JP2009288280A - 画像形成装置 - Google Patents

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賢二 玉木
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Abstract

【課題】工場出荷後に現像バイアスのオーバーシュートの発生状態が変動する要因が生じたとしても、画像欠陥の発生を抑制する。
【解決手段】現像ローラ108表面と感光体101表面との間に間隙を有し、現像ローラ108にパルス状の交流電圧を与えることにより、現像ローラ108表面から感光体101表面までトナーを飛翔させて現像を行う画像形成装置であって、パルス状の交流電圧を発生させる交流電圧発生源(1,2,3,4)と、交流電圧を昇圧する昇圧トランス5と、交流電圧発生源と昇圧トランスの一次巻線とを含む一次側電路または昇圧トランスの二次巻線と現像ローラとを含む二次側電路に挿入された固定抵抗器12と、交流電圧にオーバーシュートが発生する場合にスイッチ11をオフにする抵抗値制御部18とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、非接触現像方式を採用した画像形成装置に関し、特に、画質を向上させる技術に関する。
非接触現像方式とは、現像材担持体である現像ローラ表面と像担持体である感光体表面との間に間隙が設けられており、現像ローラに現像バイアスを与えることにより現像ローラ表面から感光体表面までトナーを飛翔させて現像を行う方式である。現像バイアスとしては、直流成分に交流成分を重畳させたものが用いられる。交流成分としては、千数百ボルト程度のPeak−to−Peak電圧(以下「Vpp電圧」という)をもつ矩形パルスが用いられる。
図12は、従来の画像形成装置における現像バイアス回路の構成を示す図である。
現像バイアス回路109は、スイッチング制御部1、スイッチ素子2、制御電圧電源3、キャパシタ4、昇圧トランス5、抵抗6、キャパシタ7、直流バイアス電源8および出力端子9を備える。スイッチング制御部1、スイッチ素子2、制御電圧電源3およびキャパシタ4は、パルス状の交流電圧を発生する交流電圧発生源として機能する。発生したパルス状の交流電圧は、昇圧トランス5により昇圧され、直流バイアス電源8の直流電圧に重畳され、抵抗6およびキャパシタ7からなる時定数回路および出力端子9を介して現像ローラ108に供給される。
パルスの波形に関しては、トナーの飛翔特性を向上させる観点からは、抵抗6およびキャパシタ7から構成される時定数回路の時定数を小さくして、パルスの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジを急峻にすることが望ましい。一方、現像ローラと感光体との間の電流リークを防止する観点からは、時定数回路の時定数を大きくして、立ち上がりエッジにおけるオーバーシュートを低減することが望ましい。従来技術では、昇圧トランス5のインダクタンス成分および現像ローラ108の容量成分22の大きさを勘案して、適度な時定数となるように抵抗6およびキャパシタ7の各パラメータが設定されている。
特開2001−228687号公報
ところでパルス状の交流電圧のオーバーシュートの発生状態は、画像形成装置の工場出荷後に種々の要因により変化する場合がある。例えば、現像ローラを交換したとき以下の理由により変化することがある。
非接触現像方式では、現像ローラ表面と感光体表面との間の間隙距離を規制するために、現像ローラにDSコロと称される間隙規制部材を設けることが多い。ところが間隙規制部材や現像ローラには製造誤差が存在するので、現像ローラの交換の前後で間隙距離が変化し、現像ローラの容量成分が変化することがある。この場合、現像ローラを含めた回路の時定数が変化し、オーバーシュートの発生状態が変化することになる。
上記のような要因によりオーバーシュートの発生状態が変化し、仮にオーバーシュートが大きくなる方向に変化すると、場合によっては現像バイアスの電圧が瞬間的に閾値を超え、現像ローラと感光体との間に画像欠陥の原因となる電流リークを発生させてしまうことがある。
そこで本発明は、工場出荷後に現像バイアスのオーバーシュートの発生状態が変動する要因が生じたとしても、画像欠陥の発生を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、現像材担持体と像担持体表面との間に間隙を有し、前記現像材担持体にパルス状の交流電圧を与えることにより、前記現像体担持体から前記像担持体まで現像材を飛翔させて現像を行う画像形成装置であって、パルス状の交流電圧を発生させる交流電圧発生源と、前記交流電圧発生源により発生されたパルス状の交流電圧を昇圧する昇圧トランスと、前記交流電圧発生源と前記昇圧トランスの一次巻線とを含む一次側電路または前記昇圧トランスの二次巻線と前記現像材担持体とを含む二次側電路に選択的に挿入自在なインピーダンス素子と、前記現像材担持体に印加するパルス状の交流電圧にオーバーシュートが発生する場合に前記インピーダンス素子を前記一次側電路または二次側電路に挿入する制御を行う制御手段とを備える。
上記構成によれば、パルス状の交流電圧のオーバーシュートの発生状態に応じてインピーダンス素子が選択的に挿入される。インピーダンス素子が挿入されたときはオーバーシュートが抑制されるように働き、インピーダンス素子が挿入されないときはパルスの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジが急峻になるように働く。したがって工場出荷後に、オーバーシュートの発生状態が変動する要因が生じたとしても、適宜インピーダンス素子を選択的に挿入することにより、画像欠陥の発生を抑制することができる。
本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の一部の構成を示す図である。具体的にはタンデム型の画像形成装置における一色分の画像形成部の構成を示している。
画像形成装置は、感光体101、帯電ローラ102、帯電バイアス回路103、レーザ発生装置104、現像ユニット105、供給バイアス回路107、現像バイアス回路109、転写ローラ110、転写バイアス回路111、ブレード112および搬送ベルト113を備える。
感光体101は図中矢印方向に回転する。回転中に、帯電ローラ102による帯電、レーザ発生装置104による静電潜像の形成、現像ユニット105による現像、転写ローラ110によるトナー像の転写、ブレード112による残留トナーの掻き取り等が行われる。
帯電ローラ102は、帯電バイアス回路103から負極性で1300ボルトの帯電バイアスを受け、感光体101の表面を負極性で500ボルト程度にまで帯電させる。
レーザ発生装置104は、感光体101にレーザを照射して、感光体101の表面に静電潜像を形成させる。
現像ユニット105は、供給ローラ106および現像ローラ108を備えている。
供給ローラ106は、供給バイアス回路107から供給バイアスを受けて、トナーボトル内にあるトナーを現像ローラ108の表面に供給する。供給バイアスは、直流電圧にパルス状の交流電圧を重畳させたものであり、直流電圧の電圧値は負極性で50ボルト乃至500ボルト、交流電圧のVpp電圧は1100ボルト乃至1900ボルト、交流電圧の周波数は2kHzである。
現像ローラ108は、現像ローラ108の表面と感光体101の表面との間に間隙を有するように配設されており、現像バイアス回路109から現像バイアスを受けて現像材であるトナーを感光体101の表面まで飛翔させることにより現像を行う。現像ローラ108の表面と感光体101の表面との間の間隙距離は、現像ローラ108に設けられたDSコロと称される間隙規制部材により規制されている。現像バイアスは、直流電圧にパルス状の交流電圧を重畳させたものであり、直流電圧の電圧値は負極性で0ボルト乃至450ボルト、交流電圧のVpp電圧は1000ボルト乃至1900ボルト、交流電圧の周波数は2kHzである。
転写ローラ110は、転写バイアス回路111から正極性で500ボルト乃至3000ボルトの転写バイアスを受けて、感光体101の表面に現像されたトナー像を搬送ベルト113の表面に転写させる。転写バイアスの電圧は、最適な転写効率が得られるような電圧値に設定されるが、感光体101の表面に現像されたトナー像の数十%のトナーはそのまま感光体101の表面に残留する。残留したトナーは感光体101に接触されたブレード112により掻き取られ、廃トナーボトルに回収される。
搬送ベルト113の表面に転写されたトナー像は、さらに記録シートに転写され、その後記録シートに定着される。
次に、現像バイアス回路109の構成について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置における現像バイアス回路の構成を示す図である。
現像バイアス回路109は、スイッチング制御部1、スイッチ素子2、制御電圧電源3、キャパシタ4、昇圧トランス5、抵抗6、キャパシタ7、直流バイアス電源8、出力端子9、抵抗切替部10、分圧器13および抵抗値制御部18を備える。従来技術に比べて異なる点は、抵抗切替部10、分圧器13および抵抗値制御部18が存在することである。
抵抗切替部10は、1Ω程度の固定抵抗器12およびこれに並列接続されたスイッチ11を備え、スイッチ11のオンオフを切り替えることにより抵抗値を切り替えるものである。本実施の形態では、抵抗切替部10は、交流電圧発生源の一要素であるキャパシタ4と昇圧トランス5の一次巻線とを含む一次側電路に挿設されている。さらに具体的には、抵抗切替部10は、一次側電路における昇圧トランス5の一次巻線とグラウンドとの間に挿設されている。このように抵抗切替部10を一次側電路に設けることで、二次側電路に設ける場合よりも抵抗切替部10の耐圧特性を低くすることができる。
分圧器13は、出力端子9に現れる現像バイアスの電圧を、抵抗値制御部18の入力レンジ(例えば0ボルト〜5ボルト)に収めるために分圧するものである。ダイオード14は現像バイアスが正電圧のときだけ電流を流す。抵抗15,16により分圧されて得られた電圧は、モニタ信号18bとして抵抗値制御部18に入力される。なおモニタ信号18bが抵抗値制御部18の入力レンジを超えないように、ツェナーダイオード17が抵抗16に並列に接続されている。
抵抗値制御部18は、CPUおよびメモリを備えたマイコンであり、出力端子9に現れる現像バイアスのオーバーシュートの大きさに応じて抵抗切替部10の抵抗値を切り替える機能を有する。具体的には、オーバーシュートの大きさが50ボルト以上であれば、スイッチ11をオフすることにより抵抗切替部10の抵抗値を高め、オーバーシュートの大きさが50ボルト未満であれば、スイッチ11をオンすることにより抵抗切替部10の抵抗値を低くする。抵抗値制御部18には抵抗値設定信号18a、モニタ信号18b、同期信号1bが入力されている。
抵抗値設定信号18aは、抵抗値設定処理の開始を促す信号であり、画像形成装置に別途設けられた制御部から送信される。当該制御部は、現像ユニット105の交換などのオーバーシュートの大きさが変動する要因を検出したとき、抵抗値設定信号18aを抵抗値制御部18に出力する。現像ユニット105以外の要因については後に例示する。
モニタ信号18bは、現像バイアスを分圧して得られるアナログ信号である(図3参照)。図3の例では、立ち上がりエッジにおいてオーバーシュートが発生している。なお本実施形態では、オーバーシュートピーク電圧と安定電圧との差分をオーバーシュートの大きさ(オーバーシュート量)として定義する。
同期信号1bは、スイッチ素子2のスイッチングのタイミングを定める信号である(図3参照)。本実施形態では同期信号1bの周波数は2kHzである。
以下に、抵抗値制御部18が実行する抵抗値制御処理の詳細について説明する。
図4は、抵抗値制御部が実行する抵抗値制御処理のフローを示すフローチャートである。
抵抗値制御部18は、抵抗値設定信号18aにより抵抗値設定処理の開始が指示されたとき抵抗値設定処理を開始する(ステップS11)。
抵抗値制御部18は、同期信号1bがローレベルからハイレベルに変化したとき(ステップS12)、全ての記憶部をクリアし(ステップS13)、サンプリング周期Δtが経過するまで待機する(ステップS14:NO)。サンプリング周期Δtが経過したとき(ステップS14:YES)、抵抗値制御部18は、モニタ信号18bの電圧の瞬時値をデジタル値のデータとして取り込んで0番目の記憶部に格納する(ステップS15)。抵抗値制御部18は、記憶部の番号をインクリメントしながら(ステップS16)、同期信号1bがハイレベルからローレベルに変化するまでステップS14からステップS16までの処理を繰り返す(ステップS17)。これによりモニタ信号18bの電圧の瞬時値がサンプリングされた順番で各記憶部に記憶される。なおサンプリング周期Δtは交流電圧の周期よりも十分に短く設定される。
次に、抵抗値制御部18は、0番目の記憶部に格納されたデータと1番目の記憶部に格納されたデータとを比較し、最大値のデータを記憶部Bに格納するとともに(ステップS19)、それらのデータが示す瞬時値の差分が所定範囲に収まっているか否かを判断する(ステップS20)。瞬時値の差分が所定範囲に収まっていなければ、カウンタをゼロにセットし(ステップS21)、記憶部の番号をインクリメントしながら瞬時値の差分が所定範囲に収まるまで処理を繰り返す(ステップS19,S20,S21,S22)。この繰り返しの処理により、記憶部Bにはオーバーシュートピーク電圧に相当するデータが格納されることになる。
また抵抗値制御部18は、瞬時値の差分が所定範囲に収まれば(ステップS20:YES)、カウンタをインクリメントし(ステップS23)、カウントが規定数になるまで上記処理を繰り返す(ステップS19,S20,S21,S22,S23,S24)。この繰り返しの処理により、瞬時値の差分が規定数だけ連続して所定範囲に収まるときの瞬時値を特定することができる。瞬時値の差分が連続して所定範囲に収まることは、モニタ信号18bの電圧が安定していること、すなわち安定領域の電圧値である安定電圧が検出されていることを意味する。
次に、抵抗値制御部18は、記憶部Bに格納された最大の電圧(オーバーシュートピーク電圧)、および、瞬時値の差分が規定数だけ連続して所定範囲に収まったときの電圧(安定電圧)を抽出し、これらの差分が50ボルト以上か否か判断する(ステップS25)。抵抗値制御部18は、差分が50ボルト以上であればスイッチ11をオフし(ステップS26)、差分が50ボルト未満であればスイッチ11をオンする(ステップS27)。スイッチ11がオフのときは、昇圧トランス5の一次電流が固定抵抗器12を流れ、オーバーシュートを低減させる効果を得ることができる(図5(b)参照)。一方、スイッチ11がオンのときは、昇圧トランス5の一次電流がスイッチ11を流れ、パルスの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジを急峻にする効果を得ることができる(図5(a)参照)。
オーバーシュートの大きさが変動する要因としては、例えば、以下の要因が考えられる。画像形成装置は、以下の要因が生じた場合に、その都度、抵抗値制御部18に抵抗値設定処理を実行させることとする。
(1)現像ユニットの交換
既に説明したとおり、現像ローラ108を交換したとき(通常は現像ユニット105ごと交換される)に現像ローラ108と感光体101との間の間隙距離が変動することがある。
(2)環境変化
現像ローラ周囲の環境因子が変化したとき、主に湿度変化の影響により現像バイアスの電流が変動することがある。この場合、現像ローラ108の容量成分が変動したときと同様の効果となり、現像バイアスのオーバーシュートの大きさが変動する。
なお環境因子とは具体的には温度および湿度の組み合わせである。画像形成装置は環境センサとして温度センサおよび湿度センサを備え、測定された温度および湿度の組み合わせにより環境因子を導出する。
(3)経時変化
感光体101表面は使用に伴い削れてくるので、経時変化により現像ローラ108表面と感光体101表面との間の間隙距離が変化する。そうすると現像ローラ108の容量成分が変動し、現像バイアスのオーバーシュートの大きさが変動する。
(4)周波数の変更
非接触現像方式では、弱帯電トナーは周囲に飛散してしまい、感光体の非露光部分にトナーが付着する、いわゆるトナーかぶりが発生することがある。画像形成時における交流電圧の周波数はトナーかぶりを十分考慮して設定されている。一方、例えば濃度検出用や劣化トナー対策用などのトナーパッチ打ちでは、画像形成時における周波数と異なる周波数が用いられることがある。このように周波数を変更した場合、現像バイアスの電流が変動し、現像ローラ108の容量成分が変動したときと同様の効果となって、現像バイアスのオーバーシュートの大きさが変動する。
なお上述のようなオーバーシュートが変動する要因が生じた場合以外にも、以下のように、リーク検出処理に伴って抵抗値設定処理を実行することとしてもよい。
現像バイアスにおける交流電圧のVpp電圧は、トナーの飛翔特性を向上させる観点からは高いほど好ましい。しかし、あまり高くしすぎると現像ローラ108と感光体101との間に画像欠陥の原因となる電流リークが発生してしまうため、高くするのにも限度がある。そこで通常は、電流リークを監視しながら交流電圧のVpp電圧を徐々に高め、電流リークが発生したときのVpp電圧を検出し、そのときの電圧値から所定のマージン(数百ボルト)を差し引いた電圧値を現像バイアスにおける交流電圧のVpp電圧として設定することとしている。このVpp電圧の設定を最適化する処理はリーク検出処理と称され、工場出荷後において必要に応じて適宜実行される。
上記リーク検出処理を実行するときに大きなオーバーシュートが生じていれば、比較的低いVpp電圧で電流リークが検出され、交流電圧のVpp電圧が理想的な電圧値よりも低く設定されてしまうことがある。これを防止するため、リーク検出処理を実行するのに先立って、抵抗値設定処理を実行することが望ましい。現像バイアスのオーバーシュートを低減させたうえでリーク検出処理が実行されるので、交流電圧のVpp電圧を理想的な電圧値に設定することができる。
次に、現像ローラ108表面と感光体101表面との間の間隙距離および交流電圧のVpp電圧と現像ローラ108の容量成分との相関関係について説明する。図11は、これらの相関関係を示す図である。
図11(a)中、破線Bで囲まれる領域は、オーバーシュートの大きさが50ボルト未満となる領域である。この領域では抵抗切替部10のスイッチ11がオンにされて抵抗値が低くされる。また図11(b)中、破線Aで囲まれる領域は、オーバーシュートの大きさが50ボルト以上となる領域である。この領域では抵抗切替部10のスイッチ11がオフにされて抵抗値が高められる。
図11(b)は、抵抗値が3段階に切替可能な抵抗切替部を採用した場合を表している。破線Cで囲まれる領域、破線Bで囲まれる領域、破線Aで囲まれる領域の順番に、抵抗値が高められる。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置における現像バイアス回路の構成を示す図である。
現像バイアス回路109は、スイッチング制御部1、スイッチ素子2、制御電圧電源3、キャパシタ4、昇圧トランス5、抵抗6、キャパシタ7、直流バイアス電源8、出力端子9、抵抗切替部10および抵抗値制御部18を備える。また現像ユニット105はメモリ23を付属している。第2の実施形態では、現像バイアスのオーバーシュートの大きさを特定するための構成が第1の実施形態と異なる。これ以外の構成については第1の実施形態と同様なので説明を省略する。
既に説明した通り、現像ローラ108および間隙規制部材には製造誤差があり、製品毎に間隙距離が異なる。そこで本実施形態では、現像ユニット105に付属されたメモリ23に、工場出荷時に製品毎に測定された間隙距離を示す距離情報が記憶されることとしている。
抵抗値制御部18は、CPUおよびメモリを備えたマイコンであり、出力端子9に現れる現像バイアスのオーバーシュートの大きさに応じて抵抗切替部10の抵抗値を切り替える機能を有する。抵抗値制御部18のメモリには、図7に示すような距離情報から交流電圧のVpp電圧を特定するためのテーブル、および、図8に示すような交流電圧のVpp電圧からオーバーシュートの大きさを特定するためのテーブルが記憶されている。
図9は、抵抗値制御部が実行する抵抗値制御処理のフローを示すフローチャートである。
画像形成装置は、現像ユニット105が交換されたことを検出したときに、抵抗値制御部18に抵抗値設定処理の開始を促すための抵抗値設定信号18aを入力するものとする。抵抗値制御部18は、抵抗値設定信号18aにより抵抗値設定処理の開始が指示されたとき抵抗値設定処理を開始し、現像ユニット105に付属されたメモリ23から距離情報18cを読み出す(ステップS31)。
抵抗値制御部18は、メモリに記憶されたテーブルを参照して、読み出された距離情報から交流電圧のVpp電圧を特定し(ステップS32)、さらに、交流電圧のVpp電圧が1600ボルト以上か否かを判断する。これはオーバーシュートの大きさが50ボルト以上か否かを判断することと同じ効果をもつ。交流電圧のVpp電圧が1600ボルト未満であれば(ステップS33:NO)、抵抗値制御部18はスイッチ11をオンする(ステップS34)。また交流電圧のVpp電圧が1600ボルト以上の場合には(ステップS33:YES)、抵抗値制御部18は、高温高湿環境か否かを判断し(ステップS35)、高温高湿環境でなければスイッチ11をオフし(ステップS36)、高温高湿環境であればスイッチ11をオンする(ステップS37)。なお距離情報から特定された交流電圧のVpp電圧は、制御電圧電源3の出力電圧に反映される。
このようにすれば交流電圧の波形をモニタしなくても実施形態1と同等の効果を得ることができる。
以上、本発明に係る画像形成装置について、実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では抵抗切替部は二段階の抵抗値の切り替えを行うものであったが、本発明はこれに限らず、多段階に抵抗値を切り替えるものや連続的に抵抗値を変更するものであってもよい。例えば、図10(a)に3段階に抵抗値を切替可能な抵抗切替部の構成を示し、図10(b)に5段階に抵抗値を切替可能な抵抗切替部の構成を示す。
(2)上記実施形態における構成では、パルスの立ち上がりエッジにおけるオーバーシュートとパルスの立ち下がりエッジにおけるアンダーシュートとを同じように低減する。しかしながら例えばトナー濃度を調整するためにパルスのデューティ比を変化させた場合など、オーバーシュートの大きさとアンダーシュートの大きさとが異なる場合がある。このような場合にはオーバーシュートを低減するのに最適な抵抗値とアンダーシュートを低減するのに最適な抵抗値とが異なる。そこでオーバーシュートを低減するための構成とアンダーシュートと低減するための構成とを別途設けることとしてもよい(図10(c)参照)。
(3)上記実施形態ではタンデム型の画像形成装置について説明したが、本発明は非接触現像方式を採用するものであれば4サイクル型にも適用可能である。
(4)上記実施形態ではオーバーシュートの大きさをオーバーシュートピーク電圧と安定電圧との差分で定義しているが、本発明はこれに限らず、オーバーシュートピーク電圧と安定電圧との比で定義することとしてもよい。
(5)上記実施形態では昇圧トランスの一次側電路に抵抗切替部を設けることとしているが、これに限らず、二次側電路に設けることとしてもよい。
(6)上記実施形態では現像材担持体として現像ローラを例示しているが、これに限らず、例えば現像スリーブなど感光体に現像材を供給するものには適用可能である。また上記実施形態では像担持体として感光体を例示しているが、静電潜像およびトナー像が形成されるものであれば、これに限らない。
本発明は、非接触現像方式を採用しているコピー機等の画像形成装置に利用可能である。
本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の一部の構成を示す図 本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置における現像バイアス回路の構成を示す図 モニタ信号の波形および同期信号の波形を示す図 抵抗値制御部が実行する抵抗値制御処理のフローを示すフローチャート 現像バイアスの交流電圧の波形を示す図 本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置における現像バイアス回路の構成を示す図 間隙距離から交流電圧のVpp電圧を特定するためのテーブルを示す図 交流電圧のVpp電圧からオーバーシュートの大きさを特定するためのテーブルを示す図 抵抗値制御部が実行する抵抗値制御処理のフローを示すフローチャート 抵抗切替部の変形例を示す図 間隙距離および交流電圧のVpp電圧と現像ローラの容量成分との相関関係を示す図 従来の画像形成装置における現像バイアス回路の構成を示す図
符号の説明
1 スイッチング制御部
1a 制御信号
1b 同期信号
2 スイッチ素子
3 制御電圧電源
4 キャパシタ
5 昇圧トランス
6 抵抗
7 キャパシタ
8 直流バイアス電源
9 出力端子
10 抵抗切替部
10a,10b,10c,10d,10e,10f スイッチ制御信号
11 スイッチ
12 固定抵抗器
13 分圧器
14 ダイオード
15,16 抵抗
17 ツェナーダイオード
18 抵抗値制御部
18a 抵抗値設定信号
18b モニタ信号
18c 距離情報
21 抵抗成分
22 容量成分
23 メモリ
31,33,36,37,40 スイッチ
32,34,35,38,41 抵抗
39,42 ダイオード
101 感光体
102 帯電ローラ
103 帯電バイアス回路
104 レーザ発生装置
105 現像ユニット
106 供給ローラ
107 供給バイアス回路
108 現像ローラ
109 現像バイアス回路
110 転写ローラ
111 転写バイアス回路
112 ブレード
113 搬送ベルト

Claims (15)

  1. 現像材担持体と像担持体表面との間に間隙を有し、前記現像材担持体にパルス状の交流電圧を与えることにより、前記現像体担持体から前記像担持体まで現像材を飛翔させて現像を行う画像形成装置であって、
    パルス状の交流電圧を発生させる交流電圧発生源と、
    前記交流電圧発生源により発生されたパルス状の交流電圧を昇圧する昇圧トランスと、
    前記交流電圧発生源と前記昇圧トランスの一次巻線とを含む一次側電路または前記昇圧トランスの二次巻線と前記現像材担持体とを含む二次側電路に選択的に挿入自在なインピーダンス素子と、
    前記現像材担持体に印加するパルス状の交流電圧にオーバーシュートが発生する場合に前記インピーダンス素子を前記一次側電路または二次側電路に挿入する制御を行う制御手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記インピーダンス素子は、前記一次側電路における前記昇圧トランスの一次巻線とグラウンドとの間に選択的に挿入自在とされていること
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記昇圧トランスの一次巻線とグラウンドとの間の電路にインピーダンス素子が挿入され、このインピーダンス素子に並列に、前記制御手段によってオンオフされるスイッチが接続されていること
    を特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記インピーダンス素子が固定抵抗器であること
    を特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記インピーダンス素子は、N個(Nは整数)のインピーダンス要素からなり、N+1個の切替接点を有する切替スイッチのN個の接点と一対一の関係で直列に接続されて前記電路に挿入されており、
    前記制御手段は、オーバーシュートの大きさに応じて切替スイッチの切替接点を選択制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記インピーダンス素子は、N個の固定抵抗器を直列に接続した構成であり、固定抵抗器同士の各接続点およびN個目の固定抵抗器の端子が切替スイッチの各接点に接続されていること
    を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記インピーダンス素子が挿入される電路には、前記インピーダンス素子とは別のインピーダンス素子が挿入されており、前記インピーダンス素子はその別のインピーダンス素子と選択的に並列に接続されるよう前記制御手段により制御されていること
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  8. 前記インピーダンス素子が挿入される電路は、第1整流素子を含む第1電路と、第2整流素子を含む第2電路とに分岐しており、前記第1整流素子が電流を流す向きと前記第2整流素子が電流を流す向きとは互いに逆方向であり、
    前記インピーダンス素子は前記第1電路に挿入され、このインピーダンス素子に並列に前記制御手段によってオンオフされる第1のスイッチが接続されており、
    前記インピーダンス素子とは別のインピーダンス素子は前記第2電路に挿入され、このインピーダンス素子に並列に前記制御手段によってオンオフされる第2のスイッチが接続されていること
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御手段は、
    前記パルス状の交流電圧のオーバーシュートの大きさを特定する特定手段と、
    前記特定手段により特定されたオーバーシュートの大きさが閾値未満であれば前記インピーダンス素子を前記電路に挿入せず、オーバーシュートの大きさが閾値以上であれば前記インピーダンス素子を前記電路に挿入する選択手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  10. 前記特定手段は、
    前記二次側電路に現れるパルス状の交流電圧の瞬時値を、当該交流電圧の周波数よりも高い周波数でサンプリングするサンプリング手段と、
    前記サンプリング手段によりサンプリングされた交流電圧の瞬時値の中からオーバーシュートピーク電圧および安定電圧を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出されたオーバーシュートピーク電圧と安定電圧との差分を算出する算出手段と、
    を含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記現像材担持体と前記像担持体との間の間隙の距離は、前記現像材担持体に設けられた間隙規制部材の特性に応じて定まり、
    前記間隙規制部材の特性に応じて定まる間隙の距離を示す距離情報が、前記現像材担持体に付属されたメモリに記憶されており、
    前記特定手段は、
    現像材担持体と像担持体との間の間隙の距離をパルス状の交流電圧のオーバーシュートの大きさに換算するための換算テーブルを記憶している換算テーブル記憶手段と、
    前記現像材担持体に付属されたメモリから距離情報を読み出す読み出し手段と、
    前記換算テーブルを参照して、読み出された距離情報により示される間隙の距離を、パルス状の交流電圧のオーバーシュートの大きさに換算する換算手段と
    を含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  12. 前記現像材担持体は交換可能であり、
    前記特定手段は、前記現像材担持体が交換されるたびに、パルス状の交流電圧のオーバーシュートの大きさを特定すること
    を特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
  13. 前記画像形成装置は、さらに、環境因子を検出する環境センサを備え、
    前記特定手段は、前記環境センサにより得られた環境因子が所定量以上に変動するたびに、パルス状の交流電圧のオーバーシュートの大きさを特定すること
    を特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  14. 前記パルス状の交流電圧の周波数は変更可能であり、
    前記特定手段は、前記パルス状の交流電圧の周波数が変更されるたびに、パルス状の交流電圧のオーバーシュートの大きさを特定すること
    を特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  15. 前記特定手段は、所定期間が経過するたびに、パルス状の交流電圧のオーバーシュートの大きさを特定すること
    を特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
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