JP2009286301A - ハイブリッド車およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速機を含む駆動系の共振による振動や異音の発生を抑制する。
【解決手段】変速機の変速比GrがLoギヤの変速比GlowであるかHiギヤの変速比Ghiであるかを調べ、Loギヤの変速比Glowであるときには車速Vとローギヤ用下限回転数設定マップとを用いてエンジンの下限回転数Nlimを設定し(S140)、Hiギヤの変速比Ghiであるときには車速Vとハイギヤ用下限回転数設定マップとを用いてエンジンの下限回転数Nlimを設定する(S150)。そして、バッテリの入出力制限Win,Woutの範囲内で下限回転数Nlim以上の回転数でエンジンが運転されると共に駆動軸に要求トルクTr*が出力されるようエンジンと2つのモータを制御する(S160〜S230)。これにより、駆動系の共振を抑制することができ、共振に伴う振動や異音が生じるのを抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ハイブリッド車およびその制御方法に関し、詳しくは、内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、動力を入出力可能な電動機と、電動機の回転軸と駆動軸とに接続され複数の変速段の変速を伴って電動機の回転軸と駆動軸との間で動力を変速して伝達する変速伝達手段と、を備えるハイブリッド車およびこうしたハイブリッド車の制御方法に関する。
従来、この種のハイブリッド車としては、エンジンと、エンジンのクランクシャフトと車軸に連結された駆動軸にキャリアとリングギヤが接続されたプラネタリギヤと、このプラネタリギヤのサンギヤに接続された第1モータと、駆動軸に変速機を介して接続された第2モータとを備え、第2モータからの出力トルクが値0を含む所定範囲内のときには下限回転数設定マップから得られる下限回転数を用いてエンジンを運転するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、上述の制御により、第2モータからの出力トルクが値0を含む所定範囲内となるときに生じ得るこもり音や歯打ち音などの異音が生じるのを抑制している。
特開2007−302121号公報
上述のハイブリッド車では、エンジンを運転すると、エンジンの回転数によってはエンジン,プラネタリギヤ,第1モータ,変速機,第2モータを含む駆動系に共振が生じ、振動や異音が生じる場合がある。こうした振動や異音は運転者や乗員に不快感を生じさせるため、抑制することが望まれる。一方、駆動系は、変速機の変速段を変更すると振動モデルが異なるものとなるため、その共振周波数も異なるものとなる。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、変速機を含む駆動系の共振による振動や異音の発生を抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド車は、
内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、動力を入出力可能な電動機と、前記電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され複数の変速段の変速を伴って前記電動機の回転軸と前記駆動軸との間で動力を変速して伝達する変速伝達手段と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車であって、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記変速伝達手段の変速段と前記変速伝達手段の各変速段に対して前記内燃機関を運転したときに該内燃機関の回転数領域のうち前記内燃機関,前記発電機,前記遊星歯車機構,前記変速伝達手段,前記電動機を含む駆動系に共振を生じさせない回転数領域の略下限の回転数である下限回転数との関係である変速段下限回転数関係を記憶する関係記憶手段と、
前記変速伝達手段の変速段に対して前記記憶された変速段回転数関係から導出される下限回転数を前記内燃機関の下限回転数として設定する下限回転数設定手段と、
前記内燃機関の運転しているときには前記設定された下限回転数以上の回転数で前記内燃機関が運転されると共に前記設定された要求駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車では、内燃機関を運転しているときには、変速伝達手段の変速段と変速伝達手段の各変速段に対して内燃機関を運転したときに内燃機関の回転数領域のうち内燃機関,発電機,遊星歯車機構,変速伝達手段,電動機を含む駆動系に共振を生じさせない回転数領域の略下限の回転数である下限回転数との関係である変速段下限回転数関係から変速伝達手段の変速段に対応する下限回転数を内燃機関の下限回転数として設定すると共にこの設定した下限回転数以上の回転数で内燃機関が運転されると共に走行に要求される要求駆動力により走行するよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。これにより、駆動系に共振が生じるのを抑制することができ、共振に伴う振動や異音の発生を抑制することができる。
こうした本発明のハイブリッド車において、前記変速段回転数関係は、前記変速伝達手段の変速段の変速比を前記電動機の回転軸の動力を減速して前記駆動軸に伝達する際の減速比としたときに前記変速段の減速比が小さいほど前記下限回転数が大きくなる傾向の関係であるものとすることもできる。これは、減速比が大きいほど振動系としてみたときのマスが大きくなることに基づく。
また、本発明のハイブリッド車において、前記変速段回転数関係は、車速が大きくなるほど前記下限回転数が小さくなる傾向の関係であるものとすることもできる。これは、車速が大きいほど走行に伴う振動や暗騒音が大きくなることに基づく。即ち、車速が大きくなると、若干の振動や異音が生じても走行に伴う振動や暗騒音に紛れ、運転者や乗員に不快感を与えないようになるからである。
本発明のハイブリッド車の制御方法は、
内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、動力を入出力可能な電動機と、前記電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され複数の変速段の変速を伴って前記電動機の回転軸と前記駆動軸との間で動力を変速して伝達する変速伝達手段と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車の制御方法であって、
前記内燃機関の運転しているときには、前記変速伝達手段の変速段と前記変速伝達手段の各変速段に対して前記内燃機関を運転したときに該内燃機関の回転数領域のうち前記内燃機関,前記発電機,前記遊星歯車機構,前記変速伝達手段,前記電動機を含む駆動系に共振を生じさせない回転数領域の略下限の回転数である下限回転数との関係である変速段下限回転数関係から前記変速伝達手段の変速段に対応する下限回転数を前記内燃機関の下限回転数として設定すると共に該設定した下限回転数以上の回転数で前記内燃機関が運転されると共に走行に要求される要求駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明のハイブリッド車の制御方法では、内燃機関を運転しているときには、変速伝達手段の変速段と変速伝達手段の各変速段に対して内燃機関を運転したときに内燃機関の回転数領域のうち内燃機関,発電機,遊星歯車機構,変速伝達手段,電動機を含む駆動系に共振を生じさせない回転数領域の略下限の回転数である下限回転数との関係である変速段下限回転数関係から変速伝達手段の変速段に対応する下限回転数を内燃機関の下限回転数として設定すると共にこの設定した下限回転数以上の回転数で内燃機関が運転されると共に走行に要求される要求駆動力により走行するよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。これにより、駆動系に共振が生じるのを抑制することができ、共振に伴う振動や異音の発生を抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、車両の駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には変速機60を介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32に出力する。リングギヤ32は、ギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して車両前輪の駆動輪39a,39bに機械的に接続されている。したがって、リングギヤ32に出力された動力は、ギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに出力されることになる。なお、駆動系として見たときの動力分配統合機構30に接続される3軸は、キャリア34に接続されたエンジン22の出力軸であるクランクシャフト26,サンギヤ31に接続されモータMG1の回転軸となるサンギヤ軸31aおよびリングギヤ32に接続されると共に駆動輪39a,39bに機械的に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aとなる。
モータMG1およびモータMG2は、共に発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の一方で発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。モータMG1,MG2は、共にモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンによりモータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達するよう構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。この図2に示す変速機60は、ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bと二つのブレーキB1,B2とにより構成されている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aは、外歯歯車のサンギヤ61と、このサンギヤ61と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62と、サンギヤ61に噛合する複数の第1ピニオンギヤ63aと、この第1ピニオンギヤ63aに噛合すると共にリングギヤ62に噛合する複数の第2ピニオンギヤ63bと、複数の第1ピニオンギヤ63aおよび複数の第2ピニオンギヤ63bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア64とを備えており、サンギヤ61はブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。シングルピニオンの遊星歯車機構60bは、外歯歯車のサンギヤ65と、このサンギヤ65と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66と、サンギヤ65に噛合すると共にリングギヤ66に噛合する複数のピニオンギヤ67と、複数のピニオンギヤ67を自転かつ公転自在に保持するキャリア68とを備えており、サンギヤ65はモータMG2の回転軸48に、キャリア68はリングギヤ軸32aにそれぞれ連結されていると共にリングギヤ66はブレーキB2のオンオフによりその回転が自由にまたは停止できるようになっている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bとは、リングギヤ62とリングギヤ66、キャリア64とキャリア68とによりそれぞれ連結されている。変速機60は、ブレーキB1,B2を共にオフとすることによりモータMG2の回転軸48をリングギヤ軸32aから切り離すことができ、ブレーキB1をオフとすると共にブレーキB2をオンとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達し(以下、この状態をLoギヤの状態という)、ブレーキB1をオンとすると共にブレーキB2をオフ状態としてモータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達する(以下、この状態をHiギヤの状態という)。なお、ブレーキB1,B2を共にオンとする状態は回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止するものとなる。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量に対応したアクセル開度Accを検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機60のブレーキB1,B2の図示しないアクチュエータへの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、変速機60のブレーキB1,B2の図示しないアクチュエータに駆動信号を出力した後に、変速機60がLoギヤの状態ときには変速比GrとしてLoギヤの変速比Glowを代入してRAM76の所定領域に記憶し、変速機60がHiギヤの状態ときには変速比GrとしてHiギヤの変速比Ghiを代入してRAM76の所定領域に記憶する処理も行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、エンジン22を運転している際の動作について説明する。図3は、エンジン22が運転されているときに実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,変速機60の変速比Gr,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、変速機60の変速比Grは、RAM76の所定領域に記憶されているものを読み込むことにより入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定すると共に(ステップS110)、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22を運転すべき運転ポイントとしての仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとを設定する(ステップS120)。ここで、要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図4に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*に駆動軸回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。仮回転数Netmpと仮トルクTetmpの設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとを設定する様子を図5に示す。図示するように、仮回転数Netmpと仮トルクTetmpは、動作ラインと要求パワーPe*(Netmp×Tetmp)が一定の曲線との交点により求めることができる。
続いて、変速機60の変速比GrがLoギヤの変速比GlowであるかHiギヤの変速比Ghiであるかを調べ(ステップS130)、変速機60の変速比GrがLoギヤの変速比Glowであるときには車速Vとローギヤ用下限回転数設定マップとを用いてエンジン22の下限回転数Nlimを設定し(ステップS140)、変速機60の変速比GrがHiギヤの変速比Ghiであるときには車速Vとハイギヤ用下限回転数設定マップとを用いてエンジン22の下限回転数Nlimを設定する(ステップS150)。ローギヤ用下限回転数設定マップとハイギヤ用下限回転数設定マップの一例を図6に示す。ローギヤ用下限回転数設定マップは、基本的には、エンジン22の回転数領域のうち変速機60がLoギヤの状態のときにエンジン22,動力分配統合機構30,モータMG1,変速機60,モータMG2を含む駆動系が共振を生じない回転数領域の下限近傍の回転数を下限回転数Nlimとして設定するためのマップであり、実験などにより予め求めてROM74に記憶されるものである。また、ハイギヤ用下限回転数設定マップは、基本的には、エンジン22の回転数領域のうち変速機60がHiギヤの状態のときに駆動系が共振を生じない回転数領域の下限近傍の回転数を下限回転数Nlimとして設定するためのマップであり、実験などにより予め求めてROM74に記憶されるものである。図7にエンジン22の回転数Neと駆動系の共振レベルとの関係の一例を示す。図7に示すように、回転数N1は、変速機60がLoギヤの状態のときに駆動系が共振を生じない回転数領域の下限近傍の回転数であり、回転数N2は変速機60がHiギヤの状態のときに駆動系が共振を生じない回転数領域の下限近傍の回転数である。実施例では、図6に示すように、両マップとも車速Vが大きくなるほど下限回転数Nlimが小さく設定される。これは、車速Vが大きいほど走行に伴う振動や暗騒音が大きくなり、共振により若干の振動や異音が生じても走行に伴う振動や暗騒音に紛れ、運転者や乗員に不快感を与えないことに基づく。また、ローギヤ用下限回転数設定マップの方がハイギヤ用下限回転数設定マップより低い回転数を下限回転数Nlimとしているのは、変速機60の減速比が大きいほど駆動系を振動系としてみたときのマスが大きくなることに基づくと考えられる。
下限回転数Nlimを設定すると、下限回転数Nlimと仮回転数Netmpとのうち大きい方をエンジン22の目標回転数Ne*として設定すると共に設定した目標回転数Ne*で要求パワーPe*を除してエンジン22の目標トルクTe*を設定する(ステップS160)。即ち、エンジン22の回転数Neを下限回転数Nlimで制限するのである。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm1tmpを計算する(ステップS170)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図8に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (1)
Tm1tmp=ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
続いて、式(3)および式(4)を共に満たすモータMG1から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm1min,Tm1maxを設定し(ステップS180)、設定した仮トルクTm1tmpを式(5)によりトルク制限Tm1min,Tm1maxで制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップ190)。ここで、式(3)はモータMG1やモータMG2によりリングギヤ軸32aに出力されるトルクの総和が値0から要求トルクTr*までの範囲内となる関係であり、式(4)はモータMG1とモータMG2とにより入出力される電力の総和が入出力制限Win,Woutの範囲内となる関係である。トルク制限Tm1min,Tm1maxの一例を図9に示す。トルク制限Tm1min,Tm1maxは、図中斜線で示した領域内のトルク指令Tm1*の最大値と最小値として求めることができる。
0≦−Tm1/ρ+Tm2・Gr≦Tr* (3)
Win≦Tm1・Nm1+Tm2・Nm2≦Wout (4)
Tm1*=max(min(Tm1tmp,Tm1max),Tm1min) (5)
そして、要求トルクTr*に設定したトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えて更に減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(6)により計算すると共に(ステップS200)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(7)および式(8)により計算すると共に(ステップS210)、設定した仮トルクTm2tmpを式(9)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS220)。ここで、式(6)は、図8の共線図から容易に導くことができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (6)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (7)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (8)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (9)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS230)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でエンジン22を効率よく運転して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、変速機60の変速段に応じて駆動系に共振を生じない回転数領域の下限近傍の回転数をエンジン22の下限回転数Nlimとして設定し、この下限回転数Nlim以上の回転数でエンジン22が運転されるように制御することにより、駆動系に共振が生じるのを抑制することができると共に共振に伴う振動や異音の発生を抑制することができる。この結果、運転者や乗員に不快感を与えるのを抑制することができる。しかも、車速Vが大きいほど小さくなる傾向の回転数を下限回転数Nlimとして設定するから、不必要に大きな回転数を下限回転数Nlimに設定することによる燃費の悪化を抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、Hi,Loの2段の変速段をもって変速可能な変速機60を用いるものとしたが、変速機60の変速段は2段に限られるものではなく、3段以上の変速段としてもよい。この場合、変速機60の減速比が大きいほど駆動系を振動系としてみたときのマスが大きくなると考えられるから、変速機60の減速比が大きいほど小さくなる傾向にエンジン22の下限回転数Nlimを設定すればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、車速Vが大きいほど小さくなる傾向の回転数をエンジン22の下限回転数Nlimとして設定するものとしたが、車速Vに無関係に一定の回転数をエンジン22の下限回転数Nlimとして設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ローギヤ用下限回転数設定マップの方がハイギヤ用下限回転数設定マップより低い回転数をエンジン22の下限回転数Nlimとして設定するものとしたが、エンジン22の回転数領域のうち駆動系に共振を生じさせない回転数領域の下限近傍の回転数をエンジン22の下限回転数Nlimとして設定するものであれば、ローギヤ用下限回転数設定マップの方がハイギヤ用下限回転数設定マップより高い回転数をエンジン22の下限回転数Nlimとして設定するものとしてもよい。
実施例では、本発明をハイブリッド自動車に適用するものとしたが、自動車以外のハイブリッド車に適用するものとしてもよい。また、ハイブリッド車の制御方法の形態としてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「遊星歯車機構」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、変速機60が「変速伝達手段」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する図3の駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、ローギヤ用下限回転数設定マップとハイギヤ用下限回転数設定マップとを所定領域に記憶するROM74が「関係記憶手段」に相当し、変速機60の変速比GrがLoギヤの変速比GlowであるかHiギヤの変速比Ghiであるかを調べ、変速機60の変速比GrがLoギヤの変速比Glowであるときには車速Vとローギヤ用下限回転数設定マップとを用いてエンジン22の下限回転数Nlimを設定し、変速機60の変速比GrがHiギヤの変速比Ghiであるときには車速Vとハイギヤ用下限回転数設定マップとを用いてエンジン22の下限回転数Nlimを設定する図3の駆動制御ルーチンのステップS130〜S150の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「下限回転数設定手段」に相当し、要求パワーPe*と動作ラインから得られる仮回転数Netmpと仮トルクTetmpを下限回転数Nlimによって制限してエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でエンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とからなる運転ポイントで運転されると共に駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求トルクTr*が出力されて走行するようモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定して送信するハイブリッド用電子制御ユニット70と目標回転数Ne*と、目標トルクTe*とを受信してエンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とからなる運転ポイントで運転されるようエンジン22を制御するエンジンECU24と、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信してモータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動するようモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「遊星歯車機構」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車を組み合わせて4以上の軸に接続されるものなどとしてもよい。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「変速伝達手段」としては、Hi,Loの2段の変速段をもって変速可能な変速機60に限定されるものではなく、3段以上の変速段をもって変速する変速機としたりするなど、電動機の回転軸と駆動軸とに接続され複数の変速段の変速を伴って電動機の回転軸と駆動軸との間で動力を変速して伝達するものであれば如何なるものとしても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、発電機や電動機と電力のやりとりが可能であれば如何なるものとしても構わない。「要求駆動力設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて要求トルクを設定するものや走行経路が予め設定されているものにあっては走行経路における走行位置に基づいて要求トルクを設定するものなど、走行に要求される要求駆動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「関係記憶手段」としては、ローギヤ用下限回転数設定マップとハイギヤ用下限回転数設定マップとを所定領域に記憶するROM74に限定されるものではなく、3段以上の変速機の場合には各段毎の下限回転数設定マップを記憶するものなど、変速伝達手段の変速段と変速伝達手段の各変速段に対して内燃機関を運転したときに内燃機関の回転数領域のうち内燃機関,発電機,遊星歯車機構,変速伝達手段,電動機を含む駆動系に共振を生じさせない回転数領域の略下限の回転数である下限回転数との関係である変速段下限回転数関係を記憶するものであれば如何なるものとしても構わない。「下限回転数設定手段」としては、変速機60の変速比GrがLoギヤの変速比GlowであるかHiギヤの変速比Ghiであるかを調べ、変速機60の変速比GrがLoギヤの変速比Glowであるときには車速Vとローギヤ用下限回転数設定マップとを用いてエンジン22の下限回転数Nlimを設定し、変速機60の変速比GrがHiギヤの変速比Ghiであるときには車速Vとハイギヤ用下限回転数設定マップとを用いてエンジン22の下限回転数Nlimを設定するものに限定されるものではなく、変速伝達手段の変速段に対して記憶された変速段回転数関係から導出される下限回転数を内燃機関の下限回転数として設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、要求パワーPe*と動作ラインから得られる仮回転数Netmpと仮トルクTetmpを下限回転数Nlimによって制限してエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でエンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とからなる運転ポイントで運転されると共に駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求トルクTr*が出力されて走行するようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御するものに限定されるものではなく、内燃機関を運転しているときには下限回転数以上の回転数で内燃機関が運転されると共に要求駆動力により走行するよう内燃機関と発電機と電動機とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例である動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 変速機60の構成の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と仮回転数Netmpおよび仮トルクTetmpを設定する様子を示す説明図である。 ローギヤ用下限回転数設定マップとハイギヤ用下限回転数設定マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の回転数Neと駆動系の共振レベルとの関係の一例を示す説明図である。 要求トルクTr*が加速用の駆動トルクであるときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 トルク制限Tm1min,Tm1maxを設定する様子を説明する説明図である。
符号の説明
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、31a サンギヤ軸、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 変速機、60a ダブルピニオンの遊星歯車機構、60b シングルピニオンの遊星歯車機構、61,65 サンギヤ、62,66 リングギヤ、63a 第1ピニオンギヤ、63b 第2ピニオンギヤ、64,68 キャリア、67 ピニオンギヤ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ、B1,B2 ブレーキ。

Claims (4)

  1. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、動力を入出力可能な電動機と、前記電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され複数の変速段の変速を伴って前記電動機の回転軸と前記駆動軸との間で動力を変速して伝達する変速伝達手段と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車であって、
    走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記変速伝達手段の変速段と前記変速伝達手段の各変速段に対して前記内燃機関を運転したときに該内燃機関の回転数領域のうち前記内燃機関,前記発電機,前記遊星歯車機構,前記変速伝達手段,前記電動機を含む駆動系に共振を生じさせない回転数領域の略下限の回転数である下限回転数との関係である変速段下限回転数関係を記憶する関係記憶手段と、
    前記変速伝達手段の変速段に対して前記記憶された変速段回転数関係から導出される下限回転数を前記内燃機関の下限回転数として設定する下限回転数設定手段と、
    前記内燃機関の運転しているときには前記設定された下限回転数以上の回転数で前記内燃機関が運転されると共に前記設定された要求駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備えるハイブリッド車。
  2. 前記変速段回転数関係は、前記変速伝達手段の変速段の変速比を前記電動機の回転軸の動力を減速して前記駆動軸に伝達する際の減速比としたときに前記変速段の減速比が小さいほど前記下限回転数が大きくなる傾向の関係である請求項1記載のハイブリッド車。
  3. 前記変速段回転数関係は、車速が大きくなるほど前記下限回転数が小さくなる傾向の関係である請求項1または2記載のハイブリッド車。
  4. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、動力を入出力可能な電動機と、前記電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され複数の変速段の変速を伴って前記電動機の回転軸と前記駆動軸との間で動力を変速して伝達する変速伝達手段と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車の制御方法であって、
    前記内燃機関の運転しているときには、前記変速伝達手段の変速段と前記変速伝達手段の各変速段に対して前記内燃機関を運転したときに該内燃機関の回転数領域のうち前記内燃機関,前記発電機,前記遊星歯車機構,前記変速伝達手段,前記電動機を含む駆動系に共振を生じさせない回転数領域の略下限の回転数である下限回転数との関係である変速段下限回転数関係から前記変速伝達手段の変速段に対応する下限回転数を前記内燃機関の下限回転数として設定すると共に該設定した下限回転数以上の回転数で前記内燃機関が運転されると共に走行に要求される要求駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
    ことを特徴とするハイブリッド車の制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014223888A (ja) * 2013-05-17 2014-12-04 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両
JP2017094811A (ja) * 2015-11-19 2017-06-01 トヨタ自動車株式会社 車両用動力伝達装置の制御装置

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