JP2009286289A - 液面レベル検出装置およびブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価な構成でリニアに液面レベルを検出する。
【解決手段】液面レベル検出装置100は、リザーバタンク内の局所液面レベルLpが所定の基準液面レベルLs以上であるか否かを判定し、局所液面レベルLpが基準液面レベルLs以上である場合のオフ信号と、局所液面レベルLpが基準液面レベルLs未満である場合のオン信号とからなるオンオフ信号を出力する液面レベルスイッチ102と、液面レベルスイッチ102からオンオフ信号を受け取り、オン信号のデューティ比Dを演算するデューティ比演算部108と、デューティ比Dと、実液面レベルLrとの相対関係を予め記憶する記憶部112と、記憶部112に記憶された相対関係を参照して、デューティ比演算部108により演算されたデューティ比Dから実液面レベルLrを推定する液面レベル推定部110とを備える。
【選択図】図4
【解決手段】液面レベル検出装置100は、リザーバタンク内の局所液面レベルLpが所定の基準液面レベルLs以上であるか否かを判定し、局所液面レベルLpが基準液面レベルLs以上である場合のオフ信号と、局所液面レベルLpが基準液面レベルLs未満である場合のオン信号とからなるオンオフ信号を出力する液面レベルスイッチ102と、液面レベルスイッチ102からオンオフ信号を受け取り、オン信号のデューティ比Dを演算するデューティ比演算部108と、デューティ比Dと、実液面レベルLrとの相対関係を予め記憶する記憶部112と、記憶部112に記憶された相対関係を参照して、デューティ比演算部108により演算されたデューティ比Dから実液面レベルLrを推定する液面レベル推定部110とを備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、リザーバタンク内のフルードの液面レベルを検出する液面レベル検出装置、および該液面レベル検出装置を用いたブレーキ制御装置に関する。
近年、車両における制動装置として、車両の走行状況に応じて最適な制動力を車両に与えるよう各車輪の制動力を制御する電子制御ブレーキシステムが多く採用されている。このような電子制御ブレーキシステムでは、圧力センサによって各車輪のホイールシリンダ圧を監視し、ホイールシリンダ圧が運転者のブレーキペダル操作量に基づいて演算される目標油圧になるように、電磁流量制御弁を制御している。
電子制御ブレーキシステムでは、通常、リザーバタンク内のフルードの液面レベルが所定の基準液面レベルより低くなったか否かを検出する液面レベルスイッチが設けられている。そして、この液面レベルスイッチにより、液面レベルが基準液面レベルより低くなったことが検出された場合、フェイルセーフの観点から、フルードの液漏れが発生していると判断して運転者に警報を発出したり、ホイールシリンダ圧の制御モードを変更したりすることが行われている。液面レベルスイッチとしては、液面レベルをフロートを用いて検出するものが知られている(たとえば特許文献1参照)。
特開平10−29528号公報
ところで、従来の電子制御ブレーキシステムに用いられている液面レベルスイッチは、リザーバタンク内の所定の測定位置における液面レベルが基準液面レベル以上か否かを判断するものである。従って、車両の急な加減速等により、リザーバタンク内のフルードの液面レベルが振動した場合には、液面レベルスイッチのオンオフが交互に繰り返される可能性がある。このような場合、たとえば制御モードの変更が頻繁に繰り返されたりして、運転者のブレーキフィーリングが損なわれる可能性がある。このような事態を防止するためには、リザーバタンク内のフルードの液面レベルをリニアに監視し、液面が振動することにより瞬間的に液面レベルが低下したのか、または液漏れの発生により実際に液面レベルが低下しているのかを判別する方法が考えられる。
しかしながら、従来の電子制御ブレーキシステムに備えられている液面レベルスイッチを、リザーバタンク内のフルードの液面レベルをリニアに検出できる装置に置き換えた場合、コストが増大してしまう。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価な構成により、リザーバタンク内のフルードの液面レベルをリニアに検出することのできる液面レベル検出装置および該液面レベル検出装置を用いたブレーキ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の液面レベル検出装置は、リザーバタンク内のフルードの液面レベルをリニアに検出する液面レベル検出装置であって、リザーバタンク内の所定の位置におけるフルードの液面レベルが所定の基準液面レベル以上であるか否かを判定し、液面レベルが基準液面レベル以上である場合の第1信号と、液面レベルが基準液面レベル未満である場合の第2信号とからなる2値信号を出力する液面レベルスイッチと、液面レベルスイッチから第1信号と第2信号からなる2値信号を受け取り、第1信号または第2信号のデューティ比を演算する演算部と、第1信号または第2信号のデューティ比と、リザーバタンク内のフルードの液面レベルとの相対関係を予め記憶する記憶部と、記憶部に記憶された相対関係を参照して、演算部により演算されたデューティ比からリザーバタンク内のフルードの液面レベルを推定する推定部とを備える。
この態様によると、液面レベルスイッチを用いてリザーバタンク内のフルードの液面レベルをリニアに検出できる。従来より車両に搭載されている液面レベルスイッチを用いているので、安価な構成により液面レベルをリニアに検出できる液面レベル検出装置を実現できる。
リザーバタンク内のフルードに印加される加速度の方向を検出する加速度方向検出部をさらに備え、記憶部は、リザーバタンク内のフルードに印加される加速度の方向ごとに、複数の相対関係を記憶しており、推定部は、加速度方向検出部によって検出された加速度方向に応じて記憶部から一つの相対関係を選択し、選択した該相対関係を参照して、演算部により演算されたデューティ比からリザーバタンク内のフルードの液面レベルを推定してもよい。この場合、液面レベルの検出精度を向上することができる。
本発明の別の態様は、ブレーキ制御装置である。この装置は、リザーバタンク内のフルードの液面レベルが所定の制御モード切替液面レベル未満となった場合に、所定の第1制御モードから、第1制御モードよりも発生可能な制動力の低い第2制御モードに制御モードを切り替えるブレーキ制御装置であって、液面レベル検出装置と、第1制御モードから第2制御モードへの切り替えの前に、液面レベル検出装置により検出された液面レベルの低下度合いに応じて制動力を漸次低下させる制御部とを備える。
この態様によると、第1制御モードから第2制御モードへの切り替えの際に生じる制動力の急変を抑制できるので、運転者のブレーキフィーリングを向上できる。
液面レベル検出装置により検出された液面レベルの変化速度に基づいて、液面レベルが制御モード切替液面レベルまで低下するタイミングを推定し、該タイミングの前に運転者に警報を発出する警報発出部をさらに備えてもよい。この場合、液面レベルが制御モード切替液面レベルまで低下するよりも前に運転者に液面レベルの低下を知らせることができる。これにより、運転者は、制御モードの変更よりも前に車両の点検等の措置をとることが可能となる。
本発明によれば、安価な構成により、リザーバタンク内のフルードの液面レベルをリニアに検出することのできる液面レベル検出装置および該液面レベル検出装置を用いたブレーキ制御装置を提供できる。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るブレーキ制御装置10の構成を示す図である。図1に示すブレーキ制御装置10は、車両用の電子制御式ブレーキシステム(ECB)を構成しており、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル12の操作量に基づいて車両の4輪のブレーキを最適に制御するものである。
ブレーキペダル12は、運転者による踏み込み操作に応じて作動流体としてのフルードを送り出すマスタシリンダ14に接続されている。ブレーキペダル12には、その踏み込みストロークを検出するためのストロークセンサ46が設けられている。
マスタシリンダ14の一方の出力ポート14aには、運転者によるブレーキペダル12の操作力に応じた反力を創出するストロークシミュレータ24が接続されている。マスタシリンダ14とストロークシミュレータ24とを接続する流路の中途には、シミュレータカット弁23が設けられている。シミュレータカット弁23は、非通電時に閉状態にあり、運転者によるブレーキペダル12の操作が検出された際に開状態に切り換えられる常閉型の電磁開閉弁である。
また、マスタシリンダ14には、フルードを貯留するためのリザーバタンク26が接続されている。リザーバタンク26内のフルードの液面レベルは、後述する液面レベル検出装置によりリニアに監視される。
マスタシリンダ14の一方の出力ポート14aには、右前輪用のブレーキ油圧制御管16が接続されており、ブレーキ油圧制御管16は、図示されない右前輪に対して制動力を付与する右前輪用のホイールシリンダ20FRに接続されている。また、マスタシリンダ14の他方の出力ポート14bには、左前輪用のブレーキ油圧制御管18が接続されており、ブレーキ油圧制御管18は、図示されない左前輪に対して制動力を付与する左前輪用のホイールシリンダ20FLに接続されている。右前輪用のブレーキ油圧制御管16の中途には、右電磁開閉弁22FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18の中途には、左電磁開閉弁22FLが設けられている。これらの右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLは、何れも、非通電時に開状態にあり、通電時に閉状態に切り換えられる常開型電磁弁である。
また、右前輪用のブレーキ油圧制御管16の中途には、右前輪側のマスタシリンダ圧を検出する右マスタ圧力センサ48FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18の途中には、左前輪側のマスタシリンダ圧を計測する左マスタ圧力センサ48FLが設けられている。ブレーキ制御装置10では、運転者によってブレーキペダル12が踏み込まれた際、ストロークセンサ46によりその踏み込み操作量が検出されるが、これらの右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLによって検出されるマスタシリンダ圧からもブレーキペダル12の踏み込み操作力(踏力)を求めることができる。このように、ストロークセンサ46の故障を想定して、マスタシリンダ圧を2つの圧力センサ48FRおよび48FLによって監視することは、フェイルセーフの観点からみて好ましい。なお、以下では適宜、右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLを総称して、マスタシリンダ圧センサ48という。
一方、リザーバタンク26には、油圧給排管28の一端が接続されており、この油圧給排管28の他端には、モータ32により駆動されるオイルポンプ34の吸込口が接続されている。オイルポンプ34の吐出口は、高圧管30に接続されており、この高圧管30には、アキュムレータ50とリリーフバルブ53とが接続されている。本実施の形態では、オイルポンプ34として、モータ32によってそれぞれ往復移動させられる2体以上のピストン(図示せず)を備えた往復動ポンプが採用される。また、アキュムレータ50としては、フルードの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギに変換して蓄えるものが採用される。
アキュムレータ50は、オイルポンプ34によってたとえば14〜22MPa程度にまで昇圧されたフルードを蓄える。また、リリーフバルブ53の弁出口は、油圧給排管28に接続されており、アキュムレータ50におけるフルードの圧力が異常に高まってたとえば25MPa程度になると、リリーフバルブ53が開弁し、高圧のフルードは油圧給排管28へと戻される。さらに、高圧管30には、アキュムレータ50の出口圧力、すなわち、アキュムレータ50におけるフルードの圧力を検出するアキュムレータ圧センサ51が設けられている。
そして、高圧管30は、増圧弁40FR,40FL,40RR,40RLを介して右前輪用のホイールシリンダ20FR、左前輪用のホイールシリンダ20FL、右後輪用のホイールシリンダ20RRおよび左後輪用のホイールシリンダ20RLに接続されている。以下、適宜、ホイールシリンダ20FR〜20RLを総称して「ホイールシリンダ20」といい、適宜、増圧弁40FR〜40RLを総称して「増圧弁40」という。増圧弁40は、何れも、非通電時は閉じた状態にあり、必要に応じてホイールシリンダ20の増圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。なお、図示されない車両の各車輪に対しては、ディスクブレーキユニットが設けられており、各ディスクブレーキユニットは、ホイールシリンダ20の作用によってブレーキパッドをディスクに押し付けることで制動力を発生する。
また、右前輪用のホイールシリンダ20FRと左前輪用のホイールシリンダ20FLとは、それぞれ減圧弁42FRまたは42FLを介して油圧給排管28に接続されている。減圧弁42FRおよび42FLは、必要に応じてホイールシリンダ20FR,20FLの減圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。一方、右後輪用のホイールシリンダ20RRと左後輪用のホイールシリンダ20RLとは、常開型の電磁流量制御弁である減圧弁42RRまたは42RLを介して油圧給排管28に接続されている。以下、適宜、減圧弁42FR〜42RLを総称して「減圧弁42」という。
右前輪用、左前輪用、右後輪用および左後輪用のホイールシリンダ20FR〜20RL付近には、それぞれ対応するホイールシリンダ20に作用するフルードの圧力であるホイールシリンダ圧を検出するホイールシリンダ圧センサ44FR,44FL,44RRおよび44RLが設けられている。以下、適宜、ホイールシリンダ圧センサ44FR〜44RLを総称して「ホイールシリンダ圧センサ44」という。
上述の右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FL、増圧弁40FR〜40RL、減圧弁42FR〜42RL、オイルポンプ34、アキュムレータ50等は、ブレーキ制御装置10の油圧アクチュエータ80を構成する。そして、かかる油圧アクチュエータ80は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)200によって制御される。
ECU200は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、エンジン停止時にも記憶内容を保持できるバックアップRAM等の不揮発性メモリ、入出力インターフェース、各種センサ等から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して取り込むためのA/Dコンバータ、計時用のタイマ等を備えるものである。
ECU200には、上述の電磁開閉弁22FR、22FL、シミュレータカット弁23、増圧弁40FR〜40RL、減圧弁42FR〜42RL等の油圧アクチュエータ80を含む各種アクチュエータ類が電気的に接続されている。
また、ECU200には、制御に用いるための信号を出力する各種センサ・スイッチ類が電気的に接続されている。すなわち、ECU200には、ホイールシリンダ圧センサ44FR〜44RLから、ホイールシリンダ20FR〜20RLにおけるホイールシリンダ圧を示す信号が入力される。
また、ECU200には、ストロークセンサ46からブレーキペダル12のペダルストロークを示す信号が入力され、右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLからマスタシリンダ圧を示す信号が入力され、アキュムレータ圧センサ51からアキュムレータ圧を示す信号が入力される。また、ECU200には、リザーバタンク26の液面レベルの低下を運転者に知らせるための警告ランプ54が接続されている。
さらに、図示しないが、ECU200には、各車輪ごとに設置された車輪速センサから各車輪の車輪速度を示す信号が入力され、ヨーレートセンサからヨーレートを示す信号が入力され、操舵角センサからステアリングホイールの操舵角を示す信号が入力されたりしている。また、ECU200には、横Gセンサから車両の横Gを示す信号が入力され、前後Gセンサから車両の前後Gを示す信号が入力されている。
このように構成されるブレーキ制御装置10は、複数の制御モードを有しており、その複数の制御モードから一つの制御モードが選択されて制動制御が行われる。ブレーキ制御装置10は、制御モードとして、通常の制御モードのときに選択される通常制御モード、ブレーキに液漏れ等の何らかの失陥が生じたときに選択されるフェイルセーフモードを有する。
通常制御モードでは、運転者によってブレーキペダル12が踏み込まれると、ECU200により、ブレーキペダル12の踏み込み量を表すペダルストロークとマスタシリンダ圧とから車両の目標減速度が算出され、算出された目標減速度に応じて各車輪のホイールシリンダ圧の目標値である目標油圧が求められる。そして、ECU200により増圧弁40、減圧弁42が制御され、各車輪のホイールシリンダ圧が目標油圧になるよう制御される。
一方、このとき電磁開閉弁22FR及び22FLは閉状態とされ、シミュレータカット弁23は開状態とされる。よって、運転者によるブレーキペダル12の踏込によりマスタシリンダ14から送出されたフルードは、シミュレータカット弁23を通ってストロークシミュレータ24に流入する。
また、アキュムレータ圧が予め設定された制御範囲の下限値未満であるときには、ECU200によりオイルポンプ34が駆動されてアキュムレータ圧が昇圧され、アキュムレータ圧がその制御範囲に入ればオイルポンプ34の駆動が停止される。
液漏れの発生などによりリザーバタンク26内の液面レベルが所定の基準液面レベルLs未満となった場合、制御モードは、通常制御モードからフェイルセーフモードに切り替えられる。フェイルセーフモードでは、右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLが開状態とされ、マスタシリンダ14のフルードが右前輪用のホイールシリンダ20FR、左前輪用のホイールシリンダ20FLに供給される。また、増圧弁40FR、40FL、減圧弁42FR、42FLは閉状態とされ、増圧弁40RL、40RR、減圧弁42RL、42RRへの供給電流が制御されることにより、左後輪用のホイールシリンダ20RL、右後輪用のホイールシリンダ20RRに、アキュムレータ50に蓄圧されたフルードが供給される。従って、フェイルセーフモードにおいては、発生可能な制動力は低下するものの、確実に制動力を発生させることができる。
図2(a)〜(c)は、リザーバタンク26の構成を説明するための図である。図2(a)は、リザーバタンク26の上面図を示し、図2(b)は、車両の側面側から見たリザーバタンク26の断面図を示し、図2(c)は、車両の前方側から見たリザーバタンク26の断面図を示す。
リザーバタンク26の本体部140は、合成樹脂で形成され、内部にフルードを貯留可能な有底直方体形状に形成されている。本体部140の上部には、フルードを注入するための開口部が形成されている。この開口部には、開口部を塞ぐためのキャップ142が嵌合固定されている。また、本体部140の底面には、リザーバタンク26の内部空間をマスタシリンダ14に連通させるための2つの連通路122が形成されている。
本体部140の内部には、液面レベルスイッチ102が設けられている。液面レベルスイッチ102は、リザーバタンク26内の所定の位置におけるフルードの液面レベルが所定の基準液面レベルLs以上であるか否かを判定する。本実施の形態では、液面レベルスイッチ102は、リザーバタンク26内の一つの角部におけるフルードの液面レベル(以下、局所液面レベルLpと称する)が基準液面レベルLs以上であるか否か判定する。
液面レベルスイッチ102は、局所液面レベルLpが基準液面レベルLs以上である場合のオフ信号と、局所液面レベルLpが基準液面レベルLs未満である場合のオン信号とからなるオンオフの2値信号を出力する。液面レベルスイッチ102は、たとえば、局所液面レベルLpをフロートを使用して検出するものとしたり、局所液面レベルLpをフロートを用いないで光学的に検出するものとしたりすることができる。
このような液面レベルスイッチ102は、局所液面レベルLpが基準液面レベルLs以上か否かは判断できるが、実際に液面レベルがどの程度のレベルなのか検出することはできない。また、図2(b)、(c)に示すように、局所液面レベルLpが基準液面レベルLsの近傍にあるときに、車両の急な加減速によりリザーバタンク26内のフルードに前後Gまたは横Gが印加され、フルードの液面104が揺動した場合、液面レベルスイッチ102の出力はオン信号とオフ信号が交互に出力される状態となり得る。従って、たとえば液面レベルスイッチ102からの情報に基づいて、ブレーキ制御装置10の制御モードの切替を行った場合、制御モードの切替が頻繁に行われて、運転者のブレーキフィーリングが損なわれる可能性がある。また、液面レベルスイッチ102からの情報に基づいて運転室の警報ランプを点灯させた場合、警報ランプが不要に点滅し、運転者に不快感を与える可能性もある。
そこで、本実施の形態では、液面レベルスイッチ102を用いて、リザーバタンク26内のフルードの液面レベルをリニアに、すなわち液面レベルを連続的に検出することのできる液面レベル検出装置を構成する。液面レベルをリニアに検出することにより、液面が振動することにより瞬間的に液面レベルが低下したのか、または液漏れの発生により実際に液面レベルが低下しているのかを判別することができる。
図3(a)(b)は、液面レベルスイッチ102から出力される信号を説明するための図である。図3(a)は、局所液面レベルLpの時間変化を表す。ここでは、局所液面レベルLpが正弦波状に振動している様子を示している。また、図3(a)における破線は、基準液面レベルLsを表す。図3(b)は、液面レベルスイッチ102の出力する信号の時間変化を表す。液面レベルスイッチ102は、局所液面レベルLpが基準液面レベルLsより小さくなったときにオン信号を出力し、基準液面レベルLs以上のときにオフ信号を出力するため、液面レベルスイッチ102の出力する信号は、図3(b)に示すようなオンオフの2値信号となる。
ここで、オン信号の時間をTon、オフ信号の時間をToffとしたときに、オンオフ信号の周期(すなわちTon+Toff)に対するオン信号の時間Tonの割合は、デューティ比Dとして、以下の式のように定義される。
D=Ton/(Ton+Toff)
D=Ton/(Ton+Toff)
図3から分かるように、液面が振動していない状態の液面レベル(以下、実液面レベルLrと称する)が高くなるほど、デューティ比Dは小さくなり、実液面レベルLrが低くなるほど、デューティ比Dは大きくなる。また、局所液面レベルLpの振動周期は、リザーバタンク26の形状およびフルードの粘度によって一意に決まる。従って、デューティ比Dと実液面レベルLrは相関関係を有しており、この相関関係が予め分かっていれば、デューティ比Dに基づいて実液面レベルLrを推定することができる。
図4は、本実施の形態に係る液面レベル検出装置100を示す図である。液面レベル検出装置100は、リザーバタンク26内のフルードの実液面レベルLrをリニアに検出可能である。液面レベル検出装置100は、上述の液面レベルスイッチ102と、前後Gセンサ105と、横Gセンサ106と、デューティ比演算部108と、液面レベル推定部110と、記憶部112とを備える。
デューティ比演算部108、液面レベル推定部110、および記憶部112は、ECU200によって実現される機能ブロックである。図3に示すECU200の機能ブロックは、液面レベル検出機能に関与する構成のみを示している。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
デューティ比演算部108は、液面レベルスイッチ102から、たとえば図3(b)に示すようなオンオフ信号を受け取り、オン信号のデューティ比Dを演算する。
記憶部112は、デューティ比Dと、実液面レベルLrとの相対関係を予め記憶している。記憶部112は、リザーバタンク26内のフルードに印加される加速度の方向ごとに、複数の異なる相対関係を記憶している。これは、リザーバタンク26内のフルードに印加される加速度の方向によって、局所液面レベルLpの振動周期が異なるためである。本実施の形態では、前後G方向と、横G方向の2つの加速度方向に対応するデューティ比Dと実液面レベルLrの相対関係を有している。この相関関係は、実験やシミュレーションによって適宜決定することができる。
記憶部112は、前後Gセンサ105、横Gセンサ106からの情報に基づいて、リザーバタンク26内のフルードに、前後G方向、横G方向のいずれの方向の加速度が印加さされているかを判定し、判定した加速度方向に対応するデューティ比Dと実液面レベルLrの相対関係を記憶部112から選択する。そして、選択した相関関係を参照して、デューティ比演算部108により演算されたデューティ比Dから実液面レベルLrを推定する。
このように、本実施の形態に係るブレーキ制御装置10によれば、オンオフ信号を出力するだけの液面レベルスイッチ102を用いて、実液面レベルLrを検出することができる。従来より車両に搭載されている液面レベルスイッチ102を用いているので、安価な構成により液面レベル検出装置を実現できる。
また、本実施の形態では、リザーバタンク26内のフルードに印加される加速度の方向に応じて、参照するデューティ比Dと実液面レベルLrの相対関係を変えているので、実液面レベルLrの検出精度を高めることができる。
次に、液面レベル検出装置100を用いたブレーキ制御装置10の動作について説明する。リザーバタンク26内にフルードが十分あり、通常制御モードで動作していた車両のブレーキ制御装置において、フルードの液漏れが発生したとする。この場合、リザーバタンク26の液量が低下するが、本実施の形態に係る液面レベル検出装置100は、実液面レベルLrの連続的な低下を検出できるので、ECU200は、実液面レベルLrの低下速度に基づいて、実液面レベルLrが基準液面レベルLsまで低下するタイミングを演算する。そして、そのタイミングより前に、警告ランプ54を点灯させることにより、運転者に警報を発出する。警報はブザーなどの音によるものであってもよい。これにより、運転者は、早期に車両の点検等の措置を講じることができる。警報を発出させるタイミングは、基準液面レベルLsの低下速度に応じて設定することが好ましい。たとえば、基準液面レベルLsの低下速度が速い場合は、早めに警報を発出するよう設定する。
その後、さらに実液面レベルLrが低下した場合、ECU200は、通常制御モードからフェイルセーフモードへの切り替えの前に、たとえば増圧弁40RL、40RRの開度を調整することにより、実液面レベルLrの低下度合いに応じて制動力を漸次低下させる。これにより、実液面レベルLrが基準液面レベルLsまで低下して制御モードが通常制御モードからフェイルセーフモードに切り替えられた場合でも、急激な制動力の低下を抑制できる。
また、液面レベル検出装置100を用いることにより、実液面レベルLrが連続的に低下しているのか否かが分かるので、基準液面レベルLs付近で局所液面レベルLpが振動した場合でも、制動モードの変更が頻繁に行われたり、警告ランプ54が点滅したりする事態を防ぐことができる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10 ブレーキ制御装置、 14 マスタシリンダ、 20 ホイールシリンダ、 26 リザーバタンク、 34 オイルポンプ、 40 増圧弁、 42 減圧弁、46 ストロークセンサ、 54 警告ランプ、 80 油圧アクチュエータ、 100 液面レベル検出装置、 102 液面レベルスイッチ、 105 前後Gセンサ、 106 横Gセンサ、 108 デューティ比演算部、 110 液面レベル推定部、 112 記憶部。
Claims (4)
- リザーバタンク内のフルードの液面レベルをリニアに検出する液面レベル検出装置であって、
リザーバタンク内の所定の位置におけるフルードの液面レベルが所定の基準液面レベル以上であるか否かを判定し、液面レベルが前記基準液面レベル以上である場合の第1信号と、液面レベルが前記基準液面レベル未満である場合の第2信号とからなる2値信号を出力する液面レベルスイッチと、
前記液面レベルスイッチから第1信号と第2信号からなる2値信号を受け取り、第1信号または第2信号のデューティ比を演算する演算部と、
第1信号または第2信号のデューティ比と、リザーバタンク内のフルードの液面レベルとの相対関係を予め記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記相対関係を参照して、前記演算部により演算されたデューティ比からリザーバタンク内のフルードの液面レベルを推定する推定部と、
を備えることを特徴とする液面レベル検出装置。 - リザーバタンク内のフルードに印加される加速度の方向を検出する加速度方向検出部をさらに備え、
前記記憶部は、リザーバタンク内のフルードに印加される加速度の方向ごとに、複数の前記相対関係を記憶しており、
前記推定部は、前記加速度方向検出部によって検出された加速度方向に応じて前記記憶部から一つの前記相対関係を選択し、選択した該相対関係を参照して、前記演算部により演算されたデューティ比からリザーバタンク内のフルードの液面レベルを推定することを特徴とする請求項1に記載の液面レベル検出装置。 - リザーバタンク内のフルードの液面レベルが所定の制御モード切替液面レベル未満となった場合に、所定の第1制御モードから、前記第1制御モードよりも発生可能な制動力の低い第2制御モードに制御モードを切り替えるブレーキ制御装置であって、
請求項1または2に記載の液面レベル検出装置と、
前記第1制御モードから前記第2制御モードへの切り替えの前に、前記液面レベル検出装置により検出された液面レベルの低下度合いに応じて制動力を漸次低下させる制御部と、
を備えることを特徴とするブレーキ制御装置。 - 前記液面レベル検出装置により検出された液面レベルの変化速度に基づいて、液面レベルが前記制御モード切替液面レベルまで低下するタイミングを推定し、該タイミングの前に運転者に警報を発出する警報発出部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のブレーキ制御装置。
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