板状の矩形のフレーム6、複数のコンタクト2、プリント基板3、及び一対のシェル4a・4bを備えている(図1参照)。フレーム6は、内部を開口している。複数のコンタクト2は、フレーム6の一方の端部に配列している。プリント基板3は、複数のコンタクト2を接続しており、フレーム6の内部に配置している。一対のシェル4a・4bは、プリント基板3の両面を覆うと共に、フレーム5に取り付けている。
図7において、フレーム6は、第1通風路61と第2通風路62を有している。第1通風路61は、フレーム6の一方の端部に設けられており、塵芥の進入が困難となっている。第2通風路62は、フレーム6の他方の端部に設けられており、塵芥の進入が困難となっている。
図6及び図7において、フレーム6は、第1フレーム6aと第2フレーム6bとが結合して構成される。第1フレーム6aは、複数のコンタクト2を配列している。第1フレーム6aは、一方の方向に延びて、プリント基板3の両端縁を支持する一対の枠板6c・6dを両翼に有している。
同様に、図6及び図7において、第2フレーム6bは、一方の方向に延びて、プリント基板3の両端縁を支持する一対の枠板61e・61fを両翼に有している。そして、一対のシェル4a・4bが組み込まれて、第1フレーム6aと第2フレーム6bとの結合を強固にできる。
図6及び図7を参照すると、第2通風路62は、一対の第4通風開口62c・62cと一対の第1堰62d・62dを有している。第4通風開口62cは、フレーム6の他方の端面に開口している。第1堰62dは、第4通風開口62cに対向して設けられている。そして、第1堰62dを乗り越える空気流がシェル4aに遮蔽されて、プリント基板3の実装面上を移動する。
次に、本発明の第3実施形態によるICカードの作用を説明する。
図6及び図7を参照すると、第4通風開口62cは、塵芥の進入が困難なように、開口面積が小さくなっている。又、第4通風開口62cから侵入した塵芥は、第1堰62dに阻止されて、内部への直撃を防止している。
一方、図6及び図7を参照すると、第1堰62dを乗り越える空気流がシェル4aに遮蔽されて、プリント基板3の実装面上を移動して、第1通風路61の第1通風開口61cから排気されることにより、内部に塵芥の侵入が困難にプリント基板3に実装された電子部品を空冷できる。
次に、本発明の第4実施形態によるICカードの構成を説明する。
図8及び図9において、第4実施形態によるICカードK4は、枠板状の矩形のフレーム7、複数のコンタクト2、プリント基板3、及び一対のシェル4a・4bを備えている(図1参照)。フレーム7は、内部を開口している。複数のコンタクト2は、フレーム7の一方の端部に配列している。プリント基板3は、複数のコンタクト2を接続しており、フレーム7の内部に配置している。一対のシェル4a・4bは、プリント基板3の両面を覆うと共に、フレーム7に取り付けている。
図9において、フレーム7は、第1通風路71と第2通風路72を有している。第1通風路71は、フレーム7の一方の端部に設けられており、塵芥の進入が困難となっている。第2通風路72は、フレーム7の他方の端部に設けられており、塵芥の進入が困難となっている。
図8及び図9において、フレーム7は、第1フレーム7aと第2フレーム7bとが結合して構成される。第1フレーム7aは、複数のコンタクト2を配列している。第1フレーム7aは、一方の方向に延びて、プリント基板3の両端縁を支持する一対の枠板7c・7dを両翼に有している。
同様に、図8及び図9において、第2フレーム7bは、一方の方向に延びて、プリント基板3の両端縁を支持する一対の枠板71e・71fを両翼に有している。そして、一対のシェル4a・4bが組み込まれて、第1フレーム7aと第2フレーム7bとの結合を強固にできる。
図8及び図9を参照すると、第2通風路72は、一対の第5通風開口72c・72cと一対の第2堰72d・72dを有している。第5通風開口72cは、フレーム7の他方の端面に開口している。第2堰72dは、第5通風開口72cに対向して設けられている。そして、第2堰72dを乗り越える空気流が一対のシェル4a・4bに遮蔽されて、プリント基板3の両面上を移動する。
次に、本発明の第4実施形態によるICカードの作用を説明する。
図8及び図9を参照すると、第5通風開口72cは、塵芥の進入が困難なように、開口面積が小さくなっている。又、第5通風開口72cから侵入した塵芥は、第2堰72dに阻止されて、内部への直撃を防止している。
一方、図8及び図9を参照すると、第2堰72dを乗り越える空気流が一対のシェル4a・4bに遮蔽されて、プリント基板3の両面上を移動して、第1通風路71の第1通風開口71cから排気されることにより、内部に塵芥の侵入が困難にプリント基板3に実装された電子部品を空冷できる。
以上説明したように、第1から第4実施形態によるICカードは、フレームの内部で温められた空気が第1通風路又は第2通風路から排気されてよく、第1通風路又は第2通風路から外気を吸気してよく、内部に塵芥の侵入が困難にプリント基板に実装された電子部品を空冷できる。
第1から第4実施形態によるICカードは、ICカードを受け入れる電子装置の構造に依存することなく、ICカード自体に冷却構造を設けている。