JP2009286943A - 有機顔料の製造方法、有機顔料及びそれを用いた着色顔料組成物 - Google Patents

有機顔料の製造方法、有機顔料及びそれを用いた着色顔料組成物 Download PDF

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Abstract

【解決課題】顔料粒子の粒径が不均一な状態となる結果、該顔料を含有する着色剤の光沢が不十分となるという問題に対し、均一な粒径の顔料粒子を有する有機顔料及びその製造方法、有機顔料を含有する着色顔料組成物を提供する。
【解決手段】有機顔料セミクルードと有機溶剤ガスを減圧下で、混合攪拌して顔料化する有機顔料の製造方法によって、従来よりも均一な粒径の顔料粒子を得ることができ、得られた有機顔料を用いてなした着色は光沢や着色力に優れる。好適には、減圧が0.13〜80kPaである有機顔料の製造方法、有機顔料及びそれを含有する着色顔料組成物。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機顔料セミクルードからの有機顔料の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、有機顔料セミクルードを有機溶剤の存在下で顔料化工程を行う有機顔料の製造方法に関する。
有機顔料には、アゾ系化合物のように合成後そのままで着色剤に利用できるものと、そのままでは利用できないものとがある。例えば金属フタロシアニンやジオキサジンの芳香族多環系化合物のようにそのままで着色剤に利用できず、粒子サイズを調整してはじめて有機顔料として着色剤に利用できるものがある。この粒子サイズの調整を行う工程を顔料化工程と称する。
合成等によって得られ、そのままで着色剤に利用できない粗大顔料はクルードという。該クルードを磨砕して得られる有機顔料前駆体を有機顔料セミクルードという。有機顔料セミクルードは粗大顔料と異なり、一次粒子の平均粒子径(平均一次粒子径)が0.001〜0.01μmの微細な粒子であるが、該微粒子同士が強く凝集して着色剤としてそのままで使用することは困難である。
着色剤として有用な有機顔料の平均一次粒子径は0.02〜0.2μmである。
例えば金属フタロシアニンセミクルードから顔料を得る方法としては代表的に2つの方法が知られている。
1.ニーダー等を用いて食塩やジエチレングリコール等と共に加温磨砕するソルベントソルトミリング処理によってフタロシアニン顔料を得る方法。
2.セミクルードをアルコール類、または芳香族溶剤等の有機溶剤類と共に加熱し混合攪拌するソルベント処理によってフタロシアニン顔料を得る方法(特許文献1及び2)。
前記1の方法では、顔料凝集体は凝集体自体の磨砕と同時に一次粒子も磨砕されるため微細化された顔料が得られ、着色剤とした際の着色力は比較的高いという利点がある。その一方で磨砕助剤と共に機械による強力な磨砕力が働き、前記2の方法の5〜10倍の所要動力を要する。また製造に用いた磨砕助剤としての大量の無機塩類を製造後に顔料から分離する工程が必要である。このような課題があるため汎用の有機顔料を製造する場合にはその生産性は良くなかった。
前記2の方法では、所要動力が小さく製造工程も少ないため生産性が良好な方法である。その一方で、前記1の方法に比べ粗大な顔料凝集体の解凝集が十分にできず、顔料粒子の粒子径が不均一な状態となる結果、該顔料を含有する着色剤の光沢が不十分となるという課題があった。また、本方法において有機溶剤の添加方法においては、有機顔料セミクルードに対して過剰の有機溶剤に晒されることによって有機顔料セミクルードのいわゆるダマが形成されることがあり、前期2の方法のように所要動力が小さいままでは攪拌できなくなるという問題があった。
特開2001−261998 特開2002−88269
本発明者は、上記した実情に鑑み、光沢・彩度の高い着色剤を得るために、有機顔料セミクルードを減圧下で、有機溶剤ガスを攪拌混合してなる顔料化方法によって有機顔料を得ることで、前記1の方法のような高い機械的応力を要さない有機顔料の製造方法を提供しようとするものである。具体的には有機溶剤ガスを有機顔料セミクルードと接触させる際に、減圧下セミクルード細孔の空気を脱気しておき、従来到達しなかったセミクルードの細孔内部にまで有機溶剤ガスを到達させるようにすることで、均一な粒径の顔料粒子を製造するという課題を解決した。
すなわち本発明は、均一な粒径の顔料粒子を有する有機顔料を製造する方法を提供する。
本発明は、上記目的を達成するために、有機顔料セミクルードを有機溶剤の雰囲気下で混合攪拌する従来の方法において、密閉式容器を適用して、減圧下で有機溶剤ガスが有機顔料セミクルードの細孔内部にまで到達できるようにしたものである。
本発明の有機顔料の製造方法は、主に次の(1)〜(6)からなる。
有機顔料セミクルードを有機溶剤の雰囲気下で混合攪拌する従来の方法において、
(1)有機溶剤ガスと有機顔料セミクルードを減圧下で混合攪拌することを特徴とする有機顔料の製造方法。
(2)0.13〜80kPaの減圧下である前記(1)に記載の有機顔料の製造方法。
(3)有機溶剤の量が乾式磨砕された有機顔料セミクルード100重量部に対し、1〜50重量部であることを特徴とする前記(1)に記載の有機顔料の製造方法。
(4)混合攪拌をさらに温度10〜150℃で行うことを特徴とする前記(1)に記載の有機顔料の製造方法。
さらに、
(5)有機顔料セミクルードが銅フタロシアニンである場合、特に優れた解凝集性と均一な粒径の有機顔料の製造に効果を発揮する有機顔料の製造方法、
(6)有機顔料セミクルードを、回転駆動可能に設けられている回転軸と、該回転軸に取り付けられている攪拌羽根と、前記攪拌羽根とは独立して、より高速に回転駆動できる高速攪拌羽根と、有機溶剤の供給口とをそれぞれ配する攪拌機にて攪拌することを特徴とする(1)に記載の有機顔料の製造方法。
(7)(1)〜(6)に記載の有機顔料の製造方法で得られた有機顔料は、均一な粒径を達成でき、
(8)粒子径分布が、0.02μm未満の粒子が全体の10%未満、0.2μmを超える粒子が全体の10%未満である(7)に記載の有機顔料が得られる。
(9)(1)〜(6)に記載の有機顔料の製造方法で得られた有機顔料を含有する着色顔料組成物を用いて着色した際には、高い光沢・彩度を発揮する、ものである。
本発明の有機顔料の製造方法によって得られる有機顔料は粒径が均一で、これを用いて平版インキを調製すると、従来よりも高い光沢・彩度を有するインキが得られるという格別顕著な効果を奏する。
本発明に用いる有機顔料セミクルードとしては、フタロシアニン顔料セミクルード、ジオキサジン顔料セミクルード、インダンスロンブルー顔料セミクルード、キナクリドン顔料セミクルード、イソインドリノン顔料セミクルード、ジケトピロロピロール顔料セミクルードから選ばれる芳香族多環系化合物の1種であることが好ましい。
本発明の有機顔料の製造方法に用いる有機顔料として例えばフタロシアニンのセミクルードは、中心金属を有する金属フタロシアニンまたはメタルフリーのフタロシアニンがあり、公知の方法で製造することができる。銅、亜鉛、ニッケル、またはコバルトを中心金属とするフタロシアニン、もしくはメタルフリーのフタロシアニンを用いると、とくに高鮮明で、色材としての利用価値の高い、銅、亜鉛、ニッケル、またはコバルトを中心金属とするε型金属フタロシアニン顔料、もしくはメタルフリーのε型フタロシアニン顔料が得られる。
本発明に用いる有機顔料セミクルードは公知慣用の方法で合成された有機顔料クルードを乾式磨砕して得ることができる。
本発明に用いる有機顔料クルードは、従来公知の方法で得ることができる。例えば芳香族多環系顔料として代表的な金属フタロシアニン顔料の場合は、まず、無水フタル酸と尿素と必要に応じて金属化合物とを反応させるワイラー法や、フタロジニトリルと金属化合物とを反応させるフタロジニトリル法によって金属フタロシアニンを得ることができる。一般的にワイラー法やフタロジニトリル法で得られるクルードは、20〜200μm程度の平均一次粒子径を有する粗大なβ型の結晶粒子である(特開平7−70947[0002])。このような有機顔料クルードは粗顔料と称することがある。本発明の方法によって結晶変換を伴って解凝集された高純度のβ型銅フタロシアニンを得ることができることから、色材としての利用価値が高く好適である。
前記した有機顔料クルードから有機顔料セミクルードを製造する方法は限定されず、例えばワイラー法等で得られた金属フタロシアニンクルードの場合、ボールミル、アトライター、振動ボールミル、振動ミル等の機械的手段により乾式磨砕して得ることができる。
本発明に用いる有機顔料セミクルードの一次粒子の平均粒子径(平均一次粒子径)は、有機顔料クルードや有機顔料のそれよりも小さく、0.001〜0.01μmである。このような微細な粒子が強固に凝集して二次粒子を形成して凝集塊となっている。この凝集塊は有機顔料クルードや有機顔料における凝集物よりも大きいものが存在するため、有機顔料としてそのまま用いることはできない。このようなセミクルードも粗顔料と称することがある。
また、本発明に用いる有機顔料セミクルードの中でも銅フタロシアニンセミクルードにおいては、α型フタロシアニンとβ型フタロシアニンの混晶状態にある。さらに結晶変換を伴って解凝集された高純度のβ型銅フタロシアニンを得ることができるものである。
本発明の有機顔料の製造方法において有機顔料セミクルードに対する有機溶剤の作用を詳細に説明する。密閉容器中減圧下にすると、有機顔料セミクルード細孔の空気が脱気され、ここに有機溶剤を導入すると有機溶剤ガスが有機顔料セミクルード細孔にまで到達でき、有機顔料セミクルード細孔がガス化した有機溶剤で満たされるようになる。
このようなガス化した有機溶剤を有機溶剤ガスと称する。有機顔料セミクルードは有機溶剤ガスと接触すると、わずかに顔料一次粒子を結晶成長して展延し、結晶同士の間に応力が生じ、凝集状態が維持できなくなり、凝集がほぐれるようになる。
さらに銅フタロシアニンセミクルードのように結晶変換をしながら顔料化が進行する場合には、外部から与えられる応力以外に結晶変換に伴って生じた結晶間の物理力が介在してさらに解凝集しやすくなる。
この作用は細孔内部の気体が、有機溶剤ガスに置換されているほど起こりやすい。解凝集は、一次粒子同士の強固な凝集体の細孔にまで有機溶剤が行き渡ることによって内部まで一次粒子の結晶が成長して、元の一次粒子同士がパッキングした状態が保持できずに解凝集がすすむことが1つの要因と考えられる。
本発明の有機顔料の製造方法において、有機溶剤は有機顔料セミクルード粒子の分散と有機顔料セミクルードの結晶成長を助長するもので、物理的に成長した結晶がある大きさに成長すると結晶同士の大きな凝集体が維持できなくなり解凝集される。この有機溶剤の役割は有機顔料結晶同士を結合させるバインダーやコーティングを行うものではない。
本発明の有機顔料の製造方法において、用いることができる有機溶剤は、特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、テトラヒドロフラン、エタノールアミン、アニリン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、酢酸セロソルブ、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、軽油、動植物油等を使用できる。また、これらの溶剤を単独あるいは2種類以上混合して使用しても良い。有機溶剤としては沸点が50〜250℃の有機溶剤を用いることが好ましい。
とくに銅フタロシアニン顔料セミクルードを有機顔料とするための結晶制御(結晶成長や結晶変換)の効果は、前記有機溶剤のうち、芳香族炭化水素が最も大きく、ついでアルコール、脂肪族炭化水素、動植物油の順で効果が小さくなるが、本発明においてはアルコール程度の結晶成長効果を有する有機溶剤が好ましい。
より好ましくは、炭素数1〜16の飽和または不飽和で、脂肪族、脂環式または芳香族のアルコール類である。例えば2−ブチルアルコールは沸点108℃で、蒸気圧1.33kPa(25℃)であり、0.13〜80kPaの減圧下であれば40℃以上の条件下で十分な蒸気が得られるため、好ましい。
本発明の有機顔料の製造方法において、有機顔料セミクルードと共に調色顔料、各種表面処理剤、分散剤等を本発明の有機顔料セミクルードの解凝集による顔料化を促進させる目的で配合しても差し支えない。表面処理剤としては、ロジン類、顔料誘導体、樹脂ワニス、有機または無機金属塩等があげられる。
例えばロジン変性フェノール樹脂は、容器への付着を抑制しながら顔料を攪拌混合できる点、平版インキ用途に使用する場合において平版インキ樹脂と同種の樹脂であって相溶性が良いことから表面処理剤として好適である。
本発明の有機顔料の製造方法においては、顔料化にあたり、減圧下で少なくとも粒子状の有機顔料セミクルードの粒子表面を覆うことのできる有機溶剤量が存在していれば、混合攪拌により、非常に優れた光沢と彩度を有する有機顔料が得られる。
本発明に使用する有機溶剤の量は、少なくとも粒子状の有機顔料セミクルード100重量部に対し、1重量部相当量以上で本顔料化が達成でき、50重量部相当量未満であれば、有機溶剤が過剰に暴露することがないため有機顔料セミクルード同士が硬化することなく、より好ましくは10重量部以上30重量部以下に相当する量である。15重量部相当量以上、20重量部以下に相当する量であると、減圧下における解凝集効果がより短時間で発揮できるため攪拌混合の効率が良好となり、さらに好ましい。
本発明の有機顔料の製造方法は、有機顔料セミクルードを有機溶剤の雰囲気下で混合攪拌する従来の方法において、減圧下で有機溶剤を導入し、有機溶剤ガスが有機顔料セミクルードの細孔内部にまで到達できるようにしたことで、従来よりも解凝集され、均一な粒径をした有機顔料を得ることができる。つまり、圧力を0.13〜80kPaの減圧下の状態とし、かつガス化した有機溶剤が維持される温度範囲において、有機顔料セミクルードに特定量の有機溶剤ガスを導入し接触させることが肝要である。
有機溶剤の雰囲気下とは、有機顔料セミクルードの細孔内部まで渉るその表面をガス状となった有機溶剤が薄膜となって覆うような状態を含め有機溶剤が存在する状態を意味する。有機溶剤が本発明のように細孔内部まで十分に接触させることができれば、顔料の倍量以上を用いて行われるソルベントソルトミリングの場合に比べて、混合攪拌に要するエネルギーは顔料の単位重量あたり1/5〜1/10ですむ。
本発明の有機顔料の製造方法においては、単に有機顔料セミクルード粒子の多孔質体に液体が浸透している状態とせず、圧力の低下によっても液体の浸透を助けるものではなく、有機溶剤ガスと接触することが目的である。そのため圧力の低下後に液体に被覆された状態であると同じ条件で攪拌混合しても解凝集は不十分となる。
本発明の有機顔料の製造方法でいう減圧下とは、一般的には外部の大気圧すなわち約101.3kPaよりも低い状態に圧力を低下することをいうが、本発明では80kPa以下とすることで従来よりも解凝集した有機顔料を得ることができる。また、本発明における200℃までの高温下における圧力は、各温度における圧力を示し、この圧力が外部大気圧測定値よりも低いという状態を表わしているが、例えば25℃圧力に換算した場合も80kPa以下となるものである。
さらに製造段階を分けて減圧の状態を詳説する。
有機溶剤を導入する前はいわゆる真空まで圧力を低下してもよい。密閉容器内の圧力の低下によって、有機顔料セミクルードの細孔内にあった空気を排気することができ、有機溶剤ガスとの接触が阻害されないようになる。あらかじめこのように排気しておくことによって大気圧下攪拌して得られた有機顔料に比べ、解凝集され、着色剤として使用した際の着色力を高めることができる。
有機溶剤の導入時における減圧下は、真空〜80kPaの範囲であれば良いが、従来公知の真空機構によって0.13〜80kPaとすることができる。
導入する有機溶剤の状態は液体でもガスであっても良いが、作業の簡便性及び引火等の安全面から、液体の状態で導入を行うことがより好ましい。ここで減圧下で有機溶剤を導入することにより、容器内と導入元との圧力差によって有機溶剤が容器内に吸入される状態となり、有機溶剤の輸送にかかる動力を低減する効果もある。導入時に有機溶剤が液体である場合は、導入前後で100kPaを超えるような著しい圧力変化はない。
0.13〜80kPaの減圧下で有機溶剤液体が有機溶剤ガスに変化するが、攪拌混合中は、容器内を0.13〜80kPaの減圧下に維持していると共に有機溶剤ガス雰囲気下に維持することができる。さらに、容器内を昇温することによって容易に有機溶剤ガスが得られる。減圧下に有機溶剤を導入して有機溶剤ガス雰囲気下とすると、有機溶剤の蒸気圧によって圧力が上昇するが、0.13〜80kPaの減圧下の範囲内とすることで、解凝集が効率良く行える。
0.13〜80kPaの減圧の範囲内であれば、有機溶剤を導入する前の減圧下の状態に圧力を低下させるだけで、有機溶剤の導入後に、さらなる吸引等の減圧を行わず混合攪拌を終了しても十分に粒径が均一な有機顔料を得ることもできるので、本発明の有機溶剤は、密閉容器に付設された吸液機構から容易に導入することができる。例えば吸液機構は密閉容器内との気圧差があればポンプ等の吸液機構を用いないでも容易に有機溶剤を送液できる点で省エネルギーで好適な方法である。
加熱昇温から混合攪拌の終了までは、有機溶剤ガス雰囲気が維持できる状態であればよい。混合攪拌中に吸引等脱気操作を行う場合は、有機溶剤ガスの排出に対し、有機溶剤雰囲気が保てるように、は同時に有機溶剤ガスを導入する等によって有機溶剤ガス雰囲気が維持できるようにしても良い。
本発明の有機溶剤ガスは前記した有機溶剤の量において、気体として作用させるためにはさらに温度を10℃〜150℃の範囲にすると所望の解凝集を達成するために必要な有機溶剤ガスを短時間で発生させることができる。さらに好ましくは、40〜100℃で加熱すれば、より効率良く解凝集することができ所望の有機顔料を得ることができるので、有機溶剤ガスによる顔料セミクルードを得る攪拌時間を短縮することができる。
本発明の有機顔料セミクルードの製造は、公知慣用の排気機構を有する密閉容器中で容易に圧力を低下させて減圧下とすることができる。
この減圧下での顔料化終了後は、容器の密閉状態を開放する等の容器中の減圧下の状態を解除することによって、容器内は常圧に戻すことができる。温度は減圧下の解除前後のいずれかにおいて常温に戻せばよい。有機溶剤排気部に有機溶剤回収機構を設け、密閉容器から有機溶剤を吸引回収することで、有機溶剤が効率良く回収される。その場合は、有機溶剤回収後に、常圧に戻して顔料を回収すればよい。
本発明の有機顔料の製造方法では、有機溶剤を有機顔料セミクルードの100重量部に対し、5〜50重量部とするために有機溶剤供給速度を制御することや、攪拌しながら有機溶剤を供給して有機顔料セミクルードの局所に有機溶剤が過剰に添加されないようにすることで、より均一で良好な解凝集体を得ることができる。
本発明の有機顔料の製造方法において、有機顔料セミクルードを混合攪拌する時間は有機顔料に要求される粒子径の程度に応じて適宜設定できるが、通常3〜10時間、より好ましくは3〜5時間である。
このような本発明の有機顔料の製造方法に好適に用いることができる、減圧可能な密閉容器に設置される回転攪拌機構は、容器内部にあって、内容物全体を攪拌する目的で用いられる。本攪拌によって、乾式または湿式磨砕のような全体に対する強い機械的応力は不要である。縦型容器の場合は容器の深浅で内容物が循環し均一とすることが可能な形状や攪拌条件を実現できる攪拌翼であれば利用可能である。
かかる減圧可能な密閉容器に設置される回転攪拌機構の構成によれば、強固に凝集した有機顔料セミクルードの細孔に有機溶剤を効率よく導入でき、結果として解凝集を促進することができる。
本発明の有機顔料の製造方法は、減圧機構を有する公知慣用の各種攪拌装置が利用できる。減圧機構とは排気部材を有する容器と空気輸送からなり、例えば、アトライター、ハイスピードミキサー、ヘンシェルミキサー、ボールミル、乾燥機、リボコーン、ナウターミキサー、ニーダー、レーディゲミキサー等の真空もしくは減圧機構を有する各種攪拌装置を用いることができる。
本発明の有機顔料の製造方法において、液状の有機溶剤添加時に有機顔料セミクルードに対して局所的に高濃度の有機溶剤が存在すると、有機顔料セミクルードのいわゆるダマやママコが形成される場合がある。これらダマやママコがあっても攪拌混合時間を長時間行えば、解凝集はされる。より攪拌混合による解凝集を短時間で効果的に行うためにはダマやママコが生成しないよう有機溶剤を有機顔料セミクルードの全体に短時間で行き渡らせるとよい。
例えば攪拌機として、通常の攪拌機構以外に高速回転する第二の攪拌機構を独立または通常の攪拌機構に従属するようにするとともに、有機溶剤が該高速回転攪拌機構によって攪拌されている状態の有機顔料セミクルードに導入することによって、より短時間に解凝集された有機顔料を得ることができる。
少なくとも回転駆動可能に設けられている回転軸、該回転軸に取り付けられている攪拌羽根、前記攪拌羽根とは独立して、より高速に回転駆動できる高速攪拌羽根、及び有機溶剤の供給口を具備することが高速回転攪拌機構によって有機溶剤を効率的に拡散させる構成上必要となる。
このような構成によって、高速に回転駆動できる高速攪拌羽根によって、有機溶剤を周囲の有機顔料セミクルードに拡散させることができ、過剰量の有機溶剤が局所に添加された状態とならないようにすることができる。この高速攪拌羽根は、回転軸に取り付けられている攪拌羽根とは独立して、攪拌羽根より高速に回転することによって、有機溶剤液体の拡散を容易にし、有機溶剤ガスとした際に有機顔料セミクルードとの接触機会を高める。
本発明における高速攪拌羽根の回転速度は、1,000〜10,000rpmの範囲で、これは全体を攪拌する攪拌羽根の回転速度よりも高速である。3,000〜10,000rpmの範囲であれば、攪拌機の容量を大きくしたり、有機顔料の製造スケールをアップしたときでも、十分に有機溶剤を拡散することができより好ましい。5,000〜10,000rpmであれば、有機溶剤が全体に拡散されることに加えて、凝集体に加えられた物理力によって、より解凝集しやすくなり、短時間で均一な一次粒子を得ることができるので得られる顔料の粒子径も、より均一となり特に好ましい。
特にハイスピードミキサーやゲブリューダー・レーデイゲ・マシーネンバウ社(GEBR. Loedige, Maschinenbau GmbH)製D−479、松坂技研製FKM−50D、FKN−130Dのようなレーディゲミキサ、太平洋機工製プロシェアーミキサ、アミクソン社(amixon GmbH)製ユニバーサル反応器VMT型混合乾燥機のような高速攪拌羽根を有する攪拌機は、少なくとも局所的に高速攪拌可能な装置は有機溶剤ガス雰囲気下の有機顔料セミクルードから顔料化する際、有機溶剤の作用による凝集塊の解凝集を物理的な力によって補助することができる点で好適であり、特に有機溶剤の局所的な過剰添加の状態を回避できるため好ましい。
まず、図1を基に、本発明に使用される減圧機構を有する攪拌装置について説明する。図1は、本発明に使用される減圧機構を有する攪拌装置としてアミクソン社(amixon GmbH)製ユニバーサル反応器VMT型混合乾燥機の一実施形態を示す側面視の一部断面図である。
図1に示すように、攪拌装置は、供給部1、排気部2、温度調整部3、攪拌部4、5、及び、溶剤供給部6、排出部7とを備え供給部1、排気部2、攪拌部4、5、溶剤供給部6及び排出部7には、その内部または外部に弁や堰板等を有して開閉可能となって開口面積を自在に調節できるか、または開口部と密閉接続できる基本構成を有している。
有機顔料セミクルードは供給部1から攪拌装置の内部に移送される。排気部2は攪拌装置内部の空気及び/又は混合攪拌後の有機溶剤を排気する。有機溶剤は溶剤供給部6から攪拌装置の内部に供給される。有機顔料セミクルードと有機溶剤は攪拌部4と5において攪拌混合される。攪拌混合終了後は、攪拌装置内部の有機顔料を排出部7から取り出すことができる。
攪拌部4には回転速度が任意に調節される回転軸41を備え、回転軸41に複数個のアーム42、42、42、・・・が固定される。これらアーム42、42、42、・・・には、攪拌羽根43が取り付けられる。本実施の形態では攪拌羽根43はリボン形を呈しているが、鋤形すなわちショベル形等有機顔料セミクルード粒子の循環に適した形状の1つ又は複数個の攪拌羽根43を有することが好ましい。有機顔料セミクルードはこれらの攪拌羽根43により、浮遊分散混合される。本実施の形態では、攪拌羽根43の他に、1つ又は複数個の高速回転攪拌羽根5が設けている。攪拌羽根43は高速攪拌羽根5の作動を邪魔することのないよう交差部に切り込みを有していることにより、攪拌羽根43による全体攪拌と高速攪拌羽根5による局所攪拌を兼備できるため好ましい。有機溶剤供給部6から供給された有機溶剤は有機顔料セミクルード粒子間及び粒子内に導入され攪拌部4によって拡散しながら移動する。有機顔料セミクルード粒子と共存する高濃度の有機溶剤を有する有機顔料セミクルードは高速回転攪拌羽根5に到達すると、局所的に高速で攪拌されることによって、周囲の低濃度の有機溶剤を有する有機顔料セミクルードと高速置換する。その結果、有機溶剤を攪拌槽内の有機顔料セミクルード全体へ効率良く拡散させることができる。これによって局所的に高濃度の有機溶剤が存在することによる有機顔料セミクルード粒子凝集によるダマの形成を効果的に抑制することができる。
本発明の有機顔料の製造方法によって得られる有機顔料は従来よりも均一な粒子径が得られる。顔料粒子は透過型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する顔料一次粒子の50個につき、その最大径(長径)を各々求め、それを平均した値である。また一定視野における個数から粒子径の分布を統計的に求めることもできる。得られた粒子群の粒子径分布では、0.02μm未満の粒子が全体の10%未満、0.2μmを超える粒子が全体の10%未満とすることができ、着色剤用の有機顔料として好適である。
本発明の有機顔料を用いた着色剤用組成物としては、着色用途として、平版インキ、グラビアインキ、フレキソインキ等の印刷インキ分野、ラッカー、焼き付け塗料等の塗料分野、ポリオレフィンや熱可塑性ポリエステル等の成形品着色分野、ジェットインキ、カラーフィルター、電子写真粉体トナー等のハイテク分野等の各種の用途にて好適に用いられる有機顔料の含有量と、好適に用いられるその他の成分とによって、公知の方法で得られ、従来の乾式粉砕による有機顔料に比べ、着色力が良好な着色剤組成物とすることができる。
次に、このような攪拌装置によって解凝集処理が施される有機顔料の製造方法及び得られた有機顔料を用いたについて銅フタロシアニンによる実施例として詳細に説明する。
以下、本発明の有機顔料の製造方法を製造例、実施例、及び比較例により詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。「g」の表記はグラムであり、測定質量の単位である。また「%」の表記は、広角X線(CuKα)におけるα型とβ型をあらわすスペクトル強度に基づき、α型とβ型の合計を100%とした際のそれぞれの混合比を表わす場合と、粒子径分布の度数分布の場合と、さらに製造上用いた試薬中の濃度の場合とがそれぞれある。
〔有機顔料セミクルードの製造例1〕
500L乾式アトライターに粗製銅フタロシアニン60000gを加え、90℃で1時間磨砕を行い、磨砕された銅フタロシアニンセミクルードを得た。得られたセミクルードはα型銅フタロシアニン62%とβ銅フタロシアニン48%の混合比であった。
製造例1で得られた銅フタロシアニンセミクルード7000gを35Lの真空攪拌型片持式乾燥機(玉川マシーナリー株式会社製)に仕込み、容器内を真空ポンプで減圧し、容器を密閉した。このとき容器内の圧力は2.7kPaであった。真空乾燥機の攪拌羽根を100rpmとし、イソブタノール1400gを供給口から容器内に注入し、80℃まで加熱し、80℃で4時間攪拌を続けた。このときの容器内圧力は53.3kPaであった。
35L真空回転乾燥機に替えて、50Lレーディゲミキサーで行い、レーディゲミキサーに設置されている攪拌羽根を100rpmとし、高速攪拌羽根を5000rpmで運転した際の容器内の圧力は2.6kPaであった。イソブタノールを投入してから、80℃まで加熱攪拌した。攪拌中の容器内圧力は60kPaであった。その後、減圧乾燥によりイソブタノールを回収し高純度のβ型銅フタロシアニン顔料を得た。
<ジオキサジン粗顔料組成物の調製>
容量5リットルのアトライター(三井鉱山(株)製の「MA−1D型」)に、3/8インチのスチールボール15000g、市販ジオキサジンバイオレット粗顔料(住友化学工業(株)製 Sumitone Fast Violet RL―4R Base;一次粒子径1.0〜100μmの範囲内)400g、及びp−トルエンスルホン酸1水和物〔和光純薬(株)製試薬特級。前記式(1)中、R1はメチル基、R4はSOH、その他のRはいずれも水素原子であり、水和水1モルを含有する物質。〕4.4gを仕込み、水は加えないで、温度90℃、300回転/分で100分間乾式磨砕して、スチールボールを取り除き、p−トルエンスルホン酸を1g含有するジオキサジンバイオレット粗顔料組成物(粉砕粗顔料組成物)401gを得た。この粗顔料組成物の一次粒子径は、電子顕微鏡写真画像に基づく計算から0.01〜0.05μmの範囲内にあった。これを繰り返して得られたジオキサジンバイオレット粗顔料組成物を7000g用いた以外は実施例2と同様の操作でジオキサジンバイオレット顔料組成物を得た。得られた粒子群の粒子径分布では、0.02μm未満の粒子が全体の10%未満、0.2μmを超える粒子が全体の10%未満となっていた。
<δ型インダンスロンブルー顔料の調製>
濃度98%硫酸90000gを仕込んだグラスライニング製反応釜中にインダンスロンブルー粗大粗顔料(DM―LIGHT BLUE KT;三井東圧染料社製)12400gを撹拌しながら徐々に加えて溶解し、さらに濃度98%硫酸10000部を反応釜壁面に付着したインダンスロンブルーを洗浄しながら追加した。60分間撹拌した後、アルミニウム粉末(国産化学社製、試薬一級)49.6gを加え、2時間撹拌した。次いで、水14000gを徐々に加えて、硫酸濃度86%のインダンスロンブルー懸濁液(インダンスロンブルー/濃度86%硫酸の重量比=1/9.2)を得た。得られた懸濁液を60〜70℃で2時間撹拌して、結晶型をα型からδ型に転換させ、次いで、この懸濁液を水682000gを仕込んだゴムライニング製撹拌槽中に取り出し、30分間撹拌した後、フィルタープレスによってろ過およびろ液が中性となるまで水洗して、δ型インダンスロンブルー粗顔料のウェットケーキ(固形分36.9g)を得た。得られたδ型インダンスロンブルー粗顔料のウェットケーキ4065.0g(固形分1500g)を水10935.0gに分散した後、pHを7に調整し、湿式微粉砕前懸濁液15000gを得た。これを解膠し、乾燥粉末化処理して得られたδ型インダンスロンブルー粗顔料を7000g用いて実施例2と同様の操作でδ型インダンスロンブルー顔料を得た。得られた粒子群の粒子径分布では、0.02μm未満の粒子が全体の10%未満、0.2μmを超える粒子が全体の10%未満となっていた。
[比較例1]
製造例1で得られた磨砕物7000gを35L真空回転乾燥機に仕込み減圧にしないで80℃まで加熱し、容器内を回転攪拌羽根で攪拌しながらイソブタノール1400gを容器内に添加した後、80℃で4時間攪拌を続けた。
[比較例2]
製造例1で得られた磨砕物である銅フタロシアニンセミクルード7000gを35L真空回転乾燥機に仕込み、減圧にしないでイソブタノール1400gを容器内に添加してから実施例1と同様に攪拌して容器内を80℃まで加熱しようとしたが、塊が動かず実施例1の回転に要したものと同様の攪拌動力に設定したが、攪拌羽根が回らなかった。
[平版インキの製造例]
実施例1、2及び比較例1で得られた顔料からそれぞれ平版インキを製造した。それぞれ顔料18.0g、インキ用樹脂ワニス(DIC(株)製12×0960)65.0g、石油系溶剤(新日本石油(株)製AF−6ソルベント)15.0gを3本ロールで分散し濃色インキとした。この濃色インキ0.1gと、30gの白色顔料を含有する白インキ2.0gを混合して、淡色インキを作成した。濃色インキはプルーフバウ展色機でアート紙に展色した。淡色インキはヘラで上質紙に展色した。
[光沢評価方法]
本発明で得られた顔料を含有する濃色または淡色インキの展色物をBYK Gardner社製ヘイズグロスメーターを用い、60°光沢を測定した測定値で比較した。
[光学的評価方法]
データカラー(株)製Micro Frash分光光度計を用い、D65光減、10度視野で実施例1、2及び比較例1の顔料を用いて得られた淡色インキを測色した。比較例1の淡色インキでの測定値を標準として、着色力(%)を算出した。鮮明性は、CIELab表色系による彩度で表示した。
Figure 2009286943
実施例2で得られた均一な粒径の銅フタロシアニン顔料の透過型電子顕微鏡観察像を図2に、比較例1で得られた常圧下で顔料化した銅フタロシアニン顔料の透過型電子顕微鏡観察像を図3に示した。図2において、観察像視野全体よりも濃色で形態が粒状で示されているものが銅フタロシアニン顔料粒子であり、最も濃色で示されている部分は撮影した状態における粒子同士の重なりを示している。図2と図3の結果の対比からわかる通り、比較例1の有機顔料の製造方法は、単に昇温して有機溶剤雰囲気下混合攪拌するのみであるため本発明で得られるような粒子径が均一な粒子が得られず粒子径がばらつき、表1のように平版用インキとして展色した際の光沢が低いのに対し、本発明で規定する減圧下顔料化条件で製造を行うことで図2の通り粒子径が均一となり、表1のように光沢が向上し、また高彩度となった。この彩度の5ポイント以上の差は視覚で判断できる有意な差である。
また、銅フタロシアニン顔料セミクルードから銅フタロシアニン顔料を製造する際、高速攪拌により、局所的な高濃度有機溶剤を拡散させることで、少ない所要動力で銅フタロシアニン顔料が得られ、その銅フタロシアニン顔料の粒径は均一であり、さらにこれを用いた着色顔料組成物の着色によって、さらに光沢、着色力及び彩度が向上した。
しかも本発明の有機顔料の製造方法は、従来のソルベント法に比べ光沢や着色力に優れ、かつ大掛かりな設備付加が不要であるため有利である。
本発明の有機顔料の製造方法によって得られる有機顔料は例えば着色用途として、平版インキ、グラビアインキ、フレキソインキ等の印刷インキ分野、ラッカー、焼き付け塗料等の塗料分野、ポリオレフィンや熱可塑性ポリエステル等の成形品着色分野、ジェットインキ、カラーフィルター、電子写真粉体トナー等のハイテク分野等の各種の用途に好適に使用できるものである。
本発明における減圧可能な密閉容器に設置される回転攪拌機構であり、さらに高速に回転駆動できる高速攪拌羽根を有する攪拌装置の説明図であって、内部機構を示す目的で記載した部分断面開口側面図である。 本発明における実施例2で得られた銅フタロシアニン顔料の透過型電子顕微鏡観察像で0.5μmのスケールバーを付記するものである。 本発明における比較例1で得られた銅フタロシアニン顔料の透過型電子顕微鏡観察像で0.5μmのスケールバーを付記するものである。
符号の説明
1 供給部
2 排気部
3 温度調整部
4 攪拌部
41 回転軸
42 アーム
43 攪拌羽根
5 高速攪拌羽根
6 溶剤供給部
7 排出部

Claims (9)

  1. 有機顔料セミクルードを有機溶剤の雰囲気下で混合攪拌して顔料化する有機顔料の製造方法において、有機溶剤ガスと有機顔料セミクルードを減圧下で混合攪拌することを特徴とする有機顔料の製造方法。
  2. 0.13〜80kPaの減圧下である請求項1に記載の有機顔料の製造方法。
  3. 有機溶剤の量が乾式磨砕された有機顔料セミクルード100質量部に対し、1〜50質量部であることを特徴とする請求項1に記載の有機顔料の製造方法。
  4. 混合攪拌を温度10〜150℃で行うことを特徴とする請求項1に記載の有機顔料の製造方法。
  5. 有機顔料セミクルードが銅フタロシアニンであることを特徴とする請求項1に記載の有機顔料の製造方法。
  6. 回転駆動可能に設けられている回転軸、該回転軸に取り付けられている攪拌羽根、前記攪拌羽根とは独立して、より高速に回転駆動できる高速攪拌羽根、及び有機溶剤の供給口を有する攪拌機を用いる請求項1に記載の有機顔料の製造方法。
  7. 請求項1〜6に記載の有機顔料の製造方法で得られた有機顔料。
  8. 粒子径分布が、0.02μm未満の粒子が全体の10%未満、0.2μmを超える粒子が全体の10%未満である請求項7に記載の有機顔料。
  9. 請求項1〜6に記載の有機顔料の製造方法で得られた有機顔料を含有してなる着色顔料組成物。
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