JP2008287075A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像ロールと感光体との間隙の大きさの変動に起因する周期的な濃度変動に対する補正の精度を向上させる。
【解決手段】画像非形成期間に、現像ロール及び感光体が各々回転されかつ現像ロールと感光体との間にバイアス電圧が印加されている状態で、バイアス電圧の印加に伴って流れる電流を検出することで、現像ロールと感光体との間隙のインピーダンスの変動を検出するにあたり、印加するバイアス電圧の交流成分の波形を、画像形成時と比較して、検出対象の電流が流れる期間が長時間化する波形に切り替える(画像形成時の電圧/電流波形は(A),(B)、電流検出時の電圧/電流波形は(C),(D))ことで、電流検出の感度を増大させる。
【選択図】図4

Description

本発明は画像形成装置に係り、特に、感光体に形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、感光体の表面を帯電させ露光して静電潜像を形成させた後に、現像剤による静電潜像の現像が現像器によって行われる。すなわち、現像器は帯電状態の現像剤(トナーのみから成る一成分現像剤、又はトナーとキャリアを含有する二成分現像剤)が表面に付着された現像ロールを回転駆動させることで、感光体と現像ロールとの間隙へ現像剤を供給する。また、感光体と現像ロールの間には現像バイアス電圧が印加されており、感光体と現像ロールとの間隙へ供給された現像剤のトナーは、現像バイアス電圧と静電潜像の電位差によって感光体上の静電潜像に吸着される。これにより、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。なお、現像性向上のため、上記の現像バイアス電圧としては、一定電圧の直流成分に、一定周波数かつ一定波形(例えば矩形波)で電圧が変動する交流成分(周期変動成分)が重畳された電圧が用いられることが多い。
ところで、感光体と現像ロールとの間隙の大きさは数十〜数百μm程度であるが、感光体の偏心や現像ロールの偏心等により、感光体及び現像ロールが回転駆動されている間の前記間隙の大きさを一定に維持することは困難である。そして、静電潜像の現像中に前記間隙の大きさが変動すると、それに伴って前記間隙に生ずる電界の強度が変動し、この電界強度の変動が、現像後の画像(トナー像)にバンディングと称する周期的な濃度変動として現れてしまうという問題がある。
上記に関連して特許文献1には、現像バイアス電圧のうちの交流成分の電流を検出することで、感光体と現像ロールとの間隙の大きさの変動をインピーダンスの変動として検出し、その検出値に従い直流成分の電圧を逐次変動させるか、交流成分の電流値を一定にして交流成分の電圧値を検出し、その検出値に従い直流成分の電圧を逐次変動させることでバンディングを抑制する技術が開示されている。
また特許文献2には、感光体ドラムと現像スリーブが対向する現像領域の現像ギャップの変動を、液晶セルを用いたギャップ検出センサによって検出し、検出した現像ギャップの変動量に応じて、現像効率が一定になるように交流バイアス電圧の交流成分のピーク・ピーク電圧を随時調整する技術が開示されている。
特開平9−54487号公報 特開平8−190258号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、感光体と現像ロールとの間隙の大きさの変動を精度良く検出することは困難である。すなわち、現像バイアス電圧の交流成分の波形としては通常矩形波が用いられるが、このような波形の電圧を印加した場合、検出対象である交流成分の電流は、当該電流が流れる期間(電流が0でない期間)が非常に短く、検出される実効値が非常に低い波形になる(一例として図4(B)参照:なおこの電流波形は波形の立ち上がり及び立ち下がりのピークの高さが原理的には無限大となるが、検出回路の応答性等の影響により実際に検出される波形は図のような波形となる)ので、外来ノイズ等の影響で交流成分の電流の誤検出、すなわち感光体と現像ロールとの間隙の大きさの誤検出が生じ易い。また、現像バイアス電圧の交流成分の周波数は10kHz〜数百kHz程度の高周波であり、この交流成分と同じ繰り返し周期で非常に短い期間流れる微小な電流を検出し、検出した電流に応じて現像バイアス電圧を逐次変動させる、という制御は、発振等も生じ易く実現は困難である。従って、特許文献1に記載の技術は、安定的に高い精度でバンディングを補正することが困難という問題がある。
また、特許文献2に記載の技術では、感光体と現像ロールの間にギャップ検出センサを設ける必要があるので、画像形成装置の構成が複雑化すると共に、ギャップ検出センサの配置位置によっては静電潜像の現像がギャップ検出センサによって阻害される可能性があるという問題もある。
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、現像ロールと感光体との間隙の大きさの変動に起因する周期的な濃度変動に対する補正の精度を向上させることができる画像形成装置を得ることが目的である。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る画像形成装置は、間隙を隔てて配置された現像ロール及び感光体を各々回転させる回転駆動手段と、画像形成時に、前記回転駆動手段によって各々回転される前記現像ロールと前記感光体との前記間隙に現像剤を供給することで、前記感光体に形成された静電潜像を現像する現像手段と、前記現像ロールと前記感光体との間にバイアス電圧を印加する印加手段と、画像非形成期間に、前記回転駆動手段によって前記現像ロール及び前記感光体が各々回転され、かつ前記印加手段によってバイアス電圧が印加されている状態で、前記バイアス電圧の印加に伴って流れる電流を検出することで、前記現像ロール及び前記感光体の各々の回転に伴う前記間隙のインピーダンスの変動を検出する検出手段と、前記検出手段による前記間隙のインピーダンスの変動の検出結果に基づいて、前記画像形成時に前記印加手段によって印加されるバイアス電圧を、前記現像ロール及び前記感光体の各々の回転に伴う前記間隙の大きさの変動による影響が軽減又は解消されるように変調する変調手段と、前記検出手段による前記電流の電流検出時に、前記電流が流れる期間を長期間化することで前記検出手段の検出感度を増大させる感度増大手段と、を含んで構成されている。
請求項1記載の発明では、現像ロール及び感光体が間隙を隔てて配置されており、現像ロール及び感光体は回転駆動手段によって各々回転される。なお、感光体はロール状でもベルト状でもよい。また現像ロールと感光体との間には印加手段によってバイアス電圧が印加され、現像手段は、画像形成時に、回転駆動手段によって各々回転される現像ロールと感光体との間隙に現像剤を供給することで、感光体に形成された静電潜像を現像する。上記構成では、現像ロールや感光体の偏心(感光体がベルト状であれば、現像ロールと間隙を隔てた位置で感光体を支持する支持ロールの偏心)、現像ロールや感光体の真円度の公差内でのばらつき(感光体がベルト状であれば前記支持ロールの真円度の公差内でのばらつきやベルト状の感光体の厚みの不均一さ)等により、現像ロール及び感光体が各々回転されている間、現像ロールと感光体との間隙の大きさが変動するので、この間隙の大きさの変動により、現像手段が静電潜像を現像することで得られる画像に周期的な濃度変動が生ずる。
これに対して請求項1記載の発明では、画像非形成期間に、回転駆動手段によって現像ロール及び感光体が各々回転され、かつ印加手段によってバイアス電圧が印加されている状態で、バイアス電圧の印加に伴って流れる電流を検出することで、現像ロール及び感光体の各々の回転に伴う現像ロールと感光体との間隙のインピーダンスの変動を検出する検出手段が設けられており(なお、現像ロールと感光体との間隙のインピーダンスは、印加手段によって印加されたバイアス電圧の大きさと、このバイアス電圧の印加に伴って流れる電流の検出結果から検知できる)、変調手段は、検出手段による現像ロールと感光体との間隙のインピーダンスの変動の検出結果に基づいて、画像形成時に印加手段によって印加されるバイアス電圧を、現像ロール及び感光体の各々の回転に伴う間隙の大きさの変動による影響が軽減又は解消されるように変調する。これにより、現像ロールと感光体との間隙の大きさの変動に起因する画像の周期的な濃度変動を補正することが可能となる。
但し、上記のようにバイアス電圧の印加に伴って流れる電流を検出し、現像ロール及び感光体の各々の回転駆動に伴う間隙の大きさの変動を間隙のインピーダンスの変動として検出する場合、検出対象の電流が流れる期間(電流が0でない期間)が非常に短く、検出される実効値も非常に低い値となるので、外来ノイズ等の影響で電流の誤検出、すなわち間隙のインピーダンスの変動(現像ロールと感光体との間隙の大きさの変動)の誤検出が生じ易い。そして、間隙のインピーダンスの変動の誤検出は、変調手段によるバイアス電圧の変調の精度の低下、すなわち現像ロールと感光体との間隙の大きさの変動に起因する画像の周期的な濃度変動に対する補正精度の低下に繋がるという問題がある。
これに対して請求項1記載の発明では、更に、バイアス電圧の印加に伴って流れる電流が検出手段によって検出される際に、検出される電流が流れる期間を長期間化することで検出手段の検出感度を増大させる感度増大手段が設けられている。このように、検出手段によって検出される電流が流れる期間を長期間化することで検出手段の検出感度が増大されることにより、検出手段による電流の検出精度が向上すると共に、外来ノイズ等が発生したとしても、その外来ノイズ等が検出手段による電流の検出精度に及ぼす影響が軽減されるので、検出手段による間隙のインピーダンスの変動(現像ロールと感光体との間隙の大きさの変動)の検出精度を安定的に向上させることができる。従って、請求項1記載の発明によれば、現像ロールと感光体との間隙の大きさの変動に起因する周期的な濃度変動に対する補正(変調手段による)の精度を向上させることができる。また、感光体と現像ロールの間にギャップ検出センサを設ける必要もないので、画像形成装置の構成が複雑化することも回避できる。
なお、請求項1記載の発明において、印加手段が、画像形成時にバイアス電圧として所定波形の交流成分を含む電圧を印加する場合、感度増大手段としては、例えば請求項2に記載したように、検出手段による電流検出時に印加手段によって印加されるバイアス電圧の交流成分の波形を、画像形成時の交流成分の波形と相違させることで、検出手段の検出感度を増大させる構成を適用することができる。画像形成時に現像ロールと感光体との間に印加するバイアス電圧の交流成分の波形としては、現像性能の関係で請求項3,4にも記載した矩形波形が用いられることが一般的である。しかし、現像ロールと感光体との間隙から成るキャパシタンスには、バイアス電圧の印加に伴う電流として、交流成分を微分したに相当する波形の電流が流れるので、交流成分の波形が矩形波形である場合、矩形波形の立ち上がり時及び立ち下がり時の非常に短い期間にのみ電流が流れることになり、検出手段がこの電流を精度良く検出することは困難である。
これに対して請求項2記載の発明では、検出手段による電流検出時に印加されるバイアス電圧の交流成分の波形を、画像形成時の交流成分の波形と相違させるので、検出手段による電流検出時の交流成分の波形として、キャパシタンスを電流を流れる期間が長期間化する波形(当該波形を微分した電流波形として、出力が0でない期間が比較的長い波形が得られる波形)を用いることで、検出手段による電流の検出精度を向上させることができる。
なお、請求項2記載の発明において、画像形成時に現像ロールと感光体との間に印加するバイアス電圧の交流成分が矩形波形である場合、検出手段による電流検出時に、印加手段によって印加されるバイアス電圧の交流成分の波形としては、具体的には、例えば請求項3に記載した正弦波形(微分した電流波形は余弦波形となる)や請求項4に記載した三角波形(微分した電流波形は矩形波形となる)を適用することができる。
また、請求項2〜請求項4記載の発明のように、検出手段による電流検出時のバイアス電圧の交流成分の波形を画像形成時の交流成分の波形と相違させる場合、感度増大手段を、更に、例えば請求項5にも記載したように、印加手段によって印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数を画像形成時よりも低下させるように構成してもよい。これにより、検出手段による電流検出時のバイアス電圧の交流成分の波形が、例えば請求項3に記載した正弦波形や請求項4に記載した三角波形等のように、出力が0でない期間が比較的長い電流波形が得られる波形であれば、交流成分の周波数を低下させることで、検出対象の電流波形の一周期の長さが長くなり一周期に相当する波形の面積が増大するので、検出手段による電流が更に容易になり(応答性能のより低い検出手段でも検出可能となり)、検出精度を更に向上させることができる。
また、請求項1記載の発明において、感度増大手段としては、例えば請求項6に記載したように、検出手段による電流検出時に、現像ロールと感光体との間隙から成るキャパシタンスに直列に抵抗を挿入することで、検出手段の検出感度を増大させる構成を適用することも可能である。例えば印加手段によって印加されるバイアス電圧の交流成分の波形が矩形波形である場合、現像ロールと感光体との間隙から成るキャパシタンスには、バイアス電圧の印加に伴う電流として、前述のように矩形波形の立ち上がり時及び立ち下がり時の非常に短い期間にのみ電流が流れるので、検出手段がこの電流を精度良く検出することは困難である。これに対して請求項6記載の発明では、上記キャパシタンスに直列に抵抗を挿入するので、矩形波形の立ち上がり時及び立ち下がり時における電流の変化が緩やかになり(時定数τ=RC)、電流の流れている期間が長期間化する。これにより、検出手段による電流の検出精度を向上させることができる。
また、現像ロールと感光体との間隙の大きさの変動は、感光体の偏心や現像ロールの偏心等によって生じるが、例えば感光体の偏心等に起因する間隙の大きさの変動周期は感光体の回転周期に対応している一方、現像ロールの偏心等に起因する間隙の大きさの変動周期は現像ロールの回転周期に対応しており、感光体と現像ロールは回転周期が相違している。従って、現像ロールと感光体との間隙の大きさの変動には、周波数(周期)が互いに異なる複数種の成分(周波数成分)が含まれている。これを考慮すると、請求項1〜請求項6の何れかに記載の発明において、変調手段は、例えば請求項7に記載したように、検出手段によって検出された現像ロールと感光体との間隙のインピーダンスの変動から複数種の周波数成分を抽出し、抽出した複数種の周波数成分のうち補正対象の個々の周波数成分の周波数、振幅及び位相に基づいて、画像形成時に印加手段によって印加されるバイアス電圧に、補正対象の個々の周波数成分と逆相の周波数成分が各々加わるように、画像形成時に印加されるバイアス電圧を変調する構成とすることが好ましい。
上記のように、現像ロールと感光体との間隙のインピーダンスの変動から複数種の周波数成分を抽出し、抽出した複数種の周波数成分のうち補正対象の個々の周波数成分の周波数、振幅及び位相に基づいて、画像形成時に印加されるバイアス電圧に、補正対象の個々の周波数成分と逆相の周波数成分が各々加わるように、画像形成時に印加されるバイアス電圧を変調することで、現像ロールと感光体との間隙の大きさの変動に含まれている補正対象の個々の周波数成分を単位として、補正対象の個々の周波数成分に起因する周期的な濃度変動が軽減又は解消されるようにバイアス電圧を補正することができ、現像ロールと感光体との間隙の大きさの変動に起因する周期的な濃度変動に対する補正の精度を更に向上させることができる。
また、請求項7記載の発明において、例えば請求項8に記載したように、補正対象の周波数成分に対する補正係数を補正対象の個々の周波数成分毎に記憶する記憶手段を更に設け、変調手段を、画像形成時に印加手段によって印加されるバイアス電圧に、補正対象の個々の周波数成分と逆相の周波数成分として、補正対象の個々の周波数成分の振幅に、記憶手段に記憶されている対応する補正係数を乗じた振幅の周波数成分が各々加わるように、画像形成時に印加されるバイアス電圧を変調するように構成することが好ましい。
これにより、補正対象の個々の周波数成分を単位として、補正対象の個々の周波数成分に起因する周期的な濃度変動に対する補正の強度を切り替えることが可能となり、例えば補正対象の周波数成分のうち、対応する濃度変動が視覚的に目立ち難い周波数成分に対しては補正係数の値を比較的小さくし、対応する濃度変動が軽減される程度の補正強度に止める一方で、対応する濃度変動が視覚的に目立ち易い周波数成分に対しては補正係数の値を比較的大きくし、比較的強い補正強度で濃度変動を補正することも可能となり、現像ロールと感光体との間隙の大きさの変動に起因する周期的な濃度変動に対する補正において、視覚的に最適な補正結果が得られるように、補正対象の個々の周波数成分毎の補正強度を最適化することが可能となる。
また、請求項7記載の発明において、検出手段によって間隙のインピーダンスの変動を検出した後、現像ロール及び感光体の回転駆動を継続したまま画像形成を行う場合には、検出手段による検出結果から得られる補正対象の個々の周波数成分(現像ロールの偏心等に起因する周波数成分や感光体の偏心等に起因する周波数成分)の周波数、振幅及び位相に基づいて、画像形成時における補正対象の個々の周波数成分の位相を把握できるが、検出手段によって間隙のインピーダンスの変動を検出した後に現像ロール及び感光体の回転駆動を一旦停止させる場合は、画像形成時の現像ロール及び感光体の回転の位相が未知となるので、補正対象の個々の周波数成分の位相も未知となり、補正対象の個々の周波数成分と逆相の周波数成分をバイアス電圧に各々加えることは困難である。
上記を考慮すると、例えば請求項9に記載したように、現像ロール及び感光体の少なくとも一方の回転の位相を検出する位相検出手段を更に設け、変調手段を、位相検出手段によって検出された画像形成時の現像ロール又は感光体の回転の位相に基づいて、補正対象の周波数成分のうち、回転の位相が検出された現像ロール又は前記感光体に対応する特定の補正対象の周波数成分に対して画像形成時に逆相となる周波数成分の位相を検知するように構成してもよい。これにより、検出手段によって間隙のインピーダンスの変動を検出した後に現像ロール及び感光体の回転駆動を一旦停止させる場合にも、画像形成時の回転の位相(対応する補正対象の周波数成分の位相)を把握することができるので、画像形成時に印加されるバイアス電圧に、対応する補正対象の周波数成分と逆相の周波数成分を加えることが可能となる。
以上説明したように本発明は、画像非形成期間に、現像ロール及び感光体が各々回転されバイアス電圧が印加されている状態で、バイアス電圧の印加に伴って流れる電流を検出することで、現像ロール及び感光体の各々の回転に伴う間隙のインピーダンスの変動を検出し、間隙のインピーダンスの変動の検出結果に基づいて、画像形成時に印加されるバイアス電圧を、現像ロール及び感光体の各々の回転に伴う間隙の大きさの変動による影響が軽減又は解消されるように変調すると共に、電流検出時に、検出する電流が流れる期間を長期間化することで電流の検出感度を増大させるようにしたので、現像ロールと感光体との間隙の大きさの変動に起因する周期的な濃度変動に対する補正の精度を向上させることができる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、そのケーシング10Aの上方に、セットされた原稿の画像をスキャンし、R,G,B各色に分解して読み取る原稿読取部12が設けられている。原稿読取部12は制御部70に接続されており(図2参照)、原稿を読み取ることによって得られた各色の画像データを制御部70へ出力する。
一方、ケーシング10A内のほぼ中央部には、ロール状の感光体16が回転可能に配置されている。感光体16は感光体回転駆動部72(図2参照)により図1矢印A方向に回転される。感光体16の下方には帯電ロール18が設けられている。帯電ロール18は図示しない帯電器により帯電され、感光体16の外周面を帯電させる。また感光体16の下方には、所定間隔隔てて露光装置22が設けられている。露光装置22は光源として図示しない半導体レーザを備えている。露光装置22は制御部70に接続されており(図2参照)、制御部70から入力された画像データに応じて前記半導体レーザを変調し、半導体レーザから射出されたレーザビームを感光体16に照射する。これにより感光体16の外周面に静電潜像が形成される。
また、感光体16の側方には現像装置24が設けられている。現像装置24は回転可能に配置されたロール状の収容体を備えている。この収容体の内部は、収容体の回転軸から放射状に延設された隔壁によって4個の収容部に区画されており、各収容部には現像器26Y、26M、26C、26Kが設けられている。現像器26Y、26M、26C、26Kは、内部に各々Y、M、C、K各色のトナーを貯留しており、各々現像ロール28を備えている。現像器26Y、26M、26C、26Kは、図示しない収容体回転駆動部によって収容体が回転され、現像ロール28が感光体16の外周面と間隙を隔てて対向する位置(現像位置)へ移動された状態で、現像ロール回転駆動部74(図2参照)によって現像ロール28が回転されることで、現像ロール28によって感光体16と現像ロール28との間隙へトナーを供給する。そして、後述のように現像ロール28と感光体16との間にバイアス電圧が印加されることで、感光体16の外周面に形成された静電潜像は、感光体16と現像ロール28との間隙へ供給されたトナーによってY、M、C、Kの各色に現像され、感光体16の外周面上に各色のトナー像が形成される。
また、図1において感光体16の略上方には無端の中間転写ベルト30が設けられている。中間転写ベルト30はロール32、34、36に巻掛けられ、環状の外周面(画像形成面)が感光体16の外周面に接触するように配置されている。ロール32、34、36の何れか1つは図示しないベルト回転駆動部によって回転され、中間転写ベルト30を図1矢印B方向に回転させる。中間転写ベルト30を挟んで感光体16の反対側には転写ロール40が設けられており、感光体16の外周面上に形成されたトナー像は転写ロール40によって中間転写ベルト30の画像形成面に転写される(一次転写)。一次転写位置よりも感光体16の回転方向下流側には感光体16の外周面を清掃する清掃装置42が設けられており、感光体16の上方には、中間転写ベルト30の画像形成面を清掃する清掃装置44が設けられている。
一方、ケーシング10A内の底部近傍にはトレイ46が配置されている。トレイ46内には記録用紙Pが多数枚積層された状態で収容されている。トレイ46の図1左斜め上方には取り出しロール50が配置されており、取り出しロール50の上方には所定間隔隔ててロール対52が設けられている。積層状態で最も上方に位置している記録紙は、取り出しロール50が回転されることによりトレイから取り出され、図1に想像線で示すように、ロール対52に挟持されて上方へ搬送される。
また、図1においてケーシング10Aの左側方には、ケーシング10A内に手差しで記録用紙Pを挿入するための手差しトレイ54が設けられている。ケーシング10A内には、手差しトレイ54に対応してロール56及びガイド58が設けられており、手差しトレイ54配設部位からケーシング10A内部に挿入された記録用紙Pは、ロール56及びガイド58に案内されてロール対52に挟持され、前記と同様に上方へ搬送される。
また、中間転写ベルト30を挟んでロール36の反対側には、ロール36に対向するようにロール60が設けられている。ロール対52によって上方へ搬送された記録用紙Pは、このロール60と中間転写ベルト30とに挟持され、中間転写ベルト30の画像形成面に形成されたトナー像が転写される(二次転写)。二次転写位置の上方には、定着ロール対を備えた定着装置62が設けられており、記録用紙Pに転写されたトナー像は定着装置62によって定着される。定着装置62の斜め上方にはロール対64が設けられており、定着装置62配設部位を通過した記録用紙Pはロール対64に挟持されてケーシング10A外に排出され、ケーシング10Aから突出するように設けられた排紙トレイ66上に載置される。
図示は省略するが、制御部70はCPU、メモリ、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性の記憶部を備えたマイクロコンピュータを含み、外部から入力されたアナログ信号をデジタルデータへ変換するA/D変換器や、デジタルデータをアナログ信号へ変換して外部へ出力するD/A変換器等の周辺回路が付加されて構成されている。また、不揮発性の記憶部には後述する変調データ取得処理や現像バイアス変調処理を行うためのプログラムが記憶されている。図2では、制御部70のCPUが上記プログラムを実行することで実現される機能をブロック毎に分けて示しており、制御部70は、CPUが上記プログラムを実行することで、周波数解析/変調データ生成部70A、バイアス電圧変調部70B及び検出感度増大部70Cとして各々機能し(詳細は後述)、このとき制御部70の記憶部は変調データ記憶部70Dとして機能する。
図2に示すように、感光体16には、ロータリーエンコーダ等から成り感光体16の回転の位相を検出する回転位相検出部76(図2参照)が取り付けられている。回転位相検出部76は制御部70に接続されており、感光体16の回転の位相を検出した結果は制御部70へ出力される。また、現像装置24の個々の現像ロール28には、ロータリーエンコーダ等から成り現像ロール28の回転の位相を検出する回転位相検出部78(図2参照)が各々取り付けられている。個々の回転位相検出部78は制御部70に各々接続されており、現像ロール28の回転の位相を検出した結果は制御部70へ各々出力される。
また、現像装置24の現像ロール28には、バイアス電圧印加部80及びインピーダンス検出部82が順に接続されている。なお、バイアス電圧印加部80及びインピーダンス検出部82は現像装置24の個々の現像ロール28に対応して各々設けてもよいし、バイアス電圧印加部80及びインピーダンス検出部82を1組のみ設け、個々の現像ロール28のうち現像位置へ移動された現像ロール28がバイアス電圧印加部80及びインピーダンス検出部82と接続されるように構成してもよい。
バイアス電圧印加部80は、直流電圧を発生させる直流電源部80Aと、交流電圧(周期変動電圧)を発生させる交流電源部80Bを備え、直流電源部80Aによって発生された直流電圧と交流電源部80Bによって発生された交流電圧を重畳したバイアス電圧を、現像位置に位置している現像ロール28に供給する。感光体16は電気的には接地されているので、上記のバイアス電圧は現像位置に位置している現像ロール28と感光体16との間に印加され現像位置に位置している現像ロール28によって感光体16との間隙へ供給されたトナーにより、感光体16の外周面に形成された静電潜像が現像されることになる。
バイアス電圧印加部80の直流電源部80Aは発生する直流電圧の大きさを変更可能とされている。また、バイアス電圧印加部80の交流電源部80Bは、互いに異なる複数種の交流電圧を発生可能とされ、発生する交流電圧の種類数、発生する個々の交流電圧の周波数、波形、振幅及び位相を変更可能とされている。バイアス電圧印加部80は制御部70(のバイアス電圧変調部70B及び検出感度増大部70C)に接続されており、直流電源部80Aが発生する直流電圧の大きさ、交流電源部80Bが発生する交流電圧の種類数、個々の交流電圧の周波数、波形、振幅及び位相は制御部70によって制御される。
また、インピーダンス検出部82は制御部70に接続されており、インピーダンス検出時(画像非形成期間)に、現像位置に位置している現像ロール28と感光体16との間隙のインピーダンスとして、現像位置に位置している現像ロール28と感光体16との間へのバイアス電圧印加部80によるバイアス電圧の印加に伴って流れる電流を検出し、検出結果を制御部70(の周波数解析/変調データ生成部70A)へ出力する。
なお、上記構成において、感光体回転駆動部72及び現像ロール回転駆動部74は本発明に係る回転駆動手段に、現像装置24は本発明に係る現像手段に、バイアス電圧印加部80は本発明に係る印加手段に、インピーダンス検出部82は本発明に係る検出手段に、回転位相検出部76,78は請求項9に記載の位相検出手段に、制御部70の記憶部は請求項8に記載の記憶手段に各々対応しており、制御部70は本発明に係る変調手段及び感度増大手段として各々機能する。
次に本実施形態の作用として、まず、制御部70で実行される変調データ取得処理について、図3を参照して説明する。なお、この変調データ取得処理は、例えば毎日の画像形成装置10の始業時等、画像形成装置10の画像非形成期間に定期的に実行される。
変調データ取得処理では、まずステップ100において、現像装置24の各色の現像器26Y、26M、26C、26Kのうち、変調データ取得対象の所定色の現像器26の現像ロール28が現像位置(感光体16の外周面と間隙を隔てて対向する位置)へ移動するように、収容体回転駆動部によって現像装置24の収容体を回転させる。次のステップ102では、感光体回転駆動部72によって感光体16の回転駆動を開始させると共に、現像位置へ移動させた現像ロール28の回転駆動を現像ロール回転駆動部74によって開始させる。またステップ104では、バイアス電圧印加部80によって現像ロール28と感光体16との間に印加されるバイアス電圧のうち、直流電源部80Aによって発生されるバイアス電圧の直流成分のレベルが0Vとなり、かつ交流電源部80Bによって発生されるバイアス電圧の交流成分の波形が予め定められたインピーダンス検出用の波形となるように、直流成分のレベル及び交流成分の波形をバイアス電圧印加部80に設定する。
詳細は後述するが、画像形成装置10による画像形成時には、バイアス電圧の直流成分のレベルが所定の高電圧となり、かつ現像性向上のために、バイアス電圧の交流成分が図4(A)に示すような矩形波となるように、直流成分のレベル及び交流成分の波形がバイアス電圧印加部80に設定される。しかし、インピーダンス検出時に交流成分の波形が矩形波状のバイアス電圧を印加した場合、インピーダンス検出部82によって検出される電流が、例として図4(B)に示すように、電流が流れる期間(電流が0でない期間)が非常に短く、検出される電流の実効値が非常に低い波形となるので、外来ノイズ等の影響を受けて電流の誤検出、すなわちインピーダンスの誤検出が生ずる可能性が高くなるという問題がある。
このため、本実施形態では、インピーダンス検出時に印加するバイアス電圧の交流成分の波形を、インピーダンス検出部82によって検出される電流の波形が、電流が流れる期間が長期間化する波形となるように定めており、更に、インピーダンス検出部82による電流の検出に寄与しないバイアス電圧の直流成分のレベルを0Vに設定している。電流が流れる期間が長期間化する波形となるようなバイアス電圧の交流成分の波形としては、例えば図4(C)に示す正弦波形が挙げられる。この場合、インピーダンス検出部82によって検出される電流の波形は図4(D)に示すような余弦波形となり、当該波形における電流が流れる期間(電流が0でない期間)が非常に長いことから、インピーダンス検出部82の検出感度を増大させることができ、インピーダンス検出部82による電流の検出精度を向上させることができる。また、外来ノイズ等が発生したとしても、その外来ノイズ等がインピーダンス検出部82による電流の検出精度に及ぼす影響が軽減されるので、インピーダンス検出部82による電流(インピーダンス)の検出精度を安定的に向上させることができる。
なお、上述したステップ104の処理は検出感度増大部70C及び本発明に係る感度増大手段(より詳しくは請求項2,3に記載の感度増大手段)に対応している。また、電流が流れる期間が長期間化する波形となるようなバイアス電圧の交流成分の波形は、上記の正弦波形に限られるものではなく、例えば三角波形を適用してもよい。この場合、インピーダンス検出部82によって検出される電流の波形は矩形波形となり、当該波形における電流が流れる期間(電流が0でない期間)も非常に長いことから、インピーダンス検出部82の検出感度を増大させることができる。上記のように、インピーダンス検出時に印加するバイアス電圧の交流成分の波形を三角波形とすることも、本発明に係る感度増大手段(より詳しくは請求項2,4に記載の感度増大手段)に対応している。
また、上記のようにインピーダンス検出時に印加するバイアス電圧の交流成分の波形を画像形成時に印加するバイアス電圧の交流成分の波形と相違させることに加え、インピーダンス検出時に印加するバイアス電圧の交流成分の周波数を、例として図4(E)にも示すように、画像形成時に印加するバイアス電圧の交流成分の周波数よりも低下させるようにしてもよい。これにより、例として図4(F)にも示すように、インピーダンス検出部82によって検出される電流の波形における一周期の長さが長くなり、一周期に相当する波形の面積が増大するので、インピーダンス検出部82による電流検出が更に容易になり(より応答性能の低い構成のインピーダンス検出部82でも電流検出が可能となり)、検出精度の向上、或いはインピーダンス検出部82の構成の簡略化(低コスト化)を実現することができる。上記のように、インピーダンス検出時に印加するバイアス電圧の交流成分の周波数を画像形成時よりも低周波化することも、本発明に係る感度増大手段(より詳しくは請求項5記載の感度増大手段)に対応している。
上記のようにしてインピーダンス検出時のバイアス電圧の直流成分のレベル及び交流成分の波形をバイアス電圧印加部80に設定すると、次のステップ106では、先に設定した波形の交流成分のみから成るバイアス電圧を、バイアス電圧印加部80によって現像位置に位置している現像ロール28と感光体16との間に印加させると共に、バイアス電圧印加部80によるバイアス電圧の印加に伴って流れる電流をインピーダンス検出部82によって検出させ、更に、感光体16及び現像位置に位置している現像ロール28の回転位相を回転位相検出部76,78によって検出させる。そして、インピーダンス検出部82による電流の検出結果と、回転位相検出部76,78による感光体16及び現像ロール28の回転位相の検出結果を順次取り込む。
次のステップ108では、バイアス電圧の印加・電流及び回転位相の検出を開始してから所定時間が経過したか否か判定する。なお、この場合の所定時間(検出期間)としては、例えば感光体16及び現像ロール28のうち回転周期が長い方の回転周期の1周期以上の時間を適用することができる。ステップ108の判定が否定された場合は、当該判定が肯定される迄ステップ108を繰り返し、この間、インピーダンス検出部82による電流の検出結果の取り込み、及び、回転位相検出部76,78による回転位相の検出結果の取り込みを継続する。そして、ステップ108の判定が肯定されるとステップ110へ移行し、感光体回転駆動部72による感光体16の回転駆動、現像ロール回転駆動部74による現像ロール28の回転駆動、バイアス電圧印加部80によるバイアス電圧の印加を各々停止させると共に、電流の検出結果の取り込み及び回転位相の検出結果の取り込みも停止する。
次のステップ112では、インピーダンス検出部82から取り込んだ電流の検出結果、すなわち検出期間内における電流(インピーダンス)の変動を表す検出結果に対し、当該電流(インピーダンス)の変動からフーリエ変換によって複数種の周波数成分を抽出し、抽出した複数種の周波数成分の各々の周波数、振幅及び位相を各々検知する周波数解析を行う。この周波数解析によって抽出される周波数成分の一例を図5(A)に示す。図5(A)からも明らかなように、上記の周波数解析により、インピーダンス検出時に印加したバイアス電圧の交流成分に相当する周波数成分IAC以外に、感光体16の偏心等に起因するインピーダンス変動に相当する周波数成分IDRSや、現像ロール28の偏心等に起因するインピーダンス変動に相当する周波数成分IDEVも抽出される。なお、図5(A)にはバイアス電圧の直流成分に相当する成分IDCも示されているが、本実施形態ではインピーダンス検出時に印加するバイアス電圧の直流成分を0Vとしているので、このバイアス電圧の直流成分に相当する成分IDCは本実施形態では抽出されない。
上記の周波数解析によって抽出された各周波数成分のうち、インピーダンス検出時に印加したバイアス電圧に相当する周波数成分以外の周波数成分(周波数成分IDRS及び周波数成分IDEV)は、感光体16及び現像ロール28が回転駆動されている間の感光体16と現像ロール28との間隙のインピーダンスの変動(感光体16と現像ロール28との間隙の大きさの変動)に相当する成分であり、これらの周波数成分によって表される感光体16と現像ロール28との間隙の大きさの変動が、感光体16と現像ロール28との間隙に生ずる電界強度の変動を引き起こし、現像後の画像上で周期的な濃度変動(バンディング)として現れる。このため、本実施形態ではインピーダンス変動に相当する周波数成分IDRS及び周波数成分IDEVを補正対象とし、画像形成時に印加するバイアス電圧に、補正対象の周波数成分と逆相の周波数成分を加え、補正対象の周波数成分を打ち消す(或いは低減する)ことによって周期的な濃度変動を補正するために、次のステップ114以降において、補正対象の周波数成分と逆相の周波数成分を規定するパラメータを求める処理を行う。
なお、補正対象の周波数成分は周波数成分IDRS,IDEVに限られるものではなく、バイアス電圧に相当する周波数成分以外の周波数成分として、周波数成分IDRS,IDEV以外の他の周波数成分も存在していた場合、当該他の周波数成分を一律に補正対象に含めるようにしてもよいし、当該他の周波数成分が所定の条件(例えば振幅が所定値以上、或いは周波数が画像上の濃度変動として視認され易い所定範囲内等)を満たしたときに補正対象に含めるようにしてもよい。
ステップ114では、ステップ112の周波数解析(フーリエ変換)によって得られた複数種の周波数成分から、補正対象の周波数成分として、感光体16の偏心等に起因するインピーダンス変動に相当する周波数成分IDRSと、現像ロール28の偏心等に起因するインピーダンス変動に相当する周波数成分IDEVを各々抽出する。なお、感光体16の偏心等に起因するインピーダンス変動に相当する周波数成分IDRSは感光体16の回転周期の逆数に相当する周波数となり、現像ロール28の偏心等に起因するインピーダンス変動に相当する周波数成分IDEVは現像ロール28の回転周期の逆数に相当する周波数となるので、上記の各周波数成分IDRS,IDEVは既知の感光体16及び現像ロール28の回転周期に基づいて識別することができる。
また、本実施形態では補正対象の個々の周波数成分毎に予め補正係数が設定されており、個々の周波数成分毎の補正係数は制御部70の記憶部に記憶されたテーブルに各々登録されている。ステップ116では、補正対象の個々の周波数成分毎の補正係数を上記テーブルから各々読み出し、ステップ112の周波数解析で検知した補正対象の個々の周波数成分の振幅に、テーブルから読み出した補正係数を乗ずることで、補正対象の個々の周波数成分毎に、対応する補正用の逆相成分の振幅を各々決定する。上記の補正係数は、値が1.0であれば「全補正(補正強度最大)」、値が0であれば「補正無し」となるので、補正対象の個々の周波数成分毎に1.0〜0の数値範囲内の適当な値が設定されている。
具体的には、補正対象の各周波数成分IDRS,IDEVは周波数が互いに相違しているので、周波数成分IDRSによって表されるインピーダンス変動に起因して画像上に現れる周期的な濃度変動と、周波数成分IDEVによって表されるインピーダンス変動に起因して画像上に現れる周期的な濃度変動についても、画像上での視認され易さが相違している。このため、補正対象の個々の周波数成分毎の補正係数は、個々の周波数成分に対応して画像上に現れる周期的な濃度変動の画像上での視認され易さに基づき、個々の周波数成分毎に最適化されている。具体的には、対応する濃度変動が画像上で視認され難い周波数成分に対しては、補正係数が比較的小さい値に設定され、対応する濃度変動が軽減される程度の補正強度とされている一方で、対応する濃度変動が画像上で視認され易い周波数成分に対しては、補正係数が比較的大きい値に設定され、比較的強い補正強度で濃度変動が補正されるように設定されている。これにより、視覚的に最適な補正結果が得ることができる。なお、上記事項は請求項8記載の発明に対応している。
また、補正対象の個々の周波数成分の振幅の大きさは、印加されたバイアス電圧の実効値の大きさに応じて変化するので、ステップ116において、バイアス電圧印加部80によって印加されるバイアス電圧の実効値がインピーダンス検出時と画像形成時とで相違している場合には、インピーダンス検出時及び画像形成時に印加されるバイアス電圧の実効値を各々読み出し、補正対象の個々の周波数成分の振幅に、インピーダンス検出時と画像形成時のバイアス電圧の実効値の比を更に各々乗ずることで、逆相成分の振幅を各々決定する。
次のステップ118では、感光体16の偏心等に起因するインピーダンス変動に相当する周波数成分IDRSについて、ステップ112の周波数解析で検知した位相と、回転位相検出部76によって検出された感光体16の回転位相との位相差φを演算する。そして、演算した位相差φに位相差πを加えた値を、周波数成分IDRSと逆相となる周波数成分(逆相成分I'DRS)と感光体16の回転位相との位相差として決定する。一例として、感光体16の回転位相として図6(A)に示すような回転位相が回転位相検出部76によって検出され、周波数解析で検知した周波数成分IDRSの位相が図6(B)に示すような位相であった場合、位相差φとして図6(B)に示すような位相差φが算出され、図6(C)に示すように、逆相成分I'DRSと感光体16の回転位相との位相差が(φ+π)に決定される。これにより、図6(B)と図6(C)を比較しても明らかなように、逆相成分I'DRSを周波数成分IDRSと逆相にするための逆相成分I'DRSと感光体16の回転位相との位相差を求めることができる。
また同様に、現像ロール28の偏心等に起因するインピーダンス変動に相当する周波数成分IDEVについて、ステップ112の周波数解析で検知した位相と、回転位相検出部78によって検出された現像ロール28の回転位相との位相差φを演算する。そして、演算した位相差φに位相差πを加えた値を、周波数成分IDEVと逆相となる周波数成分(逆相成分I'DEV)と現像ロール28の回転位相との位相差として決定する。これにより、逆相成分I'DEVを周波数成分IDEVと逆相にするための逆相成分I'DEVと現像ロール28の回転位相との位相差を求めることができる。
そしてステップ120では、補正対象の個々の周波数成分について、補正用の逆相成分の周波数としてステップ112の周波数解析で検知した補正対象の個々の周波数成分の周波数を、逆相成分の振幅としてステップ116で決定した振幅を、逆相成分の位相としてステップ118で決定した感光体16又は現像ロール28の回転位相との位相差を、変調データ取得対象の所定色の変調データ(補正対象の個々の周波数成分と逆相の周波数成分を規定するパラメータ)として記憶部に各々登録する。次のステップ122では、上述したステップ100〜ステップ120を現像装置24の全ての現像色に対して行ったか否か判定する。判定が否定された場合はステップ100へ戻り、ステップ122の判定が肯定される迄ステップ100〜ステップ122を繰り返す。これにより、現像装置24の全ての現像色について変調データが記憶部に各々登録された後にステップ122の判定が肯定され、変調データ取得処理を終了する。
なお、上述した変調データ取得処理におけるステップ112〜120は、次に説明する現像バイアス変調時処理と共に、本発明に係る変調手段(より詳しくは請求項7〜請求項9に記載の変調手段)に対応している。なお、上記では逆相成分I'DRS、I'DEVの周波数、振幅及び位相差を各現像色について各々求めていたが、感光体16の偏心等に起因するインピーダンス変動に相当する周波数成分IDRSは現像色に拘わらず一定である可能性が高いので、特定の現像色についてのみ逆相成分I'DRS、I'DEVの周波数、振幅及び位相差を求める一方、他の現像色については逆相成分I'DEVの周波数、振幅及び位相差のみを求め、逆相成分I'DRSの周波数、振幅及び位相差については各現像色で共通に用いるようにしてもよい。
続いて、画像形成装置10による画像形成時に制御部70で実行される現像バイアス変調時処理について、図7を参照して説明する。現像バイアス変調時処理では、まずステップ130において、現像装置24の各色の現像器26Y、26M、26C、26Kのうち、これから現像処理を行う所定色(現像対象色)の現像器26の現像ロール28が現像位置へ移動するように、収容体回転駆動部によって現像装置24の収容体を回転させる。また、ステップ132では現像対象色の変調データを記憶部から取り込み、次のステップ134では、感光体回転駆動部72によって感光体16の回転駆動を開始させると共に、現像位置へ移動させた現像ロール28の回転駆動を現像ロール回転駆動部74によって開始させる。
なお、次のステップ136〜ステップ142の処理が行われている間、当該処理と並行して、感光体16の外周面上に現像対象色の静電潜像を形成する処理が行われる。次のまたステップ136では、バイアス電圧印加部80によって現像ロール28と感光体16との間に印加されるバイアス電圧のうち、直流電源部80Aによって発生されるバイアス電圧の直流成分のレベルが所定の高電圧となり、かつ交流電源部80Bによって発生されるバイアス電圧の交流成分の波形が、画像形成用の所定の波形(例えば現像性向上が期待できる矩形波)となるように、直流成分のレベル及び交流成分の波形をバイアス電圧印加部80に設定する。
次のステップ138では、感光体16及び現像位置に位置している現像ロール28の回転位相を回転位相検出部76,78によって検出させ、回転位相検出部76,78による感光体16及び現像ロール28の回転位相の検出結果を順次取り込む。またステップ140では、ステップ138で取り込んだ感光体16及び現像ロール28の回転位相の検出結果と、先のステップ132で取り込んだ現像対象色の変調データのうち、逆相成分I'DRSと感光体16の回転位相との位相差、及び、逆相成分I'DEVと現像ロール28の回転位相との位相差に基づき、感光体16及び現像ロール28の回転位相を基準として、バイアス電圧に重畳する逆相成分I'DRS、I'DEVの位相を各々検知する。
そしてステップ142では、先のステップ132で取り込んだ現像対象色の変調データに含まれる逆相成分I'DRS、I'DEVの周波数及び振幅を、ステップ140で検知した逆相成分I'DRS、I'DEVの位相と共にバイアス電圧印加部80に設定する。バイアス電圧印加部80は、設定された周波数、振幅、位相の周波数成分、すなわち感光体16の偏心等に起因するインピーダンス変動に相当する周波数成分IDRSの逆相成分I'DRS、及び、現像ロール28の偏心等に起因するインピーダンス変動に相当する周波数成分IDEVの逆相成分I'DEVを発生させ、発生させた逆相成分I'DRS、I'DEVを、現像ロール28と感光体16との間に印加しているバイアス電圧に重畳する。
逆相成分I'DRS、I'DEVが重畳されたバイアス電圧が現像ロール28と感光体16との間に印加されている状態で、感光体16の外周面のうち現像対象色の静電潜像が形成された箇所が現像位置に到達すると、現像位置に到達した静電潜像は、現像装置24の現像ロール28によって供給されるトナーにより所定色の画像として現像されるが、この間、周波数成分IDRSによって表されるインピーダンス変動(に起因する電界強度の変動)は、バイアス電圧に重畳されている逆相成分I'DRSによって打ち消されるか、又は低減されると共に、周波数成分IDEVによって表されるインピーダンス変動(に起因する電界強度の変動)も、バイアス電圧に重畳されている逆相成分I'DEVによって打ち消されるか、又は低減されるので(図5(B)も参照)、現像ロール28によって現像される画像に、インピーダンス変動に起因する周期的な濃度変動が現れることが防止される。
次のステップ144では現像対象色の画像形成(現像)が完了したか否か判定する。この判定が否定された場合は、判定が肯定される迄ステップ144が繰り返され、この間、上記のように逆相成分I'DRS、I'DEVが重畳されたバイアス電圧の印加が継続される。また、ステップ144の判定が肯定されるとステップ146へ移行し、バイアス電圧印加部80によるバイアス電圧の印加を停止させる。次のステップ148では、現像装置24の全ての現像色について現像を行ったか否か判定する。判定が否定された場合はステップ130に戻り、ステップ148の判定が肯定される迄ステップ130〜ステップ148を繰り返す。
これにより、各現像色の静電潜像の現像に際し、先の変調データ取得処理によって各現像色毎に周波数、振幅及び位相が求められた逆相成分I'DRS、I'DEVが重畳されたバイアス電圧が印加されることで、各現像色に現像された画像にインピーダンス変動に起因する周期的な濃度変動が現れることが各々防止される。そして、これら各色の画像が中間転写ベルト30上で重ね合わされて記録紙に転写・定着されることで、インピーダンス変動に起因する周期的な濃度変動(バンディング)の無い高画質のフルカラー画像を得ることができる。
なお、上記ではインピーダンス検出部82によって検出される電流の波形が、電流が流れる期間が長期間化する波形となるように、インピーダンス検出時に印加するバイアス電圧の交流成分の波形(及び周波数)を画像形成時を相違させる態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例として図8には、バイアス電圧を印加するためにバイアス電圧印加部80と現像ロール28との間に設けられた電気配線の途中に、電気抵抗86と、バイアス電圧印加部80と現像ロール28との間に電気抵抗86を挿入するか電気抵抗86の挿入を解除するかを切替可能なスイッチング部88が設けられた構成が示されている。この構成において、検出感度増大部70Cは、インピーダンス検出時にはバイアス電圧印加部80と現像ロール28との間に電気抵抗86が挿入され、画像形成時にはバイアス電圧印加部80と現像ロール28との間への電気抵抗86の挿入が解除されるように、スイッチング部88を切り替える。
上記のように、バイアス電圧印加部80と現像ロール28との間に電気抵抗86を挿入した場合、感光体16と現像ロール28の間隙から成るC(キャパシタンス)とR(電気抵抗86)の直列回路にバイアス電圧が印加されることになるので、インピーダンス検出時に印加されるバイアス電圧の交流成分の波形が図9(A)に示すような矩形波形であったとしても、図9(C)にも示すように、矩形波形の立ち上がり時及び立ち下がり時における電流の変化が緩やかになり(時定数τ=RC)、電気抵抗86の挿入を解除した場合の電流の波形(すなわち画像形成時における電流の波形)を示す図9(B)と比較しても明らかなように、電流の流れている期間が長期間化する。これにより、インピーダンス検出部82による電流の検出精度を向上させることができる。また、外来ノイズ等が発生したとしても、その外来ノイズ等がインピーダンス検出部82による電流の検出精度に及ぼす影響が軽減されるので、インピーダンス検出部82による電流(インピーダンス)の検出精度を安定的に向上させることができる。また、画像形成時には電気抵抗86の挿入が解除されるので、電気抵抗86が画像形成時に悪影響を及ぼすことも防止することができる。なお、上記態様は請求項6記載の発明に対応している。
また、上記では現像ロール28及び感光体16の回転の位相を各々検出する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば感光体の回転周期が現像ロールの回転周期の整数倍で、感光体と現像ロールが同一の期間に回転駆動される等の場合には、現像ロールの回転の位相のみを検出し、現像ロールの回転の位相を検出した結果から感光体の回転の位相を推定するようにしてもよい。また、現像ロールの偏心等に起因する周期的な濃度変動と感光体の偏心等に起因する周期的な濃度変動の一方が視覚的に目立たない周期で発生する等の場合には、現像ロール及び感光体の一方についてのみ、回転の位相を検出して偏心等に起因する周期的な濃度変動を補正するようにしてもよい。
また、上記では現像ロール28及び感光体16の回転の位相を各々検出する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先に説明した変調データ取得処理(図3)で周波数解析を行うことで、周波数成分IDRS、IDEVの周波数及び位相が既知となり、これに伴って逆相成分I'DRS、I'DEVの周波数及び位相も既知となるので、画像形成の直前に変調データ取得処理を行い、現像ロール28及び感光体16の回転駆動を継続したまま画像形成を行う(現像バイアス変調処理(図7)を行う)場合には、既知となった逆相成分I'DRS、I'DEVの周波数及び位相をそのまま用いることで、現像ロール28及び感光体16の回転位相を検出することなくバイアス電圧に逆相成分I'DRS、I'DEVを重畳させることも可能である。
更に、上記ではインピーダンス検出部82によるインピーダンス(電流)の検出結果に対して周波数解析(フーリエ変換)を行うことで複数種の周波数成分を抽出し、抽出した複数種の周波数成分のうち感光体16の偏心等に起因するインピーダンス変動に相当する周波数成分IDRS、及び、現像ロール28の偏心等に起因するインピーダンス変動に相当する周波数成分IDEVの周波数、振幅及び位相を検知することで、逆相成分I'DRS、I'DEVの周波数、振幅及び位相を検知し、バイアス電圧に逆相成分I'DRS、I'DEVを重畳させることで、インピーダンス変動に起因する周期的な濃度変動を補正していたが、本発明は、上記のようにインピーダンス(電流)の検出結果に対して周波数領域での解析を行い、周波数領域で表される補正量を求め、インピーダンス変動に起因する周期的な濃度変動を補正することに限られるものではなく、インピーダンス(電流)の検出結果に対して時間領域での演算を行うことで時間領域で表される補正量を求め、当該補正量に基づいてインピーダンス変動に起因する周期的な濃度変動を補正することも可能である。
すなわち、インピーダンス検出部82によって検出される電流f(t)の波形の一例を図10(B)に示すが、この電流f(t)の波形は、感光体16と現像ロール28との間隙のインピーダンスが一定の場合にバイアス電圧の印加に伴って流れる電流s(t)(図10(A)に示す「バイアス成分」も参照)の波形に、感光体16の偏心等に起因するインピーダンス変動によって生ずる電流変動成分n1(t)(図10(A)に示す「感光体起因変動成分」も参照)の波形と、現像ロール28の偏心等に起因するインピーダンス変動によって生ずる電流変動成分n2(t)(図10(A)に示す「現像ロール起因変動成分」も参照)の波形が重ね合わされることで形成されている(次の(1)式も参照)。
f(t)=s(t)+Σni(t) …(1)
ここで、理想的な電流波形は電流s(t)の波形であり、電流s(t)の波形(各時刻における電流s(t)の値)は演算によって求めることができる。このため、インピーダンス変動を完全に打ち消して電流波形を電流s(t)の波形に一致させる補正は、次の(2)式に従って補正値s'(t)の波形(より詳しくは各時刻における補正値s'(t)の値)を求め(例えば電流s(t)、電流変動成分n1(t),n2(t)が図10(A)に示すような波形で、電流f(t)が図10(B)に示すような波形の場合、補正値s'(t)は図10(C)に示すような波形となる)、
s'(t)=Σni(t)=f(t)−s(t) …(2)
画像形成時の各時刻に印加するバイアス電圧の交流成分の大きさを、各時刻における補正値s'(t)の値に応じて変調する処理を行うことによって実現できる。これにより、インピーダンス変動に起因する周期的な濃度変動を補正することができる。
上記方式は先に説明した周波数領域での解析と異なり、個々の電流変動成分n1(t),n2(t)の周波数や振幅、位相が未知のままであるので、先に説明したバイアス電圧に逆相成分I'DRS、I'DEVを重畳させる補正のように、補正係数を用いて補正強度(ゲイン)を調整する場合にも、個々の電流変動成分毎に補正係数の値を相違させ、個々の電流変動成分毎に別個に補正強度(ゲイン)を調整して補正を行うことは困難である。
s'(t)=a0(Σni(t))=a0(f(t)−s(t)) …(3)
このため、上記(3)式に示すように、各時刻における補正値に補正係数として一定値a0を乗じた値を補正値s'(t)とすることで、補正強度(ゲイン)を調整する方式が現実的である。
また、上記では本発明に係る画像形成装置の一例として、感光体16の外周面に各色の画像を順次形成すると共に、形成した画像を中間転写ベルト30に順次転写することで、各色の画像を中間転写ベルト上で重ね合わせる構成の画像形成装置を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、感光体上の同一箇所に各色の画像を順次形成することで、各色の画像の重ね合わせも感光体上で行う構成の画像形成装置や、現像色数と同数の感光体上で各色の画像を並列に形成した後に、中間転写体上で各色の画像を重ね合わせる構成の画像形成装置、或いはモノクロ画像を形成する画像形成装置等、公知の各種構成の画像形成装置に本発明を適用可能であることは言うまでもない。また、本発明は感光体がベルト状とされた画像形成装置にも適用可能である。
本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 制御部及びその周辺の概略構成の一例を示すブロック図である。 変調データ取得処理の内容を示すフローチャートである。 (A)は画像形成時のバイアス電圧の交流成分の波形、(B)は電流波形、(C)及び(E)はインピーダンス検出時のバイアス電圧の交流成分の波形、(D)及び(F)は電流波形の一例を各々示す線図である。 (A)は周波数解析によって抽出される周波数成分の一例、(B)は周波数解析の結果に基づくバイアス電圧変調の一例を各々示す線図である。 (A)は感光体又は現像ロールの回転位相、(B)は周波数解析によって抽出されたインピーダンス変動成分、(C)はインピーダンス変動成分の逆相成分の一例を各々示す線図である。 現像バイアス変調処理の内容を示すフローチャートである。 制御部及びその周辺の概略構成の他の例を示すブロック図である。 (A)は画像形成時のバイアス電圧の交流成分の波形、(B)は電流波形、(C)は電気抵抗を挿入した場合の電流波形を各々示す線図である。 (A)は各種成分の電流波形、(B)はインピーダンス検出部によって検出される電流波形、(C)は補正波形の一例を各々示す線図である。
符号の説明
10 画像形成装置
16 感光体
24 現像装置
28 現像ロール
70 制御部
70A 変調データ生成部
70B バイアス電圧変調部
70C 検出感度増大部
70D 変調データ記憶部
72 感光体回転駆動部
74 現像ロール回転駆動部
76,78 回転位相検出部
80 バイアス電圧印加部
82 インピーダンス検出部
86 電気抵抗

Claims (9)

  1. 間隙を隔てて配置された現像ロール及び感光体を各々回転させる回転駆動手段と、
    画像形成時に、前記回転駆動手段によって各々回転される前記現像ロールと前記感光体との前記間隙に現像剤を供給することで、前記感光体に形成された静電潜像を現像する現像手段と、
    前記現像ロールと前記感光体との間にバイアス電圧を印加する印加手段と、
    画像非形成期間に、前記回転駆動手段によって前記現像ロール及び前記感光体が各々回転され、かつ前記印加手段によってバイアス電圧が印加されている状態で、前記バイアス電圧の印加に伴って流れる電流を検出することで、前記現像ロール及び前記感光体の各々の回転に伴う前記間隙のインピーダンスの変動を検出する検出手段と、
    前記検出手段による前記間隙のインピーダンスの変動の検出結果に基づいて、前記画像形成時に前記印加手段によって印加されるバイアス電圧を、前記現像ロール及び前記感光体の各々の回転に伴う前記間隙の大きさの変動による影響が軽減又は解消されるように変調する変調手段と、
    前記検出手段による電流検出時に、前記電流が流れる期間を長期間化することで前記検出手段の検出感度を増大させる感度増大手段と、
    を含む画像形成装置。
  2. 前記印加手段は、画像形成時に前記バイアス電圧として所定波形の交流成分を含む電圧を印加し、
    前記感度増大手段は、前記検出手段による電流検出時に前記印加手段によって印加される前記バイアス電圧の前記交流成分の波形を、前記画像形成時の前記交流成分の波形と相違させることで、前記検出手段の検出感度を増大させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 画像形成時に前記印加手段によって印加される前記バイアス電圧の交流成分の波形は矩形波形であり、
    前記感度増大手段は、前記検出手段による電流検出時に、前記印加手段によって印加される前記現像バイアス電圧の前記交流成分の波形を正弦波形へ切り替えることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 画像形成時に前記印加手段によって印加される前記バイアス電圧の交流成分の波形は矩形波形であり、
    前記感度増大手段は、前記検出手段による電流検出時に、前記印加手段によって印加される前記現像バイアス電圧の前記交流成分の波形を三角波形へ切り替えることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  5. 前記感度増大手段は、前記検出手段による電流検出時に、前記印加手段によって印加される前記バイアス電圧の前記交流成分の周波数を前記画像形成時よりも低下させることを特徴とする請求項2〜請求項4の何れか1項記載の画像形成装置。
  6. 前記感度増大手段は、前記検出手段による電流検出時に、前記間隙から成るキャパシタンスに直列に抵抗を挿入することで、前記検出手段の検出感度を増大させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  7. 前記変調手段は、前記検出手段によって検出された前記間隙のインピーダンスの変動から複数種の周波数成分を抽出し、抽出した複数種の周波数成分のうち補正対象の個々の周波数成分の周波数、振幅及び位相に基づいて、前記画像形成時に前記印加手段によって印加されるバイアス電圧に、前記補正対象の個々の周波数成分と逆相の周波数成分が各々加わるように、前記画像形成時に印加される前記バイアス電圧を変調することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項記載の画像形成装置。
  8. 前記補正対象の周波数成分に対する補正係数を前記補正対象の個々の周波数成分毎に記憶する記憶手段を更に備え、
    前記変調手段は、前記画像形成時に前記印加手段によって印加されるバイアス電圧に、前記補正対象の個々の周波数成分と逆相の周波数成分として、前記補正対象の個々の周波数成分の振幅に、前記記憶手段に記憶されている対応する補正係数を乗じた振幅の周波数成分が各々加わるように、前記画像形成時に印加される前記バイアス電圧を変調することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 前記現像ロール及び前記感光体の少なくとも一方の回転の位相を検出する位相検出手段を更に備え、
    前記変調手段は、前記位相検出手段によって検出された画像形成時の前記現像ロール又は前記感光体の回転の位相に基づいて、前記補正対象の周波数成分のうち、前記回転の位相が検出された前記現像ロール又は前記感光体に対応する特定の補正対象の周波数成分に対して前記画像形成時に逆相となる周波数成分の位相を検知することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
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