以下にいくつかの実施形態をノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、ノートPC)及びテレビに適用した図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1乃至図14は、第1の実施形態に係る電子機器1を開示している。電子機器1は、例えばノートPCである。なお本発明が適用可能な電子機器は、上記に限定されるものではない。本発明は、例えばテレビのような表示装置や、録画再生装置、PDA(Personal digital Assistant)、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
図1に示すように、電子機器1は、本体ユニット2と、表示ユニット3と、ヒンジ4とを備えている。本体ユニット2は、メインボードを搭載した電子機器本体である。本体ユニット2は、筐体5を備えている。筐体5は、上壁6、下壁7、及び周壁8を有し、扁平な箱状に形成されている。
下壁7は、電子機器1を机上に置いた時に、その机上面に向かい合う。下壁7は、机上面に対して略平行になる。上壁6は、下壁7との間に空間を空けて、下壁7と略平行(すなわち略水平)に広がる。上壁6には、キーボード9が取り付けられている。周壁8は、下壁7に対して起立し、下壁7の周縁部と上壁6の周縁部との間を繋いでいる。
筐体5は、ベース11と、カバー12とを有する。ベース11は、下壁7と、周壁8の一部とを含む。カバー12は、上壁6と、周壁8の一部とを含む。カバー12がベース11に組み合わされることで、筐体5が形成されている。
筐体5は、表示ユニット3が回動可能に連結された後端部13(第1端部)と、この後端部13とは反対側に位置した前端部14(第2端部)とを有する。周壁8は、前壁8a、後壁8b、左側壁8c、及び右側壁8dを有する。前壁8aは、前端部14において筐体5の幅方向(左右方向)に延びている。後壁8bは、後端部13において筐体5の幅方向に延びている。左側壁8c及び右側壁8dは、それぞれ筐体5の奥行方向(前後方向)に延びて、前壁8aの端部と後壁8bの端部とを繋いでいる。
表示ユニット3は、ヒンジ4によって、本体ユニット2の後端部13に回動可能(開閉可能)に連結されている。表示ユニット3は、本体ユニット2を上方から覆うように倒された閉じ位置と、本体ユニット2に対して起こされた開き位置との間で回動可能である。
図1に示すように、表示ユニット3は、表示筐体15と、この表示筐体15に収容された表示パネル16とを備えている。表示パネル16の表示画面16aは、表示筐体15の前壁に設けられた開口部15aを通じて外部に露出可能になっている。
図1に示すように、上壁6は、キーボード9が取り付けられるキーボード載置部17と、パームレスト18と、パームレスト18と連続した斜面部181とを有する。パームレスト18は、キーボード載置部17よりも手前側、つまりキーボード載置部17と前壁8aとの間に設けられている。図9に示すように、キーボード載置部17は、パームレスト18に対して筐体5の内側に窪んでいる。これにより、キーボード載置部17に取り付けられたキーボード9の上面は、パームレスト18の上面と略同じか少し高くに位置する。
図2に示すように、筐体5の下壁7には、複数の脚部19が設けられている。この脚部19が机上面に接することで、筐体5の下壁7は、机上面から離れた位置で支持される。図1乃至図3に示すように、筐体5は、第1吸気孔21、第2吸気孔22、第3吸気孔23、及び第4吸気孔231を備えている。第1吸気孔21、第2吸気孔22、第3吸気孔23、及び第4吸気孔231は、互いに離れるとともに、例えば筐体5の左前端部に集中して設けられている。
図1に示すように、第4吸気孔231は、斜面部181に設けられている。図2に示すように、第1吸気孔21及び第3吸気孔23は、下壁7に設けられている。第1吸気孔21は、後述する冷却ファン24の下方に位置し、冷却ファン24に向かい合っている。第3吸気孔23は、冷却ファン24の下方を外れ、第1吸気孔21と前壁8aとの間に開口している。
図3に示すように、第2吸気孔22は、左側壁8cに設けられている。第2吸気孔22は、例えば各種コネクタ25を露出させるための開口部である。第2吸気孔22は、コネクタ25と筐体5との間の隙間を通じて筐体5内に外気を流入させる。
図3に示すように、筐体5は、第1排気孔26及び第2排気孔27を備えている。第1排気孔26は、筐体5の後端部13において左側壁8cに設けられ、例えばキーボード9の側方から後側にかけて位置している。第1排気孔26は、後述するヒートシンク28に側方から向かい合う。第2排気孔27は、筐体5の後端部13において下壁7に設けられ、ヒートシンク28に下方から向かい合う。また図2に示すように、下壁7は、ドッキングコネクタ29を外部に露出させる開口部30が設けられている。
図4に示すように、筐体5は、回路基板31、ODD32(Optical Disk Drive)、記憶装置33、ヒートシンク28、ヒートパイプ34、放熱板35、及び冷却ファン24を収容している。回路基板31は、例えばメインボードである。
回路基板31は、第1面31aと、この第1面31aとは反対側に位置した第2面31bとを有する。第1面31aは、例えば下面である。第2面31bは、例えば上面である。なおこれに代えて、第1面31aが上面であり、第2面31bが下面であってもよい。
図6に示すように、回路基板31の第1面31aは、CPU41(Central Processing Unit)、PCH42(Platform Controller Hub)、電源回路部品43、メモリスロットコネクタ44、LCDコネクタ45、I/Oコネクタ46、第1電源コイル47、及び第2電源コイル48を実装している。
CPU41は、第1発熱体の一例であり、回路基板31のなかで最も発熱する部品である。PCH42は、第2発熱体の一例であり、例えば自然放熱でよい部品である。電源回路部品43は、第3発熱体の一例であり、回路基板31のなかで比較的発熱量が大きな部品である。
図9に示すように、回路基板31の第2面31bは、電源回路部品49を実装している。電源回路部品49は、発熱体の一例である。なお、回路基板31に実装される発熱体は、上記に限られない。
ここで、図4に示すように、筐体5の前端部14から後端部13に向かう方向を第1方向D1と定義する。また、第1方向D1に略直交し、右側壁8dから左側壁8cに向かう方向を第2方向D2と定義する。後述の冷却ファン24の吐出口24cは、第1方向D1に開口している。
また、本明細書では、電子機器1の正規の姿勢(図1の姿勢)を基準に上下左右を定義している。そのため、図2、図4乃至6、図8乃至11など、電子機器1を逆さまにした図を用いた説明では、上下及び左右の表現が図中とは逆になっている。
図9に示すように、回路基板31は、キーボード載置部17の下方に配置されている。図4に示すように、回路基板31は、冷却ファン24とヒートシンク28との間に位置した第1部分31cと、冷却ファン24とヒートシンク28との間を外れた第2部分31dとを有する。
第1部分31cは、冷却ファン24の吐出口24cの開口方向(第1方向D1)において冷却ファン24が向かい合う。つまり第1部分31cは、冷却ファン24から吐出された冷却風に直接に晒される部分である。また第1部分31cは、第2方向D2においてヒートシンク28に向かい合う。一方、第2部分31dは、冷却ファン24の吐出口24cの開口方向において冷却ファン24に向かい合わない。
CPU41及び電源回路部品43は、回路基板31の第1部分31cに実装され、ヒートシンク28と冷却ファン24との間に位置している。PCH42は、回路基板31の第2部分31dに実装され、ヒートシンク28と冷却ファン24との間から外れている。
ヒートシンク28は、放熱部の一例であり、例えば複数のフィンを含んだフィンユニットである。ヒートシンク28は、筐体5の後端部13に配置され、筐体5の第1排気孔26に面している。ヒートシンク28は、キーボード載置部17の下方に位置する。ヒートシンク28は、フィンとフィンとの間の隙間を第1排気孔26に向けている。
図6に示すように、CPU41は、電源回路部品43に比べて、冷却ファン24の近くに配置されている。ヒートパイプ34は、熱輸送部材の一例である。ヒートパイプ34は、CPU41からヒートシンク28まで延びている。ヒートパイプ34は、CPU41をヒートシンク28に熱接続しており、CPU41の熱をヒートシンク28に移動させる。
放熱板35は、例えば板金部材である。放熱板35は、CPU41に向かい合う第1部分35aと、CPU41を外れた第2部分35bとを有する。第1部分35aは、CPU41に熱接続されている。第2部分35bは、第1部分35aに対して段差を有するとともに、第1部分35aから例えば後方(冷却ファン24の吐出方向)に延びている。第2部分35bは、電源回路部品43との間に隙間を空けて、電源回路部品43の下方を覆っている。放熱板35は、電源回路部品43には例えば熱接続されていない。
図4に示すように、ODD32は、回路基板31とは反対側となる筐体5の右部に収容されている。記憶装置33の一例は、HDD(Hard Disk Drive)である。記憶装置33は、筐体5の前端部14に配置され、冷却ファン24の隣に位置している。記憶装置33は、ケース51と、このケース51に収容された磁気ディスク(図示しない)とを有する。ケース51の側面51a(端面)は、平面状に広がるとともに、冷却ファン24に側方から向かい合う。このケース51の側面51aは、筐体5の左側壁8cとは反対側から冷却ファン24に向かい合う立ち壁を形成している。
図6に示すように、冷却ファン24は、ヒートシンク28から離れて、例えば筐体5の左側の前端部14に配置されている。図9に示すように、冷却ファン24は、パームレスト18の下方に配置されている。つまり冷却ファン24は、筐体5内の厚さが比較的小さなキーボード載置部17の下方を外れて、筐体5内の厚さが比較的大きなパームレスト18の下方に配置されている。図9に示すように、冷却ファン24と筐体5の下壁7との間、及び冷却ファン24と筐体5の上壁6との間には、それぞれ隙間が設けられている。
冷却ファン24は、遠心式ファンであり、ファンケース53と、このファンケース53内で回転駆動される羽根車54とを有している。ファンケース53は、第1吸込口24a、第2吸込口24b、及び吐出口24cを備えている。
図9に示すように、ファンケース53は、下壁7に向かう合う下面53a、この下面53aとは反対側に位置して上壁6に向かい合う上面53b、及び回路基板31に向かう合う周面53cを有する。第1吸込口24aは、ファンケース53の下面53aに設けられ、下壁7の第1吸気孔21に向かい合っている。第2吸込口24bは、ファンケース53の上面53bに設けられ、第1吸込口24aとは反対側に向いて開口している。第2吸込口24bは、パームレスト18との間に隙間を空けて、パームレスト18に面している。
図9に示すように、吐出口24cは、上述のように第1方向D1に開口し、回路基板31のCPU41に向いている。吐出口24cの厚さは、回路基板31の厚さよりも大きい。回路基板31は、吐出口24cの厚さ方向の略中間部に向かい合っている。なお「略中間部に向かい合う」とは、吐出口24cの上端部及び下端部に向かい合っていないことを指し、必ずしも吐出口24cの厚さ方向の中央部に向かい合っている必要はない。
つまり吐出口24cは、回路基板31の上下に亘って開口している。吐出口24cは、回路基板31に対して第1面31a側に位置した第1部分24caと、回路基板31に対して第2面31b側に位置した第2部分24cbとを有する。
冷却ファン24は、第1吸込口24a及び第2吸込口24bから筐体5内の空気を吸い込み、その空気を吐出口24cからCPU41に向けて吐出する。このとき冷却ファン24は、回路基板31の上下両側にそれぞれ空気を吐出する。
一方、図11に示すように、ヒートシンク28の厚さは、回路基板31の厚さよりも大きい。回路基板31は、ヒートシンク28の厚さ方向の略中間部に向かい合っている。なお「略中間部に向かい合う」とは、ヒートシンク28cの上端部及び下端部に向かい合っていないことを指し、必ずしもヒートシンク28の厚さ方向の中央部に向かい合っている必要はない。
つまりヒートシンク28は、回路基板31の上下に露出している。ヒートシンク28は、回路基板31に対して第1面31a側に位置した第1部分28aと、回路基板31に対して第2面31b側に位置した第2部分28bとを有する。第1部分28aは、回路基板31の第1面31a側に流れた空気に晒される。第2部分28bは、回路基板31の第2面31b側に流れた空気に晒される。
図6及び図9に示すように、冷却ファン24の吐出口24cに面した回路基板31の端部は、部品非実装領域56を有する。部品非実装領域56は、例えば5mmの幅を有し、回路基板31の縁に沿って吐出口24cの幅方向に延びている。部品非実装領域56は、例えばリフロー工程など回路基板に部品を実装する工程で、実装装置のレールに載せられる代である。この部品非実装領域56は、部品が実装されておらず、冷却ファン24から吐出される空気の流れを阻害しにくい。
図4に示すように、電子機器1は、筐体5内で、第1部屋61(第1領域)、第2部屋62(第2領域)、及び第3部屋63(第3領域)を仕切る遮風部64を備えている。第1部屋61は、冷却ファン24に外気(フレッシュエアー)を吸わせるための吸気室である。第2部屋62は、発熱量が比較的大きな部品が集中して実装され、冷却ファン24からヒートシンク28に向かって冷却風が集中的に流されるダクトである。第3部屋63は、例えば自然放熱で十分な部品が収容されている。なお「部屋」とは、筐体内の領域(部分)のことを指し、必ずしも他の部屋(他の領域)から完全に遮断されている必要はない。
図6及び図7に示すように、本実施形態では、それぞれ回路基板31に実装されたメモリスロットコネクタ44、LCDコネクタ45、第1電源コイル47、第2電源コイル48、及びいくつかのシーリング部材71,72,73,74,75,76,77が互いに協働して遮風部64を形成している。
各シーリング部材71,72,73,74,75,76,77は、例えば弾性部材の一例であり、非導電性部材の一例である。シーリング部材71,72,73,74,75,76,77は、例えばスポンジ、ゴム、またはインシュレータのような絶縁体である。なお図6は、いくつかのシーリング部材73,74,75を取り外した状態を図示している。また図6及び図7では、説明の便宜上、遮風部64を形成する部品にハッチングを施している。
まず、第1部屋61の遮風構造について説明する。
図6に示すように、冷却ファン24の下面53aには、第1シーリング部材71及び第2シーリング部材72が取り付けられている。第1シーリング部材71は、冷却ファン24の吐出口24cに沿って、吐出口24cの幅方向(第2方向D2)に延びている。つまり第1シーリング部材71は、第1吸込口24aと吐出口24cとの間に設けられ、筐体5内の空間を仕切っている。
第2シーリング部材72は、冷却ファン24の右端部に沿って、第1方向D1に延びている。第2シーリング部材72は、冷却ファン24の第1吸込口24aに対して、筐体5の左側壁8cとは反対側に位置している。つまり、第2シーリング部材72と筐体5の左側壁8cとの間に、冷却ファン24の第1吸込口24aが位置する。
図9及び図10に示すように、第1シーリング部材71及び第2シーリング部材72は、冷却ファン24の下面53aと、筐体5の下壁7の内面との間に設けられている。第1シーリング部材71及び第2シーリング部材72は、冷却ファン24の下面53aと、筐体5の下壁7の内面との間の隙間で圧縮され、この隙間を気密に塞いでいる。
これにより、図13に模式的に示すように、筐体5のコーナー部には、第1シーリング部材71、第2シーリング部材72、筐体5の左側壁8c、及び筐体5の前壁8aによって囲まれた第1部屋61が形成されている。つまり、第1シーリング部材71及び第2シーリング部材72は、筐体5内を、第1部屋61としての部分と、第2部屋62としての部分に仕切っている。
なお本実施形態では、第1シーリング部材71及び第2シーリング部材72は、冷却ファン24の表面上に設けられ、冷却ファン24を外れた領域には設けられていない。つまり、第1シーリング部材71及び第2シーリング部材72は、筐体5内で第1部屋61を完全に仕切っているわけではなく、部分的に仕切っている。
なお、第1シーリング部材71及び第2シーリング部材72は、冷却ファン24を外れた領域まで延長され、筐体5内で第1部屋61を完全に仕切ってもよい。なお本実施形態では、記憶装置33のケース51の側面51aが、第1部屋61の一部の壁面を補助的に形成している。
図9及び図10に示すように、冷却ファン24の上面53bにも、下面53aと同様に、第1シーリング部材71及び第2シーリング部材72が設けられている。つまり、第1シーリング部材71は、冷却ファン24の吐出口24cに沿って、吐出口24cの幅方向に延びている。第1シーリング部材71は、第2吸込口24bと吐出口24cとの間に設けられ、筐体5内の空間を仕切っている。第2シーリング部材72は、冷却ファン24の右端部に沿って、第1方向D1に延びている。
第1シーリング部材71及び第2シーリング部材72は、冷却ファン24の上面53bと、筐体5の上壁6の内面(パームレスト18の内面)との間に設けられている。第1シーリング部材71及び第2シーリング部材72は、冷却ファン24の上面53bと、筐体5の上壁6の内面との間の隙間で圧縮され、この隙間を気密に塞いでいる。
図6及び図9に示すように、第1部屋61は、筐体5の第1吸気孔21、第2吸気孔22、第3吸気孔23、及び冷却ファン24の第1吸込口24a、第2吸込口24bが露出している。第1部屋61には、回路基板31に実装された発熱体が存在しない。第1部屋61は、第1吸気孔21、第2吸気孔22、及び第3吸気孔23を通じて筐体5の外部に連通し、外気(フレッシュエアー)が流入可能である。このため、第1部屋61の空気は、他の部屋の空気に比べて温度が低い。
次に、第2部屋62(ダクト部)の遮風構造について説明する。
図6に示すように、回路基板31には、メモリ81が装着されるメモリスロットコネクタ44が実装されている。メモリスロットコネクタ44は、基板部品の一例であり、長尺コネクタの一例であり、「筐体に収容された部品」の一例である。なおここで言う「長尺コネクタ」とは、長手方向の長さがCPU41(第1発熱体)のチップの一辺よりも大きなコネクタを指す。「長尺コネクタ」は、メモリスロットコネクタ44に限らず、例えばドッキングコネクタや、テレビチューナー用のコネクタ等であってもよい。
図6に示すように、メモリスロットコネクタ44の長手方向は、冷却ファン24の吐出方向(第1方向D1)に沿っている。メモリ81は、複数のメモリチップ81aが搭載されたメモリ基板81bを有する。メモリスロットコネクタ44は、メモリ81をCPU41とは反対側に向けて、CPU41の隣に配置されている。
メモリスロットコネクタ44は、回路基板31からメモリ81を浮かして保持する一対の保持部83と、回路基板31に固定された端子部84とを有する。端子部84は、メモリ81が電気的に接続されるスロットを有し、このメモリ81をCPU41に接続するための複数の配線を有する。端子部84は、回路基板31に密着し、回路基板31との間に隙間を有しない。
図11に示すように、メモリスロットコネクタ44は、いわゆる2段式メモリ収容部の2段目となるコネクタである。つまり、メモリスロットコネクタ44に装着されたメモリ81と回路基板31との間に、他のメモリスロットコネクタ44aが位置する。つまり、メモリスロットコネクタ44の端子部84は、比較的背が高い。
図6に示すように、メモリスロットコネクタ44は、保持部83よりも端子部84がCPU41の近くに配置されている。メモリスロットコネクタ44の一部は、CPU41に向かい合っている。メモリスロットコネクタ44は、CPU41と平行に配置されている。図7に示すように、端子部84は、複数の配線パターン85でCPU41に電気的に接続されている。
図6に示すように、メモリスロットコネクタ44は、CPU41の側方から電源回路部品43の側方に亘っている。またメモリスロットコネクタ44は、第2方向D2において、ヒートシンク28の一部、第2電源コイル48、I/Oコネクタ46に向かい合っている。
図6に示すように、メモリスロットコネクタ44の端部と、ヒートシンク28の端部との間には、第1電源コイル47及びLCDコネクタ45が実装されている。第1電源コイル47及びLCDコネクタ45は、それぞれ基板部品の一例である。第1電源コイル47及びLCDコネクタ45は、互いに第2方向D2に並んでいる。
第1電源コイル47及びLCDコネクタ45は、第1方向D1において、冷却ファン24の吐出口24cに向かい合っている。つまり、冷却ファン24の吐出口24cから吐出された空気は、CPU41及び電源回路部品43を通過した後に、第1電源コイル47及びLCDコネクタ45にぶつかり、ヒートシンク28に向かう流れに変わる。
一方、第2電源コイル48は、CPU41に対して、メモリスロットコネクタ44とは反対側に位置している。第2電源コイル48とメモリスロットコネクタ44との間の間隔は、冷却ファン24の吐出口24cの幅と略同じである。
以上のように配置されたメモリスロットコネクタ44、第1電源コイル47、LCDコネクタ45は、及び第2電源コイル48は、筐体5の下壁7や筐体5の左側壁8cと協働して、冷却ファン24からヒートシンク28に向かって冷却風が流れるダクト構造の導風路91を形成する。つまり、メモリスロットコネクタ44、第1電源コイル47、LCDコネクタ45、及び第2電源コイル48は、それぞれ導風路91の少なくとも一部の壁面を形成する。
より詳しく説明すると、本実施形態に係る導風路91は、第1流路91aと、第2流路91bとを有する。第1流路91aは、回路基板31の第1面31a上(つまり回路基板31と筐体5の下壁7との間)に形成され、略L字状をしている。第2流路91bは、回路基板31の第2面31b上(つまり回路基板31と筐体5の上壁6との間)に形成され、第1流路91aと同じ略L字状をしている。
上述のメモリスロットコネクタ44、第1電源コイル47、LCDコネクタ45、及び第2電源コイル48は、第1流路91aを形成している。図6に示すように、CPU41、電源回路部品43、ヒートパイプ34、及び放熱板35は、導風路91内に位置している。
図8及び図10に示すように、メモリスロットコネクタ44の端子部84と筐体5の下壁7の内面との間に、第3シーリング部材73が設けられている。第3シーリング部材73は、第1シーリング部の一例である。第3シーリング部材73は、第1方向D1に沿って延びている。第3シーリング部材73は、メモリスロットコネクタ44の端子部84と略同じ長さを有する。
第3シーリング部材73は、メモリスロットコネクタ44と筐体5の下壁7との間の隙間で圧縮され、この隙間を気密に塞いでいる。第3シーリング部材73は、導風路91の第1流路91aの一部の壁面を形成している。
図8及び図10に示すように、筐体5は、当該筐体5の下壁7の内面から回路基板31に向いて突出した突起としてのボス95及びリブ96を有する。ボス95及びリブ96は、冷却ファン24とメモリスロットコネクタ44との間の位置し、それぞれ導風路91の一部の壁面を形成している。
図8に示すように、第1電源コイル47と筐体5の下壁7の内面との間には、第4シーリング部材74が設けられている。第4シーリング部材74は、例えばメモリスロットコネクタ44の端部からLCDコネクタ45の端部まで延びている。第4シーリング部材74は、第1電源コイル47と筐体5の下壁7との間の隙間で圧縮され、この隙間を気密に塞いでいる。なお、第4シーリング部材74は、例えばヒートシンク28の端部まで延長されていてもよい。また第4シーリング部材74は、LCDコネクタ45と筐体5の下壁7の内面との間に設けられてもよい。
図8に示すように、第2電源コイル48と筐体5の下壁7の内面との間には、第5シーリング部材75が設けられている。第5シーリング部材75は、例えば冷却ファン24の端部からヒートシンク28の端部まで延びている。第5シーリング部材75は、第2電源コイル48と筐体5の下壁7との間の隙間で圧縮され、この隙間を気密に塞いでいる。なお、第5シーリング部材75は、例えば冷却ファン24とヒートシンク28との間の一部にだけ設けられてもよい。第4シーリング部材74及び第5シーリング部材75は、それぞれ導風路91の第1流路91aの一部の壁面を形成している。
図8及び図11に示すように、ヒートシンク28と筐体5の下壁7の内面との間には、第6シーリング部材76が設けられている。第6シーリング部材76は、ヒートシンク28の長手方向(第1方向D1)の全長に亘っている。第6シーリング部材76は、ヒートシンク28と筐体5の下壁7との間の隙間で圧縮され、この隙間を気密に塞いでいる。これにより、ヒートシンク28まで達した冷却風は、ヒートシンク28と筐体5の内面との間の隙間を通らず、ヒートシンク28のフィンとフィンの間を通って外部に排気される。
なお、図11に示すように、ヒートシンク28と筐体5の上壁6の内面との間にも、同様に、第6シーリング部材76が設けられている。第6シーリング部材76は、ヒートシンク28と筐体5の上壁6との間の隙間で圧縮され、この隙間を気密に塞いでいる。
なお、図11に示すように、本実施形態のキーボード載置部17は比較的大きな開口部を有し、キーボード9が筐体5内に露出している。第6シーリング部材76は、ヒートシンク28とキーボード9の下面との間にも延びている。第6シーリング部材76は、ヒートシンク28とキーボード9の下面との間で圧縮され、この隙間を気密に塞いでいる。
一方、図10に示すように、回路基板31の第2面31bと筐体5の上壁6の内面との間には、第7シーリング部材77が設けられている。第7シーリング部材77は、第2シーリング部の一例である。第7シーリング部材77は、回路基板31と筐体5の上壁6の内面との間の隙間で圧縮され、この隙間を気密に塞いでいる。なお、回路基板31の第2面31bに基板部品が実装されている場合、この基板部品と筐体の内面との間に設けられたシーリング部材も、ここでいう「回路基板の第2面と筐体の内面との間に設けられたシーリング部材」に含まれる。
なお、図10に示すように、第7シーリング部材77は、回路基板31の第2面31bとキーボード9の下面との間にも延びている。第7シーリング部材77は、回路基板31の第2面31bとキーボード9の下面との間の隙間で圧縮され、この隙間を気密に塞いでいる。
第7シーリング部材77は、例えば第3シーリング部材73及び第4シーリング部材74を一体にしたものと略同じ形状を有する。なお第7シーリング部材77の形状はこれに限定されない。
第7シーリング部材77は、筐体5の上壁6(またはキーボード9)や筐体5の左側壁8cと協働して、冷却ファン24からヒートシンク28に向かって冷却風が流れる導風路91の第2流路91bを形成する。つまり第7シーリング部材77は、導風路91の一部の壁面を形成している。図9に示すように、電源回路部品49は第2流路91b内に位置している。
冷却ファン24の吐出口24cの第1部分24caから吐出された空気は、第1流路91aを流れて、ヒートシンク28の第1部分28aに達する。冷却ファン24の吐出口24cの第2部分24cbから吐出された空気は、第2流路91bを流れて、ヒートシンク28の第2部分28bに達する。なお、回路基板31の第2面31bと筐体5の上壁6との間の隙間は、第1面31aと筐体5の下壁7との間の隙間よりも小さい。
図8に示すように、筐体5の左端部には、メモリスロットコネクタ44、第3シーリング部材73、第1電源コイル47、第4シーリング部材74、LCDコネクタ45、ボス95、リブ96、第7シーリング部材77、及び筐体5の左側壁8cによって囲まれた第2部屋62が形成されている。なお、本実施形態に係る各部品は、筐体5内で第2部屋62を完全に仕切っているわけではなく、部分的に仕切っている。なお、第2部屋62は、筐体5内で完全に仕切られていてもよい。
第2部屋62には、筐体5の第1排気孔26、第2排気孔27、CPU41、電源回路部品43、電源回路部品49、ヒートシンク28、ヒートパイプ34、放熱板35、及び冷却ファン24の吐出口24cが露出している。
図4に示すように、筐体5は、第1部屋61及び第2部屋62から少なくとも部分的に仕切られた第3部屋63を有する。第3部屋63は、第2シーリング部材72、ボス95、リブ96、メモリスロットコネクタ44、第3シーリング部材73、第1電源コイル47、第4シーリング部材74、LCDコネクタ45、及び第7シーリング部材77によって、第1部屋61及び第2部屋62から仕切られている。
図2に示すように、第3部屋63は、筐体5の下壁7に設けられた通気孔98を通じて外部に連通している。図4に示すように、第3部屋63には、PCH42、メモリ81、ODD32、及び記憶装置33が露出している。PCH42やメモリ81は、放熱用部材が取り付けられておらず、自然放熱される。
回路基板31の第1部分31cは、第2部屋62に露出している。回路基板31の第2部分31dは、第3部屋63に露出している。なお、本実施形態に係る各部品は、筐体5内で第3部屋63を完全に仕切っているわけではなく、部分的に仕切っている。なお、第3部屋63は、筐体5内で完全に仕切られていてもよい。
次に、電子機器1の作用について、本実施形態の構造を模式的に示した図12乃至図14を参照して説明する。
図12及び図13に示すように、筐体5内は、第1部屋61と第2部屋62とに分かれている。第1部屋61と第2部屋62との間には、空気の行き来を遮断する構造(第1シーリング部材71、第2シーリング部材72)が設けられている。冷却ファン24の第1吸込口24a及び第2吸込口24bは、第1部屋61に露出している。冷却ファン24の吐出口24cは、第2部屋62に露出している。つまり、筐体5内のコーナー部に、冷却ファン24の吸込口24a,24bを閉じ込める部分密封域が設けられている。
冷却ファン24は、第1部屋61にて筐体5の外部から空気を吸い込み、第1部屋61から第2部屋62に空気が吐出される。冷却ファン24の吸込口は、第2部屋62及び第3部屋63には露出していない。このため、冷却ファン24は、CPU41やPCH42、電源回路部品43、その他発熱体によって暖められた第2部屋62及び第3部屋63の空気を吸うことが少ない、またはほとんど無い。
冷却ファン24は、第1部屋61を通じて筐体5の外部の低温の空気を吸いこみ、その低温の空気をCPU41などに向けて第2部屋62に吐出する。なお、本実施形態では、筐体5の下壁7及び周壁8に吸気孔が設けられたが、筐体5の吸気孔は、上壁6、下壁7、周壁8のいずれか少なくとも一つに設けられていればよい。
図14に示すように、筐体5内には、回路基板31に実装された基板部品によって、冷却ファン24からヒートシンク28に向けて冷却風を導く導風路91が形成されている。具体的には、メモリスロットコネクタ44、第1電源コイル47、LCDコネクタ45、及び第2電源コイル48によって、導風路91の両側の壁面が形成されている。
つまり、メモリスロットコネクタ44、第1電源コイル47、LCDコネクタ45、及び第2電源コイル48と、回路基板31と、筐体5の下壁7及び上壁6(またはキーボード9)によって囲まれた空間が導風路91を成している。さらに本実施形態では、第3乃至第7シーリング部材73,74,75,76,77によって、導風路91の気密性がより高められている。
このため、冷却ファン24から吐出された冷却風は、図14中の矢印に沿うように、回路基板31上を通って冷却ファン24からヒートシンク28に向かう。つまり、冷却ファン24から吐出された冷却風は、筐体5内で広く広がることなく、CPU41やヒートシンク28等に対して確実に、集中的に流れ、これらCPU41やヒートシンク28等を効率的に冷却する。
このような構成によれば、冷却効率を向上させることができる。
例えば吸気構造の一例として、冷却ファンの下面の吸込口が筐体の下壁の吸気孔に向かい合うとともに、冷却ファンの上面の吸込口が筐体内に開口している構造を考える。この場合、冷却ファンの下面の吸込口は、低温の外気を取り込み可能であるが、上面の吸込口は、暖められた筐体5内の空気を吸うことになる。そのため、この冷却ファン24から吐出される空気は、ある程度の温度を有し、この空気に晒されるヒートシンク28などを効率的に冷却できるとは言えない。
一方、本実施形態の構造では、冷却ファン24の吸込口24a,24bと吐出口24cとの間に、筐体5内の空間を少なくとも部分的に仕切る遮風部64が設けられている。このため、吐出口24cから吐出されてCPU41やヒートシンク28で暖められた空気が、再度、吸込口24a,24bから吸われにくくなっている。このため、CPU41やヒートシンク28に対して比較的低温の空気を送ることができ、放熱効率の向上を図ることができる。
本実施形態では、筐体5の吸気孔21,22,23、及び冷却ファン24の吸込口24a,24bが露出した第1部屋61と、筐体5の排気孔26,27、CPU41、ヒートシンク28、ヒートパイプ34、及び冷却ファン24の吐出口24cが露出した第2部屋62とを筐体5内で少なくとも部分的に仕切る遮風部64が設けられている。このため、冷却ファン24の吸込口24a,24bには、CPU41やヒートシンク28、ヒートパイプ34で暖められた空気が還流しにくい。
特に、本実施形態では、周囲の外気を筐体5内に取り込む第1部屋61が設けられ、この第1部屋61に冷却ファン24の上面53aの第1吸込口24a及び下面53bの第2吸込口24bが共に露出している。一方で、CPU41などの発熱体は、第1部屋61から仕切られた第2部屋62に収容されている。この構造によれば、冷却ファン24の下面53bの第1吸込口24aに加えて、冷却ファン24の上面の第2吸込口24bも、筐体5内の暖められた空気ではなく、低温の外気を吸うことができる。
このため、CPU41やヒートシンク28に向けてより低温の空気を送ることができ、放熱効率のさらなる向上を図ることができる。換言すれば、冷却ファンの種類に関係なく、筐体5内に組み込まれた冷却ファン24が、なるべく100%外部から吸気し、筐体5の内部に100%排気(送風)する構造が設けられている。
冷却ファン24は、筐体5に収容される部品のなかで、比較的高さ(厚さ)がある部品である。冷却ファン24がパームレスト18の下方に配置されていると、キーボード載置部17の下方に比べて筐体5の厚さに余裕があるパームレスト18の下方を利用して、冷却ファン24を収容することができるので、筐体5の薄型化を図ることができる。
ここで再び、例えば吸気構造の一例として、冷却ファンの下面の吸込口が筐体の下壁の吸気孔に向かい合うとともに、上面の吸込口が筐体内に開口している構造を考える。この場合、何かの原因で筐体の下壁の吸気孔が塞がれてしまうと、冷却ファンの下面の吸込口も筐体内の暖められた空気を吸うことになる。このため、冷却効率が低下する可能性がある。
一方で、本実施形態では、筐体5には、吸気用の第1部屋61が設けられ、この第1部屋61は、第1吸気孔21に加えて、第2吸気孔22を有する。このような構造では、仮に第1吸気孔21が塞がれたとしても、第2吸気孔22を通じて第1部屋61が外部に通じている。そして、冷却ファン24の吸込口24a,24bは、第1部屋61に開口しているため、第1部屋61から低温の外気を吸い込むことができる。このため、筐体5の一部の吸気孔が塞がれたとしても、冷却効率が低下しにくい。
特に、第1吸気孔21が筐体5の下壁7に設けられ、第2吸気孔22が筐体5の周壁8に設けられていると、これら2つの吸気孔21,22が両方同時に塞がれる可能性は小さく、第1部屋61が外部に連通しやすくなっている。
自然放熱で間に合う第2発熱体(例えばPCH42)を更に備え、遮風部64が第2発熱体を含む第3部屋63を、筐体5内で第1部屋61及び第2部屋62から少なくとも部分的に仕切ると、冷却ファン24の冷却風を第2部屋62に集中できるとともに、第3部屋63で暖められた空気が冷却ファン24によって吸われにくい。このため、機器全体として冷却効率を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子機器1について、図15を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
図15に示すように、本実施形態では、I/Oコネクタ46が導風路91の一部の壁面を形成している。I/Oコネクタ46は、金属のシェル101と、このシェル101の内部に設けられた図示しない端子部を有する。筐体5は、例えば金属製である。なお筐体5は、樹脂製であるとともに、内面に導体層を有してもよい。導体層は、例えばメッキや導電塗層、金属箔の貼り付けなどにより形成される。
I/Oコネクタ46と、筐体5との間には、導電性部材102が設けられている。導電性部材102は、例えばガスケットであるが、これに代えて板バネなどでもよい。導電性部材102は、I/Oコネクタ46と筐体5との間に介在され、I/Oコネクタ46を筐体5に導通させている。導電性部材102は、ESD(Electro-Static discharge)、またはEMI(Electro Magnetic Interference)用の部材として機能する。
そして本実施形態では、この導電性部材102によって導風路91の一部の壁面が形成されている。なお、導電性部材102が設けられるコネクタは、I/Oコネクタ46に限られるものではなく、他の種類のコネクタであってもよい。
また図15に示すように、回路基板31の第2面31bには、発熱部品103が実装されている。発熱部品103は、例えば電源コイル、コンデンサ、またはIC等である。なお発熱部品103は、上記具体例に限らず、回路基板31の平均温度を上回る部品であればよい。本実施形態では、この発熱部品103によって、導風路91の一部の壁面が形成されている。
さらに、筐体5は、導風路91の壁面を形成する部品(本実施形態では発熱部品103)の高さに合わせて突出量が調整されたリブ104を有する。リブ104は、遮風部の一例である。リブ104は、導風路91の壁面を形成する部品に向けて筐体5の内面から突出し、その部品との間に例えば数mmの隙間を空けている。このリブ104は、導風路91の一部の壁面を形成している。
このような構成によれば、上記第1の実施形態と同様に、冷却効率を向上させることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る表示装置111について、図16乃至図18を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
図16乃至図18に示すように、表示装置111は、筐体5と、筐体5に収容された表示パネル16とを有する。表示装置111の一例は、オールインワンパソコン(以下、AIOと称する)である。筐体5の内部には、上記第1の実施形態または上記第2の実施形態と同様の構造が設けられている。
図16乃至図18に示すように、表示装置111の筐体5は、排気孔部511と第1の吸気孔部512とが設けられたカバー部510と、表示パネル6を間に挟んでカバー部510と連結され、表示パネル6を露出させた開口部521と、カバー部510に向かって延びた斜面部522と、この斜面部522に位置された第2の吸気孔部523と放音部524とが設けられたマスク部520とを有する。このような構成を有することで、筐体5の前後(ユーザ側とその反対側)の両面から空気を吸引することが可能となり、冷却効率が向上する。また、斜面部522は、筐体5の下方で、カバー部510に向かって拡開する方向に延びている。このような構成を有することでユーザから見た筐体5の見かけ上の大きさを、実際の大きさよりも小さく見せることが可能となる。尚、ここでは、マスク部520と斜面部522とが接続されている場合を示したが、これに限らず、斜面部522が別部材としてカバー部510とマスク部520とに連結される構成でも良い。
図16乃至図18に示すように、斜面部522とカバー部510との間にはスピーカ530が実装されている。音声を出力するスピーカ530の出力部531は、放音部524と対向している。このような構成を有することで、スピーカ530の容量を確保できるとともに、スピーカ530からの音声の出力方向を表示装置111の表示パネル6側、即ちユーザ側に向けることが可能となる。
図17及び図18に示すように、筐体5は、支持部540に支持されている。支持部540は、カバー部510の中央部510a内の領域と接続した端部541と、机の天板等の載置面に載置される脚部542と、端部541と脚部542とをつなぐ中間部543とを有する。中間部543には、開口部544が設けられている。開口部544は、表示装置111の長手方向に沿って延びた形状を有する。開口部544は、カバー部510側から表示装置111に接続される複数のケーブル545と略同じ高さに位置されている。このような構成を有することで、これらのケーブルを開口部544に通すことが可能となる。これにより、表示装置111を正面から見た際に背後のケーブルが目立ちにくくなる。
図18に示すように、筐体5には、発熱体601が実装された回路基板602と、排気孔部511に面したヒートシンク603と、発熱体601とヒートシンク603とを熱接続するヒートパイプ604と、ヒートシンク603に向いた吐出口が設けられたファン605が其々収容されている。
ヒートシンク603は、発熱体601よりも上方に位置されて設けられている。また、ヒートパイプ604は、発熱体601から受熱する受熱部604aを有し、この受熱部604aは、ヒートパイプ604の下方に位置されるように設けられている。このような構成を有することで、トップヒートを防止し、冷却効率を維持させることができる。
このような構成の表示装置111によれば、上記第1の実施形態または第2の実施形態と同様に、冷却効率を向上させることができる。
以上、本発明の第1乃至第3の実施形態に係る電子機器1及び表示装置111について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
例えば、筐体5内では、第3部屋63が仕切られている必要は必ずしもなく、第1部屋61と第2部屋62とが仕切られていればよい。導風路91は必ずしも形成されている必要はない。つまりシーリング部材73,74,75,76,77は省略してもよい。第1部屋61、第2部屋62、及び第3部屋63を仕切る部材は、シーリング部材ではなく、筐体5の一部(例えばリブなど)でもよい。第1吸込口24aは、必ずしも下壁7の吸気孔21に向かい合っていなくてもよい。